JP6609222B2 - インソール及び靴 - Google Patents

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Description

本発明は、足の3アーチの崩れを矯正又は防止すると共に足底筋膜炎の発生を防止できるインソールに関する。
足裏には図18及び図19に示すように、荷重時にショックを吸収するために足300の骨格のアーチを保持する足底筋膜K(足底腱膜ともいう)がある。
図18は足の内側から見た場合の側面図である。図18の側面図には足の骨格を示す。また、図19は足の裏面側からみた場合の裏面図である。
図18は、足300の第1中足骨342と、第1楔状骨352と、舟状骨357と、踵骨363と、踵骨隆起363A等を示している。また、足底筋膜Kは、踵骨363の踵骨隆起363Aを起点としている。
そして、足底筋膜Kは図19に示すように、踵骨隆起363A(内側突起363A1、外側突起363A2)に最も近い部位を起点(以下筋膜起点部363Bという)とし、この筋膜起点部363Bから第1中足骨342、第2中足骨343、第3中足骨344、第4中足骨345、第5中足骨346の各々の骨頭付近に接続するように放射状に伸びている。
このため、荷重時には、踵骨隆起363Aに最も近い部位である筋膜起点部363Bに足底筋膜炎が最も多く発生する傾向にある。
この足底筋膜炎と足のアーチ(内側縦アーチ、横アーチ、外側縦アーチ等)とは密接な関係がある。横アーチが崩れてくると開帳足、外反母趾になる傾向にある。また、外側縦アーチが崩れてくると姿勢が崩れてくる。さらに、内側縦アーチが崩れてくると扁平足になる傾向にある。
扁平足になって足の舟状骨357が落ちてきて内側縦アーチが落ちてくると、図19に示す足底筋膜Kは引き伸ばされたようになり、筋膜起点部363Bに強い牽引力がかかっている状態となる。このため、走行時には、衝撃が直接、足底筋膜Kにかかることになり、痛みを感じるようになる(足底筋膜炎)。また、逆に足のアーチが高すぎても足底筋膜炎が発生する。
さらに、扁平足が進んで急激な張力が足底筋膜Kにかかると、図20に示すように、筋膜起点部363Bの付着部363Cが踵骨隆起363Aから離れて踵骨棘363Dが生じると言われている。
前述の足底筋膜炎等を解消するための中敷として特許文献1が開示されている。
特許文献1の中敷は、表素材と裏素材とからなる多層構造にして、足の骨格のアーチである内側縦アーチ、外側縦アーチを整える凸形状を成型し、かつ裏素材の踵骨に対応する部分を楕円状の穴にして、中敷の踵部の底部を凹形状に成型して踵部周囲を持ち上げている(段落0050参照)。
つまり、足底筋膜Kの筋膜起点部363Bに不要な荷重がかからないようにして痛みを軽減させている。
また、特許文献1の段落[0039]、段落[0040]には、横アーチを持ち上げて、第1中足骨342と第2中足骨343と第3中足骨344と第4中足骨345と第5中足骨346とが狭まるようにして外反母趾を矯正又は予防することが開示されている。
さらに、特許文献1の段落[0046]には、内側縦アーチの頂点を構成する舟状骨357を中心として第1中足骨342の骨頭付近から踵骨363付近までの範囲に、内側縦アーチを支える膨隆部を成型することで扁平足を矯正又は予防することが開示されている。
特許第4163237号公報
足底筋膜Kというのは、図20に示すように、踵骨363の踵骨隆起363A(起点)から第1中足骨342、第2中足骨343、第3中足骨344、第4中足骨345、第5中足骨346の各々の骨頭に接続するように放射状に延びている。
しかしながら、特許文献1の中敷は、足底筋膜Kの筋膜起点部363Bの部分に楕円状の穴を成型しているだけであるので踵骨棘363Dには対応できたとしても、足底筋膜Kの筋膜起点部363B付近に対応していない。
このため、筋膜起点部363Bにおける放射形状の足底筋膜Kの両縁が中敷にあたって足底筋膜炎を発生することがある。
また、人によっては、足の3アーチが酷く崩れて足底筋膜炎に加えて扁平足、外反母趾等の複合的な症状を発生している場合もある。
しかし、特許文献1の中敷は、足底筋膜炎、扁平足又は外反母趾の各々の矯正又は予防を目的とする個別形状であるから1つの中敷(以下インソールという)で複合的な症状に対応することができない。
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであり、足の3アーチの崩れを矯正又は防止すると共に足底筋膜炎の発生を防止できるインソールを得ることを目的とする。
本発明に係るインソールは、足の裏面に接する表側に、足の3アーチを保つための横アーチ用凸部、内側縦アーチ用凸部、外側縦アーチ用凸部足が成型されており、
足の後足部に対応する領域に、前記足の踵骨の踵骨隆起付近から放射状に出る足底筋膜(K)の筋膜起点部を保護するための楕円状の凹部が成型されており、
この楕円状の凹部を囲んで前記横アーチ用凸部に向かうに従って次第に高さを増す傾斜にされ、かつ、両側の縁が前記横アーチ用凸部に向かうに従って次第に幅方向に広がる銅鐸形状の足底筋膜保護用凹部が成型されて、足底筋膜炎対策用、扁平足、外反母趾対策用としたことを要旨とする。
また、本発明に係るインソールは、
多層構造であり、
下層部材(110)と、
前記下層部材の表面に圧着された中層部材と、上層の表皮とで成型されており、
前記下層部材(110)は、
横アーチ用凸部、内側縦アーチ用凸部、外側縦アーチ用凸部が成型され、
さらに、足の後足部に対応する領域に、足の踵骨の踵骨隆起付近から放射状に出る足底筋膜(K)の筋膜起点部を保護するための楕円状の穴が空けられており、
この楕円状の穴の横アーチ用凸部側となる縁から、この横アーチ用凸部に向かうに従って次第に高さを増す傾斜にされ、かつ、両側の縁が前記楕円状の穴を囲んで前記横アーチ用凸部に向かうに従って次第に幅方向に広がる銅鐸形状にされて、足底筋膜炎、扁平足、外反母趾対策用としたこと要旨とする。

以上のように本発明によれば、上から見たときに凹型の銅鐸形状となる足底筋膜保護用凹部を成型しているので、足の踵骨の踵骨隆起付近から放射状に出る足底筋膜(K)の筋膜起点部を保護することができると共に、銅鐸形状の足底筋膜保護用凹部が凹状に成形されているので踵骨棘に対しても対応できる。このため、走行等によって足底筋膜に荷重、張力がかかっても痛くならない。
