JP6616138B2 - 電子部品実装用パッケージおよび電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品実装用パッケージおよび電子装置に関する。
圧電振動子などの圧電素子、LED(Light-Emitting Diode:発光ダイオード)などの半導体発光素子等の電子部品が実装された電子装置は、基体を備えたパッケージと、該パッケージにおいて基体に実装される電子部品とを含んで構成される。電子装置において、電子部品は、パッケージの基体の一表面に設けられた導体層上に、たとえば導電性接着剤による接着によって実装されている。
具体的には、電子部品として圧電振動子が実装された電子装置である表面実装型の圧電デバイスは、凹部を有する基体を備えたパッケージと、該パッケージ内に収納される水晶などから成る圧電振動子と、凹部を覆う蓋体とを備えている。圧電デバイスにおいて、圧電振動子は、パッケージの基体の一表面となる、凹部の底面に設けられた電極パッド(導体層)上に、導電性接着剤による接着によって実装されている。このような圧電デバイスは、基体の下面に設けられた外部電極を介してプリント基板等の外部回路基板に実装される(特許文献1参照)。
また、電子部品としてLED素子が実装された電子装置である発光装置は、光反射部材が載置される基体を備えたパッケージと、LED素子とを備えている。発光装置において、LED素子は、パッケージの基体の、光反射部材が載置される一表面に設けられた電極パッド(導体層)上に、導電性接着剤による接着によって実装されている(特許文献2参照)。
特開2014−160980号公報 特開2005−166937号公報
電子装置の小型化が進むと、電極パッドおよび外部電極(導体層)の面積が小さくなるので、たとえば電極パッドについては、基体の一表面に設けられた電極パッド(導体層)に電子部品を、導電性接着剤により固定する従来技術のパッケージ構造では、電極パッドと電子部品との間の導電性接着剤による固着強度、および電極パッドとパッケージの基体の一表面との間の固着強度が小さくなる。このように固着強度が小さくなると、電子部品
の特性が劣化する、たとえば電子部品が圧電振動子の場合には圧電振動子の振動特性が劣化するおそれがあり、ひいては電子装置の特性が劣化するおそれがある。また、外部接続の信頼性が低くなるおそれがる。
本発明の目的は、導体層と基体との固着強度に優れ、例えば電子部品の特性を良好に維持すること等が可能な電子部品実装用パッケージ、および該電子部品実装用パッケージを備えた電子装置を提供することである。
本発明の一態様の電子部品実装用パッケージは、電子部品が実装される実装領域を含む第1表面を有する基体と、前記第1表面の前記実装領域から突出する第1突出部と、前記第1突出部を覆うように設けられる第1導体層と、を含み、前記第1表面は、前記第1突出部の周辺部分の少なくとも一部に第1凹溝を有することを特徴とするものである。
また本発明の一態様の電子装置は、前記電子部品実装用パッケージと、前記第1導体層を覆うように設けられる、導電性接着剤から成る接着剤層と、前記接着剤層を介して前記第1導体層に接着される電子部品と、を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、電子部品実装用パッケージは、電子部品が実装されるパッケージであり、電子部品が実装される実装領域を含む第1表面を有する基体と、第1突出部と、第1導体層とを含んで構成される。第1突出部は、基体の第1表面における実装領域から突出して設けられ、第1導体層は、第1突出部を覆うように設けられる。また、第1表面は、第1突出部の周辺部分の少なくとも一部に第1凹溝を有する。
上記構成の電子部品実装用パッケージにおいて、電極パッドとなる第1導体層は、基体の第1表面における実装領域から突出する第1突出部を覆うように設けられ、第1突出部の周辺部分に第1凹溝を有しているので、平坦な一表面上に設けられた従来の構成に比べて、固着される面積が大きくなる。これによって、基体の第1表面の実装領域において、電子部品と第1導体層との間の固着強度、および、基体の第1表面の実装領域から突出する第1突出部と第1導体層との間の固着強度が小さくなることを抑制することができる。したがって、電子部品実装用パッケージは、第1導体層と基体との固着強度に優れたものとなり、電子部品の特性の劣化を抑制可能なものとなる。
