JP6627270B2 - 整流子 - Google Patents

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Description

本発明は、整流子に関する。
モータの回転軸に固定される従来の整流子は、一般的に、銅セグメントと、絶縁体として熱硬化性樹脂成形材料の成形品と、により構成されている。かかる整流子は、モータにおける回転子の一部を構成するブラシと接触させて電流の方向を切り替えるための装置である。
このような整流子に係る技術として、たとえば、以下のものがある。
特許文献1には、ブラシ(摺動子)との接触により生じる摩耗や騒音を抑制するために、回転軸に固定され、絶縁樹脂により形成された整流子樹脂部と、この整流子樹脂部の外周に設けられるとともに、摺動子と面接触で摺動する整流子金属板とを備えた構成を採用した整流子が開示されている。
特開2005−6457号公報
近年、モータのさらなる小型化および高速回転化が要求されている。こうした事情に鑑みて、整流子に対して要求される技術水準についても、ますます高まってきている。ここで、整流子は、モータの一部品であるが故、高温・高速回転条件下使用されることになる。そのため、整流子には、モータを高速回転させて使用する際に加わる大きな遠心力により銅セグメントと絶縁体とが剥離して、隣接する銅セグメント間の片間段差が生じたり、整流子の真円度が低下したりしない程度に優れた密着性(寸法安定性)や、モータを高温下、長時間にわたって高速回転させて使用した場合においても長期的に安定した整流子性能を発揮しうる程度に優れた機械的強度を実現することが強く求められている。
しかしながら、従来の整流子は、高温・高速回転条件下において繰り返し使用することにより、上述した寸法安定性および機械的強度が徐々に低下してしまうという不都合が生じる可能性を有していた。
そこで、本発明は、高温・高速回転条件下における、優れた寸法安定性と、優れた機械的強度とを両立した整流子を提供するものである。
本発明によれば、モータの回転軸に固定され、かつ熱硬化性樹脂組成物の硬化体により構成される内側部材と、
金属部材により構成され、かつ前記内側部材の外周面に密着してなる外側部材と、
からなる樹脂金属複合体を有した整流子であって、
前記熱硬化性樹脂組成物が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびメラミン樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の熱硬化性樹脂を含み、
前記外側部材における、前記外側部材と前記内側部材との密着面が複数の凹部を有しており、
前記凹部の断面形状が、前記凹部の開口部から底部までの間の少なくとも一部に前記開口部の断面幅よりも大きい断面幅を有する形状となっている、整流子であって、
前記熱硬化性樹脂組成物が、充填材をさらに含み、
前記凹部の内部に前記充填材の一部が存在しており、
前記充填材が、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径が0.1μm以上、5μm以下の充填材(B2)を含む、整流子が提供される。
本発明によれば、高温・高速回転条件下における、優れた寸法安定性と、優れた機械的強度とを両立した整流子を提供することを提供できる。
本実施形態に係る整流子について説明するための図である。 本実施形態に係る金属部材表面の粗化層を構成する凹部の断面形状の例を説明するための模式図である。 実施例1で得られた金属シートの表面に存在する粗化層の拡大図である。 実施例1で得られた試験片における接合部の断面拡大図を表す電子顕微鏡写真である。 実施例の評価に使用したテスト用整流子の断面形状である。
<整流子>
図1は、本実施形態に係る整流子100について説明するための図である。以下、外側部材12のことを金属セグメント12とも称し、内側部材14のことを、樹脂部材14または熱硬化性樹脂組成物の硬化体14とも称する。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る整流子100は、モータの回転軸に固定され、かつ熱硬化性樹脂組成物の硬化体により構成される内側部材14と、金属部材により構成され、かつ内側部材14の外周面に密着してなる外側部材(金属セグメント)12と、からなる樹脂金属複合体を有した整流子100であって、熱硬化性樹脂組成物が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびメラミン樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の熱硬化性樹脂を含み、外側部材(金属セグメント)12における、当該外側部材(金属セグメント)12と内側部材14との密着面103が複数の凹部を有しており、凹部の断面形状が、凹部の開口部から底部までの間の少なくとも一部に開口部の断面幅よりも大きい断面幅を有する形状となっている。こうすることで、高温・高速回転条件下において繰り返し使用した場合においても、モータ高速回転時に加わる大きな遠心力による影響で性能が低下することのない、寸法安定性および機械的強度という観点において優れた整流子100を実現することができる。言い換えれば、本実施形態によれば、高温・高速回転条件下における、優れた寸法安定性と、優れた機械的強度とを両立した整流子100を実現することができる。
本実施形態に係る整流子100は、上述したように、熱硬化性樹脂組成物の硬化体により構成される内側部材14と、金属部材により構成され、かつ内側部材14の外周面に密着してなる外側部材(金属セグメント)12と、からなる樹脂金属複合体により構成されている。すなわち、本実施形態に係る整流子100は、内側部材14と外側部材(金属セグメント)12との接合界面が強固に結合された部材(樹脂金属複合体)により形成されていることを特徴としたものである。なお、別々に作製した外側部材(金属セグメント)に対して内側部材を組み付け等により単にはめ込んでなるものは、本実施形態にかかる樹脂金属複合体には含まれない。このように、別々に作製した外側部材(金属セグメント)に対して内側部材を単にはめ込んでなるものを整流子とした場合、使用時に、内側部材と外側部材(金属セグメント)との接合界面に大きな遠心力が加わることになる。そして、上述した、単にはめ込んでなる態様の整流子を繰り返し使用した場合、この遠心力が蓄積され、当該整流子の内側部材と外側部材(金属セグメント)との剥離や、当該整流子の機械的強度の低下が、徐々に生じることになるものと考えられる。
ここで、本実施形態に係る整流子100は、内側部材14と外側部材(金属セグメント)12とが上述した密着構造を形成したものであればよいが、内側部材14と外側部材(金属セグメント)12とが接着剤を介在することなく接合されているものが好ましく、内側部材14と外側部材(金属セグメント)12とが一体的に成形されたものであればより好ましい。内側部材14と外側部材(金属セグメント)12とは、接着剤を介在しなくても優れた接合強度を有する。そのため、樹脂金属複合体の製造工程を簡略化することができる。すなわち、本実施形態に係る樹脂金属複合体は、内側部材14と外側部材(金属セグメント)12とがアンカー効果等により物理的に接合しているものであることが好ましい。また、本実施形態に係る樹脂金属複合体は、内側部材14と外側部材(金属セグメント)12とが一体的に形成されたものであることが好ましい。
