JP6607856B2 - 切削工具組立体及びシャンク - Google Patents

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Description

本発明はV-タイプ切削インサートとクランピングレバーを含む切削工具組立体とこのような切削工具組立体のシャンクに関するものである。
切削インサートをシャンクに固定するレバーを用いる技術が知られている。国際標準化機構(ISO)によれば、切削インサートは、その平面形状によって特定のアルファベットで表され得る。例えば、正三角形の切削インサートはT-タイプ切削インサートといい、正方形の切削インサートはS-タイプ切削インサートといい、35度の逃げ角を有する菱形形状の切削インサートはV-タイプ切削インサートという。
図1は従来技術のT-タイプ切削インサート及びT-タイプレバーと、従来技術のV-タイプ切削インサート及びV-タイプレバーを示す。図1を参照すると、T-タイプレバー10Tは、T-タイプ切削インサート20Tをシャンクにクランピングし、V-タイプレバー10Vは、V-タイプ切削インサート20Vをシャンクにクランピングする。T-タイプ及びV-タイプレバー10T,10Vは、切削インサートに平行に延長部11T,11Vをそれぞれ備える。V-タイプ切削インサート20Vの長さがT-タイプ切削インサート20Tより長いので、V-タイプレバー10Vの延長部11VはT-タイプレバー10Tの延長部11Tより長く形成される。しかし、延長部11Vが長くなれば、同一のクランピング力の下で延長部11Vの強度を弱化させる。従って、V-タイプレバー10Vは切削加工中に要求されるクランピング力により曲がったり破損し得て、これはV-タイプ切削インサート20Vに対するV-タイプレバー10Vのクランピング力の弱化をもたらす。このような問題を解決し、レバーがV-タイプの切削インサートを迅速かつ堅固に固定できる切削工具組立体の開発が要求されている。
本発明は前記のような問題を解決するためのものである。本発明は、クランピングレバーがV-タイプの切削インサートを迅速かつ堅固に固定できる切削工具組立体及びこのような切削工具組立体のシャンクを提供する。
本発明の一側面は、切削工具組立体を提供する。例示的な実施例による切削工具組立体は、シャンクと、シムと、切削インサートと、クランピングレバーと、セットスクリュとを含む。シャンクは、上方から形成され底壁を有するインサートポケットと、底壁から下方に形成されるレバー収容部と、底壁に対して垂直に配置され下方から形成されるスクリュホールとを含む。シムは、インサートポケットの底壁に置かれる。シムは、上面と下面の中央を貫通するシムボアを含む。切削インサートは、シムの上面に置かれ、菱形形状を有する。切削インサートは、上面及び下面と、上面と下面との間に位置する複数の側面と、上面と下面の中央を貫通するインサートボアとを含む。クランピングレバーは、レバー収容部に収容される。クランピングレバーは、インサートポケットの底壁に対して垂直に配置される第1延長部と、第1延長部の下端からインサートポケットの底壁に対して平行に延長する第2延長部とを含む。セットスクリュは、スクリュホールに締結される。セットスクリュは、上側に位置するスクリュヘッドと、下側に位置するネジ部と、スクリュヘッドとネジ部との間に位置し、第2延長部の先端と係わり合う係合溝とを含む。シムは、スクリュヘッドとの干渉を回避するように形成された回避部を含む。
一実施例において、回避部はシムの長手方向における一側でシムの側面に互いに対向するように形成された一対の凹面と、一対の凹面の間に配置される凸面とを含む。
一実施例において、シムの上面及び下面は菱形形状を有する。回避部は、シムの長手方向における一側でシムの側面に互いに対向するように形成された一対の凹部を含む。
一実施例において、第1延長部は、第2延長部と同一の方向に突出するクランピングヘッドを含む。インサートボアは、切削インサートの上面から前記切削インサートの下面に行くほど減少する直径を有する傾斜内周面を含む。クランピングヘッドは、クランピングヘッドの上端から下方に向かって傾斜した傾斜加圧面を含む。
一実施例において、第2延長部は、第2延長部の先端に形成され、セットスクリュの係合溝に係わり合う係合部を含む。係合部は、第2延長部の上側から下方に傾斜した第1傾斜係合面と、第2延長部の下側から上方に傾斜した第2傾斜係合面とを含む。係合溝は、スクリュヘッドから下方に行くほど減少する直径を有し、第1傾斜係合面と当接する第1テーパ部と、ネジ部から上方に行くほど減少する直径を有し、第2傾斜係合面と当接する第2テーパ部とを含む。
