以下、添付図面を参照して、本願の開示する給湯システムおよび排水装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る排水装置を備えた給湯システムの構成を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る給湯システム1は、給湯源10と、給水源20と、吐出部30と、流路40と、給水配管50と、シングルバルブ60と、排水装置70とを備える。なお、第1の実施形態に係る給湯システム1は、たとえばキッチンへの給湯に適用される。
給湯源10は、たとえば水道管から供給される水を加熱して湯を生成する。給湯源10としては、電気式、ガス式、石油式等の各種の給湯器を用いることができる。給水源20は、水を供給する。給水源20としては、水道管や貯水タンク等を用いることができる。
吐出部30は、給湯源10および給水源20からシングルバルブ60を介して供給される湯水を吐出口31から吐出する。
流路40は、給湯源10と吐出部30とを連通する配管であり、給湯源10とシングルバルブ60とを接続する給湯配管41と、シングルバルブ60と吐出部30とを接続する下流側配管42とを備える。給水配管50は、給水源20とシングルバルブ60とを接続する配管である。
シングルバルブ60は、流路開閉部の一例であり、給水源20からの水の供給圧力および給湯源10からの湯の供給圧力を受けるとともに、給湯配管41および給水配管50を開閉する。かかるシングルバルブ60は、たとえば、図示しないレバーハンドルの上下回動により、吐出部30から吐出される湯水の流量を調節し、同レバーハンドルの左右回動により、吐出部30から吐出される湯水の温度を調節する。シングルバルブ60としては、たとえば、特開2015−61986号公報に記載のものを用いることができる。
排水装置70は、流路40に設けられ、流路40中の湯水を排出する。具体的には、排水装置70は、流路40において流路開閉部たるシングルバルブ60よりも上流側に設けられる、換言すると、給湯配管41に設けられる。
なお、排水装置70は、機械式の排水装置であり、使用者によって操作されることで、流路40中の湯水の排水動作を開始するが、その構成については後に詳しく説明する。また、以下では、給湯配管41のうち、給湯源10と排水装置70とを接続する配管を「第1給湯配管411」、排水装置70とシングルバルブ60とを接続する配管を「第2給湯配管412」と記載する場合がある。
排水装置70には、排水管111が接続され、排水装置70の排水動作によって排出された給湯配管41中の湯水、正確には、第1給湯配管411中の湯水を排出する。排水管111は、吐出部30の吐出口31とは異なる排水口111aを有し、給湯配管41中の湯水を吐出口31以外から排出する。
これにより、給湯システム1において湯が吐出されるまでの待ち時間を短くすることができる。すなわち、たとえば、給湯配管41内に冷めた湯が残留している場合に、排水装置70が操作されると、冷めた湯は排水装置70から排出されるとともに、給湯配管41には給湯源10で生成された湯が供給される。そのため、たとえば、排水装置70の排水動作後にシングルバルブ60を開弁した場合に、吐出部30から湯が吐出されるまでの待ち時間を短くすることができる。
ここで、給湯システム1は、排水管111の排水口111aから排出される湯水の瞬間流量が、吐出部30の吐出口31から吐出される湯水の瞬間流量よりも大きくなるように構成されることが好ましい。このように構成されることで、吐出口31から排水する場合と比べて、流路40中の湯水を短時間で排出することができる。
なお、排水管111の排水口111aは、下流側配管42に接続されてもよい。この場合、流路40中の湯水は、吐出部30の吐出口31から排出されることとなる。このように構成することで、排水動作の様子を使用者に視認させることができる。
また、排水装置70は、流路開閉部たるシングルバルブ60よりも上流側の給湯配管41のうち、シングルバルブ60に比較的近い位置に設けられることが好ましい。具体的には、たとえば、排水装置70は、第1給湯配管411の配管長が、第2給湯配管412の配管長よりも長くなるような位置に設けられることが好ましい。後述するように、排水装置70は、上流側に接続された流路40(ここでは第1給湯配管411)中の湯水の排水を行うことから、上記した位置に設けられることで、給湯配管41の湯水を比較的多く排出することができる。
次に、排水装置70の構成について図2以降を参照して説明する。図2は、排水装置70の側面図であり、図3は、排水装置70の平面図である。
なお、図1および図2には、説明を分かり易くするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。なお、以下においては、排水装置70の構成について「Z軸方向」や「上方」「下方」などと表現することがあるが、これらはあくまでも説明の便宜上であって、排水装置70が実際に流路40に取り付けられたときの方向を限定するものではない。
