JP6500373B2 - 車両用灯具 - Google Patents
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Description
一方、光源の数を減らし部品点数を減らすとともに車両用灯具の小型化が行えるようにしようとすると光源が切れて点灯しなくなった時に車両が走行するのに必要な光を照射することができなくなる恐れがある。
そして、灯具ユニットからの光がインナーパネルなどに照射されると、その光がインナーパネルなどで反射されてグレア光になるなどの問題がある。
(1)本発明の車両用灯具は、レンズと、前記レンズの光軸中心を挟んで設けられる右側光源および左側光源と、を備え、前記右側光源に対応する前記レンズの入射面は、遠方配光パターンの左寄り配光パターンを形成する左寄り配光用入射面とされ、前記左側光源に対応する前記レンズの入射面は、前記遠方配光パターンの右寄り配光パターンを形成する右寄り配光用入射面とされ、前記左寄り配光用入射面は、略中央を基準として前記光軸中心側のレンズ内側が前記左寄り配光パターンの全体を形成するとともに、レンズ外側も前記レンズ内側と略同じ前記左寄り配光パターンを形成しており、前記右寄り配光用入射面は、略中央を基準として前記光軸中心側のレンズ内側が前記右寄り配光パターンの全体を形成するとともに、レンズ外側も前記レンズ内側と略同じ前記右寄り配光パターンを形成しており、前記左寄り配光パターンと前記右寄り配光パターンが、前記光軸中心付近でオーバーラップして重合されることで前記遠方配光パターンを形成している。
なお、以下では、車両用灯具101Lのことを、単に「車両用灯具」と記載する。
図4に示すように、レンズ40の車両幅方向の両端には、スクリュー61a、61bを通すための貫通孔が形成された一対のフランジ41a、41bが設けられている。
図5は、図3のレンズ40を取外し、レンズホルダ50を正面から見るようにした正面図である。
図5に示すように、左側光源70aおよび右側光源70bは、どちらも給電のための電気コネクタ71a、71bが設けられたボディ72a、72bを備えている。
そして、ボディ72a、72bに一体に設けられた基板73a、73b上には、それぞれ、発光部となる発光チップ74a、74bが設けられている。
レンズ40は、図4に示すように、車両前方側に光を照射する出射面42と、左側光源70aおよび右側光源70bからの光がレンズ40に入射する入射面43とを備えており、出射面42は、断面が2次曲線で組み合わされた複合2次曲面に形成されている。
図6では、発光チップ74a、74b(つまり、発光部)の位置を模式的に四角で示している。
図6に示すように、発光チップ74aは入射面43aの凸状の曲面の最も左側光源70a側に突出した部分近傍に位置している。
つまり、左側光源70aは、左側光源70aの光照射軸が入射面43aの最も左側光源70a側に突出した部分近傍に位置するように配置されている。
つまり、右側光源70bは、右側光源70bの光照射軸が入射面43bの最も右側光源70b側に突出した部分近傍に位置するように配置されている。
なお、図7(a)及び図7(b)において、下側に示す図は、レンズ40の出射面42と入射面43a、43bの面の形状を模式的に示し、左側光源70a、右側光源70bからの光が入射面43a、43bに入射したときに、そのレンズ40に入射した光が、どのように出射面42から車両前方側に照射されるのかを示した図である。
以降、図7以外の図においてもスクリーンの図が示されている場合、「VU−VD」がスクリーンの上下の垂直線を示し、「HL−HR」がスクリーンの左右の水平線を示すものとする。
このように、入射面43aは、右寄りの配光パターンを形成する入射面であるので、以後、右寄り配光用入射面43aとも記載する。
このように、入射面43bは、左寄りの配光パターンを形成する入射面であるので、以後、左寄り配光用入射面43bとも記載する。
したがって、インナーパネルなどに光が照射されてグレア光が発生するのを抑制することができる。
図8(a)〜(d)は、右側光源70bからの光が左寄り配光用入射面43bで配光制御されて、どのような配光パターンとして車両前方側に照射されるのかを説明するための図である。
なお、スクリーンの中央(「VU−VD」線付近)は車両用灯具の車両正面側に当たるので正面、同様に、スクリーンの左側は車両用灯具の車両外側に当たるので外(外側)、スクリーンの右側は車両用灯具の車両内側に当たるので内(内側)と記載する場合もある。
そして、図8(a)はレンズ外側44bのうち、さらに、車両内側に近い側(レンズ40の光軸中心Zから離れた側)の略半分の面に光が入射した場合を示したものであり、図8(b)はレンズ外側44bの車両外側(レンズ40の光軸中心Z側)の略半分の面に光が入射した場合を示している。
そして、図8(c)はレンズ内側44aのうち、車両内側に近い側(レンズ40の光軸中心Zから離れた側)の略半分の面に光が入射した場合を示したものであり、図8(d)はレンズ内側44aの車両外側(レンズ40の光軸中心Z側)の略半分の面に光が入射した場合を示している。
