JP5886160B2 - 非水二次電池用電解液、非水二次電池電解液用キット及び非水電解液二次電池 - Google Patents

非水二次電池用電解液、非水二次電池電解液用キット及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、有機溶媒を含む非水二次電池用電解液、非水二次電池電解液用キット、及び非水二次電池用電解液を用いた非水電解液二次電池に関する。
昨今、注目を集めているリチウムイオン電池と呼ばれる二次電池は、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)と、リチウムの析出および溶解を利用する二次電池(いわゆるリチウム金属二次電池)とに大別される。これらは、鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られる。この特性を利用して、近年、カメラ一体型VTR(video tape recorder)、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器用の電源として広く普及している。アプリケーションの一層の拡充に伴い、ポータブル電子機器の電源として、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池の開発が進められている。さらに昨今では、小型化、長寿命化、高安全化も強く求められている。
リチウムイオン二次電池やリチウム金属二次電池(以下、これらを総称して単にリチウム二次電池ということがある。)の電解液としては、導電率が高く電位的にも安定であるため、炭酸プロピレンあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系の溶媒と、六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩との組み合わせが広く用いられている。
一方、電解液の添加成分に関して、サイクル特性等の良化を目的に電解液中に各種添加剤を含有させる技術が提案されている。例えば、特許文献1〜5においては、非水溶媒に特定の重合性化合物を添加する技術が開示される。
特開2003−086248号公報 特開平08−045545号公報 特開2001−006729号公報 特開2000−149989号公報 特許第4105127号公報
前記リチウム二次電池の適用範囲は、昨今、携帯機器のみならず、自動車用途など広範にわたる。これに伴い高温状態あるいは高速での充放電など様々な使用環境への適合性が求められるようになってきた。このような多様化した使用条件に対応するためには、上記従来技術では未だ十分とはいいがたい。そこで、本発明は、高温サイクル特性及びレート特性(高速充放電性)において良好な性能を発揮する非水二次電池用電解液、非水二次電池電解液用キット及び非水二次電池を提供することを目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕下式(1)で表されるアクリル化合物及び下式(2)で表されるスチレン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性化合物と、更に前記重合性化合物反応させる活性種を、電解酸化もしくは電解還元により生成する化合物Qと、電解質とを有機溶媒中に含有する非水二次電池用電解液。
Figure 0005886160
(式中、Raは、水素原子又はアルキル基を示す。Rbは、水素原子又は有機基を示す。Xは、下記(i)〜(v)のいずれかで表される環状極性基を含有する環状極性基含有有機基を示す。n、mは正の整数を示し、n+m=5である。n又はmが2以上のときは、Rb又はXは同じでも異なっていてもよい。)
Figure 0005886160
(式中、Lは、単結合、アルキレン連結基、エーテル連結基、アミノ連結基、カルボニル連結基、又はそれらの組合せを示す。Cyは環を形成する有機連結基を表す。*は式(1)のCO又は式(2)のベンゼン環と結合する部位を表す。Rdは水素原子又はアルキル基を表す。)
〔2〕Cyが、炭素数2〜4の炭化水素連結基である〔1〕に記載の非水二次電池用電解液。
〔3〕重合性化合物の添加量が0.001M〜0.1Mである〔1〕又は〔2〕に記載の非水二次電池用電解液。
〔4〕化合物Qの添加量が0.0001M〜0.01Mである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の非水二次電池用電解液。
〔5〕重合性化合物に対する化合物Qの割合が0.05〜0.5倍(モル比基準)である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の非水二次電池用電解液。
〔6〕化合物Qがエナミン化合物、芳香族ケトン化合物、メタロセン化合物、オニウム塩化合物、オキシム化合物、ビイミダゾール化合物、及びボレート化合物からなる群より選ばれる化合物である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の非水二次電池用電解液。
〔7〕正極、負極、および〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液を具備する非水電解液二次電池。
〔8〕ニッケルもしくはマンガンを有する化合物を正極の活物質として用いた〔7〕に記載の非水電解液二次電池。
〔9〕チタン酸リチウム(LTO)を負極の活物質として用いた〔7〕または〔8〕に記載の非水電解液二次電池。
〔10〕下式(1)で表されるアクリル化合物及び下式(2)で表されるスチレン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性化合物を含む薬剤と前記重合性化合物反応させる活性種を、電解酸化もしくは電解還元により生成する化合物Qを含む薬剤とを組み合わせた非水二次電池電解液用キット。
Figure 0005886160
(式中、Raは、水素原子又はアルキル基を示す。Rbは、水素原子又は有機基を示す。Xは、下記(i)〜(v)のいずれかで表される環状極性基を含有する環状極性基含有有機基を示す。n、mは正の整数を示し、n+m=5である。n又はmが2以上のときは、Rb又はXは同じでも異なっていてもよい。)
Figure 0005886160
(式中、Lは、単結合、アルキレン連結基、エーテル連結基、アミノ連結基、カルボニル連結基、又はそれらの組合せを示す。Cyは環を形成する有機連結基を表す。*は式(1)のCO又は式(2)のベンゼン環と結合する部位を表す。Rdは水素原子又はアルキル基を表す。)
〔11〕Cyが、炭素数2〜4の炭化水素連結基である〔10〕に記載の非水二次電池電解液用キット。
本発明の非水二次電池用電解液、非水二次電池電解液用キット及び非水二次電池は、高温でのサイクル特性に優れ、またレート特性において良好な性能を発揮する。
本発明の好ましい実施形態に係るリチウム二次電池の機構を模式化して示す断面図である。 本発明の好ましい実施形態に係るリチウム二次電池の具体的な構成を示す断面図である。
本発明の非水二次電池用電解液は、後記特定の重合性化合物と活性化合物Qとを有する。これにより、二次電池において優れた高温容量維持性とレート特性とを実現した。その理由は未解明の点を含むが、下記のように推定される。すなわち、重合性化合物単独では、負極、正極上での電解酸化、還元による皮膜形成が遅くなる傾向がある。前記化合物Qの電解酸化・還元により生成した活性種により効率的に重合性化合物が反応し、リチウム配位性基を持った緻密で耐久性のある皮膜が形成されたためと推定している。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明の構成が、この内容により限定して解釈されるものではない。
[非水二次電池用電解液]
本発明の非水二次電池用電解液は、下式(1)で表されるアクリル化合物および下式(2)で表されるスチレン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性化合物を含有する。
Figure 0005886160
・Ra
式中、Raは、水素原子又はアルキル基を示す。アルキル基としては、後記置換基Tの例が挙げられるが、なかでも、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基がより好ましい。このアルキル基はさらに置換基Tを有していてもよい。
・Rb
Rbは、水素原子又は有機基を示す。有機基としては、後記置換基Tの例が挙げられるが、なかでも、炭素数1〜6の酸素原子もしくは窒素原子を有していてもよい有機基を表し、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜6)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シアノ基がより好ましい。この有機基はさらに置換基Tを有していてもよい。
・n,m
n、mは正の整数を示し、n+m=5である。nまたはmが2以上のときは、RbまたはXは同じでも異なっていてもよい。
・X
Xは、環状極性基含有有機基を示す。ここで、「環状極性基」とは、環状構造を有しその環状構造の中に、ヘテロ原子が組み込まれている基を指す。ここで、そのヘテロ原子は、環を構成する原子として存在するか(例えば、エーテル基やアミノ基のヘテロ原子)、環を構成する炭素原子と二重結合で結合されている(例えば、カルボニル基の酸素原子)ことが好ましい。すなわち、環を構成する炭素原子と、単結合を介して結合したアルコキシ基やアミノ基中のヘテロ原子はここでの環に組み込まれたヘテロ原子に含まない意味である。また、環状極性基は脂環式のものであることが好ましい。すなわち、環構造のなかに不飽和結合(二重結合、三重結合)がないことが好ましい。ただし、前記のとおり、環構造をなす炭素原子と他の原子とが二重結合で結合していてもよい。
