JP6606837B2 - 定着装置、転写定着装置、画像形成装置、及び定着用環状体 - Google Patents

定着装置、転写定着装置、画像形成装置、及び定着用環状体 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置、転写定着装置、画像形成装置、及び定着用環状体に関する。
特許文献1には、転写材の種別を判別する転写材種別判別部と、前記転写材種別判別部で判別された転写材の種別に基づいて、前記転写材に導電層を塗布する導電層塗布部と、前記転写材に塗布された導電層にバイアスを印加する接触部材と、前記転写材に像を転写する転写部と、を有することを特徴とする画像形成装置が開示されている。
特許文献2には、内部空間を有すると共にレーザ光が透過可能な素材にて構成される透過部を具備し、この透過部を回転移動させる回転部材と、この回転部材に対向して設けられ、当該回転部材との間に接触加圧域を形成すると共にこの接触加圧域にて記録媒体上の熱可塑性の作像材料による画像を加圧しながら前記回転部材との間で記録媒体を移動搬送する対向部材と、前記回転部材の内部空間に設けられ、記録媒体の搬送路のうち当該記録媒体上の熱可塑性の作像材料による画像が前記接触加圧域に至る前の予め規定されたレーザ光照射位置にて記録媒体上の熱可塑性の作像材料による画像に前記回転部材の透過部を介してレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、を備えることを特徴とする定着装置が開示されている。
特開2012−150195号公報 特開2011−128223号公報
本発明の課題は、導電剤を含有しない定着用環状体を適用した場合に比べ、定着用環状体へのトナーのオフセットが抑制された定着装置を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
に係る発明は、
導電剤を含有する環状の基材、前記基材の外周面上に設けられた弾性層、及び前記弾性層の外周面上に設けられた離型層を備え、600nm以上1000nm以下の少なくとも一部の波長領域の赤外線に対する透過性を有する定着用環状体と、
前記定着用環状体の外周面に接触して周方向に回転することにより前記定着用環状体との間に記録媒体を挟んで搬送する回転部材と、
前記定着用環状体と前記記録媒体とが接触する位置で、前記記録媒体に未定着のトナー像に対して、前記定着用環状体を介して赤外線のレーザ光を照射し、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる赤外線レーザ光照射装置と、
を備えた定着装置。
に係る発明は、
前記定着用環状体が赤外線吸収剤を含有するに記載の定着装置。
に係る発明は、
像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記定着用環状体の外周面に一次転写する一次転写装置と、
前記定着用環状体と前記記録媒体とが接触する位置で、前記定着用環状体の外周面に一次転写された前記トナー像に対して、前記赤外線レーザ光照射装置からの前記赤外線のレーザ光を前記定着用環状体を介して照射し、前記トナー像を前記記録媒体に二次転写するとともに定着させる二次転写定着装置と、
を備えた<1>又は<2>に記載の定着装置。
に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上の前記トナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
又はに記載の定着装置と、
を備えた画像形成装置。
に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
に記載の定着装置と、
を備えた画像形成装置。
に係る発明は、
導電剤を含有する環状の基材と、
前記基材の外周面上に設けられた弾性層と、
前記弾性層の外周面上に設けられた離型層と、
を備え、600nm以上1000nm以下の少なくとも一部の波長領域の赤外線に対する透過性を有する定着用環状体。
に係る発明は、
赤外線吸収剤を含有するに記載の定着用環状体。
及びに係る発明によれば、導電剤を含有しない定着用環状体を適用した場合に比べ、定着用環状体へのトナーのオフセットが抑制された定着装置が提供される。
に係る発明によれば、赤外線吸収剤を含有しない定着用環状体を適用した場合に比べ、定着性能に優れた定着装置が提供される。
及びに係る発明によれば、導電剤を含有しない定着用環状体を適用した場合に比べ、定着用環状体へのトナーのオフセットが抑制された画像形成装置が提供される。
に係る発明によれば、導電剤を定着用環状体中に含有しない場合に比べ、定着用環状体へのトナーのオフセットが抑制された定着用環状体が提供される。
