以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。特別図柄表示装置34は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。また、特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせにより、0〜4個の記憶数を表示することができる。例えば、2つのランプがともに消灯のときは記憶数0個を表示し、1つのランプが点灯すると記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると記憶数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると記憶数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、記憶数は4個を超えるものであってもよい。
特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入するか、もしくは上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)に遊技球が流入すると、いずれの場合も入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。なお本実施形態では、特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)に遊技球が流入しても表示は増えない。すなわち、特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数(保留球数)を表している。
遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。本実施形態では、大当り種別表示ランプ38aが「7ラウンド当り」を表し、大当り種別表示ランプ38bが「15ラウンド当り」を表している。
また本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。その他に演出ユニット40には、演出用の可動体(例えばキャラクターのフィギュア、装飾物等)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属していてもよい。演出用の可動体は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160,161、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,38及びランプ33a,34aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,38及びランプ33a,34aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(ステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には受皿中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、受皿中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、受皿中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、受皿中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6にはCR基板122が内蔵されており、このCR基板122には上記の球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチや、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号がCR基板122から受皿中継端子板118、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120から受皿中継端子板118を経由してCR基板122に送信される。CR基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライトに印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。
また、遊技盤8の裏側には盤用外部端子板160が設置されており、そしてプラ枠アセンブリ7の裏側には枠用外部端子板161が設置されている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、それぞれ盤用外部端子板160、枠用外部端子板161を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報(特別図柄変動開始情報、賞球払出情報、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)を出力することができる。盤用外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図5及び図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセッ(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数を含む各種の乱数をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図7中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図7中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図7)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図7は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ミリ秒)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り決定乱数、大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は特別図柄に対応した内部抽選の契機となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は盤用外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報(特別図柄変動開始情報、賞球払出情報、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)をポート出力要求バッファに格納する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、各LEDに対して印加する駆動信号(バイトデータ)を生成し、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はパチンコ機1の本体(例えばガラス枠ユニット4、プラ枠アセンブリ7)の開放状態を表す枠開放状態信号をポート出力要求バッファに格納する。また出力管理処理において、主制御CPU72はコマンド以外のデータ出力を管理する。具体的には、普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90の駆動信号や試験信号をポート出力要求バッファに格納する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力要求バッファに格納する。
ステップS213:また主制御CPU72は、その他の出力ポートに対応したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図8は、スイッチ入力イベント処理(図7中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図7)に復帰する。
〔特別図柄記憶更新処理〕
