JP6376709B2 - 非水二次電池用電解液および非水二次電池、これらに用いられる添加剤 - Google Patents

非水二次電池用電解液および非水二次電池、これらに用いられる添加剤 Download PDF

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Description

本発明は非水二次電池用電解液およびそれを用いた非水二次電池、これらに用いられる添加剤に関する。
リチウムイオン二次電池は、鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して、充放電において、大きなエネルギー密度を実現することができる。この特性を利用して、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器への適用が広く普及している。最近では、特に軽量で高エネルギー密度が得られる二次電池の開発が進められている。さらに、その小型化および長寿命化等が求められている。
リチウムイオン二次電池の電解液としては、プロピレンカーボネートあるいはジエチルカーボネートなどのカーボネート系の溶媒と、六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩との組み合わせが広く用いられている。これらの物質は導電率が高く、電位的にも安定である。この電解液に、さらに種々の機能性の添加剤を含有させて、電池性能を向上させることが試みられている(特許文献1〜5参照)。
また、上記のカーボネート系の溶媒は可燃性有機溶媒化合物を成分に含むため、信頼性の観点からその難燃性の付与が重要である。この改善を目的として、電解液中にホスファゼン化合物を含有させる技術が提案されている(特許文献6〜11参照)。
特開2003−151621号公報 特開2003−031259号公報 特許第3787923号公報 特表2008−538448号公報 特開2014−029827号公報 特開2005−190873号公報 国際公開第2010/101179号パンフレット 特許第4458841号明細書 特開2006−286571号公報 特開2009−161559号公報 国際公開第2013/047342号パンフレット
リチウムイオン二次電池は用途が多岐にわたり、益々拡大傾向であることから、さらなる電池性能の向上が望まれており、とくにサイクル特性の向上が望まれている。また、用途の多様化から、より信頼性の高く、電池性能がよい電池が望まれている。
本発明は、非水二次電池においてサイクル特性を良化することのできる非水二次電池用電解液、これに用いられる添加剤の提供を目的とする。さらに本発明は、サイクル特性を良化することができ、難燃性を向上させることができる非水二次電池用電解液、これに用いられる添加剤の提供を目的とする。また、このような優れた特性を有する電解液を用いた非水二次電池の提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)下記式(I)で表される有機金属化合物を含有し、この有機金属化合物の含有量が0質量%を超え1質量%以下である非水二次電池用電解液。
Figure 0006376709
式(I)において、Mは第4族〜第8族の遷移元素を表す。
およびRは各々独立に置換基を表す。RおよびRは、各々において、複数存在する場合、複数のR同士もしくは複数のR同士が互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。XおよびYは各々独立に水素原子または置換基を表す。XとY、複数存在する場合のX同士もしくはY同士が互いに結合して環を形成してもよい。Lは下記式(i)〜(viii)のいずれかで表される基を表す。
aおよびbは各々独立に0〜4の整数を表す。
mおよびnは、0≦m+n≦3を満たす整数を表す。
Figure 0006376709
式(i)〜(viii)において、R は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、スルファニル基、ホスフィニル基、カルボニル結合を含む基、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基を表す。連結基中にR が複数存在するとき、複数のR は各々異なっていても同じであってもよい。また、複数のR が互いに結合して環を形成してもよい。
(2)R およびRが、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド結合を含む基、エステル結合を含む基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル結合を含む基、スルホニル結合を含む基、ホスフィノ基またはハロゲン原子である(1)に記載の非水二次電池用電解液。
)XおよびYが、各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、スルファニル基、ホスフィニル基、カルボニル結合を含む基、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基である(1)または(2)に記載の非水二次電池用電解液。
)Mが、Ti、ZrまたはFeである(1)〜()のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液
)さらに、ホスファゼン化合物を少なくとも1種含有する(1)〜()のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液。
)ホスファゼン化合物が、下記式(A1)または(A2)で表される()に記載の非水二次電池用電解液。
Figure 0006376709
式(A1)および(A2)において、Ra11〜Ra16およびRa21〜Ra28はそれぞれ独立に1価の置換基を表す。近接のRa11〜Ra16およびRa21〜Ra28は置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
)式(A1)で表される化合物が、下記式(A1−1)で表されるフッ素化ホスファゼン化合物である()に記載の非水二次電池用電解液。
Figure 0006376709
式(A1−1)において、Ra41はアルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。
)Ra41がジアルキルアミノ基である()に記載の非水二次電池用電解液。
)正極、負極および(1)〜()のいずれか1つに記載の非水二次電池用電解液を具備する非水二次電池。
10)下記式(I)で表される、非水二次電池用の電解液に用いられる添加剤。
Figure 0006376709
式(I)において、Mは第4族〜第8族の遷移元素を表す。
およびRは各々独立に置換基を表す。RおよびRは、各々において、複数存在する場合、複数のR同士もしくは複数のR同士が互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。XおよびYは各々独立に水素原子または置換基を表す。XとY、複数存在する場合のX同士もしくはY同士が互いに結合して環を形成してもよい。Lは下記式(i)〜(viii)のいずれかで表される基を表す。
aおよびbは各々独立に0〜4の整数を表す。
mおよびnは、0≦m+n≦3を満たす整数を表す。
Figure 0006376709
式(i)〜(viii)において、R は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、スルファニル基、ホスフィニル基、カルボニル結合を含む基、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基を表す。連結基中にR が複数存在するとき、複数のR は各々異なっていても同じであってもよい。また、複数のR が互いに結合して環を形成してもよい。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等が複数あるとき、あるいは複数の置換基等(置換基数の規定も同様)を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに結合して環を形成してもよく、また環上の置換基の場合、複数の置換基が結合して環を形成し、元の環と縮合環を形成していてもよい。
また、本明細書で、単に置換基と称した場合、置換基Tを参照するものである。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の非水二次電池用電解液およびその添加剤は、非水二次電池においてサイクル特性を良化することができる。また、サイクル特性を良化することができ、難燃性を向上させることができる。これにより、本発明の非水二次電池は良好な電池性能とともに優れたサイクル特性、信頼性を発揮する。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
本発明の好ましい実施形態に係るリチウム二次電池の機構を模式化して示す断面図である。 本発明の好ましい実施形態に係るリチウム二次電池の具体的な構成を示す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。
なお、以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがある。ただし、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
本発明の非水二次電池用電解液(電解液とも称す。)は、下記式(I)で表される有機金属化合物を含有する。また、本発明の非水二次電池用電解液に用いられる添加剤(電解液用添加剤とも称す。)は、下記式(I)で表される有機金属化合物である。
[本発明の有機金属化合物]
Figure 0006376709
式(I)において、Mは金属元素を表す。RおよびRは各々独立に置換基を表す。RおよびRは、各々において、複数存在する場合、複数のR同士もしくは複数のR同士が互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。XおよびYは各々独立に水素原子または置換基を表す。XとY、複数存在する場合のX同士もしくはY同士が互いに結合して環を形成してもよい。Lは連結基を表す。aおよびbは各々独立に0〜4の整数を表す。mおよびnは、0≦m+n≦3を満たす整数を表す。
以下に、式(I)における各基および本発明の有機金属化合物を詳細に説明する。
・M
Mは金属元素を表す。Mは遷移元素または希土類元素が好ましく、第4族〜第8族の遷移元素またはランタノイドがより好ましく、第4族、第5族もしくは第8族の遷移元素がさらに好ましく、第4族もしくは第8族の遷移元素が特に好ましく、第8族の遷移元素が最も好ましい。具体的にMは、Fe、Ru、Cr、V、Ta、Mo、Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Sw、Nd、Lu、Er、Yb、Gdが好ましく、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Fe、Ruがより好ましく、Ti、Zr、Fe、Vがさらに好ましく、Ti、Zr、Feが特に好ましく、Feが最も好ましい。
・R、R
およびRは置換基を表す。これらの置換基としては、後述の置換基Tが挙げられる。ここで、置換基のうち、直鎖状、分岐鎖状の置換基でも、脂肪族性もしくは芳香族性の環もしくはこのような環を含む基であってもよい。このような環の基としては、例えば、炭化水素環の基としては、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル)が挙げられ、含窒素複素環としては、ヘテロ環基もしくはヘテロアリール環基(好ましくは、環構成ヘテロ原子が酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましく、5または6員環の基が好ましく、他の環(好ましくはベンゼン環またはヘテロ環)で縮環していてもよい。)が挙げられる。