一実施例において、切削工具組立体は、シムボアを貫通してレバー収容部に嵌められるシムピンをさらに含む。シムは、シムの上面から下方に行くほど減少する直径を有する傾斜部を含む。シムボアは、上方から下方に行くほど直径が減少し、シムの傾斜部にかかる傾斜部と、シムピンの傾斜部の下端から一定の直径を有するように延長し、シムボアを貫通してレバー収容部に嵌められる延長部とを含む。
一実施例において、スクリュホールは、スクリュヘッドが位置する軸方向延長部を含む。軸方向延長部は、インサートポケットの底壁と部分的に重畳する軸方向延長部とを含む。
一実施例において、クランピングレバーは、第1延長部と第2延長部が接する位置で、第2延長部の延長方向の反対方向に突出する支持部をさらに含む。
他の例示的な実施例による切削工具組立体は、シャンクと、切削インサートと、クランピングレバーと、セットスクリュとを含む。シャンクは、上方から形成され底壁を有するインサートポケットと、底壁から下方に形成されるレバー収容部と、底壁に対して垂直に配置され下方から形成されるスクリュホールとを含む。切削インサートは、インサートポケットの底壁上に配置され、菱形形状を有する。クランピングレバーは、レバー収容部に収容される。クランピングレバーは、インサートポケットの底壁に対して垂直に配置される第1延長部と、第1延長部の下端からインサートポケットの底壁に対して平行に延長する第2延長部とを含む。セットスクリュは、スクリュホールに締結される。シャンクを上方から見るとき、セットスクリュは第1延長部と重ならず、かつ、セットスクリュの一部切削インサートの一部と重畳する。セットスクリュは、シャンクの下方からスクリュホールに締結される。
一実施例において、切削工具組立体は、インサートポケットの底壁と切削インサートとの間に配置されるシムをさらに含む。
本発明の他側面は、切削工具組立体のシャンクを提供する。例示的な実施例によるシャンクは、インサートポケットと、レバー収容部と、スクリュホールとを含む。インサートポケットは、上方から形成され、底壁を有するレバー収容部は、底壁から下方に形成され、インサートポケットの底壁に対して垂直に配置される第1延長部を有するL字状クランピングレバーを収容する。セットスクリュは、スクリュホールに締結される。スクリュホールは、底壁に対して垂直に配置され下方から形成される。スクリュホールは、インサートポケットの底壁の下方に位置する。シャンクを上方から見るとき、スクリュホールは、第1延長部が収容されるレバー収容部の空間部分と重ならず、かつ、スクリュホールの一部がインサートポケットの一部と重畳する。
一実施例において、インサートポケットは、底壁と切削インサートとの間に配置されるシムの側面と接する下部側壁を含む。下部側壁はシムの側面に向かって凸曲面を含む。
切削工具組立体によると、切削インサートがクランピングレバーによりインサートポケットに固定され、シムがスクリュヘッドとの干渉を回避するように形成された回避部を含む。従って、切削インサートのインサートボアの中心からスクリュホールまでの距離が減少し得る。従って、クランピングレバーの強度を弱化させずに切削インサートをクランピングレバーを用いて迅速かつ堅固に固定したり、迅速かつ容易に分離することが可能である。また、切削工具組立体は、シャンクまたは切削インサートの上側に別途のクランピング装置を備える必要がない。これは、シャンクまたは切削インサートの上側に他の装置(例えば、冷却装置等)を設けることが可能である。
切削工具組立体を上側から見るとき、セットスクリュが切削インサートと少なくとも部分的に重畳するように配置され、セットスクリュがシャンクの下方からスクリュホールに締結される。従って、切削インサートの中心からスクリュホールまでの距離が減少し得る。従って、クランピングレバーの強度を弱化させずに切削インサートをクランピングレバーを用いて迅速かつ堅固に固定したり、迅速かつ容易に分離することが可能である。
従来技術のT-タイプ切削インサート及びそのクランピングレバーと従来技術のV-タイプ切削インサート及びそのクランピングレバーを概略的に示す。 一実施例による切削工具組立体を示した斜視図である。 図2に示した切削工具組立体の平面図である。 図2に示したシャンクを示した斜視図である。 図2に示したシムを示した斜視図である。 異なる例によるシムを示した斜視図である。 図2に示したV-タイプ切削インサートを示した斜視図である。 図2に示したクランピングレバーを示した斜視図である。 一実施例による切削工具組立体のセットスクリュを示した斜視図である。 一実施例による切削工具組立体のシムピンを示した斜視図である。 図3のXI−XI線に沿って取った断面図である。 図3のXII−XII線に沿って取った断面図である。