さらに、足底筋膜保護用凹部の他に、3アーチを支えるための凸部を足裏となる面側に成型しているので、開帳足、外反母趾、姿勢の崩れ、扁平足等を防止できる。
実施の形態1のインソールの斜視図である。 インソール200の裏面図である。 足底筋膜保護用凹部270の拡大斜視図である。 図1のインソール200の足の内側からの側面図である。 図6のA−A断面図である。 インソール200の上面図である。 図6のインソール200のa―a切断線〜c―c切断線の断面図である。 図6のインソール200のd―d切断線〜e―e切断線の断面図である。 実施の形態2のヒールクッションパッド400と男性靴450と足300との関係を説明する斜視図である。 ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410を設けたヒールクッションパッド400の説明図である。 ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410を設けたヒールクッションパッド400と足300との関係を説明する側面図である。 ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410を設けたヒールクッションパッド400と足底筋膜Kと筋膜起点部363Bとの関係を説明する足の裏面図である。 実施の形態3の多層構造のヒールクッションパッドを説明する説明図である。 実施の形態4の多層構造のヒールクッションパッドを説明する説明図である。 実施の形態5の馬蹄形型ヒールクッションの説明図である。 実施の形態6の第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800の説明である。 実施の形態7の第2の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド900の説明図である。 足の足底筋膜Kを説明する足の側面図である。 足の足底筋膜Kを説明する足の裏面図である。 踵骨棘363Dの説明図である。
本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。図面は模式的なものであり、構成等は現実のものとは異なることに留意すべきである。
<実施の形態1>
図1は実施の形態1のインソールの斜視図である。実施の形態1においては男性用(Mサイズ:25cm〜26cm)の靴に内蔵されるインソールとして説明する。また、図1においては足の骨格を示して説明する。
図1に示すインソール200は、下層部材110と中層部材120と上層部材130とをホットメルト等で付着して金型で圧着成型して、足300に接する面に、足の3アーチFAを保つための横アーチ用凸部240、内側縦アーチ用凸部250、外側縦アーチ用凸部260が成型されている。
すなわち、開帳足対策用、外反母趾対策用、姿勢維持対策用、扁平足対策用等に対応可能となっている。
さらに、足の後足部360に対応する後足部対応領域230の表面側に、足300の踵骨363の踵骨隆起363A付近から放射状に出る足底筋膜Kの筋膜起点部363Bを保護するための凹形状の足底筋膜保護用凹部270を成型している。
このインソール200の材質は、下層部材110及び中層部材120が軟弾性部材であり、具体的にはウレタン樹脂、エラストマー、コルクゴム、EVA樹脂材等である。本実施の形態ではウレタン樹脂(以下単にウレタンという)として説明する。
また、上層部材130は不織布又は布、革、人工被覆等である。本実施の形態では布として説明する。
なお、前述の下層部材110は中層部材120と同じ素材であるが、中層部材120よりも圧縮率を高くしている(硬く感じる)。このため、下層部材110から適度の反発力が与えられることになる。
また、図1に示すように、踵側には後述する銅鐸形状の足底筋膜保護用凹部270を成型している。また、これらは滑らかな曲面で繋がるように成型されている。
実施の形態1のインソール200の説明の前に足300の骨格について図1を用いて説明する。
足300は、図1に示すように、前足部310と、中足部340と、後足部360とから構成されている。
[足骨格の説明]
なお、実施の形態1では、足300の骨格は解剖学的な名称を用いないで、義肢装具等の製造業界で使用している名称で説明する。
前足部310の骨格は、第1末節骨312と第2末節骨313と第3末節骨314と第4末節骨315と第5末節骨316と第2中節骨321と第3中節骨322と第4中節骨323と第5中節骨324と第1基節骨332と第2基節骨333と第3基節骨334と第4基節骨335と第5基節骨336とからなる範囲をいう。
中足部340は、第1中足骨342と第2中足骨343と第3中足骨344と第4中足骨345と第5中足骨346と第1楔状骨352と第2楔状骨353と第3楔状骨354と立方骨356と舟状骨357とを含む範囲をいう。また、後足部360は、距骨362と踵骨363とからなる範囲である。踵骨363には後述する踵骨隆起363Aが存在している。
また、足300というのは図1に示すように、3アーチFA(横アーチFA1、内側縦アーチFA2、外側縦アーチFA3)を維持することが重要である。横アーチFA1が崩れてくると、開帳足、外反母趾になる傾向にある。また、外側縦アーチFA3が崩れてくると、姿勢が崩れる傾向にある。内側縦アーチFA2が崩れてくると扁平足になる傾向にある。
さらに、図1の足300には、踵骨363の踵骨隆起363Aのやや前方付近である筋膜起点部363Bを起点にして放射状に延びる足底筋膜Kを示している。
[インソール200の概略]
図1に示すように、実施の形態1のインソール200は、下層部材110の表面に中層部材120を圧着し、この中層部材120の上に上層部材130を貼り付けて成型している。
また、下層部材110の踵骨隆起363Aに対応する領域には、楕円穴115が空けられている。なお、下層部材110の楕円穴115は、円、長軸が楕円穴115の長軸よりも長い縦長楕円穴(図示せず)でも構わないが、実施の形態1においては図2の楕円穴115を一例として説明する。また、実施の形態1においては、寸法を記載して説明するが、この寸法は一例である。
上記の足底筋膜保護用凹部270は、上層部材130の表面側の下層部材110の楕円穴115に対応する領域に成形されており、頂部272がインソール後端202側の丸みに沿っており、両側が頂部272に対して横アーチ用凸部240側(爪先側)に向かうに従って次第に広がる銅鐸形状にされている。
