JP6619143B2 - 自律走行車および自律走行車の利用システム - Google Patents

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本発明は、自律走行車および自律走行車の利用システムに関する。
従来より、無人走行車には、有軌道無人走行車と無軌道無人走行車の2種類があり、特許文献1のような有軌道無人走行車は、床面などに配置された走行レールに沿って走行する。
図9は従来の有軌道無人走行車90(以下、単に台車90という)の構成を示す。図9において91は床面92に設置された走行レールであり、台車90は走行レール91にガイドされるガイド部93を設けることにより、決められた軌道上を移動することができる。また、94は台車90の車輪、95は前方に配置されたセンサであり、台車90前方のセンサ95で障害物を感知しながら走行レール91に沿って移動することにより、軌道上の搬入部から搬出部まで物品を搬送することができる。
しかしながら、台車90が走行する為の走行レール91を床面92に設置しているので、作業者がこの走行レール91に足を引っかけることが懸念される。
他方、特許文献2のような無軌道無人走行車は、磁気テープや誘導線を感知することにより軌道(走行ルート)上を走行することができる。
図10は従来の無軌道無人走行車96(以下、単に台車96という)の構成を示す。図10において、97は床面92に張り付けられた磁気テープなどの誘導テープ(または誘導線)、98は前記ガイド部93の代わりに設けた誘導センサである。つまり、誘導センサ98が誘導テープ97を感知することにより、誘導テープ97が示す走行ルート上を台車96が走行することができ、また、台車前方の障害物をセンサ95で感知しながら、衝突を避けることができる。
上記構成の台車96は前記誘導テープ97等を床面92に張っているため、作業者が台車96の走行エリアを横断しても、床面92に凹凸が無いので、足を引っかける虞もない。また、無人走行車の速度制御や停止制御等についても床面92に貼り付けられたマーカーなどによって行なうことにより、台車96は場内を安全かつ迅速に移動して物品の搬送を行なうことができる。
特開2005−161939号公報 特開2006−131120号公報
しかしながら、上述の従来の無軌道による搬送システムでは、床面92に形成した誘導テープ97等により走行ルートが定められているので、融通が利かないという問題がある。
図11は従来の無軌道台車96による搬送システム98の構成を一部拡大して示す図である。図11に示すように、走行エリア内を数台の台車96が走行している場合、1台の台車96aが故障等によって停止してしまうと、その台車96aが動くまで後続する台車96b…がすべて停止するという問題がある。
また、作業者が誤って台車96の走行ルート上に荷物を置いてしまうと、その荷物によっても誘導テープ97が寸断されることにより、この荷物を動させない限り物品の搬送が停止してしまうことがあった。そして、この搬送停止時間が長いと、最悪の場合に、組み付けライン(すなわち、図外のメインライン)の全体が停止する事態が発生するおそれがあった。
加えて、従来の無軌道の搬送システムにおいて走行ルートを変更するときには、床面92に既設の誘導テープ97や誘導線などを張り替える作業に時間がかかるため、容易にルート変更をすることができないという問題がある。さらに、無軌道台車96の速度制御や停止制御などをするためのマーカーを取付けている場合にはこれらも変更する必要があるので、容易にルート変更を行なうことが出来ないという問題がある。
さらに、床面92が鉄板などの金属によって形成されている場合には、この床面92に誘導テープ97のようなマーカーを貼り付けたとしても、これをセンサ95が感知することは困難であり、無軌道台車96が走行ルートを逸脱する可能性がある。このため、無軌道台車96を走行させる床面92の構造物が限定されてしまうという問題があった。
加えて、近年では高齢化社会に伴って車いすや電動車両(通称:シニアカー)のように高齢者や身体の自由がきかない方(以下、単に利用者という)の移動手段として動力によって移動可能に構成された走行車が必要とされている。しかしながら、利用者の中には既存の走行車の操作に不安を感じるだけでなく、目的地における移動に関しても走行できない段差に対する不安、目的地周辺の土地鑑がないことに関する不安など様々な不安要素があるために走行車の利用を断念したり、外出を控えるという問題が発生している。
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、床面の構造物を限定することなく使用可能であり、他の車の故障や障害物の発生、物品の搬入・搬出部の変更に対して走行ルートの変更などの対応を各車が自律的に柔軟に行なうことが出来、車による搬送を停止させることがない自律走行車および自律走行車の利用システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、第1発明は、物品または利用者を搭載した状態で走行エリア内の複数の目的地間を移動するように走行可能であり、少なくとも走行方向前方における障害物を検知する障害物検知センサを備える車であって、走行エリアの複数の通路および通路幅を含む地図情報を記録する地図記録部と、目的地間を結ぶ複数の走行ルートを含むルート情報を記録するルート記録部と、自車位置を求める手段と、ルート記録部に記録された走行ルートに従って自車位置と比較することによりに走行ルート上を走行させるとともに前記障害物検知センサが走行方向前方に障害物を検知するときに、前記ルート情報と走行エリアの複数の通路および通路幅を含む地図情報に基づいて走行ルートの迂回または再検索を行ってルート情報の調節を行うルート調節部とを備えることを特徴とする自律走行車を提供する。(請求項1)
前記ルート記録部には目的地間を結ぶ複数の走行ルートがルート情報として記録されており、この走行ルートに従って車を移動させることができる。前記障害物検知センサは走行方向前方における障害物を検知し、走行方向前方に障害物が無いときには前記ルート情報に従って車を走行させる。一方、障害物検知センサが走行方向前方における障害物を検知すると、前記ルート調節部が走行ルートを調節して物品の搬送を続けることができる。