添付した図面を参照して切削工具組立体の実施例を説明する。図面で同一または対応する部分には同一の参照符号が付与されている。
図2及び図12を参照すると、一実施例による切削工具組立体100は、シャンク110と、シム120(shim)と、切削インサート130と、クランピングレバー140と、セットスクリュ150とを含む。
シャンク110は、その後端で工具本体(図示せず)に連結される。切削インサート130は、シャンク110の先端に装着される。図4に示した通り、シャンク110の先端のコーナー部には、シム120及び切削インサート130を収容するためのインサートポケット111が形成される。インサートポケット111は、シャンク110の上方から下方に形成され、シャンク110の上方から下方に凹む。インサートポケット111は、底壁112と、切削インサート130の側面132と接する上部側壁113と、シム120の側面122と接する下部側壁114とを含む。底壁112は扁平に形成される。底壁112には、クランピングレバー140を収容するためのレバー収容部115が底壁112から下方に形成される。上部側壁113は、切削インサート130の側面132の形状に対応するように扁平である。下部側壁114は、シム120の側面122の形状に対応する複数の曲面を含む。
シャンク110は、セットスクリュ150が締結されるスクリュホール116(図12参照)を備える。スクリュホール116は、インサートポケット111の底壁112に対して垂直に配置される。スクリュホール116は、シャンク110の下方から上方に形成される。スクリュホール116は、セットスクリュ150とシム120との間の干渉を最小化し、切削インサート130の中心からセットスクリュ150までの距離が最小化され得るように、セットスクリュ150がシャンク110の下方からスクリュホール116に挿入されるように構成される。シャンク110の上側には、レンチホール117が形成される。レンチホール117は、セットスクリュ150を上方にまたは下方にネジ移動させるためにレンチが挿入される孔であり、スクリュホール116と同軸に位置する。スクリュホール116は、セットスクリュ150のスクリュヘッド151が位置する軸方向延長部116a(図3に示す波線参照)を含む。図3に示した通り、スクリュホール116の軸方向延長部116aは、インサートポケット111の底壁112と少なくとも部分的に重畳するように配置される。言い換えれば、切削工具組立体100を上方から見るとき、セットスクリュ150は切削インサート130と少なくとも部分的に重畳するように配置される。これによって、切削インサート130の中心からセットスクリュ150までの距離を減少させることができる。
シム120は、インサートポケット111の底壁112に配置される。シム120はインサートポケット111と切削インサート130との間の滑りを防止し、切削インサート130に加えられる衝撃力や加圧力を吸収する。シム120は、上面121及び下面127と、上面121と下面127との間に位置する側面122と、上面121及び下面127を貫通するシムボア123とを含む。シムボア123は、上面121から下方に向かって直径が減少する傾斜部124と、傾斜部124の下端から一定の直径を有するように延長する延長部125とを含む。
シム120は、切削インサート130の形状と同様に菱形形状であっても良い。シム120は、インサートボア135の中心からスクリュホール116までの距離を減少させ、スクリュヘッド151との干渉を回避するように形成された回避部126を含む。一例として、図5に示した通り、回避部126は、シム120の側面122の一部を構成する一対の凹面126a,126bと凸面126cとを含んでも良い。一対の凹面126a,126bと凸面126cは、シム120の長手方向(LDS)における一部または端部に位置する。一対の凹面126a,126bは、シム120の側面122で互いに対向するように形成され、凸面126cは一対の凹面126a,126bの間に位置する。凹面126a,126bと凸面126cは、シム120の上面121及び下面127に対して垂直である。セットスクリュ150をシャンク110に装着する際に、セットスクリュ150のスクリュヘッド151が凹面126aに位置するようになるので、セットスクリュ150とシム120との間の干渉が回避され得る。他の例として、図6に示した通り、シム220は、切削インサート130の形状と同様に菱形形状を有する。