しかしながら、上記改良型のファイル100Bでは、図19、図20に示すように、紙葉類102の他端側を表表紙104及び裏表紙105とともに綴じ具103Bを支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類102と表表紙104及び裏表紙105との内外が逆転するので、紙葉類102の他端側の先端部102bが、表表紙104の幅方向先端部104b及び裏表紙105の幅方向先端部105bより綴じ具側に大きく位置ずれ(後退)してしまう。そのため、360度開き状態を保持すべく、紙葉類102の他端側の先端部102b近傍を片手で握るとき、表表紙104の幅方向先端部104b及び裏表紙105の幅方向先端部105bが邪魔となって、折り返したファイル100Bを片手で安定して保持できないという問題があった。特に、図20に示すように、折り返したファイル100Bを片手で水平状に保持する場合、ファイル100Bを下方から支える人差し指や中指等がファイル100Bの幅方向寸法の1/3程度までしか届かず、ファイル100Bの綴じ具側が下方へ垂れやすくなるとともに、それを支える指への負担も過大となる問題があった。
この問題は、例えば、図21に示す一端側が綴じ具202で綴じられた複数のポケット201と、綴じ具202が装着された背表紙203と、背表紙203の幅方向両端部に連接されポケット201を外側から保護する表表紙204と裏表紙205とを備えたポケット式のファイル200においても、同様である。すなわち、ポケット201の他端側を表表紙204及び裏表紙205とともに綴じ具202を支点に略360度開いて折り返した360度開き状態とし、その360度開き状態を保持すべく、ポケット201の他端側の先端部102b近傍を片手で握るとき、表表紙204の幅方向先端部204b及び裏表紙205の幅方向先端部205bが邪魔となって、折り返したファイル200を片手で安定して保持できないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、表表紙と裏表紙とを装着した綴じ具に一端側で綴じた紙葉類又はポケットの他端側を表表紙及び裏表紙とともに略360度開いて折り返すことによって、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイルを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係るファイルは、次のような構成を有している。
(1)紙葉類又はポケットと、前記紙葉類又は前記ポケットの一端側を綴じ込む綴じ具と、前記綴じ具に装着され前記紙葉類又は前記ポケットを外側から保護する表表紙と裏表紙とを備え、前記紙葉類又は前記ポケットの他端側を前記表表紙及び前記裏表紙とともに前記綴じ具を支点に360度開いて折り返すことができるファイルであって、
前記表表紙の幅方向先端部及び前記裏表紙の幅方向先端部には、前記紙葉類又は前記ポケットの他端側を前記表表紙及び前記裏表紙とともに前記綴じ具を支点に略360度開いて折り返したとき、前記紙葉類又は前記ポケットの他端側の先端部における上下方向の全部又は一部と略揃うように短縮形成された把持用短縮部をそれぞれ備えていることを特徴とする。ここで、上下方向とは、綴じ具の軸方向(長手方向)を意味し、幅方向とは、その軸方向(長手方向)と直交する方向を意味する。
本発明においては、表表紙の幅方向先端部及び裏表紙の幅方向先端部には、紙葉類又はポケットの他端側を表表紙及び裏表紙とともに綴じ具を支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類又はポケットの他端側の先端部における上下方向の全部又は一部と略揃うように短縮形成された把持用短縮部をそれぞれ備えているので、綴じ具に一端側で綴じた紙葉類又はポケットの他端側を表表紙及び裏表紙とともに略360度開いて折り返した360度開き状態とし、その360度開き状態を保持すべく、把持用短縮部が形成された範囲で紙葉類又はポケットの他端側の先端部近傍を片手で握るとき、表表紙の幅方向先端部及び裏表紙の幅方向先端部は、紙葉類又はポケットの他端側の先端部より突出せず、邪魔とならない。そのため、把持用短縮部が形成された範囲においては、360度開き状態に折り返したファイルを片手で安定して保持することができる。その結果、電車等の狭いスペース内でも折り返したファイルを片手で保持しながら、紙葉類に所要の筆記等を楽に行うことができ、又は、ポケットに収納した紙葉類に記載された文字等を楽に読むことができる。
よって、本発明によれば、表表紙と裏表紙とを装着した綴じ具に一端側で綴じた紙葉類又はポケットの他端側を表表紙及び裏表紙とともに略360度開いて折り返すことによって、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイルを提供することができる。
なお、表表紙および裏表紙の把持用短縮部は、ファイルの上下方向における中間部又は当該中間部を含む下方に形成することが好ましい。また、本ファイルには、紙葉類のみ又はポケットのみを綴じ込む場合に限らず、紙葉類とポケットとを両方綴じ込むこともできる。