ルート調節部は前記ルート情報と複数の通路および通路幅を含む地図記録部に記録された情報によって走行ルートの再検索を行なうものであるから、障害物の回避の可否を比較的容易に判断できる。ゆえに、処理能力の限られたマイクロコンピュータ、シーケンサーなどの演算部を用いて自律的に走行ルートの調節を行なうルート調節部を形成することができる。なお、自律走行車の位置は、電磁波の到達時間によって距離を演算することにより求めることが可能であるが、駆動輪の回転および操舵角から自律走行車の移動方向および距離を演算することによって求めて目的地に到着したときに補正するようにしてもよい。
すなわち、自律走行車は地図記録部に記録された通路および通路幅を含む情報を参照して走行するので、従来のように磁気テープや誘導線などを床面に設置する必要が無く、自律走行車のみの設定変更によって目的地の変更や通路の変更に柔軟に対応させることができる。
前記ルート調節部が、走行方向前方に障害物を検知するときに、まず予めルート記録部に記録されている迂回ルートによる走行ルートの迂回を試み、これが出来ないときに走行ルートの別ルートを再検索し、迂回も別ルートの検索も不可能であるときに、前方の障害物が無くなるまで待機するものである場合(請求項2)には、走行ルート上に故障した自律走行車などの障害物がある場合にも、ルート調節部が、まず、通路の通路幅から障害物を迂回できる走行スペースを探して走行ルートを大幅に変更しない迂回を試み、物品の搬送の遅れを必要最小限に抑えることができる。
次いで、迂回によって回避できないときに、ルート調節部は別ルートを再検索することにより搬送に遅れが発生したとしても物品の流れを完全に止めることがない。さらに、迂回も別ルートの検索も不可能なときには待機することにより安全を確保することができる。
車を移動させる動力源としての電池を備え、前記目的地は物品の搬入ステーション、物品の搬出ステーション、車の充電ステーションの位置であり、前記ルート調節部は前記電池の充電状態を監視して充電量が低下したときには車を充電ステーションの位置へ移動させるように走行ルートを調整するものである場合(請求項3)には、電池が車の移動に必要な動力を確保できるように自ら充電を行なうことができるので、動力源の確保のために作業員の手を煩わせることがない。電池は二次電池であることにより再び充電して再利用することができるので好ましいが、取り替え可能な電池パックであってもよい。この場合、充電ステーションは新たな電池パックとの交換によって電力の補充を行なう。なお、前記二次電池の容量を削減してその重量を軽減することにより自律走行車の軽量化を図り、省エネルギーに貢献してもよい。
前記地図記録部は走行エリア内の特定の部分または通路を対象とする走行速度の設定を記録してあり、前記ルート調節部は通路において設定された走行速度での速度制限を行うものである場合(請求項4)には、作業者の往来がなく、危険の少ない直線部は走行速度を上げて物品の搬送を高速に行なうことが出来ると共に、危険の多い部分においては設定した走行速度に規制して安全性を高めることができる。
前記地図情報およびルート情報は着脱可能なメモリ媒体に記録するものである場合(請求項5)には自律走行車に対する通路の変更や走行ルートの変更をメモリ媒体の入れ替えによって迅速に行なうことができる。これは複数の自律走行車に同じ変更を加えるときに同じ情報を記録したメモリ媒体を用意して入れ替えるだけで完了することを意味し、搬送内容の変化に極めて柔軟に対応できる。
前記ルート調節部は通信によって地図情報およびルート情報を受信して設定可能に構成されており、前記地図情報およびルート情報は走行可能な走行エリアに関連する情報を公開するウェブサイトを介して受信したものである場合(請求項6)には、走行エリア内の地図情報がウェブサイトを介して公開されるので、自律走行車によって走行可能な走行エリアを事前に確認してこれらの情報を用いて走行ルートを決め、ルート情報を設定できるので、利用者は走行エリア内の各目的地を思い通りに移動することができる。
前記ウェブサイトはインターネットであることが好ましいが、イントラネットのような閉ざされたネットワークであってもよい。地図情報は走行エリア内の目的地となり得る多数の位置情報を含むものであることが好ましく、ウェブサイト上で各目的地に関連する情報が公開されることにより、利用者が走行エリアに到着する前に目的地をある程度選んで走行ルートをウェブサイト上で選択可能とすることが好ましい。
また、地図情報およびルート情報は利用者の情報端末にダウンロードした後に、自律走行車のルート調節部が利用者の情報端末から地図情報およびルート情報を受信するものであることが好ましい。なお、各目的地における用件をすます間は自律走行車による自律走行を停止可能とすることが好ましい。また、この場合、自律走行車はたとえば利用者の情報端末から入力した操作に従って利用者の手動によって走行する手動走行操作部を備え、用件をすませたのちに再び自律走行を再開させるものであることが好ましい。
走行エリアが駅や空港のようなターミナルである場合には、ターミナルの構内の、搭乗手続き受付(切符売り場)、セキュリティゲート(改札)、エレベータ、搭乗口(乗車位置)、化粧室などの位置情報を含む地図情報と、利用者の目的に合わせて設定された各目的地間を移動するルート情報を用い、ルート調節部が地図記録部に地図情報を記録し、ルート記録部にルート情報を記録するので自律走行車によって構内を間違いなく移動することができる。同様に走行エリアが病院、役所、会社、工場などであっても、地図情報とルート情報を用いることにより構内を自在に移動することができる。
走行エリアがテーマパークやデパートのように利用者が目的地を自由に選択するような施設である場合には、入場券や整理券の売り場、入口、エレベータ、精算所、化粧室などの位置情報を含む地図情報と、施設内の各目的地のうち利用者が選んだ各目的地間を結ぶ走行ルートのルート情報を用い、ルート調節部が自律走行車の走行ルートを調節するので、施設内の各目的地間を間違いなく移動することができる。
