JP6622069B2 - 遮蔽作業室を有する装置及びその使用方法 - Google Patents

遮蔽作業室を有する装置及びその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、遮蔽作業室を有する装置及びその使用方法に関するものであり、特にアイソレーター装置や安全キャビネットなどのような無菌環境や封じ込め環境を維持して作業を行う遮蔽作業室を有する装置及びその使用方法に関するものである。
清浄な雰囲気で行われる作業、例えば、半導体や電子部品の製造段階の作業、或いは、医薬品の製造段階の作業においては、外部環境から汚染物質が入り込まないように内部を無菌・無塵状態に保った清浄な作業環境で作業が行われる。かかる作業を行う作業環境が小規模な場合には、チャンバーやキャビネットなどの作業室を使用し、この作業室の外部から作業者がグローブやハーフスーツを介して作業を行う。このような作業室には、無菌アイソレーター、無菌キャビネット、及び、無菌RABS(アクセス制限バリアシステム)などがある。
一方、人体に影響を及ぼす物質を取り扱う作業、例えば、医薬品の製造段階の作業、医学や生物学の分野において毒性の強い微生物を取り扱う作業、或いは、放射性物質を取り扱う作業などにおいては、人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等の汚染から作業者を保護し、また、これらの人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等が作業環境から外部環境に漏洩することを防止する必要がある。かかる作業においても、外部環境から遮蔽されたチャンバーやキャビネットなどの作業室を使用し、この作業室の外部から作業者がグローブやハーフスーツを介して作業を行う。このような作業室には、封じ込めアイソレーター、安全キャビネット、及び、封じ込めRABS(アクセス制限バリアシステム)などがある。
特に厳格な無菌環境や封じ込め環境を維持できるアイソレーター装置は、作業者が作業を行う外部環境とは気密的に遮蔽されており、また、外部の空気をフィルタで清浄化してチャンバー内に供給すると共にチャンバー内の空気をフィルタで清浄化して外部に排気する。従って、このようなアイソレーター装置は、基本的には無菌アイソレーターとしても封じ込めアイソレーターとしても使用できる。
また、アイソレーター装置を使用する場合には、目的に応じてチャンバー内の空気圧を調整することにより更に安全性を向上することができる。すなわち、無菌アイソレーターとして使用するときには、チャンバー内を外部の空気圧より高圧(以下、陽圧という)として、仮にチャンバーからの漏洩が生じた場合にも空気はチャンバー側から外部へ流れるため、外部から浮遊菌等がチャンバー内に侵入しないようにしている。
一方、封じ込めアイソレーターとして使用するときには、チャンバー内を外部の空気圧より低圧(以下、陰圧という)として使用することにより、仮にチャンバーからの漏洩が生じた場合にも空気は外部からチャンバー内へ流れるため、チャンバー内の化学物質等が外部環境を汚染することがないようにしている。
通常のアイソレーター装置(以下「従来型アイソレーター装置」という)は、ステンレス製金属板で構成されたチャンバーからなり、このチャンバーには、外部からチャンバー内を視認できるガラス窓、作業者が作業を行うグローブ、及び、チャンバー内への機器の搬入やメンテナンスを行うための開閉扉などが設けられている。このように、従来型アイソレーター装置は、無菌アイソレーターの場合であっても、封じ込めアイソレーターの場合であっても、従来型アイソレーター装置のチャンバーを気密的に完璧に外部環境と遮蔽する必要があり、非常に大掛かりで高価な装置となる。また、アイソレーター装置よりも簡易型の無菌キャビネットや安全キャビネットにおいても、キャビネットを外部環境と遮蔽する必要があり、高価な装置となる。
更に、従来型アイソレーター装置は、無菌環境で使用する場合には使用前に必ず内部を除染する必要があり、厳密な洗浄プロセス(洗浄バリデーション)が要求される。また、封じ込め環境で使用する場合には使用後に必ず内部を除染する必要があり、厳密な洗浄プロセス(洗浄バリデーション)が要求される。このように、厳密な無菌環境の確保、或いは、完璧な封じ込めを行うためには、精巧で高価な従来型アイソレーター装置を使用し、その内部の除染には煩雑な洗浄バリデーションが要求される。また、アイソレーター装置よりも簡易型の無菌キャビネットや安全キャビネットにおいても、同様の煩雑な洗浄バリデーションが要求される。
そこで、チャンバー内の無菌環境或いは封じ込め環境を維持しながら、製造が簡単な安価な装置であって、且つ、煩雑な洗浄バリデーションを必要としない使い捨てのフレキシブルアイソレーターが提案されている。例えば、下記特許文献1においては、ステンレス製金属板で構成されたチャンバーに替えて、透明な樹脂などの可撓性材料から形成されたバッグからなる半球状の使い捨てアイソレーターが提案されている。
また、下記非特許文献1及び非特許文献2においては、いずれも、作業用グローブやバグイン・バグアウトポートを備えた透明な樹脂製のフレキシブルチャンバーをステンレスフレームに固定したフレキシブルアイソレーター(フレキシブルエンクロージャーともいう)が提案されている。これらのフレキシブルアイソレーターにおいては、使用後のフレキシブルチャンバーをそのまま廃棄して使い捨てできるので、煩雑な洗浄バリデーションを必要としない。
特表2012−519599号公報
フレキシブルアイソレーター(大河原製作所) http://www.okawara.co.jp/mfg/product/isolator.html FLEXIBLE ENCLOSURES(ILC DOVER) http://ilcdover.com/products/flexible-enclosures
ところで、上記特許文献1の使い捨てアイソレーター、及び、上記非特許文献1及び非特許文献2のフレキシブルアイソレーターにおいては、確かに従来型アイソレーター装置よりも低コストで製造することができる。また、1回毎に使い捨てできるので、煩雑な洗浄バリデーションを必要としない。しかし、上記特許文献1の使い捨てアイソレーターは、常にHEPA濾過空気或いは不活性ガスを内部に供給しなければ形状を維持することができない。従って、内部は常に陽圧状態にあり無菌アイソレーターとしては使用できるが、封じ込めアイソレーターとして使用することはできないという問題があった。
一方、上記非特許文献1及び非特許文献2のフレキシブルアイソレーターは、ステンレスフレームに固定されているので形状を維持し易く、陽圧状態に加え若干の陰圧状態にも使用することができる。しかし、陰圧状態においてはチャンバーが収縮するので内部圧力制御が難しくHEPA濾過空気によるチャンバー内の換気量が極端に少なくなる。従って、無菌アイソレーターとしては使用できるが、封じ込めアイソレーターとしての使用は難しいという問題があった。
更に、上記特許文献1の使い捨てアイソレーター、及び、上記非特許文献1及び非特許文献2のフレキシブルアイソレーターにおいては、チャンバーが樹脂などの可撓性材料でできているので、形状が不安定で破れる恐れがあり無菌環境或いは封じ込め環境を確実に維持することが難しいという問題があった。また、チャンバーを構成する可撓性材料は、ステンレス製金属板よりも安価であるとはいえ、所定の形状に成型する必要もあり、使い捨てするにはコストがかかる。すなわち、従来型アイソレーター装置に対して設備費としての初期投資は、ステンレスフレームだけであり安価である。しかし、チャンバーを1回毎に使い捨てなければならず、ランニングコストが大きくなるという問題があった。