に係る発明によれば、赤外線吸収剤を定着用環状体中に含有しない場合に比べ、定着性能に優れた定着用環状体が提供される。
本実施形態に係る定着用環状体の構成の一例を示す概略図である。 図1に示す定着用環状体について厚さ方向の断面の一部を示す概略断面図である。 本実施形態に係る定着装置(転写定着装置)の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置(転写定着装置)の他の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置の他の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[定着用環状体]
本実施形態に係る定着用環状体は、基材と弾性層と離型層とを少なくとも備えた3層以上の層構成を有する。基材は導電剤を含有しかつ環状であり、弾性層は前記基材の外周面上に設けられ、離型層は前記弾性層の外周面上に設けられる。
上記定着用環状体は600nm以上1000nm以下の少なくとも一部の波長領域の赤外線(以下単に「赤外線」とも称す)に対する透過性を有する。
ここで、「赤外線に対して透過性を有する」とは、少なくとも前記範囲のうち一部の波長領域の赤外線について、透過率が80%以上(好ましくは90%以上)であることをいう。
図1は、本実施形態に係る定着用環状体の一例を示す概略斜視図であり、図2は、図1に示す定着用環状体の厚さ方向の断面の一部を示す概略図である。
図2に示す定着用環状体15は、基材21と、基材21上に配置された弾性層22と、弾性層22上に最外層として配置された離型層23と、を有している。
本実施形態に係る定着用環状体15は、少なくとも基材に導電剤を含有しており導電性を有する。この導電性により、記録媒体に定着した後のトナーが再び定着用環状体に付着する現象(トナーオフセット)が抑制される。
また、像保持体の表面からトナー像を該定着用環状体15の外周面に静電的に一次転写して保持することができ、かつ定着用環状体15上に保持された前記トナー像を記録媒体表面に静電的に二次転写(反転転写)することができ、中間転写体の機能を持った定着用環状体として用い得る。
また、本実施形態に係る定着用環状体15は赤外線に対して透過性を有するため、未定着のトナー像(記録媒体に定着される前のトナー像)に対して、例えば、定着用環状体15の内周面側から赤外線のレーザ光(以下「赤外線レーザ光」とも称す)を照射しても赤外線レーザ光が定着用環状体15を透過してトナー像が効率的に加熱され、記録媒体への定着が実現される。
また、定着用環状体15に中間転写体の機能を持たせる態様の場合、定着用環状体15の外周面に一次転写されたトナー像に対して、例えば、定着用環状体15の内周面側から赤外線レーザ光を照射することでトナー像が効率的に加熱され、記録媒体へのトナー像の二次転写及び定着が実現される。
また、本実施形態に係る定着用環状体15は弾性層22を有していることから、定着装置において定着用環状体15の外周面に接触して周方向に回転する回転部材とニップを形成し、記録媒体へのトナー像の定着性がより向上し、かつ定着画像に光沢性を付与し得る。また、画像の転写性や、厚紙、エンボス紙等への定着性を向上し得る。更に、クリーニングブレードやクリーニングブラシ等のクリーニング部材への適性が向上し、定着用環状体15上の残留トナーをより低減し得る。
なお、本実施形態に係る定着用環状体15は、600nm以上1000nm以下の少なくとも一部の波長領域の赤外線に対して透過性(少なくとも80%の透過率)を有していればよい。例えば赤外線レーザとして808nmの赤外線レーザ光を発する半導体レーザを用いる場合は、808nmの赤外線レーザ光に対して透過性を有していればよく、例えば800nm以上810nm以下の波長領域の赤外線に対して透過性を有していてもよく、780nm以上830nm以下の波長領域の赤外線に対して透過性を有していてもよい。
以下、本実施形態に係る定着用環状体15の構成について具体的に説明する。
(基材)
基材21は、無端の環状(ベルト状)であり、導電剤を含有し、赤外線に対する透過性(前記赤外線の透過率が80%以上)を有するものであれば特に限定されない。
本実施形態に係る定着用環状体の基材21は、樹脂及び導電剤を含んで構成してもよい。
基材21に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトンスルホンサン(PPSU)、ポリアリレート(PAR)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の透明性に優れる樹脂材料が挙げられる。
前記ポリイミドとしては、例えば、脂肪族ポリイミド、環状ポリイミド、含フッ素ポリイミド(フッ素置換ポリイミド、芳香族ポリイミドの置換フッ化アルキル誘導体)、同種構成のポリアミドイミド、ポリエーテルイミド類などが挙げられる。