前記環状極性基は、環状炭酸エステル構造、ラクトン構造、環状エーテル構造、環状ケトン構造、または環状カーバメート構造を有する基であることが好ましい。さらに具体的には、下記(i)〜(v)のいずれかで表される基であることが好ましい。
Figure 0005886160
・L
式中、Lは、単結合、アルキレン連結基、エーテル連結基、アミノ連結基、カルボニル連結基、またはそれらの組合せを示す。アルキレン連結基が単結合以外であるとき、中でも炭素数1〜3が好ましく、メチレン基、エチレン基がより好ましい。アルキレン連結基は、さらに置換基Tを伴っていてもよい。アミノ基(−NR−)において、Rは水素原子もしくはアルキル基であることが好ましく、当該アルキル基はなかでも炭素数1〜3が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。当該Rがアルキル基のとき、さらに置換基を伴っていてもよい。
・Cy
Cyは環を形成する有機連結基を表す。Cyは飽和連結基であっても不飽和連結基であってもよいが、飽和連結基であることが好ましい。ヘテロ原子を含んでもよいが、ヘテロ原子を含まずに構成された炭化水素連結基であることが好ましく、アルキレン連結基であることがより好ましい。連結基Cyは炭素数2〜6の炭化水素連結基(好ましくはアルキレン連結基)であることが好ましく、炭素数2〜4の炭化水素連結基(好ましくはアルキレン連結基)であることがより好ましい。なお、連結基Cyは置換基Tを有していてもよく、当該置換基として、例えば、メチル基、エチル基が挙げられる。
なお、有機連結基Cyが有する置換基Tはその複数が連結して環Czを形成してもよく、あるいは、Lと連結して環を形成していてもよい。ここで形成される環Czは、例えば、シクロヘキサン構造の環、シクロペンタン構造の環、ボルナン構造の環が挙げられる。
・Rd、*
Rdは、Raと同義である。*は式(i)等と同義である。前記連結基LはRdから延びるものであっても、Rdに換えて延びるものであってもよい。また、RdはLと連結して環Czを形成していてもよい。
前記式(i)〜(v)は下記式(a)〜(e)であることが好ましい。
Figure 0005886160
・L、*
L、*は前記式(i)等と同義である。ただし、LはYないしRcから延びていてもよい。
・Rc
RcはRaと同義である。Rcが2つ以上あるとき、それらは互いに連結して環Czを形成していてもよい。あるいは、RcとLとが連結して環Czを形成していてもよい。
・Y
Yは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、セレン原子(Se)、メチレン基(CRe)、またはアミノ基(NRf)である。Re,RfはそれぞれRaと同義である。Yが前記のメチレン基もしくはアミノ基であるときには、連結基Lはこのメチレン基もしくはアミノ基から延びていてもよい。そのときには、Lは、Re,Rfから延びていても、Re,Rfと置き換わってもよい。Re、Rfはそれぞれその複数が互いに連結して、あるいはLと連結して環Czを形成していてもよい。Yの例を挙げると各式について下記を例示できる。
式(a) Y=CH、O; Y=N−*、O
式(b) Y=N−*
式(c) Y=CH
式(d) Y=O
・nc
ncは0〜6の整数であり、4以下が好ましい。
以下に特定重合性化合物の例を挙げるが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。
Figure 0005886160
Figure 0005886160
Me:メチル基
iPr:イソプロピル基
Et:エチル基
nBu:n−ブチル基
前記特定重合性化合物の電解液中での含有量はサイクル性向上及びレート特性良化の観点から、下限値としては、0.0001mol/L以上であることが好ましく、0.0003mol/L以上であることがより好ましく、0.0005mol/L以上であることが特に好ましい。上限は特にないが、0.1mol/L以下であることが好ましく、0.07mol/L以下であることがより好ましく、0.05mol/L以下であることがより好ましい。
後記活性化合物Qとの関係で言うと、同様の観点で、重合性化合物1(モル比基準)に対して、前記式(1)で表される化合物を0.05以上で添加することが好ましく、0.1以上で添加することがより好ましい。上限は特にないが、0.5以下で添加することが好ましく、0.4以下で添加することがより好ましく、0.3以下で添加することが特に好ましい。
(活性化合物Q)
本発明の非水二次電池用電解液は、電解酸化もしくは電解還元により前記重合性化合物と反応する活性種を生成する化合物Q(以下、化合物Qもしくは活性化合物Qという。)を含有する。前記活性化合物Qは、エナミン化合物、芳香族ケトン化合物、メタロセン化合物、オニウム塩化合物、オキシム化合物、ビイミダゾール化合物、ボレート化合物であることが好ましく、エナミン化合物、芳香族ケトン化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物であることがより好ましく、エナミン化合物、芳香族ケトン化合物であることが特に好ましい。
芳香族ケトン化合物としては、α−ヘテロアセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、フルオレノン誘導体などが挙げられる。オニウム塩化合物としては、トリアリールスルホニウム誘導体、ジアリールヨードニウム誘導体などが挙げられる。オキシム化合物としては、オキシムエステル誘導体、O−アシルオキシム誘導体などが挙げられる。ビイミダゾール化合物としては、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体などが挙げられる。メタロセン化合物としては、チタノセン誘導体、ジルコノセン誘導体、ハフノセン誘導体などが挙げられる。ここで誘導体とは、当該化合物およびそこに置換基を付加した化合物を意味し、その置換基としては後記置換基Tが挙げられる。なかでも、無置換、あるいは、メチル基、エチル基、またはプロピル基で置換されたものが好ましい。
これらの化合物は、電極近傍で酸化あるいは還元反応し、生成した活性種と後述の重合性化合物が反応した反応物が、電極保護膜として機能し、電池性能劣化を抑制しているものと推測される。
前記活性化合物Qは、下記式(N1)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 0005886160
・R11〜R13
式中、R11〜R13は、各々独立に水素原子又は有機基を示す。有機基としては、特に限定されないが、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、R11としては、水素原子、アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基)、アリール基(好ましくは、フェニル基)、アルコキシカルボニル基、またはシアノ基が好ましく、水素原子、アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)、またはアリール基(好ましくは、フェニル基)がより好ましく、水素原子、またはメチル基が特に好ましい。R12としては、水素原子、アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基)、アリール基(好ましくは、フェニル基)、アルコキシカルボニル基、またはシアノ基が好ましく、水素原子、アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)、アルコキシカルボニル基、またはシアノ基がより好ましく、水素原子、メチル基、またはエチル基が特に好ましい。R13としては、水素原子、アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基)、またはアリール基(好ましくは、フェニル基)が好ましく、水素原子、アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、またはイソブチル基)がより好ましい。R11〜R13として上記に挙げた置換基は、さらに置換基を有していても良く、アルコキシ基、アミノ基、またはアルキルチオ基が好ましく、アルコキシ基、アミノ基がより好ましい。
12、R13は互いに結合し、環を形成していてもよい。ここで形成される環は特に限定されないが、なかでも非芳香族環であることが好ましく、3〜8員の非芳香族環であることが好ましい。当該非芳香族環はヘテロ原子(例えば、N、S、O)を含んでいてもよい。この環は置換基を有していてもよく、この置換基は後記置換基Tであることが好ましい。当該置換基は結合ないし縮環して環を形成していてもよい。
12およびR13で形成される環は、下記の構造であることが好ましい。
Figure 0005886160
式中、*はエナミン骨格の窒素原子と結合する部位を表す。
はアルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜6)、アシル基(好ましくは炭素数1〜6)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜6)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24)である。
は水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、アシル基(好ましくは炭素数1〜6)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜6)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24)である。