回避部226は、シム220の長手方向(LDS)における一部に位置したり、長手方向(LDS)における端部に隣接するように位置する一対の凹部226a,226bを含んでも良い。一対の凹部226a,226bは、シム220の側面122でシム220の長手方向(LDS)に対して対称に形成されても良い。凹部226a,226bは、シム220の上面121及び下面127に対して垂直である。セットスクリュ150をシャンク110に装着する際に、スクリュヘッド151がこの凹部226a,226bに位置するようになるので、セットスクリュ150とシム220との間の干渉が回避され得る。セットスクリュ150のスクリュヘッド151は、一対の凹面126a,126bのいずれか1つまたは一対の凹部226a,226bのいずれか1つに位置することができるが、シム120,220の長手方向(LDS)に対する切削インサート130の均等な支持のために、回避部は一対の凹面126a,126bまたは一対の凹部226a,226bを含む。
切削インサート130は、V-タイプ切削インサートである。図7に示した通り、切削インサート130は、切削インサート130の長手方向(LDI)による両コーナーで35度の逃げ角を有する菱形の平面形状を有する。切削インサート130は、菱形形状の上面131と、菱形形状の下面138(図11及び図12参照)と、上面131と下面138との間に位置する4つの側面132(図7には2つの側面のみ示す)と、8つの切削エッジ133,134(図7には6つの切削エッジのみ示す)とを含む。下面138は、上面131の形状及び構造と同一の形状及び構造を有し、上面131と鏡対称である。側面132は、上面131及び下面138に対して垂直である。4つの切削エッジ133は、上面131と4つの側面132(図7には2つの側面のみ示す)との間に形成され、4つの切削エッジ134は、下面138と4つの側面132との間に形成される(図7には下面と側面との間の切削エッジのうち、2個のみを示す)。1つの切削インサート130に形成された8つの切削エッジ133,134が切削加工に用いられ得るので、切削インサート130の使用寿命が長くなる。
切削インサート130の中央には、上面131と下面138を貫通するインサートボア135が形成されている。図11に示した通り、インサートボア135は、上面131から下方に行きながら直径が減少する上側傾斜内周面136と、下面138から上方に行きながら直径直径が減少する下側傾斜内周面137とを含む。上面131が上方を向くように切削インサート130がインサートポケット111に装着される場合に、上側傾斜内周面136がクランピングヘッド144の傾斜加圧面144aと当接するようになる。反対に、下面138が上方を向くように切削インサート130がインサートポケット111に装着される場合に、下側傾斜内周面137がクランピングヘッド144の傾斜加圧面144aと当接するようになる。
クランピングレバー140は、L字状であり、レバー収容部115に配置される。クランピングレバー140は、レバー収容部115に収容され、切削インサート130をインサートポケット111に固定する。図8に示した通り、クランピングレバー140は、第1延長部141と、第2延長部142と、支持部143とを含む。
第1延長部141は、インサートポケット111の底壁112に対してほぼ垂直に位置する。第1延長部141は、第1延長部141の上側から第2延長部142の延長方向と同一の方向に突出するクランピングヘッド144を有する。クランピングヘッド144は、切削インサート130をクランピングヘッド144の突出方向に加圧する。クランピングヘッド144は、切削インサート130をインサートポケット111の底壁112に対して垂直な方向及び平行な方向に加圧するように、クランピングヘッド144の上端から下方に傾斜した傾斜加圧面144aを備える。図3に示した通り、クランピングレバー140がレバー収容部115に収容された状態で、クランピングヘッド144の突出方向(PD)は切削インサート130の長手方向(LDI)に対して予め決定された角度をなす。その結果、クランピングヘッド144の突出方向(PD)が切削インサート130の長手方向(LDI)と同一の場合に比べ、第1延長部141からセットスクリュ150までの距離が減少し得る。従って、クランピングレバー140が切削インサート130を堅固に固定することが可能である。
第2延長部142は、第1延長部141の下端から第1延長部141に対してほぼ垂直に延長し、インサートポケット111の底壁112に対してほぼ平行に配置される。第2延長部142は、その先端でセットスクリュ150の係合溝153と係わり合う係合部145を有する。係合部145は、係合部145の上側から第2延長部142に対して下方に傾斜した上側係合面145aと、係合部145の下側から第2延長部142に対して上方に傾斜した下側係合面145bとを備える。
