JP2011226675A - 元止め式電気温水器 - Google Patents

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Mitsuru Kawaguchi
満 川口
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Abstract

【課題】元止め式の電気温水器において、簡単な構造で、現場での設置を容易にし、しかも貯湯タンク内の水の沸き上げにともなって生じる膨張水の量に正確に対応させ、スパウトの吐水口から膨張水が滴り落ちることを防止する。
【解決手段】ヒータ15を有する貯湯タンク11と、貯湯タンク11内に水を供給する給水配管12と、貯湯タンク11内の温水を吐水口4を構成するスパウト3に供給する給湯配管13と、吐水口4からの吐水および止水に対応して給水配管12を開閉する電磁弁14とを備える元止め式の電気温水器1は、貯湯タンク11の収容空間11aに連通する膨張空間20aを形成する膨張室20を備え、膨張室20は、膨張空間20aの大きさを変化させるように変位する壁部22と、膨張空間20a内に設けられ、ヒータ15による貯湯タンク11内の水の温度上昇に反応して膨張空間20aを拡大させる方向に壁部22を変位させる感熱素子27とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒータを内蔵する貯湯タンクの上流側に、流路を閉鎖する止水部が設けられる元止め式の電気温水器に関する。
従来、水を電力によって温める電気温水器には、ヒータを内蔵する貯湯タンクを備える貯湯式の電気温水器がある。貯湯式の電気温水器は、水道管等から供給される水をヒータによって温めることで貯湯タンク内にて水を温水化しておき、貯湯タンク内の湯を、給湯配管を介して、洗面所の洗面器や台所の流し台等に設置される吐水部としての水栓(スパウト)に供給する。
こうした貯湯式の電気温水器には、止水方式の違いから、貯湯タンクの元(上流側)に、流路を閉鎖する止水部が設けられる元止め式と、貯湯タンクの先(下流側)に止水部が設けられる先止め式とがある。元止め式の電気温水器は、貯湯タンクの下流側が大気開放されていることから、貯湯タンクを耐圧構造とする必要がなく、先止め式の電気温水器と比べて構造がシンプルで低コスト、施工が簡単等の利点を有する。
貯湯式の電気温水器においては、貯湯タンク内の水の沸き上げにともなって膨張水が発生するという問題がある。先止め式の電気温水器の場合、一般に、膨張水は、貯湯タンクから水栓への給湯配管とは別に設けられる排水管により排出される。これに対し、元止め式の電気温水器においては、膨張水が貯湯タンクから給湯配管を介して水栓の吐水口(蛇口)から滴り落ちるという問題がある。かかる問題は、膨張水を電気温水器の外へと逃すために、水栓の止水・吐水を操作するためのハンドルを完全閉鎖させない構造が採用されていることに起因する。
膨張水は貯湯タンク内の水の沸き上げにともなって発生するため、元止め式の電気温水器においては、貯湯タンク内の水の沸き上げが行われるたびに、水栓の吐水口から膨張水が滴り落ちるという現象が生じる。このような水栓の吐水口からの膨張水の滴下現象は、使用者に水栓が故障していると勘違いさせたり、見苦しさを感じさせたりする。また、水栓の吐水口からの膨張水の滴下現象は、水栓が設置される洗面器や流し台等を水垢で汚す原因となり、特にステンレス製の流し台等においては滴下音が耳障りの原因ともなる。さらに、膨張水は温められた湯であるため、膨張水が水栓の吐水口から排出されることは、省エネの観点からも好ましくない。
そこで、水栓の吐水口からの膨張水の滴下現象による問題を解消するための技術として、例えば特許文献1に開示の技術がある。特許文献1の技術は、元止め式の電気温水器において、貯湯タンクからの膨張水を吸収するためのタンクを貯湯タンクとは別に備え、その膨張水用のタンクを、貯湯タンクへの給水を止める止水部と吐水部を構成する水栓との間の流路上における、水栓よりも低くなる位置に設けることで、膨張水の吸収装置を構成する。
しかしながら、特許文献1の技術によれば、膨張水の吸収装置を構成する膨張水用のタンクを設ける高さ位置が、水栓との関係において制限される。このため、膨張水用のタンクを設けるための配管構成の自由度が低く、電気温水器の設置の段階での施工や、膨張水の吸収装置を後付けで設けることが困難である。また、特許文献1の技術は、膨張水用のタンク内の水位と貯湯タンクから水栓への給湯配管内の水位との釣り合いを利用するものであることから、特許文献1の技術では、貯湯タンク内の水の沸き上げにともなう水の体積増加分に相当する膨張水の量に正確に対応することが困難である。
また、特許文献2には、先止め式の電気温水器において、貯湯タンクに膨張水による圧力上昇を吸収するための室を設ける技術が開示されている。確かに、特許文献2の技術によれば、貯湯タンク内の水の沸き上げによって上昇したタンク内の圧力に応じて、前記室の空気等が圧縮され、膨張水による体積膨張が吸収されることから、膨張水が排出されなくなると考えられる。
しかしながら、特許文献2の技術は、膨張水による貯湯タンクの圧力上昇を吸収するという観点に基づくものであるため、貯湯タンクに水道圧がかかる先止め式の電気温水器には有効であると考えられるが、貯湯タンクの下流側が大気開放されている元止め式の電気温水器に適用することは困難である。
