JP6628883B2 - 非水二次電池用電解液および非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池用電解液および非水二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水二次電池用電解液および非水二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、従来の二次電池(例えば、鉛電池およびニッケルカドミウム電池)と比較して、大きなエネルギー密度の充放電を実現することができる。この特性を利用して、携帯電話およびノートパソコンなどのポータブル電子機器へ広く適用されてきた。近年、適用用途の拡張に伴い、リチウムイオン二次電池の電池特性向上のための研究開発が盛んに行われている。特に、自動車をはじめとした輸送機器などへの用途展開に伴い、高速大容量放充電に係る性能、安全性の一層の向上、電極の高電位化への対応などのさらなる取り組みが求められるようになってきた。
リチウムイオン二次電池の電池特性を向上させる有力な方法の1つとして、電解液中に添加剤を含有させる技術が提案されている。例えば電池特性の1つであるサイクル特性の向上を目的として、種々の添加剤を用いることが報告されている(特許文献1〜7参照)。
特開昭62−86673号公報 特開2001−155772号公報 特開2004−63432号公報 特開2007−265858号公報 特開平5−47416号公報 特開2003−115298号公報 特開2014−029827号公報
これまで、サイクル特性の良化のために付与される機能性の添加剤としては、ベンゾフェノンまたはコハク酸など低分子量の有機化合物が主に検討されてきた(上記特許文献1〜4参照)。その作用機構は解明されていない点を含むが、主に負極に作用してその効果をもたらすものと考えられている。一方、特許文献7には負極ではなく正極に作用する有機金属化合物が記載されている。
近時、より高電位で駆動させることができる非水二次電池が求められている。この高電位駆動を実現し、さらに、サイクル特性等の電池性能に対する高度の要求水準も満たす非水二次電池とするためには、正極表面において、電解液中に含まれる有機溶媒等の高電位駆動下における酸化分解を抑制する必要がある。この酸化分解を抑制するための手段の1つとして、高電位下において正極表面にSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜を形成することが有効とされる。
特許文献7に記載の有機金属化合物は、電解液中に含有させることにより、非水二次電池を4V程度で駆動させた際に、正極表面にSEI被膜(以下、正極活物質層表面に形成されるSEI被膜を正極SEI被膜という。)を形成するものと考えられる。しかし、より高電位で非水二次電池を駆動する場合、特許文献7に記載の有機金属化合物では十分な正極SEI被膜を形成することができない。
上記状況に鑑み、本発明は、非水二次電池をより高電位(例えば5V程度)で駆動した際にも正極表面における有機溶媒等の酸化分解を効果的に抑制することができる非水二次電池用電解液を提供することを課題とする。また本発明は、上記非水二次電池用電解液を用いた非水二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、高電位で駆動できる非水二次電池を開発するために、正極SEI被膜形成用化合物を中心にして鋭意検討を重ねた。その結果、非水二次電池の電解液中に後述の一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物を含有させると、この非水二次電池を高電位駆動した場合にも、電解液中に含まれる有機溶媒等の酸化分解を効果的に抑制できることを見出した。本発明はかかる技術知見に基づき完成された。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)電解質と、有機溶媒と、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物とを含有する、非水二次電池用電解液。
Figure 0006628883
式中、MはTi、ZrまたはHfを示す。
、RおよびRは、各々独立して、アルキル基、アルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基含有基、スルホニル基含有基、ホスフィノ基、またはハロゲン原子を示す。aは0〜5の整数を示す。bは0以上の整数を示す。cは0〜5の整数を示す。
Ar芳香族炭化水素環または含窒素芳香族複素環を示す。一般式(II)において、複数のArは互いに連結していてもよい。
Arは含窒素芳香族複素環を示す。
(2)Ar が、ベンゼンまたはピリジンである、(1)に記載の非水二次電池用電解液。
3)Ar が、ピリジンである、(1)または(2)に記載の非水二次電池用電解液。
)有機溶媒としてカーボネート基を有する化合物を含有する、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液。
)正極と、負極と、(1)〜()のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液とを具備する、非水二次電池。
本発明の非水二次電池用電解液は、非水二次電池の電解液として用いることにより、非水二次電池を高電位駆動した場合でも、電解液に含まれる有機溶媒等の、正極表面における酸化分解を効果的に抑制することができる。また、本発明の非水二次電池は、高電位駆動した場合にも、正極表面における電解液の劣化を効果的に抑制することができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るリチウムイオン非水二次電池の機構を模式化して示す断面図である。 図2は、本発明の好ましい実施形態に係るリチウムイオン非水二次電池の具体的な構成を示す断面図である。 図3は、サイクリックボルタモグラムの説明図である。縦軸が電流量であり、横軸が電位である。 図4は、No.101の非水二次電池用電解液のサイクリックボルタモグラムである。縦軸が電流量であり、横軸が電位である。 図5は、C11の非水二次電池用電解液のサイクリックボルタモグラムである。縦軸が電流量であり、横軸が電位である。
[非水二次電池用電解液]
本発明の非水二次電池用電解液(以下、電解液ともいう)は、電解質と、有機溶媒と、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物とを含有する。以下、その好ましい実施形態について説明する。
<一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物>
上述のとおり、本発明の電解液は、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物を含有する。以下、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物を特定化合物と称することもある。
Figure 0006628883
一般式(I)〜(III)中、Mは遷移金属を示す。遷移金属の原子としては特に制限されないが、例えば、鉄原子(Fe)、チタン原子(Ti)、ジルコニウム原子(Zr)、ハフニウム原子(Hf)、およびイットリウム原子(Y)が好ましく、5V付近まで中心金属の価数変化に由来する酸化還元が起こりにくいため、Ti、Zr、およびHfがより好ましい。
Mの価数は特に制限されないが、2〜6が好ましく、3〜5がより好ましい。なお、例えば、Ti、ZrおよびHfの価数は通常4である。