およびRは好ましくは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルキルシリル基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2または3)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2または3)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10)、アミノ基(アルキルアミノ基を含む)(炭素数は0〜6が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜6がさらに好ましく、2〜4が特に好ましい。)、アミド結合を含む基(カルバモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基が好ましく、カルバモイル基、アシルアミノ基がより好ましい。炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、具体的には、−C(=O)−N(Ra)、−N(Ra)−C(=O)Raで表される基が好ましい。)、エステル結合を含む基(アシルオキシ基またはオキシカルボニル基が好ましく、炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、具体的には、−OC(=O)−Ra、−C(=O)−ORaで表される基が好ましい。)、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル結合を含む基(アシル基が好ましく、炭素数は2〜7が好ましく、2〜4がより好ましく、具体的には、−C(=O)−Raで表される基が好ましい。)、スルホニル結合を含む基(スルホニル基、スルホンアミド基、スルファモイル基が好ましく、スルホニル基がより好ましい。炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、具体的には、−SO−Raで表される基が好ましい。)、ホスフィノ基[−P(Rb):Rbは水素原子またはアルキル基](炭素数は0〜6が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、2または3が特に好ましい)、またはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)を表す。
ここで、Raは水素原子または置換基を表し、このような置換基としては、後述の置換基Tが挙げられる。Ra以外の場合も以下同様に、「置換基」の好ましい置換基は後述の置換基Tが挙げられる。
およびRは、各々において、複数存在する場合、複数のR同士もしくは複数のR同士が互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。このような環としては、RおよびRにおける置換基における、脂肪族性もしくは芳香族性の環もしくはこのような環を含む基で挙げた環もしくは環状の基が挙げられる。
およびRはアルキル基、アルキルシリル基、ホスフィノ基、アミノ基がなかでも好ましく、アルキル基が特に好ましい。具体的に好ましい基としては、メチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、ジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基が挙げられ、なかでもメチル基が最も好ましい。
aおよびbは各々独立に0〜4の整数を表し、0〜3の整数が好ましく、0が特に好ましい。
・X、Y
XおよびYは各々独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては、後述の置換基Tが挙げられる。XおよびYは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜3)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜6)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜6)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜10)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、シリルアミノ基(好ましくは炭素数0〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、スルホ基、イソシアネート基(−NCO)、イソチオシアネート基(−NCS)、スルファニル基(−(S)α−Ra)(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3、αは1〜8の整数を表す。)、ホスフィニル基(−P(=O)(Ra)ORa)(好ましくは炭素数0〜10、より好ましくは炭素数0〜6)、カルボニル結合を含む基(好ましくはアシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基で、より好ましくはアシル基、アシルオキシ基である。炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。具体的には、−C(=O)−Ra、−O−C(=O)−Raが好ましい。)、ハロゲン原子、アリール基(好ましくは、炭素数6〜22、より好ましくは炭素数6〜10)、またはヘテロアリール基(環構成ヘテロ原子が酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましく、環員数は5または6員が好ましく、ベンゼン環やヘテロ環で縮環していてもよい。炭素数は2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。)が好ましい。
ここで、Raは水素原子または置換基を表す。
XとY、複数存在する場合のX同士もしくはY同士が互いに結合して環を形成してもよい。ここで、XとYが互いに結合して形成する場合の環は、M原子を含めた環であることが好ましい。
なお、環を形成する結合は、単結合でも多重結合でもよい。例えば、複数のスルファニル基が結合し、環状のポリスルフィドとして配位していてもよい。なかでも、メチル基、n−ブチル基、ジアルキルアミノ基、ビス(トリアルキルシリル)アミノ基、イソチオシアネート(−NCS)基、アルコキシ基、フェノキシ基、XとYが単結合で環を形成した環状アルケニル基(ブタジエン配位型メタラサイクル)、二重結合で環を形成した環状クムレン基が好ましく、アルコキシ基、フェノキシ基、XとYが単結合で環を形成した環状アルケニル基(ブタジエン配位型メタラサイクル)、二重結合で環を形成した環状クムレン基がより好ましく、XとYが単結合で環を形成した環状アルケニル基(ブタジエン配位型メタラサイクル)、二重結合で環を形成した環状クムレン基が特に好ましい。
XおよびYは、さらに置換基を有していてもよく、後述の記置換基Tが挙げられる。
XとYが互いに結合した場合、具体的には、**−C(RXY1)=C(RXY2)−C(RXY3)=C(RXY4)−**、**−C(RXY1)=C=C=C(RXY4)−**、**−C(RXY1−エチニレン−C(RXY4−**が好ましい。ここで、RXY1〜RXY4は各々独立に、水素原子または置換基を表し、**はMと結合する結合点を示す。RXY1〜RXY4は水素原子、アルキル基、シリル基が好ましい。特に、RXY1とRXY4は、立体的に嵩高い基が好ましく、第三級アルキル基(好ましくはt−ブチル基)、シリル基(好ましくは、トリアルキルシリル基)が、なかでも好ましい。
・m,n
mおよびnは0≦m+n≦3を満たす整数である。m+nは2以下が好ましい。m=1かつn=1、またはm+n=0がより好ましく、m+n=0が特に好ましい。mおよびnが2以上のとき、そこで規定される複数の基は互いに同じでも異なっていてもよい。
特に、MがFeの場合、m+n=0が好ましく、MがFe以外の金属元素、例えば、Zr、V、Tiでは、m=1かつn=1が好ましい。
・L
Lは連結基を表す。連結基としては、2価の、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子を含む基、ケイ素原子を含む基、窒素原子を含む基、リン原子を含む基、チタン原子を含む基またはジルコニウム原子を含む基が好ましい。2価の、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素原子を含む基、リン原子を含む基、チタン原子を含む基またはジルコニウム原子を含む基がより好ましく、2価の、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素原子を含む基またはリン原子を含む基がさらに好ましく、2価の、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素原子を含む基が特に好ましい。
Lは、下記式(i)〜(viii)のいずれかで表される基が好ましく、式(i)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)で表される基がより好ましく、式(i)、(iii)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)で表される基がさらに好ましく、式(i)、(iii)、(vi)、(vii)で表される基が特に好ましく、式(i)、(vi)で表される基が最も好ましい。
ここで、下記の*は2つのシクロペンタジエニル環とのそれぞれの結合点を示す。
Figure 0006376709
ここで、式(vi)または(vii)において、TiまたはZrとRとの結合は、単結合でもイオン結合でも、π電子を介した配位結合でもかまわないが、π電子を介した配位結合が好ましい。
式(i)〜(viii)において、Rは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜3)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜6)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜10)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、シリルアミノ基(好ましくは炭素数0〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、スルホ基、イソシアネート基(−NCO)、イソチオシアネート基(−NCS)、スルファニル基(−(S)α−Ra)(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3、αは1〜8の整数を表す。)、ホスフィニル基(−P(=O)(Ra)ORa)(好ましくは炭素数0〜10、より好ましくは炭素数0〜6)、カルボニル結合を含む基(−C(=O)−Ra、−O−C(=O)−Ra)(好ましくは、炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)、ハロゲン原子、アリール基(好ましくは、炭素数5〜22、より好ましくは炭素数5〜10)またはヘテロアリール基(環構成ヘテロ原子が酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましく、環員数は5または6員が好ましく、ベンゼン環やヘテロ環で縮環していてもよい。炭素数は2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。)を表す。
なお、Rにおけるアリール基はアリール環を、ヘテロアリール基はヘテロアリール環をそれぞれ含むものであり、好ましい範囲もそれぞれアリール基、ヘテロアリール基と同じである。ここでのアリール基はシクロペンタジエニル基を含むものとする。
ここで、Raは水素原子または置換基を表す。
の各基は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基としては、後述の置換基Tが挙げられる。
はなかでも、水素原子、アルキル基、アリール基、アリール環、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基もしくはヘテロアリール環が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基、シクロペンタジエニル基もしくはシクロペンタジエン環がより好ましい。
連結基中に複数存在するRは互いに異なっていても同一であってもよい。また、複数のRが互いに結合して環を形成していてもよい。
以下に、本発明の一般式(I)で表される有機金属化合物の具体例を挙げる。なお、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
