JP3997141B2 - チロペプチンa類縁体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロテアソーム阻害活性を有し且つ抗腫瘍活性を示す新規な生理活性化合物であるチロペプチンA類縁体およびその製造法に関する。さらに本発明は、該チロペプチンA類縁体を有効成分とする医薬組成物に関する。本発明の新規化合物はプロテアソーム阻害活性を有し、プロテアソームが関与する病気の治療剤、例えば抗リウマチ薬、抗炎症薬、免疫調節薬、抗腫瘍薬、あるいは蛋白質分解亢進に基づく病態の軽減薬などとして使用される生理活性物質として期待される。
【0002】
【従来の技術】
チロペプチンAは、本発明者らによって、放線菌の一種である キタサトスポラ属に属するチロペプチンA生産菌 キタサトスポラ・エスピー(Kitasatospora sp.)MK993− dF2株(経済産業省生産技術総合研究所生命工学工業技術研究所に寄託番号FERM P−18233で寄託された )の培養物より単離された新規化合物であり、次の構造式(A)を有する。
Figure 0003997141
チロペプチンAはプロテアソーム阻害活性を有し且つ抗腫瘍活性を示す生理活性化合物である(特願2001−138762号、2001年5月9日、出願)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
チロペプチンAは、N末端にアシル基としてイソバレリル基が結合している化合物である。チロペプチンAのイソバレリル基を種々のアシル基に変換してなるチロペプチンA類縁体、もしくはチロシン残基およびチロシナール残基のフェニル核上の水酸基の片方もしくは両方を、種々のO−アルキル基に変換したチロペプチンA類縁体、もしくはそれらの組み合わせによるチロペプチンA類縁体を新らたに合成して且つ検索することによって、チロペプチンAより強い阻害活性を有する新しい生理活性物質を発見できる可能性があることを、本発明者らは予見した。また、前記のようなチロペプチンA類縁体はプロテアソーム以外の種々の酵素阻害活性、および種々の生理活性を有する化合物の検索にも適した化合物群であるとも予想された。本発明の目的はそのような新しい一群のチロペプチンA類縁体を提供することにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らは、上記の要望に応えることができるチロペプチンA類縁体の開発と研究を促進してきた。その結果、既知の化合物のチロシノールから出発して、合成化学的手法により、チロペプチンAのN末端のイソバレリル基を種々のアシル基に変換した類縁体、もしくはチロシン残基およびチロシナール残基の水酸基の片方もしくは両方を種々のO−アルキル基に変換した類縁体、もしくはそれらの組み合わせによる類縁体を数工程で製造することができたことを知見し、またこれらはチロペプチンAよりも強いプロテアソーム阻害活性を有することを見いだした。本発明は、上記知見に基づき完成されたものである。
【0005】
すなわち、第1の本発明においては、一般式(I)
Figure 0003997141
〔式中、R1 は置換されていてもよいシクロアルキルメチル基、あるいは置換されていてもよいアラルキル基、あるいは置換されてもよいアリール基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子またはアルキル基を示〕で表される化合物である、チロペプチンA類縁体、もしくはその製薬学的に許容できる塩が提供される。
【0006】
第1の本発明による一般式(I)において、 R 1 であるアラルキル基は、置換されていてもよいフェニル−(C1〜C4)アルキル基、好ましくはベンジル基またはフェネチル基、あるいは置換されていてもよい1−または2−ナフチル−(C1〜C4)アルキル基であり、R1であるシクロアルキルメチル基は(C3〜C8)シクロアルキルメチル基であり、あるいは置換されてもよいアリール基はフェニル基またはナフチル基であり、またR2および(または)R3であるアルキル基は、(C1〜C6)アルキル基であることができる。
【0007】
一般式(I)のチロペプチンA類縁体は、そのフェノール性水酸基のところで製薬学的に許容できるアルカリ金属、例えばナトリウムとの塩を形成できる。
【0008】
般式(I)の化合物の具体例としては、以下の記載に限定されるものではないが、たとえば以下に示す9種の化合物が挙げられる。但し、以下に示す 9 種の化合物のうち、チロペプチン A2( 一般式 (I) R がアルキル基の一例としてのイソブチル基である時の化合物 ) とチロペプチン A3( 一般式 (I) R がアルキル基の一例としてのヘキシル基である時の化合物 ) は、第1の本発明(補正後の請求項1に係る)の範囲外であるけれども、チロペプチン A2 A3 の製造を例示する後記の実施例1〜2と、実施例1〜2の反応工程およびその手順を参照した本発明の実施例3、4、等との関連性から、本発明の一般式 (I) の化合物およびそれの製造法手順を理解する上で必要であるから、チロペプチン A2 A3 、ならびに一般式 (I) R がアルキル基である場合 ( 補正後の請求項1に係る本発明の範囲外である ) の化合物とその製法に関する説明も本明細書内に残留させることとする。
(1)一般式(I)において、R1がイソブチル基であり、R2およびR3がメチル基である化合物、すなわちチロペプチンA2。
(2)一般式(I)において、R1がヘキシル基であり、R2およびR3が水素原子である化合物、すなわちチロペプチンA3。
(3)一般式(I)において、R1がシクロヘキシルメチル基であり、R2およびR3が水素原子である化合物、すなわち前記の式(Ic)の化合物であるチロペプチンA4。
(4)一般式(I)において、R1がベンジル基であり、R2およびR3が水素原子である化合物、すなわち前記の式(Id)の化合物であるチロペプチンA5。
(5)一般式(I)において、R1が1−ナフチルメチル基であり、R2およびR3が水素原子である化合物、すなわち前記の式(Ie)の化合物であるチロペプチンA6。
【0009】
(6)一般式(I)において、R1が1−ナフチルメチル基であり、R2およびR3がメチル基である化合物、すなわち前記の式(If)の化合物であるチロペプチンA7。
【0010】
(7)一般式(I)において、R1が2−ナフチルメチル基であり、R2およびR3が水素原子である化合物、すなわち前記の式(Ig)の化合物であるチロペプチンA8。
【0011】
(8)一般式(I)において、R1が1−ナフチルメチル基であり、R2がメチル基であり、R3が水素原子である化合物、すなわち前記の式(Ih)の化合物であるチロペプチンA9。
(9)一般式(I)において、R1が1−ナフチルメチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基である化合物、すなわち前記の式(Ii)の化合物であるチロペプチンA10。
【0012】
本発明による一般式(I)で表されるそれぞれの具体例化合物であるチロペプチン A4 A10 について、前記のチロペプチン A2 A3 と共に、それらの融点、比旋光度、TLCのRf値、質量分析、高分解能質量分析、赤外線吸収スペクトルおよび核磁気共鳴スペクトルは後記の実施例の項に示す。
なお、以下には、本発明(補正後の請求項1に係る発明)による一般式 (I) のチロペプチン A 類縁体の範囲に属するチロペプチン A4 A10 の薬理学的活性を、本発明によらないチロペプチン A2 A3 の薬理学的活性と共に説明して記載する。
【0013】
さらに本発明のチロペプチンA類縁体のプロテアソーム阻害活性を次に記載する。
本発明による一般式(I)のチロペプチンA類縁体はプロテアソーム阻害活性を有する。このプロテアソーム阻害活性は、以下の方法によって測定した。即ち、マウス肝臓から調製したプロテアソームを含む画分を酵素として用い、基質としてはキモトリプシン様活性測定用の蛍光基質(Suc−Leu−Leu−Val−Tyr−MCA、ペプチド研究所製)を使用した。これらの酵素と基質とを、ドデシル硫酸ナトリウムとともに本発明による供試化合物(チロペプチンA類縁体)の存在下、もしくは非存在下で37℃にて20分間反応させた。
【0014】
その反応終了後、プロテアソームにより遊離した7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC)の蛍光の強さを蛍光光度計にて測定した。対照実験として、測定した検体すなわち本発明の供試化合物の非存在下で酵素反応を行った場合のAMCの蛍光の強さと、その検体の存在下で酵素反応を行った場合の試験で測定されたAMCの蛍光の強さとを比較することによって、プロテアソームの活性を50%阻害する検体(本発明のチロペプチンA類縁体)の濃度IC50(ng/ml)を測定した。
Figure 0003997141
【0015】
表1の結果から明らかなように、本発明による一般式(I)のチロペプチンA類縁体は、プロテアソームに対して強い阻害活性を有す。本発明によるチロペプチンA6、A8およびA10はチロペプチンAに比べて極めて強い阻害活性を示した。また本発明のチロペプチンA類縁体は既知のプロテアソーム阻害物質MG−132より、さらに強い阻害活性を示した。
【0016】
さらに本発明のチロペプチンA類縁体の癌細胞増殖抑制活性を次に記載する。
本発明による一般式(I)で表されるチロペプチン類縁体のヒト大腸ガン細胞HCT−8に対する増殖を50%抑制する濃度(IC50値)を、MTT法(「Journal of Immunological Methods」 65巻、55−60頁(1983年)参照)で測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0003997141
【0017】
表2の結果から明らかなように、本発明による一般式(I)のチロペプチンA類縁体は、チロペプチンAに比べ、ヒト大腸ガン細胞HCT−8の増殖を強く抑制することから抗腫瘍剤として有用である。
【0018】
前記の一般式(I)のチロペプチンA類縁体は、上記したようにプロテアソーム阻害活性をもつことから、プロテアソームが関与する疾病の治療または診断に有用であると期待され、また癌細胞増殖を抑制する活性を有する。
【0019】
従って、第2の本発明においては、一般式(I)のチロペプチンA類縁体の少くとも一つもしくはその製薬学的に許容できる塩を有効成分として含有し、また製薬学的に許容できる担体を含有することを特徴とする医薬組成物が提供される。この医薬組成物は抗腫瘍剤組成物であることができる。
【0020】
この医薬組成物においては、有効成分としての一般式(I)のチロペプチン類縁体あるいはその塩は製薬学的に許容できる常用の固体または液体担体、例えばエタノール、水、デンプン等と混和されている形の組成物であることができる。
【0021】
さらに、第3の本発明においては、前記の一般式(I)のチロペプチンA類縁体、もしくはその製薬学的に許容できる塩からなるプロテアソーム阻害剤が提供される。
【0022】
次に、第1の本発明の一般式(I)で表されるチロペプチンA類縁体の製造法について説明する。なお、前記のチロペプチン A2 A3 のように、一般式 (I) R がアルキル基である場合の化合物は、第1の本発明 ( 補正後の請求項1に係る発明 ) のチロペプチン A 類縁体に属さないけれども、一般式 (I) R がアルキル基である場合の化合物の製造法を含めた形で以下にチロペプチン A 類縁体の製造法を説明するものとする。
【0023】
次の一般式(I)
Figure 0003997141
のチロペプチンA類縁体において、式中のR1は、置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキルメチル基、アラルキル基またはアリール基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子もしくはアルキル基を示すものである。
【0024】
一般式(I)において、R2とR3とが共に水素原子である場合(i)と、R2とR3とが共にアルキル基である場合(ii)と、R2が水素原子でR3がアルキル基である場合(iii)と、R2がアルキル基でR3が水素原子である場合(iv)とがあり、このことに応じて、一般式(I)のチロペプチンA類縁体は、下記の4つの場合に区分されて一般式(I−1)、(I−2)、(I−3)および(I−4)でそれぞれ表される化合物を包含する。
【0025】
(1)一般式(I−1)
Figure 0003997141
(式中、R1は一般式(I)におけると同じ意味をもつ)の化合物。
(2)一般式(I−2)
Figure 0003997141
(式中、R1は前記と同じ意味をもち、R2aおよびR3aは共にアルキル基である)の化合物。
(3)一般式(I−3)
Figure 0003997141
(式中、R1は前記と同じ意味をもち、R3aはアルキル基である)の化合物。
(4)一般式(I−4)
Figure 0003997141
(式中、R1は前記と同じ意味をもち、R2aはアルキル基である)の化合物。
【0026】
(a)先ず、一般式(I−1)で表されるチロペプチンA類縁体の製法を具体的に説明する。