特開2000−065374号公報 実開平7−32452号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、簡単な構造で、現場での設置を容易に行うことができ、しかも貯湯タンク内の水の沸き上げにともなって生じる膨張水の量に正確に対応することができ、スパウトの吐水口から膨張水が滴り落ちることを防止することができる元止め式電気温水器を提供する。
本発明の元止め式電気温水器は、水を加熱して温水とするヒータを有する貯湯タンクと、該貯湯タンク内に水を供給する給水配管と、前記貯湯タンクに接続され、前記貯湯タンク内の温水を、吐水口を構成するスパウトに供給する給湯配管と、前記給水配管に設けられ、前記吐水口からの吐水および止水に対応して前記給水配管を開閉する開閉弁と、を備える元止め式電気温水器であって、前記貯湯タンクの収容空間に連通する膨張空間を形成する膨張室を備え、前記膨張室は、前記膨張空間の大きさを変化させるように変位する壁部と、前記膨張空間内に設けられ、前記ヒータによる前記貯湯タンク内の水の温度上昇に反応して、前記膨張空間を拡大させる方向に前記壁部を変位させる感熱素子と、を含むものである。このような構成により、簡単な構造で、現場での設置を容易に行うことができ、しかも貯湯タンク内の水の沸き上げにともなって生じる膨張水の量に正確に対応することができ、スパウトの吐水口から膨張水が滴り落ちることを防止することができる。
本発明の元止め式電気温水器は、好ましくは、前記膨張室は、前記膨張空間を前記給水配管の前記貯湯タンクに対する接続部分に位置させるように設けられているものである。このような構成により、給水配管から貯湯タンクに供給される水を効率的に感熱素子に接触させることができるので、貯湯タンク内の水の温度上昇により変位した壁部を、速やかに元の状態に復帰させることができる。これにより、給水配管から貯湯タンクに流れ込む水に対して、感熱素子を即座に反応させることができ、膨張水を吸収するために拡大した状態の膨張空間を速やかに縮小させて膨張水の発生に備えることができる。
また、本発明の元止め式電気温水器は、好ましくは、前記貯湯タンクは、前記ヒータによる加熱によって生じる水の流れ、および前記給水配管から前記貯湯タンク内に流れ込む水の流れの少なくともいずれかを規制することで、前記収容空間および前記膨張空間内の水の対流を促す対流促進部を有するものである。このような構成により、ヒータによる沸き上げによって生じる自然対流の場合と比較して、ヒータにより温められた水を効率的に感熱素子に接触させることができるので、貯湯タンク内の水温変化によって壁部を正確に変位させることができ、膨張室にて膨張水の分の容積を確実に確保することができる。
また、本発明の元止め式電気温水器は、好ましくは、前記感熱素子は、熱伝導素子を介して、前記ヒータと連結されているものである。このような構成により、ヒータによる沸き上げ時のヒータの熱が、ヒータにより温められた水を介してだけでなく、熱伝導素子を介しても感熱素子に伝達されるので、感熱素子が膨張水の発生時に精度良く反応し、より確実に膨張室にて膨張水の分の容積を確保することができる。
また、本発明の元止め式電気温水器は、好ましくは、前記壁部は、弾性変形可能な膜状の部材により構成されているものである。このような構成により、壁部を簡単な構造とすることができ、壁部の耐久性を向上させることができる。
また、本発明の元止め式電気温水器は、好ましくは、前記膨張室は、前記壁部により前記膨張空間に対して隔てられ前記膨張空間とともに前記壁部が変位する空間を形成する隔室と、前記壁部の変位にともなう前記隔室の給排気を行うための給排気口と、を有し、前記隔室と前記スパウトとが、前記給排気口を前記吐水口に連通させる配管により接続されているものである。このような構成により、膨張室内の水について万一壁部から隔室側に漏水が生じた場合であっても、漏水した水を、膨張室の給排気口に接続される配管を介してスパウトの吐水口から排水させることができる。
本発明によれば、簡単な構造で、現場での設置を容易に行うことができ、しかも貯湯タンク内の水の沸き上げにともなって生じる膨張水の量に正確に対応することができ、スパウトの吐水口から膨張水が滴り落ちることを防止することができる。
本発明の第一実施形態に係る電気温水器の構成を示す図。 本発明の第二実施形態に係る電気温水器の構成を示す図。 本発明の第三実施形態に係る電気温水器の構成を示す図。 本発明の第四実施形態に係る電気温水器の構成を示す図。
本発明は、ヒータを内蔵する貯湯タンクを備える元止め式の電気温水器において、貯湯タンクに連通するとともに貯湯タンク内の水温の変化に応じて大きさが変化する空間を形成する膨張室を設けることで、ヒータによる沸き上げにともなって生じる膨張水に対応しようとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の第一実施形態について、図1を用いて説明する。本実施形態に係る電気温水器1は、洗面所等に備え付けられる洗面器2に対して設けられる吐水部としてのスパウト3に温水を供給するための装置である。電気温水器1は、スパウト3等に設けられるセンサの検出信号に基づいて自動で、あるいはスパウト3の近傍に設けられるハンドルやボタン等の操作部の操作により、温水をスパウト3に供給する。電気温水器1からスパウト3に供給された温水は、スパウト3の吐水口4から吐出され、洗面器2により受けられる。なお、電気温水器1は、洗面器2のほか、台所の流し台等に対して設けられる吐水部にも用いられる。
