JP2007048566A - 締結具及びこの締結具を用いたコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速に締結できる締結具及びこの締結具を用いたコネクタを提供する。
【解決手段】締結具10は、軸部1aと軸部1aより外径の大きい頭部1bを有する棒状締結部材1と、軸部1aが挿入される穴2aの中心から放射状に延びる複数のスリット2bで区画される複数の弾性片2cを有する板状締結部材2で構成される。穴2aの内径は軸部1aの外径より小さく形成され、穴2aに前記軸部を挿入すると、軸部1aは板状締結部材2に対して抜去困難に複数の弾性片2cの先端円弧に係止される。コネクタ30は、複数の棒状締結部材1と、複数の弾性片2cつき穴2aが一列に配置された板状締結部材2と、でプリント基板6に締結される。
【選択図】 図1
【解決手段】締結具10は、軸部1aと軸部1aより外径の大きい頭部1bを有する棒状締結部材1と、軸部1aが挿入される穴2aの中心から放射状に延びる複数のスリット2bで区画される複数の弾性片2cを有する板状締結部材2で構成される。穴2aの内径は軸部1aの外径より小さく形成され、穴2aに前記軸部を挿入すると、軸部1aは板状締結部材2に対して抜去困難に複数の弾性片2cの先端円弧に係止される。コネクタ30は、複数の棒状締結部材1と、複数の弾性片2cつき穴2aが一列に配置された板状締結部材2と、でプリント基板6に締結される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、締結具及びこの締結具を用いたコネクタに関する。例えば、プリント基板用のコネクタは、締結具を用いてプリント基板に締結される。
例えば、プリント基板用のコネクタは、細長のハウジングの両端にフランジ部を有し、一対のフランジ部がねじなどの締結具でプリント基板に取り付けられている。このようなコネクタは、複数のコンタクトが配列されていない部位に、前記フランジ部が突出形成されているので、プリント基板への占有領域を大きくして、好ましくない。
前述のようなプリント基板用のコネクタに対して、プリント基板に対して締め付け固定手段により固定されるプリント基板用コネクタを比較的小型寸法にしたコネクタが発明されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によるコネクタは、突壁を含む細長のハウジングを備えている。そして、突壁の両側面に沿って複数のコンタクトが配列されている。突壁には、長さ方向の複数の箇所に底面に向けて貫通する貫通穴が形成されている。突壁の頂面上には、貫通穴に対応する穴を有する細長の金属板が配置されている。このコネクタは、プリント基板の所定位置に配置されている。リベットは、細長の金属板の穴及びハウジングの貫通穴を貫通する。そして、リベットがプリント基板の反実装面に配置される細長の金属板に対して係合することにより、このコネクタは、プリント基板に強固に固定され、同時に十分な機械的補強が成される、としている。
特開平11−339903号公報
例えば、パッケージされたICやウェハ等の半導体部品を試験する半導体試験装置は、DUT(Device Under Test)が搭載されるDUTボード、又はDUTと接触するテストボードを有するテストヘッドを備えている。このような半導体試験装置、特にメモリテスティング装置は、多数のDUTを一括して試験するために、当該メモリテスティング装置におけるテストヘッドにおいては、例えば、多数のDUTと接続するディアルインラインプラグがテストボードに多数取り付けられている。96個のディアルインラインプラグが放射状にテストボードに取り付けられている。
特許文献1によるコネクタは、例えば、前述のディアルインラインプラグであって、リベットの先端を潰すように押圧変形して、このプラグがテストボードに取り付けられる。特許文献1によるコネクタは、一つのハウジングに対して5本のリベットが用意されている。したがって、一枚のテストボードを製作するためには、約500本のリベットのかしめ付け作業が必要である。リベットをねじに変更しても、約500本のねじ回し作業が必要になる。被締結体を迅速に締結する締結具が求められる。又、迅速に締結できる締結具を用いたコネクタが求められる。そして、これらのことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような問題に鑑み、迅速に締結できる締結具及びこの締結具を用いたコネクタを提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を満たすため、一方の締結具をリベット状部材とし、他方の締結具を前記リベット状部材が挿入されると弾性爪で不可逆的に係止される板状部材とした一組の締結具で構成し、及び、コネクタは、この一組の締結具を用いてプリント基板に締結される構造とし、以下のような新たな締結具及びこの締結具を用いたコネクタを発明した。
