以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンに設定されると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、「大当たりA」であれば、次に大当たりとなるまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。一方、「大当たりB」であれば、その大当たりが終了してから、100回、抽選が実行されるまで(特別図柄の変動が開始されるまで)の間、普通図柄の時短状態となる。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数と、特別図柄の確変期間とを共通とし、その大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<先読み演出について>
本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の保留球に対して、第1入球口64に遊技球が入球して各種カウンタが取得されたことに基づいて、各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が事前に判定(先読み)される。先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンド(大当たり入賞コマンドまたは外れ入賞コマンド)が音声ランプ制御装置113へ送信される。音声ランプ制御装置113のMPU221は、入賞情報コマンドを受信すると、先読み演出を実行するか否かを決定する。
ここで、先読み演出について説明する。先読み演出は、図13(a)〜(b)に示すように、特別図柄(第3図柄)の変動を跨って実行される予告演出である。予告演出の内容としては、図12(a)〜(c)に示すように、先読み演出の回数を示す文字が第3図柄表示装置81に表示される。その時に、文字の背景色が抽選によって選択されて表示される(青色、黄色、赤色のいずれか)。
具体的には、図13(a)に示す先読み演出で4回が選択された場合を例に挙げて説明する。主制御装置110のMPU201のRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの保留第4エリアに記憶される保留球に対して、先読みが実行され、その先読みに基づく入賞情報コマンドに対して、先読み演出を実行すると決定された場合に、先読み演出4回が決定されると保留第1エリアから保留第4エリアまでの変動に跨って、図13(a)に示すような先読み演出が実行される。
詳細には、図13(a)に示すように、先読み演出の回数が4回の先読み演出では、変動1(保留第1エリアに対応する特別図柄の変動)と変動2(保留第2エリアに対応する特別図柄の変動)との間で、1回目の先読み演出である予告1の先読み演出として図12(a)に示す「1回目」の文字が第3図柄表示装置81に表示される。この予告表示は、変動1の変動における特別図柄(第3図柄)の変動が停止する前(変動している間)に表示されて、変動2の特別図柄が変動開始するタイミングとなってもしばらくの間(本実施形態では、予告表示時間は3秒間)、表示される。
次に、変動2と変動3(保留第3エリアに対応する特別図柄の変動)との間で、2回目の先読み演出である予告2の先読み演出として図12(b)に示す「2回目」の文字が第3図柄表示装置81に表示される。この予告表示は、1回目の予告表示と同様に変動2の特別図柄(第3図柄)の変動が停止する前(変動している間)に表示されて、変動3の特別図柄が変動開始するタイミングとなってもしばらくの間(本実施形態では、予告表示時間は、3秒間)、表示される。
その後、変動3と変動4(保留第4エリアに対応する特別図柄の変動)との間で、3回目の先読み演出である予告3の先読み演出として図12(c)に示す「3回目」の文字が第3図柄表示装置81に表示される。この予告表示は、1回目、2回目の予告表示と同様に変動3の特別図柄(第3図柄)の変動が停止する前(変動している間)に表示されて、変動4の特別図柄が変動開始するタイミングとなってもしばらくの間(本実施形態では、予告表示時間は、3秒間)、表示される。なお、特別図柄が停止表示されるタイミングでは、予告演出の表示によって特別図柄が隠されてしまう場合には、第3図柄表示装置81に特別図柄(第3図柄)の代替として小さい「○」が表示されて、変動中は例えば緑色と白色の点滅をして、特別図柄が停止する場合には、外れを示す白色で停止表示される。
このように、先読み演出では、先読み演出の最終の回数となるまで、特別図柄の停止表示が予告によって隠されて、次の変動表示が開始されるので、遊技者には、特別図柄の抽選が継続されているかのように見せることができる。よって、遊技者に外れの変動を明確に見せずに、変動演出を見せることができ、遊技者が外れでがっかりしてしまう不具合を抑制できる。
また、先読み演出で表示される特定予告表示態様(予告1〜3に対応)は、図13(a)の詳細図に示すように、1つの変動の図柄確定期間の前に表示される高速で図柄が変動表示された高速変動期間の状態から低速で図柄表示される低速変動期間の状態に切り替わる時または切り替わる少し前から、表示開始される。そして、図柄が確定停止される期間もずっと表示され、次の変動表示が開始されて、その変動の低速変動期間の間、ずっと表示される。予告2、予告3も同様の構成となっている。
これにより、複数の変動を1つの変動がずっと高速で表示されているかのように見せることができる。よって、複数の変動を1つの変動であるかのように見せることができる。
また、本実施形態では、第3図柄を特定予告表示態様で隠すように構成したが、それに限らず、特定予告表示態様が表示されている期間は、第3図柄表示装置81の表示領域の片隅等に図柄を小さく縮小または図柄を仮の図柄(例えば、「○」「×」等)で小さく変動表示するように構成してもよい。
また、本実施形態では、特定予告表示態様が表示されている期間は、第3図柄の表示を隠すように構成したが、第3図柄の変動表示の開始時期を遅らせるように構成してもよい。この場合には、いきなり第3図柄を高速変動で変動表示を開始すればよい。このように構成することで、第3図柄を表示制御する制御負荷を軽減させることができる。
また、本実施形態では、詳細については後述するが、先読み演出の最後の変動は、外れスーパーリーチまたは大当たりのリーチとなるように構成したので、遊技者には、先読み演出の予告演出が表示されると大当たりへの期待をより大きくできる。よって、遊技者は、先読み演出が実行されないかと期待して遊技を行うことができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを防止できる。
また、先読み演出は、変動の図柄停止のタイミングよりも前のタイミングで表示されるので、変動開始時に先読み演出が行う場合と比較して、変動開始時に先読み演出が行われ無い事で遊技者が早期に失望してしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、予告演出の表示によって、第3図柄を隠した場合にも、代替の図柄(本実施形態では「○」)が表示されるので、第3図柄の停止タイミングをその代替図柄によって確認できる。ここで、代替図柄は通常時の図柄よりも小さく表示するように構成したので、代替の特別図柄を識別することは困難な構成としてある。よって、特別図柄の停止タイミングをどうしても知りたい遊技者に対しては、知らせることができ、遊技の演出に従って遊技したい遊技者には、設計上の演出通り、特別図柄の停止タイミングを分かり難くして、先読み演出の全ての回数で1回の変動が行われているかのような演出を見せることができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動を予告演出によって、隠すように構成したが、それに限らず、「3」「4」「1」のようなチャンス目で特別図柄を停止するように構成してもよい。また、特別図柄を通常時とは異なる別の図柄(例えば、女の子のキャラクタの図柄やチャンス等の文字)で表示するように構成してもよい。
また、本実施形態では、先読み演出では、すべての予告演出で、2つの変動を跨ぐように構成したが、それに限らず、抽選によって、変動を跨ぐものと、跨がないものをそれぞれ選択するように構成してもよい。このように構成することで、多様な予告演出を行うことができる。さらに、先読み演出の最終回の当否判定の結果によって予告演出を異ならせるように構成してもよい(例えば、当否判定が大当たりの場合に、変動を跨ぐ予告演出が選択されやすい)。このように構成することで、予告演出の態様から当否判定結果を判別し易くできる。
また、本実施形態では、先読み演出の回数は、抽選により選択されるように構成したが、大当たり入賞コマンドを受信した場合には、より多くの回数の先読み演出が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、より多くの回数の予告演出が表示されることで、遊技者はより大当たりへの期待を持つことができる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
<主制御装置110の電気的構成>
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図24参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7,107,282」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
尚、本実施形態では、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図7(a)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。第1入球口64に遊技球が入球したタイミングで取得されて、主制御装置110のRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図24参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図7(b)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図16参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図23参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図5に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3、CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3、CS1の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3、CS1の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3、CS1の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3、CS1の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
なお、特別図柄保留球格納エリア203aには、後述する主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(図19のS106)のS407により判定された当否判定結果(先読み判定の結果)も保留第1〜第4エリアにそれぞれ記憶される。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図16のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図17のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図17のS206、図19のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図21のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図20のS605参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図21のS705)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図21のS703:No)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
具体的には、「大当たりB」であると判定されると100に設定される(図17のS214参照)。その後、時短中カウンタ203eの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図17のS217)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203eの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図20のS610,S611参照)。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201がパチンコ機10の制御で必要なその他の各種フラグやデータ等が記憶されるエリアである。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
<音声ランプ制御装置113の電気的構成>
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222には、各種制御に必要な制御プログラムや、各種データ等が記憶されている。その一部として挙げると、先読み演出抽選テーブル222a、先読み回数抽選テーブル222b、先読み演出選択テーブル222c、演出内容コマンド選択テーブル222dがそれぞれ設定されている。
先読み演出抽選テーブル222aは、先読み演出の有り、無しを決定するためのデータテーブルである。図7(c)に示す先読み演出抽選テーブル1と図7(d)に示す先読み演出抽選テーブル2とで構成されている。先読み演出抽選テーブル222aは、先読み演出の有り、無しを抽選するために用いられるデータテーブルである。音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する先読み演出抽選処理(図29、S1412)のS1603の処理において、大当たり判定フラグ223eがオンであると判定された場合には、先読み演出抽選テーブル2が選択されて先読み演出の抽選が行われる(図29のS1604)。一方、大当たり判定フラグ223eがオフであると判定された場合には、先読み演出抽選テーブル1が選択されて先読み演出の抽選が行われる(図29のS1605)。なお、本実施形態では、先読み演出抽選テーブル2の方が、先読み演出有りが選択される演出カウンタ223hの値が多く設定されており、先読み演出有りが選択され易く設定される。よって、大当たり入賞コマンドを受信すると先読み演出が実行され易い。
先読み回数抽選テーブル222bは、図8(a)に示すように先読み演出の回数を決定するためのデータテーブルである。図8(a)は、この先読み回数抽選テーブル222bの一例を模式的に示した図である。先読み回数抽選テーブル222bは、特別図柄保留球数カウンタ223bの値と演出カウンタ223hの値とに基づいて先読み演出の回数が選択される。なお、上限値を保留球数の値として、先読み演出の回数は選択される。
先読み演出選択テーブル222cは、図8(b)に示すように、先読み演出の最終回の特別図柄の変動パターン(特図変動1〜5)と先読み演出カウンタの値とに基づいて、先読み演出の予告演出(演出1〜3)を決定するためのデータテーブルである。図8(b)は、先読み演出選択テーブル222cの一例を模式的に示した図である。なお、先読み演出が実行される特別図柄の変動パターンは簡略化して特図変動1〜5として示してある。実際には、各変動パターンに対して、演出1〜3のいずれかがそれぞれ割り当てられる。また、予告演出についても、演出1〜3に限らず適宜、設定すればよい。
先読み演出の予告演出としては、図12(a)〜(c)に示すような演出がそれぞれ第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、演出1の予告演出では、図12(a)〜(c)に示す先読み演出の回数(先読み演出カウンタの値)に該当する回数を示す文字が表示され、背景色が青色で表示される。同様に、演出2の予告演出では、図12(a)〜(c)に示す先読み演出の回数(先読み演出カウンタの値)に該当する回数を示す文字が表示され、背景色が黄色で表示される。演出3の予告演出では、図12(a)〜(c)に示す先読み演出の回数(先読み演出カウンタの値)に該当する回数を示す文字が表示され、背景色が赤色で表示される。
このように、変動パターンに対して、先読み演出の回数毎に選択される予告表示態様(演出1〜3)を設定したので、例えば、大当たりの変動パターンに対しては、赤色の背景色が多く選択されるように設定して、外れの変動パターン(スーパーリーチ)に対しては、赤色の背景色が選択され難く設定することで、遊技者に背景色で大当たりへの期待を持たせることができる。
また、先読み演出回数が多く、変動パターンの当否判定が大当たりであれば赤色の背景色が多く選択されるように設定する(即ち、大当たりの変動パターンに対しては、先読み演出カウンタの値が3であれば、演出3が多く設定され、外れの変動パターンに対しては、演出カウンタの値が3であるときに、演出1または演出2が演出3よりも多く選択されるように設定する)ことで、先読み演出の予告表示が多い程、遊技者に大当たりへの期待を持たせる演出を行うことができる。
演出内容コマンド選択テーブル222dは、図8(d)に示すように先読み演出の予告演出の種類(演出無しまたは演出1〜3)を表示制御装置114に対して通知するためのコマンドを選択するためのデータテーブルである。具体的には、先読み演出選択テーブル222cにおいて、演出なしが選択されれば、コマンド「90h00h」が選択され、演出1が選択されれば、コマンド「90h01h」が選択され、演出2が選択されれば、コマンド「90h02h」が選択され、演出3が選択されれば、コマンド「90h03h」が選択される。
そして、表示用先読みコマンドとしては、1回目の先読み演出(先読み演出カウンタ記憶エリア223fの先読みカウンタの値が1)であれば、90h01hのコマンドに1回目の回数が付与されて90h11hの表示用先読みコマンドが設定される。このとき、2回目であれば、90h01hのコマンドは90h21hの表示用先読みコマンドとして設定される。同様に、3回目であれば、90h01hのコマンドは90h31hの表示用先読みコマンドとして設定される。演出2、演出3の表示用先読みコマンドについても同様にして設定される。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、と、大当たり判定フラグ223eと、先読み演出カウンタ記憶エリア223fと、先読み回数カウンタ記憶エリア223gと、演出カウンタ223hと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図27のS1409参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図27のS1402参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフに設定される(図30のS1702参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図26参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定され(図27のS1405参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフに設定される(図30のS1607参照)。
大当たり判定フラグ223eは、主制御装置110より当否判定結果が大当たりとなる大当たり入賞コマンドを受信したことを示すフラグである。この大当たり判定フラグ223eは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図27、S1312)のS1411の処理でオンに設定され、S1413の処理において、オフに設定される。大当たり入賞コマンドを受信した場合には、この大当たりフラグ223eがオンに設定され、その後実行される後述する先読み演出抽選処理(図29、S1412)において、大当たりフラグ223eがオンであれば、先読みありの判定が選ばれやすい先読み演出抽選テーブル222aが選択される。なお、大当たり判定フラグ223eは、電源投入時には、初期設定において、オフに設定されるフラグである。
先読み演出カウンタ記憶エリア223fは、先読み演出カウンタの値が記憶される記憶エリアである。先読み演出カウンタは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する先読み演出選択処理(図28、S1403)のS1504の処理において、先読み演出ありと設定されている場合に、1ずつ加算されて、先読み演出カウンタ記憶エリア223fに記憶される。先読み演出カウンタは、初期値では、0に設定され、上限値4まで順に1ずつ加算される。
先読み回数カウンタ記憶エリア223gは、先読み演出の回数が記憶される記憶エリアである。音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する先読み演出抽選処理(図29、S1412)のS1611の処理において、先読み回数抽選テーブル222bより取得された先読み演出の回数が記憶される。
演出用カウンタ223hは、予告の演出や、先読み演出抽選テーブル222aより先読み演出の有り無しを抽選する場合、先読み回数抽選テーブル222bより先読み演出の回数を抽選する場合等に用いられるカウンタ値である。この演出用カウンタ223hは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理が実行される毎に、1ずつ加算されて更新されるカウンタ値であり、初期値である0から更新されて、上限値である99までの範囲で繰り返し更新される。なお、演出用カウンタ223dは、電源断が発生した場合には、初期値である0に設定されるカウンタ値である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するその他記憶エリア223zを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図30参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図9を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<表示制御装置114の電気的構成>
次に、図9を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図9は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図32のS1801参照)の終了後に実行される初期化処理(図31のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図13参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図33(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図31のS1803,S1804参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像(本実施形態では、電源投入中の文字)を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」と「×」の画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図9に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)を遊技者に報知する、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知するための演出である。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図10を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図10は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図10の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図15参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
<先読み演出における予告データテーブル>
次いで、図11を参照して、予告データテーブルの詳細について説明する。図11(a)〜(c)に示す予告データテーブル1〜3は、図12(a)〜(c)に示す先読み演出の予告演出を表示するための予告データテーブルである。
詳細には、図11(a)に示す予告データテーブル1は、図12(a)に示す「1回目」の表示を第3図柄表示装置81に所定のタイミングで所定秒数(本実施形態では、変動中の特別図柄の変動停止前1.5秒前から3秒間)の間、表示するように指示する予告データテーブルである。図11(b)に示す予告データテーブル2は、図12(b)に示す「2回目」の表示を第3図柄表示装置81に所定のタイミングで所定秒数(本実施形態では、変動中の特別図柄の変動停止前1.5秒前から3秒間)の間、表示するように指示する予告データテーブルである。図11(c)に示す予告データテーブル3は、図12(c)に示す「3回目」の表示を第3図柄表示装置81に所定のタイミングで所定秒数(本実施形態では、変動中の特別図柄の変動停止前1.5秒前から3秒間)の間、表示するように指示する予告データテーブルである。
予告データテーブル1〜3は、表示データテーブルと同様に、予告表示に必要な各種データがそれぞれ設定されている。この予告データテーブル1〜3は、表示制御装置114のMPU231が表示用先読みコマンドを受信したと判別したことに基づいて、その表示用先読みコマンドに基づく予告データテーブルを選択する。実際には、予告データテーブル1〜3は、背景色の異なる演出1〜3の3種類の予告データテーブル1〜3で構成されている。即ち、予告データテーブル1であっても、背景色が青色(演出1に対応)の予告データテーブル1、背景色が黄色(演出2に対応)の予告データテーブル1、背景色が赤色(演出3に対応)の予告データテーブル1がそれぞれ設定されている。予告データテーブル2、予告データテーブル3についても同様に設定されている。
表示用先読みコマンドに基づいて選択された予告データテーブルは、表示制御装置114の予告データテーブルバッファ233kに設定される。そして、画像コントローラ237により、設定された予告表示データテーブルにより指示された画像データがキャラクタROM234のキャラクタ記憶エリア234a2から読み出されて通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納される。また、予告表示データテーブルに設定されている時間データに基づいて計時カウンタ233hに計時データが設定されて、予告データテーブルに設定されているタイミングで第3図柄表示装置81に表示される。なお、この予告データテーブルで表示される予告表示態様は、表示データテーブルで指示される表示態様よりも優先して第3図柄表示装置81に表示されるように設定される。
これにより、予告データテーブルが設定された場合には、変動表示中の特別図柄の変動停止タイミングの1.5秒前より予告表示態様が表示されるので、それから3秒間は、表示データテーブルで設定されている表示態様は第3図柄表示装置81には表示されず、予告データテーブルで設定されている予告表示態様が表示される。よって、特別図柄の停止表示を予告表示態様で隠すことができ、また、次の保留に基づく特別図柄の変動開始が始まっても、1.5秒間は予告表示態様が表示されるので、次変動の変動開始の表示態様も予告表示態様によって隠すことができ、遊技者には、2つの変動であっても1つの変動であるかのように見せることができる。従って、外れの報知がされたのを遊技者に気づかせることを困難にして、先読み演出の最終回の変動まで遊技者に見せることができる。その結果、先読み演出の最終回は、外れスーパーリーチまたは大当たりの変動態様で構成されているので、遊技者は、予告表示態様を楽しみながら最終回の変動が大当たりではないかと期待して楽しむことができる。
次いで、図14を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図14は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図14のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図12のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図14の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図15参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図14の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)である「初期設定中です」の文字を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図31参照)の中でオンに設定される(図31のS1805参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図41(b)のS3405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図33(b)のS2101参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図33(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図33(b)のS2109参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図34〜図37参照)および表示設定処理(図38〜図40参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図41(a)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図41(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図42参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図16参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図15参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図15参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図33(b)のS2103参照)の中で、ポインタ更新処理(図40のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図13参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図15を参照して、描画リストの詳細について説明する。図15は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図15に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄(図示せず)、先読み演出の予告表示1〜3)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。これにより、予告データテーブル1〜3のいずれかが設定された場合に、図12(a)〜(c)のうち対応する予告表示態様が第3図柄表示装置81に表示される画像のうち最も前面側で表示される。よって、予告表示態様を特別図柄を隠すように第3図柄表示装置81の表示領域全体で表示できる。
なお、本実施形態では、描画リストの最後に予告データテーブルに対応する画像を設定することで、予告表示態様を最前面側に表示するように構成したが、それに限らず、予告データテーブルに基づく画像が設定する場合には、描画リストに予告データテーブルに基づく画像のみを設定するように構成してもよい。このように構成することで、描画リストを作成する処理を簡略化でき制御負荷を軽減できる。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図33(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図38のS3008参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図31のS1802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図42参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図42のS3517参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図42のS3518参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図43のS3602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図33(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図43のS3602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<主制御装置110のMPU201が実行する制御処理>
次に、図16から図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図16は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理および始動入賞処理の詳細は、図17〜図19を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図20および図21を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図17は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図18を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図18を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S212)、大当たり種別が大当たりAであれば、大当たりAに関する設定を実行する(S213)。大当たりAに関する設定では、大当たりラウンド数(本実施形態では、16ラウンド)、確変大当たりの設定がされる(S213)。また、大当たりBであれば、大当たりラウンド数(本実施形態では、16ラウンド)、時短回数(本実施形態であれば、100回)の設定がされる(S214)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるか判断される(S216)。時短中カウンタ203eの値が1以上であると判別された場合には(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S216:No)、S221の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図18は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図16参照)の特別図柄変動処理(図17参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、現在の遊技状態が高確率状態(確変中)であるかを判定する(S302)。高確率遊技状態中である場合は(S302:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果が取得される(S304)。
S304の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S306の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、遊技状態が低確率遊技状態(通常遊技状態)である場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S305)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7,107,282」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S306の処理へ移行する。
そして、S304またはS305の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S306)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S306:Yes)、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される(S307)。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S308)。S308の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動パターンテーブル(図示せず)より変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動パターン(変動時間)を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、この変動パターンテーブルにより予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ」、「ノーマルリーチ外れ」各種、「スーパーリーチ外れ」各種、「スペシャルリーチ外れ」各種が規定されている。大当たりA用の変動パターンとしては、「確変大当たりノーマルリーチ」各種、「確変大当たりスーパーリーチ」各種、「確変大当たりスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりB用の変動パターンとしては、「通常大当たりノーマルリーチ」各種、「通常大当たりスーパーリーチ」各種、「通常大当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。
S306の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S306:No)、外れ時の表示態様を設定する(S309)。S309の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定する。
次に、外れ時の変動パターンを変動パターンテーブル(図示せず)より決定する(S310)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動パターン(変動時間)を決定する。
S308の処理またはS310の処理が終わると、次に、S308の処理またはS310の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S311)。停止種別(大当たりのときの停止種別)を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S312)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図19のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図19は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S415の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。その後、S407の処理を実行する。
S407の処理では、S406で取得した第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が変動開始時に大当たりと判定されるか否かが判別される。変動開始時の遊技状態が高確率遊技状態であるか、低確率遊技状態であるかが、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている保留球の判定結果から判別して、当否の判定を事前に行う(当否判定結果の先読み判定)。S407の処理では、当否判定結果だけでなく、停止種別、変動パターンまでが判別されて特別図柄保留球格納エリア203aの対応する保留エリアに記憶される。
