JP6616873B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

この発明は加熱調理器に関する。
従来、加熱調理器としては、特開2004−316999号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この加熱調理器では、加熱庫と、この加熱庫の後側に設けられた循環ダクトと、この循環ダクト内に配置された循環ファンとを備えている。この循環ダクトは、加熱庫の後部の吸込口および吹出口を介して上記加熱庫内と連通している。
上記構成の加熱調理器によれば、循環ファンを駆動すると、加熱庫内の熱媒体つまり空気が吸込口から循環ダクト内に吸い込まれて、吹出口に向かって流れる。このとき、上記循環ファンの下流側、かつ、吹出口の上流側に配置されたヒータが、吸込口から吹出口へ向かって流れる空気を加熱する。これにより、上記ヒータによって加熱された空気が加熱庫内の被加熱物に当たって、その被加熱物が加熱される。
特開2004−316999号公報
ところで、上記加熱調理器において、加熱庫内の被加熱物をマイクロ波で加熱できるようにした場合、加熱庫内の調理トレイが加熱庫の後部に接触している状態で、マイクロ波が誤って加熱庫内に放射されると、大きな放電が加熱庫内で起き易い。
このような大きな放電は、調理トレイが加熱庫内に配置されたとき、調理トレイと加熱庫の後部との間に隙間が生じるようにすれば、抑制することができる。
しかしながら、上記隙間を設けた場合、吹出口が調理トレイの後部近傍にあると、吹出口から吹き出された空気の大部分は、上記隙間を介して、調理トレイの下側に流れてしまう。
その結果、上記調理トレイ上の被加熱物に当たる空気が少なくなり、被加熱物の加熱効率が低くなってしまうという問題が起きてしまう。
そこで、この発明の課題は、調理トレイと加熱庫の後部との間に隙間があっても、吹出口に熱媒体を吹き出させることにより、調理トレイ上の被加熱物を効率良く加熱することできる加熱調理器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の加熱調理器は、
ケーシングと、
上記ケーシング内に設けられた加熱庫と、
上記加熱庫内にマイクロ波を供給するマイクロ波発生装置と、
上記加熱庫内に、上記加熱庫の後部との間に隙間を有するように配置されると共に、被加熱物を直接的または間接的に搭載する調理トレイと、
少なくとも一部が上記加熱庫の後側に設けられ、この少なくとも一部内で熱媒体が上方
から下方に向かって流れるダクトと、
上記加熱庫の後部に、上記隙間よりも上側に位置するように、かつ、上記調理トレイの後部近傍に位置するように設けられると共に、上記ダクトと連通して上記熱媒体を上記加熱庫内へ吹き出す後吹出口と、
上記後吹出口の後側に設けられ、上記熱媒体の流れを整える整流構造と
を備え、
上記整流構造は、水平方向と略平行な方向に延びる第1案内面を下側に有することを特徴としている。
一実施形態の加熱調理器では、
上記整流構造は、前端が後端より低くなるように傾斜する第2案内面を上側に有する。
一実施形態の加熱調理器では、
上記ダクト内に設けられ、上記後吹出口を開閉するダンパを備え、
上記ダンパは、開放時、前端が後端より低くなるように傾斜する。
一実施形態の加熱調理器では、
上記ダクトは、上記加熱庫の上側に位置する上部と、この上部の一端に連なって下方に延在する下方延在部とを有し、
上記ダクトの上記上部内へ熱媒体を送る正逆回転可能な遠心ファンと、
上記ダクトの上記上部内の一方側に配置された第1ヒータと、
上記ダクトの上記上部内の他方側に配置された第2ヒータと、
上記加熱庫の上部に設けられ、上記第1ヒータからの熱媒体を上記加熱庫内へ吹き出す第1上吹出口と、
上記加熱庫2の上部に設けられ、上記第2ヒータからの熱媒体を上記加熱庫内へ吹き出す第2上吹出口と
を備える。
ここで、「一方側」とは一側部側または前部側を指す。また、「他方側」とは、「一方側」が一側部側を指す場合、他側部側を指し、「一方側」が前部側を指す場合、後部側を指す。
一実施形態の加熱調理器では、
上記調理トレイは、上記加熱庫内を上部空間と下部空間とに仕切り、
上記後吹出口は、上記上部空間に開口する第1後吹出口であり、
上記加熱庫は、上記第1後吹出口よりも下側に位置するように、上記加熱庫の後部に設けられ、上記下部空間に開口する第2後吹出口を有し、
上記ダクトは、上記第1後吹出口を介して上記上部空間と連通すると共に、上記第2後吹出口を上記下部空間と連通し、
上記ダクト内に供給される飽和蒸気を発生させる飽和蒸気発生装置と、
上記ダクト内に配置されたファンと、
少なくとも一部が上記ファンと上記第1後吹出口との間に配置されたヒータと、
上記ファンと上記第2後吹出口との間を開閉するダンパと、
上記ファンと上記第2後吹出口との間を開いて、上記ファンが上記ダクト内の飽和蒸気を上記第2後吹出口に送るように、上記ダンパ、ファンおよび飽和蒸気発生装置を制御する第1調理制御部と、
上記ファンと上記第2後吹出口との間を閉じて、上記ファンが上記ダクト内の熱媒体を上記ヒータに送り、かつ、上記ヒータが上記熱媒体を加熱するように、上記ダンパ、ファンおよびヒータを制御する第2調理制御部と
を備える。
この発明の加熱調理器は、
ケーシングと、
上記ケーシング内に設けられ、被加熱物を収容する加熱庫と、
上記加熱庫外に設けられて、上記加熱庫の上側に位置する上部と、この上部の一端に連なって下方に延在する下方延在部とを有するダクトと、
上記ダクトの上記上部内へ熱媒体を送る正逆回転可能な遠心ファンと、
上記ダクトの上記上部内の一方側に配置された第1ヒータと、
上記ダクトの上記上部内の他方側に配置された第2ヒータと、
上記加熱庫の上部に設けられ、上記第1ヒータからの熱媒体を上記加熱庫内へ吹き出す第1吹出口と、
上記加熱庫の上部に設けられ、上記第2ヒータからの熱媒体を上記加熱庫内へ吹き出す第2吹出口と
を備えることを特徴としている。
ここで、「一方側」とは一側部側または前部側を指す。また、「他方側」とは、「一方側」が一側部側を指す場合、他側部側を指し、「一方側」が前部側を指す場合、後部側を指す。
一実施形態の加熱調理器は、
上記ダクトの上記上部内の一方側と上記ダクトの上記上部内の他方側との間を仕切る第1仕切部を備える。
一実施形態の加熱調理器は、
上記加熱庫内に配置され、上記被加熱物を直接的または間接的に搭載する調理トレイと、
上記遠心ファンから上記ダクトの上記下方延在部内へ向かう熱媒体を加熱する第3ヒータと、
上記ダクトの上記下方延在部内の一方側と上記ダクトの上記下方延在部内の他方側との間を仕切る第2仕切部と、
上記加熱庫の後部または側部に、上記調理トレイ近傍に位置するように設けられ、上記ダクトの上記下方延在部内の一方側からの熱媒体を上記加熱庫内に吹き出す第3吹出口と、
上記加熱庫の後部または側部に、上記調理トレイ近傍に位置するように設けられ、上記ダクトの上記下方延在部内の他方側からの熱媒体を上記加熱庫内に吹き出す第4吹出口とを備える。
ここで、「一方側」とは一側部側または前部側を指す。また、「他方側」とは、「一方側」が一側部側を指す場合、他側部側を指し、「一方側」が前部側を指す場合、後部側を指す。
この発明の加熱調理器は、
ケーシングと、
上記ケーシング内に設けられた加熱庫と、
上記加熱庫内に配置されて、上記加熱庫内を上部空間と下部空間とに仕切る調理トレイと、
上記加熱庫に設けられ、上記上部空間に開口する上吹出口と、
上記加熱庫に設けられ、上記下部空間に開口する下吹出口と、
上記加熱庫外に設けられ、上記上吹出口および下吹出口を介して上記加熱庫内と連通するダクトと、
上記ダクト内に供給される飽和蒸気を発生させる飽和蒸気発生装置と、
上記ダクト内に配置されたファンと、
少なくとも一部が上記ファンと上記上吹出口との間に配置されたヒータと、
上記ファンと上記下吹出口との間を開閉するダンパと、
上記ファンと上記下吹出口との間が開かれた状態で、上記ファンが上記ダクト内の飽和蒸気を上記下吹出口に送るように、上記ダンパ、ファンおよび飽和蒸気発生装置を制御する第1調理制御部と、
上記ファンと上記下吹出口との間が閉じられた状態で、上記ファンが上記ダクト内の熱媒体を上記ヒータに送り、かつ、上記ヒータが上記熱媒体を加熱するように、上記ダンパ、ファンおよびヒータを制御する第2調理制御部と
を備えることを特徴としている。
この発明の加熱調理器は、
ケーシングと、
上記ケーシング内に設けられ、前側に開口部を有する加熱庫と、
上記開口部を開閉する扉と、
上記加熱庫内に配置されて、上記加熱庫内を上部空間と下部空間とに仕切る調理トレイと、
上記扉と上記調理トレイとの間、または、上記加熱庫と上記調理トレイとの間に設けられて、上記上部空間と下部空間を互いに連通させる隙間と、
上記加熱庫に設けられ、上記上部空間に開口する上吹出口と、
上記上吹出口から吹き出される熱媒体を加熱するヒータと、
上記加熱庫に設けられ、上記上部空間に開口する蒸気供給口と、
上記蒸気供給口へ送る飽和蒸気を発生させる飽和蒸気発生装置と、
上記上部空間の温度を検出する温度センサと、
上記温度センサが検出した上記温度に基づいて、上記上部空間が100℃を超える温度になったとき、上記飽和蒸気が上記蒸気供給口を介して上記上部空間に供給されるように、上記飽和蒸気発生装置を制御する調理制御部と
を備えることを特徴としている。
この発明の加熱調理器は、整流構造が、水平方向と略平行な方向に延びる第1案内面を下側に有することにより、吹出口から、加熱庫の後部と調理トレイとの間の隙間へ向かう熱媒体を減らすことができる。その結果、上記調理トレイ上に沿って流れる熱媒体を増やすことできるので、調理トレイ上の被加熱物を効率良く加熱することができる。
また、上記被加熱物が例えば調理網を介して調理トレイ上に搭載されている場合、調理トレイ上に沿って流れる熱媒体を増やすことできるので、被加熱物の裏面を効率良く焼くことができる。
また、上記調理トレイが加熱庫内に配置されたとき、加熱庫の後部との間に隙間が生じるので、加熱庫内に調理トレイが配置された状態で、マイクロ波が誤って加熱庫内に供給されたとしても、放電が加熱庫内で起き難くなる。
この発明の加熱調理器は、ダクトの上部内の一方側に配置された第1ヒータと、ダクトの上部内の他方側に配置された第2ヒータとを備える。また、遠心ファンがダクトの上部内へ熱媒体を送るので、第1,第2ヒータの一方へ流れる熱媒体の量が、第1,第2ヒータの他方へ流れる熱媒体の量に比べて多くなる。したがって、上記第1,第2吹出口の一方
から、第1,第2ヒータの一方で加熱された大量の熱媒体が吹き出るようにすることがで
きる。その結果、上記第1,第2吹出口の一方の下側で、スポット的な加熱を行うことが
できる。
