JP6657988B2 - ねじの保持構造 - Google Patents
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Description
ねじを保持し脱落を防止する構造として、例えば、特許文献1に開示されたものがあり、ねじ部材の雄ねじ部の外径より小さい孔径でねじ部材がねじ込まれる取り付け孔を有する弾性部材を被固定部材に設けておき、弾性部材の取り付け孔の弾性力によってねじ部材を保持するようにしている。
また、ねじ部材の脱落を防止するため、ねじ部材を弾性部材の取り付け孔に深く入れておくと、雄ねじ部が下から突き出し、固定部材に取り付ける場合にねじ部材が当たり、被固定部材が浮き上がって位置合わせをして締め付けることが不安定になるという問題もある。
挿通孔が成形された取り付けステーを有し、雌ねじ部が形成された固定部材に取り付けられる被固定部材と、
一端部にねじ頭部を有し他端部に前記雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を有するねじ部材と、
前記被固定部材は、前記取り付けステーが一体に成形された第1ケースと、押え部が一体に成形された第2ケースと、を有し、
前記ねじ頭部を除く前記ねじ部材の少なくとも一部が前記挿通孔内に位置するように前記ねじ部材を前記挿通孔に挿通させた状態で、前記第1ケースと前記第2ケースが前記挿通孔と前記押え部が対向するように互いに組み合うことにより、前記ねじ部材を前記挿通孔に挿通された状態に保持する、
ことを特徴とする。
本発明のねじの保持構造1は、固定部材Sに取り付けられる被固定部材10と、被固定部材10が固定部材Sに取り付けられたとき固定部材Sに当接する、被固定部材10に設けられる取り付けステー11と、取り付けステー11に形成される挿通孔12に挿通され、取り付けステー11から突出する先端が固定部材Sに形成される雌ねじ部Wに螺合可能なねじ部材20と、ねじ部材20を挿通孔12に挿通された状態に保持する保持機構30と、を備えて構成され、保持機構30は、取り付けステー11を固定部材Sへ当接させたときねじ部材20の先端を取り付けステー11の挿通孔12内に位置させて保持するように構成される。
例えば、ヘッドアップディスプレイ装置を被固定部材10とし、ヘッドアップディスプレイ装置の取り付けステー11に予めねじ部材20を保持機構30で脱落しないように確実に保持しておき、しかも、ねじ部材20が取り付けステー11から突き出さないようにしておくことで、固定部材Sに取り付けステー11を当接させたときに固定部材Sから浮き上がらないようにし、組立および締め付けを安定した状態で容易にできるようにする。
なお、固定部材Sの位置決め用凹部Hおよび取り付けステー11の位置決め用筒部13は、必ずしも必要ではなく、省略するようにしても良い。
取り付けステー11は、表裏方向に貫通して挿通孔12が形成され、ねじ部材20を挿通することができるようにしてある。
挿通孔12は、図1(a)に示すように、取り付けステー11の表面から上部に第1雌ねじ部15が形成され、第1雌ねじ部15より下部は、ねじ部材20が挿通される円筒部16が形成されている。
このねじの保持構造1では、取り付けステー11の裏面に位置決め用筒部13が下方に突き出すように一体に形成され、位置決め用筒部13の中心部に、円筒部16が連通して形成されている。位置決め用筒部13の先端部外周は、下方に尖ったテーパ状に形成され、位置決め用凹部Hへのガイドとされる。
取り付けステー11および位置決め用筒部13の円筒部16は、ねじ部材20の先端が突き出さずに挿通孔12内に位置させるための退避空間17となる。