また、本実施形態に係る整流子100は、上述したように、外側部材(金属セグメント)12における、外側部材(金属セグメント)12と内側部材14との密着面103が複数の凹部を有しており、凹部の断面形状が、凹部の開口部から底部までの間の少なくとも一部に開口部の断面幅よりも大きい断面幅を有する形状となっている構造の密着構造を有している。いわば、本実施形態に係る整流子100は、熱硬化性樹脂組成物の硬化体により構成される内側部材14の外周面に形成された複数の凸部が、金属部材により構成される外側部材(金属セグメント)12の内周面に形成した複数の凹部に対して嵌合してなるとともに、上記凸部と上記凹部とが交互に連続している構造からなる密着構造を採用したものである。そのため、本実施形態に係る整流子100によれば、内側部材14と外側部材(金属セグメント)12との密着性を、従来の整流子と比べて、飛躍的に向上させることが可能である。具体的には、本実施形態に係る整流子100は、上述した密着構造を採用したことにより、高温・高速回転条件下において繰り返し使用した際に内側部材14と外側部材(金属セグメント)12との位置ずれや剥離が生じることを防ぐことができる。言い換えれば、本実施形態に係る整流子100によれば、高温・高速回転条件下使用した場合においても、隣接する外側部材(金属セグメント)12の間に片間段差(セグメント間段差)が生じたり、整流子100の真円度が低下したりすることを抑制することができる。
さらに、本実施形態に係る整流子100では上述した密着構造を採用しているため、φ18mm未満の比較的小型な整流子であり、かつ回転による遠心力が比較的小さい整流子においては、従来の整流子に備わる寸法安定性や強度を向上させるための爪や補強リングを加工する必要がなく、工数の削減、コストの低減を図れることが期待できる。また、φ18mm以上の比較的大型な整流子であって、かつ回転による遠心力が比較的大きい整流子においては、隣接する外側部材(金属セグメント)12の間に片間段差(セグメント間段差)が生じたり、整流子100の真円度が低下したりすることを確実に抑制することができる。そのため、本実施形態によれば、コスト又は寿命という観点において従来技術よりも優れた整流子100を実現することができる。
また、本実施形態に係る整流子100は、たとえば、以下の2つの条件に係る各種因子を適切に制御することにより、高温・高速回転条件下における信頼性という観点において、より一層優れたものとすることができる。
(1)熱硬化性樹脂組成物の配合組成(熱硬化性樹脂、その硬化剤および添加剤の組み合わせ等)
(2)金属材料の選択(金属の種類、表面処理に係る各種条件の設定等)
(外側部材(金属セグメント)12)
外側部材(金属セグメント)12を構成する金属材料は、入手の容易さや価格の観点から、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅および銅合金などを挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、軽量かつ高強度であるとともに、優れた導電特性を発現することができる点から、銅または銅合金を含むことが好ましい。金属セグメント12は、内側部材14を構成する熱硬化性樹脂組成物の硬化体との接合強度を向上させる観点から、金属セグメント12と内側部材(樹脂部材)14との密着面103に微細な凹凸からなる粗化層を有していることが好ましい。
図2は、本実施形態に係る金属セグメント12表面の粗化層104を構成する凹部201の断面形状の例を説明するための模式図である。ここで、粗化層104とは、金属セグメント12の表面に設けられた複数の凹部201を有する領域をいう。
粗化層104の厚みは、好ましくは3μm以上40μm以下であり、より好ましくは4μm以上32μm以下であり、特に好ましくは4μm以上30μm以下である。粗化層104の厚みが上記範囲内であると、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度および接合の耐久性をより一層向上させることができる。ここで、本実施形態において、粗化層104の厚みは、複数の凹部201の中で、最も深さが大きいものの深さD3を表し、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から算出することができる。
凹部201の断面は、凹部201の開口部203から底部205までの間の少なくとも一部に開口部203の断面幅D1よりも大きい断面幅D2を有する形状となっていることが好ましい。
図2に示すように、凹部201の断面形状は、D2がD1よりも大きければ特に限定されず、様々な形状を取り得る。凹部201の断面形状は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することができる。
凹部201の断面形状が上記形状であると、接合強度により一層優れた樹脂金属複合体が得られる理由は必ずしも明らかではないが、密着面103の表面が、樹脂部材14と金属セグメント12との間のアンカー効果がより一層強く発現できる構造となっているからだと考えられる。
凹部201の断面形状が上記形状であると、樹脂部材14が凹部201の開口部203から底部205までの間で引っかかるため、アンカー効果が効果的に働く。そのため、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度および接合の耐久性が向上すると考えられる。
凹部201の平均深さは、好ましくは0.5μm以上40μm以下であり、より好ましくは1μm以上30μm以下である。凹部201の平均深さが上記上限値以下であると、熱硬化性樹脂組成物(P)が凹部201の奥まで十分に入り込むことができるため、樹脂部材14と金属セグメント12とが相互に侵入した領域の機械的強度および接合の耐久性をより一層向上させることができる。凹部201の平均深さが上記下限値以上であると、熱硬化性樹脂組成物(P)が充填材(B)を含む場合に凹部201の内部に存在する充填材(B)の割合を増やすことができるため、樹脂部材14と金属セグメント12とが相互に侵入した領域の機械的強度および接合の耐久性を向上させることができる。したがって、凹部201の平均深さが上記範囲内であると、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度および接合の耐久性をより一層向上させることができる。
凹部201の平均深さは、例えば、以下のように走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡により、粗化層104の断面を撮影する。その観察像から、凹部201を任意に50個選択し、それらの深さをそれぞれ測定する。凹部201の深さの全てを積算して個数で除したものを平均深さとする。
金属セグメント12の密着面103の算術平均粗さ(表面粗さ)Raは、好ましくは0.5μm以上40.0μm以下であり、より好ましくは1.0μm以上20.0μm以下であり、特に好ましくは1.0μm以上10.0μm以下である。上記算術平均粗さ(表面粗さ)Raが上記範囲内であると、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度をより一層向上させることができる。
