JP2015179825A - 半導体ウェハ表面保護用粘着テープ - Google Patents

半導体ウェハ表面保護用粘着テープ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高さが大きなバンプを有する半導体ウェハに対して十分に追従させた状態で半導体ウェハの裏面を研磨した後に、剥離する際に半導体ウェハにダメージを与えることなく、容易に剥離可能な半導体ウェハ表面保護用粘着テープを提供する。【解決手段】本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1は、基材フィルム2と、前記基材フィルム2上に設けられたエネルギー線硬化型の粘着剤層3とを有し、前記粘着剤層は、ベースポリマーがアクリル系ポリマーであり、エネルギー線照射前の粘着力をA(N/25mm)とし、エネルギー線を100mJ/cm2照射した後の粘着力をAUV100(N/25mm)としたとき、6<A<13(N/25mm)、AUV100/A≧0.70であり、かつ、エネルギー線を200mJ/cm2照射した後の粘着力をAUV200(N/25mm)としたとき、AUV200/A≧0.30であって、かつAUV200≰5(N/25mm)である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハ表面保護用粘着テープに関する。さらに詳しくは、その表面に凹凸を有する半導体ウェハのバックグラインディング工程へ適用できる半導体ウェハ表面保護用粘着テープに関する。
半導体ウェハの加工工程において、半導体ウェハ表面にパターンを形成した後、半導体ウェハ裏面を所定厚さまで研削・研磨するいわゆるバックグラインド工程が行なわれる。その際、半導体ウェハ表面を保護する目的で、半導体ウェハ表面に半導体ウェハ表面保護用粘着テープを貼り合わせ、その状態で半導体ウェハの裏面が研磨される。半導体ウェハ表面保護用粘着テープとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記載)などのポリオレフィン基材フィルム上に、アクリルポリマーを主成分とした粘着剤層が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、携帯電話やパソコンなどの小型化、高機能化に伴い、従来のチップ接続方法であるワイヤーボンディングに比べ、省スペースで実装可能なフリップチップ実装が開発されている。フリップチップ実装は、チップ表面と基板を電気的に接続する際、半導体ウェハ表面に形成されたボール状や円柱状のバンプによって接続する。このようなバンプは、高さ(厚さ)が100μm、場合によっては200μmを超えるようなものも存在する。
従来の半導体ウェハ表面保護用粘着テープを用いて上記のようなウェハの裏面研削を行った場合、ウェハ表面に存在するバンプのため半導体ウェハ表面保護用粘着テープはウェハ表面に十分に密着できない。半導体ウェハ表面保護用粘着テープとウェハとの隙間から研削時に噴射される切削水とシリコンの研削屑が浸入すると、ウェハ表面を汚染するシーページと呼ばれる現象が発生する。また、研削圧力が不均一になるため、ディンプルと呼ばれる凹凸の半導体ウェハ研磨面への転写や、研削後の半導体ウェハの厚さ精度(TTV:total thickness variation)悪化、半導体ウェハ割れ等が発生するという問題があった。
上記問題を解決する手段としては、例えば粘着剤層の厚さをバンプの高さ以上に厚くする、もしくは粘着剤層や基材フィルムを柔らかくすることによりバンプ等の凹凸を吸収することで半導体ウェハ表面保護用粘着テープのバンプ追従性を向上させウェハ表面に完全密着させる方法が挙げられる。
特開2000−8010号公報
しかし、上記のような手法では、半導体ウェハ表面保護用粘着テープを剥離する際の半導体ウェハ表面への粘着剤の付着(糊残り)を引き起こしやすい。特に、粘着剤層が放射線硬化型である場合は、粘着剤層の硬化により粘着剤が収縮(硬化収縮)を起こし、バンプへの噛みこみが非常に大きくなる。その結果、半導体ウェハの裏面研磨後に半導体ウェハ表面保護用粘着テープを剥離する際に大きな力が必要となるため、半導体ウェハ表面保護用粘着テープが破断されたり、半導体ウェハからバンプがもぎとられたり、半導体ウェハ自体が破損したりするといった問題が指摘されていた。
そこで、本発明は、高さが大きなバンプを有する半導体ウェハに対して十分に追従させた状態で半導体ウェハの裏面を研磨した後に、剥離する際に半導体ウェハにダメージを与えることなく、容易に剥離可能な半導体ウェハ表面保護用粘着テープを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明による半導体ウェハ表面保護用粘着テープは、基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられたエネルギー線硬化型の粘着剤層とを有し、前記粘着剤層は、ベースポリマーがアクリル系ポリマーであり、エネルギー線照射前の粘着力をA(N/25mm)とし、エネルギー線を100mJ/cm2照射した後の粘着力をAUV100(N/25mm)としたとき、6<A<13(N/25mm)、AUV100/A≧0.70であり、かつ、エネルギー線を200mJ/cm2照射した後の粘着力をAUV200(N/25mm)としたとき、AUV200/A≧0.30であって、かつAUV200≦5(N/25mm)であることを特徴とする。
前記アクリル系ポリマー100質量部に対して、光硬化性のニ重結合を分子中に2個持つオリゴマーを50〜200質量部、反応性開始剤を0.5〜3.0質量部含有することが好ましい。
本発明によれば、高さが大きなバンプを有する半導体ウェハに対しても十分に追従させて良好に半導体ウェハの裏面を研磨することができ、半導体ウェハ裏面の研削加工後に、半導体ウェハを破損することなく、半導体ウェハ表面保護用粘着テープを容易に剥離することができる。
本発明の実施形態に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープの構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープの使用例を模式的に説明するための説明図である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープは、基材フィルムの片側に、少なくとも1種類のエネルギー線硬化型粘着剤からなる粘着剤層を有している。
