JP3357329B2 - センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ - Google Patents

センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ

Info

Publication number
JP3357329B2
JP3357329B2 JP35794299A JP35794299A JP3357329B2 JP 3357329 B2 JP3357329 B2 JP 3357329B2 JP 35794299 A JP35794299 A JP 35794299A JP 35794299 A JP35794299 A JP 35794299A JP 3357329 B2 JP3357329 B2 JP 3357329B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
tip
holder
sensor
throw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35794299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001170807A (ja
Inventor
英明 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP35794299A priority Critical patent/JP3357329B2/ja
Priority to US09/613,966 priority patent/US6526814B1/en
Priority to DE10035329A priority patent/DE10035329B4/de
Publication of JP2001170807A publication Critical patent/JP2001170807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3357329B2 publication Critical patent/JP3357329B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、損耗センサ付き
スローアウェイチップを保持するためのホルダに関す
る。特に、スローアウェイチップの損耗センサと電気的
に接続可能なプローブを有するホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、切削工具の切刃稜部分の摩耗
量を検知することによって、工具寿命を自動的に判定す
ることが提案されている。たとえば、実開平3−120
323号公報には、スローアウェイチップの逃げ面に、
切刃稜に沿って導電膜でセンサラインを設けることが開
示されている。センサラインの幅は、摩耗許容幅に対応
させることも開示されている。従って、この公報に開示
のスローアウェイチップによれば、切刃稜の摩耗に伴い
センサラインも摩耗し、センサラインが途切れたときに
切刃稜が寿命に達したと判別することができる。
【0003】また、特開平9−38846号公報には、
スローアウェイチップでない通常の切削工具において、
その逃げ面に薄膜回路を設け、逃げ面の摩耗に伴って薄
膜回路が摩耗することに伴い電気抵抗が変化することを
検知して、切削工具の寿命を自動的に判定する方法が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】逃げ面に切刃稜に沿っ
て導電性膜のセンサラインを形成し、そのラインの抵抗
値の変化を検出するというやり方は、切刃稜の摩耗を検
知するやり方としては好ましい。ところが、このやり方
をスローアウェイチップに採用しようとした場合、切刃
稜に沿ってセンサラインを設けても、そのセンサライン
を外部の検知回路等に接続するのが実際上困難であると
いう課題に遭遇する。
【0005】より具体的に説明すると、スローアウェイ
チップは使い捨てのチップであり、その大きさは1cm
3 にも満たない小さなものである。当該チップは、切削
液(水や油)および切り屑にさらされながら切削加工を
行う。このような環境下で、小さなスローアウェイチッ
プに形成されたセンサラインを外部の検知回路等に支障
なく接続するという技術は実現されていない。また、ス
ローアウェイチップのホルダに、スローアウェイチップ
のセンサラインから信号を取り出すリード線を設けるに
しても、リード線が加工中の切り屑と接触しないよう
に、かつ、リード線が断線しないように設けなければな
らず、かかるホルダは実用化されていない。
【0006】この発明は、上記課題を解決し、損耗セン
サ付きスローアウェイチップを良好に保持することので
きるホルダを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1記載の発明は、刃物台に取り付けられるシャンクおよ