S407の処理において、大当たりであると判別された場合には(S407:Yes)、停止種別、変動パターンに基づいて、入賞情報コマンドの一種である大当たり入賞コマンドが設定される(S408)。ここでは、例えば、大当たりAでスーパーリーチであれば、それに対応する大当たり入賞コマンドが設定される。一方、S402の処理で、外れであると判別された場合には(S407:No)、変動パターンがスーパーリーチであるか判別される(S409)。S409の処理において、変動パターンがスーパーリーチであると判別された場合には(S409:Yes)、入賞情報コマンドの一種である外れリーチ入賞コマンドが設定される(S409)。一方、変動パターンがスーパーリーチと異なる変動パターンであると判別された場合には(S409:No)、入賞情報コマンドの一種である外れ入賞コマンドが設定される(S411)。
なお、入賞情報コマンドは、設定されると主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図24)の外部出力処理(S1001)の処理で音声ランプ制御装置113に対して出力される。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図20は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図7(b)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図7(b)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図21は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が第2入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図23を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図23は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンに設定されているか否かを判別し(S904)、オンに設定されていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンに設定されていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図24のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンに設定されておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図16参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図16参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図17参照)や始動入賞処理(図19参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図20参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図20参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図20参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図22のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理>
次に、図25から図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図25は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1318の電源断処理(図26参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図26を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図26のS1315参照)、S1318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンに設定され、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフに設定される。よって、S1318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンに設定されているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンに設定される(図26のS1317参照)。つまり、電源断フラグは、S1318の電源断処理が実行される前にオンに設定されるので、電源断フラグがオンに設定された状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフに設定された状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1312の変動表示設定処理や、S1311のコマンド判定処理や、S1313およびS1314のカウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1311の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1311の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1311の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図27を参照して後述する。
そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1312)。この変動表示設定処理(S1312)では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図30を参照して後述する。
S1312の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1313)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1313:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1315)、電源断処理を実行する(S1316)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1317)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1313:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1314)、RAM223が破壊されていなければ(S1314:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1314:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図27は、このコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1311)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンに設定される(S1402)。次いで、先読み演出選択処理が実行される(S1403)。先読み演出選択処理(S1403)については、図28を参照して、詳細について後述するが、先読み演出を実行すると設定されている(先読み演出ありに設定されている)場合に、先読み演出の回数を判別して、それに基づいた表示用先読みコマンドを設定する処理が実行される。
S1403が実行された後には、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1404)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図30参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1401:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1405)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1405:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1406)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1407)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図30参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1405:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1408)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1408:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1409)。また、S1409の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1409の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1409の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1409の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1408の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1408:No)、大当たり入賞コマンドを受信したか判別される(S1410)。大当たり入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S1410:Yes)、大当たり判定フラグ223eがオンに設定される(S1411)。その後、先読み演出抽選処理が実行される(S1412)。この先読み演出抽選処理(S1412)については、図29を参照して、詳細について後述するが、先読み演出が実行されていない(先読みなしに設定されている)場合に、先読み演出を実行するか否かを抽選により決定する処理が実行される。先読み演出抽選処理(図29、S1412)が実行された後には、大当たり判定フラグ223eがオフに設定される(S1413)。
一方、S1410の処理において、大当たり入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S1410:No)、外れリーチ入賞コマンドを受信したか判別される(S1414)。外れリーチ入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S1414:Yes)、先読み演出抽選処理が実行される(S1412)。その後、S1413の処理が実行される。一方、S1414の処理において、外れリーチ入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S1414:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1415)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1312)の一処理である先読み演出選択処理(S1403)について説明する。図28は、この先読み演出選択処理(S1403)を示したフローチャートである。
先読み演出選択処理(S1403)では、まず、音声ランプ制御装置113が受信したと判別した変動パターンが大当たりの変動パターンであるか判別される(S1501)。大当たりの変動パターンであると判別された場合には(S1501:Yes)、先読み演出カウンタおよび先読み回数カウンタを共に初期化して設定する(S1502)。また、図示されていないが、S1502の処理が実行されると先読み演出なしに設定される。その後、この処理を終了する。このように、大当たりの変動であれば、先読み演出の設定がされず、その後の変動にも再度、先読み演出ありに設定されるまで先読み演出が実行されないように、先読み演出カウンタ、先読み回数カウンタが初期化され、先読みなしに設定される。これにより、大当たりの変動において、特別図柄が変動停止する1.5秒前のタイミングから先読み演出の予告表示態様が表示されてしまい、大当たりであることが遊技者に第3図柄表示装置81に表示される特別図柄で報知されない不具合を防止することができる。
一方、音声ランプ制御装置113が受信した変動パターンの当否判定結果が外れであると判別された場合には(S1501:Yes)、先読み演出がありに設定されているか判別される。なお、この先読み演出がありに設定されているかは、音声ランプ制御装置113のRAM223のその他メモリエリア223zに先読み演出フラグがオンに設定されているかで判別される。先読み演出フラグは、後述する先読み演出抽選処理(図29、S1412)のS1610の処理でオンに設定される。
S1503の処理において、先読み演出なしに設定されている(先読み演出フラグがオフである)と判別された場合には(S1503:No)、この処理を終了する。一方、先読み演出ありに設定されている場合には(S1503:Yes)、先読み演出カウンタが1加算されて、先読み演出カウンタ記憶エリア223fに記憶される(S1504)。先読み演出選択テーブル222c(図8(b)参照)と先読み演出カウンタ記憶エリア223fに記憶された先読みカウンタの値とに基づいて、先読み演出を取得する。ここで、例えば、音声ランプ制御装置113が受信した変動パターンが特図変動1を示す変動パターンであり先読みカウンタの値が1であれば、演出1(背景色が青色)の先読み演出が選択される。選択された先読み演出の値から演出内容コマンド選択テーブル222dより回数を付与した表示用先読みコマンドを選択(設定)する(S1506)。
ここでは、演出1の先読み演出がS1505の処理で選択されており、1回目の先読み演出(先読み演出カウンタ記憶エリア223fの先読みカウンタの値が1)であれば、90h01hのコマンドに1回目の回数が付与されて90h11hの表示用先読みコマンドが設定される。このとき、2回目であれば、90h01hのコマンドは90h21hの表示用先読みコマンドとして設定される。同様に、3回目であれば、90h01hのコマンドは90h31hの表示用先読みコマンドとして設定される。演出2、演出3の表示用先読みコマンドについても同様にして設定される。
よって、表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113より表示用先読みコマンドを受信すると、その表示用先読みコマンドにより第3図柄表示装置81に表示すべき先読み演出の予告表示態様は何回目の予告表示であるかを判別して、演出1〜3の背景色に対応した予告データテーブルを選択して設定することができる。
S1506の処理が実行された後には、先読み演出カウンタ記憶エリア223fの先読みカウンタの値が先読み回数カウンタ記憶エリア223gに記憶(設定)されている先読み回数カウンタの値と同一の値であるか判別される(S1507)。先読み演出カウンタの値と先読み回数カウンタとの値が同一であると判別された場合には(S1507:Yes)、その他記憶エリア223zの先読み演出フラグをオフに設定して、先読み演出なしに設定し、先読み回数カウンタ記憶エリア223gに初期値である0を設定する(先読み回数カウンタを初期化する)。一方、先読み演出カウンタの値と先読み回数カウンタの値とが異なると判別された場合には(S1507:No)、この処理を終了する。
このように、先読み演出を実行することが設定されている場合には、その回数に基づいた先読み演出の予告表示(回数表示)が表示されるように表示用先読みコマンドが設定される。さらに、選択されている変動パターンにより背景色が先読み演出選択テーブル222cより選択される。ここで、先読み演出選択テーブル222cからは、先読み演出の最終回の変動パターンの種類により選択される演出の内容が変化するように構成されている。詳細には、変動時間の長い変動パターンほど赤色の背景色である演出3が選択されやすく構成されている。また、変動時間が短い程、青色または黄色の背景色が選択されやすく構成されている。さらに、変動時間が長い変動パターンが選択されている場合には、先読み演出の回数が少ない(先読み演出カウンタの値が小さい)場合にも赤色の背景色の演出3が選択されやすく構成されている。
なお、変動時間の長い変動パターンは、当否判定結果が当たりのスペシャルリーチ等に多く設定されているので、赤色の背景色の演出3が表示されると遊技者は、早い段階(1回目や2回目の先読み演出の予告表示)から当たりのスペシャルリーチが実行されるのではないかと期待して遊技を行うことができる。また、先読み演出選択テーブル222cでは、先読み演出の回数が多い(先読み演出カウンタの値が大きい)ほど、赤色の背景色となる演出3が選ばれやすくなっており、逆に先読み演出の回数が少ない(先読み演出カウンタの値が小さい)ほど青色や黄色の背景色である演出1や演出2が選択されやすく構成されている。よって、遊技者が、先読み演出の回数を識別し易くできる。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図27、S1312)の一処理である先読み演出抽選処理(S1412)について説明する。図29は、この先読み演出抽選処理(S1412)を示したフローチャートである。
先読み演出抽選処理(図29、S1312)では、まず、音声ランプ制御装置113の入賞情報格納エリア223aに記憶されている情報より保留第1エリア〜保留第4エリアのうち保留されているものの中に、大当たりまたは外れスーパーリーチの変動があるか判別される(S1601)。ここでは、入賞情報格納エリア223aには、主制御装置110より受信した入賞情報コマンドに基づいて、先読みの当否判定情報、停止種別、変動パターンの情報が保留個数に対応して個別に記憶されているので、その情報に基づいて判別される。
S1601の処理において、大当たりまたは外れスーパーリーチの変動がないと判別された場合には(S1601:No)、この処理を終了する。一方、大当たりまたは外れスーパーリーチの変動パターンとなる変動が保留されていると判別された場合には(S1601:Yes)、変数Nに特別図柄保留球数カウンタ223bの値を設定する(S1602)。先読み回数カウンタ記憶エリア223gに記憶されている先読み回数カウンタの値が0より大きい値であるか判別される(S1603)。先読み回数カウンタの値が0より大きい値であると判別された場合には(S1603:Yes)、この処理を終了する。一方、先読み回数カウンタの値が0であると判別された場合には(S1603:No)、大当たり判定フラグ223eがオフであるか判別される。大当たり判定フラグ223eがオフであると判別された場合には(S1604:Yes)、先読み演出抽選テーブル1(図7(c)参照)を抽選テーブルとして設定する(S1605)。一方、大当たり判定フラグ223eがオンであると判別された場合には(S1604:No)、先読み演出抽選テーブル2(図7(d)参照)を抽選テーブルとして設定する(S1606)。
S1605またはS1606の処理で設定された先読み演出抽選テーブルとS1602で設定されたNの値(保留球数)に基づいて抽選結果を取得する(S1607)。具体的には、例えば、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)が「3」であり、先読み演出抽選テーブル1(図7(c)参照)が選択されていれば、演出カウンタ223hの値を取得して、その値が0〜69のいずれかであれば先読み演出なし、70〜99のいずれかであれば先読み演出ありとして決定される。
S1607で取得した抽選結果が先読み演出ありであるか判別される(S1608)。先読み演出なしであると判別された場合には(S1608:No)、先読み演出カウンタを初期化(0に設定)して先読み演出カウンタ記憶エリア223fに設定し、先読み回数カウンタを初期化(0に設定)して先読み回数カウンタ記憶エリア223gに設定する(S1609)。
一方、S1608の処理において、抽選結果が先読み演出ありであると判別された場合には(S1608:Yes)、先読み演出ありを示す先読み演出フラグがオンに設定され、先読み演出カウンタの値が初期化(0に設定)されて先読み演出カウンタ記憶エリア223fに記憶される(S1610)。先読み回数抽選テーブル222b(図8(a)参照)よりNの値(特別保留球数カウンタ223bの値)と演出カウンタ223hに基づいて、先読み回数を決定して、先読み演出回数記憶エリア223gに記憶する(S1611)。先読み回数の決定を具体的に説明すると、例えば、Nの値(特別保留球数カウンタの値)が「3」である場合には、先読み回数抽選テーブル222b(図8(a)参照)より演出カウンタ223hの値が0〜29のいずれかであれば、先読み回数「1」が取得され、演出カウンタ223hの値が30〜59のいずれかであれば、先読み回数「2」が取得され、演出カウンタ223hの値が60〜99のいずれかであれば、先読み回数「3」が取得される。
S1611で取得された先読み回数の最後の回数に対応する変動が大当たり又は外れスーパーリーチの変動であるか判別される(S1612)。この判別は、最後の回数に対応する入賞情報格納エリア223aに記憶されている入賞情報に基づいて判別される。先読み回数の最後の回数の変動が大当たりまたは外れスーパーリーチの変動パターンであると判別された場合には(S1612:Yes)、この処理を終了する。一方、最後の回数の変動が大当たりまたは外れスーパーリーチ以外の変動であると判別された場合には(S1612:No)、先読み演出の最後の変動が大当たり又は外れスーパーリーチの変動となるように先読み回数を設定する(S1613)。
このように、先読み演出の回数がランダムとなるように抽選によって決定するが、最後の変動が必ず、大当たりまたは外れスーパーリーチの変動となるように設定するように構成することで、先読み演出の予告表示が表示されたのに、遊技者が大当たりへの期待を通常時よりも大きく持つような演出が表示されない不具合を防止できる。よって、遊技者は、先読み演出の予告表示が表示されると大当たりへの期待をより大きく持つことができ、先読み演出が行われないかと期待して遊技を行うことができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)について説明する。図30は、この変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1702)、次いで、コマンド判定処理(図27参照)のS1404の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1703)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
S1706の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1706)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1706:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1706:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1707)、次いで、コマンド判定処理(図27参照)のS1407の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1708)。
S1709の処理では、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1709)、S1710の処理へ移行する。ここで、表示制御装置114に対して、正確な停止種別(完全ハズレ、前後外れリーチ、大当たり(大当たりA、大当たりB)等)に対応する停止種別が通知される。
S1710の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1710)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<表示制御装置114のMPU231が実行する制御処理>
次に、図31から図43を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図31を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図31は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図32を参照して、ブート処理(S1801)について説明する。図32は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1801)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1901)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1902)。これにより、MPU231は、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1902の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1902の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1903)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1904)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図31のS1801参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図31のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S1801)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図32に示すブート処理では、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1901の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1901及びS1902の処理を含めて複数回繰り返した後、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1901及びS1902の処理を行わずに、S1903〜S1905の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図31の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1802)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1803)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1803の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1804)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1804の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1805)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図41(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図41(a)のS3302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図33(b)参照)において、図示しない電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図33(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図33(b)のS2109参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1805の処理の後、割込許可を設定し(S1806)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図33(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図33(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図33(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図33(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図15参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図33(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示しない)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2102)を実行し、次いで、表示設定処理(S2103)を実行する。
コマンド判定処理(S2102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図34〜図37を参照して後述する。
表示設定処理(S2103)では、コマンド判定処理(S2102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図38〜図40を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2104)。このタスク処理では、表示設定処理(S2103)もしくは簡易表示設定処理(S2109)によって設定された第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2105)。この転送設定処理(S2105)では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理(S2105)の詳細については、図41〜図42を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2106)。この描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示とから、図15に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図43を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2107)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。
一方、S2101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2108)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2109)を実行して、S2104の処理へ移行する。
次いで、図34〜図37を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2102)の詳細について説明する。まず、図34は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図34に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2201)、未処理の新規コマンドがなければ(S2201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2204)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2205)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図35(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2205)の詳細について説明する。図35(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S2205)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理(S2205)では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2303)。表示設定処理では、S2303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2304)、ポインタ233fを0に初期化する(S2305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S2306)。
その後、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図34の説明に戻る。S2204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2206)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2207)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図35(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2207)の詳細について説明する。図35(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図33(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2402)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S2403)。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2402の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2105)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2403によって設定された停止図柄判別フラグからS2402の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2402の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
ここで、図34の説明に戻る。S2206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2206:No)、表示用先読みコマンドを受信しているか判別される(S2208)。表示用先読みコマンドを受信していると判別された場合には(S2208:Yes)、表示用先読みコマンド処理を実行して(S2209)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図36を参照して、表示用先読みコマンド処理(S2209)について説明する。図36は、この表示用先読みコマンド処理(S2209)を示したフローチャートである。
表示用先読みコマンド処理(S2209)では、まず、受信した表示用先読みコマンドに対応した予告データテーブルを決定して、予告データテーブルバッファに設定する(S2501)。ここで、表示用先読みコマンドは、先読み演出の演出内容と先読み回数を識別可能に設定されている。よって、表示制御装置114のMPU231は、表示用先読みコマンドが示す先読み演出の回数と演出内容とに対応する予告データテーブルを選択する。例えば、表示用先読みコマンドが先読み演出回数1回目で、演出1を示す「90h11h」であれば、演出1の予告データテーブル1が選択される。
S2501の処理で設定した予告データテーブルに対応した予告転送データテーブルを決定して、転送データテーブルバッファ233eに設定されている予告転送データテーブルバッファに設定する(S2502)。なお、予告転送データテーブルについては、図14に示す表示データテーブルと同様の構成であるのでその図示と説明を省略する。
S2501の処理で設定した予告データテーブルに基づいて、時間データを計時カウンタ233hに設定され(S2503)、ポインタが初期化設定される(S2504)。
図34に戻り説明を続ける。S2208の処理において、表示用先読みコマンドを受信していないと判別された場合には(S2208:No)、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2210)、エラーコマンドがあれば(S2210:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2211)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図37を参照して、エラーコマンド処理(S2211)の詳細について説明する。図37は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理(S2211)は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理(図37、S2211)では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902の処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図34の説明に戻る。S2210の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2210:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2212)、S2201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、再びS2202〜S2212までの各処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2201〜S2212の処理が繰り返し実行され、S2201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図33(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2109)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図35(a)参照)および停止種別コマンド処理(図35(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図35(a)参照)では、S2301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図38〜図40を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2103)の詳細について説明する。図38は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図38に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図39を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図39は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図38の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、又は、S3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図40を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図40は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理(図40、S3005)では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S2802)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ用表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2803の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図38に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3009の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S3009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3016:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3017:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図33(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図41及び図42を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2105)の詳細について説明する。まず、図41(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図41(b)を参照して後述する。