一方、実施の形態1のインソール200の内側縦アーチ用凸部250と、横アーチ用凸部240とを総称して土踏まず凸部領域280と称する。
また、後足部360に対応する領域を後足部対応領域230と称し、中足部340に対応する領域を中足部対応領域220と称し、前足部310に対応する領域を前足部対応領域210と称している。
また、前足部対応領域210からインソール先端201までの領域を爪先領域部205と称する。この爪先領域部205と前足部対応領域210とを総称して前側領域部215と称する。
さらに、図1のインソール200には、横アーチ用凸部240の中央付近と足底筋膜保護用凹部270の中央付近とを通る中央アーチラインHと、第1中足骨342の骨頭の中央付近と内側縦アーチ用凸部250の頂点付近とを通って中央アーチラインHに略平行な内側縦アーチラインEと、外側縦アーチ用凸部260の頂点付近とを通って中央アーチラインHに略平行な外側縦アーチラインJとを示している。
前述の内側縦アーチ用凸部250の頂点(以下内側縦アーチ用凸部頂点250Aという)は、図1に示すように、舟状骨357付近に対応している。また、横アーチ用凸部240の頂点(以下横アーチ用凸部頂点240Aという)は、第2中足骨343の骨頭よりやや後方付近と、第3中足骨344の骨頭よりやや後方付近との間に対応している。
さらに、外側縦アーチ用凸部260の頂点(外側縦アーチ用凸部頂点260Aという)は、踵骨363の前方(足の外側)付近に対応している。
そして、内側縦アーチ用凸部頂点250Aは、横アーチ用凸部頂点240Aよりも高さがある。
[インソール200の詳細説明]
図2はインソール200の裏面図である。この図は左足用のインソール200に左足を載せて裏側から見た場合の図であり、足の骨格も示して説明する。
下層部材110は、下層部材先端LKが第1中足骨342の骨頭付近の内側端から、この第1中足骨342の骨頭付近の直後付近を通って、第2中足骨343の骨頭の直後付近及び第3中足骨344の骨頭の直後付近を通っている。さらに、第4中足骨345の骨頭の直後付近を通って、第5中足骨346の骨底の直後付近を通って第5中足骨346の中央付近よりやや骨頭側を通って外側端に至る形状にされている。
つまり、第5中足骨346を除く形状にされ、第5中足骨346の骨底が当該インソールの表に強く当たらないようにされている。
さらに、後足部対応領域230には、踵骨363の踵骨隆起363A(内側突起363A1、外側突起363A2)付近から楕円穴115が成型されている。
また、図2には、当該インソールの表側に成型されている図1の足底筋膜保護用凹部270を点線で示している。また、足底筋膜Kと筋膜起点部363Bとを示している。
前述の足底筋膜保護用凹部270の縁を足底筋膜保護用凹部縁271と称する。
(足底筋膜保護用凹部270の詳細)
図3はインソール200の上層部材130の上から足底筋膜保護用凹部270を見た場合の拡大斜視図である。但し、下層部材110における楕円穴115を点線で示し、筋膜起点部363Bを点線で示す。また、足底筋膜保護用凹部270は、具体的には内側にわずかに寄って成型されている。
前述の足底筋膜保護用凹部270の下側の面を成型している縁を下側足底筋膜保護用凹部縁271dと称し、上側の縁を上側足底筋膜保護用凹部縁271uと称する。
そして、足底筋膜保護用凹部270の足の外側となる下側足底筋膜保護用凹部縁271dは外側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dと称し、足の内側となる下側足底筋膜保護用凹部縁271dは内側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dと称する。
さらに、足底筋膜保護用凹部270の足の外側となる上側足底筋膜保護用凹部縁271uは外側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uと称し、足の内側となる上側足底筋膜保護用凹部縁271uは内側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uと称する。これらの縁を総称して足底筋膜保護用凹部縁271と称する。
図3に示すように、足底筋膜保護用凹部270は、コーナー部200Aのインソール後端202から38.0mm程度(例えば37.5〜38.5mm:好ましくは38.0mm)の位置から成型されている。
そして、足底筋膜保護用凹部270の足底筋膜保護用凹部縁271の下側足底筋膜保護用凹部縁271dは下層部材110の楕円穴115に沿って成型されて中足部対応領域220側(横アーチ用凸部240)に向かうに従って次第に広がっている。
また、足底筋膜保護用凹部270の足底筋膜保護用凹部縁271の上側足底筋膜保護用凹部縁271uは、下側足底筋膜保護用凹部縁271dに対してわずかに大きくされている(同心円状)。
具体的には例えば、下層部材110の楕円穴115の短軸(以下楕円穴短軸115aという)は31.0mm程度(例えば30.5〜31.5mm:好ましくは31.0mm)であり、長軸(以下楕円穴長軸115bという)は38.0mm程度にされている。
この場合は、楕円穴115の楕円穴短軸115a付近の両脇の上側足底筋膜保護用凹部縁271uの幅は、33.0mm程度(例えば32.5〜33.5mm:好ましくは33.0mm)である。
また、踵側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dからの上側足底筋膜保護用凹部縁271uまでの足底筋膜保護用凹部周囲面270Aの高さは1.8mm程度(例えば1.3〜2.3mm:好ましくは1.8mm)にされ、中足部対応領域220側に向かうに従って足底筋膜保護用凹部周囲面270Aの高さが次第に狭まっている。
すなわち、足底筋膜保護用凹部270の底面は、頂部272付近が最も深く、横アーチ用凸部240側に向かうに従って厚みが増加している。