図1に示すように、電気温水器1は、貯湯タンク11と、給水配管12と、給湯配管13と、電磁弁14とを備える。電気温水器1は、貯湯タンク11、給水配管12、給湯配管13、および電磁弁14を含む各構成を、ケーシング10に収容した状態で備える。
貯湯タンク11は、スパウト3に供給する温水を貯溜する。貯湯タンク11は、水を加熱して温水とするヒータ15を有する。ヒータ15は、電力によって発熱する電気ヒータであり、その加熱作用によって貯湯タンク11内の水を温めて温水化する。ヒータ15は、貯湯タンク11の収容空間11aの内部において、下方の位置にて、略水平方向に配された状態で設けられる。ヒータ15の材質は、例えばステンレスである。本実施形態の電気温水器1は、貯湯タンク11の容量が例えば3リットル程度の小型の電気温水器である。
給水配管12は、貯湯タンク11内に水を供給する。給水配管12は、電気温水器1のケーシング10に配管等を介して接続される水道管等を給水源とし、給水源から供給される水を貯湯タンク11に供給する。給水配管12に水を供給する給水源は、ケーシング10に設けられる給水口10aに接続される。つまり、給水配管12は、その一端側(貯湯タンク11への給水の流れの上流側)が給水口10aに接続され、他端側(貯湯タンク11への給水の流れの下流側)が貯湯タンク11の収容空間11aの下部(底部)から水を流し込むように接続された状態で設けられる。
給水配管12から貯湯タンク11の下部に供給された水は、ヒータ15の通電により温められる。貯湯タンク11の内部において、ヒータ15により温められた温水は収容空間11aの上部の温水との比重差で上昇し、比較的温度の低い温水は下降して対流が生じ、貯湯タンク11内の水が均一の温度に沸き上がる。
給湯配管13は、貯湯タンク11に接続され、貯湯タンク11内の温水を、吐水口4を構成するスパウト3に供給する。給湯配管13は、ケーシング10に設けられる出湯口10bに接続される吐水管16を介して、貯湯タンク11内の温水をスパウト3に供給する。一端側が出湯口10bに接続される吐水管16の他端側は、吐水口4に連通するようにスパウト3に接続される。つまり、給湯配管13は、その一端側(スパウト3への給湯の流れの上流側)が収容空間11aに連通するように貯湯タンク11に接続され、他端側(スパウト3への給湯の流れの下流側)が出湯口10bに接続された状態で設けられる。
電磁弁14は、給水配管12に設けられ、スパウト3の吐水口4からの吐水および止水に対応して給水配管12を開閉する開閉弁として機能する。電磁弁14は、スパウト3等に設けられるセンサの検出信号に基づいて自動で、あるいはスパウト3の近傍に設けられるボタン等の操作部の操作により、開閉動作する。
電磁弁14が開くことにより、給水配管12から貯湯タンク11に水が供給される。貯湯タンク11に流れ込む水の水圧(例えば水道圧)により、貯湯タンク11に流れ込んだ水の分だけ貯湯タンク11内の温水が押し上げられて給湯配管13に出湯し、スパウト3の吐水口4から吐出される。このように、本実施形態の電気温水器1は、流路を閉鎖する止水部としての電磁弁14が貯湯タンク11の元(上流側)である給水配管12に設けられる元止め式の電気温水器である。
また、電気温水器1は、貯湯タンク11内の貯溜水の温度を所定の範囲の温度に保つため、自動温度調節器17を備える。自動温度調節器17は、バイメタルによる温度に応じた電気回路の開閉により、貯湯タンク11内の水温に応じてヒータ15のON/OFFを自動的に切換え制御することで、貯湯タンク11内の温水を所定の温度範囲に保持するように加熱する。
以上のような構成を備える電気温水器1においては、貯湯タンク11内の水の沸き上げ(以下単に「沸き上げ」という。)にともなって、貯湯タンク11内の水の体積が増加することによる膨張水が発生する。そこで、図1に示すように、本実施形態の電気温水器1は、貯湯タンク11内にて生じた膨張水を吸収するため、膨張室20を備える。
膨張室20は、貯湯タンク11の下部外側に隣接するように設けられる。膨張室20は、貯湯タンク11の収容空間11aに連通する膨張空間20aを形成する。膨張室20は、膨張空間20aを形成する部材として、ハウジング21を有する。つまり、膨張室20は、ハウジング21の内部空間の一部を膨張空間20aとする。
ハウジング21は、中心軸方向の一方が開放された有底の略円筒形状を有し、開放された側が貯湯タンク11の外壁11bに対向するように設けられる。ハウジング21は、貯湯タンク11の外壁11bに対して適宜の方法で固定される。
ハウジング21の内部空間は、壁部22によって、略円筒形状における中心軸方向に二つの空間に区画される。そして、ハウジング21内において壁部22によって区画される二つの空間のうち、貯湯タンク11側の空間が、貯湯タンク11の収容空間11aに連通する膨張空間20aとして形成される。
膨張室20の膨張空間20aと貯湯タンク11の収容空間11aとは、貯湯タンク11の外壁11bに形成される連通孔11cを介して連通する。連通孔11cは、収容空間11aと膨張空間20aとの間の水の往来が妨げられることなく行われるような大きさや数で設けられる。つまり、連通孔11cによって貯湯タンク11の収容空間11aに膨張室20の膨張空間20aが連通する構成によれば、貯湯タンク11の容積が膨張室20の膨張空間20aの分増加した態様となる。したがって、膨張室20の膨張空間20a内は、貯湯タンク11の収容空間11aとともに水が充満した状態となる。
