JP6612776B2 - 光学製品のためのテクスチャ化コーティング - Google Patents

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Description

携帯電話、携帯情報端末(PDA)、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、テレビ、コンピュータなどのような装置における光学ディスプレイは、ガラス又はポリマーフィルムなどの基材で作製されたスクリーン又はレンズ素子を有することができる。いくつかの光学ディスプレイにおいて、基材は、バックライトの下にある基材により放射された光を散乱させ、ディスプレイ材料における欠陥を見えないようにすることができるマットな外観を生成するために、その上にコーティングを適用してきた。いくつかの光学ディスプレイにおいて、マットコーティングは、ポリマービード若しくは無機酸化物粒子、及び/又は構造化表面を使用して形成される。コーティング流体中の粒子沈降及び粒子凝集は、一貫した再生可能な品質でこれらのコーティングを製造することを困難にすることがある。
ビード様粒子を有するコーティング組成物を基材に適用し、良好で一貫した光学品質を有する一様なコーティングを形成することは困難であり得る。ビード様粒子は、コーティング組成物から経時的に沈降することができるか、又は凝集することができる。ビードは、コーティングプロセス中に基材に適用されるにつれて変形するか、あるいは基材を損なうことがある。コーティング組成物におけるビード様粒子の不均一な分散は、コーティングプロセス中に一様でない表面張力又は引伸しを引き起こすことがあり、それにより、ストリーク、小塊及び不均一な厚さを有するコーティングを生成することがある。これらの不規則性は、光学品質を劣化させ、それにより、ディスプレイの輝度の変動を生じる、ディスプレイユーザにとって過剰なグレアを引き起こす、あるいは、ユーザインターフェース又はユーザエクスペリエンスと干渉する望ましくないパターンの原因になることがある。
一態様では、本開示は、
その上にコーティング層を形成するために、基材の表面をコーティング組成物でコーティングすることであって、コーティング組成物が、
第1のポリマー及び第2のポリマーであって、第1のポリマー及び第2のポリマーが、互いに非親和性かつ非反応性であり、第1のポリマーの屈折率と第2のポリマーの屈折率の差の絶対値が、約0〜約0.01である、第1のポリマー及び第2のポリマー、並びに
キャリア液体であって、第1のポリマー及び第2のポリマーが、キャリア液体中に可溶性であり、キャリア液体が、第1のポリマーにとっては良溶媒であり、第2のポリマーにとっては貧溶媒である、キャリア液体を含む、基材の表面をコーティングすることと、
第1のポリマー及び第2のポリマーの混合物をスピノ−ダル分解するために、コーティング層からキャリア液体を除去することであって、キャリア液体が、主要量の第1のポリマーを含む実質的に連続第1の相、及び主要量の第2のポリマーを含む実質的に非連続的な第2の相を形成するのに十分な量において除去され、第2の相の少なくとも70wt%が、基材の表面の平面から見た時に約3:1未満のアスペクト比を有する液滴を含む、キャリア液体を除去することと、を含む方法を対象とする。
一態様では、本開示は、以下を含む光学素子を対象とし、当該光学素子は、
光透過性基材と、
基材上の連続するコーティングであって、コーティングが、
セルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択される第1のポリマーを含む第1の領域、
第1のポリマーとは異なる第2のポリマーを含む第2の領域であって、第2のポリマーが、セルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択され、第1のポリマー及び第2のポリマーが、互いに非親和性かつ非反応性であり、第1のポリマーの屈折率と第2のポリマーの屈折率の差の絶対値が、約0〜約0.01であり、第1の領域が、第2の領域とは異なる厚さを有する、第2の領域を含む、コーティングと、含む。
本開示で説明するコーティングは、ビードを含まず、隣接する光学表面又は構造のスクラッチングを低減することができる。本開示のコーティングは、ピクセル若しくは反射モアレ、プリズム若しくは基材の色ムラ(不規則性又は不均一性)、又はニュートン環などの干渉パターンのうちの少なくとも1つの出現をなくす又は低減するために、任意の光透過性基材上で使用され得る。種々の実施形態では、コーティングは、低い粒状度及び小さいフィーチャサイズを有し、広く滑らかな閲覧及び輝度視野角を提供する。種々の実施形態では、コーティングは、閃光又は幻惑を抑制し、欠陥を隠すことができ、隣接する光学表面又は構造との接触によって生じる転写を低減する又はなくすために、十分な硬さ及び弾力性である。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付の図面及び以下の説明で示す。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
コーティング層を形成するためのプロセスの概略断面図である。 コーティング層の概略断面図である。 実施例8のコーティングのトポグラフィのプロットである。 実施例8のコーティングの表面の写真である。 実施例14の表面のトポグラフィのプロットである。 実施例14のコーティングの表面の写真である。 以下の実施例38において使用されるボール落下試験装置の概略図である。 ボール落下試験においてボールの衝撃により引き起こされるコーティングに対する損傷を評価するために以下の実施例38において使用される試験装置の概略図である。 以下の実施例38及び表14において報告される損傷コントラスト計量値を判断するために使用されるコーティングの区域の概略図である。 実施例38及び表14のボール落下データのコントラスト評点のプロットである。 本開示で説明するようなコーティングを含む光学積層体の概略斜視側面図である。 本開示で説明するようなコーティングを有する光学素子を組み込んだディスプレイシステムの概略側面図である。
図中の同じ記号は同じ要素を示している。
図1は、透明な基材12の表面13上にコーティング層14を形成するための例示的なプロセス20の概略図である。基材12を、コーティング装置16により、流動可能なコーティング組成物でコーティングし、基材上にコーティング組成物のコーティング層を形成することができる。好適なコーティング装置16として、限定はしないが、スロットダイコーター、スライドコーター、流体ベアリングコーター、ロール型コーター、グラビアコーター及びカーテンコーターなどが挙げられる。基材12上にコーティングを形成するために、コーティング層14中に存在するキャリア液体の少なくとも一部分を、例えば蒸発によって除去することができる。
好適な基材材料12には、ガラス、並びにポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン(PP))、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、エポキシ、異なるポリマー材料の層で作製された多層フィルムなどのような熱硬化性又は熱可塑性ポリマーが挙げられる。意図された用途に望ましい光学特性及び機械特性に部分的に基づいて、基材12を選択することができる。かかる機械特性として、可撓性、寸法安定性及び衝撃耐性を挙げることができる。基材厚さもまた、意図された用途に依存することがあり、好適な厚さは、0.5mm未満、又は0.015mm〜約0.2mmとなり得る。
基材12には、自立ポリマーフィルムが有用である。いくつかの実施形態では、基材は、PETなどのポリエステル、又はPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)及びPVC(ポリ塩化ビニル)などのポリオレフィンで作製される。いくつかの実施形態では、基材は、異なる屈折率を有する異なるポリマー材料の交互層で形成された多層ポリマーフィルムであり、それらのうちのいくつかは複屈折性であり得る。ポリマー材料は、押出し成形、及び任意選択的には押出し成形されたフィルムの一軸延伸又は二軸延伸などによる従来のフィルム製造技術を使用して基材フィルムへと形成され得る。基材とハードコート層との間での接着を改善するために、例えば化学処置、コロナ処置、プラズマ、火炎、又は化学放射線によって基材を処理することができる。所望であれば、中間層接着を増大させるため、任意の結合層又はプライマーを基材及び/又はハードコート層に適用することができる。ディスプレイパネル及び保護物品などの物品の場合には、基材は、光透過性であり、ディスプレイを見ることができるように、基材を通して光を透過できることを意味する。透明な(例えば、光沢のある)光透過性基材とマットな光透過性基材の両方が、ディスプレイパネルに採用される。
コーティング装置16に充填されたコーティング組成物18、表面13に適用されると、コーティング層14になる。コーティング組成物18は、2つ以上のポリマー及びキャリア液体を含む。用語「ポリマー」は、本出願において、ポリマー、コポリマー(例えば、2つ以上の異なるモノマーを使用して形成されるポリマー)、オリゴマー及びこれらの組み合わせ、並びに、例えば、共押出又はエステル交換などの反応によって混和性ブレンド中に形成され得るポリマー、オリゴマー、又はコポリマーを含むと理解される。特に断わらない限り、ブロックコポリマー及びランダムコポリマーの両方が含まれる。また、用語「ポリマー」は、いくつかの文脈では、重合又は架橋結合することが可能なモノマーなどのポリマー前駆体を含むことがある。
