JP4561535B2 - コンミテータ用メラミン樹脂組成物及びコンミテータ - Google Patents

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本発明はモータの回転部品であるコンミテータ部品の樹脂部分を形成するために用いられるコンミテータ用メラミン樹脂組成物及びそれを用いたコンミテータに関する。さらに詳しくは、コンミテータを構成する金属部分との密着性の高さを維持しながら、強度、寸法精度及び耐熱性に優れたコンミテータを得るためのコンミテータ用樹脂組成物及びそれを用いたコンミテータに関する。
近年、モータの回転部分であるコンミテータが回転する際に発生する騒音を抑制した静音性の高いコンミテータの開発が求められている。前記騒音は、コンミテータを構成する銅セグメント等の金属部分と絶縁材料としての樹脂部分との密着性がわるい場合に、コンミテータが回転する際に銅セグメントが浮いて段差が生じることにより発生する。
従来、コンミテータ用絶縁材料としては、フェノール樹脂成形材料が一般的に用いられてきたが、フェノール樹脂成形材料は前記金属部分との密着性が充分ではないために前記騒音が発生しやすいという問題があった。
また、フェノール樹脂成形材料は耐トラッキング性が高くないため、フェノール樹脂成形材料からなる樹脂部分を有するコンミテータ部品を用いる場合、水周り家電等の高湿度下の環境で使用される際の耐久性やホコリ等が付着することによる絶縁劣化の発生等の信頼性の観点からは充分ではないという問題もあった。
前記問題点を解決すべく、金属部分との密着性が高く、また、耐トラッキング性が高いコンミテータ用絶縁材料としてフェノール樹脂成形材料の代わりに、メラミン樹脂成形材料を用いた技術が開示されている。
例えば、下記特許文献1には、固形メラミン樹脂とガラス繊維と全体量に対して10〜40重量%の水酸化アルミニウムとを含有してなることを特徴とするメラミン樹脂組成物が記載されており、前記メラミン樹脂組成物はコンミテータを形成する金属部分と樹脂部分との密着性を高める技術として開示されている。
また、下記特許文献2には、エポキシ変性メラミン樹脂とガラス繊維とを含有してなることを特徴とする整流子成形用メラミン樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のメラミン樹脂組成物を用いて得られるコンミテータによれば前記密着性の問題はある程度改善されるが、回転時の強度(回転破壊強度)、寸法安定性及び耐熱性が低いという問題があった。
前記回転破壊強度はモータの機械的特性を維持し、耐久性を高めるために重要である。
また、前記寸法安定性が低い場合には、コンミテータ回転中の温度変化によりコンミテータが寸法変化を起こしブラシ等と接触することにより騒音を発生するというおそれがある。
さらに、コンミテータの製造時においても寸法安定性は重要である。
すなわち、コンミテータは銅セグメント等の金属部分を金型内に配した後、前記金型に樹脂組成物を射出して金属部分と樹脂部分とを一体化させて成形するインサート成形により製造される。そして、得られたコンミテータは、コンミテータの回転中の熱による寸法変化を抑制するために通常、140〜190℃程度の温度でアニーリングされる。このとき、前記アニーリング時の収縮率が大きく、寸法安定性がわるい場合には、金型製作等が困難になるという問題がある。
一方、コンミテータの樹脂部分の耐熱性が低い場合には、コンミテータ回転中に発生する熱により樹脂部分が分解し、ガスが発生した場合には、コンミテータの耐久性、信頼性に影響を与える可能性も考えられる。
特開平10−265647号公報 特開平9−87488号公報
本発明は、コンミテータを形成する金属部分と樹脂部分との密着性を従来のメラミン樹脂組成物を用いたコンミテータよりも高め、さらに、回転破壊強度、寸法安定性及び熱安定性の高いコンミテータ用メラミン樹脂組成物及びそれを用いたコンミテータを提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、以下の手段により解決できることを見出した。
すなわち、請求項1の発明は、エポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂27〜30質量%、ノボラック型フェノール樹脂2〜7質量%及びガラス繊維51〜60質量%を含有するコンミテータ用メラミン樹脂組成物であって、前記エポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂中のエポキシ変性メラミン樹脂の割合が15〜70質量%であることを特徴とするコンミテータ用メラミン樹脂組成物である。
また、請求項2の発明は前記エポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂中のエポキシ変性メラミン樹脂の割合が50〜70質量%であることを特徴とするコンミテータ用メラミン樹脂組成物である。
