しかし、上記従来の軌道式の自動走行台車では、例えば、工場内の全体レイアウト等からみて加工装置間を直線的に結ぶことができず、ワークを受け渡しする両装置が互いに直角をなす向きに配置されていたり、両装置のセンターがずれて配置されていたりする場合に、両装置間に一つのレール58を敷設してそれに沿わせて台車を走行させるだけでは所定どおりのワーク搬送が行えない。従って、このような場合、二つ以上のレール58を組み合わせて敷設して各レール58に沿わせて台車を走行させる乗り継ぎ方式の構成等を採用する必要があり、レール58の設置費用が非常に高くなるとともに、ワークの乗り継ぎに時間がかかり、搬送効率が大変悪くなることは避けられないという難点がある。
また、前記レール58は、工場内において作業者が通行する通路を横断する状態で設置されることが多い。そのため、作業者はレール58を横断する際に躓かないように注意しなければならないのに加え、作業用手押し台車等とともにレール58を横断する際にはかなりの労力が必要となる。しかも、前記レール58の溝内にゴミや塵・埃等が溜まってしまうと自動走行台車の作動に不具合が生じるため、前記レール58を定期的に清掃する必要がある。
そこで、前記レール58により生じる不都合を解決することができるものとして、レールを不要とする無軌道式の自動走行台車がある。この自動走行台車は、複数の床面走行用車輪とその車輪駆動機構を備えているとともに、走行経路に沿わせて床面に設けた誘導マークを検出する検出手段(センサ)を台車本体に取り付けてある。したがって、センサによる誘導マークの検出結果に基づいて左右の走行車輪の回転速度を制御したり、走行車輪の操舵を行なう操舵制御装置を備えていることにより、台車本体の直線走行も曲線走行も共に可能にしている。
しかしながら、前記自動走行台車は操舵制御装置による操舵を行っても直ぐに台車の移動方向を変えることが難しいので、台車本体に取り付けられているセンサが台車の移動方向の変化を検出するまでに時間がかかることがある。このために、操舵制御装置による操舵が大きくなって、いわばオーバーステアリングの状態となり、自動走行台車が直線部や曲線部で大きく蛇行することがあった。
これを避けるために、自動走行台車に取付けるセンサの数を多くして、操舵制御装置による台車の移動方向の変化を素早く検出して、操舵制御装置によるオーバーステアリングを避けることが考えられる。しかしながら、センサの数を増やすことにより、その製造コストが引き上げられるだけでなく、制御部品点数が多くなることに伴って制御プログラムも複雑にならざるを得ないという問題があった。
加えて、上記従来の無軌道式の自動走行台車では、曲線経路での駆動走行を可能とするために、前記センサによる誘導マークの検出結果に基づいて内外輪の周速度差を補正制御するような複雑かつ高価な操舵制御装置等が必要で、台車全体が重量化、大型化するばかりでなく、部品点数が多く非常に高価なものになる。
また、図10〜図12に示したような四輪タイプの自動走行台車では、床面FLに凹凸部や傾斜部があると、四つの走行車輪52,53が均等に床面FLに接地せず、一部の車輪に異常負荷がかかって他の車輪よりも磨耗の程度が大きくなりやすい。そのため、補修や部品交換等のメンテナンスを短いサイクルで行う必要があり、そのメンテナンス費用を含めてランニングコストが非常に高いものとなる問題もある。
さらに、上述の自動走行台車は何れも走行経路が一本道であり、分岐点を有する複数の走行経路に沿って操舵することは難しかった。特許文献2には誘導マークを検出すると共に制御コマンドマークを撮像して画像認識するための視覚認識装置を設けた自動走行台車の構成が示されている。特許文献2のような自動走行台車では、台車が分岐部を正しく認識して所定の分岐を行わせるために複雑な画像認識を行なう必要があり、その製造コストを引き上げるものであった。
この発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、台車全体の軽量化、小型化並びに低コスト化が図れ、かつ、メンテナンスを含めたランニングコストの低減も可能としつつ、直線経路に限らず曲線経路でも分岐部を有する経路であっても簡単なステアリング制御で正確かつ円滑に走行させることができる自動走行台車を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の自動走行台車は、前後一対の車輪を含む少なくとも3個の車輪と、車輪駆動機構と、走行経路に沿わせて床面に設けた誘導マークを検出する検出手段と、この検出手段による誘導マークの検出結果に基づいて移動方向の制御をする操舵制御機構とを備えた無軌道式の自動走行台車であって、前記検出手段が操舵制御機構によって制御される台車の移動方向にあわせて台車の移動方向に対して左右に移動するように構成してあり、操舵制御機構が検出手段による検出結果をフィードバックして台車の移動方向の制御を行なうものであり、さらに、前記検出手段が、台車の移動方向に対して