JP6610465B2 - 座席装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用シートの座部に設けられる座席装置に関するものである。
車両用シートには、長時間座っても疲れにくいことや、搭乗者を自然な姿勢に安定的に保持することが求められる。そこで、人体に局部的な圧力がかかったり、落ち込み感を与えたりすることがなく、しかも人体に対するホールド性が良好に改良された座席装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の座席装置は、人体の坐骨結節部を受ける樹脂製の支持パネルをクッションフレームに張設された面状バネの表面に一体成形した構造となっている。
坐骨結節下における荷重集中を緩和して座り心地を改善させたシート用クッション構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のクッション構造は、クッション材を幅方向に高剛性部と高弾性部とに分割した構造となっている。高剛性部は、人体中心線回りに対応する部位に設けられ相対的に弾性率の小さい部分である。高弾性部は、人体側部に対応する部位に設けられ、相対的に弾性率の大きい部分であり、坐骨結節下における荷重の平衡点付近で作用する位置に設けられている。
シートフレームに面状のネットを張設したシート構造としては、ネットのシート左右(幅)方向における中央部の下面側に前後方向に伸びたベルトを張設して、ネットのシート幅方向中央部に作用する着座荷重の一部をベルトで受けるように構成したものが知られている(例えば、特許文献3参照)。また、乗員の骨盤の後傾を抑制することができる座席装置が知られている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に記載された座席装置では、シートフレームの前後に架け渡された2本の座面バネと、乗員の骨盤の後傾を抑制するようにシートフレームの幅方向に延びて配置された1本の線状体とを備えている。
実開昭64−14053号公報 特開2003−79473号公報 特開2015−20597号公報 特開2014−151771号公報
座位の良い姿勢は、骨盤が僅かに前傾しており、かつ体の重心を通る垂線(重心線)と座位中心点(支持点)を通る垂線(座位中心線)との間隔が狭くなる、あるいはゼロになる姿勢とされている。この姿勢は、立位姿勢に近い姿勢となり、体幹周囲の筋緊張を高めた姿勢といえる。しかしながら、特許文献1に記載された座席装置は、樹脂製の支持パネルで着座者の坐骨を面で支持している。このため、いくら立位姿勢に近い適性な姿勢を保っていても、骨突出部分が支持パネルに直接当たっているため、支持パネルの一点に集中して体圧がかかるおそれがある。このような現象が生じると、時間が経つにつれて、前述した姿勢が苦痛になり、長時間の座位をとり続けるには、例えば重心線と座位中心線との間隔が広くなるように骨盤を後傾することで絶えず重心を移動させる動作が必要になっていた。このため、着座状態における骨盤を適正な姿勢に保つ姿勢保持性において改良する余地があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであって、着座状態における姿勢保持性が良好な座席装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、上記の課題を解決するために、車両用シートに設けられた座部のシートフレームにネットが張設されている座席装置において、前記ネットは、着座者の左右の坐骨部に対向する第1要部および第2要部から前記シートフレームに向けて放射状に延びた状態に設けられた複数の線条材と、前記複数の線条材に接合された状態で前記第1要部および前記第2要部を取り囲むように環状に配置される環状部とを備え、前記複数の線条材は、前記第1要部を通り、かつ前記シートの前後方向に延設された所定の第1線条材と、前記第2要部を通り、かつ前記シートの前後方向に伸びた状態に設けられた所定の第2線条材とを含むことを特徴とするものである。
前記第1要部および前記第2要部のシート後方にシート幅方向に延びた状態で設けられた所定の第3線条材を備えてよい。また、前記環状部は、弾性的に伸縮する構造を備えてよい。さらに、前記シートフレームを移動自在に支持する下部フレームと、前記第1要部および前記第2要部と前記下部フレームとをそれぞれ連結する連結部材とを備え、前記連結部材は、前記第1要部および前記第2要部を前記車両用シートの下方に向けてそれぞれ引っ張っていてよい。
車両用シートに設けられた座部のシートフレームにネットが張った状態に設けられている座席装置において、前記ネットに取り付けられるラバー部材を備え、前記ネットは複数の線条材によって構成されており、前記ラバー部材は、着座者の左右の坐骨部に対向する位置にそれぞれ配置されたラバー部材側第1要部と、ラバー部材側第2要部と、前記ラバー部材側第1要部および前記ラバー部材側第2要部の両方を取り囲むように構成され、かつ、弾性的に伸縮する第1構造部と、前記ラバー部材を前記線条材に連結させる連結部とを有し、前記複数の線条材は、前記ラバー部材側第1要部に対向する位置を通り、かつ前記シートの前後方向に伸びた状態に設けられた所定の第1線条材と、前記ラバー部材側第2要部に対向する他の位置を通り、かつ前記シートの前後方向に伸びた状態に設けられた所定の第2線条材とを有することを特徴とするものである。また、前記ラバー部材は、前記車両用シートの前後方向で前記ラバー部材側第1要部および前記ラバー部材側第2要部の後方であって、かつ、前記車両用シートの幅方向に沿って設けられていて前記着座者の骨盤に当たって前記骨盤が後傾する方向の力に対する反力を前記骨盤に生じさせる第3構造部を更に有していてよい。さらに、前記シートフレームを移動自在に支持する下部フレームと、前記ラバー部材側第1要部および前記ラバー部材側第2要部と前記下部フレームとをそれぞれ連結する連結部材とを備え、前記連結部材は、前記ラバー部材側第1要部および前記ラバー部材側第2要部を前記車両用シートの下方に向けてそれぞれ引っ張っていてよい。
