JP6608639B2 - 熱収縮性筒状ラベル - Google Patents
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Description
かかる特許文献1には、包装容器の容器本体とキャップとにまたがって周方向に巻き付けられる熱収縮性の表示ラベルの、キャップ側領域を本体側領域から切離すために周方向に形成される切離し予定帯状部において、その切離し予定帯状部の切断を開始するために端部が摘み部とされ、その摘み部を2層に構成するために、容器に巻き付けられる状態で該切離し予定帯状部の両端部が重なり合うように、少なくとも該切離し予定帯状部の長さが前記包装容器の周長より長く形成され、その重なり合うことが予定される両端部のうち、外側に位置することとなる外側端部には摘み部の突出外形が付与され、内側に位置することとなる内側端部には該突出外形とともに摘ままれる切離し領域を分断する分断線が形成され、かつ少なくともその突出外形の部分において、それら突出外形と切離し領域とを接着する粘着層を備える包装容器用表示ラベルが開示されている。
特許文献1の摘み部は、外側端部に付与された摘み部の突出外形と、内側端部に形成された分断線によって切り離し可能とされた切離し領域と、を接着した2層構造であるので、摘み部が熱収縮し難くなる。このため、特許文献1のラベルは、容器に装着後においても摘み部の本来の形態を確保できる。
具体的には、特許文献1の摘み部を構成する切離し領域は、ラベルの面内に形成された分断線によって切り離し可能とされた領域である。かかるラベルの摘み部を摘むためには、前記分断線から切離し領域を含む摘み部を引き起こさなければならないが、分断線は、線状の切り目であるため、前記摘み部を引き起こし難い。特に、2層構造である摘み部は、装着後の形態が装着前の形態と余り変化しないので、前記分断線が拡がらず、摘み部を引き起こし、これを摘み難い。
好ましくは、前記第2領域の先端部が、前記第1領域の周方向一方側における先端縁を基準にして、その先端縁から周方向一方側に延出されている。
なお、本明細書において、「上」及び「下」は、熱収縮性筒状ラベルが装着されたラベル付き容器を自立させた状態を基準にしている。
各図に示される部分及び部材の寸法、縮尺及び形状は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、容器に装着される前から筒状に形成されている態様でもよく、容器に装着された際に筒状に形成される態様でもよい。
容器に装着される前から筒状に形成されている熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムの第1側端部の表面に第2側端部の裏面を重ね合わせて接着することにより、筒状に形成されている。この熱収縮性筒状ラベルは、容器に外嵌した後、加熱することによって、周方向に熱収縮して容器に密着装着される。かかる熱収縮性筒状ラベルは、筒状シュリンク、シュリンクラベルなどとも呼ばれる。
容器に装着された際に筒状に形成される熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムの第1側端部の裏面を容器に部分接着し、熱収縮性フィルムを容器の周囲に巻き付けた後、熱収縮性フィルムの第1側端部の表面に第2側端部の裏面を接着することにより、筒状に形成される。この熱収縮性筒状ラベルは、容器を利用しつつ熱収縮性フィルムを筒状に形成するものである。この熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムを容器に巻き付けて筒状にした後、加熱することによって、周方向に熱収縮して容器に密着装着される。かかる熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性巻付けラベル、巻付けシュリンクなどとも呼ばれる。
何れの態様の熱収縮性筒状ラベルも、熱収縮性フィルムの第1側端部と第2側端部を重ね合わせて所定幅接着することにより、筒状に形成される。
容器に装着された際に筒状に形成される熱収縮性筒状ラベルは、一般に、長尺帯状のフィルムの態様で提供され、容器に装着する直前に前記長尺帯状のフィルムを切断することによって1枚の枚葉状のフィルムを得、これを容器に巻き付けて筒状に形成される。
図1乃至図3では、容器に装着された際に筒状に形成される熱収縮性筒状ラベルを示している。
以下、容器に装着された際に筒状に形成される態様の熱収縮性筒状ラベルを主として説明する。