また、上記第1,第2吹出口の一方から、第1,第2ヒータの一方で加熱された大量の熱媒体が吹き出るようにすることができるので、第1,第2吹出口の他方の下側の空間を温
めなくても、第1,第2吹出口の一方の下側の被加熱物を加熱できる。したがって、上記
第1,第2吹出口の他方の下側の空間を温めるために必要であった時間を省いて、第1,第2吹出口の一方の下側の被加熱物の加熱を短時間で終えることができる。
また、上記第1,第2吹出口の一方から、第1,第2ヒータの一方で加熱された大量の熱媒体が吹き出るようにすることができるので、第1,第2吹出口の一方の下側の被加熱物
の上面を均一に加熱できる。
また、上記遠心ファンを逆回転させた場合、第1,第2ヒータの一方をオフにし、かつ
、第1,第2ヒータの他方をオンにすると、第1,第2吹出口の他方から、第1,第2ヒー
タの他方で加熱された大量の熱媒体が吹き出される。したがって、上記第1,第2吹出口
の他方の下側でも、スポット的な加熱を行うことができる。
この発明の加熱調理器は、第1調理制御部が、ファンと下吹出口との間が開かれた状態で、ファンがダクト内の飽和蒸気を下吹出口に送るように、ダンパ、ファンおよび飽和蒸気発生装置を制御するので、飽和蒸気を下吹出口を介して下部空間に供給することができる。したがって、上記下部空間で蒸し調理を行うことができる。
また、上記加熱調理器は、第2調理制御部が、ファンと上吹出口との間が閉じられた状態で、ファンがダクト内の熱媒体をヒータに送り、かつ、ヒータが熱媒体を加熱するように、ダンパ、ファンおよびヒータを制御するので、高温の熱媒体を上吹出口を介して上部空間に供給することができる。したがって、上記上部空間で焼き調理を行うことができる。
また、上記第2調理制御部がダンパなどを制御するとき、ファンと上吹出口との間が閉じられた状態になるので、熱媒体が下吹出口から下部空間に供給されるのを防ぐことができる。したがって、上記下部空間で行う蒸し調理への悪影響を防ぐことができる。
したがって、上記加熱調理器は、上部空間と下部空間とで互いに異なる調理を行うことができる。
この発明の加熱調理器は、調理制御部が、温度センサが検出した加熱庫内の上部空間の温度に基づいて、上部空間が100℃を超える温度になったとき、飽和蒸気が蒸気供給口を介して上部空間に供給されるように、飽和蒸気発生装置を制御する。これにより、上記上部空間に飽和蒸気が供給されるが、上部空間よりも温度が低い飽和蒸気は、扉と調理トレイとの間の隙間、または、加熱庫と調理トレイとの間の隙間から、下部空間へ流れ落ちる。その結果、上記下部空間に飽和蒸気を充填して、下部空間で蒸し調理を行うことができる。
また、上記飽和蒸気は上記隙間から下部空間へ流れ落ちるので、上部空間で焼き調理を行うことができる。
したがって、上記加熱調理器は、上部空間と下部空間とで互いに異なる調理を行うことができる。
図1はこの発明の第1実施形態の加熱調理器の扉閉鎖時の概略正面図である。 図2は上記加熱調理器の扉開放時の概略正面図である。 図3は上記加熱調理器の主要部の構成を説明するための模式図である。 図4は上記加熱調理器の他の部分の構成を説明するための模式図である。 図5は上記加熱調理器の制御ブロック図である。 図6は第1後吹出口およびその周辺部の概略断面図である。 図7は上記第1後吹出口およびその周辺部の他の状態の概略断面図である。 図8は上記加熱調理器の作用効果を説明するための模式図である。 図9は比較例の加熱調理器の作用効果を説明するための模式図である。 図10はこの発明の第2実施形態の加熱調理器の模式断面図である。 図11は上記加熱調理器の主要部の模式上面図である。 図12は上記加熱調理器の作用効果を説明するための模式図である。 図13は上記加熱調理器の変形例の主要部の模式背面図である。 図14はこの発明の第3実施形態の加熱調理器の制御ブロック図である。 図15は上記加熱調理器の動作を説明するためのタイムチャートである。 図16は上記加熱調理器の蒸し調理時の模式断面図である。 図17は上記加熱調理器の焼き調理時の模式断面図である。 図18はこの発明の第4実施形態の加熱調理器の制御ブロック図である。 図19は上記加熱調理器の動作を説明するためのタイムチャートである。 図20は上記加熱調理器の調理時の模式断面図である。 図21は上記加熱調理器の上部空間,下部空間の温度の時間変化のグラフである。
以下、この発明の加熱調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、以下の説明において、左側とは、加熱調理器を扉側から見たとき、加熱調理器に向かって左側を指し、また、右側とは、加熱調理器を扉側から見たとき、加熱調理器に向かって右側を指す。
〔第1実施形態〕
図1は、この発明の第1実施形態の加熱調理器の扉閉鎖時の概略正面図である。また、図2は、上記加熱調理器の扉開放時の概略正面図である。
上記加熱調理器は、図1,図2に示すように、直方体形状のケーシング1と、このケー
シング1内に設けられ、前側に開口部2aを有する加熱庫2と、加熱庫2の開口部2aを開閉する扉3と、加熱庫2内にマイクロ波を供給するマグネトロン4(図5に示す)とを備えている。なお、マグネトロン4はマイクロ波発生装置の一例である。
上記ケーシング1の上面の後部には排気ダクト5が設けられている。また、ケーシング1の前面の下部には露受容器6が着脱可能に取り付けられている。この露受容器6は、扉3の下側に位置し、扉3の後面(加熱庫2側の表面)からの水滴を受けることができるようになっている。また、ケーシング1の前面の下部には、後述する給水タンク26も着脱可能に取り付けられている。
上記扉3は、下部がケーシング1の前面に回動可能に取り付けられている。この扉3の前面(加熱庫2とは反対側の表面)には、耐熱性を有する透明な外ガラス7が設けられている。また、扉3は、外ガラス7の上側に位置するハンドル8と、外ガラス7の右側に設けられた操作パネル9とを有している。
上記操作パネル9はカラー液晶表示部10およびボタン群11を有している。このボタン群11は、途中で加熱を止めるときなどに押す取り消しキー12と、加熱を開始するときに押すあたためスタートキー13とを含んでいる。また、操作パネル9には、スマートフォンなどからの赤外線を受ける赤外線受光部14が設けられている。
上記加熱庫2内には被加熱物15が収容される。また、加熱庫2内には金属製の調理トレイ91,92(図3に示す)が出し入れが可能になっている。加熱庫2の左側部2b,右側部2cの内面には、調理トレイ91を支持する上棚受け16A,16Bが設けられている
。また、加熱庫2の右側部2c,左側部2bの内面には、上棚受け16A,16Bよりも下側に位置するように、調理トレイ92を支持する下棚受け17A,17Bが設けられてい
る。
上記調理トレイ91,92は、加熱庫2内に配置されたとき、扉3との間に隙間を有す
ると共に、加熱庫2の後部2dとの間に隙間を有するようになっている。より詳しくは、上棚受け16A,16Bおよび下棚受け17A,17Bのそれぞれの後端部には当接部(図
示せず)が設けられている。この当接部は、調理トレイ91,92が加熱庫2の後部2dに接触する前に、調理トレイ91,92に当接して、調理トレイ91,92の後側への移動を規制する。このとき、上記調理トレイ91,92と加熱庫2の後部2dとの間において、
前後方向の長さが例えば3mmの隙間が生じるようにしてもよい。
図3は、上記加熱調理器の主要部の構成を説明するための模式図である。この図3では、加熱庫2は左側から見た状態が示されている。
上記加熱調理器は、循環ダクト18、循環ファン19、上ヒータ20、中ヒータ21、下ヒータ22、循環ダンパ23、蒸気発生装置24、チューブポンプ25および給水タンク26を備えている。この上ヒータ20、中ヒータ21および下ヒータ22は、それぞれ、例えばシーズヒータからなっている。なお、循環ダクト18はダクトの一例である。また、循環ダンパ23はダンパの一例である。
上記加熱庫2の上部2eは、水平方向に対して傾斜する傾斜部2fを介して加熱庫2の後部2dと連なっている。この傾斜部2fには、循環ファン19と対向するように複数の吸込口27が設けられている。また、加熱庫2の上部2eには上吹出口28が複数設けられている。また、加熱庫2の後部2dには、第1後吹出口29、第2後吹出口30および第3後吹出口31が、それぞれ、複数設けられている。なお、第1後吹出口29は後吹出口の一例である。また、上吹出口28は3個だけ図3で示している。また、吸込口27、第1後吹出口29、第2後吹出口30および第3後吹出口31は各1個だけを図3で示している。
上記循環ダクト18は、加熱庫2外に設けられて、吸込口27、上吹出口28および第1〜第3後吹出口29〜31を介して加熱庫2内と連通している。この循環ダクト18は、加熱庫2の上側から後側にわたって設けられて、逆L字形状を呈するように延在している。より詳しくは、循環ダクト18は、加熱庫2の上部2eに対向する前部18aと、この上部の後端に連なって斜め下方に延在して加熱庫2の傾斜部2fに対向する接続部18bと、この接続部18bの下端に連なって真下方に延在して加熱庫2の後部2dに対向する後部18cとからなっている。また、循環ダクト18の左右方向の幅は、加熱庫2の左右方向の幅より狭く設定されている。
上記循環ファン19は、正逆回転可能な遠心ファンからなり、循環ファン用モータ56によって駆動される。この循環ファン用モータ56が循環ファン19を駆動すると、加熱庫2内の空気や飽和蒸気など(以下、「空気など」と言う)は、吸込口27から循環ダクト
18内に吸い込まれ、循環ファン19の径方向外側へ流される。より詳しくは、循環ファン19の上側では、空気などは、循環ファン19から斜め上方に流れた後、後方から前方に向かって流れる。一方、循環ファン19の下側では、空気などは、循環ファン19から斜め下方に流れた後、上方から下方に向かって流れる。なお、上記空気などは熱媒体の一例である。
上記上ヒータ20は、循環ダクト18の前部18a内に配置され、加熱庫2の上部2eに対向している。この上ヒータ20は、上吹出口28へ流れる空気などを加熱する。
上記中ヒータ21は、環状に形成され、循環ファン19を取り囲んでいる。この中ヒータ21は、循環ファン19から上ヒータ20に向かう空気などを加熱したり、循環ファン19から下ヒータ22に向かう空気などを加熱したりする。
上記下ヒータ22は、循環ダクト18の後部18c内に配置され、加熱庫2の後部2dに対向している。この下ヒータ22は、第2,第3後吹出口30,31へ流れる空気などを加熱する。
上記循環ダンパ23は、循環ダクト18内に回動可能に設けられて、中ヒータ21と下ヒータ22との間に位置する。この循環ダンパ23の回動は循環ダンパ用モータ59(図
5に示す)によって行われる。また、循環ダンパ23の回動により、第1後吹出口29が
開閉する。