【0027】
(i)次式(B)
Figure 0003997141
のチロシノール、好ましくはL−チロシノールのアミノ基をアミノ保護基(X1)で常法により保護し、さらに常法により水酸基をヒドロキシル保護基(X2)で保護して下記の一般式(II)の化合物すなわちN,O−保護チロシノールを調製する。
【0028】
Figure 0003997141
【0029】
一般式(II)の式中のX1は通常ペプチド合成で用いられるアミノ保護基であり、アルコキシカルボニル基、例えばt−ブトキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル基(ベンジル基は低級アルキル基、低級アルコキシ基、アシロキシ基、ニトロ基、ハロゲンなどで置換されてもよい)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基などのカルバメート型のアミノ保護基、あるいはホルミル、アセチル、トリフルオロアセチルなどのアミド型のアミノ保護基、フタロイルなどのイミド型のアミノ保護基であることができ、好ましくはt−ブトキシカルボニル基(BOC)であることができる。また、X2は通常ペプチド合成に用いられる水酸基のヒドロキシル保護基であり、アラルキル基、例えばベンジル基(低級アルキル基、低級アルコキシ基、アシロキシ基、ニトロ基、ハロゲンなどで置換されてもよい)、あるいは低級アルカノイル基、例えばアセチル基、トリフルオロアセチル基、t−ブチル基であることができ、好ましくはベンジル基もしくはアセチル基であることができる。
【0030】
(ii)次に、一般式(II)のN,O−保護チロシノールのアミノ保護基を脱離し、得られたO−保護チロシノールに対して、続いて一般的なペプチド結合形成法により縮合剤の存在下に、N−保護バリンを縮合することにより下記の一般式(III)の化合物を調製する。
Figure 0003997141
一般式(III)の化合物において、X1およびX2はそれぞれ一般式(II)と同じアミノ保護基およびヒドロキシル保護基である。式(II)の化合物のアミノ保護基(X1)の脱離方法は、それぞれアミノ保護基の種類によって異なるが、いずれも公知の方法である。例えばアミノ保護基としてのt−ブトキシカルボニル基は酸により、ベンジルオキシカルボニル基は接触還元により、9−フルオレニルメトキシカルボニル基は塩基により脱離することができる。
【0031】
一般式(II)の化合物からのアミノ保護基を脱離して得られたO−保護チロシノールと、N−保護バリンとの縮合の反応は、ペプチド合成に通常用いられる溶媒(例えば塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、または反応に関与しないあらゆる溶媒)中で、ペプチド合成に通常よく用いられる縮合剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドまたはその塩、等のカルボジイミド類、またはそれらと縮合補助剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミドなどの組み合わせ)の存在下に行う。
【0032】
(iii)次に、一般式(III)のN,O−保護−バリル−チロシノールのアミノ保護基(X1)を脱離し、得られたO−保護−バリル−チロシノールに対して、N,O−保護チロシン誘導体を縮合することにより下記の一般式(IV)の化合物を調製する。
Figure 0003997141
一般式(IV)で表されるN,O−保護−チロシル−バリル−チロシノールにおいて、X1およびX2は、それぞれ一般式(II)の化合物におけると同じアミノ保護基およびヒドロキシル保護基である。前記のN,O−保護チロシン誘導体のX3は通常ペプチド合成に用いられるヒドロキシル保護基であり、例えばベンジル基(低級アルキル基、低級アルコキシ基、アシロキシ基、ニトロ基、ハロゲンなどで置換されてもよい)、アセチル基、トリフルオロアセチル基、t−ブチル基であり、好ましくはベンジル基もしくはアセチル基である。X3はX2と別種の脱離反応で脱離できる種類のものが便利である。一般式(III)の化合物からアミノ保護基を脱離して得られた前記のO−保護−バリル−チロシノールに対するN,O−保護−チロシン誘導体の縮合反応は常法で行われる。
【0033】
(iv)次に一般式(IV)で表される化合物のアミノ保護基(X1)を常法で脱離する。得られたO−保護−チロシル−バリル−チロシノールに対して、次式(V)
R1−COOH (V)
(式中、R1は一般式(I)におけると同じ意味をもつ)のカルボン酸を縮合する。このことにより下記の一般式(VI)の化合物を生成する。
Figure 0003997141
【0034】
式(VI)の化合物において、式中、X2およびX3は一般式(IV)の場合と同じヒドロキシル保護基であり、R1はアルキル基(水酸基、シクロアルキル基、アリール基、低級アルコキシ基、アシロキシ基、ニトロ基、ハロゲンなどの置換基で置換されてもよい)、例えば(C1〜C10)アルキル基または置換されてもよい低級アルキル基、あるいはシクロアルキルメチル基または置換シクロアルキルメチル基であり、あるいはアラルキル基、例えばベンジル基、もしくはアリール基(水酸基、シクロアルキル基、アリール基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アシロキシ基、ニトロ基、ハロゲンなどの置換基で置換されてもよい)、例えばフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基であることができる。この場合の縮合反応は一般式(III)の化合物の調製と同様に行い、式(V)のカルボン酸、例えば置換基を有してもよい低級アルキルカルボン酸、例えばイソ酪酸、あるいはヘプタン酸、シクロヘキシル酢酸、フェニル酢酸、1−ナフチル酢酸、2−ナフチル酢酸等を縮合させる。
【0035】
(v)次に、一般式(VI)で表される化合物のヒドロキシル保護基X2およびX3を常法で脱離することにより、下記の一般式(VII)の化合物を調製する。
Figure 0003997141
式(VII)の化合物において、式中、R1は一般式(I)のR1と同じアルキル基もしくはアリール基などである。本脱離反応においてヒドロキシル保護基の脱離方法はそれぞれヒドロキシル保護基の種類によって異なるが、いずれも公知の方法である。例えばベンジル基は接触還元により、アセチル基は塩基により、t−ブチル基は酸により脱離することができる。
【0036】
(vi)次に、一般式(VII)で表される化合物すなわちN−アシル−チロシル−バリル−チロシノールの末端水酸基を、酸化剤で酸化することにより下記の一般式(I−1)の化合物を調製する。
Figure 0003997141
式(I−1)のN−アシル−チロシル−バリル−チロシナールにおいて、式中のR1は一般式(I)のR1と同じアルキル基もしくはアリール基などである。上記の反応で用いる酸化剤としてはアルコール性水酸基をカルボニル基に酸化することができる既知の試薬を用いることができ、例えばジメチルスルホキシド−触媒(例えば三酸化硫黄ピリジン錯体、無水酢酸、塩化オキザリル、ジシクロヘキシルカルボジイミド)、クロロクロム酸ピリジウム、二クロム酸ピリジウムであり、好ましくはジメチルスルホキシド−三酸化硫黄ピリジン錯体を用いる。溶媒はジメチルスルホキシドとし、又は反応に関与しないあらゆる溶媒が使用できる。この酸化の反応は0〜100℃、好ましくは18〜20℃の温度で行う。このようにして一般式(I−1)で表される型の目的の化合物を得ることができる。
【0037】
(b)次に、上記の一般式(I−2)の化合物の製法を説明する。
(i)前記(a)項の(v)で調製された式(VII)の化合物を出発化合物として用いる。
一般式(VII)で表される化合物のフェノール性水酸基を、アルキル化剤を用いてアルキル化し、これにより下記の一般式(VIII)の化合物を調製する。
Figure 0003997141
式(VIII)の化合物において式中のR1は一般式(I)のR1と同じアルキル基およびアリール基などであり、またR2aおよびR3aはアルキル基、例えば低級アルキル基であるが、ベンジル基であることもできる。このアルキル化反応は塩基の存在下、例えばジイソプロピルエチルアミン、水素化ナトリウムの存在下に、アルキル化剤としては、例えばトリメチルシリルジアゾメタン、ジアゾメタン、アルキルハライド、アルキルスルホネートを作用させる。溶媒はベンゼン、メタノール、塩化メチレン、クロロホルムとし、又は反応に関与しないあらゆる溶媒が使用できる。アルキル化反応は0〜100℃、好ましくは10〜30℃の温度で行う。
【0038】
(ii)次に、前項(a)の(vi)における一般式(VII)の化合物の酸化反応と同様に、上記の一般式(VIII)で表される化合物を酸化剤で酸化して下記の一般式(I−2)の化合物を生成する。
Figure 0003997141
式(I−2)の化合物において、式中のR1は一般式(I)のR1と同じアルキル基もしくはアリール基などである。R2aとR3aは一般式(I)におけるR2aおよびR3aが共にアルキル基である場合の、そのアルキル基と同じアルキル基である。本反応は前項(a)における一般式(VII)の化合物の酸化反応と同様に行う。このようにして一般式(I−2)で表される型の目的の化合物を得ることができる。
【0039】
(c)更に、上記の一般式(I−3)の化合物の製法を説明する。
(i)前項(a)の(iii)で得られた一般式(IV)で表される化合物を出発化合物として用い、これのヒドロキシル保護基X2(X3と別種のヒドロキシル保護基)を常法で脱離することにより、下記の一般式(IX)の化合物を調製する。
【0040】
Figure 0003997141
式(IX)の化合物において、式中のX1およびX3はそれぞれ一般式(IV)の化合物におけると同じアミノ保護基およびヒドロキシル保護基である。脱離反応は前項(a)の(v)における一般式(VII)の化合物の脱保護反応と同様に行い、ヒドロキシル保護基X2を脱離することができる。
【0041】
(ii)次に、前項(b)の(i)における一般式(VIII)の化合物の生成のためのアルキル化反応と同様に、一般式(IX)の化合物のフェノール性水酸基を、アルキル化する。これによって下記の一般式(X)の化合物を生成する。
Figure 0003997141
式(X)の化合物において、式中のX1およびX3はそれぞれ一般式(IV)の化合物と同じアミノ保護基およびヒドロキシル保護基であり、R3aは前記の一般式(VIII)と同じアルキル基である。本アルキル化反応は一般式(VIII)の化合物の生成のためのアルキル化反応と同様に行い、式(IX)のフェノール性水酸基をアルキル基R3aでアルキル化することができる。
【0042】
(iii)次に、前項(a)の(ii)におけるアミノ保護基の脱離反応と同様に、一般式(X)で表される化合物のアミノ保護基を脱離する。得られたO−保護−チロシル−バリル−O−アルキル−チロシノールに対して、前記の式(V)のカルボン酸を前項(a)の(iv)に説明したと同様に縮合する。これにより下記の一般式(XI)の化合物を調製する。
Figure 0003997141
式(XI)の化合物において式中のX3は一般式(IV)と同じヒドロキシル保護基であり、R1は一般式(I)のR1と同じアルキル基もしくはアリール基などである。R3a は一般式(I−3)のR3aのと同じアルキル基である。式(V)のカルボン酸との縮合反応は、前項(a)の(iv)で説明したと同様に実施する。
(iv)次に、一般式(XI)の化合物のヒドロキシル保護基X3を脱離すると、これにより、下記の一般式(XII)の化合物を生成する。
【0043】
Figure 0003997141
式(XII)の化合物において、式中のR1は一般式(I)と同じアルキル基もしくはアリール基などである。R3aは一般式(I−3)と同じアルキル基である。前記の(a)の(iv)の説明と同様に常法でヒドロキシル保護基X3を脱離することができる。
【0044】
(v)次に、前項(a)の(vi)で説明された、一般式(VII)の化合物の酸化反応と同様に、一般式(XII)の化合物を酸化剤で酸化して下記の一般式(I−3)の化合物を生成する。
Figure 0003997141
式(I−3)の化合物において、式中、R1は一般式(I)のR1と同じアルキル基もしくはアリール基などであり、R3aは一般式(I−3)のR3aと同じアルキル基である。このようにして一般式(I−3)で表される型の目的の化合物を得ることができる。
【0045】
(d)更に、上記の一般式(I−4)の化合物の製法を具体的に説明する。
(i)前項(a)の(iii)で調製された一般式(IV)の化合物を出発化合物として用いる。一般式(IV)の化合物のヒドロキシル保護基X3を常法で脱離することにより、下記の一般式(XIII)の化合物を生成する。
Figure 0003997141
式(XIII)の化合物において、式中、X1およびX2はそれぞれ一般式(II)と同じアミノ保護基およびヒドロキシル保護基である。脱離反応は前項(a)の(v)と同様に一般式(VI)の化合物からのヒドロキシル脱保護反応と同様に行うことができる。これによってヒドロキシル保護基X3を脱離することができる。
