JP6622372B1 - コンクリート構造物の防食工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート構造物の内部にもインヒビターを浸透させて、塩害、中性化、ASRのいずれによる劣化も抑制することができるコンクリート構造物の防食工法を提供する。【解決手段】コンクリート構造物(コンクリートスラブC)中の鋼材(鉄筋S)の腐食を抑制するインヒビターを含有する溶液(亜硝酸リチウム溶液L1,水酸化リチウム溶液L2)を電気化学的に浸透させて防食するコンクリート構造物の防食工法において、前記インヒビターを含有する溶液を前記コンクリート構造物の両側に接触させるとともに、前記コンクリート構造物の外部に設置された電極E1,E2から電圧を印加して前記コンクリート構造物を貫通するように直流電流を流す第1の回路C1を設け、前記インヒビターを電気化学的に浸透させて防食する。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物中の鋼材の腐食を抑制するインヒビターを含有する溶液を、電気化学的に浸透させて防食するコンクリート構造物の防食工法に関する。
鉄筋などの鋼材で内部補強されたRC構造物やPC構造物などの鉄筋コンクリート構造物(以下、単にコンクリート構造物という)は、塩害、中性化、アルカリシリカ反応など、様々な要因により劣化することが知られている。このため、これらの問題を解決するべく、種々のインヒビター(酸化抑制剤、防錆剤:阻害剤)を用いた様々な防食工法が提案されている。
例えば、コンクリート構造物の表面に陽極材を設置し、コンクリートを介し鋼材に防食電流を供給することで、劣化損傷の原因となる鉄筋表面のアノード反応を停止させる電気防食工法が知られている。しかし、このような電気防食工法では、継続的な電位等の測定など共用期間中の維持管理が必要であり、ランニングコストが嵩むという問題があった。
また、コンクリート表面に電解質を介して外部電極を設置し、コンクリート中の鋼材を陰極とし直流電流を流し、塩分を電気泳動によってコンクリート中から外部電極側へ排出する脱塩工法も知られている。しかし、従来の脱塩工法は、鋼材近傍と鋼材間の内部コンクリートでは、脱塩効果が著しく違い、コンクリート構造物を均一に脱塩することができないという問題があった。
さらに、コンクリート深部まで削孔した上、亜硝酸リチウムを主成分としたASR抑制剤を劣化範囲に圧入し、ASR(アルカリシリカ反応)による骨材膨張を抑制するASR抑制工法が知られている。しかし、構造物に削孔して亜硝酸リチウムを圧入しても、溶液の浸透状況が不明であり、防食効果が得られる範囲が不明確であるという問題があった。
この種の防食工法としては、特許文献1に、亜硝酸イオンの含有量が5質量%以上の水溶液に増粘剤を混和してなる粘度5000mPa・s以上100000mPa・s以下のゲル状物質を、鉄筋コンクリート構造物の表面に100g/m2以上3000g/m2以下の塗布量で塗布する鉄筋コンクリート構造物の保全工法が開示されている(特許文献1の請求項1、明細書の段落[0011]〜[0035]等参照)。しかし、特許文献1に記載の鉄筋コンクリート構造物の保全工法は、鉄筋コンクリート構造物の片面の鉄筋位置まで程度しか亜硝酸イオンが浸透せず、塗布した反対面側の鉄筋に防錆効果が及ばないという問題があった。また、特許文献1に記載の鉄筋コンクリート構造物の保全工法は、水セメント比55%程度の鉄筋コンクリート構造物には適用できるものの(特許文献1の段落[0018]等参照)、PC構造物のような水セメント比が30〜35%程度の高強度のコンクリート構造物には、真空ポンプや超音波を用いても亜硝酸イオンを浸透させることができないという問題もあった。
また、特許文献2には、塩素含有物混合溶液中に投入した金属材料を外部電極とし、該塩素含有物混合溶液に接するコンクリート内部の鋼材を内部電極とし、外部電極と内部電極間に電流を流すことを特徴とする塩素含有物混合溶液に接する面のコンクリートの脱塩工法が開示されている(特許文献2の請求項1、明細書の段落[0011]〜[0016]等参照)。しかし、前述のように、特許文献2記載の従来のコンクリートの脱塩工法は、鋼材近傍と鋼材間の内部コンクリートでは、脱塩効果が著しく違い、コンクリート構造物を均一に脱塩することができないという問題があった。
さらに、特許文献3には、アルカリ骨材反応(ASR)を起こしたコンクリート構造物に対して、亜硝酸リチウムと、ひび割れ追従性のあるエポキシ樹脂注入材を組み合わせてひび割れ閉塞とASRを抑止することを特徴とするコンクリート構造物の補修方法が開示されている(特許文献3の請求項1、明細書の段落[0013]〜[0017]、図面の図2等参照)。しかし、特許文献3に記載のコンクリート構造物の補修方法は、PC桁などの高強度のコンクリートからなるコンクリート構造物では、リチウムイオンが所望の深さまで浸透しないという問題があった。