びシャンクの先端に備えられたチップ取付部を有するホ
ルダであって、チップ取付部には、センサ付きスローア
ウェイチップを固定保持するためのポケットが形成さ
れ、このポケットは、チップ取付部に対して、上面、ス
ローアウェイチップの前逃げ面に連なる前面およびスロ
ーアウェイチップの横逃げ面に連なる一方側面が開放
し、その底面は、スローアウェイチップの下面が載置さ
れる着座面、その後面および他方側面は、それぞれ、ス
ローアウェイチップの側面が当接される拘束面となって
おり、前記チップ取付部には、拘束面に開口するプロー
ブ挿入孔が形成されており、前記プローブ挿入孔に、先
端がセンサ付きスローアウェイチップのセンサに電気的
に接続される一対のプローブが設けられていることを特
徴とするセンサ付きスローアウェイチップ用ホルダセン
サ付きスローアウェイチップ用ホルダである。
【0008】請求項2記載のセンサ付きスローアウェイ
チップ用ホルダは、請求項1において、前記プローブの
後端には、ホルダに形成された溝内に配線されたリード
線が接続されていることを特徴とするものである。請求
項3記載のセンサ付きスローアウェイチップ用ホルダ
は、請求項1または2において、前記一対のプローブ
は、2つの拘束面の一方の面に並設されていることを特
徴とするものである。
【0009】請求項4記載のセンサ付きスローアウェイ
チップ用ホルダは、請求項1ないし3のいずれかにおい
て、前記一対のプローブを固定するために、絶縁材で形
成されたプローブ固定具が設けられていることを特徴と
するものである。請求項5記載の発明は、前記ポケット
の後面と他方側面とからなる拘束面のうち、前記他方側
面が奥拘束面となっており、この奥拘束面に開口するプ
ローブ挿入孔が形成されるとともに、前記チップ取付部
の奥側側面の上方部が、一部分割されて取り外し可能な
カバーとなっており、前記奥側側面には前記カバーを嵌
合する凹欠部が形成されており、前記プローブ挿入孔か
ら前記凹欠部に開口する孔を設け、この凹欠部を介して
リード線が前記プローブの後端に接続されたことを特徴
とする請求項1記載のセンサ付きスローアウェイチップ
用ホルダである。通常、ホルダにスローアウェイチップ
が装着された状態においては、切削加工中にチップがが
たついたり変位したりすることのないように、拘束面で
チップの2側面を拘束する。
【0010】請求項1の構成では、プローブ挿入孔は、
チップ取付部の拘束面に形成されている。プローブ挿入
孔をチップ取付部の拘束面に形成すると、切削加工中に
スローアウェイチップが破損したり破壊したりしても、
プローブにまで被害が及ぶことが少ないという効果があ
る。というのは、ホルダに取り付けられたスローアウェ
イチップは、その頂部および横逃げ面が使用されて切削
加工が行われる。このため、切削加工中には、スローア
ウェイチップの頂部および横逃げ面に主として応力が集
中し、この応力によりスローアウェイチップの頂部およ
び横逃げ面側が破損、破壊してしまうことがある。ま
た、スローアウェイチップの横逃げ面に連なる側面にも
応力が集中しやすく、スローアウェイチップが破損等し
たときに、側面は影響を受けやすい。
【0011】そこで、請求項1の構成のように、プロー
ブ挿入孔をチップ取付部の拘束面に形成すれば、スロー
アウェイチップが破損等した場合等でも、プローブに影
響が及ばず、プローブまでが壊れることが少ない。ま
た、チップ装着状態では、チップ取付け部の拘束面はチ
ップの2側面に当接または密着されているために、拘束
面が外部に露出することはない。したがって、拘束面上
にセンサと電気的に接続可能なプローブを設けることに
よって、先端がセンサ付きスローアウェイチップのセン
サに電気的に接続され、センサとプローブとは外部に露
出しない状態で良好に接続される。これにより、スロー
アウェイチップによって切削を行っている間も、センサ
とプローブとの接続が良好に保たれ、センサの抵抗変化
等を常時正確に検知することができる。
【0012】請求項2の構成では、リード線はホルダに
形成された溝内に配線されているから、リード線はホル
ダから露出しておらず、リード線が切り屑の排出方向を
変えたり、排出を妨げる等、切り屑の排出性に悪影響を
与えることがない。また、請求項3記載のように、一対
のプローブを前記2つの拘束面のうちの一方の面に並設
することができる。この構成とすれば、プローブを配設
するための構造が簡単なもので済む。というのは、拘束
面の一方面に並設することとすれば、互いに隣接する2
つの拘束面のそれぞれにプローブ挿入孔を設ける場合と
比較して、そのプローブ孔形成のための加工作業が容易
だからである。
【0013】また、外部の検出回路に接続する必要があ
るために、プローブにはリード線が接続されている必要
があるが、この場合にはリード線を一度に取り付けるこ
とができるので、2側面に一対のプローブを配設する場
合と比較して、その作業も簡単に行える。請求項4の構