(1) 軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する棒状締結部材と、前記軸部が挿入される穴の中心から放射状に延びる複数のスリットで区画される複数の弾性片を有する板状締結部材と、で構成され、前記穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成され、当該穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記複数の弾性片に係止される締結具。
(1)の発明による締結具は、棒状締結部材が、軸部と軸部より外径の大きい頭部を有している。板状締結部材は、軸部が挿入される穴を有している。又、板状締結部材は、この穴の中心から放射状に延びる複数のスリットで区画される複数の弾性片を有している。そして、棒状締結部材と板状締結部材で締結具が構成される。
棒状締結部材は、金属棒で形成されることが好ましく、防錆の観点からはステンレス棒が好ましく用いられる。頭部は軸部より外径の大きいとは、軸部に段差が設けられることを意味していており、この段差が被締結体に当接して締結を可能とする。後述するように、棒状締結部材を板状締結部材の穴に挿入するだけで締結できるので、棒状締結部材の頭部は、ボルトの頭部のように回転すべく六角又は四角に形成する必要はない。又、棒状締結部材の頭部は、ねじの頭部のように回転すべく十字穴やすり割溝を設ける必要もない。棒状締結部材の頭部は、リベットの頭部のように半球状に形成されてもよく、円柱状に形成されてもよい。軸部の長さは、被締結体に対応して適宜設定される。
板状締結部材は、金属板で形成されることが好ましく、防錆の観点からはステンレス板が好ましく用いられる。軸部が挿入される穴は後述するように丸穴であってよく、複数のスリットで区画される弾性片が矩形状となるように多角形の角穴であってもよい。そして、穴の中心から複数のスリットが放射状に延びている。複数のスリットは等角度で設けられることが好ましく、複数のスリットの幅は同一であることが好ましい。スリットは三つ以上設けられてよく、穴の直径が大きくなるほどスリットの数を増加することが可能である。
放射状に延びる複数のスリットの終端は、同一円周状に位置していることが好ましく、この複数のスリットの終端に、スリットの幅より大きい穴が設けられてもよい。又、この複数のスリットの終端に、円周方向に延びる交差スリットを設けてもよい。前記スリットの幅より大きい穴や交差スリットを設けることにより、複数のスリットで区画される複数の弾性片の撓み量が調整できる。複数の弾性片はスリットで区画されており、後述するように各弾性片の先端は円弧に形成されてもよい。軸部が挿入される穴とは、前記複数の円弧で非連続的に囲われた仮想円ということもできる。又、各弾性片の先端は直線状に形成され、軸部に点接触するようにしてもよい。このようなスリット付き穴は、例えば、打ち抜き加工で形成される。
そして、(1)の発明による締結具は、穴の内径は軸部の外径より小さく形成されている。この穴に軸部を挿入すると、軸部は板状締結部材に対して抜去困難に複数の弾性片に係止される。
(1)の発明による締結具は、板状締結部材に設けられた複数の弾性片を有する穴に棒状締結部材の軸部を挿入することにより、被締結体を迅速に締結できる。従来のリベットのようにかしめ付け作業や、従来のねじのようにねじ回し作業を不要としているからである。ここで、穴に軸部を挿入するとは、あくまで相対的なものであって、被締結体から突出する軸部に板状締結部材の穴を挿入してもよく、板状締結部材を被締結体に保持し、棒状締結部材を前記穴に挿入してもよい。又、複数の弾性片の先端は、棒状締結部材が挿入される方向と反対側に隆起するように予め突出形成されてもよく、複数の弾性片の先端は、板状締結部材と同一平面を共有し、棒状締結部材が挿入されることにより、棒状締結部材が挿入される方向と反対側に隆起するように複数の弾性片が撓むようにしてもよい。
(2) 軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する棒状締結部材と、前記軸部が挿入される穴の中心から所定の間隔を設けて互いに平行に延びる一対のスリットで区画される一対の弾性片を有する板状締結部材と、で構成され、前記穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成され、当該穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記一対の弾性片に係止される締結具。