ここで、TMSはトリメチルシリル基〔−Si(CH〕、t−Buはt−ブチル基〔−C −t〕、Etはエチル基〔−C〕である。
Figure 0006376709
本発明の一般式(I)で表される有機金属化合物の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、国際公開第2009/066689号パンフレット、Organometallics,1982,1,1275−1282、同,1984,3,1470−1478、同,1999,18,2491−2496、J.Am.Chem.Soc.,1998,120,9533−9540などに記載の方法を参考にして合成することができる。
本発明の式(I)で表される有機金属化合物は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(I)で表される有機金属化合物の非水二次電池用電解液中の含有量は、電解質を含む全量に対して、0質量%を超え1質量%以下である。
このような範囲にすることで、電池特性の向上作用を効果的に発揮する。特に1質量%以下であると、電池性能を阻害しないため好ましい。
式(I)で表される有機金属化合物の含有量は、好ましくは、0.001質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上1質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以上1質量%以下であり、特に好ましくは。0.01質量%以上0.5質量%以下であり、最も好ましくは、0.01質量%以上0.2質量%以下である。
本発明の式(I)で表される有機金属化合物は、メタロセンのシクロペンタジエン環を架橋することで、歪みを与えて、化合物自体を不安定化することで、本発明の金属化合物の酸化分解が促進される。この結果、駆動電圧の低い電池でも正極上で皮膜を形成させることができ、サイクル特性の大幅な改良および低抵抗化が実現できたものと思われる。
また、本発明の非水二次電池用電解液は、上記の有機金属化合物に加えて、さらにホスファゼン化合物を含有することも好ましい。
[ホスファゼン化合物]
本発明の非水二次電池用電解液に用いられるホスファゼン化合物は、下記式(A1)または下記式(A2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006376709
式(A1)および(A2)において、Ra11〜Ra16およびRa21〜Ra28はそれぞれ独立に1価の置換基を表す。近接のRa11〜Ra16およびRa21〜Ra28は置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
Ra11〜Ra16およびRa21〜Ra28としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい)、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルコキシ基(アリール基で置換されたアルコキシ基、フッ素原子で置換されたアルコキシ基を含み、炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルキルチオ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アリールチオ基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アミノ基(アミノ基、アルキル基またはアリール基で置換されたアミノ基を含み、炭素数0〜24が好ましく、0〜12がより好ましく、0〜6がさらに好ましく、0〜3が特に好ましい)およびアシルアミノ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)が挙げられる。
Ra11〜Ra16およびRa21〜Ra28は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基またはアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基がより好ましい。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの無置換アルコキシ基、または、2、2、2−トリフルオロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ基、パーフルオロブチルエチル基などのフッ素原子で置換されたアルコキシ基が好ましい。アリールオキシ基としてはフェノキシ基またはフッ素原子で置換されたフェノキシ基が好ましい。
式(A1)で表される化合物は、Ra11〜Ra16のうち3〜6個(好ましくは4または5個、より好ましくは5個)がフッ素原子であり、0〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)がアルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基であることが好ましい。
式(A2)で表される化合物は、Ra21〜Ra28のうち5〜8個(好ましくは6または7個、より好ましくは7個)がフッ素原子であり、0〜3個(好ましくは1または2個、より好ましくは1個)がアルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基であることが好ましい。
Ra11〜Ra16およびRa21〜Ra28におけるアミノ基は、下記式(N1)で表される構造が好ましい。
Figure 0006376709
式(N1)において、Ra31およびRa32は、それぞれ独立に一価の置換基であり、アルキル基(炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい)、アシル基(炭素数1〜12のアシル基が好ましく、炭素数1〜6のアシル基がより好ましく、炭素数1〜3のアシル基が特に好ましい)、またはアリール基(炭素数6〜22のアリール基が好ましく、炭素数6〜14のアリール基がより好ましく、炭素数6〜10のアリール基が特に好ましい)が好ましい。Ra31およびRa32は互いに結合してまたは縮合して環を形成していてもよい。このとき、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を取り込んでいてもよい。形成される環としては、5員環または6員環が好ましい。5員環としては、含窒素の5員環を含む化合物が好ましく、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、インダゾール、インドール、ベンゾイミダゾール、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、インドリン、カルバゾール、またはこれらの誘導体など(いずれもN置換)が挙げられる。6員環としては、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはこれらの誘導体など(いずれもN置換)が挙げられ、好ましい。
上記式(A1)で表される化合物は、下記式(A1−1)または下記式(A1−2)で表されるフッ素化ホスファゼン化合物が好ましい。
Figure 0006376709
式(A1−1)および(A1−2)において、Ra41およびRa42はRa11と同義であり、好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素原子またはアミノ基である。電解液への難燃性付与の観点から、Ra41およびRa42はアルコキシ基またはジアルキルアミノ基が好ましく、ジアルキルアミノ基がより好ましい。
ジアルキルアミノ基としては、上記式(N1)で表されるアミノ基が好ましく適用される。
上記式(A1)で表されるホスファゼン化合物は、上記式(A1−1)で表されるフッ素化ホスファゼン化合物が、電解液への難燃性付与の観点から、さらに好ましい。
本発明に用いられるホスファゼン化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。
Figure 0006376709
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、Phはフェニル基である。
本発明に用いられるホスファゼン化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ホスファゼン化合物の非水二次電池用電解液中の濃度は特に限定されないが、電解質を含む量を全量として、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが特に好ましい。上限側の規定としては、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。ホスファゼン化合物をこの下限値以上で配合することにより、十分な難燃性を付与することができ、かつ電池性能においても良好な充放電性を実現することができる。
本発明に用いられるホスファゼン化合物は、市販のものを利用する、あるいはそれを修飾して所望の構造とした化合物を用いることができる。
ホスファゼン化合物に特定の置換基を導入する方法としては、例えばアルコキシ基で置換されたフッ素化ホスファゼン化合物は、(PNF)naで表されるフッ素化ホスファゼン化合物(naは3または4を示す。)と、R−OM(Rはアルキル基、Mはアルカリ金属を示す。)で表されるアルコラート、あるいはR−OH(Rは上記アルコラートと同義。)で表されるアルコールを、無触媒下、あるいは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基性触媒の存在下に反応させる方法等が提案されている(特開2009−161559号公報、特開2001−335590号公報、特開2001−139584号公報、国際公開第03/005479号パンフレット、特表2001−516492号公報)。また、アミノ基で置換されたフッ素化ホスファゼン化合物の合成については、(PNF)naで表されるフッ素化ホスファゼン化合物(naは3または4を示す。)と、2当量のアミンを反応させる方法(Journal of the Chemical Society [Section] A:Inorganic,Physical,Theoretical,1970 ,p.2324−2329)が知られている。
(電解質)
本発明の電解液に用いる電解質は周期律表第1族または第2族に属する金属イオンの塩が好ましい。使用する金属イオンの塩は電解液の使用目的により適宜選択される。例えば、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられ、二次電池などに使用される場合には、出力の観点からリチウム塩が好ましい。本発明の電解液をリチウム二次電池用非水系電解液として用いる場合には、金属イオンの塩としてリチウム塩を選択すればよい。リチウム塩としては、リチウム二次電池用非水系電解液の電解質に通常用いられるリチウム塩が好ましく、例えば、以下に述べるものが好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩等
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等
これらのなかで、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiClO、Li(RfSO)、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)が好ましく、LiPF、LiBF、LiN(RfSO、LiN(FSOおよびLiN(RfSO)(RfSO)などのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf、Rfはそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
なお、電解液に用いる電解質は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
電解液における電解質(好ましくは周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンもしくはその金属塩)は、以下に電解液の調製法で述べる好ましい塩濃度となるような量で添加されることが好ましい。塩濃度は電解液の使用目的により適宜選択されるが、一般的には電解液全質量中10質量%〜50質量%であり、さらに好ましくは15質量%〜30質量%である。モル濃度としては0.5M〜1.5Mが好ましい。なお、イオンの濃度として評価するときには、その好適に適用される金属との塩換算で算定すればよい。