横方向に少なくとも3個並べて配置された光センサを有し、前記操舵制御機構は、全ての光センサが誘導マークを検出しているときには台車の移動方向を変えることがなく、左端の光センサによって誘導マークを検出できないときには台車の移動方向を順次右方向に変えるように操舵制御し、左端の光センサに加えて別の光センサによって誘導マークを検出できないときには台車の移動方向をより大きく右方向に変えるように操舵制御し、右端の光センサによって誘導マークを検出できないときには台車の移動方向を順次左方向に変えるように操舵制御し、右端の光センサに加えて別の光センサによって誘導マークを検出できないときには台車の移動方向をより大きく左方向に変えるように操舵制御するものであることを特徴としている(請求項1)。
前記操舵制御機構が、前記前後一対の車輪をそれぞれ台車本体に対して縦軸心まわりに回動可能に支持するとともに互いに逆方向に回動する前後一対の支持部を有し、前記検出手段がこの支持部に取り付けられていてもよい(請求項2)。検出手段は進行方向前方の支持部に取り付けられ、かつ、その検出対象領域が支持部の回動中心位置よりも進行方向前方側の位置になるようにすることが好ましい。また、本発明の自動走行台車は、例えば台車本体の一側に台車本体に対して縦軸心まわりに回動可能に支持された前後一対の車輪と、他端に一つの車輪とを有する三輪タイプであることが好ましい。
前記誘導マークの分岐部において分岐する場合に、前記操舵制御機構は、分岐方向側の端の光センサだけが誘導マークを検出しないときには台車の移動方向を変えることがなく、分岐方向側の端の光センサに加えて別の光センサも誘導マークを検出しないときには台車の移動方向を分岐方向と逆の方向に変えるように操舵制御し、全ての光センサが誘導マークを検出しているときおよび分岐方向と逆側の光センサが誘導マークを検出しないときには台車の移動方向を分岐方向に変えるように操舵制御するものであってもよい(請求項3)。
前記車輪駆動機構が、前記車輪に回転力を供給するモータと、このモータに電力を供給する充電池と、充電池からの直流の供給電力を一旦交流に変換するDC−ACコンバータと、交流の供給電力を用いて前記モータを駆動するための駆動用電力を供給するAC−ACコンバータとを有するもよい(請求項4)。
請求項1に記載の自動走行台車は、前後一対の車輪を含む少なくとも3個の車輪と、車輪駆動機構と、走行経路に沿わせて床面に設けた誘導マークを検出する検出手段と、この検出手段による誘導マークの検出結果に基づいて移動方向の制御をする操舵制御機構とを備えた無軌道式の自動走行台車であって、前記検出手段が操舵制御機構によって制御される台車の移動方向にあわせて台車の移動方向に対して左右に移動するので、この移動に合わせた検出結果を得ることができる。つまり、操舵制御機構は操舵制御から自動走行台車が実際に左右方向に移動するまでの時間的な経過を待つまでもなく、操舵制御に合わせて移動した検出手段による検出結果をフィードバックするだけで、台車に対する誘導マークのずれ量に合わせた操舵制御を即座に行なうことができる。
前記操舵制御機構が、前記前後一対の車輪をそれぞれ台車本体に対して縦軸心まわりに回動可能に支持するとともに互いに逆方向に回動する前後一対の支持部を有し、前記検出手段がこの支持部に取り付けられている場合(請求項2)には、従来の自動走行台車のように、曲線走行を可能とするための内外輪の周速度差を補正制御するような複雑な操舵制御装置等が不要であるので、台車全体の軽量化、小型化並びに低コスト化を図ることができる。
しかも、本発明の自動走行台車の前後一対の車輪は、前後において逆方向に回動して、その向きを変える支持部に取り付けられた、いわゆる2WS構造となっているので、少しのステアリング操作によって走行台車の向きを左右に所定角度だけ変えることができ、これにより、走行台車が直線経路だけでなく曲線経路も正確かつ円滑に走行し、しかも前後一対の車輪のいずれか一方しか接地していない場合でも、その向きを確実に変えることができる。また、本発明の自動走行台車は、前記2WS構造によって、前進および後退のいずれの移動時にも、操舵操作による曲がり角度を一定とすることができ、前輪のみが操舵用となっている自動走行台車と比べて、ステアリング操作に関する制御が容易となる。
また、検出手段は台車の移動方向前方の支持部に取り付けられ、かつ、その検出対象領域が支持部の回動中心位置よりも台車の移動方向前方側の位置になるようにすることにより、操舵制御される車輪が次に転がる方向に合わせて検出手段による検出対象領域の位置を移動させることができるので、より正確な操舵制御を行なうことができる。
さらに、本発明の自動走行台車が三輪タイプである場合には、床面に凹凸部や傾斜部があったとしても、各走行車輪は均等に床面に接地しそれら全車輪に均等に負荷がかかるので、全車輪をほぼ平均的に磨耗させることが可能であり、それだけメンテナンスのサイクルを長くとれ、一部の走行車輪の偏った磨耗に伴う補修や部品交換等に要するメンテナンス費用を削減してランニングコストの低減を図ることができる。
