JP6634197B2 - 固相レジンを用いた環状ペプチド化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固相レジンを用いた環状ペプチド化合物の製造方法に関する。
感染症の治療において、病原細菌に対する抗生物質は必要不可欠なものである。しかしながら、抗生物質を適正に使用しない場合には、耐性菌を生み出すこととなる。
抗生物質に耐性を有する耐性菌に対しては、当該抗生物質は治療上有効ではないため、別の抗生物質を使用する必要がある。
そのような使用実績において、複数の抗生物質に耐性を有する多剤耐性菌が出現し臨床上大きな問題となっている。
多剤耐性菌に対する新たな治療薬として、これまでに、完全化学合成による抗生物質であるリネゾリドが創出されている。
また、本発明者らのグループによって構築された、カイコ(カイコがの幼虫)を実験動物とする「カイコ黄色ブドウ球菌感染モデル」を用いて、従来の薬剤とは異なる化学構造を有する新規な環状ペプチド化合物が見いだされている(特許文献1)。
特開2012−6917号公報
特許文献1に開示される、式(1)で表される環状ペプチド化合物は、微生物の培養物から得られた化合物である。本発明者らは、化学合成によりかかる環状ぺプチド化合物を全合成するルートを提供することを目的とした。
本発明が解決しようとする課題は、環状ペプチド化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、固相レジンを用いることにより、環状ペプチド化合物を製造することができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
下記式(I)で表される化合物を、酸と反応させることにより、下記式(II)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法。
式(I):
(式(I)中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9の少なくとも1つの基は、固相レジンに結合し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうち、固相レジンに結合していない基は、それぞれ独立して、酸により脱保護される保護基を示し、
R10は、置換基を有していてもよい炭素数が7、9又は9のアシル基を示し、
R11は、メチル基又は水素原子を示し、
R12は、エチル基又はメチル基を示す。)
式(II):
(式(II)中、
R13は、置換基を有していてもよい炭素数が7、8又は9のアシル基を示し、
R14は、メチル基又は水素原子を示し、
R15は、エチル基又はメチル基を示す。)
[2]
固相レジンが、Wangレジン又はトリチルレジンである、[1]に記載の方法。
[2−1]
固相レジンが、バルロス(Barlos)レジンである、[1]又は[2]に記載の方法。
以下、「[2]」には、上記[2]及び[2−1]を意味する。
[3]
R1が、固相レジンに結合している、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
R10における置換基が、酸で脱保護される保護基で保護されたヒドロキシ基であり、R13における置換基がヒドロキシ基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
R10が、3−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイル基、3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイル基、及び3−ヒドロキシ−7−メチルオクタノイル基からなる群から選択される基であり、ヒドロキシ基が酸で脱保護される保護基で保護される、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
酸で脱保護される保護基が、t−ブチル(t−Bu)基、t−ブチルジメチルシリル(TBS)基、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、及びトリチル(Tr)基からなる群から選択される基である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
下記式(III)で表される化合物を、溶媒中、酸と反応させることにより、下記式(IV)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法。
式(III):
(式(III)中、
R1は、固相レジンに結合する。)
式(IV):
[8]
酸が、塩酸、硫酸、及びトリフルオロ酢酸から選択される群からなる少なくとも1種である、請求項[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、環状ペプチド化合物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について以下詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の固相レジンを用いた環状ペプチド化合物の製造方法は、下記式(I)で表される化合物を、酸と反応させることにより、下記式(II)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法である。
式(I):