(2)(1)に記載されたファイルにおいて、
前記表表紙と前記紙葉類又は前記ポケットとの間、及び前記裏表紙と前記紙葉類又は前記ポケットとの間には、一端側で前記綴じ具に装着され、前記紙葉類又は前記ポケットと略同一サイズの大きさに形成された中間体をそれぞれ備えていることを特徴とする。
本発明においては、表表紙と紙葉類又はポケットとの間、及び裏表紙と紙葉類又はポケットとの間には、一端側で綴じ具に装着され、紙葉類又はポケットと略同一サイズの大きさに形成された中間体をそれぞれ備えているので、表表紙及び裏表紙を閉じた閉じ状態にて把持用短縮部によって露出される紙葉類又はポケットを中間体が保護することができる。そのため、閉じ状態におけるファイルを鞄等に出し入れする場合や、当該ファイルを把持して持ち歩く場合等において、表表紙及び裏表紙によってカバーされない紙葉類又はポケットが汚れや損傷等を生じるのを中間体によって防止することができる。
よって、本発明によれば、表表紙及び裏表紙によってカバーされない紙葉類又はポケットの汚れや損傷等を中間体によって防止しつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイルを提供することができる。
(3)(2)に記載されたファイルにおいて、
前記中間体は、一部が開封可能に形成された袋状部材であり、前記綴じ具に装着された一端側と対向する前記中間体の他端側には、上下方向に形成された折り目を有し蛇腹状に折り畳まれた折畳み部を備えていることを特徴とする。
本発明においては、中間体は、一部が開封可能に形成された袋状部材であり、綴じ具に装着された一端側と対向する中間体の他端側には、上下方向に形成された折り目を有し蛇腹状に折り畳まれた折畳み部を備えているので、多重構造となった折畳み部によって他端側における中間体の強度を高めることができる。そのため、表表紙及び裏表紙によってカバーされない紙葉類又はポケットの汚れや損傷等を、増強された中間体の折畳み部によって、より一層防止することができる。
また、袋状部材である中間体の内部に予備の紙葉類又は綴じ孔が形成されていない紙葉類を収納することによって、中間体の強度を更に高めることができる。例えば、他端側に蛇腹状に折り畳まれた折畳み部の折り目を幅方向に伸ばして、中間体の内部に紙葉類を収納することによって、中間体における他端側の厚さをより一層増加させ、これによって他端側の強度を高めることができる。なお、中間体は、綴じ具に綴じ込まれた紙葉類と略同一の大きさの紙葉類を収納可能に形成されていることが好ましい。この場合、中間体には、綴じ孔が形成されていない紙葉類を一時的に保管することもできる。
よって、本発明によれば、表表紙及び裏表紙によってカバーされない紙葉類の汚れや損傷等を、厚みを増加させた折畳み部によって確実に防止しつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイルを提供することができる。
(4)(2)に記載されたファイルにおいて、
前記中間体は、前記綴じ具に装着された一端側が所定の厚みを有する他端側より薄いフィルム部材で形成されていることを特徴とする。
本発明においては、中間体は、綴じ具に装着された一端側が所定の厚みを有する他端側より薄いフィルム部材で形成されているので、把持用短縮部に対応する他端側で中間体の厚みを増加させつつ、綴じ具に綴じ込む一端側で中間体の厚みを減少させることができる。そのため、綴じ具に綴じ込む紙葉類又はポケットの枚数を減少させることなく、他端側の厚みを増加させた中間体を装着することができる。
よって、本発明によれば、綴じ具に綴じ込む紙葉類又はポケットの必要枚数を確保しやすく、且つ表表紙及び裏表紙によってカバーされない紙葉類又はポケットの汚れや損傷等を、他端側の厚みを増加させた中間体によって確実に防止しつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイルを提供することができる。
(5)(2)乃至(4)のいずれか1つに記載されたファイルにおいて、
前記中間体には、前記把持用短縮部に沿って切り取られた前記表表紙及び前記裏表紙の短縮片又はその相当物が、前記表表紙及び前記裏表紙を閉じた閉じ状態における前記把持用短縮部の内側と切り取り部で重なるように溶着又は貼着されていることを特徴とする。
本発明においては、中間体には、把持用短縮部に沿って切り取られた表表紙及び裏表紙の短縮片又はその相当物が、表表紙及び裏表紙を閉じた閉じ状態における把持用短縮部の内側と切り取り部で重なるように溶着又は貼着されているので、表表紙及び裏表紙を閉じた閉じ状態において、表表紙の把持用短縮部と中間体に溶着又は貼着された短縮片又はその相当物との境界部及び裏表紙の把持用短縮部と中間体に溶着又は貼着された短縮片又はその相当物との境界部で隙間を形成させず、一見、把持用短縮部が形成されていない表表紙及び裏表紙を備えた普通のファイルと略同様に見える。そのため、表表紙及び裏表紙を閉じた閉じ状態におけるファイルの外観上の見栄えを向上させつつ、強度を高めることができる。
