JP2001521905A - ペプチド合成用ヒプシン試薬 - Google Patents

ペプチド合成用ヒプシン試薬

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JP2001521905A JP2000518688A JP2000518688A JP2001521905A JP 2001521905 A JP2001521905 A JP 2001521905A JP 2000518688 A JP2000518688 A JP 2000518688A JP 2000518688 A JP2000518688 A JP 2000518688A JP 2001521905 A JP2001521905 A JP 2001521905A
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バーゲロン,レイモンド,ジェイ.,ジュニア.
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Abstract

(57)【要約】 式(1): 【化1】 (式中、Q1 及びQ2 は同一又は異なっていてもよいアミノ保護基である;Q3はQ1 とQ2 とに直交するアミノ保護基である;Zはヒドロキシ保護基である)を有する誘導体であって、ヒプシンを含むペプチドの合成用試薬として有用なヒプシン誘導体、並びに該誘導体の改良合成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、ヒプシンを含むペプチドの合成用試薬として有用な、新規なヒプシ
ン誘導体に関する。
【0002】 発明の背景 従来技術の説明 構造:
【0003】
【化18】
【0004】 を有する、ヒプシン〔Nε−(4−アミノ−2−ヒドロキシブチル)リジン〕、
異常天然アミノ酸は、最初に、1971年にShibaらによって、ウシの脳の
抽出物から単離された〔Biochim.Biophys.Acta.,Vol
.244,523−531頁(1971)〕。分子は、2つのキラル中心を持ち
、1つは2位及び1つは9位で、それぞれ、Cahn−Ingold−Prel
og法によって、RかSを分類され得る。リジンの翻訳後修飾として形成された
(2S,9R)−ジアステレオマー(B)、
【0005】
【化19】
【0006】 は、真核生物の開始因子「eIF−5A」の前駆体タンパク質として生じること
が示された。(以前はeIF−4D又はIF−M2 BXと称した;開始因子に対
する命名が改訂されている)〔Cooperら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA ,Vol.80,1854−1857頁(1983);及びS
afer,Eur.J.Biochem.,Vol.186,1−3頁(198
9)〕。本開始因子5Aは、アミノ酸ヒプシン(Hpu)を含む唯一の公知の細
胞タンパク質であることとしてのみ知られているという点で、ユニークである。
1970年代中頃、eIF−5Aは、リボソームサブユニット結合を刺激し、ピ
ューロマイシンとの80S−結合Met−t−RNA反応性を高めることが示さ
れた〔Andersonら、FEBS Lett.,Vol.76,1−10頁
(1977);及びKemperら、J.Biol.Chem.,Vol.25
1,5551−5557頁(1976)〕。その後、1983年に、Coope
rら上記は、ヒプシン修飾タンパク質は全ての生育する真核細胞において、重要
な開始因子として有益であることを示唆した。1986年に、Parkら、〔 .Biol.Chem. ,Vol.261,14515−14519頁(198
6)〕は、ヒト赤血球細胞からeIF−5Aタンパク質を単離し、一つのヒプシ
ン残基の周辺のアミノ酸配列を、Thr-Gly-Hpu-His-Gly-His-Ala-Lys として解明
した。さらに、最も興味深いことに、HIV複製の調節への可能な適用のために
〔Bevecら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.9
1,10829−10833頁(1994);及びRuhlら、J.Cell Biol. ,Vol.123,1309−1320頁(1994)〕、eIF−
5A類似体の合成は、大きな治療的意義がある。
【0007】 ヒプシンは、eIF−5Aに対して特異的であるので、ヒプシン含有ペプチド
から誘導される抗体は、eIF−5Aのレベルを直接的に、高い特異性で、定量
するのに使用され得た。この重要な開始因子の生理的な役割を研究するための、
eIF−5Aの抗体アッセイを開発することにおける興味は、ヒプシン及びその
(2S,9R)−ジアステレオマーの全合成を促した〔Bergeronら、 .Org.Chem. ,Vol.58,6804−6806頁(1993)〕。
合成の重要な工程は、それぞれ、(2S,9R)−及び(2S,9S)−クロロ
ヒドリンを与えるための、(R)−又は(S)−エピクロロヒドリンでのNε−
ベンジル−Nα−カルボベンズオキシ−(L)−リジンベンジルエステルのNε
−アルキル化を含んだ。シアン化物イオンによる各塩化物のつづく置換は、保護
されたヒプシン骨格を与えた。最終工程は、AcOH中のPtO2 上での水素化
、つづく中性化及び再酸性化は、それぞれ(2S,9S)−及び(2S,9R)
−ヒプシン2塩酸塩を得た。報告されたヒプシンの旋光度と合成(2S,9R)
−ヒプシンBの旋光度との比較は、合成を通して両キラル中心の立体化学的な完
全さ(integrity)を確かめた。
【0008】 ヒプシン自体を入手するための合成方法論があるので、選択されたペプチドに
、この異常アミノ酸を組み込むのに使用され得る選択的に保護されたヒプシン試
薬を有することも、望ましい。
【0009】 本発明の目的は、かかる新規なヒプシン試薬、並びにそれらの合成方法を提供
することである。
【0010】 発明の要旨 これら及び他の目的は、本発明により実現され、その1つの態様は、ヒプシン
を含むペプチドの合成用試薬として有用な、式:
【0011】
【化20】
【0012】 (式中、Q1 及びQ2 は同一又は異なっていてもよいアミノ保護基であり;Q3 はQ1 とQ2 とに直交するアミノ保護基であり;Zはヒドロキシ保護基である)
を有するヒプシン誘導体を含有する。
【0013】 本発明のさらなる態様は、 a. 式:
【0014】
【化21】
【0015】 (式中、prot及びprot’は、相互に直交するN−保護基であり、Rは、
prot及びprot’に関して直交するエステル化をするアルコールの残基で
ある) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンのエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去して、式:
【0016】
【化22】
【0017】 の化合物を生成する工程、 c. (b)を式:
【0018】
【化23】
【0019】 の化合物に転換する工程、 d. (c)を、式:
【0020】
【化24】
【0021】 のクロロヒドリンに転換する工程、 e. (d)のCl基をCNに置換して、式:
【0022】
【化25】
【0023】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱ベンジル化し、かつ(e)のCN基をアミノ基に転換して、
式:
【0024】
【化26】
【0025】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基をアシル化して、式:
【0026】
【化27】
【0027】 のジ−N−保護 Nε−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)からR及びprot’を除去して、式:
【0028】
【化28】
【0029】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護して、ヒプシン誘導体
(1)を生成する工程、 を含む、前記規定されたヒプシン試薬を合成する方法に関する。
【0030】 本発明のさらなる態様は、 j. 式(b)の化合物を式:
【0031】
【化29】
【0032】 のクロロヒドリンに転換する工程、 k. 式(j)の化合物を、式:
【0033】
【化30】
【0034】 のNε−保護クロロヒドリンに転換する工程、 l. (k)のCl基をCNに置換し、式:
【0035】
【化31】
【0036】 のニトリルを生成する工程、 m. Nε基を脱保護し、(l)のCN基をアミノ基に転換し、式(f)のア
ミノアルコールを生成させた後、前記のようにヒプシン誘導体(1)を生成する
前記g、h及びiの工程を行なう工程、 を含む、ヒプシン試薬を合成する別法に関する。
【0037】 発明の詳細な説明 本明細書の前述の及び後述の説明において、本発明がその範囲内に含む、様々
な定義の好適な例示及び説明が、以下に詳細に説明される。
【0038】 本明細書で用いられる「アミノ保護基」の表現は、示された基(Q1 、Q2
びQ3 )を意味し、それらはアミノ基、又は合成の間、1若しくは複数のアミノ
基を保護するための基の水素原子のかわりに挿入される。
【0039】 適したアミノ保護基の選択は、保護の理由及び保護生成物の最終の用途に依存
する。合成の間の保護のために単独で保護基を使用する時、慣用のアミノ保護基
を使用してもよい。適切なアミノ保護基が当該分野で知られており、例えば、B
odanszkyによるPrinciples of Synthesis,S
pringer−Verlag,New York(1984);Ivesによ
る米国特許第4,619,915号明細書;及び後で参照するペプチド化学の様
々な出版物で説明される。また、保護基については、Methoden der Organischen Chemie ,Houben−Weyl,Vol.
15,No.1を、ペプチド合成方法については、Vol.15,No.2を参
照のこと。合成用途のための典型的なアミノ保護基としては、tert−ブトキ
シカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フルオレニルメトキシカルボニル(
FMOC)、ベンゾイル、アセチル等のアシル基が挙げられる。合成における使
用のための更に他の慣用のアミノ保護基が、文献〔Bodanszky,上記及 びIves,上記 〕中で述べられる。
【0040】 本明細書で用いられる「ヒドロキシル保護基」の語は、基(Z)を意味し、こ
れはOH基又は合成の間、1若しくは複数のOH基を保護するための基の水素原
子のかわりに挿入される。
【0041】 好ましいヒドロキシル保護基は、エーテルであり、最も好ましくはテトラヒド
ロピラニルエーテルである。
【0042】 「直交の(orthogonal)」という用語は、本明細書で「保護基」と
いう用語を修飾するために使用される時、分子中のこれらの保護基であって、分
子中の他の保護基の存在下で、後者に影響を及ぼすことなく分子から選択的に除
去できる保護基を示すことを意味する。
【0043】 前述したヒドロキシル基及びアミノ基に対する様々な保護基は、当該技術分野
によく知られた方法で、当該アミノ酸/ペプチド(又はそれらの前駆体分子)中
のヒドロキシル基及びアミノ基に置換可能である。保護基の化学的除去方法は(
それらが製薬上有用な最終生成物に保持されないとき)、当業者によく知られた
ものと同様である。典型的には、アミン保護基は、使用される特定の保護基に依
存して、酸分解(酸加水分解)又は水素化によって化学的に除去される。ヒドロ
キシル基及びカルボキシル保護基は、典型的には、酸加水分解又は塩基加水分解
によって化学的に除去される。医薬最終生成物に取り込まれる保護基は、インビ
ボで、加水分解開裂又は代謝開裂に耐えることができなければならない。
【0044】 本発明のヒプシン試薬は、ペプチド、特にeIF−5Aペンタペプチド配列を
入手するためのシントンとして有用である。従って、ヒプシンを取り込んだペプ
チドは、アミノ酸若しくは保護アミノ酸の連続的な付加によって、又は試薬のア
ミノ末端遊離ペプチドへの付加によって調製され得る。従って、前記試薬は、ペ
プチド合成の過程で、ジペプチド又はより大きなフラグメント中に直接挿入され
得る。合成のいかなる点においても、ヒプシン試薬のα−窒素保護基は除去され
、アミノ酸、保護アミノ酸又はカルボン酸(carboxylate)遊離ペプ
チドのカルボキシラート(carboxylate)基は、それと結合され得る
【0045】 適切な保護基を利用する、アミノ酸を連続的に付加してペプチドを形成する方
法は、当該分野によく知られている。かかる方法の優れた要約は、固相合成及び
溶液中の合成を含み、米国特許第4,530,920号明細書(Nestorら
)に含まれ、それは、信頼され、その全部が本明細書に参照として取り込まれる
Solid Phase Peptide Synthesis,第2版、J
ohn Morrow Stewart及びJanis Dillaha Yo
ung,eds.,Pierce Chemical Company,Roc
kford,Illinois(1984)もまた参照のこと。本発明によって
提供されるペプチドはまた、従来技術で述べたセグメント縮合法によって調製で
きる(Bodanszky,上記及びMethoden der Organi schen Chemie ,上記)。
【0046】 本発明の方法を介して与えられるヒプシンを取り込む新規なペプチドは、19
97年11月21日に提出された、U.S.S.N.08/975,656号明
細書の一部継続出願として、1998年8月19日に代理人名簿番号SUNP−
020/01US号明細書として提出された「ヒプシンペプチド」という名称の
係属中の明細書及びR.J.Bergeronら、J.Org.Chem.,V
ol.62,3285−3290(1997)に開示され、その開示は本明細書
に参照として取り込まれる。
【0047】 ヒプシン(A)の構造の検査は、5つの可能性のある反応中心を明らかにする
:2つの第一アミノ基、1つの第二アミノ基、第二ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基。eIF−5A中で、α−アミノ窒素(N2)が、直交する、すなわちN7
及びN12を遮蔽する基が除去されるものとは異なった条件下で、他の2つの可
能な反応性アミン(N7及びN12)を遮蔽するものを除去できる保護基を必要
とした。従って、N2窒素は、例えば、N−フルオレニルメトキシカルボニル(
N−FMOC)誘導体として保護され、一方、N7及びN12アミンは、例えば
、N−カルボベンジルオキシ(N−CBZ)部分として保護された。9−ヒドロ
キシルは、例えばテトラヒドロピラニル(THP)エーテルとして、遮蔽された
。弱い反応性の第二ヒドロキシルが、予想される固相合成で使用されるN−アシ
ル化剤での障害を生じることが予期される時、この保護は必要である〔Stew
art,The Peptides,Vol.3,170頁、Grossら編.