ねじ部材20の雄ねじ部22は、取り付けステー11の第1雌ねじ部15に螺合可能とされている。ねじ部材20は、雄ねじ部22が第1雌ねじ部15を通過すると、第1雌ねじ部15に小径部23が位置し、自由に回転できる状態で挿通孔12内に位置する。言い換えれば、取り付けステー11には、ねじ部材20が挿通孔12に挿通された状態(ねじ部材20のねじ頭部21が取り付けステー11の表面に当接した状態)で、ねじ部材20の小径部23に対向する位置(取り付けステー11の表面からの上部)に、ねじ部材20の雄ねじ部22が螺合可能な第1雌ねじ部15が形成されていることになる。
なお、第1雌ねじ部15は、取り付けステー11の表面から形成する場合に限らず、凹部を介して中間部から形成するようにしても良い。
これにより、固定部材Sに取り付けステー11を載置するように当接させても雄ねじ部22が上に押されて退避空間17に退避し、雌ねじ部Wとの当接で取り付けステー11が浮き上がることが防止される。
このような状態では、保持機構30を構成する取り付けステー11の第1雌ねじ部15と、ねじ部材20の雄ねじ部22と、によってねじ部材20が取り付けステー11に保持された状態となる。この状態で、被固定部材10の輸送などが行われ、被固定部材10を平らな面に置くことで、ねじ部材20が押し戻されて退避した状態で退避空間17内に位置する。
被固定部材10の固定部材Sへの取り付けは、固定部材Sの位置決め用凹部Hに、被固定部材10の取り付けステー11に一体に形成した位置決め用筒部13を入れるようにして位置決めする。こうすることで、取り付けステー11に保持機構30で保持されたねじ部材20が押し戻されて退避した状態で退避空間17内に位置する。
次いで、ねじ部材20のねじ頭部21を工具で押し込むようにして回すことで、雄ねじ部22が固定部材Sの雌ねじ部Wに螺合され、締め付けることで互いを固定することができる。
また、ねじ部材20の退避空間17を、取り付けステー11の挿通孔12と、これと一体の位置決め用筒部13とで構成することで、取り付けステー11の厚さを厚くすることなく、ねじ部材20の雄ねじ部22を退避させる空間を確保することができる。
また、固定部材Sに位置決め用凹部Hを形成し、これに位置決め用筒部13を装着して位置決めすることで、ねじ部材20と雌ねじ部Wだけの場合に比べ、外径が大きい分だけ、目視やロボットなどによる位置合わせが容易となり、作業性を向上することができる。
なお、既に説明した上記のねじの保持構造1と同一部分には、同一記号を記し、重複する説明は、省略する。
このねじの保持構造1Aでは、取り付けステー11に第1雌ねじ部45を直接形成することなく、クリップ部材40に第1雌ねじ部45を形成しておき、クリップ部材40を取り付けステー11に装着するようにしている。
クリップ部材40は、ねじ部材20の雄ねじ部22が螺合される第1雌ねじ部45が形成され、取り付けステー11に装着されたとき第1雌ねじ部45が挿通孔12に一致するように構成されている(図2(b)参照)。
クリップ部材40は、取り付けステー11の厚さに対応する間隔を形成してステンレス鋼などの金属板をコ字状に折り曲げたクリップ本体41を備えている。
クリップ本体41は、表板部42に貫通孔43が形成され、貫通孔43の外周部から中心に向かって3つの突き出し片44が一体に形成され、突き出し片44の3つの先端縁が第1雌ねじ部45に相当するねじ孔を構成している。
また、表板部42は、先端部裏側に突き出す突条部46が形成してある。突条部46は、組立の際、取り付けステー11の上面に形成した凹条部18に落とし込むことでクリック感を得て、ほぼ所定位置に装着したことを確認することができるようにする。したがって、突条部46に対して凹条部18を大きな寸法として形成してある。また、突条部46と凹条部18とによって簡単にクリップ部材40が取り付けステー11からはすれないようにする。