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、使い捨てのフレキシブルアイソレーターよりも更に製造が簡単でランニングコストが低く、煩雑な洗浄バリデーションを必要とせず、且つ、形状が安定しているので無菌環境或いは封じ込め環境を確実に維持することができるチャンバーやキャビネットなどの遮蔽作業室を有する装置及びその使用方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、チャンバーやキャビネットなどの作業室の形状を維持する筐体の内部に樹脂などのフィルム形成能のある材料を塗布して遮蔽性を確保し、チャンバーの使用後は、このフィルム部分のみを使い捨てることにより、本発明の目的を達成できることを見出して本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係る遮蔽作業室を有する装置は、請求項1の記載によれば、
外壁を構成する壁材(11、13、14、15、16、17)と、当該壁材の内面を被覆するフィルム層(50)とを備えた作業室(10)を有し、
前記フィルム層は、前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に対して後発的に形成されたものであって、当該フィルム層は、前記作業室の内部を外部環境から遮蔽するように形成されており、
前記作業室における作業が完了した後には、前記フィルム層を前記壁材から剥離して廃棄するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の遮蔽作業室を有する装置であって、
前記フィルム層は、フィルム形成能を有する樹脂含有塗材を前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に付与して形成したものであることを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項2に記載の遮蔽作業室を有する装置であって、
前記樹脂含有塗材は、色材を含有しており、当該樹脂含有塗材が前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に均一に付与されていることを視認できることを特徴とする。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項3に記載の遮蔽作業室を有する装置であって、
前記色材は、蛍光色素であって、前記樹脂含有塗材を付与した後の前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に紫外線を照射することにより、当該樹脂含有塗材が均一に付与されていることを視認できることを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項1〜4のいずれか1つに記載の遮蔽作業室を有する装置であって、
前記作業室は、外部から作業室の内部を視認できる窓(11b)と、外部環境にある作業者が当該作業室の内部で作業を行うグローブ(12a)とを備えるアイソレーター装置(A)の作業室(10)であって、
前記フィルム層は、前記作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように一体となって形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項5に記載の遮蔽作業室を有する装置であって、
前記フィルム層は、前記グローブの前記作業室側の表面の一部又は全部を被覆していることを特徴とする。
また、本発明は、請求項7の記載によれば、請求項5に記載の遮蔽作業室を有する装置であって、
前記グローブは、前記フィルム層の一部から形成されたものであって、前記作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように前記作業室の内部を被覆するフィルム層と一体となって形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る遮蔽作業室を有する装置の使用方法は、請求項8の記載によれば、
壁材(11、13、14、15、16、17)を組み合わせて筐体を構成した作業室(10)において、各壁材の内面及び各壁材の接続部位に、フィルム形成能を有する樹脂含有塗材を付与して当該作業室の内部にフィルム層(50)を形成し、当該作業室の内部と外部環境とを遮蔽するフィルム層形成工程と、
前記フィルム層形成工程後の作業室において、当該作業室の内部を無菌状態又は封じ込め状態に維持して、作業者が内部で作業する作業工程と、
前記作業工程後に、前記フィルム層を前記壁材から剥離して廃棄する廃棄工程とを有することを特徴とする。
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項8に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法であって、
前記フィルム層形成工程において、筐体を構成する各壁材のうち少なくとも1面或いはその一部を開放してから各壁材の内面及び各壁材の接続部位に前記樹脂含有塗材を付与し、
その後、解放した壁材を閉じてから当該壁材と他の壁材との接続部位に前記樹脂含有塗材を付与することにより、前記作業室の内部と外部環境とを遮蔽することを特徴とする。
また、本発明は、請求項10の記載によれば、請求項8に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法であって、
前記フィルム層形成工程において、
前記樹脂含有塗材に色材を含有し、当該樹脂含有塗材が前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に均一に付与されていることを視認することを特徴とする。
また、本発明は、請求項11の記載によれば、請求項10に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法であって、
前記フィルム層形成工程において、
前記色材は、蛍光色素であって、前記樹脂含有塗材を付与した後の前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に紫外線を照射することにより、当該樹脂含有塗材が均一に付与されていることを視認することを特徴とする。
また、本発明は、請求項12の記載によれば、請求項8〜11のいずれか1つに記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法であって、
前記廃棄工程において、前記作業室の内部を封じ込め状態に維持したまま、前記フィルム層の上から前記樹脂含有塗材を付与して、先のフィルム層の表面に付着した物質を次のフィルム層によって封じ込め、これら2層のフィルム層を一体として前記壁材から剥離して廃棄することを特徴とする。
また、本発明は、請求項13の記載によれば、請求項8〜12のいずれか1つに記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法であって、
前記作業室は、外部から作業室の内部を視認できる窓(11b)と、外部環境にある作業者が当該作業室の内部で作業を行うグローブ(12a)とを備えるアイソレーター装置(A)の作業室(10)であって、
前記フィルム層は、前記作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように一体となって形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、請求項14の記載によれば、請求項13に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法であって、
