JP2020136336A - 接合構造体 - Google Patents

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正則 臼井
佐藤 敏一
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敏一 佐藤
宏文 伊藤
Hirofumi Ito
宏文 伊藤
智幸 庄司
Tomoyuki Shoji
智幸 庄司
林太郎 淺井
Rintaro Asai
林太郎 淺井
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Abstract

【課題】耐久性(信頼性)に優れる接合構造体を提供する。【解決手段】本発明の接合構造体(M)は、第1部材(10)と第2部材(20)をSLID接合する接合部(4)を備える。接合部は、少なくとも第1部材側から順に、第1金属と第1金属よりも低融点な第2金属との金属間化合物を含む接合層(414)と、第1金属よりも低ヤング率な第3金属からなる緩和層(30)とを有する。緩和層は、クラックを緩和層内へ誘導するノッチ(301、304)を備える。ノッチは、例えば、開溝または段である。ノッチにより、クラックが緩和層内で発生し易くなると共に、緩和層内をクラックが緩やかに、長期に亘って進展する。これにより、接合層や第1部材等におけるクラックの発生や進展が抑止され、接合構造体の信頼性が高まる。接合構造体は、例えば、第1部材を半導体素子、第2部材を金属電極とするパワーモジュールである。【選択図】図1

Description

本発明は、接合部等に応力(例えば熱応力)が作用する場合でも、耐久性(信頼性)が確保される接合構造体等に関する。
モータ駆動用インバータ等には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のデバイス(半導体素子)を、絶縁基板や電極等の上に実装したパワーモジュールが用いられる。
パワーモジュールの信頼性を確保するため、デバイスの作動中に生じる発熱をヒートシンクや冷却器等を介して効率的に放熱させると共に、その接合部(周辺)に生じる熱膨張係数(CTE:coefficient of thermal expansion)差(CTE不整合)に起因して生じる熱応力を緩和したり、その熱応力に対する耐久性(耐熱疲労性)を高めることが重要となる。
また、SiC、GaN、Ga等からなる次世代のデバイスを用いる場合、従来よりも高温域(例えば150℃以上)で使用され得る。このため、デバイスのみならず、接合部等にも、一層高い耐熱性(高い作動温度の確保)も要求される。特に車載用パワーモジュールでは、搭載自由度の向上や軽量化を図るために小型化が進められており、デバイスの動作温度はより上昇傾向にある。
このような事情の下、パワーモジュールのさらなる信頼性の向上等を図れる接合構造体に関する提案が下記の特許文献でなされている。
WO2017−086324号公報
特許文献1では、第1部材(半導体素子)と第2部材(金属配線等)を固液相互拡散接合(単に「SLID(Solid Liquid InterDiffusion)接合」という。)している。SLID接合によれば、低融点金属と高融点金属の反応により、その反応温度よりも高融点な金属間化合物(IMC:intermetallic compound)からなる接合層が形成され得る。
また特許文献1では、第1部材と第2部材の接合部内に、低ヤング率(高延性)な金属からなる緩和層(Al層)とその緩和層へ直結する誘導部とを設けている。緩和層により、半導体素子や接合層等に発生し易い熱応力が緩和される。また、誘導部により、その熱応力に起因したクラックの発生が緩和層内へ誘導される。こうして特許文献1の接合構造体では、耐熱性の向上のみならず、熱応力の緩和やクラックの抑止(耐熱疲労性の確保)等による耐久性の向上が図られている。但し、特許文献1の接合構造体でも、接合界面付近でクラックを生じることがあった(図7参照)。
このような事情を踏まえつつ、本発明は、従来とは異なる手法により、耐久性(信頼性)が確保され得る接合構造体等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、接合部内に設ける緩和層自体に、クラックの起点となるノッチを形成することを着想した。これを具現化し、発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《接合構造体》