また、金属セグメント12の密着面103の表面10点平均粗さ(最大高さ)Rzは、好ましくは1.0μm以上40.0μm以下であり、より好ましくは3.0μm以上30.0μm以下である。上記表面10点平均粗さ(最大高さ)Rzが上記範囲内であると、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度および接合の耐久性をより一層向上させることができる。なお、RaおよびRzは、JIS−B0601に準拠して測定することができる。
金属セグメント12は、少なくとも樹脂部材14と接合する密着面103の見掛け表面積に対する窒素吸着BET法による実表面積の比(以下、単に比表面積とも呼ぶ。)が、好ましくは100以上であり、より好ましくは150以上である。上記比表面積が上記下限値以上であると、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度および接合の耐久性をより一層向上させることができる。また、上記比表面積が、好ましくは400以下であり、より好ましくは380以下であり、特に好ましくは300以下である。上記比表面積が上記上限値以下であると、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度および接合の耐久性をより一層向上させることができる。
ここで、本実施形態における見掛け表面積は、金属セグメント12の表面が凹凸のない平滑状であると仮定した場合の表面積を意味する。例えば、その表面形状が長方形の場合には、縦の長さ×横の長さで表される。一方、本実施形態における窒素吸着BET法による実表面積は、窒素ガスの吸着量により求めたBET表面積を意味する。例えば、真空乾燥した測定対象試料について、自動比表面積/細孔分布測定装置(BELSORPminiII、日本ベル社製)を用いて、液体窒素温度における窒素吸脱着量を測定し、その窒素吸脱着量に基づいて算出することができる。
上記比表面積が上記範囲内であると、より一層接合強度および接合の耐久性に優れた樹脂金属複合体が得られる理由は必ずしも明らかではないが、樹脂部材14との密着面103の表面が、樹脂部材14と金属セグメント12との間のアンカー効果がより一層強く発現できる構造となっているからだと考えられる。
上記比表面積が上記下限値以上であると、樹脂部材14と金属セグメント12の接触面積が大きくなり、樹脂部材14と金属セグメント12とが相互に侵入する領域が増える。その結果、アンカー効果が働く領域が増え、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度および接合の耐久性がより一層向上すると考えられる。
一方、上記比表面積が大きすぎると、樹脂部材14と金属セグメント12とが相互に侵入した領域の金属セグメント12の割合が減るため、この領域の機械的強度および接合の耐久性が低下してしまう。そのため、上記比表面積が上記上限値以下であると、樹脂部材14と金属セグメント12とが相互に侵入した領域の機械的強度および接合の耐久性がより一層向上し、その結果、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度および接合の耐久性をより一層向上させることができると考えられる。
以上から、上記比表面積が上記範囲内であると、樹脂部材14との密着面103の表面が、樹脂部材14と金属セグメント12との間のアンカー効果がより一層強く発現できる、バランスの良い構造になっていると推察される。
金属セグメント12は、少なくとも樹脂部材14と接合する密着面103の光沢度が、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは1以上である。上記光沢度が上記下限値以上であると、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度をより一層向上させることができる。また、上記光沢度が、好ましくは30以下であり、より好ましくは20以下である。上記光沢度が上記上限値以下であると、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度をより一層向上させることができる。ここで、本実施形態における光沢度は、ASTM−D523に準拠して測定した測定角度60°(入射角60°、反射角60°)の値を示す。光沢度は、例えば、ディジタル光沢度計(20°、60°)(GM−26型、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定することができる。
上記光沢度が上記範囲内であると、接合強度により一層優れた樹脂金属複合体が得られる理由は必ずしも明らかではないが、樹脂部材14との密着面103の表面がより一層乱雑な構造となり、樹脂部材14と金属セグメント12との間のアンカー効果がより一層強く発現できる構造となっているからだと考えられる。
次に、金属セグメント12の表面を粗化処理して粗化層104を形成する方法について説明する。
粗化層104は、例えば、表面処理剤を用いて、金属セグメント12又はその素材となる金属部材の表面を化学的処理することにより形成することができる。
ここで、表面処理剤を用いて金属セグメント12又はその素材となる金属部材の表面を化学的処理すること自体は従来技術においても行われてきた。しかし、本実施形態では、(1)金属セグメント12又はその素材となる金属部材と化学的処理剤(表面処理剤)の組み合わせ、(2)化学的処理の温度および時間、(3)化学的処理後の金属セグメント12又はその素材となる金属部材表面の後処理、などの因子を高度に制御している。樹脂金属複合体を得るためには、これらの因子を高度に制御することが特に重要となる。
以下、金属セグメント12の表面上に粗化層104を形成する方法の一例を示す。ただし、本実施形態に係る粗化層104の形成方法は、以下の例に限定されない。
はじめに、(1)金属セグメント12又はその素材となる金属部材と表面処理剤の組み合わせを選択する。
鉄やステンレスから構成される金属セグメント12又はその素材となる金属部材を用いる場合は、表面処理剤として、無機酸、塩素イオン源、第二銅イオン源、チオール系化合物を必要に応じて組合せた水溶液を選択するのが好ましい。
アルミニウムやアルミニウム合金から構成される金属セグメント12又はその素材となる金属部材を用いる場合は、表面処理剤として、アルカリ源、両性金属イオン源、硝酸イオン源、チオ化合物を必要に応じて組合せた水溶液を選択するのが好ましい。
マグネシウムやマグネシウム合金から構成される金属セグメント12又はその素材となる金属部材を用いる場合は、表面処理剤として、アルカリ源が用いられ、特に水酸化ナトリウムの水溶液を選択するのが好ましい。
銅や銅合金から構成される金属セグメント12又はその素材となる金属部材を用いる場合は、表面処理剤として、硝酸、硫酸などの無機酸、不飽和カルボン酸などの有機酸、過硫酸塩、過酸化水素、イミダゾールおよびその誘導体、テトラゾールおよびその誘導体、アミノテトラゾールおよびその誘導体、アミノトリアゾールおよびその誘導体などのアゾール類、ピリジン誘導体、トリアジン、トリアジン誘導体、アルカノールアミン、アルキルアミン誘導体、ポリアルキレングリコール、糖アルコール、第二銅イオン源、塩素イオン源、ホスホン酸系キレート剤酸化剤、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−シクロヘキシルアミンから選ばれる少なくとも1種を用いた水溶液を選択するのが好ましい。
