JP2009035717A - Uv硬化型粘着剤組成物及び半導体ウエハ加工用粘着テープ - Google Patents

Uv硬化型粘着剤組成物及び半導体ウエハ加工用粘着テープ Download PDF

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【課題】ウエハ加工時におけるチップ飛びおよびチッピングを抑え、経時でのウエハ/テープ界面の密着力の上昇が小さく、ピックアップ性に優れた半導体ウエハ加工用粘着テープを提供する。
【解決手段】アクリル系粘着剤、UV硬化樹脂、光開始剤、架橋剤からなるUV硬化型粘着剤組成物であって、該アクリル系粘着剤がアミド基を有するものであることを特徴とするUV硬化型粘着剤組成物及びそれを用いた半導体ウエハ加工用粘着テープ2。
【選択図】図1

Description

本発明は、UV硬化型粘着剤組成物及び半導体ウエハ加工用粘着テープに関するものである。
半導体装置を製造する工程において、半導体ウエハやパッケージ等を切断する際に半導体ウエハ加工用の粘着テープが用いられている。この粘着テープは、半導体ウエハやパッケージ等に貼り付け、ダイシング、エキスパンティング等を行い、半導体ウエハやパッケージ等を切断して得られた半導体素子をピックアップするために用いられる。
このような粘着テープは、基材シートと、基材シートの片面に設けられた粘着層とで構成されている。基材シートとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリオレフィン系のシートが使用されているが、近年ではポリオレフィン系樹脂の割合が増えてきている(例えば特許文献1参照)。
さらに近年では、市場の要求からデバイスの小型化や薄化が加速している。しかし、デバイスの小型に伴い、ダイシング時にチップ飛び(ウエハをカットする際に小片化したチップが飛ぶ現象)やチッピング(ウエハをカットする際のチップの欠け:デバイスの小型化にともないチッピングの要求レベルが高くなっている)が問題となっている。また、デバイスを薄化する際にはウエハを研削する必要があり、工程の短縮からウエハを研削後すぐに半導体ウエハ加工用粘着テープに貼り付けることが増えてきている。しかしながら、研削後のウエハは表面の酸化皮膜が取れて活性であり、半導体ウエハ加工用粘着テープと貼り付けるとウエハ/テープ界面の密着力の大幅な上昇が生じる。特に100μ以下の薄いウエハではウエハ/テープの密着力の上昇によりピックアップ時にウエハが割れる等の不具合が発生しやすくなる。また、デバイス作製の際に多様な工程を踏む事が増えており、ウエハをダイシングテープに貼ってダイシングする前(UV照射前)に長時間放置したり、ダイシング後UV照射をせずに切断したウエハを長時間放置したりする工程が増えている。テープとウエハを貼り付けUV照射前に放置することにより、凝集力が低い粘着剤では経時的にウエハとテープの界面の密着力が上昇してしまいUV照射後に十分な粘着力の低下が得られずピックアップ不具合等が発生するといった問題が起きている。


特開平09−008111号公報
本発明の目的は、チップ飛びおよびチッピングを抑え、経時でのウエハ/テープ界面の密着力の上昇が小さく、ピックアップ性に優れた半導体ウエハ加工用粘着テープを提供することにある。
本発明は、
(1)アクリル系粘着剤(A)、UV硬化樹脂(B)、光開始剤(C)を含むUV硬化型粘着剤組成物であって、該アクリル系粘着剤(A)がアミド基を有するアクリル系粘着剤(a)であることを特徴とするUV硬化型粘着剤組成物、
(2)前記アミド基を有するアクリル系粘着剤(a)のアミン価が50〜200mgKOH/gであることを特徴とする請求項1記載のUV硬化型趣旨組成物、
(3)更に一分子中に一個のイソシアネート基及び一個以上の末端二重結合を有するUV硬化型の架橋剤(D)を含む請求項1または2記載のUV硬化型粘着剤組成物、
(4)また上記(1)、(2)または(3)記載のUV硬化型粘着剤組成物を基材上に塗布し粘着層が形成されていることを特徴とする半導体加工用粘着テープ、
である。
本発明に係るアミド基を有するアクリル系粘着剤をベース樹脂として用いたUV硬化型粘着剤組成物を粘着層に用いる事により、チップ飛びチッピングを抑え、経時でのウエハ/テープ界面の密着力の上昇性が小さく、ピックアップ性に優れた半導体ウエハ加工用粘着テープを提供することができる。
また、更に上記UV硬化型粘着剤組成物が一分子中に一個のイソシアネート基及び、一個以上の末端二重結合を有するUV硬化型の架橋剤(D)を含む事で、粘着力を低下させずに更なる凝集力の向上及び汚染を低減することができる
