JP6631020B2 - 塗布装置及び画像形成システム - Google Patents

Description

画像形成システムにおける処理液を塗布する塗布装置及び画像形成システムに関する。

インクジェット方式の画像記録方式において、記録媒体である用紙にインク液滴が付着する直前にインクを凝集させる機能を有する処理液を塗布し画質改善を図る方法がある。

処理液を塗布する１つの方法として、ローラを用いて紙面全体に塗布する方法が知られている。このようなローラを用いて用紙に処理液を塗布する塗布装置の一例として、図１９に、塗布部の構成例示す。図１９において、Ｗは紙などの記録媒体、９０は処理液塗布部、９１は塗布液の容器、Ｌは塗布液、９２はスクイーズローラ、９３は塗布ローラ、９４は加圧ローラを表す。この例において、処理液Ｌはモータにより駆動されるスクイーズローラ９２の回転により汲み上げられる。スクイーズローラ９２により汲み上げられた処理液Ｌは、周辺をゴム等の弾性体で覆われた塗布ローラ９３とスクイーズローラ９２とのニップにより、一部の処理液は掻き落とされ、残った液は塗布ローラ９３上に薄く均一に引き延ばされる。塗布ローラ９３上に引き伸ばされた処理液Ｌは、加圧ローラ９４と塗布ローラ９３とで形成された塗布ニップＮに挟まれた用紙に転写される（例えば、特許文献１）。

このようなインクジェットプリンタ用処理液塗布装置において、ロール紙などの連続紙に塗布する場合、用紙特性や、厚みの用紙幅方向のばらつきによっては、用紙（記録媒体）幅方向で異なるたるみが生じることがある。図２０において、塗布ニップＮの上流側の波Ｗ１は用紙特性や、厚みの用紙幅方向のばらつき等の何らかの理由により波の生じた紙などの記録媒体Ｗの様子を示している。記録媒体Ｗに波Ｗ１が生じた場合、波Ｗ１が塗布ローラ９３と加圧ローラ９４とで記録媒体Ｗを挟持する塗布ニップＮまで到達するとつぶされて、シワＷ２となってしまう。下流側のシワＷ２は塗布ニップＮによって押しつぶされた後のシワの様子を示している。

一般的に、塗布時の用紙の張力を大きくすることで、このたるみによる波を小さく抑え、シワの発生を抑えることができることが知られている。しかし、テンションを大きくするにも限度や装置制約がある。また、用紙の種類（例えば、薄い又は軽い用紙の場合）によって、強度が弱く、大きなテンション（張り）をかけられないことがあった。従って、張力の調整だけでは、用紙特性のばらつきによるシワを解消できなかった。

図２１に、従来例として塗布部の別の構成例９０Ａを示す（特許文献２）。この構成は、巻き付け手段９５により、塗布ローラ９３に用紙Ｗを巻き付けることで用紙への塗布量を調整するものである。この構成であっても、塗布ニップＮに到達する前に図２０に示すように記録媒体Ｗに波Ｗ１が生じた場合、波Ｗ１が塗布ニップ部Ｎまで到達すると、つぶされ、シワＷ２となってしまうので、完全にシワの解消をすることができなかった。

そこで、本発明は上記事情に鑑み、搬送される記録媒体の幅方向で異なるたるみがあっても、塗布ローラと加圧ローラとの当接部でシワが生じにくい、処理液塗布装置の提供を目的とする。

上記課題を解決するため、本発明の一態様では、塗布装置は、
記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、
前記記録媒体の搬送に従動し、該記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラと、
前記塗布ローラとともに前記記録媒体を挟持、押圧して当接部へ形成し、前記記録媒体へ前記処理液を塗布させる加圧ローラと、
前記加圧ローラの近傍に配置される巻き付け部材と、を備え、
前記記録媒体は、記録媒体搬送方向に連続した媒体であり、
前記記録媒体を前記巻き付け部材の上側の面に巻き付かせることで、前記記録媒体を前記加圧ローラの下側の周面に巻き付けるように、前記記録媒体搬送方向に対して前記記録媒体を屈曲させる屈曲搬送路を形成する。

本発明の一態様では、処理液塗布装置において、搬送される記録媒体の幅方向で異なるたるみがあっても、塗布ローラと加圧ローラとの当接部でシワの発生を抑えることができる。

本発明の実施形態に係るインクジェット方式の画像形成システムの流れを示す略図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成システムに用いられる処理剤液塗布装置の概略構成図である。 図２の処理剤液塗布装置に含まれる、本発明の第１実施形態に係る塗布機構のローラ軸方向の概略構成図である。 図３の塗布機構のローラ円延伸方向の概略構成図である。 第１実施形態に係る巻き付けユニットの動きを説明する図である。 巻き付け角と用紙凹凸の関係の実験結果を示すグラフである。 本願の第２実施形態に係る塗布機構のローラ軸方向概略構成図である。 図７の塗布機構のローラ延伸方向概略構成図である 第２実施形態に係る巻き付けユニットの動きを説明する図である。 本願の第３実施形態に係る塗布機構のローラ軸方向概略構成図である。 図１０の塗布機構のローラ延伸方向概略構成図である。 制御回路のうち、本実施例に関連する部分の一例を示すブロック図である。 処理液の塗布開始時における巻き付け角度調整ローラの制御を説明するためのフローチャートである。 塗布動作中の印刷速度変更に対する制御フローチャートである。 印刷動作中の処理液の温度変化に対する制御フローチャートである。 本願の第４実施形態に係る塗布機構のローラ軸方向概略構成図である。 図１６の塗布機構のローラ延伸方向概略構成図である。 本願の第５実施形態の塗布機構の模式図である。 従来例の一例の処理液塗布部の模式図である。 図１７の処理液塗布部のシワの様子を示した図である。 従来例の別の例の処理液塗布部の模式図である。

以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図１は本発明の一実施形態を示す構成図である。より詳しくは、図１は、本発明の実施形態に係るインクジェット方式の画像形成システム（インクジェット印刷システム）１００の一部を示す略図である。

図１に示すように、給紙装置１の給紙ロール２から繰り出された連続紙等の用紙からなる記録媒体（被記録媒体、ウェブ）Ｗは、塗布装置３３，３４を含む前処理装置３に送り込まれる。前処理装置３は記録媒体Ｗの画像形成面に記録媒体にインク液滴が着弾したインクを凝集させる機能を有するコーティング材料である処理剤液（前処理液）を塗布する。処理剤液を塗布する面は所望される印刷物に応じて、片面のみの場合や両面の場合がある。

次に記録媒体Ｗは前処理装置３の記録媒体Ｗの搬送方向下流にあるインクジェットプリンタ（記録装置）４に送り込まれる。記録装置４において、記録媒体Ｗの前処理液が塗布された面側にインク滴を吐出して所望の画像が形成される。記録装置４は第１インクジェットプリンタと第２インクジェットプリンタと反転装置とを備えていてもよい。両面印刷を行う場合、第１インクジェットプリンタで表面に画像を形成した後、反転装置により記録媒体Ｗの表裏が反転されて引き続き記録媒体Ｗを第２インクジェットプリンタに送り込み記録媒体Ｗの裏側にインク滴を吐出して所望の画像を形成する。

このような画像形成の後、後処理装置５に送られて所定の後処理がなされる。そして、図１の例では、後処理後、記録媒体は巻き取りロール６によりロール状に巻き取っている。なお、後処理後の処理では、巻き取りに変えて、折畳みや切断等を実施してもよい。

図２は、本発明の一実施形態に基づく、画像形成システム１００に用いられる前処理装置（前処理液塗布乾燥装置）３の概略構成図である。

次に、図２を参照して、前処理装置３について説明する。前処理装置３は前処理液を記録媒体Ｗに塗布する塗布機構３３，３４を含む前処理液塗布ユニット（処理液塗布装置）３３０を有している。記録媒体Ｗの前処理液を乾燥させるために加熱ユニット（記録媒体加熱装置）３５０は前処理液塗布ユニット３３０の記録媒体搬送方向の下流に設けられている。