【0046】
(ii)次に、前項(b)の(i)で説明したように一般式(VIII)の化合物の生成のためのアルキル化反応と同様に、一般式(XIII)の化合物のフェノール性水酸基をアルキル化して下記の一般式(XIV)の化合物を生成する。
Figure 0003997141
式(XIV)の化合物において、式中、X1およびX2はそれぞれ一般式(II)と同じアミノ保護基およびヒドロキシル保護基であり、R2aは一般式(I−4)のR2aと同じアルキル基である。本アルキル化反応は一般式(VIII)の化合物の生成のためのアルキル化反応と同様に行い、式(XIII)のフェノール性水酸基をアルキル基R2aでアルキル化することができる。
【0047】
(iii)次に、常法で一般式(XIV)の化合物のアミノ保護基を脱離する。得られたO−アルキル−チロシル−バリル−ジ−O−保護−チロシノールに対して、式(V)のカルボン酸を前項(a)の(iv)で説明したと同様に縮合する。これにより下記の一般式(XV)の化合物を生成する。
Figure 0003997141
式(XV)の化合物において、式中、X2は一般式(II)と同じヒドロキシル保護基であり、R1は一般式(I)のR1と同じアルキル基もしくはアリール基などである。R2aは一般式(I−4)のR2aと同じアルキル基である。
【0048】
(iv)次に、一般式(XV)で表される化合物のヒドロキシル保護基X2を常法で脱離することにより、下記の一般式(XVI)の化合物を生成する。
Figure 0003997141
式(XVI)の化合物において、式中、R1は一般式(I)と同じアルキル基もしくはアリール基などである。R2aは一般式(I−4)のR2aと同じアルキル基である。
【0049】
(v)次に、前項(a)の(vi)で説明した酸化反応と同様に、一般式(XVI)の化合物の末端水酸基を酸化して下記の一般式(I−4)の化合物とする。
Figure 0003997141
一般式(I−4)の化合物において、式中、R1は一般式(I)と同じアルキル基もしくはアリール基などであり、R2aは一般式(I)のR2がアルキル基である場合のそのアルキル基と同じアルキル基である。上記の酸化反応によって、一般式(I−4)で表される型の目的の化合物を得ることができる。
【0050】
なお、前項(a)の(iii)で生成された一般式(IV)の化合物は新規化合物である。また、一般式(IV)の化合物の保護された末端アミノ基からアミノ保護基を脱離して得られる前記のO−保護−チロシル−バリル−チロシノールは、次の一般式(IV−1)
Figure 0003997141
〔式中、X2とX3はそれぞれヒドロキシル保護基である〕で表される化合物も、新規な化合物である。この一般式(IV-1)の化合物から常法でヒドロキシル保護基(X)を脱離すると、新規化合物として、チロシル−バリル−チロシノールを収得できる。また、式(IV−1)の化合物の末端アミノ基をアシル化し且つその後にヒドロキシル保護基(X2およびX3)を脱離して得られる前記の一般式(VII)の化合物は、本発明による一般式(I−1)の化合物の前駆体である。従って、前記の一般式(IV−1)の化合物は、本発明の化合物を合成するための方法の重要な中間体である。
【0052】
【発明の実施の形態】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。また、以下で室温とは10〜30℃の温度を示す。なお、チロペプチン A2( 一般式 (I) R がアルキル基の一例としてのイソブチル基である場合 ) の製造を説明する後記の実施例1と、チロペプチン A3( 一般式 (I) R がヘキシル基である場合 ) の製造する後記の実施例2とは、第1の本発明 ( 補正後の請求項1に係る ) の範囲から外れるけれども、第1の本発明によるチロペプチン A4 の製造に係る後記の実施例3、チロペプチン A5 の製造に係る後記の実施例4、等で実施例1、実施例2の反応工程が参照されてあって、実施例3、4等の技術内容の理解に必要であるから、本明細書に残留させて記載するものとする。
【0053】
実施例1 イソバレリル−O−メチル−L−チロシル−L−バリル−O−メチル−DL−チロシナール〔式(Ia)のチロペプチンA2のステレオマー〕の合成
(a)t −ブトキシカルボニル− L −チロシノールの合成
L−チロシノール・塩酸塩(5.0 g、24.8 mmol)を1,4−ジオキサン(50 ml)に溶解し、その溶液に氷冷下で1規定水酸化ナトリウム水溶液(49.6 ml、49.6 mmol)、ジ−t−ブチリルジカルボネート(5.5 g、25.2 mmol)を順次加えた。得られた混合物を、室温で3時間撹拌下に反応した(BOCによるアミノ基の保護反応)。反応液から溶媒を減圧下に留去した後、残渣に5%クエン酸水溶液(50 ml)を加え、酢酸エチル(100 ml)で2回抽出した。有機溶媒層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150 g、展開溶媒ヘキサン−酢酸エチル、1:1)で精製し、表題の目的物(4.6 g)を透明油状物として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.42 (9H, s), 2.74 (2H, d, J=7.6 Hz), 3.54 (1H, m), 3.64 (1H, m), 3.81 (1H, br), 4.80 (1H, m), 6.01 (1H, br), 6.74 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.03 (2H, d, J=8.4 Hz). APCI−MS m/z 266 (M−H).
【0054】
(b)t −ブトキシカルボニル− O −ベンジル− L −チロシノールベンジルエーテルの合成
上記(a)で得た化合物(4.6 g、17.0 mmol)をジメチルホルムアミド(45 ml)に溶解し、その溶液に氷冷下で水素化ナトリウム(2.4 g、50.9 mmol)を加え、氷冷下で10分間撹拌して反応させた。次に氷冷下で反応液に臭化ベンジル(6.4 g、37.4 mmol)を加えた後、室温で5時間撹拌して反応させた。溶媒を反応液から減圧下に留去した後、残渣に5%クエン酸水溶液(200 ml)を加え、酢酸エチル(200 ml)で2回抽出した。有機溶媒層は水洗の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150 g、展開溶媒ヘキサン−酢酸エチル、10:1)で精製し、表題の目的物(5.6 g)を透明油状物として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.42 (9H, s), 2.81 (2H, m), 3.38 (2H, s), 3.90 (1H, m), 4.48 (2H, dd, J=11.6, 24.0 Hz) 4.86 (1H, br), 5.03 (2H, s), 6.87 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.08 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.25−7.45 (10H, m). FAB−MS m/z 448 (M+H)+.
【0055】
(c)t −ブトキシカルボニル− L −バリル− O −ベンジル− L −チロシノールベンジルエーテルの合成
上記(b)で得た化合物(2.0 g、4.5 mmol)を塩化メチレン(20 ml)に溶解し、その溶液に氷冷下でトリフルオロ酢酸(5 ml)を加え、室温で1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒はトルエン共沸により減圧下に留去した。生成されたO−ベンジル−L−チロシノールベンジルエーテルを含む残渣を塩化メチレン(20 ml)に溶解した。これに氷冷下でトリエチルアミン(498 mg、4.9 mmol)、N−t−ブトキシカルボニル−L−バリン(1.1 g、4.9 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物(1.0 g、6.7 mmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(1.1 g、5.8 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌して反応させた(アミド縮合反応)。この反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300 ml)を加え、クロロホルム(250 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を4%クエン酸水溶液および水で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60 g、展開溶媒トルエン−アセトン、50:1)で精製し、表題の目的物(2.0 g)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.84 (3H, d, J=6.2 Hz), 0.91 (3H, dd, J=6.2 Hz), 1.44 (9H, s), 2.82 (2H, d, J=6.8 Hz), 3.37 (2H, s), 3.86 (1H, m), 4.23 (1H, m), 4.47 (2H, dd, J=11.8, 17.8 Hz), 5.00 (1H, br), 5.02 (2H, s), 6.20 (1H, br), 6.86 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.07 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.30−7.45 (10H, m). APCI−MS m/z 547 (M+H)+.
【0056】
(d)t−ブトキシカルボニル− O −ベンジル− L −チロシル− L −バリル− O −ベンジル− L −チロシノールベンジルエーテルの合成
上記(c)で得た化合物(2.0 g、3.6 mmol)を塩化メチレン(8 ml)に溶解し、これに氷冷下でトリフルオロ酢酸(2 ml)を加え、室温で1時間撹拌して反応した(BOC基の脱離)。その反応液から溶媒をトルエン共沸により減圧下に留去し、生成されたL−バリル−O−ベンジル−L−チロシノールベンジルエーテルを含む残渣を塩化メチレン(20 ml)に溶解した。これに氷冷下でトリエチルアミン(397 mg、3.9 mmol)、N−t−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−L−チロシン(1.5 g、3.9 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物(823 mg、5.4 mmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(854 mg、4.6 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌して反応させた(アミド縮合反応)。
【0057】
この反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300 ml)を加え、クロロホルム(250 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100 g、展開溶媒クロロホルム)で精製し、表題の目的物(2.6 g)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.78 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.84 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.41 (9H, s), 2.08 (1H, m), 2.79 (2H, br), 2.98 (2H, d, J=6.4 Hz), 3.36 (2H, br), 4.13 (1H, m), 4.25 (2H, m), 4.48 (2H, dd, J=11.8, 17.8 Hz), 4.97 (2H, s), 4.99 (2H, s), 6.19 (1H, d, J=6.0 Hz), 6.49 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.84 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.87 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.05 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.09 (2H, d, J= 8.4 Hz), 7.25−7.45 (15H, m). APCI−MS m/z 801 (M+H)+.