図2および図3に示すように、排水装置70は、本体部71と、操作部101とを備える。本体部71は、円筒状に形成された筐体72を備える。また、操作部101は、円筒状に形成された操作ボタン102を備える。なお、図2等に示す筐体72や操作ボタン102の形状は、例示であって限定されるものではなく、たとえば矩形状などその他の形状であってもよい。
排水装置70にあっては、上記した操作ボタン102が、使用者によって筐体72側(図2で矢印Aで示す方向)へ押圧操作されることで、排水動作が行われる。かかる排水動作が行われる排水装置70について、図4A〜図4Dを参照してさらに詳しく説明する。
図4Aは、図3のIV−IV線断面図であり、排水動作を説明するための図である。なお、図4Aは、排水動作が行われる前の排水装置70を示している。
また、図4B〜図4Dも同様に、排水動作を説明するための図である。具体的には、図4Bは、操作ボタン102が押圧操作された状態の排水装置70を示し、図4Cは、操作ボタン102の押圧操作が終了し、排水中の排水装置70を示している。また、図4Dは、排水動作が完了する直前の排水装置70を示している。
図4Aに示すように、排水装置70の本体部71は、上記した筐体72に加え、突出部73と、排水部74と、排水路75と、主弁体76と、副弁体77と、排水路閉止機構80とを備える。
筐体72は、中空に形成されるとともに、側面には、流入口72aと、流出口72bと、排水口72cとが穿設される。流入口72aには、第1給湯配管411(図1参照)が接続される。
流出口72bは、筐体72において流入口72aと中空部分を介して対向する位置に穿設される。また、流出口72bには、第2給湯配管412(図1参照)が接続される。なお、ここでは、排水動作が行われるときには、シングルバルブ60が閉弁されている、すなわち、流出口72bから第2給湯配管412への湯水の流れがない状態であることを前提に説明を続ける。
排水口72cは、筐体72において流出口72bの上方の位置に隣接して穿設される。排水口72cには、排水管111(図1参照)が接続される。また、筐体72のZ軸正方向側の上面には、開口72dが形成される。
突出部73は、筐体72の開口72dに嵌合されて固定されるとともに、嵌合された状態のときに筐体72から部分的に突出するような形状とされる。また、突出部73の中央部分には、操作部101の駆動ピン103(後述)を挿通可能な挿通孔73aが穿設される。
排水部74は、筐体72において突出部73よりも下方側で、かつ、排水口72c付近に位置される。また、排水部74は、筐体72の排水口72cよりも下方の内壁部分に嵌合されて固定される。また、排水部74の排水口72cと対向する側面には側面側開口74aが形成され、下端には下端側開口74bが形成される。
また、下端側開口74bと側面側開口74aとは、連通路74cによって連通される。なお、連通路74cは、後述する排水路75の一部として機能する。また、排水部74の上端の中央部分には、駆動ピン103を挿通可能な挿通孔74dが穿設される。
排水路75は、筐体72の中空部分と排水部74の連通路74cとによって構成される。詳しくは、後述する図4Bの矢印D2に示すように、排水路75は、主弁体76が開弁した状態のとき、流入口72aに接続された流路40(ここでは第1給湯配管411)と、排水口72cに接続された排水管111とを連通させるような流路である。すなわち、排水路75は、一端が流入口72aを介して流路40(ここでは第1給湯配管411)に接続され他端が排水口72cに接続される。
図4Aの説明に戻ると、主弁体76は、内部に中空部76aを有する長尺な円筒状に形成される。また、主弁体76の外周面には、側方へ向けて突出する鍔部76bが形成される。上記のように構成された主弁体76は、排水部74の下端側開口74bに挿通されるとともに、Z軸方向に移動自在とされる。このとき、主弁体76は、上端76cが、排水部74の連通路74cに露出するように位置される。
ここで、鍔部76bの外径は、下端側開口74bの開口径よりも大きくなるように設定される。これにより、図4Aに示すように、主弁体76は、鍔部76bを排水部74の下端側開口74bに当接させることが可能となり、かかる当接状態にあるとき、排水路75は閉止されることとなる。すなわち、排水部74の下端側開口74bは、主弁体76と当接する弁座として機能する。
なお、主弁体76は、後述するように、操作部101の駆動ピン103によって上端76cが押されて下方へ移動すると、鍔部76bと排水部74の下端側開口74bとの間に間隙が生じ、排水路75は開放されることとなる(図4B参照)。
このように、主弁体76は、排水路75を開閉する。なお、主弁体76の鍔部76bには、シール部材が適宜設けられ、排水部74の下端側開口74bと当接した状態にあるとき、排水路75を液密に閉止する。
副弁体77は、長尺な円柱状に形成され、主弁体76の中空部76aに挿通されるとともに、Z軸方向に移動自在とされる。このとき、図4Aに示すように、副弁体77は、上端77aおよび下端77bがそれぞれ、主弁体76の中空部76aから露出するように位置される。
