JP7189926B2 - 積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体及び積層体の製造方法に関する。
第5世代移動通信(5G)が続々と商業化されている。モノのインターネット(IoT)、自動車のインターネット(IoV)、スマートマニュファクチャリング、スマートシティ、自動車のスマート自動運転等の5Gの新たな応用は、5G業界の活発な発展を促進する。関連する部品の要求されるパフォーマンスの更なる向上に伴い、5Gデバイスの熱管理の問題を早急に解決する必要がある。
このほか、電子製品の薄型軽量化に伴い、その放熱面積及び空間は更に多くの制限を受ける。このため、現在、放熱モジュールの製造業者はいずれも、超薄型ヒートパイプ及び超薄型均熱板(ベーパーチャンバー)等の薄型放熱部品を研究開発している。超薄型均熱板(超薄型ベーパーチャンバー)の放熱能力は超薄型ヒートパイプの数倍であり、このため5Gの最良の放熱部品であり、将来の5Gスマートフォンの主流な放熱手段として見られている。
特許文献1は、同軸コネクタの端子と超電導素子の電極とを比較的低い温度で接合し得る同軸コネクタ及びその製造方法並びにその同軸コネクタを用いた超伝導装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
その解決手段として、同軸ケーブルに接続される同軸コネクタであって、中心導体である端子の表面に、Inと共晶反応を生じる金属材料より成る表面被覆層が形成されている。同軸コネクタの端子の表面に、Inと共晶反応を生じる金属材料より成る表面被覆層が形成されているため、同軸コネクタの端子と超伝導素子の電極超伝導とをIn系はんだより成るはんだ層により比較的低い温度で接合することができる。このため、前記超伝導フィルタの超伝導体膜の内部から酸素が放出されるのを抑制することができ、臨界温度T の低下を抑制することができる。
特許文献2は、放熱部品を製造するプロセスの一部に650℃以上の温度に加熱するプロセスが含まれる場に、製造後の放熱部品に十分な強度と放熱性能を持たせることができる銅合金板の提供を課題とする。
その解決手段として、Ni:0.2~0.95質量%及びFe:0.05~0.8質量%と、P:0.03~0.2質量%を含有し、Ni及びFeの合計含有量を[Ni+Fe]とし、Pの含有量を[P]としたとき、[Ni+Fe]が0.25~1.0質量%、かつ[Ni+Fe]/[P]が2~10であり、残部がCu及び不可避不純物からなる銅合金板を提供する。この銅合金板は、0.2%耐力が100MPa以上で優れた曲げ加工性を有し、850℃で30分加熱後水冷し、次いで500℃で2時間加熱する時効処理をした後の0.2%耐力が120MPa以上、導電率が40%IACS以上である。
しかし、従来の均熱板封止接合技術は、生産効率の低さ、コストの高さ、接合ステップの煩雑さという問題に面している。これを鑑み、均熱板プロセスの生産効率の低さ、コストの高さ、接合ステップの複雑さの問題を解決できる積層体及び積層体の製造方法が早急に必要である。
特開2008-071583 特開2017-119909
本発明の目的は、均熱板プロセスの生産効率の低さ、コストの高さ、接合ステップの煩雑さの課題を解決できる積層体及び積層体の製造方法を提供することである。
本発明の1つの実施例による積層体は、第1の層と、第2の層と、第1の層と第2の層との間に設けられた接合層とを含む。第1の層と第2の層は50重量%以上の銅を含み、接合層は、インジウム及び亜鉛と第1の層及び第2の層とで形成された金属間化合物を含み、接合層の亜鉛含有量は0.03重量%~5重量%である。
本発明のもう1つの実施例による積層体の製造方法は、インジウムと亜鉛とを含み、亜鉛含有量が0.1重量%以上6重量%未満の接合材料を提供することと、接合材料を第1の層と第2の層との間に設けることと、接合温度が200℃~500℃の接合工程を行うこととを含む。
本発明のもう1つの実施例によると、積層体及び積層体の製造方法を提供し、これは低融点の合金を含む接合材料を用い、低温固液相互拡散(SLID)技術で従来の高温接合工程を置き換え、均熱板プロセスの生産効率の低さ、コストの高さ、接合ステップの煩雑さの課題を解決する。
本発明の上記特徴と利点の更なる明確な理解のため、下記にて特に実施例を挙げ、添付図面と併せて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の1つの実施例による積層体の概略断面図である。 図2は、インジウム亜鉛合金系の状態図である。 図3は、銅インジウム合金系の状態図である。 図4A~図4Dは、本発明の1つの実施例による積層体の製造方法の概略断面図である。 図5は、実施例3の接合層の電子顕微鏡写真である。 図6は、実施例5の接合層の電子顕微鏡写真である。 図7は、比較例3の接合層の電子顕微鏡写真である。 図8は、比較例4の接合層の電子顕微鏡写真である。