クリップ本体41は、裏板部47に取り付けステー11への装着方向先端側が開口した半円状の切り欠き部48が形成され、取り付けステー11への装着の際、位置決め用筒部13との干渉を防止して装着できるようにしてある。裏板部47の切り欠き部48の両側には、先端部表側に突き出す突起部49が形成してある。突起部49は、組立の際、取り付けステー11の下面に形成した凹部(図示省略)に落とし込むことでクリック感を得て、ほぼ所定位置に装着したことを確認することができるようにする。したがって、突起部49に対して凹部を大きな寸法として形成してある。また、突起部49と凹部とによって簡単にクリップ部材40が取り付けステー11からはすれないようにする。
このねじの保持構造1Aでは、保持機構30は、クリップ部材40の第1雌ねじ部45とねじ部材20の雄ねじ部22とで構成され、挿通孔12が退避空間17を構成している。
なお、ねじの保持構造1Aのクリップ部材40以外の他の構成は、既に説明したねじの保持構造1と同一である。
この後、クリップ部材40の第1雌ねじ部45にねじ部材20を予め装着する。
これ以降の作業工程は、既に説明したねじの保持構造1と同一である。
また、ねじの保持構造1と同一の作用効果を奏することは、言うまでもない。
なお、既に説明した上記のねじの保持構造1、1Aと同一部分には、同一記号を記し、重複する説明は、省略する。
このねじの保持構造1Bでは、ねじ部材60を一般のねじで構成し、保持機構70は、ねじ頭部61を押えて脱落を防止する押え部材71で構成するようにしている。
すなわち、保持機構70は、挿通孔12に挿通されたねじ部材60の先端が挿通孔12内に位置する状態でねじ頭部61を押さえて保持する押え部材71を備え、押え部材71には、ねじ頭部61を操作する操作孔72が形成されて構成されている。
押え部材71は、ねじ頭部61を押さえる押え部73が表側に突き出す凹状に形成してある。これにより、ねじ頭部61を凹状の押え部73に位置させることで、ねじ部材60が倒れないようにして保持する。
押え部材71は、下ケース14に一体に形成したボス部14aに固定ねじ74で取り付けられている。
すなわち、保持機構70は、ねじ部材60の雄ねじ部62の先端が取り付けステー11の挿通孔12内に位置する状態で、ねじ頭部61を押えることで、上方への脱落を防止する。これに加えて、ねじ頭部61を凹状の押え部73に位置させることで、ねじ部材60の倒れによる脱落を防止する。
したがって、保持機構70によりねじ部材60は、どのような状態になっても取り付けステー11の挿通孔12に保持された状態となる。
また、保持機構70では、ねじ部材60のねじ頭部61の表面が押え部材71に当接した状態で、雄ねじ部62が取り付けステー11の挿通孔12内に位置し、雄ねじ部62の先端が取り付けステー11の裏面から突き出すことがなく退避状態としておくことができる。すなわち、押え部材71と挿通孔12との間が退避空間17を構成し、ねじ部材60を退避収納することができる。
この状態で、被固定部材10を輸送する。輸送中は、保持機構70によってねじ部材60の取り付けステー11の挿通孔12から脱落しないように保持することができる。また、取り付けステー11を箱などの平らなところに置いた場合には、ねじ部材60が押し戻されて退避空間17内に収納された状態となり、浮き上がることもなく、安定した状態で静置することができる。
輸送などが行われた後、固定部材Sの雌ねじ部Wに取り付ける場合には、取り付けステー11を固定部材Sの上に置くように当接させ、雌ねじ部Wにねじ部材60の雄ねじ部62を位置させる。
次いで、押え部材71の操作孔72から工具を入れてねじ部材60を回して締め付けることで、被固定部材10を固定部材Sに固定することができる。
なお、本実施の形態では、取り付けステー11の位置決め用筒部13と固定部材Sの位置決め用凹部Hとを省略したが、これらを設けて被固定部材10と固定部材Sとを位置決めするようにしても良く、作業性を向上することができる。
なお、既に説明した上記のねじの保持構造1Bと同一部分には、同一記号を記し、重複する説明は、省略する。
このねじの保持構造1Cでは、ねじ部材60を一般のねじで構成し、保持機構70は、ねじ頭部61を押えて脱落を防止する押え部材75が被固定部材10に一体に設けて構成してある。