そして、請求項1に記載の自動走行台車では、前記検出手段が、台車の移動方向に対して横方向に少なくとも3個並べて配置された光センサを有し、前記操舵制御機構は、全ての光センサが誘導マークを検出しているときには台車の移動方向を変えることがなく、左端の光センサによって誘導マークを検出できないときには台車の移動方向を順次右方向に変えるように操舵制御し、左端の光センサに加えて別の光センサによって誘導マークを検出できないときには台車の移動方向をより大きく右方向に変えるように操舵制御し、右端の光センサによって誘導マークを検出できないときには台車の移動方向を順次左方向に変えるように操舵制御し、右端の光センサに加えて別の光センサによって誘導マークを検出できないときには台車の移動方向をより大きく左方向に変えるように操舵制御することから、検出手段を最低3個の光センサだけで形成でき、その構成を簡単にすることができると共に、左右の操舵制御の速度を2段階に切り換えることができるので、それだけ滑らかな操舵制御を行なうことができる。また、誘導マークからの離線をより確実に防止することができる。
さらに、前記誘導マークの分岐部において分岐する場合に、前記操舵制御機構は、分岐方向側の端の光センサだけが誘導マークを検出しないときには台車の移動方向を変えることがなく、分岐方向側の端の光センサに加えて別の光センサも誘導マークを検出しないときには台車の移動方向を分岐方向と逆の方向に変えるように操舵制御し、全ての光センサが誘導マークを検出しているときおよび分岐方向と逆側の光センサが誘導マークを検出しないときには台車の移動方向を分岐方向に変えるように操舵制御するものである場合(請求項3)には、左右方向に分岐する誘導マークを形成し、最低3個の光センサだけで形成された検出手段を用いて、誘導マークの分岐部を確実に検出し、この分岐部において台車を分岐方向側に操舵制御することができる。
前記車輪駆動機構が、前記車輪に回転力を供給するモータと、このモータに電力を供給する充電池と、充電池からの直流の供給電力を一旦交流に変換するDC−ACコンバータと、交流の供給電力を用いて前記モータを駆動するための駆動用電力を供給するAC−ACコンバータとを有する場合(請求項4)には、自動走行台車に対して電源ケーブルなどを接続する必要がなく、それだけ自動走行台車が走行する軌道を自由に設定することができる。また、モータ、充電池、DC−ACコンバータ、AC−ACコンバータは何れも工業用の汎用モータ、汎用のバッテリ、汎用コンバータを用いることが可能であるから、その製造コストを削減できるだけでなく、堅牢性に優れており、かつ、容易にメンテナンスを行なうことができる。
図1は参考例を示す図である。この参考例に係る無軌道式の自動走行台車(以下、台車という)の本体1は、図1において左側にある第一地点Pと右側にある第二地点Qとの間を往復走行し、二つの地点P,Q間においてワークWの搬送を行うように構成されている。以下、図1における第二地点Q側(右側)を前側、第一地点P側(左側)を後側といい、それに伴って、台車本体1が第二地点Q側に向かって移動するときを前進、第一地点P側に向かって移動するときを後退という。
図1に示すように、前記台車本体1は、平面視ほぼ矩形状のシャーシ2を備え、このシャーシ2の走行方向前後には、図2に示すように、バンパー3,3が連結固定されている。そして、台車本体1の下側には、複数(この実施の形態では三つ)の床面走行用車輪(以下、車輪という)4,5,6が設けられている。詳しくは、台車本体1の一側(図1において上側)に台車本体1に対して縦(鉛直)軸心まわりに回動可能に支持された前後一対の車輪4,5が、他側(図1において下側)のほぼ中央に一つの車輪6がそれぞれ設けられている。
前記車輪4,5は、台車本体1の前後にほぼ対称となるように配置されており、台車本体1に対して車輪4,5とともに縦(鉛直)軸心まわりに回転するように設けられたブラケットよりなる支持部7,8によって支持されている。ここで、前記支持部7,8は、例えばボールベアリング機構により台車本体1に対して縦軸心まわりに回転自在に構成されている。
また、後輪5はシンクロナスモータ(後述する車輪駆動機構の一部)9により駆動され、台車本体1の前進移動および後退移動を可能とし、かついずれの移動時にも、高速18m/minと低速5.3m/minとで移動させることができるように構成されている。さらに、台車本体1には、前輪4の回転を規制して走行中の台車本体1を停止(減速)させるためのブレーキ(例えば無励磁ブレーキ等の電磁ブレーキ)10が設けられている。