(式(I)中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9の少なくとも1つの基は、固相レジンに結合し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうち、固相レジンに結合していない基は、それぞれ独立して、酸により脱保護される保護基を示し、
R10は、置換基を有していてもよい炭素数が7、8又は9のアシル基を示し、
R11は、メチル基又は水素原子を示し、
R12は、エチル基又はメチル基を示す。)
式(II):
(式(II)中、
R13は、置換基を有していてもよい炭素数が7、8又は9のアシル基を示し、
R14は、メチル基又は水素原子を示し、
R15は、エチル基又はメチル基を示す。)
「R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9の少なくとも1つの基は、固相レジンに結合し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうち、固相レジンに結合していない基は、それぞれ独立して、酸により脱保護される保護基を示す」とは、例えば、R1が固相レジンに結合している場合、R1以外の、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が、固相レジンに結合していない基として、酸により脱保護される保護基であることを意味する。
固相レジンに結合する基は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうち特に限定されるものではないが、R1、R4、R7であることが好ましく、R1であることがより好ましい。
酸で脱保護される保護基は、ペプチド合成において通常用いられる保護基を用いることができ、例えば、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(4th edition)に記載される保護基を用いることができる。
酸で脱保護される保護基としては、具体的には、t−ブチル(t−Bu)基、t−ブチルジメチルシリル(TBS)基、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、及びトリチル(Tr,トリフェニルメチル)基等が挙げられ、O(酸素官能基)の保護基としては、例えば、t−ブチル(t−Bu)基、t−ブチルジメチルシリル(TBS)基等が挙げられ、N(窒素官能基)の保護基としては、例えば、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、トリチル(Tr)基等が挙げられる。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が、酸により脱保護される保護基である場合には、R1、R4及びR7は、t−ブチル(t−Bu)基、t−ブチルジメチルシリル(TBS)基であることが好ましく、R2、R3、R5、R6、R8及びR9は、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、トリチル(Tr)基であることが好ましい。
固相レジンに結合するとは、リンカーを介して、固相レジンに結合していてもよく、固相レジンに直接結合していてもよい。
固相レジンと、式(I)で表される化合物との結合は、共有結合であることが好ましく、固相レジンとしては、ペプチド合成において通常用いられる固相レジンを用いることができる。ペプチド合成に用いられる固相レジンとしては、ペプチド合成において通常用いられている、酸処理により、固相レジンと本化合物との共有結合が解離されるレジンを用いることができ、例えば、Houben-Weyl Synthesis of Peptides and Peptidomimeticsに記載されるWangレジン、トリチルレジン等が挙げられる。トリチルレジンとは、トリチル構造を解して共有結合しているレジンであって、2−クロロ−2−トリチルレジンであるバルロス(Barlos)レジンであることが好ましい。
R10は、置換基を有していてもよい炭素数が7、8又は9のアシル基を示し、該置換基としては、酸で脱保護される保護基で保護されたヒドロキシ基であることが好ましい。R10におけるアシル基としては、炭素数7〜9のアシル基であれば特に限定されるものではないが、メチル置換されたアシル基であることが好ましく、置換基を有していてもよいメチルヘキサノイル基、メチルヘプタノイル基、メチルオクタノイル基等が挙げられる。
R10としては、3−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイル基、3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイル基、及び3−ヒドロキシ−7−メチルオクタノイル基であって、ヒドロキシ基が酸で脱保護される保護基で保護されていることが好ましい。
ヒドロキシ基の酸で保護される保護基としては、ペプチド合成において通常用いられる保護基を用いることができ、例えば、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(4th edition)に記載される保護基を用いることができ、t−ブチル(t−Bu)基、t−ブチルジメチルシリル(TBS)基等が挙げられる。
R1〜R9として、酸により脱保護される保護基である基については、酸処理により保護基は脱保護され、また、固相レジンに結合している基については、酸処理により固相レジンとの共有結合が解離される。
また、R10が、酸で脱保護される保護基で保護されたヒドロキシ基である場合には、該ヒドロキシ基の保護基も酸処理によりR1〜R9の脱保護と同時に脱保護される。
