JP3177013U - ハイヒール用インソール及び同インソールを具備したハイヒール - Google Patents

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Abstract

【課題】本考案は、ハイヒール着用時に着用者の足が爪先方向へずれるのを抑制し、最適な位置で足を安定させて、爪先への負担を軽減し、バランスのよい歩行姿勢を保ち、足先の痛みや長時間の歩行や立ち仕事による膝や腰の疲労を軽減できるハイヒール用インソール及び同インソールを具備したハイヒールを提供する。
【解決方法】ハイヒールの中底としてハイヒール製造時に本底に貼着されるインソールにおいて、ヒールの位置に着用者の踵を挿入支持するくぼみが設けられ、ヒールの位置から爪先空間にかけて傾斜する傾斜面に着用者の土踏まずに当接する膨出部が設けられてなるハイヒール用インソールと同インソールを具備したハイヒールによる。
【選択図】図1

Description

本考案は、ハイヒール着用時に着用者の足が爪先方向へずれるのを抑制し、最適な位置で足を安定させ、バランスのよい歩行姿勢を保ち、爪先の痛みや、長時間の歩行・立ち仕事による膝や腰の疲労を軽減できるハイヒール用インソール及び同インソールを具備したハイヒールに関する。
ハイヒール着用者にあっては、踵が爪先より高い位置に存在することから、従来のようにインソールの表面が平坦なハイヒールにおいては、着用者の踵、土踏まずを支持して体重を受け止める機能が弱いので爪先にかかる負担が大きく、爪先の痛みや長時間の歩行・立ち仕事による膝や腰の疲労が問題となり、ひいては歩行姿勢の悪化を伴い、身体のアライメントを損なうことにもつながっていた。
この問題の解消に向けての発明や考案としては、例えば特許文献1には
「ハイヒールなどのヒール段差が大きい靴を履いた場合であっても、人差し指、中指、および薬指における趾節骨と中足骨の接合部分における局部的な圧迫を防止し、当該部位にマメやタコができないようにする」ものとして、
『〔請求項1〕 アウトソールのみからなる単層構造、アウトソールにインソールを積層した二層構造またはアウトソールとインソールの間にミッドソールを介在させた多層構造のうちいずれかの構造になっている靴のソール部材において、
前記各ソールの少なくとも一つに、足の人差し指、中指及び薬指における趾節骨と中足骨の接合部分に対応する部分に配置された接地圧低減部が設けられていることを特徴とする靴のソール部材。
〔請求項2〕 既製靴のソール部材の内面に後付けで着脱自在に取り付け可能なパッド本体よりなる中敷用ソールパッドにおいて、
前記パッド本体に、足の人差し指、中指及び薬指における趾節骨と中足骨の接合部分に対応する部分に配置された接地圧低減部が設けられていることを特徴とする中敷用ソールパッド。
〔請求項3〕 既製靴のソール部材の接地面に後付けで着脱自在に取り付け可能なパッド本体よりなる外付け用ソールパッドにおいて、
前記パッド本体に、足の人差し指、中指及び薬指における趾節骨と中足骨の接合部分に対応する部分に配置された接地圧低減部が設けられていることを特徴とする外付け用ソールパッド。
〔請求項4〕 ソール部材と、このソール部材の後端部から下方に突出するヒール部と、前記ソール部の縁部に連なるアッパーとを有する靴において、
次の(a)、(b)及び(c)のうちいずれか一つまたは二つ以上の部材に、足の人指し部、中指及び薬指における趾節骨と中足骨の接合部分に対応する部分に配置された接地圧低減部が設けられていることを特徴とする靴。(a)前記ソール部材。(b)同ソール部材の内面に後付けで着脱自在に取り付け可能な中敷用ソールパッド。
(c)同ソール部材の接地面に後付けで着脱自在に取り付け可能な外付け用ソールパッド。』
が開示されている。
そして特許文献2には、その〔請求項1〕に
「ハイヒール靴に挿入するための装置であって
(a)着用者の少なくとも踵骨の領域であって踵骨祖面の端の前方の領域の下になるように位置する上面を有する第1の盛り上がった領域を、有する後方部を備え、
