JP2009002575A - ハニカムパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱機能や熱交換機能を付与できるハニカムパネル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ハニカム構造体1の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカム構造体1のセル6の壁に、流体を通過させる貫通孔5,12を設けたハニカムパネルである。上記のハニカムを構成するセルの壁としては、接着部の壁、非接着部の壁、或いは接着部の壁及び非接着部の壁である。また、前記のハニカム構造体は、ハニカムを構成するセルの接着部の壁を貫通し、且つハニカムの全幅に亘っている直線状の管を複数本備え、且つセルの非接着部の壁に流体を通過させる貫通孔を有するハニカムパネルを複数層に重ねてなるプレート型熱交換器である。また、ハニカムブロックの接着部又は非接着部に、展張する方向と同方向に貫通孔を複数個所穿孔し、その後展張してハニカム構造体となし、該ハニカム構造体の表裏面に面板を固着するハニカムパネルの製造方法である。
【選択図】図7
【解決手段】ハニカム構造体1の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカム構造体1のセル6の壁に、流体を通過させる貫通孔5,12を設けたハニカムパネルである。上記のハニカムを構成するセルの壁としては、接着部の壁、非接着部の壁、或いは接着部の壁及び非接着部の壁である。また、前記のハニカム構造体は、ハニカムを構成するセルの接着部の壁を貫通し、且つハニカムの全幅に亘っている直線状の管を複数本備え、且つセルの非接着部の壁に流体を通過させる貫通孔を有するハニカムパネルを複数層に重ねてなるプレート型熱交換器である。また、ハニカムブロックの接着部又は非接着部に、展張する方向と同方向に貫通孔を複数個所穿孔し、その後展張してハニカム構造体となし、該ハニカム構造体の表裏面に面板を固着するハニカムパネルの製造方法である。
【選択図】図7
Description
本発明は、ハニカムパネルに関し、更に詳しくは、放熱機能や熱交換機能を備えたハニカムパネルに関する。また、そのハニカムパネルの製造方法に関する。
ハニカム構造体は、六角形状のセルを有する蜂の巣状の構造体である。ハニカム構造体は、軽量で、厚さ方向の強度が大きい特性を有する。従来、このハニカム構造体をコアとし、その表裏面に面板を固着してハニカムパネルを製造している。このハニカムパネルは、住宅やビルの建材など種々の分野で多用されている。
ハニカムパネルを受熱・放熱板に利用することが提案されている。例えば、ハニカムパネルの表裏の面板の一方の面板に屈曲した伝熱管を溶接し、また心材のハニカムに屈曲した伝熱管を嵌め込む切欠き部を設け、屈曲した伝熱管を溶接し上記の面板を、屈曲した伝熱管が心材の切欠き部に嵌め込まれるように配置して固着し、心材の他面に一方の面板を固着してハニカムパネルに構成した宇宙機器用コールドプレートが提案されている(特許文献1)。これは、心材のハニカムに屈曲した伝熱管を嵌め込む切欠き部を設けるのが煩雑であり、殊に建材などに用いる大きなハニカムパネルに適用して熱的効果を出すのは難しい。
また、ハニカムコアとハニカムコアの間にヒートパイプを配置し、その表裏面に面板を固着した電子機器用のハニカムパネルが提案されている(特許文献2)。これはハニカムの熱伝達性を十分に活かすことが出来ず、建材などに用いる大きなハニカムパネルでは効率が劣る。
特開平9−250892号公報
特開平10−215093号公報
本発明は、住宅やビルの構造部材や壁・床材及び間仕切り等に使用される金属ハニカムパネルやペーパーハニカムパネル等のハニカムパネルに、放熱機能や熱交換機能を付与できるハニカムパネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカムを構成するセルの壁に、流体を通過させる貫通孔を設けたことを特徴とするハニカムパネルである。また、本発明は、ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカムを構成するセルの接着部の壁に、流体を通過させる貫通孔を設けたことを特徴とするハニカムパネルである。また、本発明は、ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカムを構成するセルの非接着部の壁に、流体を通過させる貫通孔を設けたことを特徴とするハニカムパネルである。また、本発明は、ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカムを構成するセルの接着部の壁及び非接着部の壁に、流体を通過させる貫通孔を設けたことを特徴とするハニカムパネルである。