また、請求項3の発明は前記コンミテータ用メラミン樹脂組成物において、さらにNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)を2〜6質量%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物である。
また、請求項4の発明は、前記コンミテータ用メラミン樹脂組成物において、さらにポリエチレングリコールを2〜6質量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物である。
そして、請求項5の発明は、コンミテータの金属部分を形成する金属成形体を配した金型に請求項1〜4の何れか1項に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物を射出してインサート成形し、前記樹脂組成物を硬化させることにより前記樹脂組成物と前記金属成形体とが一体化されて形成されるコンミテータである。
請求項1のコンミテータ用メラミン樹脂組成物を用いることにより、コンミテータの金属部分と樹脂部分との密着性及び回転破壊強度が高く、また、成形後の収縮やアニ−リング後の収縮やモータの回転時の発熱による収縮が小さく、さらに、モータ回転時に発生する熱による熱分解を抑制することができるコンミテータを得ることができる。また、耐トラッキング性に優れた材料であるために、例えば、高湿下で使用される場合等においても長寿命化を達成することができる。
また、請求項2のコンミテータ用メラミン樹脂組成物によれば、コンミテータの金属部分と樹脂部分との密着性、回転破壊強度、成形収縮率等の諸特性が更に高いものになる。
また、請求項3のコンミテータ用メラミン樹脂組成物によれば、NBRを含有することによりさらに密着性が高まる。また、樹脂部分の曲げ弾性率を低下させることが可能であり、コンミテータの形成工程におけるシャフト圧入時の強度及び圧入量を向上させることができる。
また、請求項4のコンミテータ用メラミン樹脂組成物によれば、ポリエチレングリコールを含有することにより、さらに密着性が高まる。また、樹脂部分の曲げ弾性率を低下させることが可能であり、コンミテータの形成工程においてシャフトを圧入する際の強度及び圧入量を向上させることができる。
そして、請求項5のコンミテータは、コンミテータを形成する金属部分と樹脂部分との密着性及び回転破壊強度が高く、さらに、寸法安定性及び熱安定性に優れたコンミテータである。
本発明のコンミテータ用メラミン樹脂組成物は、エポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂27〜30質量%、ノボラック型フェノール樹脂2〜7質量%及びガラス繊維51〜60質量%を含有するコンミテータ用メラミン樹脂組成物であって、前記エポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂中のエポキシ変性メラミン樹脂の割合が15〜70質量%であることを特徴とするものである。
本発明に用いられるエポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂とは、メラミンとホルムアルデヒドを付加縮合反応させることにより得られる従来からメラミン樹脂として知られているものであるが、特に、メラミン樹脂全量中の15〜70質量%、好ましくは50〜70質量%がエポキシ変性されたメラミン樹脂であることを特徴とする。このようにエポキシ変性されたメラミン樹脂を前記割合で含有させることにより、金属部分と樹脂部分との密着性に優れ、かつ、寸法安定性、熱安定性等に優れたコンミテータを得ることができる。
前記エポキシ変性メラミン樹脂の割合が15質量%未満の場合には金属部分との密着性が乏しくなり、70質量%をこえる場合には寸法安定性や熱安定性(耐熱性)が低下する。
前記エポキシ変性樹脂としては、メラミンにエポキシ化合物としてグリシジル化合物を反応させた後、このようにして得られる反応物とホルムアルデヒドとをさらに反応させることによって得られるものが挙げられる。
前記グリシジル化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1, 6ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルやビスフェノ−ルA骨格を有するポリエチレングリコールジグリシジル化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明において用いられるエポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂中のエポキシ変性されたメラミン樹脂以外のメラミン樹脂成分としては、未変性のメラミン樹脂の他、メチロール化メラミン−フェノール共縮合樹脂、メチロール化メラミン−ユリア共縮合樹脂等のトリアジン類とホルムアルデヒド類等から共縮合される合成樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組合せて用いてもよい。