(非水溶剤)
本発明に用いられる非水溶剤としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、なかでも炭素数2〜10の非プロトン性有機溶媒が好ましい。
このような非水溶剤としては、カーボネート化合物、ラクトン化合物、鎖状もしくは環状のエーテル化合物、エステル化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、オキサゾリジノン化合物、ニトロ化合物、鎖状または環状のスルホンもしくはスルホキシド化合物、リン酸エステルが挙げられる。
なお、好ましい結合で示せば、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合またはカーボネート結合を有する化合物が好ましい。これらの化合物は置換基を有していてもよく、例えば後述の置換基Tが挙げられる。
非水溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、リン酸トリメチル、ジメチルスルホキシドあるいはジメチルスルホキシドリン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、特に、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)とジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。このような組み合わせの混合溶剤とすることで、電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上する。
なお、本発明に用いられる非水溶剤は、これらに限定されるものではない。
(機能性添加剤)
本発明の電解液には、難燃性の向上、サイクル特性の良化、容量特性の改善などのため、各種の機能性添加剤を含有させることが好ましい。
以下に、本発明の電解液に適用することが好ましい機能性添加剤の例を示す。
<芳香族性化合物>
芳香族性化合物は、ビフェニル化合物、アルキル置換ベンゼン化合物が挙げられる。ビフェニル化合物は2つのベンゼン環が単結合で結合している部分構造を有しておりベンゼン環は置換基を有してもよく、好ましい置換基は、炭素原子数1〜4のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなど)、炭素原子数6〜10のアリール基(例えば、フェニル、ナフチルなど)である。
ビフェニル化合物としては、具体的に、ビフェニル、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、4−メチルビフェニル、4−エチルビフェニル、及び4−tert−ブチルビフェニルを挙げることができる。
アルキル置換ベンゼン化合物は、炭素数1〜10のアルキル基で置換されたベンゼン化合物が好ましく、具体的には、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、t−アミルベンゼン、t−ブチルベンゼン、テチラヒドロナフタレンを挙げることができる。
<ハロゲン原子を有する化合物>
ハロゲン原子を有する化合物が有するハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子または臭素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。ハロゲン原子の数は1〜6個が好ましく、1〜3個がさらに好ましい。ハロゲン原子を有する化合物は、フッ素原子で置換されたカーボネート化合物、フッ素原子を有するポリエーテル化合物、フッ素置換芳香族化合物が好ましい。
ハロゲンで置換されたカーボネート化合物は鎖状または環状いずれでもよい。なお、イオン伝導性の観点から、電解質塩(例えばリチウムイオン)の配位性が高い環状カーボネート化合物が好ましく、5員環環状カーボネート化合物が特に好ましい。
ハロゲン原子が置換したカーボネート化合物の好ましい具体例を以下に示す。この中でもBex1〜Bex4の化合物が特に好ましく、Bex1が最も好ましい。
Figure 0006376709
<重合性化合物>
重合性化合物としては炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましく、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどの二重結合を有するカーボネート化合物、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、シアノアクリロイルオキシ基、α−CFアクリロイルオキシ基から選ばれる基を有する化合物、スチリル基を有する化合物が好ましく、二重結合を有するカーボネート化合物、あるいは重合性基を分子内に2つ以上有する化合物がさらに好ましい。
<硫黄原子を有する化合物>
硫黄原子を有する化合物は、硫黄原子を含み、−SO−、−SO−、−OS(=O)O−結合を有する化合物が好ましく、プロパンサルトン、プロペンサルトン、エチレンサルファイトなどの環状含硫黄化合物、スルホン酸エステル類が好ましい。
含硫黄環状化合物としては、下記式(E1)または(E2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006376709
式(E1)および(E2)において、XおよびXは各々独立に、−O−または−C(Ra1)(Rb1)−を表す。ここで、Ra1およびRb1は各々独立に、水素原子または置換基を表す。置換基として、好ましくは炭素原子数1〜8のアルキル基、フッ素原子、炭素原子数の6〜12のアリール基である。αは5〜6員環を形成するのに必要な原子群を表す。αの骨格は炭素原子のほか、硫黄原子、酸素原子などを含んでもよい。αは置換されていてもよく、置換基としては置換基Tが挙げられ、好ましくはアルキル基、フッ素原子、アリール基である。
Figure 0006376709
<ケイ素原子を有する化合物>
ケイ素原子を有する化合物としては、下記式(F1)または(F2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006376709
式(F1)および(F2)において、RF1はアルキル基、アルケニル基、アシル基、アシルオキシ基またはアルコキシカルボニル基を表す。
F2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアルコキシ基を表す。
なお、1つの式に複数あるRF1およびRF2は各々互いに異なっていても同一であってもよい。
<ニトリル化合物>
ニトリル化合物としては、下記式(G)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006376709
式(G)において、RG1〜RG3は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルホニル基、ハロゲン原子またはホスホニル基を表す。各置換基の好ましいものは、後述の置換基Tの対応する基に記載の例を参照することができ、なかでも、RG1〜RG3のいずれか一つ以上がシアノ基を含むニトリル化合物が好ましい。
ngは1〜8の整数を表す。
式(G)で表される化合物の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、スクシノニトリル、マロノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタノニトリル、ヘキサントリカルボニトリル、プロパンテトラカルボニトリル等が好ましい。特に好ましくは、スクシノニトリル、マロノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタノニトリル、ヘキサントリカルボニトリル、プロパンテトラカルボニトリルである。
<ホウ素原子を有する化合物>
ホウ素原子を有する化合物は、下記式(H1)〜(H3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006376709
式(H1)〜(H3)において、RH1、RH4〜RH11は各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、カルバモイル基またはハロゲン原子を表す。ここで、複数の基が互いに結合して環を形成してもよい。RH2およびRH3は各々独立に、アルキル基、アルキルカルボニル基、アリール基、アリールカルボニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールカルボニル基またはホウ素原子を表す。ここで、複数の基が互いに結合して環を形成してもよい。Zは無機もしくは有機カチオンを表し、好ましくはアンモニウムカチオン、Li、Na、Kである。
ホウ素原子を有する化合物として、具体的には下記の構造が挙げられ、より好ましくはHex1、Hex2またはHex10であり、さらに好ましくはHex10である。
Figure 0006376709
<金属錯体化合物>
本発明では、本発明の式(I)で表される有機金属化合物とともに、式(I)で表される有機金属化合物とは異なる金属錯体化合物を含有してもよい。
このような金属錯体化合物としては、遷移金属錯体もしくは希土類錯体が好ましい。なかでも、下記式(H−1)〜(H−3)のいずれかで表される錯体が好ましい。
Figure 0006376709
式(H−1)〜(H−3)において、XおよびYは各々独立に、メチル基、n−ブチル基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基またはチオイソシアネート基を表す。ここで、XとYが互いに結合して、Mとともに、環状アルケニル基(ブタジエン配位型メタラサイクル)を形成してもよい。
は遷移元素または希土類元素を表す。具体的にMは、Fe、Ru、Cr、V、Ta、Mo、Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Sw、Nd、Lu、Er、Yb、Gdが好ましい。mとnは0≦m+n≦3を満たす整数である。n+mは1以上が好ましい。n、mが2以上であるとき、そこで規定される2以上の基はそれぞれ異なっていてもよい。
金属錯体化合物は下記式(H−4)で表される部分構造を有する化合物も好ましい。
−(NR1H2H)q ・・・ 式(H−4)
式(H−4)において、Mは遷移元素または希土類元素を表し、式(H−1)〜(H−3)と同義であり、好ましい範囲も同じである。
1H,R2Hは水素原子、アルキル基(好ましい炭素数は1〜6)、アルケニル基(好ましい炭素数は2〜6)、アルキニル基(好ましい炭素数は2〜6)、アリール基(好ましい炭素数は6〜14)、ヘテロアリール基(好ましい炭素数は3〜6)、アルキルシリル基(好ましい炭素数は1〜6)またはハロゲン原子を表す。R1HとR2Hは互いに結合して環を形成していてもよい。このような環としては、5〜6員環が好ましく、例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環が挙げられる。R1HおよびR2Hの好ましいものは、後述の置換基Tの例が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、トリメチルシリル基が好ましい。
は1〜4の整数を表し、2〜4の整数が好ましい。より好ましくは2または4である。qが2以上のとき、そこで規定される複数の基は互いに同じでも異なっていてもよい。
金属錯体化合物は、下記式のいずれかで表される化合物も好ましい。
Figure 0006376709
・M
中心金属Mは、Ti、Zr、ZrO、Hf、V、Cr、Fe、Ceが特に好ましく、Ti、Zr、Hf、V、Crが最も好ましい。
・R3h、R5hおよびR7h〜R10h
3h、R5hおよびR7h〜R10hは置換基を表す。なかでも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、ハロゲン原子が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、パーフルオロメチル、メトキシ、フェニル、エテニルがさらに好ましい。
・R33hおよびR55h
33hおよびR55hは水素原子またはR3hの置換基を表す。R3hの置換基としては、後述の置換基Tが挙げられる。
・Y