前処理装置３は、さらにエアループユニット３２０、前処理液供給ユニット３４０、及びダンサーユニット３８０を有する。

エアループユニット３２０は、回転自在に支持されたガイドローラ３２１、記録媒体Ｗを狭持して搬送するフィードイン（ＦＩ）ローラ３２２及びＦＩニップローラ３２３を有する。エアループユニット３２０では、ガイドローラ３２１、回転駆動するＦＩローラ３２２、従動回転するＦＩニップローラ３２３が給紙装置１から供給される記録媒体Ｗを搬送し、エアループユニット３２０内に記録媒体Ｗを引き込む。このとき、不図示の光学センサにより、記録媒体Ｗの弛み量が一定となるエアループＡＬが形成される様に、ＦＩローラ３２２の回転が制御される。エアループＡＬを通過した記録媒体Ｗは、不図示のテンションシャフトにより搬送安定化のための張力が付加され、前処理液塗布ユニット３３０に搬送される。

エアループＡＬを経た記録媒体Ｗは、２つのエッジガイドとの間を通り、且つ、長手方向が記録媒体Ｗの搬送方向（矢印方向）と直交するように配置された２本のパスシャフト３２５の間をＳの字状に通る。二本のパスシャフト３２５はエッジガイドに支持され、エッジガイド対の間の間隔は記録媒体Ｗの幅方向と略同寸にされる。なおエッジガイドは、パスシャフト３２５に対して、例えば、ねじなどの固定手段によって移動可能に固定されており、使用する記録媒体Ｗの幅寸法に応じてエッジガイドの間の間隔は調整される。これらのパスシャフト及びそれに直交するエッジガイドの働きにより、記録媒体Ｗの幅方向の走行位置が規制され、安定した走行が可能となる。
パスシャフト３２５とエッジガイドとの間を通過した記録媒体Ｗは、固定状態にあるテンションシャフトにより搬送安定化のための張力が付加される。

前処理液塗布ユニット３３０は、回転駆動するインフィードローラ３３１、フィードニップローラ３３２、裏面塗布機構３３、表面塗布機構３４を有する。さらに、前処理液塗布ユニット３３０には、裏面塗布機構３３及び表面塗布機構３４を制御するために図３で示す塗布制御部８１と揺動制御部８２が備えられている。前処理液塗布ユニット３３０の近傍には、回転駆動するアウトフィードローラ３３５及びフィードニップローラ３３６が備えられている。

フィードニップローラ３３２は、インフィードローラ３３１との間で記録媒体Ｗを挟持搬送し、フィードニップローラ３３６はアウトフィードローラ３３５との間で記録媒体Ｗを挟持搬送する。インフィードローラ３３１及びフィードニップローラ３３２は搬送手段となる。

裏面塗布機構（塗布装置）３３は、スクイーズローラ３３７、塗布ローラ３３８、加圧ローラ３３９、及び巻き付けローラ５１ｒを有する。裏面塗布機構３３に搬送される記録媒体Ｗは、スクイーズローラ３３７により前処理液が供給される塗布ローラ３３８と加圧ローラ３３９との間で挟持搬送される際に、塗布ローラ３３８により一方面（裏面）側に前処理液が塗布される。加圧ローラ３３９は加圧ユニット１４ｒに設けられ、スクイーズローラ３３７及び塗布ローラ３３８は塗布ユニット１５ｒに設けられている。裏面塗布機構３３を通過した記録媒体Ｗは、表面塗布機構３４に搬送される。

表面塗布機構（塗布装置）３４は、スクイーズローラ３４７、塗布ローラ３４８、加圧ローラ３４９、及び巻き付けローラ５１ｆを有し、記録媒体Ｗの外面（表面）側に前処理液を塗布する。加圧ローラ３４９は加圧ユニット１４ｆに設けられ、スクイーズローラ３４７及び塗布ローラ３４８は塗布ユニット１５ｆに設けられている。表面塗布機構３４を通過した記録媒体Ｗは、アウトフィードローラ３３５とフィードニップローラ３３６により、加熱装置である加熱ユニット３５０に搬送される。

なお、裏面塗布機構３３及び表面塗布機構３４は、選択的に作動する様に制御され、記録媒体Ｗは、表面及び裏面のいずれか片方又は両面に前処理液が塗布される。

前処理液供給ユニット３４０は前処理液を貯留し、裏面塗布機構３３及び表面塗布機構３４に前処理液を適宜供給する。

加熱ユニット３５０は、記録媒体Ｗの搬送方向の上流から、加熱ローラ５４０ａ、５４０ｂ、５５０ａ、５５０ｂ、５６０ａ、５６０ｂを有し、さらに排出用搬送ローラ５７０と制御装置５８０とを有している。加熱ユニット３５０では、制御装置５８０による制御処理が実行され、夫々の加熱ローラ５４０ａ〜５６０ｂの各ヒータ５４１ａ〜５６１ｂの加熱量（温度）を制御している。

記録媒体Ｗは、各加熱ローラ５４０ａ〜５６０ｂに順に千鳥掛け状に掛け渡され、アウトフィードローラ３３５及びフィードニップローラ３３６と、フィードローラ３５９及びフィードニップローラ３６０とにより、加熱ユニット３５０の中を搬送される。各加熱ローラ５４０ａ〜５６０ｂは、搬送される記録媒体Ｗに従動して回転し、記録媒体Ｗを加熱して記録媒体Ｗに塗布されている前処理液を乾燥させる。

加熱ユニット３５０において、各加熱ローラ５４０ａ〜５６０ｂは記録媒体Ｗに従動して回転する構成である。各加熱ローラを回転駆動させる駆動手段として例えばモータ等を設ける必要がなく、モータ設置スペースが省略されて小型化が可能となる。

加熱ユニット３５０において表面に塗布された前処理液が乾燥した記録媒体Ｗは、回転駆動するフィードローラ３５９及びフィードニップローラ３６０に挟持され、ダンサーユニット３８０に搬送される。

なお、使用する塗布液や記録媒体の種類により速乾性のものを用いる場合や前処理装置３の設置スペースを考慮する場合などは、加熱ユニット３５０を設けない構成もありうる。この構成例では、裏面塗布機構３３及び表面塗布機構３４を出た記録媒体Ｗはダンサーユニット３８０へ直接搬送される。

ダンサーユニット３８０は、２つのガイドローラ３８１，３８２、可動フレーム３８４、可動フレーム３８４の位置を検出する不図示の位置検出手段、可動フレーム３８４に回転自在に取り付けられた２つのダンサーローラ３８５，３８６を有する。可動フレーム３８４は、下部に錘３８３が設けられ、ダンサーローラ３８５，３８６と共に矢印Ａ方向に移動可能に設けられている。記録媒体Ｗは、２つのガイドローラ３８１，３８２及び２つのダンサーローラ３８５，３８６にＷ字状に掛け渡される。

ダンサーユニット３８０は、位置検出手段の出力に基づいて、フィードローラ３５９の搬送量を制御して、可動フレーム３８４の上下方向の位置を調整する。可動フレーム３８４の位置が調整されることで、前処理装置３と後段の記録装置４との間の記録媒体Ｗのバッファが確保される。

加熱ユニット３５０によって加熱された記録媒体Ｗは、ダンサーユニット３８０にて冷却された後に、後段の記録装置４に搬送される。

このような構成により、前処理装置３は、前処理液を記録媒体Ｗに塗布し、後段の記録装置４へ搬送する。前処理装置３により前処理液を記録媒体Ｗへ塗布することで、後段の画像形成でのインクの滲み、濃度、色調や裏写りなどを防止し、浸透補助により、画質の向上を図ることができる。

