JPH1080660A - 感熱転写材の製造方法 - Google Patents

感熱転写材の製造方法

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JPH1080660A
JPH1080660A JP8237419A JP23741996A JPH1080660A JP H1080660 A JPH1080660 A JP H1080660A JP 8237419 A JP8237419 A JP 8237419A JP 23741996 A JP23741996 A JP 23741996A JP H1080660 A JPH1080660 A JP H1080660A
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gravure
coated
ink
coating
substrate
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JP8237419A
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Kunio Ishii
邦夫 石井
Takeshi Yoshikawa
猛 吉川
Akihiko Kizaki
昭彦 木崎
Tatsuya Nakao
龍也 中尾
Motohiko Kashioka
元彦 柏岡
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続シート状被塗工基材へインキをグラビア塗
工する感熱転写材の製造方法において、インキの粘度や
インキの流動性が悪いことで、泳ぎ、すじ、セル目の残
留、ピンホール等の塗面不良が生じた場合でも、煩雑な
手間を要する塗工装置条件の調整をせずに、簡便に且つ
即時性をもって適性塗工面に調節する。 【解決手段】感熱転写用のグラビアインキあるいはホッ
トメルトインキをグラビア塗工装置を用いて被塗工基材
に塗工する感熱転写材の製造方法において、グラビア塗
工装置のグラビア版シリンダーとバックアップロールと
で被塗工基材をニップするニップ部から被塗工基材を引
き出すと共に、グラビア版シリンダーとバックアップロ
ールの中心を結んだ線に垂直に出口方向に引き出された
引き出し線より低い位置に設けた剥離ガイド部材の外周
下点を通過せしめることを特徴とする感熱転写材の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗工基材へ感熱
転写用のグラビアインキあるいはホットメルトインキを
塗工する感熱転写材の製造方法に関し、さらに詳しく
は、グラビア塗工適性の劣る感熱転写用のグラビアイン
キあるいはホットメルトインキ塗工液を用いてもグラビ
ア塗工独特の泳ぎ、ムラ等の不良塗工面の無い均一な塗
工面が得られる感熱転写材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、ワードプロセッサー、コ
ンピューター末端プリンター等の感熱転写装置は、ノン
インパクトで無騒音、メンテナンスフリー、低価格であ
る等の特徴を有するため急速に普及し、オフィス等の一
般用途から工業用途まで幅広く活用されている。また、
感熱転写装置に用いられる感熱転写材は通常、被塗工基
材へ感熱転写用のグラビアインキ又はホットメルトイン
キをグラビア塗工あるいはホットメルト塗工することで
製造される。
【0003】感熱転写材の製造に用いられる従来の塗工
装置には、例えば図8に示されているように、塗工液1
を収容した塗工液パン3が設けられており、グラビア版
シリンダー5の一部が前記塗工液1に浸漬されるべく前
記グラビア版シリンダー5が前記塗工液パン3の上方に
回転可能に設けられている。前記グラビア版シリンダー
5上には上下方向へ移動可能で被塗工基材Pをニップす
ると共に引き出すバックアップロール7が設けられてい
る。また、前記グラビア版シリンダー5の脇にはドクタ
ーブレード9が設けられている。また、ある塗工装置で
は、前記バックアップロール7の近傍に固定されたガイ
ドロール15が設けられている。
【0004】前記グラビア版シリンダー5には塗工部分
