JP6616174B2 - バンプ付きデバイスシリコン基板の平坦化加工方法 - Google Patents

バンプ付きデバイスシリコン基板の平坦化加工方法 Download PDF

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本発明は、バンプ付きデバイスシリコン基板の平坦化加工方法に関する。本発明の平坦化加工方法によれば、シリコン基面の肉厚を150μm以下に研削加工減少させることが可能である。
バンプ付きデバイスシリコン基板の平坦化加工方法に関しては、バンプの段差をバックグラインディングテープで完全に吸収できないことからシリコン基面の肉厚を150μm以下に研削加工減少させること、および研削加工されたシリコン基面のTTVを5.0μm以下とすることが不可能であった。
先に、本願発明者らは、特開2011−222877号公報(特許文献1)にて、バンプ付き基板の裏面を研削砥石で研削加工して基板を薄肉化する際に使用されるバンプ付き基板用チャックであって、ショア硬度A(JIS K7312)が0〜50、圧縮弾性率(JIS K7312)が1〜7Kgf/cm、粘着強度(JIS Z0237)が0.01〜100gf/25mm幅、厚みがバンプ高さより5μm以上厚い100〜1,000μmのゲルシートを剛体製ロータリーテーブルの表面に接着剤を用いて貼着し、ついで、前記バンプ付き基板用チャックのゲルシートの表面にバンプ付き基板のバンプ面をゲルシート側に対向させながらシリコン基面を押圧してバンプ面をゲルシート厚み内に埋没させて固定し、ついで、カップホイール型研削砥石を用いて前記バンプ付き基板裏面を研削加工して基板厚みを減少させることを特徴とするバンプ付きシリコン基板の裏面研削加工方法を提案した。
また、本願発明者らによる特許第5827277号公報(特許文献2)にて、次の工程を経て半導体装置のシリコン基板面からの銅貫通電極の頭出しを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法を提案した。
(1).半導体回路を形成したシリコン基板の表面側に孔を多数穿孔し、この穿孔内面に絶縁膜とシード層を設け、更にこのシード層内面空間に銅を充填した貫通電極柱を形成する工程。
(2).接着剤シート材または接着剤を用いて前記銅貫通電極が形成されたシリコン基板の表面を基板チャック上に貼付する工程。
(3).基板チャック上の前記銅貫通電極が形成されたシリコン基板の裏面をカップホイール型研削砥石によりシリコンおよび銅を同時に除く研削加工を行い、50nm以下のSi−Cu段差の平坦化表面を得る銅貫通電極の第一次頭出し加工を行う工程。この研削加工の際、基板の研削加工に供されていないカップホイール型砥石の刃先部分に高圧ジェット水を噴出させて刃先に付着した研削屑残滓や砥粒屑を洗い流す。
(4).前記シリコン基板の露出した銅貫通電極柱頭面にのみ、選択的にニッケル無電解メッキ層を形成させる工程。
(5).前記ニッケル無電解メッキ層の形成されていないシリコン面を、アルカリエッチングまたは化学的機械研磨加工して銅貫通電極の第二次頭出し加工を行う工程。
(6).前記銅貫通電極の第二次頭出し加工を行ったシリコン基板の表面に絶縁膜を堆積した後に、研磨加工またはエッチング加工により銅貫通電極柱上の前記絶縁膜を除去する工程。
特開2011−222877号公報 特許第5827277号公報
前記特許文献1のデバイスシリコン基板の平坦化加工方法では、従来技術と同じく、シリコン基面の肉厚を100μm以下に研削加工減少させること、および研削加工されたシリコン基面のTTVを3.5μm以下とすることが不可能であった。また、基板の研削枚数が増加するにつれて、ゲル材研削屑がカップホイール型砥石の刃先に付着し、10枚程度の基板の研削加工により研削砥石を新しい研削砥石に交換する必要に迫られ、基板研削加工による加工基板の大量生産に向かないことが判明した。