＜第１実施形態＞
図３は、本発明の実施形態に基づく、塗布機構３３のローラ軸断面方向からみた構成の概略構成図である。図４は、図３の塗布機構３３のローラ軸延伸方向の概略構成図である。なお、塗布機構３３として、図２に示した裏面塗布機構３３と表面塗布機構３４とがあり、機構の構造は同一なため、以後、裏面塗布機構３３を用いて説明する。また、塗布機構３３と３４とにおいて、加圧ユニット１４ｒ，１４ｆ、塗布ユニット１５ｒ，１５ｆ、及び巻き付けローラ５１ｒ，５１ｆについて構造は同一のため、以後符号を省略して説明する。

塗布機構３３は、加圧ユニット１４と塗布ユニット１５に加えて揺動機構となる移動機構（揺動手段）３０とを有する。また、塗布機構３３には塗布制御部８１と揺動制御部８２が接続されている。更に、塗布機構３３の塗布ユニット（処理液収容容器）１５は、処理液を補給する前処理液供給ユニット（カートリッジ）３４０と接続されている。

スクイーズローラ３３７と塗布ローラ３３８とその周辺部材は塗布ユニット１５に実装され、加圧ローラ３３９とその周辺部材は加圧ユニット１４に実装されている。塗布制御部８１は、画像形成システム１００の図示しないコントローラから、印刷に係る動作の指示を受け、塗布機構３３の中の塗布ユニット１５内の部材や、加圧ユニット１４内の部材を制御し、前処理液の塗布量を調整している。

前処理液供給ユニット３４０内に貯留された処理液Ｌは、例えばチュービングポンプやダイヤフラムポンプのように電気的に駆動された送液手段であるポンプ２１により供給経路２２、電磁弁２９を介して塗布ユニット１５の供給パン２３に供給される。

次に、供給パン２３に貯留された処理液Ｌは、モーターユニット２４の塗布量調整モータ２４ａによりギア２４ｂを介して駆動されるスクイーズローラ３３７の回転により汲み上げられる。このスクイーズローラ３３７は、例えばアニロックスローラやワイヤーバーなどの、表面に溝加工を施したものを用いることで、処理液Ｌの粘度や印刷速度が変化した場合であっても、汲み上げ時の処理液Ｌの汲み上げ量が影響されづらくなる。

ここで、アニロックスローラとは、印刷、製紙など使われる表面に細かい溝を形成した金属ローラであり、溝の形状は三角や、ピラミッド型と呼ばれる角錐形状のものなど様々である。溝の無い通常のローラは、印刷速度、液粘度等様々な要因により、液量が不安定になるが、アニロックスローラでは溝を彫ることにより、ローラ間を通過する液量を増加させ、速度、粘度等の外乱があっても通過する液量を安定化する。

金属のローラに様々な太さのワイヤーを巻いたワイヤーバーも用いることができるが、ワイヤーの解け等の問題があるため、金属ローラ上に直に溝形状を形成するアニロックスローラの方がスクイーズローラ３３７として、より好ましい。

スクイーズローラ３３７で汲み上げられた処理液Ｌは、残った液が塗布ローラ３３８上に薄く均一に引き延ばされるように、周辺をゴム等の弾性体で覆われた塗布ローラ３３８とスクイーズローラ３３７との接触部（塗布量調整ニップ）により一部の処理液Ｌは掻き落とされる。

この時、塗布ローラ３３８とスクイーズローラ３３７の塗布量調整ニップの荷重を変化させることにより、掻き落とされる処理液Ｌの量をコントロールできる。塗布ローラ３３８上に引き伸ばされた処理液Ｌは、加圧ローラ３３９と塗布ローラ３３８に挟まれた記録媒体Ｗに塗布される。

塗布ローラ３３８は、両端を軸受け２５により支持されており、記録媒体Ｗに対して連れ回る、即ち、記録媒体Ｗの搬送に従動する。この際、塗布量が多く、記録媒体Ｗとの摩擦抵抗が低い条件においては、塗布ローラ３３８と記録媒体Ｗの間でスリップが発生し、記録媒体Ｗの端部であるエッジ部分に接触する部分で塗布ローラ３３８に磨耗が発生する。

なお、加圧ユニット１４において加圧ローラ３３９の両端部には昇降機構としてアーム２６が取り付けられている。ここで、図３を参照して、加圧ローラ３３９の昇降機構として、アーム２６の回転中心２６ｃと反対の端部には、引張ばね２８が接続され、引張ばね２８の近傍には、偏心カム（加圧ローラ用偏心カム）２７が設けられている。塗布時は、この昇降機構が、てこの原理により加圧ローラ３３９を塗布ローラ３３８に弾性的に押し付けている。

処理液Ｌを塗布しないときは加圧ローラ３３９を上に退避させ塗布ローラ３３８と加圧ローラ３３９との間の接触状態（塗布ニップＮ）を解除できるようになっている。この際、加圧ローラ３３９と引張ばね２８との間にアーム２６に接触して設けられた偏心カム２７の回転により引張ばね２８の弾性力に抗して、加圧ローラ３３９を塗布ローラ３３８から離れる方向に移動させている。

加圧ローラ３３９を備える加圧ユニット１４は筐体１０に対して着脱可能に固定されている。即ち、加圧ローラ３３９は筐体１０に対して回転可能に固定されている。

処理液収容容器である塗布ユニット１５は処理液を貯留し、塗布ローラ３３８及びスクイーズローラ３３７を回転可能に内部で固定する。また、塗布ユニット１５は筐体１０の中で記録媒体Ｗの幅方向に（記録媒体Ｗの搬送方向に対して直交する方向に）移動可能（揺動可能）に設けられている。

移動機構３０の一部、加圧ユニット１４、及び塗布ユニット１５は、筐体１０の中に備えられている。塗布ユニット１５は本体である筐体１０に対して着脱可能である。

本実施形態では、筐体１０の図４の左側下部に開口している。塗布ユニット１５が塗布機構３３に装着されるとき、筐体１０から開口部１０ｏから水平方向（図４の矢印参照）に挿入される。そして、挿入が進むと所定の位置で、挿入方向の上流と下流に設けられた２つの位置決めピン１６が筐体１０に設けられた位置決めプレート１７の穴に挿入されることにより、記録媒体搬送方向（図４の手前及び奥方向）における位置決めが行われる。

また、塗布ユニット１５の記録媒体Ｗの幅方向（図４、左右方向）は、塗布ユニット１５に固定されたラッチピン（嵌合部材）１２に移動機構３０のラッチ４５を引っ掛けることにより位置決めされる。ここで、ラッチピン１２を介して塗布ユニット１５に接続された移動機構３０は、下面にローラ（車輪）１１を備える塗布ユニット１５を、記録媒体Ｗの前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に連続又は、断続的に揺動（移動）させる。塗布ユニット１５は、移動機構３０の力に応じてローラ１１が筐体１０の底面（又は底面に設けられたレール）上を転がることで移動可能となる。

移動機構３０は図４の一点鎖線で囲まれた範囲であり、移動部材であるスライダ４２と、スライダ４２に備えられたラッチ４５及び位置検出ターゲット４４と、スクリューシャフト４３と、筐体１０内部に配置されたフレーム４０と、筐体１０外部に固定されたモータ（揺動モータ）４１とを備えている。ラッチ機構３１は、図４の丸で囲われた範囲であり、塗布ユニット１５のラッチピン１２の嵌合に関与する、スライダ４２に備えられたラッチ４５等を含む。

筐体１０に固定されたモータ４１が駆動することでスクリューシャフト４３（スクリュー軸）を回転させ、スライダ４２がスクリューシャフト４３に沿って水平方向であって記録媒体Ｗの幅方向に滑動する。スライダ４２を上記方向に往復運動させることで、ラッチピン１２及びラッチ４５を介してスライダ４２に接続した塗布ユニット１５を揺動させる。即ち、塗布ユニット１５（処理液貯留容器）と接続されたスライダ４２（移動部材）が移動することで、塗布ユニット１５が筐体１０の内部で移動し、塗布ユニット１５に設けられた塗布ローラ３３８が加圧ローラ３３９に対して記録媒体Ｗの幅方向に揺動する。