に相当する金属表面に深さが例えば20〜40mμ(深
さは目的用途によりこの限りではない)、一辺の長さが
例えば100〜150mμの凹状の塗工液1を保持する
セルが約25mμおき(一般にこの凸部を「土手」と呼
ぶ)に縦横に並んでおり、塗工はグラビア版シリンダー
5を塗工液1に漬け、余分な塗工液1をドクターブレー
ド9で掻き取った後被塗工基材Pがバックアップロール
7とグラビア版シリンダー5でニップされるニップ点N
を通過しグラビア版シリンダー5の剥離時に被塗工基材
Pに塗工液1が転移し、場合によってはガイドロール1
5を経て乾燥して感熱転写材となる。
【0005】被塗工基材Pへのグラビア塗工において
は、塗工液の粘度や流動性によって、泳ぎ、すじ、セル
目の残留、ピンホール等のいわゆる塗工面不良が生じる
ことがあり、種々の原因が考えられる。そのうちの代表
的塗工面不良に泳ぎ現象が上げられる。この泳ぎの現象
とは塗工面上に1〜3mm程度の不定形の濃淡を生じ、
塗工液膜厚が局所的に不均一面の状態をいい、主にはセ
ルから転移した塗工液が被塗工基材の画線部全面に均一
に広がらず、前後左右の不特定セルとのみ繋がり部分的
に色の濃いもしくは膜厚の厚い部分(山)と色の薄いも
しくは膜厚の薄い部分(谷)とが発生する現象を呼んで
いる。さらに極端な場合は、ピンホールが発生する。
【0006】この原因の一つとしてはグラビア塗工に用
いる塗工液の粘度や流動性(フロー)が、その時のグラ
ビア版シリンダー5の孔版形式、バックアップロール径
とゴム硬度等いわゆるグラビア塗工機の塗工条件におい
て適性領域を外れていることが多い。塗工液の適性領域
は一般的にはザーンカップ#3(離合社製)での秒数が
16〜20秒(25℃、塗工速度100m/分の時)程
度の粘度で、流動性としてはチキソトロピックよりニュ
ートンフローに近づく方が好ましく、粘度がこの範囲を
越えるか、流動性の悪いチキソトロピックの場合に泳ぎ
等の塗工面不良を生じることが多い。また、特に顔料分
の少ないかまたは顔料が含まれない樹脂ワニスを塗工し
た上に重ねて塗工する場合に、塗工面不良が多く発生す
る傾向がある。
【0007】従来より、一般のグラビア印刷ではウエッ
トインキの目標顔料濃度で所定色濃度の均一な印刷面を
得ることを目的とするため、溶剤を添加して希釈する
か、固形分比率の高い同一組成のインキを添加する、も
しくはメジウム(インキと同一組成の樹脂ワニスでこれ
を添加し粘度を下げずに顔料濃度を調整する)やレヂュ
ーサー(メジウムに体質顔料を分散したもので希釈した
インキにこれを添加し印刷物の視覚的色濃度をあまり変
化させずに粘度を上げる)類を添加することでインキの
インキ色濃度と粘度や流動性を調節することが行われ
る。
【0008】従って、このようにして固形分比率の増減
で印刷インキの色濃度と粘度や流動性を調整した場合に
は被印刷体上のインキドライ塗布量が変化し、さらにメ
ジウムやレジューサーを用いた場合にはドライ塗布膜の
組成も変化してしまうため、最終印刷膜のドライ塗布
量、ドライ組成がそれほど問題とならない、例えば軟包
装材料印刷、出版印刷等一般印刷の用途には有用な印刷
適性調整手段となっている。
【0009】しかし、感熱転写材を製造する場合には、
被塗工基材から感熱インキが転写することはもとより、
転写時のキレ、転写感度、印字品質、等感熱転写材の熱
感度を一定に得るためにインキのドライ膜厚を均一にす
る必要がある。また、最近では感熱転写材を用いた転写
記録物の色濃度、耐擦過性、密着性、耐候性、の諸特性
への要求が高く、必然的に感熱転写材の該諸特性を左右
する感熱インキの組成は、このような諸特性を満足させ
るべく使用できる材料は制限されることが多くなってき
ており、使用する材料の組成比率もある限定された範囲
に設計されるため製造上の都合で変化することは許容で
きないことが多い。その結果感熱転写材を製造するため
の感熱グラビアインキまたはホットメルトインキには塗
工の際に必要な粘度や流動性を具備させ難い環境となっ
ている。
【0010】例えば、感熱転写用グラビアインキは溶剤
に樹脂を溶解させたワニス中に着色剤としての顔料、場
合によってはワックスの微粒子をも同時に分散してなる
ことが多いため、インキ流動性はチキソトロピックにな