nは置換可能数を上限とする整数であり、0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。Dは連結もしくは縮環して環を形成していてもよい。
・R14、R15
14、R15は、Nと共役しない有機基を示し、R14、R15は互いに結合し、環を形成していてもよい。有機基としては、特に限定されないが、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、R14としては、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基がより好ましい。R15としては、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基がより好ましい。R14、R15として上記に挙げた置換基は、さらに置換基を有していても良く、アルコキシ基、アミノ基、またはアルキルチオ基が好ましく、アルコキシ基、アミノ基がより好ましい。形成してもよい環としては特に限定されないが、式中の窒素を含む含窒素飽和炭化水素環であることが好ましく、3〜8員の含窒素飽和炭化水素環であることがより好ましい。
前記式(N1)で表される化合物は、下式(N2)で表されるエナミン化合物であることが好ましい。
Figure 0005886160
・R16〜R19
式中、R16〜R19は、各々独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、又はアミノ基(好ましくは炭素数2〜7)を示す。R16〜R19はさらに置換基Tを有していてもよい。
・A
Aは、水素原子、有機基を示し、同一でも異なっていてもよい。有機基としては、特に限定されないが、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、Aとしては、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、又はアミノ基(好ましくは炭素数2〜7)が好ましく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)がより好ましい。Aは互いに結合し、環を形成していてもよい。好ましい環は前記式(1)と同義である。
前記式(N2)で表される化合物としてさらに好ましくは、下式(3−a)または(3−b)で表されるエナミン化合物である。
Figure 0005886160
・R20、R21
式中、R20、R21は、各々独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜3)を示す。
・D、G
D、Gは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜3)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜3)、又はアミノ基(好ましくは炭素数2〜7)を示し、同一でも異なっていてもよい。
・R22、R23
22、R23は、各々独立に水素原子、アルキル基を示す。
・E
Eは連結基を示し、アルキレン連結基(好ましくは炭素数2〜5)、エーテル連結基(好ましくは炭素数1〜5)、アミノ連結基(好ましくは炭素数2〜10)を示す。
前記連結基Eとともに形成される含窒素環は下記の構造であることが好ましい。
Figure 0005886160
式中、*はエナミン骨格のビニル基と結合する部位を表す。
、R、nは、式3ex−1〜3ex−4で先に定義したものと同義である。
Dは連結もしくは縮環して環を形成していてもよい。
式(N1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。
Figure 0005886160
前記活性化合物Qとしては、下式(I)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 0005886160
・R
式中、Rは有機基を表す。有機基としては、特に限定されないが、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、Rとしては、芳香族基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
・R
は水素原子または置換基を表す。置換基としては、特に限定されないが、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、有機基としては好ましくはアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基)、アラルキル基(好ましくはベンジル基、4−メチルベンジル基)、アリール基(好ましくはフェニル基)である。無機基としては好ましくはヒドロキシル基が挙げられる。
・R
は水素原子または置換基を表す。置換基としては、特に限定されないが、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、有機基としては好ましくはアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基)、アラルキル基(好ましくはベンジル基、4−メチルベンジル基)、アリール基(好ましくはフェニル基)、アルコキシ基(好ましくはメトキシ基)である。無機基としては好ましくはヒドロキシル基が挙げられる。
とRが結合して環を形成していてもよい。環を形成する場合5〜7員環が好ましい。より好ましくはピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環を形成しているのが好ましい。
・X
は前記式(a)または(b)の置換基を表す。
・R
は、水素原子または有機基を表す。有機基としては、特に限定されないが、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、好ましくはアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基)、アシル基(好ましくは炭素数2〜10の脂肪族アシル基、炭素数7〜15の芳香族アシル基)である。
・R、R
、Rは、水素原子または有機基を表す。有機基としては、特に限定されないが、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。RとRが結合して環を形成していてもよい。この環としては、環を形成する場合5〜7員環が好ましい。より好ましくはピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環を形成しているのが好ましい。
式(I)の構造について異なる側面から好ましいものを規定すると、その構造中に芳香族構造を有していることが好ましい。芳香族構造として好ましいものは、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。なお、上記芳香族構造をなす基はさらに置換基Tを有していてもよい。
前記式(I)で表される化合物は、下記式(I−1)〜(I−4)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005886160
式中、R、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、または環状もしくは非環状のアミノ基(好ましくは炭素数2〜8)を表す。複数のRないしRは互いに連結して環を形成していてもよい。
nは0〜5の整数を表す。ただし、環Cxに置換する場合には置換可能数を上限とする。
b1およびRc1は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb1およびRc1は互いに連結して環を形成していてもよい。
a1は、ヒドロキシル基、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、またはアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8)を表す。
b2は、水素原子、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
c2は、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、またはアシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)を表す。Rb2およびRc2は互いに連結して環を形成していてもよい。
b3は、ヒドロキシル基、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、また
はアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8)を表す。
Cxは、5〜7員の非芳香族環を表す。
b4およびRc4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアラルキル基を表す。Rb4およびRc4は互いに連結して環を形成していてもよい。
g4は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。ただし、−N(Rg4で2つのRg4が結合してヘテロ原子を含んでもよい5〜7員環構造を形成していてもよい。その好ましいものは、前記RおよびRが形成する環と同様である。
式(I)で表される化合物としてさらに好ましくは式1a〜1eで表される化合物である。
Figure 0005886160
、R、R、Rは、式(I)と同義である。Meはメチル基を表す。
・R