前記フィルム層形成工程において、
前記フィルム層が前記グローブの前記作業室側の表面の一部又は全部を被覆するように前記樹脂含有塗材を付与することを特徴とする。
また、本発明は、請求項15の記載によれば、請求項13に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法であって、
前記フィルム層形成工程において、
前記グローブが前記フィルム層の一部から形成され、前記作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように前記作業室の内部を被覆するフィルム層と一体となるように形成することを特徴とする。
上記請求項1の構成によれば、本発明に係る遮蔽作業室を有する装置は、作業室を有している。この作業室は、外壁を構成する壁材と当該壁材の内面を被覆するフィルム層とを備えている。このフィルム層は、壁材の内面及び各壁材の接続部位に対して後発的に形成されたものである。また、このフィルム層は、作業室の内部を外部環境から遮蔽するように形成されている。このように、後発的に形成したフィルム層が作業室の内部を遮蔽するので、従来の使い捨てのフレキシブルアイソレーターよりも更に製造が簡単である。また、フィルム層が各壁材の内面に成形されているので、作業室の形状が安定して無菌環境或いは封じ込め環境を確実に維持することができる。
また、作業室における作業が完了した後には、フィルム層を壁材から剥離して廃棄することができる。このように、作業室の内部のフィルム層のみを廃棄するので、煩雑な洗浄バリデーションを必要としない。更に、従来の使い捨てのフレキシブルアイソレーターよりもランニングコストが低くなる。
よって、上記請求項1の構成によれば、使い捨てのフレキシブルアイソレーターよりも更に製造が簡単でランニングコストが低い装置であって、煩雑な洗浄バリデーションを必要とせず、且つ、形状が安定しているので無菌環境或いは封じ込め環境を確実に維持することができる遮蔽作業室を有する装置を提供することができる。
また、上記請求項2の構成によれば、遮蔽作業室のフィルム層は、フィルム形成能を有する樹脂含有塗材から形成されている。この樹脂含有塗材を壁材の内面及び各壁材の接続部位に付与してフィルム層を形成する。このことにより、作業室の内部の遮蔽を簡単に構成することができる。よって、上記請求項2の構成によれば、上記請求項1と同様の効果をより具体的に発揮することができる。
また、上記請求項3の構成によれば、樹脂含有塗材は、色材を含有している。また、上記請求項4の構成によれば、この色材として蛍光色素を採用することができる。このことにより、樹脂含有塗材が壁材の内面及び各壁材の接続部位に均一に付与されていることを明瞭に視認することができ、作業室の内部を外部環境から遮蔽できることを容易に確認することができる。また、使用後に樹脂含有塗材のフィルム層を剥離する際、完全に剥離できたか否かの確認も容易となる。よって、上記請求項3又は請求項4の構成によれば、上記請求項2と同様の効果をより一層、具体的に発揮することができる。
また、上記請求項5の構成によれば、遮蔽作業室を有する装置はアイソレーター装置であって、当該作業室は、外部から作業室の内部を視認できる窓と、外部環境にある作業者が当該作業室の内部で作業を行うグローブとを備えている。また、フィルム層は、作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように一体となって形成されている。このことにより、作業室の内部をより厳密に気密的に遮蔽することができる。よって、上記請求項5の構成によれば、上記請求項1〜4と同様の効果をより一層、具体的に発揮することができる。
また、上記請求項6の構成によれば、アイソレーター装置のグローブの表面の一部又は全部は、フィルム層によって被覆されている。また、上記請求項7の構成によれば、グローブは、フィルム層の一部から形成されたものであり、フィルム層と一体となって形成されている。このことにより、グローブとフィルム層とを一体として、グローブの表面のフィルム層を、或いは、フィルム層で形成されたグローブを作業室内のフィルム層と共に廃棄することができる。よって、上記請求項6又は請求項7の構成によれば、上記請求項5と同様の効果をより一層、具体的に発揮することができる。
上記請求項8の構成によれば、本発明に係る遮蔽作業室を有する装置の使用方法は、フィルム層形成工程と作業工程と廃棄工程とを有している。フィルム層形成工程は、作業室の筐体を構成する各壁材の内面及び各壁材の接続部位にフィルム形成能を有する樹脂含有塗材を付与して作業室の内部にフィルム層を形成する。このことにより、作業室の内部を遮蔽するフィルム層が形成される。
作業工程は、従来のアイソレーター装置や安全キャビネットなどと同様にして作業することができる。また、廃棄工程は、作業後にフィルム層を前記壁材から剥離して廃棄する。このように、作業室内に封じ込められた物質を外部に漏えいすることなく簡単に廃棄することができる。また、次の作業の際には、再度、フィルム層形成工程により新しいフィルム層を形成するので、煩雑な洗浄バリデーションを必要としない。
よって、上記請求項8の構成によれば、使い捨てのフレキシブルアイソレーターよりも更に製造が簡単でランニングコストが低く、煩雑な洗浄バリデーションを必要とせず、且つ、形状が安定しているので無菌環境或いは封じ込め環境を確実に維持することができる遮蔽作業室を有する装置の使用方法を提供することができる。
また、上記請求項9の構成によれば、フィルム層形成工程において、筐体を構成する各壁材のうち少なくとも1面或いはその一部を開放してから各壁材の内面及び各壁材の接続部位に樹脂含有塗材を付与する。その後、解放した壁材を閉じてから当該壁材と他の壁材との接続部位に樹脂含有塗材を付与する。このことにより、作業室の内部と外部環境とを遮蔽することができる。よって、上記請求項9の構成によれば、上記請求項8と同様の効果をより一層、具体的に発揮することができる。
また、上記請求項10の構成によれば、樹脂含有塗材は、色材を含有している。また、上記請求項11の構成によれば、この色材として蛍光色素を採用することができる。このことにより、樹脂含有塗材が壁材の内面及び各壁材の接続部位に均一に付与されていることを明瞭に視認することができ、作業室の内部を外部環境から遮蔽できることを容易に確認することができる。また、使用後に樹脂含有塗材のフィルム層を剥離する際、完全に剥離できたか否かの確認も容易となる。よって、上記請求項10又は請求項11の構成によれば、上記請求項8又は9と同様の効果をより一層、具体的に発揮することができる。
また、上記請求項12の構成によれば、廃棄工程において、作業室の内部を封じ込め状態に維持したまま、フィルム層の上から樹脂含有塗材を付与して、先のフィルム層の表面に付着した物質を次のフィルム層によって封じ込める。その後、これら2層のフィルム層を一体として壁材から剥離して廃棄する。このことにより、作業室内部の封じ込め状態が廃棄工程においても厳密に維持できる。よって、上記請求項12の構成によれば、上記請求項8〜11と同様の効果をより一層、具体的に発揮することができる。
また、上記請求項13の構成によれば、遮蔽作業室を有する装置はアイソレーター装置であって、当該作業室は、外部から作業室の内部を視認できる窓と、外部環境にある作業者が当該作業室の内部で作業を行うグローブとを備えている。また、フィルム層は、作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように一体となって形成されている。このことにより、作業室の内部をより厳密に気密的に遮蔽することができる。よって、上記請求項13の構成によれば、上記請求項8〜12と同様の効果をより一層、具体的に発揮することができる。