また、上記循環ダンパ23は、第1後吹出口29を開いたとき、循環ファン19と第2後吹出口30との間を閉じる。これにより、第1後吹出口29は、中ヒータ21で加熱された空気などを加熱庫2内へ吹き出せるが、第2,第3後吹出口31は、中ヒータ21で
加熱された空気などを加熱庫2内へ吹き出せなくなる。
また、上記循環ダンパ23は、第1後吹出口29を閉じたとき、循環ファン19と第2後吹出口30との間を開く。これにより、第1〜第3後吹出口29〜31は、中ヒータ21で加熱された空気などを加熱庫2内へ吹き出せるようになる。
上記第1後吹出口29は、調理トレイ91と加熱庫2の後部2dとの間の隙間よりも上側に位置し、かつ、調理トレイ91の後部近傍に位置する。また、加熱庫2内は第1後吹出口29を介して循環ダクト18の後部18c内と連通している。
上記蒸気発生装置24は、上端が開口する金属製の容器32と、その開口を塞ぐ樹脂製の蓋33と、容器32の底部に鋳込まれ、シーズヒータからなる蒸気発生用ヒータ34とを有する。この容器32の底部上には給水タンク26からの水が溜まり、蒸気発生用ヒータ34が容器32の底部を介して上記水を加熱する。この加熱で発生した飽和蒸気は、樹脂製の蒸気チューブ35と金属製の蒸気管36とを流れて、循環ダクト18の接続部18b内に供給される。このとき、循環ファン19が駆動していれば、蒸気発生装置24からの飽和蒸気が、循環ダクト18の前部18a,後部2d側へ送られる。一方、循環ファン
19が駆動していなければ、蒸気発生装置24からの飽和蒸気が、複数の蒸気供給口37を介して加熱庫2内に流れ出る。なお、蒸気供給口37は1個だけを図3で示している。
また、上記加熱庫2内の飽和蒸気は、循環ファン19で上ヒータ20、中ヒータ21および下ヒータ22に送り、上ヒータ20、中ヒータ21および下ヒータ22で加熱することにより、100℃以上の過熱蒸気となる。
また、上記蓋33には、一対の電極棒39A,39Bからなる水位センサ38が取り付
けられている。この電極棒39A,39Bの間が導通状態になったか否かに基づいて、容
器32の底部上の水位が所定水位になったか否かが判定される。
上記チューブポンプ25は、シリコンゴム等からなって弾性変形可能な給排水チューブ40をローラ(図示せず)でしごいて、給水タンク26内の水を蒸気発生装置24に流したり、蒸気発生装置24内の水を給水タンク26に流したりする。
上記給水タンク26は給水タンク本体41および連通管42を有する。この連通管42は、一端部が給水タンク本体41内に位置する一方、他端部が給水タンク26外に位置する。給水タンク26がタンクカバー43内に収容されると、連通管42の他端部がタンクジョイント部44を介して給排水チューブ40に接続される。すなわち、給水タンク本体41内が連通管42などを介して蒸気発生装置24内と連通する。
図4は、上記加熱調理器の他の部分の構成を説明するための模式図である。この図4でも、図3と同様に、加熱庫2は左側から見た状態が示されている。
上記加熱庫2の後部2dの下端部には自然排気口45が設けられている。この自然排気口45は第1排気経路46を介して排気ダクト5に連通している。加熱庫2内の空気などが余剰になると、その余剰な空気などが、自然に、自然排気口45から第1排気経路46へ流れ出る。また、例えばシロッコファンからなる排気ファン47が第1排気経路46に接続されている。
また、上記加熱庫2の傾斜部2fには、排気ダンパ49で開閉される複数の強制排気口48と、給気ダンパ51で開閉される複数の給気口50とが設けられている。この強制排気口48は第2排気経路52を介して排気ダクト5に連通している。一方、給気口50は、給気経路を介して、ケーシング1と加熱庫2との間の空間に連通している。また、例えばシロッコファンからなる給気ファン54が給気経路55に接続されている。なお、強制排気口48および給気口50は、それぞれ、誇張して大きく描いた1個だけを図4で示している。
また、上記第2排気経路52には蒸気センサ53が取り付けられている。この蒸気センサ53は、第2排気経路52を流れる蒸気量を示す信号を制御装置100(図5に示す)へ送出する。
上記加熱庫2内の空気などを強制的にケーシング1外へ排気する場合、排気ダンパ用モータ60,給気ダンパ用モータ61(図5に示す)で排気ダンパ49,給気ダンパ51を2点鎖線で示す位置まで回動させる。すなわち、排気ダンパ49および給気ダンパ51を開く。そして、排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58(図5に示す)で排気ファン
47,給気ファン54を駆動させる。これにより、加熱庫2内の空気などが強制排気口4
8および自然排気口45から加熱庫2外へ引き出される。
また、上記ケーシング1と加熱庫2との間のマグネトロン4などを冷却する場合、給気ダンパ51が閉じた状態で、給気ファン54が駆動するようにする。これにより、給気ファン54から吹き出された空気が、給気経路55を介して、ケーシング1と加熱庫2との間の空間に供給される。
図5は上記加熱調理器の制御ブロック図である。
上記加熱調理器は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置100を備えている。この制御装置100には、上ヒータ20,中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気
発生用ヒータ34,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モー
タ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ60,給気ダンパ用モータ61,操作パネル9,蒸気センサ53,水位センサ38,チューブポンプ25,マグネトロン4,庫内温
度センサ70などが接続されている。また、制御装置100は、操作パネル9,蒸気セン
サ53,水位センサ38,庫内温度センサ70などからの信号に基づいて、上ヒータ20,
中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気発生用ヒータ34,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ6
0,給気ダンパ用モータ61,チューブポンプ25などを制御する。
上記庫内温度センサ70は、加熱庫2内の温度を検出し、この温度を示す信号を制御装置100に送出する。
図6は、上記循環ダンパ23が閉じている状態での第1後吹出口29およびその周辺部の概略断面図である。また、図7は、上記循環ダンパ23が開いている状態での第1後吹出口29およびその周辺部の概略断面図である。なお、図6,図7では、循環ファン19
および循環ファン用モータ56の図示を省略している。
上記加熱調理器は、図6,図7に示すように、第1後吹出口29から吹き出される空気
などの流れを整える整流構造62を備えている。
上記整流構造62は第1後吹出口29の後側に設けられている。より詳しくは、整流構造62は、循環ダンパ23と第1後吹出口29の間に設けられて、第1後吹出口29と連通する空間を有している。また、整流構造62は、水平方向と略平行(平行を含む)な方向に延びる第1案内面63を下側に有する一方、前端が後端より低くなるように傾斜する第2案内面64を上側に有している。この第1,第2案内面63,64は上記空間を画定するためのものである。
上記循環ダンパ23は、第1案内面63近傍に設けられた回動軸65を中心に回動する。また、図6に示すように、循環ダンパ23が閉じると、循環ダンパ23の上端部が整流構造62において第2案内面64よりも上側の部分に密着する。このとき、循環ダンパ23は第1案内面63との間に隙間を有する。また、循環ダンパ23の下端部は屈曲しており、図7に示すように、循環ダンパ23が開くと、循環ダンパ23の下端部が加熱庫2の後部2dの外面に密着する。一方、循環ダンパ23の上端部は循環ダクト18の内面に密着する。このように、循環ダンパ23が開くとき、循環ダンパ23は、前端が後端より低くなるように傾斜する。なお、上記隙間は、前後方向の長さが例えば2mmとなるように設定されてもよい。
上記構成の加熱調理器において、循環ダンパ用モータ59で循環ダンパ23を回動させて、図8に示すように、第1後吹出口29を開放する。そして、上ヒータ20および中ヒータ21をオンにし、循環ファン用モータ56で循環ファン19を駆動すると、上吹出口28および第1後吹出口29が空気などを吹き出す。このとき、整流構造62の下側の第1案内面63が水平方向と略平行な方向に延びているので、第1後吹出口29から吹き出された空気などのうち、加熱庫2の後部2dと調理トレイ91との間の隙間を通過する空気などを減らすことができる。その結果、図8において矢印で示すように、調理トレイ91上に沿って流れる空気などを増やすことできる。したがって、調理トレイ91上の被加熱物15を効率良く加熱することができる。
これに対して、仮に、整流構造62がなければ、図9において矢印で示すように、第1後吹出口29から吹き出された空気などのうち、加熱庫2の後部2dと調理トレイ91との間の隙間を通過する空気などが増えてしまう。こうなると、調理トレイ91上に沿って
流れる空気などが減って、調理トレイ91上の被加熱物15を効率良く加熱することができない。
また、上記被加熱物15が調理網93を介して調理トレイ91上に搭載されている場合、調理トレイ91上に沿って流れる空気などを増やすことできるので、被加熱物15の裏面を効率良く焼くことができる。
また、上記調理トレイ91が加熱庫2内に配置されたとき、加熱庫2の後部2dとの間に隙間が生じるので、加熱庫2内に調理トレイ91が配置された状態で、マイクロ波が誤って加熱庫2内に供給されたとしても、放電が加熱庫2内で起き難くなる。
また、上記整流構造62の上側の第2案内面64は前端が後端より低くなるように傾斜するので、調理トレイ91上に沿って流れる空気などをさらに増やすことできる。
仮に、上記第2案内面64が水平方向と略平行な方向に延びるようにしたなら、第1後吹出口29から吹き出された空気などのうち、第1後吹出口29から斜め上方に向かう空気などが増えてしまう。
したがって、上記整流構造62の上側の第2案内面64は前端が後端より低くなるように傾斜することは、被加熱物15の裏面を効率良く焼く効果への寄与が大きい。
また、上記循環ダンパ23は、開放時、前端が後端より低くなるように傾斜するので、上方からの空気などをスムーズに第1後吹出口29へ流すことができる。
また、上記第1後吹出口29の後側に整流構造62を設けているので、例えば被加熱物15からの油などで汚れ難くなっている。
上記第1実施形態では、整流構造62の上側の第2案内面64は、前端が後端より低くなるように傾斜していたが、例えば、水平方向と略平行(平行を含む)な方向に延びるようにしてもよい。
