JP2005134073A - プレート式熱交換器 - Google Patents

Abstract

【課題】 連続する凹凸面１４を形成した伝熱板１０を、所定の枚数積層して形成するプレート式熱交換器において、伝熱板１０の耐食性の向上を図るとともに、ダブルウォール式のプレート式熱交換器と比較して生産性に優れ、製作コストを削減可能なプレート式熱交換器を提供する。
【解決手段】 芯材１１の表裏両面に異種金属板である表皮材１２を接合したクラッド材で伝熱板１０を形成する。特に、ステンレス鋼板の芯材１１に銅板の表皮材１２を接合したステンレス／銅クラッドで伝熱板１０を形成する。また、表皮材１２が銅板であるクラッド材を用い、電気炉でロウ付けして製作する。
【選択図】 図２

Description

この発明は、連続する凹凸面を形成した伝熱板を所定の枚数積層して形成するプレート式熱交換器に関するものである。

プレート式熱交換器は、波形や半球殻形等の連続する凹凸面を形成した伝熱板を多層に重ね合わせ、伝熱板と伝熱板との間に狭い層状間隔の流体の通路を形成し、この層状間隔に交互に液−液、液−ガスなどの２種類の流体を流通させて熱交換を行うもので、伝熱面積の飛躍的な増大で高い熱効率を実現する。かかるプレート式熱交換器において、流通路を仕切る伝熱板に腐食による穴あきを生じると、両者の流体が漏洩して混合し、給湯装置に組み込む熱交換器では、これが給水側の負圧時に市水に逆流する危険がある。

この伝熱板の穴あきによる流体の混合を回避する手段として、同一形状、同一素材の２枚の伝熱板を重ねて一組とし、この２枚一組の伝熱板ユニットを積層して形成するダブルウォール式のプレート式熱交換器がある（例えば特開２００２−１０７０８９号公報、特許文献１）。これは、伝熱板に穴あきが生じた場合、漏洩した流体を重ねた２枚の伝熱板の間隙内に流入させ、伝熱板の周縁から外部に排出することで、２種類の流体が直ちに混合することを防止するものである。

しかし、ダブルウォール式のプレート式熱交換器は、排水用の間隙を設けた伝熱板ユニットは１枚の伝熱板に比べて熱伝導性に劣るとともに、機械的強度を確保するために重ねた２枚も接合しなければならず、伝熱板の枚数も増加して生産性に劣るものであった。また、同一素材の伝熱板であるから腐食条件は同一であり、伝熱板自体の耐食性の向上を図る手段ではない。
特開２００２−１０７０８９号公報

この発明が解決しようとする課題は、異種金属板を層状に接合したクラッド材で伝熱板を形成することで、伝熱板の耐食性の向上を図るとともに、ダブルウォール式のプレート式熱交換器と比較して生産性に優れ、製作コストを削減可能なプレート式熱交換器を提供することである。

こうした課題を解決するため、この発明は、連続する凹凸面１４を形成した伝熱板１０を、所定の枚数積層して形成するプレート式熱交換器において、芯材１１の表裏両面に異種金属板である表皮材１２を接合したクラッド材で伝熱板１０を形成したことを特徴とするものである。

伝熱板１０の形成に用いるクラッド材としては、ステンレス鋼板の芯材１１に銅板の表皮材１２を接合したステンレス／銅クラッドが適用し、表皮材１２が銅板であるクラッド材を用い、電気炉でロウ付けして製作するものである。

この発明のプレート式熱交換器は、芯材１１の表裏両面に異種金属板である表皮材１２を接合したクラッド材で伝熱板１０を形成することで、伝熱板１０はそれぞれの材料特性を併せ持ち、表皮材１２に腐食による穴あきが生じても芯材１１は腐食条件が異なり、直ちに全体の穴あきに至ることを未然に防止することができる。

また、クラッド材としてステンレス／銅クラッドを適用すれば、電気化学的に電位の高いステンレス鋼板を芯材１１とし、低電位の銅板の表皮材１２を接合した腐食に強い構成であり、伝熱板１０は、ステンレス鋼の高強度、高耐食性と、銅の高熱伝導性の優れた特性を併せ持つことができる。また、表皮材１２が銅板であるクラッド材を用いれば、伝熱板１０を積層した組立品を電気炉でロウ付けして製作可能であり、著しい生産性の向上を図ることができる。

図面にこの発明のプレート式熱交換器で用いる伝熱板１０の実施例を示す。
図１に示すように、伝熱板１０は所定寸法の矩形板をプレス成形して形成され、波形１４ａが連続する凹凸面１４を一面に形成し、周縁を折り曲げてリム部１５を設けて皿状に形成され、四隅に流体の通孔１６を開孔している。

図２に示すように、伝熱板１０は、芯材１１の表裏両面に異種金属板の表皮材１２を接合したクラッド材で形成されている。本例のクラッド材は、芯材１１であるステンレス鋼板の表裏両面に表皮材１２である銅板を圧延・圧着（クラッディング）したステンレス鋼／銅クラッドである。なお、図面では構造を明示するために板厚を厚く表しているが、箔状の銅板を接合したものを適用してもよい。

プレート式熱交換器は、この伝熱板１０を順次上下反転させ、波形１４ａを交差させて所定の枚数積層し、リム部１５、通孔１６の周縁、波形１４ａの当接部等を液密に接合して製作され、伝熱板１０の表皮材１２が銅板であるから、接合箇所にロウ材を設置して組み立て、この組立品を電気炉に投入し、ロウ付けして製作する。こうして製作したプレート式熱交換器において、上下の伝熱板１０、１０ａで仕切られた層状間隔のａ層とｂ層に液−液、液−ガスなどの２種類の流体を交互に流通させ、熱交換が行われる。

以上、このように構成したプレート式熱交換器は、ステンレス鋼の高強度、高耐食性と、銅の高熱伝導性の優れた特性を併せ持つとともに、連続電気炉を用いたロウ付けによる生産性の向上と溶接コストの削減が図られる。

この発明のプレート式熱交換器で用いる伝熱板の実施例の平面図。 図１中Ａ−Ａで切断した断面端面図。

符号の説明

１０ 伝熱板
１１ 芯材
１２ 表皮材
１４ 凹凸面

Claims (3)

1. 連続する凹凸面１４を形成した伝熱板１０を、所定の枚数積層して形成するプレート式熱交換器において、
   芯材１１の表裏両面に異種金属板である表皮材１２を接合したクラッド材で伝熱板１０を形成したことを特徴とするプレート式熱交換器。
2. クラッド材が、ステンレス鋼板の芯材１１に銅板の表皮材１２を接合したステンレス／銅クラッドである請求項１に記載のプレート式熱交換器。
3. 表皮材１２が銅板であるクラッド材を用い、電気炉でロウ付けして製作した請求項１又は２に記載のプレート式熱交換器。

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