JP2014192464A - 半導体ウェハ表面保護用粘着テープ - Google Patents

半導体ウェハ表面保護用粘着テープ Download PDF

Info

Publication number
JP2014192464A
JP2014192464A JP2013068817A JP2013068817A JP2014192464A JP 2014192464 A JP2014192464 A JP 2014192464A JP 2013068817 A JP2013068817 A JP 2013068817A JP 2013068817 A JP2013068817 A JP 2013068817A JP 2014192464 A JP2014192464 A JP 2014192464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor wafer
adhesive tape
protecting
pressure
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013068817A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoro Uchiyama
具朗 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2013068817A priority Critical patent/JP2014192464A/ja
Publication of JP2014192464A publication Critical patent/JP2014192464A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】半導体ウェハ表面の凹凸が転写されて形成された凹凸を平坦化することができ、厚さ精度が良好となるように半導体ウェハの裏面を研磨できる半導体ウェハ表面保護用粘着テープを提供する。
【解決手段】基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた粘着剤層とを有し、前記粘着剤層に表面に凹凸を有する半導体ウェハが貼合され前記半導体ウェハの裏面を研磨する工程に用いられる半導体ウェハ表面保護用粘着テープであって、JIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が1.3〜10.0N/25mmであり、前記基材フィルムは、前記半導体ウェハの裏面研磨を実施する前に、前記半導体ウェハが貼合されることにより前記凹凸が転写されて形成された凹凸を研削して平坦化されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハ表面保護用粘着テープに関する。さらに詳しくは、その表面に凹凸を有する半導体ウェハのバックグラインディング工程へ適用できる半導体ウェハ表面保護用粘着テープに関する。
半導体ウェハの加工工程において、半導体ウェハ表面にパターンを形成した後、半導体ウェハ裏面を所定厚さまで研削・研磨するいわゆるバックグラインディングが行なわれる。その際、半導体ウェハ表面を保護する目的で、半導体ウェハ表面に半導体ウェハ表面保護用粘着テープを貼り合わせ、その状態で半導体ウェハの裏面が研磨される。半導体ウェハ表面保護用粘着テープとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記載)などのポリオレフィン基材フィルム上に、アクリルポリマーを主成分とした粘着剤層が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、携帯電話やパソコンなどの小型化、高機能化に伴い、ワイヤーボンディングに比べて省スペースで実装可能なフリップチップ実装が開発されている。フリップチップ実装は、チップ表面と基板を電気的に接続する際、半導体ウェハ表面に形成されたボール状や円柱状のバンプによって接続する。このようなバンプは、高さ(厚さ)が100μmを超えるようなものもあり、表面凹凸の大きい半導体ウェハに半導体ウェハ表面保護用粘着テープを貼合すると、半導体ウェハ表面保護用粘着テープにも半導体ウェハ表面の凹凸が転写され、半導体ウェハ表面保護用粘着テープの裏面が凹凸を有するようになってしまう。
この状態のまま半導体ウェハの裏面研磨を行った場合、半導体ウェハが貼合された半導体ウェハ表面保護用粘着テープを保持するチャックテーブルと半導体ウェハ表面保護用粘着テープとの間に空隙が発生し、それに伴う研削圧力の不均一化のため、ディンプルと呼ばれる凹凸の半導体ウェハ研磨面への転写や、研削後の半導体ウェハの厚さ精度(TTV)悪化、半導体ウェハ割れ等が発生するという問題があった。
上記問題を解決する手段として、例えば粘着剤層の厚さを厚くする、もしくは粘着剤層や基材フィルムを柔らかくすることによりバンプ等の凹凸を吸収することで半導体ウェハ表面保護用粘着テープの裏面への凹凸発生を防止するといった方法が挙げられる。
しかし、粘着剤層を厚くするといった手法では、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ剥離時の半導体ウェハ表面への粘着剤付着(糊残り)の誘発を引き起こしやすい。特に、粘着剤層が放射線硬化型である場合は、粘着剤層の硬化により粘着剤が収縮(硬化収縮)を起こし、バンプへの噛みこみが非常に大きくなる。その結果、半導体ウェハの裏面研磨後に半導体ウェハ表面保護用粘着テープを剥離する際に大きな力が必要となるため、半導体ウェハ表面保護用粘着テープがちぎれたり、半導体ウェハからバンプがもげるといった問題が指摘されている。
一方、粘着剤層を柔らかくした場合は、上記のような糊残りの懸念に加えて、半導体ウェハの裏面研磨時の圧力により粘着剤層が変形し、研削後の半導体ウェハ厚さ精度(TTV)がより悪化してしまうといった問題があった。
そこで、上記課題を解決するため、半導体ウェハに貼合された半導体ウェハ表面保護用粘着テープの半導体ウェハが貼合されていない側の面に、樹脂を成型し、その樹脂によりウェハ裏面を基準に平坦に研削した後に、半導体ウェハ裏面の研磨を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−8010号公報 特開2006−140304号公報