,Academic Press,New York(1981)〕。
【0048】 Figure 1で示されるように、合成は、好ましくはNε−CBZ−L−
リジン t−Buエステルのt−ブトキシ−カルボニル化(BOC)で開始して
、98%の収率で2を与える〔Tarbellら、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA ,Vol.69,730−732(1972)〕。
【0049】 2のNε−CBZ基は、エタノール及びHCl水溶液中10%Pd−Cでの水
素化によって除去され、99%の収率で3を与えた〔Bergmannら、Be r.Dtsch. ,Chem.Abs.,Vol.65,1192−1201(
1932)〕。Nε−ベンジル−Nα−BOC−L−リジン t−Buエステル
4が、遊離したNεアミンのベンズアルデヒドとシアノボロハイドライドナトリ
ウムとの還元的アミン化によって、3から合成された〔Borchら、J.Am .Chem.Soc. ,Vol.93,2897−2904(1971)〕。
【0050】 ヒプシンの初期の合成(Bergeronら、上記)は、L−リジン誘導体か
ら親分子を入手するためのキラルな4−アミノ−2−ヒドロキシブタンシントン
を開発した。特に、このフラグメントは、保護されたL−リジンのNεベンジル
基をヒプシンのN7−N12構造に作ることを可能にする。本発明の合成におい
て、この概念は、さらに開発される。Figure 1で描かれた反応スキーム
で示される様に、つづく(S)−エピクロロヒドリンと4のNε−アルキル化は
、(2S,9S)−クロロヒドリン(5)を与えた。塩化物イオン(5)のシア
ニドイオンによる置換は、保護された(2S,9R)−ヒプシン骨格(6)を与
えた。N7での脱ベンジル化及び6での末端ニトリルの転換は、水素化によって
達成され、ジアセテートとしてアミノアルコール(7)を与えた。保護基として
CBZ基を使用する、N7及びN12でのアミノアルコール(7)のアミノ基の
アシル化は、ジ−CBZ−Nα−t−BOC−(L)−リジン t−ブチルエス
テル(8)を与えた。t−ブチルエステル及びNα−BOC保護基の選択的除去
が、TFA及びトリエチルシランで達成され〔Mehtaら、Tetrahed ron Lett. ,Vol.33,5441−5444(1992)〕、ジ−
CBZ誘導体9を得た。第二9−ヒドロキシル基が、テトラヒドロピラニルエー
テル10として保護され〔Bernadyら、J.Org.Chem.,Vol
.44,1438−1447頁(1979)〕、次に9−フルオレニルメチル
N−スクシンイミジル炭酸塩での残存Nα−アミン基のアシル化は、望ましい保
護基を有するヒプシン試薬(11)を与えた。試薬(11)は、(2S,9R)
−ヒプシン(B)の2塩酸塩に転換され、4−アミノメチル−ピペリジンのFM
OC基を除去すること〔Beyermannら、J.Org.Chem.,Vo
l.55,721−728頁(1990)〕、及びWangらによる方法〔In t.J.Peptide Res. ,Vol.40,344−349頁(199
2)〕に従い、残存保護基の脱保護によって、当該技術分野において引用される
もの(Bergeronら、上記)と同一の 1H NMR及び類似の旋光度を与
えた。
【0051】 類似の様式で、異なった立体化学のヒプシン試薬分子が、(R)−エピクロロ
ヒドリン等の逆の立体化学の原料を使用する似た方法で得られうる。
【0052】 ヒプシン試薬1の合成の別法は、スケールアップした量、例えば、ミリグラム
より多い量を得る場合に、好ましい。この方法の具体例が、Figure 2で
説明され、ヒプシン試薬11aの合成が示される。この方法は、シアニド開裂で
の中間体がC−9でのラセミ化をもたらし得る可能性のあるアゼチジウム塩の形
成を避ける。該方法は、代わりにハロカルバメート中間体(13a/b)を使用
する。この方法を利用して、(2S,9R)試薬11a及び対応する(2S,9
S)化合物11bの両方が合成された。商業上入手可能なNε−CBZ−L−リ
ジン tert−ブチルエステル(Figure 2)を、ジ−tert−ブチ
ル2炭酸塩で保護し、〔2〕を得、これはCBZ保護基を除去するために水素化
された。得られた第一アミン〔3〕を、(9S)−クロロヒドリン〔(12a)
〕を生じるための(S)−(+)−エピクロロヒドリン又は(9R)−クロロヒ
ドリン〔(12b)〕を生成するための(R)−(−)−エピクロロヒドリンの
いずれかと反応させた。クロロギ酸ベンジルを、クロロヒドリン〔12a及び1
2b〕のN−7で縮合し、N7 −CBZ化合物〔13a及び13b〕を得た。再
度、N−7でのカルバミン酸結合のために、アゼチジウム形成が除外される。1
8−クラウン−6の存在下での〔13a及び13b〕とKCNとの反応は、対応
するニトリル〔14a及び14b〕を生じる。各々の例において、C9でのキラ
ル完全さを確かめるために、(9R)−及び(9S)−ヒドロキシニトリルが、
それぞれモッシャー(Mosher)エステル〔19a及び19b〕に転換され
た。〔19a〕の 1H NMRスペクトルでのメトキシ共鳴が3.60ppmで
観察され、〔19b〕においては、3.46ppmで観察された。両共鳴が、2
つの化合物の混合物中で、簡単に区別された。〔19a〕のプロトンNMR中で
〔19b〕の3.46ppmの共鳴又は〔19bのものでの19a〕の3.60
ppmの共鳴が観察できないことは、C−9でのキラル完全さが合成順序におけ
るこの段階で維持していたことを確かにした。
【0053】 ニトリル〔14a及び14b〕が、次に、水素及び混合された触媒で還元され
た。ついで、得られたジアミン2酢酸塩〔15a及び15b〕を、N−(ベンジ
ルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(CBZ−ONSu)と反応して、
7 ,N12−ジ−CBZヒドロキシ誘導体〔16a及び16b〕を生成した。ト
リフルオロ酢酸及びトリエチルシランでのこれらの系の処理は、BOC及びte
rt−ブチルエステル保護基の両方を遊離し、ジ−CBZアミノ酸〔17a及び
17b〕を生じた。C−9ヒドロキシル基は、次いで、THPエーテルに〔18
a及び18b〕転換された。最終的に、両〔18a及び18b〕が、それらのF
MOC誘導体〔11a及び11b〕に転換された。
【0054】 試薬及びそのペプチド生成物の立体化学の完全さの追加の確認が、行なわれた
(Figure 3)。初期の合成研究を通じて、ヒプシンフラグメントのα−
メチンでのラセミ化の程度を、対応するL−バリンのジペプチドを調製すること
によって、定量してもよい。プロトンNMRスペクトルは、L−リジル−L−バ
リン及びD−リジル−L−バリンとの間、並びに関連する(2S,9R)−ヒプ
シニル−L−バリン及び(2R,9R)−ヒプシニル−L−バリンジペプチドジ
アステレオマーとの間を明らかに区別した。保護されたヒプシン試薬11a(2
S,9R)を、バリン tert−ブチルエステルで縮合して、α−N−FMO
C−保護ジペプチド〔20〕(2S,9R)を得た。次いでFMOC保護基をピ
ペリジンと接触することによって除去し、〔21〕を得た後、酢酸−水中のp−
トルエンスルホン酸によってTHPエーテル(ジペプチド〔22〕)を除去した
。遊離の窒素のBOC無水物での保護は、Nα−BOCジペプチド〔23a〕(
2S,9R)を与えた。このジペプチド〔23a〕が、2つの別々の反応、モッ
シャー(Mosher)エステル〔24a〕(2S,9R)への転換又は酢酸/
TFA/フェノール/ペンタメチルベンゼン/トリイソプロピルシラン中でHB
rを使用するジペプチド〔25a〕(2S,9R)への脱保護に供された。他の
セットのジアステレオマー(2S,9S)を生成するために、ジ−CBZ中間体
〔17b〕(2S,9S)のα−アミノ基をBOC無水物と反応させた;こうし
て生じた酸〔26〕をバリン tert−ブチルエステルと縮合させた。〔23
a〕と同様に、2つの別々の転換を開始した:〔23b〕を対応するモッシャー
(Mosher)エステル〔24b〕(2S,9S)に変換して、脱保護して、
ジペプチド〔25b〕(2S,9S)を得た。従って、3セットのジアステレオ
マーが比較のために使用できた:〔23a/b,24a/b及び25a/b〕。
〔23a,23b,25a及び25b〕のプロトンNMRスペクトルは、(2R
)−ヒプシニル−L−バリン ジアステレオマーでないのものとして、ヒプシン
部分のC−2でいかなるラセミ化の存在も検出しないことを示さなかった。更に
、〔24a〕(9R)及び〔24b〕(9S)の 1H NMR及び19F NMR
の両分析の比較は、C−9での光学的完全さを明らかに示唆した。〔24a〕(
9R)のモッシャー(Mosher)エステルメトキシプロトン及びフッ素シグ
ナルは、それぞれδ3.50及び〜71.78ppmでそれぞれ生じ、一方、〔
24b〕(9S)のシグナルは、δ3.44及び〜71.40ppmであった。
【0055】 実施例 本発明は、Figure 1〜3で描かれた反応スキームを言及する、下記の
限定されない実施例によって説明され、ここで 1H NMRスペクトルは、他に
明記しない時、300MHzで記録した;13C NMRスペクトルは、他に明記
しない時、75MHzで記録した;化学シフトは、内部テトラメチルシラン又は
3−(トリメチル−シリル)プロピオン酸ナトリウム標準から低磁場へ100万
ごとの部分で与えられた;結合定数(J)が、Hzで与えられる;マススペクト
ルをKratos MS 80RFA又はFinnigan 4516 MS装
置で測定した;旋光度を、100mlあたりの化合物のグラムとして表現される
cで、Perkin−Elmer 341旋光度計で、589nm(Na D−
線)で測定した;融点は、正確でなかった。化学試薬をAldrich、Flu
ka又は、Sigma Chemical社から購入し、さらなる精製なしに使
用した。
【0056】 実施例1 Nα−BOC−Nε−CBZ−L−リジン tert−ブチルエステル(2) 水(75ml)中炭酸水素ナトリウム(2.81g、33.47mmol)を
、クロロホルム(100ml)中H−Lys(CBZ)−O−t−Bu塩酸塩(
12.00g、32.18mmol)に添加し、混合物を室温で5分間、窒素雰
囲気下で攪拌した。クロロホルム(50ml)中ジ−tert−ブチル2炭酸塩
(7.02g、32.18mmol)を添加し、;混合物を1.5時間還流し、
室温まで冷却させた。層を分離し、水層をクロロホルムで抽出し(3×100m
l)、あわせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。インバキュオでの濃縮後
、次いでフラッシュクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン:酢酸エチル)にか
け、無色のオイルとして(2)を得た(13.82g、98%)。1H NMR (CDCl 3 )δ7.30 (s, 5H), 5.10 (s, 2H), 4.82 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 3.20 (m, 2H)
, 1.90-1.30 (m, 6H), 1.48 (s, 9H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (CD3OD)δ 173.8
, 158.8, 158.1, 138.4, 129.4, 128.9, 128.7, 82.5, 80.4, 67.3, 55.7, 41.4
, 32.4, 30.4, 28.7, 28.3, 24.0. HRMS m/z calcd. For C23H37N2O6 473.2652,
found 437.2643. Anal. calcd. for C23H36N2O6: C63.28, H8.31, N6.42. Foun
d: C63.13, H8.28, N6.47.[ α]27 D +5.0°(c=2.00, CHCl3).
