JP6697422B2 - 接合構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高温環境下または冷熱サイクル下で使用されても、信頼性等を確保できる接合構造体等に関する。
モータ駆動用インバータ等には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のデバイス(半導体素子)を、絶縁基板や電極等の上に実装したパワーモジュールが用いられる。
パワーモジュールの信頼性を確保するため、デバイスの作動中に生じる発熱をヒートシンクや冷却器等を介して効率的に放熱させると共に、その接合部(周辺)に生じる熱膨張係数(CTE:coefficient of thermal expansion)差(CTE不整合)に起因した熱応力を緩和したり、その熱応力に対する耐久性(耐熱疲労性)を高めることが重要となる。
また、SiC、GaN、Ga等からなる次世代のデバイスを用いる場合、従来以上に高温域(例えば150℃以上)で使用されることが予想されるため、接合部には一層高い耐熱性も要求される。特に車載用パワーモジュールでは、搭載自由度の向上や軽量化を図るために小型化が進められているため、デバイスの動作温度はさらに上昇傾向にある。
このような事情の下、パワーモジュールのさらなる信頼性の向上等を図れる接合構造体に関する提案が下記の特許文献でなされている。
WO2017−086324号公報
特許文献1は、低融点金属と高融点金属を反応させ、低融点金属よりも高融点な金属間化合物(IMC:intermetallic compound)を生成させて、その金属間化合物により部材間の接合を行う固液相互拡散接合(単に「SLID(Solid Liquid InterDiffusion)接合」という。)を行うことを前提に、熱応力緩和性や耐熱疲労性の向上を図れる接合構造体を提案している。
具体的にいうと、第1部材(半導体素子)の接合層の外周囲に、高延性な金属からなる補強層(Al層)へ直結する誘導を設けることを提案している。これにより、第1部材の接合層の外周囲から補強層内へ熱応力が誘導される。その結果、冷熱サイクル下で発生し易いクラックは補強層内で優先的に発生、伝播することになり、上述した熱応力の緩和や耐熱疲労性の向上が図られる。
しかし、特許文献1の接合構造体を図5に示すような形態のパワーモジュールへ適用した場合、Cu板(電極/第2部材)の外周囲からAl層(補強層)に直結した誘導部が形成されるのみならず、SiC(デバイス/第1部材)の被接合面側にも直結した誘導部が形成され得る。後者の誘導部は、CTE不整合により生じる熱応力をデバイスへ誘導し、デバイスにクラックを生じさせるおそれを招き得る。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、第1部材(例えば半導体素子)上にそれよりも面積の小さい第2部材(例えば金属電極)をSLID接合する場合でも、信頼性を確保できる接合構造体等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、第1部材上から補強層へ直結する誘導部を接合部の外縁より内側に設けることにより、SLID接合された第1部材へクラックが導入されないようにすることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《接合構造体》
(1)本発明の接合構造体は、第1部材と、該第1部材と接合され得る第2部材と、該第1部材と該第2部材を接合する接合部と、を備える接合構造体であって、
前記第1部材は前記接合部よりも被接合面側の面積が大きく、前記接合部は、少なくとも第1部材側に、該第1部材の被接合面上に設けられた第1金属からなる被覆層と、該第1金属と該第1金属よりも低融点な第2金属との金属間化合物からなり該被覆層に接合している接合層と、該第1金属よりも高延性な第3金属からなる補強層と、該第1金属からなり該接合層と該補強層とに接合している中間層と、該金属間化合物からなり、該接合部の外縁より内側で、該中間層を介さずに該補強層に直結している誘導部と、を有する。
(2)本発明の接合構造体によれば、第1部材の被接合面側の面積が、接合部の接合面側の面積(特に補強層の面積)よりも大きい場合でも、誘導部が接合部の外縁より内側において、中間層を介さずに補強層へ直結された状態となっている。