図1は、本発明の半導体表面保護用粘着テープ1の好ましい実施態様を示す概略断面図である。図1に示すように、半導体表面保護用粘着テープ1は、基材フィルム2を有しており、基材フィルム2上には粘着剤層3が形成されている。また、半導体表面保護用粘着テープ1は、粘着剤層3上に、粘着剤層3を保護するための剥離フィルム4をさらに備えている。半導体表面保護用粘着テープ1は、基材フィルム2、粘着剤層3および剥離フィルム4の積層体をロール状に巻いても良い。
以下、本実施形態の半導体ウェハ表面保護用粘着テープの各構成要素について詳細に説明する。
(基材フィルム2)
本実施の形態の半導体ウェハ表面保護粘着テープ1の基材フィルム2に用いる樹脂は特に制限するものではなく、従来公知のものを用いることができ、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンアクリル酸共重合体やエチレンメタクリル酸共重合体とそれらの金属架橋体(アイオノマー)等のポリオレフィン類や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレブタレート(PBT)等のポリエステル類、またアクリル樹脂を架橋させフィルム状にしたものを使用することができる。各々の樹脂は、単独で単層基材として使用してもよく、樹脂を組み合わせてブレンドしたり、異なる樹脂の複層構成としてもよい。また、半導体ウェハ表面保護粘着テープ1を認識・識別するための着色用顔料などを配合するなど、物性に影響が出ない範囲で添加物を加えてもよい。
基材フィルム2の厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜300μm、更には100〜250μmが好ましい。
基材フィルム2の粘着剤層3が設けられる側の表面には、粘着剤層3との密着性を向上させるために、コロナ処理やプライマー層を設ける等の処理を適宜施してもよい。
上記基材フィルム2の製造方法は特に限定されない。押出・インフレーション・キャストなど従来の方法を用いることができる。また、独立に製膜したフィルムと他のフィルムを接着剤等で貼り合わせて基材フィルムとすることもできる。
(粘着剤層3)
粘着剤層3を構成する粘着剤組成物は、特に制限するものではなく、従来のものを用いることができるが、(メタ)アクリル酸エステルを構成成分とする単独重合体や、(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として有する共重合体を挙げることができる。アクリル酸エステルを構成成分として含む重合体を構成する単量体成分としては、例えば、メチル、エチル、n−プルピル、イソプルピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、ヘプチル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ラウリル、トリデシル、テトラデシル、ステアリル、オクタデシル、及びドデシルなどの炭素数30以下、好ましくは炭素数4〜18の直鎖又は分岐のアルキル基を有するアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートが挙げられる。これらアルキル(メタ)アクリレートは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記以外のアクリル樹脂中の構成成分としては、以下の単量体を含むことができる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸や無水イタコン酸などの酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル及び(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフオリン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらモノマー成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、アクリル樹脂としては、構成成分として、以下の多官能性単量体を含むことができる。その例としては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら多官能性単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどを挙げることができる。また上記のアクリル酸エステルをたとえばメタクリル酸エステルに代えたものなどのアクリル系ポリマーと硬化剤を用いてなるものを使用することができる。
硬化剤としては、特開2007−146104号公報に記載の硬化剤を使用することができる。例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,N'−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物、テトラメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネートなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するアジリジン系化合物等が挙げられる。硬化剤の含有量は、所望の粘着力に応じて調整すれば良く、上記重合体100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜5質量部である。
上記のような粘着剤層3中に光重合性化合物及び光重合開始剤を含ませることによって、紫外線を照射することにより硬化し、粘着剤層3は粘着力を低下させることが出来る。このような光重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられる。
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
光重合開始剤としては、特開2007−146104又は特開2004−186429号公報に記載の光重合開始剤を使用することができる。イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を併用することができる。
