JP6632589B2 - 接合構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高い信頼性を確保できる接合構造体等に関する。
モータ駆動用インバータ等には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のデバイス(半導体素子)を、絶縁基板や電極等の上に実装したパワーモジュールが用いられる。
パワーモジュールの信頼性を確保するため、デバイスの作動温度(耐熱性)の向上やその放熱性の向上等に加えて、デバイスの接合部(周辺)に生じる熱膨張係数(CTE:coefficient of thermal expansion)差(CTE不整合)に起因した熱応力を緩和したり、その熱応力に対する耐久性(耐熱疲労性)を高めることが重要となる。
特に、SiC、GaN、Ga等の次世代のデバイスを用いる場合、従来以上に高温域(例えば150℃以上)で使用されることが予想される。また、車載用パワーモジュールでは、搭載自由度の向上や軽量化を図るために小型化が進められているため、デバイスやその周辺部(接合部)の温度はさらに上昇傾向にある。
このような事情の下、パワーモジュールのさらなる信頼性の向上を図れる接合構造体に関する提案が下記の特許文献でなされている。
WO2017−086324号公報
特許文献1は、低融点金属と高融点金属を反応させ、低融点金属よりも高融点な金属間化合物(IMC:intermetallic compound)を生成させて、その金属間化合物により部材間の接合を行う固液相互拡散接合(単に「SLID(Solid Liquid InterDiffusion)接合」という。)を行うことを前提に、熱応力緩和性や耐熱疲労性の向上を図れる接合構造体を提案している。
具体的にいうと、第1部材(半導体素子)の接合層の外周囲に、高延性な金属からなる補強層(Al層)へ直結する誘導を設けることを提案している。これにより、温度サイクル下等で発生し易いクラックは、補強層内へ優先的に誘導され、補強層内を伝播するようになる。これにより、熱応力の緩和に加えて、耐熱疲労性の向上も図られようになる。
ところで、本発明者がさらに研究したところ、補強層の材質(純Alの純度)により、緩和される熱応力や耐熱疲労性(耐熱性、耐久性)に相違があることを見出した。この様子を図3A〜図3Bに示した。
具体的にいうと、特許文献1に記載された接合構造体(図3A)を製作した。その際、補強層を構成する純Alの純度を種々変更した。各接合構造体を温度サイクル試験(低温状態と高温状態を一定間隔で繰り返す試験)に供した。この試験中に各デバイス(SiC)に作用する最大応力(熱応力)を、デバイスに内蔵したひずみゲージにより測定した。その結果を図3Bにまとめて示した。また、その試験前後におけるデバイスの接合状態を図3Cにまとめて示した。なお、図3C中、◎:優、○:良、×:劣を意味する。
なお、温度サイクル試験は、低温状態(−40℃)と高温状態(200℃)を500サイクル繰り返して行った。また、各図中に示した「N」は純度を示す指標であり、2N:純度99質量%、4N:純度99.99質量%をそれぞれ意味する。
図3Bおよび図3Cから明らかなように、補強層(Al)を設けることにより、応力緩和性と耐熱疲労性が高次元で両立される。但し、それらの程度は、補強層を構成するAlの純度により異なる。具体的にいうと、図3Bから明らかなように、概ね高純度なAlを用いるほど、熱応力は緩和され易いといえる。一方、図3Cから明らかなように、概ね低純度なAlを用いるほど、耐久性(耐熱疲労性)は確保され易いといえる。このように、特許文献1で提案されている接合構造体の信頼性のさらなる向上を図る場合、応力緩和性と耐熱疲労性が背反関係となり得ることが新たにわかった。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、信頼性のさらなる向上を図れる接合構造体を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、補強層を構成する第3金属の純度を領域により変化させることを着想した。これを具現化すると共に、それを発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《接合構造体》