以下に図面を参照し、本発明の1つの実施例の積層体について説明する。
図1は、本発明の1つの実施例による積層体の概略断面図である。図1に示されるように、本発明の積層体1は、第1の層10と、第2の層12と、第1の層10と第2の層12との間に設けられた接合層14とを含む。そのうち、第1の層10と第2の層12は50重量%以上の銅を含み、接合層14は、インジウム及び亜鉛と、第1の層10及び第2の層12とで形成された金属間化合物とを含み、且つ接合層14の亜鉛含有量は0.03重量%~5重量%である。
上記の本発明の1つの実施例の積層体1により、均熱板プロセスの生産効率の低さ、コストの高さ、接合ステップの煩雑さの課題を解決できる。
以下に、本発明の1つの実施例の積層体の各特徴について説明する。
第1の層10と第2の層12は50重量%以上の銅を含む。銅含有量が50重量%よりも低い場合、反応速度が遅く、短時間に十分な接合強度を有する接合層14を形成できず、生産効率の低下を引き起こす。
接合層14は、インジウム及び亜鉛と第1の層10及び第2の層12とで形成された金属間化合物を含む。図2はインジウム亜鉛合金系の状態図である。図2から分かるように、インジウムの融点は156.6℃であり、亜鉛の融点は419.5℃であり、両者の共晶温度は143.5℃であり、接合材料中のインジウムと亜鉛の比率を調整することにより、合金系の融点を共晶温度付近に制御することで、接合工程の温度を低くすることができる。このほか、接合材料中のインジウムと第1の層10及び第2の層12中の銅は、均質な金属間化合物層を接合層14として迅速に形成でき、且つインジウム亜鉛合金は好ましい柔軟性と可鍛性を有し、このため過度に大きな工程圧力を必要としない。また、インジウム亜鉛合金の回復速度と再結晶速度は速く、このため異種材料間の接合における使用に非常に適しており、且つ熱サイクルに耐える放熱部品に用いるのに適する。
換言すれば、接合層14は、第1の層10及び第2の層12中の銅原子が、低温固液拡散接合工程中に、インジウムと亜鉛とを含む接合材料へ拡散して形成される。1つの実施例において、接合材料はインジウム亜鉛合金であってよい。接合層14は均質構造であり、即ち接合層14内部は単一の金属間化合物のみを含むことに注意されたい。このため、冷却時において、異なる相の間の熱膨張係数の差異のために亀裂発生を引き起こすことを避け、これにより接合強度を高めることができる。
接合層14の亜鉛含有量は0.03重量%~5重量%である。これにより接合強度の高い接合層を得ることができる。
以下に、本発明の積層体1のその他の実施例について説明する。
1つの実施例において、第1の層10の厚さは0.05mm~1mmである。1つの実施例において、第1の層10の厚さは0.099mm~0.2mmである。
1つの実施例において、第2の層12の厚さは0.05mm~1mmである。1つの実施例において、第2の層12の厚さは0.099mm~0.2mmである。第1の層10及び第2の層12の厚さは、同じであってよく、異なってもよい。
1つの実施例において、銅含有量は50重量%以上である。1つの実施例において、銅含有量は60重量%以上である。もう1つの実施例において、銅含有量は99重量%以上である。更にもう1つの実施例において、銅含有量は50重量%~99重量%の間にあり、例えば60重量%~90重量%の間、65重量%~85重量%の間、70重量%~80重量%の間にある。銅含有量を更に高めた場合、更に短い時間内に十分な接合強度を有する接合層14を形成できる。
1つの実施例において、第1の層10及び第2の層12はそれぞれジルコニウム、ニッケル等の元素を含んでよい。ジルコニウム、ニッケルを含むことにより、材料自身の強度を高めることができる。1つの実施例において、ジルコニウムの含有量は0.1重量%~1重量%である。1つの実施例において、ジルコニウムの含有量は0.3重量%~0.8重量%である。1つの実施例において、ニッケルの含有量は1重量%~40重量%である。1つの実施例において、ニッケルの含有量は10重量%~25重量%である。
1つの実施例において、接合層14の亜鉛含有量は0.5重量%~3.6重量%である。1つの実施例において、接合層14の亜鉛含有量は0.7重量%~3重量%である。1つの実施例において、接合層14の亜鉛含有量は1重量%~2.5重量%である。1つの実施例において、接合層14の亜鉛含有量は1.5重量%~2重量%である。