りやすく塗工し難い状態となることが多い。このような
塗工上の困難さがあるにもかかわらず、不良塗工面があ
ると感熱転写材で感熱転写記録装置(サーマルプリンタ
ー等)により記録を作成した場合、得られた記録物上に
は不良塗工面がそのまま再現されるために美麗な転写物
ができず問題が生じるため、塗工面不良の無いことが要
求される。また、ホットメルトインキに関しても樹脂、
ワックス、顔料の種類や配合量によって粘度や流動性が
大きく変化しさらにチキソトロッピクになりやすいが、
同様に感熱転写材として均一な塗工面が要求されてい
る。
【0011】これら流動性の劣る塗工液の塗工適性を良
くするため、一般印刷のインキと同様に溶剤で希釈する
かメジウムやレジューサーを用い固形分比率の増減でイ
ンキの粘度や流動性を調節した場合には被塗工基材上の
インキドライ塗布量が変化し、さらにメジウムやレヂュ
ーサーを用いた場合にはドライ塗布膜の組成も変化して
しまうため、最終塗工膜のドライ塗布量、ドライ組成が
重要となる感熱転写材を製造する場合には適用できなか
った。
【0012】即ち、感熱転写用グラビアインキまたはホ
ットメルトインキを被塗工基材に塗工する感熱転写材の
製造においては、感熱転写用グラビアインキまたはホッ
トメルトインキが感熱転写材としての該諸特性を最優先
に組成処方設計を行うと同時に被塗工基材上へのインキ
ドライ塗布量が設定されるため、一般印刷用のグラビア
インキのような適性塗工面を得るための粘度や流動性と
いった塗工適性が考慮され難い、あるいは考慮できない
環境となってきている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した様に、従来の
塗工装置では、感熱転写用インキは本来インキドライ塗
布量とドライインキ皮膜組成が重要となるにも関わら
ず、均一なインキドライ皮膜を得るための粘度や流動性
をインキ設計上制御することは難しい場合が多く、残さ
れた手段としていわゆる塗工条件といわれる、グラビア
版シリンダー5の版深や線数、さらにはポーシェル型や
コンベンショナル型等の腐食方式および格子型やピラミ
ッド型、斜線型等の彫刻方式を変更することでインキド
ライ塗布量を所望の設定値となるよう調節するしかな
く、場合によっては塗工速度やバックアップロール7の
ニップ圧力の増減、バックアップロール7の径を大きく
する、バックアップロール7のゴム硬度を下げる等の塗
工機条件の調節も必要となる。しかしながら、このよう
な調節は製造現場において通常かなりの手間と時間がか
かるため実際的な製造手段とは言い難く、最悪の場合に
は従来の感熱転写材の製造方法では適性な塗工面が得ら
れない場合も多かった。
【0014】本発明の目的は、連続シート状被塗工基材
へインキをグラビア塗工する感熱転写材の製造方法にお
いて、インキの粘度が適性粘度範囲を外れていることや
インキの流動性が悪いことで、泳ぎ、すじ、セル目の残
留、ピンホール等の塗面不良が生じた場合でも、煩雑な
手間を要する塗工装置条件の調整をせずに、簡便に且つ
即時性をもって適性塗工面に調節できる感熱転写材の製
造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1による本発明の感熱転写材の製造方法は、感
熱転写用のグラビアインキあるいはホットメルトインキ
をグラビア塗工装置を用いて被塗工基材に塗工する感熱
転写材の製造方法において、グラビア塗工装置のグラビ
ア版シリンダーとバックアップロールとで被塗工基材を
ニップするニップ部から被塗工基材を引き出すと共に、
グラビア版シリンダーとバックアップロールの中心を結
んだ線に垂直に出口方向に引き出された引き出し線より
低い位置に設けた剥離ガイド部材の外周下点を通過せし
めることを特徴とするものである。
【0016】請求項2による本発明の感熱転写材の製造
方法は、請求項1の感熱転写材の製造方法において、前
記引き出し線と該剥離ガイド部材の外周下点を通過する
被塗工基材との角度を変化せしめるべく前記剥離ガイド
部材を少なくとも上下方向へ調整可能に設けてなること
を特徴とするものである。
【0017】請求項3による本発明の感熱転写材の製造
方法は、請求項2の感熱転写材の製造方法において、前