上記表示が示す内容を、図8(a)を参照して、具体的に説明すると、本実施形態では、レンズ外側44bの車両内側に近い略半分の面は、最も車両内側に位置する部分が、スクリーンの配光パターンの外(スクリーンの左側)の配光を形成しており、レンズ外側44bの中央側(車両外側)に近づくにつれてスクリーンの配光パターンの正面(スクリーンの「VU−VD」線側)の配光を形成するようになっている。
以下、図8を参照しながら左寄り配光用入射面43bの配光制御の詳細な説明を進める。
図8(a)を見るとわかるように、右側光源70bから最も車両内側に向けて照射される光は、レンズ外側44bの最も車両内側の位置に到達するが、この光が車両内側に向かわないように、レンズ外側44bの最も車両内側となる部分は、車両外側の配光を形成するように配光制御している。
具体的には、スクリーン左上の「外→正面」の表示のように、レンズ外側44bの車両内側の略半分の面は車両内側から車両外側に向かうにつれて、車両外側から車両正面の配光を形成するように配光制御を行っている。
具体的には、図8(b)で光が照射されているレンズ外側44bの面の車両内側の部分は、先ほどの図8(a)で説明したレンズ外側44bの面から連続する面であるのでスクリーン上の「正面」近傍に光を照射することとなる。
そして、図8(b)で光が照射されているレンズ外側44bの略半分の面は、スクリーン上の「正面」近傍に光を照射している車両内側の部分を起点として、車両内側から車両外側に向かうにつれて、スクリーン左上の「正面→内」の表示のように、車両正面から車両内側の配光を形成するように配光制御を行っている。
左寄り配光用入射面43bは、車両内側にあるため車両内側のインナーパネルなどが近くに位置するのであまり車両内側に光を照射するようにするとインナーパネルなどに光が照射される恐れがある。
このため、車両内側への光の照射を「VU−VD」線を超えて車両内側に5°〜10°程度の車両内側の範囲に留めるのが好適である。
このため、レンズ内側44aのレンズ外側44bに繋がる部分から車両外側(レンズ40の光軸中心Z側)に向かうにつれて、さらに、レンズ内側44aを車両内側に光を照射する面に形成すると、車両内側のインナーパネルなどに光を照射する恐れがある。
そして、上記で説明したレンズ内側44a及びレンズ外側44bが形成する左寄り配光パターンを合わせると図7(b)に示すスクリーン上の配光パターンとなる。
次に、左側光源70a(発光チップ74a)からの光が右寄り配光用入射面43aによってどのような配光制御が行われるのかについて説明する。
図9(a)と図9(b)は、右寄り配光用入射面43aの略中央を基準としてレンズ40の光軸中心Zから離れたレンズ外側45b(車両外側)の略半分の面に左側光源70aからの光が入射した場合を示している。
そして、図9(c)はレンズ内側45aのうち、車両外側(レンズ40の光軸中心Zから離れた側)の略半分の面に光が入射した場合を示したものであり、図9(d)はレンズ内側45aの車両内側(レンズ40の光軸中心Z側)の略半分の面に光が入射した場合を示している。
つまり、図9は、図8と入射面を見るときのトレース方向が逆になっている点が異なる。
したがって、右寄り配光用入射面43aの形成する配光パターンは、「VU−VD」線を超えて車両外側に5°〜10°程度の車両外側の範囲から車両内側までの配光パターン、つまり、右寄り配光パターン(車両内側寄り配光パターン)になっている(図7(a)参照)。
このことから、車両外側に位置する右寄り配光用入射面43aを活用してインナーパネルなどに光が照射されることがないように、車両内側となる右寄り配光パターン(車両内側寄り配光パターン)を形成している。
以下では、上記のようにして形成される左寄り配光パターン(車両外側寄り配光パターン)、右寄り配光パターン(車両内側寄り配光パターン)及び、左寄り配光パターンと右寄り配光パターンとが重合されて出来る遠方配光パターン(例えば、ハイビーム用配光パターン)について、図10を参照しながら、さらに、詳細に説明する。
なお、図10(a)〜(c)は、スクリーン上での配光パターンの光度分布を示す図になっており、したがって、内側ほど高い光度を有している、つまり、明るいことを意味する。
この左寄り配光パターンは、前述したように、右側光源70bからの光が左寄り配光用入射面43bで配光制御されて形成されたものである。
この右寄り配光パターンは、左側光源70aからの光が右寄り配光用入射面43aで配光制御されて形成されたものである。
図10(a)に示すように左寄り配光パターンは、図10(c)の遠方配光パターンのうち、車両外側寄りとなる左寄り配光パターンを形成しているが、スクリーンの「VU−VD」線から車両外側の範囲だけを形成しているわけではない。
より具体的には、「VU−VD」線から車両内側の少なくとも5°以上となる一部の配光範囲までを形成している。
図10(b)に示すように右寄り配光パターンも、図10(c)の遠方配光パターンのうち、車両内側寄りとなる右寄り配光パターンを形成しているが、スクリーンの「VU−VD」線から車両内側の範囲だけを形成しているわけではない。
具体的には、「VU−VD」線から車両外側の少なくとも5°以上となる一部の配光範囲までを形成するようにしている。
つまり、高い光度を有する右側光源70bの光照射軸を最も光源70bに近い左寄り配光用入射面43bの位置に合わせ、その左寄り配光用入射面43bの部分でスクリーンの略中央近傍の配光を形成するようにしているからである。