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に係るUV硬化型粘着剤組成物は、アミド基を有するアクリル系粘着剤(a)をベース樹脂として用いる事を特徴としている。
本発明に係るUV硬化型粘着剤組成物を粘着層に用いた半導体ウエハ加工用粘着テープは、ダイシング時には高い粘着力を有するためにチップ飛びによる不具合を減少させることができ、また高い凝集力を有するためチッピングやUV照射前の経時的なウエハ/テープ界面の密着力の上昇を抑えることができる。更にピックアップ時には粘着力が低くなるためピックアップ性を改善することができる。なお、粘着力とはテープと被着体の密着性を表す指標であり、凝集力とは粘着剤の硬さを表す指標である。
アミド基を有さないアクリル系粘着剤の場合、バルクを柔らかくすることにより粘着力の向上を図るが、バルクを柔らかくすることにより凝集力が低下するという問題が生じる。また、バルクを硬くすることにより凝集力の向上を図ると粘着力が低下するという問題が生じる。このため、アミド基を有さない粘着剤をベース樹脂とするUV硬化型粘着剤組成物を用いたウエハ加工用粘着テープでは粘着力と凝集力を共に高めることが困難であった。
しかしアミド基を有する粘着剤をベース樹脂とするUV硬化型粘着剤組成物は、アミド基が存在するため極性が高くなり、バルクの柔らかさではなく、この極性基の存在により金属(ウエハ)との密着性が改善する。よって凝集力を高めるためにバルクを柔らかくする必要はなくウエハ加工用粘着テープの粘着力と凝集力とを同時に高めることが可能となる。
本発明に用いられるアミド基を有するアクリル系粘着剤(a)とは、例えば、アクリルアミド系モノマー/アクリル(メタクリル)酸エステル/水酸基含有(メタ)アクリレートの共重合体などが上げられる。
本発明に用いられるアミド基を有するアクリル系粘着剤(a)はガラス転移温度が−30〜−5℃のものが好ましく、更に好ましくは−30〜−10℃である。ガラス転移温度が−5℃よりも高くなると充分な粘着力が得られずチップ飛び等の問題が発生する恐れがあり、また−30℃未満になると十分な凝集力が得られずチッピングの拡大や経時でのウエハ/テープ界面の密着力の大幅な上昇の恐れがある。
本発明に用いられるアミド基を有するアクリル系粘着剤(a)はアミン価が50〜200mgKOH/gのものが好ましく、更に好ましくはアミン価が80〜170mgKOH/g、特に100〜150mgKOH/gのものが粘着力と凝集力を高める効果が大きい。アミン価が50mgKOHより少なくなると、充分な凝集力が得られずチッピングの拡大や経時でのウエハ/テープ界面の密着力の大幅な上昇の恐れがある。また、200mgKOH/gを超えると粘着剤の生産性が低下する恐れがある。
なお本発明に用いられるアミド基を有するアクリル系粘着剤(a)が分子中に水酸基を有することによりイソシアネート系の架橋剤で架橋することが可能となり更に凝集力を高める設計が可能になる。
なお架橋剤として、一分子中にひとつのイソシアネート基及び、ひとつ以上の末端二重結合を有するUV硬化型の架橋剤(D)を選択することにより、更に粘着力の低下を抑制することができる。
前記架橋剤(D)は一分子中に一個のイソシアネート基及び一個以上の末端二重結合を有するものである。分子中にひとつのイソシアネート基及びひとつ以上の末端二重結合を有するUV硬化型の架橋剤(D)は、UV照射前は架橋しないため粘着力が低下せず、高い粘着力を維持する事ができ、UV照射後は末端二重結合により、UV硬化樹脂(B)も含めて架橋が進行し、粘着剤がひとつの大きな塊となるため低粘着力で更に高い凝集力を持つウエハ加工用粘着テープを得ることができ、更に汚染低減にも有効である。
熱硬化型の架橋剤を用いると、熱で架橋が進行し三次元構造をとるため、粘着力が低下するといった弊害がおこる。また、ベース樹脂、熱硬化性架橋剤、UV硬化樹脂の混合系では、UV照射時に、UV硬化樹脂のみが架橋し、ベース樹脂、熱硬化性架橋剤は架橋に寄与しないため、架橋部とその他の部分が別々に存在する事となり、低分子成分があると汚染の原因となる恐れがある。
アミド基を有するアクリル系粘着剤(a)は、粘着剤層の厚みが10μmになるように塗布した粘着テープを作製後、該粘着テープをベアシリコンウエハの鏡面に貼り付け30分放置後の粘着力が500cN/25mm以上、好ましくは600cN/25mm以上、更に好ましくは800cN/25mm以上であるアミド基含有アクリル系粘着剤(A)が良い。粘着力が500cN以下では粘着力が低いためウエハとの十分な密着力が得られない恐れがあり、特に小チップでチップ飛びの問題が起こる恐れがある。