それに加え、これらの特許文献1〜3に記載の防食工法では、鉄筋間の内部のコンクリート部分に、インヒビターが浸透しなかったり、塩化物イオンが残留したりするおそれがあり、鉄筋コンクリート構造物全体の劣化を抑制することができないという問題があった。また、特許文献1〜3に記載の防食工法は、塩害、中性化、アルカリシリカ反応の諸問題を同時に解決できるものでもなかった。
また、鉄筋コンクリート構造物の表裏のそれぞれの外部にインヒビターを接触させた上、外部電極を設け、これらの外部電極間に直流電圧をかけ、鉄筋コンクリート構造物全体にインヒビターを浸透させる防食工法も考えられる。しかし、鉄筋(鋼材)に流入した電流が鉄筋(鋼材)から流出する際に、逆に電気化学作用により腐食(電食)してしまうという問題が発生する。
特開2017−210815号公報 特開平8−34681号公報 特開2016−56607号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、コンクリート構造物の内部にもインヒビターを浸透させて、塩害、中性化、ASRのいずれによる劣化も抑制することができるコンクリート構造物の防食工法を提供することにある。
請求項1に係るコンクリート構造物の防食工法は、コンクリート構造物中の鋼材の腐食を抑制するインヒビターを含有する溶液を電気化学的に浸透させて防食するコンクリート構造物の防食工法であって、前記インヒビターを含有する溶液を前記コンクリート構造物の両側に接触させるとともに、直流電源を有し、前記コンクリート構造物の外部に設置された電極から電圧を印加して前記コンクリート構造物を貫通するように直流電流を流す第1の回路を設けるとともに、前記直流電源とは別の直流電源を有し、前記インヒビターを含有する溶液に浸漬され、前記第1の回路とは別に設けられた電極と、前記鋼材と、を繋ぐ回路からなり、前記鋼材から流出する電流を抑制する方向に電圧を印加する第2の回路を設け、前記インヒビターを電気化学的に浸透させて防食することを特徴とする。
請求項に係るコンクリート構造物の防食工法は、請求項に係るコンクリート構造物の防食工法において、前記第1の回路及び第2の回路を流れる電流を可変抵抗器で調整することを特徴とする。
請求項3に係るコンクリート構造物の防食工法は、請求項1又は2に係るコンクリート構造物の防食工法において、前記第2の回路は、前記第1の回路の正極側の前記コンクリート構造物の外部に前記第1の回路とは別に設けられた電極と、前記鋼材と、を繋ぐ回路であることを特徴とする。
請求項4に係るコンクリート構造物の防食工法は、請求項1又は2に係るコンクリート構造物の防食工法において、前記第2の回路は、前記第1の回路の負極側の前記コンクリート構造物の外部に前記第1の回路とは別に設けられた電極と、前記鋼材と、を繋ぐ回路であることを特徴とする。
請求項に係るコンクリート構造物の防食工法は、請求項1ないしのいずれかに記載のコンクリート構造物の防食工法において、前記インヒビターを含有する溶液には、亜硝酸イオンが含まれることを特徴とする。
請求項に係るコンクリート構造物の防食工法は、請求項1ないしのいずれかに記載のコンクリート構造物の防食工法において、前記インヒビターを含有する溶液には、リチウムイオンが含まれることを特徴とする。
請求項に係るコンクリート構造物の防食工法は、請求項又はに記載のコンクリート構造物の防食工法において、前記インヒビターとして、前記コンクリート構造物の印加される電圧の負極側に亜硝酸イオンを含有する溶液を接触させ、正極側にリチウムイオンを含有する溶液を接触させることを特徴とする。
請求項に係るコンクリート構造物の防食工法は、請求項1ないしのいずれかに記載のコンクリート構造物の防食工法において、前記コンクリート構造物中の塩化物イオンを前記コンクリート構造物の外部に設けた電極に移動させることを特徴とする。
請求項1〜に係る発明によれば、インヒビターを含有する溶液をコンクリート構造物の両側に接触させるとともに、コンクリート構造物の外部に設置された電極から電圧を印加してコンクリート構造物を貫通するように直流電流を流す第1の回路を設け、インヒビターを電気化学的に浸透させて防食するので、コンクリート構造物の鋼材間の内部にもインヒビターを浸透させて、塩害、中性化、ASRのいずれによる劣化も抑制することができる。
また、請求項1〜8に係る発明によれば、電圧を印加して前記鋼材から流出する電流を抑制するので、鋼材から電流が流出する際に鋼材の電気流出側の側面が電食するのを効果的に防止することができる。
特に、請求項によれば、第1の回路及び第2の回路を流れる電流を可変抵抗器で調整するので、電流を調整でき、コンクリート構造物の内部まで塩害、中性化、ASRのいずれによる劣化もさらに効果的に抑制することができる。
特に、請求項及び請求項に係る発明によれば、インヒビターを含有する溶液には、亜硝酸イオンが含まれるので、コンクリート構造物中の鋼材に亜硝酸イオンを浸透させて、鋼材が腐食することを防止することができる。