上記第1実施形態では、循環ダクト18内に、第1後吹出口29を開閉する循環ダンパ23を設けていたが、循環ダンパ23を設けないようにしてもよい。
上記第1実施形態では、加熱庫2の上側から後側にわたって設けられた循環ダクト18を用いていたが、例えば、後側だけに設けられた循環ダクトを用いてもよい。
上記第1実施形態では、整流構造62は、循環ダクト18内に設けられていたが、循環ダクト18以外のダクトであっても、熱媒体を上方から下方に案内するダクトであれば、このダクト内に設けてもよい。
上記第1実施形態において、循環ダンパ23を開いて、被加熱物15を加熱するとき、図8に示すように、調理トレイ91上に調理網93を介して被加熱物15を搭載してもよいし、調理トレイ91上に被加熱物15を直接的に搭載してもよい。すなわち、調理トレイ91は、被加熱物15と接触しない状態で、被加熱物15を搭載してもよいし、被加熱物15と接触する状態で、被加熱物15を搭載してもよい。
ところで、特開2004−333109号公報の加熱調理器は、加熱庫と、この加熱庫の後部の中央部に設けられた複数の吸込口と、加熱庫の後部に、吸込口を取り囲むように設けられた複数の吹出口とを備えている。この吸込口の後側には、遠心ファンである循環
ファンが配置されている。また、循環ファンが径方向外側に吹き出した空気は、循環ファンを取り囲む環状のヒータで加熱された後、各吹出口から吹き出されるようになっている。
しかしながら、上記加熱調理器では、略等しい温度の空気が各吹出口から吹き出されるため、加熱庫内の一部の空間に配置された被加熱物を集中的に加熱することはできない。すなわち、上記加熱調理器には、スポット的な加熱を行えないという問題がある。
したがって、この発明の課題は、スポット的な加熱を行うことができる加熱調理器を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための加熱調理器について説明する。
〔第2実施形態〕
図10はこの発明の第2実施形態の加熱調理器の模式断面図である。この図10では、加熱庫2は右側から見た状態が示されている。また、図10では、上記第1実施形態の加熱調理器の構成部と同一の構成部については、上記第1実施形態の加熱調理器の構成部の参照番号と同一の参照番号を付している。また、以下の説明においても、上記第1実施形態の構成部と同一の構成部は、上記第1実施形態の構成部の参照番号と同一の参照番号を付している。
上記加熱調理器は、循環ダクト18の前部18a内に第1,第2上ヒータ220A,220Bを配置している点と、循環ダクト18の前部18a内に上仕切部271(図11に示
す)を設けている点とが、上記第1実施形態と異なる。なお、循環ダクト18はダクトの
一例である。また、循環ダクト18の前部18aはダクトの上部の一例である。また、循環ダクト18の接続部18b,後部18cはダクトの下方延在部の一例である。また、循
環ファン19は遠心ファンの一例である。また、第1上ヒータ220Aは第1ヒータの一例である。また、第2上ヒータ220Bは第2ヒータの一例である。また、上仕切部271は第1仕切部の一例である。
図11は、上記加熱調理器の主要部を上方から見た模式図である。なお、図11では、構成を判り易くするため、循環ダクト18の一部などの図示を省略している。
上記第1上ヒータ220Aは、例えばシーズヒータからなり、循環ダクト18の前部18a内の右側部側に配置されている。この第1上ヒータ220Aで加熱された空気や飽和蒸気など(以下、「空気など」と言う)は、複数の上吹出口28のうち、第1上ヒータ220Aが配置されている空間に対向する上吹出口28(以下、「右側の上吹出口28」と言
う)から、加熱庫2内へ吹き出される。なお、上記右側部側は一方側の一例である。また
、右側の上吹出口28は、第1上吹出口の一例であり、第1吹出口の一例である。
上記第2上ヒータ220Bは、例えばシーズヒータからなり、循環ダクト18の前部18a内の左側部側に配置されている。この第2上ヒータ220Bで加熱された空気などは、複数の上吹出口28のうち、第2上ヒータ220Bが配置されている空間に対向する上吹出口28(以下、「左側の上吹出口28」と言う)から、加熱庫2内へ吹き出される。なお、上記左側部側は他方側の一例である。また、左側の上吹出口28は、第2上吹出口の一例であり、第2吹出口の一例である。
上記上仕切部271は、循環ダクト18の前部18a内の右側部側と循環ダクト18の前部18a内の左側部側との間を仕切っている。すなわち、上仕切部271は、第1上ヒータ220Aと第2上ヒータ220Bとの間に設けられている。
上記構成の加熱調理器によれば、図10に示すように、循環ファン19は加熱庫2内の空気などを吸込口27を介して吸い込んで循環ダクト18の前部18a内へ送る。このとき、循環ファン19を循環ファン用モータ56側から見て右回転していれば、図12に示すように、第1上ヒータ220Aへ流れる空気などの量が、第2上ヒータ220Bへ流れる空気などの量に比べて多くなる。したがって、第1上ヒータ220Aをオンにし、かつ、第2上ヒータ220Bをオフにすると、図12の実線の矢印で示すように、右側の上吹出口28から、第1上ヒータ220Aで加熱された大量の空気などが吹き出される。その結果、上記右側の上吹出口28の下側で、スポット的な加熱を行うことができる。
また、上記右側の上吹出口28から、第1上ヒータ220Aで加熱された大量の空気などが吹き出されるので、上吹出口28の他方の下側の空間を温めなくても、上吹出口28の一方の下側の被加熱物を加熱できる。したがって、左側の上吹出口28の下側の空間を温めるために必要であった時間を省けるので、右側の上吹出口28の下側の被加熱物15の加熱を短時間で終えることができる。
また、上記右側の上吹出口28から、第1上ヒータ220Aで加熱された大量の空気などが吹き出されるので、右側の上吹出口28の下側の被加熱物15の上面を均一に加熱できる。
また、上記循環ファン19を循環ファン用モータ56側から見て左回転させると共に、第1上ヒータ220Aをオフにし、かつ、第2上ヒータ220Bをオンにする。そうすると、図12の二点鎖線の矢印で示すように、左側の上吹出口28から、第2上ヒータ220Bで加熱された大量の空気などが吹き出される。したがって、左側の上吹出口28の下側でも、スポット的な加熱を行うことができる。
また、上記循環ダクト18の前部18a内の左側部側と循環ダクト18の前部18a内の右側部側との間が第1上仕切部271で仕切られるので、第1,第2上ヒータ220A,220Bの一方へ流れる空気などの量を、第1,第2上ヒータ220A,220Bの他方へ流れる空気などの量に比べて確実に多くすることができる。
上記第2実施形態では、循環ダクト18は、第1,第2上ヒータ220A,220Bが内部に配置される前部18aと、この前部18aの後端に連なって斜め下方に延在する接続部18bと、この接続部18bの下端に連なって真下方に延在する後部18cとからなっていたが、第1,第2上ヒータ220A,220Bが内部に配置される前部と、この前部の後端に連なって真下方に延在する後部とからなるようにしてもよい。
上記第2実施形態では、循環ダクト18は、加熱庫2の上側から後側にわたって設けられていたが、加熱庫2の上側から右側部側または左側部側にわたって設けられるようにしてもよい。
上記第2実施形態では、循環ダクト18の前部18a内に第1上仕切部271を設けていたが、第1上仕切部271を設けないようにしてもよい。
上記第2実施形態において、循環ファン19として、例えばシロッコファンまたはターボファンを用いてもよい。このようにする場合、シロッコファンまたはターボファンは、周縁部に沿って設けられた複数の羽根を有し、この各羽根が径方向と略平行(平行を含む)になるようにしてもよい。上記各羽根が径方向と略平行であると、シロッコファンまたはターボファンの右回転時に第1上ヒータ220Aに送られる空気などの量と、シロッコファンまたはターボファンの左回転時に第2上ヒータ220Bに送られる空気などの量との
差を小さくすることができる。
上記第2実施形態では、循環ダクト18の接続部18b,後部18c内には、上仕切部
271のような仕切部を設けていなかったが、図13に示すように、後仕切部272を設けてもよい。この後仕切部272は循環ダクト18の後部18c内の左側部側と循環ダクト18の後部18c内の右側部側との間を仕切る。なお、図13に示すようにする場合、後仕切部272は第2仕切部の一例である。また、中ヒータ21は第3ヒータ(図10に
示す)の一例である。
また、上記後仕切部272を設ける場合、複数の第1後吹出口29のうち、循環ダクト18の後部18c内の右側部側の空間に対向する第1後吹出口29(以下、「右側の第1
後吹出口29」と言う)は、循環ダクト18の後部18c内の右側部側からの空気などを
加熱庫2内に吹き出す。なお、右側の第1後吹出口29は第3吹出口の一例である。
また、上記後仕切部272を設ける場合、複数の第1後吹出口29のうち、循環ダクト18の後部18c内の左側部側の空間に対向する第1後吹出口29(以下、「左側の第1
後吹出口29」と言う)は、循環ダクト18の後部18c内の左側部側からの空気などを
加熱庫2内に吹き出す。なお、左側の第1後吹出口29は第4吹出口の一例である。
このように、上記後仕切部272が循環ダクト18の後部18c内の左側部側と循環ダクト18の後部18c内の右側部側との間を仕切ることにより、上記左側部側と上記右側部側とのうちの一方を流れる空気などの量を、上記左側部側と上記右側部側の他方を流れる空気などの量に比べて確実に多くすることができる。このとき、循環ファン19を循環ファン用モータ56側から見て右回転させた場合、上記左側部側を流れる空気などの量を、上記右側部側を流れる空気などの量に比べて確実に多くすることができる。したがって、その場合、中ヒータ21をオンにすると、左側の第1後吹出口29から、中ヒータ21で加熱された大量の空気などが吹き出される。その結果、左側の第1後吹出口29の前側の被加熱物15を効果的に加熱できる。
また、上記被加熱物15が調理網93を介して調理トレイ91に搭載されている場合、左側の第1後吹出口29は調理トレイ91の後部近傍に位置するので、左側の第1後吹出口29からの空気などを被加熱物15と調理トレイ91の間に流すことができる。したがって、左側の第1後吹出口29の前側の被加熱物15の下面を均一に加熱できる。
また、上記循環ファン19を循環ファン用モータ56側から見て左回転させた場合、上記右側部側を流れる空気などの量を、上記左側部側を流れる空気などの量に比べて確実に多くすることができる。したがって、その場合、中ヒータ21をオンにすると、右側の第1後吹出口29から、中ヒータ21で加熱された大量の空気などが吹き出される。その結果、右側の第1後吹出口29の前側の被加熱物15を効果的に加熱できると共に、その被加熱物15の下面を均一に加熱できる。