つぎに、(2)金属セグメント12又はその素材となる金属部材を表面処理剤に浸漬させ、金属セグメント12又はその素材となる金属部材表面に化学的処理をおこなう。このとき、処理温度は、例えば、30℃である。また、処理時間は選定する金属セグメント12又はその素材となる金属部材の材質や表面状態、表面処理剤の種類や濃度、処理温度などにより適宜決定されるが、例えば、30〜300秒である。このとき、金属セグメント12又はその素材となる金属部材の深さ方向のエッチング量を、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上にすることが重要である。金属セグメント12又はその素材となる金属部材の深さ方向のエッチング量は、溶解した金属セグメント12又はその素材となる金属部材の重量、比重および表面積から算出して、評価することができる。この深さ方向のエッチング量は、表面処理剤の種類や濃度、処理温度、処理時間などにより調整することができる。
本実施形態では、深さ方向のエッチング量を調整することにより、前述した粗化層104の厚み、凹部201の平均深さ、Ra、Rz等を調整することができる。
最後に、(3)化学的処理後の金属セグメント12又はその素材となる金属部材表面に後処理をおこなう。まず、金属セグメント12又はその素材となる金属部材表面を水洗、乾燥する。次いで、化学的処理をおこなった金属セグメント12又はその素材となる金属部材表面を硝酸水溶液などで処理する。
以上の手順により、本実施形態に係る粗化層104を有する金属セグメント12又はその素材となる金属部材を得ることができる。
(樹脂部材14)
つぎに、本実施形態に係る樹脂部材14について説明する。
樹脂部材14は、熱硬化性樹脂組成物(P)を硬化してなる。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、熱硬化性樹脂(A)を含み、熱硬化性樹脂(A)としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、オキセタン樹脂、マレイミド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂などが用いられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、耐熱性、加工性、機械的特性、接着性および防錆性等の樹脂材料自体の特長点を整流子にもたらすことができる点から、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびメラミン樹脂からなる群より選択される1以上を含む熱硬化性樹脂組成物が好適に用いられ、ガラス繊維強化フェノール樹脂やメラミン樹脂が特に好ましい。
熱硬化性樹脂(A)の含有量は、樹脂部材14の全体を100質量部としたとき、好ましくは10質量部以上60質量部以下であり、より好ましくは15質量部以上40質量部以下である。
フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂;メチロール型レゾール樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油などで溶融した油溶融レゾールフェノール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂;アリールアルキレン型フェノール樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
入手容易性、安価およびロール混練による作業性が良好などの理由から、上記フェノール樹脂の中でも、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂を用いるのが好ましく、レゾール型フェノール樹脂を用いるのがより好ましい。また、レゾール型フェノール樹脂とノボラック型フェノール樹脂とを併用するようにすることもできる。これにより、樹脂部材14の強度を高めることができるとともに、靭性をも高めることができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、樹脂部材14の機械的強度を向上させる観点から、充填材(B)を含む。ただし、本実施形態では、充填材(B)から後述するエラストマー(D)は除かれる。
充填材(B)の含有量は、樹脂部材14の全体を100質量部としたとき、好ましくは30質量部以上85質量部以下であり、より好ましくは50質量部以上80質量部以下である。充填材(B)の含有量を上記範囲内とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の作業性を向上させつつ、得られる樹脂部材14の機械的強度をより一層向上させることができる。これにより、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度により一層優れた樹脂金属複合体を得ることができる。また、充填材(B)の種類や含有量を調整することにより、得られる樹脂部材14の線膨張係数αの値を調整することができる。
充填材(B)としては、例えば、繊維状充填材、粒状充填材、板状充填材などが挙げられる。ここで、繊維状充填材はその形状が繊維状である充填材である。板状充填材はその形状が板状である充填材である。粒状充填材は、不定形状を含む繊維状・板状以外の形状の充填材である。
上記繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、金属繊維、ワラストナイト、アタパルジャイト、セピオライト、ロックウール、ホウ酸アルミニウムウイスカー、チタン酸カリウム繊維、炭酸カルシウムウィスカー、酸化チタンウィスカー、セラミック繊維などの繊維状無機充填材;アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの繊維状有機充填材;が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、本実施形態においては、熱硬化性樹脂組成物(P)として、ガラス繊維が含まれることが好ましい。
また、上記板状充填材、粒状充填材としては、例えば、タルク、カオリンクレー、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム水和物、マイカ、ガラスフレーク、ガラス粉、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、上記繊維状充填材の粉砕物などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
充填材(B)は、充填材(B)の全体を100質量部としたとき、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径が5μmを超える充填材(B1)を70質量部以上99質量部以下含むことが好ましく、85質量部以上98質量部以下含むことがより好ましい。これにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の作業性を向上させつつ、得られる樹脂部材14の機械的強度をより一層向上させることができる。充填材(B1)の平均粒子径の上限は特に限定されないが、例えば、100μm以下である。