移動機構３０の脇に配置された例えばフォトインタラプタ等のセンサを複数個配置したポジションセンサ１３は、移動機構３０の位置を検知する。より詳しくは、塗布ユニット１５には記録媒体Ｗの幅方向に移動する幅である、移動方向の揺動幅が定められているため、移動機構３０も移動幅が決められている。ポジションセンサ１３は移動機構３０が移動幅の両端部のいずれか一方に達した場合、ポジションセンサ１３が移動機構３０の端部検知結果を出力すると、移動機構３０の移動の方向が逆向きになるように制御される。

さらに、ポジションセンサ１３は印刷終了時に移動機構３０において、例えば位置検出ターゲット４４の位置を検知して、後述する記憶手段であるＩＣチップへ出力し、その位置が次回印刷時の最初に読み出されて利用される。

ここで、ポジションセンサ１３は移動機構３０の移動方向に沿って、複数のセンサが配列されており、列の両端部のセンサは、移動機構３０の移動幅の端部に達したことを検知する。また、印刷終了時は、複数のセンサのうち、どのセンサが一番近いか、又はどのセンサの間にあるかにより、移動機構３０の位置を検知する。また、図に示すように、移動機構３０側にも、移動部材であるスライダ４２にポジションセンサ１３がスライダ４２の位置を検知するのに利用される位置検出ターゲット４４を設けてもよい。図４では位置検出ターゲット４４が一つある例を示したが、複数であってもよい。

移動機構３０に接続された揺動制御部８２は、塗布制御部８１や画像形成システム１００のコントローラ（不図示）と接続されている。そして、揺動制御部８２は紙種、解像度に基づいて決定される塗布量や、印刷速度、検知された移動機構３０の位置等の情報に基づいて、移動機構３０のスライダ４２の移動方向、移動速度、駆動時間を制御する。

なお、図示はないが、塗布ユニット１５内には、ＩＣチップが格納されており、塗布ローラ３３８の前回印刷終了時の揺動位置（移動位置）と揺動方向（移動方向）をＩＣチップに記憶させている。そして、次回印刷時にその揺動位置と揺動方向のデータをＩＣチップから読み出して、その印刷時に前回印刷終了時に記憶した揺動位置と揺動方向で開始する。この動作により、揺動範囲内で磨耗量を平均化できる。

このように、記録媒体Ｗが加圧ローラ３３９と塗布ローラ３３８との間を通ることで、回転するスクイーズローラ３３７から塗布された塗布ローラ３３８上の塗布液Ｌが、記録媒体Ｗへ塗布される。そして、裏面塗布機構３３で処理液を揺動されながら塗布された記録媒体Ｗは表面塗布機構３４を通って加熱ユニット３５０へ搬送される。

このような塗布機構３３において、記録媒体起因の幅方向の特性や、厚みのばらつきによって記録媒体Ｗの幅方向で異なるたるみが生じると、用紙幅方向で張力が異なり、記録媒体Ｗが波打つようになる。例えば、用紙の輸送ダメージ、用紙製造工程、用紙の吸湿などの何等かの理由で、用紙幅方向の特性（巻きつけ状態、用紙厚み）が幅方向で変化している場合、波打ちが生じやすい傾向にある。

また、上述の揺動を実施すると、塗布ニップＮにおいて、加圧ローラ３３９が塗布ローラ３３８に対して移動するため、塗布ローラ３３８に引き連れられて、記録媒体Ｗの幅方向に張力が掛かり、張力が掛からなかった部分がたるみとなって波打つことも想定される。また、揺動動作では、所定の移動幅で水平方向（用紙幅方向に）に沿って往復移動をするため、所定の移動幅の端部に達すると記録媒体Ｗへの張力が逆方向に掛かるため、時間と共に、異なる方向にたるみが生じることもある。

このように発生した記録媒体Ｗのたるみが続いて搬送されると塗布ローラ３３８と加圧ローラ３３９とで記録媒体Ｗを挟持、押圧する当接部である塗布ニップＮで記録媒体Ｗの波がつぶされ、シワとなるおそれがあった。

そこで、本発明の実施形態では、下記の巻き付けローラを塗布ニップＮの記録媒体搬送方向上流に設置して記録媒体Ｗの搬送路を屈曲させることで、記録媒体Ｗが巻き付けローラと圧接して所定の張力を付加され、外部環境や搬送時のたるみによる記録媒体Ｗの様々な波打ち変形を分断し、引き延ばして解消させることができる。従って、このたるみによる波を小さく抑え、シワの発生を抑えている。巻き付けローラについて下記説明する。

＜巻き付けローラについて＞
さらに、図３、図４に示した本実施形態においては、塗布機構３３は、記録媒体Ｗを加圧ローラ３３９の周面に巻き付けるための、巻き付けユニット５０の巻き付けローラ５１が加圧ローラ３３９の記録媒体Ｗの搬送方向上流側に配置されている。

ここで、巻き付けローラ（巻き付け部材）５１を加圧ローラ３３９近傍に設置することで、記録媒体Ｗを加圧ローラ３３９の周面に巻き付けるように、搬送方向に対して記録媒体Ｗを屈曲させる屈曲搬送路を形成している。

この構成では、記録媒体Ｗは上流側の巻き付けローラ５１を通って、加圧ローラ３３９に巻いた後、処理液Ｌが塗布された塗布ローラ３３８との塗布ニップＮを通過して、処理液Ｌが塗布される。

本実施形態の巻き付けユニット５０において、巻き付けローラ５１の両端部はアーム形状の支持部材５２に固定されている。支持部材５２の、巻き付けローラ５１が設置された側の反対側の端部は、支持部材５２の回転軸である支点５４が設けられてあり、巻き付けローラ５１と支点５４との間には、偏心カム（巻き付け用偏心カム）５３が備えられている。

図４を参照して、支点（回転軸）５４は塗布機構３３の筐体１０を貫通して筐体１０に固定されている。偏心カム５３の芯５３ｓは、塗布機構３３の筐体１０の一方の壁１０ｗから突出して固定されている。この際、偏心カム５３の芯５３ｓは、回転可能に筐体１０の壁１０ｗに固定されている。

ここで、手動により筐体１０の壁１０ｗから突出した偏心カム５３の芯５３ｓを回転させることで、支持部材５２に接触して設けられた偏心カム５３が偏心回転して、支持部材５２が支点５４を中心にして回転する。これにより、支持部材５２の端部に固定された巻き付けローラ５１の位置が可動となる。このように、支持部材５２は、加圧ローラ３３９に対する巻き付けローラ５１の位置を調整することができるため、その結果、記録媒体Ｗの加圧ローラ３３９への巻き付け角（巻き付け角度、巻き角）を調整することができる。

図５（ａ）及び図５（ｂ）に、巻き付けユニット５０による加圧ローラ３３９への巻き付けの状態の調整を示す。図５（ａ）は巻き付け角θ１が大きいときの状態を示し、図５（ｂ）は、巻き付け角θ２が小さいときの状態を示す。図５（ａ）と図５（ｂ）との状態の遷移は、上述のように筐体１０の壁１０ｗから突出した偏心カム５３の芯５３ｓを手動により回転させることにより、偏心カム５３を偏心回転させて、支持部材５２を回転させて、巻き付けローラ５１の位置を移動させて行う。