よって、本発明によれば、ファイルの外観上の見栄えと強度とを向上させつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイルを提供することができる。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載されたファイルにおいて、
前記綴じ具のベース部は、その幅方向の外形寸法が前記綴じ部材の幅方向の外形寸法より小さいことを特徴とする。
本発明においては、綴じ具のベース部は、その幅方向の外形寸法が綴じ部材の幅方向の外形寸法より小さいので、綴じ具に綴じた紙葉類又はポケットの他端側を表表紙及び裏表紙とともに綴じ具を支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類又はポケットを略平行に折り返すことができる。そのため、略360度開いて折り返した紙葉類に所要の筆記等を行う際、紙葉類の膨らみが少なく書きやすい効果、又は略360度開いて折り返したポケットに収納した紙葉類に記載した文字等を読む際、ポケットに収納した紙葉類の膨らみが少なく判読しやすい効果、を奏することができる。
よって、本発明によれば、略360度開いて折り返した紙葉類又はポケットに収納した紙葉類に対する筆記性、判読性を向上させつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイルを提供することができる。
本発明によれば、表表紙と裏表紙とを装着した綴じ具に一端側で綴じた紙葉類又はポケットの他端側を表表紙及び裏表紙とともに略360度開いて折り返すことによって、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイルを提供することができる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
はじめに、本実施形態に係るファイルにおける第1実施例の構造を詳細に説明する。次に、本実施形態に係るファイルにおける第2実施例〜第5実施例について、第1実施例との相違点を主体に説明する。
<第1実施例の構造>
まず、本実施形態に係るファイルにおける第1実施例の構造について、図1〜図8を用いて詳細に説明する。図1に、本実施形態に係るファイルの第1実施例(第4実施例)の斜視図を示す。図2に、図1に示すA―A断面図を示す。図3に、図1に示すA―A断面において、綴じ具に一端側で綴じた紙葉類の他端側を表表紙及び裏表紙とともに略360度開いて折り返した360度開き状態の断面図を示す。図4に、図3に示すファイルを片手で略水平状に保持した状態の斜視図を示す。図5に、図1に示す袋状の中間体の斜視図を示す。図6に、図1に示す中間体の折畳み部の詳細断面図を示し、(A)は折り畳まれた状態を示し、(B)は折り目を幅方向に伸ばした状態を示す。図7に、図1に示す綴じ具の部分斜視図を示す。図8に、図7に示す綴じ具における綴じ部材の平面図を示す。
図1〜図4に示すように、本第1実施例のファイル10は、一端側に綴じ孔11が形成された複数の紙葉類1と、綴じ孔11に綴じ部材21を挿入して紙葉類1を綴じ込む綴じ具2と、綴じ具2のベース部22に装着された背表紙3と、当該背表紙3の幅方向両端部にインテグラルヒンジを介して連続して形成され紙葉類1を外側から保護する表表紙4と裏表紙5とを備え、紙葉類1の他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返すことができるファイルである。
また、表表紙4の幅方向先端部41及び裏表紙5の幅方向先端部51には、紙葉類1の他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類1の綴じ孔11が形成された一端側と対向する他端側の先端部12における上下方向の一部(中間部から下方)と略揃うように短縮形成された把持用短縮部42、52をそれぞれ備えている。表表紙4の幅方向先端部41と把持用短縮部42との間、及び裏表紙5の幅方向先端部51と把持用短縮部52との間には、傾斜状の徐変区間が形成されている。なお、把持用短縮部42、52は、紙葉類1の他端側の先端部12における上下方向の全部又は中間部と略揃うように短縮形成されてもよい。
また、図1に示すように、表表紙4の把持用短縮部42と裏表紙5の把持用短縮部52とを、上下方向における中間部から下方(上下方向における全体長の6割程度)に形成することによって、紙葉類1の他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返した360度開き状態(図3に示す状態)で、図4に示すように、把持用短縮部42、52が形成された範囲において、表表紙4の幅方向先端部41及び裏表紙5の幅方向先端部51に邪魔されることなく、紙葉類1の他端側の先端部12近傍を親指と人差し指等との全体を使って確実に握ることができる。