(1)本発明は、第1部材と、該第1部材と接合され得る第2部材と、該第1部材と該第2部材を接合する接合部と、を備える接合構造体であって、前記接合部は、少なくとも第1部材側に、前記第1部材の被接合面上に設けられた第1金属からなる被覆層と、該第1金属と該第1金属よりも低融点な第2金属との金属間化合物からなり該被覆層に接合している接合層と、第3金属からなる補強層と、該第1金属からなり該接合層と該補強層とに接合している中間層と、該金属間化合物からなると共に該中間層を介さずに該補強層に直結している誘導部とを備え、前記補強層は、前記第1部材側に前記第3金属の純度が低い低純度域と、前記第2部材側に該第3金属の純度が高い高純度域とを少なくとも有する接合構造体である。
(2)本発明の接合構造体は、第3金属からなる補強層と、その補強層に中間層を介さずに直結された金属間化合物からなる誘導部とを備えると共に、さらに、その補強層が第1部材側に第3金属の低純度域と第2部材側に第3金属の高純度域とを有する。これにより本発明の接合構造体は、従来よりも応力緩和性と耐熱疲労性をより高次元で両立できるようになり、一層高い信頼性を発揮するようになる。この理由は次のように考えられる。
低純度域は、高純度域と比較して、主金属元素(Al等)以外の不純物元素(合金元素を含む)を多く含む。このため、低純度域の結晶粒サイズは、相対的に小さくなり易い。また、その不純物元素は、固溶強化や、微細な析出化合物となってピン留め効果等を発揮し得る。従って、低純度域は、高純度域よりも、強度または硬さが高い状態となる。
このような低純度域に誘導部を介してクラックが導入されても、クラックは、微細に分散した結晶粒や析出化合物により進展が阻止され易い。従って、第1部材側にある低純度域により、クラックの進展が抑制されて、より高い耐熱疲労性が確保される。
一方、高純度域は、低純度域と比較して不純物元素が少なく、第3金属が有する本来の高延性または高靱性が発揮され易い。つまり、高純度域は、低純度域よりも弾性変形能や塑性変形能が高く、応力緩和性に優れる。従って、第2部材側にある高純度域により、高い応力緩和性が確保される。
こうして低純度域と高純度域を備える補強層を有する本発明の接合構造体は、耐熱疲労性と応力緩和性が一層高次元で両立されて、従来よりも一層高い信頼性を発揮するようになったと考えられる。
《その他》
(1)本明細書では、説明の便宜上、第1、第2または第3という呼称を用いており、第1部材側に接合部を形成する場合について説明している。第2部材側の接合構造は、第1部材側と同じでも、異なってもよい。通常、第1部材側が高温側(発熱側)であり、第2部材側が低温側(放熱側)となる。
(2)本明細書でいう強度、延性または靱性は、日本工業規格(JIS)に準拠して決定される。例えば、延性は応力−ひずみ曲線図における降伏点から破断に至るまでの塑性変形量(ひずみ量)に基づき定める。各特性は室温域におけるものである。
第3金属は、第1金属よりも高延性であると好ましいが、さらに、第1金属よりもヤング率(縦弾性率/室温域)が低いものであるとよい。通常、低ヤング率な金属は、高延性または高靱性であり補強層(第3層)に相応しい。
(3)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
第1実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 第2実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 従来の接合構造体を示す模式断面図である。 補強層を種々変更した各接合構造体について、温度サイクル試験時にデバイスに作用する熱応力を示した棒グラフである。 その試験後のデバイスの接合状態を示す対比表である。
本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の接合構造体のみならず、その製造方法にも該当し得る。「方法」に関する構成要素は「物」に関する構成要素ともなり得る。
《第1金属と第2金属》
