JP6623969B2 - Iii族窒化物半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本明細書の技術分野は、フラックス法を使用したIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法に関する。
半導体結晶を成長させる方法として、有機金属気相成長法(MOCVD)やハイドライド気相エピタキシー法(HVPE)などの気相成長法や、分子線エピタキシー法(MBE)、そして、液相エピタキシー法などがある。液相エピタキシー法には、Naフラックスを使用するフラックス法がある。
フラックス法では、サファイア基板等に、窒化ガリウム層(GaN層)を形成して種結晶基板とし、融液中で種結晶基板に半導体単結晶を成長させることが一般的である。その場合、坩堝の内部に種結晶基板および原材料およびフラックスを入れた後、反応室の内部で温度や圧力を調整しつつ半導体単結晶を成長させる。例えば特許文献1には、融液を攪拌することにより、窒素ガスを気液界面から融液の内部に向って送る技術が開示されている(例えば、特許文献1の段落[0003]や表1等参照)。
特開2010−168236号公報
フラックス法により半導体単結晶を成長させる場合、育成条件によって半導体単結晶が成長しない場合がある。また、半導体単結晶を成長させることができた場合であっても、種結晶基板の全面にわたって一様な半導体単結晶を得ることは困難である。そして、半導体単結晶の再現性が不安定な場合がある。つまり、安定して半導体単結晶を成長させることは決して容易ではない。
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、高い再現性で半導体単結晶を成長させることを図ったIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法を提供することである。
第1発明は、III 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、坩堝の内部に種結晶基板とGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる工程を有しIII 族窒化物半導体単結晶を所定の成長温度で成長させる際に、坩堝の温度を500℃以下の第1の温度範囲の温度としてGaとNaとを反応させ、その反応の後に、坩堝の温度をIII 族窒化物半導体単結晶の前記成長温度まで上昇させ、坩堝の温度を、室温からGaとNaとの反応が完了するまでに上昇させる昇温速度は、その反応の後の成長温度までの昇温速度より遅くしたことが特徴である。
また、第2発明は、III 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、坩堝の内部に種結晶基板とGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる工程を有し、III 族窒化物半導体単結晶を所定の成長温度で成長させる際に、坩堝の温度を500℃以下の第1の温度範囲の温度としてGaとNaとを反応させ、その反応の後に、坩堝の温度をIII 族窒化物半導体単結晶の成長温度まで上昇させ、GaとNaとの反応は、GaとNaとの反応を検出するための測定装置を用いて検出され、測定装置は、坩堝にX線を透過させて坩堝の内部を観察するX線観察装置であり、坩堝を透過するX線を受光することによりGaとNaとの反応を検出する装置であることを特徴とする。
第1、第2の発明において、GaとNaとの反応は、Ga−Na合金微粒子の分散状態とすることが望ましい。
また、第3の発明は、III 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、坩堝の内部に種結晶基板とGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる工程を有し、III 族窒化物半導体単結晶を所定の成長温度で成長させる際に、坩堝の温度の昇温過程において、80℃以上、200℃以下の第1の温度範囲を通過する時間を30分以上、3時間以下とすることにより、GaとNaとを反応させてGa−Na合金微粒子の分散状態を実現した後に、坩堝の温度をIII 族窒化物半導体単結晶の成長温度まで上昇させることを特徴とする。
さらに、第4の発明は、III 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、坩堝の内部に種結晶基板とGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる工程を有し、III 族窒化物半導体単結晶を所定の成長温度で成長させる際に、坩堝の温度を500℃以下の第1の温度範囲の温度としてGaとNaとを反応させて、Ga−Na合金微粒子の分散状態の生成を測定装置により検出した後に、坩堝の温度を成長温度まで昇温させることを特徴とする。
上記の第1、第2、第4の発明において、第1の温度範囲は、80℃以上、400℃以下が望ましい。さらには、第1の温度範囲は、80℃以上、200℃以下が望ましい。
本発明者らは、半導体を成長させる前に、融液におけるGaとNaとが反応した状態、すなわち、Ga−Na合金の微粒子が分散した状態の実現が、成長時のメルトバックや核生成に大きく寄与していることを発見した。従来技術では、成長前におけるGa−Na合金の微粒子の生成量が少なく、良質な結晶が得られなかったことを発見した。500℃以下の温度で保持又は温度上昇速度を低くすると、GaとNaの合金化が促進し、その後の成長温度まで温度上昇させて半導体を成長させることで、良好な結晶成長が得られる。80℃以上、400℃以下の範囲でも、GaとNaの合金微粒子の生成量は多いが、80℃以上、200℃以下の範囲において、確実にGaとNaの合金微粒子を多量に生成することができ、この場合に最も半導体の良好な結晶成長が実現する。