このため、高温域下または冷熱サイクル下で、熱膨張係数差(CTE不整合)や温度勾配等により、第1部材と第2部材の間に熱応力(温度サイクルストレス)が作用する場合でも、それらの応力は第1部材ではなく補強層へ効果的に誘導される。このため、第1部材にクラックが生じることが回避され、厳しい環境下でも第1部材の機能は安定的に維持される。仮にクラックが生じる場合でも、そのクラックは第1部材ではなく、接合部の補強層で生じる。その結果、接合部に作用する熱応力は長期的に緩和され、本発明の接合構造体は優れた信頼性を発揮し得る。
ちなみに、本発明に係る接合層や誘導部は高融点な金属間化合物(IMC)からなる。このため、接合構造体(特に接合部近傍)の温度が接合工程時の加熱温度以上になっても、本発明の接合構造体は、安定した接合状態を維持し、優れた耐熱性を発揮する。この結果、本発明の接合構造体は相当な高温域でも使用可能である。
なお、本発明に係る補強層は、高延性(高靱性)な金属(第3金属)からなるため、補強層内におけるクラックの進展は遅く、補強層が塑性変形等を伴いながら接合部近傍に作用する熱応力を緩和する。
《接合構造体の製造方法》
(1)本発明は接合構造体の製造方法としても把握できる。すなわち本発明は、第1部材と第2部材の間で挟持された接合材を加熱して該第1部材と該第2部材を接合する接合工程を備える接合構造体の製造方法であって、前記第1部材は、前記接合材よりも被接合面側の面積が大きいと共に、該第1部材の被接合面上の少なくとも一部に第1金属からなる被覆層を有し、前記接合材は、少なくとも該第1部材側に、該第1金属からなる第1層と、該第1層の該被覆層側にあり該第1金属よりも低融点な第2金属からなる第2層と、該第1層の他面側にあり該第1金属よりも高延性な第3金属からなる第3層とを少なくとも有し、該第1部材の被覆層または該接合材の第2層の少なくとも一方の外縁は、該接合材の第3層の外縁よりも内側にあり、前記接合工程は、該第2金属の融点以上であって該第2金属と該第1金属が反応してIMCを生成する反応温度以上に該接合材を加熱する工程である接合構造体の製造方法でもよい。
(2)本発明では、第1部材の被覆層(第1金属層)または接合材の第2層(第2金属層)の少なくとも一方の外縁が、接合材の第3層(第3金属層)の外縁よりも内側にある。これにより、第1部材の被接合面側の面積が接合材の被接合面側の面積(特に第3層の面積)よりも大きい場合でも、接合部の外縁より内側で、第1層(第1金属層/中間層に相当)を介さずに第3層(補強層に相当)に直結されたIMCからなる誘導部が形成されるようになる。こうして本発明の製造方法によれば、上述したような高信頼性の接合構造体を得ることができる。
上述したような誘導部が形成される理由は次のように考えられる。IMCを生じる反応温度は、通常、第2金属の融点よりも相応に高い。このため、接合工程中の加熱温度が第2金属の融点からIMCの反応温度に至る期間中、第2層(第2金属)は第1層と被覆層との間で液相状態となる。この液相は、第1部材または第2部材の自重や製造装置等により、多かれ少なかれ、加圧された状態となり、接合面に沿った方向に流動する。
ここで、第1部材の被覆層または接合材の第2層は接合材の第3層の外縁よりも内側にある。このため、第2金属の液相は接合材の第3層の外周囲へ漏出せず、接合部の外縁より内側で、第1層を介さずに第3層に直結した誘導部が形成されるようになる。なお、各層の厚さや大きさ、第1部材と第2部材の加圧量等を調整することにより、補強層に直結した誘導部の形成位置や大きさの制御が可能である。
ちなみに、第2金属層(第2層に相当)を第1の被覆層(第1金属層)上に設ければ、上述した接合材に替えて、第1層(第1金属層)と第3層(第3金属層)からなる接合材を用いることもできる。
《その他》
(1)本明細書では、説明の便宜上、第1、第2または第3という呼称を用いており、第1部材側に接合部を形成する場合について説明している。第2部材側の接合構造は、第1部材側と同じでも、異なってもよい。
(2)本明細書でいう強度、延性または靱性は、日本工業規格(JIS)に準拠して決定される。例えば、延性は応力−ひずみ曲線図における降伏点から破断に至るまでの塑性変形量(ひずみ量)に基づき定める。各特性は室温域におけるものである。