充填材(B1)としては、平均長径が5μm以上50mm以下で、平均アスペクト比が1以上1000以下である繊維状充填材または板状充填材を含むことがより好ましい。
充填材(B1)の平均長径および平均アスペクト比は、例えば、以下のようにSEM写真から測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡により、複数の繊維状充填材または板状充填材を撮影する。その観察像から、繊維状充填材または板状充填材を任意に50個選択し、それらの長径(繊維状充填材の場合は繊維長、板状充填材の場合は平面方向の長径寸法)および短径(繊維状充填材の場合は繊維径、板状充填材の場合は厚み方向の寸法)をそれぞれ測定する。長径の全てを積算して個数で除したものを平均長径とする。同様に、短径の全てを積算して個数で除したものを平均短径とする。そして、平均短径に対する平均長径を平均アスペクト比とする。
充填材(B1)としてはガラス繊維、ロックウールおよびワラストナイトなどから選択される1種または2種以上が好ましい。このような充填材(B1)を用いると、樹脂部材14の機械的強度を特に向上させることができる。
また、充填材(B)は、充填材(B)の全体を100質量部としたとき、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径が0.1μm以上5μm以下である充填材(B2)を1質量部以上30質量部以下含むことが好ましく、2質量部以上15質量部以下含むことがより好ましい。これにより、凹部201の内部に充填材(B)を十分に存在させることができる。その結果、樹脂部材14と金属セグメント12とが相互に侵入した領域の機械的強度をより一層向上させることができる。
充填材(B2)としては、平均長径が好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは0.2μm以上50μm以下であり、平均アスペクト比が好ましくは1以上50以下、より好ましくは1以上40以下である繊維状充填材または板状充填材を含むことがより好ましい。
充填材(B2)の平均長径および平均アスペクト比は、例えば、以下のようにSEM写真から測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡により、複数の繊維状充填材または板状充填材を撮影する。その観察像から、繊維状充填材または板状充填材を任意に50個選択し、それらの長径(繊維状充填材の場合は繊維長、板状充填材の場合は平面方向の長径寸法)および短径(繊維状充填材の場合は繊維径、板状充填材の場合は厚み方向の寸法)をそれぞれ測定する。長径の全てを積算して個数で除したものを平均長径とする。同様に、短径の全てを積算して個数で除したものを平均短径とする。そして、平均短径に対する平均長径を平均アスペクト比とする。
このような充填材(B2)としては、ワラストナイト、カオリンクレー、タルク、炭酸カルシウム、ロックウール、ガラスビーズ、シリカ、水酸化アルミニウム、およびケイ酸カルシウム水和物から選択される1種または2種以上が好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物(P)は充填材(B)として固体潤滑剤を含むこともできる。固体潤滑剤としてはたとえば、テフロン(登録商標)、窒化ホウ素、二流化モリブデン、メラミンシアヌレートから選択される1種または2種以上が好ましい。固体潤滑剤を含むことにより、樹脂部材14の摩擦係数が低くなる。
また、充填材(B)は、後述するシランカップリング剤(C)などのカップリング剤による表面処理が行われていてもよい。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、シランカップリング剤(C)をさらに含んでもよい。シランカップリング剤(C)を含むことにより、樹脂部材14と金属セグメント12との密着性を向上させることができる。また、シランカップリング剤(C)を含むことにより、熱硬化性樹脂(A)と充填材(B)との親和性が向上し、その結果、樹脂部材14の機械的強度をより一層向上させることができる。
シランカップリング剤(C)の含有量は、充填材(B)の比表面積に依存するので特に限定されないが、充填材(B)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上4.0質量部以下であり、より好ましくは0.1質量部以上1.0質量部以下である。シランカップリング剤(C)の含有量が上記範囲内であると、充填材(B)を十分に被覆しつつ、樹脂部材14の機械的強度をより一層向上させることができる。
シランカップリング剤(C)としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物;γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物;γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物;γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。
これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(P)は、樹脂部材14の靭性を向上させる観点から、エラストマー(D)をさらに含んでもよい。ただし、本実施形態では、エラストマー(D)から前述した充填材(B)は除かれる。
エラストマー(D)の含有量は、樹脂部材14の全体を100質量部としたとき、好ましくは1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは1.5質量部以上7質量部以下である。エラストマー(D)の含有量を上記範囲内とすることにより、樹脂部材14の機械的強度を維持しつつ、樹脂部材14の靭性をより一層向上させることができる。これにより、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度により一層優れた樹脂金属複合体を得ることができる。
エラストマー(D)としては、例えば、未変性のポリ酢酸ビニル、カルボン酸変性のポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、アクリルゴム、スチレン・イソプレンゴム、アクリロニトリル・ブダジエンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの中でも未変性のポリ酢酸ビニル、カルボン酸変性のポリ酢酸ビニル、アクリルゴム、アクリロニトリル・ブダジエンゴム、ポリビニルブチラールが好ましい。これらのエラストマー(D)を用いると、樹脂部材14の靭性を特に向上させることができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)の製造方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により製造することができる。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、熱硬化性樹脂(A)に、必要に応じて充填材(B)、シランカップリング剤(C)、エラストマー(D)、硬化剤、硬化助剤、離型剤、顔料、難燃剤、耐候剤、酸化防止剤、可塑剤、潤滑剤、摺動剤、発泡剤などを配合して均一に混合する。次いで、得られた混合物をロール、コニーダ、二軸押出し機などの混練装置単独で、または複数の混練装置との組合せで加熱溶融混練する。最後に、得られた混合物を造粒または粉砕することにより、ペレット状又は顆粒状の熱硬化性樹脂組成物(P)が得られる。
