JP6620767B2 - 周辺監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、車両の周辺の状況を監視可能な周辺監視装置の技術分野に関する。
周辺の状況を監視可能な周辺監視装置(例えば、レーダや、ライダや、カメラ)を備える車両の普及が進んでいる。この周辺監視装置は、車両の外装部材(例えば、バンパやグリル)の内側に固定されることが多い。例えば、特許文献1には、周辺監視装置の一具体例であるレーダ装置が、フロントグリルの内側(つまり、裏側)に固定されている車両が記載されている。
特開2009−287950号公報
周辺監視装置が周辺の状況を監視するために、周辺監視装置の少なくとも一部(例えば、光や電磁波や超音波の出射部や、光や電磁波や超音波の検出部)は、外装部材から露出している必要がある。この場合、車両の意匠を考慮すると、外装部材から露出している周辺監視装置の露出部分を相対的に目立たせないことが好ましい。この観点から言えば、周辺監視装置は、車両の相対的に下方の位置(例えば、外装部材のうち周辺監視装置の下方に位置する下方部材に近接する位置)に固定されることが好ましい。
一方で、周辺監視装置の普及が進むにつれて、周辺監視装置に要求される精度が高くなってきている。相対的に高い精度で車両の周辺の状況を監視するためには、周辺監視装置の体格が相対的に大きくなってしまう。しかしながら、車両の相対的に下方の位置に固定される周辺監視装置の体格が相対的に大きくなると、車両の下方部分の空力性能に影響が出てくる可能性があるという技術的問題が生ずる。
具体的には、周辺監視装置は、車両の周辺の状況を監視するための回路基板等を含む監視ユニットと、当該監視ユニットを収容する収容空間を形成する箱状の筐体とを備えている。筐体は、監視ユニットを収容しやすくするために、相互に接合されることで内部に収容空間を形成可能な2つの筐体部から構成される。2つの筐体部は、収容空間の防水性を確保するために、筐体の外部に向かって突き出るように各筐体部に形成されたフランジを介して相互に接合される。この場合、周辺監視装置の体格が相対的に大きくなると、車両の下方部分におけるフランジ部の突き出し量が相対的に大きくなってしまう可能性がある。車両の下方部分におけるフランジ部の突き出し量が相対的に大きくなるほど、周辺監視装置が外装部材の下方部材から突き出す可能性が高くなり、結果として、車両の下方部分の空力性能への影響が大きくなる可能性がある。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、空力性能への影響を抑制可能な周辺監視装置を提供することを課題とする。
<1>
本発明の周辺監視装置の一態様は、内部に収容空間が形成された筐体と、前記収容空間に収容される、車両の周辺の状況を監視するための監視ユニットとを備え、前記筐体は、前記筐体の外部に向かって突き出るように形成されたフランジを介して相互に接合されることで内部に前記収容空間を形成可能な2つの筐体部から構成されており、前記フランジのうち前記筐体の上面から上方に向かって突き出る第1フランジ部が前記上面に対して傾斜している、及び/又は、前記フランジのうち前記筐体の底面から下方に向かって突き出る第2フランジ部が前記底面に対して傾斜している。
本発明の周辺監視装置の一態様によれば、第1フランジ部が筐体の上面に対して傾斜している場合には、第1フランジ部が筐体の上面に対して傾斜していない比較例と比較して、筐体の上面からの第1フランジ部の突き出し量(具体的には、上面に垂直な方向における突き出し量)もまた小さくなる。従って、周辺監視装置が車両に取り付けられた状態で周辺監視装置の上方に他の部品が存在する場合において、比較例と比較して、周辺監視装置の上面と他の部品との隙間を小さくすることができる。つまり、他の部品との干渉(言い換えれば、衝突)を避けるために周辺監視装置を過度に下方に配置する必要がなくなる。言い換えれば、比較例と比較して、周辺監視装置を相対的に上方に配置可能となる。このため、周辺監視装置を相対的に下方に配置する必要がある比較例と比較して、周辺監視装置の下方端部(典型的には、第2フランジ部の下方端部)がより上方に位置可能である。このため、比較例と比較して、周辺監視装置が外装部材(特に、外装部材のうち周辺監視装置の下方に位置する下方部材)から下方に突き出る可能性が小さくなる。その結果、車両の下方部分の空力性能に対して周辺監視装置が与える影響が相対的に小さくなる。