粘着剤層3として、重合体中に光重合性炭素−炭素二重結合を有する重合体、光重合開始剤、及び硬化剤を含む樹脂組成物を用いてなる光重合性粘着剤を用いることができる。重合体中に炭素−炭素二重結合を有する重合体としては、側鎖に炭素原子数が4〜12、さらに好ましくは炭素原子数8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの単量体や共重合性改質単量体を1種または2種以上を任意の方法で単独重合または共重合した(メタ)アクリル系重合体が好ましい。
その他、粘着剤層3を構成する粘着剤組成物には、必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤等、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。
粘着剤層3は、粘着剤組成物を剥離フィルム4上に塗布、乾燥させて基材フィルム2に転写することで形成することができる。本発明において粘着剤層3の厚さは、20〜130μm、好ましくは40〜100μmである。130μmを超えると、半導体ウェハ5(図2参照)表面への過度な密着、半導体ウェハ5表面の凹凸51(図2参照)への埋め込みによって、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の剥離後に、半導体ウェハ5表面への糊残りが発生する可能性が高まる。20μmを下回ると、半導体ウェハ5表面の凹凸51に追従できず、シリコンの研削屑を含んだ研削水が半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1と半導体ウェハ5との隙間から入り込んで半導体ウェハ5回路面を汚染する、いわゆるシーページなどの要因となる可能性がある。
(剥離フィルム4)
剥離フィルム4は、セパレータや剥離層、剥離ライナーとも呼ばれ、エネルギー線硬化型粘着剤層を保護する目的のため、またエネルギー線硬化型粘着剤を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。剥離フィルム4の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや紙などが挙げられる。剥離フィルム4の表面には粘着剤層3からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていても良い。また、必要に応じて、粘着剤層3が環境紫外線によって反応してしまわないように、紫外線防止処理が施されていてもよい。剥離フィルム4の厚みは、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μm程度である。
半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1は、エネルギー線照射前の粘着力をA(N/25mm)とし、エネルギー線を100mJ/cm2照射した後の粘着力をAUV100(N/25mm)としたとき、6<A<13(N/25mm)であり、AUV100/A≧0.70であり、かつ、エネルギー線を200mJ/cm2照射した後の粘着力をAUV200(N/25mm)としたとき、AUV200/A≧0.30であって、かつAUV200≦5(N/25mm)である。
粘着剤層3へのエネルギー線照射によって、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の粘着力は低下するが、粘着力の低下が激しいほど粘着剤の硬化収縮も大きくなる。バンプにほぼ完全に追従した半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1を半導体ウェハ5から剥離する場合、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の剥離に必要な剥離力は、例えばJIS Z 0279で規定されるような粘着力と完全には相関しないことが多い。これは、エネルギー線照射によって粘着剤が硬化する際、硬化収縮に伴う体積変化のため、粘着剤全体がバンプ(半導体ウェハ5表面の凹凸51)をかみ込み、機械的にバンプを保持してしまうためである。
半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の粘着力は、照射量が多くなると低下し一定の照射量を超え全ての反応物が反応するとそれ以上の低下は起こらない。この時、照射量が小さい領域で粘着力の変化大きい場合、粘着剤の硬化収縮も大きくなりバンプへの噛み込みも激しくなる。そのため、照射量が小さい領域での粘着力変化は緩やかであるほうが良い。AUV100/Aが0.70未満であると、急激な硬化収縮により過剰な噛み込みが発生し半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の剥離が困難となる。AUV200/Aが0.30未満であると、エネルギー線照射により粘着力自体は小さくなるものの、やはり硬化収縮が大きくなってしまい、バンプへの噛み込みも大きくなり、結局は半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の剥離が困難となる。
エネルギー線照射前の粘着力Aが6N/25mm以下であると、粘着力が十分でないために半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1が十分に半導体ウェハ5表面に密着せず、半導体ウェハ5からテープの剥れや浮きが発生してしまう可能性がある。この状態で裏面研削を行うと、浮きに溜まった空気に起因するクラックやウェハ割れ、TTVの悪化が懸念される。また、エネルギー線照射前の粘着力Aが13N/25mm以上であると、粘着力の十分に低下せず、硬化収縮が抑制出来たとしても、テープの剥離自体が困難となる。
また、エネルギー線を200mJ/cm2照射した後の粘着力AUV200が5N/25mmを超えると、半導体ウェハの裏面研磨後に、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1を剥離する際に、半導体ウェハ5表面に糊残りが生じたり、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1が破断してしまうおそれがある。