アミド基を有するアクリル系粘着剤(a)を粘着剤層の厚みが10μmになるように塗布した粘着テープを作製後、該粘着テープをSUS板に25mm□で貼付けテープの端に1kgの荷重をかけた際の標線からのテープのズレが3時間で0.5mm以下、好ましくは0.1mm以下であるものが良い。(図1)なお、荷重によりテープ基材が伸びる際は基材が伸びないように別の基材を裏打ちした方が良い。標線からのズレが0.5mmを超えると十分な凝集力が得られずチッピングや経時でのウエハ/テープ界面の密着力上昇性が大きくなる恐れがある。
ここで使用した粘着剤の厚み10μmは試験のための単なる指標であり、製品としてもちいる場合には、要求特性に合わせて適宜変更することが可能である。
アミド基を有するアクリル系粘着剤(a)をベース樹脂としたUV硬化型粘着剤組成物を用いることによりチップ飛び、チッピング、経時でのウエハ/テープ界面の密着力上昇性及びピックアップ性に優れた半導体ウエハ加工用粘着テープを得る事が出来る。更に、一分子中にひとつのイソシアネート基及び、ひとつ以上の末端二重結合を有するUV硬化型の架橋剤(D)を添加することにより、更に高い凝集力を有しかつ汚染性の低い半導体ウエハ加工用粘着テープを得る事ができる。
本発明に用いられるUV硬化樹脂(B)の配合量は、固形分換算でアクリル系粘着剤(a)100重量部に対して、20〜100重量部であり、好ましくは30〜70重量部である。UV硬化樹脂の配合量が100重量部より大きくなると凝集力が低下しチッピングの悪化や経時でのウエハ/テープ界面の密着力上昇性が大きくなる。また、20重量部未満ではUV照射後に充分な粘着力の低下が起こらず、ピックアップ不具合等が発生する。
本発明に用いられるUV硬化樹脂(B)は少なくとも1種以上のエネルギー線硬化型樹脂を含んでいる。これにより、エネルギー線照射後の粘着力を低下させることができる。UV硬化樹脂(B)としては、例えば紫外線、電子線等のエネルギー線の照射によって、三次元架橋可能な重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上分子内に有する低分子量化合物が広く用いられる。そのようなUV硬化樹脂(B)として、具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートや芳香族系、脂肪族系等のウレタンアクリレート(オリゴマー)等を挙げることができる。
本発明に用いられる光開始剤(C)の配合量は特に規定しないが固形分換算でアクリル系粘着剤(a)0.5〜15重量部で好ましくは1〜10重量部であるものが良い。15重量部より多くなると、UV硬化後に多量の光開始剤が残り、汚染の原因となる。また、0.5重量部未満ではUV照射で充分な反応が進まずに硬化不足で粘着力が下がらずにピックアップ不具合等が発生する恐れがある。
光開始剤(C)としては例えば2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン等が挙げられる。
本発明に用いられる架橋剤(D)の配合量は固形分換算でアクリル系粘着剤(a)100重量部に対して10〜70重量部が好ましく、更に好ましくは20〜40重量部である。
架橋剤(D)の配合量が10重量部未満では、アミド基含有アクリル系粘着剤(a)を十分架橋できず低分子成分が存在する場合に汚染の原因になる恐れがある。また、70重量部より多くなると半導体ウエハ加工用粘着テープとウエハとの経時での密着力が大幅に上昇しピックアップ性が悪化する。
本発明に用いられる架橋剤(D)としては一分子中にひとつのイソシアネート基及び、ひとつ以上の末端二重結合を有するものであれば特に規定はしないが、効率的に反応・架橋できるようにイソシアネート基及び二重結合周辺の立体障害が小さいものが好ましい。
半導体ウエハ加工用粘着テープとして使用する際のUV照射前の粘着力は400cN/25mm以上、好ましくは500cN/25mm以上、更に好ましくは600cN/25mm以上が良い。400cN/25mm未満では、特に厚いウエハで用いる場合に小チップでのチップ飛びが起こる恐れがある。