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、熱収縮性フィルム2の主たる熱収縮方向が容器の周方向となるように、熱収縮性フィルム2を容器9に巻付け、その第1側端部21の表面に第2側端部22の裏面を重ね合わせることによって形成される。熱収縮性筒状ラベル1において、熱収縮性フィルム2の第2側端部22は第1側端部21よりも外側に位置する。熱収縮性フィルム2の第2側端部22は、それを熱収縮性筒状ラベル1として形成した際に、外側フィルム部32となり、熱収縮性フィルム2の第1側端部21は、内側フィルム部31となる。
熱収縮性フィルム2の横方向の長さは、熱収縮性フィルム2の第1側端部21と第2側端部22とを重ね合わせるために、容器9の周長よりも大きい。例えば、熱収縮性フィルム2の横方向の長さは、容器9の周長よりも5mm〜30mm大きい。このような熱収縮性フィルム2を用いて熱収縮性筒状ラベル1を形成した際には、周方向長さ5mm〜30mmの重合部が形成される。熱収縮性フィルム2の縦方向の長さは、特に限定されず、容器9の軸方向長さよりも大きくてもよいし、或いは、小さくてもよいし、或いは、同じでもよい。なお、熱収縮性フィルム2の横方向は、容器9に密着装着させた際に容器9の周方向となる方向であり、熱収縮性フィルム2の縦方向は、前記横方向と直交する方向(容器9に密着装着させた際に容器9の軸方向となる方向)である。
また、熱収縮性フィルム2の第1側端部21及び第2側端部22は、熱収縮性フィルム2の横方向において向かい合っており、いずれの側端部21,22も縦方向に延びる熱収縮性フィルム2の一部の帯状領域である。
前記熱収縮性フィルム2の厚みは、特に限定されないが、例えば20μm〜100μm、更に、20μm〜60μm程度のものを用いることができる。
なお、熱収縮性フィルム2には、必要に応じて、所望のデザイン印刷が施される。ただし、デザイン印刷は、図示しない。
第1切り目51及び第2切り目52は、何れも両端部511,511,521,521を有し、その両端部から横方向第2縁2b側へと膨らむ平面視非直線状に形成されている。かかる第1切り目51及び第2切り目52のそれぞれは、平面視において、その両端部から横方向一方側に突出した凸状とされている。
かかる第1領域31b及び第2領域32bのそれぞれは、図示のような平面視略台形状などの略四角形状に形成されている。もっとも第1切り目51及び第2切り目52の形状を変更することにより、第1領域31b及び第2領域32bを平面視略半円状、略三角形状などに形成してもよい。
好ましくは、第1切り目51に第2切り目52を重ね合わせた際に、第1縦線部513及び第2縦線部523を除いて第1切り目51と第2切り目52が一致するような形状に両切り目51,52は形成されている(換言すると、第1切り目51と第2切り目52は、第1縦線部513及び第2縦線部523を除いて同じ形状である)。より好ましくは、第2切り目52を熱収縮性フィルム2の横方向に平行移動させると、第1縦線部513及び第2縦線部523を除いて、第1切り目51と第2切り目52が一致するような位置に両切り目51,52は形成されている。また、第1切り目51の下方の端部511から第2切り目52の下方の端部521までの横方向長さは、容器9の周長に略等しい。
そして、熱収縮性フィルム2を容器9に巻き付けて筒状体3を形成した際に、前記第1領域31bに第2領域32bが重なるように、熱収縮性フィルム2の横方向長さが適宜設定され、且つ第1切り目51及び第2切り目52が適宜配置されている。
前記切取り補助線6は、その線に沿って熱収縮性フィルム2を容易に分断できるものであれば特に限定されず、例えば、ミシン目線、ハーフカット線などを用いることができる。これらは単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。
切取り補助線6としてミシン目線を用いる場合には、その形成部分を極めて容易に分断できることから、その貫通孔の長さ(貫通孔が円形状の場合には直径。以下同じ)が、例えば、0.5mm〜2mm程度に形成され、且つその非貫通部の長さが、例えば、0.5mm〜2.5mm程度に形成されていることが好ましい。また、切取り補助線6として、マイクロミシン目線を用いることもできる。なお、マイクロミシン目線は、ミシン目線であって、貫通孔の長さと非貫通部の長さがそれぞれ0.3mm〜0.8mm程度のものをいう。
接着部が設けられた範囲を判りやすく示した図5も参照して、前記接着部は、熱収縮性フィルム2の裏面に部分的に設けられている。具体的には、接着部は、切取り補助線6の下方近傍部を除いて、切取り補助線6よりも下方の領域全体に設けられた第1接着部71と、第2領域32bのうちその先端部を除いて、第2側端部22に設けられた第2接着部72と、からなる。第1接着部71のうち第1側端部21に設けられた部分は、熱収縮性フィルム2を容器9に巻き付ける際に、容器9に最初に接着させるための部分である。第2接着部72は、熱収縮性フィルム2の第1側端部21の表面に第2側端部22の裏面を重ね合わせて接着するための部分である。