具体的には、図4に示すように、折り返したファイル10を片手で略水平状に保持する場合、例えばA4サイズ程度のファイルであれば、ファイル10を下方から支える人差し指や中指等がファイルの中央付近まで届くので、ファイル10の綴じ具側が下方へ垂れることなく、支える指への負担も軽減できる。したがって、折り返したファイル10を片手で安定して保持することができる利点がある。また、閉じ状態のファイル10を書棚等に収納するときに上方(上下方向における全体長の4割程度)を先行して収納させることによって、収納時における表表紙及び裏表紙の引っ掛かりを回避することもできる。
また、図1、図5に示すように、表表紙4と紙葉類1との間及び裏表紙5と紙葉類1との間には、一端側に綴じ部材21を挿入する綴じ孔61が形成され、紙葉類1と略同一サイズの大きさに形成された中間体6をそれぞれ備えている。この中間体6は、図5に示すように、下端部64が封止され、上端部63が開封可能に形成されたビニール製の袋状部材であり、綴じ孔61が形成された一端側と対向する他端側には、上下方向に平行に形成された5つの折り目621、622、623、624、625を有し、当該折り目で蛇腹状に折り畳まれた折畳み部62を備えている。中間体6における他端側の先端部を形成する折り目621は、紙葉類1の他端側の先端部12と略同一の位置に来るように形成されている。なお、中間体6は、一部が開封可能に形成されていればよく、例えば、下端部64が開封され、上端部63が封止されたビニール製の袋状部材であってもよい。
また、図5、図6に示すように、折畳み部62の折り目621、623、624は、山折りに形成された折り目であり、折り目622、625は、谷折りに形成された折り目である。山折りの折り目621、624によって区画される折畳み部62の上面部62Pは、上下方向に略一定の幅で形成されている。折畳み部62の上面部62Pは、閉じ状態において表表紙4の把持用短縮部42と裏表紙5の把持用短縮部52とをカバーする大きさ(幅寸法)で形成されている(図1、図2を参照)。なお、折畳み部62は、3つの折り目621、624、625又は折り目621、622、623によって形成することもできる。
また、図6(A)、(B)に示すように、折畳み部62の上面部62Pの厚みのみ又は上面部62Pと折り目621、622によって区画される前端内面部62Qとを、他の袋状部材の厚みより厚くすることによって、折畳み部62の強度を更に向上させることもできる。また、折畳み部62の上面部62Pの模様や色彩等を、表表紙4や裏表紙5の模様や色彩等と略同一とすることによって、ファイル10の外観上の見栄えを向上させることが好ましい。また、図6(B)に示すように、蛇腹状に折り畳まれた折畳み部62の折り目621、622、623、624、625を幅方向に伸ばすことによって、中間体6の内部には、綴じ具2に綴じ込まれた紙葉類1と同一の大きさの紙葉類SS(未だ綴じ孔11が形成されていないもの)を収納可能とすることが好ましい。
また、図2、図3、図7に示すように、綴じ具2のベース部22は、その幅方向(矢印Fの方向)の外形寸法が綴じ部材21の幅方向の外形寸法より小さくなるように形成されている。すなわち、図7に示すように、綴じ部材21(21A、21B)には、ベース部22の側壁22A、22Bから幅方向外方へそれぞれ突出して形成された左右の基端部21AB、21BBと、当該基端部21AB、21BBの先端側で幅方向内方へ湾曲して形成された左右の先端部21AS、21BSとを備えている。したがって、ベース部22の側壁22A、22B同士の幅方向の外形寸法は、左右の基端部21AB、21BB同士の幅方向の外形寸法より小さくなり、一端側で綴じ具2に綴じた紙葉類1の他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類1を略平行に折り返すことができる。
また、図7、図8に示すように、綴じ部材21の先端部21AS、21BSには、綴じ具2の軸中心線CL付近で当接する当接部TSが、傾斜状に形成されている。綴じ部材21の先端部21AS、21BSは、ベース部22の側壁22A、22Bが、図示しない連結機構等を介して幅方向(矢印Fの方向)に開閉することによって、当接離間する。また、綴じ部材21の左右の基端部21AB、21BBは、少なくとも基端部21AB、21BBの上下方向の外形寸法TH以上に上下方向で位置ずれして形成されている。このように、綴じ部材21の左右の基端部21AB、21BBが、少なくとも基端部21AB、21BBの上下方向の外形寸法TH以上に上下方向で位置ずれすることによって、複数のファイル10を重ね合わせて書棚等に収納する時に、隣接する基端部同士の干渉を避けることができ、ファイル収納数を増加させることができる。
なお、図1、図2に示すように、表表紙4と裏表紙5には、当該ファイル10における綴じ部材21の基端部21AB、21BBと、隣接して収納するファイル10における綴じ部材21の基端部21AB、21BBとを、それぞれ挿通できる大きさの挿通孔43、53が形成されている。また、背表紙3は、綴じ具2のベース部22(22B)に締結具32によって固定されている。また、背表紙3には、ファイル名等を表示する表示部31が装着されている。
<第2実施例の構造>