一方、S3301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図42を参照して後述する。
次いで、図41(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3302)について説明する。図41(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3401)、転送指示を送信していれば(S3401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3402:Yes)、S3403の処理へ移行する。また、S3301の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3401:No)、S3403の処理へ移行する。
S3403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図33(b)参照)において、簡易コマンド判定処理および簡易表示設定処理ではなく、コマンド判定処理(図34〜図37参照)および表示設定処理(図38〜図40参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図42参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図41(a)のS3301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図42を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である通常画像転送設定処理(S3303)について説明する。図42は、この通常画像転送設定処理(S3303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理(図42、S3303)では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2103)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3501)。ここでは、表示データテーブルの転送データテーブルおよび予告データテーブルの予告転送データテーブルのポインタで示される情報がそれぞれ取得される。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3502)、転送データ情報であれば(S3502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
また、S3502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3502:No)、S3503及びS3504の処理をスキップして、S3505の処理へ移行する。S3505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3505)、転送指示を設定していれば(S3505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3506)。
このS3406の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3506:Yes)、S3507の処理へ移行する。また、S3505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3505:No)、S3507の処理へ移行する。
S3507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3507)、転送開始フラグがオンであれば(S3507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3508)、
S3517の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3517)。このS3517の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3517:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3517:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3418)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3518の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3519)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3513)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3513:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3513:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3514)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3515)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3516)、S3517の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3515の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図43を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2106)の詳細について説明する。図43は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2105)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示から、図15に示す描画リストを生成する(S3601)。即ち、S3601の処理では、タスク処理(S2105)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
なお、本実施形態では、先読み演出の予告表示態様は、図15に示すように、表示順序が最前面となるように設定される。よって、先読み予告の表示態様が図13(a)〜(b)に示すようにそれぞれの変動(例えば、変動1と変動2)に跨るようなタイミングで表示させることで、特別図柄の変動停止を隠して遊技者に分かり難くすることができる。従って、先読み演出の最終回で実行される大当たりの変動か外れスーパーリーチまでが1回の変動で行われているかのように遊技者に見せることができる。
なお、本実施形態では、先読み演出の予告表示態様を最前面(特別図柄(第3図柄)よりも前面側)で表示させるために描画リスト(図15参照)の最後尾に設定するように構成したが、それに限らず、予告データテーブルに設定されるデータが転送されている場合には、他の表示データは描画リストに設定しないように構成してもよい。このように構成することで、先読み演出の予告表示態様が設定される場合には、他の表示情報を描画リストに設定する処理を行わなくてもよいので、表示制御装置114のMPU231の制御負荷を軽減させることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラ237へ送信する(S3502)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3602の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図33(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
なお、先読み予告表示態様は、特別図柄(第3図柄)の変動表示が開始されるときに約3秒間表示される低速での変動表示期間の間よりも長く(または、同じ期間)、第3図柄を隠すように(第3図柄を表示せずに)表示される。これにより、高速での第3図柄の表示が連続して続くように見せることができるので、連続した複数の抽選遊技の変動を1つの抽選遊技の変動のように見せることができる。
さらに、図13(a)の予告1の詳細図に示すように特別図柄(第3図柄)の変動は、変動開始時から一定期間の間、低速で変動表示(動的表示)された後に、高速で変動表示された後に、再び低速で変動表示される。先読み予告表示態様は、連続する抽選遊技の2つの変動表示のうち、高速変動の後に表示される低速での特別図柄の変動期間と次の抽選遊技の変動開始時の特別図柄の低速での変動期間に跨って、第3図柄表示装置81に表示される。よって、高速変動での表示が連続する変動に跨って続くように見せることができ、1つの変動のように見せることができる。
また、本実施形態では、先読み演出の特定予告表示は、一定の表示時間としたが、それに限らず、抽選等や、表示内容等によって表示時間を可変させるように構成してもよい。また、変動に跨って表示されるものに加えて、1つの特別図柄の変動中にのみに表示するように構成してもよい。
<第2実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図44〜図54を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が先読みを実行して、その先読みの結果に基づいて複数の変動に跨って、先読み演出を行う場合について説明した。
これに対し、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、変動パターンの中に予め、特定予告演出を実行するSW(スイッチ)演出の変動パターンを設定しておき、その変動パターンで予め設定されたタイミングで枠ボタン22が押下された場合に、特定予告演出を第3図柄表示装置81に表示するように構成した。ここで、特定予告演出は、第1実施形態の先読み演出と同様に予告表示の回数を遊技者に報知する予告表示態様で構成されている。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第2実施形態における主制御装置110の電気的構成について>
第2実施形態における主制御装置110の電気的構成については、第1実施形態における主制御装置110の電気的構成と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
第2実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の先読み演出抽選テーブル222a、先読み回数抽選テーブル222b、先読み演出選択テーブル222c、演出内容コマンド選択テーブル222dがそれぞれ削除され、予告回数選択テーブル222e、SW(スイッチ)シナリオテーブル223f、演出選択テーブル222gがそれぞれ追加されている。
予告回数選択テーブル222eは、図45(a)に示す特定予告回数を決定するための
データテーブルである。詳細には、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理2(図53、S1420)内の一処理である予告演出選択処理(図54、S1420)のS1412の処理で受信しているSW演出の変動パターン(予告回数選択テーブルでは、特図変動1から5で簡略して表示)に基づいてその変動パターンに設定されている予告回数を選択する。
SWシナリオテーブル222fは、図45(b)に示すように、選択されているSW演出の変動パターン枠ボタン22を押下して有効として処理される有効時間が経過する毎に、次に設定される枠ボタン22の有効時間と枠ボタン22の押下回数を設定したデータテーブルである。
具体的には、図47(a)〜(c)および図48(a)〜(b)に示すように、各SW演出の変動パターンには、SW有効時間が予め定められている。SWシナリオテーブル222fには、この期間が設定されている。SW演出の変動パターン毎にそれぞれ設定されており、有効時間が経過するとこのSWシナリオテーブル222fを参照して、次の有効時間と押下回数とがそれぞれ設定される。なお、選択された予告回数と同一に設定されており、その回数の演出が設定されると次のデータが終了を示すENDデータが設定されている。このSWシナリオテーブル222fは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する枠ボタン入力監視・演出処理(図52、S1307)の処理において、SW有効時間カウンタ223jが0であることに基づいて実行されるS1324の処理において参照される。
演出選択テーブル222gは、図46(a)〜(b)に示すように、第3図柄表示装置81に表示する特定予告演出の背景色を決定するためのデータテーブルである。演出選択テーブル222gは、演出選択テーブル1と演出選択テーブル2とから構成されている。演出選択テーブル1と演出選択テーブル2とは、演出選択テーブル2の方が演出選択テーブル1よりも黄色や緑色、赤色の背景色が選択されやすく構成されている。
この演出選択テーブル222gは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する枠ボタン入力監視・演出処理(図52、S1307)のS1334の処理において、有効時間内に枠ボタン22が押下され、有効時間の残り時間が1.5秒以下であった場合には、演出選択テーブル1(図46(a)参照)が選択され、有効時間の残り時間が1.5秒より長ければ演出選択テーブル2が選択される。
よって、遊技者が枠ボタン22を押したタイミングの違い(早いタイミングまたは遅いタイミング)により、選択される演出選択テーブル222gの種類を変えることができるので、同じSW演出の変動パターンが選択されている場合でも、異なる予告演出を表示させることができる。従って、遊技者に表示される予告演出が一定のパターンとなり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、演出選択テーブル1(図46(a)参照)と演出選択テーブル2(図46(b)参照)とで、選択されているSW演出の変動パターンに予め背景色の演出の割り当てをしたが、それに限らず、枠ボタン22の有効時間の残り時間が所定時間以上よりも長い状態で枠ボタン22が押下(操作)された、即ち、枠ボタン22が有効となってから早いタイミングで押下されると、特別図柄の当否判定結果に基づいて、当否判定結果が当たりである場合には、赤色や緑色の背景色が選択されやすく、当否判定結果が外れであれば、青色や黄色の背景色が選択されやすく構成するように設定してもよい。詳細には、演出選択テーブル2(図46(b)参照)において、当否判定結果が当たりの変動パターンには赤色や緑色の背景色の演出を多く設定しておき、外れの変動パターンには青色や黄色の背景色の演出が選択されやすい(演出選択テーブル1と同様でもよい)ように設定しておくことで実現できる。
また、本実実施形態では、演出選択テーブル222gは、変動パターンと予告カウンタ223iの値とに対応して予め背景色が設定された構成としたがそれに限らず、枠ボタン22が押下されたタイミングに基づいてカウンタ値を取得してそのカウンタ値に基づいて、背景色の演出パターンを選択するように構成してもよい。このとき、カウンタ値が予告カウンタ223iに対応して割り付けられた選択テーブルを複数設定しておき、当否判定および枠ボタン22の押下タイミングによりそのテーブルを選択するように構成してもよい。このような場合には、当否判定が当たりで枠ボタン22を押すタイミングが早い方がより赤色や緑色の背景色が選択されやすいように構成することで、SW演出で枠ボタン22をタイミングよく押下することで、より早く当否判定に基づいた演出を遊技者は見ることができ、遊技への意欲を増大させることができる。
図44に戻って説明を続ける。第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223では、第1実施形態におけるRAM223に対して、入賞情報格納エリア223a、大当たり判定フラグ223e、先読み演出カウンタ記憶エリア223f、先読み演出回数記憶エリア223g、演出カウンタ223hが削除され、予告カウンタ223i、SW(スイッチ)有効時間カウンタ223j、SW(スイッチ)押下回数カウンタ223kがそれぞれ追加されている。
予告カウンタ223iは、SW演出の変動パターンにおける特定予告表示の回数をカウントするためのカウンタである。特定予告表示の表示としては、第1実施形態と同様に図12(a)〜(c)に示すように予告表示の回数を示す文字が演出選択テーブル222gより選択された背景色で表示される。
予告カウンタ223iは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する枠ボタン入力監視・演出処理(図52、S1307)のS1336の処理において、1ずつ加算されて更新される。なお、この予告カウンタ223iは、予告回数選択テーブル222eより予告回数が選択されると初期値である0に初期化される。
SW有効時間カウンタ223jは、枠ボタン22の有効時間を計測するためのカウンタである。SW有効時間カウンタ223jは、SWシナリオテーブル222fに設定されたSW演出の変動パターンに基づいて予め設定されているSW有効時間の期間が設定される。有効時間が経過すると次の有効時間がSWシナリオテーブル222fに基づいて設定される。
SW押下回数カウンタ223kは、SW有効時間内に枠ボタン22が押下された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、SWシナリオテーブル222fで設定されたSW押下回数がこのSW押下回数カウンタ223kに設定されて、有効時間内に押下されるとその回数が減算される(図52のS1331参照)。
本実施形態では、SWシナリオテーブル222fで設定されるSW押下回数は、「1」としたので、1回押下されるとSW押下回数カウンタ223kの値は0となり、表示用予告コマンドが設定される。ここで、SWシナリオテーブル222fでSW押下回数を例えば5回等の複数回に設定しておけば、枠ボタン22を有効時間内に設定された複数回押下しなければ、表示用予告コマンドが設定されず、特定予告表示が表示されない構成とすることができる。よって、SWシナリオテーブル222fのSW押下回数を多様に設定しておけば、毎回、予告表示が表示されるまでの枠ボタン22の押下回数を異ならせることが可能となり、遊技者に新鮮味のある演出を提供できる。
さらに、SWシナリオテーブルで設定される押下回数を選択されている変動パターンの当否判定結果に基づいて異ならせることで、予告表示が表示されるまでの押下回数で遊技者に大当たりへの期待を持たせることができる。具体的には、当否判定結果が当たりの場合には、比較的に多い押下回数が設定され、外れの場合には、比較的に少ない押下回数が設定されるように構成することで実現できる。また、外れの場合でも、低い確率で多い押下回数が設定されるように構成することで、当否判定結果が外れであっても、多い押下回数が設定されることで、大当たりへの期待を持って遊技を行わせることができる。従って、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを防止できる。
<第2実施形態における表示制御装置114の電気的構成について>
第2実施形態における表示制御装置114の予告データテーブルは、第1実施形態の予告データテーブル(図11(a)〜(c)参照)に替えて、図49(a)〜(c)および図50に示す予告データテーブル1〜4が設定されている。主に、背景色の種類が増えたことによる変更であり、第1実施形態と詳細な構成等については変更がないので詳細な説明については省略する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明については省略する。
<第2実施形態における主制御装置110で実行される制御処理について>
第2実施形態における主制御装置110のMPU201が実行する制御処理は、第1実施形態における主制御装置110のMPU201が実行する制御処理に対して、タイマ割込処理(図16)内の一処理である始動入賞処理(図19、S105)が始動入賞処理2(図51、S120)に変更されている。
図51を参照して、始動入賞処理2(S120)について説明する。図51は、この始動入賞処理2(S120)を示したフローチャートである。第2実施形態における始動入賞処理2(図51、S120)は、第1実施形態における始動入賞処理(図19、S105)に対して、S407〜S411までの各処理がそれぞれ削除されている。S401からS406までの各処理については、第1実施形態におけるS401〜S406までの各処理と同一であるので、詳細な説明については省略する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113で実行される制御処理について>
図52を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図26)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)について説明する。図52は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)を示すフローチャートである。第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)では、従来技術と同様の枠ボタン22の入力監視の制御を行うのみであったので、詳細な説明な省略については省略した。本第2実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図52、S1307)では、SW演出の変動パターンが選択された場合に、SWシナリオテーブル222f(図45(b)参照)よりSW有効時間(SW有効期間)を設定して、有効時間内に枠ボタン22が押下(操作)されたかを判別して、押下された場合には、対応する表示用予告コマンドを設定する処理を実行する点で第1実施形態と相違する。
枠ボタン入力監視・演出処理(図52、S1307)ではまず、SW有効時間カウンタ223jの値が0であるか判別される(S1321)。SW有効時間カウンタ223jの値が0であると判別された場合には(S1321:Yes)、SW押下回数カウンタ223kを初期値である0に設定する(S1322)。SWシナリオカウンタを1加算する(S1323)なお、SWシナリオカウンタは、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに設定されているカウンタ値であり、初期値である0から順に1ずつ加算される。なお、このSWシナリオカウンタは、後述する予告演出選択処理(図54、S1420)のS1424の処理において、SW演出の変動パターンコマンドを受信したと判別されたことに基づいて初期値である0に設定される。
SWシナリオテーブル222f(図45(b)参照)から受信している変動パターンとSWシナリオカウンタとに基づいて、SWシナリオを取得する(S1324)。具体的には、SW演出の変動パターンを受信して、SW演出を実行する場合には、SWシナリオカウンタが初期値である1に設定され、S1323の処理で1加算されて、SWシナリオカウンタの値は2となる。例えば、受信しているSW演出の変動パターンが特図変動2であるとすれば、図45(a)に示すSWシナリオテーブル222fよりNo.2に対応する特図変動2のSWシナリオ(有効時間3秒、SW押下回数1回)が選択される。ここで、設定される有効時間は詳細な有効期間であり、特別図柄の変動時間における5秒〜8秒の3秒間という詳細な期間が設定される。特図変動2では、2回の特定予告演出が実行される。
S1325の処理では、S1324の処理で取得したSWシナリオがENDデータであるか判別される(S1325)。S1324の処理で取得したSWシナリオがENDデータであると判別された場合には(S1325:Yes)、この処理を終了する。一方、SWシナリオがENDデータではないと判別された場合には(S1326:No)、SWシナリオからSW有効時間とSW押下回数が取得される。ここで取得されるSW有効時間は、上述したが、SW演出の変動パターンの変動時間の中で、次に枠ボタン22の押下を有効に設定するSW有効期間が設定される。
SW有効時間カウンタ223jに、S1326の処理で取得した次回の枠ボタン22が有効となる期間が設定される(S1327)。SW押下回数カウンタ223kにS1326の処理で取得したSW押下回数が設定される(S1328)。
一方、S1321の処理で、SW有効時間カウンタ223jが0より大きいと判別された場合には(S1321:No)、SW有効時間カウンタ223jが1減算される(S1329)。次に、枠ボタン22が押下されたか判別される(S1330)。S1330の処理において、枠ボタン22を押下したと判別された場合には(S1330:Yes)、SW押下回数カウンタ223kの値が1減算される(S1331)。SW押下回数カウンタ223kは0より大きい値であるか判別される(S1332)。ここで、SW押下回数カウンタ223kの判別を実行することで、本実施形態では、SWシナリオテーブルで設定される押下回数はすべて1回としたが、その回数を3回、5回等の複数回に設定すれば、このS1332の処理でSW押下回数カウンタ223kの値が0となるまでは、押下された場合の処理が実行されず、遊技ボタン22を複数回押下することで、SW演出の特定予告表示が表示されるように構成できる。
S1332の処理においてSW押下回数カウンタ223kが0より大きい値であると判別された場合には(S1332:Yes)、SW有効時間カウンタ223jの残り有効時間は、1.5秒以下であるか判別される(S1333)。SW有効時間カウンタ223jの残り有効時間が1.5秒以下であると判別された場合には(S1333:Yes)、演出選択テーブル1(図46(a)参照)が設定される(S1334)。一方、SW有効時間カウンタ223jの残り有効時間が1.5秒よりも長いと判別された場合には(S1333:No)、演出選択テーブル2(図46(b)参照)が設定される(S1335)。
これにより、SW有効時間が設定されて枠ボタン22の押下が有効と判別されるように設定されてから、早いタイミング(早い時間経過)で枠ボタン22を押下する(即ち、有効時間の残り時間が多い)と演出選択テーブル2(図46(b)参照)が選択されることから、赤色の背景色である演出3が選択されやすくできる。また、遅いタイミングで枠ボタン22が押下されると(即ち、有効時間の残り時間が少ない)と演出選択テーブル1が選択されることから赤色の背景色である演出3が選択され難くなる。よって、遊技ボタン22の押下タイミングにより選択される演出を異ならせることができ、多様な演出を遊技者に提供することができる。
また、本実施形態では、枠ボタン22を押下するタイミングのみとしたが、それに限らず、早いタイミングで押下した場合に、変動パターンの当否判定結果が当たりであれば、赤色の演出3が選択されやすく設定する。一方、遊技ボタン22を押下するタイミングが遅ければ、変動パターンの当否判定結果が大当たりであっても、赤色の背景色が早く押した場合よりも選択され難くする。なお、当否判定結果が外れである場合には、早く押した方が赤色の背景色が選択されやすく設定するが、早く押した場合、遅く押した場合共に、大当たりである場合よりも、赤色の背景色が選択されやすくなることはないように設定する。このように構成することで、遊技者は、早く枠ボタン22を押下することで有利な情報を早期に(特別図柄が変動停止するよりも前に)知ることができ、当否判定結果をある程度予測して遊技を楽しむことができる。よって、特定予告表示態様で大当たりへの期待を大きく持つことができ、遊技者の遊技への意欲を増加させることができる。
図52について説明を続ける。予告カウンタ223iを1加算して更新し、S1334またはS1335で選択された演出選択テーブル222gより予告カウンタ223iの値に基づいて背景色を選択する(S1336)。S1336の処理で選択した背景色と、予告カウンタ223iの値に基づいて、表示用予告コマンドを設定する(S1337)。表示用予告コマンドは、何回目の特定予告表示で何色の背景色であるかが識別可能なコマンドで生成される。表示制御装置114のMPU231は、この表示用予告コマンドに基づいて、図49(a)〜(c)および図50に示す予告データテーブルの中から背景色と特定予告演出の回数に対応した予告データテーブルを選択する。一方、S1330の処理で枠ボタン22を押下していないと判別された場合には(S1330:No)、SW有効時間カウンタ223jの値を1減算する(S1337)。
次に、図53を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(S2020)について説明する。図53は、このコマンド判定処理2(S2020)を示すフローチャートである。第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図53、S2020)におけるS1401〜S1402,S1404〜S1409,S1415の各処理は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図27、S1312)におけるS1401〜S1402,S1404〜S1409,S1415の各処理と同一の処理が実行される。同一の処理については、その詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理2(図53、S2020)では、まず、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信しているか判別される(S1401)。変動パターンコマンドを受信していると判別された場合には(S1401:Yes)、変動開始フラグ223cをオンに設定し(S1402)、受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S1404)。S1404の処理で抽出した変動パターンは、SW演出が実行される変動パターンであるか判別される(S1419)。
ここで、SW演出が実行される変動パターンとは、本実施形態では、当否判定結果が大当たりである変動パターンと外れスーパーリーチとなる変動パターンに設定されている。このように構成することで、SW演出の特定予告表示態様が表示された場合に、必ず、大当たりまたは、外れスーパーリーチとなり、特定予告表示態様が大当たりへの期待を遊技者に抱かせる演出とすることができる。よって、遊技者は、特定予告表示が実行されないかと期待して遊技を行うことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
S1419の処理において、SW演出の変動パターンであると判別された場合には(S1419:Yes)、予告演出選択処理が実行される(S1420)。なお、この予告演出選択処理(S1420)については、図54を参照して詳細について、後述するが、SW演出を実行するためのSW有効時間やSW押下回数を設定する処理が実行される。一方、SW演出の変動パターンでないと判別された場合には(S1419:No)、この処理を終了する。
次に、図54を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(図53、S2020)内の一処理である予告演出選択処理(S1420)について説明する。図54は、この予告演出選択処理(S1420)を示したフローチャートである。
予告演出選択処理(図54、S1420)では、まず、予告回数選択テーブル222e(図45(a)参照)より受信している変動パターンの種類に基づいて、予告回数を選択する(S1421)。SWシナリオテーブル222f(図45(a)参照)より選択されている変動パターンとSWシナリオカウンタとに基づいてSWシナリオを取得する(S1423)。
SWシナリオカウンタの値を初期値である1に初期化する(S1424)。SWシナリオからSWシナリオカウンタに基づきSW有効時間とSW押下回数とを取得する(S1425)。ここで、取得されたSW有効時間は、変動時間内でまず最初(1回目)に遊技ボタン22が有効となる期間が設定される。SW有効時間カウンタ223jにS1425の処理で取得した有効時間が設定される。SW押下回数カウンタ223kにS1425の処理で取得したSW押下回数が設定される(S1427)。
なお、本実施形態では、予めSW演出を行う変動パターンを設定しておいて、その変動パターンが選択された場合に、SW演出の各種設定等を行うように構成したが、それに限らず、変動パターンコマンドを受信した場合に、SW演出を実行するか否かの抽選を実行して決定するように構成してもよい。この場合、全ての変動パターンに対して、この抽選を行ってもよいが、例えばリーチとなる変動パターンのように限定しておくことで、必ずSW演出が実行される場合には、リーチの演出とすることができ、より遊技者の遊技に対する興味を向上させることができる。
このように、本第2実施形態では、枠ボタン22を使用して、特定予告表示を表示させ、遊技者が枠ボタン22を押下しない場合には、特定予告表示は第3図柄表示装置81に表示されない。また、遊技者が押下しなかったSW有効時間があったために、予め変動パターンに設定されている特定予告の予告回数よりも少なくなった場合にも、その回数に合わせた表示がされるように構成されている。具体的には、予告回数選択テーブル222e(図45(a)参照)において、特図変動4に対応する予告回数が選択され、図48(a)に示すように、4回のSW有効時間が設定されるように構成されていても、遊技者が1回目と2回目とのSW有効時間で枠ボタン22を押下せずに、3回目に対応するSW有効時間で初めて枠ボタン22を押下しても、図12(a)に示す1回目の表示がされる。次のSW有効時間で再び枠ボタン22を押下すれば、図12(b)に示す2回目の表示がされる。そして、スーパーリーチ等のリーチ表示が開始される。
よって、遊技者の操作に合わせた演出をすることができる。従って、遊技者が特定予告表示を必要としない場合には、遊技ボタン22を操作しなければ、表示されることはなく、遊技者の好みに合わせた遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、SW有効時間になると、第3図柄表示装置81や音声等でSW有効時間であることの文字やアイコン、キャラクタ等が表示されたり、SW有効時間であることを示す音声が出力される。また、枠ボタン22等の内部にLED等を内蔵させて、枠ボタン22自体をSW有効時間となると点灯させるようにして報知させる構成でもよい。このような構成にすることで、分かり易く遊技者にSW有効時間を報知できる。
また、本実施形態では、SW演出の変動パターンにおいて、SW有効時間に枠ボタン22が押下されて、表示用予告コマンドが出力されると音声ランプ制御装置113のMPU221は、表示用予告コマンドが示す予告データテーブルを設定するだけでなく、特定予告表示が表示されたあとの変動態様を残り時間よりランダムに抽選して表示する(切替手段に該当)。具体的には、SW演出により枠ボタン22が押下される前までは、山の中の背景画面で特別図柄が高速変動して表示させ、特定予告表示後には、川辺の背景画面で特別図柄が高速変動している表示に変更する。このように、特定予告表示がされると、その後の第3図柄表示装置81での演出内容も変更されるので、遊技者が遊技に飽きるのを抑制できる。
なお、本実施形態では、SW演出で枠ボタン22が押下されて、特定予告表示がされた後には、背景を変更させるように構成したが、それに限らず、例えば、図柄のデザインを変えたり、リーチ表示態様にしたり、スーパーリーチの表示を開始するように構成しても良い。なお、この表示に関しては、表示制御装置114のMPU231が表示用予告コマンドを受信したことに基づいて、抽選するように構成してもよい。
<第3実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図55〜図61を参照して第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10では、SW演出の変動パターンにSW有効時間となる期間が予め設定されている場合に付いて説明した。それに対して、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、SW演出の変動パターンには最大の特定予告表示の回数(SW演出の回数)が設定されているものの、その期間は設定されておらず、遊技者の遊技ボタンの操作により最大回数までは、特定予告表示が表示される構成である点で相違する。なお、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
図55を参照して第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図55は、この第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
<第3実施形態における主制御装置110の電気的構成について>
第3実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110の電気的構成は、第2実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110の電気的構成と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
第3実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113MPU221のROM222では、第2実施形態に対して、予告回数選択テーブル222e、SWシナリオテーブル222f、演出選択テーブル222gがそれぞれ削除され、予告回数選択テーブル2(222h)、SWシナリオテーブル2(222i)、演出選択テーブル3(222j)がそれぞれ追加されている。
予告回数選択テーブル2(222h)は、図56(a)に示すように、SW演出の変動パターン(ここでは、特図変動1〜5で簡略化して示す)に対して、特定予告表示の最大予告回数が設定されたデータテーブルである。第2実施形態の予告回数選択テーブル222eに対して、予告回数が最大値に変更されている点で相違する。その他の点については同一であるので詳細な説明は省略する。
SWシナリオテーブル2(222i)は、図56(b)に示すように、SW押下回数が変動パターンとSWシナリオカウンタの値とに基づいて設定されている。第2実施形態におけるSWシナリオテーブル222f(図45(b)参照)に対して、SW有効時間が設定されていない点で相違する。その他の点については同一であるので詳細な説明については省略する。
演出選択テーブル3(222j)は、図57に示すように、特定予告表示が選択された場合の背景色と特定予告表示が表示された後に、第3図柄表示装置81で表示する演出の時間を選択するためのデータテーブルである。予告カウンタ223iの値と演出カウンタ(第1実施形態で説明したものと同一)との値とに基づいて、図57に示す演出1〜演出4までの各演出が選択される。なお、演出1〜4は第2実施形態と同様に特定予告表示の背景色とその特定予告表示が表示された後の演出時間を決定するためのものである。第3実施形態では、3秒間の特定予告表示が第3図柄表示装置81で表示された後に、表示制御装置81のMPU231が選択されている演出時間に基づいて第3図柄表示装置81に第3図柄の変動態様を選択して変動を行う。
具体的には、図57に示す演出選択テーブル3で、予告カウンタ223iの値が2で、演出カウンタの値が15であれば、演出2の特定予告表示が選択されて、それに基づく表示用予告コマンドが設定される。表示制御装置114のMPU231は、その表示用予告コマンドに基づいて、黄色の背景色で設定された予告データテーブル2(図49(b)参照)を選択して、3秒間、「2回目」の文字である特定予告表示を黄色の背景色で第3図柄表示装置81に表示する。その後、設定されている演出時間4秒間の演出として、抽選により特別図柄(第3図柄)デザインを例えば、木箱から車に替えて表示する。演出時間の間、そのキャラクタで表示され、次の表示用予告コマンドを受信するまで、その演出が継続して行われる。また、本実施形態では、それに限らず、この演出時間を利用して、例えば、通常時では表示されないリーチ専用の特別図柄(第3図柄)を表示するように構成してもよいし、キャラクタ等が表示される特定の演出を実行してもよい。リーチ専用の図柄としては、通常時では左右に同じ図柄が表示されることで、遊技者にリーチを報知するが、この演出時間で選択されるリーチ専用の図柄は、通常時よりも大きい図柄を1リールだけ表示して、その図柄にリーチである報知(例えば、文字等)を表示する。