また、上記請求項14の構成によれば、アイソレーター装置のグローブの表面の一部又は全部は、フィルム層によって被覆する。また、上記請求項15の構成によれば、グローブは、フィルム層の一部から形成されたものであり、フィルム層と一体となって形成する。このことにより、グローブとフィルム層とを一体として、グローブの表面のフィルム層を、或いは、フィルム層で形成されたグローブを作業室内のフィルム層と共に廃棄することができる。よって、上記請求項14又は請求項15の構成によれば、上記請求項13と同様の効果をより一層、具体的に発揮することができる。
このように、本発明においては、使い捨てのフレキシブルアイソレーターよりも更に製造が簡単でランニングコストが低く、煩雑な洗浄バリデーションを必要とせず、且つ、形状が安定しているので無菌環境或いは封じ込め環境を確実に維持することができるチャンバーやキャビネットなどの遮蔽作業室を有する装置及びその使用方法を提供することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明に係る遮蔽作業室を有する装置の一実施形態としてアイソレーター装置の概要を示す正面図である。 図1に示すアイソレーター装置の右側面図である。 一般的なフレキシブルアイソレーターの概要を示す正面図である。 図3に示すフレキシブルアイソレーターの右側面図である。 一般的な安全キャビネットの使用状況を示す斜視図である。 図1に示すアイソレーター装置の正面図の部分断面図である。 図2に示すアイソレーター装置の右側面図の部分断面図である。 図7の右側面からの断面図において、グローブの部分にフィルム層を形成する他の実施形態を示す部分断面図である。 フィルム層形成工程において、図2に示すアイソレーター装置の正面壁部を開放した状態を示す右側面図である。 廃棄工程において、図1に示すアイソレーター装置の正面図の部分断面図である。 廃棄工程において、図2に示すアイソレーター装置の右側面図の部分断面図である。
以下、本発明に係る遮蔽作業室を有する装置の一実施形態を図面に従って説明する。本実施形態においては、内部を陰圧に維持する封じ込めアイソレーターを例にして説明する。図1は、本実施形態に係るアイソレーター装置の概要を示す正面図である。また、図2は、当該アイソレーター装置の概要を示す右側面図である。図1及び図2において、アイソレーター装置Aは、床面上に載置される架台Bと、この架台Bの上に乗載されるアイソレーター本体Cと、このアイソレーター本体Cの上面の壁部13に乗載される機械室Dにより構成されている。
図1及び図2に示す本実施形態に係るアイソレーター装置Aは、従来型アイソレーター装置と類似の外観をしている。しかし、本実施形態に係るアイソレーター装置Aにおいては、アイソレーター本体Cを構成する筐体の構造として、従来型アイソレーター装置のような厳密な遮蔽性を確保する必要がない(理由は後述する)。また、アイソレーター本体Cを構成する筐体は、ハードケースであり内部の圧力が外部環境より陽圧又は陰圧となった場合でも作業室の形状を安定に維持することができる。
ここで、本実施形態との比較において、一般的なフレキシブルアイソレーターについて説明する。図3は、一般的なフレキシブルアイソレーターの概要を示す正面図である。また、図4は、当該フレキシブルアイソレーターの概要を示す右側面図である。図3及び図4において、フレキシブルアイソレーターEは、床面上に載置される枠体Fと、この枠体Fの各支柱Gに複数の固定紐Hで固定されるフレキシブルアイソレーター本体Iにより構成されている。
このフレキシブルアイソレーター本体Iは、可撓性のフィルムを成型したものであり、一体型グローブJ及びバグイン・バグアウトポートKも同時に成型されている。従って、フレキシブルアイソレーター本体Iは、柔軟である反面、形状が安定せず、内部の圧力を外部環境より陽圧又は陰圧とすることが難しい。特に、封じ込めアイソレーターとして使用するために内部を陰圧にした場合には、フレキシブルアイソレーター本体Iが収縮して内部での作業性を損なうという問題がある。
一方、本発明に係る遮蔽作業室を有する装置としては、本実施形態に係る封じ込めアイソレーター装置以外にも、安全キャビネットや封じ込めRABS(クローズドRABSともいう)などを挙げることができる。図5は、一般的な安全キャビネットの使用状況を示す斜視図である。図5において、安全キャビネット本体Lは床面上に載置され、その内部にはキャビネット(作業室)Mが設けられている。また、キャビネットMの正面には、作業者Nが内部を視認できるガラス窓Oと開口部Pとが設けられている。
開口部Pは、作業者NがキャビネットMの内部に腕を挿入して作業を行うために解放されているが、その他の壁部及びガラス窓Oは外部環境と遮蔽されている。この状態において、安全キャビネット本体Lの外部に設けられた排気機構(図示せず)が有するブロワー(図示せず)の作動により、キャビネットM内の空気Rが上方の排気ダクトQを介して除染装置(図示せず)に送風される。これに伴い、外部環境の清浄な空気Rが開口部Pを介してキャビネットMの内部に導入される。
このことにより、キャビネットMの各壁部の遮蔽性と開口部Pからの清浄な空気Rの流れによる開口部Pの遮蔽性が維持される。よって、作業中に開口部Pが解放された状態にあっても、作業者NがキャビネットMの内部で取り扱う人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等がキャビネットMの内部から外部環境に漏洩することがない。また、排気ダクトQを介して排気されたキャビネット内の空気Rは、除染装置により除染されて外部環境に放出される。よって、このような安全キャビネット本体Lにおいては、外部環境にある作業者Nも安全に作業することができる。
なお、上述のように本実施形態においては、封じ込めアイソレーター装置を例として本発明を説明するが、本発明においては、上記の安全キャビネットの各壁部の内部にフィルム層を形成して封じ込め状態を維持しながら当該フィルム層を廃棄することにより、煩雑な洗浄バリデーションを必要とせず、安価なランニングコストを実現することができる。
ここで、本実施形態に係るアイソレーター装置Aについて、その構造を説明する。架台Bは、ステンレス製金属柱を組み合わせた脚部からなり、アイソレーター本体Cを支持している。また、機械室Dは、周囲をステンレス製金属板からなる壁材で覆われ、その内部には、電装及び機械装置が収納されている。この機械室Dの正面壁部は、アイソレーター装置を操作する操作盤となっている。
アイソレーター本体Cは、チャンバー10と、給気機構20と、排気機構30と、パスボックス40と、チャンバー10の内壁面を被覆するフィルム層50(図1、図2には図示せず)とを備えている。
チャンバー10は、6面の壁部をステンレス製金属板で構成された筐体からなる。正面の壁部11は、周囲のステンレス製周縁部11aと中央部のガラス窓11bから構成されている。なお、上述のように、本実施形態に係るアイソレーター装置においては、チャンバー10を構成する筐体の構造として、従来型アイソレーター装置のような厳密な遮蔽性を確保する必要がない(理由は後述する)。このことにより、本実施形態に係るアイソレーター装置の製造コストは、従来型アイソレーター装置よりも大きく低減でき初期投資額が抑えられる。