図9は、特別図柄記憶更新処理(図8中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。本実施形態では、この特別図柄記憶更新処理の中において各種乱数を取得するとともに、取得した各種乱数の先読み判定(事前の判定)を行うものとする。以下、特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4個の上限数)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図8)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(No)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、作動記憶数を1つ加算する。具体的には、主制御CPU72は上記の作動記憶数カウンタの値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図7中のステップS210)で特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、RAM76の大当り決定乱数カウンタ領域から特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、大当り決定乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。またアドレスの指定は、上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセット(組にした状態)で記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数の組が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく(記憶手段)。なお、乱数記憶領域の読み出し順序はFIFO形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、先読み当り判定処理を実行する。この処理において主制御CPU72は、乱数記憶領域に記憶した大当り決定乱数を先読みし、その当否(当選又は非当選)を事前に判定する(抽選結果事前判定手段)。合わせて主制御CPU72は、先読みの結果が当選に該当する場合、大当り図柄乱数を先読みし、当選図柄の種別(当選種類)を事前に判定することもできる。なお、先読み当り判定処理の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS37:次に主制御CPU72は、判定結果演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の先読み当り判定処理(ステップS36)で行った事前の判定結果に基づき、演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して出力するべき演出コマンドの内容を設定する。例えば、今回の事前の判定結果が「非当選」に該当する場合、主制御CPU72は「非当選時」を表す特図先判定演出コマンドを生成する。また主制御CPU72は、合わせて「非当選時」の変動パターンコマンドを生成する。一方、今回の事前の判定結果が「当選」に該当する場合、主制御CPU72は「当選時」及び「当選図柄種別」を表す特図先判定演出コマンド(例えば「B8H」)を生成する。そして主制御CPU72は、生成した各種コマンドを送信コマンドバッファに転送する。なお、この処理で始動口入賞音制御コマンドを合わせて生成してもよい。
ステップS38:また主制御CPU72は、変動パターン先判定処理を実行する。この処理において主制御CPU72は、乱数記憶領域に大当り決定乱数とセット(組)で記憶した変動パターン決定乱数を先読みし、そのときの変動パターン(特に変動時間)を事前に判定する(変動パターン事前判定手段)。
なお変動パターンは、主として特別図柄を変動表示させるための変動時間(変動開始から確定停止までの時間を含む)を決定するものであり、予め複数通りのものが図示しないデータテーブル上で規定されている(変動パターン規定手段)。複数通りの変動パターンは、それぞれ個別の変動パターン番号(例えば00H〜80H等)によって区別されており、標準的な通常変動パターンであれば、その変動時間は通常の長さ(例えば10秒〜20秒程度)に決定される。一方、通常とは異なる特定変動パターンであれば、その変動時間は通常の倍以上の長さ(例えば60秒〜120秒程度)に決定される。
上記の変動パターン決定乱数は、その値に基づいていずれの変動パターン(変動パターン番号)を選択するかを決定するためのものであり、変動パターン決定乱数とそれによって選択される変動パターン番号との対応関係は、例えば変動パターン選択テーブル(図示していない)として例えばROM74のテーブル領域に格納されている。したがって主制御CPU72は、変動パターン先判定処理において上記の変動パターン選択テーブルにアクセスし、今回の変動パターン決定乱数からいずれの変動パターン(変動パターン番号)が選択されるかを先読みすることができる。
ステップS39:次に主制御CPU72は、変動パターンコマンド出力設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の変動パターン先判定処理(ステップS38)で行った事前の判定結果に基づき、演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して出力するべき変動パターンコマンドの内容を設定する。具体的には、主制御CPU72は変動パターン先判定処理で事前に選択した変動パターン番号に基づいて、今回取得した乱数値についての変動パターンコマンドを生成する。そして主制御CPU72は、生成した各種コマンドを送信コマンドバッファに転送する。
なお変動パターンコマンドは、例えばMODE値−EVENT値の2バイト形式で記述されており、その上位バイトの「MODE値」が変動パターンとしての大分類の属性を表し、下位バイトの「EVENT値」が細分類の属性を表している。大分類は、例えば「通常はずれ変動」、「通常はずれリーチ変動」、「スーパーリーチ変動」、「大当りリーチ変動」等であるが、これらに限定されるものではない。また変動パターンコマンドの記述形式はあくまで一例であり、特に限定されていない。例えば、「MODE値」と「EVENT値」の順番は逆であってもよいし、あるいは「MODE値」と「EVENT値」について、何らかの論理演算した結果(例えば論理積)を変動パターンコマンドとして記述する態様であってもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図8)に復帰する。
〔先読み当り判定処理〕
次に、先の特別図柄記憶更新処理において実行される先読み当り判定処理(図9中のステップS35)について説明する。図10は、先読み当り判定処理の手順例を示したフローチャートである。以下、手順例に沿って先読み当り判定処理の内容を説明する。
ステップS52:主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS35)で乱数記憶領域に記憶されたものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における現在の内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80を実行する。
ステップS80:主制御CPU72は、今回の事前判定結果値としてはずれ判定結果値をセットする。そして取得時演出判定処理を終了し、特別図柄記憶更新処理(図9)に復帰する。
一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、ここで主制御CPU72は特別図柄記憶更新処理(図9)に復帰する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS35)で大当り決定乱数とセットで記憶した大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、今回の事前判定結果値として当り判定結果値をセットする。そして取得時演出判定処理を終了し、特別図柄記憶更新処理(図9)に復帰する。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。
これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率→高確率、高確率→通常確率)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。なお、本実施形態では記憶数の最大値が4個であり、この最大値の範囲内で連続的に当選が発生することが当選確率上で少ないと考えられる場合、このような処理を省略してもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄記憶更新処理(図9)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図7)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図11は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。特別図柄が当りの態様(例えば15ラウンド大当りの態様又は7ラウンド大当りの態様)で停止すると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な条件が適用された遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされる。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば30秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば15回又は7回)だけ励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」になると確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも高く(10倍程度に)なる。また「時間短縮状態」になると時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率(例えば251分の250程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で4秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.5秒程度→1.5秒程度に延長)される。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
また本実施形態では設けられていないが、非当選以外の当選種類として小当りが設けられていてもよい。このような小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が小当りの態様で停止すると、通常状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が少ない回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図12は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。特別図柄作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図7中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、特別図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域内で、上記のように先頭の記憶エリア(アドレス00H)に保存されている乱数記憶(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。このとき2つ以上の記憶エリアに乱数記憶が保存されていれば、主制御CPU72は先頭の記憶エリアを読み出して消去(消費)した後、残った乱数記憶を1つずつ前の記憶エリアにシフト(−1)させる。
ステップS2250:次に主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図7中のステップS205)の中で特別図柄作動記憶ランプ34aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動状態)とで異なり、高確率状態では通常状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。なお、ここでは大当り判定処理のより詳細な手順として、例えば先の取得時演出判定処理に挙げた手順(図12中のステップS52,S54,S56,S66,S68,S70,S64,S72)を適用してもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図5中のステップS115)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、特別図柄表示装置34に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動時間決定手段)。上記のように変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなければ、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて決定される。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において特別図柄判定テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。なお、このような処理は、先の先読み当り判定処理の中で実行される大当り図柄種別判定処理(図10中のステップS74)においても適用することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では、大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて例えば3種類が用意されている。そのうち1種類は「15ラウンド確変図柄」であり、他の1種類は「15ラウンド非確変図柄」であり、そして残る1種類は「7ラウンド確変図柄」である。
より詳細には、大きな分類として主に3種類の当選図柄があるが、同じ「15ラウンド確変図柄」であっても、例えば「15ラウンド確変図柄A」,「15ラウンド確変図柄B」,「15ラウンド確変図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されており、また同じ「15ラウンド非確変図柄」であっても、例えば「15ラウンド非確変図柄A」,「15ラウンド非確変図柄B」,「15ラウンド非確変図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。
また「7ラウンド確変図柄」についても、例えば「7ラウンド確変図柄A」,「7ラウンド確変図柄B」,「7ラウンド確変図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。
このような細分類は、特別図柄表示装置34による当選図柄の停止表示を多様化させるためのものである。例えば、同じ「15ラウンド確変図柄」であっても、細分類として「15ラウンド確変図柄A」の場合は特別図柄表示装置34において7つのセグメントが全て点灯(例えば「日」字形の態様)し、「15ラウンド確変図柄B」の場合は5つのセグメントが点灯(例えば「己」字形の態様)するといった具合である。ただし、大分類として同じ「15ラウンド確変図柄」であれば、細分類の中でどの図柄が選択されたとしても、その後の遊技を進行させる上で結果(効果)は同じである。なお、これらラウンド数別に設けられている複数種類の当選図柄は、予め上記の特別図柄判定テーブルにより規定されている(当選種類規定手段)。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動時間決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド確変図柄」又は「7ラウンド確変図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。また、合わせて主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットするとともに、回数切りカウンタの値として極端に大きい値(例えば10000回)をセットする。一方、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド非確変(通常)図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグをリセットする。また主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットするとともに、回数切りカウンタの値として現実的な値(例えば100回)をセットする。回数切りカウンタは、特別図柄の変動が実行されるごとに1デクリメントされ、カウンタの値が0になると確率変動機能作動フラグがリセットされる。したがって、「非(通常)確変大当り」後の時間短縮状態は、変動回数が100回で終了するのに対し、「確変大当り」後の時間短縮機能は、実質的に次回の大当りまで維持されることになる。すなわち、高確率状態で10000回もの非当選が繰り返されることは確率的に起こりにくく、また、遊技場の1日の営業時間内で10000回もの変動回数を消化することは現実的でないからである。
またステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて特別図柄表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図11:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図12中のステップS2404,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する(図柄表示手段)。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)が決定され、特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
〔当選時(通常変動パターン)の演出例〕
以下に、非当選(はずれ)時の通常変動パターンを例に挙げて説明する。図13は、非当選時において通常変動パターンが選択された場合に実行される演出例を示す連続図である。この演出例は、演出図柄を用いた変動表示演出と停止表示演出の一例と背景画像の一例を表している。このうち変動表示演出は、特別図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。また背景画像は、演出図柄の変動表示が行われる際に表示画面上で背景となる画像である。このような背景画像は、演出上で「ステージ」や「モード」を表すものとして用いることができる。ここでは先ず、制御処理の内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図13中(A):例えば、特別図柄が変動を開始する前の停止表示状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。
また液晶表示器42の画面下部(例えば右下隅)には第4図柄(図中参照符号F)が表示されている。この第4図柄Fは、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示される。なお第4図柄Fは、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、その表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
また図示していないが、液晶表示器42の画面下部(例えば右下)には、特別図柄の作動記憶数を表すマーカ(記号的な態様の画像)が表示されるものとなっている。このようなマーカは、その表示個数によって特別図柄の作動記憶数(特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
〔変動表示演出開始〕
図13中(B):例えば特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像(夕涼み画像)は、演出上での滞在ステージが例えば「夕涼みステージ」であることを表現している。なお、この他にも演出上で各種のステージが設けられており、ステージごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている態様であってもよい。また特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
演出図柄の変動表示中、表示画面内の右下隅位置で第4図柄Fの表示色を変化させることにより、ここでも合わせて変動表示演出が行われている(以下も同様)。ただし第4図柄Fは、その存在が小さく、かつ、画面内の目立ちにくい位置に表示されているため、遊技者に対して特段に視覚的な訴求力を発揮するものではない。
〔左図柄停止〕
図13中(C):例えば、ある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔右演出図柄停止〕
図13中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止して中演出図柄を除いて揃い、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。またその他にも、例えば「3」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、今度は数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターン等がある。なお、このリーチ演出への発展のための左右の演出図柄の停止は、あくまでも演出過程における仮の停止、すなわち一旦停止であって、その遊技の抽選における最終の当選図柄パターンであるとは限らない。例えば、リーチ演出に発展の後、中演出図柄が「8」で停止して全演出図柄が「8−8−8」で一旦揃った後、再度、左、中、右の全演出図柄が変動し、最終的に別の図柄、例えば「7−7−7」で揃って停止表示されて、大当りが確定する場合もある。
〔停止表示演出〕
図15中(E):特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示されていれば、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき第4図柄Fについても、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上のように、非当選時に通常の変動パターン(通常の変動時間)で実行される変動表示演出は、特にこれといって演出上の見せ場がなく、比較的あっさりとした内容である。これは、通常変動パターンで規定される変動時間が比較的短く(例えば10秒程度)設定されているため、このような短い変動時間内では、あまり遊技者に対して訴求力の高い内容の演出を実行することが困難であることによる。
これに対し、たとえ内部抽選の結果が非当選であっても、そのときの変動パターン決定乱数に基づいて特定の変動パターン(リーチ変動パターン又はスーパーリーチ変動パターン)が選択された場合、特別図柄の変動時間は通常よりも長く(例えば60秒〜120秒程度)設定される。この場合、結果的には非当選となるものの、演出上では長い変動時間を利用して見せ場のある演出(特にリーチ演出)を実行することができる。以下、このようなリーチ演出例について説明する。
〔リーチ演出例〕
図14は、特定変動パターンが選択された場合に実行される変動表示演出の流れを示す連続図である。この場合の変動時間は通常よりも倍以上に長く設定されるため、演出上でリーチ演出を実行し、それによって遊技者に対する訴求力を高めることができる。
〔変動開始時〕
図14中(A):特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、ここでは図示を省略しているが、表示画面には上記の背景画像として例えば「浴衣ステージ」が表示されているものとする。また画面右下隅では、上記のように第4図柄Fの変動表示も行われている。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図14中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出が行われる。このときキャラクターの絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図14中(C):さらにリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われる。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像と並ぶようにして表示される(又は、別の絵柄画像が前面に重なって表示されてもよい。)。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりサイズが大きくてもよい。なお、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出があわせて行われる態様であってもよい。ここでは2段階目の絵柄画像が出現するまでの例を挙げているが、リーチ発生前予告演出では、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される態様であってもよい。
〔複数の演出パターン〕
なお、ここではリーチ発生前予告演出として、絵柄画像を用いた演出パターンの一例を示しているが、その他の演出パターンも用意されている。例えば、背景画像の中を何らかの物体や人物が横切るように通過したり、画面内にキャラクターが出現して何らかの台詞を発したりする演出パターンがある。さらに、上記の演出切替ボタン45の操作(押下)と連動して物体の動作を変化させたり、キャラクターに別の台詞を発せさせたりする演出パターンもある。
またリーチ発生前予告演出として、ここでは変動表示演出の初期に行われるものを例に挙げているが、変動表示演出の開始時(開始直前や開始と同時のタイミングを含む)に行われる予告演出を「リーチ発生前予告演出」としてもよい。例えば、変動表示演出の開始時に演出図柄の表示態様が一瞬変化(キャラクターの表情が変化する、演出図柄が反転する等)したり、各種ランプ46,48,50,52や盤面ランプ53を点灯・点滅させたりすることで予告演出が行われる態様であってもよい。