記ニップ部から引き出された被塗工基材が前記グラビア
版シリンダーに接触する接触面積を調整すべく前記剥離
ガイド部材を調整可能に設けてなることを特徴とするも
のである。
【0018】本発明者らは、粘度が低いあるいは流動特
性がチキソトロピックであるために塗工面不良の生じる
感熱転写用のグラビアインキでも、バックアップロール
の直径やゴム硬度を調整するとその塗工面不良(泳ぎ
等)の程度が異なることに着目し、塗工面不良の原因が
単にインキの粘度や流動性だけではなく、グラビア版シ
リンダーと被塗工基材が接触し塗工面を形成する部分、
即ちグラビア版シリンダーとバックアップロールのニッ
プ部分の条件に関連すると考え、バックアップロールの
の直径やゴム硬度、印圧(ニップ圧)の条件を種々変え
て実験したところ塗工面不良(泳ぎ等)との相関が見ら
れた。さらに、この結果について考察した結果、剥離経
路としていずれもグラビア版シリンダーと被塗工基材の
剥離角度を小さくし、尚且つ、グラビア版シリンダーと
被塗工基材の接触面積を広げる方向で塗工面は向上する
ことを見いだした。これを簡便に実施する手段を鋭意検
討したところ、グラビア塗工装置のグラビア版シリンダ
ーとバックアップロールで被塗工基材をニップするニッ
プ出口部分に剥離ガイド部材を設け、該剥離ガイド部材
の外周下点を、グラビア版シリンダーとバックアップロ
ールの中心を結んだ線に垂直にニップ部から出口方向に
引き出した引き出し線より低い位置に設定し、被塗工基
材をグラビア版シリンダーとの接触面積および剥離角度
を変化させることで塗工面が飛躍的に向上することを見
いだし本発明に至った。
【0019】流動性が劣りチキソトロピックなためにレ
ベリングせず発生するピンホールも、被塗工基材をグラ
ビア版シリンダーとの接触面積および剥離角度を変化さ
せることで飛躍的に向上した。バックアップロールにゴ
ミ等が付着した場合にはゴミ等の周りに部分圧力抜けが
生じ、従来の装置では圧力不足のまま被塗工基材がバッ
クアップロールに沿ってグラビア版シリンダーから剥離
するためピンホールを生じるが、当装置ではグラビア版
シリンダーとの接触面積が広がるため被塗工基材がバッ
クアップロールを離れた後もグラビア版シリンダーと接
触できるため抜け状ピンホールは全て解決できた。
【0020】また、グラビア塗工方法の中でもダイレク
トグラビア方式について説明してきたが、本発明に用い
る該剥離ガイド部材は、グラビアオフセット方式の場合
には図6の如くオフセットロール11とバックアップロ
ール13のニップ出口直後に設けることで同様の効果が
見られる。また、版の回転方向が逆回転であるリバース
グラビア方式では良好な塗工面を得るため、特にバック
アップロールの真円度や平滑性が要求されるが、該剥離
ガイド部材を設けることで微細な凹凸や若干の偏肉を生
じたバックアップロールでも塗工面不良を抑制できる効
果が見られる。
【0021】さらに該剥離ガイド部材はインキの粘度や
流動性に関係のない、ダイレクトグラビア塗工時の静電
気による塗工面不良は、バックアップロールと被塗工基
材の剥離時に発生する静電気によるものと考えられ、被
塗工基材のグラビア版シリンダーへの接触面積を広げる
ことによりバックアップロールから剥離した被塗工基材
の静電気をグラビア版シリンダーとの接触時間を延ばす
ことでグラビア版シリンダーへ静電気が逃げるために改
善されるものと考えられ大幅に改善された。
【0022】より好ましくは該剥離ガイド部材の外周下
点がグラビア版シリンダーとバックアップロールの中心
を結んだ線に垂直にニップ部から出口方向に引き出した
引き出し線より低い位置で剥離ガイド部材を任意に移動
可能とすることで、被塗工基材の材質、厚み等の違いに
より巻き込みに抗する充分なテンション(張力)を調整
することも必要な場合があるが、接触面積を塗工面状態
に応じて調整することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】図1に本発明の感熱転写材の製造方法で用
いられる塗工装置が示されている。図1において従来技
術の欄で説明した図8における部品と同じ部品には同一
符号を符し重複する説明を省略する。図1において、グ