さらに、台車本体1の前側には、前進時減速用近接スイッチ11および前進時停止用近接スイッチ12が設けられ、後側には、後退時減速用近接スイッチ13および後退時停止用近接スイッチ14が設けられている。そして、前記前進時減速用近接スイッチ11に対応する第1マークプレート15と、前進時停止用近接スイッチ12に対応する第2マークプレート16とが、床面における第二地点Q付近に前後方向に若干位置をずらして設けられている。同様に、前記後退時減速用近接スイッチ13に対応する第1マークプレート17と、後退時停止用近接スイッチ14に対応する第2マークプレート18とが、床面における第一地点P付近に設けられている。なお、本実施例では近接スイッチ11〜14が光スイッチである例を示す。
一方、床面には、台車本体1の走行経路に沿わせて高い光反射特性を備えた光反射式帯状体よりなる誘導マーク19が設けられており、台車本体1は、前記誘導マーク19を検出する検出手段20(前後の検出手段20を符号20A,20Bを用いて区別する)を備えている。この検出手段20A,20Bは、光照射部および反射式光電管によって構成され、台車本体1の前後に1対ずつ設けられている。
また、台車本体1には、前記検出手段20A(または20B)による誘導マーク19の検出結果に基づいて前記車輪4,5の向きを制御する操舵制御機構21が設けられている。すなわち、この操舵制御機構21は、前記支持部8に台車本体1の内側に向けて連設された第一リンクベース22と、前記支持部7に台車本体1の外側に突出するように連設された第二リンクベース23と、これら二つのリンクベース22,23を連結するベース連結ロッド24と、前記検出手段20A(または20B)の検出結果に基づいて所定の位相となるように回転する回転部25と、前記回転部25と第一リンクベース22または第二リンクベース23とに両端が連結されたリンクロッド26とを備えている。
前記第一リンクベース22は、支持部8とともに支持部8の縦軸心まわりに回動するように構成されており、この第一リンクベース22によって、後側の前記一対の検出手段20Bが保持されている。また、前記支持部7には、台車本体1の内側に向けて第二リンクベース延長部27が連設され、この延長部27と一体的に形成された第二リンクベース23は、支持部7とともに支持部7の縦軸心まわりに回動するように構成されている。そして、前記第二リンクベース延長部27によって、前側の前記一対の検出手段20Aが保持されている。すなわち、本実施例では検出手段20A,20Bをリンクベース22,27に取付けるだけの簡単な構成で、前記検出手段20A,20Bが操舵制御機構21によって制御される台車本体1の移動方向にあわせて台車の移動方向に対して左右に移動する。
前記回転部25は、例えば回転角度を制御できるサーボモータ28によって所定半径の円を描くように回転する。そして、回転部25は、前記モータの駆動により、台車本体1の前側に近づいた位相と後側に近づいた位相との少なくとも二つの定まった位相となるように構成されている。
そして、前記操舵制御機構21は、前記回転部25の回転がリンクロッド26およびベース連結ロッド24を介して前記二つの支持部7,8に伝達されることにより、二つの支持部7,8がそれぞれの縦軸心まわりに逆回転し、これにより、前後一対の車輪4,5が縦軸心まわりに所定角度逆回転するように構成されている。すなわち、台車本体1は、前後一対の車輪4,5を2WS構造としてある。
図2は前記台車本体1の側面図である。図2において、29は台車本体1の上方に設けられたコンベア装置であり、図1における第一地点Pおよび第二地点QにおいてワークWの積み卸しを行う際に駆動するように構成されている。すなわち、この参考例では、各地点P,Qの近傍にそれぞれワークWの加工装置(図示していない)が配置されており、第一地点PにおいてワークWが前段の加工装置から台車に移され、台車が第二地点Qに移動した後、この第二地点Qにおいて台車から後段の加工装置へとワークWが移される。そして、前記コンベア装置29にはワークWが搭載したことを確認するためのワーク確認センサ29aが形成されている。また、Cはこの台車本体1の制御盤である。
図3は前記制御盤C内に搭載される台車本体1の制御回路の一例を示す図である。図3において図1,2と同じ符号を付した部材は同一の部材を示すものである。
図3において、30は充電池(バッテリ)、31はDC−ACコンバータ、32はシンクロナスモータ9を駆動するための任意の周波数の電力を供給可能であるAC−ACコンバータ、33はサーボモータ28を駆動するための任意の周波数の電力を供給可能であるAC−ACコンバータ、34は検出手段20A,20Bの入力に応じて各部32,33を制御するシーケンサである。また、34aは前記コンベア装置29に搭載されたワークWに関する情報を通信する通信部である。
前記バッテリ30は直流電圧12Vの電力を供給して各部9,28,31〜34を稼働させるためのものであり、前記DC−ACコンバータ31は前記直流電圧12Vの電力を交流電圧100Vの電力に変換するものである。また、AC−ACコンバータ32,33は交流電圧100Vの電力を工業用の汎用モータとして標準の三相交流電圧200Vに変換して出力するものである。