前記後方部の第1の上面は、踵骨祖面の前方となる踵骨の領域の下で、該インソールの後から徐々に盛り上がった横方向に延びた実質的に三日月形の区域である部分を有し、
(b)上面を有し、少なくとも着用者の中足骨の骨幹の下になるように位置する第2の盛り上がった領域を有する前方部を備え、
前記前方部の第2の上面は、借用者の中足骨の骨幹の下になるように位置する最高点に向けて徐々に盛り上がる区域を有し、
(c)前記前方部と前記後方部を接続し、前記第1の盛り上がった領域及び前記第2の盛り上がった領域より薄い部分であって、前記第1の上面と前記第2の上面が滑らかな曲線となる中間部を備えた装置」が
そして〔請求項10〕には、
「つま先空間及びかかと部を有するハイヒールに挿入するためのインソールであって、
(a)着用者の少なくとも踵骨の領域であって踵骨祖面の端の前方の領域の下になるように位置する上面を有する第1の盛り上がった領域を、有する後方部を備え、
前記後方部の第1の上面は、踵骨祖面の前方となる踵骨の領域の下で、該インソールの後から徐々に盛り上がった横方向に延びた実質的に三日月形の区域である部分を有し、
(b)上面を有し、少なくとも着用者の中足骨の骨幹の下になるように位置する第2の盛り上がった領域を有する前方部を備え、
前記前方部の第2の上面は、借用者の中足骨の骨幹の下になるように位置する最高点に向けて徐々に盛り上がる区域を有し、
(c)前記前方部と前記後方部を接続し、前記第1の盛り上がった領域及び前記第2の盛り上がった領域より薄い部分であって、前記第1の上面と前記第2の上面が滑らかな曲線となる中間部を備えた装置(a)着用者の少なくとも踵骨の領域であって踵骨祖面の端の前方の領域の下になるように位置する上面を有する第1の盛り上がった領域を、有する後方部を備えたインソール。」
が開示されている。
特開2006−42983号公報 特許第4634999号公報
特許文献1に記載された発明は、ハイヒール着用時の人差し指、中指、および薬指における趾節骨と中足骨の接合部分における局部的な圧迫を防止するものであって、ヒールの段差によって着用者の足が爪先方向へずれるのを抑制して爪先への負担を軽減することまでの考慮がなされておらず、不十分な感は否めない。
特許文献2に記載された発明のインソールは、その段落〔0016〕の記載事項から、「かかと側の端部が靴の後部にくるようにして、第1の盛り上がった領域110が着用者のかかとの骨の前縁部の実質的にすぐ前方下になるようにハイヒール靴の内部に配置される。……第2の盛り上がった領域は、中足骨の骨幹と指骨とによって形成される関節部の下に配置される。……したがって、インソールを収容した靴内に足を入れたとき、第1の盛り上がった領域は、かかとを、基面4に対してほぼ平行および/またはわずかに後傾した実質的に平らな表面上に配置する働きをする。第2の盛り上がった領域は、足の中足骨の骨幹を、それが第2の盛り上がった領域上に形を合わせて支えられるように位置決めされており、安定化して支持する。従来技術の教示とは異なり、着用者の足の土踏まずを支持するための盛り上がった領域を……形成するのではなく、……本発明では、従来の土踏まず支持部が通常配置される靴のミッドソール部分では、足の土踏まずの下の領域はくぼみ、土踏まずは支持されない。」
と理解される。
本考案は、上記背景技術に鑑みてなされたもので、ハイヒール着用時に着用者の足が爪先方向へずれるのを抑制し、最適な位置で足を安定させ、バランスのよい歩行姿勢を保ち、長時間の歩行や立ち仕事による膝や腰の疲労を軽減できるハイヒール用インソールを提供するものである。
本考案者は、上記課題を下記の手段により解決した。
(1)ハイヒールの中底としてハイヒール製造時に本底に貼着されるインソールにおいて、ヒールの位置に着用者の踵を包み込むようにして支持するくぼみが設けられ、また該ヒールの位置から爪先空間にかけて傾斜する傾斜面に着用者の土踏まずに当接する膨出部が設けられてなることを特徴とするハイヒール用インソール。