なお、半導体ウェハ5の裏面研磨後に、実際に半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1を剥離する際に照射するエネルギー線の照射量は、200mJ/cm2に限定されるものではなく、適宜選択可能であるが、エネルギー線照射後の粘着力は、7N/25mm以下が好ましく、さらに好ましくは5N/25mm以下である。下限は特に定めるものではないが、エネルギー線照射後に半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1が自然に剥がれ落ちてしまわない程度の粘着力、例えば0.5N/25mm以上あることが好ましい。
なお、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の粘着力は、エネルギー線を照射すると低下するため、AUV100/A及びAUV200/Aは通常1以下となる。
本発明において使用することができるエネルギー線としては、紫外線(中心波長=約365nm)および電子線等が挙げられる。エネルギー線として紫外線を使用する場合、通常、照度は20〜500mW/cm2、さらに照射時間は0.1〜150秒の範囲内に設定される。また、たとえば電子線を照射する場合にも、上記の紫外線照射の場合に準じて諸条件を設定することができる。なお、上記のようなエネルギー線照射の際に補助的に加熱することもできる。
UV100/A≧0.70であり、かつAUV200/A≧0.30であって、6<A<13(N/25mm)、かつAUV200≦5(N/25mm)となるようにするためには、例えば、粘着剤中に含まれる光反応開始剤の配合量を少なくする、光硬化性の二重結合量を減らす、分子の反応性を低くするといった手法が挙げられる。例えば、ベースとなるポリマーがアクリル系ポリマーである場合、アクリル系ポリマー100質量部に対して、光硬化性のニ重結合を分子中に2個持つオリゴマーを50〜200質量部、反応性開始剤を0.5〜3.0質量部配合することが好ましい。
本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1は、貼合する半導体ウェハ5の貼合面側の表面に存在する凹凸51の底部と頂部の高さの最大差が10〜250μmである半導体ウェハ5に使用するのが好ましく、高さの最大差が80〜200μmである半導体ウェハ5に使用することが更に好ましい。
<使用方法>
次に、本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の使用方法、すなわち半導体ウェハ5の加工方法について、説明する。
具体的には、まず、図2(A)に示すように、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1の剥離フィルム4を粘着剤層3から剥離し、図2(B)に示すように、半導体ウェハ5の回路パターン面(表面)に、粘着剤層3が貼合面となるように、半導体ウェハ表面保護テープ1を貼合する。このとき、半導体ウェハ表面保護テープ1は、半導体ウェハ5表面の凹凸51に十分に追従している。
その後、図2(C)に示すように、半導体ウェハ5の裏面すなわち回路パターンのない面側を半導体ウェハ5の厚さが所定の厚さ、例えば10〜200μmになるまで、研磨機7により研磨する。このとき、半導体ウェハ表面保護テープ1は、半導体ウェハ5表面の凹凸51に十分に追従しているため、半導体ウェハ5の裏面には研磨機7からの力が均一にかかり、半導体ウェハ5が良好に研磨される。
その後、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1に、エネルギー線を照射して粘着力を低下させ、半導体ウェハ5から半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1を剥離する。このとき、粘着剤層3が急激に硬化収縮することがないため、半導体ウェハ5の凹凸51に噛み込むことがなく、その結果、半導体ウェハ5の表面に糊残りが生じたり、半導体ウェハ5を損傷させることなく、半導体ウェハ5から半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1を剥離することができる。なお、エネルギー線を照射した後半導体ウェハ表面保護用粘着テープ1を剥離する前に、半導体ウェハ5の回路パターンのない研削した面側に、ダイシング・ダイボンディングフィルム(図示しない)を貼合してもよい。
<実施例>
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ベースとなるアクリルポリマーとして、ブチルアクリレート85質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部からなるアクリル系共重合体100質量部に対して、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートを10質量部反応させ、エネルギー線硬化型共重合体(重量平均分子量:70万)を得た。酢酸エチルによって25質量%溶液となるように濃度を調整した上記エネルギー線硬化型共重合体100質量部に対し、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)0.15質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)0.75質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
アクリル樹脂からなる厚さ150μmの基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を乾燥後の厚さが30μmとなるように塗工し、実施例1に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テー
プを得た。
<実施例2>
アクリル酸ブチル84質量部、メタクリル酸メチル10質量部、アクリル酸1質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量部からなる重量平均分子量が約30万の共重合体をアクリル系粘着剤とした。この共重合体100質量部に対して、光硬化性の二重結合を分子中に2個持つアクリレートオリゴマーを100質量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)3.1質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)2.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、実施例1と同様の基材フィルム上に、乾燥後の厚さが130μmになるように塗工し、実施例2に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<実施例3>