(1)本発明の接合構造体は、第1部材と、該第1部材と接合され得る第2部材と、該第1部材と該第2部材を接合する接合部と、を備える接合構造体であって、前記接合部は、少なくとも第1部材側から順に、第1金属と該第1金属よりも低融点な第2金属との金属間化合物を含む接合層と、該第1金属よりも低ヤング率な第3金属からなる緩和層とを有し、該緩和層は、クラックを該緩和層内へ誘導するノッチを備える。
(2)本発明の接合構造体は、先ず、接合層が金属間化合物(IMCという。)により形成されているため耐熱性に優れる。次に、低ヤング率な緩和層により、接合層付近に生じる応力(CTE不整合に起因した熱応力等)も緩和され易い。
さらに本発明の接合構造体は、緩和層にノッチを有する。ノッチは、クラックが発生する状況において、クラックの起点となり、緩和層内にクラックの発生を確実に誘導し得る。これにより、接合部付近(接合層や第1部材等)におけるクラックの発生や進展が抑止される。
さらに、緩和層は低ヤング率な金属からなり、接合層を構成するIMC等よりも十分に高延性である。このような緩和層内におけるクラックの進展速度は、接合層内よりも遙かに小さい。加えて、緩和層を構成する金属は多数の結晶粒からなる。このため、緩和層内のクラックは、直線的に進展せず、金属の結晶粒を避けるように、結晶粒界に沿って蛇行するように進展する。その結果、緩和層内におけるクラックは、進展距離も長くなり、進展に要する時間も長くなる。
このように、低ヤング率な金属からなる緩和層内にノッチを設けると、クラックの発生位置を緩和層内に制御しつつ、そのクラックの進展速度の低下やクラックの進展距離の長期化等を図れる。このようして、本発明の接合構造体は、高い耐熱性のみならず、優れた耐久性(信頼性)も発揮すると考えられる。
《接合構造体の製造方法》
本発明は接合構造体の製造方法としても把握できる。例えば、本発明は、第1部材と第2部材の間で挟持された接合材を加熱して該第1部材と該第2部材を接合する接合工程を備える接合構造体の製造方法であって、前記第1部材は、被接合面上の少なくとも一部に第1金属からなる被覆層を有し、前記接合材は、少なくとも該第1部材側から順に、
該第1金属よりも低融点な第2金属からなる第1層と、該第1金属からなる第2層と、
該第1金属よりも低ヤング率な第3金属からなると共にノッチを有する第3層とを少なくとも備え、前記接合工程は、該第2金属の融点以上であって該第2金属と該第1金属が反応して金属間化合物を生成する反応温度以上に該接合材を加熱する工程である接合構造体の製造方法でもよい。
このとき、第3層は上述した緩和層となる。IMCからなる接合層は、第1金属からなる第1部材側の被覆層および接合材側の第2層と、第2金属からなる接合材側の第2層とが反応(SLID)して形成される。
なお、第1部材側(被覆層上)に、第2金属からなる層を別途設けてもよい。このとき、接合材側の第2層はあってもよいし、なくてもよい。
《その他》
(1)本明細書では、説明の便宜上、第1、第2または第3という呼称を用いており、第1部材側に接合部を形成する場合について説明している。第2部材側の接合構造は、第1部材側と同じでも異なっていてもよい。例えば、第1部材が高温側(発熱側)で第2部材が低温側(放熱側)である場合、第2部材側の接合層は、金属間化合物の他、はんだ、ナノ粒子の焼結体等でもよい。
(2)本明細書でいう強度、延性または靱性は、日本工業規格(JIS)に準拠して決定される。例えば、延性は応力−ひずみ曲線図における降伏点から破断に至るまでの塑性変形量(ひずみ量)に基づき定める。各特性は室温域におけるものである。
第3金属は、第1金属よりも高延性であるが、さらに、第1金属よりもヤング率(縦弾性率/室温域)が低いものであると好ましい。通常、低ヤング率な金属は、高延性または高靱性であり緩和層(第3層)に相応しい。
(3)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
第1実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 第2実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 第3実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 第4実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 第1実施例または第2実施例に係る開溝の製作例を示す模式図である。 第3実施例に係る開溝の製作例を示す模式図である。 従来のパワーモジュールを示す模式断面図である。