支持部143は、第1延長部141と第2延長部142が連結される位置で第2延長部142の延長方向の反対方向に突出する。支持部143は、クランピングレバー140が回転するとき、支持点(即ち、回転中心)として機能する。この実施例において、クランピングレバー140が支持部143を備える。他の実施例において、第1延長部141の下端と第2延長部142の後端が会うクランピングレバー140の外周面はラウンド形状となるか、面取りされても良い。
図9に示した通り、セットスクリュ150は、スクリュヘッド151と、ネジ部152と、係合溝153とを含む。スクリュヘッド151は、セットスクリュ150の上側に位置し、その外周面はネジ山を有しない。ネジ部152は、セットスクリュ150の下側に位置し、その外周面はネジ山を有する。スクリュヘッド151の外径は、ネジ部152の外径より小さくても良い。従って、スクリュヘッド151とシム120との間の干渉される領域が減少し得て、クランピングレバー140の第1延長部141とセットスクリュ150との間の距離(即ち、第2延長部142の長さ)が減少し得る。その結果、クランピングレバー140の強度が弱まることを防止することができる。
係合溝153は、スクリュヘッド151とネジ部152との間に形成される。係合溝153の外径は、スクリュヘッド151及びネジ部152の外径より小さい。係合溝153は、一定の外径を有する円筒部153aと、スクリュヘッド151と円筒部153aとの間に形成される第1テーパ部153bと、円筒部153aとネジ部152との間に形成される第2テーパ部153c(図12参照)とを含む。第1テーパ部153bの外径は、スクリュヘッド151から円筒部153aに行くほど次第に減少し、第2テーパ部153cの外径はネジ部152から円筒部153aに行くほど次第に減少する。セットスクリュ150が上方から下方に移動することによって、第1テーパ部153bは係合部145の上側係合面145aと接触するようになり、クランピングレバー140を支持部143を中心として時計回りに所定角度だけ回転させる。反対に、セットスクリュ150が下方から上方に移動することによって、第2テーパ部153cは係合部145の下側係合面145bと接触するようになり、クランピングレバー140を支持部143を中心として反時計回りに予め決定された角度だけ回転させる。
セットスクリュ150は、ネジ部152の下端に形成された第1レンチ挿入孔154と、スクリュヘッド151の上端に形成された第2レンチ挿入孔155とを含む。例えば、セットスクリュ150がシャンク110の下側からスクリュホール116に初期締結される時には、第1レンチ挿入孔154が用いられる。セットスクリュ150が初期締結された後は、第2レンチ挿入孔155を用いてセットスクリュ150を移動させることによってクランピングレバー140が時計回りまたは反時計回りに回転することができる。この実施例において、レンチ挿入孔154,155はスクリュヘッド151の上端及びネジ部152の下端にいずれも形成されている。他の実施例において、レンチ挿入孔はスクリュヘッド151の上端及びネジ部152の下端のいずれか1つにのみ形成されても良い。
一実施例による切削工具組立体100は、レバー収容部115及びシムボア123に装着されるシムピン160をさらに含んでも良い。図10に示した通り、シムピン160は略U字状またはC字状の横断面を有し、漏斗を縦方向に二等分した形状を有する。シムピン160は、上方から下方に行くほど直径が減少する傾斜部161と、傾斜部161の下端から一定の直径を有するように延長する延長部162とを含む。シムピン160は、シム120をレバー収容部115に固定できるようにシム120の厚さより長く形成されても良い。図11を参照すると、シムピン160の傾斜部161がシム120の傾斜部124に置かれている。また、延長部162の外周面は、一部がシムボア123の延長部125の内周面と当接しており、残りの一部がレバー収容部115の内周面と当接している。従って、シム120がレバー収容部115に固定され得る。また、延長部162の内周面は、クランピングレバー140の第1延長部141と少なくとも部分的に当接しているので、クランピングレバー140とレバー収容部115との間の遊隙を減少させることができる。