前記地図情報およびルート情報は走行エリアを管理する施設のイントラネットを介して受信されたものであり、前記ルート調節部は施設から付与されたルート識別情報に紐づけされた目的地情報およびルート情報に従って走行ルートの調節を行うものである場合(請求項7)には、ルート調整部は、走行エリア内の地図情報をイントラネットから受信し、また、ルート識別情報に紐づけされたルート情報に従って、施設内の各目的地間を間違うことなく移動することができる。
前記施設が病院や役所などである場合には、たとえば、利用者による受付が行われたときに、施設内の地図情報に含まれる受付窓口、各担当者の順番待機位置、検査室(病院の場合)、精算所、化粧室のうち、依頼者の訪問目的に合わせた目的地を結ぶ走行ルートを定めて、この走行ルートに紐づけされたルート識別情報が発行される。
次いで、利用者は施設が発行したルート識別情報を用いて自律走行車に設定すると、前記ルート調節部は施設から付与されたルート識別情報に紐づけされた目的地情報およびルート情報を受信することにより走行ルートの調節を行って、施設内の各目的地間を間違いなく移動することができる。つまり、利用者は施設を訪問して訪問目的を告げるだけで、訪問目的を果たすために必要な各目的地に順次移動して用件を果たすことができる。これは病院の場合、検査や診断を定められた順に間違いなく受けることができるので、簡便である。
また、本発明によれば従来のように案内者が利用者に付き添って車を移動させる必要がないので、簡素化が促進できる。なお、ルート識別情報は二次元コードなどで印刷されたものであっても、磁気カードのような記録媒体に記録されたものであってもよく、これらが受付表を兼ねることが好ましい。
前記ルート調節部は利用者の情報端末から受信した指示に従って目的地を調節し、走行ルートの調節を行うものである場合(請求項8)には、利用者が自分の情報端末を用いて目的地を追加設定することが可能となり、利用者は化粧室への移動などの急な走行ルート変更を行う自由を得ることができる。
第2発明は、前記自律走行車によって走行可能な走行エリアに関する情報が公開されるウェブサイトを運営するウェブサーバと、利用者の識別情報を管理する利用者管理サーバとを備え、前記ウェブサーバは利用者からの要求があるときに前記識別情報を用いて利用者を確認し、利用者の要求による走行エリアの地図情報および利用者の目的地に伴う走行ルートの初期設定によるルート情報を利用者側の情報端末に転送可能に構成し、ウェブサーバによる情報閲覧にかかるシステム利用料を利用者および/または走行エリアの管理者に請求する利用請求部とを備えることを特徴とする自律走行車の利用システムを提供する(請求項9)。
各走行エリアの管理者は自律走行車の利用システムを用いることにより、自律走行車の利用者が走行エリアとして自らが管理する施設を選択して訪問する可能性を高めることができるので、情報閲覧にかかるシステム利用料を支払ったとしても集客を見込めて価値がある。また、通常なら世話を必要とする身体の自由がきかない方や高齢者が訪問するときにも、その移動に関しては自律走行車に任せることが可能となる。なお、前記ウェブサーバは、走行エリア周辺または利用者の現在地点に応じた商品の宣伝などを利用者の端末の画面表示または音声紹介にて宣伝コンテンツを含めて利用者に示すことも可能であり、この場合、管理者側は宣伝コンテンツによる広告収入を得ることにより、前記利用料の低減を図ることも可能である。また、利用者が用いる自律走行車は管理者側で用意しても、利用者の所有物であってもよい。
利用者は前記ウェブサーバに接続することにより、自律走行車が走行可能な走行エリアを確認できるので、自律走行車を用いて出かける前に目的地を選んで走行ルートを選択するなどして移動の計画を予め立てることができ、土地勘がないことによる不安や、段差などにより走行不能となる不安を払拭して安心して利用することができる。
第3発明は、前記自律走行車によって走行可能な走行エリアに関する情報を公開するウェブサイトを運営するウェブサーバと、利用者の識別情報を管理する利用者管理サーバと、利用者に関する情報を該当する施設のイントラネットと共有する情報共有サーバとを備え、前記ウェブサーバは利用者からの要求があるときに前記識別情報を用いて利用者を確認し、情報共有サーバは利用者の要求により訪問先となる施設のイントラネットとの間で利用者の目的地に関する情報を共有するものであり、ウェブサーバによる施設の情報閲覧にかかるシステム利用料を利用者および/または施設の管理者に請求する利用請求部とを備えることを特徴とする自律走行車の利用システムを提供する(請求項10)。
施設の管理者は自律走行車の利用システムを用いることにより、自律走行車の利用者が自らが管理する施設を選択して訪問する可能性を高めることができるので、情報閲覧にかかるシステム利用料を支払ったとしても集客を見込めて価値があるだけでなく、利用者が来訪する前に受付を済ませることも可能となり、受付業務の簡素化を果たすことも可能となる。また、通常なら世話を必要とする身体の自由がきかない方や高齢者が訪問するときにも、その移動に関しては自律走行車に任せることが可能となる。なお、前記ウェブサーバは、施設周辺または利用者の現在地点に応じた商品の宣伝などを利用者の端末の画面表示または音声紹介にて宣伝コンテンツを含めて利用者に示すことも可能であり、この場合、管理者側は宣伝コンテンツによる広告収入を得ることにより、前記利用料の低減を図ることも可能である。また、利用者が用いる自律走行車は管理者側で用意しても、利用者の所有物であってもよい。
利用者は施設に到着する前に自律走行車の利用システムを用いて、施設の利用予約を行い、訪問目的に応じて各目的地を設定し、自律走行車で走行可能であることを確認してから、施設に向かうことができる。施設に到着すると施設のイントラネットから施設の地図情報とあらかじめ選んでおいた目的地間を結ぶル走行ルートにしたがって間違うことなく目的地間を移動できる。
前述したように、第1発明によれば、磁気テープや誘導線などの自律走行車以外のハードウェア的な変更を全く行なうことなく、自律走行車の地図記録部および/またはルート記録部に記録させた情報の変更だけで走行ルートの変更を可能としているので、環境の変更に対してより柔軟に対応することができる自律走行車を提供する。
また、通路上に故障した自律走行車などの障害物が発生したときに、各自律走行車が自律的に走行ルートの変更を行なうことができ、自律走行車を用いた物品の搬送は続行して行なうことができるので、ラインを止めるような問題が発生することがない。