樹脂部材14の25℃からガラス転移温度までの範囲における線膨張係数αは、好ましくは10ppm/℃以上50ppm/℃以下であり、より好ましくは15ppm/℃以上45ppm/℃以下である。線膨張係数αが上記範囲内であると、樹脂金属複合体の温度サイクルの信頼性をより一層向上させることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化体、すなわち、樹脂部材14のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは150℃以上であり、より好ましくは180℃以上であり、さらに好ましくは200℃以上である。熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化体について、ガラス転移温度(Tg)を上記のように設定することにより、整流子100の信頼性をより一層向上させることができる。
樹脂部材14の密度は軽量化の観点から、2.5g/cm以下であることが好ましく、2.0g/cm以下であることがより好ましい。
また、樹脂部材14は、40℃、90%RHで1000時間耐湿処理をした後に測定した耐湿絶縁破壊強さが、5MV/m以上であることが好ましく、7MV/m以上であるとさらに好ましい。こうすることで、樹脂金属複合体の電気絶縁信頼性をより一層向上させることができる。
充填材(B)を含む熱硬化性樹脂組成物(P)を用いる場合、凹部201の内部には充填材(B)が存在し、凹部201に存在する充填材(B)の走査型電子顕微鏡写真の画像解析による平均長径が、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下であり、より好ましくは0.2μm以上4μm以下である。これにより、樹脂部材14と金属セグメント12とが相互に侵入した領域の機械的強度をより一層向上させることができる。
また、凹部201の内部に存在する充填材(B)の平均アスペクト比が、好ましくは1以上50以下であり、より好ましくは1以上40以下である。
凹部201の内部に存在する充填材(B)の平均長径および平均アスペクト比は、以下のようにSEM写真から測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡により、粗化層104の断面を撮影する。その観察像から、凹部201の内部に存在する充填材(B)を任意に50個選択し、それらの長径(繊維状充填材の場合は繊維長、板状充填材の場合は平面方向の長径寸法)および短径(繊維状充填材の場合は繊維径、板状充填材の場合は厚み方向の寸法)をそれぞれ測定する。長径の全てを積算して個数で除したものを平均長径とする。同様に、短径の全てを積算して個数で除したものを平均短径とする。そして、平均短径に対する平均長径を平均アスペクト比とする。
また、凹部201の内部に存在する充填材(B)はワラストナイト、カオリンクレー、タルク、炭酸カルシウム、ロックウール、ガラスビーズ、シリカ、水酸化アルミニウム、およびケイ酸カルシウム水和物からなる群から選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。
また、樹脂部材14がエラストマー(D)を含む場合、樹脂部材14は好ましくは海島構造であり、エラストマー(D)が島相に存在することが好ましい。
こうした構造であると、樹脂部材14の靭性を向上させるとともに樹脂金属複合体の耐衝撃性を向上できる。そのため、樹脂金属複合体に外部から衝撃が加わっても、樹脂部材14と金属セグメント12との接合強度を維持することができる。
海島構造は、走査型電子顕微鏡写真により観察することができる。
上記島相の走査型電子顕微鏡写真の画像解析による平均径は、好ましくは0.1μm以上100μm以下であり、より好ましくは0.2μm以上30μm以下である。島相の平均径が上記範囲内であると、樹脂部材14の靭性をより一層向上できるとともに樹脂金属複合体の耐衝撃性をより一層向上できる。
島相の平均径は、以下のように走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡により、樹脂部材14の断面を撮影する。その観察像から、樹脂部材14に存在する島相を任意に50個選択し、それらの直径をそれぞれ測定する。島相の直径の全てを積算して個数で除したものを平均径とする。
<整流子の製造方法>
本実施形態に係る整流子100の製造方法は、樹脂部材14と金属セグメント12とが一体的に密着するように樹脂金属複合体を成形できる方法であれば特に限定されない。こうした樹脂金属複合体を成形できる方法としては、たとえば、トランスファー成形法、射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法などが挙げられる。また、本実施形態の整流子の製造方法の一例については、実施例にて具体的に後述するが、例えば、以下の工程を含んでいる。
(A)少なくとも樹脂部材と密着する接合面に粗化層104を有する金属セグメント12又はその素材となる金属部材を、金型内に設置する工程。
(B)金型内に熱硬化性樹脂組成物(P)を注入し、熱硬化性樹脂組成物(P)の少なくとも一部が接合面に接触した状態で熱硬化性樹脂組成物(P)を硬化することにより、熱硬化性樹脂組成物(P)からなる樹脂部材14と金属セグメント12又はその素材となる金属部材とを接合して、樹脂金属複合体を得る工程。
(C)得られた樹脂金属複合体の外周を加工又は研磨して、規格に適合する真円度および片間段差となる整流子を得る工程。
なお、金属セグメント12の素材となるセグメント化されていない一体の金属部材を用いる場合は、必要に応じて、(B)工程の後に、金属部材を外周加工又はスリット加工することによりセグメント化する工程を行う必要がある。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. モータの回転軸に固定され、かつ熱硬化性樹脂組成物の硬化体により構成される内側部材と、
金属部材により構成され、かつ前記内側部材の外周面に密着してなる外側部材と、
からなる樹脂金属複合体を有した整流子であって、
前記熱硬化性樹脂組成物が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびメラミン樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の熱硬化性樹脂を含み、
前記外側部材における、前記外側部材と前記内側部材との密着面が複数の凹部を有しており、
前記凹部の断面形状が、前記凹部の開口部から底部までの間の少なくとも一部に前記開口部の断面幅よりも大きい断面幅を有する形状となっている、整流子。
2. 前記熱硬化性樹脂組成物が、充填材をさらに含み、
前記凹部の内部に前記充填材の一部が存在している、1.に記載の整流子。
3. 前記凹部の内部に存在する前記充填材の平均アスペクト比が1以上50以下である、2.に記載の整流子。
4. 前記凹部の内部に存在する前記充填材がワラストナイト、カオリンクレー、タルク、炭酸カルシウム、ロックウール、ガラスビーズ、シリカ、水酸化アルミニウム、およびケイ酸カルシウム水和物からなる群から選ばれる一種または二種以上である、2.または3.に記載の整流子。