また、副弁体77の下端77bには、側方へ向けて突出する鍔部77cが形成される。ここで、鍔部77cの外径は、主弁体76の中空部76aの開口径よりも大きくなるように設定される。
これにより、図4Aに示すように、副弁体77は、鍔部77cを主弁体76の下端76dに当接させることが可能となり、かかる当接状態にあるとき、中空部76aは閉止されることとなる。すなわち、主弁体76の下端76dは、副弁体77と当接する弁座として機能する。なお、かかる中空部76aは、湯水の流路として機能するが、これについては後述する。
このように、副弁体77は、中空部76aを開閉する。なお、副弁体77の鍔部77cにも、シール部材が適宜設けられ、主弁体76の下端76dと当接した状態にあるとき、中空部76aを液密に閉止する。
ここで、排水路閉止機構80の説明に入る前に、操作部101について説明する。操作部101は、上記した操作ボタン102に加え、駆動ピン103と、ボタン用付勢部104とを備える。
操作ボタン102は、排水動作を開始する際に、使用者によって下方へ押圧操作される。駆動ピン103は、長尺な円柱状に形成される。また、駆動ピン103は、上端103aが操作ボタン102にZ軸方向の相対的位置が決まるように係止される。
また、駆動ピン103は、下端103bが突出部73および排水部74の挿通孔73a,74dに挿通されつつ、排水部74の連通路74cに露出するように位置される。このとき、駆動ピン103の下端103bは、連通路74cにおいて、主弁体76の上端76cおよび副弁体77の上端77aと対向するように位置される。
ボタン用付勢部104は、一端が突出部73に当接する一方、他端が操作ボタン102に当接するように配置される。ボタン用付勢部104は、操作ボタン102を上方へ向けて付勢するが、これについては後述する。なお、ボタン用付勢部104としては、コイルばねを用いることができる。
次に、排水路閉止機構80について説明する。排水路閉止機構80は、開放された排水路75を閉止させる。具体的には、排水路閉止機構80は、ケーシング81と、摺動部82と、蓋部83と、背圧室84と、連通孔85と、挿通ピン86とを備える。
ケーシング81は、円筒状に形成され、一端側(具体的には上端側)および他端側(下端側)がそれぞれ開口される。摺動部82は、ケーシング81の一端側の開口に、Z軸方向に摺動自在に設けられる。また、摺動部82は、主弁体76の下端76dに接続される。したがって、摺動部82は、主弁体76と連動してケーシング81内を摺動する。
蓋部83は、ケーシング81の他端側の開口を塞ぐように設けられる。すなわち、蓋部83は、ケーシング81の他端側の摺動部82と対向する位置に設けられる。
背圧室84は、上記したケーシング81、摺動部82および蓋部83によって形成される。詳しくは、背圧室84は、ケーシング81、摺動部82および蓋部83によって区画された空間である。
連通孔85は、蓋部83に形成された小孔であり、背圧室84と流路40(ここでは第1給湯配管411)とを連通する。
挿通ピン86は、一端が副弁体77の下端77bに接触する一方、他端が連通孔85に挿通される。したがって、挿通ピン86は、副弁体77のZ軸方向の上下移動に伴って上下し、連通孔85内を移動する。
連通孔85は、後述するように、排水時に背圧室84へ流入する湯水が通過する。挿通ピン86は、このような連通孔85に挿通されることから、連通孔85の湯水が流れる流路面積を小さくでき、たとえば背圧室84への流入量を適切な値まで減少させることができる。
また、連通孔85の孔径や挿通ピン86の太さを変えるだけで背圧室84への流入量の調整を行うことも可能となる。さらに、挿通ピン86は、連通孔85内を上下に移動することから、たとえば連通孔85に侵入したゴミなどの異物を除去でき、連通孔85の詰まりの発生を抑制することができる。
上記のように構成された排水路閉止機構80は、開放された排水路75を閉止させる、詳しくは、排水路75が開放された後、主弁体76を排水路75を閉止する方向へ徐々に移動させて排水路75を閉止させるが、これについては後述する。
排水路閉止機構80は、さらに、排水路75内の水温が所定温度以上の場合に、主弁体76の排水路75を閉止する方向への速度を増加させる速度増加部90を備える。なお、所定温度は、使用者などによって任意の値に設定することができるが、たとえば、給湯源10としての給湯器において設定された給湯温度であってもよい。
速度増加部90は、補助連通孔91と、閉塞部92と、下部ケーシング93と、付勢部94と、感温付勢部95とを備える。
補助連通孔91は、蓋部83の連通孔85に隣接するように形成された小孔であり、背圧室84と流路40(ここでは第1給湯配管411)とを連通する。なお、補助連通孔91の流路面積は、連通孔85の流路面積よりも大きくなるように設定されることが好ましい。また、図4Aでは、補助連通孔91は、2個形成されるようにしたが、これはあくまでも例示であって、1個または3個以上形成されてもよい。