前記ポリエチレンナフタレートとしては、例えば、ポリエチレンナフタレート、そのポリカーボネート誘導体などが挙げられる。
前記ポリエーテルスルホンとしては、例えば、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、そのフッ素誘導体などが挙げられる。
前記ポリアリレートとしては、例えば芳香族ポリアリレート、脂肪族ポレアリレートなどが挙げられる。
前記ポリエステルとしては、例えば、延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はポリ乳酸等が挙げられ、ポリエステルとポリプロピレンとの混合物やポリエステルとポリカーボネートとの混合物又はそのコポリマーであってもよい。
前記ポリカーボネートとしては、例えば、芳香族ポリカーボネート類、脂肪族ポリカーボネート類などが挙げられる。
基材21に用いられる材料は、前記の中でも、難燃性及び耐熱性の観点から、ポリエーテルスルホンが好ましい。
基材21に含まれる導電剤としては、赤外線の透過率の低下が抑制される導電剤が好ましく、イオン導電剤が好適である。
前記イオン導電剤としては、例えば、四級アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(例えば、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等)、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩、各種ベタイン、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、各種イオン液体、フッ素系帯電防止剤(フッ素系イオン導電剤)などが挙げられる。
導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
基材21に含まれる導電剤の含有量は、例えば、樹脂材料100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下の範囲であることがよく、好ましくは0.1質量部以上3質量部以下である。
樹脂材料100質量部に対してイオン導電剤を0.01質量部以上配合することで除電性が得られ、回転転写による電荷蓄積が発生し難い。
一方、樹脂材料100質量部に対して10質量部以下の配合で基材樹脂との相溶性が高く、白化、不透明化し難く、かつ導電化によるベルト帯電性の低下が抑制され易い。
基材21は、例えば体積抵抗率が10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように導電剤が含まれる。
また、本実施形態に係る定着用環状体は、例えば体積抵抗率が10Ωcm以上1013Ωcm以下であることが好ましい。
基材21は、赤外線の透過性を妨げない範囲で、さらに、透明な繊維(フッ素樹脂粉末、ポリエステル、ポリアミド、ガラス繊維等)やフィラー(シリカなどの無機粒子)を配合して補強したものであってもよい。
また、基材21には、定着用環状体15全体の赤外線の透過性を妨げない範囲(透過率が80%以上となる範囲)で赤外線吸収剤を含有させてもよい。赤外線吸収剤の含有については後に詳述する。
基材21の弾性率としては、定着用環状体15の形状を保ちながら回転させる観点から、例えば1GPa以上、好ましくは2GPa以上4GPa以下が挙げられる。
なお、弾性率の測定は、JIS−K7162(1994、1BA形、速度1mm/min)に準拠する。
基材21の厚みとしては、例えば、20μm以上1000μm以下が挙げられ、50μm以上200μm以下が好ましく、60μm以上150μm以下がより好ましい。
また、透明性を有し、ベルト剛性の低下を抑制し、かつ回転使用による端部疲労によるひび(クラック)の発生の防止、及び座屈や脆化を抑制する観点より、膜厚バラツキは10%以下に抑えることが好ましい。
(弾性層)
弾性層22は、赤外線に対して透過性(例えば赤外線の透過率が80%以上)を有するものであれば特に限定されない。
赤外線に対して透過性を有する弾性層22に用いられる材料としては、例えばシリコーンゴム、ウレタンゴム、オレフィンゴム等の弾性材料が挙げられる。
赤外線を透過するシリコーンゴムとしては、例えば、付加重合タイプの2液ポリジメチルシロキサン類とその誘導体、及び光硬化タイプのアクリル変性シリコーンゴム等が挙げられる。
赤外線を透過するポリウレタンゴムとしては、例えば、ポリエーテルウレタン、ポリエステル系ウレタン類及びアクリル変性光硬化タイプのウレタン樹脂等が挙げられる。