〔左演出図柄の停止〕
図14中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止しており、また左下段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図14中(E):左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止しており、画面の右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止している。一般に、演出上で同種の演出図柄が3つ揃って停止すると「大当り」であり、ここでは「大当り」まで残りあと中演出図柄の1つだけである。このように、同種の演出図柄を2つまで揃って停止させることで、変動表示演出中に「リーチ状態」を発生させることができる(リーチ状態発生手段)。また、「リーチ状態」が発生して2つの数字が揃うことを「テンパイ(聴牌)」と称する。この例では、画面の上段で横一線上に数字の「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、合わせて「リーチ!」という文字情報が表示されることで、遊技者に対して「リーチ状態の発生」をさらに印象付けている。なお、このとき画面上に横一線上でリーチ状態となったラインを強調する画像が合わせて表示されてもよい。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われてもよい。特に、このまま大当りになれば確率変動大当りであることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変大当りか、はずれか」という緊張感を遊技者に抱かせることができる。
リーチ状態の発生後、さらに何らかのリーチ演出パターンに発展すると、例えばテンパイ(聴牌)した数字(ここでは「7」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図14中(F):「リーチ状態」が発生すると、例えば画面上に「チャンス!?」の文字を表示させることでリーチ発生後予告演出が実行される。これにより、遊技者に対して「このリーチは大当りに期待できるチャンスかも知れない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図14中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「7」を表す画像が画面上で円を描くようにして回転移動しつつ、「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていくリーチ演出が行われる。このような「数字回転リーチ」による演出は、数字の「7」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近づくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると「大当り」であるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図14中(H):リーチ演出が大詰めに近付いたところで、同様に画面上にキャラクターの画像が割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で、例えばリーチ演出の内容は「数字の「6」が消去されれば、次に「7」−「7」−「7」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで画面上にキャラクターの画像を出現(カットイン)させることにより、遊技者に対して「いよいよ大当りかもしれない」という大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図14中(I):そして、特別図柄の変動終期から停止表示までに略同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、特別図柄がはずれ図柄(非当選の態様)で停止表示されることから、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、画面上に数字の「6」が消去されずに残ってしまったため、今回の変動では残念ながら「大当り」にならなかったことが演出的に表現されている。また第4図柄Fについても、非当選を表す態様(白表示色)で停止表示されている。
以上のようなリーチ演出(スーパーリーチ演出)は、たとえ内部抽選の結果が非当選であったとしても、比較的長い変動時間を利用して途中に何度も演出の見せ場を作り出すことができるため、演出技術上は有効な手法である。特に、実際の大当りが発生する変動の前にリーチ演出を実行すれば、あたかも「大当りの前兆」のような演出を実現することもできる。ただし、リーチ演出はいつでも任意に発生させさられるわけではなく、その前提として、主制御CPU72による制御上でリーチ演出に対応した変動パターンが選択されている必要がある。このため、たとえ先読み当り判定処理(図9中のステップS36)で大当り(当選)の発生するタイミングが事前に判っていたとしても、演出上で「大当りの前兆」のようなリーチ演出を意図的に実行することは難しい。
その上で本実施形態では、先読み当り判定処理で大当り(当選)の発生するタイミングが事前に判定された場合、それ以前に保留されている作動記憶(大当り決定乱数の記憶)を消費して行われる変動時間を利用して、擬似的にリーチ演出を発生させることが可能である。以下、そのための制御手法の例について説明する。
〔演出制御処理〕
図15は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば上記の特図先判定演出コマンド、事前の判定による変動パターンコマンド、作動記憶数コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド(確認用)、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は上記のように演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、特別図柄の作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、モード番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図4中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、上記のコマンド受信処理(ステップS400)において、主制御CPU72から特図先判定演出コマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される処理について説明する。
〔先判定演出コマンド受信時処理〕
図16は、先判定演出コマンド受信時処理の手順例を示すフローチャートである。演出制御CPU126は、先のコマンド受信処理において主制御CPU72から特図先判定演出コマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合、さらにサブルーチンコールを実行して先判定演出コマンド受信時処理を行う。
ステップS600:演出制御CPU126は、特図先判定演出コマンドが当り(当選)に該当するものであるか否かを確認する。その結果、当りに該当するコマンドであれば(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS602を実行する。
一方、ステップS600において特図先判定演出コマンドが当りに該当していなかった場合(ステップS600:No)、演出制御CPU126は次にステップS606を実行する。
ステップS606:この場合、演出制御CPU126は、受信した変動パターンコマンドがスーパーリーチ(特定の長い変動時間:120秒程度)以外であるか否かを確認する。すなわち演出制御CPU126は、例えばROM128に格納されている変動パターンデータテーブル(図示していない)を参照し、今回の変動パターンコマンドがスーパーリーチに対応するもの以外であるかを確認する。その結果、スーパーリーチ以外(例えば「通常変動」)に対応していれば(Yes)、演出制御CPU126はここで先判定演出コマンド受信時処理を終了し、コマンド受信処理に復帰する。