R13は、置換基を有していてもよい炭素数が7、8又は9のアシル基を示し、R10に由来する基である。R10において置換基が酸により脱保護される保護基を有する場合、保護基が脱保護された基がR13における置換基となる。例えば、R10が、酸で脱保護される保護基で保護されたヒドロキシ基を有する場合、R13における置換基は、ヒドロキシ基となる。
本発明の製造方法としては、下記式(III)で表される化合物を、酸と反応させることにより、下記式(IV)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法をも提供する。
式(III):
(式(III)中、
R1は、固相レジンに結合する。)
式(IV):
上記式(I)で表わされる化合物としては、下記式(V)で表わされる化合物であってもよい。
式(V):
式(I)、式(II)及び式(V)における各不斉炭素の立体については、各ビルディングブロックの立体に由来するが、L体及びD体あるいはR体及びS体のいずれかに由来する一方の異性体の立体構造であってもよく、L体とD体あるいはR体及びS体の任意の比率の立体構造であってもよく、ラセミ体であってもよい。
式(I)、式(II)及び式(V)における各不正炭素の立体については、式(III)又は式(IV)における立体に準じた構造であることが好ましい。
下記式(I)で表される化合物を、酸と反応させることにより、下記式(II)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法においては、特に限定されるものではないが、ペプチド合成において通常用いられる酸が用いられ、また、反応温度、反応時間等の反応条件についても、ペプチド合成において通常行われる反応条件であれば特に限定されるものではない。
酸としては、特に限定されるものではないが、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられ、トリフルオロ酢酸であることが好ましい。
酸としては、水を混合させた水溶液であってもよく、90%酸水溶液、95%酸水溶液、97%酸水溶液、98%酸水溶液などを用いることができる。
溶媒を用いてもよく、溶媒として特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。
以下に、本発明の製造方法として、式(III)で表される化合物を、酸と反応させることにより、式(IV)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法を例示して説明するが、当該例示する方法に基づいて、適宜必要な改編を行うことで、式(I)で表される化合物を、酸と反応させることにより、式(II)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法としても実施することができる。
式(III)で表わされる化合物は、R1〜R9として適切な保護基を有する環状ペプチド化合物を合成し、固相レジンに結合することもできるが、固相レジン上で、適切なビルディングブロックを用いて順次アミド結合及び/又はエステル結合を形成させ、次いで、固相レジン上で、マクロ環化して得ることができる。
ペプチド鎖を伸長させるアミノ酸残基の順次の結合は、N末端側へと伸長させてもよく、C末端側へと伸長させてもよい。
固相レジン上で酸により脱保護することにより、本発明における所望の環状ペプチド化合物とすることができるが、本発明の製造方法においては、全ての保護基及び固相レジンを一度の酸による脱保護反応により行うことができるため、効率的な製造方法を提供することができる。また、固相レジン上で合成することにより、全ての反応をオートメーション化して行うことができる点でも簡便な方法として実施することができる。
式(III)で表される化合物を製造するためのビルディングブロックとしては、下記化合物(4)〜(14)が挙げられる。
化合物14以外の化合物については、市販品を入手することができ、また、適宜、公知の方法に準じて合成することもできる。なお、化合物(4)〜(13)については、アミノ酸側鎖の保護基が、Boc基、Tr基、t−Bu基で記載しているが、適宜他の保護基に置換して用いてもよい。アミノ酸主鎖のN保護基としては、特に限定されるものではなく、適宜適切な保護基を選択してもよいが、Fmoc基が好適な保護基として挙げられる。なお、C末端側へとペプチド鎖長を伸長させていく場合には、アミノ酸主鎖のカルボン酸が保護され、アミノ基がフリーである誘導体を用いることにより行ってもよい。
化合物14については、具体的には、実施例において示すが、以下のスキーム1に従って合成することができる。
酢酸エチル(15)をLDA(リチウム ジイソプロピルアミド)で処理して応答するリチウムエノレートとした後に、in situでイソバレリルクロリド(16)と反応させて1,3−ジケトン(17)を50%収率で得る。化合物17の野依触媒を用いた立体選択的なアシンメトリック水素添加反応により、(3R)−3−ヒドロキシエステル(18)を得る。化合物18の水酸化ナトリウム水溶液を用いた水和反応、続いての化合物20との縮合反応により、アミド化合物21へと導く。化合物21のTBS保護、続いてのベンジル保護基の脱保護によって化合物14を得ることができる。化合物21においてTBS基により保護しているが、酸により脱保護される基であれば、他の保護基を用いてもよい。
スキーム1:
スキーム1中、3−メチルブタノイルクロライドである化合物16に代えて、例えば、4−メチルペンタノイルクロライド、5−メチルヘキサノイルクロライドを用いることで、式(I)で表わされる化合物のR10とすることができる。
式(III)で表わされる化合物は、以下のスキーム2及びスキーム3に従って合成することができる。
グルタミン酸誘導体(4)の側鎖に、バルロスレジンを結合させる。バルロスレジン上で、順次アミノ酸残基を結合させて、直鎖のデプシペプチド(3)を与え、マクロ環化させることで、スキーム3において化合物2として示される式(III)で表わされる化合物を合成することができる。なお、本明細書のスキームでは、バルロスレジンを球で示す。
スキーム2:
スキーム2において示されるように、Fmoc保護のアリルエステル化合物(4)をバルロスレジンに結合させ、次いで、Fmoc保護基の脱保護をピペリジンを用いて行い、バルロスレジン上にグルタミン酸の側鎖を介して結合されたグルタミン酸アリルエステル(23)を得る。固相ペプチド合成については特に限定されるものではないが、マイクロ波支援ペプチド合成(micro-assisted solid phase peptide synthesis)により行うことができる。反応条件としては、各縮合・脱保護反応として、40℃で3−10分間反応を行うことが好ましい。化合物5−9及び化合物5を用いて、マイクロ波の照射下、HBTU/HOBt活性化法により6アミノ酸残基(ビルディングブロック)を順次縮合させて、固相レジンに結合したペプチド化合物24を得る。化合物7を用いて縮合させる際に、化合物7に代えて、Me保護基のないFmoc−D−Phe−OHをビルディングブロックとして用いることにより、R11が水素原子である化合物を製造することができる。ぺプチド化合物24と化合物14の縮合は、室温で、マイクロ波を照射せずに行うことが、化合物14のエピ化を防止する上で好適である。化合物14を用いて縮合させる際に、R10に相当する構造を有する化合物に代えて縮合反応を行うこともできる。該縮合により得られた化合物10と2級アルコール化合物25との反応は、2級アルコールの反応性から、10当量の化合物10を用いて、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)とジメチルアミノピリジン(DMAP)を縮合剤として、4℃で2時間の反応を3回繰り返して行うことが好適である。得られる化合物26に対しては、マイクロ波支援ペプチド合成を再度行って、化合物11−13を用いて、3アミノ酸残基を順次縮合させて、バルロスレジン上に結合した直鎖状のデプシペプチド化合物3を得る。化合物11を用いて縮合させることで、R12はエチル基となるが、化合物11に代えて、Fmoc−L−Val−OHをビルディングブロックとして用いることにより、R12がメチル基である化合物を製造することができる。
スキーム3:
スキーム3に示すように、化合物3のアリル保護基を、Pd(PPhと過剰量のモルホリンを用いて脱保護して、マクロラクタム前駆体27とする。環化前駆体27のマクロ環化は、固相上で行う。
マクロ環化により得ることのできる化合物2は、式(III)で表わされる化合物である。
式(III)で表される化合物を、酸により、好ましくは、トリフルオロ酢酸により、より好ましくは、95%トリフルオロ酢酸水溶液により脱保護を行う。酸による脱保護において、バルロスレジンと環状ペプチド化合物との結合が切れ、同時に、保護基の脱保護が行われ、式(IV)で表される環状ペプチド化合物(化合物1)が、バルロスレジンから遊離する。
脱保護の反応条件としては、特に限定されるものではないが、氷冷〜50℃の温度で、10分から24時間、行うことが挙げられ、室温で数時間、好ましくは1〜4時間、より好ましくは2〜3時間反応させることが好ましい。
バルロスレジンから遊離した式(IV)で表される環状ペプチド化合物は、ペプチド合成における公知の手法により精製することができるが、逆相HPLCカラムにより精製することが好ましい。
本発明においては、上記式(IV)で表される環状ペプチド化合物の製造方法に基づいて、当業者が適宜改編することにより、式(II)で表される環状ペプチド化合物を、式(I)で表される化合物を酸と反応させることによって製造することができる。
式(I)で表される化合物を酸と反応させることによって、固相レジンからの脱離と、脱保護を同時に行うことができ、簡便に、式(II)で表される環状ペプチド化合物を製造することができる。
以下、本実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施形態に用いられる測定方法は以下のとおりである。
H−NMR(400MHz)及び13C−NMR(100MHz)スペクトルは、JEOL ECS 400スペクトロメーターを用いて測定した。化学シフトは、各溶媒(CDClH δ7.26、13C δ77.0、(CDSO;H δ2.50、13C δ39.5)を内部標準として、δ(ppm)で表した。
IRは、JASCO FT/IR−4100スペクトロメーターを用いて測定した。
MALDI−TOF MS分析は、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸をマトリックスとして、Shimadzu Biotec Axima−TOF質量分析器を用いて測定した。ESI−TOF MS分析は、JEOL T100LP質量分析器を用いて測定した。
旋光度は、JASCO P−2200旋光度計を用いて測定した。
ペプチド固相合成は、マイクロ波支援合成機EYELA MWS−1000で行った。