閉塞部92は、補助連通孔91を閉塞する。具体的には、閉塞部92は、内部に中空部92aを有する円筒状に形成される。図4Aに示すように、閉塞部92は、上端92bが補助連通孔91に当接することで、補助連通孔91を閉塞する。
また、閉塞部92の上端92bの中央付近には上端側開口92cが形成される一方、下端92dの中央付近には下端側開口92eが形成される。上端側開口92cには、上記した連通孔85が位置される。また、下端側開口92eは、排水路75と中空部92aとを連通する。
なお、下端側開口92eの開口面積は、上端側開口92cの開口面積よりも小さくなるように設定される。これにより、閉塞部92の下端92dにおいて、感温付勢部95が当接する部位を下端側開口92eの外周側に設けることができる。
また、閉塞部92の外周面には、側方へ向けて突出する鍔部92fが形成される。そして、閉塞部92は、蓋部83にZ軸方向に移動自在となるように取り付けられる。
下部ケーシング93は、円筒状に形成される。下部ケーシング93は、上記のように構成された閉塞部92および蓋部83を下方から覆うようにして、蓋部83に取り付けられて固定される。下部ケーシング93の下端93aには、開口93bが形成され、かかる開口93bには閉塞部92の下端92dが露出するように位置される。
付勢部94は、閉塞部92の鍔部92fと下部ケーシング93の下端93aとの間の空間に配置される。そして、付勢部94は、一端が閉塞部92の鍔部92fに当接され、他端が下部ケーシング93の下端93aに当接される。これにより、付勢部94は、閉塞部92を補助連通孔91を閉止する方向へ付勢する。なお、付勢部94としては、コイルばねを用いることができる。
感温付勢部95は、閉塞部92の中空部92aに配置される。そして、感温付勢部95は、一端(具体的には下端)が閉塞部92に当接される一方、他端(具体的には上端)が蓋部83に当接される。
これにより、感温付勢部95は、閉塞部92を補助連通孔91から離間させる方向へ付勢するが、かかる閉塞部92への付勢力は温度に応じて変化する。なお、感温付勢部95としては、たとえば温度に応じて収縮または伸長する形状記憶合金(SMA(Shape Memory Alloy))により製作された、感温コイルばねを用いることができる。
詳しくは、感温付勢部95は、排水路75の湯水の温度、正確には、閉塞部92の下端側開口92eを介して中空部92aへ流入した排水路75の湯水の温度が、所定温度未満の場合、付勢力が付勢部94の付勢力に比べて小さくなるように設定される。したがって、閉塞部92は、付勢部94の付勢力によって補助連通孔91を閉止する方向へ付勢されることから、補助連通孔91は閉止された状態となる。
他方、感温付勢部95は、中空部92aへ流入した排水路75の湯水の温度が所定温度以上になった場合に伸長し、付勢力が付勢部94の付勢力に比べて大きくなるように設定される。したがって、閉塞部92は、感温付勢部95の付勢力によって補助連通孔91から離間する方向へ付勢されることから、補助連通孔91は開放されることとなる。
速度増加部90は、上記のように補助連通孔91を開放することによって、主弁体76の排水路75を閉止する方向への速度を増加させるが、これについては後述する。
次に、排水装置70の排水動作について詳説する。図4Aは、上記したように、排水動作が行われる前の排水装置70の状態を示している。ここで、かかる状態の排水装置70において、筐体72内の主弁体76よりも下方側、言い換えれば上流側に位置する排水路75や背圧室84は湯水で満たされているものとする。
使用者は、たとえば流路40(ここでは第1給湯配管411)内に残留する冷めた湯を排出したい場合、排水装置70を操作する。具体的には、図4Bに示すように、使用者によって操作ボタン102が、矢印Bで示す下方へ押圧操作される。かかる押圧操作に伴い、駆動ピン103は、下方へ移動し、下端103bが副弁体77の上端77aと最初に当接して副弁体77を押し下げる。
押し下げられた副弁体77は、鍔部77cが主弁体76の下端76dから離間し、中空部76aが開放される。これにより、矢印D1で示すように、排水路75や背圧室84の湯水が中空部76aを通って排水口72cから排出される。
このように、最初に副弁体77を押し下げて中空部76aが開放されることで、排水路75や背圧室84に満たされた湯水を逃がすための経路を確保するようにした。これにより、使用者がさらに操作ボタン102を操作するとき、湯水を逃がす経路のない構成と比べ、弱い押圧力で操作することができる。
続いて、操作ボタン102がさらに押圧されると、駆動ピン103はさらに下方へ移動し、下端103bが主弁体76の上端76cに当接して主弁体76を押し下げる。押し下げられた主弁体76は、鍔部76bが排水部74の下端側開口74bから離間し、排水路75が開放される。これにより、矢印D2で示すように、第1給湯配管411から流入口72aを介して排水路75へ流入した湯水が、排水部74の連通路74cを通って排水口72cから排出される。
すなわち、操作部101は、使用者の操作によって主弁体76を排水路75を開放する方向へ移動させて第1給湯配管411中の湯水を排出させる。