成では、プローブの固定が容易で、しかも互いに、か
つ、チップ取付部に対して絶縁状態で固定することがで
きる。
【0014】特に、請求項3の構成を採用する場合に
は、一対のプローブが挿通される貫通孔を設けていれ
ば、用いるプローブ固定具が1つだけでよい。これによ
り、さらにコストダウンを図ることができる。請求項5
の構成によれば、リード線とプローブの接続端との電気
的接続のための作業を、カバーを取り外すことにより容
易に行えるという利点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、この
発明の一実施形態について具体的に説明をする。図1
は、この発明の一実施形態にかかるスローアウェイチッ
プ用のホルダ1を示す。図2は、図1に示すホルダ1の
分解斜視図である。図1および図2を参照して、ホルダ
1は、スローアウェイチップ2を保持するためのもので
ある。ホルダ1は図示しない刃物台に取り付けられるシ
ャンク3と、シャンク3の先端にシャンク3と一体形成
されたチップ取付部4とを有する。シャンク3は、図
1,2において右方向に長手に延びているが、ここでは
説明の便宜上後方部が省略されている。
【0016】ホルダ1は合金鋼により形成され、その材
種としてクロム・モリブデン鋼、ニッケル・クロム鋼、
ニッケル・クロム・モリブデン鋼等の合金鋼や、鉄に
C,Si,Mn,PおよびSの5元素が入った炭素合金
鋼をベースに、クロム、タングステン、マンガン、モリ
ブデン、バナジウム等を添加した合金鋼等で構成するこ
とができる。チップ取付部4には、ポケット5が形成さ
れている。ポケット5は、チップ取付部4に対して、上
面、前面および一方側面(図において手前側側面)が開
放した凹欠部である。ポケット5の底面6はスローアウ
ェイチップ2がシート42を介して載置される着座面と
なっている。また、ポケット5の後面および他方側面
(図において奥側側面)は、それぞれ、スローアウェイ
チップ2の側面が当接する後拘束面7および奥拘束面8
となっている。
【0017】シート42は、スローアウェイチップ2に
大きな欠損が生じた際に、その欠損がホルダ1まで及ば
ないようにするための防護用部材である。シート42
は、超硬合金でつくられている。シート42は、スロー
アウェイチップ2の平面形状とほぼ等しく、その平面形
状が略正方形状をしており、中央部にレバー10の作用
部11が突出可能な孔43が形成されている。ポケット
5には、さらに、その底面6にレバー溝9が形成されて
いる。このレバー溝9には、側面形状がL字状のレバー
10が収容される。レバー10は、上方へ延びる円筒状
の作用部11と、作用部11の下方から横方向に延びた
力点部12とを有し、作用部11と力点部12との境界
が支点部13となっている。
【0018】チップ取付部4には、ポケット5に隣接し
て、より具体的には後拘束面7と奥拘束面8との交差部
に隣接してクランプ孔14が形成されている。クランプ
孔14はチップ取付部4を上面から下面に貫通する孔
で、孔の上方内周面にねじが切られている。また、その
途中部はレバー溝9と連通している。クランプ孔14に
は、下方からクランプボルト15がねじ込まれる。クラ
ンプボルト15は、周面にねじが切られたねじ胴16
と、ねじの切られていない柱胴17とを有し、ねじ胴1
6と柱胴17とは小径胴18で上下につながっている。
【0019】クランプ孔14にクランプボルト15がね
じ込まれた状態で、レバー溝9へレバー10が納められ
ると、その力点部12はクランプ孔14内の小径胴18
により生じる空隙に嵌まる。そしてクランプボルト15
をねじ螺合によって上下動させれば、小径胴18に係合
したレバー10の力点部12が上下動される。これによ
り、レバー10は支点部13を中心に揺動し、レバー1
0の作用部11が、後拘束面7および奥拘束面8との間
でスローアウェイチップ2を挟み込むように固定する状
態と、スローアウェイチップ2を取換え可能な状態とに
変位する。したがって、レバー10の作用部11に、チ
ップ2をセットした後、たとえば六角レンチにより、ク
ランプボルト15のねじ込み量を調整することにより、
スローアウェイチップ2が後拘束面7および奥拘束面8
とによって拘束されるようになる。
【0020】ポケット5には、さらに、奥拘束面8に開
口するプローブ挿入孔19が形成されている。プローブ
挿入孔19内には、一対のプローブ41が収容されてい
る。この一対のプローブ41は、1つのプローブ固定具
44によって、チップ取付部4に絶縁状態で固定されて
いる。図3(a)は、プローブ41を固定するためのプ
ローブ固定具44の拡大斜視図であり、図3(b)は、
プローブ固定具44の断面図およびこのプローブ固定具
44に嵌合されるプローブ41が例示されている。
【0021】図3(a)および図3(b)を参照して、
プローブ固定具44は、たとえば耐熱・絶縁性の樹脂で
形成されている。プローブ固定具44は、平面形状が略
矩形となるベース部44Aとベース部44Aから突出す