、RおよびRは、各々独立して、アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3)、アルキルシリル基(好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜6、より好ましくは炭素原子数2または3)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜6、より好ましくは炭素原子数2または3)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3)、チオアルコキシ基(アルキルチオ基)(好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜6、より好ましくは炭素原子数1〜4)、アミド基(カルバモイル基)(好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3)、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基含有基(Ra−CO−)(好ましくは炭素原子数2〜7、より好ましくは炭素原子数2〜4)、スルホニル基含有基(Ra−SO−)、ホスフィノ基[−PR:Rは水素原子またはアルキル基](好ましくは炭素原子数0〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3)、またはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を示す。なお、上記Raは水素原子または置換基を表し、好ましい置換基としては、後記置換基Tの例が挙げられる。
上記R、RおよびRで示される置換基のなかでも、メチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、ホスフィノ基(好ましくは炭素原子数2〜6、より好ましくは炭素原子数2または3)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜6、より好ましくは炭素原子数2〜4)およびメトキシ基が好ましく、メチル基およびメトキシ基がより好ましい。
aは0〜5の整数を示す。なかでも、0〜4の整数が好ましく、0あるいは1がより好ましく、0が特に好ましい。
bは0以上の整数を示す。なかでも0〜5の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。
cは0〜5の整数を示す。なかでも、0〜4の整数が好ましく、0あるいは1がより好ましく、0が特に好ましい。
、RまたはRが複数ある場合は、複数のR同士、R同士またはR同士はそれぞれ同じでも異なってもよい。
が複数ある場合は、R同士が互いに結合または縮合して、脂肪族環または芳香族環を形成していてもよい。また、Rが1つの場合および複数ある場合のいずれも、Rは、シクロペンタジエニルの環構成原子とともに環を形成していてもよい。
が複数ある場合は、R同士が互いに連結していてもよく、R同士が互いに結合または縮合して、脂肪族環または芳香族環を形成していてもよい。また、Rが1つの場合および複数ある場合のいずれも、Rは、ArまたはArの環構成原子とともに環を形成していてもよい。
が複数ある場合は、R同士が互いに結合または縮合して、脂肪族環または芳香族環を形成していてもよい。また、Rが1つの場合および複数ある場合のいずれも、Rは、シクロペンタジエニルの環構成原子とともに環を形成していてもよい。
上記脂肪族環としては、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環が挙げられる。一方、上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が挙げられる。
またはRが、シクロペンタジエニルの環構成原子とともに形成する環の具体例として、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環が挙げられる。
が、ArまたはArの環構成原子とともに形成する環の具体例として、ナフタレン環、ベンゾオキサゾリウム環、ベンゾチアゾリウム環が挙げられる。
とRとは互いに連結していてもよい。
Arは芳香族環を表す。芳香族環は、好ましくは、芳香族炭化水素環(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは炭素原子数6〜10)または芳香族複素環(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは炭素原子数3〜10、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環基)であり、より好ましくは含窒素芳香族複素環である。これらのなかでも、ベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素環、およびピリジン、イミダゾールなどの含窒素芳香族複素環が好ましく、ベンゼンまたはピリジンがより好ましい。
一般式(II)において、複数のArは互いに連結していてもよい。この場合の複数のAr間の連結構造としては、単結合、エーテル結合(−O−)、アルキレンが挙げられる。
Arが環構成原子としてMへの配位原子となりうる原子を含む場合には、ArとMとが配位結合していてもよい。
Arは含窒素芳香族複素環(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは炭素原子数3〜10、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環基)を示し、ピリジン、イミダゾール、オキサゾールが好ましい。
Arが環構成原子としてMへの配位原子となりうる原子を含む場合には、ArとMとが配位結合していてもよい。
置換基Tとしては、下記の置換基が挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基((好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシ基である。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
なお、本明細書において化合物ないし錯体として示したものについては、化合物ないし錯体そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を損なわない範囲で、所定の一部を変化させた誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換または無置換を明記していない置換基および連結基については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換または無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、上記置換基Tが挙げられる。
上記特定化合物の具体例を下記に挙げるが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
Figure 0006628883
本発明に用いられる特定化合物は、常法により合成することができる。
なお、本発明に用いられる特定化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、本発明の非水二次電池において、上記特定化合物が非水二次電池用電解液に含まれる有機溶媒等の成分の酸化分解を抑制する推定作用機構について説明する。ただし、本発明がこの説明によって限定して解釈されるものではない。
本発明においては、正極表面での特定化合物の分解反応が関与していると推定される。とりわけ、高電位の正極においてその抑制作用は顕著になると考えられる。つまり、非水二次電池を高電位(例えば5V程度)で駆動させる場合、正極表面において酸化により何らかの反応が進行し、正極表面に特定化合物を基質とした保護膜(正極SEI被膜)が形成されると考えられる。その結果、正極と非水二次電池用電解液との接触が抑制され、電解液に含まれる有機溶媒等の成分の酸化分解が抑制されるものと推定される。
ここで、本発明に用いられる特定化合物は、上記一般式(I)〜(III)に示すように、シクロペンタジエニルを有する配位子と芳香族環と結合した−C(=O)−O−構造を有する配位子とを有している。結果、正極活物質がLiイオンを脱挿入できる高電位で特定化合物が分解し、正極表面においてより選択的に正極SEI被膜が形成されて、電解液に含まれる有機溶媒等の酸化分解がより効果的に抑制されると推定される。
本発明の電解液は、適用される二次電池の構成にもよるが一般的には、上記特定化合物を0.01質量%〜1質量%程度含有することが好ましい。より好ましくは、0.05質量%〜0.5質量%である。電解質100質量部を基準とすると、本発明の非水二次電池用電解液は特定化合物を、0.0005〜0.05質量部含有することが好ましく、0.0025〜0.025質量部がより好ましい。