は、炭素数1〜6のアルキル基またはビス(トリアルキルシリル)アミノ基が好ましく、メチル基またはビス(トリメチルシリル)アミノ基がより好ましい。
・l、mおよびo
、mおよびoは0〜3の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。l、mおよびoが2以上のとき、そこで規定される複数の構造部は互いに同じであっても、異なっていてもよい。
・L
はアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基が好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキレン基、炭素数6〜14のアリーレン基がより好ましく、シクロヘキシレン、フェニレンがさらに好ましい。
<イミド化合物>
イミド化合物としては、耐酸化性の観点より、炭素原子上に有する水素原子が全てフッ素化されたイミド化合物が好ましく、パーフルオロ化されたスルホンイミド化合物が好ましく、具体的にはパーフルオロ化されたスルホイミドリチウム化合物が挙げられる。
イミド化合物として、具体的には下記の構造が挙げられ、より好ましくはCex1、Cex2である。
Figure 0006376709
本発明の電解液には、上記のものを始め、負極被膜形成剤、難燃剤、過充電防止剤等から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。非水電解液中におけるこれら機能性添加剤の含有割合は特に限定はなく、非水電解液全体(電解質を含む)に対し、それぞれ、0.001質量%〜10質量%が好ましい。これらの化合物を添加することにより、過充電による異常時に電池の破裂を抑制したり、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させたりすることができる。
なお、本明細書において化合物の表示(例えば、化合物と末尾に付して呼ぶとき)については、化合物そのもののほか、化合物が解離性の基を有する場合、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブチンジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
また、各基は、上記の置換基Tでさらに置換されていてもよい。例えば、アルキル基にアリール基が置換されたアラルキル基などである。
化合物ないし置換基・連結基等がアルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基、アルキニル基・アルキニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。
[電解液の調製方法等]
本発明の非水電解液は、金属イオンの塩としてリチウム塩を用いた例を含め、上記各成分を上記非水電解液溶媒に溶解して、常法により調製される。
本発明において、「非水」とは水を実質的に含まないことをいい、発明の効果を妨げない範囲であれば微量の水を含んでいてもよい。ここで、実質的に含まないとは、水の濃度が200ppm(質量基準)以下であり、100ppm以下が好ましく20ppm以下がより好ましい。
なお、現実的には、完全に無水とすることは困難であり、1ppm以上は含まれる。
<電解液の粘度>
本発明の電解液の粘度は特に限定されない。なお、25℃において、10〜0.1mPa・sが好ましく、5〜0.5mPa・sがより好ましい。
電解液の粘度は、サンプル1mLをレオメーター(例えば、TA Instruments社製のCLS 500)に入れ、直径4cm/2°のSteel Cone(例えば、TA Instruments社製)を用いて測定する。サンプルは予め測定開始温度にて温度が一定となるまで保温しておき、測定はその後に開始する。なお、測定温度は25℃である。
[非水二次電池]
本発明の非水二次電池は、上記の本発明の非水電解質を使用する。
非水二次電池の好ましい実施形態として、リチウムイオン二次電池についてその機構を模式化して示した図1を参照して説明する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、上記本発明の非水二次電池用電解液5と、リチウムイオンの挿入放出が可能な正極C(正極集電体1、正極活物質層2)と、リチウムイオンの挿入放出又は溶解析出が可能な負極A(負極集電体3,負極活物質層4)とを備える。これら部材に加え、電池が使用される目的、電位の形状などを考慮し、正極と負極の間に配設されるセパレータ9、集電端子(図示せず)、及び外装ケース等(図示せず)を含んで構成されてもよい。必要に応じて、電池の内部及び電池の外部の少なくともいずれかに保護素子を装着してもよい。このような構造とすることにより、電解液5内でリチウムイオンの授受a、bが生じ、充電α、放電βを行うことができ、回路配線7を介して動作機構6を介して運転あるいは蓄電を行うことができる。以下、本発明の好ましい実施形態であるリチウム二次電池の構成について、さらに詳細に説明する。
(電池形状)
本実施形態のリチウム二次電池が適用される電池形状には、特に制限はなく、例えば、有底筒型形状、有底角型形状、薄型形状、シート形状およびペーパー形状などが挙げられ、これらのいずれであってもよい。また、組み込まれるシステムや機器の形を考慮した馬蹄形や櫛型形状等の異型のものであってもよい。なかもで、電池内部の熱を効率よく外部に放出する観点から、比較的平らで大面積の面を少なくとも一つを有する有底角型形状や薄型形状などの角型形状が好ましい。
有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗による発生するジュール発熱を効率よく外部に逃げる設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。図2は、有底筒型形状リチウム二次電池100の例である。この電池は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を巻回して外装缶18内に収納した有底筒型リチウム二次電池100となっている。
有底角型形状では、一番大きい面の面積S(端子部を除く外形寸法の幅と高さとの積、単位cm)の2倍と電池外形の厚さT(単位cm)との比率2S/Tの値が100以上であることが好ましく、200以上であることが更に好適である。最大面を大きくすることにより高出力かつ大容量の電池であってもサイクル性や高温保存等の特性を向上させるとともに、発熱時の放熱効率を上げることができ、後述する「弁作動」という状態になることを抑制することができる。
(電池を構成する部材)
本実施形態のリチウム二次電池は、図1に基づいて言うと、電解液5、正極及び負極の電極合剤C、A、セパレータの基本部材9を具備して構成される。以下、これらの各部材について述べる。
(電極合材)
電極合材は、集電体(電極基材)上に活物質と導電剤、結着剤、フィラーなどの分散物を塗布したものであり、リチウム電池においては、活物質が正極活物質である正極合材と活物質が負極活物質である負極合材を使用することが好ましい。
次に、電極合材を構成する分散物(電極用組成物)中の各成分等について説明する。
・正極活物質
正極活物質には遷移金属酸化物を用いることが好ましく、中でも、遷移元素M(Co、Ni、Fe、Mn、Cu、Vから選択される1種以上の元素)を有することが好ましい。また、混合元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど)を混合してもよい。このような遷移金属酸化物として例えば、下記式(MA)〜(MC)のいずれかで表されるものを含む特定遷移金属酸化物、またはその他の遷移金属酸化物としてV、MnO等が挙げられる。正極活物質には、粒子状の正極活物質を用いてもよい。具体的に、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができるが、上記の特定遷移金属酸化物を用いることが好ましい。
遷移金属酸化物としては、上記の遷移元素Mを含む酸化物等が好適に挙げられる。このとき混合元素M(好ましくはAl)などを混合してもよい。混合量としては、遷移金属の量に対して0〜30mol%が好ましい。また、Li/Mのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものがより好ましい。
〔式(MA)で表される遷移金属酸化物(層状岩塩型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下式で表されるものが好ましい。
Liaabb ・・・ (MA)
式(MA)において、Mは上記Mと同義であり、好ましい範囲も同じである。aaは0〜1.2を表し、0.1〜1.15が好ましく、さらに0.6〜1.1が好ましい。bbは1〜3を表し、2が好ましい。Mの一部は上記混合元素Mで置換されていてもよい。なお、式(MA)で表される遷移金属酸化物は、典型的には層状岩塩型構造を有する。
本遷移金属酸化物は下記の各式で表されるものがより好ましい。
(MA−1) LiCoO
(MA−2) LiNiO
(MA−3) LiMnO
(MA−4) LiCoNi1−j
(MA−5) LiNiMn1−j
(MA−6) LiCoNiAl1−j−i
(MA−7) LiCoNiMn1−j−i
式(MA−1)〜(MA−7)において、gは上記aaと同義であり、好ましい範囲も同じである。jは0.1〜0.9を表す。iは0〜1を表す。ただし、1−j−iは0以上になる。kは上記bbと同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(MA−1)〜(MA−7)で表される遷移金属化合物の具体例としては、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)LiNi0.85Co0.1Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は、一部重複するが、表記を変えて示すと、下記で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(i)LiNiMnCo(x>0.2,y>0.2,z≧0,x+y+z=1)
代表的なもの:
LiNi1/3Mn1/3Co1/3
LiNi1/2Mn1/2
(ii)LiNiCoAl(x>0.7,y>0.1,0.1>z≧0.05,x+y+z=1)
代表的なもの:
LiNi0.8Co0.15Al0.05
〔式(MB)で表される遷移金属酸化物(スピネル型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては、特に下記式(MB)で表されるものも好ましい。
Li ・・・ (MB)
式(MB)において、Mは上記Mと同義であり、好ましい範囲も同じである。cは0〜2を表し、0.1〜1.15が好ましく、0.6〜1.5がより好ましい。dは3〜5を表し、4が好ましい。
式(MB)で表される遷移金属酸化物は下記の各式で表されるものがより好ましい。
(MB−1) LimmMnnn
(MB−2) LimmMnAl2−pnn
(MB−3) LimmMnNi2−pnn
式(MB−1)〜(MB−3)において、mmはcと同義であり、好ましい範囲も同じである。nnはdと同義であり、好ましい範囲も同じである。pは0〜2を表す。上記遷移金属化合物の具体例としては、LiMn、LiMn1.5Ni0.5が挙げられる。
式(MB)で表される遷移金属酸化物はさらに下記で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(a) LiCoMnO
(b) LiFeMn
(c) LiCuMn
(d) LiCrMn
(e) LiNiMn
高容量、高出力の観点で、上記のうちNiを含む電極がさらに好ましい。
〔式(MC)で表される遷移金属酸化物〕
リチウム含有遷移金属酸化物としてはリチウム含有遷移金属リン酸化物を用いることも好ましく、中でも下記式(MC)で表されるものも好ましい。
Li(PO ・・・ (MC)
式(MC)において、eは0〜2を表し、0.1〜1.15が好ましく、0.5〜1.5がより好ましい。fは1〜5を表し、0.5〜2が好ましい。
はV、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選択される1種以上の元素を表す。Mは、上記の混合元素Mのほか、Ti、Cr、Zn、Zr、Nb等の他の金属で置換していてもよい。具体例としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