一実施形態では、コーティング組成物は、第1のポリマー及び第2のポリマーを含む。第1のポリマー及び第2のポリマーは非親和性であり、これは、本出願では、ポリマーが、互いにブレンド又は混合した時に別々の相を形成することを意味する。また、第1のポリマー及び第2のポリマーは、キャリア液体からの液体スピノーダル分解によって、互いから分離可能な相である。第1のポリマーと第2のポリマーとが互いに、より親和性がある時には、それらは、コーティング組成物からキャリア液体を除去する際に互いとは別個の相にならないことがある。第1のポリマー及び第2のポリマーはまた、コーティング層14をコーティングするプロセス及び乾燥するためのプロセスにおいて使用される温度でキャリア液体中に一緒に組み込まれる時、互いに化学的に反応しない。コーティング層14を形成するコーティングプロセス及び乾燥プロセス中、第1のポリマー及び第2のポリマーは混合するが、化学結合を不可逆的に破壊する又は化学変化を引き起こす化学反応はしない。
第1のポリマー並びに第2のポリマーは各々、可能な限り他方の屈折率と類似するような屈折率を有する。用語「屈折率」とは、本明細書では、材料の絶対屈折率として定義され、自由空間中の電磁放射線の速度とその材料中の電磁放射線の速度の比であると理解される。屈折率は、既知の方法を使用して測定でき、一般に、可視光領域においてアッベ屈折計(Abbe Refractometer)を用いて測定される。種々の実施形態において、第1のポリマーの屈折率と第2のポリマーの屈折率の差の絶対値は、約0〜約0.01、約0〜約0.005、又は約0〜約0.002である。
種々の実施形態では、第1のポリマー及び第2のポリマーは、特定の適用例に適したガラス転移温度(Tg)を有するように選択できる。例えば、いくつかの実施形態では、第1のポリマー及び第2のポリマーの各々のTgは、約100℃よりも高く、それにより、強靭性を有し、隣接するフィルム上への転写又は化学的溶解を引き起こすことに対する耐性を有するコーティングを光学素子に提供することができる。LEDライトストリップの極めて近くの電子装置において光学素子が使用される他の実施形態では、80℃よりも高いTgを有するポリマーを使用でき、あるいは、光学素子がLED光源からより遠くである場合には、ポリマーは、約50℃よりも高くTgを有することができる。装置の外部表面で光学素子を使用すべき場合には、約37℃よりも高いTgが好適であり得、あるいは、周囲条件でコーティングを使用する場合には、約25℃よりも高いTgで十分である可能性である。
種々の実施形態では、第1のポリマー及び第2のポリマーは、アクリル樹脂、アセチル樹脂、ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、及び環式ポリオレフィン樹脂から選択することができる。いくつかの実施形態では、第1のポリマー及び第2のポリマーは両方とも、セルロース樹脂である。いくつかの実施形態では、セルロース樹脂は、限定はしないが、酢酸セルロース(CA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)及びプロピオン酸酢酸セルロース(CAP)を含む。
例えば、ヘーズ、透明度、表面組織、又は隣接するフィルムの転写に対する抵抗のうちのいくつか又は全部など、コーティング14の特性を制御するために、コーティング組成物中の第1のポリマー及び第2のポリマーの各々の量を広範囲にわたって変動させることができる。コーティング組成物中の第1のポリマーと第2のポリマーの重量比率は、コーティング層14の意図された適用例に応じて大幅に変動させることができ、種々の実施形態では、約5/95〜95/5、又は95/5〜40/60、又は90/10〜50/50、又は90/10〜60/40の範囲内で選択され得る。一例として機能するように意図されるいくつかの非限定的な実施形態は、第1のポリマー及び第2のポリマーがセルロース樹脂である場合、第1のポリマーと第2のポリマーの重量比は、約1:2〜約10:1、又は約2:1〜約1:2、又は約1:1〜約9:1とすることができる。例えば、種々の実施形態では、コーティング組成物は、少なくとも35Wt%のCAB、又は少なくとも50wt%のCAB、又は最高90wt%のCABを含むことができる。
いくつかの実施形態では、コーティング組成物は、任意選択的に、第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つと親和性かつ非反応性である第3のポリマーを含む。第3のポリマーを組み込むには種々の理由があり得る。第3のポリマーを組み込む1つの例示的な理由は、凝集性を向上させるためである。種々の実施形態では、第3のポリマーは、アクリル樹脂を含み、アクリルポリマー又はアクリルコポリマーを含み得る。好適なアクリルポリマー及びコポリマーとして、限定はしないが、ポリアクリル酸メチル及びポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。種々の非限定的な実施形態では、その(メタ)アクリレートは、層間剥離に対して耐性があるコーティングを提供することが分かっている。
コーティング組成物は、単一溶媒とすることができる、あるいは2つ以上の溶媒を含むことができるキャリア液体を更に含む。用語「溶媒」は、本出願において、溶液又は分散液を形成するために第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に溶解させることが可能な物質を指す。「溶媒」は、1つ以上の物質の混合物であり得る。キャリア液体は、コーティング組成物の第1のポリマーと第2のポリマーの両方を溶解させるが、蒸発すると、第1のポリマー及び第2のポリマーが溶液から沈殿して、それにより、主要量の第1のポリマーを含む第1の段階と主要量の第2のポリマーを含む第2の相と形成するように少なくとも部分的に相分離する。
一実施形態では、キャリア液体は、第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの1つにとっての良溶媒と、第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの1つにとっての貧溶媒とを含む。「良溶媒」は、幅広い濃度範囲にわたってポリマーを溶解させ、ポリマーは、コーティング層のドライダウンの開始時に(即ち、溶媒の蒸発時に)良溶媒から直ちには沈殿しない。対照的に、「貧溶媒」は、限られた濃度範囲にわたるが、ポリマーを溶解させることができ、ポリマーは、溶媒の除去(ドライダウン)の開始時に貧溶媒から容易に沈殿する。つまり、キャリア液体が蒸発するにつれて、コーティング組成物は、第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの1つにとっての貧溶媒中で濃縮され、そのポリマー相は、均一にブレンドされたまま、完全に滑らかなフィルムを形成するのではなく、他のポリマー(即ち、沈殿物)から分離する。
基材の表面へのコーティング組成物のコーティング後まで、第1のポリマー及び第2のポリマーが、キャリア液体の溶液中に残っていることを保証するために、コーティング組成物をわずかに加熱する必要があり得る。コーティング中又はその後にいずれかにクラックが生じず、それにより、基材の表面に実質的に一様に分布したコーティングが形成されるように、コーティングは十分に安定しており、基材の表面に接着していなければならない。
種々の溶媒(例えば、良溶媒又は貧溶媒)における種々の溶質(例えば、ポリマー)の溶解度の予測は、「似たものどうしはよく溶ける(like dissolves like)」であった。例えば、極性であるか、又は極性官能基を含むポリマーは、極性溶媒においては可溶性となり、無極性溶媒においては可溶性でなくなる。より一般的な取組みは、ヒルデブラントにより開発され、ヒルデブラントは、成分の相互溶解度は凝集圧cに依存すると仮定した。凝集圧の平方根は、ヒルデブラントの溶解度パラメータδである。
本明細書で定義されるように、「良溶媒」は、溶質ポリマーのヒルデブラント溶解度パラメータ値と2未満異なるヒルデブラント溶解度パラメータ値を有する。本明細書で定義されるように、「貧溶媒」は、溶質ポリマーのヒルデブラント溶解度パラメータ値と2以上又は、又は3以上、4以上、又は2〜8、又は2〜6、又は2〜5、又は2〜4、又は2〜3、又は3〜4異なるヒルデブラント溶解度パラメータ値を有する。
別の実施形態では、キャリア液体は、第1のポリマー及び第2のポリマーにとっての良溶媒と貧溶媒との混合物又はブレンドを含む。キャリア液体は、第1のポリマーにとっての少なくとも1つの良溶媒と、第2のポリマーにとっての少なくとも1つの貧溶媒とを含む。例えば、いくつかの実施形態では、極性溶媒を良溶媒に使用することができ、無極性溶媒を貧溶媒として使用することができる。種々の実施形態では、良溶媒は、任意の有用な量でコーティング組成物中に存在することができ、貧溶媒は、良溶媒よりも少ない量で存在することができる。
貧溶媒は、良溶媒よりも高い沸点を有することができる。種々の実施形態では、貧溶媒の沸点は、良溶媒の沸点よりも、25℃以上、又は35℃以上、又は50℃以上、又は25℃〜100℃の範囲だけ高くすることができる。
種々の実施形態では、キャリア液体は、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、グリコールエーテル、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、及びトルエンなど、より多くの溶媒のうちの1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、キャリア液体は、グリコールエーテルとメチルエチルケトン(MEK)との混合物を含む。