利用者が自律走行車を用いて移動するときには、走行エリアの地図情報を用いて各目的地間を結ぶ走行ルートの設定および変更を容易に行うことができるので、初めての場所に行くときにも不安を感じることがない。
第2,3発明によれば、利用者はウェブサーバを介して利用可能な走行エリアの情報を得ることができるので、走行エリアの土地鑑がないことや自律走行車にとって走行不能である道などの不安を払拭して移動することができる。
本発明の第1実施形態に係る自律走行車の構成を示すブロック図である。 図1に示す自律走行車の構成を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 前記自律走行車によって物品を搬送する例を説明する図である。 第2実施形態に係る自律走行車の利用システムおよび動作を説明する図である。 第2実施形態に係る前記自律走行車を示す図である。 前記自律走行車の利用システムの情報処理の例を示す図である。 自律走行車の利用システムで表示される画面の例を示す図である。 第3実施形態に係る自律走行車の利用システムの例を示す図である。 従来の有軌道無人走行車の構成を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 従来の無軌道無人走行車の構成を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 従来の無軌道台車による搬送システムの構成を示す図である。
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る自律走行車1の構成を説明する。図1および図2に示すように、本実施形態の自律走行車1は、バッテリなどの電池2(本実施形態では二次電池であり、以下、二次電池2という)からの電力を駆動部3及び操舵部4に供給することにより自律走行車1を任意の方向および任意の速度で移動させることができる走行制御部5と、走行方向前方における障害物を検知する障害物検知センサ6と、走行エリアの通路および通路幅を含む情報を記録する地図記録部7と、目的地間を結ぶ走行ルートを含む情報を記録するルート記録部8と、ルート記録部8に記録された走行ルートに従って自律走行車1を移動させるとともに前記障害物検知センサ6が走行方向前方に障害物を検知するときに、走行ルートの迂回または再検索を行って走行ルートの調節を行うルート調節部9とを備える。なお、以下の説明において、自律走行車1を省略して単に台車1ともいう。
図3に示すように、前記台車1は作業に必要な物品10A,10Bを搭載した状態で走行エリア11内の複数の目的地13A,13B,14,15間を移動するように走行するものであり、目的地13Aは物品10Aの搬入ステーション、目的地13Bは物品10Bの搬入ステーション、目的地14は物品10A,10Bの搬出ステーション、目的地15は台車1の充電ステーションである。
前記地図記録部7には、走行エリア11内の台車1の走行を妨げる構築物や設置物が壁12A〜12Fとして記録されており、これによって少なくとも走行エリア11内の複数の通路C1〜C6および通路幅W1〜W16が記録されている。また、通路C1、C4には作業者が通行する可能性があるため、安全性を確保できる走行速度の設定を記録してある。つまり、前記通路C1〜C6および通路幅W1〜W16の情報が走行エリア11内の地図となる情報である。
一方、前記ルート記録部8には、前記目的地13A,13B,14,15の位置情報および各目的地13A,13B,14,15間を結ぶ標準の走行ルートR1〜R7が記録されている。なお、走行ルートR3、R7は搬入ステーション13B,13Aに前方の台車1が停止しているときに選択される標準の迂回ルートであり、走行ルートR6は台車1の二次電池2が充電を必要とするときに選択される走行ルートである。図3において各走行ルートR1〜R7は台車1を走行させる順路を表わす曲線として表示しているが、これらの曲線に相当するテープのような目印が形成されているわけではない。
前記二次電池2は例えば鉛蓄電池などの電源であり、台車1の駆動部3と操舵部4に電力を供給することにより台車1が物品10A,10Bを搬入ステーション13A,13Bから搬出ステーション14まで運搬可能とするものである。なお、鉛蓄電池は大電流を放電可能であると共に再充電時にもメモリー効果が現われないために大電流を必要とする車1の動力源として好ましく、その充電容量は例えば半日の作業に必要な動力を供給できる以上であることが好ましい。しかしながら、本発明は二次電池2の種類を限定するものではなく、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドニウム蓄電池など種々の二次電池を用いることができる。加えて、電池2としてアルカリ電池、リチウム電池、マンガン電池、水銀電池など取り替え可能のパックにして用いてもよい。
また、前記二次電池2の充電容量を1日の作業に十分な量とすれば、一日の作業が終了するまで充電を行う必要がないのでより好ましい。しかしながら、逆に二次電池2の充電容量を削減して軽量化を図ることにより、台車1の総重量を軽量化して、省エネルギーに貢献できるようにすることも可能である。さらに、二次電池2を着脱可能のパックに構成し、充電ステーション15において充電済みの二次電池2と交換可能とすることにより、充電ステーション15に停車する台車1の停車時間を短くすることができるので、より好ましい。
前記駆動部3は車輪3Wに連結された駆動モータであり、前記操舵部4は車輪3Wの支持部に形成され操舵角を調節可能とするサーボモータである。また、前記走行制御部5は二次電池2からの電力を適宜調整して駆動部3、操舵部4に供給することにより台車1を任意の方向、任意の速度で走行させるものである。加えて、操舵角と走行速度によって台車1の現在地を演算によって求めることが可能であり、この現在地は台車1が前記目的地13A,13B,14,15に到着したときに正確な位置に随時補正されることが好ましい。
前記障害物検知センサ6は走行方向前方の障害物となるものを検知するものであり、例えば距離センサなどによって前方の物体との距離を測定可能としている。したがって、前方に故障した台車1や荷物などの障害物が存在する場合には、台車1の走行に伴ってこの障害物との距離が短くなるので、前記ルート調節部9は障害物検知センサ6の出力を監視することにより台車1の衝突を回避できる。