はアルキル基(好ましくは炭素数1〜7)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、アシル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜7)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜9)、ジアルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜8)、または環状アミノ基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくはモルホリノ基、ピペリジル基)を表す。
n1は0〜5を表す。n1が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
・R
はRと同義である。
式(I)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。
Figure 0005886160
Me:メチル基
前記活性化合物Qとしては、下記式(MI)で表されるものが好ましい。
Figure 0005886160
・M
式中、Mは典型金属もしくは遷移金属元素を表す。具体的にMは、Al、Si、Sn、Mg、Fe、Ru、Cr、V、Ta、Mo、Ti、Zr、Hfであることが好ましい。
・Rm1
m1はアルキル基、アルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、アシルオキシ基、シアノ基、カルボキシル基、カルボニル基含有基(Ra−CO−)、スルホニル基含有基(Ra−SO−)、ホスフィン基、またはハロゲンを表す。Rm1は脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。
前記Rm1の好ましいものとしては、前記例示置換基の範囲で、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、メチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、ホスフィノ基、ジアルキルアミノ基が好ましい。なお、上記Raは水素原子または置換基を表し、置換基の好ましいものとして、後記置換基Tの例が挙げられる。Raについては、以下も同様である。
・a
aは0〜5の整数を表す。なかでも、0〜4が好ましく、最も好ましくは0あるいは1である。
・X,Y
,Yはそれぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、イソシアン酸基(NCO)、イソチオシアン酸基(NCS)、スルファニル基(Ra−S−)、ホスフィニル基(RaO(Ra)PO−)、カルボニル基含有基(Ra−Co−)、ハロゲン、アリール、またはヘテロアリール基を表す。前記X,Yの好ましいものとしては、前記例示置換基の範囲で、後記置換基Tの例が挙げられる。なかでも、メチル基、n−ブチル基、ジアルキルアミノ基、ビス(トリアルキルシリル)アミノ基、チオイソシアン酸(NCS)基、X,Yが縮環した環状アルケニル基(ブタジエン配位型メタラサイクル)が好ましい。
・m,n
m,nは0≦m+n≦3を満たす整数である。n+mは1以上であることが好ましい。
・T
は水素原子、メチル基、n−ブチル基、アルキルアミノ基、または式(CP)で表される基であることが好ましい。式(CP)中、Rm2はRm1と同義の基を表す。*は金属原子Mと結合する結合手を表す。bは0〜5の整数を表す。Rm1、Rm2は互いに連結されていてもよい。
がアルキルアミノ基であるとき、炭素数1〜6のアルキルアミノ基であることが好ましく、中でも、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が好ましい。
前記式(MI)は、下記式(MIcp)で表されることが好ましい。
Figure 0005886160
式中、M、Rm1、Rm2、a、b、X、Y、m、nは前記式(MI)と同義である。
前記式(MIcp)は下記(式MIa)であることが好ましい。
Figure 0005886160
式中、XおよびYは、それぞれ、メチル基、n−ブチル基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、チオイソシアン酸基であり、X,Yが縮環して環状アルケニル基(ブタジエン配位型メタラサイクル)を形成してもよい。M、m、nは式(I)と同義である。
前記メタロセン化合物の具体例を以下に示すが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。
Figure 0005886160
前記活性化合物Qとしては、下記式(OI)で表されるものが好ましい。
Figure 0005886160
・Xa
Xaはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルキルアミノアシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基であり、より好ましくはアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜15)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)であり、更に好ましくはメチル基、イソブチル基、フェニル基、ベンジル基、ペンタフロロベンジル基、アセチル基、ベンゾイル基、アリル基である。
・Ya、Za
Ya、Zaは有機基を表し、好ましくはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基であり、より好ましくはアリール基(好ましくは炭素数6〜12)、ヘテロアリール基(好ましくは炭素数2〜8)であり、更に好ましくはフェニル基である。YaとZaは単結合または連結基を介して結合して環構造(好ましくは5〜8員環)を形成してもよい。
YaとZaのうち少なくとも1つがアリール基またはヘテロアリール基であることが好ましく、YaとZaの両方がアリール基またはヘテロアリール基であることがより好ましく更にYaとZaが環を形成していることが更に好ましい。Xa,Ya,Zaはさらに置換基を有していてもよく、置換基としては後記置換基Tがあげられる。
Xa,Ya,Zaの置換基として任意の連結基を介して式(I)で表される構造を2つ以上有していて、多量化していてもよい。
式(I)で表される化合物としては式Ia又はIbで表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005886160
式Ia,Ib中、Xaは前述と同義である。
Xbは単結合または2価の連結基を表し、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、−O−、−S−、−C=C−である。
、Rは置換基であり、好ましくは後記置換基Tである。nは0〜5の整数である。mは0〜8の整数である。
好ましいYa、Zaの組合せを下記一般式で表す。下式の化合物は任意の置換基を有していてもよい。Xaは前記Xaと同義であり、好ましい範囲も同じである。
Figure 0005886160
:−O−、−S−、−CH−、−CHCH−、−CH=CH−
〜X:−O−、−S−、−CH−、−CHCH−、
−O−CH−、−S−CH
前記活性化合物Qとしては、下記式(B−I)もしくは(B−II)で表されるものが好ましい。
Figure 0005886160
・RB1〜RB3、RB5〜RB7
B1〜RB3、RB5〜RB7はアリール基(好ましくは炭素数6〜9、例えばフェニル、トリメチルフェニル)またはヘテロアリール基(好ましくは炭素数3〜7であり、ヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄であり、例えばピリジン、ピリミジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール誘導体)を表す。
・RB4
B4はアルキル基(好ましくは炭素数1〜7、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、ベンジル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜9、例えばフェニル、トリル、アニソイル基、)またはヘテロアリール基(好ましくは炭素数3〜7であり、ヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄であり、例えばピリジン、ピリミジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール誘導体)を表す。
・RB8
B8はアルキル基(好ましくは炭素数1〜7、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、ベンジル基)を表す。
B1〜RB8はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基Tがあげられる。
・Z
はカチオンを表し、有機カチオンとしては、例えばテトラアルキルアンモニウムカチオン、アルキルイミダゾリルカチオン等が挙げられる。または無機カチオンとしては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムカチオン等が挙げられる。
前記重合開始剤が、下記式(B−III)または(B−IV)で表されることがさらに好ましい。
Figure 0005886160
・RB9〜RB14