ラビア版シリンダー5とバックアップロール7で被塗工
基材Pをニップするニップ部Nの出口部分に剥離ガイド
部材17を設け、該剥離ガイド部材17の外周下点を、
グラビア版シリンダー5とバックアップロール7の中心
を結んだ線L1に垂直にニップ部Nから出口方向に引き
出した線L2より低い位置に設置した。
【0025】該剥離ガイド部材17は上下および前後に
位置が可変できるようになっており、図1に示すような
範囲でグラビア版シリンダー5と被塗工基材Pの接触面
積および剥離角度を調節できるようになっている。図1
のa点以上に設置した場合は該剥離ガイド部材17が無
い場合すなわちバックアップロール7単体の場合と同じ
ことになり、a点から印刷ユニット周りの構造上、下げ
られる限界点であるb点(塗工装置の構造により異な
る)までが実質的に調節できる範囲となる。該剥離ガイ
ド部材17をa点からb点に向かって下げていくことで
塗工面不良の生じたインキでも塗工面は向上し、特に被
塗工基材Pをグラビア版シリンダー5とバックアップロ
ール7の中心部分を結んだ線L1のニップ部Nから垂直
に出口方向に引き出した引き出し線L2のa点より下方
に下げることで顕著に効果が見られ、ポーシェル型、コ
ンベンショナル型等の腐食方式および格子型、ピラミッ
ト型、斜線型、ヘリオクリッシュグラフ型等の彫刻方式
等のグラビア孔版の変更によらず、適性塗工面とするこ
とができる。この剥離ガイド部材17の形状、材質につ
いては、本発明の塗工方法が実施できる範囲であればよ
く、設置位置については、図1中b点以上a点未満であ
ることを特徴とする。
【0026】剥離ガイド部材17の取り付け方の例とし
ては、バックアップロール7の上下移動ユニットに取り
付けた図2(取り付け側面図)、図3(取り付け正面
図)に示されているように剥離ガイド部材17を固定す
るベアリングホルダー23を上下動用回転ハンドル1
9、前後動回転ハンドル21をそれぞれ回すことにより
上下、前後動させることができ、また作業上もバックア
ップロール7と同時に上下動するため便利で安全であ
る。なお、図2、図3において、25はバックアップロ
ール7を上下動せしめるバックアップロール上下動用エ
アーシリンダー、26は塗工機側面フレームである。
【0027】図4は塗工装置の側面フレーム26に後付
けで取り付けた図であり、この場合には距離がやや長く
なるため、上下動のみである。また、図2〜4の剥離ガ
イド部材17は、ベアリングホルダー23に固定しても
ベアリングホルダー23から取り外しできるようにして
も良い。
【0028】ホットメルト塗工は、ダイレクトグラビア
塗工機、およびオフセットグラビア塗工機等の塗工液パ
ン、グラビア版シリンダー、バックアップロール、オフ
セットロール等の主要各部分を熱媒油等により加熱し、
塗工液(ホットメルトインキ)を加熱溶融して塗工する
ものであるため詳細は省略する。
【0029】
【実施例】以下、バックコート層およびバックコート面
と反対側の面に無色の剥離インキ層を有する被塗工基材
の無色の剥離インキ層上に、着色インキを塗工する感熱
転写材の製造例により、本発明を更に詳細に説明する。
実施例、比較例に用いる被塗工基材、着色インキ、本発
明の剥離ガイド部材の実施形態、ならびに塗工面の評価
方法について順に述べ、実施例と比較例の内容および結
果を表1にまとめた。尚、実施例中の「部」とは「重量
部」を示す。
【0030】
【表1】
【0031】〔被塗工基材〕基材(帝人(株)製の6μ
mのFB1バックコート付きポリエチレンテレフタレー
トフィルム)のバックコート面と反対側の面に下記組成
の無色の剥離インキを乾燥後の塗布量が1μmとなるよ
うに通常のグラビア塗工方法により塗工し、剥離インキ
層を設けた被塗工基材を作成した。 剥離層インキ組成 カルナバワックス 16部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 4部 トルエン 80部 上記組成物をボールミルで十分に分散混練し、剥離イン
キを調製した。
【0032】〔着色インキ組成〕下記組成の各着色イン