このような構成の排水装置70によれば、排水装置70を比較的簡易な構成とすることができる。また、かかる排水装置70は、流路40において流路開閉部たるシングルバルブ60よりも上流側に設けられることから、たとえば上流側の第1給湯配管411内に残留する冷めた湯水を容易に排出することができる。したがって、給湯システム1において、湯が吐出されるまでの待ち時間を短くすることを、電気温水器を別途設置することなく簡易な構成で達成することができる。
また、使用者は、必要に応じて操作部101を操作するという簡便な動作で、第1給湯配管411中の湯水を容易に排出することができる。
なお、図4Bに示すように、主弁体76が下方へ移動すると、それに伴って摺動部82も下方へ摺動し、背圧室84の容積は小さくなる。また、操作ボタン102が下方へ押圧操作されると、ボタン用付勢部104は圧縮状態となる。
その後、操作ボタン102の押圧操作が終了すると、図4Cに示すように、圧縮されていたボタン用付勢部104は、伸長して操作ボタン102および駆動ピン103を矢印Cで示す上方へ付勢する。これにより、操作ボタン102および駆動ピン103は、上方へ移動し、押圧操作前の状態、すなわち初期位置へ戻される。
また、駆動ピン103が上方へ移動すると、主弁体76および摺動部82には、駆動ピン103からの押し下げる力が作用しなくなる。これにより、容積が小さくなっていた背圧室84には、湯水が流入する。具体的に背圧室84には、矢印D3で示すように、第1給湯配管411から排水路75、閉塞部92の中空部92a、連通孔85と挿通ピン86との間隙を通過した湯水が流入する。
そして、排水路閉止機構80の背圧室84は、背圧室84へ流入された湯水の水圧により摺動部82を上方へ摺動させるとともに、主弁体76を排水路75を閉止する方向へ徐々に移動させる。その後も背圧室84への湯水の流入が継続されると、主弁体76の鍔部76bが排水部74の下端側開口74bに当接し、排水路75が閉止される。なお、主弁体76の鍔部76bが排水部74の下端側開口74bに当接すると、背圧室84には湯水が流入しなくなる。
このように、排水路閉止機構80は、開放された排水路75を閉止させる、詳しくは、排水路75が開放されてから所定時間経過した後に排水路75を閉止させる。なお、所定時間は、たとえば湯水が連通孔85等を介して背圧室84へ流入する時間に相当する。
すなわち、使用者の操作部101への操作により排水路75が開放された後、排水路75が排水路閉止機構80によって自動的に閉止されるため、第1給湯配管411中の湯水が排出され続け、過度に排出されることを防止することができる。
また、所定時間経過後に排水路75が閉止されることから、排水路75から排出される湯水の総流量の上限値を規定することが可能となり、よって流路中の湯水が過度に排出されることをより一層防止することができる。
また、たとえば、連通孔85の孔径を調整することで、背圧室84へ流入される湯水の量が変わる。これにより、排水路75が閉止されるまでの時間(所定時間)を適切な値に調整することが可能になる。
また、排水路閉止機構80を上記のように構成したことから、背圧室84に流入する湯水の力を利用して、主弁体76を自動的に閉止させることが可能となり、排水装置70を電気的な構成を要しない比較的簡易な構成とすることができる。
また、排水路75を流れる湯水の量は、第1給湯配管411からの湯の供給圧力の増減によって変化するが、そのような場合であっても、上記のように構成することで、所定時間を適切な値に自動的に調整することができる。
すなわち、たとえば、湯の供給圧力が高い場合、排水路75を流れる湯水の量も増加するが、その分、連通孔85から背圧室84へ流入する湯水の流速が早くなる、言い換えると、瞬間流量が大きくなるため、所定時間は短くなる。他方、湯の供給圧力が低い場合、排水路75を流れる湯水の量も減少するが、その分、連通孔85から背圧室84へ流入する湯水の流速が遅くなる、言い換えると、瞬間流量が小さくなるため、所定時間は長くなる。このように、湯の供給圧力の増減によって排水路75を流れる湯水の量が変化する場合であっても、それに応じて連通孔85を通過する湯水の量も変わるため、結果として所定時間を湯の供給圧力に即した適切な値に自動的に調整することができる。
また、排水装置70による湯水の排出を続けていると、所定時間が経過する前に、たとえば、排水路75内の水温が所定温度以上になる場合がある。ここで、たとえば、所定温度が給湯温度であった場合、使用者の意図した温度に到達した湯水が排水装置70によって排出されるおそれがある。
そこで、第1の実施形態に係る排水装置70にあっては、速度増加部90を備え、所定温度以上になった場合に、主弁体76の排水路75を閉止する方向への速度を増加させるようにしている。
具体的には、図4Dに示すように、速度増加部90の感温付勢部95は、中空部92aへ流入した排水路75の湯水の温度が所定温度以上になった場合に伸長する。これにより、閉塞部92は、感温付勢部95の付勢力によって補助連通孔91から離間する方向へ付勢され、補助連通孔91が開放される。