シーケンサ34は前進時にはAC−ACコンバータ32を制御してシンクロナスモータ9を前進方向に回転させると共に、検出手段20Aの出力を用いて検出された誘導マーク19の位置に応じて、AC−ACコンバータ33を制御してサーボモータ28を駆動することにより、自動走行台車の操舵制御を行なう。また、前記近接スイッチ11〜14の状態を監視して、自動走行台車の加減速や、移動および停止を制御する。なお、この参考例ではシーケンサ34として交流電圧100V用の汎用シーケンサを用いているので、DC−ACコンバータ31の出力、すなわち交流電圧100Vによって稼働する例を示しているが、シーケンサ34を直流24Vなどで稼働してもよいことはいうまでもない。
この参考例のように台車本体1内に各部9,28,31〜34に電力を供給するためのバッテリ30を搭載することにより、自動走行台車に外部から電源ケーブルを接続する必要がない。これによって、自動走行台車が複雑な動きをすることが可能となるだけでなく、その移動距離を容易に長くすることが可能である。つまり、自動走行台車の軌道を自在に設定することができる。
また、上述した各部9,28,30〜33は何れも入手し易い汎用のものであり、特殊な部材を一切用いていないので、自動走行台車の製造コストを低く抑えることができる。そして、各部9,28,30〜34に汎用性があるので、これを容易に代用品と交換することが可能であり、そのメンテナンスを容易とすることができる。
次に、上記の構成からなる台車の作動について説明する。参考例の台車本体1は、所定のサイクルに従って第一地点P、第二地点Q間を往復移動し、下記の(1)〜(8)に示す作動を繰り返す。以下、この台車の作動について図1をも参照しながら説明する。
(1)まず、第一地点Pにおいて停止した状態が所定時間継続し、この間に、ワークWが前段の加工装置等からコンベア装置33に積み込まれる。
(2)続いて、車輪駆動機構9により後輪5が駆動され、ワークWがコンベア装置29上に載置された状態で台車本体1が第二地点Qに向けて移動を開始し、この移動開始から所定の短い時間後に速度が所定の高速(例えば18m/min)となり、その後、この高速での移動が継続される。
(3)そして、第二地点Q付近に設けられた第1マークプレート15に台車本体1の前進時減速用近接スイッチ11が到達し、台車本体1は減速を開始し、この減速開始から所定短い時間後に速度が所定の低速(例えば5.3m/min)となり、その後、この低速での移動が継続される。
(4)その後、第二地点Q付近に設けられた第2マークプレート16に台車本体1の前進時停止用近接スイッチ12が到達し、台車本体1は第二地点Qにおいて停止した状態となる。
(5)第二地点Qにおいて停止した状態が所定時間継続し、この間に、ワークWがコンベア装置33から後段の加工装置等に移載される。
(6)続いて、車輪駆動機構9により後輪5が駆動され、台車本体1が第一地点Pに向けて移動を開始し、この移動開始から所定の短い時間後に速度が所定の高速(例えば18m/min)となり、その後、この高速での移動が継続される。
(7)そして、第一地点P付近に設けられた第1マークプレート17に台車本体1の後退時減速用近接スイッチ13が到達し、台車本体1は減速を開始し、この減速開始から所定の短い時間後に速度が所定の低速(例えば5.3m/min)となり、その後、この低速での移動が継続される。
(8)その後、第一地点P付近に設けられた第2マークプレート18に台車本体1の後退時停止用近接スイッチ14が到達し、台車本体1は第一地点Pにおいて停止した状態となる。
そして、台車本体1は、上記(1)〜(8)の作動を繰り返す際に、前記検出手段20A,20Bおよび操舵制御機構21によって、所定の走行経路から外れて走行することが防止される。すなわち、台車本体1は、前進時には、前側の一対の検出手段20Aによって誘導マーク19を検出する。
図4は前進時にシーケンサ34が確認する検出手段20Aによる光の照射エリア(以下、検出対象領域という)と誘導マーク19の関係を示す図である。図4に示すように検出手段20Aは2個の光電管などの光センサ20L,20Rからなり、これらの光センサ20L,20Rはそれぞれ前方の所定の検出対象領域L,Rに誘導マーク19があるかどうかを検出する。そして、自動走行台車が誘導マーク19に沿った位置にあり、かつ移動方向が直進であるときに、検出対象領域L,Rが誘導マーク19の左右両縁の位置に来るように、光センサ20L,20Rの位置が調整されている。
また、前記検出手段20Aは台車の移動方向Xの前方側の支持部7に対して第二リンクベース延長部27を介して取り付けてあり、この検出手段20Aの検出対象領域L,Rの位置は、支持部7の縦軸心Oの位置よりも距離dだけ進行方向Xの前方側の位置になるように調整している。つまり、車輪4が第二リンクベース23によって傾動する縦軸心Oまわりに矢印l,rに示す方向に回動すると、これに伴って検出手段20Aの検出対象領域L,Rも縦軸心Oを中心として矢印l’,r’に示す方向に移動する。言い換えるなら、前記検出対象領域L,Rが縦軸心Oの位置よりも進行方向Xの前方側の位置にあるので、車輪4が転がる方向に合わせて、検出対象領域L,Rの位置が左右方向に移動する。