B9〜RB14はアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、フルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、チオアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、シアノ基、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、またはアシル基(好ましくは炭素数1〜6)を表す。
・n
nは0〜5の整数を表す。好ましくは1〜5の整数である。
・Alk
Alkは置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜7)を表す。置換基としては前記置換基Tが挙げられる。具体的には好ましくはメチル、n−ブチル、ベンジル基が挙げられる。
は式(I)におけるのと同義である。
前記ボレート化合物の具体例を以下に示すが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。
Figure 0005886160
活性化合物Qの電解液中での含有量はサイクル性向上の観点から、下限値としては、0.0001mol/L以上であることが好ましく、0.0005mol/L以上であることがより好ましい。上限は特にないが、0.1mol/L以下であることが好ましく、0.05mol/L以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において化合物の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の一部を変化させた誘導体を含む意味である。
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基((好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはヒドロキシル基である。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
化合物ないし置換基・連結基等がアルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、同様に置換されていても無置換でもよい。
(有機溶媒)
本発明に用いられる有機溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレンなどの環状炭酸エステル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピルなどの鎖状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチルなどの鎖上エステル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリルなどのニトリル化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、ジメチルスルホキシドあるいはジメチルスルホキシド燐酸などが挙げられる。これらは、一種単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、環状炭酸エステル(好ましくは炭酸エチレン、炭酸プロピレン)、鎖状炭酸エステル(好ましくは炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチル)、環状エステル(好ましくはγ−ブチロラクトン)からなる群のうちの少なくとも1種を含有していることが好ましく、より好ましくは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルを含む溶剤、または環状炭酸エステルと環状エステルを含む溶剤であり、特に好ましくは、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチル、γ−ブチロラクトンなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせである。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
しかしながら、本発明に用いられる有機溶媒(非水溶媒)は、上記例示によって限定されるものではない。
(電解質)
本発明の電解液に用いることができる電解質としては金属イオンもしくはその塩が挙げられ、周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンもしくはその塩が好ましい。電解液の使用目的により適宜選択される、例えば、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられ、二次電池などに使用される場合には、出力の観点からリチウム塩が好ましい。本発明の電解液をリチウム二次電池用非水系電解液の電解質として用いる場合には、金属イオンの塩としてリチウム塩を選択すればよい。リチウム塩としては、リチウム二次電池用非水系電解液の電解質に通常用いられるリチウム塩であれば特に制限はないが、例えば、以下に述べるものが好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩等。
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。
これらのなかで、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiClO、Li(RfSO)、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSOが好ましく、LiPF、LiBF、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSOなどのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf、Rfはそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
なお、電解液に用いるリチウム塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
電解液における周期律表第一族又は第二族に属する金属のイオンもしくはその金属塩の含有量は、以下に電解液の調製法で述べる好ましい塩濃度となるよう量で添加される。塩濃度は電解液の使用目的により適宜選択されるが、一般的には電解液全質量中10質量%〜50質量%であり、さらに好ましくは15質量%〜30質量%である。なお、イオンの濃度として評価するときには、その好適に適用される金属との塩換算で算定されればよい。
(その他成分)
本発明による電解液には、電池の性能を向上させるため、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤として、過充電防止剤、負極被膜形成剤、正極保護剤、難燃剤等のこのような機能性添加剤を用いてもよい。
また、負極皮膜形成剤と正極保護剤との併用や、過充電防止剤と負極皮膜形成剤と正極保護剤との併用が特に好ましい。
非水系電解液中におけるこれらその他の添加剤の含有割合は特に限定はないが、非水系電解液の有機成分全体に対し、それぞれ、0.01質量%以上が好ましく、特に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、上限は、5質量%以下が好ましく、特に好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。これらの化合物を添加することにより、過充電による異常時に電池の破裂・発火を抑制したり、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させたりすることができる。
本発明の非水二次電池用電解液は、電解液中の各有機成分が、分子量1000以下のもので構成されていることが好ましく、500以下のもので構成されていることがより好ましい。これは、本発明の実施態様における前提となるものであり、本発明の非水二次電池ないしその電解液が、固体電解質型二次電池あるいはポリマー電解質型二次電池に係るものではないことを意味する。なお、非水二次電池用電解液というときには、固体電解質型二次電池あるいはポリマー電解質型二次電池に用いられる材料ではないこと、つまり液体電解液を用いる二次電池(これを、「液体電解液型二次電池」ということがある)用途であることを指す。
分子量は特に断らない限りGPC(ゲルろ過クロマトグラフィー)法を用いて測定した値とし、分子量はポリスチレン換算の重量平均分子量とする。GPC法に用いるカラムに充填されているゲルは芳香族化合物を繰り返し単位に持つゲルが好ましく、例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなるゲルが挙げられる。カラムは2〜6本連結させて用いることが好ましい。用いる溶媒は、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリドンのアミド系溶媒、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族系溶媒が挙げられる。測定は、溶媒の流速が0.1〜2mL/minの範囲で行うことが好ましく、0.5〜1.5mL/minの範囲で行うことが最も好ましい。この範囲内で測定を行うことで、装置に負荷がかからず、さらに効率的に測定ができる。測定温度は10〜50℃で行うことが好ましく、20〜40℃で行うことが最も好ましい。使用可能温度が高いカラムを用いて50℃〜200℃で測定を行うこともできる。なお、使用するカラム及びキャリアは測定対象となる化合物の物性に応じて適宜選定することができる。