更に、第2フランジ部が筐体の底面に対して傾斜している場合には、第2フランジ部が筐体の底面に対して傾斜していない比較例と比較して、筐体の底面からの第2フランジ部の突き出し量(具体的には、底面に垂直な方向における突き出し量)が小さくなる。従って、周辺監視装置の下方端部(典型的には、第2フランジ部の下方端部)がより上方に位置可能である。このため、比較例と比較して、周辺監視装置が外装部材(特に、外装部材のうち周辺監視装置の下方に位置する下方部材)から下方に突き出る可能性が小さくなる。その結果、車両の下方部分の空力性能に対して周辺監視装置が与える影響が相対的に小さくなる。
このように、本発明の周辺監視装置の一態様によれば、本比較例と比較して、空力性能への影響を抑制可能である。
<2>
上述した周辺監視装置の他の態様では、前記周辺監視装置は、前記第1及び第2フランジ部の少なくとも一方が鉛直方向に対して傾斜するように、前記車両の外装部材の内側に固定可能である。
この態様によれば、周辺監視装置が外装部材の内側に固定された状態では、第1及び第2フランジ部の少なくとも一方が鉛直方向に対して傾斜しているため、第1及び第2フランジ部の双方が鉛直方向に対して傾斜していない(つまり、鉛直方向に延びる)比較例と比較して、筐体の上面及び底面の夫々からのフランジ部の突き出し量が小さくなる。このため、比較例と比較して、車両の下方部分の空力性能への影響が相対的に小さくなる。
<3>
上述した周辺監視装置の他の態様では、前記周辺監視装置は、前記車両の前部に配置される外装部材の内側に固定可能であり、前記第2フランジ部は、下方に向かうにつれて、前記外装部材のうち前記周辺監視装置よりも前方に位置する前方部材から遠ざかるように傾斜する。
この態様によれば、周辺監視装置が外装部材と共に車両に取り付けられた状態において、外装部材(特に、外装部材のうち周辺監視装置の下方に配置される下方部材)の形状を、空力性能への影響が相対的に小さくなる形状にすることができる。
具体的には、車両の前部に配置される外装部材の内側(つまり、裏側であり、後方)に周辺監視装置が固定される場合には、第2フランジ部は、下方に向かうにつれて、外装部材の前方部材から遠ざかるように傾斜することになる。その結果、第2フランジ部が下方に向かうにつれて前方部材に近づくように傾斜する比較例と比較して、第2フランジ部の下方端部は、相対的に後方に位置することになる。このため、外装部材の下方部材は、第2フランジ部の下方端部が位置していない相対的に前方の位置において、相対的に上方に位置可能である。更に、外装部材の下方部材は、第2フランジ部の下方端部が位置している相対的に後方の位置において、第2フランジ部の下方端部を避けるように相対的に下方に位置可能である。その結果、車両の前部に配置される外装部材の下方部材は、前方から後方に向かうにつれて下方に下がる形状を採用可能である。このような下方部材の形状は、車両の前方下部における空力性能にとって相対的に好ましい形状である。
<4>
上述した周辺監視装置の他の態様では、前記周辺監視装置は、前記車両の後部に配置される外装部材の内側に固定可能であり、前記第2フランジ部は、下方に向かうにつれて、前記外装部材のうち前記周辺監視装置よりも後方に位置する後方部材から遠ざかるように傾斜する。
この態様によれば、周辺監視装置が外装部材と共に車両に取り付けられた状態において、外装部材(特に、外装部材のうち周辺監視装置の下方に配置される下方部材)の形状を、空力性能への影響が相対的に小さくなる形状にすることができる。
具体的には、車両の後部に配置される外装部材の内側(つまり、裏側であり、前方)に周辺監視装置が固定される場合には、第2フランジ部は、下方に向かうにつれて、外装部材の後方部材から遠ざかるように傾斜することになる。その結果、第2フランジ部が下方に向かうにつれて後方部材に近づくように傾斜する比較例と比較して、第2フランジ部の下方端部は、相対的に前方に位置することになる。このため、外装部材の下方部材は、第2フランジ部の下方端部が位置していない相対的に後方の位置において、相対的に上方に位置可能である。更に、外装部材の下方部材は、第2フランジ部の下方端部が位置している相対的に前方の位置において、第2フランジ部の下方端部を避けるように相対的に下方に位置可能である。その結果、車両の後部に配置される外装部材の下方部材は、前方から後方に向かうにつれて上方に上がる形状を採用可能である。このような下方部材の形状は、車両の後方下部における空力性能にとって相対的に好ましい形状である。