また、足の爪先方向となる足底筋膜保護用凹部270における内側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uと内側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dとが交わる付近と、外側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uと外側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dとが交わる付近との幅は、36.0mm程度(例えば35.5〜36.5mm:好ましくは36.0mm)にされている。
つまり、図3に示すように、足底筋膜保護用凹部270は、足底筋膜保護用凹部縁271が筋膜起点部363Bから放射状に延びる足底筋膜Kに沿った銅鐸形状(上から見て)にされている。
このため、足300をインソール200に載置した場合は、踵骨363の周囲が足底筋膜保護用凹部270を除く後足部対応領域230の周囲の頂(凸)に載るので、足底筋膜Kの筋膜起点部363Bが痛くなることがない。つまり、足底筋膜炎による痛みがとれることになる。
図4は図1のインソール200の足の内側からの側面図である。図4においては右足の足の内側からの足骨格の側面を記載して説明する。図5は図6のA−A断面図である。
図4に示すように、内側縦アーチ用凸部頂点250Aは、舟状骨357付近に対応している。このため、足の骨格が緩んで舟状骨357が落ちてきても、内側縦アーチ用凸部250によって、これを防止できる。
一方、図5に示すように、足底筋膜保護用凹部270が成型されているので、足底筋膜Kの筋膜起点部363Bが痛くなることを防止できている。
[インソール200の断面]
インソール200の各断面について図6〜図8を用いて詳細に説明する。図6はインソール200の上面図であり、切断線を示している。
図7は図6のインソール200のa―a切断線〜c―c切断線の断面図である。図8は図6のインソール200のd―d切断線〜e―e切断線の断面図である。
図7(a)のa−a断面は、前側領域部215における断面である。図7(a)に示すように、a−a断面は中層部材120と、上層部材130とからなり、中層部材120の上に上層部材130が貼り付けられている。中層部材120の厚みは2.0mm程度(例えば1.5〜2.5mm:好ましくは2.0mm)であり、上層部材130の厚みは1.
0mm程度(例えば0.5〜1.5mm:好ましくは1.0mm)である。
図7(b)のbーb断面は、中足部対応領域220における断面であり、横アーチ用凸部240における横アーチ用凸部頂点240Aのやや前方の切断面である。
このb―b断面においては、下層部材110と、中層部材120と、上層部材130とからなり、下層部材110の上に中層部材120が貼り付けられ、中層部材120の上に上層部材130が貼り付けられている。
前述の下層部材110は、図7(b)に示すように、足の外側となる第5中足骨346が載置される中層部材120の下には存在しない。
そして、中層部材120におけるこの部分の厚みは、3.0mm程度(2.5〜3.5mm:好ましくは3.0mm)である。
また、図7(b)のb−b断面における下層部材110中央付近の厚みは9.0mm程度(例えば8.5〜9.5mm:好ましくは9.0mm)にされている。
また、図7(b)のb−b断面における足の内側端は内側縦アーチ用凸部250の前方部分であるから厚みは、下層部材110、中層部材120、上層部材130を含めて12.0mm程度(例えば11.5〜12.5mm:好ましくは12.0mm)にされている。
また、この部分の下層部材110の厚みは8.0mm程度(例えば7.5〜8.5mm:好ましくは8.0mm)にされている。
図7(c)のcーc断面は、中足部対応領域220の内側縦アーチ用凸部頂点250A付近の断面であり、外側縦アーチ用凸部260を含む部分である。
このc―c断面においては、下層部材110と、中層部材120と、上層部材130とからなり、下層部材110の上に中層部材120が貼り付けられ、中層部材120の上に上層部材130が貼り付けられている。この部分における下層部材110は、足の外側端と足の内側端との両端に渡っている。
そして、足の外側端の厚みは、下層部材110と中層部材120と上層部材130とを含めて13.0mm程度(例えば12.5〜13.5mm:好ましくは13.0mm)である。
また、図7(c)のcーc断面における下層部材110の中央付近の厚みは6.0mm程度(例えば5.5〜6.5mm:好ましくは6.0mm)にされている。
また、足の内側端は内側縦アーチ用凸部頂点250A付近であるから厚みは、下層部材110と中層部材120と上層部材130とを含めて17.0mm程度(例えば16.5〜17.5mm:好ましくは17.0mm)にされている。また、この部分は、中央アーチラインHに略平行な内側縦アーチラインEが通る領域であり、下層部材110の厚みは9.0mm程度(例えば8.5〜9.5mm:好ましくは9.0mm)にされている。
すなわち、図7(b)と図7(c)とに示すように、内側縦アーチラインEに存在する内側縦アーチ用凸部頂点250Aは、横アーチ用凸部240よりも高くなっている。
図8(a)のdーd断面は、後足部対応領域230の前方部分の断面であり、足底筋膜保護用凹部270を含む部分である。
このd―d断面においては、下層部材110と、中層部材120と、上層部材130とからなる。但し、この下層部材110の中央部分には楕円穴115が成型されている。この部分の楕円穴115の横幅は、20.0mm程度(例えば19.5〜20.5mm:好ましくは20.0mm)である。
また、この部分の足底筋膜保護用凹部270の内側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uと外側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uとの間隔は34.0mm程度(例えば33.5〜34.5mm:好ましくは34.0mm)である。
さらに、この部分の足底筋膜保護用凹部270の内側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dと外側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dとの間隔は29.0mm程度(例えば28.5〜29.5mm:好ましくは29.0mm)である。
一方、この部分の内側端の厚みは、16.0mm程度(例えば15.5〜16.5mm:好ましくは16.0mm)であり、外側端は13.0mm程度(例えば12.5〜13.5mm:好ましくは13.0mm)である。