次に、本実施形態に係るファイルにおける第2実施例について、図9〜図11を用いて詳細に説明する。図9に、本実施形態に係るファイルの第2実施例の斜視図を示す。図10に、図9に示すC−C断面図を示す。図11に、図9に示す板状の中間体の斜視図を示す。ここでは、第1実施例のファイルと相違する中間体6Bを中心に説明する。図9〜図11において、第1実施例のファイルと共通する構成は、同一の符号を付し、その説明を割愛する場合がある。
図9〜図11に示すように、本第2実施例のファイル10Bは、一端側に綴じ孔11が形成された複数の紙葉類1と、綴じ孔11に綴じ部材21を挿入して紙葉類1を綴じ込む綴じ具2と、綴じ具2のベース部22に装着された背表紙3と、当該背表紙3の幅方向両端部にインテグラルヒンジを介して連続して形成され紙葉類1を外側から保護する表表紙4と裏表紙5とを備え、紙葉類1の他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返すことができるファイルである。
また、表表紙4の幅方向先端部41及び裏表紙5の幅方向先端部51には、紙葉類1の他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類1の綴じ孔11が形成された一端側と対向する他端側の先端部12における上下方向の一部(中間部から下方)と略揃うように短縮形成された把持用短縮部42、52をそれぞれ備えている。表表紙4の幅方向先端部41と把持用短縮部42との間、及び裏表紙5の幅方向先端部51と把持用短縮部52との間には、傾斜状の徐変区間が形成されている。なお、把持用短縮部42、52は、紙葉類1の他端側の先端部12における上下方向の全部又は中間部と略揃うように短縮形成されてもよい。以上の構成は、第1実施例と共通する。
また、表表紙4と紙葉類1との間及び裏表紙5と紙葉類1との間には、一端側に綴じ部材21を挿入する綴じ孔61が形成され紙葉類1と略同一サイズの大きさに形成された板状の中間体6Bをそれぞれ備えている。この中間体6Bは、第1実施例の中間体6とは、以下の構成が相違する。すなわち、第2実施例の中間体6Bは、綴じ孔61を有する一端側が所定の厚みを有する他端側より薄いフィルム部材65で形成されている。
図11に示すように、フィルム部材65は、第1実施例の中間体6を、綴じ孔61を含む所定の幅で上下方向に平行に切断して形成されている。中間体6Bの他端側は、所定の厚みを有する矩形状の台紙66で構成されている。台紙66は、和紙等の厚紙でも、プラスチックシートでも良い。フィルム部材65と台紙66とは、中間体6B全体の平面サイズが紙葉類1と略同一サイズになるように接合されている。
また、図9〜図11に示すように、中間体6Bには、把持用短縮部42、52に沿って切り取られた表表紙4及び裏表紙5の短縮片67又はその相当物が、表表紙4及び裏表紙5を閉じた閉じ状態における把持用短縮部42、52の内側に切り取り部67aで重なるように溶着又は貼着されている。すなわち、短縮片67又はその相当物は、表表紙4及び裏表紙5を閉じた閉じ状態において、表表紙4の把持用短縮部42と中間体6Bに溶着又は貼着された短縮片67又はその相当物との境界部で、及び裏表紙5の把持用短縮部52と中間体6Bに溶着又は貼着された短縮片67又はその相当物との境界部で、微少幅の重なり部が形成されている。そのため、両者の境界部で隙間が生じにくく、一見、把持用短縮部が形成されていない表表紙及び裏表紙を備えた普通のファイルと略同様に見える。
なお、短縮片67の相当物は、少なくともその外形形状が短縮片67の外形形状と略同一であれば、表表紙4及び裏表紙5から直接に切り取ったものでなくてもよい。短縮片67又はその相当物は、表表紙4や裏表紙5の模様や色彩等と略同一とすることによって、ファイル10の外観上の見栄えを向上させることが好ましい。
<第3実施例の構造>
次に、本実施形態に係るファイルにおける第3実施例について、図12を用いて詳細に説明する。図12に、本実施形態に係るファイルの第3実施例の斜視図を示す。ここでは、第1実施例のファイルと相違する表表紙4C及び裏表紙5Cを中心に説明する。図12において、第1実施例のファイルと共通する構成は、同一の符号を付し、その説明を割愛する場合がある。
図12に示すように、本第3実施例のファイル10Cは、一端側に綴じ孔11(図2を参照)が形成された複数の紙葉類1と、綴じ孔11に綴じ部材21を挿入して紙葉類1を綴じ込む綴じ具2と、一端側に綴じ具2の綴じ部材21に挿通される挿通孔43C、53Cが形成され紙葉類1を外側から保護する表表紙4Cと裏表紙5Cとを備え、紙葉類1の他端側を表表紙4C及び裏表紙5Cとともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返すことができるファイルである。表表紙4C及び裏表紙5Cは、一端側で綴じ具2のベース部22に装着されている。