しかしながら、特許文献2に記載のように、半導体ウェハを半導体ウェハ表面保護用粘着テープに貼合した後に、半導体ウェハ表面保護用粘着テープの半導体ウェハが貼合されていない側の面に樹脂を成型した場合、工程が煩雑になるという問題があった。また、樹脂の成型時の熱や圧力により半導体表面保護用粘着テープと半導体ウェハの密着性が上がり、半導体ウェハの裏面研削後における半導体表面保護用粘着テープとの剥離性が悪化するという問題があった。
このような問題を解決するために、樹脂を成型することなく、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ自体を研削して半導体ウェハ表面の凹凸が転写された凹凸を平坦にすることも考えられる。しかし、通常の半導体ウェハ表面保護用粘着テープは研削時のせん断力に対し半導体ウェハへの半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力が不足し、半導体ウェハ表面保護用粘着テープが半導体ウェハから剥れてしまうといった問題があった。また、半導体ウェハから剥れず、半導体ウェハ表面保護用粘着テープの裏面を研削できたとしても、研削性が悪いため研削面の平坦性が損なわれ、半導体ウェハの裏面研削において厚さ精度を良くする効果が得られず、ディンプルが発生するなどの問題がある。
そこで、本発明は、半導体ウェハ表面保護用粘着テープの裏面に別途樹脂を成型して該樹脂を研削することなく、半導体ウェハ表面の凹凸が転写されて形成された凹凸を平坦化することができ、半導体ウェハの裏面を厚さ精度が良好となるように研磨できる半導体ウェハ表面保護用粘着テープを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明による半導体ウェハ表面保護用粘着テープは、基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた粘着剤層とを有し、前記粘着剤層に表面に凹凸を有する半導体ウェハが貼合され前記半導体ウェハの裏面を研磨する工程に用いられる半導体ウェハ表面保護用粘着テープであって、JIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が1.3〜10.0N/25mmであり、前記基材フィルムは、前記半導体ウェハの裏面研磨を実施する前に、前記半導体ウェハが貼合されることにより前記凹凸が転写されて形成された凹凸を研削して平坦化されることを特徴とする。
また、上記半導体ウェハ表面保護用粘着テープは、前記粘着層の厚さが10〜60μmであることが好ましい。
本発明によれば、粘着剤層は、JIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が1.3〜10.0N/25mmであるため、半導体ウェハ表面保護用粘着テープの裏面すなわち基材フィルムを研削しても、半導体ウェハ表面保護用粘着テープが半導体ウェハから剥離することがない。したがって、半導体ウェハが貼合した際に半導体ウェハ表面の凹凸が転写されて半導体ウェハ表面保護用粘着テープの裏面に形成された凹凸を、基材フィルムを研削して平坦化すればよく、別途樹脂を成型してから該樹脂を研削する必要がないため、工程が煩雑になることがない。また、半導体ウェハ表面保護用粘着テープの裏面を良好に平坦化することができ、その結果、半導体ウェハの裏面を研磨した際の厚さ精度が向上する。
本発明の実施形態に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープの構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープの使用例を模式的に説明するための説明図である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る半導体表面保護用粘着テープは、基材フィルムの片側に、少なくとも1種類の粘着剤からなる粘着剤層を有している。
図1は、本発明の半導体表面保護用粘着テープ1の好ましい実施態様を示す概略断面図である。図1に示すように、半導体表面保護用粘着テープ1は、基材フィルム2を有しており、基材フィルム2上には粘着剤層3が形成されている。また、半導体表面保護用粘着テープ1は、粘着剤層3上に、粘着剤層3を保護するための剥離フィルム4をさらに備えている。半導体表面保護用粘着テープ1は、基材フィルム2、粘着剤層3および剥離フィルム4の積層体をロール状に巻いても良い。
以下、本実施形態の半導体表面保護用粘着テープ1の各構成要素について詳細に説明する。
(基材フィルム2)
本実施の形態の半導体ウェハ表面保護粘着テープ1の基材フィルム2に用いる樹脂は特に制限するものではなく、従来公知のものを用いることができるが、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンアクリル酸共重合体やエチレンメタクリル酸共重合体とそれらの金属架橋体(アイオノマー)等のポリオレフィン類を挙げることが出来る。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレブタレート(PBT)等のポリエステル類も挙げることができる。各々の樹脂は、単独で単層基材として使用してもよく、樹脂を組み合わせてブレンドしたり、異なる樹脂の複層構成としてもよいが、研削後のウェハ反りや柔軟性の観点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いたフィルムが好ましい。樹脂単体で用いる場合、半導体ウェハ表面保護粘着テープ1を認識・識別するための着色用顔料などを配合するなど、物性に影響が出ない範囲で添加物を加えてもよい。
基材フィルム2の厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
基材フィルム2の粘着剤層が設けられる側の表面には、粘着剤層3との密着性を向上させるために、コロナ処理やプライマー層を設ける等の処理を適宜施してもよい。