前記特許文献2の半導体装置の製造方法は、カップホイール型砥石の刃先に付着したシリコン研削屑や銅屑を洗い流す高圧ジェット洗浄技術を開示するが、樹脂粘着剤、ゲル化剤、接着剤屑を除去する示唆はなされていない。
本願発明者らは、特許文献1発明に、特許文献2発明の高圧ジェット洗浄技術を応用するに適した高圧ジェット洗浄溶液の圧力および噴射角度を見出すことにより、シリコン基面の肉厚を50μm〜100μm未満までに研削加工減少させること、および研削加工されたシリコン基面のTTVを2.0μm未満とすることが可能であるとの着想に到った。
請求項1の発明は、次の(1)から(5)の工程を経ることを特徴とするバンプ付きデバイスシリコン基板の平坦化加工方法を提供するものである。
(1).バンプ付きデバイスシリコン基板のバンプ面に接着剤層を設ける。
(2).この接着剤層が上面となり前記バンプ付きデバイスシリコン基板のシリコン基板面が下面となるように前記バンプ付きデバイスシリコン基板を研削装置の吸着チャックに固定する。
(3).前記吸着チャックに固定された前記バンプ付きデバイスシリコン基板の前記接着剤層をカップホイール型研削砥石によりダウンフィード研削加工し、前記接着剤層の表面が前記バンプ付きデバイスシリコン基板のバンプを被覆している厚みまで前記接着剤層を研削加工除去し、この際、前記バンプ付きデバイスシリコン基板の前記接着剤層の研削加工に供されていないカップホイール型研削砥石の刃先部分に開口角度4〜15度の噴射ノズルより圧力5〜12MPaの高圧水を噴射し、前記刃先部分に付着した接着剤残滓を洗い流し、研削加工作業ステージ外へ排水する。
(4).ついで、前記研削装置の前記吸着チャックに前記研削加工された前記接着剤層を下面に前記シリコン基板面を上方にして前記バンプ付きデバイスシリコン基板を固定する。
(5).前記シリコン基板面に研削水溶液を供給しつつ、前記シリコン基板面にシリコン研削屑を活性化する光線を照射しながらカップホイール型研削砥石を用いて前記シリコン基板面をダウンフィード研削加工し、前記バンプ付きデバイスシリコン基板のシリコン基板厚みが30〜100μmとなるまで研削加工を行う。
接着剤層の研削加工中、砥石刃先に付着した接着剤残滓は、高圧ジェット水により研削加工作業面より系外に排水されるので、研削砥石の研削性能が低下することはない。また、接着剤層の研削加工中にバンプ外郭と接着剤表面間に存在していた空気層の段差が研削砥石の荷重圧力により埋められるので、TTVが2.0μm未満のシリコン基面を得ることが可能となった。
高圧水銀灯(活性光線照射光源)からシリコン基面上に照射される紫外線光、または、プラズマ照射光の光線によりシリコン研削屑(SiO2粒)を含む研削水溶液が活性化され、TTVが1.5μm未満のシリコン基面を得ることが可能となった。
研削装置によりバンプ付きデバイスシリコン基板を平坦化加工するフローを示す図である。
図1において、研削装置は、着チャック2(基板吸着チャック)、刃先3ga(砥石刃先)を台座に備えたカップホイール型研削砥石3gを備える砥石頭、高圧水発生装置、高圧水を噴射する噴射ノズル4a、研削水溶液(クーラント)を供給する研削水供給ノズル、活性光線照射光源を有する。バンプ付デバイスシリコン基板は、シリコン基板w1の上面にデバイス層w2が形成され、さらに、このデバイス層w2の表面にバンプw3(はんだボール)が設けられている。図1において、接着剤層t(バンプ付き基板用BGテープ)は、テープ基材t2(BGテープ基材層)により裏面を覆われている。
接着剤層tの接着剤t1(BGテープ粘着層)としては、紫外線硬化性粘着剤、硬化剤含有アクリル系粘着剤または接着剤、電子線照射硬化性粘着剤、ポリシリコンゲル剤等、市場に出回っている接着剤を利用できる。バンプw3への接着剤層被覆は、図1に示すように、BGテープを利用してもよいが、接着剤t1を直接、バンプw3表面に塗布した後、接着剤t1表面をローラで押圧して接着剤層表面を平坦化してもよい。接着剤t1の素材は、シリコン基板w1面の研削加工後、バンプw3面から除去しやすい接着剤を選ぶと良い。