また本発明によれば、電子装置は、電子部品の特性の劣化を抑制可能な電子部品実装用パッケージを備えているので、電子装置の特性が劣化することを抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る電子部品実装用パッケージ2を備えた電子装置1の構成を示す断面図である。 電子部品実装用パッケージ2における部品搭載用突出部221aの近傍を拡大して示す図である。 電子部品実装用パッケージ2を上方から見た平面図である。 電子部品実装用パッケージ2を下方から見た底面図である。 電子部品実装用パッケージ2における基体21の内層構造を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電子部品実装用パッケージ2Aを備えた電子装置1Aの構成を示す断面図である。 電子部品実装用パッケージ2Aにおける基板接続用突出部232Aの近傍を拡大して示す図である。 電子部品実装用パッケージ2Aを下方から見た底面図である。 図8の第1の変形例を示す底面図である。 図8の第2の変形例を示す底面図である。 本発明の効果を模式的に示す底面図である。
以下、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電子部品実装用パッケージ2を備えた電子装置1の構成を示す断面図である。図2は、電子部品実装用パッケージ2における部品搭載用突出部221aの近傍を拡大して示す図である。図3は、電子部品実装用パッケージ2を上方から見た平面図である。図4は、電子部品実装用パッケージ2を下方から見た底面図である。図5は、電子部品実装用パッケージ2における基体21の内層構造を示す図である。
本実施形態の電子装置1は、圧電振動子などの圧電素子、LED(Light-Emitting Diode:発光ダイオード)などの半導体発光素子等の電子部品が実装されたデバイスである。電子装置1は、電子部品実装用パッケージ2と、電子部品3とを含んで構成される。
電子部品実装用パッケージ2は、電子部品3が実装される実装領域を含む第1表面を有する基体21と、基体21の第1表面における前記実装領域から突出する第1突出部である部品搭載用突出部221a,221bと、部品搭載用突出部221a,221bを覆うように設けられる第1導体層である電極パッド222a,222bと、を含んで構成される。
電子装置1が、電子部品3として圧電振動子が実装された圧電デバイスである場合、電子部品実装用パッケージ2は、凹部を有する基体21を備えたパッケージとなり、部品搭載用突出部221a,221bが設けられる第1表面が、凹部の底面となる。また、電子装置1が、電子部品3としてLED素子が実装された発光装置である場合、電子部品実装用パッケージ2は、光反射部材が載置される基体21を備えたパッケージとなり、部品搭載用突出部221a,221bが設けられる第1表面が、光反射部材が載置される一表面となる。
図1〜図5は、電子部品3として圧電振動子が実装された電子装置1である圧電デバイスを示したものであり、以下では、この圧電デバイスを例にして、本実施形態について詳細に説明する。なお、以下では、電子装置1を「圧電デバイス1」と称し、電子部品3を「圧電振動子3」と称する。
本実施形態の圧電デバイス1は、電子部品実装用パッケージ2と、圧電振動子3と、蓋体4とを含んで構成される。
ここで、圧電振動子3は、たとえば、水晶振動子であり、圧電体を2枚の電極で挟んだ素子を基本構造とするものであり、特定の周波数で振動振幅が最大となる。圧電振動子3は、圧電体に加えられた力による歪みによって電圧を発生し、あるいは圧電体に電圧を印加すると歪みを発生する、圧電効果を利用した受動素子である。
圧電振動子3としての水晶振動子の作製方法について説明する。まず、水晶素子を準備する。水晶素子は、人工水晶体から所定のカットアングルで切断し、中央部の厚みが外周の厚みよりも厚くなるようにベベル加工を行う。そして、水晶素子は、両主面にフォトリソグラフィー技術、蒸着技術又はスパッタリング技術によって、金属膜を被着させることにより、励振電極や接続電極を形成することにより作製される。なお、励振電極は、水晶素子の両主面のそれぞれの中央部を覆った電極であって、水晶素子を振動させる機能を有
している。また、接続電極は、水晶素子の一主面の中央部の周辺部に設けられ、接着剤層5と接続される電極である。
電子部品実装用パッケージ2は、圧電振動子3を収納するためのものであり、基体21と、圧電振動子搭載部22とを含んで構成される。