なお、Liの組成を表す上記aa、c、g、mm、e値は、充放電により変化する値であり、典型的には、Liを含有したときの安定な状態の値で評価される。なお、式(a)〜(e)では特定値としてLiの組成を示しているが、これも同様に電池の動作により変化するものである。
なかでも本発明においては、Niおよび/またはMn原子を含有する正極活物質を用いることが好ましく、NiおよびMn原子両方を含有する正極活物質を用いることがより好ましい。
特に好ましい正極活物質の具体例としては下記が挙げられる。
LiNi0.33Co0.33Mn0.33
LiNi0.6Co0.2Mn0.2
LiNi0.5Co0.3Mn0.2
LiNi0.5Mn0.5
LiNi0.5Mn1.5
これらは高電位で使用できるため電池容量を大きくすることができ、また高電位で使用しても容量維持率が高いため、特に好ましい。
本発明において正極活物質には、本発明の式(I)で表される有機金属化合物を酸化可能な充電領域を有するものを用いることが好ましい。具体的には、3.5V以上の正極電位(Li/Li基準)で通常使用を維持できる材料を用いることが好ましい。この正電位は、3.8V以上がより好ましく、3.9V以上がさらに好ましく、4V以上が特に好ましい。この正電位は、なかでも4.1V以上が好ましく、4.2V以上が最も好ましい。上限は特に制限されるものではない。ただし、5V以下が実際的である。このような範囲とすることで、サイクル特性および高レート放電特性を向上することができる。
ここで、通常使用を維持できるとは、その電圧で充電を行ったときでも電極材料が劣化して使用不能になることがないことを意味し、この電位を通常使用可能電位ともいう。
充放電時の正極電位(Li/Li基準)は、下記式で表される。
(正極電位)=(負極電位)+(電池電圧)
負極としてチタン酸リチウムを用いた場合、負極電位は1.55Vとする。負極として黒鉛を用いた場合は負極電位は0.1Vとする。充電時に電池電圧を観測し、正極電位を算出する。
本発明の非水電解液は、高電位の正極と組み合わせて用いることが特に好ましい。高電位の正極を用いると、通常、サイクル特性が大きく低下しがちであるが、本発明の好ましい実施形態によれば非水電解液は、この低下を抑えた良好な性能を維持することができる。
本発明の非水二次電池において、用いられる正極活物質の平均粒子径は特に限定されないが、0.1μm〜50μmが好ましい。比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01m/g〜50m/gであるのが好ましい。また、正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては、7以上12以下が好ましい。
正極活物質を所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤で洗浄した後に使用してもよい。
正極活物質の配合量は特に限定されないが、活物質層を構成するための分散物(合剤)中、固形成分100質量%において、60〜98質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましい。
・負極活物質
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。このような条件を満たすものであれば、特に制限はない。例えば、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金およびSnもしくはSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせて用いてもよく、この場合の比率はどのような比率でも構わない。なかでも炭素質材料またはリチウム複合酸化物は、信頼性の点から好ましい。
また、金属複合酸化物としては、リチウムの吸蔵、放出が可能であるものが好ましく、構成成分としてチタンおよび/またはリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛およびPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載されているような面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報に記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報に記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
本発明の非水二次電池において用いられる負極活物質である金属酸化物および金属複合酸化物は、これらの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。金属酸化物および金属複合酸化物は、なかでも非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線のうち最も強い強度は、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
上記非晶質酸化物およびカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物およびカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの1種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、およびカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物およびカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
上記負極活物質の平均粒子径は、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
上記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質は、リチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
本発明の電解液は、その好ましい様態として、高電位負極(好ましくはリチウム・チタン酸化物、電位1.55V対Li金属)との組合せ、および低電位負極(好ましくは炭素材料、シリコン含有材料、電位約0.1V対Li金属)との組合せのいずれにおいても優れた特性を発現する。さらに高容量化に向けて開発が進んでいるリチウムと合金形成可能な金属もしくは金属酸化物負極(好ましくはSi、酸化Si、Si/酸化Si、Sn、酸化Sn、SnB、Cu/Snおよびこれらのうち複数の複合体)、およびこれらの金属もしくは金属酸化物と炭素材料の複合体を負極とする電池においても好ましく用いることができる。
本発明においては、なかでも、炭素、ケイ素(Si)、チタン、およびスズから選ばれる少なくとも1種を含有する負極活物質を用いることが好ましい。
本発明の非水電解液は、高電位の負極と組み合わせて用いることが特に好ましい。高電位の負極は上記の高電位の正極と組み合わせて用いられることが多く、大容量の充放電にも好適に対応することができる。
・導電材
導電材は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料が好ましく、公知の導電材を任意に用いることができる。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−10148,554号公報に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号公報に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。上記導電剤の添加量は、11〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンブラックや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
・結着剤
結着剤(以下、バインダーとも称す。)としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。また、結着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体を使用し、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウムを併用することも好ましい。
結着剤は、1種単独または2種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力・凝集力が弱くなる。多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量当たりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
・フィラー
電極合材は、フィラーを含んでいてもよい。フィラーを形成する材料は、本発明の非水二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料が好ましい。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの材料からなる繊維状のフィラーが用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、分散物中、0〜30質量%が好ましい。
・集電体
正・負極の集電体としては、化学変化を起こさない電子伝導体が用いられることが好ましい。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
負極の集電体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。集電体の厚みは、特に限定されない。なお、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
これらの材料から適宜選択した部材によりリチウム二次電池の電極合材が形成される。
(セパレータ)
本発明の非水二次電池に用いられるセパレータは、正極と負極を電子的に絶縁する機械的強度、イオン透過性、および正極と負極の接触面で酸化・還元耐性のある材料で構成されていることが好ましい。このような材料として、多孔質のポリマー材料や無機材料、有機無機ハイブリッド材料またはガラス繊維などが用いられる。これらセパレータは信頼性確保のためのシャットダウン機能、すなわち、80℃以上で隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能を持つことが好ましく、閉塞温度は90℃以上、180℃以下が好ましい。
セパレータの孔の形状は、通常は円形や楕円形で、大きさは0.05μm〜30μmが好ましく、0.1μm〜20μmがより好ましい。さらに延伸法、相分離法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であってもよい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は、20%〜90%が好ましく、35%〜80%がより好ましい。
上記ポリマー材料としては、セルロース不織布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの単一の材料を用いたものでも、2種以上の複合化材料を用いたものであってもよい。孔径、気孔率や孔の閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層したものが、好ましい。
上記無機物としては、アルミナや二酸化珪素等の酸化物類、窒化アルミや窒化珪素等の窒化物類、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩類が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状のものが用いられる。薄膜形状では、孔径が0.01μm〜1μm、厚さが5μm〜50μmのものが好適に用いられる。このような独立した薄膜形状以外に、上記無機物の粒子を含有する複合多孔層を樹脂製の結着剤を用いて、正極および/または負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子をフッ素樹脂の結着剤を用いて多孔層として形成させることが挙げられる。
(非水二次電池の作製)