また、本発明は、ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、該ハニカム構造体が、ハニカムを構成するセルの接着部の壁を貫通し且つハニカムの全幅に亘っている直線状の管を複数本備え、且つハニカムを構成するセルの非接着部の壁に流体を通過させる貫通孔を有することを特徴とするハニカムパネルである。上記の各ハニカムパネルにおいて、ハニカム構造体の表裏面に固着した面板の少なくとも一つに、貫通する孔を設けてもよい。また、本発明は、上記のハニカムパネルを複数層に重ねてなるプレート型熱交換器である。
更に、本発明は、ハニカム素材の箔を複数枚重ね且つ該箔同士を一定間隔を置いて設けた接着部で接着してハニカムブロックを作成し、該ハニカムブロックの接着部又は非接着部に、或いは接着部と非接着部に、展張する方向と同方向に貫通孔を複数個所穿孔し、その後展張してハニカム構造体となし、該ハニカム構造体の表裏面に面板を固着することを特徴とするハニカムパネルの製造方法である。
本発明のハニカムパネルは、ハニカム構造体(ハニカムコア)の表裏面に面板を固着したものであるから、軽量で高剛性を有する。そして、本発明のハニカムパネルは、ハニカムを構成するセルの壁に流体を通過させる貫通孔を設けたので、このハニカムパネルの中に流体を通すことができる。例えば、ハニカムパネルの中に、加温した或いは冷却した気体や液体(流体)を通すことによって、ハニカムパネルに放熱板としての機能を付与することができる。この場合、気体や液体がハニカム構造体の中を複雑な経路で通過するので、ハニカムパネルの温度が全面に亘って均一になりやすい。また、ハニカムパネルの面板に多数の孔を開け、ハニカムパネル中に導入した加温或いは冷却気体を、面板の孔を通して外部に噴出させることによって、その放熱板としての機能をより高めることができる。したがって、本発明のハニカムパネルは、その高剛性を利用して住宅やビルの壁材、床材或いは間仕切り等に使用すると共に、冷暖房システム或いは空調システムのエレメントとして利用できる利点がある。また、本発明のハニカムパネルを屋根材に用いれば、融雪設備を兼ねさせることができる。
また、ハニカム構造体(ハニカムコア)が、ハニカムを構成するセルの接着部の壁を貫通し且つハニカムの全幅に亘っている直線状の管を複数本備え、且つハニカムを構成するセルの非接着部の壁に流体を通過させる貫通孔を有するハニカムパネルは、上記のハニカムパネルと同様に、冷暖房システム或いは空調システムのエレメントとして利用できるが、そのほかに、熱交換器の機能、すなわち管の中に通す流体とセル内に通す流体とを熱交換させる熱交換器の機能を発揮させることができる。この熱交換器では、ハニカム構造体内の端部から他端部へ、流体を強制的に通過させることにより、各セル内の管周辺では乱流が生じて熱交換機能が促進される。
更に、前記のハニカムパネルを複数層重ね、例えば三層重ね、中間層のハニカムパネルに低温の気体を流し、上層と下層のハニカムパネルに高温の気体を流すことによって、プレート型熱交換器の機能を発揮させることができる。ハニカムパネルの中に流体を圧入させたとき、流体はハニカムの各セルの壁に開けた孔を通って移動するが、そのときの流速変化が激しいので、低流量で乱流効果を促進することが可能である。そのため、機能的に熱伝達係数が増加する。また、ハニカムパネルは剛性があるため、ハニカムパネルに流体を圧入するときに各ハニカムパネル間に流体の圧力差があっても、この圧力差による各ハニカムパネルの面の座屈を防止できる。したがって、流体の圧力差を気にせず作動可能である。
本発明のハニカム構造体の素材には、金属材料、樹脂、紙等が用いられる。金属材料としては、例えばアルミニウム、銅、ステンレス等が用いられる。樹脂としては、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル系樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂などが用いられる。紙は樹脂含浸した紙などが用いられる。ハニカムのセルサイズは3/16〜3.0インチ(4.76〜76.4mm)が好ましい。ハニカムの厚みは設計される壁厚に従い規定され任意である。ハニカム構造体の表裏面に固着する面板の材質は、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属材料、或いは樹脂、木材などの非金属材料である。