相分離、可鋳性及び被覆性を維持することができる限り、キャリア液体中のポリマー及び添加剤の濃度は、広範囲にわたって変動することができ、例えば、約1wt%〜約30wt%、又は約5wt%〜約20wt%、又は約5wt%〜約10wt%である。コーティング層の乾燥厚さは最終的に、コーティングの透明度及びヘーズに対する影響を有することができる。
コーティング組成物は、任意選択的に、例えば、酸化防止剤、安定剤、オゾン劣化防止剤、可塑剤、染料、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、界面活性剤、帯電防止剤、架橋剤、ナノ粒子及び顔料などの他の有機添加物又は無機添加物を更に含むことができる。種々の実施形態では、添加剤は、約10wt%未満、約5wt%未満、又は約1wt%未満でコーティング組成物中に存在する。
再び図1を参照すると、コーティング層14を形成するためにコーティング組成物18を基材12の表面13に適用した後、コーティング層14からキャリア液体が徐々に除去される。コーティング層をドライダウンし、基材上にコーティングを形成するための蒸発によって、コーティング層14からキャリア液体を除去することができる。コーティング層の密度と表面張力は共に、両方の特性が組成物における温度と変化との関数であるので、コーティング層が乾燥するにつれて変化する。キャリア液体中の揮発性物質の蒸発は、コーティング層全体の温度勾配及び揮発性勾配につながる。キャリア液体が徐々に除去されるにつれて、ウェットスピノーダル分解が起こり、熱力学的平衡が2つの相の共存を好み始め、基材12の表面13に相分離構造が生じる。
キャリア液体の除去が継続するにつれて、相分離構造は、主要量の第1のポリマー及び少量の第2のポリマーを有する第1の相と、主要量の第2のポリマー及び少量の第1のポリマーを有する第2の相とを含む。第1の相及び第2の相のうちの一方(本明細書では明快のために第1の相と称する)は、基材の表面全体に実質的に連続しており、第1の相及び第2の相の他方(本明細書では明快のために第2の相と称する)が合体して、第1の相と共に存在する規則的な又は不規則な形状の液体領域の非連続的な配列が形成される。例えば、コーティング組成物における第1のポリマーと第2のポリマーの比、キャリア液体における溶媒の選択、及びキャリア液体の蒸発のために選択される乾燥用の条件などの因子に応じて、第2の相は、液滴に似ている液体領域に合体することができ、あるいは、細流に似ている液体領域に合体することがある。第2の相は、第1の連続相の上に存在していても、あるいは第1の相が占めている区域とは別個の基材表面の区域を占めていてもよい。相分離構造は、キャリア液体を乾燥した後に基材の表面に一様でないコーティング構造を生成する。いくつかの実施形態では、相分離ポリマー樹脂成分により形成される一様でない表面構造は、樹脂中に埋め込まれた粒子を用いたコーティングと比較して、より規則的である穏やかな粗さを有する。いくつかの実施形態では、本開示のコーティングは粒子を含まないので、コーティングから除去し、例えば、空孔及びクラックなどの不規則性を残す機会が粒子には少ないことにより、より丈夫で、摩耗抵抗が高い。
ヘーズ、透明度などのような許容可能な光学特性を有するコーティングを提供するために、例えば、コーティング組成物における第1のポリマーと第2のポリマーの比、キャリア液体中の1つ以上の溶媒、及び乾燥条件などの種々の因子は、第2の相の非連続的な液体領域が、基材の平面で見た時に、約3:1未満、又は約2:1未満のアスペクト比(長さと幅の比)を有する液滴に主に似ているランダム配列に結果としてなるように選択される。種々の実施形態では、第2の相の少なくとも約70wt%、又は少なくとも約80wt%、又は少なくとも約90wt%は、約3:1未満、又は約2:1未満のアスペクト比を有する液滴に似ている。
例えば、約3未満、又は約2未満のアスペクト比を有する液滴の数を増やし、更にコーティングのヘーズを増大させるために、コーティング組成物における第1のポリマーと第2のポリマーの比は、約1:1となるように選択されなければならない。別の例として、コーティング組成物における第1のポリマーの量が第2のポリマーの量に対して(例えば、約9:1の比で)実質的に増大した場合、ドライダウン時に、コーティング中の非連続的な第2の相は、基材の表面から遠ざかって延在するスパイク様の突起部を形成することができ、いくつかの実施形態では、突起部は、連続する第1の相の上方に延在する。
コーティング組成物における所与のポリマー比では、キャリア液体の除去のためのプロセスもまた、相分離構造の形成に対して影響を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、コーティング層は、ゾーン乾燥装置を通して進行することができ、キャリア液体は最初に、比較的遅い速度で蒸発され、その後、相分離が起こり始める。第1の相と第2の相とが分離し始めると、キャリア液体の残部は、任意の好適な速度で蒸発され、この速度は、初期乾燥速度よりもはるかに速くすることができる。例えば、約135°F(約60℃)の温度を有する加熱された気体(例えば、空気)をコーティング層に適用することによって、キャリア液体を最初に蒸発させ、その後、十分なキャリア液体を除去して、コーティング中に第1の相及び第2の相を形成することができる。相分離の発生の後、蒸発気体の温度が、基材のTg以下まで徐々に上がり、その後、キャリア液体が実質的に除去され、コーティング層を乾燥させて、コーティングを形成する。
ますます多くのキャリア液体がコーティング層から除去されるにつれて、第2の相から導出された液滴様の非連続領域が合体し、実質的に連続する第1の相上に突起構造を形成する、及び/又は実質的に連続する第1の相と相互混合する。周囲空気中の通常の乱流は、コーティング層表面に沿って局所的な勾配を生じることがあり、そのような外乱は、均等化しやすく、それにより、流れを引き起こす。この流れによって、平衡条件が再確立され得、あるいは、流れ自体が、コーティング層に沿った勾配を理由に新たな外乱を生じ得、その後、安定した流れパターンにつながる。過去においては、これらのタイプの表面の流れは通常、その結果として表面欠陥と考えられてきた起伏がある表面トポグラフィを生じることがあるので、コーティング動作において回避されてきた。
キャリア液体をコーティング層から除去する際に、連続相から導出され、主要量の第1のポリマーを含む第1の領域と、非連続的な相から導出され、主要量の第2のポリマーを含む第2の領域とを有するパターンを含むようにコーティングを乾燥させる。種々の実施形態では、選択される第1のポリマー及び第2のポリマーに応じて、第1の領域は、第2の領域の屈折率と約0.01未満、又は約0.005未満、又は約0.002未満異なる屈折率を有する。
上記で論じたように、乾燥したコーティングの厚さ及びトポグラフィは、ポリマー選択、ポリマー比、溶媒選択、及びキャリア液体における第1の溶媒と第2の溶媒の比、並びに乾燥条件のうちのいずれか又は全部に依存し得る。いくつかの実施形態では、コーティングのトポグラフィは、比較的等しい量の第1の領域及び第2の領域を含むことができ、それにより、起伏がある表面が形成される。他の実施形態では、コーティングは、第2の領域よりも多くの第1の領域を含むことができ、第2の領域は、第1の領域の上方に延びている比較的間隔があいた突起部の配列を形成する。追加の実施形態では、表面は、第1の領域よりも多くの第2の領域を含むことができ、第2の領域は、第1の領域の上方に延びている間隔が近い突起部の配列を形成する。
図2の一実施形態を参照すると、基材22は、それらの表面上にコーティング24を含む。コーティング24は、コーティング組成物中の第1の相から導出された第1の領域26と、コーティング組成物中の第2の相から導出された第2の領域28とを含む。種々の実施形態では、基材22の表面23の上方の第1の領域26の高さhは、約1μm〜約12μmである。サンプルの最も高いピーク部と最も低いバレー部との差hとの差である第1の領域26の上方の第2の領域28のピークツーバレー高さ(PV)は、約0.1μm〜約10μm、又は約0.1μm〜約15μmである。
種々の実施形態では、コーティング24の二乗平均平方根(RMS)粗さは、約0.01μm〜約2.0μm、又は約0.2μm〜約0.8μmである。
ビードコーティングは、表面から突出したビードを有する区域、突出したビードがない区域、及び表面の上方に著しく突出したビードの凝集塊を有する区域を含む。対照的に、本開示で説明するコーティングは、ビードコーティングと比較して、サンプル全体により一貫したピークサイズを提供し、また、ピークがない著しい大きさの区域を含むように作製することでき、それにより、コーティングトポグラフィ及び表面特性のより正確な設計が可能になる。
コーティングは、商品名Haze GuardでPaul N.Gardner Co.(Gardco)(Pompano Beach,FL)から入手可能なものなどのヘーズ計を用いてコーティングのヘーズを測定することによって判断することがきる特定のヘーズ値(即ち、光散乱)を備えることができる。ヘーズについての標準(ASTM)試験法は、ASTM D1003−00で定義される。種々の実施形態では、コーティングのヘーズ値は、約1%〜約99%であり得る。