上記何れかの発明のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法では、GaとNaとが十分に反応する。そして、合金化したGa−Na合金は、融液中に一様に分散する。そして、種結晶基板の全面にわたって一様にIII 族窒化物半導体単結晶が成膜される。また、半導体単結晶の歩留りも良い。NaとGaの反応を検出する測定装置を用いた場合には、Naとの反応が不十分であった場合、第1の温度範囲内で反応が十分に確認できるまで熱処理を継続させることができる。GaとNaとの反応を促進するために、熱処理時間の延長、撹拌、圧力変化、炉内雰囲気の制御などを用いることができる。
上記第1、2、4の発明においては、III 族窒化物半導体単結晶を成長させる際に、少なくとも30分間の時間、坩堝の温度を第1の温度範囲の温度とすることが望ましい。
本明細書では、高い再現性で半導体単結晶を成長させることを図ったIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法が提供されている。
第1〜第3の実施形態におけるIII 族窒化物半導体単結晶を示す図である。 第1の実施形態におけるIII 族窒化物半導体単結晶を製造するための結晶成長装置の構成を説明するための図である。 第1の実施形態のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法における種結晶基板の作製方法を説明するための図である。 第1、第2の実施形態のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法における半導体単結晶成長工程での坩堝の回転モードを説明するためのグラフである。 第1、第2の実施形態におけるIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法の温度プロファイルを示すグラフである。 III 族窒化物半導体単結晶を製造する実験を行った際の温度プロファイルを示すグラフである。 実施形態のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法における坩堝の内部のGaおよびNaの様子を示す図(その1)である。 実施形態のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法における坩堝の内部のGaおよびNaの様子を示す図(その2)である。 実施形態のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法における坩堝の内部のGaおよびNaの様子を示す図(その3)である。 第2の実施形態におけるIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法に用いる結晶成長装置の構成を示す図である。 第3の実施形態における縦型構造の半導体装置の構造を説明する図である。 第3の実施形態における横型構造の半導体装置の構造を説明する図である。 第3の実施形態における半導体発光素子の構造を説明する図である。
以下、具体的な実施形態について、図を参照しつつ説明する。実施形態は、フラックス法を用いてIII 族窒化物半導体単結晶を製造する方法およびその製造方法により製造された半導体装置である。これらは例示であり、これらの実施形態に限定されるものではない。そして、それぞれの図における各層の厚みは、概念的に示したものであり、実際の厚みを示しているわけではない。
(第1の実施形態)
1.半導体単結晶
図1は、本実施形態の結晶CRを表す図である。図1に示すように、結晶CRは、サファイア基板11と、バッファ層12と、GaN層13と、単結晶CR1と、を有している。単結晶CR1は、III 族窒化物半導体から成る単結晶である。単結晶CR1は、結晶CRからサファイア基板11等を除去することにより得られる。
2.結晶成長装置
2−1.結晶成長装置の構成
図2は、本実施形態の結晶CRを製造するための結晶成長装置1000である。結晶成長装置1000は、Naフラックス法を用いて成長基板上にIII 族窒化物半導体の単結晶を成長させるためのものである。図2に示すように、結晶成長装置1000は、給気管1210と、排気管1220と、断熱材1230と、反応室1240と、圧力容器1250と、ターンテーブル1270と、回転軸1280と、モーター1310と、モーター制御部1320と、X線照射部1400と、X線受光部1500と、温度測定部1600と、判断部1700と、ヒーターHと、ヒーター制御部1800と、を有している。
結晶成長装置1000は、図2に示すように、ターンテーブル1270の上に坩堝1260をセットすることができるようになっている。坩堝1260は、ターンテーブル1270の回転とともに回転することができるようになっている。なお、この回転の中心は回転軸1280である。坩堝1260の回転速度については、モーター1310の回転を制御することにより、制御することができるようになっている。結晶成長装置1000は、坩堝1260を回転させる以外に、振動や搖動させることができるようになっていてもよい。これにより原料を撹拌できるからである。