(2)の発明による締結具は、棒状締結部材が、軸部と軸部より外径の大きい頭部を有している。板状締結部材は、軸部が挿入される穴を有している。又、板状締結部材は、この穴の中心から所定の間隔を設けて互いに平行に延びる一対のスリットで区画される複数の弾性片を有している。そして、棒状締結部材と板状締結部材で締結具が構成される。
軸部が挿入される穴は後述するように丸穴であってよく、一対の複数のスリットで区画される弾性片が矩形状となるように四角穴であってもよい。そして、穴の中心から所定の間隔を設けて互いに平行に一対のスリットが延びている。互いに平行に延びる一対のスリットの終端は、穴の中心から等距離であることが好ましく、この一対のスリットの終端は円弧に形成されてもよい。一対のスリットの幅は同一であることが好ましい。そして、一対の弾性片は、一対のスリットで区画されており、後述するように各弾性片の先端は円弧に形成されてもよい。軸部が挿入される穴とは、前記一対の円弧で非連続的に囲われた仮想円ということもできる。又、一対の各弾性片の先端は直線状に形成され、軸部に点接触するようにしてもよい。このようなスリット付き穴は、例えば、打ち抜き加工で形成される。
そして、(2)の発明による締結具は、穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成されている。この穴に軸部を挿入すると、軸部は板状締結部材に対して抜去困難に一対の弾性片に係止される。
(2)の発明による締結具は、板状締結部材に設けられた一対の弾性片を有する穴に棒状締結部材の軸部を挿入することにより、被締結体を迅速に締結できる。従来のリベットのようにかしめ付け作業や、従来のねじのようにねじ回し作業を不要としているからである。ここで、穴に軸部を挿入するとは、あくまで相対的なものであって、被締結体から突出する軸部に板状締結部材の穴を挿入してもよく、板状締結部材を被締結体に保持し、棒状締結部材を前記穴に挿入してもよい。又、一対の弾性片の先端は、棒状締結部材が挿入される方向と反対側に隆起するように予め突出形成されてもよく、一対の弾性片の先端は、板状締結部材と同一平面を共有し、棒状締結部材が挿入されることにより、棒状締結部材が挿入される方向と反対側に隆起するように一対の弾性片が撓むようにしてもよい。
(3) 前記軸部が挿入される穴は丸穴で形成され、当該丸穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記複数の弾性片の先端円弧に係止される(1)又は(2)記載の締結具。
軸部が挿入される穴は丸穴であってよく、丸穴の中心から複数のスリットが放射状に延びてもよく、丸穴の中心から所定の間隔を設けて互いに平行に一対のスリットが延びてもよい。複数の弾性片又は一対の弾性片は、放射状に延びる複数のスリット又は互いに平行に一対のスリットで区画されるので、各弾性片の先端は円弧に形成される。軸部が挿入される丸穴は、複数の円弧又は一対の円弧で非連続的に囲われた仮想円ということもできる。このようなスリット付き穴は、例えば、打ち抜き加工で形成される。そして、軸部は板状締結部材に対して抜去困難に複数の弾性片又は一対の弾性片の先端円弧に係止される。
(4) 前記板状締結部材は、前記複数の弾性片を有する複数の前記穴を設ける(1)から(3)のいずれかに記載の締結具。
(4)の発明による締結具は、例えば、複数の弾性片を有する複数の穴が板状締結部材に点在してもよく、複数の弾性片を有する複数の穴が板状締結部材に規則性をもって配列させてもよい。
ここで、複数の穴が点在しているとは、複数の穴が無秩序に点在していることを意味しているとは限らない。複数の穴を板状締結部材に適正配置できることをも意味している。又、複数の穴が規則性をもって配列されているとは、適正配置の一形態であるが、具体的には、複数の穴を格子状に配列することが考えられる。この場合の格子形状は矩形あるいは菱形であってもよい。又、複数の穴を一列に等間隔で配列してもよい。更には、複数の穴を同心円状に配列してもよい。
(5) 前記軸部は、前記複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に円周溝を設ける(3)又は(4)記載の締結具。
本発明による締結具は、複数の弾性片の先端円弧におけるエッジが軸部の外周に食い込むように係止するので、軸部の外周は一定以上の表面粗さが必要である。軸部を切削加工することにより、軸部の外周は複数の条溝が形成されて一定以上の表面粗さとなり、本発明による締結具は実用上、支障がない。しかし、本発明による締結具は、外観から係止状態が確認できるという安心感に乏しい。(5)の発明による締結具は、締結具の係止状態が確認できるように、複数の弾性片の先端円弧に係止される軸部の部位に円周溝を設けることもできる。
(6) 前記軸部は、先端部近傍から前記複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に至る領域に複数のV字状の円周溝を設ける(3)又は(4)記載の締結具。