本発明の非水二次電池用電解液は、その粘度(25℃)が、20mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であることがより好ましく、5mPa・s以下であることが更に好ましい。下限値は特にないが、0.5mPa・s以上であることが実際的である。このような粘度範囲は、固体電解質との区別のために設定されるものである。固体電解質においてあえて粘度を定義するならば、∞となる。本明細書において、粘度の値は、特に断らない限り、後記実施例に記載の方法により測定した値を言う。なお、固体電解質を構成するポリマーの原料溶液は上記で規定される粘度の範囲にあることもあるが、これは電解液の原料溶液(前駆体)であって、電解液ではない。
[電解液の調製方法等]
本発明の非水二次電池用電解液は、金属イオンの塩としてリチウム塩を用いた例を含め、前記各成分を前記非水電解液溶媒に溶解して、常法により調製される。
本発明において、「非水」とは水を実質的に含まないことをいい、発明の効果を妨げない範囲で微量の水を含んでいてもよい。良好な特性を得ることを考慮して言うと、水の含有量が200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、不可避的な混入を考慮すると、10ppm以上であることが実際的である。
(キット)
本発明の電解液は複数の液体ないし粉末等から構成されたキットとされていてもよい。例えば、第1剤(第1液)を特定重合性化合物と有機溶媒とで構成し、第2剤(第2液)を活性化合物Qと有機溶媒とで構成し、使用前に2液を混合して調液する形態などであってもよい。このとき、本発明のキットにおいては、その他の添加剤等を前記第1剤、第2剤、及び/又はその他の剤(第3剤)(例えば、電解質を含む溶液)に含有させておいてもよい。このようにすることで、所望の作用をより効果的に得ることができる。なお、上記各成分の含有量は、混合後に前記の範囲となることが好ましい。
[二次電池]
本発明においては前記非水電解液を含有する非水二次電池とすることが好ましい。好ましい実施形態として、リチウムイオン二次電池についてその機構を模式化して示した図1を参照して説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、上記本発明の非水二次電池用電解液5と、リチウムイオンの挿入放出が可能な正極C(正極集電体1,正極活物質層2)と、リチウムイオンの挿入放出又は溶解析出が可能な負極A(負極集電体3,負極活物質層4)とを備える。これら必須の部材に加え、電池が使用される目的、電位の形状などを考慮し、正極と負極の間に配設されるセパレータ9、集電端子(図示せず)、及び外装ケース等(図示せず)を含んで構成されてもよい。必要に応じて、電池の内部及び電池の外部の少なくともいずれかに保護素子を装着してもよい。このような構造とすることにより、電解液5内でリチウムイオンの授受a,bが生じ、充電α、放電βを行うことができ、回路配線7および動作機構6を介して運転あるいは蓄電を行うことができる。以下、本発明の好ましい実施形態であるリチウム二次電池の構成について、さらに詳細に説明する。
(電池形状)
本実施形態のリチウム二次電池が適用される電池形状には、特に制限はなく、例えば、有底筒型形状、有底角型形状、薄型形状、シート形状、及び、ペーパー形状などが挙げられ、これらのいずれであってもよい。また、組み込まれるシステムや機器の形を考慮した馬蹄形や櫛型形状等の異型のものであってもよい。なかもで、電池内部の熱を効率よく外部に放出する観点から、比較的平らで大面積の面を少なくとも一つを有する有底角型形状や薄型形状などの角型形状が好ましい。
有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗による発生するジュール発熱を効率よく外部に逃げる設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。図2は、有底筒型形状リチウム二次電池100の例である。この電池は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を巻回して外装缶18内に収納した有底筒型リチウム二次電池100となっている。
有底角型形状では、一番大きい面の面積S(端子部を除く外形寸法の幅と高さとの積、単位cm)の2倍と電池外形の厚さT(単位cm)との比率2S/Tの値が100以上であることが好ましく、200以上であることが更に好適である。最大面を大きくすることにより高出力かつ大容量の電池であってもサイクル性や高温保存等の特性を向上させるとともに、異常発熱時の放熱効率を上げることができ、後述する「弁作動」や「破裂」という危険な状態になることを抑制することができる。
(電池を構成する部材)
本実施形態のリチウム二次電池は、図1に基づいて言うと、電解液5、正極及び負極の電極合剤C,A、セパレータの基本部材9を具備して構成される。以下、これらの各部材について述べる。本発明の非水二次電池は、電解液として、少なくとも前記本発明の非水電池用電解液を含む。
(電極合材)
電極合材は、集電体(電極基材)上に活物質と導電剤、結着剤、フィラーなどの分散物を塗布したものであり、リチウム電池においては、活物質が正極活物質である正極合材と活物質が負極活物質である負極合材が使用されることが好ましい。次に、電極合材を構成する分散物(電極用組成物、電極合剤)中の各成分等について説明する。
・正極活物質
正極活物質には、粒子状の正極活性物質を用いてもよい。具体的に、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができるが、リチウム含有遷移金属酸化物を用いるのが好ましい。正極活物質として好ましく用いられるリチウム含有遷移金属酸化物としては、リチウム含有Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物等が好適に挙げられる。またリチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第1(Ia)族、第2(IIa)族の元素)、及び/又はAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量としては、遷移金属に対して0〜30mol%が好ましい。
前記正極活物質として好ましく用いられるリチウム含有遷移金属酸化物の中でも、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種のことをいう。)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
さらに、前記リチウム化合物/遷移金属化合物の中でも、LiM3O(M3はCo、Ni、Fe、及びMnから選択される1種以上の元素を表す。gは、0〜1.2を表す。)を含む材料、又はLiM4O(M4はMnを表す。hは、0〜2を表す。)で表されるスピネル構造を有する材料が特に好ましい。前記M3、M4としては、遷移金属以外にAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0〜30mol%が好ましい。
前記LiM3Oを含む材料、LiM4Oで表されるスピネル構造を有する材料の中でも、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−j、LiMn、LiNiMn1−j、LiCoNiAl1−j−h、LiCoNiMn1−j−h、LiMnAl2−h、LiMnNi2−h(ここでgは0.02〜1.2を表す。jは0.1〜0.9を表す。hは0〜2を表す。)が特に好ましく、もっとも好ましくはLiCoO2、LiMn、LiNi0.85Co0.01Al0.05、及びLiNi0.33Co0.33Mn0.33である。高容量、高出力の観点で上記のうちNiを含む電極が更に好ましい。ここで、前記g値及びh値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する値である。具体的には、
LiCoO、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.85Co0.01Al0.05
LiNi0.33Co0.33Mn0.33、LiMn1.8Al0.2
LiMn1.5Ni0.5等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等が好ましく、具体例としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO、LiFeP等のリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、これらのリチウム遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Nb、Si等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。
本発明において、正極活物質には4.25V以上の充電領域を有する材料を用いることが好ましい。
前記特定の充電領域を有する正極活物質としては下記のものが挙げられる。
(i)LiNiMnCo(x>0.2,y>0.2,z≧0,x+y+z=1)、
代表的なもの:
LiNi1/3Mn1/3Co1/3(LiNi0.33Mn0.33Co0.33とも記載)
LiNi1/2Mn1/2(LiNi0.5Mn0.5とも記載)
(ii)LiNiCoAl(x>0.7,y>0.1,0.1>z>0.05,x+y+z=1)
代表的なもの:
LiNi0.8Co0.15Al0.05
前記特定の充電領域を有する正極活物質として下記のものを用いることもできる。
(a) LiCoMnO
(b) LiFeMn
(c) LiCuMn
(d) LiCrMn
(e) LiNiMn