【0058】
(e)イソバレリル− O −ベンジル− L −チロシル− L −バリル− O −ベンジル− L −チロシノールベンジルエーテルの合成
上記(d)で得た化合物(820 mg、1.1 mmol)を塩化メチレン(8 ml)に溶解し、これに氷冷下でトリフルオロ酢酸(2 ml)を加えた後、室温で1時間撹拌した(BOCの脱離)。その反応液から溶媒をトルエン共沸により減圧下に留去し、残渣をジメリルホルムアミド(10 ml)に溶解した。
得られた溶液は次式(IV−1−a)
Figure 0003997141
(但しBnはベンジル基を示す)の化合物を含有する。これに氷冷下でトリエチルアミン(117 mg、1.2 mmol)、イソ酪酸(237 mg、2.3 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物(243 mg、1.6 mmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(252 mg、1.4 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌して反応した(N−イソバリル化反応)。
【0059】
この反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(280 ml)を加え、クロロホルム(250 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を4%クエン酸水溶液および水で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル20 g、展開溶媒クロロホルム)で精製し、表題の目的物(411 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.77 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.84 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.85 (3H, d, J=6.0 Hz), 0.88 (3H, d, J=6.0 Hz), 1.98−2.09 (4H, m), 2.80 (2H, d, J=8.4 Hz), 2.97 (2H, d, J=7.2), 3.37 (2H, s), 4.12 (1H, dd, J=6.4, 8.4 Hz), 4.23 (1H, m), 4.47 (2H, s), 4.62 (1H, dd, J=7.0, 14.2 Hz), 4.96 (2H, s), 4.98 (2H, s), 5.99 (1H, d, J=7.2 Hz), 6.16 (1H, d, J=8.8 Hz), 6.50 (1H, d, J=8.8 Hz), 6.84 (2H, d, J=8.8 Hz), 6.85 (2H, d, J=8.8 Hz). 7.06 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.07 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.25−7.45 (15H, m). APCI−MS m/z 784 (M+H)+.
【0060】
(e)イソバレリル− L −チロシル− L −バリル− L −チロシノールの合成
上記(d)で得た化合物(381 mg, 0.49 mmol)をジメチルホルムアミド(20 ml)に溶解し、これに触媒量の10%パラジウム炭素触媒を加え、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌して反応させた(ベンジル基の脱離)。その反応液から触媒をセライトにより濾別したのち、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル10 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、10:1)で精製し、表題の目的物(241 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (500 MHz, CD3OD) δ 0.77 (3H, d, J=6.4 Hz), 0.82 (3H, d, J=6.4 Hz), 0.87 (3H, d, J=6.4 Hz), 0.89 (3H, d, J=6.4 Hz), 1.92 (1H, m), 1.99 (1H, m), 2.01 (2H, d, J=7.4 Hz), 2.63 (1H, dd, J=7.6, 12.0 Hz), 2.74 (1H, dd, J=9.8, 14.2 Hz), 2.79 (1H, dd, J=6.4, 13.8 Hz), 3.00 (1H, dd, J=5.0, 14.0 Hz), 3.47 (1H, d, J=5.2 Hz), 4.02 (1H, m), 4.11 (1H, d, J=7.2 Hz), 4.60 (1H, dd, J=5.2, 9.6 Hz), 6.67 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.68 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.04 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.06 (2H, d, J=8.4 Hz). FAB−MS (m/z) 514 (M+H)+.
【0061】
(f)イソバレリル− O −メチル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− L −チロシノールの合成
上記(e)で得た化合物(108.9 mg、0.21 mmol)をメタノール(2 ml)に溶解し、これにクロロホルム(2 ml)、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(14.8 mg、0.11 mmol)、トリメチルシリルジアゾメタン(200 mg、1.75 mmol)を順次加え、室温で18時間撹拌して反応させた(フェノール性水酸基のメチル化)。この反応液を減圧下で濃縮乾固し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、50:1)で精製することにより、表題の目的物(99.8 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.78 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.83 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.87 (3H, d, J=7.2 Hz), 0.89 (3H, d, J=7.2 Hz), 1.92 (1H, m), 1.98 (1H, m), 2.01 (1H, d, J=7.6 Hz), 2.65 (1H, dd, J=8.0, 14.0 Hz), 2.73−2.87 (2H, m), 3.00 (1H, dd, J=5.4, 14.2 Hz), 3.48 (2H, d, J=5.6 Hz), 3.69 (3H, s), 3.72 (3H, s), 4.05 (1H, m), 4.11 (1H, d, J=7.2 Hz), 4.61 (1H, dd, J=5.2, 9.6 Hz), 6.79 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.80 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.13 (4H, d, J=8.4 Hz). APCI−MS m/z 542 (M+H)+.
【0062】
(g)イソバレリル− O −メチル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− DL −チロシナール〔式( Ia )のチロペプチン A2 のステレオマー〕の合成
上記(f)で得た化合物(10 mg、0.019 mmol)をジメチルスルホキシド(0.2 ml)に溶解し、これにトリエチルアミン(7.5 mg、0.074 mmol)を加えた。更に三酸化硫黄・ピリジン複合体(11.8 mg、0.074 mmol)のジメチルスルホキシド(0.1 ml)溶液を氷冷下でゆっくり滴下し、室温で3時間撹拌して反応させた(アルコール性水酸基の酸化)。
【0063】
この反応液に4%クエン酸水溶液(20 ml)を加え、酢酸エチル(20 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、100:1)で精製し、表題の目的物(3 mg)を白色固体として得た。
MP(融点)158−161℃. [α]D 24 −28.0°(c 0.25, MeOH). Rf 0.41 (CHCl3/MeOH=10/1). APCI−MS m/z 540 (M+H)+, 538 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C30H42O6N3, 540.3074; found, 540.3109 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3280, 2960, 1730, 1640, 1550, 1510, 1250, 1040. 1H−NMR (400 MHz, CDCl3)δ 0.79 (3H, m), 0.86 (3H, m), 0.87 (3H, m), 0.88 (3H, d, J=6.8 Hz), 2.03 (2H, br), 2.04 (1H, m), 2.13 (1H, m), 2.78 (1H, m), 2.97−3.06 (3H, m), 3.76 (6H, s), 4.21 (1H, m), 4.62 (1H, m), 4.64 (1H, m), 5.99 (1H, m) 6.44 (1H, m), 6.78−6.86 (4H, m), 7.06−7.18 (4H, m). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 17.5, 19.1, 22.3, 22.4, 26.1, 30.3, 34.2, 36.8, 45.8, 54.6, 55.3, 55.4, 58.6, 59.8, 114.2, 114.3, 127.5, 128.2, 130.2, 130.3, 158.7, 158.8, 170.7, 171.3, 173.0, 198.9.
【0064】
実施例 2 ヘプタノイル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナール〔式(Ib)のチロペプチンA3のステレオマー〕の合成
(a)ヘプタノイル− O −ベンジル− L −チロシル− L −バリル− O −ベンジル− L −チロシノールベンジルエーテルの合成
実施例1の(d)で得たt−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−L−チロシル−L−バリル−O−ベンジル−L−チロシノールベンジルエーテル(30 mg、37.5 μmol)を塩化メチレン(0.6 ml)に溶解し、これに氷冷下でトリフルオロ酢酸(0.2 ml)を加え、室温で1時間撹拌して反応させた(BOCの脱離)。その反応液から溶媒をトルエン共沸により減圧下に留去した後、得られた残渣(O−ベンジル−L−チロシル−L−バリル−O−ベンジル−L−チロシノールベンジルエーテルを含有する)をジメチルホルムアミド(0.75 ml)に溶解した。この溶液に氷冷下でトリエチルアミン(11.4 mg、113 μmol)、n−ヘプタン酸(14.6 mg、113 μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物(8.6 mg、56.3 μmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(9.3 mg、48.8 μmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌して反応させた(N−ヘプタノイル化反応)。
【0065】
その反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)を加え、酢酸エチル(20 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を4%クエン酸水溶液および水で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去することにより、表題の目的物(28.3 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.79 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.85 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.86 (3H, t, J=6.8 Hz), 1.23 (6H, m), 1.55 (2H, m), 2.06 (1H, m), 2.14 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.80 (2H, d, J=7. 6 Hz), 2.97 (2H, d, J=7.2 Hz), 3.37 (2H, d, J=3.6 Hz), 4.14 (1H, dd, J=6.4, 8.4 Hz), 4.23 (1H, m), 4.47 (2H, s), 4.67 (1H, dd, J=6.8, 14.0 Hz), 4.94 (2H, s), 4.96 (2H, s), 6.16 (1H, d, J=7.2 Hz), 6.28 (1H, d, J=8.4 Hz), 6.67 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.83 (2H, d, 8.2 Hz), 6.84 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.06 (4H, d, J=8.2 Hz), 7.28−7.38 (15H, m). APCI−MS m/z 812 (M+H)+, 810 (M−H).
【0066】
(b)ヘプタノイル− L −チロシル− L −バリル− L −チロシノールの合成
上記(a)で得た化合物(28.3 mg, 34.9 μmol)をジメチルホルムアミド(3 ml)に溶解し、これに触媒量の10%パラジウム炭素触媒を加え、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌して反応した(ベンジル基の脱離)。その反応液から触媒をセライトによりろ別した後、濾液を減圧下濃縮した。残渣はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、25:1)で精製し、表題の目的物(15.9 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 0.84 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.88 (3H, t, J=6.4 Hz), 0.89 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.25 (6H, m), 1.52 (2H, m), 2.04 (1H, m), 2.17 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.67 (1H, dd, J=7.2, 13.6 Hz), 2.78−2.84 (2H, m), 3.04 (1H, dd, J=5.8, 14.2 Hz), 3.50 (1H, dd, J=2.6, 5.4 Hz), 4.02 (1H, m), 4.09 (1H, d, J=7.2 Hz), 4.58 (1H, dd, J=6.0, 8.8 Hz), 6.73 (4H, d, J=8.4 Hz), 7.04 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.05 (2H, d, J=8.4 Hz). APCI−MS (m/z) 542 (M+H)+,
540 (M−H).
【0067】
(c)ヘプタノイル− L −チロシル− L −バリル− DL −チロシナール〔式( Ib )のチロペプチン A3 のステレオマー〕の合成
上記(b)で得た化合物(17.5 mg、32.0 μmol)をジメチルスルホキシド(0.2 ml)に溶解し、これにトリエチルアミン(16.2 mg、160 μmol)を加えた。更に三酸化硫黄・ピリジン複合体(20 mg、128 μmol)のジメチルスルホキシド(0.2 ml)溶液を氷冷下でゆっくり滴下した後、室温で2時間撹拌した(アルコール性水酸基の酸化反応)。この反応液に4%クエン酸水溶液(20 ml)を加え、酢酸エチル(20 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、50:1および25:1)で精製し、目的物(16.3 mg)を白色固体として得た。
【0068】
MP 135−142℃. [α]D 25 −32.6°(c 0.38, MeOH). Rf 0.32 (CHCl3/MeOH= 10/1). APCI−MS m/z 540 (M+H)+, 538 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C30H42O6N3, 540.3074; found, 540.3080 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3280, 2960, 1730, 1640, 1540, 1515, 1230, 825. 1H−NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.86 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.87 (3H, t, J=6.8 Hz), 0.88 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.10−1.30 (6H, m), 1.45 (2H, m), 1.95 (1H, m), 2.12 (2H, t, J=7.4 Hz), 2.62 (1H, m), 2.72 (1H, m), 2.89 (1H, m), 2.98 (1H, dd, J=4.4, 14.0 Hz), 4.04 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J=4.0, 6.8 Hz), 4.58 (1H, m), 6.60−6.70 (4H, m), 6.99−7.08 (4H, m). 13C-NMR (100 MHz, CD3OD) δ 14.4, 18.6, 19.7, 23.6, 27.0, 29.8, 32.2, 32.7, 35.3, 36.9, 37.8, 56.0, 56.6, 60.2, 98.7, 116.2, 129.3, 130.4, 131.3, 131.4, 156.8, 157.2, 173.1, 173.9, 176.3.