以下、図12を参照してシャンク110のインサートポケット111に切削インサート130を装着する一例を説明する。まず、セットスクリュ150がシャンク110のスクリュホール116に下方から締結される。クランピングレバー140がレバー収容部115に挿入され、クランピングレバー140の係合部145がセットスクリュ150の係合溝153に位置する。シム120は、クランピングレバー140がシムボア123を貫通するようにインサートポケット111に置かれる。シムピン160は、一部がシムボア123に嵌められ、残りの一部はシムボア123を貫通してレバー収容部115に嵌められる。切削インサート130は、クランピングレバー140がインサートボア135を貫通するようにシム120の上面121に置かれる。その次に、セットスクリュ150が回転して下方に移動すれば、クランピングレバー140の係合部145がセットスクリュ150の係合溝153に係わり合う。この時、係合部145の上側係合面145aが係合溝153の第1テーパ部153bと当接し、セットスクリュ150の移動による力がクランピングレバー140に伝達される。そうすると、クランピングレバー140は、支持部143を中心として時計回りに所定角度だけ回転し、クランピングヘッド144の傾斜加圧面144aは、インサートボア135の上側傾斜内周面136と当接する。その結果、クランピングヘッド144が上側傾斜内周面136をインサートポケット111の底壁112に対して垂直な方向及び平行な方向に加圧し、切削インサート130を堅固に固定する。
切削インサート130の位置変更や切削インサート130を交替するために切削インサート130をシャンク110のインサートポケット111から分離する一例を説明する。まず、セットスクリュ150を回転させて上方に移動させる。セットスクリュ150が上方に移動することによって、係合部145の上側係合面145aが係合溝153の第1テーパ部153bから分離される。そして、セットスクリュ150が上方にさらに移動することによって、係合溝153の第2テーパ部153cが係合部145の下側係合面145bを加圧する。その結果、クランピングレバー140は、支持部143を中心として反時計回りに所定角度だけ回転し、クランピングヘッド144の傾斜加圧面144aは、インサートボア135の上側傾斜内周面136から離隔される。その次に、切削インサート130はシャンク110のインサートポケット111から分離可能となる。
以上で本発明を添付の図面に示された前述した実施例を参照して説明したが、本発明がこれに限定されるわけではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることは本発明の属する分野で通常の知識を有する者において明白なことである。

Claims (17)

  1. 上方から形成され底壁を有するインサートポケットと、前記底壁から下方に形成されるレバー収容部と、前記底壁に対して垂直に配置され下方から形成されるスクリュホールとを含むシャンクと、
    上面と下面の中央を貫通するシムボアを含み、前記インサートポケットの前記底壁に置かれるシムと、
    上面と、下面と、前記上面と前記下面との間に位置する複数の側面と、前記上面と前記下面の中央を貫通するインサートボアとを含み、前記シムの前記上面に置かれ、菱形形状を有する切削インサートと、
    前記インサートポケットの前記底壁に対して垂直に配置される第1延長部と、前記第1延長部の下端から前記インサートポケットの前記底壁に対して平行に延長する第2延長部とを含み、前記レバー収容部に収容される、クランピングレバーと、
    上側に位置するスクリュヘッドと、下側に位置するネジ部と、前記スクリュヘッドと前記ネジ部との間に位置し、前記第2延長部の先端と係わり合う係合溝とを含み、前記スクリュホールに締結される、セットスクリュ、
    とを含み、
    前記シムは、前記スクリュヘッドとの干渉を回避するように形成された回避部を含む、切削工具組立体。
  2. 前記回避部は、
    前記シムの長手方向における一側で前記シムの側面に互いに対向するように形成された一対の凹面と、
    前記一対の凹面の間に配置される凸面と、
    を含む、請求項1に記載の切削工具組立体。
  3. 前記シムの前記上面及び前記下面は、菱形形状を有し、
    前記回避部は、前記シムの長手方向における一側で前記シムの側面に互いに対向するように形成された一対の凹部を含む、請求項1に記載の切削工具組立体。
  4. 前記第1延長部は、前記第2延長部と同一の方向に突出するクランピングヘッドを含む、請求項1に記載の切削工具組立体。
  5. 前記インサートボアは、前記切削インサートの前記上面から前記切削インサートの前記下面に行くほど減少する直径を有する傾斜内周面を含み、