特に、請求項及び請求項に係る発明によれば、インヒビターを含有する溶液には、リチウムイオンが含まれるので、コンクリート構造物の内部までリチウムイオンを浸透させてアルカリシリカ反応により骨材が膨張することを防止することができる。
特に、請求項に係る発明によれば、電気泳動によりコンクリート構造物の内部の塩化物イオンをコンクリート構造物の外部に排除することができる。
本発明の第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法を説明するための説明図である。 本発明を箱桁橋の下床版に適用した場合を示す斜視図であり、(a)が下床版の上部を示す見下げ斜視図、(b)が下床版の下部を示す見上げ斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法を説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法を説明するための説明図である。 本発明の第4実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法を説明するための説明図である。 試験体寸法を示す断面図である。 電気回路を模式的に示す断面図である。 試料採取位置を示す平面図である。 陰極側表面からの距離(深さ)毎の亜硝酸イオンの分布を示すグラフである。 陰極側表面からの距離(深さ)毎のリチウムイオンの分布を示すグラフである。 陰極側表面からの距離(深さ)毎の可溶性の塩化物イオンの分布を示すグラフである。 陰極側表面からの距離(深さ)毎の全塩分の塩化物イオンの分布を示すグラフである。 試験体の各地点における鉄筋(鋼材)の電位の通電時間(日)毎の推移を示すグラフである。 試験体の各地点における鉄筋(鋼材)に流入する電流値の通電時間(日)毎の推移を示すグラフである。 コア削孔部における陰極側表面からの距離(深さ)毎の亜硝酸イオンと塩化物イオンとのモル比を示すグラフである。 コア削孔部における陰極側表面からの距離(深さ)毎のリチウムイオンとアルカリ金属イオンとのモル比を示すグラフである。 コア削孔部における陰極側表面からの距離(深さ)毎の可溶性塩化物イオンの除去率を示すグラフである。
以下、本発明に係るコンクリート構造物の防食工法の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<コンクリート構造物の防食工法>
[第1実施形態]
先ず、図1、図2を用いて、本発明の第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法を説明するための説明図である。また、図2は、コンクリート構造物として例示する箱桁橋を示す斜視図である。
図1に示すように、鉄筋コンクリート構造物であるコンクリートスラブCの防食を行う場合で説明する。このコンクリートスラブCは、具体的には、図2に示すように、箱桁橋の下床版等を想定している。このコンクリートスラブCは、内部補強のための鋼材として上下2段に鉄筋Sが配筋された2段配筋のコンクリート構造物である。本実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法は、このコンクリート構造物であるコンクリートスラブCに、インヒビターを電気化学的に浸透させて防食するコンクリート構造物の防食工法である。
先ず、本実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法では、コンクリートスラブCの上面に、インヒビターとして亜硝酸イオンを含有する亜硝酸リチウム溶液L1(LiNO2溶液(Li++NO2 -))を接触させる。そして、コンクリートスラブCの下面に、前述のインヒビターとは異種のインヒビターとしてリチウムイオンを含有する水酸化リチウム溶液L2(LiOH(Li++OH-))を接触させる。
コンクリートスラブCの下面にインヒビターを接触させる具体的な方法としては、インヒビターを含有する電解質溶液をセルロースファイバーなどの溶液保持材に含浸させて当接する方法や、アクリル製のパネル槽などの容器に電解質溶液を溜めて接触させる方法など、が考えられる。勿論、溶液保持材は、セルロースファイバーに限られず、多孔質で柔軟性のある気泡性(発泡性)プラスチックや不織布、有機ファイバーなどとすることもできる。
次に、本実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法では、コンクリートスラブCの上方に亜硝酸リチウム溶液L1に浸漬した負極(電極)E1を設けるとともに、コンクリートスラブCの下方に水酸化リチウム溶液L2に浸漬した正極(電極)E2を設ける。なお、正極(電極)E2は、コンクリートスラブCの下面に取り付けた複数の桟木に架け渡して設置する。