本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の接合構造体のみならず、その製造方法にも該当し得る。「方法」に関する構成要素は「物」に関する構成要素ともなり得る。
《第1金属と第2金属》
第1金属と第2金属の組み合わせは種々考えられる。接合温度または接合部材の耐熱温度、IMCの特性(融点、強度、靱性等)等を考慮して、各金属は選択される。
第1金属(元素)として、Ni、Cu,Ti、Mo、W、Si、Cr、Mn、Co、Zr、Nb、Ta、Ag、Au、Pt、等やそれらの合金がある。第2金属(元素)として、Sn、In、Ga、Pb、Bi、Zn等やそれらの合金がある。好例として、第1金属をNiまたはCuとし、第2金属をSnとするとよい。Niの融点は約1450℃、Cuの融点は約1085℃、Snの融点は約230℃である。
例えば、Ni層(第2層、中間層、被覆層)とSn層(第1層)を積層して加熱(約350℃×5分間程度)すると、IMCであるNiSn層(融点:約795℃)が得られる。なお、本発明に係るIMCは種々の組成比をとり得る。NiSnの代表例は、例えば、NiSnである。このため、本明細書でいう「NiSn」等は、構成元素の組成比を示すものではない。
第1金属/第2金属の他の組合わせとして、Cu/Sn、Ag/Sn、Pt/Sn/、Au/Sn等がある。なお、第1金属層(第1部材側の被覆層または接合材側の第2層の少なくとも一方)は、SLID接合後も残存してよい。本明細書では、接合材側の第2層が残存層を、中間層ともいう。さらに、オーミック性や密着性等を確保するために、他の金属層が各部材表面上や緩和層(第3層)上等にあってもよい。
《第3金属》
緩和層(第3層)となる第3金属は、第1金属よりも低ヤング率である。第3金属は、例えば、Al、Cuまたはそれらの合金である。これらの金属は、低ヤング率(高延性)であると共に、熱伝導性や電導性にも優れる。第3金属層として、例えば、AlまたはAl合金からなる箔を用いることができる。第3金属層は、接合層よりも厚いとよい。これにより、接合構造体の耐久性が確保され易くなる。なお、第3金属は、第2金属よりも高融点であるとよい。
《ノッチ》
ノッチは、緩和層内へクラックを誘導できる形状であればよい。クラックは、応力集中し易い角部や隅部を起点に生じ易い。そこでノッチも、そのような底部等に角部や隅部を、緩和層(第3層)内に有するとよい。
ノッチは、例えば、断面が凹状である溝または窪みである。溝は、所定の長さ延在してなる。窪みは、それぞれが孤立している。溝の長さ、窪みの個数、それらの配置等は適宜調整される。例えば、ノッチは、クラックを最も生じ易い特定域にだけ配置されてもよいし、第1部材を囲む形状(例えば環状)でもよい。
断面凹状のノッチは、緩和層の表面側に開部があり、緩和層の内側に底部があるとよい。ノッチの開部は、接合層側でも、緩和層の外周端面(側面)側にあってもよい。
ノッチの少なくとも一部には、IMCが装填されていてもよい。特に、ノッチの開部が接合層側にある場合、ノッチ内のIMCは接合層と接続(連結)していてもよい。この場合、クラックの起点が緩和層内へより誘導され易くなる。なお、ノッチ内のIMCの装填度合(充填度)は問わない。ノッチが完全にIMCで閉塞されていてもよいし、ノッチ内にIMCの未充填域(空隙)があってもよい。IMCが熱応力をノッチ(さらには、その応力集中部)へ伝播する媒体となれば十分である。なお、IMCは、一部のノッチ(例えばクラックが発生し易い領域にあるノッチ)にだけ装填されていてもよい。
ノッチは、溝や窪みの他、段(例えば断面L状)でもよい。段は複数(階段状)でもよい。このような段は、例えば、緩和層の外縁側(外周側)に形成される。
ノッチの底部(例えば開部からの最深位置)や段の隅部は、緩和層の中央域(例えば、緩和層の厚さの1/4〜3/4の範囲)にあるとよい。これによりクラックは、第1部材や接合層等から十分に離れたところを起点として、緩和層内をより確実に進展し得る。