キを用いて本発明の実施例、比較例を実施した。着色インキ1 ポリエステル樹脂(東洋紡績製「バイロン 130」) 10部 カーボンブラック(三菱化学製「三菱カーボン MA-100 」) 10部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部 上記組成物をサンドミルで十分に分散混練した後、トル
エンにて固形分が14重量%となるように調節して着色
インキ1を調製した。この時のインキの粘度はザーンカ
ップ#3(25℃)で13秒であった。
【0033】着色インキ2 ポリエステル樹脂(東洋紡績製「バイロン 500」) 9部 アゾ顔料(東洋インキ製造製「リオノールレッドCP-A」) 11部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部 上記組成物をサンドミルで十分に分散混練した後、トル
エンにて固形分が14重量%となるように調節して着色
インキ2を調製した。この時のインキの粘度はザーンカ
ップ#3(25℃)で12秒であった。
【0034】着色インキ3(ホットメルトインキ) カーボンブラック(三菱化学製「三菱カーボン MA-100 」) 15部 パラフィンワックス(日本精蝋製「155 °F パラフィン」) 75部 エチレン−酢酸ビニル共重合体(東曹製「ウルトラセンUE-722」) 10部 上記組成物を3本ロ−ルで十分に分散混練した。
【0035】〔剥離ガイドロールの実施形態〕着色イン
キの塗工時における本発明の実施形態を図5、図6によ
り説明する。図5はダイレクトグラビア方式の実施形態
を、図6はグラビアオフセット方式の実施形態をそれぞ
れ示す。ここで剥離ガイド部材17は直径70mmφの
アルミ製のロールをグラビア版シリンダー5とバックア
ップロール7の中心を結んだ線(点線L1)のニップ部
Nから垂直に引いた引き出し線(点線L2)のニップ出
口より距離150mmの位置に剥離ガイド部材13の外
周の下点がくるように設置し、設置点Sとした。剥離ガ
イド部材17の上下調節位置については、被塗工基材P
がグラビア版シリンダー5とバックアップロール7との
ニップ部Nを出て剥離ガイド部材の設置点Sを±0と
し、設置点Sから上方向への移動を+(プラス)、下方
向への移動を−(マイナス)とした。尚、比較例はダイ
レクトグラビア方式、グラビアオフセット方式のいずれ
の場合も剥離ガイド部材17がない場合とする。着色イ
ンキ3については、ダイレクトグラビア方式のホットメ
ルト塗工機を使用した。本発明の実施例、比較例の塗工
条件はいずれも塗工速度100m/分、グラビア版シリ
ンダー5は直径200mmφのベタ版のヘリオクリッシ
ュグラフ型、線数250線の版を用い、グラビア塗工時
のバックアップロール7はゴム硬度90度の直径150
mmφのものを使用し、グラビアオフセット塗工時のオ
フセットロール11はゴム硬度90度の直径200mm
φのものを使用して着色層インキの乾燥後の塗布量が
0.5±0.1g/m2となるように設定した。実施結果
として、塗工面の均一性としては角度θが1.9°以上
であればかなりの改善が認められ、角度θが3.8°以
上は全て良好であったが、総合的には角度θは2〜1
3.5°の範囲が好ましく、角度θが3.8〜7.7°
がより好ましい。
【0036】〔塗面の評価方法〕着色インキを塗工後、
サンプルを採取してライトテーブル上で目視により塗工
面不良を判定した。なお、本発明は前述した実施の形態
の例に限定されることなく、適宜な変更を行うことによ
り、その他の態様で実施得るものである。例えば前記ニ
ップ部Nから引き出された被塗工基材Pがグラビア版シ
リンダー5に接触せしめる接触面積を調整するために、
グラビア版シリンダー5の近傍に補助ロールなどを設け
ても良い。
【0037】
【発明の効果】本発明の感熱転写材の製造方法によれ
ば、グラビア塗工方式を基本とした連続シート状被塗工
基材への塗工液の塗工において、塗工液の粘度や流動性
が通常のグラビア塗工での適性領域を外れている場合で
もグラビア塗工時のグラビア版シリンダーとバックアッ
プロールのニップの出口直後に設けた剥離ガイド部材を
使用することにより塗工現場において塗工液の粘度や流
動性を調節したり、塗工条件を変えることなく極めて簡
便に塗工面不良を解消して適性塗工面とすることがで