中間層(第1層)となる第1金属と、第1金属とIMC(単相)を生成する第2金属とは種々考えられる。第1金属と第2金属の組合わせは、接合構造体の耐熱温度、接合工程中の加熱温度、熱膨張係数等を考慮して選択される。
第1金属として、Ni、Cu,Ti、Mo、W、Si、Cr、Mn、Co、Zr、Nb、Ta、Ag、Au、Pt、等やそれらの合金がある。第2金属として、Sn、In、Ga、Pb、Bi、Zn等やそれらの合金がある。好例として、第1金属をNiまたはCuとし、第2金属をSnとするとよい。Niの融点は約1450℃、Cuの融点は約1085℃、Snの融点は約230℃である。
例えば、Ni層(第1層、中間層、被覆層)とSn層(第2層)を接触させつつ、例えば、約350℃で5分間程度加熱すると、ニッケルスズ(NiSn)というIMC単相が得られる。このNiSn(IMC)の融点は約795℃である。従って、第1金属をNi、第2金属をSnとする組合わせは、例えば、SiC等からなる次世代半導体素子(第1部材)を用いたパワーモジュール(接合構造体)のように、150℃以上の耐熱性が必要とされる一方で、接合工程時の加熱温度を400℃以下にする必要がある場合に有効である。
第1金属/第2金属の他の組合わせとして、Cu/Sn、Ag/Sn、Pt/Sn/、Au/Sn等がある。なお、接合材側にある中間層(第1層)と、第1部材側にある被覆層とは、異種な第1金属よりも同種の第1金属からなると好ましい。
《第3金属》
補強層(第3層)となる第3金属も種々考えられる。例えば、高延性や低ヤング率に加えて、熱伝導性や電導性に優れる純AlまたはAl合金(両者を併せて単に「Al系金属」ともいう。)、純CuまたはCu合金(両者を併せて単に「Cu系金属」ともいう。)が第3金属として好ましい。
《補強層》
補強層は、第3金属からなるが、少なくとも、その純度が異なる第1部材側の低純度域と第2部材側の高純度域を有する。例えば、第3金属が純Alである場合を考えると、低純度域がAl(2N)なら、高純度域はそれよりも高純度なAl(3N)〜Al(5N)、特にAl(4N)を用いると好ましい。なお、本明細書では、適宜、純度を「N」を用いて示す。例えば、2Nは、その金属全体を100質量%として、主金属元素以外の不純物元素の合計量が1質量%未満(純度99%)であることを意味し、4Nはその不純物元素の合計量が0.01質量%未満(純度99.99%)であることを意味する。
補強層は、低純度域と高純度域で純度(不純物元素(合金元素を含む)の量)が異なる限り、その全体が純金属でも良いし、その全体が合金でも良いし、低純度域が合金で高純度域が純金属でもよい。
もっとも、補強層は全体的に、中間層や被覆層よりも高延性(さらには低強度)であると好ましいことから、合金を用いる場合でも、合金元素(不純物元素含む)の合計量は3質量%以下さらには2質量%以下であると好ましい。例えば、Al合金を用いる場合なら、合金元素量が比較的少ない3000番系Al合金(例えばA3003)や5000番系Al合金(例えばA5052)等を用いるとよい。なお、本明細書では、主金属元素以外の元素(不純物元素と合金元素の両方)の合計量が1質量%以上のものを「Al合金」という。
補強層は、例えば、第1部材側から第2部材側にかけて第3金属の純度が段階的に高くなる多層構造とできる。多層構造は、第1部材側の低純度層と第2部材側の高純度層との2層でもよいし、さらに、それらの中間の純度からなる中純度層を少なくとも1層有する3層以上からなってもよい。さらに補強層は、例えば、第3金属の純度が第1部材側から第2部材側にかけて、ほぼ連続的に高くなる傾斜構造でもよい。
このような補強層は、例えば、純度の異なる第3金属板(箔)同士の貼合せ(クラッド)、純度の異なる第3金属の順次蒸着、第3金属板(箔)上への異純度の第3金属のメタライズ等により製造できる。
《誘導部》
誘導部は、第1部材の外周囲側に形成されても、その被接合面内に形成されてもよい。いずれの場合でも、誘導部は、ほぼ同時に生成される接合層と連なっていると好ましい。
誘導部は、少なくとも一箇所以上あれば良い。例えば、複数の孤立した誘導部が点在していてもよいし、線状または環状に連続した誘導部が一以上配置されていてもよいし、それらが組み合わされてもよい。
《接合構造体の形態》