前記メラミン樹脂を形成するためのメラミンとホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒド/メラミン)としては1.4〜1.8程度であることが好ましい。前記モル比が1.4未満の場合にはメラミン樹脂の架橋密度が低すぎて充分な機械的特性を維持できなくなるおそれがあり、また、1.8をこえる場合にはメラミン樹脂の架橋密度が高くなりすぎて、成形品の靭性が低下し、さらに、縮合時の脱水反応により、成形収縮率が大きくなるおそれがある。
前記メラミン樹脂の配合割合は、樹脂組成物全量に対して27〜30質量%である。前記メラミン樹脂の配合割合が27質量%未満の場合には樹脂組成物を溶融混練する際の加工性がわるくなり、また、成形性もわるくなるためにコンミテータの金属部分との密着性を充分に維持することができなくなり、また、30質量%をこえる場合には得られるコンミテータの樹脂部分の耐熱性がわるくなり、また、成形収縮率、アニール後の収縮率等が大きくなり、寸法安定性がわるくなる。
また、本発明のコンミテータ用メラミン樹脂組成物は樹脂成分として、さらにノボラック型フェノール樹脂を2〜7質量%、好ましくは2〜3質量%含有することを特徴とする。前記ノボラック型フェノール樹脂を前記割合で含有させることにより、樹脂組成物を溶融混練する際に溶融粘度を低下させて混練作業性を高めるとともに、溶融粘度が低下することによりコンミテータの金属部分との密着性を高めることができる。
前記含有割合が2質量%未満の場合には、樹脂組成物をロールにより混練する際の混練作業性がわるくなり、また、7質量%をこえる場合にはノボラック型フェノール樹脂とメラミン樹脂とが硬化による結合を充分に形成することができず、得られる硬化物の耐熱性が低下する。
前記ノボラック型フェノール樹脂としては、公知のノボラック型フェノール樹脂であれば特に限定無く用いることができる。
さらに、本発明のコンミテータ用メラミン樹脂組成物はガラス繊維を51〜60質量%含有することを特徴とする。
前記ガラス繊維としては、強度を維持しつつ材料を粒状化するために、平均直径8〜13μm、平均長さ1.5〜3mm程度のものが好ましい。ガラス繊維の直径または長さが大きすぎると、成形加工性がわるくなる傾向があり、また、小さすぎると得られるコンミテータの強度が不充分になり、また、ガラス繊維の製造が困難であるためにガラス繊維が高価になりすぎて実用上好ましくない。
またガラス繊維は、表面が無処理のものでも、カップリング剤および/またはサイジング剤などで処理されているものでもよい。
前記ガラス繊維の具体例としては、例えば日本電気硝子(株)製のECS03、日本硝子繊維(株)製のRES015などのチョップトストランド等が挙げられる。
前記ガラス繊維の配合割合は、樹脂組成物全量に対して51〜60質量%である。前記配合割合が51質量%未満の場合にはコンミテータの回転破壊強度が低くなり、また、60質量%をこえる場合には樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎ、細かい部分を有するコンミテータの樹脂部において均質に樹脂組成物を充填することが困難になる。
本発明の樹脂組成物にはコンミテータの樹脂部分と金属部分との密着性を高め、また、樹脂部分の曲げ弾性率を低下させてコンミテータの形成工程においてシャフトを圧入しやすくするために、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)を2〜6質量%含有させてもよい。
NBRの含有割合が2質量%未満の場合には、曲げ弾性率を低下させる効果が充分に得られない傾向があり、6質量%をこえる場合には曲げ強度が低下しすぎる傾向がある。
なお、前記NBRとしては、アクリロニトリルとブタジエンとを含有する共重合体からなるゴム成分であり、アクリロニトリルブタジエンゴムとして知られているものであれば特に限定無く用いることができ、その具体例としては、例えば、日本ゼオン株式会社製の商品名Nippol 1411や日本合成ゴム株式会社製の商品名PN20-HA等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物にはコンミテータの樹脂部分と金属部分との密着性を高め、さらに、樹脂部分の曲げ弾性率を低下させてコンミテータの形成工程においてシャフトを圧入しやすくするために、ポリエチレングリコールを2〜6質量%含有させてもよい。なお、ポリエチレングリコールは両末端の水酸基によりメラミン樹脂等と架橋構造を形成することができる。このため、得られるコンミテータの樹脂部分において、ポリエチレングリコールは表面にブリードアウトすることが無く、耐水性の高いものになる。
前記ポリエチレングリコールの含有割合が2質量%未満の場合には、曲げ弾性率が充分低下しない傾向があり、6質量%をこえる場合には曲げ強度が低下しすぎる傾向がある。
また、本発明のコンミテータ用メラミン樹脂組成物は、必要に応じて、前記メラミン樹脂およびフェノール樹脂以外の樹脂、無機充填材、離型剤、硬化剤、シランカップリング剤、着色剤等を含有する。