コーティングは、GardcoのHaze Guardなどの透明度測定装置を用いてコーティングの透明度を測定することによって判断することができる特定の透明度レベルを備えることができる。透明度についての標準(ASTM)試験法は、ASTM D1746−09で定義される。コーティングにおける透明度量は、製造プロセス中に、又は製造後の作業を通じて誘起されるフィルム中の種々の欠陥を隠す能力を決定することができる。重複範囲のヘーズ値及び透明度値を備えるコーティングを開発することは、光学フィルム業界において特定の価値がある。より具体的に言えば、ヘーズレベルが1〜50%で変動する時に1〜50%の透明度値を有することが望ましい。これらの低程度から中程度のヘーズ及び透明度範囲への同時アクセスを提供する利用可能な製造技術の数には限りがある。
図10は、第2の光方向転換フィルム455上に配置された第1の光方向転換フィルム405を含む光学積層体400の概略的な斜視側面図である。第1の光方向転換フィルム405は、第1の主表面410と、反対側にある第2の主表面415とを含む。第1の主表面は、y方向に沿って延びる第1の複数の微細構造420を含む。第2の光方向転換フィルム455は、第3の主表面460と、反対側にある第4の主表面465とを含む。第3の主表面460は、第1の光方向転換フィルムの第2の主表面415に面し、x方向などy方向とは異なる方向に沿って延びる第3の複数の微細構造470を含む。第1の光方向転換フィルム405は、第2の主表面415を含むマットコーティング層480を含む。同様に、第2の光方向転換フィルム455は、第4の主表面465を含むマット層485を含む。
図10の光学積層体400が液晶ディスプレイのバックライトに含まれる場合のようないくつかの場合では、線形微細構造420及び/又は470によってモアレが生じ得る。いくつかの場合では、これら2つの光方向転換フィルム、特に上側の光方向転換フィルムによって、光方向転換フィルムの分散率に起因する色ムラが生じ得る。一次色ムラは光方向転換フィルムの視野角限界付近において通常視認され、より高次の色ムラはより大きな角度において通常視認される。コーティング層480及び485の主表面415及び465が充分に低い光学ヘーズ及び透明度を有するようないくつかの場合では、光学積層体はディスプレイの輝度を大幅に低減させることなくモアレ及び色ムラを効果的に遮蔽又は防止することができる。
図11は、観察者599に情報を表示するためのディスプレイシステム500の概略的側面図である。ディスプレイシステム500は、バックライト520上に配置され、バックライト520によって照明される液晶パネル510を含む。液晶パネル510は、線状光吸収偏光子535と540との間に配置された液晶セル530を含む。ディスプレイシステム500が観察者599に対して画像を表示する場合のような特定の場合では、液晶パネル510はピクセル化することができる。
バックライト520は、側方反射体595内に収容されたランプ590から光導体のエッジを通じて光を受光する光導体570、後方反射体に入射する光を観察者599の方向に反射するための後方反射体580、光導体の発光面575から出射する光585を均質化するための光学ディフューザ560、及び、光学拡散体と反射偏光子550との間に配置された図10の光学積層体400を有している。
図10に示されるように、光学積層体400は、光方向転換フィルム405及び455を含む。いくつかの場合において、2つの光方向転換フィルム405、455の線状プリズムは、互いに直角に向けられる。例えば、線状プリズム420はy方向に沿って延びてよく、線状プリズム470はx方向に沿って向けられてよい。プリズム微細構造420及び470は、光導体570から離れて面している。
光学積層体400は、ディスプレイシステムの軸上輝度など輝度を向上させる。同時に、光学積層体400のそれぞれの第2及び第4の主表面415及び465は、スクラッチなどの物理的欠陥を遮蔽し、かつ/又はモアレ及び色ムラなどの光学的欠陥を隠すうえで充分に低い光学的透明度を有している。
反射偏光子550は、第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、第2の偏光状態を有する光を実質的に透過し、この2つの偏光状態は、相互に直交する。例えば、反射偏光子によって実質的に反射される偏光状態に対する、可視域における反射偏光子550の平均反射率は、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%である。別の例として、反射偏光子550によって実質的に透過される偏光状態の可視部における反射偏光子の平均透過率は、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約97%、又は少なくとも約98%、又は少なくとも約99%である。いくつかの場合において、反射偏光子550は、第1の線状偏光状態を有する(例えば、x方向に沿った)光を実質的に反射し、第2の線状偏光状態を有する(例えば、y方向に沿った)光を実質的に透過する。
反射偏光子層550には、任意の好適な種類の反射偏光子、例えば、多層光学フィルム(MOF)反射偏光子、連続相及び分散層を有する拡散反射偏光フィルム(DRPF)(3M Co.(St.Paul,MN)から入手可能なVikuiti(登録商標)拡散反射偏光フィルム(「DRPF」))、例えば米国特許第6,719,426号に記載されるワイヤグリッド反射偏光子、又はコレステリック反射偏光子など)を使用してもよい。
例えば、いくつかの場合において、反射偏光子550は、異なるポリマー材料の交互層で形成された多層光学フィルム(MOF)反射偏光子であってもよく、又これを含んでもよく、交互層のセットのうちの1つは、複屈折材料で形成され、様々な材料の屈折率は、1つの線状偏光状態で偏光された光に整合し、直交線状偏光状態にある光には整合しない。そのような場合、整合した偏光状態の入射光線は、反射偏光子550を実質的に透過し、整合しない偏光状態の入射光線は、反射偏光子550によって実質的に反射される。いくつかの場合では、MOF反射偏光子550は、無機誘電体層の積層体を含んでよい。
別の例として、反射偏光子550は、通過状態で中間軸上平均反射率を有する部分反射層であるか、これを含んでよい。例えば、部分反射層は、xy平面など第一面で偏光された可視光線に関して少なくとも約90%の軸上平均反射率を有し、第一面に垂直のxz平面など第二面で偏光された可視光線に関して約25%〜約90%の範囲の軸上平均反射率を有することができる。そのような部分反射層は、例えば、米国特許出願公開第2008/064133号に記載されており、この開示の内容全体を参照により本明細書に援用する。
いくつかの場合において、反射偏光子550は、円反射偏光子であるか、これを含んでよく、ある観点(時計回り又は反時計回りの観点であってもよく、右円偏光又は左円偏光とも呼ばれる)では円偏光した光が優先的に透過され、反対の観点で偏光された光は優先的に反射される。円偏光子の一種としてはコレステリック液晶偏光子が挙げられる。
いくつかの場合には、反射偏光子550は、例えば、その全体が本明細書に参照として組み込まれる米国特許第8,662,687号、同第8,608,363号、同第8,917,448号、及び同第8,988,776号、並びに米国特許出願公開第2011/0222263号に記載されているものなど、光学干渉により光を反射又は透過する多層光学フィルムとすることができる。
光学拡散体560は、ランプ590を隠蔽又は遮蔽し、光導体570から射出される光585を均質化するという主要機能を有する。光学拡散体560は、高い光学ヘーズ及び/又は高い拡散光反射率を有する。例えば、いくつかの場合において、光学拡散体の光学ヘーズは、約40%以上、又は約50%以上、又は約60%以上、又は約70%以上、又は約80%以上、又は約85%以上、又は約90%以上、又は約95%以上である。別の例として、光学拡散体の拡散光反射率は、約30%以上、又は約40%以上、又は約50%以上、又は約60%以上である。
光学拡散体560は、ある用途で望ましくかつ/又は利用可能となり得る任意の光学拡散体であっても、それを含むものであってもよい。例えば、光学拡散体560は、表面拡散体、体積拡散体、又はこれらの組み合わせであっても、それらを含むものであってもよい。例えば、光学拡散体560は、第1の屈折率nを有する複数の粒子であって、それとは異なる屈折率nを有する結合剤又はホスト媒質中に分散されたものを含んでもよく、ここで、これら2つの屈折率の差は、少なくとも約0.01、又は少なくとも約0.02、又は少なくとも約0.03、又は少なくとも約0.04、又は少なくとも約0.05である。
後方反射体580は、負のz方向に沿って観察者599から遠ざかる方向に光導体によって射出される光を受光し、受光した光を観察者の方向に反射する。ランプ590が光導体の縁部に沿って配置されたディスプレイシステム500などのディスプレイシステムは、一般に、エッジライト又はバックライトディスプレイ又は光学システムと呼ばれる。いくつかの場合において、後方反射体は部分的に反射性であり、部分的に透過性であってよい。いくつかの場合において、後方反射体は構造化されていてもよく、例えば構造化面を有することができる。
後方反射体580は、特定の用途において望ましく、かつ/又は実用的であり得る任意の種類の反射体であってよい。例えば、後方反射体は、鏡面反射体、半鏡面若しくは半拡散反射体、又は拡散反射体、例えば、内容全体を参照により本明細書に援用する国際出願PCT/US 2008/064115号に開示されるものなどであってよい。例えば、反射体はアルミニウム処理したフィルム又は多層ポリマー反射型フィルム、例えば、強化鏡面性反射体(ESR)フィルム(3Mから入手可能)であり得る。別の例としては、後方反射体580は、白色の外観を有する拡散反射体とすることができる。