例えば、被締結体は締結される方向にバラツキがあることが想定される。被締結体の厚さにバラツキがあることが想定されるといってもよい。(6)の発明による締結具は、このようなバラツキを吸収すべく、軸部の先端部近傍から複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に至る領域に複数のV字状の円周溝を設けることもできる。
(7) プリント基板の実装面に対して直交する方向から相手側コネクタが接続される垂直取り付け形のコネクタであって、前記相手側コネクタに挿入されるためのヘッダー部がフレーム部から突出し、当該ヘッダー部と当該フレーム部が一体で形成されているハウジングと、前記ヘッダー部の両側面に配列される複数のコンタクトと、軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する複数の棒状締結部材と、前記軸部が挿入される複数の穴の中心から放射状に延びる複数のスリットで区画される複数の弾性片を有し、この複数の穴が一列に設けられている板状締結部材と、を備え、前記ハウジングは、前記ヘッダー部の頂面から前記フレーム部の底面に貫通して前記棒状締結部材が挿入可能な複数の貫通穴を設け、前記穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成され、前記貫通穴を介して当該穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記複数の弾性片に係止され、前記ハウジングが前記プリント基板に締結されるコネクタ。
(7)の発明によるコネクタは、プリント基板の実装面に対して直交する方向から相手側コネクタが接続される垂直取り付け形のコネクタである。そして、ハウジングと複数のコンタクトと複数の棒状締結部材及び板状締結部材を備えている。ハウジングは、相手側コネクタに挿入されるためのヘッダー部がフレーム部から突出している。ハウジングは、ヘッダー部とフレーム部が一体で形成されている。複数のコンタクトは、ヘッダー部の両側面に配列されている。棒状締結部材は、軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有している。板状締結部材は、軸部が挿入される複数の穴を有している。板状締結部材は、各穴の中心から放射状に延びる複数のスリットで区画される複数の弾性片を有している。そして、板状締結部材は、複数の穴が一列に設けられている。
一般に、複数のコンタクトがヘッダー部の両側面に配列されているコネクタは、ディアルインラインコネクタと呼ばれる。(7)の発明によるコネクタは、ディアルインラインプラグであってよく、例えば、相手側コネクタはヘッダー部の挿抜力をほとんど必要としないZIF(Zero Insertion Force)コネクタであってよい。そして、プリント基板は、例えば、半導体試験装置に用いられるテストボードであってよい。例えば、このテストボードに本発明によるコネクタが多数取り付けられる。
そして、(7)の発明によるコネクタは、ヘッダー部の頂面からフレーム部の底面に貫通して棒状締結部材が挿入可能な複数の貫通穴が、ハウジングに設けられている。板状締結部材に設けられた各穴の内径は、軸部の外径より小さく形成されている。そして、貫通穴を介して穴に軸部を挿入すると、軸部は板状締結部材に対して抜去困難に複数の弾性片に係止することにより、コネクタがプリント基板に締結される。
(7)の発明によるコネクタは、板状締結部材に設けられた複数の弾性片を有する穴に棒状締結部材の軸部を挿入することにより、コネクタをプリント基板に迅速に締結できる。従来のリベットのようにかしめ付け作業を不要としているからである。ここで、穴に軸部を挿入するとは、あくまで相対的なものであって、プリント基板から突出する軸部に板状締結部材の穴を挿入してもよく、板状締結部材をプリント基板に保持し、棒状締結部材を前記穴に挿入してもよい。又、複数の弾性片は、棒状締結部材が挿入される方向と反対側に隆起するように予め突出形成されてもよく、複数の弾性片は、板状締結部材と同一平面を共有し、棒状締結部材が挿入されることにより、棒状締結部材が挿入される方向と反対側に隆起するように複数の弾性片が撓むようにしてもよい。