本発明の接合構造体には様々な形態が考えられる。接合構造体の好例は、発熱源である半導体素子を、金属電極(リードフレーム、スペーサ、基板の金属配線等)に接合したパワーモジュールである。半導体素子は、例えば、CTEが3〜7ppm/KであるSi、SiC、GaN等からなり、金属電極は、例えば、CTEが15〜25ppm/KであるCu系金属またはAl系金属からなる。
本発明の接合構造体の一例であるパワーモジュールについて、具体的な形態を示すことにより、本発明をさらに詳しく説明する。
次の内容はいずれの形態のパワーモジュールにも共通している。第1部材は、SiCからなるIGBT等のチップ(デバイス、半導体素子)であり、その表面にNi(第1金属)で被覆(メタライズ)された電極面(被覆層)がある。
第2部材は、金属電極(リードフレーム、スペーサ等)を構成するCu板であり、その表面(被接合面)にもNiがメタライズされた電極面がある。接合材は、Al(第3金属)箔からなる第3層を中心に、その両面側にNiからなる第1層と、さらにそれらの両面側にSn(第2金属)からなる第2層とが順に形成されている。
チップや金属電極は、図示しないDBC(Direct Brazed Copper)基板やDBA(Direct Brazed Aluminum)基板等に実装される。本実施例(各図)に示した上下方向は、鉛直方向に対する上下方向である。但し、それらの方向と、実際にパワーモジュールが製造される時または使用される時の上下方向は異なっていてもよい。
[第1実施例]
(1)パワーモジュールM1について、接合前→加熱過程(接合工程)→接合後の各様子を図1に示した。接合前のパワーモジュールM1は、SiCからなるチップ10(第1部材)とその下面側にあるNiが成膜された電極面11とその上面側にあるNiが成膜された電極面13と電極面13の外周囲に設けられた絶縁層(SiN)12を有する半導体素子1と、Cu板20(第2部材)とその上にNiが成膜された電極面21を有する金属電極2と、接合シート3からなる。
接合シート3は、Al(箔)からなる層30(第3層)と、その両面側に形成されたNiからなる層311、321(第1層)と、それらの両面側にそれぞれ形成されたSnからなる層312、322(第2層)とを有する。なお、接合シート3の占有面積は、金属電極2よりも小さいが、半導体素子1よりは大きくなっている。
層30は、半導体素子1側にあるAl(2N)の低純度層30aと、金属電極2側にあるAl(4N)の高純度層30bとを有する2層構造となっている。層30は、例えば、Al(2N)箔とAl(4N)箔を加温・加圧して貼り合わせて製造される。低純度層30aと高純度層30bの厚みは、適宜調整され得るが、例えば、低純度層30a:20〜50μm、高純度層30b:50〜80μmとすると好ましい。なお、低純度層30aと高純度層30bは、一方を構成する所望純度のAl箔に、異なる純度の純AlまたはAl合金を蒸着(スパッタ等)させて他方を構成してもよい。
(2)半導体素子1と金属電極2の接合は次のようになされる。上側から下側に向けて順番に、半導体素子1、接合シート3および金属電極2を積層して配置する。半導体素子1と金属電極2で接合シート3を挟持した状態の積層体(挟持体)を、不活性雰囲気(真空雰囲気を含む)や活性雰囲気(水素雰囲気、還元雰囲気等)の加熱炉に入れて、所定の反応温度まで加熱して、一定時間保持する。例えば、挟持する圧力(加圧量)を0.5MPaとして、還元雰囲気の電気炉中で、350℃×5分間加熱するとよい。
その昇温過程中に、接合シート3の層312、322が先ず溶融する。これにより、電極面11と層311の間および電極面21と層321の間で、溶融したSnが濡れ拡がる。層312、322の厚さと上記加圧量を調整することにより、Snの濡れ拡がる領域を制御できる。
電極面11と層311の間の溶融Snは、電極面11の外周囲側へ滲み出して層311上に漏出して溜まる。電極面21と層321の間の溶融Snは、層321の外周囲側へ滲み出して、電極面21上に漏出して溜まる。
この状態でさらに昇温されると、層312が溶融してできたSnは、電極面11および層311と固液相互拡散(SLID)反応を生じて、NiSn(IMC/固相)からなる接合層414を形成する。このとき電極面11と層311は、一部が残存して、それぞれ層411と層4311になる。こうしてチップ10と層30は、層411と層4311(中間層)を介して、接合層414で接合された状態となる。