特定化合物の含有量が上記範囲内にあることで、(1)非水二次電池における抵抗の上昇および(2)この非水二次電池に含有されている非水二次電池用電解液に含まれる成分の酸化を効率的に抑制することができる。
(電解質)
本発明の電解液は、電解質を含有する。電解質としては金属イオンもしくはその塩が挙げられ、周期律表第1族もしくは第2族に属する金属イオン、またはその塩が好ましい。例えば、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられ、電解液の使用目的により適宜選択できる。二次電池などに使用される場合には、出力の観点からリチウム塩が好ましい。
本発明の電解液をリチウムイオン非水二次電池用電解液として用いる場合には、電解質としてリチウム塩を選択すればよい。リチウム塩としては、リチウムイオン非水二次電池用電解液の電解質に通常用いられるリチウム塩であれば特に制限はないが、例えば、以下に述べるリチウム塩が好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩等。
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。
これらのなかで、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiClO、Li(RfSO)、LiN(RfSO、LiN(FSO、およびLiN(RfSO)(RfSOが好ましく、LiPF、LiBF、LiN(RfSO、LiN(FSO、およびLiN(RfSO)(RfSOなどのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf、Rfはそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
なお、電解質、例えばリチウム塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
電解液における電解質の含有量は、特に限定されず、電解液の使用目的により適宜選択されるが、一般的には電解液全質量中10質量%以上50質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上30質量%以下である。なお、イオンの濃度として評価するときには、その好適に適用される金属との塩換算で算定されればよい。
(有機溶媒)
本発明に用いられる有機溶媒としては、特に限定されないが、非プロトン性有機溶媒であることが好ましく、なかでも炭素原子数2〜10の非プロトン性有機溶媒であることがより好ましい。非プロトン性有機溶媒は、エーテル基(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、エステル基(−C(=O)O−)、またはカーボネート基(−OC(=O)O−)を有する化合物が好ましく、電解質であるリチウム塩を高濃度で溶解でき、かつ、酸化還元に比較的耐性がある観点から、カーボネート基を有する化合物(好ましくは、炭素原子数3〜10)が好ましい。なお、本発明の説明において、エステル基(−C(=O)O−)基を有する化合物は、エーテル基(−O−)又はカルボニル基(−C(=O)−)を有する化合物に分類されない。一方、本発明の説明において、カーボネート(−OC(=O)O−)基を有する化合物は、エーテル基(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、又はエステル基(−C(=O)O−)を有する化合物に分類されない。
これらの化合物は置換基を有していてもよく、置換基の具体例として上記置換基Tが挙げられる。
有機溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、ジメチルスルホキシドまたはジメチルスルホキシド燐酸などが挙げられる。なかでも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、特に、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
しかしながら、本発明に用いられる有機溶媒は、上記例示によって限定されるものではない。
(機能性添加剤)
本発明の電解液には、各種の機能性添加剤を含有させることが好ましい。この添加剤により発現させる機能としては、例えば、難燃性の向上、サイクル特性の良化、容量特性の改善が挙げられる。以下に、本発明の電解液に適用することが好ましい機能性添加剤の例を示す。下記添加剤の一部は、有機溶媒として用いることもできるが、本発明では、上記のような機能の発現を意図して、添加剤として用いることもできる。
(A)芳香族性化合物
芳香族性化合物としては、ビフェニル化合物、アルキル置換ベンゼン化合物が挙げられる。ビフェニル化合物は2つのベンゼン環が単結合で結合している部分構造を有しており
ベンゼン環は置換基を有してもよく、好ましい置換基は、炭素原子数1〜4のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなど)、および炭素原子数6〜10のアリール基(例えば、フェニル、ナフチルなど)である。
ビフェニル化合物としては、具体的に、ビフェニル、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、4−メチルビフェニル、4−エチルビフェニル、および4−tert−ブチルビフェニルを挙げることができる。
アルキル置換ベンゼン化合物は、炭素原子数1〜10のアルキル基で置換されたベンゼン化合物が好ましく、具体的には、シクロヘキシルベンゼン、t−アミルベンゼン、およびt−ブチルベンゼンを挙げることができる。
(B)ハロゲン含有化合物
ハロゲン含有化合物が有するハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、または、臭素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。1分子中のハロゲン原子の数としては1〜6個が好ましく、1〜3個が更に好ましい。ハロゲン含有化合物としてはフッ素原子で置換されたカーボネート化合物、フッ素原子を有するポリエーテル化合物、フッ素置換芳香族化合物が好ましい。
ハロゲン含有化合物はハロゲン置換カーボネート化合物であることが好ましく、これは鎖状、または、環状いずれでもよいが、イオン伝導性の観点から、電解質の金属イオン(例えばリチウムイオン)の配位性が高い環状カーボネート化合物が好ましく、5員環環状カーボネート化合物が特に好ましい。
ハロゲン置換カーボネート化合物の好ましい具体例を以下に示す。このなかでもBex1〜Bex4の化合物が特に好ましく、Bex1が特に好ましい。
Figure 0006628883
(C)重合性化合物
重合性化合物としては炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましく、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどの二重結合を有するカーボネート化合物、アクリレート基、メタクリレート基、シアノアクリレート基、およびαCFアクリレート基から選ばれる基を有する化合物、並びにスチリル基を有する化合物が好ましく、二重結合を有するカーボネート化合物、および重合性基を分子内に2つ以上有する化合物が更に好ましい。
(D)リン含有化合物
リン含有化合物としては、リン酸エステル化合物、およびホスファゼン化合物が好ましい。リン酸エステル化合物の好ましい例としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリベンジルなどが挙げられる。リン含有化合物としては、下記式(D2)または(D3)で表される化合物も好ましい。
Figure 0006628883
式中、RD4〜RD11は1価の置換基を表す。1価の置換基の中で好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、およびハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)である。RD4〜RD11の置換基の少なくとも1つはフッ素原子であることが好ましく、それ以外の基がアルコキシ基、アミノ基、およびフッ素原子から選択される置換基であることがより好ましい。