(8) プリント基板の実装面に対して直交する方向から相手側コネクタが接続される垂直取り付け形のコネクタであって、前記相手側コネクタに挿入されるためのヘッダー部がフレーム部から突出し、当該ヘッダー部と当該フレーム部が一体で形成されているハウジングと、前記ヘッダー部の両側面に配列される複数のコンタクトと、軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する複数の棒状締結部材と、前記軸部が挿入される複数の穴の中心から所定の間隔を設けて互いに平行に延びる一対のスリットで区画される一対の弾性片を有し、この複数の穴が一列に設けられている板状締結部材と、を備え、前記ハウジングは、前記ヘッダー部の頂面から前記フレーム部の底面に貫通して前記棒状締結部材が挿入可能な複数の貫通穴を設け、前記穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成され、前記貫通穴を介して当該穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記一対の弾性片に係止され、前記ハウジングが前記プリント基板に締結されるコネクタ。
(8)の発明によるコネクタは、板状締結部材に設けられた一対の弾性片を有する穴に棒状締結部材の軸部を挿入することにより、コネクタをプリント基板に迅速に締結できる。従来のリベットのようにかしめ付け作業を不要としているからである。ここで、穴に軸部を挿入するとは、あくまで相対的なものであって、プリント基板から突出する軸部に板状締結部材の穴を挿入してもよく、板状締結部材をプリント基板に保持し、棒状締結部材を前記穴に挿入してもよい。又、一対の弾性片の先端は、棒状締結部材が挿入される方向と反対側に隆起するように予め突出形成されてもよく、一対の弾性片は、板状締結部材と同一平面を共有し、棒状締結部材が挿入されることにより、棒状締結部材が挿入される方向と反対側に隆起するように一対の弾性片が撓むようにしてもよい。
(9) 前記軸部が挿入される複数の穴は丸穴で形成され、前記貫通穴を介して当該丸穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記複数の弾性片の先端円弧に係止され、前記ハウジングが前記プリント基板に締結される(7)又は(8)記載のコネクタ。
(10) 前記ヘッダー部の頂面と前記複数の棒状締結部材との間に細長の金属板が介装される(7)から(9)のいずれかに記載のコネクタ。
(10)の発明によるコネクタは、ヘッダー部の頂面と複数の棒状締結部材との間に細長の金属板を介装することにより、コネクタをプリント基板に強固に固定でき、同時に十分な機械的補強が成される。
(11) 前記軸部は、前記複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に円周溝を設ける(9)又は(10)記載のコネクタ。
(12) 前記軸部は、先端部近傍から前記複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に至る領域に複数のV字状の円周溝を設ける(9)又は(10)のいずれかに記載のコネクタ。
本発明による締結具は、軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する棒状締結部材と、軸部が挿入される穴と、この穴の中心から放射状に延びる複数のスリットで区画される複数の弾性片と、を有する板状締結部材と、で構成され、穴の内径は軸部の外径より小さく形成され、穴に軸部を挿入すると、軸部は板状締結部材に対して抜去困難に複数の弾性片に係止されるので、従来のリベットのようにかしめ付け作業や、従来のねじのようにねじ回し作業を不要とし、被締結体を迅速に締結できる。
又、本発明によるコネクタは、板状締結部材に設けられた複数の弾性片を有する穴に棒状締結部材の軸部を挿入することにより、従来のリベットのようにかしめ付け作業を不要とし、コネクタをプリント基板に迅速に締結できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明による締結具の一実施形態を示す斜視外観図である。図1は、本発明による板状締結部材と、本発明による棒状締結部材が対向配置されている。図2は、本発明による板状締結部材の変形例を示す平面図である。図3は、本発明による棒状締結部材の変形例を示す縦断面図である。
図4は、本発明によるコネクタの一実施形態を示す斜視分解組立図である。図5は、前記実施形態によるコネクタの背面図である。図6は、前記実施形態によるコネクタの平面図である。図7は、前記実施形態によるコネクタの正面図である。図8は、前記実施形態によるコネクタの縦断面図である。図9は、前記実施形態によるコネクタに用いられる板状締結部材の平面図である。図10は、前記実施形態によるコネクタに用いられる板状締結部材の平面図である。
最初に、本発明による締結具の構成を説明する。図1において、本発明による締結具10は、棒状締結部材1と板状締結部材2で構成されている。棒状締結部材1は、軸部1aと軸部1aより外径の大きい頭部1bを有している。板状締結部材2は、軸部1aが挿入される穴2aを有している。板状締結部材2は、穴2aの中心から放射状に延びる複数のスリット2bで区画される複数の弾性片2cを有している。