このように、本実施形態においては、従来型アイソレーター装置と異なり簡単な構造のチャンバーを採用することができる。従って、本実施形態のステンレス製金属板からなる壁部に替えて、その壁材の一部または全部をステンレス製以外の金属板、樹脂板、透明樹脂板、木材板、又は、金属若しくは繊維からなる網状板などから構成することができる。
ここで、網状板としては、金属メッシュ、或いは、スクリーンメッシュなどを挙げることができる。例えば、スクリーンメッシュとしては、一般に合成繊維長繊維織物からなるスクリーン紗などがある。また、これらの金属メッシュやスクリーンメッシュなどの目開きは、特に限定するものではないが、100メッシュ〜400メッシュ程度であってもよい。これらの網状板だけでは壁部の遮蔽性を確保することができないが、後述するフィルム層を形成することにより完璧な遮蔽性を維持することができる。また、これらの網状板は、ある程度の強度を有しフィルム層と一体となってチャンバーの形状を安定に維持することができる。
ガラス窓11bの中央部には、作業者がチャンバー10の内部で作業するためのグローブを装着するグローブポート12が2つ設けられている。このグローブポート12には、それぞれ、樹脂製のグローブ12a(図1、図2には図示せず)が装着されている。
給気機構20は、チャンバー10内に供給される空気を濾過するための給気用フィルタユニット21を備えている。この給気用フィルタユニット21は、チャンバー10の上面の壁部13に開口する吸気口13aを介してチャンバー10の上部に設けられている。この給気用フィルタユニット21は、チャンバー10内に供給される空気を濾過するためのHEPAフィルタ21aを吸気口13aに面して備えている。なお、本実施形態に係るアイソレーター装置は、上述のように、内部を陰圧に維持する封じ込めアイソレーターであることから、特に給気用ブロワーを備えていない。しかし、後述の排気用ブロワーと共に給気用ブロワーを備えて、内部の空気圧をより正確に制御するようにしてもよい。
排気機構30は、チャンバー10の内部の空気を清浄化するための排気用フィルタユニット31と清浄化された空気をチャンバー10の外部に排気するための排気用ブロワー32とを備えている。この排気用フィルタユニット31は、チャンバー10の左側面の壁部14に開口する排気口14aを介してチャンバー10の左側面に設けられている。この排気用フィルタユニット31は、排気口14aから排気された空気を濾過するためのHEPAフィルタ31aを排気口14aに面して備えている。
排気用ブロワー32は、排気用フィルタユニット31の上部開口部に連通して機械室Dの内部に収納されている。この排気用ブロワー32は、排気用フィルタユニット31で濾過された清浄な空気をチャンバー10の外部に排気する。
パスボックス40は、アイソレーター装置Aでの作業に当たり、チャンバー10内に作業用機器又は作業対象物質を搬入或いは搬出する際に使用する。このパスボックス40は、チャンバー10の右側面の壁部15に開口する開口部15aを介してチャンバー10の右側面に設けられている。この開口部15aには、チャンバー10とパスボックス40とを連通・封鎖する開閉扉41が設けられている。また、このパスボックス40の開口部15aと対向する壁部42には、パスボックス40と外部環境とを連通・封鎖する開閉扉43が設けられている。
次に、フィルム層50について説明する。なお、本実施形態においては、フィルム層50は、チャンバー10の内面に後発的に形成されたものである(フィルム層形成工程については後述する)。
図6は、本実施形態に係るアイソレーター装置の正面図の部分断面図である。また、図7は、当該アイソレーター装置の右側面図の部分断面図である。図6及び図7において、フィルム層50は、チャンバー10の6面の壁部の表面に密着して一体的に形成されている。なお、図6及び図7においては、チャンバー10の6面の壁部11、13、14、15、16、17の各断面とフィルム層50の断面とを離れた状態で記載しているが、これは図面を見やすくするためであり、実際には各壁部の内壁面とフィルム層50とは密着している。
また、フィルム層50は、各壁部の内面及び各壁部の接続部位にも均一に一体的に形成されている。また、正面の壁部11においては、周囲のステンレス製周縁部11aと中央部のガラス窓11bとの接続部位にも均一に一体的に形成されている。更に、右側面の壁部15に開口する開口部15aにおいては、壁部15とパスボックス40の開閉扉41との接続部位にも均一に一体的に形成されている。
一方、上面の壁部13に開口する吸気口13aに面して備えられたHEPAフィルタ21aの排気面、及び、左側面の壁部14に開口する排気口14aに面して備えられたHEPAフィルタ31aの吸気面には、フィルム層50は形成されていない。チャンバー10内の給排気を良好に行うためである。但し、上面の壁部13とHEPAフィルタ21aの周縁部、及び、左側面の壁部14とHEPAフィルタ31aの周縁部は、フィルム層50で接続されている。フィルム層50の内部の遮蔽性を確保するためである。
また、図7において、グローブポート12に装着されたグローブ12aの腕付根部分(装着部分)の周縁部は、フィルム層50で接続されている。グローブ12aとフィルム層50との接続部位の遮蔽性を確保するためである。なお、図7においては、グローブ12aの表面(チャンバー10の内部側)には、フィルム層50は形成されていない。この場合には、後述する廃棄工程において、グローブ12aをフィルム層50と共に廃棄することが好ましい(後述する)。
一方、図8は、グローブ12aの指部も含めた表面全体にフィルム層を形成する他の実施形態を示している。この場合には、後述する廃棄工程において、グローブ12aからその部分のフィルム層50のみを剥離して廃棄することができる。従って、グローブ12aは、廃棄することなく継続して使用できる。更に、別の実施形態として、グローブポート12に装着された通常のグローブ12aの表面にフィルム層50を形成するのではなく、グローブ形状をしたグローブ型をグローブポート12に装着し、このグローブ型の表面にフィルム層50を形成する方法がある。この場合には、グローブ形状のフィルム層50を形成した後、グローブ型をグローブ形状のフィルム層50から剥離し、このグローブ形状のフィルム層50でもってチャンバー10内の作業をすることができる。
ここで、フィルム層50を形成する素材について説明する。このフィルム層50は、チャンバー10の内面にフィルム形成能を有する樹脂含有塗材を付与して一体的にフィルム化したものである。なお、樹脂含有塗材を付与する方法は、特に限定するものではないが、一般に塗布法又はスプレー法によることが好ましい。塗布法としては、樹脂含有塗材を刷毛又はローラーなどで直接付与するものである。一方、スプレー法としては、どのような機構でスプレーするものであってもよく、また、スプレー装置もどのようなものであってもよい。本実施形態においては、樹脂含有塗材の充填タンクからホースを牽引したハンディースプレー、或いは、樹脂含有塗材を充填したハンディースプレー缶を使用することが好ましい。
樹脂含有塗材としては、フィルム形成能を有する樹脂を含有する塗材であれば特に限定するものではない。また、樹脂含有塗材において、フィルム形成能を有する樹脂は、溶剤等に溶解した状態、或いは、溶剤に分散した状態など、フィルム形成が可能であればどのような状態であってもよい。更に、溶剤としては、種々の有機溶剤を使用してもよく、或いは、水であってもよい。本実施形態においては、フィルム形成工程における環境面と安全面とから、樹脂を水に分散した水分散タイプの樹脂含有塗材を使用した。