光学積層体400(図11)に加えて、例えば、直線偏光子540、反射偏光子550、拡散体560又は後方反射体580を含む、ディスプレイシステム500中の光学素子のいずれかの表面に本明細書で説明するコーティングを適用することができる。例えば、コーティングを反射偏光子に適用して、拡散率を向上させ、欠陥を隠し、モアレ及び/又は色ムラを低減し、隣接する光学素子の転写を低減することができる。いくつかの実施形態では、後方反射体580に適用されたコーティングは、拡散反射率を改善する、及び/又は欠陥の隠蔽を向上させることができる。いくつかの実施形態では、拡散体560にコーティングを適用することは、拡散体560と隣接する光学素子との間のニュートン環など干渉パターンを低減することができる。
種々の実施形態では、アンチグレアコーティングに好適な光学的透明度及びヘーズを維持しながら耐久性(例えば、耐摩耗性)が望まれる場合に、様々なディスプレイ及び保護物品上でコーティング層を含む光学素子を使用することができる。例えば、起伏がある表面を有するコーティングを適用して、LCD、プラズマディスプレイ、フロントプロジェクション及びリアプロジェクションディスプレイ、陰極線管(「CRT」)、看板、並びにシングルキャラクター又はバイナリーディスプレイ例えば発光ダイオード(LED)、信号ランプ、スイッチなどのディスプレイ上に、アンチグレコーティング又は拡散コーティングを形成してもよい。種々の実施形態では、本明細書で説明するコーティングは、通常の使用中に損傷を受けやすい画面を有するディスプレイのための保護コーティングとして有用であり得る。他の実施形態では、別のポリマーフィルムがコーティング上に適用された時又は別の光学素子に隣接してコーティングが配置された時にウェットアウト及びパターン形成を防止するためには、基材の表面の上方に延びる有意数のより大きい突起部を有する光学素子が有用であり得る。
本開示の光学素子及びコーティングを、PDA、携帯電話(PDA/セル式電話の組み合わせを含む)、タッチスクリーン、腕時計、カーナビゲーションシステム、汎世界測位システム、測深器、計算機、電子書籍、CD又はDVDプレーヤー、投射型テレビスクリーン、コンピュータモニタ、ノートパソコンのディスプレイ、計器、計器パネルカバー、グラフィックディスプレイ(戸内及び戸外グラフィック、バンパーステッカー等を含む)などの看板等を含む、種々の持ち運び可能な及び持ち運びできない情報ディスプレイ装置で使用することができる。これらの装置は、平坦な画面、又典型的なCRTのわずかに湾曲した面などの平坦でない画面を有することができる。ディスプレイ素子は、情報表示装置の画面からかなり遠くに離間するのではなく、その物理的近傍上に又は物理的近傍に配置され得る。
本開示の光学素子及びコーティングは、例えばカメラレンズ、眼鏡レンズ、双眼鏡レンズ、再帰反射シート、ホワイトボード、フロアフィルム、自動車窓、建築物窓、電車窓、ボート窓、航空機窓、車両ヘッドライト及びテールライト、ディスプレイケース、眼鏡、船体、道路路面表示、オーバーヘッドプロジェクター、ステレオキャビネットドア、ステレオカバー、家具、バス停プラスチック、ウォッチカバー、並びに光学及び光磁気録音ディスクなどのような種々の他の物品上で同様に使用することも可能である。
Figure 0006612776
実施例1(1:1.エルバサイト(Elvacite)2028:CAP 504−0.2)
カウルズ型分散機を使用して高せん断下でIPA(90g)中に10グラムを溶解させることによって、エルバサイト(Elvacite)2028の10%プリミックスを調製した。別個の槽において、カウルズ型分散機を使用して高せん断下でDowanol PM(90g)中に10gを溶解させることによって、CAP 504−0.2の10%プリミックスを調製した。攪拌下で各プリミックスの等量部(20g)を化合した。ノッチバールハンドコーターを使用して、2〜3ミル(0.05〜0.08mm)のコーティング間隙でコーティング溶液をPETフィルム上に鋳造した。このコーティングをオーブンで80℃で3分間にわたって乾燥させた。溶媒の蒸発により、厚さ約4μmのコーティングが生じた。
実施例1において使用した成分を以下の表1に示す。
Figure 0006612776
光学顕微鏡法(株式会社キーエンス、日本国大阪)から入手可能な「VH−Z100Rレンズを有するKeyence VHX−S50)を使用してコーティングされたシートを観察し、3未満のアスペクト比を有する90%超の液滴を含む非連続相を有することが分かった。ゲル顕微鏡(Gelsight Co.(Waltham,MA)から入手可能なるGelsight Benchtop V1)を用いた表面メトロロジー観測は、1.74μmのピークツーバレー高さ、0.24μmの平均粗さ、及び0.29μmのRMS粗さを有する表面特徴の一様分布を示した。Haze Guard Plusヘーズ計(Gardco、Pompano Beach,FL)を使用して、透過率(91.8%)、ヘーズ(22.9%)及び透明度(79.9%)を測定した。
実施例2(1:3 CAB 381−20:エルバサイト(Elvacite)2044)
カウルズ型分散機を使用して高せん断下でDowanol PM(90g)中に10グラムを溶解させることによって、CAB 381−20の10%プリミックスを調製した。別個の槽において、カウルズ型分散機を使用して高せん断下でDowanol PM(90g)中に10gを溶解させることによって、エルバサイト(Elvacite)2044の10%プリミックスを調製した。攪拌の下で、3部のエルバサイト(Elvacite)プリミックス(30g)に1部のCABプリミックス(10g)を化合した。ノッチバールハンドコーターを使用して、2〜3ミル(0.05〜0.08mm)のコーティング間隙でコーティング溶液をPETフィルム上に鋳造した。このコーティングをオーブンで80℃で3分間にわたって乾燥させた。溶媒の蒸発により、厚さ約4μmのコーティングが生じた。
実施例2において使用した成分を以下の表2に示す。
Figure 0006612776
光学顕微鏡法(VH−Z100Rレンズを有するKeyence VHX−S50)を使用してコーティングされたシートを観察し、3未満のアスペクト比を有する90%超の液滴を含む非連続相を有することが分かった。ゲル顕微鏡(Gelsight Benchtop V1)を用いた表面メトロロジー観測は、2.67umのピークツーバレー高さ、0.39umの平均粗さ、及び0.47umのRMS粗さを有する表面特徴の一様分布を示した。Haze Guardヘーズ計を使用して、透過率(93.2%)、ヘーズ(16.3%)及び透明度(82.6%)を測定した。
実施例3(1:3.エルバサイト(Elvacite)2042:エルバサイト(Elvacite)2046)
カウルズ型分散機を使用して高せん断下でMEK(90g)中に10グラムを溶解させることによって、エルバサイト(Elvacite)2042の10%プリミックスを調製した。別個の槽において、カウルズ型分散機を使用して高せん断下でDowanol PM(90g)中に10gを溶解させることによって、エルバサイト(Elvacite)2046の10%プリミックスを調製した。攪拌の下で、3部のエルバサイト(Elvacite)2046プリミックス(30g)に1部のエルバサイト(Elvacite)2042プリミックス(10g)を化合した。ノッチバールハンドコーターを使用して、2〜3ミル(0.05〜0.08mm)のコーティング間隙でコーティング溶液をPETフィルム上に鋳造した。このコーティングをオーブンで80℃で3分間にわたって乾燥させた。溶媒の蒸発により、厚さ3〜4μmのコーティングが生じた。
実施例3において使用した成分を以下の表3に示す。
Figure 0006612776
光学顕微鏡法(VH−Z100Rレンズを有するKeyence VHX−S50)を使用してコーティングされたシートを観察し、3未満のアスペクト比を有する90%超の液滴を含む非連続相を有することが分かった。ゲル顕微鏡(Gelsight Benchtop V1)を用いた表面メトロロジー観測は、1.90umのピークツーバレー高さ、0.23umの平均粗さ、及び0.30umのRMS粗さを有する表面特徴の一様分布を示した。Haze Guardヘーズ計を使用して、透過率(93.2%)、ヘーズ(15.1%)及び透明度(79.3%)を測定した。
実施例4(1:3 CA 398−6:CAP 482−0.5)
カウルズ型分散機を使用して高せん断下でMEK(90g)中に10グラムを溶解させることによって、CA 398−6の10%プリミックスを調製した。別個の槽において、カウルズ型分散機を使用して高せん断下でDowanol PM(90g)中に10gを溶解させることによって、CAP 482−0.5の10%プリミックスを調製した。攪拌の下で、3部のCAPプリミックス(30g)に1部のCAプリミックス(10g)を化合した。ノッチバールハンドコーターを使用して、2〜3ミル(0.05〜0.08mm)のコーティング間隙でコーティング溶液をPETフィルム上に鋳造した。このコーティングをオーブンで80℃で3分間にわたって乾燥させた。溶媒の蒸発により、厚さ約4umのコーティングが生じた。
実施例4において使用した成分を以下の表4に示す。
Figure 0006612776
光学顕微鏡法(VH−Z100Rレンズを有するKeyence VHX−S50)を使用してコーティングされたシートを観察し、3未満のアスペクト比を有する90%超の液滴を含む非連続相を有することが分かった。ゲル顕微鏡(Gelsight Benchtop V1)を用いた表面メトロロジー観測は、9.06umのピークツーバレー高さ、1.34umの平均粗さ、及び1.87umのRMS粗さを有する表面特徴の一様分布を示した。Haze Guardヘーズ計を使用して、透過率(93.9%)、ヘーズ(18.4%)及び透明度(86.6%)を測定した。