圧力容器1250は、反応室1240を収容するためのものである。圧力容器1250の材質は、例えば、SUSである。もちろん、その他の材質のものであってもよい。反応室1240は、その内部に坩堝1260を配置して、半導体単結晶を成長させるための環境条件を与えるためのものである。
給気管1210は、反応室1240の内部に窒素ガス(N2 )を供給するための管である。排気管1220は、反応室1240の内部から窒素ガス(N2 )を排出するための管である。これらにより、反応室1240の内圧を調整することができる。ヒーターHは、圧力容器1250および反応室1240の内部を加熱するためのものである。また、反応室1240の内部の温度を調整することができるようになっている。断熱材1230は、反応室1240の内部の熱が外部に逃げないようにするための部材である。炉内の圧力、雰囲気を制御するために、ArなどのN2 以外の気体を供給できるようにしてもよい。
ターンテーブル1270は、坩堝1260を載置するための載置部である。そのため、ターンテーブル1270は、反応室1240の内部に配置されている。なお、坩堝1260は、アルミナ製である。または、坩堝1260は、X線を透過するとともに耐熱性を備えるその他の材質であってもよい。回転軸1280は、ターンテーブル1270を支持するとともに、モーター1310からの動力をターンテーブル1270に伝達するためのものである。また、回転軸1280は、モーター1310の駆動を受けて回転する回転の中心となるものである。
モーター1310は、回転軸1280を回転させるための回転駆動部である。モーター制御部1320は、モーター1310の回転を制御するためのものである。モーター制御部1320は、モーター1310の回転方向を制御するとともに、モーター1310の回転速度と、モーター1310の回転速度の上昇および減少をも制御する。つまり、モーター制御部1320は、後述する回転モードにしたがって坩堝1260の回転を制御することとなるものである。
X線照射部1400は、X線を発生させるとともにターンテーブル1270上の坩堝1260にX線X1を照射するためのものである。X線受光部1500は、坩堝1260を透過してきたX線X2を受光するためのものである。そして、X線受光部1500は、坩堝1260の透過X線のX線画像を形成する。
温度測定部1600は、坩堝1260の内部の温度を測定するためのものである。判断部1700は、X線受光部1500により取得されたX線画像に基づいて、GaとNaとの反応状態を判断するためのものである。また、判断部1700は、温度測定部1600により測定された坩堝1260の温度から示差熱分析を実施する。
ヒーター制御部1800は、ヒーターHの加熱の程度を制御するためのものである。ヒーター制御部1800は、X線受光部1500により観察されたGaとNaとの反応状態に応じてヒーターHの加熱の度合いを制御する。また、ヒーター制御部1800は、温度測定部1600により測定された坩堝1260の温度に応じてヒーターHの加熱の度合いを制御する。
また、結晶成長装置1000は、炉内の雰囲気をモニタリングする装置を有していてもよい。このような装置として例えば、四重極型質量分析計、O2 計、などのガスモニターが挙げられる。
2−2.結晶成長装置の動作
結晶成長装置1000は、坩堝1260の内部で単結晶CR1を成長させるとともに、坩堝1260の内部の状態をモニタリングする。このモニタリングは、X線照射部1400と、X線受光部1500と、温度測定部1600と、を用いてなされる。
2−2−1.X線による観察
X線照射部1400は、原材料等を収容した坩堝1260に向けてX線X1を照射する。X線受光部1500は、坩堝1260を透過したX線X2を受光する。そして、X線受光部1500は、透過したX線X2を画像処理する。そのX線画像については、別途ディスプレイ等に表示することとすればよい。このように、X線受光部1500は、時間的に連続して変化するX線画像を出力することができる。
そして、X線受光部1500は、後述するように、坩堝1260の内部のGaとNaとの反応状態をモニタリングすることができる。そして、結晶成長装置1000または作業者が、GaとNaとの反応が生じた場合の判断を行う。作業者は、X線画像を目視にてGaとNaとが反応したと判断する。結晶成長装置1000の判断部1700は、得られたX線画像がGaとNaとが反応した写真のパターンと近い場合に、GaとNaとの反応が生じたと判断し、得られたX線画像がGaとNaとが反応した写真のパターンと近くない場合に、GaとNaとの反応が生じていないと判断する。
2−2−2.示差熱分析
温度測定部1600は、坩堝1260の内部の温度を測定する。そして、結晶成長装置1000の判断部1700は、測定された坩堝1260の温度の測定値と、ヒーター制御部1800の設定値に基づく温度の基準値と、を取得する。この温度の基準値は、予めメモリ等に記憶しておけばよい。そして、判断部1700は、示差熱分析により坩堝1260の内部でGaとNaとが反応したか否かを判断する。
3.III 族窒化物半導体の単結晶の製造方法
3−1.種結晶基板作製工程
次に、半導体単結晶の製造方法について説明する。図3に示すように、テンプレート10を作製するテンプレート作製工程について説明する。テンプレート10は、フラックス法により半導体の単結晶を成長させるために用いられる種結晶基板である。まず、サファイア基板11を用意する。そして、MOCVD法により、サファイア基板11のc面上に、バッファ層12を形成する。バッファ層12は、例えば、AlNである。また、TiNやGaNであってもよい。また、テンプレート10として、自立GaN結晶などを用いてもよい。