非水二次電池において、用いられる前記正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1μm〜50μmが好ましい。比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01m/g〜50m/gであるのが好ましい。また、正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては、7以上12以下が好ましい。
前記正極活性物質を所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。前記焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
・負極活物質
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものであれば、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。
また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であれば特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及びPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
非水二次電池において用いられる負極活物質である金属酸化物及び金属複合酸化物は、これらの少なくとも1種を含んでいればよい。金属酸化物及び金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であるのが好ましく、5倍以下であるのがより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
前記非晶質酸化物及びカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの一種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物及びカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
本発明の非水二次電池において、用いられる前記負極活物質の平均粒子サイズは、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
前記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
本発明において、Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
本発明においては、チタン酸リチウム、より具体的にはリチウム・チタン酸化物(Li[Li1/3Ti5/3]O)を負極の活物質として用いることも好ましい。
・導電材
導電材は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよく、公知の導電材を任意に用いることができる。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−10148,554号に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号に記載)などの導電性材料を1種又はこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。前記導電剤の添加量としては、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
・結着剤
本発明では、前記電極合材を保持するための結着剤を用いることが好ましい。
結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。
結着剤は、一種単独又は二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力・凝集力が弱くなる。多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
・フィラー
電極合材は、フィラーを含んでいてもよい。フィラーを形成する材料は、本発明の二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの材料からなる繊維状のフィラーが用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、分散物中、0〜30質量%が好ましい。
・集電体
正・負極の集電体としては、非水電解質二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
負極の集電体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
前記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
これらの材料から適宜選択した部材によりリチウム二次電池の電極合材が形成される。
(セパレータ)
非水二次電池に用いられるセパレータは、正極と負極を電子的に絶縁する機械的強度、イオン透過性、及び正極と負極の接触面で酸化・還元耐性のある材料であれば特に限定されることはない。このような材料として多孔質のポリマー材料や無機材料、有機無機ハイブリッド材料、あるいはガラス繊維などが用いられる。これらセパレータは安全性確保のためのシャットダウン機能、すなわち、80℃以上で隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能、を持つことが好ましく、閉塞温度は90℃以上、180℃以下であることが好ましい。
前記セパレータの孔の形状は、通常は円形や楕円形で、大きさは0.05μm〜30μmであり、0.1μm〜20μmが好ましい。さらに延伸法、相分離法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であってもよい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は、20%〜90%であり、35%〜80%が好ましい。
前記ポリマー材料としては、セルロース不織布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの単一の材料を用いたものでも、2種以上の複合化材料を用いたものであってもよい。孔径、気孔率や孔の閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層したものが、好ましい。
前記無機物としては、アルミナや二酸化珪素等の酸化物類、窒化アルミや窒化珪素等の窒化物類、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩類が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状のものが用いられる。薄膜形状では、孔径が0.01μm〜1μm、厚さが5μm〜50μmのものが好適に用いられる。前記の独立した薄膜形状以外に、前記無機物の粒子を含有する複合多孔層を樹脂製の結着剤を用いて正極及び/又は負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子をフッ素樹脂の結着剤を用いて多孔層として形成させることが挙げられる。
(非水二次電池の作製)
本発明の非水二次電池の形状としては、既述のように、シート状、角型、シリンダー状などいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
以下、図2により、有底筒型形状リチウム二次電池100を例に挙げて、その構成及び作製方法について説明する。有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗による発生するジュール発熱を効率よく外部に逃げる設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。図2は、有底筒型形状リチウム二次電池100を例である。この電池は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を巻回して外装缶18内に収納した有底筒型リチウム二次電池100となっている。その他、図中の20が絶縁板、22が封口板、24が正極集電、26がガスケット、28が圧力感応弁体、30が電流遮断素子である。なお、拡大した円内の図示は視認性を考慮しハッチングを変えているが、各部材は符号により全体図と対応している。
まず、負極活物質と、所望により用いられる結着剤やフィラーなどを有機溶剤に溶解したものを混合して、スラリー状あるいはペースト状の負極合剤を調製する。得られた負極合剤を集電体としての金属芯体の両面の全面にわたって均一に塗布し、その後、有機溶剤を除去して負極合材層を形成する。さらに、集電体と負極合材層との積層体をロールプレス機等により圧延して、所定の厚みに調製して負極シート(電極シート)を得る。このとき、各剤の塗布方法や塗布物の乾燥、正・負極の電極の形成方法は定法によればよい。
本実施形態では、円筒形の電池を例に挙げたが、本発明はこれに制限されず、例えば、前記方法で作製された正・負の電極シートを、セパレータを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工するか、或いは、折りまげた後角形缶に挿入して、缶とシートを電気的に接続した後、電解質を注入し、封口板を用いて開口部を封止して角形電池を形成してもよい。
いずれの実施形態においても、安全弁を開口部を封止するための封口板として用いることができる。また、封口部材には、安全弁の他、従来知られている種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが好適に用いられる。