したがって、図10(c)に示す、遠方配光パターンのスクリーン略中央の光度の高い明るい部分(ホットゾーンHZ)は、右寄り配光パターンの比較的広く形成されたスクリーン略中央の光度の高い明るい部分と、左寄り配光パターンの比較的広く形成されたスクリーン略中央の光度の高い明るい部分とが、オーバーラップすることで形成されている。
そうすると、右側光源70b及び左側光源70aからの光がレンズ40に対して設計上の中心からオフセットした位置に入射することになる。
このような場合でも、本実施形態によれば、遠方配光パターンのスクリーン略中央のホットゾーンHZを維持することが可能である。
以下、この理由について図11を参照しながら具体的に説明する。
このため、図11(b)は、通常の組立て作業で起こり得る最大のオフセットが起こった場合を模擬したものになっている。
本実施形態では、左側光源70aと右側光源70bとの少なくとも2つの光源があればよく、このため従来技術のように多数の光源を使用する必要がなく、大幅に部品点数を削減することが可能である。
また、光源の数が少ないため、それに対応するレンズ40のサイズも大幅に縮小することが可能であるため、部品点数の削減と相まって車両用灯具の小型化が可能である。
以上、具体的な実施形態を基に本発明の説明を行ってきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものであり、そのことは特許請求の範囲の記載から当業者にとって明らかである。
20 カバー
30 ヒートシンク
40 レンズ
41a、41b フランジ
42 出射面
43 入射面
43a 右寄り配光用入射面
43b 左寄り配光用入射面
44a レンズ内側
44b レンズ外側
45a レンズ内側
45b レンズ外側
50 レンズホルダ
51a、51b スクリュー固定部
61a、61b スクリュー
62a、62b スクリュー
63a、63b 一対のスクリュー
70a 右側光源
70b 左側光源
71a、71b 電気コネクタ
72a、72b ボディ
73a、73b 基板
74a、74b 発光チップ
101L、101R 車両用灯具
102 車両
O レンズ原点
Z レンズの光軸中心
Claims (5)
- レンズと、
前記レンズの光軸中心を挟んで設けられる右側光源および左側光源と、を備え、
前記右側光源に対応する前記レンズの入射面は、遠方配光パターンの左寄り配光パターンであって車両内側10°以下の範囲内の左寄り配光パターンを形成する左寄り配光用入射面とされ、
前記左側光源に対応する前記レンズの入射面は、前記遠方配光パターンの右寄り配光パターンを形成する右寄り配光用入射面とされ、
前記左寄り配光用入射面は、略中央を基準として前記光軸中心側のレンズ内側が前記左寄り配光パターンの全体を形成するとともに、レンズ外側も前記レンズ内側と略同じ前記左寄り配光パターンを形成しており、
前記右寄り配光用入射面は、略中央を基準として前記光軸中心側のレンズ内側が前記右寄り配光パターンの全体を形成するとともに、レンズ外側も前記レンズ内側と略同じ前記右寄り配光パターンを形成しており、
前記左寄り配光パターンと前記右寄り配光パターンが、前記光軸中心付近でオーバーラップして重合されることで前記遠方配光パターンを形成していることを特徴とする車両用灯具。 - 前記左寄り配光用入射面の前記レンズ内側が形成する前記左寄り配光パターンと前記左寄り配光用入射面の前記レンズ外側が形成する前記左寄り配光パターンは、どちらか一方の前記左寄り配光パターンが他方の前記左寄り配光パターンを包含し、
前記右寄り配光用入射面の前記レンズ内側が形成する前記右寄り配光パターンと前記右寄り配光用入射面の前記レンズ外側が形成する前記右寄り配光パターンは、どちらか一方の前記右寄り配光パターンが他方の前記右寄り配光パターンを包含していることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記左寄り配光用入射面および前記右寄り配光用入射面の前記レンズ外側が形成する前記配光パターンが、前記レンズ内側が形成する前記配光パターンを包含することを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
- 前記左寄り配光用入射面と前記右寄り配光用入射面との繋がり部は、段差なく繋がっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
- 前記左寄り配光用入射面は、前記左寄り配光用入射面の前記レンズ内側と前記レンズ外側との境目近傍に、前記右側光源側に最も突出する部分を有する凸状の曲面として形成されており、
前記右側光源は、前記左寄り配光用入射面の最も突出する前記部分近傍に前記右側光源の光照射軸が位置するように配置されており、
前記右寄り配光用入射面は、前記右寄り配光用入射面の前記レンズ内側と前記レンズ外側との境目近傍に、前記左側光源側に最も突出する部分を有する凸状の曲面として形成されており、
前記左側光源は、前記右寄り配光用入射面の最も突出する前記部分近傍に前記左側光源の光照射軸が位置するように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
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