HPLCは、送液ポンプ(PU−2089 Plus)、UV検出器(UV−2070 Plus)及びInertsil ODS 4(10×250mm)カラムを備えたJasco HPLCシステムを用いて、流速3.0mL・minで行った。溶出液を280nmのUVで検出した。
全ての反応を、UV光(254nm)下、MERCK TLC plates silica gel 60 F254上でモニターし、ホスホモリブデン酸(10% エタノール溶液)か、p−アニスアルデヒド(50mL)、酢酸(10mL)、エタノール(900mL)及び濃硫酸(50mL)で調整したアニスアルデヒド溶液で発色させた。
Flashカラムクロマトは、MERCK Silica gel 60(40−63μm)又はKANTO Silica gel 60N(40−50μm)を用いて行った。
製造例(seco acid 14の合成)
1,3-diketone 17
ジイソプロピルアミン(4.95mL,33mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(THF,18.8mL)溶液を撹拌下、n−BuLiのヘキサン溶液(1.6M,20.6mL,30mmol)を−20℃にて滴下した。10分後、反応液中に、酢酸エチル(2.95mL,30mmol)を−78℃にて添加した。反応混合物を30分間撹拌した後、該混合物中に、3−メチルブタノイルクロライド(3.65mL,30mmol)の乾燥THF(5mL)溶液を滴下した。反応混合物をさらに30分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水(30mL)でクエンチし、ジエチルエーテル(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィによる精製(ヘキサン/ジエチルエーテル=10/1)により、1,3−ジケトン(17)を得た(2.69g,50%,無色オイル)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) d0.93 (6H, d, J = 6.7 Hz), 1.28 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.16 (1H, sept, J = 6.7 Hz), 2.41 (1H, d, J = 6.7 Hz), 3.4 (2H, s), 4.2 (2H, q, J = 7.1 Hz); CAS 34036-16-3.
Alcohol 18
(R)−BINAP(53mg,0.0084mmol)及び[(benzene)RuCl(20mg,0.04mmol)を、アルゴン雰囲気下、ジメチルホルムアミド(DMF,1mL)に溶解した。反応混合物を100℃で10分間撹拌した後、減圧下、溶媒を留去して、オレンジ色のオイルとして触媒を得た。1,3−ジケトン(17,1.15mL,6.7mmol)のメタノール(1mL)溶液中に、得られた触媒を添加し、得られた反応混合物をオートクレーブ中に移し、H(10バール)パージした。H雰囲気下、反応混合物を50℃で2日間撹拌した。室温にて、Hを注意深くベントした後、溶媒を留去し、残渣を直接、シリカゲルのパッドにチャージした。シリカゲルクロマトグラフィによる精製(ヘキサン/ジエチルエーテル=5/1)により、アルコール(18)を得た(820mg,70%,無色オイル)。
[a]D 20 = -13.6 (c 5.5, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 0.91 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.18 (1H, ddd, J = 10.6, 7.2, 2.8 Hz), 1.27 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.49 (1H, ddd, J = 11.4, 7.2, 4.8 Hz), 1.75-1.85 (1H, m), 2.38 (1H, dd, J = 13.2, 7.6 Hz), 2.48 (1H, dd, J = 13.2, 2.8 Hz), 2.89 (1H, d, J = 3.2 Hz), 4.08 (1H, s, br), 4.17 (2H, q, J = 7.3 Hz); CAS 159419-34-8.
Carboxylic acid 19
アルコール(18,810mg,4.65mmol)のTHF(23mL)溶液を撹拌下、2M水酸化ナトリウム水溶液(23mL)を0℃にて添加した。40℃で3時間撹拌した後、反応混合物は室温に冷却され、エテール(10mL)で洗浄した。水層は、1M塩酸(pH=1)で酸性化し、ジエチルエーテル(50mL)で3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、カルボン酸(19)を得た(610mg,90%,白色固体)。
[a]D 25 = -13.8 (c 9.0, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 0.92 (6H, d, J = 6.4 Hz), 1.22 (1H, ddd, J = 13.6, 8.6, 6.4 Hz), 1.51 (1H, ddd, J = 13.6, 8.7, 7.1 Hz), 1.80 (1H, m), 2.46 (1H, dd, J = 16.5, 8.7 Hz), 2.55 (1H, dd, J = 13.2, 3.2 Hz), 4.12 (1H, dddd, J = 8.6, 7.1, 4.1, 3.2 Hz), CAS 132328-50-8.