第3金属は、第1金属よりも高延性であるが、さらに、第1金属よりもヤング率(縦弾性率/室温域)が低いものであると好ましい。通常、低ヤング率な金属は、高延性または高靱性であり補強層(第3層)に相応しい。
(3)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
第1実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 第2実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 第3実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 第4実施例に係るパワーモジュールを示す模式断面図である。 従来の接合構造を適用したパワーモジュールを示す模式断面図である。
本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の接合構造体のみならず、その製造方法にも該当し得る。「方法」に関する構成要素は「物」に関する構成要素ともなり得る。
《第1金属と第2金属》
第1層(中間層)となる第1金属と、第1金属とIMC(単相)を生成する第2金属とは種々考えられる。第1金属と第2金属の組合わせは、接合構造体の耐熱温度、接合工程中の加熱温度、熱膨張係数等を考慮して選択される。
第1金属として、Ni、Cu,Ti、Mo、W、Si、Cr、Mn、Co、Zr、Nb、Ta、Ag、Au、Pt、等やそれらの合金がある。第2金属として、Sn、In、Ga、Pb、Bi、Zn等やそれらの合金がある。好例として、第1金属をNiまたはCuとし、第2金属をSnとするとよい。Niの融点は約1450℃、Cuの融点は約1085℃、Snの融点は約230℃である。
例えば、Ni層(第1層または中間層)とSn層(第2層)を接触させつつ、例えば、約350℃で5分間程度加熱すると、ニッケルスズ(NiSn)というIMC単相が得られる。このNiSn(IMC)の融点は約795℃である。従って、第1金属をNi、第2金属をSnとする組合わせは、例えば、SiC等からなる次世代半導体素子(第1部材)を用いたパワーモジュール(接合構造体)のように、150℃以上の耐熱性が必要とされる一方で、接合工程時の加熱温度を400℃以下にする必要がある場合に有効である。
第1金属/第2金属の他の組合わせとして、Cu/Sn、Ag/Sn、Pt/Sn/、Au/Sn等がある。なお、接合材側にある中間層(第1層)と、第1部材側にある被覆層とは、異種な第1金属よりも同種の第1金属からなると好ましい。
《第3金属》
第3層または補強層となる第3金属も種々考えられる。例えば、高延性や低ヤング率に加えて、熱伝導性や電導性に優れるAl、Cuまたはそれらの合金が第3金属として好ましい。なお、接合構造体の耐久性を確保するため、補強層は中間層や接合層よりも厚い箔状であると好ましい。
《誘導部》
誘導部は、接合部内で中間層を介さずに補強層に直結している。誘導部は、ほぼ同時に生成される接合層とも連なっていると好ましい。誘導部は、補強層の中央側にあっても良いが、外周側にあるとより好ましい。外周側(外縁の内側付近)ほど、冷熱サイクル下で、CTE不整合による熱応力が集中し易く、破壊起点を生じ易いからである。
誘導部は、少なくとも一箇所以上にあれば良く、点在している状態でも、連続している状態でもよい。誘導部は、補強層の外周側で、連続的さらに周状的(環状的)に形成されていると、より好ましい。
誘導部の形成位置の調整方法は種々ある。例えば、被覆層の外縁を、接合部の外縁よりも内側にするとよい。この場合、被覆層(第1金属層)が存在しない第1部材の領域上にはIMCが生成されず、その外周域に対面して第1金属層がある領域に、補強層に直結した誘導部が形成され易くなる。
また、接合部の外周域に対面する第1部材の領域上に、第2金属の液相と反応しない材質からなる保護層を設けてもよい。この場合も上記の場合と同様であるが、保護層の形成により、第1部材上にIMCが生成されることを積極的に回避できる。保護層は、第1部材の表面に形成された樹脂層(例えばポリイミド層)、化合物層(例えばSiN層)等であり、これらは絶縁層を兼ねると好ましい。