上記基材フィルム2の製造方法は特に限定されない。射出・押出・インフレーションなど従来の方法を用いることができる。また、独立に製膜した一のフィルムと他のフィルムを接着剤等で貼り合わせて基材フィルム2とすることもできる。
(粘着剤層3)
粘着剤層3を構成する粘着剤組成物は、半導体ウェハ表面保護粘着テープ1のJIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が1.3〜10.0N/25mmとなるものであれば、特に制限するものではなく、従来のものを用いることができるが、(メタ)アクリル酸エステルを構成成分とする単独重合体や、(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として有する共重合体を挙げることができる。アクリル酸エステルを構成成分として含む重合体を構成する単量体成分としては、例えば、メチル、エチル、n−プルピル、イソプルピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、ヘプチル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ラウリル、トリデシル、テトラデシル、ステアリル、オクタデシル、及びドデシルなどの炭素数30以下、好ましくは炭素数4〜18の直鎖又は分岐のアルキル基を有するアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートが挙げられる。これらアルキル(メタ)アクリレートは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記以外のアクリル樹脂中の構成成分としては、以下の単量体を含むことができる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸や無水イタコン酸などの酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル及び(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフオリン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらモノマー成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、アクリル樹脂としては、構成成分として、以下の多官能性単量体を含むことができる。その例としては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら多官能性単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどを挙げることができる。また上記のアクリル酸エステルをたとえばメタクリル酸エステルに代えたものなどのアクリル系ポリマーと硬化剤を用いてなるものを使用することができる。
硬化剤としては、特開2007−146104号公報に記載の硬化剤を使用することができる。例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物、テトラメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネートなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するアジリジン系化合物等が挙げられる。硬化剤の含有量は、所望の粘着力に応じて調整すれば良く、上記重合体100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは、0.1部〜5質量部である。
また、上記のような粘着剤層中に光重合性化合物及び光重合開始剤を含ませることによって、紫外線を照射することにより硬化し、粘着剤は粘着力を低下させることが出来る。このような光重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられる。
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
光重合開始剤としては、特開2007−146104又は特開2004−186429号公報に記載の光重合開始剤を使用することができる。イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を併用することができる。
粘着剤層3として、重合体中に光重合性炭素−炭素二重結合を有する重合体、光重合開始剤、及び硬化剤を含む樹脂組成物を用いてなる光重合性粘着剤を用いることができる。重合体中に炭素−炭素二重結合を有する重合体としては、側鎖に炭素原子数が4〜12、さらに好ましくは炭素原子数8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの単量体や共重合性改質単量体を1種または2種以上を任意の方法で単独重合または共重合した(メタ)アクリル系重合体が好ましい。
粘着剤層3として、重合体中に光重合性炭素−炭素二重結合を有する重合体、光重合開始剤このようにして形成される光重合性の粘着剤層3は、放射線、好ましくは紫外線を照射することにより、粘着力を初期の粘着力から大きく低下させることができるため、半導体ウェハ5(図2参照)の裏面研磨後に、容易に半導体ウェハ5から半導体表面保護用粘着テープ1を剥離させることができる。
その他、粘着剤層3を構成する粘着剤組成物には、必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤等、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。