半導体ウエハ加工用粘着テープを、SUS板に25mm□で貼付け、テープの端に1kgの荷重をかけた際の標線からのテープのズレが3時間後で0.5mm以下、好ましくは0.1mm以下であるものが良い(図1参照)。なお、荷重によりテープ基材が伸びる際は基材が伸びないように別の基材を裏打ちした方が良い。標線からのズレが上限値を超えると充分な凝集力が得られずチッピングの拡大や経時でのウエハ/テープ界面の密着力の大幅な上昇の恐れがある。
ベアシリコンウエハの鏡面に半導体ウエハ加工用粘着テープを貼りつけUV照射前に25℃−50%RHの環境下で一定時間放置後、UV照射(照度:70mW/cm2、積算光量:200mJ/cm2)した後の粘着力が下記式1及び式2を満たすの半導体ウエハ加工用粘着テープが良い。
式1 30分放置後のUV後粘着力≦20cN/25mm
好ましくは
30分放置後のUV後粘着力≦15cN/25mm
式2 7日放置後のUV後粘着力/30分放置後のUV後粘着力≦2
好ましくは
7日放置後のUV後粘着力/UV前30分放置後のUV後粘着力≦1.5
式1を満たさない場合はUV照射後の硬化が不十分でピックアップ性が悪く、式2を満たさない場合は経時でのウエハ/テープ界面の密着力の上昇が大きくなるため、シリコンウエハの裏面研削後直ぐに半導体加工用粘着テープを貼り付けた場合や、ウエハと半導体加工用粘着テープを貼付けUV照射前に長時間放置した場合にピックアップ性が悪くなる恐れがある。
50℃7日間保管でのUV前粘着力の低下が保管前の粘着力に比べて30%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である半導体ウエハ加工用粘着テープが良い。上限値を超えるとテープの輸送中や保管時に一時的に高温になった場合にUV前粘着力が下がる恐れがあり、粘着力が下がるとチップ飛び等の不具合が起こる恐れがある。
半導体加工用粘着テープとして使用する際の粘着剤層の厚みは2〜50μm、好ましくは3〜20μm、更に好ましくは4〜11μmである。
半導体加工用粘着テープとして使用する際の基材としては、紫外線及び/又は電子線に対し透過性を有するフィルムが用いられる。紫外線及び/又は電子線に対し透過性を有するフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢ビ共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート等の一般的な熱可塑性樹脂からなるフィルムが挙げられる。また、これらの樹脂の混合物からなるフィルムあるいはこれらの樹脂の積層フィルムでもあってもよい。
基材としては環境面や粘着力の安定性の面から可塑剤を含まないオレフィン系のものが好ましい。また、高エキスパンドやエキスパンド後の復元性が求められる用途では塩化ビニル系の基材を用いても良い。基材の厚みとしては60〜250μm、好ましくは80〜200μm、更に好ましくは80〜150μmである。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これは単なる例示であり、本発明はこれにより限定されるものではない。
<アクリル系粘着剤(A)>
アクリル系粘着剤1 (アクリルアミド系モノマー/アクリル(メタクリル)酸エステル
/水酸基含有(メタ)アクリレートの共重合体
水酸基及びアミド基含有
ガラス転移温度:−15℃
アミン価:115mgKOH/g)
アクリル系粘着剤2 (アクリルアミド系モノマー/アクリル(メタクリル)酸エステル
/水酸基含有(メタ)アクリレートの共重合体
水酸基及びアミド基含有
ガラス転移温度:−25℃
アミン価:115mgKOH/g)
アクリル系粘着剤3 (アクリルアミド系モノマー/アクリル(メタクリル)酸エステル
/水酸基含有(メタ)アクリレートの共重合体
水酸基及びアミド基含有
ガラス転移温度:−15℃
アミン価:60mgKOH/g)
アクリル系粘着剤4 (アクリル酸エステル共重合体 MSP−5500
:新中村化学工業株式会社製
アミン価: 0mgKOH/g)
アクリル系粘着剤5 (アクリル酸エステル共重合体PE−121
:日本カーバイド工業株式会社製
アミン価: 0mgKOH/g)
<UV硬化樹脂(B)>
ウレタンアクリレート (9官能オリゴマー UA−32P:
新中村化学工業株式会社製)
<光開始剤(C)>
ベンゾフェノン系光開始剤(イルガキュア651:
チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
<架橋剤(D)>
UV硬化型架橋剤(EYRESIN VI−1:ケーエスエム株式会社
アクリロイル基含有モノマー 一分子中に一個のイソシアネート基及