したがって、背圧室84には、矢印D3で示す連通孔85からの湯水の流入に加え、矢印D4で示すように、補助連通孔91からも湯水が流入されることとなる。このように、速度増加部90の感温付勢部95は、背圧室84へ流入される湯水の量を、補助連通孔91を通過する湯水の量だけ増加させる。したがって、背圧室84は、増加した湯水の水圧により摺動部82を上方へ摺動させることで、主弁体76の排水路75を閉止する方向への速度を増加させる。
これにより、簡易な構成でありながら、排水路75内の水温が所定温度以上となった場合に、主弁体76の排水路75を閉止する方向への速度を増加させることができるため、排水路75を早期に閉止することができ、よって所定温度以上の湯水が排出される量を減少させることができる。
なお、上記したように、補助連通孔91の流路面積は、連通孔85の流路面積よりも大きくなるように設定されることが好ましい。これにより、水温が所定温度以上の際に、背圧室84へ流入される湯水の量を、補助連通孔91の流路面積を大きくした分だけ、増加させることができ、よって排水路75をより一層早期に閉止することができる。
なお、主弁体76がさらに上方へ移動し、鍔部76bが排水部74の下端側開口74bに当接すると、排水路75は閉止され、一連の排水動作が完了する、すなわち、排水装置70は、図4Aに示す状態となる。
上述してきたように、第1の実施形態に係る給湯システム1は、吐出部30と、流路40と、シングルバルブ60(「流路開閉部」の一例に相当)とを備える。吐出部30は、給湯源10から供給される湯を吐出する。流路40は、給湯源10と吐出部30とを連通する。シングルバルブ60は、湯の供給圧力を受けるとともに流路40を開閉する。排水装置70は、流路40においてシングルバルブ60よりも上流側に設けられるとともに流路40中の湯水を排出する。
さらに、第1の実施形態に係る給湯システム1は、排水装置70を備える。排水装置70は、排水路75と、主弁体76と、操作部101とを備える。排水路75は、一端が流路40に接続され他端が排水口72cに接続される。主弁体76は、排水路75を開閉する。操作部101は、使用者の操作によって主弁体76を排水路75を開放する方向へ移動させて流路40中の湯水を排出させる。
したがって、第1の実施形態に係る給湯システム1によれば、湯が吐出されるまでの待ち時間を短くすることを、電気温水器を別途設置することなく簡易な構成で達成することができる。
さらに、従来技術のように電気温水器を設置するためのスペースを確保する必要がなくなるため、設置容易性を向上させることができる。また、電気温水器によって湯の供給能力が制限されることがないため、大流量の湯を吐出部30から吐出することが可能となる。
なお、上記では、排水装置70が給湯配管41に設けられるようにしたが、これに限定されるものではなく、たとえば下流側配管42に設けられるようにしてもよい(図1のP1参照)。また、排水装置70が下流側配管42に設けられる場合、排水管111の排水口111aを下流側配管42に接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る排水装置を備えた給湯システムの構成について図5を参照して説明する。図5は、第2の実施形態に係る排水装置を備えた給湯システムの構成を示す図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図5に示すように、第2の実施形態に係る給湯システム1Aは、給湯源10と、給水源20と、吐出部30と、流路40Aと、給水配管50と、シングルバルブ60と、給湯用電磁弁61と、給水用電磁弁62と、排水装置70(図示は省略する)とを備える。
流路40Aは、給湯源10と給湯用電磁弁61とを接続する給湯配管41Aと、給湯用電磁弁61と吐出部30とを接続する下流側配管42Aとを備える。また、下流側配管42Aは、給湯用電磁弁61とシングルバルブ60とを接続する第1下流側配管42A1と、シングルバルブ60と吐出部30とを接続する第2下流側配管42A2とを備える。なお、第2の実施形態に係る給湯システム1Aは、たとえばキッチンへの給湯に適用される。
給湯用電磁弁61は、給湯配管41Aに設けられた電磁弁である。給湯用電磁弁61は、第2の実施形態における流路開閉部の一例に相当し、給湯源10からの湯の供給圧力を受けるとともに、給湯配管41Aを開閉する。給水用電磁弁62は、給水配管50に設けられた電磁弁であり、給水配管50を開閉する。
給湯用電磁弁61および給水用電磁弁62は、たとえば、人の足によって操作されるフットスイッチと連動しており、かかるフットスイッチのオン/オフに応じて開閉される。
かかる給湯システム1Aにおいて、排水装置70は、たとえば、給湯配管41Aに設けられる(図5のP1参照)。このような配置とすることで、給湯用電磁弁61が閉弁していても排水動作を実行することが可能となる。