(E)硫黄含有化合物
硫黄含有化合物としては−SO−、−SO−、または−OS(=O)O−結合を有する化合物が好ましく、プロパンサルトン、プロペンサルトン、エチレンサルファイトなどの環状硫黄含有化合物、スルホン酸エステル類が好ましい。
環状硫黄含有化合物としては、下記式(E1)または(E2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006628883
式中、XおよびXはそれぞれ独立に、−O−、または−C(Ra1)(Rb1)−を表す。ここで、Ra1およびRb1は、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。置換基として、好ましくは炭素原子数1〜8のアルキル基、フッ素原子、炭素原子数の6〜12のアリール基である。αは5〜6員環を形成するのに必要な原子群を表す。αの骨格は炭素原子のほか、硫黄原子、酸素原子などを含んでもよい。αは置換されていてもよく、置換基としては置換基Tが挙げられ、好ましくはアルキル基、フッ素原子、およびアリール基である。
上記式(E1)または(E2)で表される化合物の具体例を以下に記載する。
Figure 0006628883
(F)ケイ素含有化合物
ケイ素含有化合物としては、下記式(F1)または(F2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006628883
F1はアルキル基、アルケニル基、アシル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基を表す。
F2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアルコキシ基を表す。
なお、1つの式に複数あるRF1およびRF2はそれぞれ異なっていても同じであってもよい。
(G)ニトリル化合物
ニトリル化合物としては、下記式(G)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006628883
式中、RG1〜RG3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルホニル基、またはホスホニル基を表す。各置換基の好ましいものは、上述の置換基Tの例を参照することができるが、なかでも、RG1〜RG3のいずれか一つ以上がシアノ基を含む、ニトリル基を複数有する化合物が好ましい。ngは1〜8の整数を示す。
式(G)で表される化合物の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、スクシノニトリル、マロノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2メチルグルタノニトリル、ヘキサントリカルボニトリル、プロパンテトラカルボニトリル等が挙げられる。好ましくは、スクシノニトリル、マロノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2メチルグルタノニトリル、ヘキサントリカルボニトリル、およびプロパンテトラカルボニトリルである。
(H)イミド化合物
イミド化合物としては、耐酸化性の観点より、炭素原子上に有する水素原子が全てフッ素化されたイミド化合物が好ましく、パーフルオロ化されたスルホンイミド化合物が好ましく、具体的にはパーフルオロ化されたスルホイミドリチウム化合物が挙げられる。
イミド化合物として、具体的には下記の構造が挙げられ、より好ましくはCex1およびCex2である。
Figure 0006628883
本発明の電解液は、上記の(A)〜(H)、負極被膜形成剤、難燃剤、過充電防止剤等から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。電解液中におけるこれら機能性添加剤の含有量は特に限定はないが、電解液全質量に対し、それぞれ、0.001質量%〜10質量%が好ましい。これらの化合物を添加することにより、過充電による異常時に電池の破裂および/または発火を効果的に抑制したり、高温保存後の容量維持特性および/またはサイクル特性を向上させたりすることができる。
[電解液の調製方法等]
本発明の非水二次電池用電解液は、金属イオンの塩としてリチウム塩を用いた例を含め、上記各成分を上記有機溶媒に溶解して、常法により調製される。
本発明において、非水二次電池用電解液における「非水」とは水を実質的に含まないことをいい、発明の効果を妨げない範囲で微量の水を含んでいてもよい。本発明の効果を妨げない観点から、水の含有量が200ppm(質量基準)以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、不可避的な混入を考慮すると、10ppm以上であることが実際的である。
本発明の電解液の粘度は特に限定されないが、25℃において、0.1〜10mPa・sであることが好ましく、0.5〜5mPa・sであることがより好ましい。
本発明において電解液の粘度は特に断らない限り、以下の測定方法で測定した値によるものとする。
――粘度の測定方法――
電解液1mLをレオメーター(CLS 500)に入れ、直径4cm/2°のSteel Cone(共に、商品名、TA Instrumennts社製)を用いて測定する。サンプルは予め測定開始温度にて温度が一定となるまで保温しておき、測定はその後に開始する。測定温度は25℃とする。
(キット)
本発明の電解液は複数の液体ないし粉末等から構成されたキットとされていてもよい。例えば、第1剤(第1液)を電解質と有機溶媒とで構成し、第2剤(第2液)を特定化合物と有機溶媒とで構成し、使用前に2液を混合して調液する形態などであってもよい。このとき、本発明のキットにおいては、その他の添加剤等を第1剤、第2剤、及び/又はその他の剤(第3剤)に含有させておいてもよい。なお、上記各成分の含有量は、混合後に上記の範囲となることが好ましい。
[非水二次電池]
非水二次電池は、正極と、負極と、上記電解液とを含有する。非水二次電池の好ましい実施形態の1例として、リチウムイオン非水二次電池についてその機構を模式化して示した図1を参照して説明する。ただし、同図およびこれに基づく説明により本発明が限定して解釈されるものではない。
リチウムイオン非水二次電池10は、上記本発明の非水二次電池用電解液5と、リチウムイオンの挿入放出が可能な正極C(正極集電体1、正極活物質層2)と、リチウムイオンの挿入放出または溶解析出が可能な負極A(負極集電体3、負極活物質層4)とを備える。これらの部材に加え、非水二次電池が使用される目的、電位の形状などを考慮し、正極と負極の間に配設されるセパレータ9、集電端子(図示せず)、および外装ケース等(図示せず)を含んで構成されてもよい。必要に応じて、非水二次電池の内部および外部の少なくともいずれかに保護素子を装着してもよい。このような構造とすることにより、電解液5内でリチウムイオンの授受aおよびbが生じ、充電αおよび放電βを行うことができ、回路配線7を介して動作機構6の運転あるいは蓄電を行うことができる。
(電池形状)
非水二次電池の電池形状には、特に制限はなく、例えば、有底筒型形状、有底角型形状、薄型形状、シート形状、および、ペーパー形状などが挙げられ、これらのいずれであってもよい。また、非水二次電池の電池形状は、非水二次電池が組み込まれるシステムおよび/または機器の形を考慮して、馬蹄形または櫛型形状等の異型であってもよい。なかでも、非水二次電池内部の熱を効率よく外部に放出する観点から、比較的平らで大面積の面を少なくとも一つを有する有底角型形状または薄型形状などの角型形状が好ましい。
有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電または放電時に内部抵抗による発生するジュール発熱を効率よく外部に逃げる設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。有底筒型の二次電池については、図2とともに後で説明する。
(電池を構成する部材)
本発明の非水二次電池は、本発明の電解液と、正極と、負極とを含み、さらにセパレータを具備して構成されてもよい。以下、これらの各部材について述べる。
(正極、負極)