(2)前項(1)に記載されたハイヒール用インソールが、前記くぼみと土踏まずに当接する膨出部とが設けられたインソール後方部と、前記後方部の前方に一体として形成されハイヒールの爪先空間に装着される前方部とで構成され、前記後方部がハイヒールを着用したときに着用者の踵と土踏まずを確実に支持して着用者の足が前記ハイヒールの傾斜面の傾斜によって前方に移動することを抑制できる硬度を有し、前記前方部が着用者の歩行が容易になるよう前記後方部と可撓性を持たせて一体に形成されてなるものであることを特徴とするハイヒール用インソール。
(3)前項(1)又は(2)に記載のハイヒール用インソールが、ポリプロピレンで形成されてなるものであることを特徴とするハイヒール用インソール。
(4)前項(1)〜(2)のいずれか1項に記載のハイヒール用インソールが本底に貼着されてなることを特徴とするハイヒール。
本考案のハイヒール用インソールによって下記の効果が発揮される。
〈1〉ハイヒールの中底としてハイヒール製造時に本底に貼着されるインソールにおいて、ヒールの位置に着用者の踵を包み込むようにして支持するくぼみが設けられ、また該ヒールの位置から爪先空間にかけて傾斜する傾斜面に着用者の土踏まずに当接する膨出部が設けられているので、着用者の踵が前記くぼみに挿入されてほぼ水平状態で支持されるため、踵にかかる体重の大部分がハイヒールのヒールに加わり、また傾斜面の膨出部が着用者の土踏まず全面に当接して足裏を支持するため、着用者の足の前方への移動が抑制され、最適な位置で安定させられことから、バランスのよい歩行姿勢が保たれ、長時間の歩行や立ち仕事による膝や腰の疲労軽減が図れ、ひいては身体のアライメントの向上に資する。
〈2〉前記ハイヒール用インソールが、前記くぼみと土踏まずに当接する膨出部とが設けられたインソール後方部と、前記後方部の前方に一体として形成されハイヒールの爪先空間に装着される前方部とで構成され、前記後方部がハイヒールを着用したときに着用者の踵と土踏まずを確実に支持して着用者の足が前記ハイヒールの傾斜面の傾斜によって前方に移動することを抑制できる硬度を有し、前記前方部が着用者の歩行が容易になるよう前記後方部と可撓性を持たせて一体に形成されているので、着用者の足の前方への移動がより確実に抑制され、歩きやすく、バランスのよい歩行姿勢が保たれ、長時間の歩行や立ち仕事による膝や腰の疲労軽減が図れ、ひいては身体のアライメントの向上に資する。
〈3〉前記ハイヒール用インソールが、ポリプロピレンで形成されているので、ハイヒールの軽量化が図られ、着用者の足への負担を軽減でき、使用時における変形もなく、着用感の優れたハイヒールが提供できる。
(4)本発明のハイヒール用インソールが具備されたハイヒールによって、着用者の足の前方への移動がなくなり、爪先にかかる負担が減少され、、歩きやすく、バランスのよい歩行姿勢が保たれ、長時間の歩行や立ち仕事による膝や腰の疲労軽減が図れ、ひいては身体のアライメントの向上に資する。
本考案のハイヒール用インソールの斜視図 図1に示すハイヒール用インソールのA−A断面図 本考案のハイヒール用インソールと着用者の足裏との位置関係を示す斜視図
本考案のハイヒール用インソールを実施するための形態を、実施例の図に基づいて説明する。
図1は、本考案のハイヒール用インソールの斜視図、図2は図1に示すハイヒール用インソールのA−A断面図、図3は本考案のハイヒール用インソールと着用者の足裏との位置関係を示す斜視図である。
図において1はハイヒール用インソール、1aは後方部、1bは前方部、2はくぼみ、3は膨出部、10はハイヒール、11はヒール、12は爪先空間、13は傾斜面、21は踵、22は土踏まずを示す。
本考案のハイヒール用インソール1は、図1および図3に示すように、ヒール11の位置に着用者の踵21を包み込むようにして支持するくぼみ2と、該ヒール11の位置から爪先空間12にかけて傾斜する傾斜面13に着用者の土踏まず22に当接する膨出部3とが設けられている。