【0057】 実施例2. Nα−BOC−L−リジン tert−ブチルエステル塩酸塩(3) Nα−BOC−Nε−CBZ−L−リジン tert−ブチルエステル(2)
(34.51g、79.15mmol)を300ml無水EtOHと1N HC
l(88ml)との混合物に溶解した。H2 ガスの導入の前に、10%Pd−C
(2.95g)を添加した。7時間後、追加の触媒(1.0g)を添加した。5
時間後、黒色の懸濁物をセライト層を通して濾過し、EtOHで洗浄した。濾過
物を濃縮し、残渣を高真空下に乾燥し、塩酸塩(3)としてNα−BOC−L−
リジン tert−ブチルエステルを得た(26.59g、99%)。1H NMR (
CD3OD)δ3.95 (dd, 1H, J=8.8, 5.0), 2.93 (t, 2H, J=7.7), 1.84-1.60 (m, 6H
), 1.45 (s, 9H), 1.43 (s, 9H); 13C NMR (CD3OD)δ 173.5, 158.2, 82.7, 80.
5, 79.5, 55.5, 40.6, 32.1, 28.7, 28.3, 23.9. HRMS m/z calcd. for C15H31N 2 O4 303.2284, found 303.2272. [ α]26 D -10.1 °(c=1.00, CH3OH).
【0058】 実施例3 Nεベンジル−Nα−BOC−L−リジン tert−ブチルエステル(4) Nα−BOC−L−リジン t−ブチルエステル塩酸塩(3)(25.97g
、76.64mmol)をCHCl3 (300mL)に溶解し、飽和Na2 CO 3 水溶液で洗浄した(2×100mL)。有機層を分離し、乾燥し(MgSO4 )、濾過し、濃縮した。得られた油(遊離アミン)をベンズアルデヒド(10.
42g、98.13mmol)とEtOH(150ml)と活性化3Å分子篩(
46.0g)とに合わせた。N2 下、混合物を6時間攪拌した。シアノボロハイ
ドライドナトリウム(2.41g,38.4mmol)を添加し、混合物を室温
で一晩攪拌した。茶色の混合物を濾過し、1N HCl(110mL)を用いて
濾過物をpH2に酸性化した。黄色溶液を濃縮乾固し、CHCl3 に溶解し、飽
和Na2 CO3 溶液および水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥(MgSO4
し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10% EtOH/CH
Cl3 、Rf =0.30)により、無色の油としてNε−ベンジル−Nα−BO
C−L−リジン t−ブチルエステル(4)(16.16g、54%)を得た。 1 H NMR (CD3OD)δ7.34-7.20 (m, 5H), 3.91 (dd, 1H, J=9.0, 5.1), 3.72 (s, 2
H), 2.58 (t, 2H, J=7.2), 1.82-1.30 (m, 6H), 1.45 (s, 9H), 1.43 (s, 9H); 13 C NMR (CDCl3) δ 171.9, 155.3,140.1, 128.3, 128.1, 126.9, 81.6, 79.5,
53.9, 48.9, 32.7, 29.5, 28.3, 27.9, 22.9. HRMS m/z calcd. for C22H36N2O4 392.2675, found 392.2676. Anal. calcd. for C22H36N2O4: C67.32, H9.24, N
7.14. Found: C67.40, H9.28, N7.16. [ α]25 D =6.9°(c=1.00, CHCl3).
【0059】 実施例4 (2S,9S)−7−ベンジル−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミ ノ〕−10−クロロ−9−ヒドロキシ−7−アザデカン酸,tert−ブチルエ ステル(5) Nε−ベンジル−Nα−BOC−L−リジン t−ブチルエステル(4)(1
6.0g、40.76mmol)とCH3 OH(40mL)と(S)−(+)−
エピクロロヒドリン(4.17g、45.0mmol)と無水MgSO4 (5.
33g.44.28mmol)との混合物をN2 下に3日間攪拌した。固形物を
濾別し、CH3 OHで洗浄した。室温で濾過物を濃縮して黄色の油を得た。得ら
れた油をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(66% ヘキサン/酢
酸エチル)により精製して、無色の油として13.23gの(5)(77%)を
得た。1H NMR (C6D6) δ7.18 (m, 5H), 5.00 (br d, 1H), 4.40 (m, 1H), 3.62
(m, 1H), 3.40-3.10 (m, 4H), 2.20-2.00 (m, 4H), 1.63 (m, 1H), 1.40 (s, 9H
), 1.31 (s, 9H), 1.20 (m, 2H). 13C NMR (C6D6) δ 171.7, 155.2, 138.8, 12
8.8, 127.9, 127.0, 80.8, 78.8, 67.7, 58.8, 57.2, 53.9, 53.7, 47.3, 32.5,
28.0, 27.5, 26.3, 22.8. HRMS m/z calcd. for C25H42ClN2O5 485.2782, foun
d 485.2775. [ α]25 D +5.3°(c=1.00, CHCl3).
【0060】 実施例5 (2S,9R)−7−ベンジル−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミ ノ〕−10−シアノ−9−ヒドロキシ−7−アザデカン酸 tert−ブチルエ ステル(6) 275mLの無水アセトニトリル中(5)(6.99g、14.4mmol)
と無水KCN(9.38g、144mmol)と18−クラウン−6(0.76
g、2.88mmol)との混合物を45℃5日間攪拌した。本混合物を加熱し
て還流することは、著しい分解を引き起こすことに注目するべきである。反応混
合物を冷却し、濾過し、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグ
ラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン)により、無色の油として(2S,9R
)−ニトリル(6)を得た(4.82g、70%)。1H NMR (CD3OD)δ7.34-7.1
8 (m, 5H), 3.97-3.83 (m, 2H), 3.67 (dd, 1H, J=13.4, 2.6), 3.54 (dd, 1H,
J=13.4, 4.0), 2.72-2.40 (m, 6H), 1.80-1.50 (m, 4H), 1.45 (s, 9H), 1.44 (
s, 9H), 1.40-1.30 (m, 2H). 13C NMR (CDCl3)δ 171.8, 155.3, 138.1, 128.8,
128.4, 127.3, 117.1, 81.6, 79.5, 63.6, 58.8, 54.0, 32.6, 28.2, 27.9, 22
.1. HRMS m/z calcd. for C26H42N3O5 476.3124, found 476.3121. Anal. calcd
. for C26H41N3O5.476.3124. C65.66, H8.69, N8.83. Found: C65.71, H8.67, N
8.80.[α]25 D +4.7°(c=1.00, CHCl3).
【0061】 実施例6 (2S,9R)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−11−ア ミノ−9−ヒドロキシ−7−アザウンデカン酸 tert−ブチルエステル,2 酢酸塩(7) Nεベンジルニトリル(6)(4.80g、10.7mmol)を氷酢酸(1
00mL)に溶解し;10% Pd−C(0.50g)とPtO2 (1.00g
)とを添加し;かつ、水素ガスを導入した。反応を6時間後終了させ、触媒をセ
ライト(Celite)層を通して濾過し、酢酸で洗浄した。濾過物を真空(i
n vacuo)で濃縮した。トルエンでの酢酸の共沸除去により、無色の油と
して(7)を得た(5.10g、99%)。1H NMR (500 MHz) (CD3OD)δ4.02-3
.94 (m, 2H), 3.14-2.86 (m, 6H), 1.94 (s, 6H), 1.87-1.58 (m, 8H), 1.46 (s
, 9H), 1.44 (s, 9H). 13C NMR (CD3OD)δ 169.6, 156.54, 85.3, 70.2, 62.6,
56.6, 54.2, 53.9, 34.0, 31.1, 28.2, 26.3, 23.2. HRMS m/z calcd. for C19H 40 N3O5 390.2968, found 390.2977. [α]25 D +0.6°(c=1.00, CH3OH).
【0062】 実施例7 (2S,9R)−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−2−〔(t ert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−9−ヒドロキシ−7−カルボベンジル オキシ−7−アザウンデカン酸 tert−ブチルエステル(8) (7)(1.17g、2.30mmol)のCHCl3 溶液(100mL)を
飽和NaCO3 溶液で洗浄した。水層をCHCl3 で抽出(3×100mL)し
、合わせた有機層をNa2 SO4 で乾燥し、真空で濃縮した。得られた油(遊離
アミン、0.85g、2.18mmol)のCH2 Cl2 溶液(60mL)を0
℃まで冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(0.59g、4.57mmol)
とクロロギ酸ベンジル(0.79g、4.60mmol)とで処理した。反応混
合物を室温で一晩攪拌し、濃縮乾固し、フラッシュクロマトグラフィー(50%
酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、無色の油として(8)(790mg、5
5%)を得た。1H NMR (CDCl3)δ7.23 (m, 10H), 5.45 (m, 1H), 5.08 (s, 2H),
5.04 (m, 2H), 4.10 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.40 (m, 1H), 3.23 (m, 5H), 1
.80-1.43 (m, 6H), 1.41 (s, 18H), 1.23 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3)δ 171.8,
157.5, 156.9, 155.3, 136.4, 128.4, 128.3, 127.9, 127.7, 81.6, 79.5, 69.2
, 67.2, 66.5, 53.7, 48.5, 37.7, 34.8, 32.5, 28.2, 27.9, 22.3. HRMS m/z c
alcd. for C35H52N3O9 658.3703, found 658.3774. [α]24 D +4.6°(c=0.50, C
HCl3).
【0063】 実施例8 (2S,9R)−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−7−(カル ボベンジルオキシ)−9−ヒドロキシ−7−アザウンデカン酸(9) エステル(8)(500mg、0.76mmol)をトリフルオロ酢酸(1.
12g、9.90mmol)とCH2 Cl2 (2.05g、24.0mmol)
とトリエチルシラン(220mg、1.9mmol)との予め作製された混合物
に溶解し、室温で20時間攪拌した。反応混合物を濃縮乾固し、前記の予め作製
された混合物中でさらに6時間、再度攪拌した。反応混合物を濃縮し、得られた
油を1.0mlの水に溶解し、飽和NaHCO3 溶液を用いてpH8に調整した
。溶液を濃縮し、C−18カラムでのクロマトグラフィー(55%アセトン/水
)により精製して、無色の油として300mg(78%)の(9)を得た。1H N
MR (CD3OD)δ7.40-7.25 (m, 10H), 5.11 (s, 2H), 5.06 (s, 2H), 3.82 (m, 1H)
, 3.55 (m, 1H), 3.40-3.10 (m, 6H), 1.95-1.30 (m, 8H). HRMS m/z calcd. fo
r C26H36N3O7 502.2553, found 502.2531. [α]24 D +4.2°(c=1.00, CH3OH).