正極および負極は、集電体(電極基材)上に、活物質、導電助剤、結着剤、フィラーなどを含む活物質層を構成するための分散物(合剤)を塗布しシート状に成形したものである。非水二次電池においては、通常、活物質が正極活物質である正極合剤と活物質が負極活物質である負極合剤が使用される。次に、活物質層を構成するための分散物(合剤)中の各成分等について説明する。
・正極活物質
正極活物質には遷移金属酸化物を用いることが好ましく、なかでも、遷移元素M(Co、Ni、Fe、Mn、Cu、Vから選択される1種以上の元素)を有することが好ましい。また、混合元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど)を混合してもよい。このような遷移金属酸化物として例えば、下記一般式(MA)〜(MC)のいずれかで表される特定遷移金属酸化物、またはその他の遷移金属酸化物としてV、MnO等が挙げられる。正極活物質には、粒子状の正極活物質を用いてもよい。具体的に、可逆的にリチウムイオンを挿入および放出できる遷移金属酸化物を用いることができるが、上記の特定遷移金属酸化物を用いることが好ましい。
遷移金属酸化物としては、上記の遷移元素Mを含む酸化物等が好適に挙げられる。このとき混合元素M(好ましくはAl)などを混合してもよい。混合量としては、遷移元素の量に対して0〜30mol%が好ましい。また、Li/Mのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものがより好ましい。
〔一般式(MA)で表される遷移金属酸化物(層状岩塩型構造)〕
遷移金属酸化物としてはなかでも下記一般式で表されるものが好ましい。
Liaabb ・・・ 一般式(MA)
一般式(MA)において、Mは上記Mと同義であり、好ましい範囲も同じである。aaは0〜1.2を示し、0.1〜1.15が好ましく、さらに0.6〜1.1がより好ましい。bbは1〜3を示し、2が好ましい。Mの一部は上記混合元素Mで置換されていてもよい。なお、一般式(MA)で表される遷移金属酸化物は、典型的には層状岩塩型構造を有する。
本遷移金属酸化物は下記の各一般式で表される化合物がより好ましい。
一般式(MA−1) LiCoO
一般式(MA−2) LiNiO
一般式(MA−3) LiMnO
一般式(MA−4) LiCoNi1−j
一般式(MA−5) LiNiMn1−j
一般式(MA−6) LiCoNiAl1−j−i
一般式(MA−7) LiCoNiMn1−j−i
一般式(MA−1)〜(MA−7)において、gは上記aaと同義であり、好ましい範囲も同じである。jは0.1〜0.9を示す。iは0〜1を示す。ただし、1−j−iは0以上になる。kは上記bbと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(MA−1)〜(MA−7)のいずれかで表される遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)、LiNi0.85Co0.01Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、およびLiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
一般式(MA)で表される遷移金属酸化物は、一部重複するが、表記を変えて示すと、下記で表される化合物も好ましい例として挙げられる。
(i)LiNiMnCo(x>0.2、y>0.2、z≧0、x+y+z=1)
代表的な化合物:
LiNi1/3Mn1/3Co1/3
LiNi1/2Mn1/2
(ii)LiNiCoAl(x>0.7、y>0.1、0.1>z≧0.05、x+y+z=1)
代表的な化合物:
LiNi0.8Co0.15Al0.05
また近年、高電位で使用できる活物質として、下記式(MA−8)で表される固溶体も好ましい。
LiM−LiMnO固溶体 式(MA−8)
式(MA−8)において、Mは上記一般式(MA)におけるMと同義である。
〔一般式(MB)で表される遷移金属酸化物(スピネル型構造)〕
遷移金属酸化物としては、特に下記一般式(MB)で表される化合物も好ましい。
Li ・・・ 一般式(MB)
一般式(MB)において、Mは上記Mと同義であり、好ましい範囲も同じである。cは0〜2を示し、0.1〜1.5が好ましく、0.6〜1.15がより好ましい。dは3〜5を示し、4が好ましい。
一般式(MB)で表される遷移金属酸化物は下記の各一般式で表される化合物がより好ましい。
一般式(MB−1) LimmMnnn
一般式(MB−2) LimmMnAl2−pnn
一般式(MB−3) LimmMnNi2−pnn
一般式(MB−1)〜(MB−3)において、mmはcと同義であり、好ましい範囲も同じである。nnはdと同義であり、好ましい範囲も同じである。pは0〜2を示す。上記遷移金属酸化物の具体例としては、LiMn、およびLiMn1.5Ni0.5が挙げられる。
一般式(MB)で表される遷移金属酸化物はさらに下記で表される化合物も好ましい例として挙げられる。
一般式(αa) LiCoMnO
一般式(αb) LiFeMn
一般式(αc) LiCuMn
一般式(αd) LiCrMn
一般式(αe) LiNiMn
高容量、高出力の観点で、上記のうちNiを含む電極がさらに好ましい。
〔一般式(MC)で表される遷移金属酸化物〕
遷移金属酸化物としては遷移金属リン酸化物を用いることも好ましく、なかでも下記一般式(MC)で表されるものも好ましい。
Li(PO ・・・ 一般式(MC)
一般式(MC)において、eは0〜2を示し、0.1〜1.5が好ましく、0.5〜1.15がより好ましい。fは1〜5を示し、0.5〜2が好ましい。
はV、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択される1種以上の元素を表す。Mは、上記の混合元素Mのほか、Ti、Cr、Zn、Zr、Nb等の他の金属で置換されていてもよい。具体例としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト化合物、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
なお、Liの組成を表す上記aa、c、g、mm、およびe値は、充放電により変化する値であり、典型的には、Liを含有したときの安定な状態の値で評価される。なお、一般式(αa)〜(αe)では特定値としてLiの組成を示しているが、これも同様に電池の動作により変化するものである。
正極活物質としてはなかでも、スピネル型ニッケルマンガン酸リチウム、オリビン型リン酸コバルトまたは上記式(MA−8)で表される固溶体が特に好ましく、具体例としては下記に記載する化合物が挙げられる。
LiNi0.5Mn1.5
LiCoPO
LiMnO−LiNi0.5Mn0.5固溶体
これらは高電位で使用できるため電池容量を大きくすることができ、また高電位で使用しても容量維持率が高いため、特に好ましい。
本発明において正極活物質には、特定化合物を酸化可能な充電領域を有するものを用いることが好ましい。具体的には、3.5V以上の正極電位(Li/Li基準)で通常使用を維持できる材料を用いることが好ましい。この正極電位は、3.8V以上がより好ましく、3.9V以上がさらに好ましく、4.2V以上が特に好ましい。この正極電位は、なかでも4.5V以上が好ましい。上限は特に制限されるものではない。ただし、5.2V以下が実際的である。このような範囲とすることで、サイクル特性および高レート放電特性を向上することができる。
ここで、通常使用を維持できるとは、その電圧で充電を行った際でも電極材料が劣化して使用不能になることがないことを意味し、この電位を通常使用可能電位ともいう。
充放電時の正極電位(Li/Li基準)は、下記式で表される。
(正極電位)=(負極電位)+(電池電圧)
負極としてチタン酸リチウムを用いた場合、負極電位は1.55Vとする。負極として黒鉛を用いた場合は負極電位は0.1Vとする。充電時に電池電圧を観測し、正極電位を算出する。
本発明の電解液は、高電位の正極と組み合わせて用いることが特に好ましい。高電位の正極を用いると、通常、非水二次電池における電解液の酸化劣化が大きく、サイクル特性が低下しがちであるが、本発明の電解液は、この低下を抑え良好な性能を維持することができる。
そのため、本発明の非水二次電池は高電位駆動での使用に好ましく用いることができ、例えば、駆動電位が4.6V以上の非水二次電池を好ましく挙げることができる。上限は特に制限されるものではないが、実際的な駆動電位の上限は、5.2V以下である。