接着部の形成方法は、特に限定されず、例えば、熱収縮性フィルム2の裏面のうち、前記第1及び第2接着部71,72の形成予定範囲のみに粘着剤又は接着剤を塗布してもよいし、熱収縮性フィルム2の裏面全体に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着剤層(又は接着剤層)を形成し、前記第1及び第2接着部71,72の形成予定範囲以外をマスキングしてもよい。感熱型粘着剤又は感熱型接着剤を用いる場合には、前者の形成方法が好ましく、感圧型粘着剤を用いる場合には、後者の形成方法が好ましい。
図6及び図7では、熱収縮性フィルム2の裏面全体に感圧型粘着剤を塗布して粘着剤層Aを形成し、その粘着剤層Aの裏面のうち第1及び第2接着部71,72の形成予定範囲以外にマスキング剤を塗布してマスキング層Bを形成することにより、第1及び第2接着部71,72が形成されている。
マスキング剤は、粘着剤の粘着力を実質的に隠蔽できるものであれば特に限定されず、例えば、紫外線硬化型インキなどを用いることができる。
粘着剤層A及びマスキング剤層Bの厚みは、それぞれ特に限定されず、例えば、粘着剤層Aの厚みは、10μm〜30μmであり、マスキング層Bの厚みは、1μm〜10μmである。
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、第1切り目51及び第2切り目52のいずれも熱収縮性フィルム2の面内に形成されているため、熱収縮性フィルム2を容器9の周囲に巻き付ける際に摘み部が邪魔になることがなく、ラベリング適性に優れる。
この筒状体3の重合部23の一部分には、内側フィルム部31の一部分である第1領域31bと、外側フィルム部32の一部分である第2領域32bと、からなる摘み部4が区画されている。つまり、外側フィルム部32と内側フィルム部31とからなる重合部23の一部分は、第1切り目51と第2切り目52によって区画され、第1領域31bと第2領域32bとからなる摘み部4とされている。この摘み部4は、第1切り目51及び第2切り目52の両端部の間において筒状体3に一体的に繋がっており、第1切り目51及び第2切り目52において筒状体3(重合部23)から分離されている。その摘み部4の先端部は、前記筒状体3の周方向一方側に配置され、摘み部4の基端部は前記筒状体3の周方向反対側に配置されている。本実施形態では、摘み部4は、その基端部において筒状体3に繋がっている。
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、摘み部4の先端部において外側延出片部32aが延出され且つ摘み部4を構成する外側フィルム部32及び内側フィルム部31のうち前記外側延出片部32aを除いて両部31,32が接着されているので、熱収縮時に、摘み部4は、外側フィルム部32と内側フィルム部31が接着された部分においてほとんど熱収縮せず、且つ外側延出片部32aにおいて周方向に熱収縮するようになる。外側延出片部32aが熱収縮することにより、図9及び図10に示すように、外側延出片部32aが筒状体3の径外方向(外側)に反るようになる。
かかる外側延出片部32aが反り出るので、この外側延出片部32aに指を掛けて摘み部4を容易に摘むことができる。そして、摘み部4を摘んでこれを周方向に回しつつ外側に引き出すことにより、図11に示すように、筒状体3(熱収縮性筒状ラベル1)を切取り補助線6に沿って容易に切り取ることができ、ラベル付き容器10を開封することができる。
また、外側延出片部32a(摘み部4を形成する片部)は筒状体3の面内に設けられているため、熱収縮性フィルム2の第2側端部22の第2縁2b全体が第1側端部21の表面に接着されることになり、重合部23の側端部からの不用意なラベルの捲れ等を防止できる。
上記第1実施形態では、摘み部4の先端部において、外側フィルム部32が延出されているが、摘み部4の先端部において、外側フィルム部32と内側フィルム部31の双方が延出され、その延出された部分が互いに非接着とされていてもよい。
具体的には、本実施形態の熱収縮性筒状ラベル1を構成する熱収縮性フィルム2は、図12及び図13に示すように、第1切り目51と第2切り目52が、同一の平面視形状に形成されている。つまり、第1切り目51に第2切り目52を重ね合わせた際に、第1切り目51と第2切り目52が一致するような形状に両切り目51,52は形成されている。熱収縮性フィルム2を容器9に巻き付けて筒状体3を形成した際に、前記第1領域31bに第2領域32bが重なるように、熱収縮性フィルム2の横方向長さが適宜設定され、且つ前記第1切り目51及び第2切り目52が適宜配置されている。