このSLID反応の際、層312から溶融し、チップ10の外周囲端側へ漏出して層311の外周域上に溜まった溶融Snは、層311と反応して、層4311(中間層)を介さずに、層30の上面に直結したIMCからなる外側誘導部4314を形成する。
また、層322が溶融してできたSnは、電極面21および層321と反応して、IMCからなる接合層424を形成する。このとき電極面21と層321は、一部が残存して、それぞれ層421と層4321になる。こうしてCu板20と層30は、層421と層4321(中間層)を介して、接合層424により接合された状態となる。
このSLID反応の際、接合シート3の外周囲端側へ漏出して電極面21の外周域上に溜まった溶融Snは、電極面21(Ni層)と反応して、層421(中間層)を介さずに、Cu板20の上面に直結したIMCからなる外周誘導部4324を形成する。
こうして、最上層である層411から最下層である層421までの各層により構成された接合部4により、チップ10(第1部材)とCu板20(第2部材)が接合されたパワーモジュールM1が得られる。
ところで、パワーモジュールM1は、接合部4の略中央にAlからなる層30を有し、層30はさらに低純度層30aと高純度層30bからなる。これにより、チップ10とCu板20のCTE不整合等により生じる熱応力は、層30、特に高純度層30bにより緩和される。また、その熱応力により外側誘導部4314を通じて層30にクラックが生じるとしても、低純度層30aによりそのクラックの進展は抑制される。こうしてパワーモジュールM1は、低純度層30aと高純度層30bを有する層30を中心とした接合部4を有することにより、従来以上に、応力緩和性と耐熱疲労性に優れたものとなり、一層高い信頼性を発揮し得る。
[第2実施例]
パワーモジュールM1と形態が異なるパワーモジュールM2について、接合前→加熱過程(接合工程)→接合後の各様子を図2に示した。なお、既述した部材または部位については、同符号を付することによりそれらの説明を適宜省略する。
(1)パワーモジュールM2について、接合前→加熱過程(接合工程)→接合後の各様子を図2に示した。接合前のパワーモジュールM2も、SiCからなるチップ10(第1部材)とその上にNiが成膜された電極面11と電極面11の外周囲に設けられた絶縁層(SiN)12を有する半導体素子1と、Cu板20(第2部材)とその下にNiが成膜された電極面21を有する金属電極2と、接合シート3からなる。
接合シート3は、Al(箔)からなる層30(第3層)と、その両面側に形成されたNiからなる層311、321(第1層)と、それらの両面側にそれぞれ形成されたSnからなる層312、322(第2層)とを有する。本実施例の層30も、半導体素子1側にあるAl(2N)の低純度層30aと、金属電極2側にあるAl(4N)の高純度層30bとからなる。
接合シート3の占有面積は、金属電極2よりも大きいが、半導体素子1よりは小さい。但し、本実施例に係る電極面11と電極面21は略同じ大きさ(面積)であり、Niからなる電極面11の外縁は、接合シート3(層311等)の外縁よりも内側になっている。
(2)半導体素子1と金属電極2の接合も、既述した加熱処理によりなされる。但し、本実施例では、昇温過程中に接合シート3の層312、322が溶融してできたSnの濡れ拡がる領域は、層312、322の厚さと上述した加圧量を調整することにより、ほぼ、層311、321または層30の存在範囲(領域)内に制御されている。
電極面21と層321の間の溶融Snは、電極面21の外周囲側へ滲み出して、層321上に漏出して溜まる。一方、電極面11と層311の間の溶融Snは、電極面11の外周囲側へ滲み出すが、層311の外周囲端を超えて漏出することはなく、層311の外周域と絶縁層12との間に留まる。
この状態でさらに昇温されると、層312が溶融してできたSnは、電極面11および層311と固液相互拡散(SLID)反応を生じて、NiSn(IMC/固相)からなる接合層414を形成する。このとき電極面11と層311は、一部が残存して、それぞれ層411と層4311になる。こうしてチップ10と層30は、層411と層4311(中間層)を介して、接合層414で接合された状態となる。