基体21は、圧電振動子3が収納される収納空間を形成する凹部211を有する。この凹部211の底面211aが、圧電振動子3が実装される実装領域を含む第1表面である。本実施形態では、基体21は、平面視したときに、外形形状が矩形状である。また、凹部211の底面211aの形状は、角が角丸の矩形状である。平面視において基体21の外形寸法は、たとえば、長辺の長さが0.75〜3.25mmであり、短辺の長さが0.55〜2.55mmである。また、平面視において凹部211の底面211aの寸法は、たとえば、長辺の長さが0.55〜3.05mmであり、短辺の長さが0.35〜2.35mmである。
基体21は、例えばアルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料である絶縁部材からなる。基体21は、絶縁部材からなる絶縁層を1層用いたものであっても、絶縁部材を複数積層したものであってもよい。本実施形態に係る基体21は、最外層のセラミック層、各セラミック層の間には、図4に示す外部電極パッド231a,231b,231c,231d、図5に示すパターン導体251が配置され、各セラミック層を貫通し、第1導体層である電極パッド222a,222b、第2導体層である外部電極パッド231(231a,231b,231c,231d)あるいはパターン導体251同士を電気的に接続する貫通導体261(261a,261b,261c,261d)が設けられている。
また、本実施形態の電子部品実装用パッケージ2において、基体21の矩形状の下面211bには、図4に示すように、4つの隅部のそれぞれに、外部電極パッド231a,231b,231c,231dが設けられている。基体21の下面211bは、外部回路基板に接続される基板接続領域を含む第2表面である。これらの外部電極パッド231a,231b,231c,231dは、プリント基板などの外部回路基板の所定部位にはんだ等によって電気的および機械的に接続されて実装される端子である。
具体的には、外部電極パッド231aは、貫通導体261aと接続されている。外部電極パッド231bは、貫通導体261bと接続されている。外部電極パッド231cは、貫通導体261cと接続されている。外部電極パッド231dは、貫通導体261dと接続されている。
電極パッド222aは、内層パッド222a’と接続されている。電極パッド222bは、内層パッド222b’と接続されている。そして、電極パッド222aは、外部電極パッド231aと電気的に接続されて陽極として機能する。また、電極パッド222bは、外部電極パッド231cと電気的に接続されて陰極として機能する。
また、電極パッド222、外部電極パッド231、パターン導体251および貫通導体261は、たとえばタングステン、モリブデン、銅、銀または銀パラジウム等の金属粉末の焼結体等から構成されている。
圧電振動子搭載部22は、電子部品実装用パッケージ2において、圧電振動子3が搭載される部分であり、第1突出部である部品搭載用突出部221a,221bと、第1導体層である電極パッド222a,222bとを含んで構成される。
部品搭載用突出部221a,221bは、基体21の上面における凹部211の底面211aから収納空間内に盛り上がるようにして、突出して設けられる。本実施形態では、部品搭載用突出部221a,221bは、図3に示すように、凹部211の底面211aに、互いに間隔をあけて配置される一対の部品搭載用突出部221a,221bによって構成される。一対の部品搭載用突出部221a,221bは、基体21と同じ材料から成り、基体21と一体的に形成されている。
また、基体21は、凹部211の底面211aから凹部211の内側面を介して凹部211の周縁部にわたって、内層電極27が形成されている。内層電極27は、内層パッド27’と接続されている。そして、内層電極27は、外部電極パッド231bと電気的に接続されている。外部電極パッド231bは、基準電位、たとえばグランドとして機能する。
このように、基体21の上面には、基体21と一対の部品搭載用突出部221a,221bとが、セラミック材料によって一体的に形成されている。
一対の部品搭載用突出部221a,221bのうち、一方の部品搭載用突出部221aは、凹部211の底面211aにおいて、長辺方向一方側の、短辺方向一方側の隅部に設けられ、他方の部品搭載用突出部221bは、長辺方向一方側の、短辺方向他方側の隅部に設けられる。