図5は前記2個の光センサ20L,20Rを用いて、自動走行台車の移動方向を制御するための動作を説明する図である。参考例のシーケンサ34は2個の光センサ20L,20Rによる誘導マーク19の検出結果に合わせて、表1に示すように自動走行台車の移動方向を制御する。
仮に、図5(A)に示すように、左側の光センサ20Lの検出対象領域Lが誘導マーク19を外れたとすると、光センサ20Lの出力がOFFとなり、シーケンサ34は自動走行台車の移動方向を右に修正するように操舵する。なお、このとき支持部7は図示時計回りに回動して前輪4の時計回りに回動するが、図外の後輪5の支持部8は反時計回りに回動する。
図5(B)は支持部7が時計回りに回動したある時点の状態を示す図である。図5(B)に示すように、支持部7が矢印r方向へ回動したことに伴って検出対象領域L,Rの位置が矢印r’方向に移動し、ある角度α(操舵角度)に達した時点で両検出対象領域L,Rが誘導マーク19内に入り、光センサ20L,20Rの出力が共にONとなり、シーケンサ34は自動走行台車の今の移動方向(操舵角度α)を維持するように制御する。なお、この操舵角度αは検出対象領域L,Rと軸心Oとの前後方向の距離dによって定まり、この距離dが離れていればいるほど操舵角度αは小さくなる。
図5(C)は前記移動方向を維持した台車が走行を続けたある時点の状態を示す図である。図5(C)に示すように、操舵角度αの状態で前輪4が回転して前進すると、ある時点で光センサ20Rの検出対象領域Rが誘導マーク19から外れて、光センサ20Rの出力がOFFとなる。ここで、シーケンサ34は自動走行台車の移動方向を左に修正するように操舵する。このとき、支持部7は図示反時計回りに回動し前輪4も反時計回りに回動するが、図外の後輪5の支持部8は時計回りに回動する。
図5(D)は支持部7が反時計回りに回動したある時点の状態を示している。つまり、支持部7が矢印l方向へ回動したことに伴って検出対象領域L,Rの位置が矢印l’方向に移動し、両検出対象領域L,Rが誘導マーク19内に入る。そして、光センサ20L,20Rの出力が共にONとなったことに伴って、シーケンサ34は自動走行台車の今の移動方向(ほゞ図5(A)に示す元の方向)を維持するように制御する。
前記参考例は自動走行台車が誘導マーク19に対して左側にずれた場合を説明しているが、右側にずれた場合も同じ制御によって逆方向の操舵が行われるので、その詳細な説明を省略する。同様に、自動走行台車が後退するときには、後方の検出センサ20Bを用いて基本的に同じ制御を行うので、その詳細な説明を省略する。
以上詳述したように、参考例の自動走行台車では、誘導マーク19上の距離dだけ前方を検出対象領域L,Rとするように検出手段20が配置され、かつ、前輪4とともに回動する検出手段20の出力をフィードバックすることにより、いわば前輪4の転がる方向を予測して、自動走行台車と誘導マーク19のずれの大きさに対応する操舵角度αで前輪4を操舵することが可能である。つまり、僅か2個の光センサ20L,20Rを有する検出手段20を用いるだけで、無段階の操舵角度αの制御を行なうことができる。また、後輪5が前輪4と逆方向に操舵されるので、自動走行台車の向きを速やかに変えることができる。
なお、前記検出対象領域L,Rがともに誘導マーク19上に存在しなくなれば、両方の光センサ20L,20RがOFF状態となり、シーケンサ34はこれを離線と判断して台車本体1を停止するように構成されている。このような状態になるのは、例えば、台車本体1に何かが衝突した場合など、通常の動作以外の不具合が生じたときであると考えられる。
また、前記検出対象領域L,Rがともに誘導マーク19上に存在する場合は、シーケンサ34が台車本体1の移動方向を変えることがないが、これは台車本体1が直進方向である場合に限られるものではない。すなわち、誘導マーク19が曲線を描くような場合にも、また、床面に幾らか左右方向の傾斜が存在するときにも、参考例の自動走行台車はスムーズな動きをすることができる。
なお、上記参考例では、後輪5が車輪駆動機構9により駆動され、前輪4がブレーキ10により停止作動される構成について述べているが、このような構成に限られず、例えば、後輪5がブレーキ10により停止作動され、前輪4が車輪駆動機構9により駆動されてもよい。また、前輪4と後輪5の両方に車輪駆動機構9を備え、車輪駆動機構9による動力制御を行って減速および停止を行ってもよい。
さらに、上記参考例では、誘導マーク19を光反射式帯状体により構成し、検出手段20を光センサ(つまり、光照射部および反射式光電管)によって構成してあるが、その他のセンサを用いることも可能である。例えば、誘導マーク19を磁石(磁性体)よりなる帯状体により構成するとともに、検出手段20として磁気を感知する磁気センサを用いてもよい。