図を用いて、本発明を詳しく説明する。図1は、本発明のハニカムパネルの一例の斜視図である。1はハニカム構造体、2はハニカム構造体1の表面に固着させた面板であり、3はハニカム構造体1の裏面に固着させた面板である。4は、ハニカムパネルの側壁である。この反対側にも側壁がある。5はハニカム構造体のセルの壁に設けた、流体を通過させる貫通孔である。この図1は、流体を通過させる貫通孔5を、セルの接着部の壁に設けたハニカム構造体をコアに用いたハニカムパネルの例である。
図2は、流体を通過させる貫通孔をセルの接着部の壁に設けたハニカム構造体の斜視図である。6はセルである。セル6は、壁a、壁b、壁c、壁d、壁e及び壁fの6個の壁で囲まれ構成されている。そして、壁aと壁dとは、隣のセルを構成する壁と接着し、二重になっている。本発明では、この壁a及び壁dを、セルの接着部の壁と称している。また、壁b、壁c、壁e及び壁fは、一重の壁で隣のセルを構成する壁にもなっている。本発明では、これらの壁b、壁c、壁e及び壁fを、セルの非接着部の壁と称している。この図2のハニカム構造体においては、流体を通過させる貫通孔5は、セルの接着部の壁a及び壁dに設けられている。
ハニカムパネルのコアに用いるハニカム構造体は、通常、次のようにして製造する。すなわち、帯状に切断したハニカム素材の箔例えばアルミニウム箔を、複数枚重ね且つ該箔同士を一定間隔を置いて設けた接着部で接着してハニカムブロックを作成する。その後、このハニカムブロックを横方向に展張し、ハニカム構造体を得る。図3は、流体を通過させる貫通孔5を、セルの接着部の壁に設けたハニカム構造体の製造例を示す斜視図である。7はハニカムブロックである。このハニカムブロック7は、ハニカムの素材である帯状の箔8の複数枚を、該箔同士を一定間隔で設けた接着部9で接着した状態で重ねたものである。すなわち、各箔8は、接着部9で互いに接着している。10は非接着部である。このハニカムブロック7を横方向に展張すると、非接着部10の部分が開いて接着部9と共に6角形のセルを形成し、ハニカム構造体が得られる。そして、流体を通過させる貫通孔5をセルの接着部の壁に設けたハニカム構造体は、ハニカムブロック7の接着部9に、ハニカムブロック7を貫通する孔5を穿孔し、その後に横方向に展張して製造する。この場合、接着部9の全てでなく、例えば一列置きに、ハニカムブロック7を貫通する孔5を設けてもよい。
図2に示すハニカム構造体1の表裏面に、面板2,3を接着剤で固着し、側壁4を設けて、本発明の図1に示すハニカムパネルを製造する。このハニカムパネルは、軽量で高剛性を有し、通常のハニカムパネルとして使用できる。そして、ハニカムパネル中を加温した或いは冷却した気体や液体を通すことで放熱板機能や熱交換機能を持たせることができる。例えば、図1,4のハニカムパネルでは、加温した或いは冷却した気体や液体を、矢印の方向に、手前側から流体を圧入してハニカムパネルを通すことで放熱板機能が発揮される。また、面板2,3には、必要に応じて、面板を貫通する孔を設けてもよい。図4は、面板2に、貫通する孔11を設けた例の斜視図である。ハニカムパネル中に導入した加温或いは冷却気体が、この面板2の孔11を通して外部に噴出するので、その放熱板としての機能がより高められる。
図5は、セルの非接着部の壁に流体を通過させる貫通孔を設けたハニカム構造体の斜視図である。6はセルである。12は、前述したセル6の非接着部の壁(図2における壁b、壁c、壁e及び壁f)に設けた、流体を通過させる貫通孔である。このハニカム構造体1は、前述の図3に示したハニカムブロック7の非接着部10にハニカムブロック7を貫通する孔12を穿孔し、その後このハニカムブロック7を横方向に展張することにより製造できる。図6は、その例で、非接着部10に、ハニカムブロック7を貫通する孔12を穿孔したハニカムブロック7の斜視図である。この場合、非接着部10の全てでなく、例えば一列置きに、ハニカムブロック7を貫通する孔12を設けてもよい。
図7は、セルの接着部の壁及びセルの非接着部の壁に流体を通過させる貫通孔を設けたハニカム構造体の斜視図である。6はセルである。5は、前述したセル6の接着部の壁(図2における壁a及び壁d)に設けた、流体を通過させる貫通孔である。12は、前述したセル6の非接着部の壁(図2における壁b、壁c、壁e及び壁f)に設けた、流体を通過させる貫通孔である。このハニカム構造体1は、図8に示すハニカムブロック7の接着部9にハニカムブロック7を貫通する孔5を穿孔し、また非接着部10にハニカムブロック7を貫通する孔12を穿孔し、その後横方向に展張することにより製造できる。
図9は、ハニカムを構成するセルの接着部の壁を貫通し且つハニカムの全幅に亘っている直線状の管を複数本備え、且つハニカムを構成するセルの非接着部の壁に流体を通過させる貫通孔を有するハニカム構造体の斜視図である。6はセルである。13は、セル6の接着部の壁(図2における壁a及び壁d)に穿った孔に通した管である。この管13の端部は任意に接続していてもよい。12は、セル6の非接着部の壁(図2における壁b、壁c、壁e及び壁f)に設けた、流体を通過させる貫通孔である。このハニカム構造体1は、図10に示すハニカムブロック7の接着部9に、ハニカムブロック7を貫通する孔を穿ち、この孔に管13を通し、また非接着部10にハニカムブロック7を貫通する孔12を穿孔し、その後横方向に展張することにより製造できる。管13は、アルミニウム、銅、ステンレス等の熱伝導性が良い金属材材料が好ましい.その他に樹脂材料を使用してもよい。管の断面形状は円形状のものに限らず多角形の管の使用も可能である。
上記した図5、図7及び図9に示すハニカム構造体の表裏面に面板を接着剤で固着し、ハニカムパネルを製造する。これらのハニカムパネルは、軽量で高剛性を有し、通常のハニカムパネルとして使用できる。そして、ハニカムパネル中を加温した或いは冷却した気体や液体を通すことで放熱板機能や熱交換機能を持たせることができる。このように、本発明のハニカムパネルは、住宅やビルの壁材、床材或いは間仕切り等に使用すると共に、冷暖房システム或いは空調システムのエレメントとして利用できる。
また、上記のハニカムパネルを積層して各層毎に異なる流体を流動させ、熱伝達性能の良好なプレート式熱交換器にすることができる。図11はその一例を示す斜視図である。A,B,Cは、ハニカムパネルである。Bのハニカムパネルの中に低温の気体を矢印方向に流し、AとCのハニカムパネルの中に高温の気体を矢印方向に流す。これによって、ハニカムパネルBと、ハニカムパネルA,Cとの間で熱交換が行われる。
1 ハニカム構造体、2,3 面板、4 側壁、5、12 貫通孔、6 セル、7 ハニカムブロック、8 箔、9 接着部、10 非接着部、11 孔、13管、
Claims (8)
- ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカムを構成するセルの壁に、流体を通過させる貫通孔を設けたことを特徴とするハニカムパネル。
- ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカムを構成するセルの接着部の壁に、流体を通過させる貫通孔を設けたことを特徴とするハニカムパネル。
- ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカムを構成するセルの非接着部の壁に、流体を通過させる貫通孔を設けたことを特徴とするハニカムパネル。
- ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、ハニカムを構成するセルの接着部の壁及び非接着部の壁に、流体を通過させる貫通孔を設けたことを特徴とするハニカムパネル。
- ハニカム構造体の表裏面に面板を固着したハニカムパネルにおいて、該ハニカム構造体が、ハニカムを構成するセルの接着部の壁を貫通し且つハニカムの全幅に亘っている直線状の管を複数本備え、且つハニカムを構成するセルの非接着部の壁に流体を通過させる貫通孔を有することを特徴とするハニカムパネル。
- ハニカム構造体の表裏面に固着した面板の少なくとも一つに、貫通孔を設けてなる請求項1〜5のいずれかに記載のハニカムパネル。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のハニカムパネルを複数層に重ねてなるプレート型熱交換器。
- ハニカム素材の箔を複数枚重ね且つ該箔同士を一定間隔を置いて設けた接着部で接着してハニカムブロックを作成し、該ハニカムブロックの接着部又は非接着部に、或いは接着部と非接着部に、展張する方向と同方向に貫通孔を複数個所穿孔し、その後展張してハニカム構造体となし、該ハニカム構造体の表裏面に面板を固着することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハニカムパネルの製造方法。
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