また、この部分の足底筋膜保護用凹部270の内側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uまでの厚みは10.0mm(例えば9.5〜10.5mm:好ましくは10.0mm)である。また、この部分の足底筋膜保護用凹部270の外側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uまでの厚みは7.0mm(例えば6.5〜7.5mm:好ましくは7.0mm)である。
図8(b)のeーe断面は、後足部対応領域230の足底筋膜保護用凹部270の中央よりやや後方の断面である。
このe―e断面においては、下層部材110と、中層部材120と、上層部材130とからなる。但し、この下層部材110の中央部分には楕円穴115が成型されている。この部分の楕円穴115の横幅は、25.0mm程度(例えば24.5〜25.5mm:好ましくは25.0mm)である。
また、この部分の足底筋膜保護用凹部270の内側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uと外側の上側足底筋膜保護用凹部縁271uとの間隔は29.0mm程度(例えば28.5〜29.5mm:好ましくは29.0mm)である。
さらに、この部分の足底筋膜保護用凹部270の内側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dと外側の下側足底筋膜保護用凹部縁271dとの間隔は24.0mm程度(例えば23.5〜24.5mm:好ましくは24.0mm)である。
一方、この部分の内側端の厚みは、14.0mm程度(例えば13.5〜14.5mm:好ましくは14.0mm)であり、外側端は12.0mm程度(例えば11.5〜12.5mm:好ましくは12.0mm)である。
すなわち、図8(a)及び図8(b)に示すように、足底筋膜保護用凹部270は、上から見て踵側から前方に向かうに従って次第に広がる銅鐸形状にされている。
図8(a)のd−d断面における上側足底筋膜保護用凹部縁271uと図8(b)のe−e断面における上側足底筋膜保護用凹部縁271uとを比較すると、d−d断面においては左右に約2.50mmだけ広がっている。
従って、足がインソール200に載置された場合は、足の足底筋膜Kの筋膜起点部363Bの周囲部分が足底筋膜保護用凹部270の周囲の凸部分に載ることになるので足底筋膜Kの筋膜起点部363Bが痛くならない。また、足底筋膜保護用凹部270が前方に向かうに従って広がっているので、足底筋膜Kにあたることがないので足底筋膜炎の発生を抑えることができる。
なお、上記実施の形態1では男性用のインソールとして説明したが女性用であってもよい。
また、上記実施の形態1では3層として説明したが2層であっても構わない。
さらに、上記実施の形態1では多層構造として説明したが、1つの部材で成型した単層構造でも構わない。
さらに、上記実施の形態1では、横アーチ用凸部240、内側縦アーチ用凸部250、外側縦アーチ用凸部260を成型したインソールとして説明したが横アーチ用凸部240、内側縦アーチ用凸部250、外側縦アーチ用凸部260を成型しなくともかまわない。
また、上記実施の形態1の足底筋膜保護用凹部270は、ハーフインソール、1/3インソール等に設けても構わない。1/3インソールの一種であるヒールクッションパッドを一例として以下の実施の形態で説明する。
また、ヒールクッシュンパッドは、単層、多層でも構わない。さらに、材質はウレタン樹脂、エラストマー、コルクゴム、EVA樹脂材、粘弾性シリコンゼェル等である。
実施の形態2のヒールクッシュンパッド(単にパッドともいう)は、単層とし、材質は粘弾性シリコンゼェルとして説明する。
<実施の形態2>
図9は実施の形態2のヒールクッションパッド400と男性靴450と足300との関係を説明する斜視図である。
上記の足底筋膜炎対策用のための銅鐸形状の足底筋膜保護用凹部270を図9に示すように足300の踵部370のショックを和らげるヒールクッションパッド400に設けている。
このヒールクッションパッド400に設けられた足底筋膜保護用凹部270をヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410と称する。
ヒールクッションパッド400は、図9に示すように男性靴450(女性用でもかまわない)の中底455における踵部(以下中底踵部512という)に載置されて用いられる。
上記のヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410について図10を用いて詳細に説明する。
図10(a)はヒールクッションパッド400の上面図を示し、図10(b)はヒールクッションパッド400の側面図を示し、図10(c)はヒールクッションパッド400を前側からみた場合の図面を示し、図10(d)はヒールクッションパッド400を後側からみた場合の図面を示す。また、実施の形態2においては、寸法を記載して説明するが、この寸法は一例である。
図10(a)に示すように、ヒールクッションパッド400は足300の後足部360の足裏に対応する形状である。
つまり、ヒールクッションパッド400は、横幅は後方が広く前側が狭くなっている。
そして、このヒールクッションパッド400の前方には傾斜部420が成型されている。
このヒールクッションパッド400の各寸法について以下に説明する。但し、寸法は一例である。
ヒールクッションパッド400の縦長は、図10(a)及び図10(b)に示すように、91.0mm程度(90.5〜91.5mm:好ましくは91.0mm)である。
また、後方から見たときの最大の横長は、図10(a)、図10(c)及び図10(d)に示すように、68.0mm程度(67.5〜68.5mm:好ましくは68.0mm)であり、前方から見たときの最小の横長は図10(a)及び図10(c)に示すように57.0mm程度(56.5〜57.5mm:好ましくは57.0mm)である。
前述の傾斜部420は図10(a)に示すように、幅が18.0mm程度(17.5〜18.5mm:好ましくは18.0mm)である。また、傾斜部420を成型し始める横線420a付近の厚みは5.0mm程度(4.5〜5.5mm:好ましくは5.0mm)である(図10(b)参照)。