図1に示す研削装置を用いてバンプ付きデバイスシリコン基板を平坦化研削加工する工程は、次のように行われる。
(1).バンプ付きデバイスシリコン基板wのバンプw3面に接着剤層を設ける。
(2).この接着剤層が上面にシリコン基w1面が下面となるように研削装置1の吸着チャック2に固定する。
(3).着チャック2に固定されたバンプ付きデバイスシリコン基板wの接着剤層を砥番が3,000〜5,000のカップホイール型研削砥石3g(ダイアモンドカップホイール型研削砥石を1,200〜1,500min−1の回転速度で、送り速度5〜15μm/分で回転速度250〜320min−1で回転しているバンプ付きデバイスシリコン基板wの接着剤層表面にダウンフィードし、ダウンフィード研削加工を開始する。接着剤層の表面がバンプw3を被覆している厚みまで接着剤層を研削加工除去する。この際、バンプ付きデバイスシリコン板wの接着剤層の研削加工に供されていないカップホイール型研削砥石3gの刃先3ga部分に開口角度4〜15度噴射ノズル4aより圧力5〜12MPaの高圧水を噴射し、刃先3gaに付着した接着剤層t残滓を洗い流し、研削加工作業ステージ外へ排水する。また、研削水供給ノズル5から研削水溶液(クーラント水)が接着剤層面へ供給される。
(4).ついで、研削装置1の吸着チャック2に上記研削加工された接着剤層を下面にシリコン基w1面を上方にして固定する。
(5).シリコン基w1面に研削水溶液を供給しつつ、砥番400〜600のカップホイール型研削砥石3g(ダイアモンドカップホイール型研削砥石)を用い、これを1,200〜1,500min−1の回転速度で、送り速度150〜250μm/分で回転速度250〜320min−1で回転しているバンプ付きデバイスシリコン基板wのシリコン基w1表面にダウンフィードし、ダウンフィード研削加工を開始する。前記シリコン基面w1をダウンフィード研削加工し、シリコン基w1厚みが30〜100μmとなるまで研削加工を行う。この際、研削水供給ノズル5から研削水溶液(クーラント水)がシリコン基w1面へ供給される。必要により、シリコン基w1面にシリコン研削屑(SiO2)を活性化する紫外線光またはプラズマ光線を活性光線照射光源6から照射する。
研削水溶液としては、純水、イオン交換水、過酸化水素水、オゾン水、水素水などが利用できる。中でもpHが3〜6.5の研削水溶液がシリコン基板w1面の研削加工用に適している。
(6).研削加工後、研削加工されたシリコン基w1面を洗浄水で洗浄し、研削残滓を洗い流す。
実施例1
図1に示す研削装置1の吸着チャック2上に接着剤層が上面に、シリコン基w1面が下面となるように固定した。
着チャック2に固定されたバンプ付きデバイスシリコン基板wの接着剤層を砥番が4,000のダイアモンドカップホイール型ビトリファイド研削砥石であるカップホイール型研削砥石3gを1,450min−1の回転速度で、送り速度10μm/分で回転速度299min−1で回転しているバンプ付きデバイスシリコン基板wの接着剤層表面にダウンフィードし、ダウンフィード研削加工を開始した。接着剤層の表面がバンプw3を被覆している厚みまで接着剤層を研削加工除去した。この際、バンプ付きデバイスシリコン基板wの接着剤層の研削加工に供されていないカップホイール型研削砥石3gの刃先3ga部分に開口角度4〜15度噴射ノズル4aより圧力8MPaの高圧純水を噴射し、刃先3gaに付着した接着剤層t残滓を洗い流し、研削加工作業ステージ外へ排水した。また、研削水供給ノズル5から研削水溶液(クーラント水)が10リットル/分の量、接着剤層面へ供給した。接着剤層の粗さRyは、0.4μmであった。
ついで、研削装置1の吸着チャック2に上記研削加工された接着剤層を下面にシリコン基w1面を上方にして固定した。