前記無機充填材としては、水酸化アルミニウム、焼石膏、タルク、カオリン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上組合せて用いてもよい。これらの中ではカオリンが成形後の切削加工において、切削刃物の磨耗を抑制することができる程度の硬度である点から好ましい。
なお、前記無機充填材の配合割合としては、樹脂組成物全量に対して2〜8質量%程度であることが好ましい。前記無機充填剤の配合割合が多すぎる場合には強度が低下する傾向があり、また、少なすぎる場合には寸法安定性を高めるという無機充填剤の配合効果が出にくくなる傾向がある。
前記離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフィン等が挙げられ、前記硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、安息香酸、蓚酸、スルファミン酸等の有機酸や塩酸、硫酸等の無機酸等が挙げられ、前記シランカップリング剤としては、例えば、アミノシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
前記のような組成からなる本発明のコンミテータ用メラミン樹脂組成物は前記各成分をロールやニーダー等を用いて加熱しながら溶融混練し、適度な粒径に粉砕、切断することにより得られる。
このようにして得られる本発明のメラミン樹脂組成物は金属との密着性、寸法安定性、熱安定性に優れたコンミテータの製造に適した材料である。
また、本発明の樹脂組成物から得られる成形品は、耐アーク性、耐トラッキング性等の各種電気的特性にも優れており、耐トラッキング性(CTI)においては、600V以上の特性を維持できるため、コンミテータを高湿度下等で使用する場合においても、長寿命のコンミテータを得ることができる。
そして、得られた前記樹脂組成物は、トランスファー成形法や射出成形法により、コンミテータの金属部分を形成する金属成形体を配した金型に射出され、インサート成形される。そして前記樹脂組成物を硬化させることにより前記樹脂組成物と前記金属成形体とが一体化され、中央部にシャフトを圧入するための孔を有するコンミテータ用成形体が得られる。そして、前記コンミテータ用成形体にシャフトを圧入することにより、図1に示すようなコンミテータが得られる。
このようにして得られるコンミテータは、例えば、140〜190℃でアニ−リングされることにより寸法安定性が高められる。
このようにして得られる本発明のコンミテータは、コンミテータを形成する金属部分と樹脂部分との密着性が高く、さらに、寸法安定性、熱安定性及び耐トラッキング性に優れたコンミテータである。
以下に、本発明のコンミテータ用メラミン樹脂組成物及びそれから得られるコンミテータについて、実施例を用いてさらに詳しく説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されることはない。
〈実施例1〜7及び比較例1、比較例2〉
表1に示す配合割合で未変性メラミン樹脂、エポキシ変性メラミン樹脂、フェノールノボラック樹脂、ガラス繊維、NBR、ポリエチレングリコール、無水フタル酸、カオリン、水酸化アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アマイド、アミノシランカップリング剤を配合し、2軸ロール混練機で80〜110℃で3分間溶融混練した。そして、得られた前記混練物を5mmφのメッシュを備えたカッターミルで粉砕し、粒状の樹脂組成物を得た。
なお、前記各成分は以下のものを用いた。
未変性メラミン樹脂:松下電工(株)製の商品名CP9012SD
エポキシ変性メラミン樹脂:松下電工(株)製の商品名TMSR−SD
フェノールノボラック樹脂:松下電工(株)製の商品名PAR
ガラス繊維:日本硝子繊維(株)製の商品名RES015
NBR:日本ゼオン(株)製のNippole 1411
ポリエチレングリコール:PEG6000
カオリン:VELVACAST
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製の商品名ハイジライトH−32
そして、得られた樹脂組成物について、銅密着強度、回転破壊強度、耐トラッキング性、収縮率、重量減少率、耐熱性、生産安定性について以下の評価方法に従い評価した。
(銅密着強度)
得られた前記樹脂組成物を用いて、銅板上にトランスファー成形(成形温度170℃、硬化時間120秒間)により、直径3mm、高さ3mmの円柱状成形品を接着成形した。そして、9.8KNのロードセルを備えたボンドテスターを用いて前記成形品が銅板から剥がれるときの荷重を測定した。
一方、前記成形品を140℃,6時間、170℃,8時間、190℃,3時間の段階的に温度を上げるアニール条件によりアニール処理した後、25℃まで冷却した後の成形品についても同様に銅密着強度を測定した。
(回転破壊強度)
トランスファー成形(成形温度170℃、硬化時間150秒間)により外形33mmφ、内径23mmφ、高さ30mmのリング状コンミテータ成形品を得た。そして、前記成形品の内孔にシャフトを取り付けて、回転数を一定の割合(1000rpm/10秒間)で上昇させながら回転させ、コンミテータが破壊したときの回転数を回転破壊強度とした。