図６は図３の構成で、巻き付けローラ５１の位置を変えて、加圧ローラ３３９への記録媒体Ｗの巻き付け角を変えたときの加圧ローラ３３９と塗布ローラ３３８との塗布ニップＮで圧接した後の用紙凹凸量を実測した結果を示すグラフである。この実測において、用紙特性や、厚みの用紙幅方向のばらつきによってシワが生じやすい用紙（例えば、長期保管し、用紙の吸湿の可能性のあるもの）であって、標準的な坪量１２８ｇ/ｍ^２の用紙を用いている。

実験により、上記測定と同時にシワ発生の様子と用紙凹凸の関係を観察した結果から、加圧ローラ３３９への用紙巻き付け角を変えれば、用紙凹凸量が変化することがわかる。さらに、図６で用いた用紙では、シワは用紙凹凸が０．４５ｍｍ以上で発生し、それ以下の場合はシワにはならないことが明らかになった。

この用紙を用いる場合、シワを発生させないためには、境界値である用紙凹凸を０．４５ｍｍ以下とすればよく、巻き付け角を４５°以上とすればよいことがわかる。

すなわち、巻き付けローラ５１を加圧ローラ３３９に４５°以上の巻き付け角となるように構成すれば、上記実験で用いた用紙であれば、シワを発生させなくできる効果がある。さらに巻き付け角を大きくすれば、上記実験で用いた用紙以上の用紙特性や、厚みの用紙幅方向のばらつきがある用紙であっても、シワを発生させない効果がある。また、用紙の張力を上げられない場合にシワが発生しやすくなるが、この場合も本発明の構成であれば、搬送路の屈曲によりシワを発生させなくすることができる。

本実施形態においては、印刷時の前処理液塗布動作中は、巻き付け角の調整はせず、シワが出ない方向の条件である巻き付け角が大きい状態で固定、使用することができる。

ただし、巻き付け角θが大きいと、加圧ローラ３３９と巻き付けローラ５１との間隔が狭くなるため、記録媒体Ｗのジャムやロール交換などによる記録媒体Ｗの装填時における装填動作が困難となる。よって、記録媒体Ｗの装填時には、図５（ｂ）に示すように巻き付け角（量）を小さくして巻き付けローラ５１を加圧ローラ３３９から離間させる。充填後、図５（ａ）に示すように巻き付けローラ５１を加圧ローラ３３９に近づけて巻き付け量を大きくするように手動により移動させる。

本願の実施形態に係る巻き付けローラ５１を配置することで、加圧ローラ３３９に記録媒体Ｗを巻き付けていることになる。従って、従来の図２０の上流側に示すような塗布ニップＮの前の用紙の波Ｗ１が生じても、搬送路が巻き付けローラ５１により屈曲されることで、波が矯正され、波を無くす又は波の高さを小さくでき、塗布ニップＮでのシワを発生させにくくする効果がある。

なお、塗布ローラ３３８に用紙を巻き付けても同様の効果が期待できるが、その場合、塗布直後に巻き付けることになるので、巻き付け程度や、発生する波の状態によって塗布量が変化してしまう。本装置の機能として、塗布量を一定に保ちたい事情がある。塗布ローラ３３８に用紙を巻き付けてシワ発生を抑止させる構造は塗布量を一定に保ちづらくなるため、本実施形態のように、塗布直前に屈曲路による波打ちの軽減をした方がより好適である。

このように、巻き付けローラ５１を、加圧ローラ３３９の記録媒体Ｗの搬送方向上流側に設置して記録媒体Ｗの搬送路を屈曲させることで、記録媒体Ｗが巻き付けローラ５１と圧接して所定の張力が付加されて、外部環境や搬送時のたるみによる記録媒体Ｗの様々な波打ち変形を分断し、引き延ばして解消させることができる。従って、記録媒体Ｗが塗布ニップＮに到達する前に波打ちを軽減して、塗布ニップＮ後のシワの発生を抑制することができる。

なお、巻き付け部材である巻き付けローラ５１は回転しない棒状の部材でも、回転するローラ状の部材でも同様の効果があるが、用紙の通りやすさは、回転するローラ状の部材の方が良好である。

＜第２実施形態＞
図７は、本願の第２実施形態に係る塗布機構３３Ａのローラ軸方向概略構成図であり、図８は、図７の塗布機構３３Ａのローラ延伸方向概略構成図である。図９（ａ）〜（ｃ）は、本実施形態の巻き付けユニット６０の動きを説明する図である。

図７の本実施形態の巻き付けユニット６０において、巻き付けローラ６１の両端部は支持部材６２に固定されている。支持部材６２の、巻き付けローラ６１が設置された側の反対側の端部は、軸（ハンドル部）６３が設けられてあり、巻き付けローラ６１と軸６３との間には、支持部材６２に長穴６５が形成されている。支持部材６２において、巻き付けローラ６１と長穴６５と間には支持部材６２の回転軸となる支点ピン６６が設けられており、支持部材６２の長穴６５には、ネジ６４が接触して設けられている。

図８を参照して、軸６３は、塗布機構３３の筐体１０の一方の壁１０ｗから突出している。この際、ハンドル部となる軸６３は、強度確保にも用いられ、位置移動可能に筐体１０の壁１０ｗから突出している。

支点ピン６６は、固定部材６７と接続され、固定部材６７は筐体１０と上方から２か所で接続されて支持部材６２の支点ピン６６を固定している。ネジ６４は、支持部材６２が所望の回転状態になるように、支持部材６２の長穴６５の位置を固定する。ネジ６４は操作性の観点から筐体手前（図８左側）のみに設置してもよい。

図９（ａ）〜図９（ｃ）に、巻き付けユニット６０による加圧ローラ３３９の巻き付けの状態の調整を示す。図９（ａ）の状態では、巻き付け角はθＡで表され、約７０°となっている。

図９（ｂ）は、図９（ａ）の状態から、巻き付け角を小さくした状態を示す。上流側巻き付けローラ６１の位置が、図９（ａ）の状態より、加圧ローラ３３９から離れた位置で支持部材６２をねじ６４で固定している。この場合の巻き付け角θＢは約５５°である。

図９（ｃ）は、図９（ｂ）の状態から、巻き付け角をさらに大きくした状態を示す。上流側巻き付けローラ６１の位置は図９（ｂ）の状態より、加圧ローラ３３９に近い位置で支持部材６２をネジ６４で固定している。この場合の巻き付け角θＣは約１０５°である。

このように、巻き付け角が大きいと、記録媒体Ｗが巻きつけローラ６１へ接触する圧接面積が大きくなり、巻き付けローラ６１との接触後にシワが残ったとしても、より広範囲でシワを引き延ばして軽減することができる。

このように、本構成で、巻き付け角を自在に設定可能となる。図９（ａ）〜図９（ｃ）の状態の遷移は、壁１０ｗから突出した軸６３を手動により移動させることにより、支持部材６２の状態が変化し、巻き付けローラ６１の位置が移動する。

本実施形態においては、上記第１実施形態と同様に、印刷時の前処理液塗布動作中は、巻き付け角量の調整はせず、シワが出ない方向の条件である巻き付け角が大きい状態で固定、使用することができる。即ち、記録媒体の装填時には、図９（ｂ）に示すように手動で巻き付け量を小さくして巻き付けローラ６１と加圧ローラ３３９とを離間させ、充填後に、図９（ｃ）に示すように巻き付け量を大きく巻き付けローラ６１と加圧ローラ３３９とを近接させるように手動により移動させる。

このように、巻き付けローラ６１を加圧ローラ３３９の記録媒体Ｗの搬送方向上流側に設置して記録媒体Ｗの搬送路を屈曲させることで、記録媒体Ｗの搬送時のたるみによる波を、記録媒体Ｗが塗布ニップＮに到達する前に軽減してシワの発生を抑制することができる。

＜第３実施形態＞
図１０は、本願の第３実施形態に係る塗布機構３３Ｂのローラ軸方向概略構成図であり、図１１は、図１０の塗布機構３３Ｂのローラ延伸方向概略構成図である。