このように構成することで、通常時とは異なった演出である特定予告表示を表示させることで遊技者を楽しませることができ、遊技をより飽きずに楽しむことができる。なお、この演出時間の間は、枠ボタン22が有効とはならず、遊技者にこの演出時間の間、最低でも演出を見せることができる。よって、遊技者が誤って、枠ボタン22を連続して押下してしまっても、演出を見る前に、演出がスキップしてしまい次の演出が表示されてしまう不具合を抑制できる。
第2実施形態の演出選択テーブル1(図46(a)参照)と演出選択テーブル2(図46(b)参照)とに対して、本実施形態の演出選択テーブル3(図57参照)は、変動パターンによらないで、ランダムに背景色が選択される点で相違する。
第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223は、第2実施形態の音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223に対して、SW有効時間カウンタ223jが削除され、SW演出時間カウンタ223m、リーチ前秒数カウンタ223nがそれぞれ追加されている。その他の点については第2実施形態と同一であるのでその説明を省略する。
SW演出時間カウンタ223mは、演出選択テーブル3(図57参照)より選択された特定予告表示後の演出時間を計時するためのカウンタである。SW演出時間カウンタ223mは、後述する枠ボタン入力監視・演出処理2(図58、S2610)のS1357の処理において、1ずつ減算される。このSW演出時間カウンタ223mが0であると判別されると(図58のS1343:Yes)、リーチ前秒数が10秒以上あれば、枠ボタン22が有効に設定される。
このように、SW演出時間カウンタ223mは、演出時間の間、枠ボタン22の操作を禁止するための禁止期間をカウントするためのカウンタ値でもある。よって、演出時間中に枠ボタン22が押下されて演出がスキップされてしまうのを防止できる。
なお、本実施形態では、演出時間中は演出を遊技者に必ず表示するために、このSW演出時間カウンタ223mを設けたが、それに限らず、遊技者の意思により、次の特定予告表示を表示できるように構成するのであれば、このSW演出時間カウンタ223mを設けなくてもよい。このようにすることで、遊技者の意思で、演出をスキップさせることが可能となり、効率良く遊技者に演出を見せることができる。
リーチ前秒数カウンタ223nは、選択されているSW演出の変動パターンがリーチとなり予めその変動パターンに定められているリーチ表示態様演出が開始されるまでの時間をカウントするためのカウンタである。このリーチ前秒数カウンタ223nは、後述する音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する予告演出選択処理2(図61、S1430)のS1434の処理において、取得されたリーチ前秒数が記憶される。また、枠ボタン入力監視・演出処理2(図58、S2610)のS1358の処理で1ずつ減算される。また、リーチ前秒数が所定秒数以上あるか(本実施形態では10秒)の判別がされ(S1344参照)、10秒以上あれば、枠ボタン22が有効となる。一方、10秒未満であれば、リーチ演出に発展する予告表示である演出5の特定予告表示が選択される。なお、このリーチ前秒数カウンタ223nは、電源投入時等の初期状態では、初期値である0に設定される。
これにより、リーチ前の秒数が所定秒数以下となると、必ずリーチ演出が開始されることを遊技者に報知する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、遊技者にリーチ演出が始まることを的確に報知でき、遊技者がリーチ演出を見逃してしまうことを防止できる。
第3実施形態における音声ランプ制御装置113のその他の電気的構成については、第2実施形態と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置113で実行される制御処理について>
図58を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図26)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理2(図S2610)について説明する。
枠ボタン入力監視・演出処理2(図58、S2610)では、まず、リーチ前秒数カウンタ223nの値が0より大きい値であるか判別される(S1341)。リーチ前秒数カウンタ223nの値が0より大きい値であると判別された場合には(S1341:Yes)、リーチ前秒数カウンタ223nを1減算する(S1342)。一方、リーチ前秒数カウンタが0以下である、即ち、0であると判別された場合には(S1341:No)、S1343の処理を実行する。S1343の処理では、SW演出時間カウンタ223mの値が0であるか判別される(S1343)。SW演出時間カウンタ223mの値が0であると判別された場合には(S1343:Yes)、リーチ前秒数カウンタ223nは10秒未満であるか判別される(S1344)。リーチ前秒数カウンタ223nが10秒未満であると判別された場合には(S1344:Yes)、リーチ演出が行われることを報知する演出5の表示用予告コマンドを設定する(S1345)。その後、SW押下回数カウンタ223kを初期値である0に初期化し(S1346)、SWシナリオカウンタを初期値であり0に初期化し(S1347)、リーチ前秒数カウンタ223nを初期値である0に初期化する(S1348)。
このように、リーチ前秒数が所定秒数未満(本実施形態では、10秒未満)となると、リーチ演出が実行されることを報知する発展予告である演出5の表示用予告コマンドを設定する。演出5に対応する予告表示内容としては、高速で背景が渦巻き状に回転する表示態様が第3図柄表示装置81にリーチ開始となる時間まで表示される。
なお、本実施形態では、リーチ演出が開始することを報知する演出として演出5を設定したが、それに限らず、予告カウンタ223iの値に基づいて、特定予告表示の回数を示す表示をしてもよい。このように構成することで、特定予告表示をより多く実行することができる。
一方、リーチ前秒数カウンタ223nの値が10秒以上であると判別された場合には(S1344:No)、枠ボタン22が押下されたか判別される(S1349)。枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S1349:No)、この処理を終了する。一方、枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S1349:Yes)、SW押下回数カウンタ223kを1減算して設定する。SW押下回数カウンタ223kが0であるが判別される。SW押下回数カウンタ223kが0であると判別された場合には(S1351:Yes)、演出抽選処理が実行される(S1352)。演出抽選処理については、図59を参照して、詳細について後述するが、演出選択テーブル3より背景色の演出内容と演出時間を決定して、その決定した内容に基づいた表示用予告コマンドを設定する処理が実行される。
SW演出時間カウンタに演出抽選処理(図59、S1352)のS1651の処理で選択された演出時間を記憶する(S1353)。SWシナリオカウンタを1加算して(S1354)、SWシナリオテーブル2(図56(b)参照)から変動パターンとSWシナリオカウンタとに基づいて、次のSWシナリオを取得する(S1355)。S1355の処理で取得したSWシナリオは、END情報であるか判別される。END情報であると判別された場合には(S1356:Yes)、この処理を終了する。一方、END情報でないと判別された場合には(S1356:No)、S1355の処理で取得したSWシナリオからSW押下回数を取得する(S1357)。SW押下回数カウンタ233kにS1357の処理で取得したSW押下回数を設定する(S1358)。一方、SW演出押下回数カウンタが0でないと判別された場合には(S1351:No)、この処理を終了する。
S1343の処理において、SW演出時間カウンタ223mの値が0でないと判別された場合には(S1343:No)、SW演出時間カウンタの値を1減算して(S1357)、リーチ前秒数カウンタ223nを1減算して(S1358)、この処理を終了する。
なお、本実実施形態では、SW演出時間カウンタ223mが0でない場合にのみ、リーチ前秒数を1減算して更新するように構成したが、それに限らず、枠ボタン入力監視・演出処理2(図58、S2610)が実行される毎に必ず更新される構成にしてもよい。
次に、図59を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理2(図58、S2610)内の一処理である演出抽選処理(S1352)について説明する。図59は、この演出抽選処理(S1352)を示したフローチャートである。
演出抽選処理(図59、S1352)では、まず、演出選択テーブル3(図57参照)より演出カウンタ223hと予告カウンタ223iとの値に基づいて、演出および演出時間を選択する(S1651)。S1651で選択した演出および演出時間と予告カウンタ223iとを表示制御装置114に通知するための表示用予告コマンドを設定する(S1652)。
次に、図60を参照して、第3実施形態のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理3(S2030)について説明する。図60は、このコマンド判定処理3(図60、S2030)を示したフローチャートである。第3実施形態におけるコマンド判定処理3(図60、S2030)は、第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図53、S2020)に対して、予告演出選択処理(S1420)が予告演出選択処理2(S1430)に変更されている。その他の処理については、第2実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明を省略する。
S1419の処理において、抽出した変動パターンがSW演出の変動パターンであると判別された場合には(S1419:Yes)、予告演出選択処理2が実行される(S1430)。
この予告演出選択処理2(S1430)について、図61を参照して説明する。図61は、この予告演出選択処理2(S1430)を示したフローチャートである。予告演出選択処理2(図61、S1430)では、まず、予告回数選択テーブル2(図56(a)参照)より変動パターンに基づいて、最大予告回数が取得される(S1431)。次に、予告カウンタ223iが初期値である0に初期化される(S1432)。SWシナリオテーブル2から変動パターンとSWシナリオカウンタとの値に基づいて、SWシナリオを取得する(S1433)。なお、SWシナリオとは、SWシナリオカウンタ(No.1〜7)と変動パターンとでSWシナリオテーブル2(図56(b)参照)で示されるSW押下回数またはEND情報のことである。
予告回数選択テーブル2(図56(a)参照)より変動パターンに基づいて、リーチ前秒数を取得して、リーチ前秒数カウンタ223nに設定する(S1434)。SWシナリオカウンタを初期値である1(No.1を示す)に設定して(S1435)、S1432の処理で取得したSWシナリオからSW押下回数を取得して(S1436)、SW押下回数カウンタ223kにS1435の処理で取得したSW押下回数を設定する(S1437)。
このように、第3実施形態におけるパチンコ機10では、SW演出の変動パターンが選択された場合に、特定予告表示(SW演出)の最大回数が設定され、その回数であれば、遊技者が任意の時間(演出時間中を除く)に枠ボタン22を押下することで、特定予告表示を表示させることができる。なお、SW演出の変動パターンでは、第3図柄表示装置81には第2実施形態のように、枠ボタン22が有効な期間であることを報知する報知態様は表示されない。これによって、遊技者は、あと何回特定予告表示が表示されるか予想藻できず、まだ特定予告表示が表示されるのではないかと期待して枠ボタン22を操作することができる。また、特定予告表示(3秒間)が第3図柄表示装置81に表示された後に、所定の演出(演出選択テーブル3(図57参照)で選択される演出時間の演出)が実行される。この演出は、演出時間に合わせて表示制御装置114に予め設定されている複数の演出から選択されるので、多様な演出となり、特定予告表示が表示される度に、異なる演出が表示される。また、この演出をその演出時間に合わせた演出(例えば、キャラクタが表示され、そのキャラクタがその演出時間だけ会話する等)にすれば、遊技者に演出時間が経過したことを報知することができる。遊技者は、一連の演出が終了したことで、再び特定予告表示が表示されるかもしれないと思って、枠ボタン22を操作することができる。よって、遊技者の遊技操作を分かり易くすることができる。
<第4実施形態におけるパチンコ機10について>
次に図62〜65を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第3実施形態におけるパチンコ機10では、枠ボタン22を押下することで、特定予告表示を第3図柄表示装置81に遊技者の操作で表示させる場合について説明した。しかしながら、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者が枠ボタン22を押下した履歴回数に基づいて、その履歴回数により特定予告表示を表示させるか否かを決定する点で第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する。なお、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
第4実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110の電気的構成は、第3実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110の電気的構成と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223は、第3実施形態に対して、SW保持回数カウンタ223o、SW履歴回数カウンタ223pがそれぞれ追加されている。
SW保持回数カウンタ223oは、枠ボタン22が有効時間内(枠ボタン22の押下が有効と判別される時間内)に押下された回数をカウントするためのカウンタである。なお、このSW保持回数カウンタ223oは、SW演出の変動パターンを受信した場合に、その変動パターンの有効時間内に押下される回数をカウントするカウンタである。音声ランプ制御装置113のMPU221が変動パターンコマンドを受信した場合に実行する予告演出選択処理3(図65、S1440)のS1447の処理において、初期値である0に初期化される。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する枠ボタン入力監視・演出処理3(図63、S2620)のS1381の処理において、枠ボタン22が押下されると判別されたことに基づいて1ずつ加算される。なお、この枠ボタン入力監視・演出処理3(図63、S2620)のS1375の処理において、後述するSW履歴カウンタ223pに、カウントした値が退避されて記憶される。このSW保持回数カウンタ223oは、電源投入時等の初期状態では、初期値である0に設定される。
SW履歴回数カウンタ223pは、1つのSW演出の変動パターン内で枠ボタン22が有効な期間に押下された回数をカウントするためのカウンタである。このSW履歴カウンタは、上述したとおり、SW保持カウンタ223oの値が枠ボタン入力監視・演出処理3(図63、S2620)のS1375の処理において、退避されて記憶されることで、枠ボタン22の押下回数が記憶される。
SW演出の変動パターンにおいて、枠ボタン22が有効期間内に押下されると、次の特定予告表示が表示されるかの設定である、次のSWシナリオ(図56(b)参照)を設定するか否かの抽選を行う場合に、SW履歴回数カウンタの値が使用される。詳細については、後述するが、SW履歴回数カウンタの値が所定回数以上でない場合には、次のSWシナリオが設定される。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
図63を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される枠ボタン入力監視・演出処理3(S2620)について説明する。図63は、この枠ボタン入力監視・演出処理3(S2620)を示すフローチャートである。第4実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理3(S2620)は、第3実施形態の枠ボタン入力監視・演出処理2(図58、S2610)の処理に代わって実行される処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理3(図63、S2620)では、まず、リーチ前秒数カウンタ223nの値が0より大きい値であるか判別される(S1371)。リーチ前秒数カウンタ223nの値が0より大きい値であると判別された場合には(S1371:Yes)リーチ前秒数カウンタ223nの値が1減算される(S1372)。一方、リーチ前秒数カウンタ223nの値が0以下である、即ち、0であると判別された場合には(S1371:No)、S1373の処理が実行される。S1373の処理では、SW演出時間カウンタ223mが0であるか判別される(S1373)。SW演出時間カウンタ223mが0であると判別された場合には(S1373:Yes)、リーチ前秒数カウンタ223nが3秒未満であるか判別される(S1374)。リーチ前秒数カウンタ223nが3秒未満であると判別された場合には(S1374:Yes)、SW保持回数カウンタ223oの値をSW履歴回数カウンタ223pに退避(記憶)させる(S1375)。SW押下回数カウンタ223kを初期値である0に初期化し(S1376)、SWシナリオカウンタを初期値である1に初期化し(S1377)、リーチ前秒数カウンタ223nを初期値である0に初期化する(S1378)。
S1374の処理において、リーチ前秒数カウンタ223nが3秒以上であると判別された場合には(S1374:No)、枠ボタン22が押下されたか判別される(S1379)。枠ボタン22が押下されていないと判別された場合には(S1379:No)、この処理を終了する。一方、枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S1379:Yes)、SW押下回数カウンタ223kを1減算して(S1380)、SW保持回数カウンタ223oに1加算する(S1381)。SW押下回数カウンタ223kが0であるか判別される(S1382)。SW押下回数カウンタ223kの値が0でないと判別された場合には(S1382:No)、この処理を終了する。一方、SW押下回数カウンタ223kが0であると判別された場合には(S1382:Yes)、演出抽選処理が実行される(S1352)。この演出抽選処理(図59、S1352)は、第3実施形態ですでに説明したものと同一の処理であるので、その詳細な説明は省略する。
演出抽選処理(図59、S1352)が実行された後には、SW演出時間カウンタ223mにSWシナリオの演出時間が設定される(S1383)。SWシナリオカウンタに1加算される(S1384)。SWシナリオテーブル2(図56(b)参照)から変動パターンとSWシナリオカウンタに基づいてSWシナリオが取得される(S1385)。S1385の処理で取得されたSWシナリオはEND情報であるか判別される(S1386)。SWシナリオがEND情報であると判別された場合には(S1386:Yes)、S1375〜S1378までの各処理を実行した後、この処理を終了する。
一方、S1386の処理で、SWシナリオがEND情報でないと判別された場合には(S1386:No)、変数Tの値に0を設定する(S1387)。変数TにSW履歴回数カウンタ223pの値と予告回数選択テーブルの予告最大回数とを加算した値を取得する(S1388)。T/6の演算(抽選)を実行する(S1389)。S1389の演算結果(抽選結果)は1以上であるかの判別が実行される(S1390)。演算結果が1以上であると判別された場合には(S1390:Yes)、S1385の処理で取得したSWシナリオからSW押下回数が取得される(S1389)。SW押下回数カウンタ223kにSWシナリオの押下回数が設定される(S1390)。一方、S1390の処理において、S1389の演算結果が1未満であると判別された場合には(S1390:No)、S1375〜S1378の処理を実行した後、この処理を終了する。
S1373の処理において、SW演出時間カウンタ223mの値が0でないと判別された場合には(S1373:No)、SW演出時間カウンタ223mの値を1減算する(S1393)。
このように、SWシナリオテーブル2(図56(b)参照)より選択されたSWシナリオのデータがEND情報でない場合にも、SW履歴回数カウンタ223pの値が少ない場合には、次のSWシナリオに基づく、SW押下回数がSW押下回数カウンタ223kに設定されない。よって、次に、枠ボタン22を押下しても、特定予告表示が表示されない。次に、SW履歴回数カウンタ223pの値が所定値以上となるまでは、次の特定予告表示が表示されないので、同じ最大予告回数が選択されていても、枠ボタン22を多く押下する遊技者には、特定予告表示が表示される回数が多くなり、枠ボタン22をあまり押下しない遊技者には特定予告表示が回数を少なくでき、遊技者によって、演出を変えることができる。その結果、遊技者に対して多様な演出を実行できる。
また、最大予告回数とSW履歴回数カウンタ223pの値とを加算して、予告回数選択テーブル2(図56(a)参照)の最大予告回数である「6」で除算するように構成したことで、予告回数選択テーブル2(図56(a)参照)の最大予告回数が選択された場合には、必ず算出結果が1以上となり、最大回数まで特定予告表示が表示されるようにできる。よって、毎回、特定予告表示が枠ボタン22を押下しても最大回数まで表示されないということがなく、特定の変動パターンが選択された場合には、履歴回数に関わらず、特定予告表示が表示され、遊技者に意外性を与えることができる。
次に、図64を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理4(S2040)について説明する。図64は、このコマンド判定処理4を示したフローチャートである。第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図64、S2040)は、第3実施形態におけるコマンド判定処理3(図60、S1312)に対して、予告演出選択処理2(図61、S1430)が予告演出選択処理3(図65、S1440)に変更されている。その他の処理については、第3実施形態におけるコマンド判定処理3(図60、S1312)と同様の処理が実行されるので、その詳細な説明を省略する。
次に、図65を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理4(図64、S1440)内の一処理である予告演出選択処理3(S1440)について説明する。図65は、この予告演出選択処理3を示したフローチャートである。第4実施形態における予告演出選択処理3(図65、S1440)では、第3実施形態における予告演出選択処理2(図61、S1430)に対して、S1448の処理が追加されている。第4実施形態におけるS1441〜S1447までの各処理は、第3実施形態におけるS1431〜S1437の各処理と同一の処理が実行される。同一の処理については、その詳細な説明は省略する。S1447の処理において、SW押下回数カウンタ223kにS1446の処理で取得された押下回数が設定されると(S1447)、S1448の処理が実行される。S1448の処理では、SW保持カウンタ223oの値が初期値である「0」に初期化される(S1448)。その後、この処理を終了する。
<第5実施形態におけるパチンコ機10について>
次に図66〜81を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が先読みを実行して、その先読みの結果に基づいて複数の変動に跨って、先読み演出を行う場合について説明した。一方、本第5実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりとは異なる小当たりに当選したことを契機に、保留されている抽選遊技について、通常時とは異なる小当たり後専用の変動パターンを選択して、複数回の変動表示を1つの抽選遊技であるかのような演出を実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
図66を参照して、本第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図66は、本第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
<第5実施形態における主制御装置110の電気的構成について>
第5実施形態における主制御装置110のROM202には、図67(a)に示すように、大当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、ステータス選択テーブル202c、ステータス情報202d、小当たり専用変動パターン選択テーブル202eがそれぞれ設定されている。
大当たり乱数テーブル202aは、大当たり、小当たり、外れと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値を設定したものである。本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値が、通常確率遊技状態(低確率遊技状態)では、「7,107,282」、高確率遊技状態では、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」のいずれかであれば、大当たりと判定される大当たり判定値として設定されている(第1実施形態と同一)。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が、「0,1,2,3,5,6,8,9,10,12」のいずれかであれば、小当たりとして判定される小当たり判定値として設定される。なお、この小当たりは、当否判定において、外れと判定されたものに含まれて設定されており、外れの一種として設定されている。なお、本実施形態では、外れの判定値の中から、小当たり判定値を設定したが、それに限らず、小当たりを大当たりの一種として、大当たり判定値の中かより設定してもよい。また、大当たりと判別したものより第1当たり種別カウンタC2の値により決定するように設定してもよい。
また、本実施形態では、小当たりに当選した場合には、可変入賞装置65が0.5秒間だけ2回開放される。小当たり後の遊技状態(低確率遊技状態または高確率遊技状態)は、小当たり前の遊技状態と同一の遊技状態が設定される。
変動パターン選択テーブル202bは、第1図柄および第3図柄を変動表示させる変動パターン(動的表示態様)を決定するための選択テーブルである。この変動パターン選択テーブル202bは、低確率遊技状態、高確率遊技状態、時短遊技状態、小当たり専用(小当たり後の移行変動回数含む)に対して、各変動パターンテーブルが設定されている。
小当たり専用以外の変動パターンについては、第1実施形態と同様に選択される構成であるので、詳細な図示とその説明を省略する。小当たり専用の変動パターンについては、図68(a)に示すように当否判定結果が外れの場合と当たりの場合に選択される小当たり専用の変動パターンがそれぞれ設定されている。それぞれの変動パターンの詳細については後述する。
図68(b)〜(c)、図69(a)〜(b)に示すように、小当たり専用の変動パターン選択テーブル202eがそれぞれ設定されている。
図68(b)は、小当たり当選時に、ステータスフラグBが決定された場合に選択される小当たり専用の選択テーブル202eである。この選択テーブルでは、すべての変動種別カウンタCS1に対して、通常小当たり変動パターンが選択される。この通常小当たり変動パターンでは、第3図柄表示装置81に第3図柄が「341」のようにチャンス目で停止表示された後、可変入賞装置65が所定期間(本実施形態では、0.5s)の間、開放される小当たり開放が2回実行される。
図68(c)は、小当たりに当選時に、ステータスフラグCが決定された場合に選択される小当たり専用の変動パターン選択テーブル202eである。この選択テーブルが選択された場合には、変動カウンタ203gの値に基づいて、変動種別カウンタCS1の値に従って選択される。変動カウンタ203gの値が0である場合、即ち、小当たり当選時には、全ての変動種別カウンタCS1の値に対応して、特殊小当たり変動パターンが選択されるように設定されている。ここで、変動カウンタ203gについては、詳細について後述するが、小当たり後の移行変動回数をカウントする為のカウンタである。なお、小当たりは、当否判定結果が外れの場合で、小当たり判定値であると選択されるので、当たりについての変動パターンは設定されていない。
この特殊小当たり変動パターンは、図71(a1)に示すように、第3図柄表示装置81に第3図柄が変動表示された後に、図71(a2)に示すように、第3図柄表示装置に1回目という文字が表示され、第3図柄が右下に縮小されて表示され、小当たりを示す「341」で停止表示される。なお、本実施形態では、小当たりを示す停止図柄として「341」としたが、それに限らず、他の停止図柄であっても良いし、通常時とは異なる仮の図柄(例えば、音符等の記号の組み合わせ等)であってもよい。
次に、保留されていた抽選遊技が変動開始時には、変動カウンタ203gが1に更新されているので、その当否判定結果により、外れである場合には、全ての変動種別カウンタCS1に対応して、外れリーチ開始終了変動パターンが設定されている。この外れリーチ開始終了変動パターンは、図71(a2)に示す表示の後、図71(b1)に示すように、第3図柄が変動開始した状態より表示され、図71(b2)に示すように、第3図柄の左図柄と右図柄とにそれぞれ同じ図柄が停止するリーチ表示態様で表示された後、所定の時間後に中図柄がリーチ図柄とは異なる図柄で停止表示されて、当否判定結果が外れであったことが報知される。
一方、次に保留されていた抽選遊技が当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の値が0〜170であれば、当たりリーチ開始終了変動パターン1が選択され、変動種別カウンアCS1の値が171〜199であれば、当たりリーチ開始終了変動パターン2が選択される。なお、この当たりリーチ開始終了変動パターン1、当たりリーチ開始終了変動パターン2は、上記した外れリーチ開始終了変動パターンに対して、当たりを示す図柄で停止される点で異なる。
図69(a)は、小当たり当選時に、ステータスフラグDが決定された場合に選択される変動パターン選択テーブルである。変動カウンタ203gが0である場合には、特殊小当たり変動パターンが全ての変動種別カウンタCS1に対応して設定されている。変動カウンタ203gが1である場合には、当否判定結果が外れであれば、変動種別カウンタCS1の値が0〜160に対応して、外れリーチ開始変動パターン1が設定され、変動種別カウンタCS1の値が161〜199に対応して、外れリーチ開始変動パターン2が設定されている。
なお、この外れリーチ開始変動パターン1と外れリーチ開始変動パターン2とは、図71(b1)に示すように、第3図柄が変動した状態で表示され、図71(b2)に示すように、リーチ表示態様となった状態で、変動時間が終了するまで、中図柄の変動表示が継続して表示される。
一方、次に保留されていた抽選遊技の当否判定結果が当たりであった場合には、変動種別カウンタCS1が0〜170の値に対応して、当たりリーチ開始終了変動パターン1が設定され、変動種別カウンタCS1が171〜199の値に対応して、当たりリーチ開始終了変動パターン2が設定されている。
このように、ステータスフラグCが決定された場合には、小当たり当選から2回抽選遊技が実行されるまで、小当たり専用の変動パターン選択テーブルが選択されるように設定されているが、その途中の変動で、当否判定結果が当たりであった場合にも、その当否判定結果を正しく報知できるように構成されている。
また、更に、次の保留されている抽選遊技の変動開始時には、変動カウンタ203gが更新されて2となっているので、当否判定結果が外れである場合に、変動種別カウンタ203gの0〜50に対応して、外れリーチ変動パターン1が設定され、変動種別カウンタCS1の51〜180に対応して、外れリーチ変動パターン2が設定され、変動種別カウンタCS1の181〜199に対応して、外れSPリーチ変動パターンが設定されている。
ここで、外れリーチ変動パターン1、外れリーチ変動パターン2は、図71(c1−(A))に示すように、「2回目」という文字が表示され、第3図柄が縮小して表示開始される。この時、縮小して表示開始される第3図柄は、図71(c1―(A))に示すようにリーチ表示態様で表示される。その後、図71(b2)に示すように、リーチ表示態様が表示され、所定時間経過後に、中図柄にリーチ図柄とは異なる図柄が停止表示される。なお、この外れリーチ変動パターン1、外れリーチ変動パターンでは、図72(c2)に示すように、中図柄の変動中に中図柄の周りにエフェクトが表示されて、通常時とは異なるリーチ表示態様であることが遊技者に報知される。
また、外れSPリーチ変動パターンが選択された場合には、図71(c1―(B))に示すように、「発展」という文字が表示され、第3図柄が縮小して表示開始される。縮小して表示開始される第3図柄は、リーチ表示態様で表示される。その後、図72(d1―(B))に示すような「次回予告クレーンリーチ」というスペシャルリーチが表示されることを遊技者に報知する表示態様が表示される。その後、図72(d2)に示すようなクレーンリーチの表示態様が表示され、クレーンが当たり図柄となる中図柄を持ち上げるが、持ち上げ切れずに、落としてしまい、リーチ図柄とは異なる図柄が停止表示される外れを示す表示態様が表示される。
一方、変動カウンタ203gの値が2である場合に、当否判定結果が当たりとなる抽選遊技が開始される場合には、変動種別カウンタCS1の0〜20に対応して当たりリーチ変動パターン1が設定され、変動種別カウンタCS1の21〜150に対応して当たりリーチ変動パターン2が設定され、変動種別カウンタCS1の151〜199に対応して当たりSPリーチ変動パターンが設定されている。なお、この当たりリーチ変動パターン1、当たりリーチ変動パターン2、当たりSPリーチ変動パターンは、外れリーチ変動パターン1、外れリーチ変動パターン2、外れSPリーチ変動パターンのそれぞれの当否判定結果が当たりで報知される点で異なるものである。
図69(b)は、小当たり当選時に、ステータスフラグEが決定された場合に選択される変動パターン選択テーブル202eである。変動カウンタ203gの値が1までは、ステータスフラグDの場合に選択される選択テーブル202e(図69(a)参照)と同様であるので説明を省略する。
移行変動回数が2回目となる変動カウンタ203gの値が2であり、当否判定結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の0〜165に対応して外れリーチ中変動パターン1が設定され、変動種別カウンタCS1の166〜199に対応して外れリーチ中変動パターン2が設定されている。
ここで、外れリーチ中変動パターン1、外れリーチ中変動パターン2は、図72(d1―(A))に示すように、「3回目」という文字が第3図柄表示装置81に表示され、第3図柄表示装置81の表示領域右下に、第3図柄がリーチ表示態様で縮小して表示開始される。その後、図72(c2)に示すように第3図柄表示装置81にリーチ表示態様で表示されて、中図柄が変動時間の経過するまで変動し続ける表示態様が表示される。
一方、当否判定結果が当たりであった場合には、変動種別カウンタCS1の0〜20に対応して当たりリーチ変動パターン1が設定され、変動種別カウンタCS1の21〜150に対応して当たりリーチ変動パターン2が設定され、変動種別カウンタCS1の151〜199に対応して当たりSPリーチ変動パターンが設定されている。ここでは、当たりリーチ変動パターン1、当たりリーチ変動パターン2では、変動開始時に「3回目」という文字が表示されるように設定される。その他の表示態様については、すでに上記で説明したものと同一である。
次に、移行変動回数が3回目となる変動カウンタ203gの値が3であり、当否判定結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の0〜140に対応して外れリー変動パターン1が設定され、変動種別カウンタCS1の141〜170に対応して外れリーチ変動パターン2が設定され、変動種別カウンタCS1の171〜199に対応して外れSPリーチ変動パターンが設定されている。ここで、外れリーチ変動パターン1、外れリーチ変動パターン2が変動開始される場合には、「4回目」という文字が表示される。その他の表示態様については、すでに上記で説明したものと同一である。
一方、当否判定結果が当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の0〜20に対応して当たりリーチ変動パターン1が設定され、変動種別カウンタCS1の21〜150に対応して当たりリーチ変動パターン2が設定され、変動種別カウンタCS1の151〜199に対応して当たりSPリーチ変動パターンが設定されている。ここで、当たりリーチ変動パターン1、当たりリーチ変動パターン2が変動開始される場合には、「4回目」という文字が表示される。その他の表示態様については、すでに上記で説明したものと同一である。
このように、第5実施形態の構成では、小当たり当選時に決定されたステータスフラグに設定されている移行変動回数の複数変動が、1つの変動態様であるように遊技者に見せるように変動パターンが選択される。また、変動開始時には、「1回目」、「2回目」というような表示態様が表示され、変動が継続していると思わせるような関連性のある報知態様が表示されるので、複数の変動を1つの変動であるかのように見せることができる。さらに、変動開始時に表示させる表示態様では、第3図柄の表示領域を縮小させて表示させたので、遊技者に第3図柄が変動開始したことを気付き難くして、前回の変動が未だ継続しているかのうように思わせることができる。
また、小当たりを契機に、その時保留されている保留個数の範囲内で、連続して表示させて複数の変動を1つの変動に見せるための実際の変動回数がステータスフラグを決定することで決定され、その間、専用の変動パターン選択テーブル203eが選択されるように構成したので、より、複数の変動を1つの変動であるかのように見せる演出を容易に実行できる。
さらに、小当たり当選時以降の移行変動回数に合わせて選択される変動パターンが変化するように設定されており、最終変動では、リーチ表示態様から抽選結果を示す表示態様に設定されているので、小当たり当選を契機にリーチ表示態様になり易く遊技者に思わせることができる。
第5実施形態における主制御装置110のRAM203には、第1実施形態における主制御装置110のRAM203に対して、ステータスフラグ記憶エリア203f、変動カウンタ203g、選択カウンタ203hがそれぞれ追加されている。
ステータスフラグ記憶エリア203fは、主制御装置110のMPU201が実行する制御処理において、小当たり後の専用変動パターンを選択する期間であるか否かを判定するステータスフラグを記憶する記憶エリアである。なお、このステータスフラグは、図67(c)に示すように、A〜Eまでの5種類のフラグが予め設定されている。
ステータスフラグAは、通常の変動パターンが選択される期間であることを示すフラグである。ステータスフラグBは、小当たり専用の変動パターンを1回選択する期間であることを示すフラグである。同様に、ステータスフラグCは、小当たり専用の変動パターンを2回、ステータスフラグDは、小当たり専用の変動パターンを3回、ステータスフラグDは、小当たり専用の変動パターンを4回、それぞれ選択する期間であることを示すフラグである。
なお、ステータスフラグは、後述する、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動開始処理(図75、S220)内の一処理であるステータス移行処理(図76、S329)のS421の処理で抽選によりステータス選択テーブル202c(図67(b)参照)より選択される。
ここで、ステータスフラグが選択されると、主制御装置110のMPU201のRAM203のステータスフラグ記憶エリア203fに記憶される。また、このステータスフラグ記憶エリア203fは、電源断時には、バックアップ電源から電力が供給されることにより、バックアップされて記憶が保持される。そして、再び、電源が投入された場合には、電源断直前の状態に復帰することが可能に構成されている。なお、パチンコ機10が初期化された状態では、ステータスフラグ記憶エリア203fには、デフォルト設定であるステータスフラグAが設定される。
変動カウンタ203gは、小当たり後の移行変動回数をカウントするためのカウンタである。この変動カウンタ203gは、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動開始処理(図75、S220)におけるS335の処理において、1ずつ加算されて更新される。また、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動開始処理(図75、S220)におけるS337、特別図柄変動処理2(図74、S140)におけるS221の処理において、初期値である0にリセットされる