また、排水装置70は、第1下流側配管42A1に設けられてもよい(図5のP2参照)。なお、P1,P2において、湯水の排出先は、排水管111の排水口111aであってもよいし、排水口111aを第2下流側配管42A2に接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
なお、上記では、排水装置70が給湯配管41Aまたは第1下流側配管42A1に設けられるようにしたが、これに限定されるものではなく、たとえば、第2下流側配管42A2に設けられてもよい(図5のP3参照)。また、排水装置70が第2下流側配管42A2に設けられる場合、排水管111の排水口111aを第2下流側配管42A2に接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る排水装置を備えた給湯システムの構成について図6を参照して説明する。図6は、第3の実施形態に係る排水装置を備えた給湯システムの構成を示す図である。
図6に示すように、第3の実施形態に係る給湯システム1Bは、給湯源10と、給水源20と、吐出部30と、流路40Bと、給水配管50と、混合弁65と、流量調整弁60Bと、排水装置70(図示は省略する)とを備える。なお、第3の実施形態に係る給湯システム1Bは、たとえば浴室への給湯に適用される。
流路40Bは、給湯源10と流量調整弁60Bとを接続する給湯配管41Bと、流量調整弁60Bと吐出部30とを接続する下流側配管42Bとを備える。また、給湯配管41Bは、給湯源10と混合弁65とを接続する第1給湯配管41B1と、混合弁65と流量調整弁60Bとを接続する第2給湯配管41B2とを備える。給水配管50は、給水源20と混合弁65とを接続する。
混合弁65は、第1給湯配管41B1と給水配管50とに接続され、給湯源10から第1給湯配管41B1を介して供給される湯と、給水源20から給水配管50を介して供給される水との混合比を使用者の操作に応じて調節し、調節後の湯水を第2給湯配管41B2へ流す。
流量調整弁60Bは、流路開閉部の一例であり、混合弁65からの湯水の供給圧力を受けるとともに、第2給湯配管41B2を開閉する。なお、流量調整弁60Bは、たとえばシリンダバルブである。
かかる給湯システム1Bにおいて、排水装置70は、たとえば第1給湯配管41B1に設けられる(図6のP1参照)。また、排水装置70は、第2給湯配管41B2に設けられてもよい(図6のP2参照)。
このように、排水装置70を流量調整弁60Bよりも上流側に設けることで、流量調整弁60Bによって流路40Bが閉止されている場合であっても、第1給湯配管41B1中の湯水を排出することができる。また、図6のP1に示すように、排水装置70を混合弁65よりも上流側に設けた場合には、給水配管50中の水が排出されることを防止することができるため、無駄な排水を節約することができる。
なお、湯水の排出先は、排水管111の排水口111aであってもよいし、排水口111aを下流側配管42Bに接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
また、排水装置70は、下流側配管42Bに設けられてもよい(図6のP3参照)。この場合、排水管111の排水口111aを下流側配管42Bに接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る給湯システムの構成について図7を参照して説明する。図7は、第4の実施形態に係る給湯システムの構成を示す図である。
図7に示すように、第4の実施形態に係る給湯システム1Cは、給湯源10と、給水源20と、吐出部30と、流路40Cと、給水配管50と、給湯用電動弁61Cと、給水用電動弁62Cと、排水装置70(図示は省略する)とを備える。なお、第4の実施形態に係る給湯システム1Cは、たとえばキッチンへの給湯に適用される。
流路40Cは、給湯源10と給湯用電動弁61Cとを接続する給湯配管41Cと、給湯用電動弁61Cと吐出部30とを接続する下流側配管42Cとを備える。給水配管50は、下流側配管42Cに接続される。
給湯用電動弁61Cは、流路開閉部の一例であり、給湯源10からの湯の供給圧力を受けるとともに、流路40Cを開閉する。給湯用電動弁61Cおよび給水用電動弁62Cは、モータ等により弁を開閉させる電動弁であり、流路40Cの開度を調節することが可能である。
かかる第4の実施形態に係る給湯システム1Cは、給湯用電動弁61Cおよび給水用電動弁62Cを制御することにより、吐出部30から吐出される湯水の流量および温度を調節することができる。
給湯システム1Cにおいて、排水装置70は、たとえば給湯配管41Cに設けられる(図7のP1参照)。このように、排水装置70を給湯用電動弁61Cよりも上流側に設けることで、給湯用電動弁61Cによって流路40Cが閉止されている場合であっても、給湯配管41C中の湯水を排出することができる。なお、湯水の排出先は、排水管111の排水口111aであってもよいし、排水口111aを下流側配管42Cに接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