本実施形態の巻き付けユニット５０Ａの構成は第１実施形態と同様であるが、偏心カム５３の芯５３ｓが筐体１０の外に突出せず、巻き付け角度調整モータ（偏心カム用モータ）５５に接続されている点が異なる。さらに、巻き付け角度調整モータ５５は、塗布制御部８１へ接続されている。

本実施形態では、塗布制御部８１で、巻き付け量（角度）を設定して、巻き付け角度調整モータ５５を制御することで、偏心カム５３を回転させ、適当な位置で固定させることで、記録媒体Ｗの加圧ローラ３３９へ巻き付け角を調整する。

図１２は塗布制御部８１のうち、本実施例に関連する部分の一例を示すブロック図である。塗布制御部８１は、記録媒体Ｗの搬送速度、記録媒体Ｗの種類、処理液Ｌの温度から決定された、巻き付け用偏心カム５３の移動量を決定する塗布量制御部７０と、該塗布量制御部７０からの信号によって、巻き付け角度調整モータ５５を駆動するモータドライバ（巻き付け角度調整モータドライバ）７７とを有している。

塗布量制御部７０は、記録媒体Ｗの種類、記録媒体Ｗの搬送速度、処理液Ｌの温度に応じて、記録媒体Ｗと加圧ローラ３３９が最適な巻き付け角度となるように、巻き付け用偏心カム５３の移動量（回転角度）を決定する。そしてモータドライバ７７によって、巻き付け角度調整モータ５５を動作させる。

塗布量制御部７０は、塗布量設定手段７１、搬送速度設定手段（記憶媒体搬送速度設定手段）７２、記録媒体種類設定手段７３、処理液温度検知手段７４、巻き付け角度情報記憶手段７５、及び巻き付け角度制御手段７６を備える。

搬送速度設定手段７２は、記録媒体Ｗの速度設定値情報を、記録媒体種類設定手段７３は記録媒体Ｗの種類情報を、処理液温度検知手段７４は処理液温度センサによって検出された処理液Ｌの温度情報を、それぞれ塗布量設定手段７１に送る。塗布量設定手段７１は、処理液Ｌの塗布量を決定し、巻き付け角度制御手段７６に送る。巻き付け角度情報記憶手段７５は、テーブルまたは算出式を予め記憶している。処理液Ｌの塗布量を決定し、巻き付け角度制御手段７６に送る。

この塗布量設定手段７１が決定した塗布量は、加圧ローラ３３９と塗布ローラ３３８との塗布ニップＮにかかる圧力を制御するように、加圧ローラ用モータドライバ７８を制御する。これにより、加圧ローラ位置調整モータ２７ａを介して、（加圧ローラ用）偏心カム２７の回転を制御し、加圧ローラ３３９の上下方向の位置を調整する。

さらに、決定した塗布量は、揺動速度にも反映させるため、揺動制御部８２にも送る。ここで、揺動制御部８２は、塗布ユニット１５に備えられた塗布ローラ３３８を揺動させる揺動速度を、印刷速度（即ち記録媒体Ｗの搬送速度）、又は処理液Ｌの塗布量に基づいて調整している。さらに揺動制御部８２は、印刷速度又は処理液Ｌの塗布量に応じて、揺動を断続的に実施するか否かを調整しうる。また、揺れる断続的に実施する場合の揺動停止期間も、印刷速度又は処理液Ｌの塗布量に応じて調整しうる。

上述のように、塗布ニップ部Ｎにおいて、加圧ローラ３３９に対して塗布ローラ３３８が揺動することで、記録媒体Ｗの幅方向の揺動に伴って、記録媒体の搬送にたるみが生じる恐れがあり、揺動速度と記録媒体Ｗのたるみとに相関があると考えられる。

よって、巻き付け角度情報記憶手段７５は、巻き付け量と、塗布量、搬送速度、又は/及び揺動速度情報（揺動速度とともに、連続揺動・断続揺動の情報も含む）との相関関係を設定した１又は複数の相関テーブル又は対応するパラメータが記憶されている。さらに、巻き付け角度情報記憶手段７５は、温度と塗布量との相関、搬送速度と塗布量、揺動速度と塗布量の相関などの相関テーブルも記憶されていてもよい。

巻き付け角度制御手段７６は、塗布量設定手段７１で決定された処理液Ｌの塗布量情報、搬送速度設定手段７２が設定した搬送速度情報、及び/又は揺動制御部８２が設定した揺動速度情報を元に、巻き付け角度情報記憶手段７５に保持された相関テーブルに従い、巻き付け角度を決定する。あるいは、巻き付け角度制御手段７６は、処理液Ｌの塗布量情報、搬送速度情報、及び/又は揺動速度情報を元に、巻き付け角度情報記憶手段７５に保持されたパラメータ計算から求められた数値に応じて巻き付け角度を決定してもよい。

また、塗布量制御部７０にオペレータがユーザーインターフェースなどから直接、処理液Ｌの塗布量、搬送速度、及び揺動速度情報を設定して、その設定値に対して巻き付け角度制御手段７６が、巻き付け角度をコントロールしてもよい。

巻き付け角度制御手段７６は決定した巻き付け角度に応じて、巻き付け用偏心カム５３の移動量を決定し、モータドライバ７７に信号を出力し、巻き付け角度調整モータ５５を駆動することで巻き付け用偏心カム５３を移動し、塗布量制御を行う。

図１３は処理液Ｌの塗布開始時における巻き付け用偏心カム５３の制御を説明するためのフローチャートで、塗布開始までのステップを示している。

塗布量制御部７０において、まず、装置のイニシャライズ（Ｓ１１）動作を実行し、巻き付け用偏心カム５３を所定のホームポジションまで移動する。イニシャライズ後、記録媒体種類設定手段７３は記録媒体Ｗの種類情報を取得し（Ｓ１２）、搬送速度設定手段７２は記録媒体Ｗの搬送速度を取得し（Ｓ１３）、処理液温度検知手段７４は処理液温度センサ４６から処理液Ｌの温度情報を取得する（Ｓ１４）。

塗布量設定手段７１はＳ１１からＳ１４までで読み取られた情報を元に、予め設定されたテーブルまたは算出式により、処理液Ｌの塗布量を決定し、巻き付け角度制御手段７６に送る（Ｓ１５）。

巻き付け角度制御手段７６は、Ｓ１５で設定した塗布量、Ｓ１３で設定した記録媒体Ｗの搬送速度、及び揺動制御部８２から取得した揺動速度情報を元に、巻き付け角度情報記憶手段７５に保持されたテーブル情報に従い、所望の加圧ローラ３３９への巻き付け角度になるように、巻き付け用偏心カム５３の移動量を決定する。そして、モータドライバ７７に信号を出力し、巻き付け角度調整モータ５５を駆動する（Ｓ１６）。

巻き付け角度調整モータ５５によって、巻き付け用偏心カム５３を指定位置まで移動させた後（Ｓ１７）、印刷開始から記録媒体Ｗへの処理液Ｌの塗布を開始する（Ｓ１８）。

図１４、図１５は塗布開始後の動作を示すフローチャートであり、そのうちの図１４は、塗布動作中の印刷速度変更に対する制御フローチャートである。

処理液Ｌの塗布開始後（Ｓ２１）、搬送速度設定手段７２が記録媒体Ｗの搬送速度の変更情報を読み取った場合（Ｓ２２）、塗布量設定手段７１は、読み取った新たな速度情報を元に、予め設定されたテーブルまたは算出式により、処理液Ｌの塗布量を決定する。そしてその情報巻き付け角度制御手段７６に送る。巻き付け角度制御手段７６は、塗布量情報と、搬送速度と、変化した搬送速度・塗布量情報に対応する揺動速度とを元に、巻き付け角度情報記憶手段７５に保持されたテーブル情報に従い、巻き付け用偏心カム５３の回転量を決定する（Ｓ２３）。