地図記録部7およびルート記録部8は例えばフラッシュメモリなど着脱可能に構成された不揮発性メモリに記録されていることが好ましく、通路、通路幅、走行ルートなどの情報を変更するときには、この不揮発性メモリを差し替えることにより変更可能となる利点がある。なお、本発明はこの構成に限定されるものではなく、地図記録部7およびルート記録部8をハードディスクなどの内蔵型の記録部によって形成してもよく、揮発性メモリに対して外部からの通信によって受信した情報を記録するものであってもよい。
前記ルート調節部9は前記ルート記録部8に記録された標準の走行ルートR1〜R7にしたがって台車1の自車位置と比較することにより走行ルートR1〜R7上を走行させるように走行制御部5に操舵および駆動の制御を行なわせる。これにより、搬入ステーション13A,13Bにおいて台車1に搭載した物品を搬出ステーション14まで搬送し、この搬出ステーション14において物品を降ろした台車1を再び搬入ステーション13A(または13B)の位置まで移動させて次の物品を搬送させることができる。
また、ルート調節部9は前記二次電池2の充電量を監視し、これが所定の閾値(例えば走行エリア11を一周するために十二分な容量)以下となった時に前記走行ルートR6を選択して、台車1を前記充電ステーション15に移動させることにより充電完了済みの二次電池2と交換させることができる。
次に、前記走行ルートR1〜R7上に壊れた台車1などの障害物が発生した場合を考慮する。図3の一部拡大図に示すように障害物を含む壊れた先行する台車1Fがある場合には、後続する台車1Rの前記障害物センサ6がこれを検知できるので、後続する台車1Rは故障した先行台車1Fや障害物などに突っ込むことを防止できる。
図3において、通路C6上の走行ルートR6において先行する台車1が搬入ステーション13Aに停止している状態を考えると、障害物検知センサ6は前方にある障害物が通路C6上に止まっていることを検知し、ルート調節部9はこれに伴って走行ルートの調節を行う。ここで搬入ステーション13Aにおいて台車1が停車することは予め考えられる状況であるため、別ルートとしての迂回ルートR7が予めルート記録部8に記録されており、ルート調節部9はこの迂回ルートR7を通って先に進むことにより、台車1による搬送を止めることなく行うことができる。
次いで、搬入ステーション13Bにおいて台車1が停車しており、かつ、これを迂回する走行ルートR3において台車1が故障により停車している場合を考える。このとき、前記障害物検知センサ6は前方にある台車1が走行ルートR2,R3を塞いでいることを検知し、ルート調節部9は別の迂回ルートを検索する。このとき、通路C3の通路幅W7が地図記録部7に記録されているので、この通路幅W7であれば別の迂回を行う走行ルートR8を検索でき、この走行ルートR8上を走行させることにより、台車1による搬送を止めることなく行うことができる。
さらに、通路C5上の走行ルートR4において故障した台車1Fが立ち往生している場合を考えると、後続する台車1Rはこの障害物を検知して、まず、走行ルートの迂回を考慮する。しかしながら、通路C5の通路幅W12が狭いため、ルート調節部9は通路C5内の迂回ではなく、次の目的地である搬入ステーション13Aまでの走行ルートの再検索を行う。
ここでは、もう一つ外側の通路C4が台車1の走行が可能な程度の通路幅W11を有するので、ルート調節部9はこの通路C4を通る走行ルートR9を通って台車1を走行させることにより、台車1による搬送を止めることなく行うことができる。しかしながら、この通路C4は作業者も通る通路であるため、台車1の走行速度の速度制限を行う必要があり、ルート調節部9は通路C4に定められた制限速度以下で台車1を走行させることにより安全性の確保を行う。
同様に、通路C2において障害物が発生した場合にも通路C1を通る走行ルートR10を再検索することにより物品10Aの搬送を止めることなく行うことができる。
上述のように、本発明においては、自律走行車1がそれぞれ地図記録部7とルート記録部8を持つことで、故障(異常)や障害物等を感知した際に、自律走行車1が独自に自律的に判断して前方の自律走行車1や障害物などを避けて走行することができる。また、走行エリア11の環境が変わったり、目的地13A,13B,14,15の位置が変わった場合には、地図記録部7とルート記録部8に記録する情報を変更することにより、その他のシステムを何ら変更することなく、変化に柔軟に対応することができる。
さらに、従来のように床面に誘導テープのようなものを貼り付ける必要もなく、床面の材質によっては通路を見失うという問題が発生することもない。
なお、本実施形態では地図記録部7およびルート記録部8は着脱自在に構成された不揮発性メモリに記録するように構成することにより、走行エリア11の環境変化に対してメモリの差し替えだけで迅速に対応できる例を示しているが、これに代えて、各車1がホストコンピュータに対して通信によって接続されている場合には、通信によって地図記録部7およびルート記録部8への記録内容をダウンロードすることにより、さらに柔軟な対応を可能としてもよい。
同様に、本実施形態では各台車1が操舵角と走行速度の関係から自車位置を演算によって求め、目的地13A,13B,14,15に到着した時点で補正するだけの簡単な構成により、より安価な位置検出を行う例を示しているが、GPSや無線LANの電波を用いた位置計測によって自車位置を求めるようにしてもよいことは言うまでもない。
図4〜図6は第2実施形態の自律走行車20の構成および自律走行車の利用システム30の構成および動作を説明する図である。図4において、自律走行車20は体の不自由な方や高齢者などの利用者を乗せた状態で自律走行する車椅子型の車である。したがって、以下の説明では自律走行車20を車椅子20と表現する。なお、本実施形態において第1実施形態と同じ符号を付した部分は、同一または同等の部材であるから、その詳細な説明を省略する。