一方、樹脂含有塗材に含有される樹脂としては、フィルム形成能を有するものであれば特に限定するものではない。例えば、塩化ゴム系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エボキシ樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、アミノ樹脂、アミノアルキド樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、各種共重合樹脂、その他の樹脂が挙げられる。本実施形態においては、機械的強度が強く耐溶剤性が良好で成形収縮率が小さく廉価なエチレン‐ビニルアルコール共重合体を使用した。
また、樹脂含有塗材には、予め色素を含有するようにしてもよい。色素としては、各種染料、各種顔料、或いは、各種蛍光色素などを挙げることができる。樹脂含有塗材に予め色素を含有しておくことにより、塗布面或いはスプレー面の均一付与を目視にて確認することができる。このことにより、樹脂含有塗材で形成したフィルム層50の遮蔽性を確保することができる。また、使用後に樹脂含有塗材のフィルム層50を剥離する際、完全に剥離できたか否かの確認も容易となる。なお、樹脂含有塗材は、外部からチャンバー10内を視認できるガラス窓11bにも被覆される。従って、樹脂含有塗材に通常の染料又は顔料を含有する場合には、極端な濃色を使用することができない。ガラス窓11bに濃色のフィルム層50が被覆された場合には、作業者が作業中にチャンバー10内を視認し難くなるからである。
そこで、樹脂含有塗材に予め含有する色素として、蛍光色素を使用することが好ましい。蛍光色素は、通常の可視光源においては色相を示さない。従って、ガラス窓11bにフィルム層50が被覆されていても、作業者はチャンバー10内を容易に視認することができる。また、樹脂含有塗材の塗布面或いはスプレー面にUVライトで紫外線を照射すれば、当該面から放出される蛍光を目視することができ、均一付与を確認することができる。このことにより、樹脂含有塗材で形成したフィルム層50の遮蔽性を確保することができると共に、作業者の作業性をより確実に確保することができる。
ここで、蛍光色素とは、蛍光顔料と蛍光染料との総称であって、紫外線を吸収して可視光を放出する色素をいい、例えば、スチルベン系、ベンゾイミダゾール系、ベンジジン系、ローダミン系、フルオレセイン系、クマリン系、ピレン系、シアニン系などの化合物を挙げることができる。なお、本実施形態においては、蛍光色素として環境安全性の高いリボフラビンを使用した。リボフラビンを含有したフィルム層50は、UVライトを当てて紫外線を照射すると緑色の蛍光を放った。
次に、上述のように構成される本実施形態に係るアイソレーター装置Aにおいて、その使用方法を説明する。
《フィルム層形成工程》
上述のように、本実施形態においては、アイソレーター本体Cを構成する筐体は、ハードケースからなる。このハードケース自体は、厳密な遮蔽性を確保する必要がない。本実施形態に係るアイソレーター装置Aの遮蔽性は、チャンバー10の内部に形成するフィルム層50により確保できるからである。このことにより、アイソレーター装置Aの製造コストは、従来型アイソレーター装置よりも大きく低減できる。
本実施形態において、チャンバー10の内部にフィルム層50を形成するには、まず、アイソレーター本体Cの正面の壁部11を開放する。図9は、アイソレーター装置Aの正面の壁部11を開放した状態を示す右側面図である。図9において、正面の壁部11を開放することにより、チャンバー10の内部が解放される。このことにより、チャンバー10の各内壁面への樹脂含有塗材の付与が容易になる。
本実施形態においては、上述のように、エチレン‐ビニルアルコール共重合体を水に乳化分散した樹脂含有塗材を使用した。この樹脂含有塗材には、蛍光色素としてリボフラビンを含有しておいた。樹脂含有塗材へのリボフラビンの含有量は、特に限定するものではないが、スプレー後に紫外線を照射したとき蛍光発色の濃度で付与の均一性が判断できる程度とした。また、樹脂含有塗材の付与方法として、樹脂含有塗材を充填したハンディースプレー缶を使用した。溶剤として水を使用するので、スプレーによる塗材の付与時及びフィルム形成の乾燥時において安全であり環境にも良好であった。
樹脂含有塗材の付与は、チャンバー10の正面の壁部11が開放された部分から、チャンバー10の各壁部の内壁面及び各壁部の接続部位に均一にスプレーした。また、解放した正面の壁部11の内面にも均一にスプレーした。また、正面の壁部11においては、周囲のステンレス製周縁部11aと中央部のガラス窓11bとの接続部位にも均一にスプレーした。更に、壁部15とパスボックス40の開閉扉41との接続部位にも均一にスプレーした。
一方、上面の壁部13に開口する吸気口13aに面して備えられたHEPAフィルタ21aの排気面、及び、左側面の壁部14に開口する排気口14aに面して備えられたHEPAフィルタ31aの吸気面には、スプレーを行わなかった。但し、各HEPAフィルタ21a、31aのフィルタ面の周縁部にはスプレーを行い、形成したフィルム層50と各HEPAフィルタ21a、31aとを接続するように形成した。同様に、正面の壁部11のグローブポート12に装着されたグローブ12aの腕付根部分(装着部分)の周縁部にはスプレーを行い、形成したフィルム層50とグローブ12aとを接続するように形成した。
このようにして形成したフィルム層50の各部位にUVライトによる紫外線を照射した。各部位のフィルム層50は、蛍光色素であるリボフラビンの発する蛍光により緑色を呈し、スプレーの均一付与が正確になされているか容易に判断することができた。その結果、不十分な部位には、再度スプレーによる補強を行うことができた。このようにしてスプレーした各部位を乾燥し、フィルム層50を形成した。フィルム層50の乾燥は、常温での通風乾燥でもよく、或いは、強制的な熱風乾燥でもよい。次に、正面の壁部11を閉鎖し、この壁部11と他の壁部13、14、15、16との接続部位には、グローブポーロ12を介してグローブ12aを使用して内部から均一にスプレーして補強した。
このようにして形成したフィルム層50は、外部環境から気密的に遮蔽されており、チャンバー10の内部、厳密にはフィルム層50の内部を外部環境から遮蔽することができた。このことから、排気用ブロワー32の作動により、給気機構20及び排気機構30を介して、チャンバー10の内部の圧力を外部環境より陰圧とすることができた。このような陰圧においても、チャンバー10に密着したフィルム層50の形状は安定しており、一般のフレキシブルアイソレーターのように内部が収縮して作業性を損なうということがなかった。
《作業工程》
次に、作業工程において、フィルム層50が形成されたアイソレーター装置Aを用いて、チャンバー内での作業を行った。本実施形態においては、チャンバー10の内部を陰圧状態にして封じ込めアイソレーターとして使用した。その使用方法は、従来型アイソレーター装置と同様であり、ここでは詳細は省略する。
なお、作業に先立って内部の除染等を行う場合には、その工程は従来型アイソレーター装置と同様である。このとき、従来型アイソレーター装置と同様に給気機構20及び排気機構30を利用して除染用ガスの供給及びエアレーションを行うことができる。なお、パスボックス40の開閉扉41を介してチャンバー10の内部に作業用の器具や物品を搬入した場合には、搬入後に再度、壁部15とパスボックス40の開閉扉41との接続部位に均一にスプレーを行って内部の遮蔽性を確保する。
《廃棄工程》