次に、バッファ層12の上に、GaN層13を形成する。これにより、テンプレート10が作製される。これらのバッファ層12およびGaN層13は、シード層である。ただし、GaN自立基板(ウエハ)を用いた場合には、バッファ層12を形成する必要は無い。なお、GaN層13は、もちろん、GaNから成る層であるが、AlGaNやInGaN、AlInGaNであってもよい。このGaN層13は、成長条件によっては、フラックス中でメルトバックを起こす層である。その場合には、GaN層13の一部はフラックス中に溶解する。
3−2.半導体単結晶成長工程
次に、液相エピタキシー法の一種であるフラックス法を用いて、テンプレート10上に半導体単結晶の層を成長させる。ここで用いる原材料の一例を表1に示す。また、炭素比を、0mol%以上2.0mol%以下の範囲内で変えてもよい。つまり、フラックスは、炭素を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。なお、表1の値は、あくまで例示であり、これ以外の値であってもよい。また、これ以外にドーピング元素を添加してもよい。
ここで成長させる半導体単結晶は、もちろんIII 族窒化物半導体単結晶である。例えば、GaNである。まず、テンプレート10と、表1に示す原材料とを、露点および酸素濃度の管理されたグローブボックス内で計量する。次に、テンプレート10とGaとNaとを、坩堝1260の内部に入れる。そして、その坩堝1260を反応室1240のターンテーブル1270上に置く。この後、圧力容器1250を真空引きした後に昇圧および昇温する。そして、坩堝1260を回転させつつ半導体単結晶を成長させる。なお、撹拌の方法、タイミングは任意である。そのため、撹拌することなく成長させてもよい。また、撹拌の有無について途中で変えてもよい。
[表1]
原材料 原材料の量
Ga 1g
Na 1.4g
C 0mol%〜2.0mol%(Naに対して)
ここで、この半導体単結晶形成工程で用いた坩堝内の各種条件を表2に示す。半導体単結晶の成長温度は、例えば870℃である。圧力は、例えば3MPaである。育成時間はおよそ20時間から200時間である。
[表2]
温度 700℃〜900℃程度
圧力 3MPa〜10MPa
攪拌速度 0rpm〜100rpm
育成時間 20〜200時間
4.坩堝の回転方法
本実施形態における坩堝1260の回転モードを、図4に示す。図4に示すように、坩堝1260の回転モードは、正回転と負回転とを交互に繰り返すものである。ここで、正回転における坩堝1260の回転速度をプラスとし、負回転における坩堝1260の回転速度をマイナスとする。
攪拌期間は、加速期間A1と、正回転での一定速度回転期間A2と、減速期間A3と、加速期間A4と、負回転での一定速度回転期間A5と、減速期間A6と、を有している。そして、これらのサイクルを半導体単結晶成長工程において継続して実行する。ここで、加速するとは、坩堝1260の回転速度の絶対値を上昇させることをいう。減速するとは、坩堝1260の回転速度の絶対値を減少させることをいう。
加速期間A1は、坩堝1260の回転速度ωを回転速度ω1まで加速する期間である。正回転での一定速度回転期間A2は、一定速度ω1で坩堝1260を回転させる期間である。減速期間A3は、坩堝1260の回転速度ωを回転速度ω1から減速する期間である。加速期間A4は、坩堝1260の回転速度ωを回転速度−ω1まで加速する期間である。負回転での一定速度回転期間A5は、一定速度−ω1で坩堝1260を回転させる期間である。減速期間A6は、坩堝1260の回転速度ωを回転速度−ω1から減速する期間である。
5.融液の温度プロファイル
図5は、本実施形態の坩堝1260の内部の融液の温度プロファイルを示すグラフである。図5に示すように、本実施形態では、第1の期間K1の間に坩堝1260を第1の温度範囲J1の温度にする。ここで、第1の期間K1は、20分以上70分以下である。好ましくは、第1の期間K1は、30分以上60分以下である。第1の温度範囲J1は、80℃以上200℃以下である。つまり、坩堝1260の温度を第1の温度範囲J1の状態で30分以上の時間だけ保持する。
ここで、後述するように、坩堝1260の内部の温度が第1の温度範囲J1のときに、GaとNaとが反応する。そして、GaとNaとは互いに反応して合金の微粒子を形成すると考えられる。すなわち、反応の完了は、Ga−Na合金微粒子が分散した状態である。このように、GaとNaとが反応するとともに一様に混合すると、一様な半導体結晶が成長する。よって、第1の期間K1の間における坩堝1260の温度を第1の温度範囲J1とする。
そして、GaとNaとの反応が十分に進行した後に、ヒーター制御部1800は、ヒーターHの温度を上昇させる。そして、坩堝1260の温度を半導体単結晶の成長温度まで上昇させる。
このように、第1の温度範囲J1である第1の期間K1にGaとNaとが反応し、その後700℃以上の成長温度下で単結晶CR1は成長する。
なお、実験により、第1の温度範囲J1におけるGaとNaとの反応の挙動とその後の高温におけるGaNの成長との間に密接な関係があることをつきとめた。第1の温度範囲J1での反応が不十分なまま坩堝1260を第1の温度範囲J1以上に加熱してしまうと、GaN結晶が成長しなかったり、結晶に異常が生じるおそれがある。したがって、再現性よくGaNを成長させるには、第1の温度範囲J1での反応を十分に生じさせてから坩堝1260を高温に加熱するとよい。
6.GaとNaとの反応の検出
このように、半導体単結晶成長工程では、坩堝1260の内部にGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる。そして、III 族窒化物半導体単結晶を成長させる際に、GaとNaとの反応を検出するための測定装置を用いる。そして、後述するように、坩堝1260の温度を80℃以上200℃以下の第1の温度範囲J1の温度としてGaとNaとを反応させる。そして、測定装置がGaとNaとの反応を検出した後に、坩堝1260の温度をIII 族窒化物半導体単結晶の成長温度まで上昇させる。ここで、III 族窒化物半導体単結晶の成長温度は、700℃以上950℃以下である。
6−1.X線観察装置
測定装置は、坩堝1260にX線を透過させて坩堝1260の内部を観察するX線観察装置である。ここで、測定装置は、図2に示すように、X線照射部1400と、X線受光部1500と、判断部1700と、を有する。そして、X線照射部1400は、X線X1を坩堝1260に向けて照射する。そして、坩堝1260を透過したX線X2は、X線受光部1500により受光される。このX線X2を受光することにより、判断部1700は、GaとNaとの反応を検出する。または、作業者が、得られたX線画像からGaとNaとの反応を判断する。
6−2.示差熱分析
測定装置は、温度測定部1600と、判断部1700と、を有する。温度測定部1600は、坩堝1260の内部の温度を測定する。そして、判断部1700は、温度測定部1600により測定された温度の測定値と、予め定めた基準値と、を用いて、示差熱分析を行う。これにより、測定値と基準値との差が予め定めた閾値以上である場合に、GaとNaとが反応していると判断する。また、測定値と基準値との差を時間的に積分して、その積分値が予め定めた積分基準値以上である場合に、GaとNaとが反応し終えたと判断してもよい。そして、GaとNaとの反応が終わった後に、坩堝1260の温度を半導体単結晶の成長温度まで上昇させるとよい。
6−3.温度管理
また、III 族窒化物半導体単結晶を成長させる際に、少なくとも30分間の時間について坩堝1260の温度を第1の温度範囲J1の温度とするとよい。GaとNaとの反応が十分に進行するからである。
6−4.その他
GaとNaとの反応を検出するには何らかの形で反応による坩堝1260の内部の状態の変化を捉えればよい。原理的には、電気抵抗測定などの手法を用いることも可能である。
7.実験
ここで、実施した実験について説明する。本実験では、各種の温度プロファイルで種結晶基板の上に半導体単結晶を成長させる。
図6は、半導体単結晶の育成についての温度プロファイルを示すグラフである。線L1は、第1の期間K1にわたって坩堝1260の温度が第1の温度範囲J1の範囲内にある。そして、坩堝1260の温度が第1の温度範囲J1に入ってから第1の期間K1が経過した後に、坩堝1260の温度を上昇させる。この場合には、坩堝1260の温度が100℃前後でGaとNaとが反応しだした。そして、GaとNaとが反応するとともに十分に拡散した。テンプレート10の全面にわたって単結晶CR1が成長した。
図6の線L2は、坩堝1260の温度が線L1よりも急峻に立ち上がっている。そして、坩堝1260の温度が第1の温度範囲J1に入っている時間が、線L1の場合に比べて短い。ただし、200℃以上300℃以下の温度範囲内の場合に、坩堝1260の温度上昇の割合をなだらかにしている。この場合には、GaとNaとが十分に反応しなかった。そして、テンプレート10に単結晶CR1がほとんど成長しなかった。
図6の線L3は、坩堝1260の温度が線L1よりも急峻に立ち上がっている。そして、坩堝1260の温度が第1の温度範囲J1に入っている時間が、線L1の場合に比べて短い。この場合には、GaとNaとが十分に反応しなかった。そして、テンプレート10に単結晶CR1がほとんど成長しなかった。
したがって、坩堝1260の温度を第1の温度範囲J1でゆるやかに昇温することが重要であると考えられる。これにより、GaとNaとを十分に反応させることができるからである。また、テンプレート10の全面にわたって一様な単結晶CR1を成長させるためには、その反応したGaとNaとを十分に拡散させることが重要であると考えられる。
次に、X線受光部1500で取得されるX線画像について説明する。図7は、昇温直後の坩堝1260のX線画像である。この段階では、GaもNaも融解していない。そのため、図7では、NaがGaの上に載った状態である。
図8は、坩堝1260の温度が100℃近傍のときの坩堝1260のX線画像である。ここで、Naの融点は約97.7℃である。なお、Gaの融点は約29.8℃である。したがって、100℃近傍でNaは融解しだす。そして、GaとNaとが反応する。よって、図8では、GaとNaとが混じり合っている途中である。
図9では、テンプレート10の上にGaとNaとが反応する。この反応により合金化したGa−Na合金はテンプレート10上に一様に存在している。GaおよびNaがこの段階まで進行すると、一様な単結晶CR1が成長する。一方、図7の段階で止まっていると、単結晶CR1は成長しない。
実験の結果、図6の線L1の温度プロファイルを用いた場合には、図9の状態まで進行した。そして、一様な単結晶CR1が製造された。図6の線L2および線L3の温度プロファイルを用いた場合には、図7の状態で止まった。そのため、単結晶CR1は製造されなかった。
8.変形例
8−1.温度制御
本実施形態では、X線受光部1500により取得されるX線画像においてGaとNaとが混合し終わる時期を観察して、その後に坩堝1260の温度を成長温度に上昇させる。そして、第1の期間K1の間に坩堝1260の温度を第1の温度範囲J1とする。第1の期間K1の経過の後に、坩堝1260の温度を成長温度に上昇させてもよい。