き、作業効率、生産効率の向上を顕著に図ることができ
る。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイレクトグラビア塗工方式での本発明のグラ
ビア塗工装置で剥離ガイド部材の調整範囲を説明するた
めの模式図である。
【図2】本発明の剥離ガイド部材をバックアップロール
の上下動ユニットに取り付けた場合の側面模式図であ
る。
【図3】本発明の剥離ガイド部材をバックアップロール
の上下動ユニットに取り付けた場合の正面模式図であ
る。
【図4】本発明の剥離ガイド部材を機械側面フレームに
取り付けた場合の正面模式図である。
【図5】ダイレクトグラビア塗工方式における本発明の
実施形態を説明するための模式図である。
【図6】グラビアオフセット塗工方式における本発明の
実施形態を説明するための模式図である。
【図7】本発明の剥離ガイド部材の調整範囲を角度で説
明するための模式図である。
【図8】従来のダイレクトグラビア塗工装置について説
明するための模式図である。
【0000】
【符号の説明】
1 塗工液(インキ) 3 塗工液パン(インキパン) 5 グラビア版シリンダー 7 バックアップロール 9 ドクターブレード 11 オフセットロール 13 バックアップロール 15 ガイドロール 17 剥離ガイド部材 19 上下動用回転ハンドル 21 前後動用回転ハンドル 23 ベアリングホルダー 25 バックアップロール上下動用エアーシリンダー 26 塗工機側面フレーム P 被塗工基材 N ニップ部 L1 グラビア版シリンダーとバックアップロールの中
心を結んだ線 L2 グラビア版シリンダーとバックアップロールの中
心を結んだ線のニップ部から垂直に引き出した引き出し
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 龍也 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 (72)発明者 柏岡 元彦 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感熱転写用のグラビアインキあるいはホッ
    トメルトインキをグラビア塗工装置を用いて被塗工基材
    に塗工する感熱転写材の製造方法において、グラビア塗
    工装置のグラビア版シリンダーとバックアップロールと
    で被塗工基材をニップするニップ部から被塗工基材を引
    き出すと共に、グラビア版シリンダーとバックアップロ
    ールの中心を結んだ線に垂直に出口方向に引き出された
    引き出し線より低い位置に設けた剥離ガイド部材の外周
    下点を通過せしめることを特徴とする感熱転写材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記引き出し線と前記剥離ガイド部材の外
    周下点を通過する被塗工基材との角度を変化せしめるべ
    く前記剥離ガイド部材を少なくとも上下方向へ調整可能
    に設けてなることを特徴とする請求項1記載の感熱転写
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ニップ部から引き出された被塗工基材
    が前記グラビア版シリンダーに接触する接触面積を調整
    すべく前記剥離ガイド部材を調整可能に設けてなること
    を特徴とする請求項2記載の感熱転写材の製造方法。
JP8237419A 1996-09-09 1996-09-09 感熱転写材の製造方法 Pending JPH1080660A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016168543A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 株式会社リコー 塗布装置及び画像形成システム
JPWO2015098844A1 (ja) * 2013-12-26 2017-03-23 阪本 順 積層体の製造方法、積層体の製造装置、積層体、及び積層体を備えたタッチパネル

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