ここで、駆動電位とは、充電時の設定電位の上限を意味する。
正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1μm〜50μmが好ましい。比表面積としては特に限定されないが、BET(Brunauer−Emmett−Teller)法で0.01m/g〜50m/gであるのが好ましい。また、正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては、7以上12以下が好ましい。
正極活物質を所定の粒子サイズにするには、通常の粉砕機または分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルまたは篩などが用いられる。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤で洗浄した後に使用してもよい。
正極活物質の含有量は特に限定されないが、正極活物質層を構成するための分散物(合剤)中、固形成分100質量%において、60〜98質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましい。
・負極活物質
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入および放出できるものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫および酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体およびリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、並びに、SnおよびSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料またはリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。
また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵および放出可能であれば特には制限されないが、構成成分としてチタンおよび/またはリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素原子からなる材料である。ここで、実質的に炭素原子からなるとは、本発明の効果を妨げない範囲で他の原子を含んでもよく、他の原子の含有量が0.1mol%(物質量基準)以下であることが好ましく、0.01mol%以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、0.0001mol%以上であることが実際的である。実質的に炭素からなる材料としては、例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、およびPAN(ポリアクリロニトリル)系の樹脂およびフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA(ポリビニルアルコール)系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
負極活物質として用いられる金属酸化物および金属複合酸化物は、これらの少なくとも1種を含んでいればよい。金属酸化物および金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイドも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であるのが好ましく、5倍以下であるのがより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
上記非晶質酸化物およびカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、およびカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、およびBiの1種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、並びにカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物およびカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物(例えば、LiSnO)であってもよい。
非水二次電池において、用いられる負極活物質の平均粒子サイズは、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、通常の粉砕機または分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルまたは篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
上記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
Sn、Siおよび/またはGeを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵および放出できる炭素質材料、リチウム、リチウム合金、およびリチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
本発明においては、チタン酸リチウム、より具体的にはリチウムとチタンとの複合酸化物(Li[Li1/3Ti5/3]O)を負極の活物質として用いることも好ましい。
負極活物質層を構成するための分散物(合剤)中、負極活物質の配合量は特に限定されないが、固形成分100質量%において60〜98質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。
・導電助剤
導電助剤は、構成された二次電池において、電子伝導性材料であれば何を用いてもよく、通常の導電助剤を任意に用いることができる。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維)、金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。そのなかでも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。
上記導電助剤の添加量としては、活物質層を構成するための分散物(合剤)中、固形成分100質量%において、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。カーボンブラックおよび黒鉛の場合は、分散物中、0.5〜15質量%が特に好ましい。
・結着剤
結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂およびゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられる。そのなかでも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが、より好ましい。
結着剤は、1種単独または2種以上を用いることができる。
結着剤の添加量は活物質層を構成するための分散物(合剤)中、固形成分100質量%において、1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。上記の範囲とすることで、電極体積の増加による電極単位体積あるいは単位質量当たりの容量の低下を抑制しつつ、分散物中の各成分の保持力および凝集力をより適切に保つことができる。
・フィラー
フィラーを形成する材料は、繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの材料からなる繊維状のフィラーが用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、活物質層を構成するための分散物(合剤)中、固形成分100質量%において、0〜30質量%が好ましい。
・集電体
正極および負極の集電体としては、電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムまたはステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、そのなかでも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