Alcohol 21
カルボン酸(19,215mg,1.47mmol)の無水DMF(1.5mL)溶液を撹拌下、HOBt(198mg,1.47mmol)及びEDC・HCl(423mg,2.2mmol)を0℃にて添加した。5分後、反応混合物中に、2,4,6−コリジン(962μL,7.35mmol)を添加し、反応液をさらに5分間撹拌した。反応混合物中に、(2S,3R)−benzyl 2−amino−3−(benzyloxy)butanoate oxalate (601mg,1.54mmol)を添加し、その後反応混合物は、40℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、酢酸エチル(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層を0.1M塩酸(20mL)で2回、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)で3回、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィによる精製(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)により、アルコール(21)を得た(483mg,77%,無色オイル)。
[a]D 20 = -16.4 (c 1.5, CHCl3); IR (film) 697, 739, 1090, 154, 1308, 1370, 1455, 1525, 1652, 1747, 2954, 3031, 3068, 3333 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 0.92 (6H, d, J = 6.4 Hz), 1.20 (1H, m), 1.21 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.46 (1H, m), 1.80 (1H, m), 2.30 (1H, dd, J = 15.1, 8.2 Hz), 2.43 (1H, dd, J = 15.1, 2.7 Hz), 3.77 (1H, d, J = 4.1 Hz), 4.06 (1H, m), 4.15 (1H, dq, J = 6.4, 2.3 Hz), 4.25 (1H, d, J = 11.9 Hz), 4.48 (1H, d, J = 11.9 Hz), 5.10 (2H, s), 6.81 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.17 (2H, m), 7.23-7.28 (8H, m), 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d16.2, 21.9, 23.1, 24.3, 42.7, 45.5, 56.4, 66.4, 67.2, 70.7, 74.0, 127.5, 127.7, 128.2, 128.3, 128.38, 128.41,136.24, 137.5, 170.3, 172.8 ;HRMS (MALDI) calcd for C25H33NO5Na [M+Na]+ 450.2256, found 450.2361.
TBS ether 22
アルコール(21,483mg,1.13mmol)の乾燥DMF(5.6mL)溶液を撹拌下、TBSCl(511mg,3.39mmol),トリエチルアミン(953μL,6.78mmol)及びジメチルアミノピリジン(138mg,1.13mmol)を室温で添加した。反応混合物を40℃に昇温し、2時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)でクエンチし、ジエチルエーテル(10mL)で3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィによる精製(ヘキサン/ジエチルエーテル=3/1)により、TBSエーテル(22)を得た(507mg,90%,無色オイル)。
[a]D 25 = -0.9 (c 5.0, CHCl3); IR (film) 697, 724, 751, 776, 836, 1090, 1255, 1516, 1676, 1749, 2954, 3365 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 0.06 (3H, s), 0.07 (3H, s), 0.85 (9H, s), 0.87 (6H, d, J = 6.9 Hz), 1.20 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.53 (2H, sept, J = 6.8 Hz), 1.65 (1H, dq, J = 13.8, 6.9 Hz), 2.40 (1H, dd, J = 15.6, 4.6 Hz), 2.59 (1H, dd, J = 15.6, 5.0 Hz), 4.11 (2H, ddd, J = 11.4, 6.9, 4.6 Hz), 4.17 (2H, qd, J = 6.0, 2.0 Hz), 4.28 (1H, d, J = 11.9 Hz), 4.48 (1H, d, J = 11.9 Hz), 4.75 (1H, dd, J = 9.6, 2.0 Hz), 5.06 (1H, d, J = 12.4 Hz), 5.16 (1H, d, J = 12.4 Hz), 7.13 (2H, m), 7.25-7.30 (8H, m), 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d -4.70, -4.60, 16.4, 18.0, 22.7, 23.0, 24.7, 25.8, 43.4, 45.1, 56.6, 66.9, 68.0, 70.8, 74.3, 127.6, 127.7, 128.25, 128.27, 128.34, 128.5, 135.5, 137.9, 170.5, 171.7; HRMS (MALDI) calcd for C31H47NO5Si5Na [M+Na]+ 564.3116, found 546.3068.