この発明によれば、環状部を備えたから、例えば骨突出部分となる坐骨部の周辺を受けることができるとともに、坐骨部周辺から受ける荷重を環状に分散することができる。また、所定の第1線条材および第2線条材により環状部のシート幅方向における位置を決めることができるため、姿勢保持性を高めることができる。
所定の第3線条材を備えた発明によれば、着座人の骨盤の後側に当たって骨盤が後傾することを防止することができる。また、環状部に弾性的に伸縮する構造を備えた発明によれば、着座人の腰を安定させることができる。
ラバー部材を備えた発明によれば、ネットの耐久性が向上するとともに、シートフレームへの取り付けが簡便に行える。また、ラバー部材が所定の第3線条材を含む発明では、所定の第3線条材を環状部とともにラバー部材で一体的に作れるため、組み立てを簡単に行うことができる。
シートフレームが下部フレームに対して移動可能に取り付けられた発明によれば、第1要部および第2要部を車両用シートの下方に向けてそれぞれ引っ張っているため、着座者の臀部のホールド性を向上させることができる。また、例えば車両が旋回したときにシートフレームが移動しても第1要部および第2要部の位置が保持されるので着座者の臀部を安定した位置に保持することができる。
この発明の座席装置を備えた座部の一例を示す斜視図である。 座部に取り付けられるネットの一例を模式的に示す平面図である。 ネットに着座した状態を模式的に示す断面図である。 ネットをシート下方に引っ張る他の例を模式的に示す斜視図である。 座部が移動するタイプの車両用シートの別の実施例を示す斜視図である。 図5で説明した車両用シートを車両側面から見た側面図である。 図5で説明した車両用シートの座部を分解した説明図である。 ラバー部材を線条材に連結させる連結部の一例を示す説明図である。 線条材の一端を第1要部で連結する構成の一例を示す説明図である。 第1要部と下フレームを連結する連結部材の一例を示す説明図である。 図7で説明した座部のネットに受ける体圧分布を示す説明図である。 環状部を使用しない座部に受ける体圧分布を示す説明図である。
図1は、この発明の座席装置を備えた座部10の一例を斜視図で概略的に示す。図1に示すように座部10は、骨格であるシートフレーム11、および搭乗者の臀部を載せて体重を支えるネット12を備えている。シートフレーム11は、前部フレーム11a、後部フレーム11b、左部フレーム11cおよび右部フレーム11dを有する枠状をなしている。ネット12は、シートフレーム11に張った状態で設けられている。座部10は、搭乗者の上半身や頭を背面から支える背もたれ部やヘッドレスト(いずれも図示なし)を取り付けることで車両用シートを構成する。例えば、座部10は、一人掛けのシートに使用されるものであって、車両におけるドライバーシートやパッセンジャーシートに用いられる。
なお、以下で説明する各図に示された矢印Fr方向は車両の前後方向のうちの前方向を、矢印Lh方向は車幅方向のうちの左方向を、矢印Up方向は車両の高さ方向のうちの上方向をそれぞれ示す。車両の前方向は、車両用シートの前方向(シート前方向)に、車両の左方向は車両用シートの左方向(シート左方向)に、車両の上方向は車両用シートの上方向(シート上方向)にそれぞれ対応する。
図2は、ネット12の一例を概略的に示す平面図である。図2に示すようにネット12は、第1線条材17、第2線条材18、第3線条材19、第4線条材20、第1環状部22、第2環状部23、第3環状部24、第5線条材28、第6線条材29、第7線条材30および第8線条材31を備えている。座部10は、これら線条材17〜20,28〜31および環状部22〜24によって囲まれる多数のマス目により通気性が確保されている。
第1線条材17から第4線条材20は、着座者のうちの主に大腿部や臀部から受ける荷重を撓むことで吸収する。また、第1線条材17から第4線条材20は、身体のうちのストレスを与えるべきではない部位、例えば左右の大腿部の内側および外側や、臀部の後側左右の部位に対向する位置に配置されており、それら部位のストレスを軸線方向に延びることで緩和する。例えば第1線条材17は、着座者の左坐骨部に対向する第1要部26を中心として放射状に延びた状態に設けられており、一端17aが前部フレーム11aのうちの幅方向の左方寄りの位置に、また他端17bが後部フレーム11bのうちの幅方向に沿う長さの略中間位置にそれぞれ固定されている。
