JP6511748B2 - 車両用灯具 - Google Patents
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Description
そして、灯具ユニットからの光がインナーパネルなどに照射されると、その光がインナーパネルなどで反射されてグレア光になるなどの問題がある。
(1)本発明の車両用灯具は、レンズと、前記レンズの光軸中心を挟んで設けられる一対の光源と、を備え、一方の前記光源に対応する前記レンズの入射面は集光配光パターンを形成する集光用入射面とされ、他方の前記光源に対応する前記レンズの入射面は拡散配光パターンを形成する拡散用入射面とされ、前記集光用入射面は、前記集光用入射面の略中央を基準として前記光軸中心側の一方の面が前記集光配光パターンの全体を形成するとともに、他方の面も前記一方の面と略同一形状の前記集光配光パターンを形成している。
なお、以下では、車両用灯具101Lのことを、単に「車両用灯具」と記載する。
図4に示すように、レンズ40の車両幅方向の両端には、スクリュー61a、61bを通すための貫通孔が形成された一対のフランジ41a、41bが設けられている。
図5は、図3のレンズ40を取外し、レンズホルダ50を正面から見るようにした正面図である。
図5に示すように、光源70a、70bは、どちらも給電のための電気コネクタ71a、71bが設けられたボディ72a、72bを備えている。
そして、ボディ72a、72bに一体に設けられた基板73a、73b上には、それぞれ、発光部となる発光チップ74a、74bが設けられている。
レンズ40は、図4に示すように、車両前方側に光を照射する出射面42と、光源70a、70bからの光がレンズ40に入射する入射面43とを備えており、出射面42は、断面が2次曲線で組み合わされた複合2次曲面に形成されている。
なお、図6では、発光チップ74a、74b(つまり、発光部)の位置を模式的に四角で示している。
一方、本実施形態では、拡散用入射面43aは、光源70a側に近づくように光軸よりに傾斜した面になっている。
図7(a)〜(d)は、光源70bからの光が集光用入射面43bで配光制御されて、どのような配光パターンとして車両前方側に照射されるのかを説明するための図である。
以降、図7以外の図においてもスクリーンの図が示されている場合、「VU−VD」がスクリーンの上下の垂直線を示し、「HL−HR」がスクリーンの左右の水平線を示すものとする。
そして、図7(a)は他方の面44bのうち、さらに、車両内側に近い略半分の面に光が入射した場合を示したものであり、図7(b)は他方の面44bの光源70b側略半分の面、つまり、他方の面44bの車両外側(レンズ40の光軸中心Z側)の略半分の面に光が入射した場合を示している。
そして、図7(c)は一方の面44aのうち、車両内側に近い略半分の面に光が入射した場合を示したものであり、図7(d)は一方の面44aの車両外側(レンズ40の光軸中心Z側)の略半分の面に光が入射した場合を示している。
上記表示が示す内容を、図7(a)を参照して、具体的に説明すると、本実施形態では、他方の面44bの車両内側に近い略半分の面は、最も車両内側に位置する部分が、スクリーンの配光パターンの外(スクリーンの左側)の配光を形成しており、他方の面44bの中央側(車両外側)に近づくにつれてスクリーンの配光パターンの正面(スクリーンの「VU−VD」線側)の配光を形成するようになっている。
以下、図7を参照しながら集光用入射面43bの配光制御の詳細な説明を進める。
図7(a)を見るとわかるように、光源70bから最も車両内側に向けて照射される光は、他方の面44bの最も車両内側の位置に到達するが、この光が車両内側に向かわないように、他方の面44の最も車両内側となる部分は、車両外側の配光を形成するように配光制御している。
つまり、最も車両内側に近い部分は、車両内側のインナーパネルなどが近くにあるので、インナーパネルなどに光が照射されることがないように、車両外側に光を照射するようにしている。
具体的には、スクリーン左上の「外→正面」の表示のように、他方の面44bの車両内側の略半分の面は車両内側から車両外側に向かうにつれて、車両外側から車両正面の配光を形成するように配光制御を行っている。
具体的には、この他方の面44bの光源70b側略半分の面の車両内側の部分は、先ほどの図7(a)から連続する面であるのでスクリーン上の「正面」近傍に光を照射することになる。
そして、他方の面44bの光源70b側略半分の面は、スクリーン上の「正面」近傍に光を照射している車両内側の部分を起点として、車両内側から車両外側に向かうにつれて、スクリーン左上の「正面→内」の表示のように、車両正面から車両内側の配光を形成するように配光制御を行っている。
そして、他方の面44bの車両内側に近い部分が、車両外側の配光を形成しているのを起点として、他方の面44bは車両外側に向かうにつれて、つまり、車両内側のインナーパネルなどから遠ざかるにつれて、車両内側の配光を形成し、他方の面44b全体で図7(a)と図7(b)のスクリーン上の配光パターンを合わせて出来るロービーム用の集光配光パターンを形成している。
そして、他方の面44bの車両外側の部分は、集光配光パターンの車両内側の配光を形成していることから、それに近接している一方の面44aの他方の面44bに繋がる部分も他方の面44bの形成している集光配光パターンの車両内側の配光部分近傍に光を照射することになる。
図8は、下側にレンズ40の出射面42と集光用入射面43bの面の形状を模式的に示し、光源70bからの光が集光用入射面43bに入射したときに、そのレンズ40に入射した光が、どのように出射面42から車両前方側に照射されるのかを示した図を示し、上側に、そのときのスクリーン上での集光配光パターンの状態を示したものである。
図8に示すように、本実施形態では、集光用入射面43bは、斜めカットオフラインCLを有するロービーム配光用の集光配光パターンを形成するように配光制御を行っている。