また、表表紙4Cの幅方向先端部41C及び裏表紙5Cの幅方向先端部51Cには、紙葉類1の他端側を表表紙4C及び裏表紙5Cとともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類1の綴じ孔11が形成された一端側と対向する他端側の先端部12における上下方向の一部(中間部から下方)と略揃うように短縮形成された把持用短縮部42C、52Cをそれぞれ備えている。表表紙4Cの幅方向先端部41Cと把持用短縮部42Cとの間、及び裏表紙5Cの幅方向先端部51Cと把持用短縮部52Cとの間には、傾斜状の徐変区間が形成されている。把持用短縮部42C、52Cは、紙葉類1の綴じ孔11が形成された一端側と対向する他端側の先端部12における上下方向の全部又は中間部と略揃うように短縮形成されてもよい。
なお、本第3実施例では、表表紙4C及び裏表紙5Cは、一端側で綴じ具2のベース部22に装着されているので、表表紙4Cの幅方向先端部41Cに対する把持用短縮部42Cの短縮寸法、及び裏表紙5Cの幅方向先端部51Cに対する把持用短縮部52Cの短縮寸法は、第1実施例の場合より小さくてもよい。また、本第3実施例では、ファイル名等の表示部31Cは、綴じ具2のベース部22に装着されている。
<第4実施例の構造>
次に、本実施形態に係るファイルにおける第4実施例の構造について、図1、図13を用いて詳細に説明する。図13に、本実施形態に係るファイルの第4実施例の断面図を示す。ここでは、第1実施例のファイルと相違するポケット1Dを中心に説明する。図1、図13において、第1実施例のファイルと共通する構成は、同一の符号を付し、その説明を割愛する場合がある。
図1、図13に示すように、本第4実施例のファイル10Dは、一端側に綴じ孔11Dが形成された複数のポケット1Dと、綴じ孔11Dに綴じ部材21を挿入してポケット1Dを綴じ込む綴じ具2と、綴じ具2のベース部22に装着された背表紙3と、当該背表紙3の幅方向両端部にインテグラルヒンジを介して連続して形成されポケット1Dを外側から保護する表表紙4と裏表紙5とを備え、ポケット1Dの他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返すことができるファイルである。なお、各ポケット1Dの一端側には、綴じ孔11Dを形成するため、袋状部材を所定の幅で溶着した孔支持部11Sが形成されている。また、各ポケット1Dの上端部には、紙葉類を収納可能に開口部が形成されている。
また、表表紙4の幅方向先端部41及び裏表紙5の幅方向先端部51には、ポケット1Dの他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返したとき、ポケット1Dの綴じ孔11Dが形成された一端側と対向する他端側の先端部12Dにおける上下方向の一部(中間部から下方)と略揃うように短縮形成された把持用短縮部42、52をそれぞれ備えている。表表紙4の幅方向先端部41と把持用短縮部42との間、及び裏表紙5の幅方向先端部51と把持用短縮部52との間には、傾斜状の徐変区間が形成されている。なお、把持用短縮部42、52は、ポケット1Dの他端側の先端部12Dにおける上下方向の全部又は中間部と略揃うように短縮形成されてもよい。また、本第4実施例のファイル10Dでは、ポケット1Dの一部を紙葉類1に置き換えてもよい。
<第5実施例の構造>
次に、本実施形態に係るファイルにおける第5実施例の構造について、図14、図15を用いて詳細に説明する。図14に、本実施形態に係るファイルの第5実施例の斜視図を示す。図15に、図14に示すD−D断面図を示す。ここでは、第1実施例のファイルと相違するポケット1E、表表紙4E、裏表紙5E及び綴じ具2Eを中心に説明する。
図14、図15に示すように、本第5実施例のファイル10Eは、一端側で綴じ具2Eに綴じられた複数のポケット1Eと、ポケット1Eを綴じ込む綴じ具2Eと、綴じ具2Eのベース部22Eに装着された背表紙3Eと、当該背表紙3Eの幅方向両端部にインテグラルヒンジを介して連続して形成されポケット1Eを外側から保護する表表紙4Eと裏表紙5Eとを備え、ポケット1Eの他端側を表表紙4E及び裏表紙5Eとともに綴じ具2Eを支点に略360度開いて折り返すことができるファイルである。
また、各ポケット1Eは、左右対称に形成された袋状部材の中央部において、上下方向に延設された矩形状の綴じ部材21Eによってベース部22Eに固定されている。各ポケット1Eの上端部には、紙葉類を収納可能に開口部が形成されている。また、背表紙3Eは、綴じ具2Eのベース部22Eに締結具32Eによって固定されている。背表紙3Eには、ファイル名等を表示する表示部31Eが装着されている。
また、表表紙4Eの幅方向先端部41E及び裏表紙5Eの幅方向先端部51Eには、ポケット1Eの他端側を表表紙4E及び裏表紙5Eとともに綴じ具2Eを支点に略360度開いて折り返したとき、ポケット1Eの他端側の先端部12Eにおける上下方向の一部(中間部から下方)と略揃うように短縮形成された把持用短縮部42E、52Eをそれぞれ備えている。表表紙4Eの幅方向先端部41Eと把持用短縮部42Eとの間、及び裏表紙5Eの幅方向先端部51Eと把持用短縮部52Eとの間には、傾斜状の徐変区間が形成されている。なお、把持用短縮部42E、52Eは、ポケット1Eの他端側の先端部12Eにおける上下方向の全部又は中間部と略揃うように短縮形成されてもよい。