第2線条材18は、第1要部26を中心として放射状に延びた状態に設けられており、一端18aが前部フレーム11aのうちの幅方向に沿う長さの略中間位置に、また他端18bが後部フレーム11bのうちの左方寄りの位置にそれぞれ固定されている。第3線条材19および第4線条材20は、シート幅方向の中央を通る軸に対して第1線条材17および第2線条材18を左右対称に配置した位置にそれぞれ配置されている。つまり第3線条材19は、着座者の右坐骨部に対向する第2要部27を中心として放射状に延びた状態に設けられており、一端19aが前部フレーム11aの略中間位置に、また他端19bが後部フレーム11bのうちの右方寄りの位置にそれぞれ固定されている。第4線条材20は、第2要部27を中心として放射状に延びた状態に設けられており、一端20aが前部フレーム11aのうちの右方寄りの位置に、また他端20bが後部フレーム11bの略中間位置にそれぞれ固定されている。なお、第1線条材17から第4線条材20は、直線状でなく、例えば第1要部26または第2要部27で屈曲した形態で配置されてよい。
第1線条材17から第4線条材20は、長さ方向(軸線方向)に高張力を有するように、例えば断面円形の線条材により作られている。線条材としては、弾性を有する1本の線材、またはその線材を撚り合わせた撚り線で構成されてよい。また、中心の1本の個別撚線の周囲に複数本の個別撚線が巻き付けて作られたものでもよい。さらに、線条材としては、アラミド繊維や炭素繊維などを含む強化繊維複合部材を使用して作られてよい。なお、第1線条材17から第4線条材20の特性、素材、形状、太さ、長さおよび撚り線の場合の本数などは、例えば着座者から受ける荷重に応じて適宜設定することができる。つまり、第1線条材17から第4線条材20の形態は、実施例に限らず、上述した実施例と同様な作用・効果を奏するものであればよい。
第5線条材28は、第1環状部22および第3環状部24のシート左右(幅)方向での位置をそれぞれ決めるためのものである。第6線条材29は、第2環状部23および第3環状部24のシート幅方向での位置をそれぞれ決めるためのものである。第7線条材30は、第1環状部22、第2環状部23および第3環状部24のシート前後方向での位置をそれぞれ決めるためのものである。例えば第5線条材28は、第1要部26を通ってシート前後方向に沿って直線状に延びた状態に設けられており、一端28aが前部フレーム11aに、また他端28bが後部フレーム11bにそれぞれ固定されている。第6線条材29は、第2要部27を通ってシート前後方向に沿って直線状に延びた状態に設けられており、一端29aが前部フレーム11aに、また他端29bが後部フレーム11bにそれぞれ固定されている。第7線条材30は、第1要部26および第2要部27を通り、かつシート幅方向に延びた状態に設けられており、一端30aが左部フレーム11cに、また他端30bが右部フレーム11dにそれぞれ固定されている。
なお、第5線条材28から第7線条材30は、第1線条材17と同じまたは同様な材料を使用し、かつ同じまたは同様な形態に作られてよい。そして、第5線条材28から第7線条材30の形態は、実施例に限らず、上述した実施例と同様な作用・効果を奏するものであればよい。第5線条材28は、この発明の実施例における所定の第1線条材の一例である。第6線条材29は、この発明の実施例における所定の第2線条材の一例である。
第1環状部22、第2環状部23および第3環状部24は、それぞれが閉じたリング状の形態をなしており、着座者から受ける荷重を、例えば坐骨結節部に対向する位置以外で受けるとともに、受けた荷重を環状に分散させて姿勢保持性を確保する。例えば第1環状部22は、第1線条材17よりも剛性の高い特性を有する線条材により、第1線条材17、第2線条材18、第5線条材28および第7線条材30の各々に接合した状態で第1要部26の周りに環状、例えば略円状や略楕円状に配置されるように取り付けられている。第2環状部23は、第1環状部22と同じまたは同様な線条材により、第3線条材19、第4線条材20、第6線条材29および第7線条材30にそれぞれ接合した状態で第2要部27の周りに環状、例えば略円状や略楕円状に配置されるように取り付けられている。第3環状部24は、第1環状部22と同じまたは同様な線条材により、第1線条材17から第7線条材30にそれぞれ接合した状態で第1環状部22および第2環状部23の両方を環状、例えば略矩形状や競技場のトラック状に取り囲んで配置されるように取り付けられている。
第1環状部22から第3環状部24は、環状に沿う方向(軸線方向)に第1線条材17よりも高い剛性力を有する高張力部材、例えば第1線条材17よりも太い断面円形の線条材で作られている。第1環状部22から第3環状部24としては、弾性的に伸縮する構造を供えたものであってよい。例えば複数のバネを環状に繋げたものや、弾性を有する材料で作られたラバー部材としてよい。弾性を有する材料としては、高剛性および高張力性を有する材料、例えば熱可塑性エラストマーが好適であり、好ましくは熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマーを使用するのが望ましい。
なお、第1環状部22から第3環状部24の特性、素材、形状、太さおよび長さなどは、例えば着座者から受ける荷重に応じて適宜設定することができる。第1環状部22から第3環状部24の変形例としては、例えば第1要部26の周りに二重以上となるように第1環状部を複数設けた形態、また同様に第2要部27の周りに二重以上となるように第2環状部を複数設けた形態、さらに第1要部26および第2要部27の両方を二重以上に取り囲むように第3環状部を複数設けた形態としてよい。また、例えば第1環状部22および第2環状部23を省略して、第3環状部24のみを設けた構成としてよい。この場合には、第3環状部24を略円状や楕円状にしてよく、また二重以上に配置してよい。つまり、第1環状部22から第3環状部24の形態は、着座者の骨盤を環状に支持することができる構成であれば、実施例に限らず、いずれの構成でもよい。