粘着剤層3は、粘着剤組成物を剥離フィルム4上に塗布、乾燥させて基材フィルム2に転写することで形成することができる。本発明において粘着剤層3の厚さは、10〜60μm、好ましくは20〜40μmである。60μmを超えると、半導体ウェハ5表面への過度な密着、半導体ウェハ5表面の凹凸51(図2参照)への埋め込みによって、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の剥離後に、半導体ウェハ5表面への糊残りが発生する可能性が高まる。10μmを下回ると、半導体ウェハ5表面の凹凸51に追従できず、シリコンの研削屑を含んだ研削水が半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1と半導体ウェハ5との隙間から入り込んで半導体ウェハ5回路面を汚染する、いわゆるシーページなどの要因となる可能性がある。
本発明における半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の粘着力は、1.3〜10N/25mm、好ましくは5〜8N/25mmである。1.3N/25mm以下では研削時の衝撃に半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1が耐えられず半導体ウェハ5から剥れてしまう。上限は特に定めるものではないが、実用上10N/25mmを超えると、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の剥離が困難となる。また、放射線硬化により粘着剤層3の粘着力を低下させる場合でも硬化による粘着剤の収縮によりバンプへの過度な密着が発生し剥離が困難となる可能性がある。
半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の粘着力は、1.3〜10N/25mmとするためには、例えば、ベースとなる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリルポリマー100重量部に対して、分子量が200〜20000程度であるオリゴマーを50〜200重両部配合することで得られる。ポリマー、オリゴマーは単独ではなく、数種類を混合して使用してもよい。エネルギー線硬化型の場合は、ポリマー、オリゴマーのいずれか又はその両方に光重合性二重結合が含まれている。粘着力調整のために、タッキファイヤーなどの粘着付与剤を添加しても良い。
(剥離フィルム4)
剥離フィルム4は、セパレータや剥離層、剥離ライナーとも呼ばれ、放射線硬化型粘着剤層を保護する目的のため、また放射線硬化型粘着剤を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。剥離フィルム4の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや紙などが挙げられる。剥離フィルム4の表面には粘着剤層3からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていても良い。また、必要に応じて、粘着剤層3が環境紫外線によって反応してしまわないように、紫外線防止処理が施されていてもよい。剥離フィルム4の厚みは、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μm程度である。
本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1は、貼合する半導体ウェハ5の貼合面側の表面に存在する凹凸51の底部と頂部の高さの最大差が10〜300μmである半導体ウェハ5に使用するのが好ましく、高さの最大差が80〜300μmである半導体ウェハ5に使用することが更に好ましい。
<使用方法>
次に、本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着テープの使用方法、すなわち半導体ウェハの加工方法について、説明する。
本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着テープを用いた半導体ウェハの加工方法は、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1で、半導体ウェハ5の表面を保護し、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の背面(基材フィルム2)を研削加工し平坦化したあと、半導体ウェハ5の裏面を研削して半導体ウェハ5を加工する工程を含む。半導体ウェハ5は、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1を貼合する半導体ウェハ5の貼合面側の表面に存在する凹凸の底部と頂部の高さの最大差が10〜300μmである半導体ウェハ5に使用するのが好ましい。半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の背面を研削すること以外は、通常の半導体ウェハ5の加工工程が適用できる。
具体的には、まず、図2(A)に示すように、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の剥離フィルム4を粘着剤層3から剥離し、図2(B)に示すように、半導体ウェハ5の回路パターン面(表面)に、粘着剤層3が貼合面となるように、半導体ウェハ表面保護テープ1を貼合する。このとき、半導体ウェハ表面保護テープ1の裏面すなわち基材フィルム2の表面には、半導体ウェハ5表面の凹凸51が転写されて凹凸11が形成される。
次に、図2(C)に示すように、貼合された半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の基材フィルム2側の面を、平坦になるように、例えば10〜50μm程度、研削機7により研削し、半導体ウェハ表面保護テープ1の裏面の凹凸11を平坦化する。その後、図2(D)に示すように、半導体ウェハ5の裏面すなわち回路パターンのない面側を半導体ウェハ5の厚さが所定の厚さ、例えば10〜200μmになるまで、研磨機8により研磨する。このとき、半導体ウェハ表面保護テープ1の裏面が平坦であるため、半導体ウェハ5の裏面には研磨機8からの力が均一にかかり、半導体ウェハ5が厚み精度よく研磨される。