図1において、穴2aの内径は軸部1aの外径より小さく形成されている。穴2aに軸部1aを挿入すると、軸部1aは板状締結部材2に対して抜去困難に複数の弾性片2cの先端円弧に係止される。つまり、被締結体A・Bを棒状締結部材1と板状締結部材2で締結できる。
図1において、棒状締結部材1と板状締結部材2は金属から成ることが好ましく、例えば、棒状締結部材1と板状締結部材2はステンレス材から成ってもよい。図1において、棒状締結部材1の頭部1bは、リベットの頭部のように半球状に形成されているが、円柱状に形成されてもよい。軸部1aの長さは、被締結体A・Bの厚さに対応して適宜設定される。
図1において、複数のスリット2bは45度の等角度で設けられており、複数のスリット2bの幅は同一となっている。放射状に延びる複数のスリット2bの終端は、同一円周状に位置しており、この複数のスリット2bの終端に、スリット2bの幅より大きい穴2dを設けている。板状締結部材2は、図1に示された実施例に限定されることなく、以下に述べるような複数の弾性片2c付き穴2aを設けることも可能である。
図2(A)において、穴2aの中心から所定の間隔を設けて互いに平行に延びる一対のスリット2eが設けられている。互いに平行に延びる一対のスリット2eの終端は、穴2aの中心から等距離であって、一対のスリット2eの終端は円弧に形成されている。そして、一対のスリット2eで区画される一対の弾性片2cが設けられる。図2(B)において、三つのスリット2bは120度の等角度で設けられており、三つのスリット2bの幅は同一となっている。放射状に延びる三つのスリット2bの終端は、同一円周状に位置しており、この複数のスリット2bの終端に、スリット2bの幅より大きい穴2dを設けている。
このように、スリット2bは二つ以上設けられてよく、穴2aの直径が大きくなるほどスリット2bの数を増加することができる。又、図1において、板状締結部材2に一つの複数の弾性片2c付き穴2aが明示されているが、板状締結部材2に複数の穴2aを設けることも可能である。例えば、複数の弾性片2cを有する複数の穴2aが板状締結部材2に点在してもよく、複数の弾性片2cを有する複数の穴2aが板状締結部材2に規則性をもって配列させてもよい。
一方、締結具10は、複数の弾性片2cの先端円弧におけるエッジが軸部1aの外周に食い込むように係止するので、軸部1aの外周は一定以上の表面粗さが必要である。図1及び図3(A)に示された軸部1aは切削加工されており、軸部1aの外周は複数の条溝が形成されて一定以上の表面粗さとなり、締結具10は実用上、支障がないものとなっている。
しかし、締結具10は、外観から係止状態が確認できるという安心感に乏しい。したがって、締結具10の係止状態が確認できるように、複数の弾性片2cの先端円弧に係止される軸部1a部位に円周溝1cを設けることもできる(図3(B)参照)。例えば、被締結体A・Bは厚さにバラツキがあることが想定される(図1参照)。このようなバラツキを吸収すべく、軸部1aの先端部近傍から複数の弾性片2cの先端円弧に係止される部位に至る領域に複数のV字状の円周溝1dを設けることもできる(図3(C)参照)。
本発明による締結具は、軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する棒状締結部材と、軸部が挿入される穴と、この穴の中心から放射状に延びる複数のスリットで区画される複数の弾性片と、を有する板状締結部材と、で構成され、穴の内径は軸部の外径より小さく形成され、穴に軸部を挿入すると、軸部は板状締結部材に対して抜去困難に複数の弾性片の先端円弧に係止されるので、従来のリベットのようにかしめ付け作業や、従来のねじのようにねじ回し作業を不要とし、被締結体を迅速に締結できる。
次に、本発明による締結具を用いたコネクタの構成を説明する。図4において、コネクタ30は、ハウジング3と、複数のコンタクト4と、複数の棒状締結部材1と、板状締結部材2と、を備えている。ハウジング3は、相手側コネクタに挿入されるためのヘッダー部3aがフレーム部3bから突出している(図8参照)。ハウジング3は、ヘッダー部3aとフレーム部3bが一体で形成されている(図8参照)。複数のコンタクト4は、ヘッダー部3aの両側面に二列に配置されている(図5及び図6参照)。
図8において、プリント基板6の実装面に形成されるパッド(図示せず)に接続されるためのコンタクト4のリード部41は、ハウジング3の底面に沿って2列に配置されている。図8において、リード部41はプリント基板6のパッドに対して電気的に接続するように弾性接触可能な略L字状の形状に形成されている。