第1部材の外縁や隅(例えば四隅)は、クラックの起点となり易い。少なくともそれらの付近にノッチが配置されていると、ノッチから緩和層内へクラックが誘導され易くなる。なお、本明細書でいう「第1部材の外縁近傍」または「第1部材の隅近傍」は、そのようにクラックの起点となり易い箇所に対応する縦方向(積層方向)または横方向(接合面方向)の領域を意味する。
ちなみに、既述した特許文献(WO2017−086324号公報)にあるように、緩和層(補強層)に連なるIMCからなる誘導部が、さらにあってもよい。このため、その特許文献に記載されている内容は、適宜、本明細書内に組み込まれる。
《接合工程》
接合工程は、第2金属の融点以上で、第1金属と第2金属が反応してIMCを生成する反応温度以上に接合材を加熱する工程ある。第1金属と第2金属の種類、第1部材と第2部材の耐熱性等により反応温度や保持時間は調整され得る。
《接合構造体》
本発明の接合構造体には、種々の形態が考えられる。その代表例は、半導体からなる第1部材と、金属からなる第2部材とを接合した半導体装置等である。より具体的にいうと、半導体素子を、金属製の電極や配線上に接合したパワーモジュール等である。
半導体素子は、Si、SiC、GaN等からなり、そのCTEは3〜5ppm/K程度である。一方、金属の電極や配線は、Cu、Al等からなり、そのCTEは17〜22ppm/K程度である。このようにCTE不整合の大きな部材を接合するときでも、本発明によれば、十分な信頼性の確保が可能となり得る。
本発明の接合構造体の一例であるパワーモジュールについて、具体的な形態を示すことにより、本発明をさらに詳しく説明する。
次の内容はいずれの形態のパワーモジュールにも共通している。第1部材は、SiCからなるIGBT等のチップ(デバイス、半導体素子)であり、その上下面にNi(第1金)で被覆(メタライズ)された電極面(被覆層)がある。
第2部材は、金属電極を構成するCu板であり、その上面(被接合面)にもNiがメタライズされた電極面がある。金属電極の下面側には、図示しないDBC(Direct Brazed Copper)基板やDBA(Direct Brazed Aluminum)基板等がある。
接合材は、芯材となるAl(第3金属)箔からなる第3層(緩和層)を中心に、その両面側にNiからなる第2層があり、さらにそれらの両面側(最表面側)にSn(第2金属)からなる第1層が形成された接合シートである。
本実施例でいう上下方向は、各図に示す上下方向である。これらの方向は、パワーモジュールの製造時または使用時の上下方向とは限らない。
[第1実施例]
(1)構造
パワーモジュールM1について、接合前→加熱過程(接合工程)→接合後の各様子を図1に示した。接合前のパワーモジュールM1は、SiCからなるチップ10とその下面側にあるNiが成膜された電極面11とその上面側にあるNiが成膜された電極面13とを有する半導体素子1(第1部材の一例)と、Cu板20とその上にNiが成膜された電極面21を有する金属電極2(第2部材の一例)と、接合シート3(接合材の一例)からなる。なお、半導体素子1の電極面13の外周囲には、適宜、絶縁層(SiN等)が設けられる。
接合シート3は、Al(箔)からなる層30(第3層/緩和層)と、その両面側に形成されたNiからなる層312、322(第2層)と、それらの両面側にそれぞれ形成されたSnからなる層311、321(第1層)とを有する。
さらに、層30の上面側には開溝301(ノッチ)がある。開溝301は、半導体素子1の電極面11側に開口(開部)している。また開溝301は、層30の厚さの約1/2の深さを有する。換言すると、開溝301の溝底(底部)は、層30の厚さの約1/2の位置にある。さらに開溝301は、電極面11の下面外縁を囲む環状溝である。開溝301の内壁面上縁と電極面11の下面外縁とは、上下方向に関して、ほぼ重なる位置にある。
接合シート3の占有面積は、金属電極2よりも小さいが、半導体素子1よりは大きい。本実施例の場合、層311、312は電極面11と対応しており、両者は略同じ面積となっている。このため、層30の上面外周域と開溝301上には、層311、312が形成されていない。なお、層321、322は、層30の下側全面に形成されている。
電極面11に対応する層30の中央域にある層312(Ni層)と層311(Sn層)は、例えば、マスクを配置した層30(Al箔)上に、NiとSnを順にスパッタして成膜(パターニング)される。層30は、例えば、厚さ100μm程度のAl箔からなる。開溝301は、例えば、溝幅と溝深さが共に50μm程度である。開溝301は、例えば、プレス成形、切削、レーザ照射等により形成される(後述する第4実施例、図5、図6参照)。