なお、図13では、図11と同様に、構成を判り易くするため、循環ダクト18の一部などの図示を省略している。
ところで、特開2004−333109号公報の加熱調理器は、加熱庫と、この加熱庫の後部の中央部に設けられた複数の吸込口と、加熱庫の後部に、吸込口を取り囲むように設けられた複数の吹出口とを備えている。この吸込口の後側には、遠心ファンである循環ファンが配置されている。また、循環ファンが径方向外側に吹き出した空気は、循環ファンを取り囲む環状のヒータで加熱された後、各吹出口から吹き出されるようになっている。
また、上記加熱調理器では、加熱庫内に調理トレイを入れることによって、加熱庫内を上部空間と下部空間とに仕切って、この上部空間および下部空間のそれぞれで被加熱物を加熱できるようになっている。すなわち、いわゆる2段調理を行うことができるようになっている。
しかしながら、上記加熱調理器では、2段調理を行う場合、ヒータで加熱された空気が上記上部空間および下部空間に供給されるため、上記上部空間と下部空間とで互いに異なる調理を行うことができないという問題がある。
例えば、上記上部空間を使って焼き調理を行う一方、上記下部空間を使って蒸し調理を行うということはできない。
したがって、この発明の課題は、上記上部空間と下部空間とで互いに異なる調理を行うことができる加熱調理器を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための加熱調理器について説明する。
〔第3実施形態〕
図14はこの発明の第3実施形態の加熱調理器の制御ブロック図である。この図14では、上記第1実施形態の加熱調理器の構成部と同一の構成部については、上記第1実施形態の加熱調理器の構成部の参照番号と同一の参照番号を付している。また、以下の説明においても、上記第1実施形態の構成部と同一の構成部は、上記第1実施形態の構成部の参照番号と同一の参照番号を付している。
上記加熱調理器は、制御装置300を備え、いわゆる2段別調理を行えるようになっている。この制御装置300は、上記第1実施形態の制御装置100と同様に、マイクロコンピュータと入出力回路などからなっている。この制御装置300には、上ヒータ20,
中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気発生用ヒータ34,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ6
0,給気ダンパ用モータ61,操作パネル9,蒸気センサ53,水位センサ38,チューブポ
ンプ25,マグネトロン4,上庫内温度センサ370A,下庫内温度センサ370Bなどが
接続されている。また、制御装置300は、操作パネル9,蒸気センサ53,水位センサ38,上庫内温度センサ370A,下庫内温度センサ370Bなどからの信号に基づいて、上ヒータ20,中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気発生用ヒータ34,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ60,給気ダンパ用モータ61,チューブポンプ25などを制御する。なお、中ヒータ21はヒータの一例である。また、循環ファン19はファンの一例である。また、第2,第3後吹出口30,31は、第2後吹出口の一例であり、下吹出口の一例である。
上記上庫内温度センサ370Aは、加熱庫2内の上部空間373A(図16,図17に示す)の温度を検出し、この温度を示す信号を制御装置300に送出する。
上記下庫内温度センサ370Bは、加熱庫2内の下部空間373B(図16,図17に示す)の温度を検出し、この温度を示す信号を制御装置300に送出する。
また、上記制御装置300は、2段別調理のための第1,第2調理制御部300a,300bを有している。この第1,第2調理制御部300a,300bは、それぞれ、ソフトウエアで構成されている。
上記第1調理制御部300aは、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間が開かれた状態で、循環ファン19が循環ダクト18内の飽和蒸気を第2,第3後吹出口
30,31に送るように、循環ダンパ23、循環ファン19および飽和蒸気発生装置24
を制御する。これにより、加熱庫2内の下部空間373Bで蒸し調理が行えるようになっている。
上記第2調理制御部300bは、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間が閉じられた状態で、循環ファン19が循環ダクト18内の空気などを上ヒータ20に送るように、循環ダンパ23、循環ファン19、上ヒータ20および中ヒータ21を制御する。これにより、加熱庫2内の上部空間373Aで焼き調理が行えるようになっている。
図15は、上記加熱調理器が蒸し調理および焼き調理を行うときの動作を説明するためのタイムチャートである。
上記加熱調理器は、加熱庫2内の下部空間373Bで蒸し調理が行った後、加熱庫2内の上部空間373Aで焼き調理を行う。すなわち、上記加熱調理器では、蒸し調理および焼き調理からなる2段別調理が行われる。
上記蒸し調理中では、上ヒータ20、中ヒータ21および下ヒータ22は継続的にオフされるが、蒸気発生用ヒータ34および循環ファン用モータ56は継続的にオンされる。また、循環ダンパ23は、蒸し調理中、第1後吹出口29を閉じる。これにより、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間は開かれた状態になる。
一方、上記焼き調理中では、上ヒータ20、中ヒータ21および蒸気発生用ヒータ34は断続的にオンされたり、循環ファン用モータ56は継続的にオンされたりするが、下ヒータ22は継続的にオフされる。また、循環ダンパ23は、焼き調理中、第1後吹出口29を開く。これにより、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間は閉じられた状態になる。
また、上記焼き調理中、蒸気発生用ヒータ34から循環ダクト18内に供給された蒸気は、上ヒータ20および中ヒータ21の加熱で過熱蒸気となって上部空間373Aを循環する。
また、上記焼き調理中、下庫内温度センサ370Aが検出した温度に基づいて、下部空間373Bの温度が100℃を超えないように、上ヒータ20および中ヒータ21がオンオフされる。
上記構成の加熱調理器が2段別調理を行う場合、図16,図17に示すように、まず、
蒸すための被加熱物315Aを調理網93を介して搭載した調理トレイ91を、加熱庫2内に収容する。このとき、調理トレイ91が、加熱庫2内を上部空間373Aと下部空間373Bとに仕切る。また、焼くための被加熱物315Bを調理網94を介して搭載した調理トレイ92を、調理トレイ91の下側に位置するように、加熱庫2内に収容する。
次に、上記カラー液晶表示部10に所定操作を行って、スタートキー13を押すと、2段別調理が開始する。そうすると、第1,第2調理制御部300a,300bの制御が順次行われる。
より詳しくは、上記第1調理制御部300aは、図16に示すように、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間が開かれた状態で、飽和蒸気発生装置24から循環ダクト18内に供給された飽和蒸気が、循環ファン19によって、第2,第3後吹出口3
0,31に直接送られるように、循環ダンパ23、循環ファン19および飽和蒸気発生装
置24などを制御する。これにより、図16の矢印で示すような気流が生じて、飽和蒸気を第2,第3後吹出口30を介して調理トレイ91下の下部空間373Bに供給すること
ができる。その結果、下部空間373Bで蒸し調理を行って、被加熱物315Bを蒸すことができる。
また、上記第2調理制御部300bは、図17に示すように、循環ファン19と第2,
第3後吹出口30,31との間が閉じられた状態で、循環ファン19が循環ダクト18内
の空気などを上ヒータ20に送るように、かつ、加熱庫2内から循環ダクト18内に吸い込まれた空気などが、上ヒータ20および中ヒータ21によって、加熱されるように、循環ダンパ23、循環ファン19、上ヒータ20および中ヒータ21などを制御する。これにより、図17の矢印で示すような気流が生じて、高温の空気などを上吹出口28,第1
後吹出口29を介して上部空間373Aに供給することができる。したがって、上部空間373Aで焼き調理を行って、被加熱物315Aを焼くことができる。
また、上記第2調理制御部300bが循環ダンパ23などを制御するとき、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間が閉じられた状態になるので、高温の空気などが第2,第3後吹出口30,31から下部空間373Bに供給されるのを防ぐことができる。したがって、下部空間373Bで行う蒸し調理への悪影響を防ぐことができる。すなわち、蒸した被加熱物315Bが焼かれるのを防ぐことができる。
したがって、上記加熱調理器は、上部空間373Aと下部空間373Bとで互いに異なる調理を行うことができる。
また、上記焼き調理中、下庫内温度センサ370Bが検出した温度に基づいて、下部空間373Bの温度が100℃を超えないように、上ヒータ20および中ヒータ21がオンオフするので、被加熱物315Bの乾燥を抑制できる。
また、上記吸込口27は上部空間373Aに開口するので、下部空間373Bの飽和蒸気が吸込口27に吸い込まれ難い。これにより、下部空間373Bの飽和蒸気の減少を防いで、被加熱物315Bの乾燥をさらに抑制できる。
また、上記下部空間373Bで蒸し調理を行うとき、循環ダンパ23が第1後吹出口29を閉じるので、飽和蒸気が第1後吹出口29から上部空間373Aに供給されるのを防ぐことができる。したがって、下部空間373Bへの飽和蒸気の供給効率を高めることができるので、下部空間373Bに所望量の飽和蒸気を短時間で充填できる。その結果、蒸し調理に要する時間を低減できる。
また、上記上部空間373Aで焼き調理を行うとき、循環ダンパ23が循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間を閉じるので、高温の空気などが第2,第3後吹出
口30,31から下部空間373Bに供給されるのを防ぐことができる。したがって、上
部空間373Aへの高温の空気などの供給効率を高めることができるので、上部空間373Aの温度を短時間で所望温度にすることができる。その結果、焼き調理に要する時間を低減できる。