第8線条材31は、第3環状部24と後部フレーム11bとの間でシート幅方向に延びた状態に設けられており、一端31aが左部フレーム11cに、他端31bが右部フレーム11dにそれぞれ固定されている。第8線条材31は、着座者の骨盤が後傾する方向の力に対する反力を骨盤の後側に生じさせて、骨盤が後傾するのを抑制するためのものであり、この発明の実施例における所定の第3線条材の一例である。第8線条材31は、第1線条材17よりも剛性の高い特性を有する材料により、第2線条材18、第5線条材28、第1線条材17、第4線条材20、第6線条材29および第3線条材19の各々に接合するように一体成形されてよい。この実施例では、第8線条材31が第3環状部24と後部フレーム11bとの間のうちの第3環状部24のシート後方を通る線条材に重なる位置に配置されている。
なお、第8線条材31としては、第1環状部22および第2環状部23と後部フレーム11bとの間であれば何れの位置に設けてよい。また、第8線条材31を複数設けて良い。第8線条材31の変形例としては、第1環状部22と第3環状部24との間の間隔、および第2環状部23と第3環状部24との間の間隔のうちの第1要部26および第2要部27に対するシート後方側の間隔をシート前方側の間隔よりも狭くして、第8線条材31と同じまたは同様な作用を生じさせるようにしてよい。また、前述したように間隔を密にすること、および第8線条材31を設けることを併用してよい。さらに第8線条材31としては、単なる直線状の形態ではなく、左部フレーム11cと右部フレーム11dとに接続される線条材を含み、かつ第1要部26および第2要部27の両方を取り囲むように環状に設けてよい。つまり、第8線条材31の形態は、実施例に限らず、上述した実施例と同様な作用・効果を奏するものであればよい。第8線条材31は、この発明の実施例における複数の線条材に含まれる。
図3は、ネット12に着座した状態を模式的に示す断面図である。前述した第1線条材17から第4線条材20、第5線条材28および第6線条材29は、着座者の身体のうちの主に大腿部から受ける荷重により撓むことで、着座者の臀部の形状をそのまま保って受け止めることができる。なお、図3では、第5線条材28のみを記載し、他の第1線条材17から第4線条材20および第6線条材29を省略している。図3に示すように、第1環状部22および第3環状部24は、坐骨結節部32aの周辺32の部位に環状に接して、坐骨結節部32aの周辺32から受ける荷重を環状に分散する。ここで坐骨結節部32aは、同図に示す第7線条材30に対向する部位となっている。なお、第2要部27に対しても、第2環状部23および第3環状部24により、前述した第2環状部23および第3環状部24と同じまたは同様な作用が得られる。
ここで、シート前後方向に張られた第1線条材17から第4線条材20、第5線条材28および第6線条材29は、伸びきったときにそれ以上の撓みが規制される。つまり予め決められた量以上は撓まないようになっている。これにより、例えば運転席においては、路面から振動を受けて弾んでしまうような不都合を防止することができる。
また、第1線条材17から第4線条材20、第5線条材28および第6線条材29は、軸線方向に弾性を有するため、着座したときにシート前後方向の圧力勾配が緩和されるが、緩和されることで第7線条材30と坐骨結節部32aとが接する座面中心点をシート前方に移動させ易くする。というのは、着座者の骨盤は、大腿二頭筋、半腱様筋、および半膜様筋の総称であるハムストリングス筋によってシート前方に向けて引っ張られているためである。この引っ張りによって着座者は骨盤が後傾され易くなる。さらに、近年の車両用シートは、低重心で車高や室内高を低くできるため、腰掛けたときのお尻の位置であるヒップポイントが低くなってきている。ヒップポイントが低くなるにつれて骨盤の後傾への移動が助長されていく。このため、ネット12には、着座者の骨盤を後傾させる第1モーメントM1が発生する。しかしながら、この実施例では、坐骨の後方の位置、つまり第1要部26および第2要部27と後部フレーム11bとの間に第8線条材31を幅方向に延びた状態に設けている。この第8線条材31は、第1線条材17から第4線条材20、第5線条材28および第6線条材29の撓みに関係なく、骨盤を後傾させる第1モーメントM1を抑制する向きの第2モーメントM2を発生させる。このように、この実施例では、第1環状部22から第3環状部24と第8線条材31との組み合わせによって、坐骨結節部32a以外のシート前後方向で体重支持を行うこと、および坐骨結節部32a以外のシート前後方向のうちのシート後方に第2モーメントM2を生じさせることが可能となって、体圧分散と骨盤の前傾を維持することによる筋緊張とのバランスを良好に保つことができる。
図4は、ネット12の一部をシート下方に引っ張るようにした他の例を斜視図で模式的に示す。図4に示すようにシートフレーム11は、左部フレーム11cと右部フレーム11dとに跨がって固定されている下プレート41を備えている。図4では、図面の煩雑化を防ぐためにシートフレーム11およびネット12の一部を破断して示している。