Amide 14
TBSエーテル(22,507mg,0.936mmol)のエタノール(10mL)溶液に、10%Pd(OH)/C(51mg)を添加し、容器中の大気をHで置換した。H2雰囲気下、室温で2時間撹拌した後、反応混合物をセライトパッドを通してろ過し、ろ液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィによる精製(クロロホルム/メタノール=3/1)により、アミド(14)を得た(330mg,97%,白色固体)。
[a]D 25 = -10.2 (c 1.2, CHCl3); IR (film) 667, 776, 809, 836, 942, 1005, 1968, 1142, 255, 1387, 1471, 1539, 1651, 1732, 2858, 2956, 3340 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 0.11 (6H, s) , 0.87 (6H, d, J = 6.9 Hz), 0.91 (9H, s), 1.23 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.43 (2H, dd, J = 7.3 Hz), 1.63 (1H, sept, J = 6.9 Hz), 2.44 (1H, dd, J = 15.2, 4.1 Hz), 2.63 (1H, dd, J = 15.2, 4.1 Hz), 4.13 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J = 6.4, 2.3 Hz), 4.46 (1H, qd, J = 4.3, 2.3Hz), 7.40 (1H, d, J = 6.4 Hz), 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d -4.24, -4.12, 18.0, 19.3, 22.6, 22.9, 24.6, 25.8, 43.3, 45.6, 57.5, 67.2, 68.0, 173.0, 173.4; HRMS (MALDI) calcd for C17H35NO5SiNa [M+Na]+384.2177, found 384.2050.
(固相ペプチド合成)
マイクロ波支援固相合成により固相ペプチドを合成した。ペプチドフラグメントは、マイクロ派支援ペプチド合成機EYELA MWS-1000上で調製した。標準的操作は以下のように行った。
ステップ1:固相担持ペプチドのFmoc基は、20%ピペリジン/DMF溶液で脱保護した(マイクロ波(200W)支援,3分,40℃)。
ステップ2:レジンを含む反応容器は、DMFで5回洗浄した。
ステップ3:ジイソプロピルエチルアミン(6eq)のDMF溶液中に、Fmoc保護アミノ酸(3eq)、HBTU(3eq)及びHOBt(3eq)を添加した。該溶液は、反応容器内にインジェクションされ、マイクロ波(200W)で支援して、40℃で10分間撹拌した。
ステップ4:レジンを含む反応容器は、DMFで5回洗浄した。
ステップ5:ステップ1〜4を繰り返し、アミノ酸を固相合成により縮合した。
H-L-Glu(Barlos resin)-OAllyl 23
アミノ酸ローディングは、Libraチューブを用いて行った。Barlosレジン(500mg)を、CHCl(5mL)中、膨潤させ、過剰の溶媒は、ろ過により除去した。Fmoc−L−Glu−OAllyl(,0.5mmol,204mg)及びジイソプロピルエチルアミン(DIEA,2.0mmol,357μL)のジクロロメタン(5mL)溶液を撹拌下、レジンを添加し、40分間撹拌した。該レジンを、ジクロロメタン(2.5mL)で2回、DMF(2.5mL)で2回、メタノール(2.5mL)で洗浄し、減圧下、1時間濃縮して、Fmoc−L−Glu(Barlosレジン)−OAllyl(604mg)を得た。なお、Fmoc−L−Glu−OAllylのローディング量は、以下の方法により決定した。乾燥させたBarlosレジン(11mg)に対して、20%ピペリジンジメチルホルムアミド溶液(1mL)を添加し、30分間撹拌した。上清液をジメチルホルムアミド(50mL)で希釈し、301nmでUV測定に供することにより、測定された吸光度(0.472)から、ローディング量は、0.270mmol/gと決定した。
得られたFmoc−L−Glu(Barlosレジン)−OAllylに対して、20%ピペリジンジメチルホルムアミド溶液(5mL)を添加し、20分間撹拌することで、H−L−Glu(Barlosレジン)−OAllyl(23)を得た。
Peptide 24
H−L−Glu(Barlosレジン)−OAllyl(23)は、6サイクルのマイクロ波支援固相ペプチド合成により、ペプチド化合物(24)を得た。
Peptide 25
ペプチド化合物(24)に、HBTU(342mg,0.90mmol)、HOBt(121mg,0.90mmol)、化合物(14,325mg,0.90mmol)及びDIEA(0.32mL,1.8mmol)のDMF/NMPの2/1混合溶液(2.7mL)を添加した。室温、40分後に、レジンを含有する反応容器をDMFで5度洗浄して、ペプチド化合物(25)を得た。
Peptide 26
ペプチド化合物(25)に、DIC(0.457μL,2.96mmol)及びFmocThr(tBu)OH(10,1.19g,2.99mmol)のDMF/CHCl=1/9の混合溶液(5mL)を添加した。0℃で5分後、反応混合物に、DMAP(36.6mg,0.299mmol)を添加した。2時間後、レジンを含有する反応容器をDMF/CHCl=1/9で5度洗浄した。3度繰り返し行って反応を完了させた。