【0069】
実施例 3 シクロヘキシルアセチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナール〔式(Ic)のチロペプチンA4のステレオマー〕の合成
実施例1の(d)で得たt−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−L−チロシル−L−バリル−O−ベンジル−L−チロシノールベンジルエーテルを原料に用い、実施例2(a)と同様の方法に従い、BOCを脱離し、またn−ヘプタン酸の代わりにシクロヘキシル酢酸を使用し、シクロヘキシルアセチル−O−ベンジル−L−チロシル−L−バリル−O−ベンジル−L−チロシノールベンジルエーテルを合成した。さらに実施例2(b)〜(c)と同様にしてベンジル基を脱離してシクロヘキシルアセチル−L−チロシル−L−バリル−L−チロシノールを経て、表題の目的物、シクロヘキシルアセチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナールを合成した。
【0070】
MP 153−155℃. [α]D 25 −33.3°(c 0.33, MeOH). Rf 0.32 (CHCl3/MeOH= 10/1). APCI−MS m/z 552 (M+H)+, 550 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C31H42O6N3, 552.3074; found, 552.3080 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3280, 2930, 1730, 1640, 1540, 1515, 1230, 825. 1H−NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.64−0.83 (2H, m), 0.86 (3H, d, J=7.2 Hz), 0.88 (3H, d, J=7.2 Hz), 1.10−1.20 (3H, m), 1.37 (1H, br d, J=12.8 Hz), 1.50−1.55 (2H, m), 1.56−1.65 (3H, m), 1.97 (1H, m), 1.98 (2H, d, J=7.0 Hz), 2.62 (1H, m), 2.72 (1H, m), 2.89 (1H, m), 2.99 (1H, dd, J=4.4, 14.4 Hz), 4.05 (1H, m), 4.12 (1H, dd, J=3.4, 7.4 Hz), 4.44 (1H, dd, J=4.0, 7.2 Hz), 4.60 (1H, ddd, J=2.8, 4.4, 10.4 Hz), 6.66 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.67 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.02 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.05 (2H, d, J=8.4 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CD3OD) δ 18.6, 19.7, 27.2, 27.3, 27.3, 32.2, 33.9, 34.1, 35.3, 36.9, 37.8, 44.9, 56.0, 56.6, 60.2, 98.8, 116.2, 116.2, 129.4, 130.4, 131.3, 131.4, 156.9, 157.3, 173.2, 173.9, 175.5.
【0071】
実施例 4 フェニルアセチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナール〔式(Id)のチロペプチンA5のステレオマー〕の合成
(a)フェニルアセチル− L −チロシル− L −バリル− DL −チロシナールの合成
実施例1の(d)で得たt−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−L−チロシル−L−バリル−O−ベンジル−L−チロシノールベンジルエーテルを原料に用い、実施例2(a)と同様の方法に従い、BOC基を脱離し、またn−ヘプタン酸の代わりにフェニル酢酸を使用し、フェニルアセチル−O−ベンジル−L−チロシル−L−バリル−O−ベンジル−L−チロシナールベンジルエーテルを合成した。さらに実施例2(b)〜(c)と同様にしてフェニルアセチル−L−チロシル−L−バリル−L−チロシノールを経て、表題の目的物、フェニルアセチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナールを合成した。
【0072】
MP 103−107℃. [α]D 26 −37.4°(c 0.27, MeOH). Rf 0.29 (CHCl3/MeOH= 10/1). APCI−MS m/z 546 (M+H)+, 544 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C31H36O6N3, 546,2604; found, 546,2625 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3300, 2960, 1730, 1640, 1550, 1515, 1240, 830. 1H−NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.81 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.85 (3H, dd, J=2.0, 6.8 Hz), 1.92−2.00 (1H, m), 2.74 (1H, ddd, J=2.3, 10.1, 14.2 Hz), 2.89 (1H, m), 2.98 (1H, dd, J=4.6, 14.2 Hz), 3.45 (2H, d, J=12.4 Hz), 4.04 (1H, m), 4.10 (1H, dd, J=2.8, 7.2 Hz), 4.43 (1H, dd, J=4.2, 6.6 Hz), 4.60 (1H, m), 6.64 (2H, d, J=8.0 Hz), 6.65 (2H, d, J=8.0 Hz), 6.96−7.08 (5H, m), 7.21 (4H, d, J=8.0 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CD3OD) δ 18.6, 19.7, 32.2, 35.4, 37.8, 43.6, 56.1, 56.7, 60.3, 98.7, 116.2, 116.3, 127.9, 129.1, 129.6, 130.1, 130.5, 131.3, 131.4, 136.6, 156.8, 157.3, 173.1, 173.6, 174.0.
【0073】
実施例 5 1−ナフチルアセチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナール〔式(Ie)のチロペプチンA6のステレオマー〕の合成
(a)t −ブトキシカルボニル− O −アセチル− L −チロシノールアセテートの合成
t−ブトキシカルボニル−L−チロシノール(5.2 g、19.5 mmol)をピリジン(60 ml)に溶解し、その溶液に氷冷下で無水酢酸(30 ml、319 mmol)を加え、室温で18時間撹拌した(水酸基のアセチル化反応)。続いてこの反応液に氷冷下でメタノール60 mlを加え、5分間撹拌した。反応後、溶媒をトルエン共沸により減圧下に留去し、表題の目的物(5.3 g)を透明油状物として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.42 (9H, s), 2.09 (3H, s), 2.29 (3H, s), 2.81 (2H, m), 4.04 (2H, d, J=11.0 Hz), 4.07 (1H, br), 4.66 (1H, br), 7.02 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.20 (2H, d, J=8.4 Hz). FAB−MS m/z 352 (M+H)+, 350 (M−H).
【0074】
(b)t −ブトキシカルボニル− L −バリル− O −アセチル− L −チロシノールアセテートの合成
上記(a)で得た化合物(15.5 g、44.0 mmol)を塩化メチレン(120 ml)に溶解し、これに氷冷下でトリフルオロ酢酸(30 ml)を加え、室温で1時間撹拌した(BOC基の脱離反応)。反応後、溶媒をトルエン共沸により減圧下に留去し、残渣を塩化メチレン(150 ml)に溶解した。得られたO−アセチル−L−チロシノールアセテートを含有する溶液に氷冷下でトリエチルアミン(4.9 g、48.4 mmol)、N−t−ブトキシカルボニル−L−バリン(10.5 g、48.4 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10.5 g、66.0 mmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(11.0 g、57.2 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌して反応させた(アミド縮合反応)。
【0075】
この反応液に4%クエン酸水溶液(200 ml)を加え、クロロホルム(200 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200 g、展開溶媒トルエン−アセトン、10:1)で精製し、表題の目的物(10.0 g)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.86 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.91 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.45 (9H, s), 2.06 (1H, m), 2.07 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.83 (2H, m), 3.82 (1H, dd, J=6.4, 8.8 Hz), 4.06 (2H, m), 4.42 (1H, m), 5.02 (1H, br), 6.24 (1H, br), 7.01 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.20 (2H, d, J=8.4 Hz). APCI−MS m/z 451 (M+H)+.
【0076】
(c)t−ブトキシカルボニル− O −ベンジル− L −チロシル− L −バリル− O −アセチル− L −チロシノールアセテートの合成
上記(b)で得た化合物(10.0 g、22.2 mmol)を塩化メチレン(80 ml)に溶解し、これに氷冷下でトリフルオロ酢酸(20 ml)を加え、室温で1時間撹拌した(BOC基の脱離)。溶媒はトルエン共沸により減圧下に留去し、残渣を塩化メチレン(50 ml)に溶解した。これに氷冷下でトリエチルアミン(4.5 g、44.4 mmol)、N−t−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−L−チロシン(16.5 g、44.4 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.5 g、33.3 mmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(5.5 g、28.9 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌した(アミド縮合反応)。
【0077】
この反応液に4%クエン酸水溶液(300 ml)を加え、クロロホルム(250 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100 g、展開溶媒クロロホルム)で精製し、表題の目的物(8.4 g)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.76 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.85 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.41 (9H, s), 2.07 (3H, s), 2.16 (1H, m), 2.26 (3H, s), 2.78 (2H, m), 3.03 (2H, m), 4.04 (2H, d, J=5.2 Hz), 4.14 (1H, m), 4.25 (1H, m), 4.42 (1H, m), 4.93 (1H, d, J=6.4 Hz), 5.02 (2H, s), 6.41 (1H, br), 6.48 (1H, d, J=8.8 Hz), 6.91 (2H, d, J=8.8 Hz), 6.99 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.11 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.18 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.30−7.45 (5H. m). APCI−MS m/z 704 (M+H)+.
【0078】
(d)t −ブトキシカルボニル− L −チロシル− L −バリル− O −アセチル− L −チロシノールアセテートの合成
上記(c)で得た化合物(2.3 g、3.3 mmol)をメタノール(30 ml)に溶解し、これに酢酸エチル(10 ml)および触媒量の10%パラジウム炭素触媒を加え、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌した(ベンジル基の脱離反応)。反応液から触媒をセライトにより濾別した後、濾液を減圧下で濃縮乾固した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、50:1)で精製し、表題の目的物(927.1 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3−CD3OD) δ 0.89 (3H, d, J=7.2 Hz), 0.93 (3H, d, J=7.2 Hz), 1.39 (9H, s), 2.04 (1H, m), 2.06 (3H, s), 2.25 (3H, s), 2.70−2.85 (3H, m), 2.99 (1H, dd, 5.4, 13.7 Hz), 3.97 (1H, dd, J=7.3, 11.0 Hz), 4.09 (2H, dd, 8.2, 14.7 Hz), 4.24 (1H, m), 4.37 (1H, m), 6.74 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.01 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.04 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.23 (2H, d, J=8.2 Hz). APCI−MS m/z 614 (M+H)+.
【0079】
(e)t −ブトキシカルボニル− O −アセチル− L −チロシル− L −バリル− O −アセチル− L −チロシノールアセテートの合成
上記(d)で得た化合物(600 mg、0.98 mmol)をピリジン(5 ml)に溶解し、これに無水酢酸(2.5 ml、26.6 mmol)を加え、室温で18時間撹拌した(フェノール性水酸基のアセチル化)。この反応液の溶媒をトルエン共沸により減圧下に留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル8 g、展開溶媒クロロホルム)で精製し、表題の目的物(542.2 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.79 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.86 (3H, d, J=7.0 Hz), 1.41 (9H, s), 2.07 (3H, m), 2.15 (1H, m), 2.26 (6H, s), 2.76 (1H, dd, J=8.0, 13.6 Hz), 2.84 (1H, dd, J=6.4, 13.6 Hz), 3.09 (2H, m), 4.05 (2H, d, J=5.2 Hz), 4.14 (1H, t, J=7.8 Hz), 4.29 (1H, m), 4.41 (1H, m), 4.98 (1H, d, J=7.2 Hz), 6.42 (1H, br), 6.56 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.00 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.02 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.19 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.20 (2H, d, J=8.2 Hz). APCI−MS m/z 656 (M+H)+.