さらに、誘導部の位置や形態を高精度に制御するため、少なくとも第1層中に、第1金属が形成されていない開溝部を有する接合材を用いて接合工程を行ってもよい。その開溝部は、特に、第3層の外縁よりも内側に有るとより好ましい。この場合、接合工程中に溶融した第2金属の液相は開溝部に流入し、周囲の第1金属と反応しつつ、開溝部にIMCからなる誘導部が確実に形成され易くなる。開溝部の数や形態は所望する誘導部の数や形態に依る。なお、開溝部の外周側の第2層(第2金属層)は無くてもよい。
外周域に第2層を設けない接合材や開溝部を有する接合材等を用いると、接合工程中に溶融した第2金属の液相が第1部材の外周囲側へ漏出することが防止される。その結果、第1金属からなる被覆層を接合部より拡張して設けた場合でも、接合部の領域内に収まる誘導部を形成できる。なお、被覆層を拡張することにより、接合材の位置ズレに対する許容度を拡大できる。
《接合工程》
接合工程は、第2金属の融点以上で、第1金属と第2金属が反応してIMCを生成する反応温度以上に接合材を加熱する工程ある。第1金属と第2金属の種類、第1部材と第2部材の耐熱性等により反応温度や保持時間は調整される。
《接合構造体の形態》
本発明の接合構造体には様々な形態が考えられる。接合構造体の好例は、半導体素子を金属電極や基板の金属配線上に接合したパワーモジュールである。半導体素子は、例えば、CTEが3〜7ppm/KであるSi、SiC、GaN等からなり、金属電極は、例えば、CTEが15〜25ppm/KであるCuまたはAlからなる。
本発明の接合構造体の一例であるパワーモジュールについて、具体的な形態を示すことにより、本発明をさらに詳しく説明する。
次の内容はいずれの形態のパワーモジュールにも共通している。第1部材は、SiCからなるIGBT等のチップ(デバイス、半導体素子)であり、その上面にはNi(第1金)で被覆(メタライズ)された電極面(被覆層)がある。第2部材は、金属電極を構成するCu板であり、その下面(被接合面)にもNiがメタライズされた電極面がある。接合材は、Al(第3金属)箔からなる第3層を中心に、その両面側にNiからなる第1層と、さらにそれらの両面側にSn(第2金属)からなる第2層とが順に形成されている。チップは、その下面側で、図示しないDBC(Direct Brazed Copper)基板やDBA(Direct Brazed Aluminum)基板等の上に実装される。本実施例(各図)に示した上下方向は、鉛直方向に対する上下方向である。但し、それらの方向と、実際にパワーモジュールが製造される時または使用される時の上下方向は異なっていてもよい。
[第1実施例]
(1)パワーモジュールM1について、接合前→加熱過程(接合工程)→接合後の各様子を図1に示した。接合前のパワーモジュールM1は、SiCからなるチップ10(第1部材)とその上にNiが成膜された電極面11と電極面11の外周囲に設けられた絶縁層(SiN)12を有する半導体素子1と、Cu板20(第2部材)とその上にNiが成膜された電極面21を有する金属電極2と、接合シート3からなる。
接合シート3は、Al(箔)からなる層30(第3層)と、その両面側に形成されたNiからなる層311、321(第1層)と、それらの両面側にそれぞれ形成されたSnからなる層312、322(第2層)とを有する。
接合シート3の占有面積は、金属電極2よりも大きいが、半導体素子1よりは小さい。但し、本実施例に係る電極面11と電極面21は略同じ大きさ(面積)であり、Niからなる電極面11の外縁は、接合シート3(層311等)の外縁よりも内側になっている。この点は、後述する第4実施例を除いて、他の実施例についても同様である。
(2)半導体素子1と金属電極2の接合は次のようになされる。下側から上側に向けて順番に、半導体素子1、接合シート3および金属電極2を積層して配置する。半導体素子1と金属電極2で接合シート3を挟持した状態の積層体(挟持体)を、不活性雰囲気(真空雰囲気を含む)や活性雰囲気(水素雰囲気、還元雰囲気等)の加熱炉に入れて、所定の反応温度まで加熱して、一定時間保持する。例えば、挟持する圧力(加圧量)を0.5MPaとして、還元雰囲気の電気炉中で、350℃×5分間加熱するとよい。
その昇温過程中に、接合シート3の層312、322が先ず溶融する。これにより、電極面11と層311の間および電極面21と層321の間で、溶融したSnが濡れ拡がる。層312、322の厚さと上記加圧量を調整することにより、Snが濡れ拡がる領域は、ほぼ、層311、321または層30の存在範囲(領域)内に制御される。