壁部22は、ハウジング21の内径に対応する外径を有する円板状の隔壁23と、隔壁23の外周面に装着されるOリング24とを有する。隔壁23は、Oリング24を介してハウジング21の内周面21aを摺動面としてハウジング21の中心軸方向(図1における左右方向、矢印A参照)に移動可能に設けられる。また、隔壁23は、Oリング24によって水密を確保する。
このように、壁部22は、膨張室20の内部において水密を確保しつつハウジング21の内周面21aに対して摺動可能に構成される。壁部22が移動することで、膨張空間20aの大きさが変化する。つまり、壁部22は、膨張空間20aの大きさを変化させるように変位する。したがって、壁部22について変位とは、ハウジング21内における隔壁23のOリング24を介する摺動方向の位置が変化することである。
膨張室20は、膨張空間20aとともに壁部22が移動する空間であるハウジング21の内部空間を形成する隔室25を有する。隔室25は、膨張室20において、ハウジング21の内部空間が壁部22によって仕切られることで膨張空間20aとともに形成される隔室空間25aを形成する部分である。
このように、本実施形態では、膨張室20は、壁部22により膨張空間20aに対して隔てられ膨張空間20aとともに壁部22が変位する空間を形成する隔室25を有する。そして、前記のとおり水密に構成される壁部22は、隔室空間25aに対して膨張空間20a内の水を封止する。
隔室25には、給排気口26が設けられている。給排気口26には、一端側が大気に開口した状態の給排気管26aの他端側が接続される。給排気口26は、隔室25内の隔室空間25aを大気開放させる。
給排気口26が設けられることで、ハウジング21内において膨張空間20aに対して水密に構成される壁部22の移動にともなって、給排気口26を介して隔室25の給排気が行われる。言い換えると、給排気口26により、水密に構成される壁部22の移動にともなう隔室25内の圧力の変化が吸収され、ハウジング21内における壁部22の移動が許容される。このように、膨張室20は、壁部22の変位にともなう隔室25の給排気を行うための給排気口26を有する。
膨張室20は、ハウジング21内にて壁部22を移動させるための構成として、感熱素子27を有する。感熱素子27は、熱を感知することで伸縮する。感熱素子27は、全体として略筒状の外形を有し、略筒状の外形における中心軸方向(図1における左右方向)を伸縮方向とする。感熱素子27は、伸縮方向の一端側が貯湯タンク11の外壁11bに固定され、伸縮方向の他端側が壁部22を構成する隔壁23に固定された状態で設けられる。つまり、感熱素子27は、その伸縮方向から、貯湯タンク11の外壁11bと壁部22を構成する隔壁23との間に挟まれた状態で、膨張空間20a内に設けられる。
本実施形態では、感熱素子27は、詳細には次のような構成を備える。感熱素子27は、隔壁23に固定される部分であるスリーブ部27aと、このスリーブ部27aから感熱素子27の伸縮方向に沿って突出するように設けられるピストン部27bとを有する。感熱素子27の内部には、温度変化にともなって体積を膨張・収縮させるサーモワックスが封入されている。感熱素子27は、サーモワックスの体積変化により、スリーブ部27aからのピストン部27bの突出量を変化させることで伸縮する。
したがって、感熱素子27は、膨張空間20a内の水温の変化を感知することで、サーモワックスの体積を変化させて伸縮する。感熱素子27が伸縮することにより、ハウジング21内において移動可能に設けられる壁部22が、貯湯タンク11の外壁11bに対して近接離間する方向に相対的に移動する。ハウジング21内における壁部22の移動により、膨張空間20aの大きさが変化する。
具体的には、感熱素子27内に封入されるサーモワックスは、温度上昇にともなって膨張し、温度低下にともなって収縮する。このため、感熱素子27は、膨張空間20a内の水温が上昇することで伸び、膨張空間20a内の水温が低下することで縮むように構成される。このように、感熱素子27は、膨張空間20a内に設けられ、ヒータ15による貯湯タンク11内の水の温度上昇に反応して、膨張空間20aを拡大させる方向に壁部22を変位させる。
一方、膨張室20においては、隔室空間25a内に、壁部22を付勢するバイアスバネ28が設けられている。バイアスバネ28は、その伸縮方向が壁部22の移動方向に沿うように設けられる。つまり、バイアスバネ28は、ハウジング21の底部と隔壁23とによって挟まれた状態で設けられる。バイアスバネ28は、感熱素子27が伸びることにより壁部22に作用する押圧力に抗して、壁部22を感熱素子27と反対側から押圧するように付勢する。
なお、膨張空間20a内の水温の変化にともなって壁部22を移動させるための構成は、本実施形態のようにサーモワックスを利用した感熱素子27に限定されるものではない。膨張室20が備える感熱素子としては、膨張空間20a内の水温の変化にともなって壁部22を移動させることができるものであればよく、例えば、形状記憶合金を利用したもの等であってもよい。
また、図1に示すように、本実施形態の電気温水器1においては、膨張室20が、膨張空間20aを給水配管12の貯湯タンク11に対する接続部分に位置させるように設けられている。具体的には、前述したように貯湯タンク11に対して収容空間11aの下部(底部)から水を流し込むように接続される給水配管12は、膨張室20の膨張空間20aに連通するように、ハウジング21に接続される。詳細には給水配管12はハウジング21の下側に接続される。したがって、給水配管12から貯湯タンク11に供給される水は、膨張空間20aに流れ込み、膨張空間20aから連通孔11cを介して貯湯タンク11の収容空間11aの下部に流れ込む。