1つの実施例において、接合層14はM(In-xZn)で表される金属化合物を含み、そのうちMは銅、xは0.03重量%~5重量%である。xの範囲は、接合層14の亜鉛含有量と同一である。1つの実施例において、接合層14はCu(In-xZn)で表される金属化合物を含み、そのうちaは60~70、bは30~40である。
1つの実施例において、接合層14の厚さは80μm以下である。接合層14の厚さは5μm以上である。接合層14の厚さが80μmよりも厚い場合、工程時間が長くなり、且つ接合層14の合金相組成は制御が容易でなくなる。接合層14の厚さが5μm未満である場合、接合強度が強くない。厚さが80μm以下であることにより、均質な単一の金属間化合物の形成を更に速めることができ、また接合強度を更に高めることができる。厚さが5μm以上であることにより、接合強度を更に高めることができる。1つの実施例において、接合層14の厚さは6μm~10μmである。1つの実施例において、接合層14の厚さは30μm~50μmである。1つの実施例において、接合層14の厚さは60μm~70μmである。
1つの実施例において、接合層14の融点は300℃~700℃である。説明すべき点として、接合層14の亜鉛含有量は5重量%を超えず、このため亜鉛の存在は接合層14の融点に対し顕著な影響を与えないと考えてよく、故に(図3に示されるような)銅インジウム合金系の状態図により接合層14の融点を説明する。図3は、銅インジウム合金系の状態図である。図3から、M(In-xZn)で表される金属化合物の融点は300℃~700℃にあることが分かる。接合層14の融点が300℃~700℃であることから、高温下で安定した接合層を得ることができる。1つの実施例において、1つの実施例において、接合層14の融点は400℃~650℃である。1つの実施例において、接合層14の融点は500℃~600℃である。
1つの実施例において、積層体1は放熱部品である。
1つの実施例において、第1の層10と接合層14と第2の層12の厚さの合計は0.4mm以下である。第1の層10と接合層14と第2の層12の厚さの合計が0.4mm以下であることから、小型化された電子デバイスに用いる放熱部品を得ることができる。1つの実施例において、第1の層10と接合層14と第2の層12の厚さの合計は0.3mm以下である。1つの実施例において、第1の層10及び第2の層12の厚さはそれぞれ0.10mm以下であり、接合層14の厚さは0.05mm以下である。1つの実施例において、第1の層10と接合層14と第2の層12の厚さの合計は0.2mm以下である。1つの実施例において、第1の層10及び第2の層12の厚さはそれぞれ0.05mm以下であり、接合層14の厚さは0.05mm以下である。
以下に図面を参照し、本発明の1つの実施例の積層体1の製造方法を説明する。
図4A~図4Dは、本発明の1つの実施例による積層体の製造方法の概略断面図である。図4A~図4Dに示されるように、本発明の積層体の製造方法は、インジウムと亜鉛とを含み、且つ亜鉛含有量が0.1重量%以上6重量%未満である接合材料16を提供することと、接合材料16を第1の層10と第2の層12との間に設けることと、接合温度が200℃~500℃の接合工程を行うこととを含む。
以下に、本発明の積層体の製造方法の各特徴について説明する。
図4Aに示されるように、先ず、接合材料16が第1の層10と第2の層12との間に設けられ、一時的な積層体1aを形成する。接合材料16はインジウムと亜鉛とを含み、且つ亜鉛含有量が0.1重量%以上6重量%未満である。接合材料16の亜鉛含有量が0.1重量%以上6重量%未満であることから、合金系の融点を共晶温度付近に制御することができ、これにより低融点の接合材料を得る。また、接合材料16の亜鉛含有量が0.1重量%以上6重量%未満であることから、亜鉛含有量が0.03重量%~5重量%である接合層14を形成することができ、これにより接合強度の高い接合層を得る。本発明のインジウム亜鉛合金を接合材料16として選択することのその他の利点は既に上述しており、ここでは繰り返さない。
次いで、図4Bに示されるように、第1の層10、第2の層12、接合層14に対し、加熱及び状況を見て行う加圧を実施する。具体的には、第1の層10、第2の層12、接合材料16を順に含む一時的な積層体1aに対し、接合温度が200℃~500℃の接合工程を実施する。説明すべき点として、本発明の積層体の製造方法において、加圧しない状況において接合層14を形成してもよい。
図4C~図4Dに示されるように、接合材料16の融点が共晶温度付近にあることから、200℃~500℃まで加熱しさえすれば接合材料16を溶化させ、溶融層16aを形成することができる。これと同時に、溶融層16a中のインジウムと、第1の層10及び第2の層12中の銅が、均質な金属間化合物を急速に形成する。接合工程完了時に、接合材料16と第1の層10及び第2の層12は接合層14を形成する。