上記第3実施形態では、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間を開閉すると共に、第1後吹出口29も開閉する循環ダンパ23を用いていたが、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間を開閉するだけのダンパを用いてもよい。
上記第3実施形態では、循環ダクト18は、上ヒータ20が内部に配置される前部18
aと、この前部18aの後端に連なって斜め下方に延在する接続部18bと、この接続部18bの下端に連なって真下方に延在する後部18cとからなっていたが、上ヒータ20が内部に配置される前部と、この前部の後端に連なって真下方に延在する後部とからなるようにしてもよい。
上記第3実施形態では、循環ダクト18は、加熱庫2の上側から後側にわたって設けられていたが、加熱庫2の上側から右側部側または左側部側にわたって設けられるようにしてもよい。
上記第3実施形態において、循環ファン19として、例えばシロッコファンまたはターボファンを用いてもよい。このようにする場合、シロッコファンまたはターボファンは、周縁部に沿って設けられた複数の羽根を有し、この各羽根が径方向と略平行(平行を含む)になるようにしてもよい。
上記第3実施形態では、第1,第2調理制御部300a,300bはソフトウエアで構成されていたが、第1,第2調理制御部300a,300bのうちの少なくとも一方がハードウエアで構成されるようにしてもよい。
〔第4実施形態〕
図18はこの発明の第4実施形態の加熱調理器の制御ブロック図である。この図18では、上記第1実施形態の加熱調理器の構成部と同一の構成部については、上記第4実施形態の加熱調理器の構成部の参照番号と同一の参照番号を付している。また、以下の説明においても、上記第1実施形態の構成部と同一の構成部は、上記第3実施形態の構成部の参照番号と同一の参照番号を付している。
上記加熱調理器は、制御装置400を備え、いわゆる2段別調理を行えるようになっている。この制御装置400は、上記第1実施形態の制御装置100と同様に、マイクロコンピュータと入出力回路などからなっている。この制御装置400には、上ヒータ20,
中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気発生用ヒータ34,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ6
0,給気ダンパ用モータ61,操作パネル9,蒸気センサ53,水位センサ38,チューブポ
ンプ25,マグネトロン4,上庫内温度センサ470A,下庫内温度センサ470Bなどが
接続されている。また、制御装置400は、操作パネル9,蒸気センサ53,水位センサ38,上庫内温度センサ470A,下庫内温度センサ470Bなどからの信号に基づいて、上ヒータ20,中ヒータ21,下ヒータ22,蒸気発生用ヒータ34,循環ファン用モータ56,排気ファン用モータ57,給気ファン用モータ58,循環ダンパ用モータ59,排気ダンパ用モータ60,給気ダンパ用モータ61,チューブポンプ25などを制御する。なお、上ヒータ20および中ヒータ21はヒータの一例である。また、上庫内温度センサ470Aは温度センサの一例である。
上記上庫内温度センサ370Aは、加熱庫2内の上部空間473A(図20に示す)の温度を検出し、この温度を示す信号を制御装置400に送出する。この上部空間473Aは、調理トレイ91と扉3との間の隙間を介して、下部空間473B(図20に示す)と連通している。
上記下庫内温度センサ370Bは、加熱庫2内の下部空間473Bの温度を検出し、この温度を示す信号を制御装置400に送出する。
また、上記制御装置400は、2段別調理のための調理制御部400aを有している。この調理制御部400aはソフトウエアで構成されている。また、調理制御部400は、
上庫内温度センサ470Aが検出した温度に基づいて、加熱庫2内の上部空間473が100℃を超える温度になったとき、飽和蒸気が蒸気供給口37を介して上部空間473Aに供給されるように、飽和蒸気発生装置24を制御する。これにより、加熱庫2内の下部空間473Bで蒸し調理が行える一方、加熱庫2内の上部空間473Aで焼き調理が行えるようになっている。
図19は、上記加熱調理器が蒸し調理および焼き調理を行うときの動作を説明するためのタイムチャートである。
上記加熱調理器は、加熱庫2内の上部空間373Aで焼き調理を行いながら、加熱庫2内の下部空間373Bで蒸し調理を行う。すなわち、蒸し調理および焼き調理が同時に進行する。
上記蒸し調理および焼き調理が同時に進行するとき、上ヒータ20、中ヒータ21、蒸気発生用ヒータ34および循環ファン用モータ56は断続的にオンされるが、下ヒータ22は継続的にオフされる。このとき、循環ダンパ23は循環ファン19と第2,第3後吹
出口30,31との間を閉じる。
より詳しくは、上記蒸気発生用ヒータ34がオンされるとき、上ヒータ20、中ヒータ21および循環ファン用モータ56はオフされる。そして、蒸気発生用ヒータ34がオフされるとき、上ヒータ20、中ヒータ21および循環ファン用モータ56はオンされる。すなわち、蒸気発生用ヒータ34のオンオフは、上ヒータ20、中ヒータ21および循環ファン用モータ56のオンオフと逆にされる。なお、蒸気発生用ヒータ34は、例えば、40秒のオフと、例えば20秒のオンとを交互に繰り返すようにしてもよい。このようにする場合、上ヒータ20、中ヒータ21および循環ファン用モータ56は、それぞれ、40秒のオンと、例えば20秒のオフとを交互に繰り返すようにする。
上記構成の加熱調理器によれば、2段別調理を行う場合、図20に示すように、まず、蒸すための被加熱物415Aを調理網93を介して搭載した調理トレイ91を、加熱庫2内に収容する。このとき、調理トレイ91が、加熱庫2内を上部空間473Aと下部空間473Bとに仕切る。また、焼くための被加熱物415Bを調理網94を介して搭載した調理トレイ92を、調理トレイ91の下側に位置するように、加熱庫2内に収容する。
次に、上記カラー液晶表示部10に所定操作を行って、スタートキー13を押すと、2段別調理が開始する。すなわち、調理制御部400aの制御が開始する。
より詳しくは、上記調理制御部400aは、上庫内温度センサ470Aが検出した温度に基づいて、上部空間473Aが100℃を超える温度になったとき、飽和蒸気が蒸気供給口を介して上部空間473Aに供給されるように、飽和蒸気発生装置24を制御する。これにより、上部空間473Aに飽和蒸気が供給されるが、上部空間473Aよりも温度が低い飽和蒸気は、調理トレイ91の上面に沿って流れて、調理トレイ91と扉3との間の隙間を介して、下部空間473Bへ流れ落ちる。その結果、下部空間473Bに飽和蒸気を充填して、下部空間473Bで蒸し調理を行うことができる。
また、上記飽和蒸気は、調理トレイ91と扉3との間の隙間を介して、下部空間473へ流れ落ちるので、上部空間473Aで焼き調理を行うことができる。
したがって、上記加熱調理器は、上部空間473Aと下部空間とで互いに異なる調理を行うことができる。
また、上記調理制御部400aが飽和蒸気発生装置24などを制御することにより、図21に示すように、上部空間473Aの温度を上げながら、下部空間473Bの温度を上げることができる。
上記第4実施形態において、下庫内温度センサ470Bが検出した温度に基づいて、下部空間373Bの温度が100℃を超えないように、上ヒータ20および中ヒータ21をオンオフしてもよい。
上記第4実施形態では、飽和蒸気は、調理トレイ91と扉3との間の隙間を介して、下部空間473へ流れ落ちていたが、加熱庫2と調理トレイ91との間に設けられた隙間を介して、下部空間473へ流れ落ちるようにしてもよい。
上記第4実施形態では、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間を開閉すると共に、第1後吹出口29も開閉する循環ダンパ23を用いていたが、循環ファン19と第2,第3後吹出口30,31との間を開閉するだけのダンパを用いてもよい。
上記第4実施形態では、循環ダクト18は、上ヒータ20が内部に配置される前部18aと、この前部18aの後端に連なって斜め下方に延在する接続部18bと、この接続部18bの下端に連なって真下方に延在する後部18cとからなっていたが、上ヒータ20が内部に配置される前部と、この前部の後端に連なって真下方に延在する後部とからなるようにしてもよい。
上記第4実施形態では、循環ダクト18は、加熱庫2の上側から後側にわたって設けられていたが、加熱庫2の上側から右側部側または左側部側にわたって設けられるようにしてもよい。
上記第4実施形態において、循環ファン19として、例えばシロッコファンまたはターボファンを用いてもよい。このようにする場合、シロッコファンまたはターボファンは、周縁部に沿って設けられた複数の羽根を有し、この各羽根が径方向と略平行(平行を含む)になるようにしてもよい。
上記第4実施形態では、調理制御部400aはソフトウエアで構成されていたが、調理制御部400aがハードウエアで構成されるようにしてもよい。
すなわち、この発明および実施形態を纏めると、次のようになる。
この発明の加熱調理器は、
ケーシング1と、
上記ケーシング1内に設けられた加熱庫2と、
上記加熱庫2内にマイクロ波を供給するマイクロ波発生装置4と、
上記加熱庫2内に、上記加熱庫2の後部2dとの間に隙間を有するように配置されると共に、被加熱物15を直接的または間接的に搭載する調理トレイ91と、
上記加熱庫2の後側に設けられ、熱媒体が上方から下方に向かって流れるダクト18と、
上記加熱庫2の後部2dに、上記隙間よりも上側に位置するように、かつ、上記調理トレイ91の後部2d近傍に位置するように設けられると共に、上記ダクト18と連通して上記熱媒体を上記加熱庫2内へ吹き出す吹出口29と、
上記吹出口29の後側に設けられ、上記熱媒体の流れを整える整流構造62と
を備え、
上記整流構造62は、水平方向と略平行な方向に延びる第1案内面63を下側に有する
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記整流構造62の下側の第1案内面63が水平方向と略平行な方向に延びているので、吹出口29から吹き出された熱媒体のうち、加熱庫2の後部2dと調理トレイ91との間の隙間を通過する熱媒体を減らすことができる。したがって、上記調理トレイ91上に沿って流れる熱媒体を増やすことできるので、調理トレイ91上の被加熱物15を効率良く加熱することができる。
また、上記被加熱物15が例えば調理網93を介して調理トレイ91上に搭載されている場合、調理トレイ91上に沿って流れる熱媒体を増やすことできるので、被加熱物15の裏面を効率良く焼くことができる。