る突出部44Bとを有している。プローブ固定具44に
は、一対のプローブ41を一定の間隔で保持するための
2つのプローブ挿通孔54が形成されている。各プロー
ブ挿通孔54は、ベース部44Aおよび突出部44Bを
貫通するものであり、図3で示す下方がプローブ41を
挿入しやすいようにテーパ状に広がっている。プローブ
挿通孔54の内径は、プローブ41の最も太い外径と一
致されており、図3(b)で示す下方からプローブ挿通
孔54にプローブ41を緩くかしめるように挿入して固
定することができる。そして、挿入後は、プローブ41
の先端41aがプローブ固定具44の図3(b)で示す
上方から突出しているとともに、プローブ41の接続端
41bがプローブ固定具44の図3(b)で示す下方か
ら突出している。
【0022】プローブ固定具44にプローブ41が挿入
された状態では、プローブ41はチップ取付部4に対し
て絶縁状態で取り付けられる。図4は、図2を矢印Aの
方向から見た図である。説明の便宜上、図4は、チップ
取付部4の上部を一部切り欠いて示している。図4
(a)を参照して、プローブ挿入孔19は、奥拘束面8
に開く嵌合凹部19Aと、嵌合凹部19Aの奥面に開く
一対のプローブ収容孔19B(図4(a)では一方のみ
図示)とを備えている。嵌合凹部19Aは、プローブ固
定具44のベース部44Aを嵌めるためのものであり、
プローブ収容孔19Bは、プローブ固定具44の各突出
部44Bを嵌めるためのものである。
【0023】チップ取付部4には、さらに、その奥側側
面40Cの上方部が、一部分割されて取り外し可能なカ
バー46となっている。カバー46は、チップ取付部4
に対してたとえばボルト47によって固定されている。
前記奥側側面40Cにはカバー46を嵌合する凹欠部4
8が形成されている。図示しないが、ホルダ1の奥側に
は、溝が形成されていて、この溝に2本のリード線51
が配設されている。この凹欠部48のたとえば側面に
は、リード線溝と連通する取出口49が開口している。
凹欠部48は、リード線51を引き出すための空間であ
る。
【0024】さらに、プローブ挿入孔19のプローブ収
容孔19Bの奥側端部からは、凹欠部48の奥面48A
に開口する孔50が形成されている。そして、図4
(b)に示すようにプローブ固定具44をプローブ挿入
孔19に嵌め入れることにより、プローブ41の確実な
固定が行える。プローブ固定具44を嵌め入れた状態で
は、プローブ41の接続端41bが孔50内に収容する
ことになるとともに、プローブ固定具44の手前側の面
(図3(a),(b)で示す上面)が、奥拘束面8とほ
ぼ面一となる。この状態で、プローブ41の先端41a
が奥拘束面8から横方向へわずかに突出し、プローブ4
1に内蔵されたばね等で横方向へ弾力付勢されている。
なお、この実施形態では、一対のプローブ41のうち、
図1および図2において左側に配置されるプローブ41
の方がやや上方に配置される。
【0025】このため、シート42の上にスローアウェ
イチップ2が載置されると、スローアウェイチップ2の
側面に設けられたセンサ接触部にプローブ41の先端4
1aが弾力的に接触する。これにより、スローアウェイ
チップ2の損耗センサの抵抗を、プローブ41およびプ
ローブ41に接続されたリード線51により外部の抵抗
測定器52へと取り出すことができる。また、チップ取
付部4の奥側側面40Cの上方部を、一部分割されて取
り外し可能なカバー46となる構成とすることにより、
取出口49の先端部からリード線が引き出され、リード
線51とプローブ41の接続端41bとの電気的接続の
ための作業を、カバー46を取り外すことにより容易に
行えるという利点がある。
【0026】カバー46をボルト47でチップ取付部4
に固定することにより、プローブ41とリード線51と
の接続部は完全に隠され、切削作業に何ら支障はない。
ところで、上述した実施形態では、スローアウェイチッ
プ2に対して、被削物(切削加工される金属ワーク)が
側面40Bの方向より回転しながら切削されると共に、
ホルダ1を前面40A方向へ送っていくことで切削加工
が行われる。この場合、スローアウェイチップ2の、図
1において左手前側に位置するノーズ部200および横
逃げ面201の上端縁に形成された切刃202が主とし
て切削加工に使用される。このため、切削に直接寄与し
ている切刃202や切削加工時生じる切り屑が衝突する
切刃202に隣接したスローアウェイチップ2のすくい
面203に主として応力が生じ、高温が発生する。スロ
ーアウェイチップ2に発生した応力により、切刃202
と共にすくい面203が摩耗していくが、ときとして欠
損が生じたり、欠損に伴ってスローアウェイチップ2が
破損してしまうことがある。つまり、この欠損等は、チ
ップ2の使用している切削部のすくい面203および横
逃げ面201に生じ易い。同様に、ホルダ1のチップ取
付部4においても、スローアウェイチップ2のすくい面
203の下方に位置する側面40B側に応力が集中しや