なお、本実施形態では、給水配管12の下流側の端部は、直接的には膨張室20を構成するハウジング21に接続されているが、貯湯タンク11の外壁11bに接続されてもよい。つまり、膨張室20は、膨張空間20aを給水配管12の貯湯タンク11に対する接続部分の近傍に位置させるように設けられてもよい。
このように、本実施形態では、膨張室20は、膨張空間20aを、貯湯タンク11に水を供給する給水配管12の下流側の端部の接続部分または接続部分の近傍に位置させることで、貯湯タンク11に近接配置される。そして、給水配管12の下流側の端部は、貯湯タンク11の外壁11bに対するハウジング21の固定部分の近傍に接続される。
また、図1に示すように、本実施形態の電気温水器1においては、貯湯タンク11内に、対流促進部としてのバッフル29が設けられている。バッフル29は、貯湯タンク11の収容空間11a内および膨張室20の膨張空間20a内において、給水配管12から水が供給されることや、ヒータ15による加熱にともなう水温の変化等によって生じる水の流れを規制する。
バッフル29は、水の流れを規制する板状の部分であり、貯湯タンク11の外壁11bの内面から突出するように設けられる。バッフル29は、例えば、板状の部材が貯湯タンク11の外壁11bに固定されることで構成される。バッフル29は、貯湯タンク11の外壁11bの内面から水平方向に突出する水平部29aと、水平部29aの突出方向の先端から下側に折り曲げ形成される折曲部29bとを有する。
バッフル29は、貯湯タンク11の外壁11bにおいて連通孔11cが形成される範囲の上方かつ近傍から突出するように設けられる。したがって、貯湯タンク11の収容空間11aにおいて、バッフル29は、連通孔11cの近傍の部分の少なくとも上部に対して、上側に水平部29aを位置させ、連通孔11cに略対向する側に折曲部29bを位置させる。
バッフル29によって規制される水の流れには、ヒータ15による加熱によって生じる水の流れが含まれる。具体的には、ヒータ15により温められた温水は、比重差によって上昇して対流する。そこで、バッフル29は、ヒータ15により温められた温水、特にヒータ15における連通孔11cの近傍の部分で温められた温水が上昇する流れを規制する。これにより、図1において矢印F1で示すように、ヒータ15により温められた温水が収容空間11aから連通孔11cを介して膨張空間20aに流れ込む水の流れが形成され、収容空間11aおよび膨張空間20a内の水の対流が促される。
また、バッフル29によって規制される水の流れには、給水配管12から貯湯タンク11内に流れ込む水の流れが含まれる。具体的には、ハウジング21の下側に接続される給水配管12によって膨張空間20aに流れ込む水は、連通孔11cを介して収容空間11aに流れ込み上昇する。そこで、バッフル29は、給水配管12によって膨張空間20aから連通孔11cを介して収容空間11aに流れ込み上昇する水の流れを規制する。これにより、図1において矢印F2で示すように、膨張空間20aから連通孔11cを介して収容空間11a内に流れ込む給水配管12からの給水が一旦貯湯タンク11の底部に下降してから上昇する流れが形成され、収容空間11aおよび膨張空間20a内の水の対流が促される。
なお、バッフル29の形状は、本実施形態に限定されるものではない。バッフル29としては、ヒータ15による加熱によって生じる水の流れ、および給水配管12から貯湯タンク11内に流れ込む水の流れの少なくともいずれかの流れを規制することで、収容空間11aおよび膨張空間20a内の水の対流を促すような形状を有するものであればよい。また、バッフル29は、収容空間11a内のほか、膨張空間20a内に設けられてもよく、複数箇所に設けられてもよい。
また、本実施形態の電気温水器1においては、貯湯タンク11が有するヒータ15は、外壁11bの連通孔11cが形成される部分に対向するように、上向きに折り曲げ形成される折曲部15aを有する。ヒータ15の折曲部15aは、バッフル29の下側に位置する。つまり、バッフル29は、ヒータ15の折曲部15aに対して上側から被さるように設けられる。
以上のような構成を備える本実施形態の電気温水器1の作用について説明する。電気温水器1においては、沸き上げに際し、ヒータ15がONの状態になると、ヒータ15によって加熱された温水の対流が生じる。ヒータ15によって加熱された温水の一部は、連通孔11cを介して収容空間11aから膨張空間20a内に流れ込む。ここで、連通孔11cの近傍の位置にてヒータ15によって加熱された温水については、バッフル29により、収容空間11aから連通孔11cを介して膨張空間20a内へと回り込む水の流れが形成される(矢印F1参照)。
沸き上げの過程で、ヒータ15によって加熱された温水が膨張空間20a内に流れ込むことで、膨張空間20a内の水温が上昇し、膨張空間20a内の水温の上昇を検知した感熱素子27が伸びる。つまり、ヒータ15の熱が、収容空間11aおよび膨張空間20a内の水を介して感熱素子27に伝達され、感熱素子27が伸びる。感熱素子27が伸びることで、膨張室20内の壁部22が、バイアスバネ28による付勢力に抗して膨張空間20aを拡大させる方向(図1において左向き)に移動する。
このように、沸き上げの過程で膨張空間20aが拡大して膨張室20の容積が増加することで、沸き上げにともなって生じる膨張水の分の容積が確保され、膨張水が吸収される。なお、沸き上げによって貯湯タンク11内の貯溜水の温度が所定の範囲にあることが自動温度調節器17によって検知されると、ヒータ15はOFFの状態となる。