また、上記調理トレイ91が加熱庫2内に配置されたとき、加熱庫2の後部2dとの間に隙間が生じるので、加熱庫2内に調理トレイ91が配置された状態で、マイクロ波が誤って加熱庫2内に供給されたとしても、放電が加熱庫2内で起き難くなる。
一実施形態の加熱調理器では、
上記整流構造62は、前端が後端より低くなるように傾斜する第2案内面64を上側に有する。
上記実施形態によれば、上記整流構造62の上側の第2案内面64は前端が後端より低くなるように傾斜するので、調理トレイ91上に沿って流れる熱媒体をさらに増やすことできる。
一実施形態の加熱調理器では、
上記ダクト18内に設けられ、上記吹出口29を開閉するダンパ23を備え、
上記ダンパ23は、開放時、前端が後端より低くなるように傾斜する。
上記実施形態によれば、上記ダンパ23は、開放時、前端が後端より低くなるように傾斜するので、上方からの熱媒体をスムーズに吹出口29へ流すことができる。
一実施形態の加熱調理器では、
上記ダクト18は、上記加熱庫2の上側に位置する上部18aと、この上部18aの一端に連なって下方に延在する下方延在部18b,18cとを有し、
上記ダクト18の上記上部18a内へ熱媒体を送る正逆回転可能な遠心ファン19と、
上記ダクト18の上記上部18a内の一方側に配置された第1ヒータ220Aと、
上記ダクト18の上記上部18a内の他方側に配置された第2ヒータ220Bと、
上記加熱庫2の上部18aに設けられ、上記第1ヒータ220Aからの熱媒体を上記加熱庫2内へ吹き出す第1上吹出口28と、
上記加熱庫22の上部18aに設けられ、上記第2ヒータ220Bからの熱媒体を上記加熱庫2内へ吹き出す第2上吹出口28と
を備える。
ここで、「一方側」とは一側部側または前部側を指す。また、「他方側」とは、「一方側」が一側部側を指す場合、他側部側を指し、「一方側」が前部側を指す場合、後部側を指す。
上記実施形態によれば、上記遠心ファン19を正回転させると、遠心ファン19からダクト18の上部18a内へ熱媒体が送られる。このとき、上記第1,第2ヒータ220A,220Bの一方へ流れる熱媒体の量が、第1,第2ヒータ220A,220Bの他方へ流れ
る熱媒体の量に比べて多くなる。したがって、上記第1,第2ヒータ220A,220Bの一方をオンにし、かつ、第1,第2ヒータ220A,220Bの他方をオフにすると、第1,第2吹出口28,28の一方から、第1,第2ヒータ220A,220Bの一方で加熱された大量の熱媒体が吹き出される。その結果、上記第1,第2吹出口28,28の一方の下側で、スポット的な加熱を行うことができる。
また、上記第1,第2吹出口28,28の一方から、第1,第2ヒータ220A,220Bの一方で加熱された大量の熱媒体が吹き出されるので、第1,第2吹出口28,28の他方の下側の空間を温めなくても、第1,第2吹出口28,28の一方の下側の被加熱物15を加熱できる。したがって、上記第1,第2吹出口28,28の他方の下側の空間を温めるために必要であった時間を省けるので、第1,第2吹出口28,28の一方の下側の被加熱物15の加熱を短時間で終えることができる。
また、上記第1,第2吹出口28,28の一方から、第1,第2ヒータ220A,220Bの一方で加熱された大量の熱媒体が吹き出されるので、第1,第2吹出口28,28の一方の下側の被加熱物15の上面を均一に加熱できる。
また、上記遠心ファン19を逆回転させた場合、第1,第2ヒータ220A,220Bの一方をオフにし、かつ、第1,第2ヒータ220A,220Bの他方をオンにすると、第1,第2吹出口28,28の他方から、第1,第2ヒータ220A,220Bの他方で加熱された大量の熱媒体が吹き出される。したがって、上記第1,第2吹出口28,28の他方の下側でも、スポット的な加熱を行うことができる。
一実施形態の加熱調理器では、
上記調理トレイ91は、上記加熱庫2内を上部空間373Aと下部空間373Bとに仕切り、
上記後吹出口29は、上記上部空間373Aに開口する第1後吹出口29であり、
上記加熱庫2は、上記第1後吹出口29よりも下側に位置するように、上記加熱庫2の後部2dに設けられ、上記下部空間373Bに開口する第2後吹出口30,31を有し、
上記ダクト18は、上記第1後吹出口29を介して上記上部空間373Aと連通すると共に、上記第2後吹出口30,31を上記下部空間373Bと連通し、
上記ダクト18内に供給される飽和蒸気を発生させる飽和蒸気発生装置24と、
上記ダクト18内に配置されたファン19と、
少なくとも一部が上記ファン19と上記第1後吹出口29との間に配置されたヒータ21と、
上記ファン19と上記第2後吹出口30,31との間を開閉するダンパ23と、
上記ファン19と上記第2後吹出口30,31との間を開いて、上記ファン19が上記
ダクト18内の飽和蒸気を上記第2後吹出口30,31に送るように、上記ダンパ23、
ファン19および飽和蒸気発生装置24を制御する第1調理制御部300aと、
上記ファン19と上記第2後吹出口30,31との間を閉じて、上記ファン19が上記
ダクト18内の熱媒体を上記ヒータ21に送り、かつ、上記ヒータ21が上記熱媒体を加熱するように、上記ダンパ23、ファン19およびヒータ21を制御する第2調理制御部300bと
を備える。
上記実施形態によれば、上記第1調理制御部300aは、ファン19と第2後吹出口30,31との間が開かれた状態で、ファン19がダクト18内の飽和蒸気を第2後吹出口
30,31に送るように、ダンパ23、ファン19および飽和蒸気発生装置24を制御す
る。これにより、上記飽和蒸気を第2後吹出口30,31を介して下部空間373Bに供
給することができる。したがって、上記下部空間373Bで蒸し調理を行うことができる
また、上記第2調理制御部300bは、ファン19と第2後吹出口30,31との間が
閉じられた状態で、ファン19がダクト18内の熱媒体をヒータ21に送り、かつ、ヒータ21が熱媒体を加熱するように、ダンパ23、ファン19およびヒータ21を制御する。これにより、高温の熱媒体を第1後吹出口29を介して上部空間373Aに供給することができる。したがって、上記上部空間373Aで焼き調理を行うことができる。
また、上記第2調理制御部300bがダンパ23などを制御するとき、ファン19と第2後吹出口30,31との間が閉じられた状態になるので、ヒータ21で加熱された熱媒
体が第2後吹出口30,31から下部空間373Bに供給されるのを防ぐことができる。
したがって、上記下部空間373Bで行う蒸し調理への悪影響を防ぐことができる。
したがって、上記加熱調理器は、上部空間373Aと下部空間373Bとで互いに異なる調理を行うことができる。
この発明の加熱調理器は、
ケーシング1と、
上記ケーシング1内に設けられ、被加熱物15を収容する加熱庫2と、
上記加熱庫2外に設けられて、上記加熱庫2の上側に位置する上部18aと、この上部18aの一端に連なって下方に延在する下方延在部18b,18cとを有するダクト18
と、
上記ダクト18の上記上部18a内へ熱媒体を送る正逆回転可能な遠心ファン19と、
上記ダクト18の上記上部18a内の一方側に配置された第1ヒータ220Aと、
上記ダクト18の上記上部18a内の他方側に配置された第2ヒータ220Bと、
上記加熱庫2の上部18aに設けられ、上記第1ヒータ220Aからの熱媒体を上記加熱庫2内へ吹き出す第1吹出口28と、
上記加熱庫2の上部18aに設けられ、上記第2ヒータ220Bからの熱媒体を上記加熱庫2内へ吹き出す第2吹出口28と
を備えることを特徴としている。
ここで、「一方側」とは一側部側または前部側を指す。また、「他方側」とは、「一方側」が一側部側を指す場合、他側部側を指し、「一方側」が前部側を指す場合、後部側を指す。
上記構成によれば、上記遠心ファン19を正回転させると、遠心ファン19からダクト18の上部18a内へ熱媒体が送られる。このとき、上記第1,第2ヒータ220A,220Bの一方へ流れる熱媒体の量が、第1,第2ヒータ220A,220Bの他方へ流れる熱媒体の量に比べて多くなる。したがって、上記第1,第2ヒータ220A,220Bの一方をオンにし、かつ、第1,第2ヒータ220A,220Bの他方をオフにすると、第1,第
2吹出口28,28の一方から、第1,第2ヒータ220A,220Bの一方で加熱された
大量の熱媒体が吹き出される。その結果、上記第1,第2吹出口28,28の一方の下側で、スポット的な加熱を行うことができる。
また、上記第1,第2吹出口28,28の一方から、第1,第2ヒータ220A,220Bの一方で加熱された大量の熱媒体が吹き出されるので、第1,第2吹出口28,28の他方の下側の空間を温めなくても、第1,第2吹出口28,28の一方の下側の被加熱物15を加熱できる。したがって、上記第1,第2吹出口28,28の他方の下側の空間を温めるために必要であった時間を省けるので、第1,第2吹出口28,28の一方の下側の被加熱物15の加熱を短時間で終えることができる。
また、上記第1,第2吹出口28,28の一方から、第1,第2ヒータ220A,220Bの一方で加熱された大量の熱媒体が吹き出されるので、第1,第2吹出口28,28の一方の下側の被加熱物15の上面を均一に加熱できる。
また、上記遠心ファン19を逆回転させた場合、第1,第2ヒータ220A,220Bの一方をオフにし、かつ、第1,第2ヒータ220A,220Bの他方をオンにすると、第1,第2吹出口28,28の他方から、第1,第2ヒータ220A,220Bの他方で加熱された大量の熱媒体が吹き出される。したがって、上記第1,第2吹出口28,28の他方の下側でも、スポット的な加熱を行うことができる。
一実施形態の加熱調理器は、
上記ダクト18の上記上部18a内の一方側と上記ダクト18の上記上部18a内の他方側との間を仕切る第1仕切部271を備える。
上記実施形態によれば、上記ダクト18の上記上部18a内の一方側と上記ダクト18の上記上部18a内の他方側との間が第1仕切部271で仕切られるので、第1,第2ヒ
ータ220A,220Bの一方へ流れる空気などの量を、第1,第2ヒータ220A,22
0Bの他方へ流れる空気などの量に比べて確実に多くすることができる。
一実施形態の加熱調理器は、
上記加熱庫2内に配置され、上記被加熱物15を直接的または間接的に搭載する調理トレイ91と、
上記遠心ファン19から上記ダクト18の上記下方延在部18b,18c内へ向かう熱
媒体を加熱する第3ヒータ21と、
上記ダクト18の上記下方延在部18b,18c内の一方側と上記ダクト18の上記下
方延在部18b,18c内の他方側との間を仕切る第2仕切部と、
上記加熱庫2の後部2dまたは側部2b,2cに、上記調理トレイ91近傍に位置する
ように設けられ、上記ダクト18の上記下方延在部18b,18c内の一方側からの熱媒