び、一個の末端二重結合を有する )
<粘着テープの作製>
上記のベース樹脂、架橋剤、UV硬化樹脂及び光開始剤を使用し、表1に示す配合比(固形分重量比)のUV硬化型粘着剤組成物を作製した。作製したUV硬化型粘着剤組成物を、厚さ100μmのポリオレフィン系基材(基材組成:ポリプロピレン60重量%、スチレン−イソプレン共重合体40重量%)に粘着剤層の厚みが10μmになるように塗布したのち25℃−50%の環境で7日間放置した。その後下記の特性評価を実施した。評価結果は表1に記載した。
<粘着テープの評価(半導体ウエハ加工用粘着テープ)>
粘着テープの作製2にて作製した粘着テープの、凝集力、粘着力、チップ飛び、チッピング、経時でのウエハ/テープ界面の密着力の上昇を評価した。
(粘着力) 作製した粘着テープをベアシリコンウエハの鏡面に貼り付け30分放置後の粘着力を測定した。(500cN/25mm以上が合格とした。)
(凝集力) 作製した粘着テープをSUS板に25mm□で貼付け、テープの端に1kgの荷重をかけた際の3時間後の標線からのテープのズレを測定した。(0.5mm以下が合格とした。)
(チップ飛び) 下記条件でダイシングした際の□チップ(製品チップ)飛びを確認し、□チップ飛びがないものを○、□チップ飛びがあるものを×とした。
ダイサー DAD3350(株)ディスコ製
ブレード NBC−ZH 2050−SE 27HEDD (株)ディスコ製
ウエハサイズ 5インチ
ウエハ厚み 625μ(テープと鏡面貼り付け)
チップサイズ 1mm□
ブレード回転数 30000rpm
カット速度 50mm/sec
切込量 テープに20μm
ブレードクーラー 2L/min
(チッピング)
下記条件でダイシングし、裏面チッピングの測定を実施した。測定箇所のサンプリングは隣接した4チップの各辺のチッピングを、ウエハの上下左右中央の5箇所(4チップ×4辺×5箇所=80辺)からおこなった。チッピングの最大値15μm以下のものを◎、25μ以下のものを○、25μをこえるものを×とした。
ダイサー DAD3350(株)ディスコ製
ブレード NBC−ZH 2050−SE 27HEDD (株)ディスコ製
ウエハサイズ 5インチ
ウエハ厚み 300μ BG面#2000仕上げ(テープとBG面貼り付け)
チップサイズ 5mm□
ブレード回転数 30000rpm
カット速度 50mm/sec
切込量 テープに20μm
ブレードクーラー 2L/min
(UV後粘着力)
ベアシリコンウエハの鏡面にテープを貼りつけ30分間及び7日間25℃―50%RHの環境で放置後UV照射(照度:70mW/cm2 積算光量:200mJ/cm2)し粘着力を測定した。(20cN/25mm以下が合格とした。)
(経時でのウエハ/テープ界面の密着力の上昇)
ベアシリコンウエハの鏡面にテープを貼りつけUV照射前に25℃−50%RHの環境下で一定時間放置後、UV照射(照度:70mW/cm2、積算光量:200mJ/cm2)した後の粘着力を測定し、下記式2に基づいて値を算出した。
式2 7日放置後のUV後粘着力/30分放置後のUV後粘着力
(2以下を合格とした。)
Figure 2009035717
本発明の高粘着力で高凝集力なアミド基含有アクリル系粘着剤(A)をベース樹脂として用いる事により、チップ飛びおよびチッピングを抑え、経時でのウエハ/テープ界面の密着力の上昇が小さく、ピックアップ性に優れた半導体ウエハ加工用粘着テープを提供することができる。
凝集力測定の説明図である。
符号の説明
1 SUS板
2 粘着テープ
3 荷重(1kg)
4 標線
5 ズレ(標線と粘着テープ間で、最も長い距離を測定する。)
6 重力の方向

Claims (4)

  1. アクリル系粘着剤(A)、UV硬化樹脂(B)、光開始剤(C)を含むUV硬化型粘着剤組成物であって、該アクリル系粘着剤(A)がアミド基を有するアクリル系粘着剤(a)であることを特徴とするUV硬化型粘着剤組成物。
  2. 前記アミド基を有するアクリル系粘着剤(a)のアミン価が50〜200mgKOH/gである請求項1記載のUV硬化型粘着剤組成物。
  3. 更に、一分子中に一個のイソシアネート基及び一個以上の末端二重結合を有するUV硬化型の架橋剤(D)を含む請求項1または2記載のUV硬化型粘着剤組成物。
  4. 請求項1、2または3記載のUV硬化型粘着剤組成物を基材上に塗布し粘着層が形成されていることを特徴とする半導体加工用粘着テープ。
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