また、傾斜部420の先端421の厚みは1.0mm程度(0.5〜1.5mm:好ましくは1.0mm)である(図10(b)参照)。
さらに、ヒールクッションパッド400の後面400aの厚みは8.0mm程度(7.5〜8.5mm:好ましくは8.0mm)である(図10(b)及び図10(d)参照)。
そして、ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410は、図10(a)及び図10(b)に示すように、パッド後端402からヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410の頂部(以下ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部頂部412という)が20.0mm程度(19.5〜20.5mm:好ましくは20.0mm)になる付近から成型されている。このヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部頂部412は略半円形状である。
また、図10(a)及び図10(b)に示すように、ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410のヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部頂部412に対向する前端(以下ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部前端413)は、横線420aから15.0mm程度(14.5〜15.5mm:好ましくは15.0mm)になる付近から成型されている。
そして、図10(a)に示すように、このヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部前端413の幅は30.0mm程度(29.5〜30.5mm:好ましくは30.0mm)であり、長軸(以下凹部長軸414という)は45.0mm程度(44.5〜45.5mm:好ましくは45.0mm)である。
また、ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部頂部412の両端(端412a、端412b)から広がる直線部分415(直線415a、415b)がヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部前端413の両端(端413a、413b)に接続されている。
前述のヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部頂部412の端412aと端412bとの間(以下短軸412cという)は、24.0mm程度(23.5〜24.5mm:好ましくは24.0mm)である。
そして、深さは図10(b)及び図10(d)に示すように、5.0mm程度(4.0〜6.0mm:好ましくは5.0mm)である。
すなわち、ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410は、ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部頂部412と、直線415a、415bと、ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部前端413とで囲まれた閉曲線形状である(実施の形態1と同様な銅鐸形状)。
このヒールクッションパッド400と足裏の関係を図11と図12とを用いて説明する。
図11には、足300(右)の側面形状の他にヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410の側面を示して説明する。図12は足300(右)を裏面から見た場合の骨格を示して説明する。
図11及び図12に示すように、ヒールクッションパッド400は後足部360に対応している。すなわち、ヒールクッションパッド400に成形されているヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410は、図12に示すように、筋膜起点部363B及びこの筋膜起点部363Bから放射状に延びている足底筋膜Kを避けている。
従って、実施の形態1と同様に足底筋膜Kの筋膜起点部363Bが痛くなることがない。つまり、足底筋膜炎による痛みがとれることになる。
<実施の形態3>
上記実施の形態2においては単層のヒールクッションパッド400で、材質は粘弾性シリコンゼェルとして説明したが、多層構造であっても構わない。この多層構造のヒールクッションパッドを実施の形態3として説明する。なお、図中において上記実施の形態1、2と同様な符号については説明を省略する。
図13は実施の形態3の多層構造のヒールクッションパッドを説明する説明図である。実施の形態3においては、多層構造のヒールクッションパッドを第1の多層構造ヒールクッションパッド500と称する。また、実施の形態3においては、寸法を記載して説明するが、この寸法は一例である。
図13(a)は第1の多層構造ヒールクッションパッド500の平面図であり、図13(b)は第1の多層構造ヒールクッションパッド500の側面図である。図13(c)は第1の多層構造ヒールクッションパッド500を前側から見た場合の正面図である。図13(d)は第1の多層構造ヒールクッションパッド500を後側から見た場合の後面図である。
図13(b)、図13(c)及び図13(d)に示すように、第1の多層構造ヒールクッションパッド500は、ウレタン製の下層部材(以下第1のパッド用下層部材520という)と、ウレタン製の上層部材(以下第1のパッド用上層部材510という)とで構成されている。なお、第1のパッド用上層部材510の上には図示しない表面層を設けても構わない。
前述の第1のパッド用下層部材520(第2の部材ともいう)の厚みは1.0mm程度(0.5mm〜3.0:好ましくは1.0mm)にされている。
また、第1のパッド用下層部材520と第1のパッド用上層部材510(第1の部材ともいう)とは硬度が相違する。第1のパッド用上層部材510が硬く、第1のパッド用下層部材520が柔らかい。