図1は、車両の後部を示す側面図である。 図2は、ライダの断面(XZ平面に沿った断面)をリアバンパの断面と共に示す断面図である。 図3は、ライダの断面を、ライダを構成する各部をX軸方向に沿って分離した状態で示す断面図である。 図4は、ライダの側面を、ライダを構成する各部をX軸方向に沿って分離した状態で示す側面図である。 図5は、ライダを、ライダを構成する各部をX軸方向に沿って分離した状態で示す斜視図である。 図6(a)は、フランジが上面及び下面の双方に対して傾斜している本実施形態のライダが車両に取り付けられた状態を示す断面図であり、図6(b)は、フランジが上面及び下面の双方に対して傾斜していない(つまり、直交する)比較例のライダが車両に取り付けられた状態を示す断面図である。 図7(a)は、車両に固定される前のライダを示す側面図であり、図7(b)は、車両に固定された後のライダを示す側面図である。 図8は、車両の前部を示す側面図である。 図9は、ライダの断面(XZ平面に沿った断面)をフロントバンパの断面と共に示す断面図である。 図10は、フランジの一部が筐体の上面及び下面に傾斜しているライダを示す側面図である。
以下、図面を参照して本発明の周辺監視装置の実施形態について説明する。尚、以下では、本発明の周辺監視装置の実施形態が取り付けられた車両1を用いて説明を進める。尚、以下では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ座標系を用いて車両1の各部の位置関係を説明する。この場合、X軸方向が車両1の前後方向に相当し、Y軸方向が車両1の車幅方向に相当し、Z軸方向が車両1の上下方向(つまり、鉛直方向)に相当するものとする。また、+X側が、車両1を中心した場合の後方側に相当し、−X側が、車両1を中心とした場合の前方側に相当し、+Y側が、車両1を中心とした場合の左方側に相当し、−Y側が、車両1を中心とした場合の右方側に相当し、+Z側が、車両1を中心とした場合の上方側に相当し、−Z側が、車両1を中心とした場合の下方側に相当するものとする。
(1)車両1の構造
はじめに、図1を参照しながら、車両1の構造について説明する。図1は、車両1の後部を示す側面図である。図1に示すように、車両1は、「外装部材」の一具体例であるリアバンパ2を備えている。リアバンパ2は、車両1の後部に配置される。リアバンパ2の内側(つまり、裏側であり、前方)には、「周辺監視装置」の一具体例であるライダ(Lidar:Light Detection and Ranging)3が、不図示のステーを介して固定されている。つまり、本実施形態では、ライダ3は、リアバンパ2に固定された状態で車両1に取り付けられている。
ライダ3は、車両1の周辺の状況(図1に示す例では、車両1の後方の状況)を監視するための装置である。ライダ3は、検出光(例えば、可視光、紫外光又は近赤外光)L1を車両1の後方に向けて出射するとともに、車両1の後方に位置する物体による検出光L1の反射光L2を受光する。車両1が備える不図示のECU(Electrical Control Unit)がライダ3による反射光L2の受光結果を解析することで、ECUは、車両1の周辺の状況を監視可能である。
(2)ライダ3の構造
続いて、図2から図5を参照しながら、ライダ3の構造について説明する。図2は、ライダ3の断面(XZ平面に沿った断面)をリアバンパ2の断面と共に示す断面図である。図3は、ライダ3の断面を、ライダ3を構成する各部をX軸方向に沿って分離した状態で示す断面図である。図4は、ライダ3の側面を、ライダ3を構成する各部をX軸方向に沿って分離した状態で示す側面図である。図5は、ライダ3を、ライダ3を構成する各部をX軸方向に沿って分離した状態で示す斜視図である。
図2から図5に示すように、ライダ3は、筐体31と、「監視ユニット」の一具体例である光学ユニット32とを備えている。
筐体31は、外観が任意の形状となる筐体である。例えば、図2から図5の夫々に示す例では、筐体31は、外観が箱状の形状(例えば、直方体の形状)となる筐体である。一例として、筐体31は、上下方向(つまり、Z軸方向)のサイズが前後方向(つまり、X軸方向)のサイズよりも長くなる箱状の形状を有している。筐体31の内部には、収容空間31sが形成されている。収容空間31sには、光学ユニット32が収容される。光学ユニット32は、収容空間31sを規定する筐体31の内壁に不図示のステーを介して固定されている。
光学ユニット32は、既存のライダが備える光学ユニットと同じ構造を有する。一例として、光学ユニット32は、検出光L1を出射し且つ反射光L2を受光するための光学系と、検出光L1を出射し且つ反射光L2を受光するように光学系を制御する制御基板とを備えている。光学系の一例として、光源と、ミラー(言い換えれば、反射型光学素子)と、ミラーを駆動するためのモータと、レンズ(言い換えれば、屈折型光学素子)と、受光素子とを含む光学系があげられる。
光学ユニット32が筐体31の内部から筐体31の外部に向けて検出光L1を出射でき且つ光学ユニット32が筐体31の外部から伝搬してくる反射光L2を受光できるように、筐体31には、検出光L1及び反射光L2が通過可能な光学窓31wが形成されている。図2から図5の夫々に示す例では、光学窓31wは、筐体31の側壁(特に、光学ユニット32の後方側の側壁)に形成された開口である。更に、リアバンパ2にも、検出光L1及び反射光L2が通過可能な光学窓2wが形成されている。光学窓2wは、検出光L1及び反射光L2の夫々の光路に沿って光学窓31wと並ぶ。図2から図5の夫々に示す例では、光学窓2wは、リアバンパ2のうちライダ3の後方(言い換えれば、側方)に位置する後方部材2aに形成された開口である。