アイソレーター装置Aを封じ込めアイソレーターとして使用した後、廃棄工程においては、チャンバー10の内部からフィルム層50を剥離して廃棄した。まず、本実施形態においては、アイソレーター装置Aを封じ込めアイソレーターとして使用した。従って、チャンバー10の内面に形成されたフィルム層50の内部には、作業工程で使用した人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等が封じ込められている。本実施形態においては、これらの化学物質や微生物等をフィルム層50の内部に封じ込めたまま廃棄することができた。従って、使用した後にチャンバー10の内部の洗浄が不用となり、煩雑な洗浄バリデーションを必要としなかった。
本実施形態で使用する樹脂含有塗材は、フィルム形成能を有すると共に形成されたフィルム層50をチャンバー10の内面から遮蔽性を維持したまま剥離する必要がある。剥離の際に破れなどの破損が生じると、封じ込め機能が損なわれる可能性が生じる。そこで、樹脂含有塗材に使用する樹脂には、フィルム形成能に加え一定のフィルム強度を有することが好ましい。また、スプレーする樹脂含有塗材の量を調整することにより、一定のフィルム厚を確保してフィルム強度を担保することができる。
図10は、廃棄工程におけるアイソレーター装置Aの正面図の部分断面図である。また、図11は、廃棄工程における当該アイソレーター装置Aの右側面図の部分断面図である。図10及び図11において、フィルム層50の一部がチャンバー10の壁部から剥離されている。この剥離されたフィルム層50には破れなどの破損がなく、気密状態が維持されていた。また、図10においては、給気機構20のHEPAフィルタ21aがフィルム層50と一体となって取り外されている。また、図11においては、グローブ12aがフィルム層50と一体となってグローブポート12から取り外されている。更に、この後、排気機構30のHEPAフィルタ31aがフィルム層50と一体となって取り外された。なお、剥離の際には、フィルム層50の内部の空気がHEPAフィルタ21a、31aを介して排出されるので、剥離したフィルム層50はコンパクトに纏まり廃棄が容易となった。
なお、チャンバー10の壁部からフィルム層50を剥離する時、又は、剥離した後にチャンバー10の壁部の各部位にUVライトによる紫外線を照射した。このことにより、各部位のフィルム層50が完全に剥離したか、或いは、破損が生じなかったかなどの確認をすることができた。このようにして、HEPAフィルタ21a、31a及びグローブ12aがフィルム層50と一体となって剥離されることにより、封じ込め状態を維持したまま廃棄工程を行うことができた。
一方、フィルム層50をチャンバー10の内面から剥離する他の実施形態として、次のような方法が採用できる。作業工程後のフィルム層50の内部は、給気機構20と排気機構30とによる内部空気の置換により、人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等は空気中から除去されている。しかし、フィルム層50の内面、グローブ12aの表面、及び、HEPAフィルタ21a、31aの内側の面には、人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等が付着している。
そこで、作業工程後のフィルム層50の内部表面に再度、樹脂含有塗材をスプレーしてフィルム層50の内面全体、グローブ12aの表面、及び、HEPAフィルタ21a、31aの内側の面を2重に被覆する。このことにより、各表面に付着した人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等が2重のフィルム層により挟持され、外部に飛散することを防止できる。その後、この2重のフィルム層をチャンバー10の内面から剥離して廃棄する。このとき、フィルム層に破損が生じたとしても、2重のフィルム層に挟持された人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等は、外部環境に飛散することがない。
このように、本実施形態においては、人体に影響を及ぼす化学物質や微生物等が封じ込められたフィルム層50を簡単にかつ安全に廃棄することができる。このフィルム層50は、スプレー法などで簡単に形成することができ、フレキシブルアイソレーターに比べ、更に製造コストが安価である。従って、本実施形態に係るアイソレーター装置Aは、そのランニングコストが非常に低くなる。
これまで説明したように、本実施形態によれば、使い捨てのフレキシブルアイソレーターよりも更に製造が簡単でランニングコストが低く、煩雑な洗浄バリデーションを必要とせず、且つ、形状が安定しているので無菌環境或いは封じ込め環境を確実に維持することができるチャンバーやキャビネットなどの遮蔽作業室を有する装置及びその使用方法を提供することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限らず、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記実施形態においては、封じ込めアイソレーターを例にして説明するものであるが、これに限るものではなく、無菌アイソレーター、安全キャビネット、又は、RABSなどの遮蔽作業室を有する装置において広く実施することができる。
(2)上記実施形態においては、アイソレーター装置の内部を陰圧に維持して封じ込めアイソレーターとして使用するものであるが、これに限るものではなく、内部を陽圧に維持して無菌アイソレーターとして使用してもよい。
(3)上記実施形態においては、チャンバーの前面の壁部を1面だけ開放して内部に樹脂含有塗材をスプレーするものであるが、これに限るものではなく、2面以上を開放してからスプレーしてもよく、又は、全壁部を分離してそれぞれにスプレーした後に再度、組み直すようにしてもよい。
(4)上記実施形態においては、チャンバーの前面の壁部を開放して内部に樹脂含有塗材をスプレーするものであるが、これに限るものではなく、いずれの壁部も開放することなく、グローブポート等から内面全体にスプレーするようにしてもよい。
(5)上記実施形態においては、チャンバーは6面体の筐体からなるものであるが、これに限るものではなく、チャンバーはどのような形状であってもよい。
(6)上記実施形態においては、樹脂含有塗材をスプレー法により付与するものであるが、これに限るものではなく、スプレー法以外の各種塗布方法を採用するようにしてもよい。
(7)上記実施形態においては、樹脂含有塗材としてエチレン‐ビニルアルコール共重合体を水に乳化分散したものを使用するものであるが、これに限るものではなく、その他の樹脂を使用するようにしてもよい。また、水に乳化分散したものでなく水又は有機溶剤に溶解した状態で使用してもよい。但し、この場合において、フィルム形成能と所定のフィルム強度は維持する必要がある。
(8)上記実施形態においては、樹脂含有塗材に含有する蛍光色素としてリボフラビンを使用するものであるが、これに限るものではなく、他の蛍光色素或いは通常の染料、顔料を使用するようにしてもよい。
(9)上記実施形態においては、チャンバーには2つのグローブが装着されているが、チャンバーに装着するグローブの数は、これに限るものではない。また、グローブに代えて、ハーフスーツ等を装着するようにしてもよい。
(10)上記実施形態においては、フィルム層と共にグローブも一体として廃棄するものであるが、これに限るものではなく、グローブの表面にフィルム層を形成し、このフィルム層のみを廃棄するようにしてもよい。
(11)上記実施形態においては、フィルム層と共にHEPAフィルタも一体として廃棄するものであるが、これに限るものではなく、廃棄工程においてHEPAフィルタの表面にフィルム層を形成し、このフィルム層とHEPAフィルタを別々に廃棄するようにしてもよい。
(12)上記実施形態においては、給気用及び排気用のフィルタには、HEPAフィルタを使用するものであるが、HEPAフィルタに限るものではなく、ULPAフィルタその他の高性能フィルタをチャンバー内での作業の使用目的に合わせて、適宜選定すればよい。