実施例5(1:1 CA 398−6:CAB 381−20)
カウルズ型分散機を使用して高せん断下でMEK(90g)中に10グラムを溶解させることによって、CA 398−6の10%プリミックスを調製した。別個の槽において、カウルズ型分散機を使用して高せん断下でMEK(90g)中に10gを溶解させることによって、CAB 381−20の10%プリミックスを調製した。攪拌の下で、1部のCABプリミックス(30g)に1部のCAプリミックス(10g)を化合した。ノッチバールハンドコーターを使用して、2〜3ミル(0.05〜0.08mm)のコーティング間隙でコーティング溶液をPETフィルム上に鋳造した。このコーティングをオーブンで80℃で3分間にわたって乾燥させた。溶媒の蒸発により、厚さ約4μmのコーティングが生じた。
実施例5において使用した成分を以下の表5に示す。
Figure 0006612776
光学顕微鏡法(VH−Z100Rレンズを有するKeyence VHX−S50)を使用してコーティングされたシートを観察し、3未満のアスペクト比を有する90%超の液滴を含む非連続相を有することが分かった。ゲル顕微鏡(Gelsight Benchtop V1)を用いた表面メトロロジー観測は、6.67μmのピークツーバレー高さ、1.00μmの平均粗さ、及び1.27μmのRMS粗さを有する表面特徴の一様分布を示した。Haze Guardヘーズ計を使用して、透過率(95.3%)、ヘーズ(71.5%)及び透明度(49.2%)を測定した。
実施例6〜18
最初に、2つのブレンドされた溶媒(本明細書では、溶媒#1及び溶媒#2と称する)中に、ポリマー#2を溶かし、溶解するまで混合することによって、コーティング組成物を作製した。次いで、ポリマー#1を加え、溶解するまで混合した。30メートル/分(mpm)でPETフィルムに溶液をコーティングし、50℃で約2分間にわたって乾燥させた。
実施例6〜14のポリマー#1は、CAB 381−2であり、ポリマー#2は、CA 398−6であった。実施例6〜14の溶媒#1は、メチルエチルケトン(MEK)であり、溶媒#2は、Dowanol PMであった。
実施例15〜18のポリマー#1はCAB 381−20でり、ポリマー#2は、CA 398−30であった一方で、溶媒#1は、MEKであり、溶媒#2は、Dowanol PMであった。
結果を下記の表6に示す。
Figure 0006612776
図3は、実施例8の表面の構造のプロットであり、図4は、表面の写真である。図5は、実施例14の表面の構造のプロットであり、図6は、表面の写真である。図3及び図5のプロットは、Gelsight Benchtop ScannerモデルV1を使用して取得され、図4及び図6の写真は、光学顕微鏡法(VH−Z100Rレンズを有するKeyence VHX−S50)を使用して撮影された。より高いヘーズサンプルの突起はより高く、これは、ヘーズを増大させる。
実施例19〜21
最初に、2つのブレンドされた溶媒(本明細書では、溶媒#1及び溶媒#2と称する)中に、ポリマー#2を溶かし、溶解するまで混合することによって、溶液を作製した。次いで、ポリマー#1を加え、溶解するまで混合した。30mpmでPETフィルムに溶液をコーティングし、50℃で約2分間にわたって乾燥させた。
実施例19〜21のポリマー#1は、CAB 381−20であり、ポリマー#2は、CA 398−30であった。実施例19〜21の溶媒#1は、MEKであり、溶媒#2は、Dowanol PMであった。
結果を下記の表7に示す。
Figure 0006612776
液晶ディスプレイシステムおいて光拡散フィルムが使用されると、そのフィルムは、ディスプレイの軸方向の輝度を増大させる、又は向上させることができる。こうした場合では、そのフィルムは、1よりも大きな実効透過率又は相対ゲインを有する。本明細書で使用される場合、実効透過率は、ディスプレイシステムの定位置にフィルムを有したディスプレイシステムの軸方向の輝度の、フィルムを定位置に有しないディスプレイの軸方向の輝度に対する、比率である。
実効透過率(ET)は、光学システムを使用して測定することができる。光学システムは、光軸を中心として配置され、発光面又は出射面、線状光吸収偏光子、及び光検出器を通してランバート光を放射する中空のランバートライトボックスを含む。ライトボックスは、光ファイバーによってライトボックスの内側に接続された安定化広帯域光源によって照射される。光学システムによってETを測定する試験サンプルは、ライトボックスと吸収線状偏光子との間の場所に配置される(国際公開第13/096324号に記載)。
実施例22〜24
最初に、2つのブレンドされた溶媒(溶媒#1及び溶媒#2と称する)中に、ポリマー#2を溶かし、溶解するまで混合することによって、溶液を作製した。次いで、ポリマー#1を加え、溶解するまで混合した。30mpmで30μm厚のPETフィルムに溶液をコーティングし、50℃で約2分間にわたって乾燥させた。
実施例22〜24のポリマー#1は、CAB 381−20であり、ポリマー#2は、CA 398−30であった。実施例22〜24の溶媒#1は、MEKであり、溶媒#2は、Dowanol PMであった。
結果を下記の表8に示す。
Figure 0006612776
ウェットアウトは、フィルムと、ガラスなどの平坦面との光結合である。光結合は、場合によっては反射した光の透過を引き起こす。ウェットアウトの問題は、基材がより可撓性になるにつれて特に困難になる。これは、40μm厚さ未満のPETフィルムに当てはまる。試験法は、ガラス板にサンプルを置き、38mm×64mmに切断されたサンプルに988グラムの圧力を加えることであった。裏面から光を当て、通過する光をPR650カメラが測定した。望ましい値は、<1.0である。
実施例25〜26
最初に、2つのブレンドされた溶媒(溶媒#1及び溶媒#2と称する)中に、ポリマー#2を溶かし、溶解するまで混合することによって、溶液を作製した。次いで、ポリマー#1を加え、溶解するまで混合した。30mpmで、30μm厚のPETフィルム(実施例25)及び51μmmのPETフィルム(実施例26)に溶液をコーティングし、50℃で約2分間にわたって乾燥させた。
実施例25のポリマー#1は、CAB 381−20であり、ポリマー#2は、CA 398−30であった。実施例26のポリマー#1は、CAB 381−2であり、ポリマー#2は、CA 398−6であった。
実施例25〜26の溶媒#1は、MEKであり、溶媒#2は、Dowanol PMであった。
結果を下記の表9に示す。
Figure 0006612776
実施例におけるテクスチャ化表面は、主に表面ヘーズを生成する。表面ヘーズは、屈折率が類似しているモノマーを、次いでポリマーを用いて表面を平坦化することによって確立される。SR9003(Sartomer)は、コーティングされ、硬化した時に、1.486の屈折率を有する(ポリマーに使用される同じ測定技術)。
実施例27〜33
接着試験は、市販のはさみでフィルムを切断し、縁部上に3M(登録商標)610テープを適用することに関した。次いで、約45度の角度で、テープをフィルムに向かって引き戻した。次いで、基材からのコーティングの総除去については1を、層分離又は凝集破壊がある部分的除去については3を評点し、5は除去されなかった。試験を3回行い、平均を記録した。
表10において以下に説明するこれらの実施例では、ポリマー#1は、CAB 381−20であり、ポリマー#2は、CA 398−30であった。表10の実施例では、溶媒#1は、MEKであり、溶媒#2は、Dowanol PMであった。上記実施例6〜18について説明した同じ技術を用いて、これらの標本を作製した。
Figure 0006612776
実施例34〜36
上記実施例6〜18について説明した同じ技術を用いて、これらのサンプルを作製し、試験した。ポリマー#1は、CAB 381−2であり、ポリマー#2は、CA 398−6である。結果を表11に示す。
Figure 0006612776
実施例37−ポリマーの屈折率
実施例における屈折率を、商品名Model 2010/MでMetricon Corp.(Pennington,NJ)から入手可能なプリズム結合器を用いて取得されたデータを使用して取り、Index Finderと呼ばれるExcelマクロへとエクスポートした。マクロは、最小2乗法を使用して、プリズム結合器が生成した曲線に沿って一連の線を一致させた。最大傾斜を有する曲線は、屈曲点の立上り部に似ており、ソフトウェアは、最大値後の傾斜を評価し、(平坦線に近接した)最小値をフォント。2本の線が屈曲点を規定し、それらのインターセプトは屈折率であった。
実施例において使用されるポリマーの厳密なロットを、屈折率について試験し、結果を表12に示した。図12におけるTg値は、文献から取得した。
Figure 0006612776
表13は、上記実施例1〜18のポリマー#1とポリマー#2との屈折率の差の絶対値を示す。
Figure 0006612776
実施例38−ボール落下試験
種々の実施例において上述したコーティングに、典型的にはコーティングを含む光学装置を消費者が使用する時に遭遇する衝撃により引き起こされる損傷を阻止するコーティングの能力を評価するために、ボール落下試験を行った。