Peptide 3
ペプチド化合物(26)に、3サイクルのマイクロ波支援固相ペプチド合成により、ペプチド化合物()を得た。
Peptide 27
ペプチド化合物()の脱気したCHCl溶液(5mL)に、Pd(PPh(87mg,0.75mmol)及びモルホリン(627μL,7.2mmol)を添加した。反応溶液を、アルゴンガスをバブリングしながら、室温で30分間撹拌した。レジンを含有する反応容器をCHClで5度洗浄して、ペプチド化合物(27)を得た。
Lactam 2
ペプチド化合物(27)のDMF/CHCl=1:9懸濁液(5mL)に、PyBOP(780mg,1.5mmol)及び2,4,6−コリジン(390μL,3.0mmol)を添加した。室温で11時間撹拌した後、レジンを含有する反応容器をCHClで2度、DMFで2度、再度CHClで2度洗浄して、ラクタム化合物()を得た。
Kaikosin E (1)
Libraチューブ中のラクタム化合物()に95%TFA水溶液を添加し、1時間撹拌した。反応混合物をろ過し、該TFA水溶液で3度洗浄し、さらに2時間ろ過液を撹拌した。
反応溶液を濃縮して、未精製ペプチドを得た。エーテル(3mL)を添加後、5000rpmで5分間遠心して、デカンテーションによりエーテル層を除去した。3度行い、凍結乾燥し、逆相HPLCを下記の条件で行って、カイコシンE()を得た。カイコシンEのRTは、7.6minであった。
HPLCの条件
カラム:Inertsil(R) SIL 100A 10×250mm
溶出液:HO/MeOH
検出:UV 280nm
溶出液を濃縮して、凍結乾燥することにより、カイコシンE(18mg,化合物13から4.7%収率)を白色固体として得た。
HRMS (ESI) calcd for C75H117N20O20 [M+H]+1617.8748, found 1617.8737; [a]D 2429.4 (c 0.35, MeOH); IR (film) 669, 702, 721, 742, 801, 1026, 1078, 1137, 1202,1416, 1536, 1629, 2341, 2360, 2958, 3273 cm-1.
本発明は、環状ペプチド化合物である抗生物質の製造方法を提供することができる。

Claims (8)

  1. 下記式(I)で表される化合物におけるグルタミン酸残基のカルボキシル基と、下記式(I)で表される化合物におけるグルタミン残基のアミノ基との環化反応により、下記式(I)で表される化合物を製造し、
    次いで、下記式(I)で表される化合物を、酸と反応させることにより、下記式(II)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法。
    式(I):
    (式(I)中、
    1は、固相レジンに結合し、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して、酸により脱保護される保護基を示し、
    10は、置換基を有していてもよい炭素数が7、8又は9のアシル基を示し、
    11は、メチル基又は水素原子を示し、
    12は、エチル基又はメチル基を示す。)
    式(II):
    (式(II)中、
    13は、置換基を有していてもよい炭素数が7、8又は9のアシル基を示し、
    14は、メチル基又は水素原子を示し、
    15は、エチル基又はメチル基を示す。)
  2. 固相レジンが、Wangレジン又はトリチルレジンである、請求項1に記載の方法。
  3. 10における置換基が、酸で脱保護される保護基で保護されたヒドロキシ基であり、R13における置換基がヒドロキシ基である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 10が、3−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイル基、3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイル基、及び3−ヒドロキシ−7−メチルオクタノイル基からなる群から選択される基であり、ヒドロキシ基が酸で脱保護される保護基で保護される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 酸で脱保護される保護基が、t−ブチル(t−Bu)基、t−ブチルジメチルシリル(TBS)基、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、及びトリチル(Tr)基からなる群から選択される基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 下記式(III)で表される化合物におけるグルタミン酸残基のカルボキシル基と、下記式(III)で表される化合物におけるグルタミン残基のアミノ基との環化反応により、下記式(III)で表される化合物を製造し、
    次いで、下記式(III)で表される化合物を、酸と反応させることにより、下記式(IV)で表される環状ペプチド化合物を製造する方法。
    式(III):
    (式(III)中、
    1は、固相レジンに結合する。)
    式(IV):
  7. 環化反応の前に、以下のビルディングブロックを用いて式(III)で表される化合物を製造する、請求項6に記載の方法。
  8. 酸が、塩酸、硫酸、及びトリフルオロ酢酸から選択される群からなる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
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