そして、負極(電極)E1と正極(電極)E2間を電気的に接続してインヒビターをコンクリートスラブCへ浸透させるための浸透回路として第1の回路C1を設け、バッテリー等の直流電源V1を用いて直流電圧を印加し、図1の矢印方向に電流が流れるように通電する。即ち、負極(電極)E1は、電位の低い負極E1(カソード:陰極)となり、正極(電極)E2は、電位の高い正極E2(アノード:陽極)となる。
なお、直流電源V1で印加する電圧は、5〜60V、第1の回路C1のコンクリート表面積あたりの浸透電流密度を0.1〜1.0A/m2、鉄筋電位を−800mV(vs.MMO)程度に抑えることが好ましい。過大な電流密度を与えると鉄筋周囲のコンクリートが脆化し、付着力が低下するおそれがあるからである。
直流電圧を印加すると、コンクリートスラブCの上面からマイナスイオン(陰イオン)である亜硝酸イオン(NO2 -)が図の矢印方向に電気泳動して正極E2まで浸透する。つまり、内部コンクリートCiを含めコンクリートスラブCの正極E2側端面まで亜硝酸イオン(NO2 -)を到達させることができる。それとともに、コンクリートスラブCの下面からプラスイオン(陽イオン)であるリチウムイオン(Li+)が電気泳動して内部コンクリートCiを含めコンクリートスラブCの負極E1側端面まで浸透する。
それに加え、コンクリートスラブC内に塩化物イオン(Cl-)が存在する場合は、この塩化物イオン(Cl-)が、正極E2まで引き寄せられてコンクリートスラブCの外部となる水酸化リチウム溶液L2まで電気泳動して溶け出すこととなる。このため、内部コンクリートCiを含めコンクリートスラブCの正極E2側端面まで脱塩することができる。
第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法によれば、コンクリートスラブCの下段の鉄筋Sを含む鉄筋S全体にインヒビターである亜硝酸イオン(NO2 -)を浸透させて行き渡らせることができる。このため、亜硝酸イオン(NO2−)の働きにより、失われた鉄筋Sの不動態被膜であるFe23を再生し、鉄筋Sの腐食を抑制することができる。よって、塩害及び中性化の問題を解決することができる。
また、第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法によれば、内部コンクリートCiを含めコンクリートスラブCの正極E2側端面までインヒビターであるリチウムイオン(Li+)を浸透させることができる。このため、膨張性骨材であるアルカリシリカゲル(Na2O・nSiO2)のNaがLiとイオン交換されて、アルカリシリカゲル(Li2O・nSiO2)となり、ゲルの吸水膨張を抑制することができる。よって、ASR(アルカリシリカ反応)対策となる。
それに加え、本防食工法によれば、コンクリートスラブC内に塩化物イオン(Cl-)が存在する場合でも、第1の回路C1に印加された直流電圧で塩化物イオン(Cl-)をコンクリートスラブCの外部に排出して脱塩することができる。
つまり、第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法によれば、コンクリート構造物であるコンクリートスラブCの内部にもインヒビターを浸透させて、塩害、中性化、ASRのいずれによる劣化も抑制することができる。
しかし、第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法のように、コンクリートスラブCの外部に設けられた負極(電極)E1と正極(電極)E2との間に電圧を印加してコンクリートスラブCを貫通するように直流電流を流すと次のような問題が発生する。つまり、図1の白抜き矢印で示す負極E1側の上段の鉄筋Sから電気が流出する際に、電気化学作用により腐食(電食)するという問題である。このため、コンクリートスラブCの上段の鉄筋Sの外周面は、電食により上面側の半面だけ錆びてしまう。この問題を解決するために、次に説明する第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法では、第2の回路C2を設けた。
[第2実施形態]
次に、図3を用いて、本発明の第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法を説明するための説明図である。第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法が、前述の第1施形態に係るコンクリート構造物の防食工法と相違する点は、前述の電食を防止する電気防食回路として第2の回路C2を設けた点だけである。そのため、第2の回路C2について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、他の説明を省略する。
図3に示すように、本発明の第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法は、第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法と同様に、第1の回路C1を設け、直流電源V1を用いて電圧を印加し、図3の矢印方向に電流が流れるように通電する。