本発明の1つの実施例のインジウムと亜鉛とを含む接合材料を採用することにより、接合温度が200℃~500℃と低くとも、短時間内に十分な接合強度を有する接合層を形成することができる。
以下に本発明の積層体の製造方法の他の実施例について説明する。
1つの実施例において、接合材料16の亜鉛含有量は0.1重量%以上6重量%未満である。1つの実施例において、接合材料16の亜鉛含有量は0.5重量%~4.8重量%である。1つの実施例において、接合材料16の亜鉛含有量は1.0重量%~3.9重量%である。1つの実施例において、接合材料16の亜鉛含有量は2重量%~3重量%である。
1つの実施例において、接合工程の接合圧力は0.1MPa~1MPaであり、接合時間は1時間~3時間である。1つの実施例において、接合圧力は0.2MPa~0.8MPaである。1つの実施例において、接合圧力は0.4MPa~0.6MPaである。1つの実施例において、接合時間は1時間~2.5時間である。1つの実施例において、接合時間は1.5時間~2時間である。接合圧力が0.1MPa以上であることから、均質な単一の金属間化合物の形成を更に速め、接合強度を更に高めることができる。接合圧力が1MPa以下であることから、溶融した接合材料16が溢出することを更に防止し、生産設備の負担を更に低減することができる。接合時間が1時間以上であることから、均質な単一の金属間化合物を更に十分に形成し、接合強度を更に高めることができる。接合時間が3時間以内であることから、生産効率を更に高めることができる。
1つの実施例において、接合層14はM(In-xZn)で表される金属化合物を含み、そのうちMは銅、xは0.03重量%~5重量%である。xの範囲は接合層14の亜鉛含有量と同一である。1つの実施例において、接合層14はCu(In-xZn)で表される金属化合物を含み、そのうちaは60~70、bは30~40である。
[実施例]
以下に実施例と比較例を列挙し、本発明について更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
<接合材料の比較実験>
亜鉛含有量を表1に記載の数値とし、インジウム、亜鉛原料を加熱し、これらを均質に混合してインジウム亜鉛合金を製造した。得られたインジウム亜鉛合金を圧延又は予圧して厚さ100μmのインジウム亜鉛接合材料を成形した。
[積層体の製造]
得られたインジウム亜鉛合金接合材料を2つ銅製の均熱板筐体の間の接合位置に配置し、300℃の温度且つ0.3MPaの圧力の条件下で2時間の接合工程を行い、実施例1~実施例6及び比較例1~比較例4の積層体を得た。
Figure 0007189926000001
[接合層の画像分析及び成分分析]
JEOL社製の電界放出走査型電子顕微鏡を用い、実施例3、実施例5、比較例3、比較例4に対し接合層の画像分析及びエネルギー分散型X線分光(EDS)成分分析を行った。結果を表2、表3、図5~図8に示す。
Figure 0007189926000002
Figure 0007189926000003
表2、表3から、実施例の接合層の亜鉛含有量は0.03重量%~5重量%の範囲内にあることが分かる。
図5は、実施例3の接合層の電子顕微鏡写真である。図6は、実施例5の接合層の電子顕微鏡写真である。図5、図6から分かるように、実施例の接合層は均質構造であり、即ち接合層の内部には単一の金属間化合物のみを含む。
図7は、比較例3の接合層の電子顕微鏡写真である。図8は、比較例4の接合層の電子顕微鏡写真である。図7、図8から分かるように、比較例の接合層は不均質構造であり、即ち単一の金属間化合物を形成できない。
[接合材料の融点及び接合後のせん断応力強度分析]
示差走査熱量計(DSC)を用いて、得られた接合材料の融点を測定し、インストロン社製の5トン静的材料試験機を用いて、接合後のせん断応力を測定し、ASTM E8標準の方法で試験した。結果を表4に示す。
Figure 0007189926000004
表4から分かるように、接合材料が純粋なインジウム(比較例1)のときの融点は156.6℃であり、亜鉛含有量を3.9重量%まで増加(実施例5)したときの接合材料の融点は共晶温度、即ち143.5℃まで下がり、4.8重量%まで増加(実施例6)したときの接合材料の融点は163℃まで大幅に増加する。
接合後のせん断応力の強度について、表4から分かるように、インジウムに0.2重量%の亜鉛を加える(実施例1)とせん断応力の強度を大幅に高めることができ、インジウムに0.5重量%の亜鉛を加えた(実施例2)とき、せん断応力の強度は更に高まる。亜鉛含有量が1重量%(実施例3)~3.9重量%(実施例5)のとき、せん断応力の強度はやや下がるが、接合材料が純粋なインジウムのときのせん断応力に比べやはり高い。亜鉛含有量が4.8重量%(実施例6)のとき、せん断応力の強度は再度増加する。しかし、亜鉛含有量を継続して増加させた場合(比較例2)、接合材料の融点は200℃以上に達し、このときの接合材料は短時間の低温接合工程に用いるのは適さない。