その他の点は、上記第1実施形態と同様である。
この筒状体3の重合部23の一部分には、第1領域31bと第2領域32bが完全に一致して重なった摘み部4が区画されているが、摘み部4の先端部において、摘み部4を構成する内側フィルム部31と外側延出片部32aが部分的に延出されている。摘み部4の先端部において内側フィルム部31が延出された部分を、内側延出片部31aといい、摘み部4の先端部において外側フィルム部32が延出された部分を、外側延出片部32aという場合がある。この内側延出片部31aと外側延出片部32aは、互いに非接着とされ、摘み部4を構成する内側フィルム部31(第1領域31b)及び外側フィルム部32(第2領域32b)は、前記内側延出片部31a及び外側延出片部32aを除いて互いに接着されている。なお、内側延出片部31a及び外側延出片部32aは、それぞれ、何れにも接着されていない自由片部である。
上記各実施形態では、摘み部4の先端部において自由片部である外側延出片部32aが延出されているが、摘み部4の先端部以外からも外側延出片部32aが延出されていてもよい。
例えば、図18に示すように、非接着とされた外側延出片部32aが、摘み部4の先端部及び摘み部4の側端部から延出され、その外側延出片部32aが非接着とされていてもよい。このような熱収縮性筒状ラベル1は、例えば、第1領域31bが第2領域32bよりも小面積となるように第1切り目51を形成した熱収縮性フィルム2を用い、それを筒状に形成することによって得ることができる。
上記各実施形態では、切取り補助線6が容器9の胴部91とキャップ部92の間に対応するようにして熱収縮性フィルム2が容器に巻き付けられているが、これに限定されず、例えば、図19に示すように、切取り補助線6が容器9の胴部91の上端よりも少し下側に対応するように位置合わせしつつ熱収縮性フィルム2を容器に巻き付けることによって、熱収縮性筒状ラベル1が形成されていてもよい。
その他、図示しないが、切取り補助線6が容器9のキャップ部92の下端よりも少し上側に対応するように位置合わせして熱収縮性フィルム2を容器に巻き付けてもよい。
2 熱収縮性フィルム
3 筒状体
31 内側フィルム部
32 外側フィルム部
31a 内側延出片部
32a 外側延出片部
4 摘み部
6 切取り補助線
9 容器
10 ラベル付き容器
Claims (4)
- 熱収縮性フィルムを筒状に形成した周方向に熱収縮可能な筒状体であって、重合部の面内に摘み部が形成されている筒状体を有し、
前記熱収縮性フィルムの第1側端部の面内には、両端部を有し且つその両端部から周方向一方側に膨らむ平面視非直線状の第1切り目が形成され、
前記熱収縮性フィルムの第2側端部の面内には、両端部を有し且つその両端部から周方向一方側に膨らむ平面視非直線状の第2切り目が形成され、
前記重合部が、前記第1側端部を内側フィルム部とし且つ前記第2側端部を外側フィルム部として両側端部を重ね合わせ、前記第1切り目で囲われた第1領域及び前記第2切り目で囲われた第2領域以外を接着することによって形成されており、
前記摘み部が、前記第1領域及び第2領域からなり、前記第2領域の周方向一方側における先端部を除いて、前記第1領域と第2領域を接着することによって形成されている、熱収縮性筒状ラベル。 - 前記第2領域の先端部が、前記第1領域の周方向一方側における先端縁を基準にして、その先端縁から周方向一方側に延出されている、請求項1に記載の熱収縮性筒状ラベル。
- 熱収縮性フィルムを筒状に形成した周方向に熱収縮可能な筒状体であって、重合部の面内に摘み部が形成されている筒状体を有し、
前記熱収縮性フィルムの第1側端部の面内には、両端部を有し且つその両端部から周方向一方側に膨らむ平面視非直線状の第1切り目が形成され、
前記熱収縮性フィルムの第2側端部の面内には、両端部を有し且つその両端部から周方向一方側に膨らむ平面視非直線状の第2切り目が形成され、
前記重合部が、前記第1側端部を内側フィルム部とし且つ前記第2側端部を外側フィルム部として両側端部を重ね合わせ、前記第1切り目で囲われた第1領域及び前記第2切り目で囲われた第2領域以外を接着することによって形成されており、
前記摘み部が、前記第1領域及び第2領域からなり、前記第1領域の周方向一方側における先端部及び前記第2領域の周方向一方側における先端部を除いて、前記第1領域と第2領域を接着することによって形成されている、熱収縮性筒状ラベル。 - 前記筒状体の面内に、前記摘み部の基端部又はその近傍部から周方向に延びる切取り補助線が形成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱収縮性筒状ラベル。
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