下プレート41は、ネット12の下方をネット12から所定間隔を空けて通るように、シート幅方向の略中央がシート下方に向けて一段下がった凹部41aを備える。凹部41aは、車両の衝突時に着座者がネット12に潜り込むことを防止する。そして、下プレート41とネット12の第1要部26との間には、第9線条材44が張った状態に設けられている。つまり第9線条材44は、一端44aが下プレート41に固定され、他端44bが第1要部26に固定されており、第1要部26をシート下方に向けて引っ張っている。下プレート41と第2要部27との間には、第10線条材45が張った状態に設けられている。第10線条材45は、一端45aが下プレート41に固定され、他端45bが第2要部27に固定されており、第2要部27をシート下方に向けて引っ張っている。第9線条材44および第10線条材45は、軸線方向に弾性を有する線条材、例えば第1線条材17と同じまたは同様な材料および形態で作られている。このように、第9線条材44および第10線条材45によって第1要部26および第2要部27をシート下方に引っ張っておくことで、臀部を落とし込むための窪み形態、例えば逆ハット状の形態を予め作っておくことができるため、臀部のホールド性を向上させることができる。
また、車両が旋回して臀部がロール方向に移動しようとしても、下プレート41に対して第1要部26および第2要部27を第9線条材44および第10線条材45でそれぞれ繋いでいるため、第1要部26および第2要部27の位置がずれることが防止される。よって第9線条材44および第10線条材45を設けることで、例えばロール方向への臀部の移動に関わらず、常に適性な姿勢を保持することができる。なお、第9線条材44および第10線条材45は、この発明の実施例における連結部材の一例である。
第9線条材44および第10線条材45が引っ張るネット12の位置は、第1要部26および第2要部27に限らず、例えば第1要部26の周辺および第2要部27の周辺としてよい。また、第9線条材44および第10線条材45は、図4で説明したように車両の衝突時に着座者がネット12に潜り込むことを防止する下プレート41に設けることに限らず、図4で説明した実施例と同様な作用・効果を奏するものであれば、例えばシートフレーム11に下方に突出して設けられたブラケットに取り付けてよい。
図5は、座部50が下部フレーム51に対して移動可能に取り付けられている別の実施例の車両用シート52の一例を模式的に示す斜視図である。図5に示すように、車両用シート52は、車両のキャビン内に配置されており、上部フレーム53、下部フレーム51、およびシートフレーム54を有する。上部フレーム53は、搭乗者の肩甲骨周辺を支持する背もたれ部55を備える。下部フレーム51は、シート後方の端部で上部フレーム53を支持している。座部50は、着座者の骨盤および大腿骨の周辺を支持するネット49を有する。
図6は、車両用シート52を車両側面から見た側面図である。図6に示すように、座部50は、第1支持部56と第2支持部57とによって下部フレーム51および上部フレーム53に対して移動自在に取り付けられている。第1支持部56は、シートフレーム54の前端のうちの幅方向の中央部58を下部フレーム51の前端のうち幅方向中央部59に対して移動自在に支持する継手部材の一例であり、例えばボールジョイントとなっている。座部50のシート後端は、シート幅方向のうちの中央部60が、上部フレーム53に取り付けられた移動軸61により吊り下げられている。具体的には座部50のシート後端の中央部60には、移動軸61の一端61aが固定されている。移動軸61は、L字状に立ち上がった他端61bが第2支持部57を介して上部フレーム53のうちのシート幅方向の中央部に取り付けられている。第2支持部57は、移動軸61の他端61bを上部フレーム53に対して移動自在に接続する継手部材の一例であり、例えばボールジョイントとなっている。
第1支持部56と第2支持部57との継手中心を結ぶ仮想回転軸Aは、車両用シート52に着座した搭乗者の腰部周辺を通るように設定されている。腰部とは、腰椎または腰椎周辺の体幹筋を含む部位をいう。仮想回転軸Aは、車両を側面から見たときに第1支持部56の継手中心から、例えば60度±15度の角度の範囲で車両後方上向きに傾斜した軸に設定されていることが好ましい。座部50は、車両が旋回すると、第1支持部56と第2支持部57との継手中心を通る仮想回転軸Aが着座者の腰部周辺を通るように設定されているので、着座者の骨盤がシートフレーム54とともに仮想回転軸Aを中心として回転する。これにより、着座者を自然な姿勢に安定的に保持することができる。
つまり、第1支持部56および第2支持部57などを含む座部支持機構は、車両が旋回するとき、または操舵するときに、着座者の骨盤を含む臀部が旋回方向に移動するように座部50の移動を予め決めた軌跡に沿って案内するものであり、操舵やシフト操作などのために体を動かし、また同乗者は旋回時に横荷重を受けて体を動かす運転者の動きがあっても運転者を楽な姿勢に保持することをローコストで達成できるように構成されている。
なお、第1支持部56および第2支持部57の構成は、図6で説明した実施例の具体例に限らず、前述した実施例における作用・効果を奏するものであればよい。例えば第1支持部56および第2支持部57としては、ユニバーサルジョイントなどの他の自在継手であってよい。