本実施形態では、一対の部品搭載用突出部221a,221bのそれぞれは、図3に示すように、多角柱状(具体的には矩形柱状)である。一対の部品搭載用突出部221a,221bの寸法は、たとえば、高さが5〜80μmであり、断面における長辺の長さが100〜1100μmであり、短辺の長さが100〜1100μmである。
また、矩形柱状に形成された、一対の部品搭載用突出部221a,221bについて説明する。ここでは、図2を用いて、一方の部品搭載用突出部221aについて説明するが、他方の部品搭載用突出部221bの構造も同じように形成されている。図2に示すように、部品搭載用突出部221aは、部品搭載用突出部221aの上部の角に位置する、角部221aaが少なくとも部分的に角丸である。これによって、圧電振動子3が振動したときに、圧電振動子3に過度に応力が付加されることを抑制することができ、たとえば、圧電振動子3に亀裂が生じることを抑えることができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、基体21の凹部211の底面211aは、部品搭載用突出部221a,221bの周辺部分の少なくとも一部に第1凹溝である底面側凹溝211aaを有することが好ましい。これによって、部品搭載用突出部221a,221bは、後述の電極パッド222a,222bとの固着面積が大きくなるので、部品搭載用突出部221a,221bと電極パッド222a,222bとの間の固着強度が小さくなることを抑制することができる。
電極パッド222a,222bは、部品搭載用突出部221a,221bの全面を覆うように設けられる。電極パッド222a,222bは、たとえば、タングステンおよびモリブデンから成り、たとえば酸化防止のためにニッケルおよびスズの少なくとも一方またはこれらを含む合金により被覆される。なお、電極パッド222aと電極パッド222bは、所定の間隔を空けて配置されており、両者は電気的に絶縁した関係である。
また、本実施形態の電子部品実装用パッケージ2において、基体21の凹部211の底面211aには、図3に示すように、支持部241が設けられている。この支持部241は、必須の構成ではないけれども、支持部241を設けた構成とすることによって、支持
部241が支えとなり圧電振動子3を底面211aに対して平行に配置することができ、圧電振動子3を凹部211内に安定して固定することができる。
支持部241は、基体21の凹部211の底面211aにおいて、長辺方向に関し、部品搭載用突出部221a,221bが設けられている側とは反対側に形成されている。
支持部241は、矩形柱状であり、その寸法は、たとえば、高さが2〜80μmであり、断面における長辺の長さが200〜2000μmであり、短辺の長さが50〜500μmである。
以上のように構成される電子部品実装用パッケージ2の製造方法について、以下に説明する。
電子部品実装用パッケージ2は、前述したように、複数のセラミック層が積層された積層構造を有する。このような積層構造は、各セラミック層に対応した熱可塑性シートを用いて形成することができる。ここで、熱可塑性シートは、加熱することで軟化して流動するセラミックシートである。なお、熱可塑性シートとしては、たとえばアルミナ、窒化アルミニウム、ガラスセラミックスを主成分に、バインダーや可塑剤などの有機成分を調整して、60〜80℃における弾性率を低く調整したテープを用いている。
電子部品実装用パッケージ2は、熱可塑性シート、鋳型を用いたモールド工法により、製造することができる。鋳型は、電子部品実装用パッケージ2の凹部211の底面211aの形状に対して、反転形状の構造を有する。
電子部品実装用パッケージ2の製造方法では、まず、熱可塑性シートに厚み方向に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体261用の導電性ペーストを充填する。
次に、電極パッド222a,222b、外部電極パッド231a,231b,231c,231d、およびパターン導体251に対応して導電性ペーストを、従来公知のスクリーン印刷法により印刷する。
次に、各熱可塑性シートを重ね合わせて積層体を作製し、この積層体に鋳型を、加熱下で押しつけて、変形させる。このとき、基体21の凹部211の底面211aが鋳型に合うように盛り上がって、部品搭載用突出部221a,221bが形成される。そして、変形後の積層体を焼成することによって、電子部品実装用パッケージ2を製造することができる。