5. 前記金属部材が、銅または銅合金を含む1.乃至4.のいずれか一つに記載の整流子。
6. 前記内側部材の密度が2.5g/cm 以下である1.乃至5.のいずれか一つに記載の整流子。
7. 前記内側部材と前記外側部材とが密着する密着面に、複数の前記凹部が設けられた粗化層が形成されており、前記粗化層の厚みが、3μm以上40μm以下である、1.乃至6.のいずれか一つに記載の整流子。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<熱硬化性樹脂組成物(P1)の調製>
ノボラック型フェノール樹脂(PR−51305、住友ベークライト社製)を34.0質量%、ヘキサメチレンテトラミンを6.0質量%、ガラス繊維(CS3E479、日東紡社製、平均粒子径:11μm、平均長径:3mm、平均アスペクト比:270)を52.0質量%、ワラストナイト(NYCO Minerals社製、NYAD5000、平均粒子径:3μm、平均長径:9μm)を6.0質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製、KBE−903)0.2質量%、酸化マグネシウム(神島化学工業社製)を0.5質量%、潤滑剤等のその他の成分を1.3質量%、それぞれ乾式混合し、これを90℃の加熱ロールで溶融混練して、シート状にして冷却したものを粉砕して顆粒状の熱硬化性樹脂組成物(P1)を得た。
<金属部材の準備>
表面処理がされていない金属シートとして、その表面が#4000の研磨紙で十分研磨された、無酸素銅C1020の金属シートA(80mm×10mm、厚さ1.0mm、密度8.94g/cm)を用意した。別途、硫酸(130質量部)、過酸化水素(25質量部)、トルエンスルホン酸(5質量部)、5−フェニルテトラゾール(0.5質量部)の水溶液を調製した。得られた水溶液(30℃)中に、金属シートAを浸漬して揺動させ、深さ方向に15μm(銅の減少した重量から算出)溶解させた。その後、水洗、乾燥し、金属シート1(金属部材)を得た。
なお、この金属シート1について、凹部の断面は、凹部の開口部から底部までの間の少なくとも一部に開口部の断面幅よりも大きい断面幅を有する形状になっていた。
<金属樹脂複合体の作製>
得られた熱硬化性樹脂組成物(P1)および金属シート1を用いて、金属樹脂複合体1を作製した。具体的には、以下の手順により作製した。
はじめに、金型内に厚み1mmの金属シート1を固定せずに配置した。次いで、硬化後の厚みが3mmとなるように、熱硬化性樹脂組成物(P1)を加熱し、上記金型内に所定量注入した。このとき、熱硬化性樹脂組成物(P1)の流体圧力により、金属シート1を金型の内壁に押しつけるようにした。最後に、圧縮成形により熱硬化性樹脂組成物(P1)を硬化することにより、厚み3mmの樹脂部材シートと厚み1mmの金属シート1の2層シートである金属樹脂複合体1を得た。この金属樹脂複合体1を試験片1とした。なお、圧縮成形条件は、実効圧力20MPa、金型温度175℃、硬化時間3分間とした。
<整流子の作製>
試験片1を作製するのと同様の条件で、樹脂金属複合体からなる整流子を作製した。具体的には、円筒形状の金属部材を用意し、これに対して、トランスファー成形により熱硬化性樹脂組成物(P1)を成形した後、金属部材をセグメント化することで整流子1を得た。なお、トランスファー成形条件は、実効圧力20MPa、金型温度175℃、硬化時間3分間とした。
(実施例2)
熱硬化性樹脂組成物(P1)に用いた、ワラストナイトの代わりに、ケイ酸カルシウム水和物(宇部マテリアルズ社製、ゾノハイジ、平均粒子径:0.1〜0.5μm、平均長径:1〜5μm)を6.0質量%用いて、熱硬化性樹脂組成物(P2)を調製した以外は、実施例1と同様の方法により試験片2と整流子2を作製した。これらについて、後述する測定及び評価を行った。
(実施例3)
熱硬化性樹脂組成物(P1)の代わりに、以下の熱硬化性樹脂組成物(P3)を使用し、また、金属シートとして、0.03%銀入り無酸素銅製の金属シート2を用いた以外は、実施例1と同様の方法により試験片3と整流子3を作製した。これらについて、後述する測定及び評価を行った。
<熱硬化性樹脂組成物(P3)の調製>
ノボラック型フェノール樹脂(PR−51305、住友ベークライト社製)を25.5質量%、ヘキサメチレンテトラミンを4.5質量%、ガラス繊維(CS3E479、日東紡社製、平均粒子径:11μm、平均長径:3mm、平均アスペクト比:270)を61.0質量%、ワラストナイト(NYCO Minerals社製、NYAD5000、平均粒子径:3μm、平均長径:9μm)を7.0質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製、KBE−903)0.2質量%、酸化マグネシウム(神島化学工業社製)を0.5質量%、潤滑剤等のその他の成分を1.3質量%、それぞれ乾式混合し、これを90℃の加熱ロールで溶融混練して、シート状にして冷却したものを粉砕して顆粒状の熱硬化性樹脂組成物(P3)を得た。
(比較例1)
金属シート1の代わりに、粗化処理がされていない金属シートAを使用した以外は、実施例1と同様の方法により試験片4および整流子4を作製した。これらについて、後述する測定及び評価をおこなった。
用いた熱硬化性樹脂組成物、金属部材、試験片、整流子は以下の内容に従い評価を行った。
<熱硬化性樹脂組成物の評価>
・線膨張係数α:熱硬化性樹脂組成物を実効圧力20MPa、金型温度175℃、硬化時間3分間の条件でトランスファー成形を行うことにより測定に使用する試験片を作製した。得られた試験片について、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、EXSTAR6000)を用いて、5℃/分の圧縮条件で、25 ℃から樹脂部材のガラス転移温度までの範囲における線膨張係数αを測定した。なお、単位は、ppmである。
・電気絶縁抵抗:熱硬化性樹脂組成物を実効圧力20MPa、金型温度175℃、硬化時間3分間の条件でトランスファー成形を行い、試験片を作製した。得られた試験片を用いて、25℃の雰囲気下、JIS K 6911に準じて当該試験片の電気絶縁抵抗を測定した。なお、単位は、Ωである。
・比重:熱硬化性樹脂組成物を実効圧力20MPa、金型温度175℃、硬化時間3分間の条件でトランスファー成形を行い、試験片を作製した。得られた試験片を用いて、25℃の雰囲気下、JIS K 6911に準じて当該試験片の比重を測定した。なお、単位は、g/cmである。
・曲げ強度:熱硬化性樹脂組成物を実効圧力20MPa、金型温度175℃、硬化時間3分間の条件でトランスファー成形を行い、試験片を作製した。得られた試験片を用いて、25℃の雰囲気下、JIS K 6911に準じて当該試験片の曲げ強度を測定した。なお、単位は、MPaである。
<金属部材の評価>
・金属部材表面の評価(粗化層の厚み、凹部の断面形状、凹部の平均深さおよび開口部の平均断面幅):金属部材の表面を電子顕微鏡(SEM)により撮影し、当該金属部材表面に存在する粗化層の構造を観察し、当該金属表面に形成された粗化層の厚み、凹部の断面形状、凹部の平均深さおよび開口部の平均断面幅について評価した。なお、図3に、実施例1で得られた金属シート1の表面に存在する粗化層の拡大図を表す電子顕微鏡写真を示す。図3に示す通り、金属シート1の表面には、微細な凹部が形成されていることが分かる。また、実施例3に係る金属シート2についても、図3と同様の表面構造を有していた。一方、比較例1で得られた金属シートAは、その表面に図3に示すような凹部が形成されていなかった。