また、接合材料が純粋なスズである(比較例3)のときの融点は高すぎ、接合材料と均熱板筐体は完全に反応して単一の金属間化合物を形成することができず、このためせん断応力の強度が非常に低い。このほか、インジウムに48重量%のスズを加える(比較例4)ことにより接合材料の融点を大幅に下げることができるが、やはり単一の金属間化合物を形成することができず、このためせん断応力の強度は非常に低い。
<接合条件の比較実験>
接合条件を表5に示された数値に設定し、実施例2の接合材料の組成で実施例7~実施例10の積層体を製造し、せん断応力の強度の分析を行った。
Figure 0007189926000005
表5から分かるように、たとえ異なる接合条件を採用したとしても、せん断応力の強度が非常に高い積層体を得ることができる。
<筐体材料の比較実験>
筐体材料及び接合時間を表6のように設定し、実施例2の接合材料の組成で実施例11~実施例16の積層体を製造し、せん断応力の強度の分析を行った。
Figure 0007189926000006
表6から分かるように、異なる筐体材料及び接合条件を採用しても、筐体自身の強度が高まる以外に、やはり積層体の接合層の接合強度を維持できる。
本発明は実施例を以て以上のように開示されているとはいえ、これは本発明を本開示に限定するために用いられず、当業者は本が維持の精神と範囲から逸脱することなく、いくつかの変更及び改変を行うことができ、故に本開示の保護範囲は添付の特許請求の範囲の定めるところを正とする。
本発明は、積層体及び積層体の製造方法を提供し、これは低融点の合金を含む接合材料を用い、低温固液拡散技術で従来の高温接合構成を置き換え、これにより均熱板プロセスの生産効率の低さ、コストの高さ、接合ステップの煩雑さの課題を解決する。
1:積層体
1a:一時的な積層体
10:第1の層
12:第2の層
14:接合層
16:接合材料
16a:溶融層

Claims (10)

  1. 第1の層と、
    第2の層と、
    前記第1の層と前記第2の層との間に設けられた、接合層と
    を含み、
    前記第1の層と前記第2の層が50重量%以上の銅を含み、
    前記接合層が、インジウム及び亜鉛と前記第1の層及び前記第2の層とで形成された金属間化合物を含み、
    前記接合層の亜鉛含有量が0.50重量%~3.61重量%である、
    積層体。
  2. 前記接合層がM (In-xZn) で表される金属化合物を含み、そのうちMが銅、xが0.50重量%~3.61重量%である、
    請求項1に記載の積層体。
  3. 前記接合層が均質構造である、
    請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記接合層の厚さが80μm以下である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記接合層の融点が300℃~700℃である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 放熱部品である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記第1の層と前記接合層と前記第2の層の厚さの合計が0.4mm以下である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. インジウムと亜鉛とを含み、亜鉛含有量が0.1重量%以上4.8重量%以下である、接合材料を提供することと、
    前記接合材料を第1の層と第2の層との間に設けることと、
    接合温度が200℃~500℃の接合工程を行うことと
    を含み、
    前記接合工程において、接合圧力が0.1MPa~1MPaであり、接合時間が1時間~3時間である、
    積層体の製造方法。
  9. 前記接合工程を行った後、前記接合材料と前記第1の層及び前記第2の層とが接合層を形成する、
    請求項8に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記接合層がM (In-xZn) で表される金属化合物を含み、そのうちMが銅、xが0.50重量%~3.61重量%である、
    請求項9に記載の積層体の製造方法。
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