以上のように構成される電子部品実装用パッケージ2において、電極パッド222a,222bは、基体21の凹部211の底面211aから突出する部品搭載用突出部221a,221bを覆うように設けられているので、平坦な底面211a上に設けられた従来の構成に比べて、固着される面積が大きくなる。
これによって、部品搭載用突出部221a,221bおよび電極パッド222a,222bにより構成される圧電振動子搭載部22に搭載される圧電振動子3と電極パッド222a,222bとの間の固着強度、および、基体21の凹部211の底面211aから突出する部品搭載用突出部221a,221bと電極パッド222a,222bとの間の固着強度が小さくなることを抑制することができる。したがって、電子部品実装用パッケージ2は、圧電振動子3の振動特性の劣化を抑制可能なものとなる。
また、圧電デバイス1は、図1に示すように、上記の電子部品実装用パッケージ2と、
圧電振動子3と、蓋体4と、接着剤層5と、を含んで構成される。
接着剤層5は、導電性接着剤から成り、圧電振動子搭載部22の電極パッド222a,222bを覆うように設けられる。導電性接着剤としては、従来公知のものを使用することができる。圧電振動子3は、圧電振動子搭載部22に、前記接着剤層5を介して搭載される。このとき、圧電振動子3は、図1に示すように、長手方向一端部が、圧電振動子搭載部22に支持されるように、搭載される。
接着剤層5は、シリコーン樹脂等のバインダーの中に導電フィラーとして導電性粉末が含有されているものであり、導電性粉末としては、アルミニウム、モリブデン、タングステン、白金、パラジウム、銀、チタン、ニッケルまたは鉄のうちのいずれか、或いはこれらの組み合わせを含むものが用いられている。また、バインダーとしては、たとえばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂またはビスマレイミド樹脂が用いられる。
蓋体4は、基体21の凹部211の周縁部に設けられ、凹部211によって形成される収納空間を塞ぐ。
蓋体4は、たとえば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなる。このような蓋体4は、真空状態にある凹部211、あるいは窒素ガスなどが充填された凹部211を気密的に封止するためのものである。具体的には、蓋体4は、所定雰囲気で、基体21上に載置される。そして、基体21上の枠部分に形成された封止用導体パターンと蓋体4とが溶接されるように蓋体4に所定電流を印加してシーム溶接を行うことにより、基体21に接合する。
蓋体4は、内層電極27と接続されて、外部電極パッド231bと電気的に接続される。蓋体4は、基準電位に設定されることで、圧電振動子3を外部の電界からシールドすることができる。
以上のように構成される圧電デバイス1は、圧電振動子3の振動特性を良好に維持することが可能な電子部品実装用パッケージ2を備えているので、デバイスの特性が劣化することを抑制することができる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る電子部品実装用パッケージ2Aを備えた電子装置1Aの構成を示す断面図である。図7は、電子部品実装用パッケージ2Aにおける基板接続用突出部232Aの近傍を拡大して示す図である。
電子部品実装用パッケージ2Aは、基体21Aに係る構成が前述した基体21と異なること以外は、電子部品実装用パッケージ2と同様に構成される。また、圧電デバイス1Aは、基体21Aを有する電子部品実装用パッケージ2Aを備えたこと以外は、圧電デバイス1と同様に構成される。このように本実施形態の電子部品実装用パッケージ2Aおよび圧電デバイス1Aは、前述した第1実施形態に係る電子部品実装用パッケージ2および圧電デバイス1と同様の部分を有する。したがって、以下の説明および図において、対応する同様の部分については同一の参照符号を付すとともに、説明を省略する。
電子部品実装用パッケージ2Aは、前述した電子部品実装用パッケージ2と同様に、圧電振動子3が収納される収納空間を形成する凹部211を有する基体21Aと、圧電振動子搭載部22とを含んで構成され、圧電振動子搭載部22は、凹部211の底面211aから収納空間内に突出する部品搭載用突出部221a,221bと、部品搭載用突出部221a,221bを覆うように設けられる電極パッド222a,222bとから成る。