その後、この半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の貼合された面を下側にして加熱吸着台(図示しない)に載せ、その状態で、半導体ウェハ5の回路パターンのない研削した面側に、ダイシング・ダイボンディングフィルム(図示しない)を貼合してもよい。その後、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の基材フィルム5の背面に、ヒートシールタイプ(熱融着タイプ)もしくは粘着タイプの剥離テープを接着して半導体ウェハ5から半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1を剥離する。
<実施例>
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記のように粘着剤組成物を調製し、以下の方法で半導体ウェハ表面保護用粘着テープを作製し、その性能を評価した。
〔粘着剤層組成物の調製〕
[粘着剤組成物A]
2−エチルヘキシルアクリレート85質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート14質量部、メタクリル酸1質量部からなる共重合体100質量部に対して、放射線反応基としてメタクリロイルオキシエチルイソシアネート10質量部を反応させ、ポリイソシアネートとしてコロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を1.0質量部、光重合開始剤としてSPEEDCURE BKL(商品名、DKSHジャパン株式会社製)、5.0質量部を加えて混合して、粘着剤組成物Aを得た。
[粘着剤組成物B]
2−エチルヘキシルアクリレート69質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート29質量部、メタクリル酸2質量部からなる共重合体100質量部に対して、放射線反応基としてメタクリロイルオキシエチルイソシアネート10質量部を反応させ、ポリイソシアネートとしてコロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を1.0質量部、光重合開始剤としてSPEEDCURE BKL(商品名、DKSHジャパン株式会社製)、3.0質量部を加えて混合して、粘着剤組成物Bを得た。
[粘着剤組成物C]
2−エチルヘキシルアクリレート85質量部、メタクリル酸15質量部からなる共重合体100質量部に対して、ポリイソシアネートとしてコロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を0.5質量部、エポキシ化合物として、E−5XM(商品名、綜研化学製)を0.6質量部加えて混合して、粘着剤組成物Cを得た。
[粘着剤組成物D]
2−エチルヘキシルアクリレート30質量部、メチルメタクリレート55質量部、メタクリル酸10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量部からなる共重合体100質量部に対して、ポリイソシアネートとしてコロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を4.2質量部、ペンタアクリレートオリゴマーを150質量部、光重合開始剤としてSPEEDCURE BKL(商品名、DKSHジャパン株式会社製)、3.0質量部を加えて混合して、粘着剤組成物Dを得た。
[粘着剤組成物E]
2−エチルヘキシルアクリレート15質量部、メチルメタクリレート65質量部、メタクリル酸10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10質量部からなる共重合体100質量部に対して、ポリイソシアネートとしてコロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を3.1質量部、ペンタアクリレートオリゴマーを100質量部、光重合開始剤としてSPEEDCURE BKL(商品名、DKSHジャパン株式会社製)、3.0質量部を加えて混合して、粘着剤組成物Eを得た。
[粘着剤組成物F]
E-5XMの配合部数を2.2質量部とした以外は、粘着剤組成物Cと同様にして、粘着剤組成物Fを得た。
[粘着剤組成物G]
ブチルアクリレート98質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2質量部共重合体100質量部に対して、ポリイソシアネートとしてコロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を1.5質量部を加えて混合して、粘着剤組成物Gを得た。
[粘着剤組成物H]
コロネートLの配合量を2.1質量部とした以外は粘着剤組成物Eと同様にして、粘着剤組成物Hを得た。
[粘着剤組成物I]
E−5XMの配合量を1,0質量部とした以外は粘着剤組成物Cと同様にして、粘着剤組成物Iを得た。
<実施例1>
押出成形により製膜した厚さ100μmの低密度ポリエチレン(HDPE)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の積層体(HDPE:30μm、EVA:70μm、共に東ソー株式会社製)からなる基材フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)側の面に、粘着剤組成物Aを、乾燥後の厚さが30μmとなるように形成して実施例1に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、8.7N/25mmであった。
<実施例2>
押出成形により製膜した厚さ110μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材上フィルムに、粘着剤組成物Bを、乾燥後の厚さが20μmとなるように形成して実施例2に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、1.4N/25mmであった。
<実施例3>
押出成形により製膜した厚さ165μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材フィルム上に、粘着剤組成物Cを、乾燥後の厚さが40μmとなるように形成して実施例3係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、1.5N/25mmであった。