また、図13(a)に示すように、第1のパッド用上層部材510のヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410は、第1のパッド用下層部材520と第1のパッド用上層部材510とで数mmの深さの凹部となる。
このため、足300をこの第1の多層構造ヒールクッションパッド500に載置した場合は、実施の形態2と同様に、踵骨363(図示せず)の周囲がヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410を除く周囲の頂(凸)に載るので、足底筋膜Kの筋膜起点部363Bが痛くなることがない。つまり、足底筋膜炎による痛みがとれることになる。
<実施の形態4>
上記実施の形態3ではヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410の底を1mm程度の第1のパッド用下層部材520で構成したが、他の方法で構成しても構わない。これを実施の形態4として説明する。
図14は実施の形態4の多層構造のヒールクッションパッドを説明する説明図である。図において上記と同一符号については説明を省略する。また、実施の形態4においては、寸法を記載して説明するが、この寸法は一例である。
実施の形態4においては、この多層構造のヒールクッションパッドを第2の多層構造ヒールクッションパッド600と称する。
図14(a)は第2の多層構造ヒールクッションパッド600の平面図であり、図14(b)は第2の多層構造ヒールクッションパッド600の側面図である。図14(c)は第2の多層構造ヒールクッションパッド600を前側から見た場合の正面図である。図14(d)は第2の多層構造ヒールクッションパッド600を後側から見た場合の後面図である。
図14(c)及び図14(d)に示すように、第2の多層構造ヒールクッションパッド600は、ウレタン製の足底筋膜保護用凹部部材620と、この足底筋膜保護用凹部部材620を囲むウレタン製上層部材610とから構成されている。
つまり、図14(a)、図14(b)及び図14(d)に示すように、軟らかいウレタン製の足底筋膜保護用凹部部材620(第2の部材)の側面周囲にホットメルト等を貼り付けてウレタン製上層部材610(第1の部材)に挿入してヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410を成型している。これらには、図示しない表面層を設けても構わない。
前述の足底筋膜保護用凹部部材620の厚みは3.0mm程度(2.0mm〜6.0:好ましくは3.0mm)にされている。
また、ウレタン製上層部材610と足底筋膜保護用凹部部材620とは硬度が相違する。ウレタン製上層部材610が硬く、足底筋膜保護用凹部部材620が柔らかい。
このため、足300をこの第2の多層構造ヒールクッションパッド600に載置した場合は、実施の形態3と同様に、踵骨363(図示せず)の周囲がヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部410を除く周囲の頂(凸:パッド本体部)に載るので足底筋膜Kの筋膜起点部363Bが痛くなることがない。つまり、足底筋膜炎による痛みがとれることになる。
<実施の形態5>
上記の実施の形態2〜実施の形態4のヒールクッションパッドは以下のような馬蹄形型ヒールパッドであっても構わない。
図15は実施の形態5の馬蹄形型ヒールクッションの説明図である。馬蹄形型ヒールクッションパッド700は、単層、多層でも構わない。さらに、材質はウレタン樹脂、エラストマー、コルクゴム、EVA樹脂材、粘弾性シリコンゼェル等が好ましい。また、実施の形態5においては、寸法を記載して説明するが、この寸法は一例である。
実施の形態5の馬蹄形型ヒールクッションパッド700は、単層とし、材質は粘弾性シリコンゼェルを一例として説明する。
図15(a)は馬蹄形型ヒールクッションパッド700の平面図であり、図15(b)は馬蹄形型ヒールクッションパッド700の側面図である。図15(c)は馬蹄形型ヒールクッションパッド700を前側から見た場合の正面図である。図15(d)は馬蹄形型ヒールクッションパッド700を後側から見た場合の後面図である。
図15(a)〜図15(d)に示すように、中央には馬蹄形型用足底筋膜保護用凹部730を成型している。この馬蹄形型用足底筋膜保護用凹部730は、ヒールクッションパッド用足底筋膜保護用凹部前端413(図10参照)を爪先側にさらに延長させて傾斜部420の先端421に至っている。
この馬蹄形型用足底筋膜保護用凹部730の凹部底面735は、図15(b)〜図15(d)に示すように厚みが0.5mm程度(0.3〜0.8mm:好ましくは0.5mm)である。そして、凹部底面735の凹部底面先端側735aは、先端両側(外側凹部底面先端735aa、内側凹部底面先端735bb)から湾曲させられている。これは、馬蹄形型ヒールクッションパッド700は馬蹄形状にされているので、できるだけ外側、内側に広がらないようにするためである。外側、内側に広がっても構わない場合は、湾曲させる必要はない。
また、馬蹄形型ヒールクッションパッド700の外側凹部底面先端735aaと内側凹部底面先端735bbとの間は、37.0mm程度(36.0〜38.0mm:好ましくは37.0mm)にされている。
このため、足300をこの馬蹄形型ヒールクッションパッド700に載置した場合は、馬蹄形型用足底筋膜保護用凹部730が先端421a、421bに渡って凹んでいるので、足底筋膜Kの筋膜起点部363Bが痛くならないと共に、この付近の足底筋膜Kが足裏に当たるのを防止することができる。
<実施の形態6>
実施の形態6は、馬蹄形型ヒールクッションパッド700を多層構造として説明する。この多層構造にした馬蹄形型ヒールクッションパッド700を第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800と称する。
図16は実施の形態6の第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800の説明である。図において上記の図と同一符号のものについては説明を省略する。また、寸法は一例である。