そして、スパウト3の吐水口4からの温水の吐出に際しては、電磁弁14が開き、給水配管12から貯湯タンク11に水が供給される。貯湯タンク11への給水が開始されると、膨張空間20a内に水が流れ込むことで、膨張空間20a内の水温が低下し、膨張空間20a内の水温の低下を検知した感熱素子27が縮む。ここで、感熱素子27による水温の低下の検知は、自動温度調節器17が水温の低下を検知してヒータ15の通電をONにするよりも先に行われる。感熱素子27が縮むことで、膨張室20内の壁部22が、バイアスバネ28による付勢力によって膨張空間20aを縮小させる方向(図1において右向き)に移動する。
このように、貯湯タンク11内への給水の過程で膨張空間20aが縮小することで、膨張水を吸収するために増加した膨張室20の容積が、沸き上げの開始時の元の容積に戻る。したがって、自動温度調節器17により水温の低下が検知されてヒータ15の通電がONにされた時、つまり沸き上げの開始時には、感熱素子27は収縮して膨張室20の容積が元に戻った状態にあり、電気温水器1は沸き上げにともなう膨張水を吸収できる状態にある。
このように、電気温水器1においては、水温の変化にともなって伸縮する感熱素子27による壁部22の移動により、沸き上げの過程で、貯湯タンク11と連通する膨張室20の容積が一時的に増加する。つまり、膨張室20における壁部22の移動により、貯湯タンク11の収容空間11aおよび膨張室20の膨張空間20aにより形成される水の貯溜空間の大きさが一時的に増加する。これにより、沸き上げにともなって生じる膨張水が吸収される。
以上のような本実施形態の電気温水器1によれば、水温の変化に対応して伸縮する感熱素子27による簡単な構造で、膨張水を吸収するための機構を構成することができるので、配管構成の自由度が高く、現場での設置の段階での施工を容易に行うことができ、また、膨張水を吸収するための機構を後付けで設けることも容易に行うことができる。特に、本実施形態の電気温水器1のように、膨張室20を貯湯タンク11に隣接配置することで、膨張室20が設けられることによる電気温水器1の配管構成に与える影響を少なくすることができる。
また、ヒータ15によって温められた温水の温度が感熱素子27によって直接検知され、感熱素子27の伸縮によって膨張空間20aの大きさが変化するので、感熱素子27の伸縮量等の調整により、貯湯タンク11の容量やヒータ15による加熱の設定温度等に応じて異なる膨張水の量に正確に対応することができる。このように、本実施形態の電気温水器1によれば、簡単な構造で、現場での設置を容易に行うことができ、しかも沸き上げにともなって生じる膨張水の量に正確に対応することができ、スパウト3の吐水口4から膨張水が滴り落ちることを防止することができる。
また、本実施形態の電気温水器1においては、膨張室20が、膨張空間20aを給水配管12の貯湯タンク11に対する接続部分に位置させるように設けられている。このため、給水配管12から貯湯タンク11に供給される水を効率的に感熱素子27に接触させることができるので、貯湯タンク11内の水の温度上昇により変位した壁部22を、速やかに元の状態に復帰させることができる。これにより、給水配管12から貯湯タンク11に流れ込む水に対して、感熱素子27を即座に反応させることができ、膨張水を吸収するために拡大した状態の膨張空間20aを速やかに縮小させて膨張水の発生に備えることができる。なお、本実施形態では、膨張室20が貯湯タンク11に隣接するように設けられているが、膨張室20は、例えば配管等を介して貯湯タンク11とは離れた位置に設けられてもよい。
また、本実施形態の電気温水器1においては、貯湯タンク11が、貯湯タンク11内の流れを規制して収容空間11aおよび膨張空間20a内の水の対流を促すバッフル29を有する。このため、ヒータ15による沸き上げによって生じる自然対流の場合と比較して、ヒータ15により温められた水を効率的に感熱素子27に接触させることができるので、貯湯タンク11内の水温変化によって壁部22を正確に変位させることができ、膨張室20にて膨張水の分の容積を確実に確保することができる。
また、本実施形態の電気温水器1においては、ヒータ15が、膨張空間20aと収容空間11aとを連通させる連通孔11cに対面するように、折曲部15aを有する。このため、膨張室20の近傍の水が効率的に温められ、ヒータ15の熱を効率的に膨張室20内の感熱素子27に伝達することができる。これにより、ヒータ15による水の加熱作用によって感熱素子27を確実に反応させることができ、沸き上げにともなって膨張水が生じるタイミングに遅れることなく膨張空間20aを拡大させることができる。
本発明の第二実施形態について、図2を用いて説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図2に示すように、本実施形態の電気温水器31は、感熱素子27とヒータ15とを連結する熱伝導素子32を備える点で、第一実施形態の電気温水器1と異なる。つまり、本実施形態では、感熱素子27が、熱伝導素子32を介して、ヒータ15と連結されている。
熱伝導素子32は、例えば棒状に形成される部材であり、例えば銅やアルミニウム等の比較的熱伝導率の高い材料により構成される。熱伝導素子32は、その一端側がヒータ15の折曲部15aに接触した状態で固定され、他端側が貯湯タンク11の外壁11bを介して感熱素子27に接触した状態で固定される。このため、外壁11bには、熱伝導素子32を貫通させて感熱素子27に接触させるための孔部が形成される。