【0064】 実施例9 (2S,9R)−2−アミノ−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕 −7−(カルボベンジルオキシ)−9−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ )−7−アザウンデカン酸(10) トリフルオロ酢酸(115mg、1.01mmol)を(9)(265mg、
0.53mmol)のCHCl3 溶液(5ml)に添加した。溶液を真空内で濃
縮した。得られた油を無水CH2 Cl2 (15ml)と3,4−ジヒドロ−2H
−ピラン(51mg、55μl、0.61mmol)を室温で添加した。反応の
進行をTLCによりモニターし、さらなる3,4−ジヒドロ−2H−ピランを3
つの追加分(各51mg)、次の7時間にわたって添加した。反応混合物をさら
に12時間攪拌し、真空内で濃縮した。油を水およびメタノール(1:1、4m
l)に溶解し、飽和NaHCO3 溶液を用いてpH7に調整した。溶液を濃縮し
、粗製の油をC−18カラムでのクロマトグラフィー(55%アセトン/水)に
より精製して、無色の油として210mg(68%)の(10)と、20mg(
8%)の回収原料(9)とを得た。1H NMR (CD3OD)δ7.40-7.22 (m, 10H), 5.10
(m, 2H), 5.04 (s, 2H), 4.62-4.32 (m, 1H), 4.02-3.68 (m, 2H), 3.50 (m, 1
H), 3.44-3.06 (m, 7H), 1.98-1.28 (m, 14H); 13C NMR (CD3OD)δ 174.3, 158.
7, 158.1, 138.5, 129.7, 129.6, 129.5, 129.3, 129.0, 128.8, 101.7, 100.1,
74.9, 68.3, 67.4, 65.3, 56.2, 48.4, 38.2, 34.3, 32.6, 32.1, 28.5, 26.4,
23.6, 21.8, 21.2. HRMS m/z calcd. for C31H43N2O8 586.3128, found 586.31
18. [ α]24 D +4.0°(c=0.25, CH3OH).
【0065】 実施例10 (2S,9R)−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−7−(カル ボベンジルオキシ)−2−〔9−フルオレニルメトキシ−カルボニル)アミノ− 9−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−7−アザウンデカン酸ナトリウ ム(11a) 0℃で、9−フロオレニルメチル N−スクシンイミジル炭酸塩(181mg
、0.53mmol)のDMF溶液(2.5ml)を(10)(210mg、0
.36mmol)の9% Na2 CO3 (0.836ml、0.72mmol)
溶液に添加し、室温で一晩攪拌した。0.1N HClを用いて、pHを7に調
整した。混合物を油に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(90% CHC
3 /MeOH)により精製して無色の油として(11a)(239mg、83
%)を得た。1H NMR (CDCl3)δ7.78 (m, 2H), 7.60 (m, 2H), 7.30 (m, 14H), 5
.72 (m, 2H), 5.18 (s, 2H), 5.16 (s, 2H), 4.60 (m, 1H), 4.52-4.22 (m, 3H)
, 4.20 (m, 1H), 4.00-3.72 (m, 3H), 3.50-3.10 (m, 6H), 2.00-1.22 (m, 14H)
; 13C NMR (150 MHz) (CDCl3) δ 174.6, 156.7, 156.4, 143.9, 143.8, 141.3,
136.8, 136.5, 128.5, 128.5, 128.1, 128.0, 127.9, 127.7, 127.1, 125.1, 1
24.9, 120.0, 100.7, 73.5, 67.4, 67.2, 66.6, 53.5, 48.4, 47.2, 32.9, 32.0
, 31.5, 30.8, 28.0, 27.3, 25.2, 22.0, 21.1, 19.8. HRMS m/z calcd. for C4 6 H53N3O10Na 830.3629, found 830.3661. Anal. calcd. for C46H53N3O10: C68.
38, H6.61, N5.20. Found: C68.55, H6.63, N5.26. [ α]26 D +3.4°(c=1.00,
CHCl3).
【0066】 実施例11 (2S,9S)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−10−ク ロロ−9−ヒドロキシ−7−アザデカン酸 tert−ブチルエステル(12a 3(4.83g、14.3mmol)のクロロホルム溶液(100mL)を飽
和NaHCO3 溶液(2×100mL)と水(100mL)とで抽出した。有機
層を乾燥し、濃縮し、さらに真空内で乾燥した。得られた油をシクロヘキサン(
26mL)に溶解し、Ar雰囲気下に(S)−(+)−エピクロロヒドリン(1
.58g、17.1mmol)を添加した。27時間後、沈澱産物を濾過し、冷
シクロヘキサンを用いて洗浄し、真空内で乾燥して、白色微粒子として12aを
得た(2.20g、39%):mp 87-88℃; 1H NMRδ1.30-1.83 (m, 6H), 1.44
(s, 9H), 1.46 (s, 9H), 2.57-2.66 (m, 3H), 2.77 (dd, 1H, J=12.2, 3.9), 3.
51 (dd, 1H, J=11.2, 5.7), 3.56 (dd, 1H, J=11.2, 5.2), 3.84-3.91 (m, 1H),
3.94 (dd, 1H, J=8.6, 5.3); 13C NMR δ24.6, 28.3, 28.7, 30.0, 32.6, 48.2
, 50.3, 53.5, 55.8, 71.1, 80.4, 82.5, 158.1, 173.8; HRMS m/z calcd for C 18 H36ClN2O5 395.2313. found 395.2303. Anal. calcd. for C18H35ClN2O5: C54
.74, H8.93, Cl8.98, N7.09. Found: C54.80, H.8.99, Cl9.02, N7.08. [α]22 D -26.1 °(c 1.00, CH3OH).
【0067】 実施例12 (2S,9R)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−10−ク ロロ−9−ヒドロキシ−7−アザデカン酸 tert−ブチルエステル(12b 12aについて記載された同じ手法を用いて、3(5.93g、17.50m
mol)と(R)−(−)−エピクロロヒドリン(1.62g、17.50mm
ol)との反応から、44%の収率で化合物12bを調製した。12b: mp 101 ℃
; 1H NMRδ1.30-1.80 (m, 6H), 1.44 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 2.61 (m, 3H), 2
.77 (dd, 1H, J=12.3, 4.0), 3.49 (dd, 1H, J=11.3, 5.8), 3.57 (dd, 1H, J=1
1.3, 5.3), 3.88 (m, 1H), 3.94 (dd, 1H, J=8.6, 5.0); HRMS m/z calcd for C 18 H36ClN2O5 395.2313, found 395.2303. Anal. calcd. for C18H35ClN2O5: C5
4.74, H8.93, N7.09. Found: C54.63, H8.82, N7.10. [α]22 D -15.5 °(c 0.9
6, CH3OH).
【0068】 実施例13 (2S,9S)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−7−(カ ルボベンジルオキシ)−10−クロロ−9−ヒドロキシ−7−アザデカン酸 t ert−ブチルエステル(13a) Ar雰囲気下、15分間にわたって、クロロギ酸ベンジル(1.21g、7.
09mmol)のクロロホルム溶液(10mL)を12a(2.16g、5.4
6mmol)のクロロホルム氷冷溶液に添加した。クロロホルム(10mL)中
トリエチルアミン(1.11g、11.0mmol)の滴下の後、反応混合物を
4.5時間室温で攪拌した。反応混合物を1N HCl(60mL)と水(60
mL)とで抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(
33% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、無色の油として13a(2.
69g、93%)を得た:1H NMRδ1.30-1.83 (m, 6H), 1.44 (s, 9H), 1.45 (s
, 9H), 3.20-3.64 (m, 6H), 3.93 (dd, 1H, J=8.2; 5.5), 4.00 (m, 1H), 5.12
(s, 2H), 7.26-7.40 (s, 5H); 13C NMR δ24.1, 28.3, 28.8, 32.5, 49.4, 51.4
, 52.2, 55.7, 68.4, 71.0, 80.4, 82.5, 129.0, 129.1, 129.6, 138.0, 157.5-
158.4 (br), 158.1, 173.7; HRMS m/z calcd for C26H42ClN2O7 529.2681, fou
nd 529.2694. Anal. calcd.for C26H41ClN2O7: C59.03, H7.81, N5.29. Found:
C59.09, H7.78, N5.21. [α]23 D -21.8 °(c 1.00, CH3OH).
【0069】 実施例14 (2S,9R)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−7−(カ ルボベンジルオキシ)−10−クロロ−9−ヒドロキシ−7−アザデカン酸 t ert−ブチルエステル(13b) 13aの調製に関して記載の方法により、12b(2.93g、7.42mm
ol)とクロロギ酸ベンジル(1.60g、9.38mmol)とトリエチルア
ミン(1.50g、14.81mmol)とを反応させ、無色の油として13b
(3.35g、85%)を得た:1H NMRδ1.24-1.82 (m, 6H), 1.44 (s, 9H) 1
.45 (s, 9H), 3.15-3.64 (m, 6H), 3.92 (m, 1H), 4.00 (m, 1H), 5.12 (m, 2H)
, 7.25-7.40 (m, 5H); 13C NMRδ24.0, 28.3, 28.8, 32.5, 42.4, 51.3, 52.3,
55.7, 68.4, 71.0, 71.1, 80.4, 82.5, 129.0, 129.1, 129.6, 138.0, 158.1, 1
58.4, 173.7; HRMS m/z calcd for C26H42ClN2O7 529.2681, found 529.2691. A
nal. calcd. for C26H41ClN2O7: C59.03, H7.81, N5.29. Found: C58.88, H7.83
, N5.23. [ α]23 D -1.7°(c 0.98, CH3OH).
【0070】 実施例15 (2S,9R)−2−〔tert−(ブトキシカルボニル)アミノ〕−7−(カ ルボベンジルオキシ)−10−シアノ−9−ヒドロキシ−7−アザデカン酸 t ert−ブチルエステル(14a) Ar雰囲気下、無水アセトニトリル(100mL)中13a(2.65g、5
.02mmol)と無水KCN(3.45g、53.0mmol)と18−クラ
ウン−6(279mg、1.05mmol)との混合物を60℃で16時間攪拌
した。反応混合物を冷却し、セライトを通して濾過し、濃縮した。残渣をフラッ
シュクロマトグラフィー(33% 酢酸エチル/ヘキサン、ついで50% 酢酸
エチル/ヘキサン)により精製して、無色の油として14a(1.84g、70
%)を得た:1H NMRδ1.25-1.80 (m, 6H), 1.44 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 2.42-
2.76 (m, 2H), 3.20-3.58 (m, 4H), 3.92 (m, 1H), 4.08 (m, 1H), 5.13 (s, 2H
), 7.26-7.48 (m, 5H); 13C NMR δ24.0, 24.2, 28.2, 28.7, 32.4, 52.9, 53.8
, 55.7, 67.1, 68.4, 80.4, 82.5, 118.9, 129.0, 129.2, 129.6, 138.0, 157.5
-158.4 (br), 158.1, 173.7; HRMS m/z calcd for C27H42N3O7 520.3023, found
520.3013. [α]22 D -19.8 °(c 1.00, CH3OH).
【0071】 実施例16 (2S,9S)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−7−(カ ルボベンジルオキシ)−10−シアノ−9−ヒドロキシ−7−アザデカン酸 t ert−ブチルエステル(14b) 14aの調製に関して記載の方法により、13b(3.23g、6.10mm
ol)とKCN(3.96g、60.82mmol)と18−クラウン−6(2
42mg、0.92mmol)とを反応させ、無色の油として14b(1.62
g、51%)を得た:1H NMRδ1.20-1.84 (m, 6H), 1.44 (s, 9H), 1.45 (s, 9H
), 2.55 (m, 2H), 3.20-3.50 (m, 4H), 3.92 (dd, 1H, J=8.2, 5.1), 4.07 (m,
1H), 5.13 (s, 2H), 7.26-7.41 (m, 5H); 13C NMR δ24.1, 24.2, 28.3, 28.8,
32.4, 55.7, 67.1, 68.4, 80.4, 82.5, 118.9, 129.0, 129.2, 129.6, 138.0, 1
58.1, 173.7; HRMS m/z calcd for C27H42N3O7 520.3023, found 520.3048. Ana
l. calcd. for C27H41N3O7: C62.41, H7.95, N8.09. Found: C62.14, H7.95, N7
.97. [ α]22 D -5.3°(c 1.15, CH3OH).