図5に示すように、車椅子20は左右の車輪21L,21Rにそれぞれ駆動部としてのモータ22L,22Rと、両方のモータ22L,22Rの回転数を変えることにより任意の方向に操舵して操舵角を制御する図1における操舵部4に相当する制御を行ないながらモータ22L,22Rの回転速度や回転方向を制御することによって車椅子20の移動方向や移動速度を制御する走行制御部23とを備え、ルート調節部9における制御に従って、ルート記録部8に記録された走行ルートにそった移動を行うように構成されている。
加えて、車椅子20にはその利用者の介護を行う介護者の操作によって自律走行を解除し介護者の手動による走行を可能とする手動操作入力部20Mと、車輪21L,21Rに連結されて利用者からの力を車輪21L,21Rに直接加えることにより自律走行を解除してマニュアル操作を可能とする手動操作入力部21Mと、自律走行を解除して利用者の手動入力によって走行方向および走行速度を調節可能とする手動操作入力部としての操作レバー24と、スマートホンやタブレット端末などの情報端末25に近距離無線通信より接続されて地図記憶部7およびルート記憶部8に記録する地図情報およびルート情報の転送、追加、更新を可能とする通信部26とを備える。
図4に示す自律走行車の利用システム30は、車椅子20によって走行可能な走行エリアに関する情報が地図情報データベース31Dとして記録されると共に地図情報データベース31D中の地図情報が公開されるウェブサイト31Sを運営するウェブサーバ31と、利用者の識別情報を利用者データベース32Dに蓄積して管理する利用者管理サーバ32とを備える。例えば、ウェブサーバ31上に自律走行車の利用システム30の運営を可能とする幾つかのプログラムP1〜P5が実行可能に構成されている。なお、31Rは検索されたルート情報を記録するデータベースである。
なお、符号33は両サーバ31,32および利用者側の情報端末25の間で情報のやり取りを行うインターネットなどのネットワークシステム(イントラネットなどの閉ざされたネットワークであってもよいが、インターネットが好ましく、以下、単にインターネットという)であり、本実施形態では利用者管理サーバ32をウェブサーバ31と分けることによりセキュリティの向上を図っているが、同じサーバ31内に利用者データベース32Dを設けるなどの変形ができることはいうまでもない。
図6に示すように、前記ウェブサーバ31は利用者からの要求があるときに前記識別情報を用いて利用者管理サーバ32にアクセスして利用者を確認する利用者確認プログラムP1と、利用者の要求による走行エリアの地図情報を利用者側の情報端末25に転送する地図情報転送プログラムP2と、利用者が選んだ目的地に伴って走行ルートの検索を実行するルート検索プログラムP3と、検索されたルート情報31Rの初期設定を利用者側の情報端末25に転送するルート情報転送プログラムP4と、利用者による情報閲覧を監視して目的地として案内した施設毎に案内回数などの履歴を記録することによりシステム利用料を各走行エリアの施設の管理者に請求する利用請求プログラムP5を実行可能に構成している。
一方、利用者側の情報端末25には車椅子20を操作するためのアプリケーション(プログラム)がインストールされており、このアプリケーションを用いて前記ウェブサーバ31を介して受信した地図情報やルート情報を車椅子20に転送することにより、車椅子20の地図記録部7およびルート記録部8に転送できるように構成している。利用者側の情報端末25は持ち運び可能な端末であることが好ましいが、据置型のパーソナルコンピュータのように利用者の家庭に固定的に配置されたものであってもよい。
図7は利用者が前記自律走行車の利用システム30を用いて走行ルートを定める例を示す図である。図7の画面40に示すように、利用者が情報端末26などを用いてウェブサーバ31に接続すると、ログインボタン40Aが表示され、利用者は画面41に示すようにログイン情報の入力を行う。ログイン情報がないときには登録ボタン41Aを用いて利用者の個人情報などを入力して会員登録を行った後に、利用者のログイン情報に紐づけされた利用者の識別情報を登録可能であり、この識別情報は利用者管理サーバ32内の利用者データベース32Dに登録されることにより、利用者管理サーバ32は他のサーバからの要求に応じてログイン情報に紐づけされた利用者の個人情報などを必要時に引き出すことが可能となる。
識別情報は例えば利用者のメールアドレス41B、パスワード41Cなどであり、利用者がこれらの情報をその入力欄に入力した後にログインボタン41Dを押すことにより、ウェブサーバ31は入力された識別情報を利用者管理サーバ32に問い合わせて、自律走行車30の利用登録があるかどうか確認し、利用登録がある場合には、次の画面42を表示させる。なお、41Eはログイン情報を忘れたときのためのボタン、41Fはログインを取りやめるボタンである。
画面42において、車椅子20によって移動可能な走行エリアが幾つかのカテゴリに分けて登録されており、それぞれのボタン42A、42B…から選択できるように構成している。また、42Zはログアウトボタンである。ここでは、利用者がテーマパークのボタン42Aを選んだとして説明する。この場合、画面43が表示される。
画面43には車椅子20対応のテーマパークの一覧と簡単な説明が表示されており、興味を持ったテーマパークを選択できるボタン43A,43B…が表示される。ここでは、「○○ランド」を選択した場合を説明し、次に画面44が表示される。なお、43Zは前のページに戻るボタンである。
画面44では出発地点として例えば自宅や現在地などから選ぶプルダウンメニュー44Aと、このプルダウンメニュー44Aによって選ばれた地点(例えば自宅)から目的地の「○○ランド」までの走行ルートにおいて車椅子20による移動ポイントとなる各主要目的地の一覧とその詳細を表示するためのボタン44B〜44Eが表示され、各地点の詳細を確認できるように構成している。また、44Fはルートを決定するボタン、44Gはルートを変更するボタン、44Zは前のページに戻るボタンである。この画面44において、たとえば利用者がボタン44Cを押すと画面45が表示される。
画面45では「○○空港」の空港構内マップ(地図情報)とこの空港施設における各目的地45A,45B,45C、45Dの位置と、これらの目的地45A〜45D間を結ぶように選択された走行ルート(ルート情報)45E〜45Hが表示される。なお、45Zは前のページに戻るボタンである。また、地図上の各部を押すことにより、車椅子20による走行の注意点などの説明をポップアップ表示するように構成している。加えて、選択されるルートは車椅子20によって走行可能なスロープ、道幅などを選んで求められるものであるから、利用者は走行ルートを判断する土地鑑を必要としていない。