また、表表紙4Eとポケット1Eとの間及び裏表紙5Eとポケット1Eとの間には、一端側で綴じ部材21Eによってベース部22Eに固定され、ポケット1Eと略同一サイズの大きさに形成された中間体6Eをそれぞれ備えている。この中間体6Eは、下端部が封止され、上端部が開封されたビニール製の袋状部材であり、綴じ具2Eに固定された一端側と対向する他端側には、上下方向に平行に形成された折り目を有し、当該折り目で蛇腹状に折り畳まれた折畳み部62Eを備えている。折畳み部62Eの構造は、第1実施例と共通する。
<作用効果>
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るファイル10、10B、10C、10D、10Eによれば、表表紙4、4C、4Eの幅方向先端部41、41C、41E及び裏表紙5、5C、5Eの幅方向先端部51、51C、51Eには、紙葉類1又はポケット1D、1Eの他端側を表表紙4、4C、4E及び裏表紙5、5C、5Eとともに綴じ具2、2Eを支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類1又はポケット1D、1Eの一端側と対向する他端側の先端部12、12D、12Eにおける上下方向の全部又は一部と略揃うように短縮形成された把持用短縮部42、42C、42E、52、52C、52Eをそれぞれ備えているので、綴じ具2、2Eに一端側で綴じた紙葉類1又はポケット1D、1Eを略360度開いて折り返した開き状態を保持すべく、把持用短縮部42、42C、42E、52、52C、52Eが形成された範囲で紙葉類1又はポケット1D、1Eの他端側の先端部12、12D、12E近傍を手で握るとき、表表紙4、4C、4Eの幅方向先端部41、41C、41E及び裏表紙5、5C、5Eの幅方向先端部51、51C、51Eは、紙葉類1又はポケット1D、1Eの他端側の先端部12、12D、12Eより突出せず、邪魔とならない。そのため、把持用短縮部42、42C、42E、52、52C、52Eが形成された範囲においては、360度開き状態に折り返したファイル10、10B、10C、10D、10Eを片手で安定して保持することができる。その結果、電車等の狭いスペース内でも折り返したファイル10、10B、10C、10D、10Eを片手で保持しながら、紙葉類1に所要の筆記等を楽に行うことができ、又は、ポケット1D、1Eに収納した紙葉類に記載された文字等を楽に読むことができる。
よって、本実施形態によれば、表表紙4、4C、4Eと裏表紙5、5C、5Eとを装着した綴じ具2、2Eに一端側で綴じた紙葉類1又はポケット1D、1Eの他端側を表表紙4、4C、4E及び裏表紙5、5C、5Eとともに略360度開いて折り返すことによって、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイル10、10B、10C、10D、10Eを提供することができる。
また、本実施形態によれば、表表紙4、4C、4Eと紙葉類1又はポケット1D、1Eとの間、及び裏表紙5、5C、5Eと紙葉類1又はポケット1D、1Eとの間には、一端側で綴じ具2、2Eに装着され、紙葉類1又はポケット1D、1Eと略同一サイズの大きさに形成された中間体6、6B、6Eをそれぞれ備えているので、表表紙4、4C、4E及び裏表紙5、5C、5Eを閉じた閉じ状態にて把持用短縮部42、42C、42E、52、52C、52Eによって露出される紙葉類1又はポケット1D、1Eを中間体6、6B、6Eが保護することができる。そのため、閉じ状態におけるファイル10、10B、10C、10D、10Eを鞄等に出し入れする場合や、当該ファイルを把持して持ち歩く場合等において、表表紙4、4C、4E及び裏表紙5、5C、5Eによってカバーされない紙葉類1又はポケット1D、1Eが汚れや損傷等を生じるのを中間体6、6B、6Eによって防止することができる。
よって、本実施形態によれば、表表紙4、4C、4E及び裏表紙5、5C、5Eによってカバーされない紙葉類1又はポケット1D、1Eの汚れや損傷等を中間体6、6B、6Eによって防止しつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイル10、10B、10C、10D、10Eを提供することができる。
また、本実施形態によれば、中間体6、6Eは、一部(上端部63)が開封可能に形成された袋状部材であり、綴じ具2、2Eに装着された一端側と対向する他端側には、上下方向に形成された折り目を有し蛇腹状に折り畳まれた折畳み部62、62Eを備えているので、多重構造となった折畳み部62、62Eによって他端側における中間体6、6Eの強度を高めることができる。そのため、表表紙4、4C、4E及び裏表紙5、5C、5Eによってカバーされない紙葉類1又はポケット1D、1Eの汚れや損傷等を、増強された中間体6、6Eの折畳み部62、62Eによって、より一層防止することができる。