【0072】 実施例17 (2S,9R)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−11−ア ミノ−9−ヒドロキシ−7−アザウンデカン酸 tert−ブチルエステル,2 酢酸塩(15a) 10% Pd−C(0.17g)およびPtO2 (0.34g)を氷酢酸(4
2mL)中14a(1.74g、3.34mmol)の溶液に添加し、H2 ガス
を導入した。22時間後、セライトを介した濾過により、触媒を除去した。濾過
物を真空内で濃縮した。トルエンを用いた酢酸の共沸除去により、無色の油とし
て15aを得た(1.70g、100%):1H NMR (D2O)δ1.44 (s, 9H), 1.47
(s, 9H), 1.50-1.90 (m, 8H), 1.97 (s, 6H), 3.00-3.25 (m, 6H), 3.97 (dd,
1H, J=8.8, 5.2), 4.06 (tt, 1H, J=9.6, 3.0); 13C NMR (D2O, internal stand
ard CH3OH=49.5 ppm) δ 24.3, 24.5, 26.9, 29.3, 29.7, 32.1, 33.5, 38.5, 5
4.1, 56.5, 66.8, 83.5, 85.8, 159.8, 176.0, 182.0; HRMS m/z calcd for C1 9 H40N3O5 390.2968, found 390.2965. [ α]21 D -16.1 °(c 1.00, CH3OH).
【0073】 実施例18 (2S,9S)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−11−ア ミノ−9−ヒドロキシ−7−アザウンデカン酸 tert−ブチルエステル,2 酢酸塩(15b) 15aの調製に関して記載の方法により、H2 雰囲気下、10% Pd−C(
17mg)およびPtO2 (35mg)を氷酢酸(5mL)中14b(172m
g、0.33mmol)に添加し、無色の油として定量的な収率で15bを得た
1H NMR (D2O)δ1.30-2.00 (m, 8H), 1.45 (s, 9H), 1.48 (s, 9H), 1.92 (s,
6H), 2.99-3.28 (m, 6H), 3.99 (dd, 1H, J=9.0, 5.11), 4.06 (tt, 1H, J=9.5,
3.3); HRMS m/z calcd for C19H40N3O5 390.2968, found 390.2967. [α]22 D -7.5°(c 1.03, CH3OH).
【0074】 実施例19 (2S,9R)−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−2−〔(t ert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−9−ヒドロキシ−7−(カルボベンジ ルオキシ)−7−アザウンデカン酸 tert−ブチルエステル(16a) 水(35mL)およびジエチルエーテル(35mL)中15aの溶液を強く攪
拌し、Ar雰囲気下0℃まで冷却した。KHCO3 (3.08g、30.8mm
ol)を添加し、ついでN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミ
ド(CBZ−ONSu、1.70g、6.82mmol)を5回にわけて20分
にわたって添加した。反応混合物を室温まで加温し、4時間攪拌した。層を分離
した;水層をジエチルエーテルで抽出した(2×35mL)。合わせたエーテル
層を乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(50% 酢酸エ
チル/ヘキサン)により精製して、無色の油として16a(772mg、50%
)を得た:1H NMRδ1.22-1.82 (m, 8H), 1.43 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 3.08-3.
45 (m, 6H), 3.81 (m, 1H), 3.92 (m, 1H), 5.06 (s, 2H), 5.10 (s, 2H), 7.24
-7.38 (m, 10H); 13C NMR δ24.1, 28.3, 28.8, 32.5, 35.9, 38.6, 54.0, 54.7
, 55.7, 67.4, 68.3, 69.0, 80.4, 82.5, 128.8, 128.9, 129.1, 129.4, 129.6,
138.1, 138.4, 158.1, 158.4, 158.9, 173.7; HRMS m/z calcd for C35H52N3O9 658.3704, found 658.3767. Anal. calcd. for C35H51N3O9: C63.91, H7.81, N
6.39. Found: C63.73, H7.77, N6.38
【0075】 実施例20 (2S,9S)−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−2−〔(t ert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−9−ヒドロキシ−7−(カルボベンジ ルオキシ)−7−アザウンデカン酸 tert−ブチルエステル(16b) 16aの調製に関して記載の方法により、15b(165mg、0.32mm
ol)をCBZ−ONSu(178mg、0.71mmol)と反応させ、無色
の油として16b(90mg、43%)を得た:1H NMRδ1.18-1.82 (m, 8H), 1
.43 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 3.06-3.48 (m, 6H), 3.83 (m, 1H), 3.92 (m, 1H)
, 5.05 (s, 2H), 5.10 (s, 2H), 7.22-7.40 (m, 10H); 13C NMR δ24.1, 28.3,
28.8, 32.5, 35.9, 38.6, 49.3, 54.0, 54.7, 55.8, 67.4, 68.3, 69.0, 80.4,
82.5, 128.9, 128.9, 129.1, 129.4, 129.6, 138.1, 138.4, 158.0, 158.4, 158
.9, 173.7; HRMS m/z calcd for C35H52N3O9 658.3704, found 658.3702. Anal.
calcd. for C35H51N3O9: C63.91, H7.81, N6.39. Found: C63.84, H7.73, N6.3
6 [α]23 D -5.2°(c 1.00, CH3OH).
【0076】 実施例21 (2S,9R)−2−アミノ−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕 −7−(カルボベンジルオキシ)−9−ヒドロキシ−7−アザウンデカン酸(1 7a) エステル16a(766mg、1.16mmmol)を、トリフルオロ酢酸(
1.73g、15.1mmol)とCH2 Cl2 (1.2mL)とトリエチルシ
ラン(4.37g、37.5mmol)との混合物に添加し、Ar雰囲気下、2
1時間室温で攪拌した。反応混合物を濃縮乾固し、前記混合物中、さらに18時
間再度攪拌した。反応混合物を濃縮した;得られた油を水(4.0mL)に溶解
し、飽和NaHCO3 でpH7に調整した。溶液を濃縮し、残渣をC−18カラ
ムでのクロマトグラフィー(30%アセトン/水後、55%アセトン/水)によ
り精製して、無色の油として17a(421mg、72%)を得た:1H NMR (45
℃) δ1.31-1.99 (m, 8H), 3.10-3.46 (m, 6H), 3.52 (t, 1H, J=5.9), 3.83 (m
, 1H), 5.06 (s, 2H), 5.10 (s, 2H), 7.22-7.36 (m, 10H); 13C NMRδ23.5, 28
.4, 29.2, 32.0, 35.9, 38.6, 54.2, 54.9, 56.0, 67.4, 68.3, 69.0, 128.7, 1
28.8, 128.9, 129.1, 129.4, 129.5, 138.1, 138.4, 158.0, 158.3, 158.9, 174
.5; HRMS m/z calcd for C26H36N3O7 502.2553, found 502.2517. [α]24 D +5
.0°(c 1.00, CH3OH).
【0077】 実施例22 (2S,9S)−2−アミノ−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕 −7−(カルボベンジルオキシ)−9−ヒドロキシ−7−アザウンデカン酸(1 7b) 17aの調製に関して記載の方法により、16b(78mg、0.12mmo
l)をCH2 Cl2 (0.98mL)中トリフルオロ酢酸(704mg、6.2
0mmol)とトリエチルシラン(140mg、11.92mmol)と反応さ
せ、無色の油として17b(37mg、62%)を得た:1H NMRδ1.20-2.10 (m
, 8H), 3.05-3.70 (m, 7H), 3.82 (m, 1H), 5.05 (s, 2H), 5.10 (s, 2H), 7.20
-7.60 (m, 10H); HRMS m/z calcd for C26H36N3O7 502.2553, found 502.2546.
[α]23 D +3.6°(c 1.00, CH3OH).
【0078】 実施例23 (2S,9R)−2−アミノ−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕 −7−(カルボベンジルオキシ)−9−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ )−7−アザウンデカン酸(18a) トリフルオロ酢酸(164mg、1.44mmol)を17a(360mg、
0.72mmol)のCHCl3 溶液(7mL)に添加した。溶液を真空内で濃
縮した。得られた油をCH2 Cl2 (20mL)に溶解し、3,4−ジヒドロ−
2H−ピラン(69mg、75μL、0.83mmol)を室温で添加した。反
応の進行をTLCによりモニターし、3,4−ジヒドロ−2H−ピランの6つの
追加分(各69mg)を続いて31時間にわたって添加した。反応混合物をさら
に16時間攪拌し、真空内で濃縮した。油を水(4mL)およびメタノール(8
mL)に溶解し、ついで飽和NaHCO3 でpH7に調整した。溶液を濃縮し、
粗製の油をC−18カラムでのクロマトグラフィー(30% アセトン/水後、
55% アセトン/水)により精製して、無色の油として18a(219mg、
52%)を得た:1H NMRδ1.20-1.98 (m, 14H), 3.06-3.56 (m, 8H), 3.68-4.02
(m, 2H), 4.33-4.62 (m, 1H), 5.06 (s, 2H), 5.11 (s, 2H), 7.24-7.36 (m, 1
0H); 13C NMRδ20.7, 21.1, 21.7, 23.6, 26.3, 26.5, 32.0, 32.5, 34.2, 38.1
, 38.5, 52.0, 56.2, 64.2, 65.2, 67.3, 68.3, 74.9, 100.1, 101.6, 128.79,
128.96, 129.02, 129.10, 129.20, 129.47, 129.56, 129.62, 138.3, 138.5, 15
8.0, 158.7, 174.8; HRMS m/z calcd for C31H43N3NaO8 608.2948, found 608.2
954.
【0079】 実施例24 (2S,9S)−2−アミノ−11−〔(ベンジルオシカルボニル)アミノ〕− 7−(カルボベンジルオキシ)−9−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ) −7−アザウンデカン酸(18b) 18aの調製に関して記載の方法により、17b(37mg、73.8μmo
l)をCH2 Cl2 (2mL)中トリフルオロ酢酸(17mg、0.15mmo
l)と3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(46mg、50μL、0.55mmo
l)と反応させ、無色の油として18b(25mg、58%)を得た:1H NMRδ
1.26-1.96 (m, 14H), 3.02-4.04 (m, 10H), 4.32-4.63 (m, 1H), 5.06 (s, 2H),
5.11 (s br, 2H), 7.22-7.40 (m, 10H); HRMS m/z calcd for C31H44N3O8 586.
3128, found 586.3137.
【0080】 実施例25 (2S,9R)−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−7−(カル ボベンジルオキシ)−2−〔(9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ〕 −9−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−7−アザウンデカン酸(11 a) 9−フルオレニルメチル N−スクシンイミジル炭酸塩(203mg、0.6
0mmol)のDMF溶液(3.0mL)を0℃で18a(219mg、0.3
7mmol)の9% Na2 CO3 (803mg、0.68mmol)溶液に添
加し、室温で一晩攪拌した。pHを0.1N HClで7.0に調整した。混合
物を油に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl3 、ついで95%C
HCl3 /MeOH)により精製し、無色の油として11a(150mg、50
%)を得た:1H NMRδ1.15-1.94 (m, 14H), 3.10-3.52 (m, 7H), 3.66-3.98 (m,
2H), 4.05-4.21 (m, 2H), 4.24-4.61 (m, 3H), 5.04 (s, 2H), 5.08 (s, 2H),
7.21-7.40 (m, 14H), 7.65 (dd, 2H, J=6.9, 4.2), 7.77 (d, 2H, J=7.2); 13C
NMR δ21.1, 21.7, 24.1, 26.4, 26.5, 28.2, 28.9, 32.1, 32.5, 32.6, 33.2,
34.3, 38.1, 38.5, 51.9, 52.4, 55.5, 64.1, 65.2, 67.4, 67.9, 68.3, 74.9,
79.5, 100.0, 101.5, 120.9, 126.3, 128.2, 128.80, 128.97, 129.10, 129.20,
129.48, 129.57, 129.62, 138.2, 138.5, 142.6, 145.2, 145.4, 158.1, 158.6
, 176.8; HRMS m/z calcd for C46H54N3O10 808.3809, found 808.3833.