アクリル酸メチル80質量部、2―エチルヘキシルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート7質量部、アクリル酸3質量部からなる重量平均分子量が約30万の共重合体をアクリル系粘着剤とした。この共重合体100質量部に対して、光硬化性の二重結合を分子中に6個持つアクリレートオリゴマーを15質量部、4個持つオリゴマーを50質量部、2個持つアクリレートオリゴマーを100質量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)3.1質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)5.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、実施例1と同様の基材フィルム上に、乾燥後の厚さが130μmになるように塗工し、実施例3に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<実施例4>
アクリル酸メチル80質量部、2―エチルヘキシルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート7質量部、アクリル酸3質量部からなる重量平均分子量が約30万の共重合体をアクリル系粘着剤とした。この共重合体100質量部に対して、光硬化性の二重結合を分子中に6個持つアクリレートオリゴマーを15質量部、4個持つアクリレートオリゴマーAを10質量部、同じく4個持つアクリレートオリゴマーBを50質量部、2個持つアクリレートオリゴマーを50質量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)3.1質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)2.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、実施例1と同様の基材フィルム上に、乾燥後の厚さが130μmになるように塗工し、実施例4に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<実施例5>
アクリル酸メチル80質量部、2―エチルヘキシルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート7質量部、アクリル酸3質量部からなる重量平均分子量が約30万の共重合体をアクリル系粘着剤とした。この共重合体100質量部に対して、光硬化性の二重結合を分子中に3個持つアクリレートオリゴマーを50質量部、2個持つアクリレートオリゴマーを50質量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)2.1質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)2.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、実施例1と同様の基材フィルム上に、乾燥後の厚さが130μmになるように塗工し、実施例5に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<実施例6>
アクリル酸メチル80質量部、2―エチルヘキシルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート7質量部、アクリル酸3質量部からなる重量平均分子量が約30万の共重合体をアクリル系粘着剤とした。この共重合体100質量部に対して、光硬化性の二重結合を分子中に3個持つアクリレートオリゴマーを40質量部、2個持つアクリレートオリゴマーを70質量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)4.2質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)2.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、実施例1と同様の基材フィルム上に、乾燥後の厚さが130μm
になるように塗工し、実施例6に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例1>
2-エチルヘキシルアクリレート75質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート24質量部、メタクリレート1質量部からなるアクリル系共重合体100質量部に対して、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートを10質量部反応させ、エネルギー線硬化型共重合体(重量平均分子量:70万)を得た。 酢酸エチルによって25質量%溶液となるように濃度を調整した上記エネルギー線硬化型共重合体100質量部に対し、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)0.15質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)0.75質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
押し出し法にて製膜したポリオレフィン樹脂からなる厚さ410μmの基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を乾燥後の厚さが30μmになるように塗工し、比較例1に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例2>