すく、スローアウェイチップ2が破損等したときに、側
面40Bは影響を受けやすい。
【0027】そこで、この実施形態では、プローブ挿入
孔19を、スローアウェイチップ2に欠損等が生じたと
きに影響を受けにくいチップ2の奥拘束面8に形成して
いる。このようにチップ取付部4の奥拘束面8にプロー
ブ挿入孔19が形成されていると、スローアウェイチッ
プ2が破損等した場合でも、プローブ挿入孔19内のプ
ローブ41までが壊れるおそれが少ない。これがこの実
施形態の特徴である。
【0028】この実施形態の特徴をより一般的に説明す
れば、スローアウェイチップを固定保持するためのホル
ダにおいて、スローアウェイチップが取り付けられた場
合に、スローアウェイチップを拘束する拘束面に、プロ
ーブ挿入孔を形成したことが特徴である。また、プロー
ブ41を配設するための構造が簡単なもので済む。とい
うのは、一対のプローブ41を奥拘束面8に並設するた
めには、プローブ孔19を1つの面だけに形成すればよ
く、プローブ孔19を形成する加工作業が比較的容易に
なるからである。さらに、この場合にはリード線51を
プローブ41の接続端41bに一度に取り付けることが
できるので、プローブ41を設けるための作業も簡単に
行える。
【0029】次に、この発明の他の実施形態について説
明する。図5は、この発明の他の実施形態のホルダ1A
の分解斜視図である。この図5においては、前述した図
1および図2の構成と同一または同等な部分には同一の
参照符号を付し、説明は省略する。この実施形態にかか
るホルダ1Aが上記の実施形態にかかるホルダ1と異な
るところは、プローブ61を、ポケット5の後拘束面7
および奥拘束面8にそれぞれ設けた点である。具体的に
は、プローブ挿入孔62を、後拘束面7および奥拘束面
8にそれぞれ形成し、2つのプローブ固定具63によっ
て一対のプローブ61を固定している。
【0030】図6は、この実施形態に係るプローブ固定
具63およびこのプローブ固定具63に嵌合されるプロ
ーブ61を説明するための要部断面図である。各プロー
ブ固定具63は、平面形状が略正方形のベース部63A
と、ベース部63Aから突出する突出部63Bとを有し
ている。プローブ固定具63には、ベース部63Aおよ
び突出部63Bを貫通する1つのプローブ挿通孔64が
形成されている。プローブ挿通孔64は、図6で示す上
方がプローブ61を挿入しやすいようにテーパ状に広が
っている。プローブ挿通孔64の内径は、プローブ61
の最も太い外径と一致されており、図6で示す上方から
プローブ挿通孔64にプローブ61を緩くかしめるよう
に挿入して固定することができる。そして、挿入後はプ
ローブ61の先端61aがプローブ固定具63の図6で
示す上方から突出するとともに、プローブ61の接続端
61bがプローブ固定具63の図6で示す下方から突出
する。
【0031】図7を参照して、この実施形態では、奥拘
束面8の奥側に、リード線51が配設されたリード線溝
65が形成されている。そして、プローブ挿入孔62の
奥側端部からはリード線溝65に連通する連通溝66が
形成されている。各プローブ固定具63を、プローブ挿
入孔62に嵌め入れることにより、プローブ61の確実
な固定が行える。奥拘束面8に設けられるプローブ61
においては、プローブ固定具63から突出するプローブ
61の接続端61bにリード線溝65から取り出された
リード線51が電気的に接続される。また、後拘束面7
に設けられたプローブ61に接続されるリード線51
も、同じリード線溝65から引き出される。
【0032】プローブ固定具63の嵌入れ後には、一対
のプローブ61のうち一方の先端61aが奥拘束面8か
ら横方向へわずかに突出するとともに、他方の先端61
aが後拘束面7から横方向へわずかに突出する。各プロ
ーブ61の先端61aは、プローブ61に内蔵されたば
ね等で、図5に示す手前側および左側に弾力付勢されて
いる。そして、シート42の上にスローアウェイチップ
2が載置されると、スローアウェイチップ2の側面に設
けられたセンサ接触部にプローブ61の先端61aが弾
力的に接触する。これにより、スローアウェイチップ2
の損耗センサの抵抗を、プローブ61およびプローブ6
1に接続されたリード線51により外部の抵抗測定器5
2へと取り出すことができる。
【0033】ところで、切削加工中には、奥拘束面8と
同様、後拘束面7も、スローアウェイチップ2に欠損等
が生じたときに影響が及びにくい。この実施形態では、
チップ取付部4の後拘束面7および奥拘束面8にプロー
ブ挿入孔62が形成されているので、スローアウェイチ
ップ2が破損等した場合でも、プローブ挿入孔62内の
プローブ61までが壊れるおそれが少ない。図8は、図
1および図2に示すホルダ1ならびに図5に示すホルダ
1Aに装着されるスローアウェイチップ2を示す。
【0034】なお、このスローアウェイチップ2は上下
両面の切刃稜を使用可能なネガタイプのものであり、上
下は本来区別されないが、便宜上、一方を上面23、他