また、前記検出手段20が操舵制御機構21によって制御される台車本体1の移動方向にあわせて左右に移動する連動部の構成は、例えばラックとピニオンによるものなど、種々の変形が考えられる。
図6は図1〜5に示す自動走行台車において、台車の移動方向に対して横方向に3個並べて配置された3個の光センサ20L,20C,20Rを有する検出手段20’を用いた本発明の一実施例を示す図である。図6に示すように3個の光センサ20L,20C,20Rを用いて3箇所の検出対象領域L,C,Rに誘導マーク19があるかどうかを検出することにより、自動走行台車の操舵制御をより滑らかに行なうことができる。表2は、本実施例のように3個の光センサによる誘導マーク19の検出結果に合わせて、自動走行台車の移動方向を制御するシーケンサ34の動作を説明するものである。
図7は前記検出手段20’を用いて、分岐部のない直線または曲線の誘導マーク19に従って台車本体1を走行させる例を説明する図である。本実施例の台車本体1を分岐部のない誘導マーク19に沿って走行させる場合、図7および表2に示すように、全ての光センサ20L,20C,20Rが誘導マーク19を検出しているときには、台車の移動方向を変えることがない。
一方、右端の光センサ20Rによって誘導マーク19が検出できないときには台車の移動方向を順次左方向に変えるように操舵制御する。さらに、右端の光センサ20Rに加えて別の光センサ20Cによっても誘導マーク19が検出できないときには台車の移動方向をより大きく右方向に変えるように操舵制御する。すなわち、2個の光センサ20R,20Cによって誘導マーク19が検出できない場合は、台車の位置が誘導マーク19からより大きくずれているので、シーケンサ34は右端の光センサ20Rだけが誘導マーク19を検出できないときに比べてより早く前記サーボモータ28を動作させて左側に操舵することにより、それだけ前記操舵角度α(図5参照)を大きくして速やかな操舵制御を行なうことができる。
逆に、左端の光センサ20Lによって誘導マーク19が検出できないときには台車の移動方向を順次右方向に変えるように操舵制御する。さらに、左端の光センサ20Lに加えて別の光センサ20Cによって誘導マーク19が検出できないときには台車の移動方向をより大きく左方向に変えるように操舵制御する。すなわち、2個の光センサ20L,20Cによって誘導マーク19が検出できない場合は、より早く前記サーボモータ28を動作させて右側に操舵することにより、それだけ前記操舵角度αを大きくして速やかな操舵制御を行なうことができる。
そして、全ての光センサ20L,20C,20Rによって誘導マーク19が検出できないときには、シーケンサ34は離線と判断して自動走行台車の移動を停止する。
上述のように操舵制御の速度を2段階に分けて行なうことにより、誘導マーク19に対するずれが小さいときには操舵角度αを小さくして、操舵制御による台車の揺れを小さくすると共に、誘導マーク19に対するずれが大きいときには操舵角度αを大きくして、台車が確実に誘導マーク19に沿うようにすることができる。
なお、検出手段20’を構成するセンサの数を増やせば増やすほど、前記操舵制御をさらに綿密に行なうことが可能であるが、それだけ各部の構成が複雑になり、操舵制御機構21による制御も複雑になるので、自動走行台車の製造コストが引き上げられることは避けられない。したがって、自動走行台車の製造コストを必要最小限に抑えたうえで、十分精度良く自動走行台車を操舵制御するためには検出手段20’が3個のセンサを有することが好ましい。
次に、図8および表3を用いて分岐部19aのある誘導マーク19に沿って前記自動走行台車を走行させる制御方法を説明する。図8は前記検出手段20’を用いて、誘導マーク19の分岐部19aのエッジを検出してこの分岐に従って走行するエッジ検出走行モードによる操舵制御の例を説明する図である。また、本実施例の場合、シーケンサ34は3個の光センサによる誘導マーク19の検出結果に合わせて、表3に示すように自動走行台車の移動方向を制御する。
本実施例の自動走行台車は誘導マーク19の分岐部19aにおいて右側に分岐する場合は、符号Aに示す分岐部19aの手前の位置で、シーケンサ34が右エッジ検出走行モードに切り換えられる。この右エッジ検出走行モードでは、図8および表3に示すように、分岐方向側の端つまり右端の光センサ20Rだけが誘導マーク19を検出しないときには台車の移動方向を変えることがない。
一方、右端の光センサ20Rに加えて別の光センサ20Cも誘導マーク19を検出しないときには台車の移動方向を順次左方向に変えるように操舵制御する。逆に、全ての光センサ20L,20C,20Rが誘導マーク19を検出しているときには台車の移動方向を順次右方向に変えるように操舵制御する。さらに、左端の光センサ20Lが誘導マーク19を検出できないときには台車の移動方向をより大きく左方向に変えるように操舵制御する。