ブチルアクリレート60質量部、メチルメタクリレート20質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート28質量部からなる共重合体100質量部に対して、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート34質量部を反応させて得られたポリマー100質量部、紫外線硬化型反応開始剤3質量部、および架橋剤(イソシアネート系)1質量部を反応させて、エネルギー線硬化型粘着剤組成物を得た。
押し出し法にて製膜したポリオレフィン樹脂からなる厚さ300μmの基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を乾燥後の厚さが30μmになるように塗工し、比較例2に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例3>
メチルメタクリレート69質量部、2-エチルヘキシルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、メタクリル酸6質量部からなるアクリル系共重合体100質量部(重量平均分子量:25万)に対して、光反応性の2重結合を持つペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートを50質量部配合してエネルギー線硬化型共重合体を得た。 酢酸エチルによって25質量%溶液となるように濃度を調整した上記エネルギー線硬化型共重合体100質量部に対し、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)3.1質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)5.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
押し出し法にて製膜したEVA樹脂からなる厚さ100μmの基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を乾燥後の厚さが130μmになるように塗工し、比較例3に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例4>
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートを100質量部とした以外は実施例2と同様にして、比較例4に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例5>
メチルメタクリレート60質量部、2-エチルヘキシルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、メタクリル酸15質量部からなるアクリル系共重合体100質量部(重量平均分子量:25万)に対して、光反応性の2重結合を持つペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートを100質量部配合してエネルギー線硬化型共重合体を得た。 酢酸エチルによって40質量%溶液となるように濃度を調整した上記エネルギー線硬化型共重合体100質量部に対し、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)2.1質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)5.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
押し出し法にて製膜したEVA樹脂からなる厚さ100μmの基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を乾燥後の厚さが130μmになるように塗工し、比較例5に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例6>
アクリル酸メチル80質量部、2―エチルヘキシルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート7質量部、アクリル酸3質量部からなる重量平均分子量が約30万の共重合体をアクリル系粘着剤とした。この共重合体100質量部に対して、光硬化性の二重結合を分子中に3個持つアクリレートオリゴマーを40質量部、2個持つアクリレートオリゴマーを40質量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)2.1質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)2.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、実施例1と同様の基材フィルム上に、乾燥後の厚さが130μmになるように塗工し、比較例6に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例7>
アクリル酸メチル80質量部、2―エチルヘキシルアクリレート4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート6質量部、アクリル酸10質量部からなる重量平均分子量が約30万の共重合体をアクリル系粘着剤とした。この共重合体100質量部に対して、光硬化性の二重結合を分子中に3個持つアクリレートオリゴマーを20質量部、2個持つアクリレートオリゴマーを80質量部、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)1.1質量部と、光重合開始剤(BASF社製:イルガキュア184)2.0質量部とを混合し、エネルギー線硬化型の粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、実施例1と同様の基材フィルム上に、乾燥後の厚さが130μmになるように塗工し、比較例7に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを得た。
[特性評価試験]
実施例、比較例に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープについて、特性評価試験を下記のように行った。その結果を表1,2に示す。
(粘着力)