電子部品実装用パッケージ2Aは、外部回路基板に接続される基板接続領域を含む第2表面である基体21Aの下面211bにおける、外部電極パッド231Aの形成構造が、前述した電子部品実装用パッケージ2と異なる。
電子部品実装用パッケージ2Aは、基体21Aの下面211bから突出する第2突出部である基板接続用突出部232Aを有し、この基板接続用突出部232Aを覆うように、外部電極パッド231Aが設けられている。なお、基板接続用突出部232Aは、基体21Aの下面211bの4つの隅部にそれぞれ設けられ、これらの各基板接続用突出部232Aをそれぞれ覆うように、外部電極パッド231Aが設けられる。
電子部品実装用パッケージ2Aにおいて、外部電極パッド231Aは、基体21Aの下面211bから突出する基板接続用突出部232Aを覆うように設けられているので、平坦な下面211b上に設けられた従来の構成に比べて、固着される面積が大きくなる。これによって、基体21Aの下面211bから突出する基板接続用突出部232Aと外部電極パッド231Aとの間の固着強度が小さくなることを抑制することができる。したがって、電子部品実装用パッケージ2Aは、外部回路基板との接続信頼性の低下を抑制可能なものとなる。
また、基体21Aと基板接続用突出部232Aとは、セラミックス材料によって一体的に形成されている。
また、基板接続用突出部232Aは、図6,7に示すように、基体21Aの下面211bに連なる基部232Aaと、基部232Aaから上方に隆起する隆起部232Abとから成ることが好ましい。これによって、基体21Aの下面211bから突出する基板接続用突出部232Aと外部電極パッド231Aとの間の固着強度が小さくなることをより抑制することができる。
本実施形態では、基板接続用突出部232Aは、基部232Aaと隆起部232Abとが、それぞれ、多角柱状(具体的には矩形柱状)である。基部232Aaの寸法は、たとえば、高さが5〜50μmであり、断面における長辺の長さが200〜3500μmであり、短辺の長さが100〜2000μmである。
また、図7に示すように、基板接続用突出部232Aにおいて、基部232Aaの角部232Aaaが少なくとも部分的に角丸であり、さらに、隆起部232Abの角部232Abaが少なくとも部分的に角丸である。これによって、外部回路基板が接続されたときに、その外部回路基板に過度に応力が付加されることを抑制することができ、たとえば、外部回路基板に亀裂が生じることを抑えることができる。
また、本実施形態では、図7に示すように、基体21Aの下面211bは、基板接続用突出部232Aの周辺部分の少なくとも一部に第2凹溝である下面側凹溝211baを有することが好ましい。これによって、外部電極パッド231Aとの固着面積が大きくなるので、基板接続用突出部232Aと外部電極パッド231Aとの間の固着強度が小さくなることを抑制することができる。
図8は、電子部品実装用パッケージ2Aおよび電子装置1Aを下方から見た、つまり第2表面(下面211b)側から見た底面図である。下面211b側から見たときに、電子部品実装用パッケージ2Aについて、基部232Aaおよび隆起部232Abがそれぞれ複数のコーナー部232Aac、232Abcを有する多角形状である。
基部232Aaおよび隆起部232Abがそれぞれ複数のコーナー部を有する多角形状
であるときに、基部232Aaおよび隆起部232Abのそれぞれの複数のコーナー部232Aac、232Abcのうち少なくとも1つのコーナー部が円弧状に成形されていてもよい。すなわち、基板接続用突出部232Aは平面視(下面視)においてコーナー部(基板接続用突出部232A全体としては符号なし)が円弧状であってもよい。
なお、図8に示す例では、基部232Aaについては各コーナー部232Aacが円弧状に成形されている。また、隆起部232Abについては各コーナー部232Abcが直角状であって、円弧状に成形されていない。
基部232Aaおよび隆起部232Abのそれぞれの複数のコーナー部232Aac、232Abcのうち少なくとも1つのコーナー部が円弧状に成形されているときには、基板接続用突出部232Aの外周部のうち特に応力が集中しやすいコーナー部において、その応力を効果的に分散させることができる。そのため、外部回路基板に対する実装の長期信頼性の向上に対してより有利である。