ここで、電極面21と層321の間の溶融Snは、電極面21の外周囲側へ滲み出して、層321上に漏出して溜まる。一方、電極面11と層311の間の溶融Snも電極面11の外周囲側へ滲み出すが、層311の外周囲端を超えて漏出することはなく、層311の外周域と絶縁層12との間に留まる。
この状態でさらに昇温されると、層312が溶融してできたSnは、電極面11および層311と固液相互拡散(SLID)反応を生じて、NiSn(IMC/固相)からなる接合層414を形成する。このとき電極面11と層311は、一部が残存して、それぞれ層411と層4311になる。こうしてチップ10と層30は、層411と層4311(中間層)を介して、接合層414で接合された状態となる。
ところで、このSLID反応の際、層311の外周域は、絶縁層12に対面しており、その領域に電極面11(Ni層)は存在しない。このため、その外周域内において、層312からできた溶融Snは、層311とのみ反応して、層4311(中間層)を介さずに、層30の下面に直結したIMCからなる誘導部4314が形成されるようになる。要するに、誘導部4314がチップ10側に接合されることはない。
また、層322が溶融してできたSnは、電極面21および層321と反応して、IMCからなる接合層424を形成する。このとき電極面21と層321は、一部が残存して、層421と層4321になる。こうしてCu板20と層30は、層421と層4321(中間層)を介して、接合層424で接合された状態となる。
なお、層321の外周域上に、電極面21(Ni層)は存在しない。このため層322からできた溶融Snは、Cu板20の外周囲端側へ漏出して、層321の外周域上に溜まる。この溶融Snは、層321と反応して、層4321(中間層)を介さずに、層30の上面に直結したIMCからなる誘導部4324を形成する。但し、本発明の場合、第2部材側において、中間層を介さずに補強層に直結される誘導部の存在は必須ではない。
こうして、最下層である層411から最上層である層421までの各層により構成された接合部4により、チップ10(第1部材)とCu板20(第2部材)が接合されたパワーモジュールM1が得られる。
パワーモジュールM1が、ある程度継続した高温下と低温下に繰り返し曝される冷熱サイクル下にある場合、チップ10とCu板20のCTE不整合による熱応力は、主に、層30に直結している誘導部4314を通じて、層30へ誘導される。この結果、クラックCが生じるときは、チップ10に生じず、層30に生じるようになり、パワーモジュールM1の信頼性が確保される。
[第2実施例]
パワーモジュールM1の一部を変更したパワーモジュールM2について、接合前と接合後の各様子を図2に示した。なお、既述した部材または部位については、同符号を付することによりそれらの説明を省略する。この点は後述する他の実施例についても同様である。
パワーモジュールM2の半導体素子1は、電極面11の外周囲にある絶縁層12上に、ポリイミドからなる樹脂層13がさらにパターニング(成膜)されている。溶融Snは、ポリイミドに対して実質的に濡れず、弾かれた状態となる。このため、層312が溶融してできた溶融Snは、Niからなる層311の外周域に密着した状態となる。この結果、層30に直結した誘導部4314がより確実に形成され易くなる。
[第3実施例]
パワーモジュールM1の一部を変更したパワーモジュールM3について、接合前と接合後の各様子を図3に示した。パワーモジュールM3の接合シート3は、外周域側に周状(環状)の開溝部310、320を両面に有する。
開溝部310は、Niからなる層311とSnからなる層312とがパターニングされていない領域であり、開溝部320は、Niからなる層321とSnからなる層322とがパターニングされていない領域である。このような接合シート3は、例えば、開溝部310、320に対応する位置にマスクを配置したAl箔(層30)の各面上に、NiおよびSnを順にスパッタしてNi層およびSn層を成膜することにより製作できる。なお、開溝部は、非連続的または点在的な形態でも良いし、複数設置されてもよい。
接合シート3が開溝部310、320を備えることにより、誘導部4314、4324の形成をより確実にできる。また、誘導部4314、4324が形成される位置精度の向上も図れ、クラックCが発生する起点位置の再現性も高めることができる。