本発明の非水二次電池の形状としては、既述のように、シート状、角型、シリンダー状などいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
以下、図2により、有底筒型形状リチウム二次電池100を例に挙げて、その構成及び作製方法について説明する。
有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗による発生するジュール発熱を効率よく外部に逃げる設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。図2は、有底筒型形状リチウム二次電池100を例である。この電池は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を巻回して外装缶18内に収納した有底筒型リチウム二次電池100となっている。その他、図中の20が絶縁板、22が封口板、24が正極集電体、26がガスケット、28が圧力感応弁体、30が電流遮断素子である。なお、拡大した円内の図示は視認性を考慮しハッチングを変えているが、各部材は符号により全体図と対応している。
まず、負極活物質と、所望により用いられる結着剤やフィラーなどを有機溶剤に溶解したものを混合して、スラリー状あるいはペースト状の負極合剤を調製する。得られた負極合剤を集電体としての金属芯体の両面の全面にわたって均一に塗布し、その後、有機溶剤を除去して負極合材層を形成する。さらに、集電体と負極合材層との積層体をロールプレス機等により圧延して、所定の厚みに調製して負極シート(電極シート)を得る。このとき、各剤の塗布方法や塗布物の乾燥、正・負極の電極の形成方法は定法によればよい。
本実施形態では、円筒形の電池を例に挙げたが、本発明はこれに制限されない。例えば、上記方法で作製された正・負の電極シートを、セパレータを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工するか、あるいは、折り曲げた後、角形缶に挿入して、缶とシートを電気的に接続した後、電解質を注入し、封口板を用いて開口部を封止して角形電池を作製してもよい。
いずれの実施形態においても、安全弁を開口部を封止するための封口板として用いることができる。また、封口部材には、安全弁の他、従来知られている種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが好適に用いられる。
また、上記安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは独立に接続させてもよい。
缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が好適に用いられる。
キャップ、缶、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例えば、直流または交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来知られている化合物や混合物を用いることができる。
[非水二次電池の用途]
リチウム電池と呼ばれる二次電池は、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(リチウムイオン二次電池)と、リチウムの析出および溶解を利用する二次電池(リチウム金属二次電池)とに大別される。本発明においてはリチウムイオン二次電池としての適用が好ましい。
本発明の非水二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。さらに、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。なお、特に断らない限り、部および%は質量基準である。
<本発明の有機金属化合物I(2)の合成>
以下の合成スキームで、有機金属化合物I(2)を合成した。
Figure 0006376709
500mlの3つ口フラスコに、シクロペンタジエニルリチウム:36g(アルドリッチ社製)、ヘキサン:300mlを添加した。次に氷浴で0℃まで冷却後、ジメチルヂジクロロシラン:32.5g(東京化成工業社製)を加え、室温で1時間攪拌した。4N塩酸水溶液で処理後、蒸留精製してジシクロペンタジエニルジメチルシラン:28.7gを得た。
500mlの3つ口フラスコに、上記で合成したジシクロペンタジエニルジメチルシラン:18.8g、THF(テトラヒドロフラン):120mlを添加した。次に氷浴で0℃まで冷却後、n−ブチルリチウム:125ml(1.6M:関東化学社製)を滴下し、室温で反応液を2時間攪拌した。その後、THF/トルエンの1/1溶液60mlにテトラクロロジルコニウム:18.6gを加えた懸濁液を、反応液に0℃にて滴下した。室温で2時間反応した後、濃縮し、クロロホルム:500mlで抽出した。メタノール−氷バスで−20℃まで冷却し、析出した再結晶生成物をろ別し、化合物X(1):12.55gを得た。
200mlの3つ口フラスコに、4,4−ジメチル−2−ペンチン:5.77g(Alfa Aesar社製)をTHF:40mlに混合させた。次にドライアイス−メタノールバスにて−70℃以下まで冷却後、X(1):10.45gを添加した。−70℃以下の冷却を確認後、n−ブチルリチウム:37.5ml(1.6M:関東化学社製)を滴下し、滴下終了後に反応液を1時間攪拌した。次いで反応液を室温まで昇温し、さらに2時間反応させた。反応液を濃縮し、トルエン40mlを添加し5分間攪拌した。得られた懸濁液をセライト濾過した後、再びエバポレータでトルエンを留去した。得られた粗生成物を200mlのヘキサンに溶解させ、ドライアイス−メタノールバスで−70℃以下まで冷却し、析出した再結晶生成物をろ別し、本発明の有機金属化合物I(2):9.1gを得た。
<本発明の有機金属化合物I(4)の合成>
以下の合成スキームで、有機金属化合物I(4)を合成した。
Figure 0006376709
200mlの3つ口フラスコに、化合物X(1):10.45g、脱水トルエン:100mlを添加した。次にドライアイスーメタノールバスにて−70℃以下まで冷却後、n−ブチルリチウム:37.5ml(1.6M:関東化学社製)を30分かけて滴下し、滴下終了後に反応液を1時間攪拌した。2,2,7,7−テトラメチルオクタ−3,5−ジイン:4.87g(ALDRICH社製)を加え、反応液を室温まで昇温し、さらに3時間反応させた。反応終了後、水:200mlを加え、混合液をジエチルエーテルで抽出した。抽出液を水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物を200mlのヘキサンに溶解させ、ドライアイス−メタノールバスで−70℃以下まで冷却し、析出した再結晶生成物をろ別し、本発明の有機金属化合物I(4):8.2gを得た。
<本発明の有機金属化合物I(7)の合成>
以下の合成スキームで、有機金属化合物I(7)を合成した。
Figure 0006376709
500mlの3つ口フラスコに、フェロセン:30g(東京化成工業社製)、ヘキサン:200mlを添加した。氷浴で0℃まで冷却後、n−ブチルリチウム:160ml(2.3M:関東化学社製)を滴下し、次いでテトラメチルエチレンジアミン:30ml(アルドリッチ社製)を滴下し、反応液を室温まで昇温し、さらに5時間反応させた。沈殿物を濾過し、ヘキサンで洗浄後、乾燥して、化合物X(2):44.9gを得た。
200mlの3つ口フラスコに、化合物X(2):5.03g、脱水ジエチルエーテル:100ml(和光純薬工業社製)を添加した。次にドライアイス−メタノールバスにて−70℃以下まで冷却後、ジメチルジクロロシラン:2.4ml(東京化成工業社製)を10分間かけて滴下し、反応液を室温まで昇温し、10時間反応させた。反応液を濃縮後、ヘキサン100mlを加え、懸濁液を濾過した後、再び濃縮した。得られた粗結晶を昇華精製して、本発明の有機金属化合物I(7):2.2gを得た。
<本発明の有機金属化合物I(8)の合成>
以下の合成スキームで、有機金属化合物I(8)を合成した。
Figure 0006376709
500mlの3つ口フラスコに、化合物X(2):6.0g、脱水ヘキサン:200ml(和光純薬工業社製)を添加した。次にドライアイス−メタノールバスで−70℃以下まで冷却後、ジクロロフェニルホスフィン:2.58ml(和光純薬社製)のヘキサン:25ml溶液を20分間かけて滴下した。滴下後、反応液を室温まで昇温し、10時間反応させた。
反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液:5mlを加えクエンチ後、水層を除去し、濃縮した。次いで残渣をヘキサン50mlで4回抽出し、このヘキサン抽出溶液を180ml程度、ヘキサンを濃縮除去し、−30℃で再結晶し、本発明の有機金属化合物I(8):1.9gを得た。
<その他の有機金属化合物の合成>
上記で合成した本発明の有機金属化合物と同様の合成法により、有機金属化合物I(1)、(9)〜(12)および(14)を合成した。
<実施例1・比較例1>
・電解液の調製
1M LiPFのエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(体積比1対2)電解液に、下記表1に示す有機金属化合物を、表1中に記載の量加え、試験用電解液を調製した。
・2032型コイン電池の作製
正極を、活物質:マンガン酸リチウム(LiMn) 85質量%、導電助剤:カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%の組成物で作製した。
負極を、活物質:Gr(天然黒鉛) 92質量%、バインダー:PVDF 8質量%の組成物で作製した。
セパレータは、厚みが25μmのポリプロピレン製のセパレータを用意した。
上記の正負極、セパレータを使用し、調製した各試験用電解液を用いて、2032型コイン電池を作製した。
作製した各電池について、300サイクル後の容量維持率を下記のようにして評価した。
<容量維持率−300サイクル>
作製した各2032型コイン電池を用いて、60℃の恒温槽中、4.0mAで電池電圧が4.15Vになるまで1Cの定電流充電を行った後、4.15Vの定電圧において電流値が0.02mAになるまで継続した。ただし、充電時間の上限を2時間とした。次に4.0mAで電池電圧が2.75Vになるまで1Cの定電流放電を行った。これを1サイクルとした。これを300サイクルに達するまで繰り返し、300サイクル目の放電容量(mAh)を測定した。
ここで1Cとは電池の容量を1時間で放電または充電する電流値を表す。
得られた値をもとに、下記式に基づいて、放電容量維持率(%)を算出した。
なお、表1において、放電容量維持率を容量維持率と省略して記載した。
放電容量維持率(%)=
(300サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
得られた結果を、下記表1に示す。
なお、下記表1における有機金属化合物は、明細書中に記載した式(I)で表される有機金属化合物の具体例を示す。
Figure 0006376709
上記表1から、本発明の2032型コイン電池(101〜114)は、放電容量維持率が76〜95%であり、本発明の有機金属化合物を使用することで、有機金属化合物を使用しない比較例の2032型コイン電池(c01)よりも放電容量維持率が11%以上も向上している。
一方、比較例のフェロセンを使用する2032型コイン電池(c02)では、レドックスシャトルにより自己放電が進行し、容量維持率が低下していると推定する。フェロセンは駆動電圧の低い電池では正極上で皮膜形成できず、容量維持率が低下したものと思われる。
この結果、本発明により、リチウムイオン二次電池において、高いサイクル特性を達成できることがわかる。
<実施例2・比較例2>
電解液の調製
1.1M LiPFのエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(体積比1対2)電解液に、有機金属化合物、ホスファゼン化合物を表2中に示した量となるように添加し、更にビニレンカーボネートを全電解液に対し1質量%、リチウムビスオキサレートボラートを全電解液に対し1質量%となるように添加して各試験用の電解液を調製した。調製した電解液の25℃における粘度は全て5mPa・s以下、カールフィッシャー法(JISK0113)により測定した水分量は20ppm以下であった。
<難燃性>
調製した電解液の難燃性を大気下25℃において以下のように評価した。