なお、基部232Aaおよび隆起部232Abのそれぞれの複数のコーナー部232Aac、232Abcのうち基部232Aaの複数コーナー部232Aacが円弧状に成形されているときには、外部回路基板との接続信頼性の低下の抑制に対してより有効である。すなわち、下面211b側から見たときに基部232Aaは隆起部232Abよりも外側に位置しているため、基部232Aaに対してより大きな応力が作用する。これに対して、基部232Aaのコーナー部232Aacが円弧状であれば、その応力をより効果的に分散させることができる。そのため、基板接続用突出部232Aと外部電極パッド231Aとの間の固着強度が小さくなることを抑制して、外部回路基板との接続信頼性の低下をより効果的に抑制することができる。
図9は、図8の第1の変形例を示す底面図である。図9に示す例では、第2表面(下面211b)側から見たときに、基板接続用突出部(第2突出部)232Aの複数のコーナー部のうち下面211bの外周に近いコーナー部232Aacが、円弧状に成形されている。この場合には、外部電極パッド231Aのコーナー部のうち特に応力が集中しやすい下面211bの外周に近いものにおいてより効果的に応力が分散されて、低減される。そのため、この場合にも、外部回路基板に対する実装の長期信頼性の向上に対してより有利である。
また、図9に示す例では、基部232Aaのみについて、下面211bの外周に近いコーナー232Aacのうち下面211bの角部分に最も近いもののみが円弧状に成形されている。このような場合には、下面211b側から見たときの外部電極パッド231Aの面積の減少を抑えながら、応力の分散により一層適した構成とすることができる。
図10は、図8の第2の変形例を示す底面図である。図10に示す例では、下面211b側から見たときに、基部232Aaおよび隆起部232Abの互いに隣り合うコーナー部232Aac、232Abcがともに円弧状に成形されている。すなわち、下面211b側から見たときに、互いに曲率が異なる2つの円弧状のコーナー部232Aac、232Abcが、半径方向に互いにずれ隣り合っている。また、隆起部232Abのコーナー部232Abcの曲率よりも、基部232Aaのコーナー部232Aacの曲率の方が小さい。
この場合には、次のような効果が得られる。すなわち、外部電極パッド231Aのうち基部232Aa部分に接続された半田にかかる応力(半田ひずみ)が分散されて小さくなるが、このときに、隆起部232Ab部の応力が若干増大する。これに対して、隆起部232Abのコーナー部232Abc曲率を基部232Aaのコーナー部232Aacの曲
率よりも大きくすることで、応力をより偏りなく分散させることができる。そのため、外部回路基板に対する実装の長期信頼性をさらに向上させることができる。したがって、下面211b側から見たときに、互いに隣り合う2つのコーナー部がともに円弧状であるときには、基板接続用突出部232Aの中央部からの距離が大きい(基部のコーナー部)ほど曲率は小さく、中心からの距離が小さい(隆起部)ほど曲率は大きいほうがよいということもできる。
なお、それぞれのコーナー部232Aac、232Abcについて、円弧状とするものの選択およびその曲率等の条件は、基部232Aaおよび隆起部232Abの高さ(厚み)、さらに必要に応じて電子装置1Aの実装時の作業性等の条件も考慮して適宜決めるようにしてもよい。
ここで、上記のように基板接続用突出部232Aが複数のコーナー部232Aac、232Abcを有し、それらのコーナー部232Aac、232Abcが円弧状に成形されている場合の効果を、具体例を挙げて説明する。
この具体例においては、電子部品実装用パッケージ2(基体21)の外形は長方形の平板状であり、基板接続用突出部232Aは下面視において長辺の長さが3.2mmで、短辺の長さが2.5mmの長方形状であった、その基板接続用突出部232Aのうち基体21の角部に近いコーナー部232Aacを、半径が約0.1mmの円弧状とした。この具体例の電子部品実装用パッケージ2Aに電子部品3を実装して電子装置1Aを作製した。具体例の電子装置1Aにおいても、基板接続用突出部232Aに外部電極パッド231Aを設けた。この具体例の電子装置1Aを外部回路基板と半田を用いて接続して実装モデルを作製した。
その後、上記の実装モデルについて、約125〜25℃の温度変化時の半田における歪み(応力)をシミュレーションにより解析した。また、比較例として、コーナー部が直角な電子部品実装用パッケージ2Dおよび電子装置1Dについても同様にシミュレーションを行ない、歪み(応力)を解析した。