そして、第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法では、コンクリートスラブCの負極E1側の上段の鉄筋Sから電流が流出する際に電食するのを防止する電気防食回路として第2の回路C2を設ける。具体的には、コンクリートスラブCの下方に水酸化リチウム溶液L2に浸漬した電極E3を設け、鉄筋Sに電気的に接続して第2の回路C2とする。
そして、直流電源V2を用いて図3の矢印方向に電流が流れるように電圧を印加する。即ち、直流電源V2では、電極E3を正極とし、鉄筋Sを負極とする。これにより、電流が流出するのを停止することができる。直流電源V2で印加する電圧は、12.5V程度とし、第1の回路C1の浸透電流密度が0.3mA/m2又は0.5mA/m2の場合、第2の回路C2の防食電流密度が4.4A/m2であれば防食は完全であるため好ましい。
また、本工法による効果をモニタリングする方法としては、コンクリートスラブC中において、代表点となる鉄筋S(鋼材)の近傍に埋込み型の照合電極を設置し、鉄筋Sの電位を定期的に測定することが考えられる。1回路に照合電極は、1〜2個程度設ける必要がある。そして、測定した鉄筋Sの電位から、所定の電位となるように直流電源V2等を用いて電流密度を調整する。
具体的には、第1の回路C1に電圧を印加した状態で防食電流密度を決定する場合、第1の回路C1(浸透回路)の正極E2側の鉄筋Sの表面は、還元反応(カソード反応)を生じているので、その部位の鉄筋Sの電位は、マイナスな値(-0.4〜-1.2V(vsMnO2))を示す。自然電位は、-0.2V(vsMnO2)程度なので、電位変化量は、マイナス側に0.1V以上となり、防食基準を満足する。
一方、第1の回路C1(浸透回路)の負極E1側の鉄筋Sの表面は、酸化反応(アノード反応)を生じているので、鉄筋Sの電位は、プラスな値(0.2〜1.0V(vsMnO2))を示す。自然電位は、-0.2V(vsMnO2)程度なので、電位変化は、プラス側となり、防食基準を満足せず、電食していること示す。
したがって、第1の回路C1に電圧を印加した状態で防食電流密度を決定する場合、第1の回路C1(浸透回路)の負極E1側の鉄筋Sの電位を測定して防食基準(電位変化量:自然電位からマイナス側へ0.1V以上)を満足する防食電流密度に調整する必要がある。
本発明の第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法によれば、前述の作用効果に加え、電気防食回路として第2の回路C2を設けるので、上段の鉄筋SからコンクリートスラブCの上面に抜ける電流を停止することができる。このため、鉄筋Sか上段の鉄筋Sの負極E1側の半面が電食するのを停止することができる。
つまり、第1の回路C1によりコンクリートをイオン伝導で流れる電流は、鉄筋Sに流入し、第2の回路C2に電子伝導で流れる。このイオン伝導から電子伝導に変化する境界面で、電気化学反応が生じる。ここで、イオン伝導から電子伝導に変化する場合は、境界面でいわゆる防食する電気化学反応が生じる。つまり、鉄筋Sの内部から電子を受け取り、コンクリートに放出する反応であり、酸素還元反応(1/2O2+H2O+2e-→2OH-)である。このように、鉄筋Sの近傍でOH-が生成することから、pHが上昇して不動態化、再アルカリ化に寄与することとなる。
[第3実施形態]
次に、図4を用いて、本発明の第3実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法について説明する。図4は、本発明の第3実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法を説明するための説明図である。第3実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法が、前述の第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法と相違する点は、前述の電食を防止する電気防食回路として前述の第2の回路C2の代わりに第2の回路C2’を設けた点だけである。そのため、第2の回路C2’について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、他の説明を省略する。
図4に示すように、本発明の第3実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法は、第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法と同様に、第1の回路C1を設け、直流電源V1を用いて電圧を印加し、図4の矢印方向に電流が流れるように通電する。