また、排水装置70は、下流側配管42Cに設けられてもよい(図7のP2参照)。この場合、排水管111の排水口111aを下流側配管42Cに接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る給湯システムの構成について図8を参照して説明する。図8は、第5の実施形態に係る給湯システムの構成を示す図である。
図8に示すように、第5の実施形態に係る給湯システム1Dは、給湯源10と、給水源20と、吐出部30と、流路40Dと、給水配管50と、流路開閉部67と、排水装置70(図示は省略する)とを備える。また、流路開閉部67は、混合弁68と、流量調整弁69とを備える。なお、第5の実施形態に係る給湯システム1Dは、たとえば洗面化粧台への給湯に適用される。
流路40Dは、給湯源10と流路開閉部67とを接続する給湯配管41Dと、流路開閉部67と吐出部30とを接続する下流側配管42Dとを備える。また、下流側配管42Dは、混合弁68と吐出部30とを接続する第1下流側配管42D1および第2下流側配管42D2を備える。第2下流側配管42D2には、流路開閉部67の流量調整弁69が設けられる。給水配管50は、給水源20と流路開閉部67の混合弁68とを接続する。
流路開閉部67の混合弁68は、給湯配管41Dと給水配管50とに接続され、第1下流側配管42D1および第2下流側配管42D2に供給される湯水の温度を調節するとともに、第1下流側配管42D1に供給される湯水の流量を調節する。すなわち、第1下流側配管42D1を経由して吐出部30から吐出される湯水は、混合弁68によって流量および温度が調節されるのに対し、第2下流側配管42D2を経由して吐出部30から吐出される湯水は、混合弁68によって温度のみが調節される。
混合弁68は、たとえば、図示しないレバーハンドルの上下回動により、第1下流側配管42D1を介して吐出部30から吐出される湯水の流量を調節し、同レバーハンドルの左右回動により、第1下流側配管42D1または第2下流側配管42D2を介して吐出部30から吐出される湯水の温度を調節することができる。
流量調整弁69は、ソレノイド等により弁を開閉させる電磁弁であり、たとえば吐出部30に設けられた図示しないセンサーが使用者の手などを検知した場合に一定時間開弁する。
かかる給湯システム1Dにおいて、排水装置70は、たとえば給湯配管41Dに接続される(図8のP1参照)。このように、排水装置70を流路開閉部67よりも上流側に設けることで、流路開閉部67によって流路40Dが閉止されている場合であっても、給湯配管41D中の湯水を排出することができる。なお、湯水の排出先は、排水管111の排水口111aであってもよいし、排水口111aを第2下流側配管42D2に接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
また、排水装置70は、第1下流側配管42D1に設けられてもよい(図8のP2参照)。この場合、排水管111の排水口111aを第1下流側配管42D1に接続して、吐出部30の吐出口31から排出するようにしてもよい。
なお、上記した実施形態において、排水装置70は、排水路閉止機構80および速度増加部90を備えるようにしたが、いずれか一方を備えるようにしてもよい。すなわち、たとえば、排水装置70が、排水路75内の水温が所定温度以上となった場合に、排水路75を閉止させる構成を備えるようにしてもよい。かかる場合、排水装置70は、たとえば、所定温度未満の湯水を排出することができるとともに、所定温度以上となった湯水が排出されてしまうことを抑制することができる。
さらには、排水装置70は、排水路閉止機構80および速度増加部90の両方を除去するように構成してもよい。かかる場合、排水装置70は、使用者の操作によって主弁体76を閉止する方向へ移動させるように構成すればよい。
また、排水路閉止機構80は、挿通ピン86を備えるようにしたが、これに限られず、挿通ピン86を除去するようにしてもよい。また、上記した実施形態においては、付勢部94、感温付勢部95およびボタン用付勢部104をコイルばねとしたが、これに限定されるものではなく、たとえば薄板ばねなどその他の種類の部材であってもよい。
また、上記では、排水装置70を機械式の排水装置としたが、これに限られず、電気式の排水装置であってもよい。かかる場合、たとえば、排水装置は、使用者による操作部101の操作を検出する検出部と、主弁体76を駆動する駆動部とを備え、検出部で操作部101の操作が検出された場合に、駆動部が主弁体76を排水路75を開放する方向へ移動させて流路40中の湯水を排出させるように構成してもよい。
なお、排水装置70からの排水は、そのまま捨ててしまうだけでなく、様々な用途で利用してもよい。たとえば、浴室や洗面化粧台のヘアキャッチャー内の髪の毛などをまとめるために流したり、電気分解や薬品添加によって改質してボウルやシンク、浴室内の自動清掃に用いたりするなど、清掃用途に用いることなどができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。