図7の概略図を参照すると、ボール落下試験装置200は、ガイドチューブ204中に配置された直径約2.5インチ(6.35cm)の175グラムポリマーボール202を含んだ。ボール202は、コーティング試験ユニット206の表面の上方の約50cmの高さhに上げられた。コーティング試験ユニット206は、剛性のポリマープレート210を覆う保護ポリマーフィルム208を含んだ。光導体ユニット250は、拡散体220上にコーティング構造211を含み、剛性のポリマー光導体要素222上にコーティング層224を含んだ。コーティング構造211は、コーティング層214の上に配置されたポリマーフィルム212を含み、それらの間に光学的に透明な接着剤層216を含んだ。光導体要素222の上に拡散体層220を配置した。コーティング試験ユニット206を、剛性のポリマー支持体226上においた。
図8Aを参照すると、損傷試験装置300は、商品名PrometricでRadiant Zemax LLC(Redmond,WA)から入手可能なイメージング色度計302を含んだ。色度計302は、損傷を受けた光導体ユニット350上のコーティング352の上方約70cmの高さHtestに配置された。縁部を照明するLED 304の配列を使用して、光導体ユニット350に光を放射し、それらの表面上のコーティング352に対する損傷を評価した。
図8Bを参照すると、図8Aの試験セットアップ300における色度計302を使用して、本明細書では第1の円形区域310と称される落下するボールにより損傷を受けた表面コーティング352の区域の輝度を評価した。次いで、色度計302を使用して、第1の円形区域310の縁部から約5mm離れた第2の円形区域312の輝度を評価した。最大光ガイド抽出のための基準を提供するために、第2の円形区域312を、商品名Post−itで3Mから入手可能な裏面に接着剤が付いたマット仕上げのテープフラグにより覆った。次いで、色度計302を利用して、第1の円形区域310の中心から約10mm離れた、損傷を受けていない第3の円形区域314の輝度を評価した。損傷コントラスト値は下式によって求められる。
損傷コントラスト=
[(区域310の輝度−区域314の輝度)/区域312]の輝度。
上記実施例における種々のコーティングについての結果を表14に示す。
表14に示すように、本開示のコーティングについての損傷コントラスト結果もまた、Lumina 1520でNokiaから入手可能な携帯電話のディスプレイ、商品名Galaxy Tablet 3でSamsungから入手可能なタブレットコンピュータ、及び商品名56000でLenovoから入手可能なタブレットコンピュータの底部拡散体フィルムについてのボール落下試験と比較した。
Figure 0006612776
実施例の評価
実施例1〜5は、類似する屈折率を有する、同じクラス又は異なるクラスのいずれかの非親和性ポリマーが、一様な液滴タイプの相構造で作製されたテクスチャ化表面を生成できることを実証する。融通性を実証するために、種々の溶媒を実施例において使用した。広範囲の表面粗さが取得された。
実施例6〜18(表6)は、CA−398−6及びCAB 381−2のブレンド、溶媒選択及び乾燥厚さの操作により、ヘーズ、透明度及び粗さを広範囲にわたって調整できることを実証する。実施例の全ては、一様な液滴タイプの外観を有した。実施例15〜18の場合も同様の応答が取得された。これらの実施例は、CA 398−30及びCAB 381−20を使用した。これらは、類似する屈折率を有する非親和性ポリマーを使用して、固有の表面特性を取得できることを実証した。
実施例19〜21(表7)は、類似するポリマーが輝度ゲインを達成できることを実証する。2つの非親和性ポリマーが、最大相分離を与えた等しいレベルであった時に最良の結果が取得された。
実施例22〜24(表8)は、非親和性ポリマー及び溶媒選択を調整することによって、薄膜(40μm未満)上に、低いヘーズ、低い乾燥厚さで許容可能なウェットアウト特性を達成できることが実証する。
実施例25及び26(表9)は、類似する屈折率を有するポリマーを選択することによって、ごくわずかなバルクヘーズが起こることを実証する。バルクヘーズは、フィルム内の光を散乱させ、その結果、透過光の量が低下する。
いくつかのサンプル(図3〜図6)の2次元画像及び3次元画像は、実施例が一様な液滴形状構造を有することを示すように選ばれた。ポリマーの多くの組み合わせは、望ましくない光分散と、グレインと称される光学的欠点とを生成する細流型構造を生成することができる。
実施例27〜33(表10)は、CA−CABマトリックスにおいてCAB 35%未満で凝集破壊が起こることを示す。
実施例34〜36(表11)は、この方法は、50%、40%及び30%のほぼ等しいヘーズ−透明度レベルを生成できることを示す。
本発明の様々な実施形態について説明してきた。これら及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[58]に記載する。
[項目1]
基材の上にコーティング層を形成するために前記基材の表面をコーティング組成物でコーティングすることであって、前記コーティング組成物は、
第1のポリマー及び第2のポリマーであって、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、互いに非親和性かつ非反応性であり、前記第1のポリマーの屈折率と前記第2のポリマーの屈折率との差の絶対値は、約0〜約0.01である、第1のポリマー及び第2のポリマー、並びに
キャリア液体であって、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、前記キャリア液体中に可溶性であり、前記キャリア液体が、前記第1のポリマーにとっては良溶媒であり、前記第2のポリマーにとっては貧溶媒である、キャリア液体
を含む、ことと、
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーの混合物をスピノ−ダル分解するために、前記コーティング層から前記キャリア液体を除去することであって、前記キャリア液体が、主要量の前記第1のポリマーを含む実質的に連続的な第1の相、及び主要量の前記第2のポリマーを含む実質的に非連続的な第2の相を形成するのに十分な量において除去され、前記第2の相の少なくとも70%は、前記基材の前記表面の平面から見た時に約3未満のアスペクト比を有する液滴を含む、ことと、
を含む方法。
[項目2]
前記第2の相の少なくとも70%は、約2未満のアスペクト比を有する液滴を含む、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記第2の相の少なくとも90%は、液滴を含む、項目2に記載の方法。
[項目4]
コーティングを形成するために前記コーティング層を乾燥させることを更に含み、前記コーティングは、前記第1の相から導出された第1の領域及び前記第2の相から導出された第2の領域を含み、前記第2の領域は、前記第1の領域の高さの上方に、約0.1μm〜約15μmの高さまで、前記基材の前記表面から突出する、項目1に記載の方法。
[項目5]
前記第2の領域の前記高さは、前記第1の領域の前記高さの上方、約0.1μm〜約10μmである、項目4に記載の方法。
[項目6]
前記第2の領域の前記高さは、前記第1の領域の前記高さの上方、約0.1μm〜約5.0μmである、項目4に記載の方法。
[項目7]
前記コーティングは、約0.01μm〜約2.0μmのRMS粗さを有する、項目4に記載の方法。
[項目8]
前記コーティングは、約0.2μm〜約0.8μmのRMS粗さを有する、項目4に記載の方法。
[項目9]
平坦化されたコーティングのヘーズは、前記基材のバルクヘーズの約1%以内である、項目4に記載の方法。
[項目10]
前記第1のポリマーの前記屈折率と前記第2のポリマーの前記屈折率との差の絶対値は、約0〜約0.005である、項目1に記載の方法。
[項目11]
前記第1のポリマーの前記屈折率と前記第2のポリマーの前記屈折率の差の絶対値は、約0〜約0.002である、項目1に記載の方法。
[項目12]
前記コーティング組成物は、第3のポリマーを更に備え、前記第3のポリマーは、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーのうちの少なくとも一方と親和性がある、項目1に記載の方法。
[項目13]
前記透明な基材は、ガラス及びポリマーフィルムから選択される、項目1に記載の方法。
[項目14]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、約25℃よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する、項目1に記載の方法。
[項目15]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、約37.5℃よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する、項目1に記載の方法。
[項目16]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、約50℃よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する、項目1に記載の方法。
[項目17]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、約80℃よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する、項目1に記載の方法。
[項目18]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、約100℃よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する、項目1に記載の方法。