一方、変動パターンコマンドがスーパーリーチに対応するものであることを確認した場合(ステップS606:No)、演出制御CPU126はステップS602に進む。したがって演出制御CPU126は、主制御CPU72から受信した特図先判定演出コマンドが当りであるか、もしくは、変動パターンコマンドがスーパーリーチに対応するものであるかのいずれか一方に該当する場合、ステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、現在の作動記憶数が所定値(N個)未満であるか否かを確認する。なお、所定値の設定は、例えば以下の2通りを用いることができる。すなわち、(1)所定値として2個(N=2)を採用するか、もしくは(2)所定値として1個(N=1)を採用することができる。いずれを採用するかは適宜に決定することができる。なお、(1),(2)を採用した場合の違いついてはさらに後述する。
いずれにしても演出制御CPU126は、主制御CPU72から受信している作動記憶数コマンドに基づいて現在の作動記憶数を確認し、その値が設定された所定値以上であれば(ステップS602:No)、次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、複数の変動時間を組み合わせて新たに変動時間(合成変動時間)を生成する(変動時間合成手段)。以下、この場合の処理について説明する。
〔変動時間の合成例〕
図17から図20は、上記のステップS604において演出制御CPU126が変動時間を新たに生成する処理を概略的に示した図である。このうち図17は、「当り」より以前に記憶された「はずれ」の変動時間を合成して新たに長い変動時間を生成する場合の合成例(1)である。また図18は、「当り」の変動時間と、これ以前に記憶された「はずれ」の変動時間とを合成して新たに長い変動時間を生成する場合の合成例(2)である。また図19は、「スーパーリーチ」より以前に記憶された「はずれ」の変動時間を合成して新たに長い変動時間を生成する場合の合成例(3)である。そして図20は、「スーパーリーチ」の変動時間と、これ以前に記憶された「はずれ」の変動時間とを合成して新たに長い変動時間を生成する場合の合成例(4)である。以下、各合成例(1)〜(4)について説明する。
〔合成例(1)〕
図17中(A):例えば、今回の特図先判定演出コマンドが「当り」に該当するものであり、今回が4つ目の作動記憶(保留)に該当する場合を想定する。また、この時点で、これより以前に受信した3つの作動記憶(保留)について、いずれも特図先判定演出コマンドが「はずれ」に該当する場合を想定する。なお、「当り」以前の特図先判定演出コマンド(作動記憶1〜3)については、それぞれ組になる変動パターンコマンドによって変動時間が「5秒」、「20秒」、「10秒」に指定されている。
図17中(B):この場合、演出制御CPU126は、「当り」の特図先判定演出コマンドより以前の3つの作動記憶(保留)について、それぞれの変動時間を合算して1つに纏め、そこから新たに変動時間として「35秒」を生成する(図16中のステップS604)。
この状態で特別図柄の始動条件が満たされると、その都度、主制御CPU72において作動記憶(保留)1〜3が順番に消費され、特別図柄の変動表示がそれぞれ「5秒」、「20秒」、「10秒」の順で実行されていくが、その上で本実施形態では、これら3回分の特別図柄の変動時間を合成した変動時間を利用して、演出上では擬似的に1回分の変動表示演出(例えば図14のリーチ演出)を実行することとしている。これにより、実際に「当り」の変動が発生する前に意図的なリーチ演出を発生させることが可能となる。なお変動時間を合成しても、これらについて実行される変動演出上の当否はあくまで「はずれ」である。
〔合成例(2)〕
次に合成例(2)について説明する。
図18中(A):ここでも同様に、今回の特図先判定演出コマンドが「当り」に該当するものであり、今回が4つ目の作動記憶(保留)に該当する場合を想定する。なお今回受信した「当り」の特図先判定演出コマンドと組になる変動パターンコマンドにより指定される変動時間は、例えば「45秒」とする。またこの時点で、これより以前に受信した3つの作動記憶(保留)について、いずれも特図先判定演出コマンドが「はずれ」に該当するものとする。また同様に、「当り」以前の特図先判定演出コマンド(作動記憶1〜3)については、それぞれ組になる変動パターンコマンドによって変動時間が「5秒」、「20秒」、「10秒」に指定されている。
図18中(B):合成例(2)において演出制御CPU126は、「当り」の作動記憶(保留)4に対応する変動時間「45秒」と、これより以前の3つの作動記憶(保留)に対応する変動時間とを全て合算して1つに纏め、そこから新たに変動時間として「80秒」を生成する(図16中のステップS604)。
この状態で特別図柄の始動条件が満たされると、その都度、主制御CPU72において作動記憶(保留)1〜3が順番に消費され、特別図柄の変動表示がそれぞれ「5秒」、「20秒」、「10秒」の順で実行されていき、最終的に作動記憶(保留)4が消費されたタイミングで当り変動が発生するが、その上で本実施形態では、先に行われる3回分のはずれ変動時間と、4回目の当り変動時間とを合成した変動時間を利用して、演出上で擬似的に1回分の変動表示演出(大当り時のリーチ演出)を実行することとしている。これにより、演出上で「当り」の変動時間を意図的に延長し、より内容を充実させたリーチ演出を実行することが可能となる。なお「当り」の作動記憶4と変動時間を合成した場合、それ以前の作動記憶1〜3が「はずれ」であるにも関わらず、この間に実行される変動演出上の当否を「当り」とすることができる。
〔合成例(3)〕
次に合成例(3)について説明する。
図19中(A):例えば、今回の特図先判定演出コマンドは「はずれ」に該当するが、これと組になる変動パターンコマンドがリーチ種別として「スーパーリーチ(変動時間45秒)」を指定するものであり、今回が4つ目の作動記憶(保留)に該当する場合を想定する。また、この時点で、これより以前に受信した3つの作動記憶(保留)について、いずれも特図先判定演出コマンドが「はずれ」に該当し、かつ、これらと組にある変動パターンコマンドについてリーチ種別は「リーチ無し(スーパーリーチ以外)」を指定するものである場合を想定する。また、作動記憶1〜3については、いずれも変動パターンコマンドによって変動時間が「10秒」に指定されているものとする。
図19中(B):この場合、演出制御CPU126は、「スーパーリーチ」の作動記憶4より以前の3つの作動記憶1〜3について、それぞれの変動時間を合算して1つに纏め、そこから新たに変動時間として「30秒」を生成する(図16中のステップS604)。
この状態で特別図柄の始動条件が満たされると、その都度、主制御CPU72において作動記憶(保留)1〜3が順番に消費され、特別図柄の変動表示がいずれも「10秒」で順番に実行されていくが、その上で本実施形態では、これら3回分の特別図柄の変動時間を合成した変動時間を利用して、演出上では擬似的に1回分の変動表示演出(例えば図14のリーチ演出)を実行することとしている。これにより、実際に「スーパーリーチ」の変動が発生する前にも、意図的なリーチ演出を発生させることが可能となる。なお変動時間を合成しても、これらについて実行される変動演出上の当否はあくまで「はずれ」である。
〔合成例(4)〕
次に合成例(4)について説明する。
図20中(A):ここでも同様に、今回の特図先判定演出コマンドが「はずれ」に該当するものであるが、これと組になる変動パターンコマンドがリーチ種別として「スーパーリーチ(変動時間45秒)」を指定するものであり、今回が4つ目の作動記憶(保留)に該当する場合を想定する。またこの時点で、これより以前に受信した3つの作動記憶(保留)について、いずれも特図先判定演出コマンドが「はずれ」に該当し、かつ、これらと組にある変動パターンコマンドがリーチ種別として「リーチ無し(スーパーリーチ以外)」を指定するものである場合を想定する。また、作動記憶1〜3については、いずれも変動パターンコマンドによって変動時間が「10秒」に指定されているものとする。
図20中(B):合成例(4)において演出制御CPU126は、「スーパーリーチ」の作動記憶(保留)4に対応する変動時間「40秒」と、これより以前の3つの作動記憶(保留)1〜3に対応する変動時間とを全て合算して1つに纏め、そこから新たに変動時間として「70秒」を生成する(図16中のステップS604)。
この状態で特別図柄の始動条件が満たされると、その都度、主制御CPU72において作動記憶(保留)1〜3が順番に消費され、特別図柄の変動表示がいずれも「10秒」で順番に実行されていき、最終的に作動記憶(保留)4が消費されてスーパーリーチの変動パターン(変動時間)により特別図柄の変動が行われるが、その上で本実施形態では、先に行われる3回分のはずれ(リーチ無し)変動時間と、4回目の「スーパーリーチ」による変動時間とを合成した変動時間を利用して、演出上で擬似的に1回分の変動表示演出(スーパーリーチ演出)を実行することとしている。これにより、演出上で「スーパーリーチ」の変動時間を意図的に延長し、より内容を充実させたリーチ演出を実行することが可能となる。
〔所定値(N)の設定〕