図16(a)は第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800を上から見た場合の平面図であり、図16(b)は第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800の側面図である。図16(c)は第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800を前側から見た場合の正面図である。図16(d)は第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800を後側から見た場合の後面図である。
図16(a)〜図16(d)に示すように、第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800は、多層構造用ウレタン製下層部材820(第2の部材ともいう)と多層構造用ウレタン製上層部材810(第1の部材ともいう)とで構成している。
この多層構造用ウレタン製下層部材820は厚みが1.0mm程度(0.8〜1.5mm:好ましくは1.0mm)であり、多層構造用ウレタン製上層部材810に対して軟らかい。また、多層構造用ウレタン製上層部材810は多層構造用ウレタン製下層部材820に対して硬い。
そして、多層構造用ウレタン製上層部材810は図16(a)に示すように、図15と同様な馬蹄形型用足底筋膜保護用凹部730を成型している。
この馬蹄形型用足底筋膜保護用凹部730の凹部底面735は、図16(a)〜図16(d)に示すように、多層構造用ウレタン製下層部材820で成型している。
このため、足300をこの第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800に載置した場合は、実施の形態5と同様な効果を得ることができる。
<実施の形態7>
上記実施の形態6では第1の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド800の多層構造用ウレタン製下層部材820の厚みを1mm程度として説明したが他の方法で成型しても構わない。これを実施の形態4として説明する。
図17は実施の形態7の第2の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド900の説明図である。図において上記と同一符号については説明を省略する。また、寸法は一例である。
図17(a)は第2の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド900を上から見た場合の平面図であり、図17(b)は第2の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド900の側面図である。図17(c)は第2の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド900を前側から見た場合の正面図である。図17(d)は第2の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド900を後側から見た場合の後面図である。
図17(c)及び図17(d)に示すように、第2の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド900は、ウレタン製の多層構造用足底筋膜保護用凹部部材920(第2の部材)と、この多層構造用足底筋膜保護用凹部部材920を囲む多層構造用ウレタン製上層部材810(第1の部材)とから構成されている。
つまり、図17(a)、図17(b)及び図17(d)に示すように、軟らかい多層構造用足底筋膜保護用凹部部材920の側面周囲にホットメルト等を貼り付けて多層構造用ウレタン製上層部材810に挿入して馬蹄形型用足底筋膜保護用凹部730を成型している。これらには、図示しない表面層を設けても構わない。
前述の多層構造用足底筋膜保護用凹部部材920の厚みは3.0mm程度(2.0mm〜6.0:好ましくは3.0mm)にされている。
また、多層構造用ウレタン製上層部材810と多層構造用足底筋膜保護用凹部部材920とは硬度が相違する。多層構造用ウレタン製上層部材810が硬く、多層構造用足底筋膜保護用凹部部材920が柔らかい。
このため、足300をこの第2の多層型馬蹄型ヒールクッションパッド900に載置した場合は、実施の形態3と同様に、踵骨363の周囲が多層構造用足底筋膜保護用凹部部材920を除く周囲の頂(凸:多層構造用ウレタン製上層部材810)に載るので、足底筋膜Kの筋膜起点部363Bが痛くなることがない。つまり、足底筋膜炎による痛みがとれることになる。
110 下層部材
115 楕円穴
120 中層部材
130 上層部材
200 インソール
240 横アーチ用凸部
250 内側縦アーチ用凸部
260 外側縦アーチ用凸部
270 足底筋膜保護用凹部
360 後足部
312 第1末節骨
313 第2末節骨
314 第3末節骨
315 第4末節骨
316 第5末節骨
342 第1中足骨
343 第2中足骨
344 第3中足骨
345 第4中足骨
346 第5中足骨
352 第1楔状骨
353 第2楔状骨
354 第3楔状骨
356 立方骨
357 舟状骨
362 距骨
363 踵骨
363A 踵骨隆起
363B 筋膜起点部
K 足底筋膜

Claims (3)

  1. 多層構造であり、
    下層部材(110)と、
    前記下層部材の表面に圧着された中層部材と、上層の表皮とで成型されており、
    前記下層部材(110)は、
    横アーチ用凸部、内側縦アーチ用凸部、外側縦アーチ用凸部が成型され、
    さらに、足の後足部に対応する領域に、足の踵骨の踵骨隆起付近から放射状に出る足底筋膜(K)の筋膜起点部を保護するための楕円状の穴が空けられており、
    この楕円状の穴の横アーチ用凸部側となる縁から、この横アーチ用凸部に向かうに従って次第に高さを増す傾斜にされ、かつ、両側の縁が前記楕円状の穴を囲んで前記横アーチ用凸部に向かうに従って次第に幅方向に広がる銅鐸形状にされて、足底筋膜炎、扁平足、外反母趾対策用としたことを特徴とするインソール。
  2. 前記下層部材(110)は、軟弾性部材であることを特徴とする請求項記載のインソール。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のインソールを内蔵した靴。
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