選択カウンタ203hは、初期値である0から上限値である99までの範囲内で順に1ずつ更新されるカウンタである。初期化された状態では、初期値である0が設定される。上限値である99まで更新された後に、さらに更新されると、初期値である0に更新される。この選択カウンタ203hは、図示は省略したが、主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図24)のS1011の処理において、1ずつ加算されて更新される。また、主制御装置110のMPU201が実行するステータス移行処理(図76、S329)のS421の処理において、ステータス選択テーブル202cよりステータスフラグ(ステータス)を決定する場合に、選択カウンタ203hの値が取得される。
<音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の第1実施形態のRAM223に対して、サブ変動カウンタ223r、サブステータスフラグ記憶エリア223sがそれぞれ追加されている。
サブ変動カウンタ223rは、主制御装置110のMPU201のRAM203に設けられた変動カウンタ203gに同期して、移行変動回数をカウントするためのカウンタである。音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する変動表示設定処理2(図79、S2060)におけるS1712の処理で1加算されて更新される。また、S1714の処理で初期値である0にリセットされる。なお、本実施形態では、図示を省略したが、主制御装置110より出力される大当たり遊技の開始を通知するオープニングコマンドを受信したことに基づいて、初期値である0にリセットされる。
サブステータスフラグ記憶エリア223sは、主制御装置110のMPU201により決定されるステータスフラグを音声ランプ制御装置113に対して通知するためのステータスコマンドに基づいて、ステータスフラグを記憶するための記憶エリアである。音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するコマンド判定処理(図78、S2050)におけるS1451の処理で受信したステータスコマンドに基づいたステータスフラグがサブステータスフラグ記憶エリア223sに記憶(設定)される。
<本実施形態の移行変動回数が設定された場合の変動表示態様について>
次に、図70を参照して、本実施形態における小当たり当選を契機に設定される移行変動回数における変動表示態様の一例について説明する。図70は、保留個数が3個以上記憶されている場合に、小当たりに当選し、ステータスフラグEが決定された場合の一例を示したタイムチャートである。
変動1では、小当たりに当選したと判定され、ステータスフラグEが決定され、特殊小当たり変動パターンが選択される。a1で示した期間、第3図柄が高速での変動表示が継続した後(図71(a1)参照)、図71(a2)で示すように、a2の期間、「1回目」という文字が第3図柄表示装置81に表示され、第3図柄表示装置81の表示領域の右下に第3図柄が縮小して「341」という外れ図柄(大当たり図柄とは異なる図柄)のうち、特定のチャンス目で確定停止表示される。
次に、変動2では、外れリーチ開始変動パターン1または外れリーチ開始変動パターン2が選択された場合を示している。図71(b1)に示すように、第3図柄の高速変動表示がb1の期間内の所定期間で表示された後、低速表示に切替られ、図71(b2)に示すように左図柄列が「7」図柄で停止し、その後、右図列が同様に「7」図柄で停止され、左右の図柄が同一の図柄で表示され、中図柄の変動表示が継続されたリーチ表示態様がb2で示した期間表示される。
その後、変動3の変動表示が開始される。変動3では、外れリーチ中変動パターン1、外れリーチ中変動パターン2が選択された場合を示している。c1で示した期間、予告期間c1が設定されており、3秒間の枠ボタン22の操作が有効となるSW有効期間が設定され、その時間内に枠ボタン22が操作されると、図71(c1―(A))に示すように、「2回目」という文字が予告期間c1の終了するまで表示される。また、SW有効期間が経過しても枠ボタン22が操作されない場合には、図71(c1―(B))に示すように「発展」という文字が表示されるカットイン表示態様が表示される。
このように、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に表示される表示態様と、枠ボタン22を操作しなかった場合に表示される表示態様を異ならせることで、遊技者により枠ボタン22を操作する楽しみを増大させることができる。
予告期間c1が終了した後に、図71(c2)に示すように、変動2で表示されていたリーチ図柄と同様の図柄で表示されたリーチ表示態様が表示される。ここで、変動3で表示されるリーチ表示態様では、中図柄にエフェクト等が表示されて、変動2とは異なる演出が実行される。
変動2の変動時間が経過した後には、変動4で示した変動表示態様が表示される。変動4では、外れSPリーチ変動パターン、当たりSPリーチ変動パターンのいずれかが選択された場合を示している。d1で示した期間のうち3秒間がSW有効期間として設定される。そして、そのSW有効期間内に枠ボタン22が操作された場合には、図72(d1−(A))に示すように、「3回目」という文字が予告期間の終了するまで表示される。一方、SW有効期間中に枠ボタン22が操作されなかった場合には、図72(d1―(B))に示すように「次回予告 クレーンリーチ」という文字が表示されるカットイン表示態様が表示される。その後、d2の期間で、図72(d2)に示すようなクレーンで大当たり図柄を持ち上げる表示態様が表示されるスペシャルリーチ表示態様(SPリーチ表示態様)が表示される。
このように、本実施形態では、小当たりに当選したことを契機に、移行変動回数を決定して、その回数で選択する変動パターンを通常の変動パターンとは異ならせるように専用の選択テーブルを設定するように構成した。よって、小当たりの変動表示態様から移行変動回数に設定された複数の変動表示(抽選遊技)が1つの変動表示態様であるかのように、複数の変動表示態様を組み合わせることで見せることができる。
また、移行変動回数に合わせて、その前に表示されている変動表示と連続性のある表示態様の変動パターンが選択されるので、より遊技者に複数の変動を1つの変動であるかのように見せることができる。よって、実際は、外れの抽選遊技であっても、大当たりへの期待度を維持させたまま遊技を行わせることができる。
また、小当たり当選時には、通常時とは異なる変動表示態様が表示されやすく構成でき、遊技者に小当たりしたことで、大当たりへの期待感をより持たせることができる。よって、次の大当たり遊技までに遊技に飽きてしまうのを防止できる。
<第5実施形態における主制御装置110で実行される制御処理について>
図73〜図76を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理に対して、変更点のみを示し、同一の処理については、その図示と説明を省略する。
図73は、本第5実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理について説明する。第5実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図73)は、第1実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図16)に対して、特別図柄変動処理(図17、S104)が特別図柄変動処理2(図74、S140)に変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、詳細な説明については省略する。
次に、図74を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図73)内の一処理である特別図柄変動処理2(S140)について説明する。図74は、この特別図柄変動処理2(S140)を示したフローチャートである。第5実施形態における特別図柄変動処理2(図74、S140)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図17、S104)に対して、特別図柄変動開始処理(図18、S208)が特別図柄変動開始処理2(図75、S220)に、S215の処理がS221の処理にそれぞれ変更され、S222〜S223までの処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
S213またはS214の処理が実行された後には、S221の処理が実行される。S221の処理では、大当たり遊技の開始が設定され(第1実施形態と同様)、変動カウンタ203gが初期値である0にリセットされ、ステータスフラグAがステータスフラグ記憶エリア203fに設定(記憶)される。
また、S211の処理において、今回の抽選結果が外れであると判別された場合には(S211:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか判別される(S222)。ここで、小当たりであるかの判別は、第1当たり乱数カウンタC1の値が上記した小当たり判定値と同一であるか判別される。S222の処理において、小当たりに当選していると判別された場合には(S222:Yes)、小当たりにおける小当たり遊技の開始が設定される。ここでは、可変入賞装置65を所定期間(本実施形態では、0.5s)の間、可動させる(開放させる)動作が2回設定される。一方、S222の処理において、小当たり以外の外れであると判別された場合には(S222:No)、S216の処理が実行される。
次に、図75を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理2(図74、S140)内の一処理である特別図柄変動開始処理2(S220)について説明する。図75は、この特別図柄変動開始処理2(S220)を示したフローチャートである。本第5実施形態における特別図柄変動開始処理2(図75、S220)は、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図18、S208)に対して、S328〜S331,S334〜S337までの各処理が追加されている。なお、S321〜S327,S332〜S333,S338〜S339までの各処理は、S301〜S312までの各処理と同一の処理であるので、その詳細な説明は省略する。
S325の処理において、当否判定結果が外れであると判別された場合には(S325:No)、当否判定結果が小当たりであるか判別される(S328)。当否判定結果が小当たりであると判別された場合には(S328:Yes)、ステータス移行処理が実行される。(S329)。
ここで、ステータス移行処理(S329)について、図76を参照して説明する。図76は、このステータス移行処理(S329)を示したフローチャートである。
ステータス移行処理(図76、S329)では、まず、ステータス選択テーブル(図67(b)参照)より現在の保留個数および選択カウンタ203hの値に基づいて、ステータスフラグ(ステータス)を決定する(S421)。抽選結果がステータスフラグBであるか判別して(S422)、ステータスフラグBである場合には(S422:Yes)、ステータスフラグ記憶エリア203fにステータスフラグBを設定(記憶)する(S423)。
一方、S422の処理において、抽選結果がステータスフラグBでないと判別された場合には(S422:No)、抽選結果がステータスフラグCであるか判別される(S424)。抽選結果がステータスフラグCであると判別された場合には(S424:Yes)、ステータスフラグ記憶エリア203fにステータスフラグCを設定(記憶)する(S425)。
一方、S424の処理において、抽選結果がステータスフラグCでないと判別された場合には(S424:No)、抽選結果がステータスフラグDであるか判別される(S426)。抽選結果がステータスフラグDであると判別された場合には(S426:Yes)、ステータスフラグ記憶エリア203fにステータスフラグDを設定(記憶)する(S427)。一方、S426の処理において、抽選結果がステータスフラグDでないなと判別された、即ち、ステータスフラグEである判別された場合には(S426:No)、ステータスフラグ記憶エリア203fにステータスフラグEを設定(記憶)する(S428)。その後、S423,S425,S427,S428のいずれかの処理で設定されたステータスフラグを示すステータスコマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力されるように設定される(S429)。
ここで、図75に戻って説明を続ける。ステータス移行処理(図76、S329)が実行された後には、小当たり時に第1図柄表示装置37に表示される表示態様の設定がされる(S330)。その後、ステータスフラグ記憶エリア203fに記憶されたステータスフラグと変動種別カウンタCS1の値に基づいて、小当たり変動パターンが小当たり専用変動パターン選択テーブル202eより決定される。
次に、S327,S331,S333のいずれかの処理が実行された後には、S334の処理が実行される。S334の処理では、ステータスフラグ記憶エリア203fに記憶されているステータスフラグ203fがステータスフラグA以外のステータスフラグであるか(即ち、ステータスフラグB、C、D、Eのいずれか)判別される。S334の処理において、ステータスフラグA以外であると判別された場合には(S334:Yes)、変動カウンタ203gの値に1加算されて更新され(S335)、更新後の変動カウンタ203gの値が設定されているステータスフラグに設定されている移行変動回数以上の値(図67(c)参照)であるか判別される(S336)。変動カウンタ203gが移行変動回数以上の値であると判別された場合には(S336:Yes)、変動カウンタ203gの値が初期値である0にリセットされ、ステータスフラグAがステータスフラグ記憶エリア203fに設定される(S337)。その後、S338の処理が実行される。また、S336の処理において、変動カウンタ203gの値が移行変動回数未満であると判別された場合(S336)、また、S334の処理において、ステータスフラグAであると判別された場合にも(S334:No)、S338の処理が実行される。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置113で実行される制御処理について>
図77〜図80を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、変更点のみを示し、同一の処理については、その図示と説明を省略する。
図77を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理について説明する。本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図77)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図26)に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)が枠ボタン入力監視・演出処理4(図80、S2630)に、コマンド判定処理(図27、S1311)がコマンド判定処理5(図78、S2050)に、変動表示設定処理(図30、S1312)が変動表示設定処理2(図79、S2060)のそれぞれ変更されている。その他の処理については、第1実施形態における処理と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図78を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(S2050)について説明する。図78は、このコマンド判定処理5(S2050)を示したフローチャートである。本第5実施形態におけるコマンド判定処理5(図78、S2050)では、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図27、S1311)に対して、S1410〜S1414までの各処理が削除され、S1450〜S1451までの各処理がそれぞれ追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同様の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S1408の処理において、保留コマンドを受信していないと判別された場合には(S1408:No)、主制御装置110より出力されたステータスコマンドを受信しているか判別される(S1450)。ステータスコマンドを受信していると判別された場合には(S1450:Yes)、ステータスコマンドが示すステータスフラグをサブステータスフラグ記憶エリア223sに設定する(S1451)。一方、ステータスコマンドを受信していないと判別された場合には(S1450:No)、S1415の処理が実行される。
次に、図79を参照して、本第5実施形態において音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動表示設定処理2(S2060)について説明する。図79は、この変動表示設定処理2(S2060)を示したフローチャートである。本第5実施形態における変動表示設定処理2(図79、S2060)では、第1実施形態における変動表示設定処理(図30、S1312)に対して、S1711〜S1714までの各処理がそれぞれ追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明を省略する。
S1706の処理において、停止種別選択フラグ223dがオフであると判別された場合(S1706:No)またはS1710の処理が実行された後には、S1711の処理が実行される。S1711の処理では、サブステータスフラグ記憶エリア223sに記憶されているステータスフラグがステータスフラグA以外であるか、即ち、ステータスフラグB、C、D、Eのいずれかであるか判別される(S1711)。ステータスフラグA以外であると判別された場合には(S1711:Yes)、サブ変動カウンタ223rの値に1加算されて更新される(S1712)。
サブ変動カウンタ223rの値がステータスフラグに設定されている移行変動回数以上であるか判別される(S1713)。サブ変動カウンタ223rの値が移行変動回数以上であると判別された場合には(S1713:Yes)、サブ変動カウンタ223rの値を初期値である0にリセットし、サブステータスフラグ記憶エリア223sにステータスフラグAを設定する(S1714)。一方、S1713の処理において、サブ変動カウンタ223rの値が移行変動回数未満であると判別された場合には、この処理を終了する。
次に、図80を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する枠ボタン入力監視・演出処理4(図80、S2630)について説明する。図80は、この枠ボタン入力監視・演出処理4(S2630)を示したフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理4(図80、S2630)では、まず、SW有効時間カウンタ223jの値が0であるか判別される(S1521)。このSW有効時間は、変動パターンコマンドを受信した場合に、その変動パターンに対応して所定のSW有効時間有効カウンタ223jが設定される。SW有効時間カウンタ223jが0であると判別された場合には(S1521:Yes)、SW押下回数カウンタ223kが0より大きい値であるか判別される。なお、このSW押下回数カウンタ223kは、有効時間カウンタ223jが設定されたことに基づいて、1に設定される。
SW押下回数カウンタ233kが0より大きい値であると判別された場合には(S1522:Yes)、SW押下回数カウンタ233kの値が0に設定され(S1523)、サブ変動カウンタ223rの値に基づいて、表示制御装置114に対して出力するための表示用カットインコマンドが設定される(S1524)。この表示用カットインコマンドに基づいて、例えば、図71(c1−(B))に示すようなカットイン表示態様が第3図柄表示装置81に表示される。なお、このカットイン表示態様は、図71(c1−(B))に示すような表示態様以外にも複数の表示態様が設定されている。一方、S1523の処理において、SW押下回数カウンタ223kの値が0以下であると判別された場合には(S1522:No)、この処理を終了する。
S1521の処理において、SW有効時間カウンタ223jの値が0以外の値であると判別された場合には(S1521:No)、SW有効時間カウンタ223jの値を1減算して更新される(S1525)。枠ボタン22が押下(操作)されたか判別される(S1526)。枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S1526:Yes)、SW押下回数カウンタ223kの値が0より大きい値であるか判別される(S1527)。SW御迂回回数カウンタ223kの値が0より大きい値であると判別された場合には(S1527:Yes)、SW押下回数カウンタ223kの値を1減算して(S1528)、サブ変動カウンタ223rの値に基づいて、表示制御装置11に対して出力するための表示用予告コマンドが設定される(S1529)。一方、S1526の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別された場合(S1526:No)、またはS1527の処理においてS1527の処理において、SW押下回数カウンタ223kの値が0以下であると判別された場合には(S1527:No)、この処理を終了する。
<第5実施形態における表示制御装置114で実行される制御処理について>
図81を参照して、本第5実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理に対して、変更点のみを示し、同一の処理については、その図示と説明を省略する。
図81を参照して、本第5実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理2(S2120)について説明する。図81は、このコマンド判定処理2(S2120)を示したフローチャートである。本第5実施形態におけるコマンド判定処理2(図81、S2120)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図34、S2102)に対して、S2208〜S2209までの各処理が削除され、S2121〜S2124までの各処理がそれぞれ追加されている。その他の処理については、第1実施形態における処理と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
S2121の処理において、表示用カットインコマンドを受信していないと判別された場合には(S2121:No)、表示用予告コマンドを受信しているか判別される(S2123)。S2123の処理において、表示用予告コマンドを受信していると判別された場合には(S2123::Yes)、受信した表示用予告コマンドに対応した予告表示データを表示データテーブルバッファに設定される(S2124)。一方、S2123の処理において、表示用予告コマンドを受信していないと判別された場合には(S2123:No)、S2210の処理が実行される。
このように、本実施形態では、大当たり当選時(時短遊技状態実行時、高確率遊技開始時、通常遊技開始時(低確率遊技開始))と小当たり当選時を契機に特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するテーブルを切替えるように構成した。このように構成することで、変動パターンの選択テーブルが頻繁に切り替わり、変動時間等が頻繁に代わり、遊技の射幸性が安定しなくなる不具合を抑制することができる。
そして、このような構成で、小当たりに当選したことを契機に、所定の変動回数まで、小当たり専用の変動パターン選択テーブルより変動パターンを選択するように構成したことで、遊技者に趣向の変化した演出を付与することができる。
また、本実施形態の構成のように、小当たりを含む複数の変動を1つの変動であるかのように見せるように、前後の変動パターンの演出と連続するように設定された演出で構成された変動パターンを複数設定しておき、連続するようにそれぞれの変動パターンを組み合わせて順に選択できるように、小当たり専用の変動パターン選択テーブルを設定したので、遊技者に容易に、複数の変動を1つの変動であるかのように見せることができる。
さらに、小当たり当選時を契機に選択される小当たり専用の変動パターン選択テーブルでは、最後の変動で、スペシャルリーチやスーパーリーチ等の当否判定結果が大当たりの場合に選択され易い変動パターンで実行されるのと同様の演出が実行されるように構成したので、より遊技者は大当たりへの期待度を高めることができる。
また、本実施形態では、小当たり当選時に複数回の移行変動回数が設定されていて、その途中の回数で大当たりとなる抽選遊技が含まれていた場合には、その大当たりが実行されることで、移行変動回数がリセットされるように構成したので、一連の変動が大当たりで完結することとなり、その後、同様に、複数の変動を1つの変動であるかのように見せる演出が実行されると、大当たりになるのではないかと期待させることができる。また、大当たり後にも、連続した演出(例えば、リーチ状態からの変動開始の演出)が引き続き選択されることで、遊技者に違和感を与えてしまう不具合を抑制することもできる。
また、本実施形態では、小当たり当選時を契機に、その後の複数回の特別図柄の変動を1回の特別図柄の変動であるかのように遊技者に見せるように、複数回の変動パターンを組み合わせるように構成したので、複数回の外れの変動であっても、1回の外れ変動であるかのように見せることができる。よって、遊技者が外れであることに失望してしまう機会を減らすことができる。また、大当たりとなる変動が含まれている複数回の変動を1回の変動であるかのように見せるようにも構成できるので、その大当たりの前に表示される当否判定結果が外れである変動であっても、大当たりの変動と組み合わさって1つの変動であるかのように見せることができるので、外れの変動も有効に利用することができる。
なお、本実施形態では、小当たり当選時に、保留されている抽選遊技の保留球数内で、移行変動回数を決定するように構成することで、複数の変動をより1つの変動であるかのように見せることができる構成とした。それに限らず、保留球数以上の移行変動回数が設定されるように構成して、複数回の変動が継続しているように見せる構成としてもよい。このような構成では、全ての変動がリーチ状態となり、大当たりとなる抽選遊技を開始させることができるか否かのチャンス演出をする等の演出を実行することで、より遊技者に遊技への参加意欲を増大させることができる。
<第6実施形態のおけるパチンコ機10について>
次に図82〜97を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が先読みを実行して、その先読みの結果に基づいて複数の変動に跨って、先読み演出を行う場合について説明した。一方、本第6実施形態におけるパチンコ機10では、小当たりの当選を契機に、移行変動回数を決定して、その移行変動回数内で定められた最大演出実行回数が実行された場合にその残り時間に対応した変動時間のリーチ表示態様が選択される点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第6実施形態におけるパチンコ機10の表示態様について>
図82を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10の表示態様について説明する。図82(a)は、代替表示態様が設定されない場合の小当たり当選時にステータスフラグEが設定された場合の変動表示態様について示したタイムチャートである。本第6実施形態では、小当たり当選時に、上記第5実施形態と同様に、ステータスフラグが決定され、移行変動回数が設定される。図82(a)に示した例では、ステータスフラグEに設定され、移行変動回数が3回に設定された場合を示している。
本第6実施形態では、移行変動回数の最終変動(図82(a)に示した例では、変動2の変動開始時より、変動4が該当)で設定されたスペシャルリーチ表示態様が変動表示開始されるまでの期間が演出可能時間に設定されている。また、小当たり当選時に当否判定結果と選択カウンタ203hの値とに基づいて、最大演出回数が設定される。この最大演出回数は、演出可能時間の間に、遊技者が枠ボタン22を操作することで、第3図柄表示装置81に表示される演出を1回として、その最大回数を設定したものである。演出内容としては、その演出回数に基づいて、図71(c1―(A))、図72(d1―(A))に示すような「2回目」、「3回目」等の文字が表示される。その時、第3図柄は、右下の表示領域に縮小して表示される。
図82(a)に示した例では、最大演出回数が3回に設定されているが、2回までしか予告演出が実行されず、最大演出回数に達しなかった場合を示している。このように、最大演出回数に達しなかった場合には、演出可能時間が経過するまで、遊技者による枠ボタン22の操作を待ってから、予め設定されている変動4の表示態様のリーチ表示態様(本実施形態では、スペシャルリーチ表示態様(SPリーチ表示態様))が表示される。
このように、遊技者の枠ボタン22の操作したタイミングに基づいて、最大演出回数までは、予告演出が第3図柄表示装置81に表示される。ここで、最大演出回数は、変動4の当否判定結果が当たりとなる場合に、より多くの演出回数が選択されるので、遊技者は、枠ボタン22を操作することで、より早期に当否判定結果を予告演出の実行回数より予測することができる。よって、遊技者に枠ボタン22を押下する楽しみをより付与することができる。
次に、図82(b)を参照して、図82(a)の場合で、最大演出回数まで予告演出が実行された場合の表示態様について説明する。図82(b)は、最大演出回数まで予告演出が第3図柄表示装置81に表示された場合を示すタイムチャートである。ここで、図82(b)に示した例では、変動3の変動時間中に、遊技者により枠ボタン22が操作され、最大演出回数である3回目の予告演出が第3図柄表示装置81に表示されたものである。この場合には、変動4が変動表示終了するまでの残り時間に基づいて、よりその残り時間に近い代替変動表示態様が選択される。この代替変動表示態様については、詳細について後述するが、図86(c)に示すように、当否判定結果別に複数の変動時間の異なる変動パターンが予め設定されており、その中より残り時間に近い変動時間の代替変動パターンが選択される。代替変動パターンは、図72(d2)に示すような、特定のリーチ表示態様が設定されたスペシャルリーチ表示態様で構成されている。
<第6実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
図83を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図83は、本第6実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
<第6実施形態における主制御装置110の電気的構成について>
本第6実施形態における主制御装置110のROM202には、大当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、ステータス選択テーブル202c、ステータス情報202d、小当たり専用変動パターン選択テーブル202eがそれぞれ設定されている。
大当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、ステータス選択テーブル202c、ステータス情報202dについては、第5実施形態ですでに説明したものと同一であるので、その詳細な説明は省略する。
本第6実施形態における小当たり専用変動パターン選択テーブル202eについては、図84(a)〜(c)、図85(a)〜(b)に示した。なお、本第6実施形態における小当たり専用の変動パターンにおける通常小当たり変動パターン、特殊小当たり変動パターンは、第5実施形態と同様の表示態様で構成された通常小当たり変動パターン、特殊小当たり変動パターンでそれぞれ構成されている。外れ変動パターン1〜3は、第3図柄が変動開始から変動停止までの非リーチ表示態様で構成されており、それぞれ変動時間が異なる。外れSPリーチ変動パターン1〜2は、第5実施形態で説明した図72(d2)に示すような、クレーンリーチ表示態様等のリーチ表示態様を含むスペシャルリーチ表示態様で構成されている。また、当たりSPリーチ変動パターン1〜2は、外れSPリーチ変動パターン1〜2と当否判定結果が当たりで表示される点で異なる。
図84(b)に示した小当たり専用の変動パターン選択テーブル202eは、ステータスフラグBが選択されている場合に選択されるテーブルであり、同様に、図84(c)に示した小当たり専用の変動パターンテーブル202eは、ステータスフラグC、図85(a)に示した小当たり専用の変動パターン選択テーブル202eは、ステータスフラグD、図85(b)に示した小当たり専用の変動パターン選択テーブル202eは、ステータスフラグEが、それぞれ選択されている場合に選択されるテーブルである。なお、各変動パターンの選択方法は、すでに第5実施形態で説明した方法と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
本第6実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203には、第1実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203に対して、ステータスフラグ記憶エリア203f、変動カウンタ203g、選択カウンタ203hがそれぞれ追加されている。なお、いずれも上記第5実施形態ですでに説明したものと同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
図83を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明する。
本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222には、第1実施形態における主制御装置110のMPU201のROM222に対して、演出時間設定テーブル222k、最大回数決定テーブル222m、代替変動パターンテーブル222n、代替演出抽選テーブル222pがそれぞれ追加されている。また、図示を省略したが、主制御装置110のMPU201のROM202に設定されている各変動パターンの選択テーブルも音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222には設定されている。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221は、主制御装置110から出力される入賞コマンドより、主制御装置110のMPU201により選択される変動パターンを判別できる。なお、保留個数によって、変動パターンの選択テーブルを切替える場合にも、変動種別カウンタCS1の値によりリーチやスーパーリーチとなる変動パターンを保留の個数に関係なく固定しておくことで、先読みにより音声ランプ制御装置113のMPU221がリーチやスーパーリーチとなる変動を判別することができる。
演出時間設定テーブル222kは、図86(a)に示す第3図柄表示装置81で表示される小当たり専用の変動パターン中に表示される予告表示の演出時間(表示時間)を設定するためのデータテーブルである。回数が多くなるほど、演出時間が長く設定されている。なお、移行変動回数に対応する抽選遊技のなかに大当たりとなる抽選遊技が含まれている場合には、含まれていない場合よりも多い回数の演出回数が選択されやすく構成されている。よって、遊技者に演出回数で当否判定結果を予測させることができ、多くの演出回数が選択された場合には、遊技者は、大当たりをより期待して遊技を行うことができる。なお、ここで表示される予告演出は、第5実施形態で説明したように図71(c1−(A))に示すような演出回数を報知する表示態様が表示される。なお、本実施形態では、予告演出の演出回数を報知する表示態様としたが、それに限らず、仮の第3図柄等を表示して擬似のリーチ演出や、仮の第3図柄が停止表示したような表示を実行して、より多くの抽選遊技を行ったように見せても良いし、キャラクタ等を表示した演出を行ってもよい。
最大演出回数決定テーブル222mは、第3図柄表示装置81で移行変動回数が設定されている小当たり専用変動パターンの表示中に表示される予告演出の最大回数を決定するためのデータテーブルである。この最大予告回数決定テーブル222mは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する枠ボタン入力監視・演出処理5(図96、S2060)におけるS2264の処理において、設定されている移行変動回数に対応した抽選遊技の当否判定結果と演出カウンタ223hの値に基づいて、最大演出回数が決定される。これにより、当たりとなる抽選遊技が移行変動回数中で実行される抽選遊技に含まれている場合により多い最大演出回数が決定される。よって、多くの予告演出が実行されることで、遊技者に大当たりへの期待を抱かせることができる。
代替変動パターンテーブル222nは、図86(c)に示すように、代替変動パターンの変動時間が設定されたデータテーブルである。代替変動パターンの一例として、外れSPリーチ変動パターン1、外れSPリーチ変動パターン2、当たりSPリーチ変動パターン1、当たりSPリーチ変動パターン2が設定されている。
代替演出抽選テーブル222pは、予告演出が最大回数実行された場合に、代替変動パターンを設定するか否かを決定するためのデータテーブルである。この代替演出抽選テーブル222pでは、移行変動回数中に当たりとなる抽選遊技が含まれている場合の方が、含まれていない場合よりも、より代替変動パターンが設定されやすいように演出カウンタ223hの値が割り振られている。
本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、SW押下回数カウンタ223k、サブステータスフラグ記憶エリア223s、総時間記憶エリア223t、演出可能時間記憶エリア223u、リーチ変動時間記憶エリア223v、演出回数カウンタ223wがそれぞれ追加されている。
SW押下回数カウンタ223kは、すでに、第2実施形態と説明したものと同一の構成であり、サブステータスフラグ記憶エリア223sは、第5実施形態で説明したものと同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
総時間記憶エリア223tは、移行変動回数が設定された場合に、その移行変動回数分の抽選遊技の変動時間の合計が記憶される記憶エリアである。この総時間記憶エリア223tは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する演出設定処理(図95、S2075)のS2253の処理で移行変動回数(先読み回数カウンタの値)に対応する各変動パターンの変動時間の合計が設定される。
演出可能時間記憶エリア223uは、移行変動回数が設定された場合に、予告演出を表示可能な時間を記憶するための記憶エリアである。この演出可能時間記憶エリア223uは、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理5(図96、S2060)におけるS2261の処理で総時間記憶エリア223tに設定されている値より移行変動回数の最終変動のリーチ秒数が減算された値が記憶される。また、S2276の処理において、演出可能時間が経過時間に基づいて減算されて更新される。
リーチ変動時間記憶エリア223vは、移行変動回数(先読み回数)が設定されている最終変動のリーチ変動時間を記憶するための記憶エリアである。このリーチ変動時間記憶エリア223vは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する演出設定処理(図95、S2075)におけるS2252の処理において、リーチ秒数が記憶される。
演出回数カウンタ223wは、予告演出の回数をカウントするためのカウンタである。この演出回数カウンタ223wは、最大演出回数決定テーブル(図86(b)参照)より最大演出回数が決定された場合に、その最大演出回数が設定される。音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理5(図96、S2060)におけるS2275の処理で1ずつ減算されて更新され、S2269の処理で、初期値である0にリセットされる。
<第6実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について>
図87〜図89を参照して、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理に対して、変更点のみを示し、同一の処理については、その図示と説明を省略する。
図87を参照して、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理について説明する。第6実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図87)は、第1実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図16)に対して、特別図柄変動処理(図17、S104)が特別図柄変動処理2(図74、S140)に変更され、始動入賞処理(図19、S105)が始動入賞処理3(図88、S150)にそれぞれ変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、詳細な説明については省略する。特別図柄変動処理2(図74、S140)は、第5実施形態と同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。
図88を参照して、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理3(S150)について説明する。図88は、この始動入賞処理3(S150)を示したフローチャートである。本第6実施形態における始動入賞処理3(図88、S150)は、第1実施形態における始動入賞処理(図19、S105)に対して、S407〜S411までの各処理が削除され、先読み抽選処理(図89、S430)が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同様の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図89を参照して、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理3(図88、S150)内の一処理である先読み抽選処理(S430)について説明する。図89は、先読み抽選処理(S430)を示したフローチャートである。
先読み抽選処理(図89、S430)では、まず、始動入賞処理3(図88、S150)におけるS406で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、変動開始時に大当たりと判定されるか判別される(S431)。大当たりであると判別された場合には(S431:Yes)、S406の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値が判別可能な大当たり入賞コマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力可能に設定される。
一方、S431の処理において、外れであると判別された場合には(S431:No)、小当たりであるか判別される(S433)。小当たりであると判別された場合には(S433:Yes)、S406の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値が判別可能な小当たり入賞コマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力可能に設定される(S434)。
一方、S433の処理において、小当たりでないと判別された場合には、選択される変動パターンは、スーパーリーチとなる変動パターンであるか判別される(S435)。スーパーリーチとなる変動パターンであると判別された場合には(S435:Yes)、S406の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値を判別可能な外れリーチ入賞コマンドが音声ランプ制御装置113に対して出力可能に設定される(S436)。一方、スーパーリーチとなる変動パターンではないと判別された場合には(S435:No)、S406の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値を示す外れ入賞コマンドが設定される(S437)。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図90〜図97を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、変更点のみを示し、同一の処理については、その図示と説明を省略する。
図90を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図90)について説明する。図90は、このメイン処理を示したフローチャートである。本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図90)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図26)に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)が枠ボタン入力監視・演出処理5(図96、S2640)に、コマンド判定処理(図27、S1311)がコマンド判定処理6(図91、S2070)に、変動表示設定処理(図30、S1312)が変動表示設定処理2(図79、S2060)にそれぞれ変更されている。なお、変動表示設定処理2(図79、S2060)は、上記第5実施形態ですでに説明したものと同一の処理であり、その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図91を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理6(S2070)について説明する。図91は、このコマンド判定処理6(S2070)を示したフローチャートである。本第6実施形態におけるコマンド判定処理6(図91、S2070)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図27、S1311)に対して、S1410〜S1414までの各処理が削除され、S2071〜S2075までの各処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S1408の処理において、保留コマンドを受信していないと判別された場合には(S1408:No)、入賞コマンドを主制御装置110より受信しているか判別される(S2071)。入賞コマンドを受信していると判別された場合には(S2071:Yes)、入賞コマンド受信処理が実行される(S2072)。
図92を参照して、この入賞コマンド受信処理(S2072)について説明する。図92は、この入賞コマンド受信処理(S2072)を示したフローチャートである。入賞コマンド受信処理(図92、S2072)では、まず、受信した変動種別カウンタCS1の値を示す入賞コマンドを入賞情報格納エリア223aに記憶する(S2081)。
受信した入賞コマンドは、大当たり入賞コマンドであるか判別される(S2082)。大当たり入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S2082:Yes)、大当たり判定フラグ223eをオンに設定する(S2083)。その後、S2085の処理が実行される。一方、受信した入賞コマンドが大当たり入賞コマンドでないと判別された場合には(S2082:No)、受信した入賞コマンドは、外れリーチ入賞コマンドであるか判別される(S2084)。外れリーチ入賞コマンドであると判別された場合には(S2084:Yes)、先読み演出抽選処理2が実行される(S2085)。この先読み演出抽選処理2(S2085)については、図93を参照して、詳細について後述する。先読み演出抽選処理2(図93、S2072)が実行された後に、大当たり判定フラグ223eがオフに設定される(S2086)。その後、この処理を終了する。一方、S2084の処理において、外れリーチ入賞コマンドでないと判別された場合には(S2084:No)、この処理を終了する。
次に、図93を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される入賞コマンド受信処理(図92、S2072)内の一処理である先読み演出抽選処理2(S2085)について説明する。図93は、先読み演出抽選処理2(S2085)を示したフローチャートである。本第6実施形態における先読み演出抽選処理2(図93、S2085)におけるS2222〜S2234は、第1実施形態における先読み演出抽選処理(図29、S1412のS1601〜S1613と同一の処理が実行され、さらに、第1実施形態の処理にS2221の処理が追加されている。
S2221の処理では、入賞情報格納エリア223a(保留エリア)に小当たりとなる抽選遊技、即ち、小当たり入賞コマンドが記憶されているか判別される。入賞情報格納エリア223aに小当たり入賞コマンドが格納されていると判別された場合には(S2221:Yes)、この処理を終了する。
一方、S2221の処理において、小当たり入賞コマンドが格納されていないと判別された場合には(S2221:No)、S2222の処理が追加されている。
図91に戻って説明を続ける。S2071の処理において、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S2071:No)、主制御装置110よりステータスコマンドを受信しているか判別される(S2073)。ステータスコマンドを受信していると判別された場合には(S2073:Yes)、ステータスコマンド受信処理が実行される(S2074)。
図94を参照して、このステータスコマンド受信処理(S2074)について説明する。図94は、このステータスコマンド受信処理(S2074)を示したフローチャートである。
ステータスコマンド処理(図94、S2074)では、まず、受信したステータスコマンドは、ステータスフラグBを示したステータスコマンドであるか判別される(S2241)。ステータスフラグBであると判別された場合には(S2241:Yes)、サブステータスフラグ記憶エリア223fにステータスフラグBを設定し、先読み回数カウンタを0に設定する(S2242)。先読みなしに設定し(S2243)、この処理を終了する。
一方、受信したステータスコマンドが示すステータスフラグがステータスフラグB以外であると判別された場合には(S2241:No)、受信したステータスコマンドは、ステータスフラグCを示したステータスコマンドであるか判別される(S2244)。ステータスフラグCであると判別された場合には(S2244:Yes)、サブステータスフラグ記憶エリア223fにステータスフラグCを設定し、先読み回数カウンタを1に設定する(S2242)。図示は省略したがその後、先読みありに設定され、この処理を終了する。
一方、受信したステータスコマンドが示すステータスフラグがステータスフラグC以外であると判別された場合には(S2244:No)、受信したステータスコマンドは、ステータスフラグDを示したステータスコマンドであるか判別される(S2246)。ステータスフラグDであると判別された場合には(S2246:Yes)、サブステータスフラグ記憶エリア223fにステータスフラグDを設定し、先読み回数カウンタを2に設定する(S2247)。図示は省略したがその後、先読みありに設定され、この処理を終了する。
一方、受信したステータスコマンドが示すステータスフラグがステータスフラグD以外、即ち、ステータスフラグEであると判別された場合には(S2246:No)、サブステータスフラグ記憶エリア223fにステータスフラグEを設定し、先読み回数カウンタを3に設定する(S2248)。図示は省略したがその後、先読みありに設定され、この処理を終了する。
図91に戻って説明を続ける。ステータスコマンド受信処理(図94、S2074)が実行された後には、演出設定処理が実行される(S2075)。その後、この処理を終了する。演出設定処理(S2075)について、図95を参照して、詳細について説明する。
図95は、この演出設定処理(S2075)を示したフローチャートである。演出設定処理(図95,S2075)では、まず、先読み回数カウンタ記憶エリア223gに設定されている先読み回数カウンタの値に対応する入賞情報格納エリア223aに記憶されている情報に基づいて、小当たり専用変動パターン選択テーブル222より変動パターン情報が再取得される(S2251)。これにより、小当たり当選を契機に、主制御装置110が選択する小当たり専用の変動パターンに対応させて先読みした情報を更新することができる。
S2251の処理が実行されると、先読み回数カウンタの値に対応する最終変動のリーチ時間がリーチ変動時間記憶エリア223vに設定される(S2252)。先読み回数カウンタに対応する各抽選遊技で選択される各変動パターンの変動時間の合計が総変動時間として総時間記憶エリア223tに設定される(S2253)。
次に、図96を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理5(S2640)について説明する。図96は、この枠ボタン入力監視・演出処理5(図96、S2640)を示したフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理5(図96、S2640)では、まず、演出可能時間記憶エリア223uに演出可能時間として、総時間記憶エリア223tに記憶された総変動時間からリーチ変動時間記憶エリア223vに記憶されたリーチ秒数が減算された値が設定される(S2261)。S2261で設定された演出可能時間が0より大きい値であるか判別される(S2262)。演出可能時間が0より大きい値であると判別された場合には(S2262:Yes)、演出回数カウンタ223wの演出回数が設定されているか判別される(S2263)。
演出回数が設定されていると判別された場合には(S2263:Yes)、S2265の処理が実行される。一方、演出回数が設定されていないと判別された場合には(S2263:No)、最大演出回数決定テーブル222mより最大演出回数を設定されている先読み回数に対応した入賞情報格納エリア223aに記憶されている当否判定情報と演出カウンタ223hの値とに基づいて、最大演出回数が決定され、演出回数カウンタ223wに設定される(S2264)。
S2265の処理では、SW演出時間カウンタ223mの値が0であるか判別される(S2265)。SW演出時間カウンタ223mの値が0以外の値であると判別された場合には、SW演出時間カウンタ223mの値を1減算して更新し(S2266)、この処理を終了する。
一方、SW演出時間カウンタ223mが0であると判別された場合には(S2265:Yes)、演出回数カウンタ223wの値が0であるか判別される(S2267)。演出回数カウンタ223wの値が0でないと判別された場合には(S2267:Yes)、代替演出抽選処理が実行される(S2268)。ここで、図97を参照して、代替演出抽選処理(S2268)について説明する。
図97は、この代替演出抽選処理(S2268)を示したフローチャートである。代替演出抽選処理(図97、S2268)では、まず、総変動時間が25秒より長いか判別される(S2281)。総変動時間が25秒よりも長いと判別された場合には(S2281:Yes)、演出カウンタ223hの値を取得して、代替演出抽選テーブル222p(図86(d)参照)より抽選結果を取得する。
S2282の処理で取得した抽選結果が代替あり(当たり)であるか判別される(S2283)。抽選結果が代替ありと判別された場合には(S2283:Yes)、総変動時間が30秒より長いか判別される(S2284)。総変動時間が30秒より長いと判別された場合には(S2284:Yes)、判定結果に基づいて、外れSPリーチ変動パターン2または当たりSPリーチ変動パターン2を決定して、対応する表示用コマンドを設定する(S2285)。その後、この処理を終了する。一方、S2284の処理において、総変動時間が30秒以下であると判別された場合には(S2284:No)、判定結果に基づいて、外れSPリーチ変動パターン1または当たりSPリーチ変動パターン1を決定して、対応する表示用コマンドを設定する(S2286)。その後、この処理を終了する。
このように、第3図柄表示装置81で予告演出が設定された最大演出回数まで表示された場合には、その時点での残り総変動時間を判定して、代替変動パターンの変動表示が可能な時間であれば、抽選により代替変動パターンの表示をするかが決定される。ここで、代替変動パターンの表示をするかの抽選は、変動される抽選遊技の当否判定結果に基づいて実行され、当否判定結果が当たりであると、外れである場合よりもより代替変動パターンが表示されやすく設定されているので、遊技者は、代替変動パターンが表示されることで、より大当たりへの期待を持つことができる。また、総変動時間の残り時間が長い場合に、最終変動のリーチ表示態様が表示されるまで、遊技者が長時間待たねばならない不具合を抑制できる。よって、遊技者が、遊技に飽きてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、代替変動表示態様が表示された後に、さらに変動時間が経過するまで残り時間がある場合には、第3図柄が全て変動表示が停止した状態で揺れ変動した状態で、変動時間が経過するまで待機される。その後、変動時間が経過したことに基づいて、確定停止表示される。よって、遊技者に停止するまでをより自然な表示態様であると思わせることができる。
図96に戻って説明を続ける。代替演出抽選処理(図97、S2268)が実行された後には、演出回数カウンタ223wが初期値である0にリセットされる(S2269)。演出可能時間記憶エリア223uの値が初期値である0にリセットされる(S2270)。その後、この処理を終了する。
一方、S2267の処理において、演出回数カウンタ223wの値が0でないと判別された場合には(S2267:No)、枠ボタン22が押下されたか判別される(S2271)。枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S2271:Yes)、SW押下回数カウンタ223kの値が0より大きい値であるか判別される(S2272)。SW押下回数カウンタ223kの値が0より大きい値であると判別された場合には(S2272:Yes)、SW押下回数カウンtな223kの値を1減算し(S2273)、演出回数カウンタ223wの値に対応した表示用予告コマンドが設定される(S2274)。演出回数カウンタ223wの値を1減算し(S2275)、この処理を終了する。
一方、S2271の処理において、枠ボタン22が押下されていない(S2271:No)、または、S2272の処理において、SW押下回数カウンタ223kの値が0以下であると判別された場合には(S2272:No)、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、小当たり当選時を契機に、その後の複数回の特別図柄の変動を1回の特別図柄の変動であるかのように遊技者に見せるように、複数回の変動パターンを組み合わせるように構成したので、複数回の外れの変動であっても、1回の外れ変動であるかのように見せることができる。よって、遊技者が外れであることに失望してしまう機会を減らすことができる。また、大当たりとなる変動が含まれている複数回の変動を1回の変動であるかのように見せるようにも構成できるので、その大当たりの前に表示される当否判定結果が外れである変動であっても、大当たりの変動と組み合わさって1つの変動であるかのように見せることができるので、外れの変動も有効に利用することができる。
また、本実施形態では、複数回の変動を1回の変動であるかのように見せる演出中に、複数回の予告表示(1回目、2回目等の表示)を遊技者の枠ボタン22の操作に基づいて表示させるように構成したので、遊技者の操作タイミングにより遊技者それぞれで異なる演出が付与されるように構成できる。よって、遊技者が同じ演出でマンネリして、遊技に飽きてしまうのを防止できる。
また、予告表示の最大表示回数は、当否判定結果に基づいて、大当たりである場合により多い回数が選択されるように構成したので、遊技者は、予告表示を表示させることで、その回数で、当否判定結果を事前に予測することができ、より遊技に対する楽しみを増加させることができる。
また、本実施形態では、最大回数の予告表示が表示された場合に、最終回の変動が終了するまでの残り時間によって、その時間に近似する代替変動パターンが選択されて表示されるように構成したので、より遊技者に退屈させることを抑制して、変動時間に合わせた演出を遊技者に付与することができる。
また、代替変動パターンは、常に選択される構成ではなく、当否判定結果に基づいて抽選し、大当たりである場合に、代替変動パターンが選択されやすく構成したので、代替変動パターンが表示されることで、遊技者に大当たりとなることをより期待させることができる。
なお、本実施形態では、予告表示は、1回目、2回目等の文字を表示させる構成としたが、それに限らず、例えば、1回目という文字を表示した後で、予め設定された時間等で、特殊な図柄(リーチ専用の図柄や、図柄の模様を変えた図柄等)を変動表示したり、キャラクタ等を表示させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者により予告表示を楽しませることができる。
なお、本実施形態では、小当たり当選時の保留球数内で移行変動回数を決定し、その回数内で小当たりを含む複数回の特別図柄の変動を1つの変動であるかのように見せる構成としたが、それに限らず、保留球数以上の移行変動回数を設定し、その回数内で連続した変動パターンに変動演出を行うように構成してもよい。そのような場合には、例えば、移行変動回数内で毎回、変動パターンがリーチ状態から変動開始されるチャンス演出として、大当たりとなる変動を遊技者が開始させられるかの演出を実行するように構成してもよい。
このような構成では、リーチ状態で変動開始する小当たり専用の変動パターンが変動開始する度に、小当たり専用の変動パターンが連続して変動開始した回数を遊技者に報知するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、このチャンス演出が実行される間に大当たりとなる抽選遊技を開始させたいと思い、遊技を継続して行うことができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110より決定したステータスコマンドを出力する構成としたが、それに限らず、音声ランプ制御装置113のMPU221によって、主制御装置110のMPU201が実行するステータスフラグを決定する処理と同一の処理を実行するように構成してもよい。このように、構成することで、主制御装置110より出力するコマンドの数を減らすことができる。
また、音声ランプ制御装置113のMPU221は、主制御装置110より出力される変動パターンコマンドより、当否判定結果や、大当たり種別を判別するように構成してもよい。このような場合には、大当たりAと大当たりB等の種別で専用の変動パターンコマンドをそれぞれ設定しておくことで、音声ランプ制御装置113のMPU221が容易に大当たり種別を変動パターンコマンドより判別することができる。よって、主制御装置110が出力するコマンドの数を減らすことができる。
<第7実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図98〜図106を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201が先読みを実行して、その先読みの結果に基づいて複数の変動に跨って、先読み演出を行う場合について説明した。一方、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、小当たりの当選を契機に、主制御装置110のMPU201が可変入賞装置65の開放処理をした後に、可変入賞装置65が開放する前に、その動作を妨げる処理を実行する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図98は、本第6実施形態におけるパチンコ機10の可変入賞装置65のA−A断面図を示したものである。可変入賞装置65には、遊技盤13の前面側に約90度回動して、遊技盤面を落下する遊技球を受けて、可変入賞装置65の内部に遊技球を取り込む為の回動扉620と、その回動扉620をソレノイド600(209)の動作に基づいて、前方に回動させるプランジャリンク610とを有している。プランジャリンク610は、軸部610bを有しており、回動可能に可変入賞装置65の内部に固定されている。
ソレノイド600のプランジャ600aの先端にプランジャリンクの一端が固定されており、ソレノイド600が電気的に作動してプランジャ600aが吸引されると、プランジャリンク610は、軸部610bを中心に回動される。プランジャリンク610には、回動扉側に突出した係止部610aが設けられており、プランジャリンク610の回動によりその係止部610aと回動扉620との係止が解除されることで、回動扉620が自重によりパチンコ機10の前面側方向へ90度回動する。
また、図99の可変入賞装置65の内部の一部の上面図に示したように、本第6実施形態における可変入賞装置65の内部には、規制ソレノイド640(209)がソレノイド600と直交するように設けられている。この規制ソレノイド640は、プッシュ型のソレノイドであり、電気的に作動するとプランジャ640aが前方に突出する構成となっている。規制ソレノイド640が作動してプランジャ640aが突出すると、プランジャリンク610と接触して、プランジャリンク610が回動することを規制する。
ここで、図98に示すように、プランジャリンク610は回動すると、係止部610aの先端で、回動扉620の背面側に設けられた係止部610aとの係止凹部620bの上部の壁部と当接して、回動扉620を少しパチンコ機10の前面側方向へ回動させることにより、回動扉620の重心がずれて自重で回転を開始する構成となっている。係止部610aが回動扉620の係止凹部620bの上部の壁部と接触するまでに要する時間tは、50msで構成されている。
詳細については、後述するが、小当たり当選時に、主制御装置110のMPU201が小当たりの当選を判定して、ソレノイド600を作動させて可変入賞装置65の開放処理を実行してから、50ms未満で規制ソレノイド640を作動させる制御が実行される。これにより、小当たり当選時に、可変入賞装置65が開放することにより、当選した判定結果が小当たりであることが遊技者に容易に判別されてしまう不具合を防止できる。
また、小当たり当選時に移行変動回数を設定して、複数の変動を1つの変動であるかのように見せる演出を実行する場合にも、小当たり当選により可変入省装置65の開放動作により、複数の変動として遊技者に容易に判別されてしまう不具合を抑制できる。
<第7実施形態における主制御装置110により実行される制御処理>
次に、図100〜図106を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。なお、第1実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理に対して、変更点のみを示し、同一の処理については、その図示と説明を省略する。
図100を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図100は、このタイマ割込処理を示したフローチャートである。本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図100)は、第1実施形態におけるタイマ割込み処理に対して、特別図柄変動処理(図17、S104)が特別図柄変動処理3(図101、S160)に変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図101を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図100)内の一処理である特別図柄変動処理3(S160)について説明する。図101は、この特別図柄変動処理3(S160)を示したフローチャートである。本第7実施形態における特別図柄変動処理3(図101、S160)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図17、S104)に対して、S222〜S223の処理が追加され、特別図柄変動開始処理(図18、S208)が特別図柄変動開始処理3(図102、S240)に変更されている。なお、このS222〜S223までの各処理については、第5実施形態における特別図柄変動処理2(図74、S140)のS222〜S223と同一の処理であるので、その詳細な説明は省略する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図102を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理3(図101、S160)内の一処理である特別図柄変動開始処理3(図102、S240)について説明する。図102は、この特別図柄変動開始処理3(S240)を示したフローチャートである。本第7実施形態における特別図柄変動処理3(図102、S240)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図18、S208)に対して、S340〜S342までの各処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態の処理と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
S306の処理において、S304またはS305の抽選結果が大当たりでないと判別された場合には(S306:No)、S340の処理が実行される。S340の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値が小当たり判定値と一致するか判別される(S340)。小当たりであると判別された場合には(S340:Yes)、第1図柄表示装置37に表示する小当たり時の表示態様が設定される(S341)。その後、小当たり時の変動パターンが決定され(S342)、S311の処理が実行される。
次に、図103を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図103は、このメイン処理を示したフローチャートである。本第7実施形態におけるメイン処理(図103)では、第1実施形態におけるメイン処理(図24)に対して、大当たり制御処理(S1003)が大当たり制御処理2(図104、S1020)に、電動役物開閉処理(S1005)が電動役物開閉処理2(図106、S1040)にそれぞれ変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
図104を参照して、本第7実施形態におけるメイン処理(図103)内の一処理である大当たり制御処理2(S1020)について説明する。図104は、この大当たり制御処理2(S1020)を示したフローチャートである。
大当たり制御処理2(図104、S1020)では、まず、特別図柄変動処理3(図101、S160)におけるS215の処理で大当たりの開始が設定されたか判別される(S1021)。大当たりの開始が設定されたと判別された場合には(S1021:Yes)、大当たり遊技の開始を音声ランプ制御装置113に通知するためのオープニングコマンドが設定される(S1022)。
一方、大当たりの開始が設定されていないと判別された場合には(S1021:No)、大当たり遊技中であるか判別される(S1023)。大当たり遊技中でないと判別された場合には(S1023:No)、この処理を終了する。一方、大当たり遊技中であると判別された場合には(S1023:Yes)、新たなラウンド開始のタイミングであるか判別される(S1024)。新たなラウンド遊技の開始タイミングであると判別された場合には(S1024:Yes)、可変入賞装置65の大開放口65aの開放が設定される(S1025)。
新たに開放するラウンド数(大当たり遊技のラウンド数)を音声ランプ制御装置113に対して出力するためのラウンド数コマンドを設定する(S1026)。その後、この処理を終了する。
一方、S1024の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合には(S1024:No)、大開放口65aの閉鎖条件が成立したか判別される(S1027)。本実施形態では、大当たり遊技において、大開放口65aに遊技球が10球入賞するか、開放されてから30秒経過すると、閉鎖条件が成立したと判別される。大開放口65aの閉鎖条件が成立したと判別された場合には(S1027:Yes)、大開放口65aの閉鎖が設定される(S1028)。
一方、S1027の処理において、大開放口65aの閉鎖条件が成立していないと判別された場合には(S1027:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別される(S1029)。エンディング演出とは、音声や第3図柄表示装置81の表示態様で、大当たり遊技の終了を遊技者に報知する演出のことである。エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合には(S1029:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して、大当たり遊技の終了を通知するためのエンディングコマンドが設定される(S1030)。
一方、S1029の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別された場合には(S1029:No)、小当たり処理が実行される(S1031)。その後、この処理を終了する。
小当たり処理(S1031)については、図105を参照して、詳細について説明する。図105は、この小当たり処理を示したフローチャートである。
小当たり処理(図105、S1031)では、まず、特別図柄変動処理3(図101、S160)におけるS223の処理において、小当たりの開始が設定されているか判別される(S1101)。小当たりの開始が設定されていると判別された場合には(S1101:Yes)、小当たりの開始が設定されたと判別された場合には(S1101:Yes)、小当たり遊技の開始を音声ランプ制御装置113に通知するためのオープニングコマンドが設定される(S1102)。
一方、小当たりの開始が設定されていないと判別された場合には(S1102:No)、小当たり遊技中であるか判別される(S1103)。小当たり遊技中でないと判別された場合には(S1103:No)、この処理を終了する。一方、小当たり遊技中であると判別された場合には(S1103:Yes)、新たなラウンド開始のタイミングであるか判別される(S1104)。新たなラウンド遊技の開始タイミングであると判別された場合には(S1104:Yes)、可変入賞装置65の大開放口65aの開放が設定される(S1105)。その後、規制ソレノイド640の作動を設定する(S1106)。
このように、ソレノイド600を開放に設定した後、規制ソレノイドも作動に設定することで、大開放口65aが開放する前に、規制ソレノイドが作動して、プランジャ640aがプランジャリンク610の回動を規制する位置に移動することで、大開放口65aが開放することを規制する。よって、小当たりの実行が設定されても、回動扉620が回動せず、小当たりに当選したことを遊技者が回動扉の動作より気づき難くすることができる。
新たに開放するラウンド数(小当たり遊技のラウンド数)を音声ランプ制御装置113に対して出力するためのラウンド数コマンドを設定する(S1107)。その後、この処理を終了する。
一方、S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合には(S1104:No)、大開放口65aの閉鎖条件が成立したか判別される(S1108)。本実施形態では、小当たり遊技において、大開放口65aに遊技球が10球入賞するか、開放されてから0.5秒経過すると、閉鎖条件が成立したと判別される。大開放口65aの閉鎖条件が成立したと判別された場合には(S1108:Yes)、大開放口65aの閉鎖が設定される(S1109)。
一方、S1108の処理において、大開放口65aの閉鎖条件が成立していないと判別された場合には(S1108:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別される(S1111)。エンディング演出とは、音声や第3図柄表示装置81の表示態様で、小当たり遊技の終了を遊技者に報知する演出のことである。ここで、小当たり遊技の場合には、遊技者に小当たりであることの報知はされず、予告演出表示(本実施形態では、「1回目」)という文字等の表示が実行される。
エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合には(S1111:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して、大当たり遊技の終了を通知するためのエンディングコマンドが設定される(S1112)。その後、この処理を終了する。また、S1111の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別された場合には(S1111:No)、この処理を終了する。
次に、図106を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図103)内の一処理である電動役物開閉処理2(S1040)について説明する。図106は、この電動役物開閉処理2(S1040)を示したフローチャートである。
電動役物開閉処理2(図106、S1040)では、まず、大開放口65aの開放が設定されているか判別される(S1041)。大開放口65aの開放の設定は、大当たり制御処理2(図104、S1020)におけるS1025の処理、および、小当たり処理(図105、S1031)におけるS1106の処理でそれぞれ設定される。
大開放口65aの開放が設定されていると判別された場合には(S1041:Yes)、大開放口65aのソレノイド600がオンに設定される(S1042)。一方、規制ソレノイド640の作動が設定されているか判別される(S1043)。規制ソレノイド640の作動は、小当たり処理(図105、S1031)におけるS1106の処理で設定される。規制ソレノイド640の作動が設定されていると判別された場合には(S1043:Yes)、規制ソレノイド640がオンに設定される(S1044)。その後、この処理が終了される。
S1041の処理において、大開放口65aの開放が設定されていないと判別された場合には(S1041:No)、大開放口65aの閉鎖が設定されているか判別される(S1045)。大開放口65aの閉鎖については、大当たり制御処理2(図104、S1020)におけるS1028の処理、および、小当たり処理(図105、S1031)におけるS1109の処理でそれぞれ設定される。大開放口65aの閉鎖が設定されていると判別された場合には(S1045:Yes)、ソレノイド600をオフに設定する(S1046)。その後、規制ソレノイド640をオフに設定し(S1047)、この処理を終了する。一方、S1045の処理において、大開放口65aの閉鎖が設定されていないと判別された場合には(S1045:No)、この処理を終了する。
このように、小当たりに当選した場合には、大開放口65aの開放されるソレノイド600がオンにされる処理の後、直ぐに規制ソレノイド640がオンに設定される。ここで、ソレノイド600が作動を開始してから、回動扉620の回動が開始されるまでには、50msを要する構成となっているので、回動扉620の回動が開始されることとなる、位置まで、プランジャリンク610が回動するよりも前に、規制ソレノイド640のプランジャ640aの先端がプランジャリンク610の回動を規制する位置に移動させることができる。よって、小当たり時には、大開放口65aの開放が設定されるものの、大開放口65aが開放されることはなく、遊技者に小当たりしたことを識別し難くすることができる。
ここで、上記第5実施形態〜第6実施形態に示すように、小当たり当選時を契機に、複数の変動を1つの変動であるかのように見せる演出をする場合に、なるべく、複数の変動それぞれの区切りを遊技者に分からせ難く構成したい。ここで、本実施形態の構成のように、小当たり当選時に、小当たりの設定はされるものの、回動扉620の回動をさせないように規制する構成にすることで、小当たりの変動であることを遊技者に分からせ難くすることができる。よって、小当たりを含む複数の変動を1つの変動であるかのように見せることができる。
なお、本実施形態では、小当たりは、0.5秒間の間、大開放口65aが開放されるラウンドが2回実行されるように構成した。それと同じ動作の大当たり(2ラウンド大当たり)を設定して、その後の遊技において、当否判定の確率を高確率遊技状態(確変遊技)となる大当たりの種別を設定しておくことで、第3図柄表示装置81で、2ラウンド大当たりも、小当たりも同じ報知(同じ図柄で表示)をすることで、遊技者は、小当たりと2ラウンド大当たりの区別がつかなくなる。ここで、さらに、2ラウンド大当たりに基づいて、小当たり当選時と同じく、2ラウンド当たりを含む複数の変動を1つの変動に見せる演出を実行することで、遊技者は、複数の変動を1つにみせる演出が実行されることで、より大当たりへの期待を持つことができる。
<第7実施形態におけるパチンコ機10の変形例について>
図107〜図109を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。第7実施形態では、可変入賞装置65の回動扉620の開放動作を妨げるために規制ソレノイド640を設けて、回動扉620の回動を規制した。一方、本第7実施形態における変形例では、規制ソレノイド640を可変入賞装置65は有しておらず、可変入賞装置65のソレノイド600を動作させてから、プランジャリンク610が回動扉620の開放動作を開始させるまでの時間(本実施形態では、50ms)までに、ソレノイドの励磁を解除して、開放を規制する処理を実行する点で、第7実施形態とは相違する。それ以外の構成については、同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
<第7実施形態の変形例における電気的構成について>
図107を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。本第7実施形態の変形例における主制御装置110のMPU201のRAM203には、小当たり開放カウンタ203iが追加されている。その他の構成については、第7実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
この小当たり開放カウンタ203iは、小当たり当選に基づいて、可変入賞装置65のソレノイド600の開放動作を開始してから可変入賞装置65の閉鎖動作を開始するまでの時間を計測するためのカウンタである。この小当たり開放カウンタ203iは、主制御装置110のMPU201により実行される小当たり処理2(図108、S1050)におけるS1056の処理において、20msの時間に対応したカウンタ値が設定される。また、主制御装置110のMPU201により実行される電動役物開閉処理3(図109、S1070)におけるS1074の処理で1ずつ減算されて更新される。
<第7実施形態の変形例における主制御装置110の制御処理>
次に、図108〜図109を参照して、本第7実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。第7実施形態と同一の処理については、その詳細な説明は省略する。
図108を参照して、本第7実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される小当たり処理2(S1050)について説明する。なお、この小当たり処理2(図108、S1050)は、第7実施形態における小当たり処理(図105、S1031)の処理に代わり実行される処理である。図108は、この小当たり処理を示したフローチャートである。本第7実施形態における小当たり処理2(図108、S1050)は、第7実施形態における小当たり処理(図105、S1031)に対して、S1105,S1110の各処理が削除され、S1056の処理が追加されている。
S1055の処理が実行されると、小当たり開放カウンタ203iに20msを示すカウンタ値(本実施形態では、5)が設定される(S1056)。その後、S1057の処理が実行される。
次に、図109を参照して、本第7実施形態の変形例における主制御装置110のMPU201により実行される電動役物開閉処理3(S1070)について説明する。図109は、この電動役物開閉処理3(S1070)を示したフローチャートである。
電動役物開閉処理3(図109、S1070)では、まず、可変入賞装置65の大開放口の開放が設定されているか判別される(S1071)。大開放口の開放が設定されていると判別された場合には(S1071:Yes)、大開放口のソレノイド600をオンに設定する(S1072)。一方、大開放口の開放が設定されていないと判別された場合には(S1071:No)、小当たり開放カウンタ203iの値が0より大きい値であるか判別される(S1073)。小当たり開放カウンタ203iの値が0より大きい値であると判別された場合には(S1073:Yes)、小当たり開放カウンタ203iの値を1減算する(S1074)。小当たり開放カウンタ203iの値が0であるか判別される(S1075)。
小当たり開放カウンタ203iの値が0であると判別された場合には(S1075:Yes)、大開放口のソレノイド600をオフ(非励磁)に設定し(S1076)、この処理を終了する。一方、小当たり開放カウンタ203iの値が0以下であると判別された場合(S1073:No)、または、小当たり開放カウンタ203iの値が0でないと判別された場合には(S1075:No)、S1077の処理が実行される。
S1077の処理では、大開放口の閉鎖が設定されているか判別される(S1077)。大開放口の閉鎖が設定されていると判別された場合には(S1077:Yes)、大開放口のソレノイド600をオフに設定する(S1078)。
このように、可変入賞装置65の大開放口を小当たりが当選すると0.5秒間ずつ2回開放するように設定されるが、いずれの開放も、大開放口が開放することとなる回動扉620が回動を開始する前に、ソレノイド600が非励磁に設定されて、強制的に小当たり時の大開放口の開放を規制することができる。
これにより、小当たり時に小当たりに当選したことを、遊技者に開放口が開放したことで判別され難くすることができる。よって、小当たり当選時には、外れと同様の第3図柄の組み合わせを第3図柄表示装置81に表示することで、より遊技者に小当たりに当選したことを分かり難くできる。
また、第5〜第6実施形態で示したように、小当たりを含む複数の変動を1つの変動表示態様であるかのように見せる演出では、小当たりに当選したことを分かり難くすることで、より複数の変動を1つの変動であるかのように遊技者に見せることができる。
また、上記実施形態では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のバッファRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237は第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブル、又は、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fで示されるアドレスにNullデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブル等に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブル等に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行される表示メイン処理またはメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
上記実施形態において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
上記実施形態では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234を内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモリ234aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
上記実施形態では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモリ234aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記実施形態で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
上記実施形態では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、その第1プログラム格納エリア234d1にMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
また、上記実施形態では、内部バス(バスライン240)に接続されたNOR型ROM234dに第1プログラム格納エリア234d1を設け、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリを内部バス(バスライン240)に接続し、そのメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などを内部バス(バスライン240)に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
上記実施形態では、ROMコントローラ234bにおいて、内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力する場合について説明した。これに対し、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234bが第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットしておき、次いで、ROMコントローラ234bにおいて内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後に内部バス(バスライン240)に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234cに第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、ROMコントローラ234bは、内部バス(バスライン240)に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、内部バス(バスライン240)を介してMPU231に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM234cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
上記実施形態では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延するおそれを抑制することができる。
また、上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
上記実施形態における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
上記実施形態では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
上記実施形態では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM235の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM235の更新を行うことができる。
上記実施形態において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行される表示メイン処理またはメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によって表示メイン処理またはメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いキャラクタROM234aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
上記実施形態では、バッファRAM237aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、内部バス(バスライン240)に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多い内部バス(バスライン240)に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
上記実施形態では、バッファRAM237aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
上記実施形態では、バッファRAM237aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
上記実施形態では、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて、電源投入時主画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
同様に、上記実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
上記実施形態では、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて電源投入時主画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
同様に、上記実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
上記実施形態では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後の演出態様のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報に従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報によって背面画像の画像データを転送する場合、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
また、上記実施形態では、振動センサの出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサの出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
一方、振動センサの出力信号を表示制御装置114に入力し、表示制御装置114にて振動エラーの有無を検出するように構成してもよい。そして、振動エラーが検出された場合、エラー発生フラグをオンにし、更に、振動エラーに対応するエラー判別フラグをオンすることによって、表示設定処理(図38参照)においてエラー発生フラグがオンであることを判別した場合に警告画像設定処理(図39参照)を実行することで、第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させてもよい。この場合、これにより、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へのエラーコマンドの送受信が不要となるため、より早く警告画像を第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
また、上記実施形態では、振動センサが遊技板13の裏面に取り付けられている場合について説明したが、振動センサに代えて、若しくは、振動センサと共に、磁石センサが遊技板13の裏面に取り付けられてもよい。この磁石センサは、磁石などの磁界によって球の流れが変えられ、意図的に入球口への入球が行われることを抑制するために、遊技板に加えられた磁界を検出するためのセンサであり、磁石センサの出力信号は、主制御装置110,音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかに入力されるようにしてもよい。そして、磁石センサの出力信号が主制御装置110に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき主制御装置110によって遊技板13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113経由で、または、直接、表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が音声ランプ制御装置113に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき音声ランプ制御装置113によって遊技板13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。そして、表示制御装置113の常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fには、磁界エラーを第3図柄表示装置81の表示によって報知するためのエラーメッセージ画像に対応する画像データが常駐されるように構成し、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113から磁界エラーを伝えるエラーコマンドを受信すると、表示制御装置113は、第3図柄表示装置81にその警告画像を表示するようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が表示制御装置110に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき表示制御装置114によって遊技板13に磁界が加えられたと判断されると、表示制御装置113は、エラー発生フラグをオンすると共に、磁界エラーに対応するエラー種別フラグをオンに設定することで、第3図柄表示装置81にその警告画像を表示するようにしてもよい。これにより、表示制御装置114は、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113からのエラーコマンドを受信し、或いは、磁石センサからの出力信号に基づいて、磁界エラーの発生を把握すると、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成した場合であっても、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに常駐されているエラーメッセージ画像を用いて、遅滞なく磁界エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、遊技者により遊技板に対して磁界が加えられると、第3図柄表示装置81によるエラーメッセージ画像の表示によって、その磁界エラーが即座に報知されるので、遊技者に対して不正な行動を抑止させることができる。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブル又は表示データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブル又は表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233fにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、表示データテーブルの追加描画内容により規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が表示データテーブルによって規定される場合、その表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233fにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
また、上記実施形態では、表示データテーブルにおいて、その表示データテーブルに規定された描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報を含める場合について説明したが、それに加えて、表示データテーブルに規定された追加描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めてもよい。この場合、追加転送データ情報は、各アドレス毎に、その追加表示可能な演出を識別するための識別情報(「追加演出1」、「追加演出2」・・・等)に対応付けて、追加描画内容と共にまたは追加描画内容とは別個に規定されるものであってもよい。そして、MPU231は、追加して表示すべき演出を決定すると、その決定された演出に対応する識別情報に対応付けられた追加描画内容と追加転送データ情報とを含めて、描画リストを作成するように構成してもよい。
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加描画内容に従った描画で用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加して表示すべき演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルに規定された追加転送データ情報を用いることによって、追加描画内容に基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加描画内容によって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
上記実施形態では、遊技者にスーパーリーチを選択させる変動パターンに対応する表示テーブルにおいて、遊技者により選択され得る全てのスーパーリーチに対応する描画内容を表示データテーブル内に規定しておき、遊技者によって選択されたスーパーリーチに対応する描画内容だけを特定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、選択されたスーパーリーチに対応する描画内容を、表示データテーブルに追記するようにしてもよい。これによって、遊技者により選択されたスーパーリーチの描画内容を容易に特定することができる。また、表示データテーブルに全てのスーパーリーチに対応する描画内容を規定しておく必要がないので、表示データテーブルのデータサーズが大きくなることを抑制できる。
上記実施形態では、表示データテーブルに、描画内容と、転送データ情報とを含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルには、描画内容と転送データ情報とを規定し、追加して表示すべき演出の追加描画内容は、追加データテーブルに規定してもよい。この場合、ワークRAM233には、追加データテーブルバッファを設け、追加して表示すべき演出が決定された場合に、その演出に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファに設定するようにしてもよい。また、その追加データテーブルは、追加描画内容だけでなく、その追加描画内容に従って行われる画像の描画に必要な画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めて規定するものであってもよい。これにより、追加データテーブルを用いて追加して表示すべき演出の描画内容と、その描画に必要な画像の転送データ情報とを特定することができるので、追加データテーブルおよび追加用転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
上記実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な用紙に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記実施形態では、表示データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233fを用いて、そのポインタ233fによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記実施形態では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記実施形態では、デモ演出が、背面画像を変化させると共に「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御手段114において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
上記実施形態において、表示データテーブルおよび転送データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記実施形態では、表示制御装置114のワークRAM233に格納画像データ判別フラグ233iを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233に記憶された画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
上記実施形態では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像データ判別フラグ233iと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
上記実施形態では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部のスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させることにより、キャラクタROM737から通常用ビデオRAM536への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
上記実施形態では、転送データテーブル又は表示データテーブルによって、ポインタ233fで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
上記実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画y像として表示してもよい。
上記実施形態では、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、上記に記載した各実施形態および変形例等の一部または全部を組み合わせて実施してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>
遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて、遊技の制御を実行する従制御手段とを有し、前記主制御手段は、始動条件の成立に基づいて、第1情報を取得する取得手段と、その取得手段が取得した前記第1情報を抽選条件の成立に基づいて抽選遊技の当否判定をする当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を前記従制御手段に通知するための当否判定信号を生成する当否判定信号生成手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報を記憶する判定情報記憶手段と、前記抽選条件が成立する前に、前記第1情報に基づく事前当否判定信号を生成して、前記従制御手段に対して通知する事前当否判定信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段から出力される当否判定信号に基づいて、その当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる表示制御手段と、前記事前当否判定信号に基づいて、前記始動条件の成立毎に事前情報を記憶する事前情報記憶手段と、を有した遊技機において、前記主制御手段は、前記識別情報を前記表示手段に動的表示させる複数の動的表示情報を記憶した動的表示情報記憶手段と、その動的表示情報記憶手段から当否判定結果に基づいて、一の動的表示情報を決定する動的表示情報決定手段と、その動的表示情報決定手段により決定された前記動的表示情報を前記従制御手段に通知するための動的表示情報信号を生成する動的表示情報信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段より出力される前記動的表示情報信号に基づいて、動的表示態様を選択する動的表示態様選択手段と、前記事前当否判定信号を受信したことに基づいて、遊技演出に関する特定表示態様を前記表示手段に表示する回数を決定する特定表示回数決定手段と、を有し、前記特定表示態様は、連続する前記抽選遊技の前記動的表示態様に跨って前記表示手段に表示されるものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技の制御を実行する主制御手段では、始動条件の成立に基づいて、取得手段により第1情報が取得される。その取得手段が取得した第1情報が抽選条件の成立に基づいて当否判定手段により抽選遊技の当否が当否判定される。その当否判定手段の当否判定結果を前記従制御手段に通知するための当否判定信号が当否判定信号生成手段により生成される。抽選条件が成立するまで、第1情報が判定情報記憶手段に記憶される。抽選条件が成立する前に、第1情報に基づく事前当否判定信号が事前当否判定信号生成手段により生成され、従制御手段に対して通知される。主制御手段からの制御信号を受信して遊技の制御を行う従制御手段では、主制御手段から出力される当否判定信号に基づいて、その当否判定結果を示す識別情報が表示手段に表示される。その表示手段に前記識別情報が表示制御手段により動的表示される。事前当否判定信号に基づいて、始動条件の成立毎に事前情報が事前情報記憶手段により記憶される。主制御手段では、識別情報を表示手段に動的表示させる複数の動的表示情報が動的表示情報記憶手段に記憶される。その動的表示情報記憶手段から当否判定結果に基づいて、一の動的表示情報が動的表示情報決定手段により決定される。その動的表示情報決定手段により決定された動的表示情報を前記従制御手段に通知するための動的表示情報信号が動的表示情報信号生成手段により生成される。従制御手段では、主制御手段より出力される動的表示情報信号に基づいて、動的表示態様が動的表示態様選択手段により選択される。事前当否判定信号を受信したことに基づいて、遊技に関する特定表示態様を表示手段に表示する回数が特定表示回数決定手段により決定される。特定表示態様が、連続する抽選遊技の動的表示態様に跨って表示手段に表示される。これにより、特定表示態様により識別情報への意識が低下され、複数回の動的表示態様を1つの動的表示態様であるかのように見せることができる。よって、遊技者に斬新な演出を見せることができる。従って、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記従制御手段は、前記特定表示態様を表示するか否かの抽選を前記事前当否判定信号を受信したことに基づいて実行する特定抽選手段を有し、前記特定表示回数決定手段は、前記特定抽選手段により前記特定表示態様を表示すると判定された場合に、前記事前情報記憶手段に記憶された前記始動条件の成立回数未満で前記特定表示態様を前記表示手段に表示する回数を決定するものであり、前記特定表示回数決定手段により前記回数が決定された場合に、前記特定表示態様は、前記事前情報記憶手段に記憶されたそれぞれの前記第1情報に対応して表示される連続する2つの前記動的表示態様に跨って1回ずつそれぞれ表示されるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段では、特定表示態様を表示するか否かの抽選が事前当否判定信号を受信したことに基づいて特定抽選手段により実行される。特定抽選手段により特定表示態様を表示すると判定された場合に、事前情報記憶手段に記憶された始動条件の成立回数未満で特定表示態様を前記表示手段に表示する回数が特定表示回数決定手段により決定される。特定表示回数決定手段により回数が決定された場合に、事前情報記憶手段に記憶された第1情報に対応して表示される連続する2つの動的表示態様に跨って1回ずつそれぞれ特定表示態様が表示される。これにより、判定情報記憶手段に記憶されている第1情報の動的表示態様が動的表示終了から開始に跨って特定表示態様が表示されることなり、複数の動的表示態様を1つの動的表示態様であるかのように遊技者に見せることができる。よって、遊技者に斬新な演出を提供することができるという効果がある。
遊技機A2において、前記特定抽選手段は、受信した前記事前当否判定信号が示す事前情報が当たりと判別される又は前記事前情報記憶手段に記憶された事前情報の中に当たりと判別される情報が記憶されている場合には、前記特定表示態様を表示すると決定する確率を高く設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、受信した事前当否判定信号が示す事前情報が当たりと判別される又は事前情報記憶手段に記憶された事前情報の中に当たりと判別される情報が記憶されている場合には、特定表示態様を表示すると決定する確率が特定抽選手段により高く設定される。これにより、特定表示態様が表示される場合には、大当たりとなり易く構成でき、特定表示態様が表示されることで、遊技者に大当たりを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A2またはA3において、前記特定表示回数決定手段により特定表示態様を表示する回数が決定され、その最終回の特定表示が表示されている間に動的表示を開始する動的表示態様に対応する前記事前情報の当否判定結果が外れであり、前記事前情報記憶手段に当たりと判別される前記事前情報がある場合には、その事前情報に対応する動的表示態様が動的表示を開始している間に最終回の特定表示が表示されるように前記特定表示回数決定手段により決定された前記回数を変更する回数変更手段を有するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2またはA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定表示回数決定手段により特定表示態様を表示する回数が決定され、その最終回の特定表示が表示されている間に動的表示を開始する動的表示態様に対応する事前情報の当否判定結果が外れであり、事前情報記憶手段に当たりと判別される事前情報がある場合には、その事前情報に対応する動的表示態様が動的表示を開始している間に最終回の特定表示が表示されるように前記特定表示回数決定手段により決定された回数が回数変更手段により変更される。これにより、事前情報記憶手段に記憶されているものの中に、当たりとなる遊技が記憶されている場合には、最終回の特定表示態様が表示されている間に開始した動的表示態様が当たりの動的表示態様となるように特定表示態様の回数が変更されるので、特定表示態様が表示されることで大当たりへの期待度を高めることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを防止できるという効果がある。
遊技機A2または遊技機A3において、前記主制御手段は、前記始動条件の成立に基づいて、前記動的表示情報を決定するための動的表示決定情報を取得する動的表示決定情報取得手段と、その動的表示決定情報取得手段により取得された前記動的表示決定情報に基づく事前動的表示情報を前記従制御手段に対して通知するための事前動的表示信号を生成する事前動的表示信号生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記事前動的表示信号を受信したことを契機に、その事前動的表示信号が示す前記事前動的表示情報を前記事前情報記憶手段に記憶するものであり、前記特定表示回数決定手段は、最終回の特定表示が表示されている間に動的表示を開始する動的表示態様の当否判定結果が前記事前情報より判別して当たり又は前記事前動的表示情報より判別して前記最終回の動的表示態様が特定動的表示態様となるように特定表示態様の回数を決定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2またはA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、始動条件の成立に基づいて、動的表示情報を決定するための動的表示決定情報が動的表示決定情報取得手段により取得される。その動的表示決定情報取得手段により取得された動的表示決定情報に基づく事前動的表示情報を従制御手段に対して通知するための事前動的表示信号が事前動的表示信号生成手段により生成される。従制御手段では、事前動的表示信号を受信したことを契機に、その事前動的表示信号が示す事前動的表示情報が事前情報記憶手段に記憶される。最終回の特定表示が表示されている間に動的表示を開始する動的表示態様の当否判定結果が事前情報より判別して当たり又は事前動的表示情報より判別して最終回の動的表示態様が特定動的表示態様となるように特定表示態様の回数が特定予告回数決定手段により決定される。これにより、特定表示態様が表示されると、特定表示態様が表示される最終回の動的表示態様が大当たり又は特定動的表示態様となることから、遊技者に通常時とは異なる演出を行うことができる。よって、特定表示態様が表示されると最終回の動的表示態様が実行されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記特定表示態様は、前記識別情報が表示される領域に、前記識別情報を隠すように表示されるものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6のいずれかによれば、遊技機A1からA5にいずれかの奏する効果に加え、識別情報が表示される領域に、識別情報を隠すように特定表示態様が表示されるので、抽選遊技の結果が表示されたことを遊技者が分かり難くなり、連続する抽選遊技を1つの抽選遊技であるかのように遊技者に見せる事ができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記特定表示態様が表示された後に、前記識別情報の動的表示を遅延させる遅延表示手段を有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7よれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、特定表示態様が表示された後に、識別情報の動的表示が遅延表示手段により遅延されるので、特定表示態様と識別情報との表示制御が重ならず、制御負荷を軽減できるという効果がある。
遊技機A6において、前記表示制御手段は、前記識別情報を前記表示手段に低速で一定期間の間、動的表示させた後に、高速で動的表示されるものであり、前記特定表示態様は、連続する前記抽選遊技のうち、後続の前記抽選遊技の前記一定期間よりも長く表示されるものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報が表示手段に低速で一定期間の間、動的表示された後に、高速で表示制御手段により動的表示される。連続する抽選遊技のうち、後続の抽選遊技の一定期間よりも長く表示されるので、連続する2つの抽選遊技がより1つの抽選遊技であるかのように遊技者に見せることができるという効果がある。
<特徴B群>
始動条件の成立に基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様が複数記憶された記憶手段と、その記憶手段より前記当否判定結果に基づいて、一の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、を有した遊技機において、前記複数の動的表示態様には、遊技に関する特定表示態様を表示する表示期間が予め設定された有期間動的表示態様が含まれており、前記動的表示態様決定手段により前記有期間動的表示態様が決定され、その動的表示が開始されると、前記表示期間中に所定条件が成立したかを判別して、成立したと判別した場合に前記表示手段に前記特定表示態様を表示する特定表示制御手段と、前記特定表示態様が表示された後の動的表示態様を代替動的表示態様に切替える切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、始動条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に識別情報が表示制御手段により動的表示される。その表示制御手段により動的表示される識別情報の動的表示態様が記憶手段に複数記憶される。その記憶手段より当否判定結果に基づいて、一の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。複数の動的表示態様には、遊技に関する特定表示態様を表示する表示期間が予め設定された有期間動的表示態様が含まれている。動的表示態様決定手段により有期間動的表示態様が決定され、その動的表示が開始されると、表示期間中に所定条件が成立したかを判別して、成立したと判別した場合に表示手段に識別情報よりも前面側で特定表示態様が特定表示制御手段により表示される。特定表示態様が表示された後の動的表示態様が切替手段により代替動的表示態様に切替えられる。これにより、予告表示期間に所定条件が成立するか否かにより遊技者に異なる演出を表示することができる。よって、特定表示態様が表示されるとその後の動的表示態様も切替えられるので、遊技者により新鮮味のある演出を行うことができる。従って、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうのを防止できるという効果がある。
遊技機B1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記所定条件の成立は、前記操作手段が操作されたと判別された場合に、成立するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたと判別された場合に所定条件の成立と判別されるので、遊技者の意図により所定条件を成立させることができ、遊技者を遊技により積極的に参加させることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記特定表示態様は、前記表示期間に前記所定条件が成立した場合に表示された回数を遊技者に報知するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、特定表示態様は、表示期間に所定条件が成立した場合に表示された回数が特定表示態様として遊技者に報知されるので、特定表示態様の回数を遊技者が識別し易く、遊技を分かり易く行うことができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記記憶手段には、少なくとも前記表示期間の回数または期間の異なる複数の前記有期間動的表示態様が記憶されており、前記動的表示態様決定手段により一の前記有期間動的表示態様が決定された場合には、その決定された有期間動的表示態様に設定された最初の表示期間に基づいて、表示期間を設定し、その表示期間で前記所定の条件が成立すると、次の有効期間を設定する表示期間設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも表示期間の回数または期間の異なる複数の有期間動的表示態様が記憶手段に記憶されている。動的表示態様決定手段により一の有期間動的表示態様が決定された場合には、その決定された有期間動的表示態様に設定された最初の表示期間に基づいて、表示期間を設定し、その表示期間で所定の条件が成立すると、次の有効期間が表示期間設定手段により設定される。これにより、複数回の表示期間が設定されていても、動的表示開始時には、初回の表示期間を設定すればよく、動的表示開始時の制御負荷を軽減できる。よって、制御負荷が集中してしまうのを抑制できるという効果がある。