また、示差熱分析において、温度の基準値と温度の測定値との差を時間で積分し、その積分値が予め定めた閾値以上となった場合に、GaとNaとが反応し終わったと判断するようにしてもよい。この場合、判断部1700が、この積分計算および反応終了の判断を行う。そして、その後に坩堝1260の温度を成長温度に上昇させる。
8−2.III 族窒化物半導体単結晶
本実施形態では、GaNから成る半導体単結晶を形成することとした。しかし、他のIII 族窒化物半導体単結晶を製造する際にも適用することができる。つまり、AlX InY Ga(1-X-Y) N(0≦X,0≦Y,X+Y≦1)を製造することができる。ただし、そのための材料を坩堝1260の内部に供給する必要がある。
8−3.複数個の半導体単結晶の成長
本実施形態では、坩堝1個に対して1個の半導体単結晶を成長させることとした。しかし、大口径の坩堝1個に対して複数個の半導体単結晶を成長させることもできる。これにより、生産性は向上する。
8−4.回転モード
坩堝1260の回転モードについては必ずしも図4に示したものに限らない。その他の回転モードを用いてもよい。
9.本実施形態のまとめ
以上詳細に説明したように、本実施形態のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法では、フラックス法により半導体単結晶を成長させる。そして、第1の期間K1の間に坩堝1260を第1の温度範囲J1の温度にする。これにより、第1の期間K1に坩堝1260の温度をゆるやかに上昇させて、GaとNaとを十分に反応させる。そして、測定装置は、このGaとNaとの反応を検出する。また、その反応したGaとNaとを十分に拡散させる。これにより、種結晶基板の全面にわたって一様な単結晶CR1を成長させることができる。したがって、この製造方法における半導体単結晶の歩留りはよい。
なお、本実施形態は単なる例示にすぎない。したがって当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、本実施形態では、テンプレート10におけるバッファ層12およびGaN層13を形成するにあたって、有機金属気相成長法(MOCVD)を用いた。しかし、ハイドライド気相エピタキシー法(HVPE)などの気相成長法や、分子線エピタキシー法(MBE)等、その他の方法を用いてもよい。
(第2の実施形態)
本発明は、III 族窒化物半導体を成長温度で結晶成長させる前に、成長温度より低い低温状態で、NaとGaの反応状態を実現した後に、成長温度に昇温して半導体を結晶成長させると良質で均質な結晶が得られるという発見に基づく。NaとGaとの反応状態は、Ga−Naの合金微粒子が分散した状態である。この合金微粒子の分散状態が実現した後の昇温過程で液体となり、成長温度まで昇温してIII 族窒化物半導体を単結晶成長させると、平坦な良質な結晶が得られる。Ga−Naの合金微粒子が分散状態にあることをX線を用いて検出したり、示唆熱分析により検出するのが、第1の実施形態である。
したがって、結晶成長の前に、Ga−Naの合金微粒子の分散状態が実現すれば、本発明の目的は達成できる。図5、図6に示されている昇温温度特性と、X線を用いて検出したGa−Naの分散状態との関係は、実験により蓄積できる。その結果から、最適な昇温温度特性だけで、Ga−Naの分散状態を実現できる。すなわち、昇温温度特性や、融液の温度が成長温度より低い所定の低温温度範囲内に存在する時間により、Ga−Naの分散状態を実現できる。
そこで、第2の実施の形態は、温度管理だけで、III 族窒化物半導体を成長温度で成長させる前に、第1の温度範囲において、GaとNaの反応を完了する例である。
本例の結晶成長装置1010を図10に示す。図2の結晶成長装置1010に対して、圧力容器1250が上下に分割されておらず、一体型であり、X線照射部1400と、X線受光部1500、判断部1700が存在しない点のみが異なる。
本実施例では、真空排気しながら反応室1240の温度を95℃に保持した後、原料を入れた坩堝1260を反応室1240に設置した。その後、反応室1240の圧力を2時間30分かけて30気圧にした。すなわち、図5、6の曲線L4のように、坩堝1260の温度は95℃で2時間30分(K1)保持された。その後、10℃/分の昇温速度で、成長温度まで昇温させて、結晶成長させた。
図6において、80℃以上200℃以下の低温温度範囲を、短い時間で通過するL2、L3の昇温特性で、融液の温度を成長温度まで昇温させた場合には、良質且つ均質な結晶が得られない。すなわち、Na−Gaの合金微粒子の分散状態が実現するには、一定時間以上の低温状態の継続が必要である。低温状態を高速で通過した場合には、その温度範囲よりも高い温度や、成長温度で融液を保持しても、Na−Gaの合金微粒子の分散状態が実現せず、GaとNaとが分離した状態となる。
これに対して、上記の温度範囲を、長い時間をかけて通過する昇温特性L1、L4で成長温度まで昇温させた場合には、良質且つ均質な半導体結晶が得られる。そこで、融液の昇温特性において、この低温温度範囲を通過する時間を30分以上とすることで、Na−Gaの合金微粒子の分散状態を実現することができる。この低温温度範囲を通過する時間は、Na−Gaの合金微粒子の分散状態が完了すれば、それ以上かける必要はない。低温温度範囲を通過する時間を長くしても問題はないが、製造時間が長くなるので望ましくない。一般的には、低温度範囲を通過する時間は30分以上、3時間以下である。この時間が長すぎると、窒素の溶解量が減少する、種基板のメルトバックが多くなる、得られる半導体結晶の品質が低下する。