方を下面24とする。このスローアウェイチップ2は、
図に示すように8コーナ、8箇所のノーズ部28がそれ
ぞれ切削に使用可能なものである。8つのノーズ部28
のうち図8Aの右上のノーズ部28aを使用する場合を
例にとって説明する。ノーズ部28aと連なる側面に
は、それぞれ、切刃稜26に沿って延びる導電性膜の損
耗センサ21が設けられている。損耗センサ21は、ノ
ーズ部28を取り巻くように延びており、その上辺が切
刃稜26に接している。
【0035】図8に示すスローアウェイチップ2の各側
面においては、上面側と下面側とが相互に絶縁状態にさ
れた2つの領域に分けられている。各領域には、対をな
す2つのセンサ接触部22A,22Bが設けられてい
る。ノーズ部28aを使用する場合には、図8Aの左側
面の上方領域に設けられた一対のセンサ接触部22A,
22Bが用いられる。損耗センサ21は、側面上を、使
用するノーズ部28に隣接するノーズ部28(図8Aに
示す手前側上部)を取り巻くように延びる接続ライン2
9によって、一方のセンサ接触部22Aに電気的に接続
されている。また、損耗センサ21は、上面23に設け
られた接続領域30を介して他方のセンサ接触部22B
に電気的に接続されている。
【0036】また、このスローアウェイチップ2は、各
4対のセンサ接触部の各一方22Bは、電気的に共通に
接続されており、このため、一のセンサ接触部22A
は、上面側のすべてのセンサ接触部22Bと電気的に接
続されている。このため、側面のセンサ接触部22Aと
対応するセンサ接触部として、図8Bの右側の側面のセ
ンサ接触部22Bを選択することもできる。つまり、こ
のスローアウェイチップ2は、図1および図2に示した
ホルダ1ならびに図5に示したホルダ1Aに装着され得
る。
【0037】スローアウェイチップ2をホルダ1,1A
に装着し、図8に示す使用中のノーズ部28aに対して
形成された損耗センサ21のセンサ接触部22A,22
Bとプローブ41,61の先端41a,61aとを圧接
される。これにより、損耗センサ21がプローブ41,
61を介して抵抗計に接続する。そして、スローアウェ
イチップ2が切削加工中に摩耗し、損耗センサ21の使
用中の切刃稜26に沿った部分で遂に摩耗が損耗センサ
21の幅部まで進むと、損耗センサ21が断線状態とな
り、電気抵抗が無限大となる。損耗センサ21の切刃稜
26に沿った部分の幅は、使用限界摩耗幅とほぼ一致さ
せてあり、したがって、使用限界摩耗幅まで摩耗が進行
したりあるいは欠損に至った瞬間に損耗センサ21の電
気抵抗が無限大となる。この時点で、切削加工を停止す
ることができるように抵抗計と図示しない工作機械を接
続・設定しておくことで、使用限界を超えて切刃稜26
の使用やあるいは欠損したままでの使用を防止すること
ができる。
【0038】センサ接触部22A,22Bと一対のプロ
ーブ41,61との接触部分は、上述のように外部に露
出しておらず、またリード線も外部に露出していないの
で、切り屑の排出性が阻害されることはない。なお、損
耗センサ21のセンサ接触部22A,22Bとプローブ
41,61とを圧接させる理由は以下の通りである。す
なわち、損耗センサ21とプローブ41,61の接触が
弱いと、切削加工中の振動による影響で瞬間的に両者が
離れることがあり、それにより誤検出をされることを防
止するためである。
【0039】以上説明した実施形態では、L字状のレバ
ー10を用いた例を示したが、L字状レバー10に代え
てクランパやクランプボルトでスローアウェイチップ2
をホルダに固定するものであってもよい。この発明は以
上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項
記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるスローアウェイ
チップ用のホルダを示す図である。
【図2】図1に示すホルダの分解斜視図である。
【図3】プローブ固定具およびこのプローブ固定具に嵌
合されるプローブを説明するための図である。
【図4】図2を矢印Aの方向から見た図である。
【図5】この発明の他の実施形態にかかるスローアウェ
イチップ用のホルダの分解斜視図である。
【図6】他の実施形態に係るプローブ固定具およびこの
プローブ固定具に嵌合されるプローブを説明するための
図である。
【図7】図5を矢印Bの方向から見た図である。
【図8】Aはこの発明の一実施形態にかかるホルダによ
り保持されるスローアウェイチップを手前上方から見た
斜視図であり、Bはそのスローアウェイチップを手前下
方から見た斜視図である。
【符号の説明】
1 ホルダ 2 スローアウェイチップ 3 シャンク 4 チップ取付部 5 ポケット 6 底面(着座面) 7 後拘束面(拘束面) 8 奥拘束面(拘束面) 19 プローブ挿入孔 41,61 プローブ 44,63 プローブ固定具 202 切刃 203 すくい面 204 前逃げ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 27/00 B23B 27/16 B23Q 17/09