そして、第3実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法では、コンクリートスラブCの負極E1側の上段の鉄筋Sから電流が流出する際に電食するのを防止する電気防食回路として第2の回路C2’を設ける。具体的には、コンクリートスラブCの上方に亜硝酸リチウム溶液L1に浸漬した負極(電極)E3’を設け、鉄筋Sに電気的に接続して第2の回路C2’とする。
そして、直流電源V2’を用いて図4の矢印方向に電流が流れるように電圧を印加する。即ち、直流電源V2’では、負極(電極)E3’を正極とし、鉄筋Sを負極とする。これにより、負極E1側の上段の鉄筋SからコンクリートスラブCの上面に抜ける電流を第2の回路C2’を通じて迂回させて負極(電極)E3’へ流すことができる。このため、上段の鉄筋Sから電流が流出する際の電食を確実に防止することができる。
本発明の第3実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法によれば、電気防食回路として第2の回路C2’を設ける。このため、前述の作用効果に加え、上段の鉄筋SからコンクリートスラブCの上面に抜ける電流をバイパス電流として第2の回路C2’を通じで負極(電極)E3’へ迂回させて流すことができる。よって、上段の鉄筋Sの負極E1側の半面が電食するのを確実に停止することができる。
[第4実施形態]
次に、図5を用いて、本発明の第4実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法について説明する。図5は、本発明の第4実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法を説明するための説明図である。第4実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法が、前述の第3施形態に係るコンクリート構造物の防食工法と相違する点は、前述の第2の回路C2’から直流電源V2’を取り外して接続し、第2の回路C2”とした点等である。そのため、第2の回路C2”について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、他の説明を省略する。
図5に示すように、本発明の第4実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法は、第1実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法と同様に、第1の回路C1を設け、直流電源V1を用いて電圧を印加し、図5の矢印方向に電流が流れるように通電する。
そして、第4実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法では、コンクリートスラブCの負極E1側の上段の鉄筋Sから電流が流出する際に電食するのを防止する電気防食回路として第2の回路C2”を設ける。具体的には、コンクリートスラブCの上方に亜硝酸リチウム溶液L1に浸漬した負極(電極)E3’を設け、鉄筋Sに電気的に接続して第2の回路C2”とする。第2の回路C2”には、第2の回路C2’と相違して直流電源V2’は設けない。
上段の鉄筋SからコンクリートスラブCの上面に電流が抜けるには、コンクリート部分を抜けなければならないため電気抵抗が極めて高くなる。このため、直流電源V2’を設けなくても、負極(電極)E3’と鉄筋Sを電気的に接続するだけでバイパス電流が第2の回路C2”に流れると考えられる。
なお、図5に示すように、防食回路である第2の回路C2を流れる電流を可変抵抗器Vr(図5参照)で調整すると好ましい。可変抵抗器Vrで調整することにより、防食電流密度及び浸透電流等を調整することが可能となり、防食負極E1側の上段の鉄筋Sから電流が流出するのを確実に停止することができるからである。
つまり、正極E2からコンクリートにイオン伝導で流入した電流の一部は、鉄筋Sに流入し、その後、第2の回路C2”へ電子伝導で流れ、負極E3’から負極E1へはイオン伝導で流れる。また、コンクリートに流入した電流の残りは、浸透電流としてイオン伝導によりコンクリートへ流れ、負極E1まで到達する。ここで、可変抵抗器Vrで第2の回路C2”の抵抗を変えることで第2の回路C2”の防食電流だけでなく、イオン伝導による浸透電流も調整することが可能となる。
ここで、コンクリートをイオン伝導で流れる電流は、鉄筋Sに流入し、電子伝導で流れる。このイオン伝導から電子伝導に変化する境界面では、電気化学反応が生じる。イオン伝導から電子伝導に変化する場合は、前述のように、境界面でいわゆる防食する電気化学反応が生じる。逆に、電子伝導からイオン伝導に変化する場合は、境界面でいわゆる電食する電気化学反応が生じる。つまり、鉄筋内部に電子を放出する反応であり、酸化反応(アノード反応)である。なお、前述の鉄筋Sに流入して、第2の回路C2”へ電子伝導で流れ、負極E3’から負極E1へはイオン伝導で流れる電流をバイパス電流と呼ぶ。