UL−94HB水平燃焼試験を参考に、以下の試験条件にて評価を実施した。幅13mm、長さ110mmのガラス濾紙(ADVANTEC GA−100)を切り出し、調製した電解液1.5mlをガラス濾紙上に満遍なく滴下した。十分にガラス濾紙内に電解液が染み込んだ後、余剰の電解液を拭い、短軸が垂直になるように吊るした。全炎長2cmに調整したブタンガスバーナーの内炎がガラス濾紙の先端に触れる位置で3秒着火し、炎を離した後の挙動(着火の有無、着火後の消炎、着火点から他方の端まで炎が到達する時間)から、以下のように評価した。添加剤を添加していない、試験No.C201の電解液を用いたガラス濾紙は、着火点から他方の端まで炎が到達する時間が5秒未満であった。
[評価基準]
A:着火が見られず、不燃であった。
B:着火したがすぐに消炎した。
C:着火したが、着火点から他方の端まで炎が到達する前に消炎した。
D:着火点から他方の端まで炎が到達する時間が10秒以上で、燃焼抑制効果が見られるが、不燃、消炎には至らないレベル。
E:着火点から他方の端まで炎が到達する時間が10秒未満で、燃焼抑制効果なし。
・2032型コイン電池の作製
正極を、活物質:ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3) 95質量%、導電助剤:カーボンブラック 2質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 3質量%の組成物で作製した。
負極を、活物質:黒鉛 97質量%、バインダー:スチレンブタジエンゴム(SBR) 2質量%、増粘剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 1質量%の組成物で作製した。
セパレータは、厚みが25μmのポリプロピレン製のセパレータを用意した。
上記の正負極、セパレータを使用し、調製した各試験用電解液を用いて、2032型コイン電池を作製した。
<電池の初期化>
上記で作製した2032型コイン電池を、30℃の恒温槽中、電池電圧が4.3Vになるまで0.2C定電流充電した後、電池電圧が4.3V定電圧において電流値が0.12mAになるまで充電を行った。ただし、その時間の上限を2時間とした。次に30℃の恒温槽中、電池電圧が2.75Vになるまで0.2C定電流放電を行った。この操作を2回繰り返した。上記の方法で初期化した2032型電池を用いて下記項目の評価を行った。結果を表2に示す。
ここで、1Cとは電池の容量を1時間で放電または充電する電流値を表し、0.2Cはその0.2倍、0.5Cはその0.5倍、2Cはその2倍の電流値を表す。
(初回放電容量)
上記の方法で初期化した電池を、30℃の恒温槽中、電池電圧が4.35Vになるまで0.7C定電流充電した後、電池電圧4.35Vの定電圧において電流値が0.03Cになるまで充電を行った。ただし、その時間の上限を2時間とした。この電池を30℃の恒温槽中、電池電圧が2.75Vになるまで0.5C定電流放電を行い、30℃、0.5Cでの初回放電容量(W)を測定した。
(サイクル試験)
放電容量(W)を測定した電池を、45℃の恒温槽中、電池電圧が4.35Vになるまで0.7C定電流充電した後、電池電圧4.35Vの定電圧において電流値が0.03Cになるまで充電を行った。ただし、その時間の上限を2時間とした。この電池を45℃の恒温槽中、電池電圧が2.75Vになるまで0.5C定電流放電を行うサイクルを300回繰り返した。
(サイクル試験後の放電容量)
サイクル試験後の電池を、初回の放電容量(W)の計測と同じ条件で充放電を行い、サイクル試験後の放電容量(W300)を測定した。
<サイクル試験後の放電容量維持率>
得られた結果から、下記式により、サイクル試験後の放電容量維持率を算出した。
サイクル試験後の放電容量維持率=
サイクル試験後の放電容量(W300)/初回放電容量(W
得られた放電容量維持率を以下のように評価した。値が大きいほど厳しい試験条件においても容量が維持されており、良好な結果である。
[評価基準]
A:0.8以上
B:0.7以上0.8未満
C:0.6以上0.7未満
D:0.5以上0.6未満
E:0.3以上0.5未満
F:0.3未満
得られた結果を、下記表2に示す。
なお、以降の表2〜5において、有機金属化合物およびホスファゼン化合物は、明細書中に記載した式(I)で表される有機金属化合物、およびホスファゼン化合物の具体例を示す。また、サイクル試験後の放電容量維持率は、放電容量維持率と省略して記載した。
Figure 0006376709
<実施例3・比較例3>
電解液を1M LiPFのエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジメチルカーボネート(体積比1対1対1)、正極活物質をコバルト酸リチウム(LiCoO)、リチウムビスオキサレートボラートをスクシノニトリルに変更し、下記表3に示す有機金属化合物およびホスファゼン化合物を、表3中に記載の量を加えた以外は、実施例2・比較例2と同じ操作を実施した。その結果を表3に示す。
Figure 0006376709
<実施例4・比較例4>
電解液を1.1M LiPFのエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート(体積比1対2)に変更し、下記表4に示す有機金属化合物およびホスファゼン化合物を、表4中に記載の量を加えた以外は、実施例2・比較例2と同じ操作を実施した。その結果を表4に示す。
Figure 0006376709
<実施例5・比較例5>
電解液を0.9M LiBFのエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(体積比1対1)、正極活物質をニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(LiNi0.8Co0.15Al0.05)、ビニレンカーボネートをフルオロエチレンカーボネートに変更し、下記表5に示す有機金属化合物およびホスファゼン化合物を、表5中に記載の量を加えた以外は、実施例2・比較例2と同じ操作を実施した。その結果を表5に示す。
Figure 0006376709
上記表2〜5の結果から、本発明の有機金属化合物を使用したリチウムイオン二次電池は、良好な放電容量維持率を示す。また、式(A1)または(A2)で表されるホスファゼン化合物を併用することで、高い難燃性を実現しながら、厳しい使用条件においても高い放電容量維持率を達成できることが分かる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2014年8月22日に日本国で特許出願された特願2014−169910並びに2015年2月25日に日本国で特許出願された特願2015−034908に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
C 正極(正極合材)
1 正極導電材(集電体)
2 正極活物質層
A 負極(負極合材)
3 負極導電材(集電体)
4 負極活物質層
5 非水電解液
6 動作手段
7 配線
9 セパレータ
10 リチウムイオン二次電池
12 セパレータ
14 正極シート
16 負極シート
18 負極を兼ねる外装缶
20 絶縁板
22 封口板
24 正極集電
26 ガスケット
28 圧力感応弁体
30 電流遮断素子
100 有底筒型形状リチウム二次電池

Claims (10)

  1. 下記式(I)で表される有機金属化合物を含有し、該有機金属化合物の含有量が0質量%を超え1質量%以下である非水二次電池用電解液。
    Figure 0006376709
    式(I)において、Mは第4族〜第8族の遷移元素を表す。
    およびRは各々独立に置換基を表す。RおよびRは、各々において、複数存在する場合、複数のR同士もしくは複数のR同士が互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。XおよびYは各々独立に水素原子または置換基を表す。XとY、複数存在する場合のX同士もしくはY同士が互いに結合して環を形成してもよい。Lは下記式(i)〜(viii)のいずれかで表される基を表す。
    aおよびbは各々独立に0〜4の整数を表す。
    mおよびnは、0≦m+n≦3を満たす整数を表す。
    Figure 0006376709
    式(i)〜(viii)において、R は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、スルファニル基、ホスフィニル基、カルボニル結合を含む基、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基を表す。連結基中にR が複数存在するとき、複数のR は各々異なっていても同じであってもよい。また、複数のR が互いに結合して環を形成してもよい。
  2. 前記RおよびRが、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド結合を含む基、エステル結合を含む基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル結合を含む基、スルホニル結合を含む基、ホスフィノ基またはハロゲン原子である請求項に記載の非水二次電池用電解液。
  3. 前記XおよびYが、各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、スルファニル基、ホスフィニル基、カルボニル結合を含む基、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基である請求項1または2に記載の非水二次電池用電解液。
  4. 前記Mが、Ti、ZrまたはFeである請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  5. さらに、ホスファゼン化合物を少なくとも1種含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液。
  6. 前記ホスファゼン化合物が、下記式(A1)または(A2)で表される請求項に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 0006376709
    式(A1)および(A2)において、Ra11〜Ra16およびRa21〜Ra28はそれぞれ独立に1価の置換基を表す。近接のRa11〜Ra16およびRa21〜Ra28は置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
  7. 前記式(A1)で表される化合物が、下記式(A1−1)で表されるフッ素化ホスファゼン化合物である請求項に記載の非水二次電池用電解液。
    Figure 0006376709
    式(A1−1)において、Ra41はアルコキシ基またはジアルキルアミノ基を表す。
  8. 前記Ra41がジアルキルアミノ基である請求項に記載の非水二次電池用電解液。
  9. 正極、負極および請求項1〜のいずれか1項に記載の非水二次電池用電解液を具備する非水二次電池。
  10. 下記式(I)で表される、非水二次電池用の電解液に用いられる添加剤。
    Figure 0006376709
    式(I)において、Mは第4族〜第8族の遷移元素を表す。
    およびRは各々独立に置換基を表す。RおよびRは、各々において、複数存在する場合、複数のR同士もしくは複数のR同士が互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。XおよびYは各々独立に水素原子または置換基を表す。XとY、複数存在する場合のX同士もしくはY同士が互いに結合して環を形成してもよい。Lは下記式(i)〜(viii)のいずれかで表される基を表す。
    aおよびbは各々独立に0〜4の整数を表す。
    mおよびnは、0≦m+n≦3を満たす整数を表す。
    Figure 0006376709
    式(i)〜(viii)において、R は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、シリルアミノ基、スルホ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、スルファニル基、ホスフィニル基、カルボニル結合を含む基、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基を表す。連結基中にR が複数存在するとき、複数のR は各々異なっていても同じであってもよい。また、複数のR が互いに結合して環を形成してもよい。
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