同様に画面46は画面44において「○○ランド」の詳細説明ボタン44Eが押されたときに表示される画面であり、「○○ランド」の遊園地構内マップ(地図情報)とこの遊園地施設における各目的地46A…となりうる各部の位置が表示され、利用者が地図上の各部を押すことにより、その詳細情報を確認でき、かつ、選んだ各目的地を巡回する走行ルートを選択できるように構成している。なお、46Zは戻るボタンである。
上述のように、利用者は自律走行車の利用システム30を利用することにより、車椅子20で移動可能な走行ルートをあらかじめ確認でき、移動の計画をあらかじめ立てることができるので、車椅子20で出かけることに対する不安を払拭することができる。移動計画がある程度確定すると、画面44の決定ボタン44Fを押すことにより、地図情報と初期の走行ルートを示すルート情報が例えば近距離通信などによって車椅子20のルート調節部9に転送され、実際に出かけるための準備をすることができる。
移動時には走行ルート上に障害物があるなどして走行不能であることも考えられるが、本発明の車椅子20は障害物検知センサ6によって障害物を検知したときにルート調節部9が地図情報に従って迂回ルートの再建策を試みるので、利用者は問題なく目的地に到着することができる。もちろん、利用者自身または介護者が必要に応じて手動操作入力部20M、21M、24などを操作して車椅子20の自律走行を中止した場合には即座に手動操作に従った移動を可能とすることが好ましい。同様に情報端末25から自律走行を停止させたり、再開させたりできるようにすることが好ましい。さらに、図示は省略するが地図情報には充電スタンドまたは充電池パックの交換サービススタンドの位置も目的地として設定可能であり、電池の充電量が低下したときにはルート調節部9が充電ステーション(充電スタンドまたは充電池パックの交換サービススタンド)への移動を自動的に行ってもよい。
加えて、利用者が前記情報端末25などを用いて、周囲の洗面所などを検索して走行ルートに加えるようにすることが好ましい。いずれの場合にも、利用者は車椅子20によって移動可能かどうかを必要以上に心配することなく、介護者も必要とせずに自由に目的地を移動できるので、利用者の自立支援を行うことができると共に、土地勘のない地方への移動時における道案内やツアーガイドとしての役割を果たすことも可能となる。
各目的地に登録される施設の管理者にとっては自律走行車の利用システム30の利用者が施設を登録する可能性が高くなるため、利用請求プログラムP5がまとめた利用料を支払ったとしても十分に価値がある。
図8は第3実施形態にかかる自律走行車50として、主に高齢者が乗車する一人乗り車両の形をした自律走行車(以下の説明においてはシニアカー50という)を用いて、病院、役所、会社、工場などの施設に目的をもって訪問するときに活用できる自律走行車の利用システム60の例を説明する。なお、図8において図1〜図7に示す第1実施形態、第2実施形態と同じ符号を付したものについては、同一または同等の部材であるから、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に示すシニアカー50は利用者がマニュアル操作で前輪51の操舵角を変更するための種々の形態のハンドル51、アクセルレバー52、ブレーキ53などを備えており、自律走行をさせないときには通常のシニアカーとして用いることができるだけでなく、すでに詳述した自律走行による自動運転を可能としている。加えて、近距離無線通信により利用者の情報端末25と通信することにより、情報端末25からの命令に従って自律走行のルートを変更できるように構成している。
図8に示す自律走行車の利用システム60は、シニアカー50によって走行可能な走行エリアに関する情報を公開するウェブサイト61Sを運営するウェブサーバ61と、利用者の識別情報を利用者データベース62Dに蓄積して管理する利用者管理サーバ62と、利用者に関する情報を該当する施設のイントラネット64と共有する情報共有サーバ63とを備える。
前記ウェブサーバ62は利用者からの要求があるときに前記識別情報を用いて利用者を確認し、情報共有サーバ63は利用者の要求により訪問先となる施設のイントラネット64との間で利用者の目的地に関する地図情報などを共有して地図情報データベース63Dを蓄積すると共に施設の利用者の個人情報など施設側と共有する施設利用データベース63Rを記録するものであり、ウェブサーバ61は利用者による施設の情報閲覧にかかるシステム利用料を施設の管理者に請求する利用請求部(利用請求プログラムP5を実行するサーバ)を備えるものである。
また、65は施設側のサーバであって、少なくとも患者のカルテなどの情報を蓄積してなる患者データベース65Aと、施設の地図情報などの施設情報を記録してなる地図データベース65Bを備えるサーバであり、66は施設側のイントラネット64をインターネット67に接続するファイヤーウォールである。
前記ウェブサーバ61はシニアカー50によって走行可能な施設の地図情報が公開されるウェブサイト61Sを運営して、情報共有サーバ63を介して各施設の地図情報を受信し、利用者の訪問目的に合わせた走行ルートを検索するものであり、利用者確認プログラムP1と、利用者が訪問する施設の地図情報を利用者側の情報端末25に転送する地図情報転送プログラムP2と、利用者が選んだ訪問目的を情報共有サーバ63を介して施設に通知し、この訪問目的を成し遂げるために施設側から情報共有サーバ63を介して知らされた各目的地を巡回する走行ルートの検索を実行するルート検索プログラムP3’と、検索されたルート情報の初期設定を利用者側の情報端末25または情報共有サーバ63を介して施設側に転送するルート情報転送プログラムP4’と、利用者による情報閲覧を監視して目的地として案内した施設毎に案内回数などの履歴を記録することによりシステム利用料を各施設の管理者に請求する利用請求プログラムP5を実行可能に構成している。本実施形態では各サーバ61〜63を分けて形成する例を示しているが、同じ情報処理端末上に形成されていてもよい。