その解析結果を図11に示す。図11は、本発明の効果を模式的に示す下面図である。すなわち、図11(a)は、上記具体例の電子装置1Aの1つの基板接続用突出部232A(および外部電極パッド231A)における歪み(応力)の分布を模式的に示す下面図である。図11(b)は、上記比較例の電子装置1Dの基板接続用突出部232Aにおける歪み(応力)の分布を模式的に示す下面図である。なお、図11において図8等と同様の部位には同様の符号を付している。また、図11において隆起部232Abは省略している。
図11において歪みが生じている領域をハッチングして示している。ハッチングの線間隔が小さいほど歪み(応力)が大きい。具体的には、比較例において、歪み(応力)が最大となる比較的狭い領域が直角状の角部232Aac周辺に集中しているが、この領域を含む歪み(応力)が非常に高い領域をHとして示し、この領域Hにおける歪み(応力)に対して歪み(応力)が約75%の領域をMとし、歪み(応力)が約50%の領域をLとして示している。
以上の結果に示すように、比較例の電子装置においては歪み(応力)が非常に大きい領域Hが見られたのに対して、具体例の電子装置1Aでは歪み(応力)が集中する領域Hがなくなり、最大の歪みが約75%程度に低減されていることを確認できた。すなわち、この場合には、外部回路基板に対する実装の長期信頼性の向上に対してより有利であることが確認できた。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。
例えば、第2の実施形態の電子部品実装用パッケージ2Aおよび圧電デバイス(電子装置)2Aは、第2表面である基体21Aの下面211bにおける、外部電極パッド231Aの形成構造が前述した構造であるとともに、凹部211内に従来構造の電極パッド(図示せず)が設けられたものでもよい。この場合でも、基体21Aと外部電極パッド231Aとの間の固着強度が小さくなることを抑制して、外部回路基板との接続信頼性の低下を抑制することができる。
1,1A 圧電デバイス
2,2A 電子部品実装用パッケージ
3 圧電振動子
4 蓋体
5 接着剤層
21,21A 基体
211 凹部
211a 底面
211b 下面
211aa 底面側凹溝
211ba 下面側凹溝
22 圧電振動子搭載部
221a,221b 部品搭載用突出部
221aa 角部
222a,222b 電極パッド
222a’,222b’ 内層パッド
231a,231b,231c,231d,231A 外部電極パッド
232A 基板接続用突出部
232Aa 基部
232Ab 隆起部
232Aaa,232Aba 角部
232Aac,232Abc コーナー部
241 支持部
251 パターン導体
261a,261b,261c,261d 貫通導体
27 内層電極

Claims (5)

  1. 電子部品が実装される電子部品実装用パッケージであって、
    電子部品が実装される実装領域を含む第1表面を有する基体と、
    前記第1表面の前記実装領域から突出する第1突出部と、
    前記第1突出部を覆うように設けられる第1導体層と、を含み、
    前記第1表面は、前記第1突出部の周辺部分の少なくとも一部に第1凹溝を有することを特徴とする電子部品実装用パッケージ。
  2. 前記電子部品は、圧電振動子であり、
    前記基体は凹部を有し、該凹部の底面が前記第1表面であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装用パッケージ。
  3. 前記基体と前記第1突出部とが、セラミックス材料によって一体的に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品実装用パッケージ。
  4. 前記第1突出部は、多角柱状であり、角部が少なくとも部分的に角丸であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品実装用パッケージ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子部品実装用パッケージと、
    前記第1導体層を覆うように設けられる、導電性接着剤から成る接着剤層と、
    前記接着剤層を介して前記第1導体層に接着される電子部品と、を含むことを特徴とする電子装置。
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