そして、左端の光センサ20Lに加えて別の光センサ20Cまたは20Rによって誘導マーク19が検出できないときには、シーケンサ34は離線と判断して自動走行台車の移動を停止する。なお、この離線の判断を行なう必要がない場合には、2個の光センサ20L,20Rを有する検出手段20を用いて前記エッジ検出走行モードを実現することも可能である。
上述のように操舵制御された自動走行台車は光センサ20Cと光センサ20Rの検出対象領域Cと検出対象領域Lの間に誘導マーク19の右側エッジが位置するように自動走行台車を操舵制御することができるので、自動走行台車は分岐部19aにおいて右側に操舵制御されて右側に分岐する。次いで、シーケンサ34は分岐部19aを通過した後の符号Bに示す位置において、直進走行モードに切り換えられる。
なお、前記自動走行台車が左側に分岐する左エッジ検出走行モードにおける動作は、上述した動作と同じで左右逆向きの操舵制御を行なうので、その詳細な説明を省略する。
また、前記分岐部19aを分岐するエッジ検出走行モードへの切換えは、例えば自動走行台車に搭載されるワークWの種類と前記マークプレート15〜18の検出によって行われる。つまり、ワークWの種類に応じて、マークプレート15〜18の検出回数に合わせてエッジ検出走行モードや直進走行モードへの切換えを行なうことができる。そして、ワークWの種類は図3に示す通信部34aを用いたワーク搬入・搬出信号の取り合いによってシーケンサ34に入力され、このワークWの種類に応じてマークプレート42a〜42f,43a,43bの検出時におけるシーケンサ34の動作を決定する。
図9は図6〜8に示す自動走行台車を用いてワークWを搬送するシステムの一例を示す図である。図9において、40は第1コンベア、41は第2コンベア、19A,19Bは誘導マーク19に設けた分岐路、19b,19cは分岐部、42a〜42gは前記近接スイッチ11,13によって検出される第1マークプレート、43a〜43cは前記近接スイッチ12,14によって検出される第2マークプレートである。そして、44は特定のワークWに加工を施す加工部である。
図9に示すように、誘導マーク19に分岐路19A,19Bを形成した場合は、台車本体1に搬入するワークWの種類に応じて分岐部19b,19cにおける分岐を行なうかどうかを切り換える。今、ワークWに加工部による加工が必要である場合には、台車本体1に対してワークWを搭載したときに、通信部34aを用いて入力した信号によって台車本体1が分岐部19aにおいて分岐路19B側に分岐して、分岐路19B中の加工部44において一旦停止し、加工済のワークWを第2コンベア41まで搬送する。
つまり、台車本体1が第1コンベア40に連結された状態から2個目の第1マークプレート42bを検出した時点で、台車本体1を左エッジ検出走行モードに切り換える。これによって、台車本体1は分岐部19aにおいて進行方向に向かって左側に分岐し、分岐路19Bに沿って走行する。次いで、3個目の第1マークプレート42cを検出した時点で左エッジ検出走行モードを終了して直進モードとなり、4個目の第1マークプレート42dを検出した時点で減速を開始し、第2マークプレート43aを検出した時点で一旦停止する。
さらに、加工部44において加工が終了すると再び分岐路19Bに沿って走行し、第1マークプレート42eの検出時にはそのまま走行し、2回目の第1マークプレート42fの検出時に減速して、第2マークプレート43bを検出した時点で一旦停止して、第2コンベア41に連結されて、ワークWが第2コンベア41に移送される。
一方、ワークWを降ろした台車本体1は、再び第1コンベア40に向かって移動するが、このときシーケンサ34は台車本体1が分岐部19bにおいて分岐路19A側に分岐して、より早く第1コンベア40に到達するように各部を制御する。つまり、2回目の第1マーク42eの検出に伴って左エッジ検出走行モードに切り替わることにより分岐路19Aに沿って走行し、3回目の第1マーク42gの検出に伴って直進モードとなり、5回目の第1マーク42gの検出に伴って減速し、第2マークプレート43cを検出した時点で停止する。
さらに、台車本体1が第1コンベア40から受け取ったワークWに加工部44における加工が必要でないときは、通信部34aを用いて入力した信号によって台車本体1が分岐部19aにおいて分岐路19A側に分岐して第2コンベア41まで搬送することができる。つまり、第1コンベア40から離脱した後に、2回目の第1マーク42bの検出に伴って右エッジ検出走行モードに切り替わり、分岐部19aにおいて分岐部19A側に分岐し、3回目の第1マーク42gの検出に伴って直進モードとなり、5回目の第1マーク42fの検出に伴って減速し、第2マークプレート43bを検出した時点で停止して、ワークWを第2コンベア41に移送することができる。
なお、上述した誘導マーク19,19A,19Bおよびマークプレート42a〜42g,43a〜43cのレイアウトは、本発明の自動走行台車の動作を説明するための単なる一例であるから、種々の分岐部を備えた誘導マーク19を形成することが可能であることはいうまでもない。