【0080】
(f)1 −ナフチルアセチル− O −アセチル− L −チロシル− L −バリル− O −アセチル− L −チロシノールアセテートの合成
上記(e)で得た化合物(521.9 mg、0.8 mmol)を塩化メチレン(4 ml)に溶解し、これに氷冷下でトリフルオロ酢酸(1 ml)を加え、室温で1時間撹拌した(BOC基の脱離)。その反応液から溶媒はトルエン共沸により減圧下に留去し、残渣を塩化メチレン(14 ml)に溶解した。得られたO−アセチル−L−チロシル−L−バリル−O−アセチル−L−チロシノールアセテートを含む溶液に氷冷下でトリエチルアミン(242 mg、2.4 mmol)、1−ナフチル酢酸(447 mg、2.4 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(163.9 mg、1.21 mmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(201.1 mg、1.05 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌した(アミド縮合反応)。この反応液に4%クエン酸水溶液(80 ml)を加え、酢酸エチル(80 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル13 g、展開溶媒クロロホルム)で精製し、表題の目的物(299.5 mg)を白色固体として得た。
【0081】
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.74 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.81 (3H, d, J=6.8 Hz)、1.93 (1H, m), 2.05 (3H, m), 2.24 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.75−2.80 (3H, m), 2.88 (1H, dd, J=5.4, 14.2 Hz), 3.95 (2H, d, J=7.2 Hz), 3.98 (2H, s), 4.07 (1H, dd, J=4.4, 11.2 Hz), 4.37 (1H, m), 4.59 (1H, dd, J=7.9, 13.2 Hz), 6.75 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.78 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.97 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.19 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.32 (1H, d, J=7.2), 7.43 (1H, d, J=7.6 Hz), 7.49 (2H, m), 7.81−7.90 (3H, m). APCI−MS m/z 724 (M+H)+.
【0082】
なお、上記のO−アセチル−L−チロシル−L−バリル−O−アセチル−L−チロシノールアセテートは次式(IV−1−b)
Figure 0003997141
(但しAcはアセチル基)の化合物である。
【0083】
(g)1 −ナフチルアセチル− L −チロシル− L −バリル− L −チロシノールの合成
上記(f)で得た化合物(293 mg、0.40 mmol)をメタノール(15 ml)に溶解し、これに炭酸カリウム(300 mg、2.17 mmol)を加え、室温で2日間撹拌して反応させた(脱アセチル化)。この反応液の溶媒を減圧下で濃縮し、残渣に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100 ml)を加え、酢酸エチル(100 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を4%クエン酸水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル8 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、25:1)で精製し、表題の目的物(184.2 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.78 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.83 (3H, d, J=6.8 Hz)、1.93 (1H, m), 2.61 (1H, dd, J=7.6, 14.0 Hz), 2.76 (2H, m), 2.95 (1H, dd, J=5.0, 14.0 Hz), 3.45 (2H, d, J=5.2 Hz), 3.97 (2H, s), 4.08 (1H, d, J=7.2 Hz), 4.62 (1H, dd, J=4.8, 9.2 Hz), 6.59 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.66 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.89 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.01 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.25 (1H, d, J=6.4 Hz), 7.38 (1H, t, J=7.6 Hz), 7.45 (2H, m), 7.75−7.88 (3H, m). APCI−MS m/z 598 (M+H)+.
【0084】
(h)1 −ナフチルアセチル− L −チロシル− L −バリル− DL −チロシナール〔式( Ic )のチロペプチン A6 ステレオマー〕の合成
上記(g)で得た化合物(76 mg、0.13 mmol)をジメチルスルホキシド(0.8 ml)に溶解し、これにトリエチルアミン(51.0 mg、0.51 mmol)を加えた。更に三酸化硫黄・ピリジン複合体(80.8 mg、0.51 mmol)のジメチルスルホキシド(0.8 ml)溶液を氷冷下でゆっくり滴下した後、室温で3時間撹拌した(アルコール性水酸基の酸化反応)。この反応液に4%クエン酸水溶液(20 ml)を加え、酢酸エチル(20 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル6 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、25:1)で精製し、表題の目的物(42.0 mg)を白色固体として得た。
【0085】
MP 154−156℃. [α]D 23 −18.2°(c 0.33, MeOH). Rf 0.45 (CHCl3/MeOH= 10/1). APCI−MS m/z 596 (M+H)+, 594 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C35H38O6N3, 596.2761; found, 596.2764 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3410, 3290, 1720, 1640, 1540, 1520, 1230, 780. 1H−NMR (400 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 0.74 (3H, dd, J=3.2, 6.6Hz), 0.81 (3H, dd, J=3.2, 6.6Hz), 1.94 (1H, m), 2.63−2.79 (2H, m), 2.84−2.91 (2H, m), 3.97 (2H, s), 4.03 (1H, dd, J=6.8, 9.2Hz), 4.13 (1H, m), 4.42 (1H, d, J=2.4Hz), 4.55 (1H, m), 6.56 (2H, t, J=8.4Hz), 6.71 (4H, t, J=8.4Hz), 7.02 (2H, dd, J=3.2, 8.4Hz), 7.27 (1H, d, J=8.0Hz), 7.41 (1H, t, J=8.0Hz), 7.49 (2H, m), 7.81 (2H, d, J=8.0Hz), 7.87 (1H, d, J=8.0Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 18.0, 19.2, 31.1, 34.8, 36.9, 40.9, 55.0, 55.7, 59.6, 97.7, 115.6, 115.7, 123.9, 126.0, 126.4, 127.1, 127.4, 128.5, 128.6, 129.2, 129.3, 130.4, 130.6, 131.1, 132.5, 134.4, 155.8, 156.1, 172.0, 172.6, 172.7.
【0086】
実施例 6 1−ナフチルアセチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナール〔式(If)のチロペプチンA7のステレオマー〕の合成
(a)1 −ナフチルアセチル− O −メチル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− L −チロシノールの合成
実施例5(g)で得た1−ナフチルアセチル−L−チロシル−L−バリル− L−チロシノール(108.2 mg、0.18 mmol)をメタノール(4 ml)に溶解し、これにクロロホルム(2 ml)、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(14.8 mg、0.11 mmol)、トリメチルシリルジアゾメタン(100 mg、1.75 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌した(O−メチル化反応)。この反応液を減圧下で濃縮乾固し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル8 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、50:1)で精製することにより、表題の目的物(90.3 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.74 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.81 (3H, d, J=6.8 Hz)、1.93 (1H, m), 2.05 (3H, m), 2.24 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.75−2.80 (3H, m), 2.88 (1H, dd, J=5.4, 14.2 Hz), 3.95 (2H, d, J=7.2 Hz), 3.98 (2H, s), 4.07 (1H, dd, J=4.4, 11.2 Hz), 4.37 (1H, m), 4.59 (1H, dd, J=7.9, 13.2 Hz), 6.75 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.78 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.97 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.19 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.32 (1H, d, J=7.2), 7.43 (1H, d, J=7.6 Hz), 7.49 (2H, m), 7.81−7.90 (3H, m). APCI−MS m/z 726 (M+H)+.
【0087】
(b)1 −ナフチルアセチル− O −メチル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− DL −チロシナール〔式( If )の化合物のステレオマー〕の合成
上記(a)で得た化合物(115.7 mg、0.19 mmol)をジメチルスルホキシド(1.3 ml)に溶解し、これにトリエチルアミン(74.6 mg、0.74 mmol)を加えた。更に三酸化硫黄・ピリジン複合体(118 mg、0.74 mmol)のジメチルスルホキシド(1.3 ml)溶液を氷冷下でゆっくり滴下した後、室温で3時間撹拌した(アルコール性水酸基の酸化反応)。この反応液に4%クエン酸水溶液(150 ml)を加え、酢酸エチル(150 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル6 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、100:1)で精製し、表題の目的物(74.8 mg)を白色固体として得た。
【0088】
MP 192−194℃. [α]D 28 −12.0°(c 0.25, DMF). Rf 0.62 (CHCl3/MeOH= 10/1). APCI−MS m/z 624 (M+H)+, 622 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C37H42O6N3, 624.3074; found, 624.3065 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3280, 2960, 1730, 1640, 1540, 1510, 1250, 1040, 780. 1H−NMR (400 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 0.76 (3H, dd, J=4.8, 6.0Hz), 0.82 (3H, dd, J=4.8, 6.0Hz), 1.95 (1H, m), 2.66−2.73 (2H, m), 2.80−2.96 (2H, m), 3.68 (3H, d, J=5.2Hz), 3.74 (3H, d, J=4.0Hz), 3.96 (2H, s), 4.00 (1H, t, J=7.6Hz), 4.03−4.18 (1H, m), 4.42 (1H, d, J=4.0Hz), 4.58 (1H, m), 6.58 (2H, t, J=8.8Hz), 6.76 (4H, dd, J=2.0, 8.8Hz), 7.20 (2H, dd, J=3.2, 8.8Hz), 7.30 (1H, d, J=8.4Hz), 7.41 (1H, t, J=8.4Hz), 7.45−7.52 (2H, m), 7.81 (2H, d, J=8.4Hz), 7.88 (1H, d, J=8.4Hz). 13C NMR (100 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 18.1, 19.2, 30.9, 34.7, 36.9, 41.2, 54.7, 55.3, 55.4, 55.5, 59.6, 97.6, 114.1, 114.2, 123.9, 125.9, 126.3, 127.0, 128.4, 128.5, 128.6, 129.1, 130.3, 130.4, 130.5, 131.0, 132.4, 134.4, 158.5, 158.7, 171.9, 172.4, 172.5.
【0089】
実施例 7 2−ナフチルアセチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナール〔式(Ig)のチロペプチンA8のステレオマー〕の合成
実施例5の(e)で得たt−ブトキシカルボニル−O−アセチル−L−チロシル−L−バリル−O−アセチル−L−チロシノールアセテートを原料として用い、実施例5(f)と同様な方法に従い、BOC基を脱離し、また1−ナフチル酢酸の代わりに2−ナフチル酢酸を使用し、2−ナフチルアセチル−O−アセチル−L−チロシル−L−バリル−O−アセチル− L−チロシノールアセテートを合成した。さらに実施例5(g)〜(h)と同様にして2−ナフチルアセチル−L−チロシル−L−バリル−L−チロシノールを経て、表題物質の2−ナフチルアセチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナールを合成した。
【0090】
MP 176−181℃. [α]D 26 −38.8°(c 0.4, MeOH). Rf 0.50 (CHCl3/MeOH= 10/1). APCI−MS m/z 596 (M+H)+, 594 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C35H38O6N3, 596.2761; found, 596.2756 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3280, 2965, 1725, 1640, 1540, 1515, 1230, 825. 1H−NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.77 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.82 (3H, dd, J=2.4, 6.8 Hz), 1.88−1.95 (1H, m), 2.62 (1H, m), 2.76 (1H, ddd, J=2.4, 10.0, 14.0 Hz), 2.88 (1H, m), 2.98 (1H, dd, J=4.4, 14.0 Hz), 3.63 (2H, d, J9.4 Hz), 4.05 (1H, m), 4.10 (1H, dd, J=2.6, 7.4 Hz), 4.43 (1H, dd, J=4.2, 6.2 Hz), 4.62 (1H, m), 6.60 (2H, dd, J=2.2, 8.6 Hz), 6.65 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.98 (2H, d, J=3.2, 8.6 Hz), 7.01 (2H, dd, J=1.4, 8.4 Hz), 7.18 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.41−7.46 (2H, m), 7.59 (1H, s), 7.72 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.74−7.81 (2H, m). 13C-NMR (100 MHz, CD3OD) δ 18.6, 19.7, 32.2, 34.9, 37.7, 43.8, 56.2, 56.7, 60.3, 98.7, 116.2, 116.3, 126.8, 127.1, 128.3, 128.6, 128.8, 129.1, 129.2, 130.3, 130.5, 131.3, 131.4, 133.9, 134.1, 135.0, 156.8, 157.3, 173.1, 173.6, 173.9.
【0091】
実施例 8 1−ナフチルアセチル−O−メチル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナール〔式(Ih)のチロペプチンA9のステレオマー〕の合成
(a)t −ブトキシカルボニル− O −メチル− L −チロシル− L −バリル− O −アセチル− L −チロシノールアセテートの合成
実施例5の(d)で得たt−ブトキシカルボニル−L−チロシル−L−バリル−O−アセチル−L−チロシノールアセテート(300 mg、0.49 mmol)をメタノール(3 ml)に溶解し、これにクロロホルム(3 ml)、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(22.3 mg、0.17 mmol)、トリメチルシリルジアゾメタン(100 mg、0.88 mmol)を順次加え、室温で18時間撹拌した(O−メチル化反応)。この反応液を減圧下で濃縮乾固し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50 g、展開溶媒ヘキサン−クロロホルム、1:4)で精製することにより、表題の目的物(122.3 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3−CD3OD) δ 0.76 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.85 (3H, d, J=7.0 Hz), 1.41 (9H, s), 2.07 (3H, m), 2.15 (1H, m), 2.27 (3H, s), 2.73−2.85 (2H, m), 3.03 (2H, t, J=5.8 Hz), 3.76 (3H, s), 4.02 (2H, d, J=4.4 Hz), 4.13 (2H, dd, 6.6, 7.4 Hz), 4.24 (1H, dd, J=7.4, 14.0 Hz), 4.41 (1H, m), 4.90 (1H, br), 6.36 (1H, br), 6.44 (1H, d, J=8.4 Hz), 6.83 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.00 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.11 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.19 (2H, d, J=8.6 Hz). APCI−MS m/z 628 (M+H)+.
【0092】
(b)1 −ナフチルアセチル− O −メチル− L −チロシル− L −バリル− O −アセチル− L −チロシノールアセテートの合成
上記(a)で得た化合物(242.9 mg、0.39 mmol)を塩化メチレン(6 ml)に溶解し、これに氷冷下でトリフルオロ酢酸(1.5 ml)を加え、室温で1時間撹拌した(BOC基の脱離)。溶媒をトルエン共沸により減圧下に留去し、残渣を塩化メチレン(14 ml)に溶解した。得られたO−メチル−L−チロシル−L−バリル−O−アセチル−L−チロシノールアセテートを含有する溶液に氷冷下でトリエチルアミン(118 mg、1.17 mmol)、1−ナフチル酢酸(218 mg、1.17 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(79.2 mg、0.59 mmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(97.9 mg、0.51 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌した(N−アシル化反応)。この反応液に4%クエン酸水溶液(90 ml)を加え、酢酸エチル(90 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル11 g、展開溶媒クロロホルム)で精製し、表題の目的物(187.4 mg)を白色固体として得た。
【0093】
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.59 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.74 (3H, d, J=6.8 Hz), 2.07 (3H, m), 2.08 (1H, m), 2.26 (3H, s), 2.76−2.90 (4H, m), 3.73 (3H, s), 3.99 (2H, s), 4.05 (1H, m), 4.07 (2H, d, J=4.8 Hz), 4.44 (2H, m), 5.70 (1H, d, J=8.2 Hz), 6.27 (1H, d, J=9.0 Hz), 6.35 (1H, d, J=9.0 Hz), 6.51 (2H, d, J=8.8 Hz), 6.56 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.00 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.21 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.29 (1H, d, J=8.2 Hz), 7.40−7.55 (3H, m), 7.79 (1H, d, J=8.2 Hz), 7.84 (1H, d, J=8.2 Hz), 7.89 (1H, d, J=8.2 Hz). APCI−MS m/z 696 (M+H)+.
【0094】
(c)1 −ナフチルアセチル− O −メチル− L −チロシル− L −バリル− L −チロシノ ールの合成
上記(b)で得た化合物(183.2mg、0.26 mmol)をメタノール(20 ml)に溶解し、これに炭酸カリウム(180 mg、1.3 mmol)を加え、室温で18時間撹拌した(脱アセチル化反応)。この反応液の溶媒は減圧下で濃縮し、残渣に4%クエン酸水溶液(50 ml)を加え、酢酸エチル(50 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル8 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、50:1)で精製し、表題の目的物(62.1 mg)を白色固体として得た。
H−NMR (400 MHz, CDCl3−CD3OD) δ 0.74 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.81 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.97 (1H, m), 2.26 (1H, dd, J=7.2, 14.0 Hz), 2.72−2.81 (2H, m), 2.91 (1H, dd, J=5.8, 14.2 Hz), 3.49 (1H, ddd, J=4.8, 9.4, 14.4 Hz), 3.72 (3H, s), 3.99 (2H, s), 4.00 (1H, m), 4.05 (1H, m), 4.58 (1H, dd, J=5.2, 8.0 Hz), 6.59 (2H, d, J=8.8 Hz), 6.72 (2H, d, J=8.8 Hz), 6.76 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.03 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.28 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.32 (1H, d, J=6.8 Hz),7.42 (1H, t, J=7.6 Hz), 7.80−7.90 (4H, m). APCI−MS m/z 612 (M+H)+.
【0095】
(d)1 −ナフチルアセチル− O −メチル− L −チロシル− L −バリル− DL −チロシナール〔式( Ih )の化合物のステレオマー〕の合成
上記(c)で得た化合物(59.1 mg、0.10 mmol)をジメチルスルホキシド(0.7 ml)に溶解し、これにトリエチルアミン(39.0 mg、0.39 mmol)を加えた。さらに三酸化硫黄・ピリジン複合体(61.5 mg、0.39 mmol)のジメチルスルホキシド(0.6 ml)溶液を氷冷下でゆっくり滴下した後、室温で3時間撹拌した(アルコール性水酸基の酸化反応)。この反応液に4%クエン酸水溶液(70 ml)を加え、酢酸エチル(70 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル6 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、50:1)で精製し、表題の目的物(25.6 mg)を白色固体として得た。
【0096】
MP 150−153℃. [α]D 23 −18.2°(c 0.17, MeOH). Rf 0.45 (CHCl3/MeOH= 10/1). APCI−MS m/z 610 (M+H)+, 608 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C36H40O6N3, 610.2917; found, 610.2901 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3270, 2960, 1740, 1640, 1540, 1510, 1250, 780. 1H−NMR (400 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 0.75 (3H, dd, J=4.0, 6.8 Hz), 0.81 (3H, dd, J=4.0, 6.8 Hz), 1.95 (1H, m), 2.60−2.92 (4H, m), 3.73 (3H, d, J=4.4 Hz), 3.97 (2H, s), 4.02 (1H, m), 4.03−4.08 (1H. m), 4.41 (1H, d, J=4.0 Hz), 4.59 (1H, m), 6.56 (2H, dd, J=8.8, 10.8 Hz), 6.72 (4H, m), 7.03 (2H, dd, J=3.2, 8.8 Hz), 7.30 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.41 (1H, t, J=8.8 Hz), 7.45−7.53 (2H, m), 7.81 (2H, d, J=8.8Hz), 7.88 (1H, d, J=8.8 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 18.0, 19.1, 30.9, 34.8, 36.8, 41.0, 54.7, 55.3, 55.6, 59.3, 97.6, 114.1, 115.5, 123.8, 125.9, 126.3, 127.0, 128.2, 128.5, 128.6, 128.9, 129.0, 130.2, 130.4, 130.8, 132.3, 134.3, 155.6, 158.6, 171.8, 172.3, 172.4.
【0097】
実施例 9 1−ナフチルアセチル−L−チロシル−L−バリル−O−メチル−DL−チロシナール〔式(Ii)のチロペプチンA10のステレオマー〕の合成
(a)t−ブトキシカルボニル− O −ベンジル− L −チロシル− L −バリル− L −チロシノールの合成
実施例5の(c)で得たt−ブトキシカルボニル−O−ベンジル−L−チロシル−L−バリル−O−アセチル−L−チロシノールアセテート(400 mg、0.57 mmol)をメタノール(20 ml)に溶解し、これに4%炭酸水素ナトリウム水溶液(6 ml)を加え、室温で42時間撹拌した(脱アセチル化反応)。この反応液の溶媒を減圧下に留去し、残渣にクエン酸水溶液(50 ml)を加え、酢酸エチル(50 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、10:1)で精製し、表題の目的物(300 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.88 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.90 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.37 (9H, s), 1.99 (1H, m), 2.63 (1H, dd, J=7.6, 13.4 Hz), 2.76 (2H, m), 3.02 (1H, dd, J=5.4, 13.7 Hz), 3.47 (2H, d, J=5.2 Hz), 4.01 (1H, m), 4.12 (1H, d, J=7.3Hz), 4.25 (1H, dd, J=5.2, 8.8Hz), 5.00 (2H, s), 6.67 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.87 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.03 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.13 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.25−7.40 (5H. m). APCI−MS m/z 620 (M+H)+.
【0098】
(b)t−ブトキシカルボニル− O −ベンジル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− L −チロシノールの合成
上記(a)で得た化合物(300 mg、0.48 mmol)をメタノール(3 ml)に溶解し、これにクロロホルム(3 ml)、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(44.6 mg、0.34 mmol)、トリメチルシリルジアゾメタン(240 mg、2.1 mmol)を順次加え、室温で5日間撹拌した(O−メチル化反応)。この反応液を減圧下で濃縮乾固し、表題の目的物(293.7 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.75 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.85 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.43 (9H, s), 2.23 (1H, m), 2.73 (1H, dd, J=6.8, 13.7 Hz), 2.81 (1H, dd, J=8.0, 13.7 Hz), 2.98 (1H, dd, J=7.0, 14.2 Hz), 3.06 (1H, dd, J=5.9, 14.2 Hz), 3.50 (1H, m), 3.66 (1H, dd, 2.5, 11.2 Hz), 3.76 (3H, s), 4.13 (2H, dd, 4.9, 7.3 Hz), 4.23 (1H, dd, J=6.1, 12.0 Hz), 4.93 (1H, d, J=4.9 Hz), 5.03 (2H, s), 6.35 (1H, br), 6.55 (1H, br), 6.80 (2H, d, J=8.8 Hz), 6.93 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.11 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.12 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.30−7.40 (5H. m). APCI−MS m/z 634 (M+H)+.
【0099】
(c)t −ブトキシカルボニル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− L −チロシノールの合成
上記(b)で得た化合物(290 mg、0.46 mmol)をメタノール(10 ml)に溶解し、これに触媒量の10%パラジウム炭素触媒を加え、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌した(O−ベンジル基の脱離反応)。触媒をセライトにより濾別した後、濾液を減圧下で濃縮乾固し、表題の目的物(246.3 mg)を白色固体として得た。
【0100】
1H−NMR (400 MHz, CD3OD) δ 0.87 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.90 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.37 (9H, s), 2.00 (1H, m), 2.67 (2H, m), 2.84 (1H, dd, J=5.2, 14.2 Hz), 2.94 (1H, dd, J=5.4, 14.2 Hz), 3.48 (2H, d, J=5.4 Hz), 3.69 (3H, s), 4.05 (1H, m), 4.12 (1H, d, J=7.3 Hz), 4.22 (1H, dd, 4.9, 9.3 Hz), 6.78 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.80 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.04 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.12 (2H, d, J=8.6 Hz). APCI−MS m/z 544 (M+H)+, 542 (M−H).
【0101】
(d)t−ブトキシカルボニル− O −アセチル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− L −チロシノールアセテートの合成
上記(c)で得た化合物(240 mg、0.44 mmol)をピリジン(5 ml)に溶解し、これに無水酢酸(2.5 ml、26.6 mmol)を加え、室温で18時間撹拌した(アセチル化反応)。この反応液の溶媒はトルエン共沸により減圧下に留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル8 g、展開溶媒クロロホルム)で精製し、表題の目的物(265 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.79 (3H, d, J=7.2 Hz), 0.86 (3H, d, J=7.2 Hz), 1.42 (9H, s), 2.07 (3H, s), 2.14 (1H, m), 2.26 (3H, s), 2.70 (1H, dd, J=8.0, 14.0 Hz), 2.80 (1H, dd, J=6.0, 14.0 Hz), 3.08 (2H, m), 3.77 (3H, s), 4.03 (2H, d, J=5.2 Hz), 4.13 (1H, m), 4.28−4.41 (2H, m), 4.92 (1H, d, J=6.4 Hz), 6.25 (1H, br), 6.52 (1H, d, J=8.4 Hz), 6.82 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.02 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.09 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.20 (2H, d, J=8.6 Hz). APCI−MS m/z 628 (M+H)+.
【0102】
(e)1 −ナフチルアセチル− O −アセチル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− L −チロシノールアセテートの合成
上記(d)で得た化合物(188 mg、0.30 mmol)を塩化メチレン(2 ml)に溶解し、これに氷冷下でトリフルオロ酢酸(0.5 ml)を加え、室温で1時間撹拌した(BOC基の脱離反応)。この反応液の溶媒をトルエン共沸により減圧下に留去し、残渣を塩化メチレン(2 ml)に溶解した。得られたO−アセチル−L−チロシル−L−バリル−O−メチル−L−チロシノールアセテートを含む溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(91.1 mg、0.9 mmol)、1−ナフチル酢酸(168 mg、44.4 mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(61 mg、0.45 mmol)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩(75 mg、0.39 mmol)を順次加えた後、室温で18時間撹拌した(N−アシル化反応)。
【0103】
この反応液に4%クエン酸水溶液(100 ml)を加え、酢酸エチル(100 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、50:1)で精製し、表題の目的物(192.7 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.64 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.76 (3H, d, J=6.8 Hz), 2.05 (1H, m), 2.06 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.71 (1H, dd, J=7.8, 14.2 Hz), 2.78−2.84 (3H, m), 3.74 (3H, s), 4.00 (2H, s), 4.02 (2H, d, J=4.8 Hz), 4.03 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.55 (1H, dd, J=7.7, 12.9 Hz), 5.72 (1H, d, J=6.8 Hz), 6.22 (1H, d, J=6.8 Hz), 6.44 (1H, d, J=8.4 Hz), 6.68 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.75 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.81 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.10 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.26 (1H, d, J=6.0 Hz), 7.40−7.55 (3H, m), 7.80−7.90 (3H, m). APCI−MS m/z 696 (M+H)+.
【0104】
(f)1 −ナフチルアセチル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− L −チロシノールの合成
上記(e)で得た化合物(182 mg、0.26 mmol)をメタノール(10 ml)に溶解し、これに炭酸カリウム(359 mg、2.6 mmol)を加え、室温で18時間撹拌した(脱アセチル化反応)。この反応液の溶媒を減圧下で濃縮し、残渣に4%クエン酸水溶液(500 ml)を加え、酢酸エチル(500 ml)で抽出した。有機溶媒層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、10:1)で精製し、表題の目的物(157.2 mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl3−CD3OD) δ 0.73 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.81 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.96 (1H, m), 2.67 (1H, dd, J=8.3, 13.7 Hz), 2.76 (2H, m), 2.86 (1H, dd, J=5.3, 14.2 Hz), 3.49 (2H, m), 3.71 (3H, s), 3.98 (2H, s), 4.01 (1H, dd, J=1.5, 6.8 Hz), 4.03 (1H, m), 4.55 (1H, ddd, J=1.5, 5.4, 8.3 Hz), 6.57 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.75 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.79 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.11 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.30 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.30 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.48 (2H, m), 7.84 (3H, m). APCI−MS m/z 612 (M+H)+.
【0105】
(g)1 −ナフチルアセチル− L −チロシル− L −バリル− O −メチル− DL −チロシナール〔式( Ii )の化合物のステレオマー〕の合成
上記(f)で得た化合物(241.1 mg、0.39 mmol)をジメチルスルホキシド(2.5 ml)に溶解し、これにトリエチルアミン(160 mg、1.58 mmol)を加えた。さらに三酸化硫黄・ピリジン複合体(251 mg、1.58 mmol)のジメチルスルフォキシド(2.6 ml)溶液を氷冷下でゆっくり滴下した後、室温で3時間撹拌した(アルコール性水酸基の酸化反応)。この反応液に4%クエン酸水溶液(80 ml)を加え、酢酸エチル(80 ml)で2回抽出した。有機溶媒層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル7 g、展開溶媒クロロホルム−メタノール、50:1)で精製し、表題の目的物(104.0 mg)を白色固体として得た。
【0106】
MP 208−210℃. [α]D 26 −27.4°(c 0.19, MeOH). Rf 0.47 (CHCl3/MeOH= 10/1). APCI−MS m/z 610 (M+H)+, 608 (M−H). HRFAB−MS (m/z) calcd. for C36H40O6N3, 610.2917; found, 610.2930 (M+H)+. IR (KBr) νmax 3280, 2960, 1730, 1640, 1540, 1510, 1250, 780. 1H−NMR (400 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 0.75 (3H, dd, J=2.4, 6.8 Hz), 0.82 (3H, dd, J=2.4, 6.8 Hz), 1.94 (1H, m), 2.64−2.72 (2H, m), 2.81−2.97 (2H, m), 3.66 (3H, d, J=3.2 Hz), 3.96 (2H, s), 4.03 (1H, t, J=7.0 Hz), 4.12 (1H, m), 4.44 (1H, dd, J=2.4, 4.0 Hz), 4.56 (1H, m), 6.57 (2H, dd, J=5.6, 8.6 Hz), 6.76 (4H, m), 7.10 (2H, dd, J=2.2, 8.6 Hz), 7.27 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.40 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.48 (2H, m), 7.79 (2H, d, J=8.0Hz), 7.86 (1H, d, J=8.8 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3/CD3OD) δ 18.2, 19.3, 31.2, 34.8, 37.2, 41.2, 55.3, 55.5, 55.8, 59.8, 98.0, 114.4, 116.0, 124.1, 126.1, 126.5, 127.2, 127.7, 128.7, 128.8, 129.3, 130.7, 130.8, 130.9, 131.4, 132.8, 134.7, 156.4, 158.9, 172.3, 172.5, 172.8.

Claims (12)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003997141
    〔式中、R1 は置換されていてもよいシクロアルキルメチル基、あるいは置換されていてもよいアラルキル基、あるいは置換されてもよいアリール基を示し、R2およびR3はそれぞれ水素原子またはアルキル基を示す〕で表される化合物である、チロペプチンA類縁体、もしくはその製薬学的に許容できる塩。
  2. 請求項1に記載の一般式(I)において、 R 1 であるシクロアルキルメチル基は(C3〜C8)シクロアルキルメチル基であり、R1であるアラルキル基は、置換されていてもよいフェニル−(C1〜C4)アルキル基、あるいは置換されていてもよい1−または2−ナフチル−(C1〜C4)アルキル基であり、あるいはR1である置換されてもよいアリール基はフェニル基またはナフチル基であり、またR2および(または)R3であるアルキル基は、(C1〜C6)アルキル基である、請求項1に記載の類縁体。
  3. 一般式(I)において、R1がシクロヘキシルメチル基であり、R2およびR3がそれぞれ水素原子である化合物、すなわち次式(Ic)
    Figure 0003997141
    の化合物であって、チロペプチンA4と命名される、請求項1に記載の類縁体。
  4. 一般式(I)において、R1がベンジル基であり、R2およびR3がそれぞれ水素原子である化合物、すなわち次式(Id)
    Figure 0003997141
    の化合物であって、チロペプチンA5と命名される、請求項1に記載の類縁体。
  5. 一般式(I)において、R1が1−ナフチルメチル基であり、R2およびR3がそれぞれ水素原子である化合物、すなわち次式(Ie)
    Figure 0003997141
    の化合物であって、チロペプチンA6と命名される、請求項1に記載の類縁体。
  6. 一般式(I)において、R1が1−ナフチルメチル基であり、R2およびR3がそれぞれメチル基である化合物、すなわち次式(If)
    Figure 0003997141
    の化合物であって、チロペプチンA7と命名される、請求項1に記載の類縁体。
  7. 一般式(I)において、R1が2−ナフチルメチル基であり、R2およびR3がそれぞれ水素原子である化合物、すなわち次式(Ig)
    Figure 0003997141
    の化合物であって、チロペプチンA8と命名される、請求項1に記載の類縁体。
  8. 一般式(I)において、R1が1−ナフチルメチル基であり、R2がメチル基であり、R3が水素原子である化合物、すなわち次式(Ih)
    Figure 0003997141
    の化合物であって、チロペプチンA9と命名される、請求項1に記載の類縁体。
  9. 一般式(I)において、R1が1−ナフチルメチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基である化合物、すなわち次式(Ii)
    Figure 0003997141
    の化合物であって、チロペプチンA10と命名される、請求項1に記載の類縁体。
  10. 請求項1に示される一般式(I)のチロペプチンA類縁体の少くとも一つ、もしくはその製薬学的に許容できる塩を有効成分として含有し、また製薬学的に許容できる担体を含有することを特徴とする、医薬組成物。
  11. 抗腫瘍剤組成物である、請求項12に記載の医薬組成物。
  12. 請求項1に示される一般式(I)のチロペプチンA類縁体、もしくはその製薬学的に許容できる塩からなるプロテアソーム阻害剤。
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