図4において、棒状締結部材1は、軸部1aと軸部1aより外径の大きい頭部1bを有している。板状締結部材2は、各穴2aの中心から放射状に延びる複数のスリット2bで区画される複数の弾性片2cを有している(図1参照)。板状締結部材2は、各穴2aの中心から所定の間隔を設けて互いに平行に延びる一対のスリット2eで区画される一対の弾性片2cを有してもよい(図2(A)参照)。そして、板状締結部材2は、複数の穴2aが一列に設けられている。
図4において、ヘッダー部3aの頂面からフレーム部3bの底面に貫通して棒状締結部材1が挿入可能な複数の貫通穴31が、ハウジング3に設けられている。又、ヘッダー部3aの頂面と複数の棒状締結部材1との間に、細長の金属板5が介装される(図8参照)。棒状締結部材1が挿入可能な複数の貫通穴51が、細長の金属板5に設けられている。
図4において、板状締結部材2に設けられた各穴2aの内径は、軸部1aの外径より小さく形成されている。そして、貫通穴31・51を介して穴2aに軸部1aを挿入すると、軸部1aは板状締結部材2に対して抜去困難に複数の弾性片2cの先端円弧に係止することにより、ハウジング3がプリント基板6に締結される。
図5から図7に示されたコネクタ30は、プリント基板6に実装される前の状態図であり複数の軸部1aがハウジング3から突出している。図5から図7に示されたコネクタ30がプリント基板6に挿入され、更に、複数の軸部1aが板状締結部材2に設けられた穴2aに挿入されることにより、コネクタ30をプリント基板6に締結できる。板状締結部材2は、例えば、図9及び図10に示された外形形状が考えられる。板状締結部材2の外形形状は適宜に設計される。
図4から図8に示されるような、複数のコンタクト4がヘッダー部3aの両側面に配列されているコネクタ30は、一般にディアルインラインコネクタと呼ばれる。ディアルインラインプラグは、例えば、相手側コネクタはヘッダー部3aの挿抜力をほとんど必要としないZIFコネクタとなる。図4に示されたプリント基板6は、例えば、半導体試験装置に用いられるテストボードであってよく。例えば、このテストボードにコネクタ30が96個取り付けられる。
本発明によるコネクタは、板状締結部材に設けられた複数の弾性片を有する穴に棒状締結部材の軸部を挿入することにより、コネクタをプリント基板に迅速に締結できる。従来のリベットのようにかしめ付け作業を不要としているからである。又、発明によるコネクタは、ヘッダー部の頂面と複数の棒状締結部材との間に細長の金属板を介装することにより、コネクタをプリント基板に強固に固定でき、同時に十分な機械的補強が成される。又、本発明によるコネクタに用いられる棒状締結部材は、極めて小さくできる。例えば、頭部の外径は2mmであり、軸部の外径は1mmとすることができる。
又、複数の弾性片2cの先端円弧は、棒状締結部材1が挿入される方向と反対側に隆起するように予め突出形成されてもよく、複数の弾性片2cの先端円弧は、板状締結部材2と同一平面を共有し、棒状締結部材1が挿入されることにより、棒状締結部材1が挿入される方向と反対側に隆起するように複数の弾性片2cが撓むようにしてもよい。
更に、軸部1aは、複数の弾性片2cの先端円弧に係止される部位に円周溝1cが設けられてもよく(図3(B)参照)、軸部1aは、先端部近傍から複数の弾性片2cの先端円弧に係止される部位に至る領域に複数のV字状の円周溝1dが設けられてもよい(図3(C)参照)。
1 棒状締結部材
1a 軸部
1b 頭部
2 板状締結部材
2a 穴
2b・2e スリット
2c 弾性片
10 締結具
30 コネクタ
1a 軸部
1b 頭部
2 板状締結部材
2a 穴
2b・2e スリット
2c 弾性片
10 締結具
30 コネクタ
Claims (12)
- 軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する棒状締結部材と、
前記軸部が挿入される穴の中心から放射状に延びる複数のスリットで区画される複数の弾性片を有する板状締結部材と、で構成され、
前記穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成され、当該穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記複数の弾性片に係止される締結具。 - 軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する棒状締結部材と、
前記軸部が挿入される穴の中心から所定の間隔を設けて互いに平行に延びる一対のスリットで区画される一対の弾性片を有する板状締結部材と、で構成され、
前記穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成され、当該穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記一対の弾性片に係止される締結具。 - 前記軸部が挿入される穴は丸穴で形成され、当該丸穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記複数の弾性片の先端円弧に係止される請求項1又は2記載の締結具。