なお、以上の合成例(1),(3)については、「当り」に該当する特図先判定演出コマンド又は「スーパーリーチ」を指定する変動パターンコマンドを受信する以前の段階で2つ以上の作動記憶(保留)が存在することが必要である。したがって合成例(1),(3)を適用する場合、上記の先判定演出コマンド受信時処理において、(1)所定値として2個(N=2)を採用することになる。
一方、合成例(2),(4)については、「当り」に該当する特図先判定演出コマンド又は「スーパーリーチ」を指定する変動パターンコマンドを受信する以前の段階で、少なくとも1つの作動記憶(保留)が存在していればよい。したがって合成例(2),(4)を適用する場合、上記の先判定演出コマンド受信時処理において、(1)所定値として2個(N=2)を採用することもできるし、(2)所定値として1個(N=1)を採用することもできる。
〔合成変動時間を利用したリーチ演出例(1)〕
図21は、上記の合成された変動時間を利用して実行されるリーチ演出例(1)を示す連続図である。なお以下のリーチ演出例(1)は「はずれ」に対応する内容であるため、上記の合成例(1),(3),(4)に対して適用することができるが、ここでは便宜上、3回分の変動時間を合成した場合(合成例(1),(3))について説明する。
〔変動表示演出〕
図21中(A):例えば、作動記憶1が消費されたことで実行される特別図柄の変動開始(変動1回目)に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、ここでも図示を省略しているが、背景画像(ステージ演出)として例えば「夕涼みステージ」が選択されているものとする。またここでも同様に、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されており、画面右下隅では第4図柄Fによる変動表示(1回目)が行われている。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図21中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。なお、この時点で実際の特別図柄の変動時間はほとんど終期にさしかかっており、通常の変動1回ごとの演出を行った場合、このタイミングでリーチ発生前予告演出を発生させることは時間的(演出スケジュールとして)に困難である。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図21中(C):さらに2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われる。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されているが、ここで作動記憶1に対応した特別図柄の変動時間は終了し、特別図柄表示装置34において特別図柄は停止表示されている。したがって、演出図柄による変動表示演出は続行されているが、第4図柄Fは画面の右下隅位置で停止表示されている。
〔左演出図柄の停止〕
図21中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。この時点で画面の左上段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止している。またこのタイミングで、主制御CPU72による制御上は次の作動記憶2が消費され、特別図柄の変動表示(変動2回目)が開始されている。これにより、第4図柄Fも再び変動表示を開始されている。
〔擬似的なリーチ状態の発生〕
図21中(E):左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の上段位置(上ライン)で数字の「7」−「変動中」−「7」の組み合わせが部分的に表示されてリーチ状態が発生する。
一方、この時点で実際の特別図柄の変動時間(2回目の変動時間)はほとんど終期にさしかかっており、同じく通常の変動1回ごとの演出を行った場合、このタイミングでリーチ状態を発生させることは時間的(演出スケジュールとして)に困難である。したがってこの場合のリーチ状態は、合成された変動時間内で擬似的に発生したものとなっている。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図21中(F):また「リーチ状態」が発生して暫くすると、上記のようにリーチ発生後予告演出(1回目)として、「文字予告」が発生する。この演出パターンは、例えば画面上に「いい感じ!?」の文字を表示させるものである。このようなリーチ発生後予告演出(1回目)を実行することで、遊技者に対して当選への期待感を抱かせる効果が得られることは既に述べたとおりである。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されているが、この時点で作動記憶2に対応した特別図柄の変動時間(2回目)は終了し、特別図柄表示装置34において特別図柄は停止表示されている。したがって、演出図柄による変動表示演出は続行されているが、第4図柄Fは画面の右下隅位置で停止表示(2回目)されている。
〔リーチ演出の進行〕
図21中(G):リーチ発生後予告演出(1回目)に続いて、例えば上記のように「数字回転リーチ演出」が行われる。なお、このとき画面上でキャラクターが数字を消去していく動作が合わせて表示される態様であってもよい。そしてこのタイミングで、主制御CPU72による制御上は次の作動記憶3が消費され、特別図柄の変動表示(変動3回目)が開始されている。これにより、第4図柄Fも再び変動表示を開始されている。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図21中(H):リーチ演出が大詰めに近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が割って入る(カットインする)ようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。また、この時点で実際の特別図柄の変動時間(3回目)はほとんど終期にさしかかっており、やはり通常の変動1回ごとの演出を行った場合、このタイミングでリーチ発生後予告演出を発生させることは時間的に困難である。
〔停止表示演出〕
図21中(I):作動記憶3の消費に伴う特別図柄の停止表示(3回目)に同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、変動時間が合成された3つの作動記憶1〜3については、いずれも内部抽選の結果が非当選(特図先判定演出コマンドが「はずれ」)であり、3回目の変動においても特別図柄が「はずれ」の態様で停止表示される。しがって、合成した変動時間を利用したリーチ演出においても、最終的に演出図柄を「はずれ」の態様とする停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。図示の例では、画面上に数字の「6」が消去されずに残ってしまったため、今回の変動では残念ながら「大当り」にならなかったことが演出的に表現されている。
上述したリーチ演出例(1)によれば、通常の変動1回ごとに連動した演出では到底表現することができない内容の演出を実現することができる。また、この次に実行される特別図柄の変動では、実際に「当り」に該当する作動記憶4が消費されることで当り変動が発生する。したがって、上記のリーチ演出例(1)は、次の当り変動の前に行われる「当りの前兆演出」としての意義を有するため、それによって遊技者に新鮮な驚きを与え、興趣の維持を図ることができる。
また、リーチ演出例(1)に続けて、次の変動では実際に「当り時のスーパーリーチ演出」が発生し、そのまま大当りになるため、本実施形態では「スーパーリーチが連続して発生すると、大当りに期待できる」という新たな遊技性を得ることができる。
〔合成変動時間を利用したリーチ演出例(2)〕
次に図22は、上記の合成された変動時間を利用して実行されるリーチ演出例(2)を示す連続図である。なお、以下のリーチ演出例(2)は「当り」に対応する内容であるため、上記の合成例(2)に対して適用することができる。
〔変動表示演出〕