なお、前記評価は25℃及び200℃のそれぞれの雰囲気下で行なった。
(耐トラッキング性)
直圧成形(成形温度170℃、硬化時間60秒間)により、50mmφで厚み3mmの円板状成形品を作製し、UL−746Aの試験法に準じて耐トラッキング性を測定した。
(収縮率、重量減少率)
射出成形(成形温度170℃、硬化時間75秒間)によりJIS K 6911に準じて収縮率測定用成形品を成形した。
前記成形品について成形後25℃まで冷却した後の成形品の寸法及び重量を測定した。
また、前記成形品について、さらに、140℃,6時間、170℃,8時間、190℃,3時間の段階的に温度を上げるアニール条件によりアニール処理した後、25℃まで冷却した後の成形品の前記寸法及び重量を測定した。
さらに、前記アニール後の成形品を200℃,500時間の条件でさらに熱処理した後、25℃まで冷却した後の成形品の前記寸法及び重量を測定した。
そして、前記測定したそれぞれの寸法の対応する金型の部分の寸法に対する収縮率(それぞれ成形収縮率、アニール後収縮率、200℃処理後収縮率と呼ぶ)を算出した。また、前記測定した重量について成形後の重量に対するアニール処理後及び前記200℃熱処理後の重量減少率(それぞれアニール後重量減少率、200℃処理後重量減少率と呼ぶ)を算出した。
(耐熱性)
前記収縮率測定用成形品を350℃で10分間熱処理し、熱処理後の重量減少率を算出した。
(製造安定性)
前記樹脂組成物を溶融する際の2軸ロール混練機のロール作業において、ロールからの材料の剥がれやすさを、作業性が良好であった場合を○、混練時にロールに巻き付かず、ロールから剥がれた場合を×と判断した。
結果を表1に示す。
Figure 0004561535
実施例の結果より、実施例1〜7の全て結果において、実用性能を充分満たす銅密着強度、アニール後密着強度、回転破壊強度、耐トラッキング性等を維持していることがわかる。一方、比較例1のメラミン樹脂中のエポキシ変性樹脂の割合が多いメラミン樹脂組成物は銅密着強度、耐トラッキング性には優れているものの、各種収縮率が高く、また、アニール後の重量減少率、耐熱性がわるいことがわかる。
また、メラミン樹脂成分が少なすぎる比較例2の樹脂組成物においては、生産安定性がわるく、コンミテータの成形が不可能であった。
一方、実施例1〜7のうち、特に、メラミン樹脂全量中のエポキシ変性メラミン樹脂の割合が50〜70質量%である実施例2〜7の樹脂組成物は、更に、銅密着強度、回転破壊強度、収縮率、耐熱性等全ての特性が優れていることがわかる。
本発明のコンミテータの一例を示す模式図。
符号の説明
1 樹脂部
2 銅セグメント
3 シャフト
4 シャフト圧入孔

Claims (7)

  1. エポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂27〜30質量%、ノボラック型フェノール樹脂2〜7質量%ガラス繊維51〜60質量%、及び無機充填材2〜8質量%を含有するコンミテータ用メラミン樹脂組成物であって、
    前記エポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂中のエポキシ変性メラミン樹脂の割合が15〜70質量%であることを特徴とするコンミテータ用メラミン樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ変性メラミン樹脂を含有するメラミン樹脂中のエポキシ変性メラミン樹脂の割合が50〜70質量%であることを特徴とする請求項1に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物。
  3. 前記コンミテータ用メラミン樹脂組成物において、さらにNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)を2〜6質量%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物。
  4. 前記コンミテータ用メラミン樹脂組成物において、さらにポリエチレングリコールを2〜6質量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物。
  5. UL−746Aの試験法に準じて測定した厚み3mm成形品の耐トラッキング性が600V以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物。
  6. 前記無機充填材が、カオリンであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物。
  7. コンミテータの金属部分を形成する金属成形体を配した金型に請求項1〜の何れか1項に記載のコンミテータ用メラミン樹脂組成物を射出してインサート成形し、前記樹脂組成物を硬化させることにより前記樹脂組成物と前記金属成形体とが一体化されて形成されるコンミテータ。
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