体を上記加熱庫2内に吹き出す第3吹出口29と、
上記加熱庫2の後部2dまたは側部2b,2cに、上記調理トレイ91近傍に位置する
ように設けられ、上記ダクト18の上記下方延在部18b,18c内の他方側からの熱媒
体を上記加熱庫2内に吹き出す第4吹出口29と
を備える。
ここで、「一方側」とは一側部側または前部側を指す。また、「他方側」とは、「一方側」が一側部側を指す場合、他側部側を指し、「一方側」が前部側を指す場合、後部側を指す。
上記実施形態によれば、上記第2仕切部272がダクト18の下方延在部18b,18
c内の一方側とダクト18の下方延在部18b,18c内の他方側との間を仕切る。これ
により、上記一方側と上記他方側との一方を流れる熱媒体の量を、上記一方側と上記他方側との他方を流れる熱媒体の量に比べて確実に多くすることができる。したがって、上記遠心ファン19を正回転させた場合、第3ヒータ21をオンにすると、第3,第4吹出口
29,29の一方から、第3ヒータ21で加熱された大量の熱媒体が吹き出される。その
結果、上記第3,第4吹出口29,29の一方の前側の被加熱物15を効果的に加熱できる。
また、上記被加熱物15が例えば調理網93を介して調理トレイ91に搭載されている場合、第3,第4吹出口29,29の一方は調理トレイ91近傍に位置するので、第3,第
4吹出口29,29の一方からの熱媒体を被加熱物15と調理トレイ91の間に流すこと
ができる。したがって、上記第3,第4吹出口29,29の一方の前側の被加熱物15の下面を均一に加熱できる。
また、上記遠心ファン19を逆回転させた場合、第3ヒータ21をオンにすると、第3,第4吹出口29,29の他方から、第3ヒータ21で加熱された大量の熱媒体が吹き出される。その結果、上記第3,第4吹出口29,29の他方の前側の被加熱物15を効果的に加熱できると共に、その被加熱物15の下面を均一に加熱できる。
この発明の加熱調理器は、
ケーシング1と、
上記ケーシング1内に設けられた加熱庫2と、
上記加熱庫2内に配置されて、上記加熱庫2内を上部空間373Aと下部空間373Bとに仕切る調理トレイ91と、
上記加熱庫2に設けられ、上記上部空間373Aに開口する上吹出口29と、
上記加熱庫2に設けられ、上記下部空間373Bに開口する下吹出口30,31と、
上記加熱庫2外に設けられ、上記上吹出口29および下吹出口30,31を介して上記
加熱庫2内と連通するダクト18と、
上記ダクト18内に供給される飽和蒸気を発生させる飽和蒸気発生装置24と、
上記ダクト18内に配置されたファン19と、
少なくとも一部が上記ファン19と上記上吹出口29との間に配置されたヒータ21と、
上記ファン19と上記下吹出口30,31との間を開閉するダンパ23と、
上記ファン19と上記下吹出口30,31との間が開かれた状態で、上記ファン19が
上記ダクト18内の飽和蒸気を上記下吹出口30,31に送るように、上記ダンパ23、
ファン19および飽和蒸気発生装置24を制御する第1調理制御部300aと、
上記ファン19と上記下吹出口30,31との間が閉じられた状態で、上記ファン19
が上記ダクト18内の熱媒体を上記ヒータ21に送り、かつ、上記ヒータ21が上記熱媒体を加熱するように、上記ダンパ23、ファン19およびヒータ21を制御する第2調理制御部300bと
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、上記第1調理制御部300aは、ファン19と下吹出口30,31
との間が開かれた状態で、ファン19がダクト18内の飽和蒸気を下吹出口30,31に
送るように、ダンパ23、ファン19および飽和蒸気発生装置24を制御する。これにより、上記飽和蒸気を下吹出口30,31を介して下部空間373Bに供給することができ
る。したがって、上記下部空間373Bで蒸し調理を行うことができる。
また、上記第2調理制御部300bは、ファン19と下吹出口30,31との間が閉じ
られた状態で、ファン19がダクト18内の熱媒体をヒータ21に送り、かつ、ヒータ21が熱媒体を加熱するように、ダンパ23、ファン19およびヒータ21を制御する。これにより、高温の熱媒体を上吹出口29を介して上部空間373Aに供給することができる。したがって、上記上部空間373Aで焼き調理を行うことができる。
また、上記第2調理制御部300bがダンパ23などを制御するとき、ファン19と下吹出口30,31との間が閉じられた状態になるので、ヒータ21で加熱された熱媒体が
下吹出口30,31から下部空間373Bに供給されるのを防ぐことができる。したがっ
て、上記下部空間373Bで行う蒸し調理への悪影響を防ぐことができる。
したがって、上記加熱調理器は、上部空間373Aと下部空間373Bとで互いに異な
る調理を行うことができる。
この発明の加熱調理器は、
ケーシング1と、
上記ケーシング1内に設けられ、前側に開口部2a2aを有する加熱庫2と、
上記開口部2a2aを開閉する扉3と、
上記加熱庫2内に配置されて、上記加熱庫2内を上部空間473Aと下部空間473Bとに仕切る調理トレイ91と、
上記扉3と上記調理トレイ91との間、または、上記加熱庫2と上記調理トレイ91との間に設けられて、上記上部空間473Aと下部空間473Bを互いに連通させる隙間と、
上記加熱庫2に設けられ、上記上部空間473Aに開口する上吹出口28と、
上記上吹出口28から吹き出される熱媒体を加熱するヒータ20,21と、
上記加熱庫2に設けられ、上記上部空間473Aに開口する蒸気供給口37と、
上記蒸気供給口37へ送る飽和蒸気を発生させる飽和蒸気発生装置24と、
上記上部空間473Aの温度を検出する温度センサ470Aと、
上記温度センサ470Aが検出した上記温度に基づいて、上記上部空間473Aが100℃を超える温度になったとき、上記飽和蒸気が上記蒸気供給口37を介して上記上部空間473Aに供給されるように、上記飽和蒸気発生装置24を制御する調理制御部400aと
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、上記調理制御部400aは、温度センサ470Aが検出した上記温度に基づいて、上部空間473Aが100℃を超える温度になったとき、飽和蒸気が蒸気供給口37を介して上部空間473Aに供給されるように、飽和蒸気発生装置24を制御する。これにより、上記上部空間473Aに飽和蒸気が供給されるが、上部空間473Aよりも温度が低い飽和蒸気は上記隙間から下部空間473Bへ流れ落ちる。その結果、上記下部空間473Bに飽和蒸気を充填して、下部空間473Bで蒸し調理を行うことができる。
また、上記飽和蒸気は上記隙間から下部空間473Bへ流れ落ちるので、上部空間473Aで焼き調理を行うことができる。
したがって、上記加熱調理器は、上部空間473Aと下部空間473Bとで互いに異なる調理を行うことができる。
この発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1〜第4実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
1 ケーシング
2 加熱庫
2a 開口部
2d 後部
3 扉
4 マグネトロン
15,315A,315B,415A,415B 被加熱物
18 循環ダクト
18a 前部
18b 接続部
18c 後部
19 循環ファン
20 上ヒータ
21 中ヒータ
22 下ヒータ
23 循環ダンパ
24 蒸気発生装置
25 チューブポンプ
26 給水タンク
27 吸込口
28 上吹出口
29 第1後吹出口
30 第2後吹出口
31 第3後吹出口
62 整流構造
63 第1案内面
64 第2案内面
70 庫内温度センサ
91,92 調理トレイ
93 調理網
220A 第1上ヒータ
220B 第2上ヒータ
271 上仕切部
272 後仕切部
300a 第1調理制御部
300b 第2調理制御部
370A,470A 上庫内温度センサ
370B,470B 下庫内温度センサ
400a 調理制御部

Claims (2)

  1. ケーシングと、
    上記ケーシング内に設けられた加熱庫と、
    上記加熱庫内に配置されて、上記加熱庫内を上部空間と下部空間とに仕切る調理トレイと、
    上記加熱庫に設けられ、上記上部空間に開口する上吹出口と、
    上記加熱庫に設けられ、上記下部空間に開口する下吹出口と、
    上記加熱庫外に設けられ、上記上吹出口および下吹出口を介して上記加熱庫内と連通するダクトと、
    上記ダクト内に供給される飽和蒸気を発生させる飽和蒸気発生装置と、
    上記ダクト内に配置されたファンと、
    少なくとも一部が上記ファンと上記上吹出口との間に配置されたヒータと、
    上記ファンと上記下吹出口との間を開閉するダンパと、
    上記ファンと上記下吹出口との間が開かれた状態で、上記ファンが上記ダクト内の飽和蒸気を上記下吹出口に送るように、上記ダンパ、ファンおよび飽和蒸気発生装置を制御する第1調理制御部と、
    上記ファンと上記下吹出口との間が閉じられた状態で、上記ファンが上記ダクト内の熱媒体を上記ヒータに送り、かつ、上記ヒータが上記熱媒体を加熱するように、上記ダンパ、ファンおよびヒータを制御する第2調理制御部と
    を備えることを特徴とする加熱調理器。
  2. ケーシングと、
    上記ケーシング内に設けられた加熱庫と、
    上記加熱庫内に配置されて、上記加熱庫内を上部空間と下部空間とに仕切る調理トレイと、
    上記加熱庫に設けられ、上記上部空間に開口する上吹出口と、
    上記加熱庫に設けられ、上記下部空間に開口する下吹出口と、
    上記加熱庫外に設けられ、上記上吹出口および下吹出口を介して上記加熱庫内と連通するダクトと、
    上記ダクト内に供給される蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    上記ダクト内に配置されたファンと、
    少なくとも一部が上記ファンと上記上吹出口との間に配置されたヒータと、
    上記ファンと上記下吹出口との間を開閉するダンパと、
    上記蒸気発生装置、ファン、ヒータおよびダンパを制御する制御部と
    を備え、
    上記制御部は、上記ファンと上記下吹出口との間が開かれた状態で、上記ファンが上記ダクト内の蒸気を上記下吹出口に送るようにした後、上記ファンと上記下吹出口との間が閉じられた状態で、上記ファンが上記ダクト内の熱媒体を上記ヒータに送り、かつ、上記ヒータが上記熱媒体を加熱するように、上記蒸気発生装置、ファン、ヒータ、およびダンパを制御することを特徴とする加熱調理器。
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