筐体31は、車両1の前後方向に沿って並ぶ2つの筐体部(具体的には、後方筐体部311及び前方筐体部312)を含む。後方筐体部311及び前方筐体部312は、互いに接合可能であると共に分離可能である。収容空間31sに光学ユニット32が収容される際には、後方筐体部311及び前方筐体部312が分離した状態で収容空間31sに光学ユニット32が収容され、その後、収容空間31sに光学ユニット32が収容された状態で後方筐体部311及び前方筐体部312が接合される。収容空間31sから光学ユニット32が取り出される際には、収容空間31sに光学ユニット32が収容された状態で後方筐体部311及び前方筐体部312が分離され、その後、後方筐体部311及び前方筐体部312が分離した状態で収容空間31sから光学ユニット32が取り出される。これにより、収容空間31sへの光学ユニット32の収容及び収容空間31sからの光学ユニット32の取り出しが容易になる。尚、図2は、後方筐体部311及び前方筐体部312が接合された状態を示しており、図3から図5の夫々は、後方筐体部311及び前方筐体部312が分離した状態を示している。
後方筐体部311は、前方筐体部312の後方に位置する。後方筐体部311は、内部に収容空間311sが形成された箱状の筐体である。収容空間311sは、後方筐体部311が備える側壁によって囲まれた空間である。収容空間311sを囲む側壁は、収容空間311sの上方に位置する上壁3111、収容空間311sの下方に位置する下壁3112、収容空間311sの後方に位置する後壁3113、収容空間311sの左方に位置する左壁3114及び収容空間311sの右方に位置する右壁3115(但し、図2から図5では、図面の簡略化のために一部の側壁が図示されていない)を含む。収容空間311sは、後方筐体部311の前部(具体的には、車両1の前後方向に沿って後壁3113に対向する位置)に形成される開口311hを介して、後方筐体部311の外部に連通している。収容空間311sは、収容空間31sの一部に相当する。尚、後壁3113には、上述した光学窓31wが形成される。
前方筐体部312は、後方筐体部311の前方に位置する。前方筐体部312は、内部に収容空間312sが形成された箱状の筐体である。収容空間312sは、前方筐体部312が備える側壁によって囲まれた空間である。収容空間312sを囲む側壁は、収容空間312sの上方に位置する上壁3121、収容空間312sの下方に位置する下壁3122、収容空間312sの前方に位置する前壁3123、収容空間312sの左方に位置する左壁3124及び収容空間312sの右方に位置する右壁3125(但し、図2から図5では、図面の簡略化のために一部の側壁が図示されていない)を含む。収容空間312sは、前方筐体部312の後部(具体的には、車両1の前後方向に沿って前壁3123に対向する位置)に形成される開口312hを介して、前方筐体部312の外部に連通している。収容空間312sは、収容空間31sの一部に相当する。収容空間312sは、前方筐体部312が後方筐体部311と接合された状態において収容空間311sと連通することで、収容空間311sと共に収容空間31sを構成する。
後方筐体部311及び前方筐体部312は、後方筐体部311に形成されたフランジ311f及び前方筐体部312に形成されたフランジ312fを介して接合される。つまり、後方筐体部311及び前方筐体部312は、フランジ311fとフランジ312fとが密着するように接合される。
フランジ311fは、開口311hの周りにおいて後方筐体部311の外部に向かって突き出す部材である。具体的には、フランジ311fは、上壁3111の前端部から上方に突き出すフランジ部311f1と、下壁3112の前端部から下方に突き出すフランジ部311f2と、左壁3114の前端部から左方に突き出すフランジ部311f4と、右壁3115の前端部から右方に突き出すフランジ部311f5とを含む。フランジ311fの接合面311p(つまり、フランジ312fと密着する面)は、開口311hを取り囲む。
フランジ312fは、開口312hの周りにおいて前方筐体部312の外部に向かって突き出す部材である。具体的には、フランジ312fは、上壁3121の後端部から上方に突き出すフランジ部312f1と、下壁3122の後端部から下方に突き出すフランジ部312f2と、左壁3124の後端部から左方に突き出すフランジ部312f4と、右壁3125の後端部から右方に突き出すフランジ部312f5とを含む。フランジ312fの接合面312p(つまり、フランジ311fと密着する面)は、開口312hを取り囲む。接合面312pは、接合面311pと平行である。