[第4実施例]
パワーモジュールM3の一部を変更したパワーモジュールM4について、接合前と接合後の各様子を図4に示した。
本実施例に係る接合シート3の層312、322は、層311、321の外周域上にSnが成膜されておらず、それらの外周縁は開溝部310、320で区画された状態となっている。また、電極面11は、接合シート3よりも拡張されている。
パワーモジュールM4もパワーモジュールM3と同様に、誘導部4314、4324が特定位置に形成されて、クラックCの起点位置の再現性が高くなる。また、電極面11が接合シート3よりも拡張している。このため、電極面11上に積層される接合シート3の位置ずれ許容度も大きくできる。
なお、電極面11(Ni層)が拡張されていても、接合シート3の外周域側にSn層がなく、また開溝部310、320も形成されているため、チップ10に直結するようなIMCが形成されることはない。
M パワーモジュール(接合構造体)
1 半導体素子
10 チップ(第1部材)
11 電極面(被覆層)
2 金属電極
20 Cu板(第2部材)
3 接合シート
4 接合部
414 接合層
4314 誘導部

Claims (10)

  1. 第1部材と、
    該第1部材と接合され得る第2部材と、
    該第1部材と該第2部材を接合する接合部と、
    を備える接合構造体であって、
    前記第1部材は前記接合部よりも被接合面側の面積が大きく、
    前記接合部は、少なくとも第1部材側に、
    該第1部材の被接合面上に設けられた第1金属からなる被覆層と、
    該第1金属と該第1金属よりも低融点な第2金属との金属間化合物からなり該被覆層に接合している接合層と、
    該第1金属よりも高延性な第3金属からなる補強層と、
    該第1金属からなり該接合層と該補強層とに接合している中間層と、
    該金属間化合物からなり、該接合部の外縁より内側で、該中間層を介さずに該補強層に直結している誘導部と、
    を有する接合構造体。
  2. 前記被覆層の外縁は、前記接合部の外縁よりも内側にある請求項1に記載の接合構造体。
  3. 前記接合部の外周域に対面する前記第1部材の領域上に、前記第2金属の液相と反応しない材質からなる保護層を有する請求項1または2に記載の接合構造体。
  4. 前記誘導部は、少なくとも前記補強層の中央側よりも外周側にある請求項1〜3のいずれかに記載の接合構造体。
  5. 前記被覆層は、対面する前記接合部より拡張している請求項1に記載の接合構造体。
  6. 前記第1金属は、NiまたはCuであり、
    前記第2金属は、Snである請求項1〜5のいずれかに記載の接合構造体。
  7. 前記第3金属は、AlまたはCuである請求項1〜6のいずれかに記載の接合構造体。
  8. 前記第1部材は半導体素子であり、
    前記第2部材は金属電極である請求項1〜7のいずれかに記載の接合構造体。
  9. 第1部材と第2部材の間で挟持された接合材を加熱して該第1部材と該第2部材を接合する接合工程を備える接合構造体の製造方法であって、
    前記第1部材は、前記接合材よりも被接合面側の面積が大きいと共に、該第1部材の被接合面上の少なくとも一部に第1金属からなる被覆層を有し、
    前記接合材は、少なくとも該第1部材側に、
    該第1金属からなる第1層と、
    該第1層の該被覆層側にあり該第1金属よりも低融点な第2金属からなる第2層と、
    該第1層の他面側にあり該第1金属よりも高延性な第3金属からなる第3層とを少なくとも有し、
    該第1部材の被覆層または該接合材の第2層の少なくとも一方の外縁は、該接合材の第3層の外縁よりも内側にあり、
    前記接合工程は、該第2金属の融点以上であって該第2金属と該第1金属が反応して金属間化合物を生成する反応温度以上に該接合材を加熱する工程である接合構造体の製造方法。
  10. 前記接合材は前記第1層中に記第1金属が形成されていない開溝部を、前記第3層の外縁よりも内側に有し、
    該開溝部には、前記第2金属または前記第2層が形成されていない請求項9に記載の接合構造体の製造方法。
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