    前記クランピングヘッドは、前記クランピングヘッドの上端から下方に向かって傾斜した傾斜加圧面を含む、請求項4に記載の切削工具組立体。
  6. 前記第2延長部は、前記第2延長部の先端に形成され、前記セットスクリュの前記係合溝に係わり合う係合部を含む、請求項1に記載の切削工具組立体。
  7. 前記係合部は、
    前記第2延長部の上側から下方に傾斜した第1傾斜係合面と、
    前記第2延長部の下側から上方に傾斜した第2傾斜係合面と、
    を含む、請求項6に記載の切削工具組立体。
  8. 前記係合溝は、
    前記スクリュヘッドから下方に行くほど減少する直径を有し、
    前記第1傾斜係合面と当接する第1テーパ部と、
    前記ネジ部から上方に行くほど減少する直径を有し、前記第2傾斜係合面と当接する第2テーパ部と、
    を含む、請求項7に記載の切削工具組立体。
  9. 前記シムボアを貫通して前記レバー収容部に嵌められるシムピンをさらに含む、請求項1に記載の切削工具組立体。
  10. 前記シムボアは、前記シムの前記上面から下方に行くほど減少する直径を有する傾斜部を含み、
    前記シムピンは、
    上方から下方に行くほど直径が減少し、前記シムボアの前記傾斜部にかかる傾斜部と、
    前記シムピンの前記傾斜部の下端から一定の直径を有するように延長し、前記シムボアを貫通して前記レバー収容部に嵌められる延長部と、
    を含む、請求項9に記載の切削工具組立体。
  11. 前記スクリュホールは、前記スクリュヘッドが位置し、前記インサートポケットの底壁と部分的に重畳する軸方向延長部を含む、請求項1に記載の切削工具組立体。
  12. 前記クランピングレバーは、前記第1延長部と前記第2延長部が会う位置で、前記第2延長部の延長方向の反対方向に突出する支持部を含む、請求項1に記載の切削工具組立体。
  13. 上方から形成され底壁を有するインサートポケットと、前記底壁から下方に形成されるレバー収容部と、前記底壁に対して垂直に配置され下方から形成されるスクリュホールを含むシャンクと、
    前記インサートポケットの前記底壁上に配置され、菱形形状を有する切削インサートと、
    前記インサートポケットの前記底壁に対して垂直に配置される第1延長部と、前記第1延長部の下端から前記インサートポケットの前記底壁に対して平行に延長する第2延長部とを含み、前記レバー収容部に収容される、クランピングレバーと、
    前記スクリュホールに締結されるセットスクリュと、
    を含み、
    前記クランピングレバーの係合部が前記セットスクリュの係合溝に位置するように前記スクリュホールに対して前記レバー収容部が配置されるとともに、前記スクリュホールが前記シャンクの底面から形成され、
    前記シャンクを上方から見るとき、前記セットスクリュは前記第1延長部と重ならず、かつ、前記セットスクリュの一部が前記切削インサートの一部と重畳し、
    前記セットスクリュは、前記シャンクの下方から前記スクリュホールに締結される、切削工具組立体。
  14. 前記インサートポケットの前記底壁と前記切削インサートとの間に配置されるシムをさらに含む、請求項13に記載の切削工具組立体。
  15. 上方から形成され底壁を有するインサートポケットと、前記底壁から下方に形成され、前記インサートポケットの前記底壁に対して垂直に配置される第1延長部とこの第1延長部の下端から前記インサートポケットの前記底壁に対して平行に延長する第2延長部とを有するL字状クランピングレバーを収容するレバー収容部と、前記底壁に対して垂直に配置され、下方から形成され、セットスクリュが締結されるスクリュホールとを含むシャンクであって、
    前記スクリュホールは、前記インサートポケットの前記底壁の下方に位置し、
    前記レバー収容部は、前記第1延長部が収容される空間部分と、前記第2延長部が収容される空間部分とを有し、
    前記シャンクを上方から見るとき、前記スクリュホールは、前記第1延長部が収容される前記レバー収容部の空間部分と重ならず、かつ、前記スクリュホールの一部が前記インサートポケットの一部と重畳する、シャンク。
  16. 前記インサートポケットは、前記底壁と切削インサートとの間に配置されるシムの側面と接する下部側壁を含む、請求項15に記載のシャンク。
  17. 前記下部側壁は、前記シムの側面に向かって凸曲面を含む、請求項16に記載のシャンク。
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