このようなフランジ311f及び312fを介して後方筐体部311と前方筐体部312とが接合されるがゆえに、収容空間31sの防水性が適切に確保される。つまり、収容空間31sに収容される光学ユニット32の防水性が適切に確保される。
本実施形態では特に、フランジ311fは、上壁3111及び下壁3112の少なくとも一方に対して傾斜している。つまり、フランジ311fは、上壁3111及び下壁3112の少なくとも一方に対して傾斜するように前方筐体部311から突き出る板状の部材である。本実施形態では、上壁3111及び下壁3112は平行である。このため、フランジ311fは、上壁3111及び下壁3112の双方に対して傾斜している。より具体的には、フランジ311fは、上壁3111の上面(つまり、上方を向いている面)311U及び下壁3112の下面(つまり、下方を向いている面)311Lの少なくとも一方に対して傾斜している。本実施形態では、上面311U及び下面311Lは平行である。このため、フランジ311fは、上面311U及び下面311Lの双方に対して傾斜している。
更に、フランジ312fは、上壁3121及び下壁3122の少なくとも一方に対して傾斜している。つまり、フランジ312fは、上壁3121及び下壁3122の少なくとも一方に対して傾斜するように後方筐体部312から突き出る板状の部材である。本実施形態では、上壁3121及び下壁3122は平行である。このため、フランジ312fは、上壁3121及び下壁3122の双方に対して傾斜している。より具体的には、フランジ312fは、上壁3121の上面(つまり、上方を向いている面)312U及び下壁3122の下面(つまり、下方を向いている面)312Lの少なくとも一方に対して傾斜している。本実施形態では、上面312U及び下面312Lは平行である。このため、フランジ312fは、上面312U及び下面312Lの双方に対して傾斜している。
上面311Uは、筐体31の上面(具体的には、筐体31の外面のうち上方を向いている面)31Uの一部に相当する。下面311Lは、筐体31の下面(具体的には、筐体31の外面のうち下方を向いている面)31Lの一部に相当する。上面312Uは、筐体31の上面31Uの一部に相当する。下面312Lは、筐体31の下面31Lの一部に相当する。従って、フランジ311f及び312fの夫々は、上面31U及び下面31Lの少なくとも一方に対して傾斜しているとも言える。尚、図2から図5に示す例では、フランジ311f及び312fの夫々は、上面31U及び下面31Lの双方に対して傾斜している。また、上面312Uは、上面311Uに平行であることが好ましいが、上面311Uに平行でなくてもよい。下面312Lは、下面311Lに平行であることが好ましいが、下面311Lに平行でなくてもよい。
本実施形態における「フランジ311fがXに対して傾斜している」状態は、フランジ311fとXとがなす角度が90度以外の角度(典型的には、0度より大きく且つ90度より小さい角度又は90度より大きく且つ180度より小さい角度)となる状態を意味する。フランジ311fとXとがなす角度は、フランジ311fの外面(例えば、接合面311p又は接合面311pの反対側の面)がXとなす角度を意味する。「フランジ312fがXに対して傾斜している」状態についても同様のことが言える。
フランジ311fは、下方に向かうにつれてリアバンパ2の後方部材2aから遠ざかるように傾斜することが好ましい。その結果、フランジ311fが下面31Lから突き出る位置は、フランジ311fが上面31Uから突き出る位置よりも前方に存在する。言い換えれば、フランジ311fは、相対的に前方の位置において下面31Lから突き出る一方で、相対的に後方の位置において上面31Uから突き出る。フランジ312fについても同様である。
(3)技術的効果
続いて、図6(a)及び図6(b)を参照しながら、本実施形態のライダ3によって実現される技術的効果について説明する。まず、図6(a)は、フランジ311f及び312fの夫々が上面31U及び下面31Lの双方に対して傾斜している本実施形態のライダ3がリアバンパ2と共に車両1に取り付けられた状態を示す断面図である。一方で、図6(b)は、フランジ311f及び312fの夫々が上面31U及び下面31Lの双方に対して傾斜していない(つまり、直交する)比較例のライダ300がリアバンパ2と共に車両1に取り付けられた状態を示す断面図である。