そして、該回転量を、モータドライバ７７に信号を出力し、巻き付け角度調整モータ５５を駆動し、偏心カム５３を回転させる（Ｓ２４）。

巻き付け角度調整モータ５５によって、巻き付け用偏心カム５３を指定位置まで移動させた後（Ｓ２５）、記録媒体Ｗへの処理液Ｌの塗布を開始する（Ｓ２６）。このような制御によれば、印刷速度変更時も停止することなく、処理液Ｌの塗布を継続できる。

図１５は、印刷動作中の処理液Ｌの温度変化に対する制御フローチャートである。塗布開始後（Ｓ３１）、処理液温度検知手段７４は、処理液温度センサ４６によって処理液Ｌの温度の変化（例えば０．５℃毎）を検知した場合（Ｓ３２）、塗布量設定手段７１は、検知した温度変化情報を元に、予め設定されたテーブルまたは算出式により、処理液Ｌの塗布量を決定し、巻き付け角度制御手段７６に送る。巻き付け角度制御手段７６は、塗布量設定手段７１によって設定された塗布量情報と、搬送速度と、変化した塗布量情報に対応する揺動速度情報とを元に、巻き付け角度情報記憶手段７５に保持されたテーブル情報に従い、巻き付け用偏心カム５３の回転量を決定する（Ｓ３３）。

そして、モータドライバ７７に信号を出力し、決定した回転量になるように巻き付け角度調整モータ５５を駆動し、巻き付け用偏心カム５３を移動する（Ｓ３４）。

巻き付け角度調整モータ５５によって、巻き付け用偏心カム５３を指定角度まで回転させて（Ｓ３５）、記録媒体Ｗへの処理液Ｌの塗布を継続する。

本動作によれば、印刷動作中の処理液Ｌの温度変化に対しても、処理液温度検知手段７４からの情報により、塗布量設定手段７１に保持されたテーブル情報に従って塗布量を補正し、補正した塗布量に対応する記録媒体Ｗの張力及び加圧ローラ３３９への巻き付け角になるように、巻き付け用偏心カム５３の制御を行うことができる。よって、適切な記録媒体Ｗの張力で、適切に波及びシワを軽減した記録媒体Ｗにおいて塗布を実施することができる。

なお、本実施例のように、巻き付け角度記憶手段７５に保持された温度と塗布量との相関テーブル情報を０．５℃刻みなど細かくしておけば、処理液温度検知手段７４からの情報により、塗布量設定手段７１は細かく塗布量を補正可能となる。

巻き付け角度制御手段７６は、塗布量設定手段７１によって設定されたその塗布量情報と、搬送速度と、塗布量及び搬送速度に対応する揺動速度情報を元に、巻き付け角度情報記憶手段７５に保持されたテーブル情報に従い、巻き付け用偏心カム５３の回転量を決定する。そして、モータドライバ７７に信号を出力し、決定した回転量になるように巻き付け角度調整モータ５５を駆動することで、偏心カム５３を細かくコントロールできるので、張力及び加圧ローラ３３９への巻き付け角をきめ細やかにコントロール可能となり、記録媒体Ｗの急激なシワの発生を抑制する。

このように、巻き付けローラ５１を加圧ローラ３３９の記録媒体Ｗの搬送方向上流側に設置して記録媒体Ｗの搬送路を屈曲させることで、記録媒体Ｗの搬送時のたるみによる波を、記録媒体Ｗが塗布ニップＮに到達する前に軽減して、シワの発生を抑制することができる。

さらに、本実施形態では、巻き付け角度調整モータ５５により、偏心カム５３の角度を微調整できるので、支持部材５２は、処理液Ｌの所望の塗布量や所望の張力に応じて、加圧ローラ３３９に対する巻き付けローラ５１の位置を調整することができる。これにより、張力を細かく設定することが可能になり、塗布時においても随時状況よりシワを適切に防止することが可能になる。

＜第４実施形態＞
図１６は、本願の第４実施形態に係る塗布機構３３Ｃのローラ軸方向概略構成図であり、図１７は、図１６の塗布機構３３Ｃのローラ延伸方向概略構成図である。

本実施形態の巻き付けユニット６０Ａの構成は第１実施形態と大体同様であるが、軸６３は、筐体１０の壁１０ｗから突出せず、アーム部６８を介して偏心カム（巻き付け用偏心カム）６９に接続されている。さらに、この偏心カム６９が巻き付け角度調整モータ（偏心カム用モータ）５５Ａに接続され、巻き付け角度調整モータ５５Ａは、塗布制御部８１へ接続されている点が異なる。

本実施形態では、塗布制御部８１で、巻き付け量（角度）を設定して、巻き付け調整モータ５５Ａを制御することで、偏心カム６９を回転させて、巻き付けローラ６１の位置を左右に動かし、適当な位置で固定させることで、巻き付け角を調整する。

巻き付け角度モータ５５Ａの制御については、第３実施形態の制御と同様であり、本実施形態においても、塗布制御部８１により、図１３〜図１５に示すような制御を実施することができる。

このように、巻き付けローラ６１を加圧ローラ３３９の記録媒体Ｗの搬送方向上流側に設置して記録媒体Ｗの搬送路を屈曲させることで、記録媒体Ｗの搬送時のたるみによる波を、記録媒体Ｗが塗布ニップＮに到達する前に軽減して、シワの発生を抑制することができる。

さらに、本実施形態では、巻き付け角度調整モータ５５Ａにより、偏心カム６９の角度を微調整できるので、支持部材６２は、処理液Ｌの所望の塗布量や所望の張力に応じて、加圧ローラ３３９に対する巻き付けローラ６１の位置を調整することができる。これにより、張力を細かく設定することが可能になり、塗布時においても随時状況よりシワを適切に防止することが可能になる。

＜第５実施形態＞
図１８は本願の第５実施形態に係る塗布機構３３Ｄのローラ軸方向概略構成図である。本構成の特徴は、加圧ローラ３３９の上流側に上流側巻き付けローラ５１を設け、さらに、下流側に下流側巻き付けローラ５７を設けている。巻き付けローラ５７は、第１実施形態と同様に、支点５４、偏心カム（巻き付け用偏心カム）５９が設けられた支持部材５８に固定されている、巻き付けユニット５６で構成されている。

巻き付けローラ５１，５７を加圧ローラ３３９の前後に配置することで、搬送される記録媒体Ｗの加圧ローラ３３９への巻き付け角θを、第１〜４の実施形態よりもさらに大きく設定することができる。例えば図１８では約１６５°の巻き付け角となっている。

上述の図６のグラフに示すように、巻き付け角が大きいほど、用紙凹凸を小さくできるため、シワの発生をより抑える効果がある。つまり、第５実施形態の場合、第１〜第４実施形態よりシワの発生しやすいロール紙や、シワの発生しやすい条件（吸湿状態や、高湿度環境等）における記録媒体Ｗのシワを抑える効果がある。

しかし、第５実施形態では、加圧ローラ３３９の塗布ニップＮの下流側は処理液Ｌが塗られた面に、巻き付けローラ５７が接触することになるので、塗りムラの原因となる恐れがある。そこで、塗りムラを生じさせないように、搬送方向下流側は、できるだけ小さな巻き付け角として、巻き付けローラ５７と記録媒体Ｗの塗布面との接触面積を少なくするのが好ましい。

そこで、図１８に示した第５実施形態では、塗布ニップＮの下流側より、上流側の巻き付け角を大きく構成するほうが好ましい。２つの巻き付けローラに起因して加圧ローラの所望の角度を調整するために、第１実施形態のように、巻き付けローラ５１，５７の配置を固定してよいし、第３実施形態のように適宜、巻き付けローラ５１，５７の位置調整をしてもよい。