ねじの保持構造1Cでは、被固定部材10は、分離組立可能な第1の被固定部材である下ケース14と第2の被固定部材である上ケース19とで構成され、第1の被固定部材である下ケース14に取り付けステー11が一体に合成樹脂で形成されており、押え部材75は、第2の被固定部材である上ケース19に一体に合成樹脂で形成されて構成されている。
押え部材75は、ねじ部材60を操作するための操作孔76が形成してあり、押え部材75をセットした後、ねじ部材60のねじ頭部61のねじ穴を介して締め付けたり、外したりすることが可能としている。
また、押え部材75は、裏側に凹状の押え部(図示せず)が形成してある。これにより、ねじ頭部61を凹状の押え部に位置させることで、ねじ部材60が倒れないようにして保持することができる。
押え部材75は、上ケース19を下ケース14に組み立てることでねじ部材60の上方に配置されて固定される。
すなわち、保持機構70の押え部材75は、ねじ部材60の雄ねじ部62の先端が取り付けステー11の挿通孔12内に位置する状態で、ねじ頭部61を押えることで、保持機構70の押え部材71と同様に、上方への脱落を防止する。これに加えて、保持機構70の押え部材71と同様に、ねじ頭部61を凹状の押え部に位置させることで、ねじ部材60の倒れによる脱落を防止する。
したがって、保持機構70の押え部材75によりねじ部材60は、どのような状態になっても取り付けステー11の挿通孔12に保持された状態となる。
また、保持機構70の押え部材75では、ねじ部材60のねじ頭部61の表面が押え部材75に当接した状態で、雄ねじ部62が取り付けステー11の挿通孔12内に位置し、雄ねじ部62の先端が取り付けステー11の裏面から突き出すことがない退避状態としておくことができる。すなわち、押え部材75と挿通孔12との間が退避空間17を構成し、ねじ部材60を退避収納することができる。
なお、ねじの保持構造1Cの他の構成は、すでに説明したねじの保持構造1Bと同一であるので、説明は省略する。
この状態で、被固定部材10を輸送する。輸送中、保持機構70の押え部材75によってねじ部材60は、取り付けステー11の挿通孔12から脱落しないように保持することができる。また、取り付けステー11を箱などの平らなところに置いた場合には、ねじ部材60が押し戻されて退避空間17内に収納された状態となり、取り付けステー11が固定部材Sから浮き上がることもなく、静置することができる。
輸送などが行われた後、固定部材Sの雌ねじ部Wに取り付ける場合には、取り付けステー11を固定部材Sの上に置くように当接させ、雌ねじ部Wにねじ部材60の雄ねじ部62を位置させる。
次いで、押え部材75の操作孔76から工具を入れてねじ部材60を回して締め付けることで、被固定部材10を固定部材Sに固定する。
また、押え部材75を上ケース19に一体成形することで、押え部材75を別部材として用意する必要がなく、部品点数を削減することができ、押え部材75の位置調整の必要もなく、上ケース19の取り付けに伴って位置決めされ、作業性を向上することもできる。
なお、本実施の形態では、取り付けステー11の位置決め用筒部13と固定部材Sの位置決め用凹部Hとを省略したが、これらを設けて被固定部材10と固定部材Sとを位置決めするようにしても良く、作業性を向上することができる。
なお、既に説明した上記のねじの保持構造1Aと同一部分には、同一記号を記し、重複する説明は、省略する。
このねじの保持構造1Dでは、ねじ部材60を一般のねじで構成し、保持機構80は、挿通孔12に挿通されたねじ部材60を、ねじ部材60の先端が挿通孔12内に位置するように取り付けステー11上で弾性的に変位可能に保持する弾性保持部材81を備えて構成される。
弾性保持部材81は、ねじ部材60のねじ頭部61を、ねじ頭部61の側方から挟み込むことでねじ部材60を保持する複数の弾性挟持部材82を備えている。