まず、前提として、本実施形態のフランジ311f及び312fの上方端部から下方端部までの長さs1が、夫々、比較例のフランジ311f及び312fの上方端部から下方端部までの長さs2と同じであるものとする。つまり、本実施形態の接合面311p及び312pの上方端部から下方端部までの長さs1が、夫々、比較例の接合面311p及び312pの上方端部から下方端部までの長さs2と同じであるものとする。
この場合、図6(a)及び図6(b)に示すように、本実施形態のライダ3におけるフランジ311f及び312fの夫々の上面31Uから上方への突き出し量d11は、比較例のライダ300におけるフランジ311f及び312fの夫々の上面31Uから上方への突き出し量d21よりも小さくなる。具体的には、フランジ311f及び312fと上面31Uとがなす角度をθとすると、突き出し量d11は、突き出し量d21のsinθ倍になる。従って、ライダ3が車両1に取り付けられた状態でライダ3の上方に他の部品(図6(a)に示す例では、他の部品は、バンパリンフォース4であるものとする)が存在する場合において、比較例と比較して、ライダ3の上面31Uとバンパリンフォース4との隙間を小さくすることができる。つまり、本実施形態におけるライダ3の上面31Uとバンパリンフォース4との隙間g1は、比較例におけるライダ300の上面31Uとバンパリンフォース4との隙間g2よりも小さくなる。その結果、ライダ3とバンパリンフォース4との干渉(言い換えれば、衝突)を避けるためにライダ3を過度に下方に配置する必要がなくなる。言い換えれば、比較例と比較して、ライダ3を相対的に上方に配置可能となる。このため、ライダ300を相対的に下方に配置する必要がある比較例と比較して、ライダ3の下方端部(典型的には、フランジ311f及び312の下方端部)がより上方に位置可能である。このため、比較例と比較して、ライダ3がリアバンパ2(特に、リアバンパ2のうちライダ3の下方に位置する下方部材2b)から下方に突き出る可能性が小さくなる。その結果、車両1の下方部分の空力性能に対してライダ3が与える影響が相対的に小さくなる。
同様に、本実施形態のライダ3におけるフランジ311f及び312fの夫々の下面31Lから下方への突き出し量d12は、比較例のライダ300におけるフランジ311f及び312fの夫々の下面31Lから下方への突き出し量d22よりも小さくなる。具体的には、フランジ311f及び312fと下面31Lとがなす角度をθとすると、突き出し量d11は、突き出し量d21のsinθ倍になり且つ突き出し量d12は、突き出し量d22のsinθ倍になる。従って、比較例と比較して、ライダ3の下方端部がより上方に位置可能である。このため、比較例と比較して、ライダ3がリアバンパ2の下方部材2bから下方に突き出る可能性が小さくなる。その結果、車両1の下方部分の空力性能に対してライダ3が与える影響が相対的に小さくなる。
それでいて、本実施形態のフランジ311f及び312fの上方端部から下方端部までの長さs1が、比較例のフランジ311f及び312fの上方端部から下方端部までの長さs2と同等に確保可能である。従って、フランジ311f及び312fを介した防水性能が衰えることはない。つまり、本実施形態では、比較例と比較して、同等の防水性能を維持しつつも、車両1の下方部分の空力性能に対してライダ3が与える影響を相対的に小さくすることができるという点で有用である。
尚、比較例のライダ300においても、図6(c)に示すように、図6(b)に示す状態のライダ300をY軸周りに回転させることで、フランジ311f及び312fとリアバンパ2(特に、下方部材2b)との位置関係を、本実施形態の位置関係と同等にすることも可能である。しかしながら、この場合には、図6(c)に示すように、筐体31自体も同じだけ回転しているがゆえに、筐体31がリアバンパ2の下方部材2bから下方に突き出る可能性が出てきてしまう。従って、車両1の下方部分の空力性能に対してライダ3が与える影響を相対的に小さくするという技術的効果は、本実施形態に特有の効果であると言える。
加えて、本実施形態では、フランジ311f及び312fの夫々は、下方に向かうにつれてリアバンパ2の後方部材2aから遠ざかるように傾斜可能である。従って、フランジ311fのうち下方に突き出るフランジ部311f2及びフランジ312fのうち下方に突き出るフランジ部312f2の夫々は、下方に向かうにつれてリアバンパ2の後方部材2aから遠ざかるように傾斜可能である。その結果、フランジ部311f2及び312f2の夫々が下方に向かうにつれて後方部材2aに近づくように傾斜する比較例と比較して、フランジ部311f2及び312f2の夫々の下方端部(つまり、フランジ311f及び312fの夫々の下方端部)は、相対的に前方に位置することになる。このため、リアバンパ2の下方部材2bは、フランジ311f及び312fの夫々の下方端部が位置していない相対的に後方の位置において、相対的に上方に位置可能である。更に、リアバンパ2の下方部材2bは、フランジ311f及び312fの夫々の下方端部が位置している相対的に前方の位置において、フランジ311f及び312fの夫々の下方端部を避けるように相対的に下方に位置可能である。その結果、図6(a)に示すように、リアバンパ2の下方部材2bは、前方から後方に向かうにつれて上方に上がる形状を採用可能である。このような下方部材2bの形状は、車両1の後方下部における空力性能にとって相対的に好ましい形状である。