本実施形態の電気温水器31においては、沸き上げに際し、ヒータ15がONの状態になると、ヒータ15の熱が、熱伝導素子32を介して感熱素子27に伝達される。したがって、本実施形態の電気温水器31では、ヒータ15の熱が、収容空間11aおよび膨張空間20a内の水を介して伝達されることに加え、感熱素子27を介して伝達されることで、感熱素子27が伸びる。これにより、壁部22がバイアスバネ28による付勢力に抗して移動し、膨張空間20aが拡大し、膨張水が吸収される。
そして、スパウト3の吐水口4からの温水の吐出に際しては、第一実施形態の場合と同様に、電磁弁14が開き、貯湯タンク11への給水が開始されると、膨張空間20a内に水が流れ込むことで、膨張空間20a内の水温が低下し、感熱素子27が縮む。これにより、壁部22がバイアスバネ28による付勢力によって移動し、膨張空間20aが縮小し、膨張水を吸収するために増加した膨張室20の容積が沸き上げの開始時の元の容積に戻る。
本実施形態の電気温水器31によれば、沸き上げ時のヒータ15の熱が、ヒータ15により温められた水を介してだけでなく、熱伝導素子32を介しても感熱素子27に伝達されるので、感熱素子27が膨張水の発生時に精度良く反応し、より確実に膨張室20にて膨張水の分の容積を確保することができる。
本発明の第三実施形態について、図3を用いて説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の電気温水器41は、膨張室20を構成する壁部42が、弾性変形可能な膜状の部材であるダイヤフラム43により構成されている点で、第一実施形態の電気温水器1と異なる。
ダイヤフラム43は、例えばゴムや樹脂等の比較的高い弾性を有する材料により構成される。ダイヤフラム43により構成される壁部42は、膨張室20の内部において水密を確保しつつハウジング21の内周面21aに対して固定された状態で設けられる。つまり、ダイヤフラム43の周縁部はハウジング21の内周面21aに対して水密を確保するように固定され、ハウジング21内におけるダイヤフラム43の位置は固定される。
そして、本実施形態では、壁部42は、弾性変形することで膨張空間20aの大きさを変化させるように変位する。したがって、本実施形態に係る壁部42について変位とは、ダイヤフラム43が弾性により形状を変化させることである。
また、本実施形態では、ハウジング21の内部空間がダイヤフラム43によって仕切られることで、膨張空間20aに対して隔室空間25aを形成する隔室25が形成される。また、本実施形態では、伸縮方向の一端側が貯湯タンク11の外壁11bに固定される感熱素子27は、その他端側がダイヤフラム43の中心部分に固定された状態で設けられる。つまり、ダイヤフラム43は、感熱素子27の伸縮によって中心部分から弾性変形させられる。
また、本実施形態では、感熱素子27は、ダイヤフラム43に固定される側の端部に、ダイヤフラム43に対する連結部27cを有する。また、本実施形態では、隔室空間25a内に設けられるバイアスバネ28は、ハウジング21の底部とダイヤフラム43とによって挟まれた状態で設けられ、感熱素子27が伸びることによりダイヤフラム43に作用する押圧力に抗して、ダイヤフラム43を感熱素子27と反対側から押圧するように付勢する。
本実施形態の電気温水器41においては、沸き上げに際し、ヒータ15がONの状態になると、ヒータ15の熱が、収容空間11aおよび膨張空間20a内の水を介して感熱素子27に伝達され、感熱素子27が伸びる。これにより、ダイヤフラム43がバイアスバネ28による付勢力に抗して隔室空間25a側に膨らむように弾性変形し、膨張空間20aが拡大し、膨張水が吸収される。
そして、スパウト3の吐水口4からの温水の吐出に際しては、第一実施形態の場合と同様に、電磁弁14が開き、貯湯タンク11への給水が開始されると、膨張空間20a内に水が流れ込むことで、膨張空間20a内の水温が低下し、感熱素子27が縮む。これにより、ダイヤフラム43がバイアスバネ28による付勢力によって膨張空間20a側に膨らむように弾性変形し、膨張空間20aが縮小し、膨張水を吸収するために増加した膨張室20の容積が沸き上げの開始時の元の容積に戻る。
本実施形態の電気温水器41によれば、壁部42がダイヤフラム43により構成されていることから、膨張室20の内部において壁部42を移動させる必要がない。このため、第一実施形態の電気温水器1の壁部22との比較において、Oリング24によるハウジング21に対する摺動部分を設ける必要が無く、膨張水を吸収するための膨張室20を構成する壁部42を簡単な構造とすることができる。また、壁部42がハウジング21に対する摺動部分を有しないことから、壁部42の変位にともなう摩耗等が生じることなく、壁部42の耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態の電気温水器41においては、壁部42を構成するダイヤフラム43の弾性を利用して感熱素子27の収縮にともなう壁部42の変位を生じさせることで、バイアスバネ28を省略することができる。また、本実施形態の電気温水器41においても、第二実施形態の電気温水器31と同様に、感熱素子27とヒータ15とが熱伝導素子32によって連結される構成が採用されてもよい。
本発明の第四実施形態について、図4を用いて説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の電気温水器51は、膨張室20が有する隔室25とスパウト3とが、給排気口26を吐水口4に連通させる配管としての排水管52により接続されている点で、第一実施形態の電気温水器1と異なる。