このSLID反応の際、層311の外周域は、絶縁層12に対面しており、その領域に電極面11(Ni層)は存在しない。このため、その外周域内において、層312からできた溶融Snは、層311とのみ反応して、層4311(中間層)を介さずに、層30の下面に直結したIMCからなる誘導部4314が形成されるようになる。要するに、クラックを誘導する誘導部4314がチップ10側に接合されることはない。
また、層322が溶融してできたSnは、電極面21および層321と反応して、IMCからなる接合層424を形成する。このとき電極面21と層321は、一部が残存して、層421と層4321になる。こうしてCu板20と層30は、層421と層4321(中間層)を介して、接合層424で接合された状態となる。
なお、層321の外周域上に、電極面21(Ni層)は存在しない。このため層322からできた溶融Snは、Cu板20の外周囲端側へ漏出して、層321の外周域上に溜まる。この溶融Snは、層321と反応して、層4321(中間層)を介さずに、層30の上面に直結したIMCからなる誘導部4324を形成する。
こうして、最下層である層411から最上層である層421までの各層により構成された接合部4により、チップ10(第1部材)とCu板20(第2部材)が接合されたパワーモジュールM2が得られる。
パワーモジュールM2が、ある程度継続した高温下と低温下に繰り返し曝される温度サイクル下にある場合、チップ10とCu板20のCTE不整合による熱応力は、先ず、層30の高純度層30bにより緩和される。その熱応力によりクラックCが生じるとしても、そのクラックCは、層30に直結している誘導部4314を通じて層30へ誘導される。これによりクラックCは、チップ10に生じず、層30に生じるようになる。しかも、クラックCは、層30の低純度層30a側から導入され、あまり進展しない。
こうしてパワーモジュールM2でも、低純度層30aと高純度層30bを有する層30を中心とした接合部4を有することにより、従来以上に、応力緩和性と耐熱疲労性に優れたものとなり、一層高い信頼性を発揮し得る。
なお、パワーモジュールM2は、例えば、IGBT(チップ10)のゲート電極にワイヤーボンディングするためのスペースを確保するために、スペーサ(金属電極20)を設ける両面冷却構造型のパワーモジュール等に好適である。
M パワーモジュール(接合構造体)
10 チップ(第1部材)
20 Cu板(第2部材)
3 接合シート
30a 低純度層(低純度域)
30b 高純度層(高純度域)
4 接合部

Claims (5)

  1. 第1部材と、
    該第1部材と接合され得る第2部材と、
    該第1部材と該第2部材を接合する接合部と、
    を備える接合構造体であって、
    前記接合部は、少なくとも第1部材側に、
    前記第1部材の被接合面上に設けられた第1金属からなる被覆層と、
    該第1金属と該第1金属よりも低融点な第2金属との金属間化合物からなり該被覆層に接合している接合層と、
    第3金属からなる補強層と、
    該第1金属からなり該接合層と該補強層とに接合している中間層と、
    該金属間化合物からなると共に該中間層を介さずに該補強層に直結している誘導部とを備え、
    前記補強層は、前記第1部材側に前記第3金属の純度が低い低純度域と、前記第2部材側に該第3金属の純度が高い高純度域とを少なくとも有する接合構造体。
  2. 前記補強層は、前記第1部材側から前記第2部材側にかけて、前記第3金属の純度が段階的に高くなる多層構造または該第3金属の純度が連続的に高くなる傾斜構造を有する請求項1に記載の接合構造体。
  3. 前記第3金属は、AlまたはAl合金である請求項1または2に記載の接合構造体。
  4. 前記第1金属は、NiまたはCuであり、
    前記第2金属は、Snである請求項1〜3のいずれかに記載の接合構造体。
  5. 前記第1部材は半導体素子であり、
    前記第2部材は金属電極である請求項1〜4のいずれかに記載の接合構造体。
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