<実施例4>
押出成形により製膜した厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材上フィルムに、粘着剤組成物Dを、乾燥後の厚さが60μmとなるように形成して実施例4に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、5.2N/25mmであった。
<実施例5>
押出成形により製膜した厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材上フィルムに、粘着剤組成物Eを、乾燥後の厚さが90μmとなるように形成して実施例6に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、6.5N/25mmであった。
<実施例6>
押出成形により製膜した厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材フィルム上に、粘着剤組成物Eを、乾燥後の厚さが130μmとなるように形成して比較例4に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、7.3N/25mmであった。
<比較例1>
押出成形により製膜した厚さ165μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材フィルム上に、粘着剤組成物Fを、乾燥後の厚さが40μmとなるように形成して比較例1に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、0.3N/25mmであった。
<比較例2>
押出成形により製膜した厚さ165μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材フィルム上に、粘着剤組成物Gを、乾燥後の厚さが30μmとなるように形成して比較例2に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、0.6N/25mmであった。
<比較例3>
押出成形により製膜した厚さ165μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材フィルム上に、粘着剤組成物Gを、乾燥後の厚さが35μmとなるように形成して半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、0.8N/25mmであった。
<比較例4>
押出成形により製膜した厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材フィルム上に、粘着剤組成物Hを、乾燥後の厚さが90μmとなるように形成して比較例4に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、10.3N/25mmであった。
<比較例5>
押出成形により製膜した厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、東ソー株式会社製)からなる基材フィルム上に、粘着剤組成物Iを、乾燥後の厚さが30μmとなるように形成して比較例4に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。この半導体ウェハ表面保護用粘着テープの粘着力を後述の方法で測定した結果、粘着力は、1.2N/25mmであった。
[特性評価試験]
実施例1〜6、比較例1〜5の半導体ウェハ加工用粘着テープについて、特性評価試験を下記のように行った。その結果を表1,2に示す。
(粘着力)
各実施例、比較例に係る半導体ウェハ加工用粘着テープから幅25mm×長さ300mmの試験片を3点採取し、それらをJIS R 6253に規定する280番の耐水研磨紙で仕上げたJIS G 4305に規定する厚さ1.5mm〜2.0mmのSUS304鋼板上に貼着した後、2kgのゴムローラを3往復かけて圧着し、1時間放置後、JIS Z 0237に準拠し、剥離角度90°、剥離速度50mm/minの条件で粘着力を測定した。測定温度は23℃、測定湿度は50%であった。3点の平均値を表1,2に示す。
(テープ剥れの有無)
表面に高さ200μmバンプを有する8インチ径のSiウェハ2枚に、各実施例、比較例の半導体ウェハ表面保護用粘着テープをそれぞれ貼合し、1時間後に、貼合された半導体ウェハ表面保護用粘着テープの基材フィルムを表層から20μm研削加工した。目視にて半導体ウェハから半導体ウェハ表面保護用粘着テープが剥がれていないかを確認し、貼合した時の状態を保っているものを半導体ウェハ表面保護用粘着テープが剥がれがなく良品として○、ウェハ外周部で一部剥れるものの基材フィルムの研削が出来るものを許容品としてとして△、半導体ウェハ表面保護用粘着テープが完全に剥がれたもの、半導体ウェハ表面保護用粘着テープの端部が剥がれたもの、あるいは半導体ウェハ表面保護用粘着テープにしわが生じ、基材フィルムを表層から20μm研削できなかったものを不良品として×とした。
(ディンプルの有無)
半導体ウェハ表面保護用粘着テープの基材フィルムの研削加工後、半導体ウェハから半導体ウェハ表面保護用粘着テープが剥がれていなかったものについて、株式会社ディスコ製DFG8760(商品名)を用いて、半導体ウェハの裏面を50μmの厚さまで研磨加工した。研磨加工した半導体ウェハ裏面(研磨面)の観察を行い、目視にてディンプルが確認されなかったものについて良品として○、確認されたものについて不良品として×とした。
(糊残りの有無、剥離性)