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】刃物台に取り付けられるシャンクおよびシ
    ャンクの先端に備えられたチップ取付部を有するホルダ
    であって、 チップ取付部には、センサ付きスローアウェイチップを
    固定保持するためのポケットが形成され、 このポケットは、チップ取付部に対して、上面、スロー
    アウェイチップの前逃げ面に連なる前面およびスローア
    ウェイチップの横逃げ面に連なる一方側面が開放し、そ
    の底面は、スローアウェイチップの下面が載置される着
    座面、その後面および他方側面は、それぞれ、スローア
    ウェイチップの側面が当接される拘束面となっており、 前記チップ取付部には、拘束面に開口するプローブ挿入
    孔が形成されており、 前記プローブ挿入孔に、先端がセンサ付きスローアウェ
    イチップのセンサに電気的に接続される一対のプローブ
    が設けられていることを特徴とする、センサ付きスロー
    アウェイチップ用ホルダ。
  2. 【請求項2】前記プローブの後端には、ホルダに形成さ
    れた溝内に配線されたリード線が接続されていることを
    特徴とする、請求項1記載のセンサ付きスローアウェイ
    チップ用ホルダ。
  3. 【請求項3】前記一対のプローブは、2つの拘束面の一
    方の面に並設されていることを特徴とする、請求項1ま
    たは2記載のセンサ付きスローアウェイチップ用ホル
    ダ。
  4. 【請求項4】前記一対のプローブを固定するために、絶
    縁材で形成されたプローブ固定具が設けられていること
    を特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のセ
    ンサ付きスローアウェイチップ用ホルダ。
  5. 【請求項5】 前記ポケットの後面と他方側面とからなる
    拘束面のうち、前記他方側面が奥拘束面となっており、
    この奥拘束面に開口するプローブ挿入孔が形成されると
    とも に、前記チップ取付部の奥側側面の上方部が、一部
    分割されて取り外し可能なカバーとなっており、前記奥
    側側面には前記カバーを嵌合する凹欠部が形成されてお
    り、前記プローブ挿入孔から前記凹欠部に開口する孔を
    設け、この凹欠部を介してリード線が前記プローブの後
    端に接続されたことを特徴とする請求項1記載のセンサ
    付きスローアウェイチップ用ホルダ。
JP35794299A 1999-09-29 1999-12-16 センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ Expired - Fee Related JP3357329B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35794299A JP3357329B2 (ja) 1999-12-16 1999-12-16 センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ
US09/613,966 US6526814B1 (en) 1999-09-29 2000-07-11 Holder for throw-away tip with sensor
DE10035329A DE10035329B4 (de) 1999-09-29 2000-07-20 Halter für eine mit Sensor ausgestattete Wegwerfplatte

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35794299A JP3357329B2 (ja) 1999-12-16 1999-12-16 センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001170807A JP2001170807A (ja) 2001-06-26
JP3357329B2 true JP3357329B2 (ja) 2002-12-16

Family

ID=18456741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35794299A Expired - Fee Related JP3357329B2 (ja) 1999-09-29 1999-12-16 センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3357329B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4069603B2 (ja) * 2001-09-26 2008-04-02 京セラ株式会社 チップホルダおよびそれを用いた切削工具