排水管52は、電気温水器1のケーシング10の内部に配される内部配管52aと、ケーシング10の外部に配される外部配管52bとを有する。内部配管52aの一端側は、膨張室20が有する給排気口26に接続され、他端側は、ケーシング10に設けられる排水口10cに接続される。また、外部配管52bの一端側は、ケーシング10に設けられる排水口10cに接続され、他端側は、スパウト3の吐水口4に接続される。
このように、給排気口26と吐水口4とを連通させるように隔室25とスパウト3とを接続させる排水管52は、内部配管52aと外部配管52bとにより構成され、内部配管52aと外部配管52bとは、ケーシング10に設けられる排水口10cを介して接続される。
例えば第一実施形態の電気温水器1のように、膨張室20が有する隔室25が給排気管26aにより給排気口26を介して大気開放される構成においては、壁部22から隔室25側への万一の漏水が生じた場合、その漏水は、給排気口26を介して給排気管26aから外部に排出されることとなる。給排気管26aから水が排出されることで、床等を濡らしてしまう可能性がある。この点、本実施形態の電気温水器51においては、壁部22から隔室25側への万一の漏水が生じた場合、その漏水は、給湯配管13によるスパウト3の吐水口4に対する出湯経路とは別経路として構成される排水管52により、吐水口4から洗面器2に排出される。
このように、本実施形態の電気温水器51によれば、給排気口26と吐水口4とを連通させる排水管52が設けられていることから、膨張室20内の水について万一壁部22から隔室25側に漏水が生じた場合であっても、漏水した水を、膨張室20の給排気口26に接続される排水管52を介してスパウト3の吐水口4から排水させることができる。つまり、本実施形態の電気温水器51が備える排水管52は、隔室25の給排気を行うための給排気管としての機能と、壁部22からの万一の漏水を吐水口4から排水するための安全排水用の配管としての機能とを兼ね備えている。
なお、本実施形態の電気温水器51においても、第二実施形態の電気温水器31と同様に、感熱素子27とヒータ15とが熱伝導素子32によって連結される構成が採用されてもよく、また、第三実施形態の電気温水器41と同様に、ダイヤフラム43により構成される壁部42が採用されてもよい。
1 電気温水器(元止め式電気温水器)
3 スパウト
4 吐水口
11 貯湯タンク
11a 収容空間
12 給水配管
13 給湯配管
14 電磁弁(開閉弁)
15 ヒータ
20 膨張室
20a 膨張空間
22 壁部
25 隔室
26 給排気口
27 感熱素子
29 バッフル(対流促進部)
31 電気温水器(元止め式電気温水器)
32 熱伝導素子
41 電気温水器(元止め式電気温水器)
42 壁部
43 ダイヤフラム
51 電気温水器(元止め式電気温水器)
52 排水管

Claims (6)

  1. 水を加熱して温水とするヒータを有する貯湯タンクと、該貯湯タンク内に水を供給する給水配管と、前記貯湯タンクに接続され、前記貯湯タンク内の温水を、吐水口を構成するスパウトに供給する給湯配管と、前記給水配管に設けられ、前記吐水口からの吐水および止水に対応して前記給水配管を開閉する開閉弁と、を備える元止め式電気温水器であって、
    前記貯湯タンクの収容空間に連通する膨張空間を形成する膨張室を備え、
    前記膨張室は、
    前記膨張空間の大きさを変化させるように変位する壁部と、
    前記膨張空間内に設けられ、前記ヒータによる前記貯湯タンク内の水の温度上昇に反応して、前記膨張空間を拡大させる方向に前記壁部を変位させる感熱素子と、を含むことを特徴とする元止め式電気温水器。
  2. 前記膨張室は、前記膨張空間を前記給水配管の前記貯湯タンクに対する接続部分に位置させるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の元止め式電気温水器。
  3. 前記貯湯タンクは、前記ヒータによる加熱によって生じる水の流れ、および前記給水配管から前記貯湯タンク内に流れ込む水の流れの少なくともいずれかを規制することで、前記収容空間および前記膨張空間内の水の対流を促す対流促進部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の元止め式電気温水器。
  4. 前記感熱素子は、熱伝導素子を介して、前記ヒータと連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の元止め式電気温水器。
  5. 前記壁部は、弾性変形可能な膜状の部材により構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の元止め式電気温水器。
  6. 前記膨張室は、
    前記壁部により前記膨張空間に対して隔てられ前記膨張空間とともに前記壁部が変位する空間を形成する隔室と、
    前記壁部の変位にともなう前記隔室の給排気を行うための給排気口と、を有し、
    前記隔室と前記スパウトとが、前記給排気口を前記吐水口に連通させる配管により接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の元止め式電気温水器。
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