本発明の第4実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法によれば、前述の作用効果に加え、鉄筋Sに流入して、イオン伝導によりコンクリートへ流れ、負極E1まで到達する電流がない場合、上段の鉄筋Sの負極E1側の半面が電食するのを確実に停止することができる。それに加え、直流電源V2’が必要ないため、その分防食工事にかかるコストを削減することができる。一方、鉄筋Sに流入して、イオン伝導によりコンクリートへ流れ、負極E1まで到達する電流がある場合、可変抵抗器Vrで第2の回路C2”を流れる電流を調整することにより、上段の鉄筋Sの負極E1側の半面が電食するのを確実に停止することができる。
以上、本発明の実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、不働態被膜を再生するインヒビターとして亜硝酸イオンを含有する亜硝酸リチウム溶液を例示し、ASR(アルカリシリカ反応)を抑制するインヒビターとしてリチウムイオンを含有する水酸化リチウム溶液を例示した。しかし、インヒビターはこれらに限られず、種々のインヒビターを本発明に適用することができる。
例えば、アミン、SH基、OH基を有する有機化合物、アゾ化合物などの貴食金属表面に吸着することにより腐食の反応を低下させて腐食速度を下げる吸着型インヒビターを用いることができる。
また、カルシウム塩系、重炭酸塩系、重合リン酸塩系、亜鉛塩系、ホスホン酸塩系などの溶出した金属イオン等と結合して難溶性の厚い皮膜を形成し、腐食進行を抑制する沈殿皮膜型インヒビターを用いることができる。
さらに、CrO4 2-、NO2 -、MoO4 2-、WO4 2-などの塩類を主とする不働態化の臨界電流密度を超えられる還元力を持つ不働態化型インヒビターを用いることができる。
<効果確認実験>
次に、図6〜図17を用いて、本発明の効果を確認するために行った検証実験について説明する。
(試験体)
試験体寸法は、図6に示すように、300mm×300mm×150mmのコンクリートスラブを通電有と通電無用に2体作成した。使用したコンクリートは、設計強度が40N/mm2、水セメント比がW/C=60%、材齢24日のコンクリートを使用し、鉄筋は、D16(SD345)L=300mm+余長を5本使用した。また、コンクリートには、塩化物イオンを6kg/m3混入して作成した。
(電気回路及びインヒビター)
防食工法に用いる電気回路としては、図7に示すように、前述の第2実施形態に係るコンクリート構造物の防食工法で説明したものと同等の物を使用した。つまり、インヒビターとして陽極(+)側に水酸化リチウム溶液、陰極(−)側に亜硝酸リチウム溶液を使用した。
また、電極には、メッシュ状のチタンを使用し、浸透回路(第1の回路)のコンクリート表面積あたりの電流密度を0.5mA/m2とし、防食回路(第2の回路)のコンクリート表面積あたりの電流密度を4.4mA/m2とした。通電期間は、120日までとした。
(測定項目)
(1)イオン測定
亜硝酸イオン、リチウムイオン、塩化物イオンの各イオンを深さ20mm毎に測定した。
(2)鉄筋の腐食状況
コア抜きを行って鉄筋の腐食状況目視により観察した。試料の採取位置は、図8に示す大きな●の位置において目視観察用及びイオン分析用のコア孔を削孔し、小さな●の位置においてイオン分析用のドリル孔を削孔した。
(3)鉄筋の電位及び電流
鉄筋に沿って埋設した照合電極を用いて鉄筋の電位及び鉄筋に流入する電流を測定した。
(試験結果)
図9は、陰極側表面からの距離(深さ)毎の亜硝酸イオンの分布を示すグラフであり、図10は、陰極側表面からの距離(深さ)毎のリチウムイオンの分布を示すグラフである。コア削孔位置における亜硝酸イオン及びリチウムイオンの浸透状況は図9、図10に示す通りとなった。
図11は、陰極側表面からの距離(深さ)毎の可溶性の塩化物イオンの分布を示すグラフであり、図12は、陰極側表面からの距離(深さ)毎の全塩分の塩化物イオンの分布を示すグラフである。コア削孔位置における塩化物イオンの分布状況は図11、図12に示す通りとなった。
コア削孔により採取した試料を目視により観察したところ、陰極側の鉄筋接触面のコンクリートに変色が確認された。これは、通電に伴うアルカリの集積あるいは電極反応によって水酸化物イオンが陰極において生成した影響と考えられる。また、陽極側のコンクリートも変色が確認されたが、その度合は陰極側よりも小さかった。
図13は、試験体の各地点における鉄筋(鋼材)の電位の通電時間(日)毎の推移を示すグラフであり、図14は、試験体の各地点における鉄筋(鋼材)に流入する電流値の通電時間(日)毎の推移を示すグラフである。鉄筋の電位及び鉄筋に流入する電流は、図13、図14に示す通りとなった。
(各種イオンの浸透への考察)