また、袋状部材である中間体6、6Eに予備の紙葉類1又は綴じ孔11が形成されていない紙葉類SSを収納することによって、中間体6の強度を更に高めることができる。例えば、他端側に蛇腹状に折り畳まれた折畳み部62、62Eの折り目を幅方向に伸ばして、中間体6、6Eの内部に紙葉類1、SSを収納することによって、中間体6、6Eにおける他端側の厚さをより一層増加させ、これによって他端側の強度を高めることができる。なお、中間体6、6Eには、綴じ具2に綴じ込まれた紙葉類1と略同一の大きさの紙葉類を収納可能に形成されていることによって、綴じ孔11が形成されていない紙葉類SSを一時的に保管することもできる。
よって、本実施形態によれば、表表紙4、4C、4E及び裏表紙5、5C、5Eによってカバーされない紙葉類1又はポケット1D、1Eの汚れや損傷等を、厚みを増加させた折畳み部62、62Eによって確実に防止しつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイル10、10C、10D、10Eを提供することができる。
また、本実施形態によれば、中間体6Bは、綴じ孔61を有する一端側が所定の厚みを有する他端側より薄いフィルム部材65で形成されているので、把持用短縮部42、52に対応する他端側で中間体6Bの厚みを増加させつつ、綴じ具2に綴じ込む一端側で中間体6Bの厚みを減少させることができる。そのため、綴じ具2に綴じ込む紙葉類1の枚数を減少させることなく、他端側の厚みを増加させた中間体6Bを装着することができる。
よって、本実施形態によれば、綴じ具2に綴じ込む紙葉類1の必要枚数を確保しやすく、且つ表表紙4及び裏表紙5によってカバーされない紙葉類1の汚れや損傷等を、他端側の厚みを増加させた中間体6Bによって確実に防止しつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイル10Bを提供することができる。
また、本実施形態によれば、中間体6Bには、把持用短縮部42、52に沿って切り取られた表表紙4及び裏表紙5の短縮片67又はその相当物が、表表紙4及び裏表紙5を閉じた閉じ状態における把持用短縮部42、52の内側と切り取り部67aで重なるように溶着又は貼着されているので、表表紙4及び裏表紙5を閉じた閉じ状態において、表表紙4の把持用短縮部42と中間体6Bに溶着又は貼着された短縮片67又はその相当物との境界部及び裏表紙5の把持用短縮部52と中間体6Bに溶着又は貼着された短縮片67又はその相当物との境界部で隙間を形成させず、一見、把持用短縮部42、52が形成されていない表表紙4及び裏表紙5を備えた普通のファイルと略同様に見える。そのため、表表紙4及び裏表紙5を閉じた閉じ状態におけるファイル10Bの外観上の見栄えを向上させつつ、強度を高めることができる。
よって、本実施形態によれば、ファイルの外観上の見栄えと強度とを向上させつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイル10Bを提供することができる。
また、本実施形態によれば、綴じ具2のベース部22は、その幅方向の外形寸法が綴じ部材21の幅方向の外形寸法より小さいので、綴じ具2に綴じた紙葉類1又はポケット1Dの他端側を表表紙4及び裏表紙5とともに綴じ具2を支点に略360度開いて折り返したとき、紙葉類1を略平行に折り返すことができる。そのため、略360度開いて折り返した紙葉類1に所要の筆記等を行う際、紙葉類1の膨らみが少なく書きやすい効果、又は略360度開いて折り返したポケット1Dに収納した紙葉類1、SSに記載した文字等を読む際、ポケット1D及び紙葉類1、SSの膨らみが少なく判読しやすい効果、を奏することができる。
よって、本実施形態によれば、略360度開いて折り返した紙葉類1又はポケット1Dに収納した紙葉類に対する筆記性、判読性を向上させつつ、ファイルをコンパクト化できるとともに、折り返したファイルを片手で安定して保持しやすいファイル10、10B、10C、10Dを提供することができる。
<変形例>
なお、本実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することが可能なことは言うまでもない。例えば、本実施形態の第1実施例では、表表紙4と紙葉類1との間及び裏表紙5と紙葉類1との間には、一端側に綴じ部材21を挿入する綴じ孔61が形成され紙葉類1と略同一サイズの大きさに形成された袋状部材の中間体6をそれぞれ1枚ずつ備えているが、当該中間体6をそれぞれ複数枚ずつ備えてもよい。この場合、中間体6の他端側に形成された折畳み部62を、幅方向で互いに重ならない位置にずらしてもよい。
また、本実施形態の第2実施例において、中間体6Bには、把持用短縮部42、52に沿って切り取られた表表紙4及び裏表紙5の短縮片67又はその相当物が、表表紙4及び裏表紙5を閉じた閉じ状態における把持用短縮部42、52の内側と切り取り部67aで重なるように溶着又は貼着されているが、第1実施例や第3〜5実施例の中間体6、6Eにも、第2実施例の短縮片67又はその相当物を溶着又は貼着してもよい。
また、中間体6、6B、6Eは、一端側で綴じ具2、2Eに綴じ込まれた紙葉類1又はポケット1D、1Eと略同一サイズの大きさに形成されていれば、材質や色彩等は特に限定する必要がない。例えば、ボール紙、又は和紙、プラスチックシート等で形成してもよい。