図22中(A):ここでも、作動記憶1が消費されたことで実行される特別図柄の変動開始(変動1回目)に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図22中(B):先のリーチ演出例(1)と同様に、変動表示演出の比較的初期(リーチ状態の発生前)において1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。なお、ここでは絵札に表示されているキャラクターが非当選時の例と異なる程度であり、特に目立った違いはない。ただし、ここで作動記憶1に対応した特別図柄は変動時間を終了し、特別図柄表示装置34において特別図柄は非当選の態様で停止表示されている。したがって、第4図柄Fもまた非当選の態様で停止表示されている。この場合は明らかに変動時間が足りないため、通常の変動1回ごとの演出を行った場合、このタイミングでリーチ発生前予告演出を発生させることはできない。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図22中(C):先のリーチ演出(1)とは異なる態様で、2段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。具体的には、この演出パターンでは画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されているが、ここでは次の作動記憶2が消費されて変動表示(2回目)が開始されている。したがって、第4図柄Fについても変動表示(2回目)が開始されている。
〔左演出図柄の停止〕
図22中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。この時点で画面の左上段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止している。またこのタイミングで、主制御CPU72による制御上は作動記憶2に対応した変動表示が終了し、特別図柄表示装置34において特別図柄は非当選の態様で停止表示されている。したがって、第4図柄Fもまた非当選の態様で停止表示されている。
〔リーチ状態の発生〕
図22中(E):そして左演出図柄に続き、右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「7」−「変動中」−「7」と「8」−「変動中」−「8」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「7」と「8」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。また、この場合は数字の「7」が揃えば確率変動大当りであり、数字の「8」が揃えば非確変大当りであることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変か、非確変か、はずれか」という多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
一方、このタイミングでは次の作動記憶3が消費され、既に特別図柄の変動表示(3回目)が開始されている。したがって、同じく通常の変動1回ごとの演出を行った場合、このタイミングでここまでの大掛かりなリーチ状態を発生させることは時間的に困難である。
なおリーチ演出例(2)は「当り」に対応するため、リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。またリーチ演出例(2)では、テンパイした数字(ここでは「7」と「8」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図22中(F):上述したリーチ演出例(1)では、画面上に「いい感じ!?」等の文字が表示されるだけであったが、このリーチ演出例(2)では、リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「花柄」を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「花柄群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されているが、この時点で作動記憶3に対応した特別図柄の変動時間(3回目)は終了し、特別図柄表示装置34において特別図柄は停止表示されている。したがって、演出図柄による変動表示演出は続行されているが、第4図柄Fは画面の右下隅位置で停止表示(3回目)されている。
〔リーチ演出の進行〕
図22中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「9」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「7」又は「8」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「確変大当り」であるが、数字の「7」も消去されて「8」が画面手前に残ると「通常(非確変)大当り」であり、そして数字の「8」も消去されて「9」が最終的に残ると「はずれ」であることを意味する。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると、今度は「確変大当り」又は「通常(非確変)大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
一方、このタイミングで、主制御CPU72による制御上は次の作動記憶4(当り)が消費され、特別図柄の変動表示(変動4回目)が開始されている。これにより、第4図柄Fも再び変動表示を開始されている。これにより、実際の主制御CPU72による制御上においても、特別図柄の当り変動が開始されたことになる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図22中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。上述したリーチ演出例(1)と比較すると、この演出例(2)ではカットインするキャラクター画像が全体的に拡大されている(いわゆる「カットイン大」)点で異なっている。またこの時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「6」が消去されれば、次に「7」−「7」−「7」の大当りの可能性が高まる」という展開である。また、これに続くリーチ演出で数字の「7」が消去されても、まだ「8」−「8」−「8」の非確変大当りの可能性が残っている。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「いよいよ大当りかもしれない」という大きな期待感を抱かせる効果が得られる。なお、この時点で実際の特別図柄の変動時間(4回目)はほとんど終期にさしかかっているが、ここまでの演出は、合成された変動時間を有効に活用して行われているため、「大当りリーチ演出」に相応しい盛り上がりを見せている。
〔停止表示演出〕
図22中(I):作動記憶4(当り)の消費に伴う特別図柄の停止表示(4回目)に同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、4回目の変動において特別図柄が「当選」の態様で停止表示される。しがって、合成した変動時間を利用したリーチ演出においても、最終的に演出図柄を「当選」の態様とする停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。図示の例では、さらに当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「確変大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われている。一方、当選図柄が「非確変図柄」であれば、偶数の「8」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「通常(非確変)大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われる。この他に、「確変大当り」であっても偶数の演出図柄を停止表示させておき、再度の変動によって奇数の演出図柄を停止表示させて「確変」に昇格させたり、大当り遊技中の演出で「確変」に昇格させたりする演出が行われる場合もある。また第4図柄Fについては、当選に対応する態様で停止表示(例えば赤色表示)されている。
上述したリーチ演出例(2)によれば、当り時の変動時間をさらに長くした上で、充分な見せ場を持たせた演出を実現することができる。もちろん、1回分の変動時間であっても、当り時には相応に長い変動時間を指定した変動パターンが選択されるが、本実施形態ではさらに変動時間を長くして、充分な演出を実現することができる。これにより、遊技者に対して大当りしたことへの満足感を与えることができる。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。例えば、図17〜図20に示される変動時間の合成例(1)〜(4)は、作動記憶数が3以下の場合にも適用することができる。特に合成例(2),(4)については、作動記憶数が少なくとも2つあれば適用可能であり、必ずしも4つの作動記憶が必要であるわけではない。また、合成例(1)〜(4)に示されている各種の変動時間は、これら以外の秒数であってもよい。
さらに、各種の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。