また、前記安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは独立に接続させてもよい。
缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が好適に用いられる。
キャップ、缶、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来知られている化合物や混合物を用いることができる。
[非水二次電池の用途]
本発明によればサイクル性が良好な二次電池を作製することができるため、種々の用途に適用される。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって、何ら限定されるものではない。
<実施例1・比較例1>
電解液の調整
1M LiBF4の炭酸エチレン/γ−ブチロラクトンの体積比3対7電解液に、表1に示した成分を、表中に記載の量で加え実施例用電解液、及び比較例用電解液を調製した。調製した電解液の25℃における粘度は全て5mPa・s以下であった。
<皮膜形成確認>
作用極に10mm×10mm、厚さ0.5mmの白金板、対極、参照極にリチウム金属箔を用いたビーカーセルにて、表1に示した各試験用電解液についてサイクリックボルタンメトリー測定を行った。充電負極、充電正極相当電位まで掃引速度1mV/sにて掃引し、作用極の白金板をDMCにて洗浄後、白金板上に形成された皮膜をバリアン製顕微IRにて確認した。
Figure 0005886160
<表の注記>
試験NO.:Cで始まるものは比較例。
Comp.:前記化合物番号
Conc.:濃度(M)
VC:ビニルカーボネート
VEC:ビニルエチレンカーボネート
EA:エチルアクリレート
AN:アクリロニトリル
MB:α-メチレン-γ-ブチロラクトン
〔皮膜確認〕
YesはFT−IRにて有機物を確認できたもの。NoはFT−IRにて有機物を確認できなかったもの。
活性種生成化合物Qにメタロセン化合物(M−7、M−8)、オニウム塩化合物、オキシム化合物(O−1 Xa=メチル、O−8 Xa=メチル)、ビイミダゾール化合物、ボレート化合物(B−1)を用いても、同様にFT−IRにて有機物が確認された。この結果より、電極(白金)上に皮膜が形成されたと考えられる。
<実施例2・比較例2>
電解液の調整
1M LiBF4の炭酸エチレン/γ−ブチロラクトンの体積比3対7電解液に、表2に示した成分を、表中に記載の量で加え実施例用電解液、及び比較例用電解液を調製した。調製した電解液の25℃における粘度は全て5mPa・s以下であった。
<電池(1)の作製>
正極は活物質:ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3) 85質量%、導電助剤:カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF 8質量%で作製し、負極は活物質:チタン酸リチウム(LiTi12) 94質量%、導電助剤:カーボンブラック 3質量%、バインダー:PVDF 3質量%で作製した。セパレータはセルロース製40μm厚である。上記の正負極、セパレータを使用し、各試験用電解液について、2032形コイン電池を作製し、下記項目の評価を行った。結果を表2に示している。
<高温サイクル試験>
前記2032形コイン電池を45℃の恒温槽中、電池電圧が2.75Vになるまで1C定電流充電した後、2.75V定電圧において電流値が0.12mAになる、または2時間充電を行い、次に電池電圧が1.2Vになるまで1C定電流放電を行い、1サイクルとした。これを500サイクルに達するまで繰り返した。
(高温容量維持率HTratio(%))=
{(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)}×100
<高レート放電容量維持率>
30℃の恒温槽中、電池電圧が2.75Vになるまで0.1C定電流充電した後、2.75V定電圧において電流値が0.06mAになる、または2時間充電を行い、次に電池電圧が1.2Vになるまで0.2C定電流放電を行い、電池容量を測定した。再び、電池電圧が2.75Vになるまで0.1C定電流充電した後、2.75V定電圧において電流値が0.06mAになる、または2時間充電を行い、電池電圧が1.2Vになるまで5C定電流放電を行い、高レート放電容量を測定した。下記式にて高レート放電容量維持率を算出した。値が大きい程、充放電を繰り返しても高レートでの放電容量劣化が小さく、良好である。
(高レート放電容量維持率HRratio(%))=
{(5C放電容量)/(初期0.2C放電容量)}×100
Figure 0005886160
<表の注記>
試験No.:cで始まるものは比較例。それ以外は本発明例
Comp.:前記化合物番号
Conc.:濃度(M)
<実施例3・比較例3>
電解液の有機溶媒、正極・負極活物質、セパレータとして下記のものを用いた以外、実施例1と同様にして2032形コイン電池を作製した。
有機溶媒:炭酸エチレン/炭酸ジエチル 体積比1対2
正極活物質:コバルト酸リチウム(LiCoO
負極活物質:黒鉛
セパレータ:ポリプロピレン製25μm厚
<高温サイクル試験>
充電時の上限電圧を4.3V、放電時の下限電圧を2.75Vとした以外は電池1で行った評価と同一条件で行った。
<高レート放電容量維持率>
充電時の上限電圧を4.3V、放電時の下限電圧を2.75Vとし、高レート放電を4Cにした以外は電池1で行った評価と同一条件で行った。
Figure 0005886160
1 正極導電材
2 正極活物質
3 負極導電材
4 負極活物質
5 電解液
6 動作手段
7 配線
9 セパレータ
10 リチウムイオン二次電池
12 セパレータ
14 正極シート
16 負極シート
18 負極を兼ねる外装缶
20 絶縁板
22 封口板
24 正極集電
26 ガスケット
28 圧力感応弁体
30 電流遮断素子
100 有底筒型形状リチウム二次電池

Claims (11)

  1. 下式(1)で表されるアクリル化合物及び下式(2)で表されるスチレン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性化合物と、更に前記重合性化合物反応させる活性種を、電解酸化もしくは電解還元により生成する化合物Qと、電解質とを有機溶媒中に含有する非水二次電池用電解液。
    Figure 0005886160
    (式中、Raは、水素原子又はアルキル基を示す。Rbは、水素原子又は有機基を示す。Xは、下記(i)〜(v)のいずれかで表される環状極性基を含有する環状極性基含有有機基を示す。n、mは正の整数を示し、n+m=5である。n又はmが2以上のときは、Rb又はXは同じでも異なっていてもよい。)
    Figure 0005886160
    (式中、Lは、単結合、アルキレン連結基、エーテル連結基、アミノ連結基、カルボニル連結基、又はそれらの組合せを示す。Cyは環を形成する有機連結基を表す。*は前記式(1)のCO又は式(2)のベンゼン環と結合する部位を表す。Rdは水素原子又はアルキル基を表す。)
  2. 前記Cyが、炭素数2〜4の炭化水素連結基である請求項1に記載の非水二次電池用電解液。
  3. 前記重合性化合物の添加量が0.001M〜0.1Mである請求項1又は2に記載の非水二次電池用電解液。
  4. 前記化合物Qの添加量が0.0001M〜0.01Mである請求項1〜のいずれかに記載の非水二次電池用電解液。
  5. 前記重合性化合物に対する前記化合物Qの割合が0.05〜0.5倍(モル比基準)である請求項1〜のいずれかに記載の非水二次電池用電解液。
  6. 前記化合物Qがエナミン化合物、芳香族ケトン化合物、メタロセン化合物、オニウム塩化合物、オキシム化合物、ビイミダゾール化合物、及びボレート化合物からなる群より選ばれる化合物である請求項1〜のいずれかに記載の非水二次電池用電解液。
  7. 正極、負極、及び請求項1〜のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液を具備する非水電解液二次電池。
  8. ニッケルもしくはマンガンを有する化合物を前記正極の活物質として用いた請求項に記載の非水電解液二次電池。
  9. チタン酸リチウム(LTO)を前記負極の活物質として用いた請求項7又は8に記載の非水電解液二次電池。
  10. 下式(1)で表されるアクリル化合物及び下式(2)で表されるスチレン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性化合物を含む薬剤と前記重合性化合物反応させる活性種を、電解酸化もしくは電解還元により生成する化合物Qを含む薬剤とを組み合わせた非水二次電池電解液用キット。
    Figure 0005886160
    (式中、Raは、水素原子又はアルキル基を示す。Rbは、水素原子又は有機基を示す。Xは、下記(i)〜(v)のいずれかで表される環状極性基を含有する環状極性基含有有機基を示す。n、mは正の整数を示し、n+m=5である。n又はmが2以上のときは、Rb又はXは同じでも異なっていてもよい。)
    Figure 0005886160
    (式中、Lは、単結合、アルキレン連結基、エーテル連結基、アミノ連結基、カルボニル連結基、又はそれらの組合せを示す。Cyは環を形成する有機連結基を表す。*は前記式(1)のCO又は式(2)のベンゼン環と結合する部位を表す。Rdは水素原子又はアルキル基を表す。)
  11. 前記Cyが、炭素数2〜4の炭化水素連結基である請求項10に記載の非水二次電池電解液用キット。
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