図7は、座部50をラバー部材63とシートフレーム54とに分解した説明図である。図7に示すように、座部50に取り付けられたネット49は、シートフレーム54に張った状態で設けられた複数の線条材76によって構成されており、座部50は複数の線条材76に対してラバー部材63をシート上方から嵌め込むことで作られる。ラバー部材63は、弾性を有する材料で成形されている。材料としては、高剛性および高張力性などの特性を有する材料、例えば熱可塑性エラストマーが好適であり、好ましくは熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマーを使用するのが望ましい。成形としては、例えば射出成形で一体的に作ることが好適である。なお、ラバー部材63は、異なる材質の部材を1工程で合体させて作る二色成形などで成形されてよい。
ラバー部材63は、第1要部66、第2要部67、厚さ方向に貫通した複数の貫通孔68、第1構造部69(69−1,69−2,69−3・・・69−5)、第2構造部70(70−1,70−2,70−3・・・70−22)、および第3構造部82を有する。貫通孔68は、略楕円形をしており、例えばシート前後方向、かつ第1要部66および第2要部67の両方を取り囲む環状方向に並んだ状態で配置されている。第1要部66は、坐骨に対向する位置を含む周辺に相当し、貫通孔68のないエリア、つまり高圧に耐えられる耐性および高剛性を有するエリアとなっている。第2要部67は、第1要部66と同じまたは同様な構成になっている。第1構造部69は、複数の貫通孔68の間にかつ第1要部66および第2要部67の両方を取り囲むように環状の方向に沿って設けられており、環状の方向に弾性的に伸縮する構造を有する。つまり第1構造部69は、貫通孔68が第1要部66および第2要部67を取り囲む略トラック状に並ぶ列間にそれぞれ設定されている。第2構造部70は、複数の貫通孔68の間にかつ第1要部66および第2要部67を中心とする放射状に沿って設けられている。つまり、第2構造部70は、貫通孔68が第1要部66を中心とする放射方向に並ぶ列間、および第2要部67を中心とする放射方向に並ぶ列間にそれぞれ設定されている。
第1構造部69は、着座人の荷重を環状に分散させるものであり、この発明の実施例における環状部の一例である。また、第3構造部82は、複数の貫通孔68の間で、かつ左部フレーム54aおよび右部フレーム54bに繋がるようにシート幅方向に沿って設けられている。つまり、第3構造部82は、着座者の骨盤の後側でシート幅方向に延びた横糸形態を作り出しており、着座者の骨盤の後側に当たって着座者の骨盤が後傾する方向の力に対する反力を骨盤の後側に生じさせて骨盤が後傾するのを抑制する。第3構造部82は、図2で説明した第8線条材31とほぼ同様の機能を奏する。なお、第1構造部69の本数としては5本に限らず1本でもよく、または2〜4本のいずれか、あるいは6本以上としてよい。さらに、第3構造部82の本数としては1本に限らず、2以上としてよい。つまり、第1構造部69および第3構造部82の形態は、実施例に限らず、上述した実施例と同様な作用・効果を奏するものであればよい。
複数の線条材76は、放射状線条材55(55−1,55−2,55−3・・・55−22)、第1線条材62(62−1,62−2)、第2線条材64(64−1,64−2)、および第3線条材65(65−1,65−2,65−3)を有する。放射状線条材55−1から放射状線条材55−11は、一端がシートフレーム54に固定され、他端が第1要部66に対向する位置72で連結される。放射状線条材55−12から放射状線条材55−22は、一端がシートフレーム54に固定され、他端が第2要部67に対向する位置73で連結される。第1線条材62は、第1要部66に対向する位置72を通り、かつシート前後方向に伸びた状態に設けられている。この第1線条材62は、ラバー部材63のうちの複数の貫通孔68の間にかつシート前後方向に沿って設けられた第4構造部93の下に動かないように配置される。第2線条材64は、第2要部67に対向する位置73を通り、かつシート前後方向に伸びた状態に設けられている。この第2線条材64は、ラバー部材63のうちの複数の貫通孔68の間にかつシート前後方向に沿って設けられた第5構造部94の下に動かないように配置される。第3線条材65は、第1要部66および第2要部67を通り、かつシート幅方向に延びた状態に設けられており、一端が左部フレーム54aに、また他端が右部フレーム54bにそれぞれ固定されている。この第3線条材65は、ラバー部材63のうちの複数の貫通孔68の間にかつシート幅方向に沿って設けられた第6構造部95の下に動かないように配置される。
なお、図7で説明した第1線条材62および第2線条材64は、図2で説明した第5線条材28および第6線条材29とほぼ同様に機能する。また、図7で説明した第3線条材65は、図2で説明した第7線条材309とほぼ同様に機能する。さらに、図7に示す線条材71,74は、第1要部66および第2要部67を通らずに(大腿部の間を通り)、シート前後方向に略直線的に延びて両端が前部フレーム54cおよび後部フレーム54dに固定されている。この線条材71,74は、ラバー部材63のうちの複数の貫通孔68の間にかつシート前後方向に沿って設けられた第7構造部96,97の下に動かないように配置される。