シリコン基w1面に研削水溶液を供給しつつ、砥番500のダイアモンドカップホイール型ビトリファイド研削砥石であるカップホイール型研削砥石3gを用い、これを1,450min−1の回転速度で、送り速度200μm/分で回転速度299min−1で回転しているバンプ付きデバイスシリコン基板wのシリコン基w1表面にダウンフィードし、ダウンフィード研削加工を開始した。前記シリコン基w1をダウンフィード研削加工し、シリコン基w1厚みが約50μmとなるまで研削加工を行った。この際、研削水供給ノズル5から研削水溶液(クーラント水)をシリコン基w1面へ10リットル/分の量を供給し続けた。
さらに、砥番8,000のダイアモンドカップホイール型ビトリファイド研削砥石であるカップホイール型研削砥石3gを用い、これを3,000min−1の回転速度で、送り速度15μm/分で回転速度299min−1で回転しているバンプ付きデバイスシリコン基板wのシリコン基w1表面にダウンフィードし、ダウンフィード仕上げ研削加工を開始した。前記シリコン基w1を仕上げタウンフィード研削加工し、シリコン基w1厚みが50μmとなるまで研削加工を行った。この際、研削水供給ノズル5から研削水溶液(クーラント水)をシリコン基w1面へ10リットル/分の量、供給し続けた。
得られたバンプ付きデバイスシリコン基板薄層化されたシリコン基板w1’面のTTVは、1.64μmであった。
実施例2
実施例1において、研削水としてpH6の過酸化水素水を用い、シリコン基板w1面に活性光線照射光源6より紫外線照射する外は同様にして、TTVが1.20μmのシリコン基板w1’面を有するバンプ付きデバイスシリコン基板を得た。
本発明のバンプ付きデバイスシリコン基板の研削加工方法は、シリコン基板w1’厚み100μm未満、TTV 1.80μm以下のバンプ付きデバイスシリコン基板を得ることができる。
1 研削装置
着チャック
3 砥石頭
3g カップホイール型研削砥石
3ga
4 高圧水発生装置
4a 噴射ノズル
5 研削水供給ノ
6 活性光線照射光源
w バンプ付デバイスシリコン基板
w1 シリコン基
w1’ 薄層化されたシリコン基
w2 デバイス層
w3 バンプ(はんだボール)
接着剤層
t1 接着剤
t2 テープ基材
t2’ 研削後のテープ基材

Claims (1)

  1. 次の(1)から(5)の工程を経ることを特徴とするバンプ付きデバイスシリコン基板の平坦化加工方法。
    (1).バンプ付きデバイスシリコン基板のバンプ面に接着剤層を設ける。
    (2).この接着剤層が上面となり前記バンプ付きデバイスシリコン基板のシリコン基板面が下面となるように前記バンプ付きデバイスシリコン基板を研削装置の吸着チャックに固定する。
    (3).前記吸着チャックに固定された前記バンプ付きデバイスシリコン基板の前記接着剤層をカップホイール型研削砥石によりダウンフィード研削加工し、前記接着剤層の表面が前記バンプ付きデバイスシリコン基板のバンプを被覆している厚みまで前記接着剤層を研削加工除去し、この際、前記バンプ付きデバイスシリコン基板の前記接着剤層の研削加工に供されていない前記カップホイール型研削砥石の刃先部分に開口角度4〜15度の噴射ノズルより圧力5〜12MPaの高圧水を噴射し、前記刃先部分に付着した接着剤残滓を洗い流し、研削加工作業ステージ外へ排水する。
    (4).ついで、前記研削装置の前記吸着チャックに前記研削加工された前記接着剤層を下面に前記シリコン基板面を上方にして前記バンプ付きデバイスシリコン基板を固定する。
    (5).前記シリコン基板面に研削水溶液を供給しつつ、前記シリコン基板面にシリコン研削屑を活性化する光線を照射しながらカップホイール型研削砥石を用いて前記シリコン基板面をダウンフィード研削加工し、前記バンプ付きデバイスシリコン基板のシリコン基板厚みが30〜100μmとなるまで研削加工を行う。
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