利用者は本システム60を利用することにより、シニアカー50で訪問して走行可能な病院を容易に検索し、訪問する前に訪問目的を施設側に伝えることができる。したがって、施設側のサーバ65は情報共有サーバ63を介する通信によって、患者となる利用者の個人情報や訪問目的など、受付に必要な情報をある程度得ることができるので、施設は患者の受診受付を簡潔に行うことができる。
利用者が患者として病院を訪問すると、既に得られた患者の情報を基に基本的な情報は得られているので、受付65Cにおける手続きを必要最小限に抑えることができ、すぐに受診票70を発行することができる。この受診表70には患者の目的に合わせた走行ルートが紐づけされたルート識別情報が例えば二次元コード71によって記録されている。利用者はこの二次元コード71を情報端末25などのシステムに付属のカメラによって読み込むことにより、シニアカー50に走行ルートを設定でき、担当医の待合位置65D、検査の待合位置65Eなど、必要なルートを通って検査や診断を定められた順に間違いなく受けることができ、清算所65Fにて治療費を支払うことができる。
なお、本実施形態では病院を訪問する目的を病院訪問前に伝える例を示しているが、実際に病院を訪問して受診受付を行った時点で訪問目的を告げるようにしてもよいことはいうまでもない。また、同様のシステム60では病院のみならず、役所、会社、工場などの施設を訪問する場合にも応用できることはいうまでもない。
1,20,50 自律走行車
2 電池
3 駆動部
4 操舵部
6 障害物検知センサ
7 地図記録部
8 ルート記録部
9 ルート調節部
10A,10B 物品
11 走行エリア
13A,13B 搬入ステーション(目的地)
14 搬出ステーション(目的地)
15 充電ステーション(目的地)
25 情報端末
30、60 自律走行車の利用システム
31、61 ウェブサーバ
32、62 利用者管理サーバ
63 情報共有サーバ
71 ルート識別情報
C1〜C4 通路
W1〜W16 通路幅
R1〜R10 走行ルート

Claims (10)

  1. 物品または利用者を搭載した状態で走行エリア内の複数の目的地間を移動するように走行可能であり、少なくとも走行方向前方における障害物を検知する障害物検知センサを備える車であって、
    走行エリアの複数の通路および通路幅を含む地図情報を記録する地図記録部と、
    目的地間を結ぶ複数の走行ルートを含むルート情報を記録するルート記録部と、
    自車位置を求める手段と、
    ルート記録部に記録された走行ルートに従って自車位置と比較することによりに走行ルート上を走行させるとともに前記障害物検知センサが走行方向前方に障害物を検知するときに、前記ルート情報と走行エリアの複数の通路および通路幅を含む地図情報に基づいて走行ルートの迂回または再検索を行ってルート情報の調節を行うルート調節部とを備えることを特徴とする自律走行車。
  2. 前記ルート調節部は、走行方向前方に障害物を検知するときに、まず予めルート記録部に記録されている迂回ルートによる走行ルートの迂回を試み、これが出来ないときに走行ルートの別ルートを再検索し、迂回も別ルートの検索も不可能であるときに、前方の障害物が無くなるまで待機するものである請求項1に記載の自律走行車。
  3. 車を移動させる動力源としての電池を備え、前記目的地は物品の搬入ステーション、物品の搬出ステーション、車の充電ステーションの位置であり、前記ルート調節部は前記電池の充電状態を監視して充電量が低下したときには車を充電ステーションの位置へ移動させるように走行ルートを調整するものである請求項1または請求項2に記載の自律走行車。
  4. 前記地図記録部は走行エリア内の特定の部分または通路を対象とする走行速度の設定を記録してあり、前記ルート調節部は通路において設定された走行速度での速度制限を行うものである請求項1〜3の何れかに記載の自律走行車。
  5. 前記地図情報およびルート情報は着脱可能なメモリ媒体に記録するものである請求項1〜4の何れかに記載の自律走行車。
  6. 前記ルート調節部は通信によって地図情報およびルート情報を受信して設定可能に構成されており、前記地図情報およびルート情報は走行可能な走行エリアに関連する情報を公開するウェブサイトを介して受信したものである請求項1〜5の何れかに記載の自律走行車。
  7. 前記地図情報およびルート情報は走行エリアを管理する施設との通信によって受信されたものであり、前記ルート調節部は施設から付与されたルート識別情報に紐づけされた目的地情報およびルート情報に従って走行ルートの調節を行うものである請求項1〜5の何れかに記載の自律走行車。
  8. 前記ルート調節部は利用者の情報端末から受信した指示に従って目的地を調節し、走行ルートの調節を行うものである請求項1〜7の何れかに記載の自律走行車。
  9. 請求項6に記載の自律走行車によって走行可能な走行エリアに関する情報が公開されるウェブサイトを運営するウェブサーバと、利用者の識別情報を管理する利用者管理サーバとを備え、前記ウェブサーバは利用者からの要求があるときに前記識別情報を用いて利用者を確認し、利用者の要求による走行エリアの地図情報および利用者の目的地に伴う走行ルートの初期設定によるルート情報を利用者側の情報端末に転送可能に構成し、ウェブサーバによる情報閲覧にかかるシステム利用料を利用者および/または走行エリアの管理者に請求する利用請求部とを備えることを特徴とする自律走行車の利用システム。
  10. 請求項7に記載の自律走行車によって走行可能な走行エリアに関する情報を公開するウェブサイトを運営するウェブサーバと、利用者の識別情報を管理する利用者管理サーバと、利用者に関する情報を該当する施設のイントラネットと共有する情報共有サーバとを備え、前記ウェブサーバは利用者からの要求があるときに前記識別情報を用いて利用者を確認し、情報共有サーバは利用者の要求により訪問先となる施設のイントラネットとの間で利用者の目的地に関する情報を共有するものであり、ウェブサーバによる施設の情報閲覧にかかるシステム利用料を利用者および/または施設の管理者に請求する利用請求部とを備えることを特徴とする自律走行車の利用システム。
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