研削後の半導体ウェハに、UV硬化型のテープを使用した場合はテープ側から照射量500mJ/cmの紫外線を照射し、通常の感圧型のテープを使用した場合は50℃に加熱しながら半導体ウェハから表面保護用粘着をリンテック株式会社製RAD2700(商品名)を用いて剥離した。剥離後において半導体ウェハに粘着剤層の残渣が付着する、いわゆる粘着剤残りの有無や、半導体ウェハの剥離性を目視にて観察した。その結果を表1,2に示す。2枚全ての半導体ウェハで粘着剤残りが1箇所も発生しなかったものを良品として○、粘着剤残りが発生したが、製品として問題ないものを許容品として△、1枚でも1箇所以上に製品として問題のある粘着剤残りが発生したものを不良品として×で示した。また、2枚全ての半導体ウェハで破損が1箇所も発生することなく剥離できたものを剥離性が良好であるとして○、ごく一部に剥離に不具合が発生したが製品としては問題ないものを許容品として△、1枚でも半導体ウェハを剥離することができない、または半導体ウェハに1箇所以上の破損が発生し、製品として問題があるものを剥離性が悪いとして×で示した。
Figure 2014192464
Figure 2014192464
表1に示すように、実施例1〜6は、JIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が1.3〜10.0N/25mmであるため、テープ剥れ、ディンプル、糊残り、剥離性の全ての評価において良好な結果となった。特に、粘着層の厚さが10〜60μmである実施例1〜4は、剥離性も優れる結果となった。
これに対して、表2に示すように、比較例1〜3は、JIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が1.3N/25mm未満であるため、基材フィルムを研削する際に、半導体ウェハ表面保護用粘着テープが完全に剥がれてしまった。比較例4は、JIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が10.0N/25mmを超えるため、半導体ウェハの裏面研磨後に半導体ウェハ表面保護用粘着テープを剥離した際の剥離性が悪い結果となった。比較例5は、JIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が1.3N/25mm未満であるため、基材フィルムを研削する際に半導体ウェハ表面保護用粘着テープが完全には剥がれなかったものの、端部に剥がれが生じ、半導体ウェハの裏面を研磨した際にディンプルが生じてしまった。
このように、本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着テープは、基材フィルムを良好に研削加工できるため、表面に凹凸を有する半導体ウェハであっても、半導体ウェハを厚さ精度良好に加工することができ、ディンプルの発生を抑制することができる。
1:半導体ウェハ表面保護用粘着テープ
2:基材フィルム
3:粘着剤層
4:剥離フィルム
5:半導体ウェハ
6:研削機
7:研磨機
11:凹凸
51:凹凸

Claims (2)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた粘着剤層とを有し、前記粘着剤層に表面に凹凸を有する半導体ウェハが貼合され前記半導体ウェハの裏面を研磨する工程に用いられる半導体ウェハ表面保護用粘着テープであって、
    JIS Z 0237に準拠した剥離角度90°、剥離速度50mm/minで測定したときのSUSに対する粘着力が1.3〜10.0N/25mmであり、
    前記基材フィルムは、前記半導体ウェハの裏面研磨を実施する前に、前記半導体ウェハが貼合されることにより前記凹凸が転写されて形成された凹凸を研削して平坦化されることを特徴とする半導体ウェハ表面保護用粘着テープ。
  2. 前記粘着層は、厚さが10〜60μmであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハ表面保護用粘着テープ。
JP2013068817A 2013-03-28 2013-03-28 半導体ウェハ表面保護用粘着テープ Pending JP2014192464A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013068817A JP2014192464A (ja) 2013-03-28 2013-03-28 半導体ウェハ表面保護用粘着テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013068817A JP2014192464A (ja) 2013-03-28 2013-03-28 半導体ウェハ表面保護用粘着テープ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014192464A true JP2014192464A (ja) 2014-10-06

Family

ID=51838430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013068817A Pending JP2014192464A (ja) 2013-03-28 2013-03-28 半導体ウェハ表面保護用粘着テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014192464A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5855299B1 (ja) * 2015-03-02 2016-02-09 古河電気工業株式会社 半導体ウェハ表面保護用粘着テープおよび半導体ウェハの加工方法
JP2016225388A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 日東電工株式会社 バックグラインドテープ
JP2017034123A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 株式会社ディスコ 密着度合検出方法
JP2017103441A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社岡本工作機械製作所 バンプ付きデバイス基板の平坦化加工方法
JP2019062147A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 株式会社ディスコ 保護部材の加工方法