各実施例、比較例に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープから幅25mm×長さ300mmの試験片を3点採取し、それらをJIS R 6253に規定する280番の耐水研磨紙で研磨したJIS G 4305に規定する厚さ1.5mm〜2.0mmのSUS304鋼板上に貼着した後、2kgのゴムローラを3往復かけて圧着し、1時間放置したものをサンプルとした。各サンプルについて、JIS Z 0237に準拠し、剥離角度90°、剥離速度50mm/minの条件で粘着力Aを測定した。測定温度は23℃、測定湿度は50%であった。3点の平均値を表1,2に示す。
また、上記と同様にして作製したサンプルに、基材フィルム側からエネルギー量が100mJ/cm2または200mJ/cm2になるようにエネルギー線をそれぞれ照射し、照射後1時間放置して、同じくJIS Z 0237に準拠してエネルギー線照射後の粘着力A100 ,A200をそれぞれ測定した。その際の照度は25〜50mW/cm2とすることが好ましく、以下の例では30mW/cm2とした。3点の平均値を表1,2に示す。
(シーページの評価)
貼り付け機として日東精機株式会社製のDR8500III(商品名)を用いて、半導体ウェハに実施例及び比較例に係る半導体ウェハ表面保護用粘着テープを貼合した。半導体ウェハとしては、厚さが725μmの8インチウェハの上に、高さが120μmであるボールバンプを形成したものを用いた。その後、インライン機構を持つグラインダー(株式会社ディスコ製のDGP8760(商品名))を使用して、厚さ100μm厚みまで研磨を行った。また、半導体ウェハの強度向上のため、ドライポリッシュにて最終仕上げを行った。
上記方法で研削した半導体ウェハについて、半導体ウェハ表面保護用粘着テープ側から観察した。半導体ウェハ表面保護用粘着テープと半導体ウェハとの間に切削水が浸入しているものを不良品として×、浸入していないものを良品として○で評価した。
(ディンプルの評価)
上記方法で研削した半導体ウェハについて、半導体ウェハの研削面を目視にて観察し、ディンプルが確認されたものを不良品として×、確認されなかったものを良品として○で評価した。
(TTVの評価)
上記方法で研削した半導体ウェハについて、それぞれ任意点にて、TTV測定装置Semdex300(ISIS sentronics社製、商品名)により厚さを測定した。厚さのばらつきが10μmを越えるものを不良品として×、10μm以下のものを良品として○で評価した。
(ウェハ割れの評価)
上記方法で研削した半導体ウェハについて、目視にて観察を行い、割れやクラックが確認されたものを不良品として×、確認されなかったものを良品として○で評価した。
(剥離性の評価)
各実施例、比較例の半導体ウェハ表面保護用粘着テープを半導体ウェハに貼合し、半導体ウェハを研削した後、エネルギー線を照射して剥離した際、剥離力の最大値が10Nを超えるものを不良品として×、7Nを超えて10N以下のものを許容品として△、7N以下のものを良品として○とした。剥離力は、粘着力と同様の装置を用いて、半導体ウェハから半導体ウェハ表面保護用粘着テープを剥離角度180°、剥離速度300mm/minで剥離したときの最大値とした。
(バンプ脱落の評価)
上記剥離性の評価の際、半導体ウェハ表面保護用粘着テープの剥離とともにバンプがウェハから脱落したものを不良品として×、脱落しなかったものを良品として○で評価した。
(糊残りの評価)
各実施例、比較例にかかる半導体ウェハ表面保護用粘着テープを半導体ウェハから剥離した後、半導体ウェハ表面を目視にて観察した。半導体ウェハ表面に糊残りが確認されたものを不良品として×、確認されなかったものを良品として○で評価した。
Figure 2015179825
Figure 2015179825
表1に示すように、実施例1〜6は、6<A<13(N/25mm)、AUV100/A≧0.71であり、AUV200/A≧0.33であって、かつAUV200≦4.6(N/25mm)であるため、高さが大きなバンプを有する半導体ウェハに対しても十分に追従させて良好に半導体ウェハの裏面を研磨することができ、半導体ウェハ裏面の研削加工後に、半導体ウェハを破損することなく、糊残りもなく剥離することができた。
これに対して、比較例1,4,5は、AUV100/Aが0.70未満であり、AUV200/Aも3.0未満であるため、エネルギー線照射により硬化収縮が大きくなってしまい、バンプへの噛み込みも大きくなり、バンプの脱落が発生した。比較例4では、バンプの脱落だけでなく、糊残りも発生した。比較例2は、AUV100/Aが0.70未満であり、AUV200/Aも3.0未満であるため、やはりバンプへの噛み込みが大きく、粘着剤層が基材フィルムから剥がれてしまったため、バンプの脱落は発生しなかったが、糊残りが発生する結果となった。比較例3,7は、AUV100/Aが0.70未満であるため、バンプへの噛み込みが大きく、バンプの脱落が発生した。比較例7では、バンプの脱落だけでなく、糊残り及び剥離不良も発生した。比較例6は、AUV200/Aが3.0未満であるため、エネルギー線照射により硬化収縮が大きくなってしまい、バンプへの噛み込みも大きくなり、バンプの脱落が発生した。
1:半導体ウェハ表面保護用粘着テープ
2:基材フィルム
3:粘着剤層
4:剥離フィルム
5:半導体ウェハ
7:研磨機
51:凹凸

Claims (2)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられたエネルギー線硬化型の粘着剤層とを有し、前記粘着剤層は、ベースポリマーがアクリル系ポリマーであり、エネルギー線照射前の粘着力をA(N/25mm)とし、エネルギー線を100mJ/cm2照射した後の粘着力をAUV100(N/25mm)としたとき、6<A<13(N/25mm)、AUV100/A≧0.70であり、かつ、エネルギー線を200mJ/cm2照射した後の粘着力をAUV200(N/25mm)としたとき、AUV200/A≧0.30であって、かつAUV200≦5(N/25mm)であることを特徴とする半導体ウェハ表面保護用粘着テープ。
  2. 前記アクリル系ポリマー100質量部に対して、光硬化性のニ重結合を分子中に2個持つオリゴマーを50〜200質量部、反応性開始剤を0.5〜3.0質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハ表面保護用粘着テープ。
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