図8は、ラバー部材63を線条材76に連結させる連結部75の一例を示す説明図である。図8に示すように、連結部75は、一対のリブ75a,75bを有する。一対のリブ75a,75bは、ラバー部材63の底面側に下方に向けて突出するように一体的に設けられている。この一対のリブ75a,75bは、所定の長さを有し、その長さを第2構造部70−3に沿うように間欠的に並んだ形態となるように複数設けられている。放射状線条材55−3は、一対のリブ75a,75bに嵌め込まれる。なお、連結部75は、他の第2構造部70−1,70−2,70−4〜70−30に対応する位置にもそれぞれ設けられている。複数の連結部75に線条材76を嵌め込むことで、ラバー部材63がシートフレーム54に取り付けられる。また、連結部75としては、一対のリブ75a,75bの代わりに、ラバー部材63の底面に設けられた溝としてよい。
図9は、例えば放射状線条材55の一端を第1要部66に対向する位置72で連結する構成の一例を示す説明図である。図9に示すように、位置72には、貫通孔77aを有するリング部77が配置されている。リング部77は、貫通穴77aをシート高さ方向に向けた姿勢となっている。リング部77は、ラバー部材63の底面に、例えば図8で説明した一対のリブ(図示なし)などによりラバー部材63の底面に保持されている。放射状線条材55−1の一端には、フック部78が固定されており、フック部78は、リング部77のリング方向に移動可能となるようにリング部77に連結されている。なお、図9では、図面の煩雑化を防ぐために、他の放射状線条材55−2〜55−22を省略している。
また、リング部77には、一対の円環部79,80が固定されている。一対の円環部79,80は、シート前後方向で対向する位置に配置されている。一対の円環部79,80は、貫通穴79a,80aを有し、貫通穴79a,80aの貫通方向がシート幅方向に沿う姿勢でリング部77に固定されている。第1線条材62−1は、一端にフック部81が固定されており、フック部81が円環部79に連結される。つまり、第1線条材62−1は、リング部77に対してリング部77の環状方向に移動しないように連結される。第1線条材62−2は、一端にフック部83が固定されており、フック部83が円環部80に連結される。第1線条材62−1,62−2は、リング部77に固定された一対の円環部79,80に連結されているため、リング部77を介して一本の第1線条材62を構成する。なお、第2要部67における第2線条材64の構成は、前述した第1要部66における第1線条材62の構成と同じまたは同様になっている。
第3線条材65−1,65−2,65−3については、図9では図面の煩雑化を防ぐために省略しているが、第1線条材62−1,62−2の連結構成と同じまたは同様となっている。つまり、第1要部66に対向する位置72にて、一対の円環部がリング部77のうちのシート幅方向で対向する位置にそれぞれ設けられており、一対の円環部に第3線条材65−1,65−2がそれぞれ連結されている。第2要部67に対向する位置73にて、一対の円環部がリング部のうちのシート幅方向で対向する位置にそれぞれ設けられており、一対の円環部に第3線条材65−2,65−3がそれぞれ連結されている。なお、線条材76を位置72および位置73で連結する構成は、前述した実施例の具体例に限らず、前述した実施例と同様な作用・効果を奏するものであればよい。
図10は、第1要部66と下プレート85とを連結する連結部材86の一例を示す説明図である。図10に示すように、シートフレーム54は、ネット49の下方を通って左部フレーム54aと右部フレーム54bとの間に掛け渡された下プレート85を備えている。なお、図10では、図面の煩雑化を防ぐためにシートフレーム11およびネット49の一部を破断して示している。
下プレート85と第1要部66との間には、弾性を有する連結部材86が張って設けられている。連結部材86は、図4で説明した第9線条材44に相当するものであり、第1要部66を下方に向けて引っ張っている。なお、第2要部67は、図示していないが図10で説明した連結部材86と同じまたは同様な他の連結部材によりシート下方に向けて引っ張られている。このように、連結部材86によって第1要部66および第2要部67をシート下方に引っ張っておくことで、臀部を落とし込むための窪み形態、例えば逆ハット状の形態を予め作っておくことができるため、臀部のホールド性を向上させることができるとともに、車両が旋回して座部50が移動しても、前述した窪み形態、例えば第1要部66および第2要部67を略同じ位置に保持することができる。
図11は、図5から図10で説明した座部50のネット49を使用した場合の体圧分布を測定した結果を示す説明図である。そして、図12は、環状部を備えていないシートクッション(単に平面的なクッション)を使用した場合の体圧分布を測定した結果を示す説明図である。つまり図11および図12は、例えば体圧分布測定装置を用いて測定した、環状部を使用した場合と使用しない場合の体圧分散性を比較している。なお、図11(b)および図12(b)では、濃淡の濃い部分ほど圧力が高くなっていることを示す。