すなわち、ねじの保持構造1Dでは、取り付けステー11の上方に保持機構80を配置して弾性保持部材81および弾性挟持部材82によってねじ部材60を弾性的に保持し、ねじ部材60の締め付け前や取り外しの際に退避空間17に位置させるように構成してある。
保持機構80では、クリップ本体41の表板部42の取り付けステー11への装着直交方向で貫通孔43を挟む両側に、弾性保持部材81が対向するように1対配置されて上方に立設されている。
1対の弾性保持部材81は、上方に突き出す垂直板部81aの上端が斜め下方に折り曲げられて斜面部81bとされ、さらに斜面部81bの先端から下方に弾性挟持部材82が設けられて貫通孔43を挟む両側に平行で垂直に対向している。
対向している1対の弾性挟持部材82の左右の間隔は、ねじ部材60の雄ねじ部62のほぼ外径と同じ間隔としてあり、ねじ頭部61は、弾性挟持部材82の弾性変形によって通過できる。弾性挟持部材82には、ねじ部材60のねじ頭部61が通過した後に入ることで保持される保持孔82aが矩形に形成されている。保持孔82aは、上部および左右部を切り込んで外側に折り曲げることで形成され、折り曲げ部は、上端が外側に位置し、下端が内側の弾性挟持部材82上に位置する傾斜面とされて第1のガイド部83を構成している。
保持孔82aは、クリップ本体41を取り付けステー11に取り付けた状態で、ねじ頭部61を挿着孔12から雄ねじ部62の先端が突き出さない位置に形成してある。
すなわち、取り付けステー11の挿着孔12から保持孔82aまでの部分が退避空間17を構成している。
また、弾性挟持部材82の下端には、第2のガイド部84が設けられ、折り曲げ部として形成され、上端が内側の弾性挟持部材82上に位置し、下端が外側に位置する傾斜面とされて第2のガイド部84が構成されている。
さらに、それぞれの弾性挟持部材82の両側縁には、内側に曲げられたねじ頭部ガイド82bが形成され、1対の弾性挟持部材82の4箇所のねじ頭部ガイド82bによってねじ部材60のねじ頭部61を弾性的に保持し、上下方向の移動をガイドできるようにしてある。
なお、クリップ本体41と取り付けステー11との間に、ねじの保持構造1Aと同様に、クリップ部材40に突条部および突起部を形成することで、クリック感を得てほぼ所定位置に装着したことを確認できるようにしても良い。
また、取り付けステー11に、裏面の挿通孔12の外側にリング状の平坦面を形成するようにすることで、取り付けステー11の全面を平坦に仕上げることなく、上下方向の位置決め精度を向上することができる。
予め装着されるねじ部材60は、図6(a)に示すように、ねじ頭部ガイド82bでガイドされてねじ頭部ガイド82bを弾性変形させて押し広げるようにして下方に移動し、図6(b)に示すように、ねじ頭部61が保持孔82aに落とし込まれてねじ部材60が保持される。
この状態では、ねじ部材60が保持機構80で保持された状態となり、取り付けステー11の上方の退避空間17にねじ部材60が保持された状態となる。
このねじ頭部61が保持孔82aに入った状態では、ねじ頭部61の下端が第1のガイド部83上に位置する。
こうしてねじ部材60が保持機構80で保持された被固定部材10は、輸送などが行われる。
次いで、輸送が行われた後、被固定部材10の固定部材Sへの取り付けは、固定部材Sの位置決め用凹部Hに、被固定部材10の取り付けステー11に一体に形成した位置決め用筒部13を入れるようにして位置決めする。
次いで、ねじ部材20のねじ頭部21を工具で押し込むようにして回すことで、雄ねじ部22が固定部材Sの雌ねじ部Wに螺合され、締め付けることで互いを固定することができる。
このねじ部材60を押し込むようにして回す操作が行われると、図6(c)に示すように、ねじ頭部61が第1のガイド部83の傾斜面に沿って下方に移動し、移動に伴って弾性挟持部材82を押し広げるように弾性変形させて雄ねじ部62が固定部材Sの雌ねじ部Wにねじ込まれる。