KR20150062452A (ko) * 2013-11-29 2015-06-08 대구텍 유한회사 절삭공구 조립체
JP7299985B2 (ja) * 2019-08-05 2023-06-28 京セラ株式会社 切削工具、データ収集システム及び切削工具用ホルダ
CN114544159A (zh) * 2022-02-23 2022-05-27 上海电气集团股份有限公司 削骨器械磨损检测装置、磨损检测系统以及磨损检测方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE460403B (sv) * 1987-10-20 1989-10-09 Birger Alvelid Skaerverktyg foersett med tillstaandsgivare
JPH03120323U (ja) * 1990-03-20 1991-12-11
JP3342680B2 (ja) * 1999-09-29 2002-11-11 京セラ株式会社 スローアウェイ切削工具のホルダー
JP4256045B2 (ja) * 1999-12-03 2009-04-22 京セラ株式会社 センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001170807A (ja) 2001-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7578640B2 (en) Cutting tool having cutting insert secured by non-penetrating abutment of a threaded fastener
CN108430696A (zh) 用于切削刀具的传感器模块和刀架
JP2007075932A (ja) スローアウェイチップ
JP3357329B2 (ja) センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ
JP4494582B2 (ja) スローアウェイチップ及びスローアウェイチップ用ホルダ
US6526814B1 (en) Holder for throw-away tip with sensor
JPS6362326B2 (ja)
JP4069603B2 (ja) チップホルダおよびそれを用いた切削工具
US4645383A (en) End milling cutter and method of making same
JP4256045B2 (ja) センサ付きスローアウェイチップ用ホルダ
JP3342680B2 (ja) スローアウェイ切削工具のホルダー
JP2006247814A (ja) 回転切削刃の非接触式損耗検知システム、スローアウェイチップの損耗検知方法及びフライス工具
JP4206238B2 (ja) スローアウェイ式穴あけ工具
JP2007030138A (ja) スローアウェイチップおよびこれを備えた切削工具
JP4628113B2 (ja) スローアウェイ式切削工具及びスローアウェイチップ
JP2002066809A (ja) ねじ切り用スローアウェイチップ
JPH11123609A (ja) スローアウェイ式エンドミル及びスローアウェイチップ
CN114845829B (zh) 切削工具和具有这种切削工具的机床
JPH0618732Y2 (ja) ボールエンドミル
JP2003127001A (ja) チップホルダおよびそれを用いた切削工具
JP3898427B2 (ja) スローアウェイチップ及びその製造方法
JP4105854B2 (ja) スローアウェイチップの製造方法
EP0205886A2 (en) Improvements in or relating to an end milling cutter
JP2006281359A (ja) センサ付き切削工具
TW201924817A (zh) 切割工具及刀架

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071004

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101004

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101004

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111004

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121004

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131004

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees