JP6607700B2 - 樹脂構造体及び樹脂構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂構造体及び樹脂構造体の製造方法に関する。
従来、板状の構造体として、内部に複数のセルが並設された中空板材が知られている。特許文献1の中空板材は、所定形状のシート材を折り畳むことにより複数のセルが並設されたコア層を有する。コア層における各セルは六角柱状をなしており、コア層は全体としてハニカム構造をなしている。このコア層の上下両面には、それぞれシート材であるスキン層が接合されていて、コア層及びスキン層によって中空板材が板状に形成されている。
一方、特許文献2には、板状の資材の端縁に合成樹脂製のエッジ部を形成する技術が記載されている。特許文献2の技術では、発泡ポリスチロールや発泡ポリウレタン等の合成樹脂により、四角板状の構造体本体が形成されている。この構造体本体の端縁にエッジ部を形成する方法としては、四角形状の凹部が形成された成形用型枠内に構造体本体を配置する。成形用型枠の凹部の縦横の長さ寸法は、構造体本体の縦横の長さ寸法よりも長くなっており、構造体本体を成形用型枠内に配置した場合に、構造体本体の端縁と成形用型枠の凹部の内側面との間に所定幅の空間が形成される。この空間にエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂等を溶融させた溶融樹脂を充填し、その後、溶融樹脂を硬化させることにより、構造体本体の端縁に合成樹脂製のエッジ部が形成される。
特開2013−035154号公報 特開昭60−203443号公報
特許文献1の中空板材(構造体本体)の端縁にエッジ部を形成する場合、特許文献2の方法を適用して、中空板材の端縁と成形用型枠の凹部との間の空間に溶融樹脂を充填することが考えられる。しかし、溶融樹脂は相当に高い温度になっているため、溶融樹脂を充填する際に中空板材も加熱されることになる。すると、中空板材のセル内部の気体(空気)が膨張してセルの外部へと流出し、その流出した気体が溶融樹脂内に気泡として混入することがある。例えば、溶融樹脂を充填・硬化させてエッジ部を形成した後、そのエッジ部を中空板材の上面と面一に成形するため、エッジ部を切断加工することがある。このとき、上述したように溶融樹脂内に気泡が混入されたままエッジ部が形成されると、その気泡の窪みが表出してしまう。この例のように、溶融樹脂内に気泡が混入するとエッジ部の美観を損なわせることになり、好ましくない。また、中空板材が加熱、冷却されるのに伴ってセル内部の気体が膨張したり収縮したりするとセルの内圧が変化する。そして、セルの内圧が過度に大きく変化すると、溶融樹脂がセルの内部に入ることがある。すると、エッジ部が形成されるべき部分の溶融樹脂の量が少なくなり、エッジ部の表面に窪みが生じるなどして美観が低下することもある。
本発明は、このような従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的は、内部に複数のセルが並設された構造体本体の端縁にエッジ部を形成した樹脂構造体において、エッジ部の美観が低下することを抑制することにある。
本発明は、複数のセルが並設された合成樹脂製のコア層及び前記コア層の上下両面に配される外側層によって板状に形成された構造体本体と、前記構造体本体の端縁に設けられる合成樹脂製のエッジ部とを有する樹脂構造体において、前記コア層には、前記構造体本体の面方向に延設されて前記構造体本体の外部空間に連通する第1気体流路と、前記構造体本体の面方向に延設されているとともに前記第1気体流路と交差するように延設され、前記第1気体流路及びセルの内部空間に連通する第2気体流路とが形成されている。
上記構成によれば、構造体本体の端縁にエッジ部を形成する際、セル内部の気体が膨張しても第2気体流路を介してそのセルの外部に気体を逃すことができる。また、第2気体流路は第1気体流路に連通しており、第1気体流路は構造体本体の外部空間に連通している。したがって、セル内部の気体を第2気体流路及び第1気体流路を介して構造体本体の外部空間に排出できる。その結果、エッジ部に気泡が混入したりセルの形状が変形したりして樹脂構造体の美観が低下することを抑制できる。
上記の発明において、前記コア層は、前記構造体本体の厚み方向一方側から他方側へと立設されて前記セルを区画する側壁を有し、前記側壁には、セルの内部空間とそのセルの外部空間とを連通する通気部が形成され、前記第2気体流路は、前記通気部を含んで構成されていてもよい。
上記の発明において、前記コア層は、複数のセルが並設された合成樹脂製の分割コア層を、前記分割コア層の面方向に複数個隣接配置することにより形成され、前記第2気体流路は、隣り合う前記分割コア層の間に形成される空隙を含んで構成されていてもよい。
また、本発明は、複数のセルが並設された合成樹脂製のコア層の上下両面に外側層を配置して、板状の構造体本体を形成する構造体本体形成工程と、前記コア層に、前記構造体本体の面方向に延びるとともに前記構造体本体の外部空間に連通する第1気体流路を形成する第1流路形成工程と、前記コア層に、前記構造体本体の面方向に延びるとともに前記第1気体流路と交差し、且つセルの内部空間に連通する第2気体流路を形成する第2流路形成工程と、前記第1流路形成工程及び前記第2流路形成工程の後に、前記構造体本体の端縁に加熱溶融させた合成樹脂を配置し、その合成樹脂を硬化させることにより前記構造体本体の端縁にエッジ部を形成するエッジ部形成工程とを有する。この構成によれば、樹脂構造体の発明と同様に、エッジ部に気泡が混入したりセルの形状が変形したりして樹脂構造体の美観が低下することを抑制できる。
本発明によれば、内部に複数のセルが並設された構造体本体の端縁にエッジ部を形成した樹脂構造体において、エッジ部の美観が低下することを抑制できる。
第1実施形態における樹脂構造体の分解斜視図。 第1実施形態における構造体本体の斜視図。 (a)は図1におけるα−α線断面図、(b)は図1におけるβ−β線断面図、(c)は図1におけるγ−γ線断面図。 第1実施形態における樹脂構造体の拡大斜視図。 (a)は構造体本体のコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図。 エッジ部形成工程における樹脂構造体及び成形用型枠の概略断面図。 (a)及び(b)は、第1実施形態のエッジ部形成工程における気体の流れを説明する説明図。 第2実施形態における構造体本体の斜視図。 第2実施形態における樹脂構造体の線断面図。 第2実施形態のエッジ部形成工程における気体の流れを説明する説明図。 変更例の構造体本体を説明する説明図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の樹脂構造体10を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、樹脂構造体10は、全体として矩形板状をなす構造体本体11(中空板材)と、構造体本体11の端縁に形成されたエッジ部50と、構造体本体11の上下両面に貼り付けられた化粧板60とで構成されている。
図2に示すように、樹脂構造体10の構造体本体11は、複数のセルSが並設されたコア層20の上面に外側層としてのスキン層30が接合されるとともに、コア層20の下面に外側層としてのスキン層40が接合されることにより形成されている。
図3(a)〜(c)に示すように、コア層20は、熱可塑性樹脂製のシート材であって所定形状に成形された1枚のシート材が折り畳まれて形成されている。そして、コア層20は、上壁21と、下壁22と、上壁21及び下壁22の間に立設されて六角柱状の筒部を並設する側壁としての中間壁23とから構成されている。これら上壁21、下壁22、中間壁23によって、コア層20の内部に六角柱状のセルSが区画形成されている。六角柱状の各セルSは、互いに隣接するように配置されており、コア層20は全体としてハニカム構造をなしている。なお、図3においては、コア層20、スキン層30、40、化粧板60の厚みを誇張して図示している。
図3(b)及び(c)に示すように、コア層20の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図3(b)に示すように、第1セルS1は、その上端が二層構造の上壁21によって閉塞されるとともに、同下端が一層構造の下壁22によって閉塞されている。この二層構造の上壁21の各層は互いに接合されている。一方、図3(c)に示すように、第2セルS2は、その上端が一層構造の上壁21によって閉塞されるとともに、同下端が二層構造の下壁22によって閉塞されている。この二層構造の下壁22の各層間は互いに接合されている。また、図3(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ二層構造の中間壁23によって区画されている。図2に示すように、第1セルS1及び第2セルS2は、それぞれ構造体本体11の長さ方向Xに列せられている。また、構造体本体11の幅方向Yにおいて、第1セルS1の列及び第2セルS2の列は交互に配置されている。
図3(a)〜(c)に示すように、コア層20の上面には、熱可塑性樹脂製でシート状のスキン層30が熱溶着や接着剤等で接合されている。また、コア層20の下面には、熱可塑性樹脂製でシート状のスキン層40が熱溶着で接合されている。
図3(b)に示すように長さ方向Xに隣接する2つの第1セルS1を区画する二層構造の中間壁23は互いに面接触している。しかし、二層構造の中間壁23は、厚み方向中央部分が互いに接合されていない。そのため、二層構造の中間壁23は互いに離間することが可能で、離間した場合には図4に示すように、中間壁23同士の間に壁間空隙G1が形成される。この壁間空隙G1は、異なる列の第2セルS2の内部空間同士を連通している。したがって、コア層20には、壁間空隙G1及び第2セルS2の内部空間が交互に連通することにより幅方向Yに延設される流路であって、コア層20の幅方向Yの両端縁で構造体本体11の外部空間に連通する第1気体流路C1が形成される。同様に、長さ方向Xに隣接する2つの第2セルS2を区画する二層構造の中間壁23も互いに面接触しているが離間可能であり、離間した場合には中間壁23の間に壁間空隙G1が形成される。そして、コア層20には、壁間空隙G1及び第1セルS1の内部空間が交互に連通することにより幅方向Yに延設される流路であって、コア層20の幅方向Yの両端縁で構造体本体11の外部空間に連通する第1気体流路C1が形成される。なお、図4では、壁間空隙G1の大きさ(二層構造の中間壁23の離間距離)を誇張して図示しているが、中間壁23同士の間に形成される壁間空隙G1の大きさはごく僅かなものである。
図2に示すように、構造体本体11の上面側には、長さ方向Xに通気部としての通気溝15が延設されている。通気溝15は、第2セルS2の各列に対応して複数(図2においては3つ)形成されている。通気溝15は、所定の刃物を用いて、構造体本体11の上面から所定の深さで切削を行うことにより形成されるものである。したがって、通気溝15は、コア層20において長さ方向Xに延設されているとともに、コア層20の上面に接合されるスキン層30においても長さ方向Xに延設されている。
図4に示すように、通気溝15の幅は、第2セルS2の六角形の一辺の長さとほぼ同じに設定されていて、幅方向Yにおいて通気溝15が第1セルS1に達しないようになっている。また、通気溝15の深さは、構造体本体11におけるコア層20の中間壁23に達する深さ(例えば数ミリメートル)に設定されている。すなわち、コア層20の中間壁23の上側には通気溝15が形成されている。そして、通気溝15は、同一列において最も端の第2セルS2の内部空間と構造体本体11の外部空間を連通しているとともに同一列において互いに隣接する第2セルS2の内部空間同士を連通している。したがって、コア層20には、コア層20の中間壁23に形成された通気溝15及び同一列の第2セルS2の内部空間により長さ方向Xに延設される流路であって、コア層20の長さ方向Xの両端縁で構造体本体11の外部空間に連通する第2気体流路C2が形成されている。また、この第2気体流路C2は、第1気体流路C1の延設方向(幅方向Y)とは交差する長さ方向Xに延設されているとともに第2セルS2の内部空間において第1気体流路C1と連通している。
図3(a)〜(c)に示すように、構造体本体11においてスキン層30の上面及びスキン層40の下面それぞれには、接着剤を介して化粧板60が貼り付けられている。化粧板60は、所望の色彩や模様を印刷した印刷紙にメラミン樹脂やフェノール樹脂等を含浸させて積層したメラミン化粧板である。
図1に示すように、構造体本体11の4つの端縁には、エッジ部50が形成されている。すなわち、エッジ部50は、構造体本体11の全周に亘って形成されている。また、図3(a)〜(c)に示すように、エッジ部50は、樹脂構造体10の厚み方向において、上下両面の化粧板60の端縁も覆っている。エッジ部50は、例えばポリウレタンなどのように、構造体本体11や化粧板60よりもクッション性に優れた合成樹脂が用いられている。
次に、構造体本体11の製造方法を図5に基づいて説明する。
図5(a)に示すように、シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形したものである。シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120がその長さ方向Xにおいて交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(幅方向Y)の全体に亘って形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
図5(a)及び(b)に示すように、上述のように構成されたシート材100に対し、境界線P、Qに沿って折り畳むことでハニカム構造をなすコア層20が形成される。具体的には、シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りして長さ方向Xに圧縮する。そして、図5(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つの幅方向Yに延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130が長さ方向Xに連続して形成されていくことによりハニカム構造をなすコア層20が形成される。
このとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層20の上壁21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層20の下壁22が形成される。なお、図5(c)に示すように、上壁21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下壁22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁を構成する。そして、折り畳み時に第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が2層構造をなす中間壁23となる。また、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上端が閉塞され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下端が閉塞されている。
コア層20の上面及び下面には、それぞれスキン層30、40が、例えば熱溶着により接合される。また、スキン層30をコア層20に熱溶着する際には、第1セルS1における二層構造の上壁21(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。同様に、第2セルS2における二層構造の下壁22(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。その一方で、二層構造の中間壁23は、少なくともコア層20の厚み方向中央部が熱溶着されていない。したがって、二層構造の中間壁23は互いに離間可能であり、また、中間壁23が互いに離間することにより壁間空隙G1が形成されることになる。
このように所定形状のシート材100を折り畳んでコア層20を形成し、スキン層30、40を接合することにより構造体本体11が形成される。この一連の工程が、構造体本体形成工程に相当する。また、構造体本体11が形成されるのに伴って壁間空隙G1、第1セルS1の内部空間及び第2セルS2の内部空間が形成され、これらによって構成される第1気体流路C1も形成されることになる。したがって、第1気体流路C1を形成する第1流路形成工程は、構造体本体形成工程と同一の工程である。
上述のようにして形成された構造体本体11には、通気溝15を形成する処理が施される。この工程では、所定の刃物を用いて、構造体本体11の上面から所定の深さで切削を行うことにより通気溝15を形成する。具体的には、切断幅が第2セルS2の六角形の一辺の長さとほぼ同じになるような大きさの刃物が使用される。そして、構造体本体11の厚み方向において刃物の先端位置がコア層20の中間壁23の上端よりも下側に至るように位置決めする。その後、構造体本体11の幅方向Yにおいて第2セルS2の中央に配置するとともに、その状態で構造体本体11と刃物とを長さ方向Xに相対移動させることにより、構造体本体11において第2セルS2の列に対応する位置に通気溝15が形成される。そして、通気溝15が形成されるのに伴って同一列の第2セルS2の内部空間同士が連通して、第2気体流路C2が形成される。したがって、通気溝15を形成する工程は、第2気体流路C2を形成する第2流路形成工程に相当する。通気溝15が形成された構造体本体11の上下両面には、接着剤が塗布され、その接着剤を介して化粧板60が貼り付けられる。その後、構造体本体11には、エッジ部50を形成するためのエッジ部形成工程の処理が施される。
図6に示すように、エッジ部形成工程では、先ず、成形用型枠70の凹部71内に構造体本体11を配置する。成形用型枠70の凹部71は、全体として矩形状に形成されている。また、凹部71の縦横の寸法は、構造体本体11の縦横の寸法よりも大きくなっている。したがって、構造体本体11を、成形用型枠70の凹部71の中央部に配置すると、構造体本体11の端縁と成形用型枠70の凹部71の内面との間に、樹脂充填用空隙72が生じる。この樹脂充填用空隙72に、溶融樹脂50aを充填し、その後、その溶融樹脂50aを硬化させることにより、構造体本体11の端縁にエッジ部50が形成される。なお、図6では、構造体本体11の断面を概略的に図示している。
次に、樹脂構造体10の作用として、エッジ部形成工程における気体(空気)の流れについて説明する。なお、上述したとおり、エッジ部形成工程においては既に構造体本体11に化粧板60が貼り付けられているが、図7においては化粧板60の図示を省略する。また、以下では、図7における上下左右を基準として説明し、樹脂充填用空隙72を充填する際、図7(a)において構造体本体11の左上の角部から図面上において時計回りに構造体本体11の端縁に沿って溶融樹脂50aが充填されるものとする。
図7(a)に示すように、構造体本体11の周囲の樹脂充填用空隙72に溶融樹脂50aを充填する初期段階においては、構造体本体11の4つの端縁のうち上側の端縁に沿って溶融樹脂50a(エッジ部50)が充填される。そして、溶融樹脂50aは相応に高い温度であるため、構造体本体11の上側の端縁が加熱されることになる。すると、構造体本体11のセルSのうち、最も上側に列せられたセルS(図7においては第1セルS1)や、それよりも一列下側に列せられたセルS(図7においては第2セルS2)等の内部空間の気体が膨張する。このとき、構造体本体11のコア層20には、幅方向Y(図7において上下方向)に延びる第1気体流路C1が形成されているため、膨張した気体は第1気体流路C1を介して下側に導かれ、構造体本体11の下側の端縁から排出される。また、構造体本体11のコア層20には、長さ方向X(図7において左右方向)に延びる第2気体流路C2が形成されており、この第2気体流路C2は第1気体流路C1に連通している。したがって、第1気体流路C1に流入した気体の一部は第2気体流路C2を介して構造体本体11の左右の端縁から排出される。
図7(b)に示すように、構造体本体11の上側の端縁、右側の端縁に沿って溶融樹脂50aが充填された後、構造体本体11の下側の端縁に溶融樹脂50aが充填される。すると、構造体本体11のセルSのうち、最も下側に列せられた第1セルS1やその第1セルS1よりも一列上側に列せられた第2セルS2等の内部空間の空気が膨張する。このとき、膨張した気体は第1気体流路C1を介して上側に導かれることになる。しかし、構造体本体11の上側の端縁側には、既に溶融樹脂50aが充填されている。そのため、構造体本体11の上側の端縁からは気体は排出されないか、仮に排出された場合には溶融樹脂50a内に気泡として残存することになる。この点、この実施形態の構造体本体11のコア層20には、第1気体流路C1に連通する第2気体流路C2が形成されている。したがって、構造体本体11の上側の端縁から気体を排出することができなくとも、気体を第1気体流路C1から第2気体流路C2へと導くことができる。そして、第2気体流路C2に流入した空気は、第2気体流路C2やその第2気体流路C2に連通する他の第1気体流路C1を介して、未だ溶融樹脂50aが充填されていない構造体本体11の端縁、例えば左側の端縁から排出される。
このように、構造体本体11のコア層20に、互いに交差する方向に延びて互いに連通する第1気体流路C1及び第2気体流路C2を形成することにより、各セルSの内部の気体が構造体本体11の長さ方向Xにも幅方向Yにも流通できる。したがって、構造体本体11の端縁の一部が溶融樹脂50aによって塞がっていたとしても、溶融樹脂50aによって塞がっていない他の端縁を介して、気体を構造体本体11の外部空間に排出することができる。
第1実施形態の樹脂構造体10によれば、次のような効果を奏する。
(1)第1実施形態では、構造体本体11のコア層20に、セルSの内部空間に連通する第2気体流路C2が形成されている。したがって、構造体本体11の端縁にエッジ部50を形成する際、セルS内部の気体が膨張しても第2気体流路C2を介してそのセルSの外部に気体を逃すことができる。また、第2気体流路C2は第1気体流路C1に連通しており、第1気体流路C1は構造体本体11の外部空間に連通している。したがって、セルSの内部空間の気体を第2気体流路C2及び第1気体流路C1を介して構造体本体11の外部空間に排出できる。その結果、エッジ部50(溶融樹脂50a)に気泡が混入したりセルSの形状が変形したりして樹脂構造体10の美観が低下することを抑制できる。
(2)第1実施形態では、第2気体流路C2も構造体本体11の外部空間に連通している。したがって、構造体本体11にエッジ部50を形成する際、第1気体流路C1及び第2気体流路C2のうちの少なくとも一つの気体流路が溶融樹脂50aによって塞がれていなければ、その塞がれていない気体流路を介して構造体本体11の外部空間に気体を排出できる。
(3)第1実施形態では、構造体本体11の上面側に通気溝15が形成されており、構造体本体11の下面側には通気溝15は形成されていない。したがって、通気溝15をコア層20に形成したことに伴う強度低下を抑えることができる。
(4)第1実施形態では、通気溝15は、コア層20における第1セルS1に達しないように形成されている。すなわち、コア層20において、通気溝15が形成されていない第1セルS1の列と通気溝15が形成されている第2セルS2の列とが交互に配置されており、通気溝15が形成されているセルSの列が連続しない。仮に、通気溝15が形成されているセルSの列が集中配置されている場合には、その集中配置されている部分において曲げ強度等が相応に低下するが、第1実施形態の通気溝15の配置によればそのような強度の低下は最小限に抑制できる。
(5)第1実施形態では、エッジ部50を構成する材料としてポリウレタン等の合成樹脂が採用されている。この種の合成樹脂は、溶融樹脂50aの状態において発泡しているため、その発泡(気体)が各セルSの内部に入って各セルSの内圧が過度に高くなってしまうこともある。この点、上記第1実施形態では、溶融樹脂50aの発泡が各セルSの内部に入っても、第1気体流路C1及び第2気体流路C2を介して、その発泡を適切に構造体本体11の外部空間に気体を排出できる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態の樹脂構造体80を図8及び図9に基づいて説明する。
図9に示すように、樹脂構造体80は、矩形板状をなす構造体本体81と、構造体本体11の端縁に形成されたエッジ部50と、構造体本体11の上下両面に貼り付けられた化粧板60とで構成されている。
図8に示すように、構造体本体81の第1分割構造体11aは、複数のセルSが並設された第1分割コア層20aの上面に外側層としての第1分割スキン層30aが接合されるとともに、第1分割コア層20aの下面に外側層としての第1分割スキン層40aが接合されることにより形成されている。第2分割構造体11bは、複数のセルSが並設された第2分割コア層20bの上面に外側層としての第2分割スキン層30bが接合されるとともに、第2分割コア層20bの下面に外側層としての第2分割スキン層40bが接合されることにより形成されている。第3分割構造体11cは、複数のセルSが並設された第3分割コア層20cの上面に外側層としての第3分割スキン層30cが接合されるとともに、第2分割コア層20bの下面に外側層としての第3分割スキン層40cが接合されることにより形成されている。
第1分割コア層20a〜第3分割コア層20cの折り畳み構成については、第1実施形態のコア層20と同じである。したがって、第1分割コア層20a〜第3分割コア層20cにおいては、図4に示す第1実施形態のコア層20と同様に、2層構造の中間壁23の間に壁間空隙G1が形成される。そして、壁間空隙G1及びセルSの内部空間が交互に連通することにより幅方向Yに延設される第1気体流路C1が形成される。また、特に第2分割コア層20bに形成される第1気体流路C1、及び第3分割コア層20cに形成される第1気体流路C1は、構造体本体81の幅方向Yの端縁で構造体本体81の外部空間に連通している。
図8に示すように、第1分割コア層20a〜第3分割コア層20cの各セルの寸法はいずれも同じである。したがって、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cの厚み寸法は、いずれも同一の寸法である。また、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cは、いずれも長さ方向Xの寸法が同一になっている。
図8に示すように、第2分割構造体11bの幅方向Yの寸法は、第1分割構造体11aの幅方向Yの寸法よりも小さくなっている。第2分割構造体11bは、第1分割構造体11aの幅方向Yの一方側の端縁に沿って第1分割構造体11aに隣接配置されている。また、第2分割構造体11bは、第2分割コア層20bにおけるセルSの列方向と第1分割構造体11aの第1分割コア層20aにおけるセルSの列方向とが同一方向になるように配置されている。第3分割構造体11cの幅方向Yの寸法は、第1分割構造体11aの幅方向Yの寸法よりも小さくなっている。第3分割構造体11cは、第1分割構造体11aの幅方向Yの他方側の端縁に沿って第1分割構造体11aに隣接配置されている。また、第3分割構造体11cは、第3分割コア層20cにおけるセルSの列方向と第1分割構造体11aの第1分割コア層20aにおけるセルSの列方向とが同一方向になるように配置されている。このように、合計3つの分割構造体が隣接配置されることにより、全体として矩形状をなす構造体本体81が形成されている。
図8に示すように、第1分割構造体11aの第1分割コア層20aと第2分割構造体11bの第2分割コア層20bとの間は接着剤等によって接着されてなく、両者の間にはコア層間空隙G2が形成されている。また、図8及び図9に示すように、第1分割構造体11aの第1分割コア層20aと第3分割構造体11cの第3分割コア層20cとの間は接着剤等によって接着されてなく、両者の間にはコア層間空隙G2が形成されている。これらコア層間空隙G2によって第2気体流路C2が構成されている。また、第2気体流路C2は、各分割コア層の第1気体流路C1の延設方向(幅方向Y)とは交差する長さ方向Xに延設されているとともに各分割コア層の第1気体流路C1と連通している。そして、第2気体流路C2は、第1気体流路C1を介して各分割コア層のセルSと連通している。なお、図8及び図9においては、第1分割構造体11aと第2分割構造体11bとの間の空隙(コア層間空隙G2)及び第1分割構造体11aと第3分割構造体11cとの間の空隙(コア層間空隙G2)を誇張して図示している。
上述のように構成された構造体本体81の上面及び下面には接着剤を介して化粧板60が貼り付けられている。構造体本体81の上面に貼り付けられる化粧板60、下面に貼り付けられる化粧板60は、いずれも分割されていない一枚の板材である。したがって、化粧板60が貼り付けられることによって、構造体本体81における第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cが互いに分離不可能な一体的なものにされる。
図9に示すように構造体本体81の端縁には、全周にわたってエッジ部50が形成されている。エッジ部50は、第1実施形態と同様に、ポリウレタンなどの合成樹脂が用いられている。なお、エッジ部50の形成工程については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
次に、樹脂構造体80の作用として、構造体本体81における気体の流れについて図10に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図10における上下左右を基準として説明する。
例えば、構造体本体81の端縁のうち、第3分割構造体11cの端縁(図10において構造体本体81の上側の端縁)に沿って溶融樹脂が充填された場合、第3分割構造体11cのセルSの内部空間の気体が膨張する。このとき、第3分割構造体11cの第3分割コア層20cには、幅方向Y(図10において上下方向)に延びる第1気体流路C1が形成されているため、膨張した気体は幅方向Yにおいて中央側(図10において下側)に導かれる。そして、第3分割コア層20cの第1気体流路C1は、第1分割構造体11a及び第3分割構造体11cの間に存在する第2気体流路C2に連通している。そのため、第1気体流路C1によって導かれた気体は、第2気体流路C2を介して、構造体本体81の長さ方向の両端縁(図10において左右の端縁)から、構造体本体81の外部空間に排出される。第2分割構造体11bの端縁(図10において構造体本体81の下側の端縁)に沿って溶融樹脂が充填された場合も同様に、第2分割コア層20bの第1気体流路C1及び第1分割構造体11a及び第2分割構造体11bの間に存在する第2気体流路C2を介して、構造体本体81の外部空間に気体が排出される。
第2実施形態の樹脂構造体80によれば、第1実施形態の(1)及び(2)と同様の効果に加え、次のような効果を奏する。
(5)第2実施形態では、第1分割コア層20a〜第3分割コア層20c(第1分割構造体11a〜第3分割構造体11c)の厚み方向全体に、第2気体流路C2が形成される。そのため、第2気体流路C2の良好な通気性が期待でき、セルSの内部空間において膨張した気体を確実に排出できる。
(6)第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cは、例えば、大きなサイズの構造体本体を適宜切断することによって製造することができる。したがって、各分割構造体を隣接配置して第2気体流路C2を形成するにあたって、構造体本体を切断できる工具等があれば、その他特殊な工具・加工は不要である。
(7)第2実施形態では、第2分割構造体11b及び第3分割構造体11cの幅方向Yの寸法を、第1分割構造体11aの幅方向Yの寸法よりも小さくした。これにより、各分割構造体(分割コア層)の間に形成される第2気体流路C2を、構造体本体81における幅方向Yの両端縁に近づけることができる。構造体本体81にエッジ部50を形成する際に加熱されやすいのは端縁近傍のセルSであるため、第2気体流路C2を端縁に近づけることにより、セルSの内部空間の気体を第2気体流路C2に流入させやすくなる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の変更例を組み合わせて適用してもよい。
・ 第1実施形態において、一枚のシート材100を折り畳み成形してコア層20を構成するのに限らず、複数のシートを使用してコア層20を構成してもよい。例えば、帯状のシートを所定間隔毎に屈曲させるとともに、屈曲させた帯状のシートを複数並置することによりコア層20を構成してもよい。
・ 第1実施形態において、構造体本体11のスキン層30、40のいずれか又は両方を省略してもよい。なお、スキン層30、40を省略した場合、コア層20に化粧板60が接合されるため、化粧板60が外側層を構成する。
・ 第1実施形態の化粧板60は、メラミン化粧板に限らず、公知の如何なる化粧板であっても採用できる。
・ 第1実施形態において、化粧板60を省略してもよいし、化粧板60に代えて又は加えて他の層が設けられていてもよい。すなわち、樹脂構造体10においてスキン層30、40よりも外側の層は、樹脂構造体10に求められる物性やデザイン等を勘案して既知の板材や膜を形成すればよい。また、同様に、スキン層30、40を省略してもよいし、スキン層30、40に代えて又は加えて他の層が設けられていてもよい。すなわち、コア層20の上下両面に、何らかの層が形成されていればよい。
・ 第1実施形態において、セルSの形状は、特に限定されるものでなく、例えば、四角柱状、八角柱状等の多角形状や円柱状としてもよい。その際、異なる形状のセルSが混在していてもよい。また、各セルSは隣接していなくともよく、セルSとセルSとの間に隙間(空隙)が存在していてもよい。具体的には、例えば、コア層20において円柱状のセルが間隔を空けて複数配置されていてもよい。なお、セルSとセルSとの間に隙間(空隙)が存在している場合、その隙間が構造体本体11の面方向に延びて構造体本体11の外部空間に連通しているのであれば、セルSとセルSとの間の隙間が第1気体流路C1を構成することになる。
・ 第1実施形態における構造体本体11の形状は、略矩形板状に限らず、矩形(四角形)以外の多角形板状や円板状であってもよく、その形状に制限はない。なお、構造体本体11を多角形板状や円板状にした場合、その構造体本体11の形状に合わせて成形用型枠70の凹部71の形状を変更すれば、第1実施形態の場合と同様にエッジ部50を形成できる。
・ 第1実施形態において、樹脂充填用空隙72のどの位置から溶融樹脂50aを充填してもよいが、構造体本体11の端縁のうち最も長い端縁に沿って溶融樹脂50aを充填するのが好ましい。
・ 第1実施形態では、構造体本体11の全周に亘ってエッジ部50を形成したが、必ずしもすべての端縁にエッジ部50を形成する必要はない。例えば、構造体本体11の4つの端縁のうち、1〜3つの端縁にエッジ部50を形成するようにしてもよい。この場合、エッジ部50を形成しない端縁と、成形用型枠70の凹部71との間に樹脂充填用空隙72が生じないように、構造体本体11を成形用型枠70の凹部71内に配置すればよい。
・ 第1実施形態において、成形用型枠70を用いてエッジ部50を形成するのに限らず、他の方法でもよい。例えば、熱可塑性樹脂製で板状のエッジ部50を熱溶着で構造体本体11の端縁に接合してもよい。この場合でも、エッジ部50の構造体本体11側の一部が加熱溶融され、その加熱溶融された部分が硬化することにより、構造体本体11の端縁にエッジ部50が形成(熱溶着)される。また、エッジ部50が熱溶着されることに伴って構造体本体11が加熱されてセルSの内部空間の空気が膨張するという事情は、上記の各実施形態の場合と同様である。
・ 第1実施形態の樹脂構造体10は、例えば、机やテーブルの天板などとして利用することができる。この場合、エッジ部50を形成する前の樹脂構造体10に、脚を取り付けるための取付穴を形成しておけば、その穴を介して構造体本体11の各セルS内の気体を構造体本体11の外部に排出できる。さらに、取付穴を、構造体本体11の第1気体流路C1(壁間空隙G1)や第2気体流路C2(通気溝15)と連通するように形成すれば、第1気体流路C1や第2気体流路C2内の気体を、取付穴を介して排出することもできる。
・ 上記一連の第1実施形態についての変更例は、第2実施形態においても同様に適用できる。
・ 第1実施形態では、構造体本体11を切削することにより通気溝15を形成したが、通気溝15の形成方法はこれに限らない。例えば、エンドミルや丸鋸で削る方法、熱で溶かす熱加工など、公知の技術を適宜適用して通気溝15を形成することもできる。
・ 第1実施形態において通気溝15の深さ(構造体本体11の厚み方向の寸法)は、セルSの内部と外部とを連通できるのであれば、適宜変更できる。例えば、構造体本体11の厚み方向において、セルSの高さ寸法の1/2程度、2/3程度に形成してもよい。
・ 第1実施形態では、構造体本体11において第2セルS2の各列に対応して複数の通気溝15を形成したが、第2セルS2の各列のうちいずれかの列のみに対応して通気溝15を形成してもよい。また、第1セルS1の列に対応して通気溝15を形成してもよい。さらに、構造体本体11の上面側に通気溝15を形成するのに加えて、下面側にも通気溝15を形成してもよい。例えば、構造体本体11の上面側に第2セルS2の各列に対応して複数の通気溝15を形成し、構造体本体11の下面側に第1セルS1の各列に対応して複数の通気溝15を形成してもよい。また、通気溝15の幅、深さ等は、樹脂構造体10に求められる強度等を勘案して適宜変更できる。
・ 第1実施形態において、通気溝15を、各セルSの列方向と交差する方向に延設してもよい。例えば、矩形板状の構造体本体11の対角線上に通気溝15を延設してもよい。この場合、通気溝15は、第1セルS1の列及び第2セルS2の列の両方に跨って形成されることになる。なお、構造体本体11における各セルSの列は、完全に同一直線状に列せられるとは限らず、製造上の誤差等によって、セルSの列に歪みが生じることがある。したがって、第1実施形態の構造体本体11のように、長さ方向Xに沿って通気溝15を形成した場合であっても、通気溝15が複数のセルSの列に跨ることがある。
・ 構造体本体11の第2セルS2の内部空間とその第2セルS2の外部空間とを連通する構成は、通気溝15に限らない。例えば、図5に示すシート材100の第2膨出部122に予め貫通孔を形成しておく。そして、このシート材100を折り畳んでコア層20を形成することにより、第2セルS2の中間壁23に、第2セルS2の内外を連通する貫通孔が形成される。なお、この場合、コア層20の上壁21やスキン層30、40には、溝や貫通孔は形成されない。
・ 第2実施形態において、各分割構造体のセルSは同一形状でなくてもよい。すなわち、分割構造体ごとに異なるセルSの構造を有していてもよい。ただし、分割構造体の端縁の厚み寸法と、その分割構造体に隣接配置される他の分割構造体の端縁の厚み寸法とは同一であることが好ましい。
・ 各分割構造体を隣接配置するのにあたって、分割構造体(分割コア層)の間にコア層間空隙G2が確保されるのであれば、接着剤や粘着テープ等で隣接配置された分割構造体を固定してもよい。
・ 第2実施形態において、コア層のみを分割することもできる。例えば、第1分割コア層20a〜第3分割コア層20cを隣接配置した状態で、分割されていない一枚のスキン層30、40を接合してもよい。
・ 第2実施形態において分割構造体(分割コア層)の数は問わない。2つの分割構造体を隣接配置して構造体本体81を構成してもよいし、4つ以上の分割構造体を隣接配置して構造体本体81を構成してもよい。また、第2実施形態では、分割構造体を幅方向Yに隣接配置したが、長さ方向Xに隣接配置してもよい。さらに、各分割構造体を隣接配置させる際、各分割構造体におけるセルの列方向が揃っていなくてもよい。
例えば、図11に示す構造体本体81において、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cは、第2実施形態と同一構成である。この変更例では、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cの長手方向一方側(図11において右側)に第4分割構造体11d(第4分割コア層20d)が隣接配置されている。また、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cの長手方向他方側(図11において左側)に第5分割構造体11e(第5分割コア層20e)が隣接配置されている。これら第1分割構造体11a〜第5分割構造体11eにより、構造体本体81は全体として矩形板状を成している。また、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cと第4分割構造体11dとの間には第2気体流路C2(コア層間空隙G2)が形成され、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cと第5分割構造体11eとの間には第2気体流路C2が形成される。このように、分割構造体を幅方向Yにも長さ方向Xにも隣接配置させることにより、延設方向が異なる第2気体流路C2を設けることができる。
この構造体本体81においては、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cにおけるセルSの列方向と、第4分割構造体11d及び第5分割構造体11eにおけるセルSの列方向とが直交している。具体的には、第1分割構造体11a〜第3分割構造体11cの第1セルS1及び第2セルS2は、図11において左右方向に列しているのに対して、第4分割構造体11d及び第5分割構造体11eの第1セルS1及び第2セルS2は、図11において上下方向に列している。そして、第4分割構造体11d及び第5分割構造体11eにおける第1気体流路C1は、第1セルS1及び第2セルS2が列せられた方向と直交する方向、すなわち左右方向に延設されている。このように、分割構造体毎のセルSの列方向を変えることにより、構造体本体81において、延設方向が異なる第1気体流路C1を設けることができる。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
・ 複数のセルが並設された合成樹脂製のコア層及び前記コア層の上下両面に配される外側層によって板状に形成された構造体本体と前記構造体本体の端縁に設けられる合成樹脂製のエッジ部とを有する樹脂構造体における前記構造体本体として用いられる中空板材であって、前記コア層には、前記構造体本体の面方向に延設されて前記構造体本体の外部空間に連通する第1気体流路と、前記第1気体流路の延設方向に対して前記構造体本体の面方向に交差するように延設され、前記第1気体流路及びセルの内部空間に連通する第2気体流路とが形成されている。
10、80…樹脂構造体、11、81…構造体本体、11a…第1分割構造体、11b…第2分割構造体、11c…第3分割構造体、15…通気溝、20…コア層、20a…第1分割コア層、20b…第2分割コア層、20c…第3分割コア層、30、40…スキン層、50…エッジ部、60…化粧板、S…セル、S1…第1セル、S2…第2セル、C1…第1気体流路、C2…第2気体流路、G1…壁間空隙、G2…コア層間空隙。

Claims (2)

  1. 複数のセルが並設されるようにシート材を折り畳んで形成されたハニカム構造をなす合成樹脂製のコア層及び前記コア層の上下両面に配される外側層によって板状に形成された構造体本体と、前記構造体本体の端縁に設けられる合成樹脂製のエッジ部とを有する樹脂構造体において、
    前記コア層は、前記構造体本体の長さ方向に延設されているとともに、前記構造体本体の幅方向において交互に配置されている第1セルの列及び第2セルの列と、前記構造体本体の厚み方向一方側から他方側へと立設されて第1セル及び第2セルを区画する側壁とを有し、
    前記コア層には、
    前記第1セルの列における隣接する第1セルを区画する側壁同士は互いに離間可能であり、離間した状態では側壁同士の間に壁間空隙が形成されて幅方向の両端縁で前記構造体本体の外部空間に連通する第1気体流路と、
    前記第2セルの列における隣接する第2セルを区画する側壁に、互いに隣接する第2セルの内部空間同士を連通するように形成された通気部を含み、長さ方向の両端縁で前記構造体本体の外部空間に連通する第2気体流路とが形成されている
    ことを特徴とする樹脂構造体。
  2. 複数のセルが並設されるようにシート材が折り畳んで形成されたハニカム構造をなす合成樹脂製のコア層の上下両面に外側層を配置して、板状の構造体本体を形成する構造体本体形成工程と、
    前記構造体本体の長さ方向に延設されているとともに、前記構造体本体の幅方向において交互に配置されている第1セルの列及び第2セルの列と、前記構造体本体の厚み方向一方側から他方側へと立設されて第1セル及び第2セルを区画する側壁とを有する前記コア層に、前記第1セルの列における隣接する第1セルを区画する側壁同士は互いに離間可能であり、離間した状態では側壁同士の間に壁間空隙が形成されて幅方向の両端縁で前記構造体本体の外部空間に連通する第1気体流路を形成する第1流路形成工程と、
    前記コア層に、前記第2セルの列における隣接する第2セルを区画する側壁に、互いに隣接する第2セルの内部空間同士を連通するように形成された通気部を含み、長さ方向の両端縁で前記構造体本体の外部空間に連通する第2気体流路を形成する第2流路形成工程と、
    前記第1流路形成工程及び前記第2流路形成工程の後に、前記構造体本体の端縁に加熱溶融させた合成樹脂を配置し、その合成樹脂を硬化させることにより前記構造体本体の端縁にエッジ部を形成するエッジ部形成工程と
    を有することを特徴とする樹脂構造体の製造方法。
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