JP2019062148A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 株式会社ディスコ 保護部材の加工方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005019666A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Nitto Denko Corp 半導体ウエハの研削方法および半導体ウエハ研削用粘着シート
JP5117630B1 (ja) * 2012-07-06 2013-01-16 古河電気工業株式会社 半導体ウェハ表面保護用粘着テープおよびそれを用いた半導体ウェハの製造方法
JP2013021017A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Disco Abrasive Syst Ltd ウエーハの研削方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005019666A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Nitto Denko Corp 半導体ウエハの研削方法および半導体ウエハ研削用粘着シート
JP2013021017A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Disco Abrasive Syst Ltd ウエーハの研削方法
JP5117630B1 (ja) * 2012-07-06 2013-01-16 古河電気工業株式会社 半導体ウェハ表面保護用粘着テープおよびそれを用いた半導体ウェハの製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5855299B1 (ja) * 2015-03-02 2016-02-09 古河電気工業株式会社 半導体ウェハ表面保護用粘着テープおよび半導体ウェハの加工方法
CN107112228A (zh) * 2015-03-02 2017-08-29 古河电气工业株式会社 半导体晶片表面保护用胶带和半导体晶片的加工方法
KR101827689B1 (ko) 2015-03-02 2018-02-08 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 반도체 웨이퍼 표면 보호용 점착 테이프 및 반도체 웨이퍼의 가공 방법
TWI625779B (zh) * 2015-03-02 2018-06-01 Furukawa Electric Co Ltd Adhesive tape for semiconductor wafer surface protection and method for processing semiconductor wafer
CN107112228B (zh) * 2015-03-02 2019-09-17 古河电气工业株式会社 半导体晶片表面保护用胶带和半导体晶片的加工方法
JP2016225388A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 日東電工株式会社 バックグラインドテープ
JP2017034123A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 株式会社ディスコ 密着度合検出方法
CN106409710A (zh) * 2015-08-03 2017-02-15 株式会社迪思科 密接程度检测方法
JP2017103441A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社岡本工作機械製作所 バンプ付きデバイス基板の平坦化加工方法
JP2019062147A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 株式会社ディスコ 保護部材の加工方法
JP2019062148A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 株式会社ディスコ 保護部材の加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5117629B1 (ja) ウェハ加工用粘着テープ
JP5823591B1 (ja) 半導体ウエハ表面保護用粘着テープおよび半導体ウエハの加工方法
KR102585832B1 (ko) 백그라인드용 점착 테이프
JP6169067B2 (ja) 電子部品加工用粘着テープ
JP2008060151A (ja) 半導体ウエハ裏面加工方法、基板裏面加工方法、及び放射線硬化型粘着シート
JP2014192464A (ja) 半導体ウェハ表面保護用粘着テープ
JP5697061B1 (ja) 半導体ウェハ加工用粘着テープおよび半導体ウェハの加工方法
WO2016148110A1 (ja) 半導体ウェハ加工用粘着テープ
TWI625376B (zh) 黏著片
JP2006294742A (ja) 被着体の加工方法、該方法により得られる電子素子、及び該方法に用いる両面粘着シート
CN112055736B (zh) 电子部件用胶带及电子部件的加工方法
KR102060981B1 (ko) 반도체 웨이퍼의 이면 연삭가공용 표면보호 점착테이프 및 반도체 웨이퍼의 연삭가공 방법
JP5255717B1 (ja) 半導体加工用表面保護粘着テープ
JP5764600B2 (ja) 半導体ウェハの裏面研削加工用表面保護粘着テープおよび半導体ウェハの加工方法
JP2015179825A (ja) 半導体ウェハ表面保護用粘着テープ
TWI764114B (zh) 電子零件用膠帶及電子零件之加工方法
JP2014192463A (ja) 樹脂膜形成用シート
JP2018152420A (ja) 半導体加工用粘着テープ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150612

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151019