・表面粗さ(RaおよびRz):超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製、VK9700)を用いて、倍率20倍における金属部材における樹脂部材との接合面の表面形状を測定した。得られた測定結果より、JIS−B0601に準じて、金属部材における樹脂部材との接合面の算術平均粗さ(Ra)と、表面10点平均粗さ(Rz)とを求めた。なお、単位は、μmである。
・比表面積:測定対象試料である金属部材を120℃で、6時間真空乾燥した後、自動比表面積/細孔分布測定装置(BELSORPminiII、日本ベル社製)を用いて、液体窒素温度における窒素吸脱着量を測定した。窒素吸着BET法による実表面積は、BETプロットから算出した。このようにして測定した窒素吸着BET法による実表面積を、見掛け表面積で割ることにより比表面積を算出した。
<試験片の評価>
・試験片の接合部の観察(凹部内部の充填材の有無、凹部内部の充填材の平均長径および凹部内部の充填材の平均アスペクト比):試験片の接合部の断面を電子顕微鏡(SEM)で撮影し、接合部の断面の構造を観察し、凹部の内部の充填材の有無、凹部の内部に存在する充填材の平均長径および平均アスペクト比を評価した。なお、図4に、実施例1で得られた試験片1の接合部の断面の拡大図を表す電子顕微鏡写真を示す。図4に示すように、実施例1で得られた試験片1の金属シート1表面に形成された凹部内には、充填材が存在していることが分かる。また、実施例2および3で得られた試験片2および3についても、図4と同様に充填材が存在していた。また、金属シート1表面に形成された凹部内に存在する充填材の有無については、エネルギー分散型蛍光X線分析からも確認した。
・引張りせん断強さ:幅4cm、長さ10cm、厚さ3mmの金属シート2枚の表面を、粗さ60番のペーパーで均一に磨いて脱脂した。この2枚の金属シートを165℃に加熱し、測定試料面積として、32cm2(4cm×8cm)のエリアに熱硬化性樹脂組成物を配置して挟み込み、硬化時間60秒で成形圧着した試験片を作製した。得られた試験片を用いて、引き剥がし速度5mm/minの条件にて2枚の金属シートの引張りせん断強さを測定した。なお、単位は、kNである。
・曲げ強度:得られた試験片を用いて、25℃の雰囲気下、JIS K 6911に準じて当該試験片の曲げ強度を測定した。なお、単位は、MPaである。また、曲げ強度の測定は、金属シートが下側に配置して実施した。
<整流子の評価>
・回転破壊強度:金型内に金属部材を挿入し、熱硬化性樹脂組成物を実効圧力20MPa、金型温度175℃、硬化時間3分間の条件にてトランスファー成形した後、180℃で4時間のアフターキュア後、さらに210℃で4時間のアフターキュアを実施した。次いで、外周加工により金属部材のセグメント化を行いつつ、真円度と片間段差を調整して、図5に示すテスト用の整流子を作製した。得られた整流子を250℃雰囲気中で回転させ、1000rpm/secの速度で回転数を上昇させ、破壊に至った時の回転数を回転破壊強度とした。なお、単位は、rpmである。
・片間段差:上述した回転破壊強度の測定に用いたテスト用の整流子を同様の方法で作製し、当該テスト用の整流子を、250℃雰囲気中、30000rpmで10分間回転させた後、整流子の高さ方向の中心部分において、隣り合った金属セグメント間の段差を、全周真円度計にて測定し、最大段差を測定した。なお、単位は、μmである。
上記評価項目に関する評価結果を、以下の表1に各成分の配合比率と共に示す。
Figure 0006627270
実施例の整流子は、いずれも、高温・高速回転条件下における、優れた寸法安定性と、優れた機械的強度とを両立したものであったのに対し、比較例の整流子は、寸法安定性および機械的強度のいずれの観点においても、要求水準を満たすものではなかった。
12 外側部材(金属セグメント)
14 内側部材(樹脂部材または熱硬化性樹脂組成物の硬化体)
100 整流子
103 密着面
104 粗化層
201 凹部
203 開口部
205 底部

Claims (9)

  1. モータの回転軸に固定され、かつ熱硬化性樹脂組成物の硬化体により構成される内側部材と、
    金属部材により構成され、かつ前記内側部材の外周面に密着してなる外側部材と、
    からなる樹脂金属複合体を有した整流子であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびメラミン樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の熱硬化性樹脂を含み、
    前記外側部材における、前記外側部材と前記内側部材との密着面が複数の凹部を有しており、
    前記凹部の断面形状が、前記凹部の開口部から底部までの間の少なくとも一部に前記開口部の断面幅よりも大きい断面幅を有する形状となっている、整流子であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物が、充填材をさらに含み、
    前記凹部の内部に前記充填材の一部が存在しており、
    前記充填材が、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径が0.1μm以上、5μm以下の充填材(B2)を含む、整流子。
  2. 前記充填材は、前記充填材の全体を100質量部としたとき、前記充填材(B2)を1質量部以上30質量部以下含む、請求項1に記載の、整流子。
  3. 前記充填材(B2)は、平均長径が0.1μm以上100μm以下、平均アスペクト比が1以上50以下である繊維状充填材または板状充填材を含む、請求項1又は2に記載の、整流子。
  4. 前記凹部の内部に存在する前記充填材の平均アスペクト比が1以上50以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の整流子。
  5. 前記凹部の内部に存在する前記充填材の平均長径が、0.1μm以上5.0μm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の整流子。
  6. 前記凹部の内部に存在する前記充填材がワラストナイト、カオリンクレー、タルク、炭酸カルシウム、ロックウール、ガラスビーズ、シリカ、水酸化アルミニウム、およびケイ酸カルシウム水和物からなる群から選ばれる一種または二種以上である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の整流子。
  7. 前記金属部材が、銅または銅合金を含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の整流子。
  8. 前記内側部材の密度が2.5g/cm以下である請求項1乃至のいずれか一項に記載の整流子。
  9. 前記内側部材と前記外側部材とが密着する密着面に、複数の前記凹部が設けられた粗化層が形成されており、前記粗化層の厚みが、3μm以上40μm以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の整流子。
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