融液の昇温特性において、80℃以上200℃以下の低温温度範囲をとる時間K1を所定値とすれば良いので、この低温温度範囲で、昇温を停止して、その温度を保持しても良い。また、融液を、室温から200℃まで昇温させる昇温速度を、200℃から成長温度までの昇温速度よりも遅くすることで、80℃以上200℃以下の低温温度範囲をとる時間K1を制御するようにしても良い。室温から200℃まで昇温させる昇温速度は、10℃/分以下が望ましい。200℃から成長温度までの昇温速度は、5℃/分〜20℃/分が望ましい。図6の昇温特性L1、L4は2段階で昇温速度を変化させているが、多段階で変化させても良い。例えば、95℃で30分保持し、10℃/分で昇温し、150℃で30分保持し、再度、10℃/分で昇温し、200℃で30分保持し、再度、10℃/分で昇温し、250℃で30分保持し、その後、10℃/分で成長温度まで昇温するという多段階で変化することができる。勿論、各保持温度における保持時間を異なる値にしても良い。
なお、図6において、400℃以下の期間を通過する時間を30分以上とすると、Ga−Naの合金微粉末が融液中に一様に分散した状態が得られる。この合金は、400℃において液体に変化する。一旦、Ga−Naの合金微粉末が多量に融液中に一様に分散した状態が実現した後に、成長温度までの昇温過程においてこの合金が液体に変化した場合に、成長する半導体の結晶性が向上する。本発明は、NaとGaの液体が得られる前にGa−Naの合金微粉末が多量に融液中に一様に分散した状態を実現した後に、成長温度で半導体を成長させると良質な結晶が得られるという発見に基づく。したがって、一般的には、Ga−Naの合金微粉末の分散状態を実現するには、500℃以下の温度範囲を長く保持することが必要である。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では、III 族窒化物半導体単結晶の製造方法について説明した。第3の実施形態では、そのIII 族窒化物半導体単結晶を自立基板として用いた半導体装置について説明する。
1.縦型構造の半導体装置
本実施形態に係るパワー素子100を図11に示す。パワー素子100は、縦型構造の半導体装置である。パワー素子100は、図11中の下側に示すように、ドレイン電極D1と、図11中の上側に示すように、ゲート電極G1と、ソース電極S1とを有している。
パワー素子100は、III 族窒化物半導体から成る複数の半導体層を有する。パワー素子100は、上記の電極の他に、図11に示すように、基板110と、n型層120と、p型層130と、n型層140と、絶縁膜150と、を有している。n型層120は、基板110の側から順に、n+ GaN層121と、n- GaN層122と、を有している。ソース電極S1は、n型層140とコンタクトしている。ドレイン電極D1は、基板110とコンタクトしている。
2.自立基板
基板110は、第1、第2の実施形態の結晶CRから作製された自立基板である。ここで、自立基板とは、円板状のもの(ウエハ)の他、素子分離後のものも含むものとする。そのために、結晶CRからサファイア基板11等を取り外す。この取り外しには、レーザーリフトオフ法など、公知の技術を用いてもよい。そして、単結晶CR1の両面を研磨等の加工をすることにより、基板110が得られる。また、この基板110に、凹凸形状等を形成することとしてもよい。また、両面を研磨したものでなくとも、両面のうちの少なくとも一方の面を研磨したものであってもよい。また、基板110は、結晶成長工程の後の冷却中の熱ひずみを利用して剥離させたものであってもよい。
3.変形例
3−1.横型構造の半導体装置
本実施形態の半導体装置は、縦型構造の半導体装置である。しかし、本実施形態の自立基板を、図12に示すような横型構造の半導体装置200について適用してもよい。図12の半導体装置200は、HFETである。半導体装置200は、基板210と、バッファ層220と、第1キャリア走行層230と、第2キャリア走行層240と、キャリア供給層250と、絶縁膜260と、ドレイン電極D2と、ソース電極S2と、ゲート電極G2と、を有している。ここで、基板210は、単結晶CR1を加工したものである。
3−2.半導体発光素子
また、図13に示すような半導体発光素子300について適用してもよい。以上説明したように、第1、第2の実施形態の製造方法により得られた単結晶CR1を種々の半導体装置に適用することができる。半導体発光素子300は、基板310と、半導体層と、p電極P3と、n電極N3と、を有している。ここで、基板310は、単結晶CR1を加工したものである。
半導体層は、基板310の主面の上から、バッファ層320と、n型コンタクト層330と、n型静電耐圧層340と、n型クラッド層350と、発光層360と、p型クラッド層370と、p型コンタクト層380とを、この順序で配置されるように形成されたものである。p電極P3は、p型コンタクト層380と接触している。n電極N3は、n型コンタクト層330と接触している。
CR…結晶
CR1…単結晶
10…テンプレート
11…サファイア基板
12…バッファ層
13…GaN層
1000,1010…結晶成長装置
1210…給気管
1220…排気管
1230…断熱材
1240…反応室
1250…圧力容器
1260…坩堝
1270…ターンテーブル
1280…回転軸
1310…モーター
1320…モーター制御部
1400…X線照射部
1500…X線受光部
1600…温度測定部
1700…判断部
1800…ヒーター制御部
H…ヒーター

Claims (9)