次に、光源70a(発光チップ74a)からの光が拡散用入射面43aによってどのような配光制御が行われるのかについて説明する。
図9は、図8と同様の図になっており、下側にレンズ40の出射面42と拡散用入射面43aの面の形状を模式的に示し、光源70aからの光が拡散用入射面43aに入射したときに、そのレンズ40に入射した光が、どのように出射面42から車両前方側に照射されるのかを示した図を示し、上側に、そのときのスクリーン上での拡散配光パターンの状態を示したものである。
丁度、「VU−VD」線は、レンズ40の光軸中心Z上に位置するので、言い換えれば、拡散用入射面43aは、光軸中心Zより車両内側の一方の光源70b側の配光範囲よりも、光軸中心Zより車両外側の他方の光源70a側の配光範囲の方が広くなるように配光制御を行っており、車両外側の良好な視認性が得られるようになっている。
そこで、本実施形態では、このような問題が回避できるように拡散用入射面43aの配光制御を行っている。
図10は、スクリーン上の配光パターンを示したものであり、図10(a)は、光源70bがレンズ40に対して設計取付け中心に位置する場合の集光配光パターンの状態を示している。
また、図10(b)は光源70a、70bがレンズ40に対して設計取付け中心に位置する場合の集光配光パターン及び拡散配光パターンの状態を示す図である。
なお、図10(b)では、図が見やすいように、配光状態としては拡散配光パターンだけを示し、集光配光パターンについてはカットオフラインだけを示すようにしている。
つまり、図10(c)は、集光配光パターンが鉛直方向(「VU−VD」線方向)下側に最大にオフセットし、逆に、拡散配光パターンが鉛直方向(「VU−VD」線方向)上側に最大にオフセットした場合である。
なお、図10(c)についても図10(b)と同様に集光配光パターンについてはカットオフラインだけを示すようにしている。
本実施形態では、拡散配光パターンのための光源70aと集光配光パターンのための光源70bとの少なくとも2つの光源があればよく、このため従来技術のように多数の光源を使用する必要がなく、大幅に部品点数を削減することが可能である。
さらに、集光配光パターンを略中央を基準としてレンズ40の光軸中心Z側の一方の面44aと光軸中心Zから遠い側(車両内側)の他方の面44bとで、それぞれ車両内側のインナーパネルなどに光が照射されないように集光配光パターンを形成するようにし、グレア光を抑制できるようにしている。
また、拡散用入射面43aは、拡散用入射面43aの形成するカットオフラインの光軸周辺の光を集光配光パターンのカットオフラインよりも鉛直方向に下げるようにしているので光源70a、70bの取付け時のレンズ40に対する位置のオフセットが起きても集光配光パターンの形成するカットオフラインが不明確になることがない。
この場合でも、最も車両内側に位置する他方の面44bの部分は、車両内側にあるインナーパネルなどに光を照射しないように、車両外側となる配光を形成するのでグレア光を抑制することが可能である。
20 カバー
30 ヒートシンク
40 レンズ
41a、41b フランジ
42 出射面
43 入射面
43a 拡散用入射面
43b 集光用入射面
44a 一方の面
44b 他方の面
50 レンズホルダ
51a、51b スクリュー固定部
61a、61b スクリュー
62a、62b スクリュー
63a、63b 一対のスクリュー
70a 一方の光源
70b 他方の光源
71a、71b 電気コネクタ
72a、72b ボディ
73a、73b 基板
74a、74b 発光チップ
101L、101R 車両用灯具
102 車両
O レンズ原点
Z レンズの光軸中心
Claims (5)
- レンズと、
前記レンズの光軸中心を挟んで設けられる一対の光源と、を備え、
一方の前記光源に対応する前記レンズの入射面は集光配光パターンを形成する集光用入射面とされ、
他方の前記光源に対応する前記レンズの入射面は拡散配光パターンを形成する拡散用入射面とされ、
前記集光用入射面は、前記集光用入射面の略中央を基準として前記光軸中心側の一方の面が前記集光配光パターンの全体を形成するとともに、他方の面も前記一方の面と略同一形状の前記集光配光パターンを形成し、
前記一方の面における前記光軸中心側の部分と、前記他方の面における前記光軸中心側とは逆側の部分とは、前記集光配光パターンにおける左右方向の中心よりも自車線側の配光パターンと、対向車線側の配光パターンのうちの、前記自車線側の配光パターンを主に形成することを特徴とする車両用灯具。 - 前記集光配光パターンと前記拡散配光パターンとが合わさってカットオフラインを有する配光パターンを形成しており、
前記拡散用入射面は、前記拡散用入射面の形成する前記カットオフラインの光軸周辺の光を前記集光配光パターンのカットオフラインよりも鉛直方向に下げるように形成していることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記拡散配光パターンは、前記光軸中心より前記一方の光源側の配光範囲よりも、前記光軸中心より前記他方の光源側の配光範囲の方が広く形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用灯具。
- 前記集光用入射面の前記他方の面が、前記集光用入射面の前記一方の面の形成する前記集光配光パターン内に包含される前記集光配光パターンを形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
- 前記集光用入射面と前記拡散用入射面との繋がり部は、段差なく繋がっていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
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