(2)接合工程
半導体素子1と金属電極2は、例えば、次のように接合される。上側から下側に向けて順に、半導体素子1、接合シート3および金属電極2を積層する。この際、接合シート3を、半導体素子1と金属電極2で挟持する。その加圧力は、例えば、0.5MPa程度である。
それらの積層体(挟持体)を、不活性雰囲気(真空雰囲気を含む)や活性雰囲気(水素雰囲気、還元雰囲気等)の加熱炉内で、所定の反応温度で加熱し、一定時間保持する。例えば、還元雰囲気の電気炉中なら、350℃×5分間加熱するとよい。
その昇温過程中に、接合シート3の層311、321が先ず溶融する。このとき溶融したSnは、電極面11と層312の間、および電極面21と層322の間で濡れ拡がる。層311、321の厚さおよび積層時の加圧力を調整することで、Snの濡れ拡がる領域の制御も可能となる。
本実施例では、電極面11と層312の間の溶融Snが、開溝301へ流入しないように、層311の大きさ(面積)と厚さ(さらには加圧力)を調整した。一方、電極面21と層322の間の溶融Snは、層322の外周囲側(層30の外縁側)へ滲み出して、電極面21上に漏出するように、層321の大きさと厚さを調整した。
この状態でさらに昇温すると、層311が溶融してできた溶融したSnは、電極面11および層312と固液相互拡散(SLID)反応を生じる。これにより、NiSn(IMC/固相)からなる接合層414が形成される。このとき電極面11と層312は、一部が残存して、それぞれ層411と層4312となる。こうしてチップ10と層30は、層411と層4312(中間層)を介して、接合層414により接合された状態となる。
また、層321が溶融してできたSnは、電極面21および層322と反応して、IMCからなる接合層424を形成する。このとき電極面21と層322は、一部が残存して、それぞれ層421と層4322となる。こうしてCu板20と層30も、層421と層4322(中間層)を介して、接合層424により接合された状態となる。
このSLID反応の際、接合シート3の外縁側へ漏出して電極面21上に溜まった溶融Snの一部は、電極面21(Ni層)と反応して、層421(中間層)を介さずに、Cu板20の上面に直結したIMCからなる外周誘導部4324を形成する。
こうして、最上層である層411から最下層である層421まで(または接合層414から接合層424まで)の各層により構成された接合部4により、チップ10(第1部材)とCu板20(第2部材)が接合されたパワーモジュールM1が得られる。
パワーモジュールM1は、発熱源であるチップ10の作動により、チップ10やその周辺には、熱応力が繰り返し作用する。このような熱応力は、低ヤング率(高延性)な層30の弾・塑性変形により緩和される。また、熱応力の繰り返しによりクラックcが生じる場合であっても、そのクラックcは、開溝301の隅301cを起点として、層30内を緩やかに、長期間かけて進展する。こうして、接合界面近傍(特に接合層414の付近)やチップ10内へのクラックの進展が抑止され、パワーモジュールM1の機能が長期間確保される。
なお、開溝301は、連続的な環状である他、断続的な溝でも、点在した窪みでもよい。溝または窪みは、少なくとも、チップ10の四隅付近に設けられるとよい。また、電極面21側に開口した開溝(形態は開溝301と同様)を、層30の下面側に設けてもよい。このとき、開溝301を併存させても、開溝301の置換としてもよい。
[第2実施例]
パワーモジュールM1の一部を変更したパワーモジュールM2について、接合前と接合後の各様子を図2に示した。なお、既述した部材または部位については、同符号を付することにより、それらの説明を省略する。この点は、後述する他の実施例についても同様である。
接合シート3の層311、312は、層30の上面全体に形成されている。また、開溝301の両内壁面上および底面上にも、Ni層およびSn層が形成されている。このとき、開溝301の開溝幅を狭くして(例えば1〜10μmとして)、Ni層とSn層により、開溝301がほぼ閉塞された状態となってもよい。