[項目19]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、及び環式ポリオレフィン樹脂からなる群から選択される樹脂を含む、項目1に記載の方法。
[項目20]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは各々、セルロース樹脂を含む、項目1に記載の方法。
[項目21]
前記セルロース樹脂は、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン酸酢酸セルロース、又はそれらの組み合わせを含む、項目20に記載の方法。
[項目22]
前記セルロース樹脂は、酢酸セルロース及び酢酸酪酸セルロースを含む、項目20に記載の方法。
[項目23]
前記コーティング組成物は、少なくとも35wt%の酢酸酪酸セルロースを含む、項目22に記載の方法。
[項目24]
前記コーティング組成物における酢酸セルロースと酢酸酪酸セルロースの比は、約2:1〜約1:10である、項目22に記載の方法。
[項目25]
前記コーティング組成物における酢酸セルロースと酢酸酪酸セルロースの比は、約1:1〜約1:9である、項目22に記載の方法。
[項目26]
前記コーティング組成物における酢酸セルロースと酢酸酪酸セルロースの比は、約2:1〜約1:2である、項目22に記載の方法。
[項目27]
前記コーティング組成物における酢酸セルロースと酢酸酪酸セルロースの比は、約1:1である、項目22に記載の方法。
[項目28]
前記キャリア液体は、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、アセトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、グリコールエーテル、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒を含む、項目1に記載の方法。
[項目29]
前記キャリア液体は、グリコールエーテル及びケトンを含む、項目28に記載の方法。
[項目30]
前記ケトンは、メチルエチルケトン(MEK)である、項目29に記載の方法。
[項目31]
前記ケトンは、アセトンである、項目29に記載の方法。
[項目32]
約60℃未満の温度で前記コーティング層を最初に乾燥させることによって、前記キャリア液体を除去する、項目1に記載の方法。
[項目33]
前記液滴は、約1μm〜約30μmの平均径を有する、項目1に記載の方法。
[項目34]
前記液滴は、約2μm〜約10μmの平均径を有する、項目1に記載の方法。
[項目35]
前記コーティングの実効透過率は、少なくとも1.1である、項目4に記載の方法。
[項目36]
光学素子であって、
光透過性基材と、
前記基材上の連続するコーティングであって、前記コーティングは、
セルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択される第1のポリマーを含む第1の領域、及び
前記第1のポリマーとは異なる第2のポリマーを含む第2の領域であって、前記第2のポリマーは、セルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択され、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、互いに非親和性かつ非反応性であり、前記第1のポリマーの屈折率と前記第2のポリマーの屈折率の差の絶対値は、約0〜約0.01であり、前記第1の領域は、前記第2の領域とは異なる厚さを有する、第2の領域を含む、コーティングと、
を備える、光学素子。
[項目37]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、セルロース樹脂を含む、項目36に記載の光学素子。
[項目38]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、及びプロピオン酸酢酸セルロースを含む、項目37に記載の光学素子。
[項目39]
前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、酢酸セルロース、及び酢酸酪酸セルロースを含む、項目38に記載の光学素子。
[項目40]
前記コーティング中の領域の少なくとも35%は、酢酸酪酸セルロースを含む、項目39に記載の光学素子。
[項目41]
前記コーティングにおける前記第1の領域と前記第2の領域の比は、約1:1である、項目36に記載の光学素子。
[項目42]
前記コーティングにおける前記第1の領域と前記コーティングにおける前記第2の領域の比は、約9:1である、項目36に記載の光学素子。
[項目43]
前記第2の領域は、前記第1の領域の高さの上方に、約0.1μm〜約15μmの高さまで、前記基材の表面から突出する、項目36に記載の光学素子。
[項目44]
前記第2の領域の高さは、前記第1の領域の高さの上方、約0.1μm〜約10μmである、項目36に記載の光学素子。
[項目45]
前記コーティングは、約0.01μm〜約2.0μmのRMS粗さを有する、項目43に記載の光学素子。
[項目46]
前記コーティングは、約0.2μm〜約0.8μmのRMS粗さを有する、項目43に記載の光学素子。
[項目47]
前記基材を平坦化した後に測定された前記コーティングのバルクヘーズは、約1.0未満である、項目43に記載の光学素子。
[項目48]
前記第1のポリマーの前記屈折率と前記第2のポリマーの前記屈折率の差の絶対値は、約0〜約0.005である、項目36に記載の光学素子。
[項目49]
前記第1のポリマーの前記屈折率と前記第2のポリマーの前記屈折率の差の絶対値は、約0〜約0.002である、項目36に記載の光学素子。
[項目50]
前記コーティングは、第3のポリマーを更に備えており、前記第3のポリマーは、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーのうちの少なくとも一方と親和性がある、項目36に記載の光学素子。
[項目51]
前記基材は、ガラス又はポリマーフィルムを含む、項目36に記載の光学素子。
[項目52]
前記基材は、ポリマーフィルムである、項目51に記載の光学素子。
[項目53]
前記コーティングは、約1%〜約99%のヘーズを有する、項目36に記載の光学素子。
[項目54]
前記コーティングは、約5%〜約98%の透明度を有する、項目36に記載の光学素子。
[項目55]
前記コーティングは、約50%未満のヘーズと透明度の両方を有する、項目36に記載の光学素子。
[項目56]
前記コーティングは、約40%未満のヘーズと透明度の両方を有する、項目36に記載の光学素子。
[項目57]
前記コーティングは、約30%未満のヘーズと透明度の両方を有する、項目36に記載の光学素子。
[項目58]
前記コーティングの実効透過率は、少なくとも1.1である、項目36に記載の光学素子。

Claims (3)

  1. 基材の上にコーティング層を形成するために前記基材の表面をコーティング組成物でコーティングすることであって、前記コーティング組成物は、
    酢酸酪酸セルロースの第1のポリマー及び酢酸セルロースの第2のポリマーであって、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、互いに非親和性かつ非反応性であり、前記第1のポリマーの屈折率と前記第2のポリマーの屈折率との差の絶対値は、.01である、第1のポリマー及び第2のポリマー、並びに
    キャリア液体であって、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、前記キャリア液体中に可溶性であり、前記キャリア液体が、前記第1のポリマーにとっては良溶媒であり、前記第2のポリマーにとっては貧溶媒である、キャリア液体
    を含み、
    前記コーティング組成物は、35〜80wt%の酢酸酪酸セルロースを含む、ことと、
    前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーの混合物をスピノ−ダル分解するために、前記コーティング層から前記キャリア液体を乾燥させて除去することであって、前記キャリア液体が、主要量の前記第1のポリマーを含む続的な第1の相、及び主要量の前記第2のポリマーを含む連続的な第2の相を形成するのに十分な量において除去され、前記第2の相の少なくとも70wt%は、前記基材の前記表面の平面から見た時に3:1未満のアスペクト比を有する液滴を含む、ことと、
    を含む方法。
  2. コーティングを形成するために前記コーティング層を乾燥させることを更に含み、前記コーティングは、前記第1の相から導出された第1の領域及び前記第2の相から導出された第2の領域を含み、前記第2の領域は、前記第1の領域の高さの上方に、.1μm〜5μmの高さまで、前記基材の前記表面から突出する、請求項1に記載の方法。
  3. 透過性基材と、
    前記基材上の連続するコーティングであって、前記コーティングは、
    酢酸酪酸セルロースの第1のポリマーを含む第1の領域、及び
    酢酸セルロースの第2のポリマーを含む第2の領域であって、記第1のポリマー及び前記第2のポリマーは、互いに非親和性かつ非反応性であり、前記第1のポリマーの屈折率と前記第2のポリマーの屈折率の差の絶対値は、.01であり、前記第1の領域は、前記第2の領域とは異なる厚さを有する、第2の領域を含む、コーティングと、
    を備える、光学素子を提供する、請求項1に記載の方法
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