更に、ライダ3をリアバンパ2の下方部材2bに近接する位置(つまり、車両1の相対的に下方の位置)に取り付けることができる。このため、検出窓2wを介してリアバンパ2から露出しているライダ3の露出部分を目立ちにくくすることができ、車両1の意匠の観点からも非常に有用である。
(4)変形例
(4−1)第1変形例
ライダ3が車両1に組み付けられる場合には、ライダ3は、まずは、車両1に組み付けられる前のリアバンパ2に固定される(つまり、組み付けられる)。その後、ライダ3が固定されたリアバンパ2が、バンパリンフォース4が固定された車両1に対して固定される(つまり、組み付けられる)。ライダ3が固定されたリアバンパ2が車両1に対して固定される場合には、図7(a)に示すように、車両1の前方からリアバンパ2の組み付け位置に向かって所定の投入軌跡Tを通ってリアバンパ2が移動する。その結果、図7(b)に示すように、リアバンパ2は、組み付け位置において固定される。
この際、ライダ3のうちバンパリンフォース4に最も近い位置を通る部分(図7(a)に示す例では、ライダ3の上方前端部P)は、図7(a)及び図7(b)に示す投入軌跡Tp(具体的には、上方前端部Pの始点を通る、投入軌跡Tに平行な軌跡)を通る。リアバンパ2の組み付け時にバンパリンフォース4との衝突を避けるために、この投入軌跡Tpは、バンパリンフォース4と交わることはない。つまり、上方後端部Pがバンパリンフォース4に衝突することはない。
このような状況において、フランジ311f及び312fの夫々の上方端部が投入軌跡Tpよりもバンパリンフォース4に近い領域A(図7(a)参照)を通過する場合には、ライダ3の車両1への組み付け中にフランジ311f及び312fの少なくとも一方がバンパリンフォース4に衝突する可能性がある。一方で、フランジ311f及び312fの夫々の上方端部が投入軌跡Tpよりもバンパリンフォース4から遠い領域B(図7(a)参照)を通過する場合には、ライダ3の車両1への組み付け中にフランジ311f及び312fがバンパリンフォース4に衝突する可能性はない。
本実施形態では、フランジ311f及び312fが筐体31の上面31Uに対して傾斜しているがゆえに、フランジ311f及び312fが上面31Uに対して傾斜していない比較例と比較して、フランジ311f及び312fの夫々は、図7(a))の領域Bを通過する可能性が高くなる。従って、本実施形態では、比較例と比較して、ライダ3の車両1への組み付け中にフランジ311f及び312fがバンパリンフォース4に衝突する可能性が小さくなる。逆に言えば、フランジ311f及び312fがバンパリンフォース4に衝突することを防ぐためには、フランジ311f及び312fの夫々は、車両1への組み付け時に領域Bを通る領域として筐体31を基準に定義される領域(図7(b)のハッチングされた領域)B1に収まるように傾斜していることが好ましい。
尚、領域B1は、ライダ3のうちバンパリンフォース4に最も近い位置を通る部分(但し、フランジ311f及び312fを除く部分であり、具体的には、筐体部31の上方前端部P)が通る軌跡よりも下方側であって且つ筐体31の上面31Uよりも上方側の領域である。言い換えれば、領域B1は、ライダ3のうちバンパリンフォース4に最も近い位置を通る部分(上方前端部P)を起点に後方に向かって投入軌跡Tに平行に延びる仮想面Vよりも下方側であって且つ筐体31の上面31Uよりも上方側の領域である。
(4−2)その他の変形例
上述した説明では、車両1は、ライダ3を備えている。しかしながら、車両1は、ライダ3に加えて又は代えて、ライダ3とは異なる種類の周辺監視装置を備えていてもよい。この場合であっても、当該異なる種類の周辺監視装置が備える監視ユニット(つまり、車両1の周辺を監視するためのユニットであって、例えば、上述した光学系や制御基板等を含むユニット)は、上述した筐体31に収容されることが好ましい。その結果、車両1がライダ3とは異なる種類の周辺監視装置を備えている場合であっても、上述した各種効果が実現可能である。尚、ライダ3とは異なる種類の周辺監視装置の一具体例として、例えば、レーダ、カメラ及び超音波ソナーの少なくとも一つがあげられる。