半導体素子1、接合シート3および金属電極2の接合工程(第1実施例参照)により、開溝301内には、NiSn(IMC)の充填部4304が形成される。充填部4304は接合層414と連結した状態となる。このため、接合層414に作用する熱応力は、充填部4304を介して開溝301(特に隅301c)へ伝播され易くなる。その結果、クラックcは、より確実に層30内で発生、進展するようになる。従って、パワーモジュールM2はより信頼性が高いものとなる。
[第3実施例]
パワーモジュールM1の一部を変更したパワーモジュールM3について、接合前と接合後の各様子を図3に示した。接合シート3の開溝301は、層30の外周端面側に開口を有する環状溝である。層311、312は、層30の下面全体に形成された層321、322と同様に、層30の上面全体に形成されている。
パワーモジュールM3もパワーモジュールM1と同様に、隅301cを起点として、クラックcが層30内を緩やかに、長期に亘って進展するため、耐久性(信頼性)に優れる。
[第4実施例]
パワーモジュールM1の一部を変更したパワーモジュールM4について、接合前と接合後の各様子を図4に示した。接合シート3は、開溝301ではなく、層30の上面外周域に環状の段304を有する。
パワーモジュールM4もパワーモジュールM1と同様に、隅304cを起点として、層30の内部をクラックcが緩やかに、長期に亘って進展するため、耐久性(信頼性)に優れる。
[第5実施例]
(1)パワーモジュールM1、M2に係る開溝301を有する層30の製作例を図5に示した。具体的には次の通りである。
Al箔のシートSの一面側へ、微小幅の環状凸部が複数形成された金型面を押し当てる。こうして、開溝301に相当する環状の彫り込みが複数同時に形成される。その彫り込まれたシートSを、層30に相当する所定サイズの桝目で切断する。こうして、上面側に環状の開溝301を有する層30が得られる。
(2)パワーモジュールM3に係る開溝301を有する層30の製作例を図6に示した。具体的には次の通りである。
先ず、Al箔のシートSを、層30に相当する所定サイズの桝目で切断する。分割された各Al箔片を重ね、それらの両端側を押圧(保持)して積層体S1とする。各Al箔片の幅中央へレーザを照射して、外周囲を走査する。こうして、側面側に環状の開溝301を有する層30が得られる。
M パワーモジュール(接合構造体)
1 半導体素子
10 チップ(第1部材)
11 電極面(被覆層)
2 金属電極
20 Cu板(第2部材)
3 接合シート
30 Al層(緩和層)
301 開溝
304 段
4 接合部
414 接合層

Claims (12)

  1. 第1部材と、
    該第1部材と接合され得る第2部材と、
    該第1部材と該第2部材を接合する接合部と、
    を備える接合構造体であって、
    前記接合部は、少なくとも第1部材側から順に、
    第1金属と該第1金属よりも低融点な第2金属との金属間化合物を含む接合層と、
    該第1金属よりも低ヤング率な第3金属からなる緩和層とを有し、
    該緩和層は、クラックを該緩和層内へ誘導するノッチを備える接合構造体。
  2. 前記ノッチは、前記緩和層の表面側に開部があると共に該緩和層の内側に底部がある溝または窪みである請求項1に記載の接合構造体。
  3. 前記ノッチの開部は、前記接合層側にある請求項2に記載の接合構造体。
  4. 少なくとも一部のノッチ内には、前記金属間化合物が装填されている請求項3に記載の接合構造体。
  5. 前記ノッチの開部は、前記緩和層の外周端面側にある請求項2に記載の接合構造体。
  6. 前記ノッチの底部は、前記緩和層の厚さの1/4〜3/4の範囲内にある請求項2〜5のいずれかに記載の接合構造体。
  7. 前記ノッチは、前記緩和層の外縁側にある段である請求項1に記載の接合構造体。
  8. 前記ノッチは、前記第1部材の外縁付近にある請求項1〜7のいずれかに記載の接合構造体。
  9. 前記ノッチは、前記第1部材の隅付近にある請求項1〜8のいずれかに記載の接合構造体。
  10. 前記第3金属はAlまたはAl合金である請求項1〜9のいずれかに記載の接合構造体。
  11. 前記第1金属は、NiまたはCuであり、
    前記第2金属は、Snである請求項1〜10のいずれかに記載の接合構造体。
  12. 前記第1部材は半導体からなり、
    前記第2部材は金属からなる請求項1〜11のいずれかに記載の接合構造体。
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