  1. III 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    坩堝の内部に種結晶基板とGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる工程を有し、
    前記III 族窒化物半導体単結晶を所定の成長温度で成長させる際に、前記坩堝の温度を500℃以下の第1の温度範囲の温度としてGaとNaとを反応させ、その反応の後に、前記坩堝の温度をIII 族窒化物半導体単結晶の前記成長温度まで上昇させ、
    前記坩堝の温度を、室温から前記Gaと前記Naとの反応が完了するまでに上昇させる昇温速度は、その反応の後の前記成長温度までの昇温速度より遅くした
    ことを特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
  2. III 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    坩堝の内部に種結晶基板とGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる工程を有し、
    前記III 族窒化物半導体単結晶を所定の成長温度で成長させる際に、前記坩堝の温度を500℃以下の第1の温度範囲の温度としてGaとNaとを反応させ、その反応の後に、前記坩堝の温度をIII 族窒化物半導体単結晶の前記成長温度まで上昇させ、
    前記Gaと前記Naとの反応は、GaとNaとの反応を検出するための測定装置を用いて検出され、
    前記測定装置は、前記坩堝にX線を透過させて前記坩堝の内部を観察するX線観察装置であり、前記坩堝を透過するX線を受光することによりGaとNaとの反応を検出する装置である
    ことを特徴とする特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
  3. III 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    坩堝の内部に種結晶基板とGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる工程を有し、
    前記III 族窒化物半導体単結晶を所定の成長温度で成長させる際に、前記坩堝の温度の昇温過程において、80℃以上、200℃以下の第1の温度範囲を通過する時間を30分以上、3時間以下とすることにより、GaとNaとを反応させてGa−Na合金微粒子の分散状態を実現した後に、前記坩堝の温度をIII 族窒化物半導体単結晶の前記成長温度まで上昇させる
    ことを特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
  4. III 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    坩堝の内部に種結晶基板とGaとNaとを入れてIII 族窒化物半導体単結晶を成長させる工程を有し、
    前記III 族窒化物半導体単結晶を所定の成長温度で成長させる際に、前記坩堝の温度を500℃以下の第1の温度範囲の温度としてGaとNaとを反応させて、Ga−Na合金微粒子の分散状態の生成を測定装置により検出した後に、前記坩堝の温度を前記成長温度まで昇温させる
    ことを特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
  5. 請求項4に記載のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    前記測定装置は、前記坩堝の内部の温度を測定する温度測定部を有し、示差熱分析によりGa−Na合金微粒子の分散状態の生成を検出する装置である
    ことを特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
  6. 請求項1又は請求項2に記載のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    前記Gaと前記Naとの反応は、Ga−Na合金微粒子が分散した状態であることを特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
  7. 請求項1、請求項2又は請求項4に記載のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    前記第1の温度範囲は、80℃以上、400℃以下であることを特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
  8. 請求項1、請求項2又は請求項4に記載のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    前記第1の温度範囲は、80℃以上、200℃以下であることを特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
  9. 請求項1、請求項2、又は請求項4から請求項8までのいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法において、
    前記III 族窒化物半導体単結晶を成長させる際に、
    少なくとも30分間の時間について前記坩堝の温度を前記第1の温度範囲の温度とすること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体単結晶の製造方法。
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