そして、前記ハイヒール用インソール1が、前記くぼみと土踏まずに当接する膨出部とが設けられたインソール後方部1aと、前記後方部1aの前方に一体として形成されハイヒールの爪先空間に装着される前方部1bとで構成され、前記後方部1aがハイヒール10を着用したときに着用者の踵21と土踏まず22を確実に支持して着用者の足が前記ハイヒール10の傾斜面13の傾斜によって前方に移動することを抑制できる硬度を有し、
前記前方部1bが着用者の歩行が容易になるよう前記後方部1aと可撓性を持たせて一体に形成されている。
そして前記ハイヒール用インソール1は、軽量で着用時にかかる足への負担が少なく、また使用中の変形が防げることから、ポリプロピレンで形成されることが好ましく、また。踵21と土踏まず22を支持する後方部1aの硬度を高めるために必要に応じてその表面にマイクロファイバーのコーティングを施すことも行われてよい。
図2の断面図に示すように、本考案のハイヒール用インソール1は、ヒール11の位置に踵21を包み込むように支持するくぼみ2を設けたことによって、着用者の踵21をほぼ水平状態に支持して踵21にかかる体重の大部分をハイヒール10のヒール11に加わるようにしたことと、前記ハイヒール10の傾斜面13に相当する部分に設けた膨出部3が着用者の土踏まず22の全面に的確に当接して体重を受け止めるとともに、前記膨出部3と足裏の接触抵抗によって着用者の足が前方へ移動するのを抑止することとから、バランスのよい歩行姿勢が保て、従来のハイヒール着用時に起こりがちであった爪先の痛みや、長時間の歩行・立ち仕事による膝や腰の疲労を軽減でき、ひいては身体のアライメントの向上に資するものとなっている。
図3は本考案のハイヒール用インソールと、着用者の足裏及び装着されるハイヒールとの位置関係を示す斜視図である。理解を容易にするため着用者の足の図(上図)、及びハイヒール10の図(下図)にハイヒール用インソール1の当接あるいは貼着位置を点線で示した。
図3に見られるように、本考案のハイヒール用インソール1を具備したハイヒール10に着用者が足を入れると、着用者の踵21がインソール1のくぼみ2に挿入され、前記くぼみ2によって包み込まれるようにして支持され、着用者の土踏まず22の前面が膨出部3に当接して支持され、爪先部分が可撓性又は半可撓性を備えた前方部1b上に載置されるので、着用者の足を最適な位置で安定に支持してバランスのよい歩行姿勢を保ち、爪先の痛みや、長時間の歩行・立ち仕事による膝や腰の疲労の軽減が図れる。
1:ハイヒール用インソール
1a:後方部
1b:前方部
2:くぼみ
3:膨出部
10:ハイヒール
11:ヒール
12:爪先部
13:傾斜面
21:踵
22:土踏まず

Claims (4)

  1. ハイヒールの中底としてハイヒール製造時に本底に貼着されるインソールにおいて、
    ヒールの位置に着用者の踵を包み込むようにして支持するくぼみが設けられ、また該ヒールの位置から爪先空間にかけて傾斜する傾斜面に着用者の土踏まずに当接する膨出部が設けられてなることを特徴とするハイヒール用インソール。
  2. 請求項1に記載されたハイヒール用インソールが、前記くぼみと土踏まずに当接する膨出部とが設けられたインソール後方部と、前記後方部の前方に一体として形成されハイヒールの爪先空間に装着される前方部とで構成され、前記後方部がハイヒールを着用したときに着用者の踵と土踏まずを確実に支持して着用者の足が前記ハイヒールの傾斜面の傾斜によって前方に移動することを抑制できる硬度を有し、前記前方部が着用者の歩行が容易になるよう前記後方部と可撓性を持たせて一体に形成されてなるものであることを特徴とするハイヒール用インソール。
  3. 請求項1又は2に記載のハイヒール用インソールが、ポリプロピレンで形成されてなるものであることを特徴とするハイヒール用インソール。
  4. 請求項1〜2のいずれか1項に記載のハイヒール用インソールが本底に貼着されてなることを特徴とするハイヒール。
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