これにより、ねじ部材60は、被固定部材10に、保持機構80によって保持された状態となり、被固定部材10を取り外すことに伴って退避空間17に保持されて取り外すことができる。
また、ねじの保持構造1Dによれば、第1のガイド部83と第2のガイド部84によって、被固定部材10の固定部材Sへの取り付け前のねじ部材60の保持だけでなく、固定部材Sから被固定部材10を取り外す場合のねじ部材60の保持もできる。
なお、本実施の形態では、取り付けステー11の位置決め用筒部13と固定部材Sの位置決め用凹部Hとを省略したが、これらを設けて被固定部材10と固定部材Sとを位置決めするようにしても良く、作業性を向上することができる。
これにより、固定部材Sに取り付けステー11を載置するように当接させても雄ねじ部22が上に押されて退避空間17に退避し、雌ねじ部Wとの当接で取り付けステー11が浮き上がることを防止することができる。
また、押え部材75を上ケース19に一体成形することで、押え部材75を別部材として用意する必要がなく、部品点数を削減することができ、押え部材75の位置調整の必要もなく、上ケース19の取り付けに伴って位置決めされ、作業性を向上することもできる。
S 固定部材
W 雌ねじ部
H 位置決め用凹部
10 被固定部材
11 取り付けステー
12 挿通孔
13 位置決め用筒部
14 下ケース
14a ボス部
15 第1雌ねじ部
16 円筒部
17 退避空間
18 凹条部
19 上ケース
20 ねじ部材
21 ねじ頭部
22 雄ねじ部
23 小径部
30 保持機構
1A ねじの保持構造
40 クリップ部材
41 クリップ本体
42 表板部
43 貫通孔
44 突き出し片
45 第1雌ねじ部
46 突条部
47 裏板部
48 切り欠き部
49 突起部
1B ねじの保持構造
60 ねじ部材
61 ねじ頭部
62 雄ねじ部
70 保持機構
71 押え部材
72 操作孔
73 押え部
74 固定ねじ
1C ねじの保持構造
75 押え部材
76 操作孔
1D ねじの保持構造
80 保持機構
81 弾性保持部材
81a 垂直板部
81b 斜面部
82 弾性挟持部材
82a 保持孔
82b ねじ頭部ガイド
83 第1のガイド部
84 第2のガイド部
Claims (4)
- 挿通孔が成形された取り付けステーを有し、雌ねじ部が形成された固定部材に取り付けられる被固定部材と、
一端部にねじ頭部を有し他端部に前記雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を有するねじ部材と、
前記被固定部材は、前記取り付けステーが一体に成形された第1ケースと、押え部が一体に成形された第2ケースと、を有し、
前記ねじ頭部を除く前記ねじ部材の少なくとも一部が前記挿通孔内に位置するように前記ねじ部材を前記挿通孔に挿通させた状態で、前記第1ケースと前記第2ケースが前記挿通孔と前記押え部が対向するように互いに組み合うことにより、前記ねじ部材を前記挿通孔に挿通された状態に保持する、
ことを特徴とするねじの保持構造。 - 前記押え部は、前記ねじ頭部の外形よりも小さい操作孔を有し、
前記第1ケースと前記第2ケースが前記挿通孔と前記操作孔が対向するように互いに組み合う、
ことを特徴とする請求項1に記載のねじの保持構造。 - 前記取り付けステーは、前記挿通孔と連通する位置決め用筒部が一体に成形され、
前記固定部材は、前記雌ねじ部と同軸で前記位置決め用筒部を受ける位置決め用凹部が一体に成形される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のねじの保持構造。 - 前記被固定部材は、ヘッドアップディスプレイ装置であり、
前記固定部材は、自動車の車体である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のねじの保持構造。
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