【0081】 実施例26 (2S,9S)−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−7−(カル ボベンジルオキシ)−2−〔(9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ〕 −9−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−7−アザウンデカン酸(11 b) 11aの調製に関して記載の方法により、18b(26mg、44μmol)
を9−フルオレニルメチル N−スクシンイミジル炭酸塩(22mg、66μm
ol)とNa2 CO3 (9mg、88μmol)と反応させ、無色の油として1
1b(20mg、55%)を得た:1H NMRδ1.14-1.96 (m, 14H), 3.04-3.55 (m
, 6H), 3.64-3.98 (m, 3H), 4.14 (m, 1H), 4.20 (t, 1H, J=6.9), 4.34 (d, 2H
, J=6.9), 4.38-4.61 (m, 1H), 5.05 (s, 2H), 5.09 (s, 2H), 7.20-7.42 (m, 1
4H), 7.65 (m, 2H), 7.78 (d, 2H, J=7.4); HRMS m/z calcd for C46H54N3O10 8
08.3809, found 808.3839. Anal. calcd. for C46H53N3O10: C68.38, H6.61, N5
.20. Found: C68.26, H6.69, N5.13.
【0082】 実施例27 (2S,9R)−2−〔(tert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−7−(カ ルボベンジルオキシ)−10−シアノ−9−〔(S)−α−メトキシ−α−(ト リフルオロメチル)フェニルアセトキシ〕−7−アザデカン酸 tert−ブチ ルエステル(19a) Ar雰囲気下、オーブン乾燥した5×175mm NMRチューブ中で反応を
行ないゴム隔膜にフィットさせた。薬剤を下記:無水ピリジン(300μL)、
(R)−(−)−α−メトキシ−α−トリフルオロメチル−フェニル酢酸〔モッ
シャー(Mosher’s)酸塩化物、13μL、70μmol〕、無水四塩化
炭素(200μL)、ついで14a(27mg、52μmol)の無水四塩化炭
素溶液(500μL)の順でシリンジを介して注入した。反応混合物を振盪し、
18時間室温で放置した。ついで、反応混合物をクロロホルム(20mL)に取
り、飽和NaHCO3 溶液で抽出し、ついで飽和NaCl溶液で抽出した。有機
層を乾燥し、真空内で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(33%
酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、無色の油として19a(31mg、8
1%)を得た:1H NMR (CDCl3, 45 ℃)δ1.08-1.80 (m, 6H); 1.447 (s, 9H),
1.453 (s, 9H), 2.52-3.12 (m, 4H), 3.38 (dd, 1H, J=14.7, 6.7), 3.52 (dd,
1H, J=14.7, 4.6), 3.60 (s br, 3H), 4.08 (m, 1H), 4.92 (m, 1H), 5.10 (s,
2H), 5.38 (m, 1H), 7.28-7.53 (m, 10H); 19F NMR (282 MHz, CDCl3, CFCl3 as
internal standard, 45℃) δ-71.86; HRMS m/z calcd for C37H49F3N3O9 736.
3421, found 736.3367. [α]22 D -29.2 °(c 1.00, CHCl3)
【0083】 実施例28 (2S,9S)−2−〔tert−(ブトキシカルボニル)アミノ〕−7−(カ ルボベンジルオキシ)−10−シアノ−9−〔(S)−α−メトキシ−α−(ト リフルオロメチル)フェニルアセトキシ〕−7−アザデカン酸 tert−ブチ ルエステル(19b) 19aの調製に関して記載の方法により、14b(24mg、46μmol)
を(R)−(−)−モッシャー(Mosher’s)酸塩化物(14mg、55
μmol)と反応させ、無色の油として19b(23mg、69%)を得た:1H
NMR (CDCl3, 45 ℃)δ1.14-1.80 (m, 6H); 1.44 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 2.5
4-2.92 (m, 2H), 3.09 (m, 1H), 3.27 (m, 1H), 3.46 (s br, 3H), 3.48 (dd, 1
H, J=14.7, 6.9), 3.61 (dd, 1H, J=14.7, 5.1), 4.10 (m, 1H), 4.94 (m, 1H),
5.13 (s, 2H), 5.38 (m, 1H), 7.28-7.52 (m, 10H); 19F NMR (282 MHz, CDCl3 , CFCl3 as internal standard, 45℃) δ-71.85; HRMS m/z calcd for C37H49F 3 N3O9 736.3421, found 736.3443. [α]22 D +16.1 °(c 1.08, CHCl3).
【0084】 実施例29 FMOC−(2S,9R)−Hpu〔N7 ,N12−ジ−CBZ,9−(テトラヒ ドロピラン−2−イルオキシ)〕−Val−O−t−Bu(20) アルゴン下、11a(66.8mg、82.7μmol)とL−バリン te
rt−ブチルエステル塩酸塩(21.6mg、103μmol)とをDMF(9
.3mL)に溶解し、0℃で攪拌した。BOP剤(42.4mg、95.9mm
ol)を添加し、ジイソプロピルエチルアミン(21.4mg、165μmol
)の添加前に反応混合物を30分間攪拌し、室温まで加温させた。21時間後、
DMFをブライン(40mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(3×30mL)し
た。ついで、酢酸エチル層を下記: 1:1 10%クエン酸/ブライン、ブラ
イン、1:1飽和NaHCO3 /ブライン、およびブラインの各20mLで洗浄
した。酢酸エチルを乾燥しエバポレートし、残渣をフラッシュクロマトグラフィ
ー(2% MeOH/CHCl3 )により精製して、無色の油として20(66
.0mg、83%)を得た:1H NMRδ0.94 (d, 6H, J=6.8), 1.20-1.88 (m, 14H
), 1.44 (s, 9H), 2.11 (m, 1H), 3.13-3.49 (m, 8H), 3.66-3.98 (m, 2H), 4.0
5-4.24 (m, 2H), 4.28-4.62 (m, 3H), 5.05 (s, 2H), 5.09 (s, 2H), 7.22-7.41
(m, 14H), 7.64 (m, 2H), 7.77 (d, 2H, J=7.5).
【0085】 実施例30 (2S,9R)−Hpu〔N7 ,N12−ジ−CBZ,9−(テトラヒドロピラン −2−イルオキシ)〕−Val−O−t−Bu(21) 完全に保護されたジペプチド20(141.6mg,147.0μmol)を
ピペリジン(2.0mL)とDMF(20mL)との溶液に溶解し、アルゴン下
、4.5時間攪拌した。濃縮とフラッシュクロマトグラフィー(2% MeOH
/CHCl3 )による精製とにより、無色の油として21(97mg、89%)
を得た:1H NMRδ0.96 (d, 6H, J=6.8), 1.22-1.84 (m, 14H), 1.44 (s, 9H), 2
.13 (m, 1H), 3.04-3.49 (m, 8H), 3.68-4.00 (m, 2H), 4.20 (d, 1H, J=5.7),
4.35-4.63 (m, 1H), 5.06 (s, 2H), 5.11 (s, 2H), 7.24-7.38 (m, 10H); 13C N
MRδ18.5, 19.5, 21.7, 23.8, 26.4, 28.3, 32.0, 36.2, 36.9, 38.5, 55.7, 59
.6, 64.0, 67.3, 68.2, 74.7, 82.8, 99.8, 101.5, 128.77, 128.94, 129.18, 1
29.46, 129.54, 129.60, 138.2, 138.5, 158.0, 158.6, 172.2, 177.6; HRMS m/
z calcd for C40H61N4O9 741.4438; found 741.4458.
【0086】 実施例31 (2S,9R)−Hpu(N7 ,N12−ジ−CBZ)−Val−O−t−Bu( 22) 遊離アミン21(92mg、124μmol)をアセトン(10mL)および
2 O(1.0mL)に溶解した。アルゴン下、p−トルエンスルホン酸一水和
物(64mg、0.34μmol)を添加し、溶液を加熱し、45℃で2時間攪
拌した。反応混合物をH2 O(10mL)で希釈し、pHを飽和NaHCO3
7〜8に調節した。アセトンを真空内でエバポレートし、残部の水層をクロロホ
ルムで抽出した(2×10mL)。有機層の乾燥、エバポレーションおよび高真
空乾燥により、無色の油として、22(66.7mg、82%)を得た:1H NMR
δ0.95 (d, 6H, J=6.8), 1.22-1.83 (m, 8H), 1.45 (s, 9H), 2.12 (m, 1H), 3.
10-3.46 (m, 7H), 3.82 (m, 1H), 4.20 (d, 1H, J=5.7), 5.05 (s, 2H), 5.10 (
s, 2H), 7.24-7.38 (m, 10H); 13C NMR δ18.4, 19.5, 23.8, 28.3, 29.4, 31.9
, 36.0, 36.9, 38.6, 54.6, 55.7, 59.6, 67.3, 68.2, 69.0, 82.8, 128.78, 12
8.87, 128.91, 129.05, 129.44, 129.55, 138.1, 138.4, 158.1, 158.9, 172.2,
177.7; HRMS m/z calcd for C31H53N4O8 657.3863, found 657.3928.
【0087】 実施例32 BOC−(2S,9R)−Hpu(N7 ,N12−ジ−CBZ)−Val−O−t −Bu(23a) アルゴン下、22(50.9mg、77.5mmol)をジオキサン(2mL
)およびH2 O(1mL)に溶解し、0℃まで冷却した。ジ−tert−ブチル
ジ炭酸塩(30mg、0.13mmol)を添加した;溶液を5分間攪拌させ、
ついで室温まで加温し、5時間攪拌した。濃縮後、フラッシュクロマトグラフィ
ー(2.5% MeOH/CHCl3 )は、無色の油として23aを得た(58
mg、99%):1H NMRδ0.94 (d, 6H, J=6.8), 1.22-1.83 (m, 8H), 1.43 (s,
9H), 1.45 (s, 9H), 2.12 (m, 1H), 3.10-3.42 (m, 6H), 3.82 (m, 1H), 4.06
(m, 1H), 4.20 (d, 1H, J=5.7), 5.06 (s, 2H), 5.10 (s, 2H), 7.23-7.37 (m,
10H); 13C NMRδ18.4, 19.5, 24.0, 27.5, 28.3, 32.0, 35.8, 38.6, 54.4, 55
.8, 59.6, 67.4, 68.3, 68.8, 80.6, 82.8, 128.80, 128.87, 128.94, 129.06,
129.44, 129.56, 138.1, 138.4, 157.9, 158.3, 158.9, 172.0, 175.2. HRMS m/
z calcd for C40H61N4O10 757.4387, found 757.4396.
【0088】 実施例33 BOC−(2S,9R)−Hpu〔N7 ,N12 ジ−CBZ,9−(S)−α− メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニルアセトキシ〕−Val−O−t−B u(24a) アルゴン下、無水ピリジン(900μL)、無水CCl4 (600μL)およ
び(R)−(−)−モッシャー(Mosher’s)酸塩化物(20μL、27
mg、107μmol)を強く攪拌しながら混合した。23a(55mg、73
μmol)のCCl4 溶液(1.5mL)を添加した。室温での攪拌17時間後
、溶液をクロロホルム(25mL)で希釈し、下記:ブライン;1:1 1N
HCl/ブライン;ブライン;1:1飽和NaHCO3 /ブライン;およびブラ
インのそれぞれ25mLで抽出した。有機層を乾燥し、濃縮した。フラッシュク
ロマトグラフィー(2:1ヘキサン/酢酸エチル)による精製により、無色の油
として24aを得た(55mg、78%):1H NMR (CDCl3, 45.0 ℃)δ0.91 (
d, 3H, J=6.8), 0.92 (d, 3H, J=6.8), 1.10-1.94 (m, 8H), 1.44 (s, 9H), 1.4
6 (s, 9H), 2.14 (m, 1H), 2.72-3.54 (m, 7H), 3.50 (s, 3H), 4.01 (m, 1H),
4.38 (dd, 1H, J=8.7, 4.7), 4.83-5.37 (m, 2H), 5.09 (s, 2H), 5.10 (s, 2H)
, 6.54 (m, 1H), 7.24-7.52 (m, 15H); 13C NMR (CDCl3, 20℃) δ 17.5, 18.8,
22.5, 26.7, 28.0, 28.3, 31.3, 32.3, 37.1, 54.3, 55.5, 57.4, 66.7, 67.3,
73.3, 79.9, 81.9, 84.6, 127.05, 127.88, 128.06, 128.23, 128.47, 128.53,
129.6, 131.8, 136.2, 136.5, 155.6, 155.9; 156.3, 166.6, 170.7, 171.8. 1 9 F NMR (282 MHz, CDCl3, CFCl3 0=ppm)δ-71.78. HRMS m/z calcd for C50H68F 3 N4O12 973.4786, found 973.4867. [α]21 D -16.0 °(c 0.50, CHCl3).
【0089】 実施例34 (2S,9R)−ヒプシニル−L−バリン(25a) アルゴン下、フェノール(270mg)、ペンタメチルベンゼン(250mg
)、および23a(10mg、13μmol)を0℃でTFA(5mL)に溶解
した。強く攪拌しながら、トリイソプロピルシラン(200μL)および30%
HBr/HOAc(200μl)を添加し、室温に加熱する前に溶液を5分間
攪拌させ、さらに55分間攪拌した。濃縮後、反応混合物を10% HOAc/
2 O(10mL)で希釈し、メチル tert−ブチルエーテル(25mL)
で3回抽出した。水層のエバポレーションにより、油として25aを得た(8m
g):1H NMR (D2O, NaTSP external reference)δ0.98 (d, 3H, J=6.8), 0.99
(d, 3H, J=6.8), 1.49 (m, 2H), 1.69-2.01 (m, 6H), 2.22 (m, 1H), 3.01-3.26
(m, 6H), 4.07 (tt, 1H, J=9.7, 3.1), 4.13 (t, 1H, J=6.6), 4.32 (d, 1H, J
=5.7). HRMS m/z calcd for C15H33N4O4 333.2502, found 333.2506.
【0090】 実施例35 (2S,9S)−11−〔(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−2−〔(t ert−ブトキシカルボニル)アミノ〕−9−ヒドロキシ−7−(カルボベンジ ルオキシ)−7−アザウンデカン酸(26) 1,4−ジオキサン(2mL)および水(1mL)中17b(37mg、74
.0μmol)の溶液を0℃まで冷却し、1N NaOH(74μmol)およ
びジ−tert−ブチル2炭酸塩(18mg、82.5μmol)を添加した。
反応混合物を室温で2.5時間攪拌した。有機溶媒を真空内で除去した;残渣を
酢酸エチル(4mL)および水(4mL)に取り、0℃に冷却した。本混合物を
、攪拌しながら、1N KHSO4 溶液でpH2〜3に酸性化した。層を分離し
、水層を酢酸エチルで抽出し(3×5mL)、合わせた有機層を乾燥した。真空
内での濃縮の後、フラッシュクロマトグラフィー(10%メタノール/クロロホ
ルム)により、無色の油として26(33mg、74%)を得た:1H NMRδ1.25
-1.95 (m, 8H), 1.44 (s, 9H), 3.06-3.50 (m, 6H), 3.83 (br m, 1H), 4.04 (b
r m, 1H), 5.06 (s, 2H), 5.10 (s, 2H), 7.22-7.44 (m, 10H). HRMS m/z calcd
for C31H44N3O9 602.3078, found 602.3053. [α]21 D +3.6°(c 1.00, CH3OH
).
【0091】 実施例36 BOC−(2S,9S)−Hpu(N7 ,N12−ジ−CBZ)−Val−O−t −Bu(23b) 無水DMF(3mL)中26(31mg、51.5μmol)とL−バリン
tert−ブチルエステル塩酸塩(12mg、57μmol)との溶液は、Ar
雰囲気下、0℃に冷却した。BOP(25mg、57μmol)を添加し、45
分後、DIEA(18μL、103μmol)を添加した。溶液を室温まで加温
し、一晩攪拌した。反応混合物を飽和NaCl溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出
した(3×30mL)。合わせた有機層を氷冷10%クエン酸/ブライン(1:
1、20mL)、ブライン(20mL)、飽和NaHCO3 溶液/ブライン溶液
(1:1、20mL)およびブライン(20mL)で連続的に洗浄した。有機層
を乾燥し、真空内で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(98%ク
ロロホルム/メタノール、ついで95%クロロホルム/メタノール)により精製
して、無色の油として23bを得た(23mg、59%):1H NMRδ0.95 (d, 6
H, J=6.8), 1.25-1.85 (m, 8H), 1.43 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 2.12 (m, 1H),
3.08-3.48 (m, 6H), 3.82 (m, 1H), 4.05 (m, 1H), 4.20 (d, 1H, J=5.7), 5.06
(s, 2H), 5.11 (s, 2H), 7.22-7.42 (m, 10H). HRMS m/z calcd for C40H61N4O 10 757.4388, found 757.4387. [α]21 D -13.9 °(c 1.17, CH3OH).
【0092】 実施例37 BOC−(2S,9S)−Hpu(N7 ,N12−ジ−CBZ,9−〔S−α−メ トキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニルアセトキシ〕)−Val−O−t −Bu(24b) 23b(18.6mg、24.6μmol)と(R)−(−)モッシャー(M
osher’s)酸塩化物(10μL、54μmol)とで開始して、24aの
合成に関して記載された手法により、反応を行なった。調製後、残渣をフラッシ
ュクロマトグラフィー(33%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、無色の
油として24bを得た(15mg、63%):1H NMR (CDCl3, 45 ℃)δ0.90 (
d, 3H, J=6.8), 0.93 (d, 3H, J=6.8), 1.20-1.90 (m, 8H), 1.44 (s, 9H), 1.4
5 (s, 9H), 2.14 (m, 1H), 3.02 (m, 2H), 3.14-3.58 (m, 4H), 3.44 (s, 3H),
4.02 (m, 1H), 4.38 (dd, 1H, J=8.8, 4.6), 4.83-5.20 (m, 2H), 5.09 (s, 2H)
, 5.09 (s, 2H), 6.52 (m, 1H), 7.14-7.54 (m, 15H); 19F NMR (282 MHz, CDCl 3 , CFCl3 as internal standard, 45 ℃) δ-71.40. HRMS m/z calcd for C50H6 8 F3N4O12 973.4786, found 973.4739. [α]23 D -21.6 °(c 0.50, CHCl3).
【0093】 実施例38 (2S,9S)−ヒプシニル−L−バリン(25b) 23b(7.3mg、9.6μmol)とフェノール(250mg)とペンタ
メチルベンゼン(250mg)とのアリコートを、脱気したTFA(5.0mL
)に0℃で溶解した。トリイソプロピルシラン(0.1mL)とHBrの酢酸飽
和溶液(0.2mL)をアルゴン雰囲気下に添加した。溶液を室温で1時間攪拌
し、減圧下で濃縮した。残渣を10%酢酸(10mL)に溶解し、メチル te
rt−ブチルエーテル(3×25mL)で抽出した。水層を濃縮し、真空内に乾
燥させて、無色の油として25bを得た(6.0mg):1H NMRδ0.96 (d, 3H,
J=6.8), 0.97 (d, 3H, J=6.8), 1.47 (m, 2H), 1.68-2.01 (m, 6H), 2.20 (m,
1H), 2.99-3.25(m, 6H), 4.06 (tt, 1H, J=9.7, 3.1), 4.11 (t, 1H, J=6.4), 4
.26 (d, 1H, J=5.7). HRMS m/z calcd for C15H33N4O4 333.2502, found 333.24
99.
【図面の簡単な説明】
【図1】 Figure 1は、本発明のヒプシン試薬の合成の反応スキームの描写であ
る。試薬:(a)(BOC)2 O,NaHCO3 ;(b)H2 ,Pd−C;(c
)PhCHO,NaBH3 CN;(d)(S)−(+)−エピクロロヒドリン,
MgSO4 ;(e)KCN,18−クラウン−6;(f)H2 ,Pd−C,Pt
2 ;(g)CBZ−Cl,DIEA;(h)TFA,トリエチルシラン,CH 2 Cl2 ;(i)3,4−ジヒドロ−2H−ピラン;(g)FMOC−ONSu
,Na2 CO3
【図2】 Figure 2は、本発明のヒプシン試薬の合成のもう1つの反応スキーム
の描写である。試薬:(a)(BOC)2 O,NaHCO3 ;(b)H2 ,Pd
−C;(c)それぞれ、(S)−(+)−エピクロロヒドリン又は(R)−(−
)−エピクロロヒドリン;(d)クロロギ酸ベンジル,トリエチルアミン;(e
)KCN,18−クラウン−6;(f)H2 ,Pd−C,PtO2 ;(g)CB
Z−ONSu,KHCO3 ;(h)TFA,トリエチルシラン,CH2 Cl2
(i)3,4−ジヒドロ−2H−ピラン;(j)FMOC−ONSu,Na2
3 ;(k)(R)−(−)−モッシャー(Mosher’s)酸塩化物,ピリ
ジン。
【図3】 Figure 3は、ヒプシン試薬及びそのペプチド生成物の立体化学的完全
さの確認の描写である。試薬:(a)L−バリン t−ブチルエステル塩酸塩,
BOP,DIEA;(b)ピペリジン;(c)pTosOH;(d)(BOC) 2 O,NaHCO3 ;(e)(R)−(−)−モッシャー(Mosher’s)
酸塩化物,ピリジン;(f)TFA中HBr/HOAc,フェノール,ペンタメ
チルベンゼン,トリイソプロピルシラン;(g)(BOC)2 O,NaOH。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年8月31日(1999.8.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、Q1 及びQ2 はベンジルカルボキシであり、Q3 はフルオレニルメトキ
シカルボニルであり、Zはテトラヒドロピラニルである) を有する、ヒプシンを含有するペプチドの合成用試薬として有用なヒプシン誘導
体。
【化2】 (式中、エステル(a)が、Nε−,Nα−2保護 L−リジンをエステル化す
ることによって与えられ、protがベンジルカルボキシであり、prot’が
BOCであり、Rがt−ブチルである) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去し、式:
【化3】 の化合物を生成する工程、 c. (b)を式:
【化4】 の化合物に転換する工程、 d. (c)を、式:
【化5】 のクロロヒドリンに転換する工程、 e. (d)のCl基をCNに置換し、式:
【化6】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱ベンジル化し、かつ(e)のCN基をアミン基に転換し、式
【化7】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基をアシル化し、式:
【化8】 のジ−N−保護 Nα−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)のR及びprot’を除去し、式:
【化9】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護し、ヒプシン誘導体(
1)を生成する工程、 を含む、式:
【化10】 のヒプシン誘導体を合成する方法。
【化11】 (式中、prot及びprot’は、相互に直交するアミノ保護基であり、Rは
、protとprot’とに関して直交するエステル化をするアルコールの残基
である) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンのエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去し、式:
【化12】 の化合物を生成する工程、 c. (b)を式:
【化13】 の化合物に転換する工程、 d. (c)を、式:
【化14】 のクロロヒドリンに転換する工程、 e. (d)のCl基をCNに置換し、式:
【化15】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱ベンジル化し、かつ(e)のCN基をアミン基に転換し、式
【化16】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基を、反応性ベンジルカルボン酸誘導体でアシル
化し、式:
【化17】 (式中、Q1 及びQ2 はそれぞれベンジルカルボキシ基である) のジ−N−保護 Nα−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)のR及びprot’を除去し、式:
【化18】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護し、ヒプシン誘導体(
1)を生成する工程、 を含む、式:
【化19】 のヒプシン誘導体を合成する方法。
【請求項36】 該反応性ベンジルカルボン酸がクロロギ酸ベンジルである
、請求項35記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月28日(2001.3.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、Q1 及びQ2 は同一又は異なっていてもよいアミノ保護基である;Q3 はQ1 とQ2 とに直交するアミノ保護基である;Zはヒドロキシ保護基である)
を有する、ヒプシンを含有するペプチドの合成用試薬として有用なヒプシン誘導
体。
【化2】 (式中、prot及びprot’は、相互に直交するアミノ保護基であり、Rは
、protとprot’とに関して直交するエステル化をするアルコールの残基
である) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンのエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去し、式:
【化3】 の化合物を生成する工程、 c. (b)を式:
【化4】 の化合物に転換する工程、 d. (c)を、式:
【化5】 のクロロヒドリンに転換する工程、 e. (d)のCl基をCNに置換し、式:
【化6】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱ベンジル化し、(e)のCN基をアミノ基に転換し、式:
【化7】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基をアシル化し、式:
【化8】 のジ−N−保護 Nα−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)のR及びprot’を除去し、式:
【化9】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護し、請求項1記載のヒ
プシン誘導体(1)を生成する工程、 を含む、請求項1記載のヒプシン誘導体を合成する方法。
【化10】 (式中、prot及びprot’は、相互に直交するアミノ保護基であり、Rは
、protとprot’とに関して直交するエステル化をするアルコールの残基
である) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンのエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去し、式:
【化11】 の化合物を生成する工程、 c. 式(b)の化合物を式:
【化12】 のクロロヒドリンに転換する工程、 d. 式(j)の化合物を、式:
【化13】 のNε−保護クロロヒドリンに転換する工程、 e. (k)のCl基をCNに置換し、式:
【化14】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱保護し、(l)のCN基をアミノ基に転換し、式:
【化15】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基をアシル化し、式:
【化16】 のジ−N−保護 Nα−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)のR及びprot’を除去し、式:
【化17】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護し、請求項1記載のヒ
プシン誘導体(1)を生成する工程、 を含む、請求項1記載のヒプシン誘導体を合成する方法。
【化18】 (式中、Q1 及びQ2 はベンジルカルボキシであり、Q3 はフルオレニルメトキ
シカルボニルであり、Zはテトラヒドロピラニルである) を有する、ヒプシンを含有するペプチドの合成用試薬として有用なヒプシン誘導
体。
【化19】 (式中、エステル(a)が、Nε−,Nα−2保護 L−リジンをエステル化す
ることによって与えられ、protがベンジルカルボキシであり、prot’が
BOCであり、Rがt−ブチルである) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去し、式:
【化20】 の化合物を生成する工程、 c. (b)を式:
【化21】 の化合物に転換する工程、 d. (c)を、式:
【化22】 のクロロヒドリンに転換する工程、 e. (d)のCl基をCNに置換し、式:
【化23】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱ベンジル化し、かつ(e)のCN基をアミン基に転換し、式
【化24】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基をアシル化し、式:
【化25】 のジ−N−保護 Nα−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)のR及びprot’を除去し、式:
【化26】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護し、ヒプシン誘導体(
1)を生成する工程、 を含む、式:
【化27】 のヒプシン誘導体を合成する方法。
【化28】 (式中、prot及びprot’は、相互に直交するアミノ保護基であり、Rは
、protとprot’とに関して直交するエステル化をするアルコールの残基
である) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンのエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去し、式:
【化29】 の化合物を生成する工程、 c. (b)を式:
【化30】 の化合物に転換する工程、 d. (c)を、式:
【化31】 のクロロヒドリンに転換する工程、 e. (d)のCl基をCNに置換し、式:
【化32】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱ベンジル化し、かつ(e)のCN基をアミン基に転換し、式
【化33】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基を、反応性ベンジルカルボン酸誘導体でアシル
化し、式:
【化34】 (式中、Q1 及びQ2 はそれぞれベンジルカルボキシ基である) のジ−N−保護 Nα−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)のR及びprot’を除去し、式:
【化35】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護し、ヒプシン誘導体(
1)を生成する工程、 を含む、式:
【化36】 のヒプシン誘導体を合成する方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW Fターム(参考) 4H045 AA10 EA62 FA10

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 (式中、Q1 及びQ2 は同一又は異なっていてもよいアミノ保護基である;Q3 はQ1 とQ2 とに直交するアミノ保護基である;Zはヒドロキシ保護基である)
    を有する、ヒプシンを含有するペプチドの合成用試薬として有用なヒプシン誘導
    体。
  2. 【請求項2】 Q1 及びQ2 が同一である、請求項1記載の誘導体。
  3. 【請求項3】 Q1 及びQ2 がベンジルカルボキシ及びカルボベンジルオキ
    シからなる群より選ばれた、請求項2記載の誘導体。
  4. 【請求項4】 Q3 がフルオレニルメトキシカルボニルである、請求項1記
    載の誘導体。
  5. 【請求項5】 Zがテトラヒドロピラニルである、請求項1記載の誘導体。
  6. 【請求項6】 Q1 及びQ2 がベンジルカルボキシであり、Q3 がフルオレ
    ニルメトキシカルボニルであり、Zがテトラヒドロピラニルである、請求項1記
    載の誘導体。
  7. 【請求項7】 a. 式: 【化2】 (式中、prot及びprot’は、相互に直交するアミノ保護基であり、Rは
    、protとprot’とに関して直交するエステル化をするアルコールの残基
    である) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンのエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去し、式: 【化3】 の化合物を生成する工程、 c. (b)を式: 【化4】 の化合物に転換する工程、 d. (c)を、式: 【化5】 のクロロヒドリンに転換する工程、 e. (d)のCl基をCNに置換し、式: 【化6】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱ベンジル化し、(e)のCN基をアミノ基に転換し、式: 【化7】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基をアシル化し、式: 【化8】 のジ−N−保護 Nα−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)のR及びprot’を除去し、式: 【化9】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護し、請求項1記載のヒ
    プシン誘導体(1)を生成する工程、 を含む、請求項1記載のヒプシン誘導体を合成する方法。
  8. 【請求項8】 エステル(a)が、Nε−,Nα−2保護 L−リジンのエ
    ステル化によって与えられ、protがベンジルカルボキシであり、prot’
    がBOCであり、Rがt−ブチルである、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 protが水素化により(a)から除去され、得られた脱保
    護アミン(b)が遊離アミン基のベンズアルデヒドでの還元的アミノ化によって
    (c)に転換される、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 該還元的アミノ化が、NaBH3 CNの存在下で実施され
    る、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 (c)が、(S)−エピクロロヒドリンによる(c)のN
    ε−アルキル化によって、該(2S,9S)クロロヒドリン(d)に転換される
    、請求項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 (S)−エピクロロヒドリンとの該アルキル化が実質的に
    室温で行なわれる、請求項7記載の方法。
  13. 【請求項13】 (d)とそれと反応性を有するアルカリ金属シアン化物と
    の反応によって(d)の該Cl基がCNに置換された、請求項7記載の方法。
  14. 【請求項14】 (e)が、Nε−脱ベンジル化され、そのCN基が接触水
    素化によってアミノ基に転換される、請求項7記載の方法。
  15. 【請求項15】 該水素化が、パラジウム−CとPtO2 との混合物の存在
    下で行なわれる、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 (f)の遊離のアミノ基が反応性ベンジルカルボン酸誘導
    体でアシル化され、Q1 及びQ2 がそれぞれベンジルカルボキシ基である(g)
    を生成する、請求項7記載の方法。
  17. 【請求項17】 該反応性ベンジルカルボン酸が、クロロギ酸ベンジルであ
    る、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 R及びprot’が、トリエチルシランの存在下で、トリ
    フルオロ酢酸との反応によって除去される、請求項7記載の方法。
  19. 【請求項19】 (h)の遊離のアミノ基が9−フルオレニルメチル−N−
    スクシンイミジル炭酸塩でアシル化され、Q3 がフルオレニルメトキシカルボニ
    ルであり、(h)のヒドロキシ基が3,4−ジヒドロ−2H−ピランでエーテル
    化されているヒプシン試薬を与える、請求項7記載の方法。
  20. 【請求項20】 a. 式: 【化10】 (式中、prot及びprot’は、相互に直交するアミノ保護基であり、Rは
    、protとprot’とに関して直交するエステル化をするアルコールの残基
    である) を有する、Nε−,Nα−2保護 L−リジンのエステルを与える工程、 b. (a)のNεからprotを除去し、式: 【化11】 の化合物を生成する工程、 c. 式(b)の化合物を式: 【化12】 のクロロヒドリンに転換する工程、 d. 式(j)の化合物を、式: 【化13】 のNε−保護クロロヒドリンに転換する工程、 e. (k)のCl基をCNに置換し、式: 【化14】 のニトリルを生成する工程、 f. Nε基を脱保護し、(l)のCN基をアミノ基に転換し、式: 【化15】 のアミノアルコールを生成する工程、 g. (f)の遊離のアミノ基をアシル化し、式: 【化16】 のジ−N−保護 Nα−保護 L−リジンエステルを与える工程、 h. (g)のR及びprot’を除去し、式: 【化17】 の化合物を生成する工程、並びに i. 遊離のアミノ基をアシル化し、かつOH基を保護し、請求項1記載のヒ
    プシン誘導体(1)を生成する工程、 を含む、請求項1記載のヒプシン誘導体を合成する方法。
  21. 【請求項21】 エステル(a)が、Nε−,Nα−2保護 L−リジンの
    エステル化によって与えられ、protがカルボベンジルオキシであり、pro
    t’がBOCであり、Rがt−ブチルである、請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 protが、水素化によって(a)から除去される、請求
    項20記載の方法。
  23. 【請求項23】 (b)が、(S)−エピクロロヒドリンによる(b)のN
    ε−アルキル化によって該(2S,9S)クロロヒドリン(j)に転換されるか
    、又は(R)−エピクロロヒドリンによる(b)のNε−アルキル化によって該
    (2S,9R)クロロヒドリン(j)に転換される、請求項20記載の方法。
  24. 【請求項24】 (S)−エピクロロヒドリンによる該アルキル化が実質的
    に室温で行なわれる、請求項20記載の方法。
  25. 【請求項25】 該クロロヒドリン(k)のprotがカルボベンジルオキ
    シである、請求項20記載の方法。
  26. 【請求項26】 (k)とそれと反応性を有するアルカリ金属シアン化物と
    の反応によって、(k)の該Cl基がCNに置換された、請求項20記載の方法
  27. 【請求項27】 (l)が、Nε−脱保護され、そのCN基が接触水素化に
    よってアミノ基に転換される、請求項20記載の方法。
  28. 【請求項28】 該水素化が、パラジウム/木炭とPtO2 との混合物の存
    在下で行なわれる、請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 (f)の遊離のアミノ基が反応性カルボベンジルオキシカ
    ルボン酸誘導体でアシル化され、Q1 及びQ2 がそれぞれカルボベンジルオキシ
    基である(g)を生成する、請求項20記載の方法。
  30. 【請求項30】 該反応性カルボベンジルオキシカルボン酸が、N−(ベン
    ジルオキシカルボニルオキシ)−スクシンイミドである、請求項29記載の方法
  31. 【請求項31】 R及びprot’が、トリエチルシランの存在下で、トリ
    フルオロ酢酸との反応によって除去される、請求項20記載の方法。
  32. 【請求項32】 (h)の遊離のアミノ基が9−フルオレニルメチル−N−
    スクシンイミジル炭酸塩でアシル化され、Q3 がフルオレニルメトキシカルボニ
    ルであり、(h)のヒドロキシ基が3,4−ジヒドロ−2H−ピランでエーテル
    化されているヒプシン試薬を生成する、請求項20記載の方法。
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