上述した説明では、ライダ3がリアバンパ2の内側に固定されている例について説明している。しかしながら、図8及び図9に示すように、ライダ3(或いは、その他の種類の周辺監視装置)が、車両1の前部に配置されるフロントバンパ5の内側(つまり、裏側であり、後方)に固定されていてもよい。この場合、ライダ3は、フロントバンパ5に形成された検出窓5wを介して検出光L1を車両1の前方に向けて出射するとともに、車両1の前方に位置する物体による検出光L1の反射光L2を受光する。この場合であっても、上述した各種効果が享受可能である。尚、この場合には、フロントバンパ5のうちライダ3の下方に位置する下方部材5bの形状を、空力性能への影響が相対的に小さくなる形状にするために、フランジ311f及び312fの夫々は、下方に向かうにつれてフロントバンパ5のうちライダ3の前方(言い換えれば、側方)に位置する前方部材5aから遠ざかるように傾斜することが好ましい。
上述した説明では、フランジ311fの全体が筐体31の上面31U及び下面31Lの少なくとも一方に対して傾斜している。つまり、上述した説明では、フランジ部311f1から311f2及び311f4から311f5の夫々が、上面31U及び下面31Lの少なくとも一方に対して傾斜している。しかしながら、フランジ311fの一部が上面31U及び下面31Lの少なくとも一方に対して傾斜している一方で、フランジ311fの一部が筐体31の上面31U及び下面31Lの少なくとも一方に対して傾斜していなくてもよい。例えば、図10に示すように、上面31Uから突き出るフランジ部311f1が上面31Uに対して傾斜し、下面31Lから突き出るフランジ部311f2が下面31Lに対して傾斜し、フランジ部311f4及び311f5の夫々が上面31U及び下面31Lの少なくとも一方に対して傾斜していなくてもよい。フランジ312fについても同様である。少なくとも上面31Uから突き出るフランジ部311f1が上面31Uに対して傾斜し且つ下面31Lから突き出るフランジ部311f2が下面31Lに対して傾斜していれば、上述した技術的効果は実現可能である。
尚、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う周辺監視装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 車両
2 リアバンパ
3 ライダ
31 筐体
311 後方筐体部
311f フランジ
312 前方筐体部
312f フランジ
4 バンパリンフォース
5 フロントバンパ

Claims (3)

  1. 内部に収容空間が形成された筐体と、
    前記収容空間に収容される、車両の周辺の状況を監視するための監視ユニットと
    を備える周辺監視装置であり
    前記筐体は、前記筐体の外部に向かって突き出るように形成されたフランジを介して相互に接合されることで内部に前記収容空間を形成可能な2つの筐体部から構成されており、
    前記フランジのうち前記筐体の上面から上方に向かって突き出る第1フランジ部が前記上面に対して傾斜している、及び/又は、前記フランジのうち前記筐体の底面から下方に向かって突き出る第2フランジ部が前記底面に対して傾斜しており、
    前記周辺監視装置は、前記車両の前部に配置される外装部材の内側に固定可能であり、
    前記第2フランジ部は、下方に向かうにつれて、前記外装部材のうち前記周辺監視装置よりも前方に位置する前方部材から遠ざかるように傾斜する
    ことを特徴とする周辺監視装置。
  2. 内部に収容空間が形成された筐体と、
    前記収容空間に収容される、車両の周辺の状況を監視するための監視ユニットと
    を備える周辺監視装置であり
    前記筐体は、前記筐体の外部に向かって突き出るように形成されたフランジを介して相互に接合されることで内部に前記収容空間を形成可能な2つの筐体部から構成されており、
    前記フランジのうち前記筐体の上面から上方に向かって突き出る第1フランジ部が前記上面に対して傾斜している、及び/又は、前記フランジのうち前記筐体の底面から下方に向かって突き出る第2フランジ部が前記底面に対して傾斜しており、
    前記周辺監視装置は、前記車両の後部に配置される外装部材の内側に固定可能であり、
    前記第2フランジ部は、下方に向かうにつれて、前記外装部材のうち前記周辺監視装置よりも後方に位置する後方部材から遠ざかるように傾斜する
    ことを特徴とする周辺監視装置。
  3. 前記周辺監視装置は、前記第1及び第2フランジ部の少なくとも一方が鉛直方向に対して傾斜するように、前記車両の外装部材の内側に固定可能である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の周辺監視装置。
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