また、第２実施形態に示すような巻き付けユニット６０を塗布ニップＮの前後に２つ設置してもよく、この場合も固定であってもよいし、位置調整可能であってもよい。

このように、巻き付けローラ５１を加圧ローラ３３９の記録媒体Ｗの搬送方向上流側に設置して記録媒体Ｗの搬送路を屈曲させることで、記録媒体Ｗの搬送時のたるみによる波を、記録媒体Ｗが塗布ニップＮに到達する前に軽減して、シワの発生を抑制することができる。

なお、第５実施形態では第１実施形態で説明した巻き付けユニット５０を加圧ローラ３３９の前後に配置したが、第２実施形態で説明した巻き付けユニット６０を加圧ローラ３３９の前後に配置してもよい。この場合も、２つの巻き付けユニット６０が配置されること、又は位置が調整されることにより、加圧ローラ３３９に対して、塗布ニップＮの下流側より、上流側の巻き付け角を大きく構成するほうが好ましい。

以上の説明では、図２の裏面塗布機構３３について巻き付けローラ５１，６１，５７を適用して説明したが、巻き付けローラ５１，６１，５７を表面塗布機構３４に施しても同様の効果が得られる。

なお、上述の説明においては、塗布ローラ３３８及び加圧ローラ３３９が記録媒体Ｗの端部と接触することによる摩耗を防止するように塗布ユニット１５が揺動する構成の塗布機構３３，３４に、巻き付けローラ５１，６１，５７を適用した。しかし、巻き付けローラ５１，６１，５７は、揺動しない塗布ユニットを備える塗布機構に適用しても同様に、シワを防止する効果を得られる。

上述の説明においては、処理液として前処理液を用いて説明したが、処理液は後処理液であってもよい。

以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。

１ 給紙装置
３ 前処理塗布乾燥装置（前処理装置）
４ インクジェットプリンタ（記録装置）
１０ 筐体
１０ｏ 開口部
１０ｗ 壁
１４ 加圧ユニット
１５ 塗布ユニット（処理液収容容器）
２６ アーム（加圧ローラアーム）
２７ 偏心カム
２８ 引張ばね
３０ 移動機構（揺動手段）
３３，３３Ａ，３３Ｂ，３３Ｃ，３３Ｄ 裏面処理機構
３４，３４Ａ，３４Ｂ，３４Ｃ，３４Ｄ 表面処理機構
５０，５０Ａ 巻き付けユニット
５１（５１ｆ，５１ｒ） 巻き付けローラ
５２ 支持部材
５３ 偏心カム（巻き付け用偏心カム）
５４ 支点
５５，５５Ａ 巻き付け角度調整モータ
６０，６０Ａ 巻き付けユニット
６１ 巻き付けローラ
６２ 支持部材
６３ 軸
６４ ネジ
６５ 長穴
６６ 支点ピン
６７ 固定部材
６８ アーム部
６９ 偏心カム
７６ 巻き付け角度制御手段
８１ 塗布制御部
８２ 揺動制御部
３３０ 前処理液塗布ユニット（塗布装置、処理液塗布装置）
３３１ インフィードローラ（搬送手段）
３３２ フィードニップローラ（搬送手段）
３３７ スクイーズローラ
３３８，３４８ 塗布ローラ
３３９，３４９ 加圧ローラ
３４０ 前処理液供給ユニット
１００ 画像形成システム
Ｌ 前処理液（処理液）
Ｗ 記録媒体
Ｎ 塗付ニップ（当接部）

特開２０１４−０２４２２４号公報 特開２０１４−０５８１１８号公報

Claims (10)

1. 記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、
   前記記録媒体の搬送に従動し、該記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラと、
   前記塗布ローラとともに前記記録媒体を挟持、押圧する当接部を形成し、前記記録媒体へ前記処理液を塗布させる加圧ローラと、
   前記加圧ローラの近傍に配置される巻き付け部材と、を備え、
   前記記録媒体は、記録媒体搬送方向に連続した媒体であり、
   前記記録媒体を前記巻き付け部材の上側の面に巻き付かせることで、前記記録媒体を前記加圧ローラの下側の周面に巻き付けるように、前記記録媒体搬送方向に対して前記記録媒体を屈曲させる屈曲搬送路を形成する、
   処理液塗布装置。
2. 前記巻き付け部材は、前記加圧ローラの、前記記録媒体搬送方向の上流側に位置しており、前記記録媒体を前記加圧ローラと接触する前に屈曲させるように配置されており、
   前記巻き付け部材と接触する前の前記記録媒体は、前記巻き付け部材よりも低い位置から上昇する方向に、あるいは前記巻き付け部材と略等しい位置から水平方向に、搬送されて、前記記録媒体を前記巻き付け部材の上側の面に接触することを特徴とする、
   請求項１記載の処理液塗布装置。
3. 前記巻き付け部材は、前記加圧ローラの前記記録媒体搬送方向の上流側及び下流側に位置しており、前記記録媒体を前記加圧ローラと接触する前及び後に屈曲させることを特徴とする、
   請求項２に記載の処理液塗布装置。
4. 前記巻き付け部材は支持部材によって支持されており、
   該支持部材は、前記加圧ローラに対する前記巻き付け部材の位置を調整可能にすることで、前記記録媒体の前記加圧ローラへの巻き付け角度を調整可能にすることを特徴とする、
   請求項１乃至３のいずれか一項記載の処理液塗布装置。
5. 前記記録媒体を充填する際、前記支持部材は前記巻き付け部材の位置を前記加圧ローラから遠ざけるように調整することを特徴とする、
   請求項４記載の処理液塗布装置。
6. 前記巻き付け部材は、前記記録媒体が前記加圧ローラの前記周面へ巻きつく、巻き付け角度を４５度以上となるように配置される、又は位置調整されることを特徴とする、
   請求項１〜５のいずれか一項記載の処理液塗布装置。
7. 前記巻き付け部材は、前記加圧ローラの前記記録媒体搬送方向の上流側及び下流側に位置しており、前記記録媒体を前記加圧ローラと接触する前及び後に屈曲させており、
   前記記録媒体が前記加圧ローラの前記周面へ巻きつく巻き付け角度が前記下流側よりも前記上流側を大きくするように、前記上流側及び前記下流側の前記巻き付け部材を配置する、又は位置調整されることを特徴とする、
   請求項１〜６のいずれか一項記載の処理液塗布装置。
8. 前記加圧ローラ及び前記巻き付け部材に対して、前記塗布ローラの位置を、処理液塗布動作中に前記記録媒体の幅方向に揺動させる揺動手段を、さらに備えることを特徴とする、
   請求項１〜７のいずれか一項記載の処理液塗布装置。
9. 前記巻き付け部材は支持部材によって支持されており、
   前記支持部材は、前記処理液の所望の塗布量、前記記録媒体の搬送速度、及び/又は前記揺動手段の揺動速度に応じて、前記加圧ローラに対する前記巻き付け部材の位置を調整することを特徴とする、
   請求項８記載の処理液塗布装置。
10. 記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記記録媒体にインクを吐出し付着させる記録装置と、
    前記記録装置の前記記録媒体の搬送方向上流に位置する塗布装置と、を有し、
    前記塗布装置は、
    画像形成する前の前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、
    前記記録媒体の搬送に従動し、該記録媒体に処理液を塗布する塗布ローラと、
    前記塗布ローラとともに前記記録媒体を挟持、押圧する当接部を形成し、前記記録媒体へ前記処理液を塗布させる加圧ローラと、
    前記加圧ローラの近傍に配置される巻き付け部材と、を備え、
    前記記録媒体は、記録媒体搬送方向に連続した媒体であり、
    前記記録媒体を前記巻き付け部材の上側の面に巻き付かせることで、前記記録媒体を前記加圧ローラの下側の周面に巻き付けるように、前記記録媒体搬送方向に対して前記記録媒体を屈曲させる屈曲搬送路を形成する、
    画像形成システム。

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