- 前記板状締結部材は、前記複数の弾性片を有する複数の前記穴を設ける請求項1から3のいずれかに記載の締結具。
- 前記軸部は、前記複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に円周溝を設ける請求項3又は4記載の締結具。
- 前記軸部は、先端部近傍から前記複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に至る領域に複数のV字状の円周溝を設ける請求項3又は4記載の締結具。
- プリント基板の実装面に対して直交する方向から相手側コネクタが接続される垂直取り付け形のコネクタであって、
前記相手側コネクタに挿入されるためのヘッダー部がフレーム部から突出し、当該ヘッダー部と当該フレーム部が一体で形成されているハウジングと、
前記ヘッダー部の両側面に配列される複数のコンタクトと、
軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する複数の棒状締結部材と、
前記軸部が挿入される複数の穴の中心から放射状に延びる複数のスリットで区画される複数の弾性片を有し、この複数の穴が一列に設けられている板状締結部材と、を備え、
前記ハウジングは、前記ヘッダー部の頂面から前記フレーム部の底面に貫通して前記棒状締結部材が挿入可能な複数の貫通穴を設け、
前記穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成され、前記貫通穴を介して当該穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記複数の弾性片に係止され、前記ハウジングが前記プリント基板に締結されるコネクタ。 - プリント基板の実装面に対して直交する方向から相手側コネクタが接続される垂直取り付け形のコネクタであって、
前記相手側コネクタに挿入されるためのヘッダー部がフレーム部から突出し、当該ヘッダー部と当該フレーム部が一体で形成されているハウジングと、
前記ヘッダー部の両側面に配列される複数のコンタクトと、
軸部とこの軸部より外径の大きい頭部を有する複数の棒状締結部材と、
前記軸部が挿入される複数の穴の中心から所定の間隔を設けて互いに平行に延びる一対のスリットで区画される一対の弾性片を有し、この複数の穴が一列に設けられている板状締結部材と、を備え、
前記ハウジングは、前記ヘッダー部の頂面から前記フレーム部の底面に貫通して前記棒状締結部材が挿入可能な複数の貫通穴を設け、
前記穴の内径は前記軸部の外径より小さく形成され、前記貫通穴を介して当該穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記一対の弾性片に係止され、前記ハウジングが前記プリント基板に締結されるコネクタ。 - 前記軸部が挿入される複数の穴は丸穴で形成され、前記貫通穴を介して当該丸穴に前記軸部を挿入すると、当該軸部は前記板状締結部材に対して抜去困難に前記複数の弾性片の先端円弧に係止され、前記ハウジングが前記プリント基板に締結される請求項7又は8記載のコネクタ。
- 前記ヘッダー部の頂面と前記複数の棒状締結部材との間に細長の金属板が介装される請求項7から9のいずれかに記載のコネクタ。
- 前記軸部は、前記複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に円周溝を設ける請求項9又は10記載のコネクタ。
- 前記軸部は、先端部近傍から前記複数の弾性片の先端円弧に係止される部位に至る領域に複数のV字状の円周溝を設ける請求項9又は10記載のコネクタ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005230969A JP2007048566A (ja) | 2005-08-09 | 2005-08-09 | 締結具及びこの締結具を用いたコネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005230969A JP2007048566A (ja) | 2005-08-09 | 2005-08-09 | 締結具及びこの締結具を用いたコネクタ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2005
- 2005-08-09 JP JP2005230969A patent/JP2007048566A/ja not_active Withdrawn
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