図15は、コア削孔部における陰極側表面からの距離(深さ)毎の亜硝酸イオンと塩化物イオンとのモル比を示すグラフである。図15に示すように、通電有では、0〜150mmの全ての深さにおいて亜硝酸イオンと塩化物イオンとのモル比が1以上であった。亜硝酸塩による鉄筋(鋼材)の防錆効果はコンクリートに含有される亜硝酸イオンと塩化物イオンとのモル比により決まり、その値は0.6〜1程度であるとされている。これらを勘案すると、通電有では試験体全域において防錆効果が認められると結論付けられる。
図16は、コア削孔部における陰極側表面からの距離(深さ)毎のリチウムイオンとアルカリ金属イオンとのモル比を示すグラフである。図16に示すように、通電有では、20mm〜60mmの区間を除いて、リチウムイオンとアルカリ金属イオンとのモル比が1以上であった。また、反応性骨材を使用して作成したモルタルバー供試体に亜硝酸リチウムを添加する場合、ASR膨張抑制効果を得るために必要となる亜硝酸リチウムの量は、Li/Naモル比で0.4以上であると知られている。これらを勘案すると通電有では、20mm〜60mmの区間を除く領域でASR膨張抑制効果があると判断できる。
図17は、コア削孔部における陰極側表面からの距離(深さ)毎の可溶性塩化物イオンの除去率を示すグラフである。通電有試験体の可溶性塩化物イオンの量は、ドリル孔及びコア孔において、0.8kg/m3、0.5kg/m3となり、脱塩率はどちらも90%程度となった。図17からも明らかなように、本発明を適用してコンクリート構造物を挟んでその外部に2つの電極を設けて通電する方法は、従来の脱塩工法よりも脱塩効率に優れていると考えられる。
以上の試験結果より、本発明は、コンクリート構造物の内部にもインヒビターを浸透させて、塩害、中性化、ASRのいずれによる劣化も抑制することができると結論付けできる。
C:コンクリートスラブ(コンクリート構造物)
Ci:内部コンクリート
S:鉄筋(鋼材)
C1:第1の回路(浸透回路)
C2,C2’,C2”:第2の回路(防食回路)
E1:負極:陰極(電極)
E2:正極:陽極(電極)
E3,E3’:電極
V1,V2、V2’:直流電源
Vr:可変抵抗器
L1:亜硝酸リチウム溶液(亜硝酸イオン含有溶液)
L2:水酸化リチウム溶液(リチウムイオン含有溶液)

Claims (8)

  1. コンクリート構造物中の鋼材の腐食を抑制するインヒビターを含有する溶液を電気化学的に浸透させて防食するコンクリート構造物の防食工法であって、
    前記インヒビターを含有する溶液を前記コンクリート構造物の両側に接触させるとともに、直流電源を有し、前記コンクリート構造物の外部に設置された電極から電圧を印加して前記コンクリート構造物を貫通するように直流電流を流す第1の回路を設けるとともに、
    前記直流電源とは別の直流電源を有し、前記インヒビターを含有する溶液に浸漬され、前記第1の回路とは別に設けられた電極と、前記鋼材と、を繋ぐ回路からなり、前記鋼材から流出する電流を抑制する方向に電圧を印加する第2の回路を設け、前記インヒビターを電気化学的に浸透させて防食すること
    を特徴とするコンクリート構造物の防食工法。
  2. 前記第1の回路及び第2の回路を流れる電流を可変抵抗器で調整すること
    を特徴とする請求項に記載のコンクリート構造物の防食工法。
  3. 前記第2の回路は、前記第1の回路の正極側の前記コンクリート構造物の外部に前記第1の回路とは別に設けられた電極と、前記鋼材と、を繋ぐ回路であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の防食工法。
  4. 前記第2の回路は、前記第1の回路の負極側の前記コンクリート構造物の外部に前記第1の回路とは別に設けられた電極と、前記鋼材と、を繋ぐ回路であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の防食工法。
  5. 前記インヒビターを含有する溶液には、亜硝酸イオンが含まれること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコンクリート構造物の防食工法。
  6. 前記インヒビターを含有する溶液には、リチウムイオンが含まれること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコンクリート構造物の防食工法。
  7. 前記インヒビターとして、前記コンクリート構造物の印加される電圧の負極側に亜硝酸イオンを含有する溶液を接触させ、正極側にリチウムイオンを含有する溶液を接触させること
    を特徴とする請求項5又は6に記載のコンクリート構造物の防食工法。
  8. 前記コンクリート構造物中の塩化物イオンを前記コンクリート構造物の外部に設けた電極に移動させること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のコンクリート構造物の防食工法。
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