<特徴C群>
始動条件の成立に基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を複数記憶された記憶手段と、その記憶手段より前記当否判定結果に基づいて、一の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、を有した遊技機において、前記複数の動的表示態様には、遊技に関する特定表示態様を表示することが可能に設定された特別動的表示態様が含まれており、前記動的表示態様決定手段により前記特別動的表示態様が決定され、その動的表示が開始されると、所定条件が成立したかを判別して、成立したと判別したことに基づいて、前記特定表示態様を前記表示手段に表示する特定表示制御手段と、前記特定表示態様が表示された後の動的表示態様を代替動的表示態様に切替える切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、始動条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報が表示手段に表示される。その表示手段に識別情報が表示制御手段により表示される。その表示制御手段により動的表示される識別情報の動的表示態様が記憶手段に複数記憶されている。その記憶手段より当否判定結果に基づいて、一の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。遊技に関する特定表示態様を表示することが可能に設定された特別動的表示態様が複数の動的表示態様には含まれている。動的表示態様決定手段により特別動的表示態様が決定され、その動的表示が開始されると、所定条件が成立したかを判別して、成立したと判別したことに基づいて、特定表示態様が特定表示制御手段により表示手段に表示される。特定表示態様が表示された後の動的表示態様を代替動的表示態様に切替手段により切替えられる。これにより、同じ特別動的表示態様が決定されても、所定条件の成立するタイミングにより特定表示の表示タイミングが可変する。よって、代替動的表示態様に切替えられるタイミングも可変するので、遊技者に毎回異なる動的表示態様であるかのように見せることができる。よって、多様な遊技演出を遊技者に見せることができるという効果がある。
遊技機C1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記所定条件の成立は、前記操作手段が操作されたと判別された場合に、成立するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段が操作されたと判別された場合に所定条件の成立と判別されるので、遊技者の意図により所定条件を成立させることができ、遊技者を遊技により積極的に参加させることができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記所定条件が成立した場合に、前記動的表示態様の残り動的表示時間を判別する残時間判別手段と、その残時間判別手段により残り時間が所定時間以下であると判別された場合には、前記所定条件の成立を無効に設定する無効手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件が成立した場合に、動的表示態様の残り動的表示時間が残時間判別手段により判別される。その残時間判別手段により残り時間が所定時間以下であると判別された場合には、所定条件の成立が無効手段により無効に設定される。よって、動的表示態様における当否判定結果が確定報知される期間に特定表示が表示されて、遊技者が当否判定結果を知ることができなくなる不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴D群>
始動条件の成立に基づいて、遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を複数記憶された記憶手段と、その記憶手段より前記当否判定結果に基づいて、一の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、を有した遊技機において、前記複数の動的表示態様には、遊技に関する特定表示態様を表示することが可能に設定された特別動的表示態様が含まれており、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を遊技者が操作したことを判別する操作判別手段と、その操作判別手段により前記操作手段が操作されたと判別されたことに基づいてその回数をカウントするカウント手段と、前記特別動的表示態様が動的表示されているときに、前記操作判別手段により前記操作手段が操作されたと判別され、前記カウント手段のカウント値に基づいて判定される表示許可条件が成立している場合に、前記特定表示態様を表示する特定表示制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、始動条件の成立に基づいて、遊技の当否判定が当否判定手段により実行される。その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報が表示手段に表示される。その表示手段に識別情報が表示制御手段により動的表示される。その表示制御手段により動的表示される識別情報の動的表示態様が記憶手段に複数記憶されている。その記憶手段より当否判定結果に基づいて、一の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。遊技に関する特定表示態様を所定回数まで表示することが可能に設定された特別動的表示態様が複数の動的表示態様には含まれている。遊技者が操作可能な操作手段を遊技者が操作したことが操作判別手段により判別される。その操作判別手段により前記操作手段が操作されたと判別されたことに基づいてその回数がカウント手段によりカウントされる。特別動的表示態様が動的表示されているときに、操作判別手段により操作手段が操作されたと判別され、カウント手段のカウント値が所定値以上である場合に、特定表示態様が特定表示制御手段により表示手段に表示される。これにより、操作手段を操作しても、所定回数以上の操作をしていないと特定表示態様が表示されず、遊技者の遊技の仕方や頻度により演出を変えることができる。よって、同じ動的表示態様であっても、遊技者によって異なる動的表示態様のように見せることができ、多様な演出を遊技者に提供できる。従って、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1において、前記表示許可条件は、前記カウント手段のカウント値と前記特別動的表示態様に設定されている前記特定表示態様の設定回数とに基づいて判別されるものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、カウント手段のカウント値と特別動的表示態様に設定されている特定表示態様の設定回数とに基づいて表示許可条件が判別されるので、特別動的表示態様により特定表示態様の表示許可条件を可変させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記特別動的表示態様に設定されている前記特定表示態様を表示する回数毎に前記表示許可条件が設定されているものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、特別動的表示態様に設定されている特定表示態様を表示する回数毎に表示許可条件が設定されているので、特定表示態様が表示される回数毎に異なった条件で特定表示態様を表示させることができるという効果がある。
<特徴E群>
始動条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる第1当たりと前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2当たりとを少なくとも当否判定する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示する表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を有する動的表示態様群が複数記憶された記憶手段と、その記憶手段より前記当否判定結果に基づいて、一の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、を有し、前記当否判定手段による抽選結果に基づいて抽選遊技が実行される遊技機において、前記複数の動的表示態様群には、複数回の抽選遊技に対応した連続動的表示態様を有した特定動的表示態様群が含まれており、前記当否判定手段が前記第1当たりを判定したことに基づいて、その抽選遊技の後に連続して実行される抽選遊技の動的表示態様を前記特定動的表示態様群より決定する抽選遊技の回数を設定する移行回数設定手段を有し、前記連続動的表示態様は、その連続動的表示態様が表示される前の抽選遊技の前記動的表示態様と連続した表示態様で構成されているものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、始動条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる第1当たりと前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2当たりとが少なくとも当否判定手段により当否判定される。その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に識別情報が表示制御手段により表示制御される。その表示制御手段により動的表示される識別情報の動的表示態様を有する動的表示態様群が記憶手段により複数記憶されている。その記憶手段より当否判定結果に基づいて、一の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。そして、抽選遊技の判定結果に基づいて抽選遊技が実行される。複数の動的表示態様群には、複数回の抽選遊技に対応した連続動的表示態様を有した特定動的表示態様群が含まれている。当否判定手段が第1当たりを判定したことに基づいて、その抽選遊技の後に連続して実行される抽選遊技の動的表示態様を特定動的表示態様群より決定する抽選遊技の回数が移行回数設定手段により設定される。連続動的表示態様は、その連続動的表示態様が表示される前の抽選遊技の動的表示態様と連続した表示態様で構成されている。これにより、第1当たりに当選したことで、複数の抽選遊技を1つの抽選遊技であるかのように見せることができる。よって、遊技に対する興趣を向上させて、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを防止できるという効果がある。
遊技機E1において、前記連続動的表示態様には、遊技に関する特定表示態様を表示する表示期間が予め設定されており、前記動的表示態様決定手段により前記連続動的表示態様が決定され、その動的表示が開始されると、前記表示期間に所定条件が成立したかを判別して、成立したと判別した場合に前記表示手段に前記特定表示態様を表示する特定表示制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え次の効果を奏する。即ち、遊技に関する特定表示態様を表示する表示期間が連続動的表示態様に予め設定されている。動的表示態様決定手段により連続動的表示態様が決定され、その動的表示が開始されると、表示期間に所定条件が成立したかを判別して、成立したと判別した場合に表示手段に特定表示態様が特定表示制御手段により表示される。よって、連続動的表示態様が表示されると所定条件が成立することにより特定表示態様が表示されるので、通常時とは異なる演出を遊技者に対して付与することができるという効果がある。
遊技機E1または遊技機E2において、前記連続動的表示態様群は、動的表示態様の開始から動的表示中までの動的表示態様で構成された第1連続動的表示態様と、動的表示した状態が継続される第2連動動的表示態様と、動的表示した状態から動的表示が停止表示されるまでの動的表示態様で構成された第3連続動的表示態様と、を少なくとも有し、前記移行設定回数設定手段により設定された回数に対応して、前記連続動的表示態様群より前記第1連続動的表示態様と前記第2連続動的表示態様と前記第3連続動的表示態様とのいずれかが前記動的表示態様決定手段により決定されるものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1または遊技機E2の奏する効果に加え次の効果を奏する。即ち、連続動的表示態様群のうち、第1連続動的表示態様では、動的表示態様の開始から動的表示中までの動的表示態様で構成される。第2連続動的表示態様では、動的表示した状態が継続される。第3連続動的表示態様では、動的表示した状態から動的表示が停止表示されるまでの動的表示態様で構成される。移行設定回数設定手段により設定された回数に対応して、連続動的表示態様群より前記第1連続動的表示態様と前記第2連続動的表示態様と前記第3連続動的表示態様とのいずれかが前記動的表示態様決定手段により決定される。これにより、前の抽選遊技の表示態様と連続した表示態様に容易に設定することができる。よって、より遊技者に複数回の抽選遊技の動的表示態様を1回の抽選遊技の動的表示態様であるかのように見せることができる。従って、外れとなる当否判定結果の抽選遊技が複数回実行される場合にも、外れの抽選遊技が1回行われたかのように遊技者に見せることができ、遊技者が遊技に失望してしまう回数を抑制できるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかの遊技機において、前記移行回数設定手段により設定された回数の抽選遊技が実行される前に、前記第2当たりと前記当否判定手段に判定されたことに基づいて、前記移行回数設定手段により設定された回数をリセットするリセット手段を有するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1から遊技機E3のいずれかの遊技機が奏する効果に加え次の効果を奏する。即ち、移行回数設定手段により設定された回数の抽選遊技が実行される前に、第2当たりと当否判定手段に判定されたことに基づいて、移行回数設定手段により設定された回数がリセット手段によりリセットされる。これにより、移行回数設定手段で設定された回数の抽選遊技が行われる前に、大当たり遊技が開始された後も、引き続き、連続動的表示態様が実行されてしまう不具合を抑制できる。よって、大当たりとなる抽選遊技までの回数に容易に変更させることができ、複数回の変動を大当たりとなる1回の変動であったかのように遊技者に見せることができるという効果がある。
<特徴F>
遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて、遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、始動条件の成立に基づいて、第1情報を取得する取得手段と、その取得手段が取得した前記第1情報より抽選条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる第1特典遊技が付与される第1当たりと前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技が付与される第2当たりとを少なくとも当否判定する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を前記従制御手段に当たり種別を識別可能に通知するための当否判定情報を生成する当否判定情報生成手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報を記憶する判定情報記憶手段と、前記抽選条件が成立する前に、前記第1情報に基づく事前情報を生成して、前記従制御手段に対して通知する事前情報生成手段と、前記識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示情報で構成された異なる動的表示情報群を複数記憶した動的表示情報記憶手段と、前記抽選条件が成立したことに基づいて、前記動的表示情報記憶手段より前記複数の動的表示情報群のうち、一の動的表示情報群を決定して、その決定された動的表示情報群より前記当否判定結果と前記第1情報とに従って、一の前記動的表示情報を決定する動的表示情報決定手段と、その動的表示情報決定手段により決定された前記動的表示情報を前記従制御手段に対して通知するための動的表示通知情報を生成する動的表示通知情報生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段から出力される当否判定情報に基づいて、その当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる表示制御手段と、前記主制御手段の動的表示情報に対応した前記識別情報の動的表示態様をそれぞれ記憶した動的表示態様記憶手段と、前記主制御手段より出力される前記動的表示通知情報に基づいて、前記識別情報の動的表示態様を前記動的表示態様記憶手段より選択する動的表示態様選択手段と、前記主制御手段より受信した事前情報に基づいて、前記始動条件の成立毎に事前情報を記憶する事前情報記憶手段と、を有し、前記抽選条件の成立に基づいて、抽選遊技が実行される遊技機において、前記複数の動的表示情報群には、前記当否判定手段により前記第1当たりに当選したと判定されたことを契機に前記動的表示情報決定手段により決定される特定動的表示情報で構成された特定動的表示情報群が含まれているものであり、前記従制御手段の動的表示態様記憶手段には、前記特定動的表示情報に対応し、所定条件の成立に基づいて前記表示手段に特定表示態様を表示可能な特定動的表示態様が記憶されているものであり、前記主制御手段は、前記当否判定手段により前記第1当たりが判定されたことに基づいて、その抽選遊技の後に連続して実行される抽選遊技の動的表示態様を前記特定動的表示情報群より決定する抽選遊技の回数を設定する移行回数設定手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段の当否判定手段により前記第1当たりが判定されたことに基づいて、前記主制御手段の移行回数設定手段が設定した回数を判別する移行回数判別手段と、その移行回数判別手段により判別された回数に対応する前記事前情報記憶手段に記憶された前記事前情報に従って前記特定動的表示情報群より決定されるそれぞれの前記特定動的表示情報を前記抽選条件が成立する前に判別して、その判別した前記特定動的表示情報に従って前記動的表示態様選択手段により選択される前記特定動的表示態様を判別する事前特定動的表示態様判別手段と、前記移行回数判別手段により判別された回数のうち、最終回の抽選遊技で選択される前記特定動的表示態様が動的表示完了するまでの残り時間を判別する残時間判別手段と、前記移行回数判別手段により判別された抽選遊技の回数に対応して選択される全ての前記特定動的表示態様を通して前記特定表示態様を表示する上限回数を決定する特定表示回数決定手段と、前記識別情報を前記特定動的表示態様に代えて動的表示する代替動的表示態様が記憶された代替動的表示態様記憶手段と、前記特定表示回数決定手段により決定された上限回数まで前記特定表示態様が表示された場合に、前記残時間判別手段により判別される残り時間が所定時間以上であることに基づいて、前記代替動的表示態様を選択する代替動的表示態様選択手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技の制御が実行される主制御手段では、始動条件の成立に基づいて、第1情報が取得手段とにより取得される。その取得手段が取得した第1情報より抽選条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる第1特典遊技が付与される第1当たりと第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技が付与される第2当たりとが当否判定手段により少なくとも当否判定される。その当否判定手段の当否判定結果を主制御手段からの制御信号に基づいて、遊技の制御が実行される従制御手段に当たり種別を識別可能に通知するための当否判定情報が当否判定情報生成手段により生成される。抽選条件が成立するまで、第1情報が判定情報記憶手段により記憶される。抽選条件が成立する前に、第1情報に基づく事前情報が事前情報生成手段により生成され、従制御手段に対して通知される。識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示情報で構成された異なる動的表示情報群が動的表示情報記憶手段により複数記憶される。抽選条件が成立したことに基づいて、動的表示情報記憶手段より複数の動的表示情報群のうち、一の動的表示情報群を決定して、その決定された動的表示情報群より当否判定結果と第1情報とに従って、一の前記動的表示情報が動的表示情報決定手段により決定される。その動的表示情報決定手段により決定された動的表示情報を従制御手段に対して通知するための動的表示通知情報が動的表示通知情報生成手段により生成される。一方、従制御手段では、主制御手段から出力される当否判定情報に基づいて、その当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に前記識別情報が表示制御手段により表示制御される。主制御手段の動的表示情報に対応した識別情報の動的表示態様が動的表示態様記憶手段によりそれぞれ記憶される。主制御手段より出力される動的表示通知情報に基づいて、識別情報の動的表示態様を前記動的表示態様記憶手段より動的表示態様選択手段により選択される。主制御手段より受信した事前情報に基づいて、始動条件の成立毎に事前情報が事前情報記憶手段により記憶される。当否判定手段により第1当たりに当選したと判定されたことを契機に動的表示情報決定手段により決定される特定動的表示情報で構成された特定動的表示情報群が複数の動的表示情報群に含まれている。特定動的表示情報に対応し、所定条件の成立に基づいて表示手段に特定表示態様を表示可能な特定動的表示態様が従制御手段の動的表示態様記憶手段により記憶されている。主制御手段では、当否判定手段により第1当たりが判定されたことに基づいて、その抽選遊技の後に連続して実行される抽選遊技の動的表示態様を特定動的表示情報群より決定する抽選遊技の回数が移行回数設定手段により設定される。従制御手段では、主制御手段の当否判定手段により第1当たりが判定されたことに基づいて、主制御手段の移行回数設定手段が設定した回数が移行回数判別手段により判別される。その移行回数判別手段により判別された回数に対応する事前情報記憶手段に記憶された事前情報に従って特定動的表示情報群より決定されるそれぞれの特定動的表示情報を抽選条件が成立する前に判別して、その判別した特定動的表示情報に従って動的表示態様選択手段により選択される特定動的表示態様が事前特定動的表示態様判別手段により判別される。移行回数判別手段により判別された回数のうち、最終回の抽選遊技で選択される特定動的表示態様が動的表示完了するまでの残り時間が残時間判別手段により判別される。移行回数判別手段により判別された抽選遊技の回数に対応して選択される全ての特定動的表示態様を通して特定表示態様を表示する上限回数が特定表示回数決定手段により決定される。識別情報を特定動的表示態様に代えて動的表示する代替動的表示態様が代替動的表示態様記憶手段により記憶される。特定表示回数決定手段により決定された上限回数まで特定表示態様が表示された場合に、残時間判別手段により判別される残り時間が所定時間以上であることに基づいて、代替動的表示態様が代替動的表示態様選択手段により選択される。これにより、上限回数までの特定表示態様が表示された後の、動的表示態様を残り時間に合わせた表示態様にすることができる。よって、上限回数までの特定表示がされたタイミングの違いによりことなる動的表示態様を遊技者に付与することができ、遊技者に付与する動的表示態様を多様にすることができる。従って、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを防止できるという効果がある。
遊技機F1において、前記移行回数設定手段は、前記判定情報記憶手段に記憶されている第1情報の数以上の移行回数を設定可能に構成されたものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、判定情報記憶手段に記憶されている第1情報の数以上の移行回数が移行回数設定手段により設定可能に構成されたので、より多く遊技者に特定動的表示態様で抽選遊技を行わせることができ、遊技に早期に飽きてしまうのを防止できるという効果がある。
遊技機F1または遊技機F2において、前記代替動的表示態様記憶手段には、動的表示時間の異なる複数の代替動的表示態様が記憶され、前記代替動的表示態様選択手段は、前記複数の代替動的表示態様のうち、前記残り時間に最も近似する動的表示時間で構成された前記代替動的表示態様を選択するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1または遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示時間の異なる複数の代替動的表示態様が代替動的表示態様記憶手段により記憶される。前記複数の代替動的表示態様のうち、前記残り時間に最も近似する動的表示時間で構成された前記代替動的表示態様が代替動的表示態様選択手段により選択される。よって、より残り時間に合わせた動的表示態様が表示されるので、遊技者に違和感を与えることを抑制できるという効果がある。
遊技機F1から遊技機F3のいずれかにおいて、前記識別情報は、複数の識別図柄で構成され、前記代替動的表示態様には、前記第2当たりを示す識別情報のうち、残り1つの識別図柄のみを動的表示させたリーチ表示態様を表示するものが含まれているものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1から遊技機F3のいずれかの遊技機で奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報は、複数の識別図柄で識別情報が構成されている。第2当たりを示す識別情報のうち、残り1つの識別図柄のみを動的表示させたリーチ表示態様を表示するものが代替動的表示態様に含まれている。よって、遊技者は、代替動的表示態様が表示されることで、より第2当たりとなることを期待させることができるという効果がある。
遊技機F4において、前記代替動的表示態様は、前記リーチ表示態様となった状態から前記識別情報の動的表示を開始するものであることを特徴とする遊技機F5。
<特徴G>
遊技媒体が入賞可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技媒体が入賞困難となる第2状態との可変可能な可変入賞装置と、遊技媒体が入賞することに基づいて、抽選遊技の始動条件が成立する始動入賞装置と、前記始動条件の成立に基づいて、前記可変入賞装置を前記第1状態に可変させて遊技者に有利となる第1特典遊技が付与される第1当たりと前記第1当たりよりも遊技者に有利となる第2特典遊技が付与される第2当たりとを少なくとも当否判定する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、前記第1当たりまたは前記第2当たりであることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、前記可変入賞装置を前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変処理を実行する可変制御実行手段と、前記第1当たりである場合に前記可変制御実行手段によって、前記可変処理が実行された後に、前記可変入賞装置が前記第2状態から前記第1状態へと可変する前までに、前記可変入賞装置が前記第1状態へと可変することを規制する規制手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技媒体が入賞可能な第1状態と第1状態よりも遊技媒体が入賞困難となる第2状態とに可変入賞装置により可変される。遊技媒体が可変入賞装置へ入賞することに基づいて、抽選遊技の始動条件が成立される。始動条件の成立に基づいて、可変入賞装置を第1状態に可変させて遊技者に有利となる第1特典遊技が付与される第1当たりと第1当たりよりも遊技者に有利となる第2特典遊技が付与される第2当たりとが当否判定手段により少なくとも当否判定される。その当否判定手段の当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。第1当たりまたは第2当たりであることを示す識別情報が表示されたことに基づいて、可変入賞装置を第2状態から第1状態へと可変させる可変処理が可変制御実行手段により実行される。第1当たりである場合に可変制御実行手段によって、可変処理が実行された後に、可変入賞装置が第2状態から第1状態へと可変する前までに、可変入賞装置が第1状態へと可変することが規制手段により規制される。これにより、第1当たりである場合に、可変入賞装置が第1状態に可変することが規制されるので、第2特典遊技よりも第1特典遊技が有利となってしまう不具合を抑制できる。よって、遊技者に第2特典遊技に対する期待をより大きくすることができ、早期に遊技に飽きてしまうのを防止できるという効果がある。
遊技機G1において、前記可変入賞装置は、遊技媒体が入賞する入賞口と、前記第2状態では、前記入賞口へ前記遊技媒体が入賞することを規制する規制位置と、前記第1状態では、前記入賞口へと遊技媒体を誘導する誘導位置とに可動可能な可動片と、前記可変制御実行手段による前記可変処理が実行されてから所定時間動作後に前記可動片を可動させる可動手段と、を有し、前記規制手段は、前記所定時間以内に規制する処理を実行するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、第2状態では、遊技媒体が入賞する可変入賞装置の入賞口へ遊技媒体が入賞することを規制する規制位置と、第1状態では、入賞口へと遊技媒体を誘導する誘導位置とに可動可能な可動入賞装置の可動片が設けられている。また、可変制御実行手段による可変処理が実行されてから所定時間動作後に可動片が可動手段により可動される。所定時間以内に規制する処理が規制手段により実行される。よって、第1当たりでは、可変入賞装置が第1状態となる前に、可動片の可動を規制することができるので、より確実に第2特典遊技よりも第1特典遊技が遊技者に有利となってしまう不具合を防止できるという効果がある。
遊技機G1において、前記可変入賞装置は、遊技媒体が入賞する入賞口と、前記第2状態では、前記入賞口へ前記遊技媒体が入賞することを規制する規制位置と、前記第1状態では、前記入賞口へと遊技媒体を誘導する誘導位置とに可動可能な可動片と、前記可変制御実行手段による前記可変処理の実行に基づいて、前記可動片を可動させる可動手段と、前記規制手段からの規制する処理の実行に基づいて、前記可動片の可動を規制する位置に規制部材を可動させる規制部材可動手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入賞装置では、第2状態では、遊技媒体が入賞する入賞口へ遊技媒体が入賞することを規制する規制位置と、第1状態では、入賞口へと遊技媒体を誘導する誘導位置とに可動片が可動される。可変制御実行手段による可変処理の実行に基づいて、可動片が可動手段により可動される。規制手段からの規制する処理の実行に基づいて、可動片の可動を規制する位置に規制部材が規制部材可動手段により可動される。これにより、可変入賞装置が第1状態となる前に、可動片の可動を規制部材により規制することができる。よって、より確実に第2特典遊技よりも第1特典遊技が遊技者に有利となってしまう不具合を防止できるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行され、遊技の興趣向上が図られている。
このようなパチンコ機において、複数回の変動に跨って、連続予告表示を行ってリーチ変動演出等の特定演出がその先の変動演出で行われることを事前に報知する遊技機が提案されている(特許文献1:特開2010−279560号公報)。
この種のパチンコ機において、さらに遊技に対する興趣を向上させた遊技機が求められていた。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技に対する興趣を向上させて、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて、遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、始動条件の成立に基づいて、第1情報を取得する取得手段と、その取得手段が取得した前記第1情報より抽選条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる第1特典遊技が付与される第1当たりと前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技が付与される第2当たりとを少なくとも当否判定する当否判定手段と、その当否判定手段の当否判定結果を前記従制御手段に当たり種別を識別可能に通知するための当否判定情報を生成する当否判定情報生成手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報を記憶する判定情報記憶手段と、前記抽選条件が成立する前に、前記第1情報に基づく事前情報を生成して、前記従制御手段に対して通知する事前情報生成手段と、前記識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示情報で構成された異なる動的表示情報群を複数記憶した動的表示情報記憶手段と、前記抽選条件が成立したことに基づいて、前記動的表示情報記憶手段より前記複数の動的表示情報群のうち、一の動的表示情報群を決定して、その決定された動的表示情報群より前記当否判定結果と前記第1情報とに従って、一の前記動的表示情報を決定する動的表示情報決定手段と、その動的表示情報決定手段により決定された前記動的表示情報を前記従制御手段に対して通知するための動的表示通知情報を生成する動的表示通知情報生成手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段から出力される当否判定情報に基づいて、その当否判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる表示制御手段と、前記主制御手段の動的表示情報に対応した前記識別情報の動的表示態様をそれぞれ記憶した動的表示態様記憶手段と、前記主制御手段より出力される前記動的表示通知情報に基づいて、前記識別情報の動的表示態様を前記動的表示態様記憶手段より選択する動的表示態様選択手段と、前記主制御手段より受信した事前情報に基づいて、前記始動条件の成立毎に事前情報を記憶する事前情報記憶手段と、を有し、前記抽選条件の成立に基づいて、抽選遊技が実行され、前記複数の動的表示情報群には、前記当否判定手段により前記第1当たりに当選したと判定されたことを契機に前記動的表示情報決定手段により決定される特定動的表示情報で構成された特定動的表示情報群が含まれているものであり、前記従制御手段の動的表示態様記憶手段には、前記特定動的表示情報に対応し、所定条件の成立に基づいて前記表示手段に特定表示態様を表示可能な特定動的表示態様が記憶されているものであり、前記主制御手段は、前記当否判定手段により前記第1当たりが判定されたことに基づいて、その抽選遊技の後に連続して実行される抽選遊技の動的表示態様を前記特定動的表示情報群より決定する抽選遊技の回数を設定する移行回数設定手段と、を有し、前記従制御手段は、前記主制御手段の当否判定手段により前記第1当たりが判定されたことに基づいて、前記主制御手段の移行回数設定手段が設定した回数を判別する移行回数判別手段と、その移行回数判別手段により判別された回数に対応する前記事前情報記憶手段に記憶された前記事前情報に従って前記特定動的表示情報群より決定されるそれぞれの前記特定動的表示情報を前記抽選条件が成立する前に判別して、その判別した前記特定動的表示情報に従って前記動的表示態様選択手段により選択される前記特定動的表示態様を判別する事前特定動的表示態様判別手段と、前記移行回数判別手段により判別された回数のうち、最終回の抽選遊技で選択される前記特定動的表示態様が動的表示完了するまでの残り時間を判別する残時間判別手段と、前記移行回数判別手段により判別された抽選遊技の回数に対応して選択される全ての前記特定動的表示態様を通して前記特定表示態様を表示する上限回数を決定する特定表示回数決定手段と、前記識別情報を前記特定動的表示態様に代えて動的表示する代替動的表示態様が記憶された代替動的表示態様記憶手段と、前記特定表示回数決定手段により決定された上限回数まで前記特定表示態様が表示された場合に、前記残時間判別手段により判別される残り時間が所定時間以上であることに基づいて、前記代替動的表示態様を選択する代替動的表示態様選択手段と、を有するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技の制御が実行される主制御手段では、始動条件の成立に基づいて、第1情報が取得手段とにより取得される。その取得手段が取得した第1情報より抽選条件の成立に基づいて、遊技者に有利となる第1特典遊技が付与される第1当たりと第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技が付与される第2当たりとが当否判定手段により少なくとも当否判定される。その当否判定手段の当否判定結果を主制御手段からの制御信号に基づいて、遊技の制御が実行される従制御手段に当たり種別を識別可能に通知するための当否判定情報が当否判定情報生成手段により生成される。抽選条件が成立するまで、第1情報が判定情報記憶手段により記憶される。抽選条件が成立する前に、第1情報に基づく事前情報が事前情報生成手段により生成され、従制御手段に対して通知される。
識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示情報で構成された異なる動的表示情報群が動的表示情報記憶手段により複数記憶される。抽選条件が成立したことに基づいて、動的表示情報記憶手段より複数の動的表示情報群のうち、一の動的表示情報群を決定して、その決定された動的表示情報群より当否判定結果と第1情報とに従って、一の前記動的表示情報が動的表示情報決定手段により決定される。その動的表示情報決定手段により決定された動的表示情報を従制御手段に対して通知するための動的表示通知情報が動的表示通知情報生成手段により生成される。
一方、従制御手段では、主制御手段から出力される当否判定情報に基づいて、その当否判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に前記識別情報が表示制御手段により表示制御される。主制御手段の動的表示情報に対応した識別情報の動的表示態様が動的表示態様記憶手段によりそれぞれ記憶される。主制御手段より出力される動的表示通知情報に基づいて、識別情報の動的表示態様を前記動的表示態様記憶手段より動的表示態様選択手段により選択される。主制御手段より受信した事前情報に基づいて、始動条件の成立毎に事前情報が事前情報記憶手段により記憶される。
当否判定手段により第1当たりに当選したと判定されたことを契機に動的表示情報決定手段により決定される特定動的表示情報で構成された特定動的表示情報群が複数の動的表示情報群に含まれている。特定動的表示情報に対応し、所定条件の成立に基づいて表示手段に特定表示態様を表示可能な特定動的表示態様が従制御手段の動的表示態様記憶手段により記憶されている。
主制御手段では、当否判定手段により第1当たりが判定されたことに基づいて、その抽選遊技の後に連続して実行される抽選遊技の動的表示態様を特定動的表示情報群より決定する抽選遊技の回数が移行回数設定手段により設定される。
従制御手段では、主制御手段の当否判定手段により第1当たりが判定されたことに基づいて、主制御手段の移行回数設定手段が設定した回数が移行回数判別手段により判別される。その移行回数判別手段により判別された回数に対応する事前情報記憶手段に記憶された事前情報に従って特定動的表示情報群より決定されるそれぞれの特定動的表示情報を抽選条件が成立する前に判別して、その判別した特定動的表示情報に従って動的表示態様選択手段により選択される特定動的表示態様が事前特定動的表示態様判別手段により判別される。
移行回数判別手段により判別された回数のうち、最終回の抽選遊技で選択される特定動的表示態様が動的表示完了するまでの残り時間が残時間判別手段により判別される。移行回数判別手段により判別された抽選遊技の回数に対応して選択される全ての特定動的表示態様を通して特定表示態様を表示する上限回数が特定表示回数決定手段により決定される。識別情報を特定動的表示態様に代えて動的表示する代替動的表示態様が代替動的表示態様記憶手段により記憶される。特定表示回数決定手段により決定された上限回数まで特定表示態様が表示された場合に、残時間判別手段により判別される残り時間が所定時間以上であることに基づいて、代替動的表示態様が代替動的表示態様選択手段により選択される。
これにより、上限回数までの特定表示態様が表示された後の、動的表示態様を残り時間に合わせた表示態様にすることができる。よって、上限回数までの特定表示がされたタイミングの違いにより異なる動的表示態様を遊技者に付与することができ、遊技者に付与する動的表示態様を多様にすることができる。従って、遊技の興趣を向上させて、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうのを防止できるという効果がある。