これらの材料から適宜選択した部材によりリチウムイオン非水二次電池の電極合材が形成される。
(セパレータ)
本発明に用いることができるセパレータは、正極と負極とを電子的に絶縁する機械的強度、イオン透過性、および正極と負極との接触面で酸化および/または還元耐性のある材料であれば特に限定されることはない。このような材料として多孔質のポリマー材料、無機材料、有機無機ハイブリッド材料、あるいはガラス繊維などが用いられる。セパレータは安全性確保のためのシャットダウン機能、すなわち、80℃以上で隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能、を持つことが好ましく、閉塞温度は90℃以上、180℃以下であることが好ましい。
セパレータの孔の形状は、通常は円形または楕円形で、セパレータの孔の大きさは通常は0.05μm〜30μmであり、0.1μm〜20μmが好ましい。さらに延伸法、相分離法で作った場合のように、棒状または不定形の孔であってもよい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は、20%〜90%であり、35%〜80%が好ましい。
多孔質のポリマー材料から得られるセパレータは、セルロース不織布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの単一の材料を用いたセパレータでも、2種以上の複合化材料を用いたセパレータであってもよい。孔径、気孔率または孔の閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔性フィルムを積層したセパレータが、好ましい。
無機材料としては、アルミナおよび二酸化ケイ素等の酸化物類、窒化アルミおよび窒化ケイ素等の窒化物類、硫酸バリウムおよび硫酸カルシウム等の硫酸塩類が好ましい。粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。無機材料から得られるセパレータの形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状が挙げられる。薄膜形状のセパレータとしては、孔径が0.01μm〜1μm、厚さが5μm〜50μmのセパレータが好適に用いられる。上記の独立した薄膜形状以外に、上記無機物の粒子を含有する複合多孔層を樹脂製の結着剤を用いて正極および/または負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子をフッ素樹脂の結着剤を用いて多孔層としてセパレータを形成させることができる。
(非水二次電池の作製)
本発明の非水二次電池の形状としては、シート状、有底角型形状、有底筒型形状(シリンダー状)などいずれの形にも適用できる。正極活物質または負極活物質を含む(分散物)合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
以下、図2により、有底筒型形状リチウムイオン非水二次電池100を例に挙げて、その構成および作製方法について説明する。有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電または放電時に内部抵抗による発生するジュール発熱を効率よく外部に逃がす設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。有底筒型形状リチウムイオン非水二次電池100は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を巻回して外装缶18内に収納した構成となっている。その他、図中の20が絶縁板、22が封口板、24が正極集電体、26がガスケット、28が圧力感応弁体、30が電流遮断素子である。なお、拡大した円内の図示は視認性を考慮しハッチングを変えているが、各部材は符号により全体図と対応している。
非水二次電池の好ましい作製方法としては、まず、負極活物質と、所望により用いられる結着剤およびフィラーなどを有機溶剤に溶解したものを混合して、スラリー状あるいはペースト状の負極合剤を調製する。得られた負極合剤を集電体としての金属芯体の両面の全面にわたって均一に塗布し、その後、有機溶剤を除去して負極活物質層を形成する。さらに、集電体と負極活物質層との積層体(合材)をロールプレス機等により圧延して、所定の厚みに調整して負極シート(電極シート)を得る。正極シートに関しても負極と同様の方法により得ることができる。このとき、各剤の塗布方法、塗布物の乾燥方法、および正極および負極の電極の形成方法は常法によればよい。
本実施形態では、円筒形の非水二次電池を例に挙げたが、本発明の非水二次電池はこれに制限されず、例えば、上記方法で作製された正極および負極の電極シートを、セパレータを介して活物質層が向き合うように重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工するか、或いは、折りまげた後角形外装缶に挿入して、外装缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いて開口部を封止して角形電池を形成してもよい。
いずれの実施形態においても、安全弁を開口部を封止するための封口板として用いることができる。また、封口部材には、安全弁の他、従来知られている種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子などが好適に用いられる。
また、上記安全弁のほかに外装缶(電池缶)の内圧上昇の対策として、外装缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電および/または過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは独立に接続させてもよい。
外装缶およびリード板は、電気伝導性をもつ金属または合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が好適に用いられる。
キャップ、外装缶、シート、リード板の溶接法は、通常の方法(例、直流または交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの通常用いられる化合物または混合物を用いることができる。
(初期化)
上記のようにして製造した本発明の非水二次電池は、製造後または使用前に初期化を行い、正極表面に正極SEI被膜を形成する。初期化は、特に限定されず、例えば、電池電圧が4.9Vになるまで0.2C定電流充電を行い、その後電池電圧が2.75Vになるまで1C定電流放電を行う。これを3回程度繰り返すことにより、行うことができる。
[非水二次電池の用途]
本発明の非水二次電池は、高電位で駆動しても非水二次電池用電解液の劣化が抑制されるため、種々の用途に適用される。特に、高電位駆動が要求されるアプリケーションに適用されることが好ましい。電気自動車などでは、高容量の二次電池を搭載し家庭で日々充電が行われる用途が想定される。また、高出力で駆動するために高い電池電圧が必要であり、電池本数を減らすために電池1本当たりの電池電圧を高くすることが重要になる。本発明によれば、このような使用形態に好適に対応してその優れた効果を発揮することができる。
適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車もしくは電動車両等の輸送機器、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