A…アイソレーター装置、B…架台、C…アイソレーター本体、D…機械室、
E…フレキシブルアイソレーター、F…枠体、G…支柱、H…固定紐、
I…フレキシブルアイソレーター本体、J…一体型グローブ、
K…バグイン・バグアウトポート、L…安全キャビネット本体、
M…キャビネット(作業室)、N…作業者、O…ガラス窓、P…開口部、
Q…排気ダクト、R、S…空気、
10…チャンバー(作業室)、11、13、14、15、16、17…壁部、
11a…ステンレス製周縁部、11b…ガラス窓、12…グローブポート、
12a…グローブ、13a…吸気口、14a…排気口、15a…開口部、
20…給気機構、21…給気用フィルタユニット、21a、31a…HEPAフィルタ、
30…排気機構、31…排気用フィルタユニット、32…排気用ブロワー、
40…パスボックス、41、43…開閉扉、42…壁部、
50…フィルム層。

Claims (15)

  1. 外壁を構成する壁材と、当該壁材の内面を被覆するフィルム層とを備えた作業室を有し、
    前記フィルム層は、前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に対して後発的に形成されたものであって、当該フィルム層は、前記作業室の内部を外部環境から遮蔽するように形成されており、
    前記作業室における作業が完了した後には、前記フィルム層を前記壁材から剥離して廃棄するようにしたことを特徴とする遮蔽作業室を有する装置。
  2. 前記フィルム層は、フィルム形成能を有する樹脂含有塗材を前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に付与して形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽作業室を有する装置。
  3. 前記樹脂含有塗材は、色材を含有しており、当該樹脂含有塗材が前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に均一に付与されていることを視認できることを特徴とする請求項2に記載の遮蔽作業室を有する装置。
  4. 前記色材は、蛍光色素であって、前記樹脂含有塗材を付与した後の前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に紫外線を照射することにより、当該樹脂含有塗材が均一に付与されていることを視認できることを特徴とする請求項3に記載の遮蔽作業室を有する装置。
  5. 前記作業室は、外部から作業室の内部を視認できる窓と、外部環境にある作業者が当該作業室の内部で作業を行うグローブとを備えるアイソレーター装置の作業室であって、
    前記フィルム層は、前記作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように一体となって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の遮蔽作業室を有する装置。
  6. 前記フィルム層は、前記グローブの前記作業室側の表面の一部又は全部を被覆していることを特徴とする請求項5に記載の遮蔽作業室を有する装置。
  7. 前記グローブは、前記フィルム層の一部から形成されたものであって、前記作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように前記作業室の内部を被覆するフィルム層と一体となって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の遮蔽作業室を有する装置。
  8. 壁材を組み合わせて筐体を構成した作業室において、各壁材の内面及び各壁材の接続部位に、フィルム形成能を有する樹脂含有塗材を付与して当該作業室の内部にフィルム層を形成し、当該作業室の内部と外部環境とを遮蔽するフィルム層形成工程と、
    前記フィルム層形成工程後の作業室において、当該作業室の内部を無菌状態又は封じ込め状態に維持して、作業者が内部で作業する作業工程と、
    前記作業工程後に、前記フィルム層を前記壁材から剥離して廃棄する廃棄工程とを有することを特徴とする遮蔽作業室を有する装置の使用方法。
  9. 前記フィルム層形成工程において、筐体を構成する各壁材のうち少なくとも1面或いはその一部を開放してから各壁材の内面及び各壁材の接続部位に前記樹脂含有塗材を付与し、
    その後、解放した壁材を閉じてから当該壁材と他の壁材との接続部位に前記樹脂含有塗材を付与することにより、前記作業室の内部と外部環境とを遮蔽することを特徴とする請求項8に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法。
  10. 前記フィルム層形成工程において、
    前記樹脂含有塗材に色材を含有し、当該樹脂含有塗材が前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に均一に付与されていることを視認することを特徴とする請求項8に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法。
  11. 前記フィルム層形成工程において、
    前記色材は、蛍光色素であって、前記樹脂含有塗材を付与した後の前記壁材の内面及び各壁材の接続部位に紫外線を照射することにより、当該樹脂含有塗材が均一に付与されていることを視認することを特徴とする請求項10に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法。
  12. 前記廃棄工程において、前記作業室の内部を封じ込め状態に維持したまま、前記フィルム層の上から前記樹脂含有塗材を付与して、先のフィルム層の表面に付着した物質を次のフィルム層によって封じ込め、これら2層のフィルム層を一体として前記壁材から剥離して廃棄することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つに記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法。
  13. 前記作業室は、外部から作業室の内部を視認できる窓と、外部環境にある作業者が当該作業室の内部で作業を行うグローブとを備えるアイソレーター装置の作業室であって、
    前記フィルム層は、前記作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように一体となって形成されていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1つに記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法。
  14. 前記フィルム層形成工程において、
    前記フィルム層が前記グローブの前記作業室側の表面の一部又は全部を被覆するように前記樹脂含有塗材を付与することを特徴とする請求項13に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法。
  15. 前記フィルム層形成工程において、
    前記グローブが前記フィルム層の一部から形成され、前記作業室の内部を外部環境から気密的に遮蔽するように前記作業室の内部を被覆するフィルム層と一体となるように形成することを特徴とする請求項13に記載の遮蔽作業室を有する装置の使用方法。
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