図12(a)では、臀部88を半ボール状に模式的に示している。図12(a)に示すように臀部88を平面的なクッションに載せると、図12(b)に示すように、臀部から受ける圧力が一点(坐骨結節部に対向する位置)89に集中されていることが分かる。つまり、着座者の上体の荷重が坐骨結節部に集中し易いことがわかる。このような現象が生じると着座者は坐骨が痛くなるため、腰をずらそうとする。そして、着座者の骨盤は、ハムストリングス筋によってシート前方に向けて引っ張られる。このような現象により図3で説明したように第1モーメントM1が骨盤に生じて着座者は、骨盤を後傾させる姿勢をとることになりやすい。
図11(b)に示すように、環状部を使用した座部を使用することで環状に体圧分散が行われる。つまり図11(a)に示すように、半ボール状に模式的に示した臀部90が環状部91に載ると、図11(b)に示すように、環状部91に対応する環状帯92に現れているように、臀部から受ける圧力が環状に分散されることが分かる。
この発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形がこの発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
10,50…座部、 11,54…シートフレーム、 12,49…ネット、 17…第1線条材、 18…第2線条材、 19…第3線条材、 20…第4線条材、 22…第1環状部、 23…第2環状部、 24…第3環状部、 26,66…第1要部、 27,67…第2要部、 28…第5線条材、 29…第6線条材、 30…第7線条材、 31…第8線条材、 41,85…下プレート、 44…第9線条材、 45…第10線条材、 63…ラバー部材、 65…線条材、 69…第1構造部、 70…第2構造部、 82…第3構造部、 86…連結部材。

Claims (7)

  1. 車両用シートに設けられた座部のシートフレームにネットが張った状態に設けられている座席装置において、
    前記ネットは、着座者の左右の坐骨部に対向する位置に配置された第1要部および第2要部から前記シートフレームに向けて放射状に延びた状態に設けられた複数の線条材と、
    前記第1要部および前記第2要部の各々を、または前記第1要部および前記第2要部の両方を取り囲むように前記複数の線条材に取り付けられる環状部とを備え、
    前記複数の線条材は、前記第1要部を通り、かつ前記シートの前後方向に伸びた状態に設けられた所定の第1線条材と、前記第2要部を通り、かつ前記シートの前後方向に伸びた状態に設けられた所定の第2線条材とを含むことを特徴とする座席装置。
  2. 請求項1に記載の座席装置において、
    前記第1要部および前記第2要部のシート後方にシート幅方向に延びた状態で設けられた所定の第3線条材を備えていることを特徴とする座席装置。
  3. 請求項1または2に記載の座席装置において、
    前記環状部は、弾性的に伸縮する構造を備えていることを特徴とする座席装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の座席装置において、
    前記シートフレームを移動自在に支持する下部フレームと、
    前記第1要部および前記第2要部と前記下部フレームとをそれぞれ連結する連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記第1要部および前記第2要部を前記車両用シートの下方に向けてそれぞれ引っ張っていることを特徴とする座席装置。
  5. 車両用シートに設けられた座部のシートフレームにネットが張った状態に設けられている座席装置において、
    前記ネットに取り付けられるラバー部材を備え、
    前記ネットは複数の線条材によって構成されており、
    前記ラバー部材は、着座者の左右の坐骨部に対向する位置にそれぞれ配置されたラバー部材側第1要部と、ラバー部材側第2要部と、前記ラバー部材側第1要部および前記ラバー部材側第2要部の両方を取り囲むように構成され、かつ、弾性的に伸縮する第1構造部と、前記ラバー部材を前記線条材に連結させる連結部とを有し、
    前記複数の線条材は、前記ラバー部材側第1要部に対向する位置を通り、かつ前記シートの前後方向に伸びた状態に設けられた所定の第1線条材と、前記ラバー部材側第2要部に対向する他の位置を通り、かつ前記シートの前後方向に伸びた状態に設けられた所定の第2線条材とを有する
    とを特徴とする座席装置。
  6. 請求項5に記載の座席装置において、
    前記ラバー部材は、前記車両用シートの前後方向で前記ラバー部材側第1要部および前記ラバー部材側第2要部の後方であって、かつ、前記車両用シートの幅方向に沿って設けられていて前記着座者の骨盤に当たって前記骨盤が後傾する方向の力に対する反力を前記骨盤に生じさせる第3構造部を更に有することを特徴とする座席装置。
  7. 請求項5または6に記載の座席装置において、
    前記シートフレームを移動自在に支持する下部フレームと、
    前記ラバー部材側第1要部および前記ラバー部材側第2要部と前記下部フレームとをそれぞれ連結する連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記ラバー部材側第1要部および前記ラバー部材側第2要部を前記車両用シートの下方に向けてそれぞれ引っ張っている
    ことを特徴とする座席装置。
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