二次電池において電荷の輸送に用いられる金属イオンは特に限定されないが、周期律表第1族または第2族に属する金属イオンを利用したものであることが好ましい。なかでも、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、またはカルシウムイオン等を用いることが好ましい。リチウムイオンを用いた二次電池についての一般的な技術事項は冒頭に挙げた特許文献等、多くの文献および書籍があり参考になる。その他、ナトリウムイオンを用いた二次電池については、Journal of Electrochemical Society;Electrochemical Science and Technology、米国、1980年、第127巻、第2097〜2099頁等を参照することができる。マグネシウムイオンについては、Nature 407, p.724−727(2000)等を参照することができる。カルシウムイオンについては、J.Electrochem. Soc. Vol.138, 3536 (1991)等を参照することができる。本発明の電解液は、リチウムイオン非水二次電池に適用することが好ましいが、リチウムイオン非水二次電池以外の非水二次電池においても所望の効果を奏するものであり、これに限定して解釈されるものではない。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物の合成例)
(1)例示化合物A−1の合成
Journal of Organometallic Chemistry(1993年刊行、Volume 456、205−212ページ)に記載の方法で上述の例示化合物A−1を合成した。
(2)例示化合物A−2〜11および化合物AR−1〜2の合成
上述の例示化合物A−2〜11、後述する化合物AR−1〜2は、例示化合物A−1と同様にして合成した。
例示化合物A−1〜11が、上述の一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物であり、化合物AR−1および2が比較のための化合物である。なお、例示化合物AR−1およびAR−2は、特開2014−029827号公報のI−18およびI−25にそれぞれ相当する。以下、例示化合物A−1〜11および化合物AR−1〜2を添加剤と称する。
下記において、TMSはトリメチルシリルを表す。
Figure 0006628883
(非水二次電池用電解液の調製)
添加剤に対して、1M LiPFの炭酸エチレン/炭酸エチルメチル(体積比1対2)溶液を加え、添加剤の含有量が0.1質量%になるよう調整して、後述の表1に示す、No.101〜111およびC12〜C13の電解液を得た。なお、C11の電解液は添加剤を添加していない以外は、上記と同様にして調製した。
<試験>
No.101〜111およびC11〜C13の電解液について、3極セルを用いて、POX[%](電解液酸化量)を算出した。
3極セルに用いた正極は、下記組成の合材と、集電体としてアルミニウムとを用いて作製した。以下、このようにして作成した正極を、LNMO正極と称す。
正極活物質:ニッケルマンガン酸リチウム(LiNi0.5Mn1.5
85質量%
導電助剤:カーボンブラック 7質量%
結着剤:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%
作用電極として上記LNMO正極を、参照電極およびカウンター電極としてそれぞれLi金属を用いて、3極セルを構成した。上記3極セルに、上記で得られた電解液を注入し、サイクリックボルタンメトリー測定を行った。具体的には、各非水二次電池用電解液について、下記条件で合計4サイクル電位を掃引し、4サイクル目のサイクリックボルタモグラムを得た。No.101およびC11のサイクリックボルタモグラムをそれぞれ図4および図5に示す。
(サイクリックボルタンメトリー測定条件)
開始電位:3.5V
到達電位:5.2V
終止電位:3.5V
掃引速度:0.1mV/sで掃引を3サイクル(初期化)行った後
開始電位:3.5V
到達電位:5.5V
終止電位:3.5V
掃引速度:0.05mV/sで掃引を1サイクル行った。
(電解液酸化量POX[%]の算出)
得られたサイクリックボルタモグラムからPOX[%]を算出した。具体的には、図3に示すように、4.7V付近の低電位側のピークトップの酸化電流量をAMax、5.0V時の酸化電流量をAref、5.5V時の酸化電流量をAOXとして、下記計算式から電解液酸化量POX[%]を算出した。得られた結果を、表1に示す。

OX[%]={(AOX―Aref)/AMax}×100
Figure 0006628883
<表の注>
「−」:添加剤を含有しないことを示す。
No.C11の結果から、添加剤を含有しない電解液は、電解液酸化量が10%であった。このような電解液を用いた非水二次電池を高電位駆動させると、電解液が酸化劣化しやすく、使用にともない非水二次電池の性能が低下すると考えられる。
No.101〜111、C12、およびC13の結果から、比較用の添加剤を含有する電解液に対して、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物(添加剤)を含有する電解液では、いずれも電解液酸化量がC12の電解液酸化量に対して25%以上低減していた。例えば、電池において充放電効率の劣化分が25%改良されると、電池寿命が1.3倍に向上することに相当する。このためこれらの電解液を非水二次電池に使用すると、原理的に電池の容量維持率および保存性の向上、並びに膨れの改善が期待できる。
実施例2
実施例1において調製した電解液について、実施例1とは別の正極を用いた場合の電解液酸化量を評価した。
具体的には、実施例1の正極活物質として用いたニッケルマンガン酸リチウムを、オリビン型リン酸コバルト(LiCoPO)に変更した以外は、実施例1と同様にして、POX[%]を算出した。
得られた電解液酸化量について、C11の電解液酸化量(POX[%])を100とした場合の相対値を求め、以下の基準で評価した。得られた結果を、表2に示す。
−評価基準−
A:0以上30未満、
B:30以上60未満
C:60以上80未満
D:80以上100以下
Figure 0006628883
表2から明らかなように、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物(添加剤)を含有するNo.101〜111の電解液、添加剤を含まないC11の電解液、及び比較用の添加剤を含有するC12及びC13の電解液について、正極活物質をオリビン型リン酸コバルトに替えても実施例1と同様の結果が得られた。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2016年7月20日に日本国で特許出願された特願2016−142519に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
C 正極(正極合材)
1 正極導電材(集電体)
2 正極活物質層
A 負極(負極合材)
3 負極導電材(集電体)
4 負極活物質層
5 非水二次電池用電解液
6 動作機構
7 回路配線
9 セパレータ
10 リチウムイオン非水二次電池
12 セパレータ
14 正極シート
16 負極シート
18 負極集電体を兼ねる外装缶
20 絶縁板
22 封口板
24 正極集電体
26 ガスケット
28 圧力感応弁体
30 電流遮断素子
100 有底筒型形状リチウムイオン非水二次電池

Claims (5)

  1. 電解質と、有機溶媒と、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物とを含有する、非水二次電池用電解液。
    Figure 0006628883
    式中、MはTi、ZrまたはHfを示す。
    、RおよびRは、各々独立して、アルキル基、アルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基含有基、スルホニル基含有基、ホスフィノ基、またはハロゲン原子を示す。aは0〜5の整数を示す。bは0以上の整数を示す。cは0〜5の整数を示す。
    Ar芳香族炭化水素環または含窒素芳香族複素環を表す。一般式(II)において、複数のArは互いに連結していてもよい。
    Arは含窒素芳香族複素環を示す。
  2. 前記Ar が、ベンゼンまたはピリジンである、請求項1に記載の非水二次電池用電解液。
  3. 前記Ar が、ピリジンである、請求項1または2に記載の非水二次電池用電解液。
  4. 前記有機溶媒としてカーボネート基を有する化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  5. 正極と、負極と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液とを具備する、非水二次電池。
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