赤外線を透過するオレフィンゴムとしては、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ポリプロピレンゴム、ブチルゴム、シクロオレフィン類、ノルボルネンゴム等が挙げられる。
弾性層22に用いられる材料は、前記の中でも、100℃以上の耐熱性を有するものが望ましい。
ここで、「100℃以上の耐熱性を有する」とは、100℃以上に加熱した後でも、弾性(すなわち100Pa以下の外部圧力印加により変形しても、もとの形状に復元する性質)を損なわないことを言う。
弾性層22に用いられる材料が100℃以上の耐熱性を有するものであることにより、赤外線レーザ光で加熱されても用紙走行性と剥離性を損なわない弾性が得られる。そのため、ニップ形状を記録媒体(用紙)幅全域に渡って維持して加熱定着することにより、圧接時の圧力ムラが軽減され、かつ、連続加熱走行による加温時での弾性と形状が維持されることにより、定着用環状体15の外周面と記録媒体の表面との界面における密着性が安定化し、シワの発生などが抑制される。
前記耐熱性は、100℃以上が望ましく、150℃以上がより望ましく、180℃以上がさらに望ましい。
前記耐熱性の測定は、例えば以下の方法で行う。具体的には、DSC、DGA、TMAなどの熱分析装置による溶融温度および熱重量測定、機械的強度評価による100℃以下でその変化の少ない弾性層が望ましい。
前記赤外線を透過する弾性材料のうち、100℃以上の耐熱性を有するものとしては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、オレフィンゴム、シクロオレフィンゴム等が挙げられる。
なお、弾性層22にも、定着用環状体15全体の赤外線の透過性を妨げない範囲(透過率が80%以上となる範囲)でイオン導電剤等の導電剤を含有させてもよい。
また、弾性層22には、定着用環状体15全体の赤外線の透過性を妨げない範囲(透過率が80%以上となる範囲)で赤外線吸収剤を含有させてもよい。赤外線吸収剤の含有については後に詳述する。
弾性層22の厚みとしては、例えば50μm以上500μm以下が挙げられ、150μm以上450μm以下が好ましい。
(離型層)
離型層23は、赤外線に対して透過性(例えば赤外線の透過率が80%以上)を有するものであれば特に限定されず、例えばフッ素含有樹脂を含んで構成される。
本実施形態に係る定着用環状体を後述する定着装置や画像形成装置に適用する場合、最外層として離型層23を有することで、赤外線レーザ光による画像の定着を実現しつつかつ定着画像に光沢性が付与され易い。また、定着用環状体15に中間転写体の機能を持たせる態様においては、定着用環状体の外周面に一次転写され保持されたトナー像が記録媒体に転写し易くなる。
前記フッ素含有樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体(THV)、及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)、全フッ化環状エーテルポリマー等が挙げられ、赤外線の透過性の観点から、PFA、PVDF、全フッ化環状エーテルポリマー等が好適である。
さらにフッ素系の離型コーティング材やシリコン系の無機コーティング材などもその表面性や平滑性付与の観点から使用してもよい。
なお、離型層23にも、定着用環状体15全体の赤外線の透過性を妨げない範囲(透過率が80%以上となる範囲)でイオン導電剤等の導電剤を含有させてもよい。
また、離型層23には、定着用環状体15全体の赤外線の透過性を妨げない範囲(透過率が80%以上となる範囲)で赤外線吸収剤を含有させてもよい。赤外線吸収剤の含有については後に詳述する。
離型層23の外周面における表面自由エネルギーは、トナーの離型性の観点から、例えば40mN/m以下が好ましく、30mN/m以下がより好ましく、25mN/m以下が更に好ましい。
ここで、表面自由エネルギーの測定は、例えば、接触角計CAM−200(KSV社製)を用い、Zisman法を用いた装置内蔵のプログラム計算にて算出する。
また離型層23の屈折率は、トナーの屈折率よりも低い方が、離型層23と記録媒体に転写された未定着トナー像との界面における赤外線レーザ光Iの反射が抑制される点で望ましい。
離型層23の厚みとしては、例えば1μm以上50μm以下が挙げられ、10μm以上50μm以下が好ましく、12μm以上30μm以下がより好ましい。
本実施形態に係る定着用環状体15は、基材21と弾性層22との間、弾性層22と離型層23との間等に、接着層等の他の層をさらに有していてもよい。
前記接着層を設ける場合も赤外線に対して透過性を有する接着層を用いる。
赤外線に対して透過性を有する接着層に用いられる材料としては、例えば、シランカプラー、シリコーン系接着剤、またはウレタン系接着剤等が挙げられる。
定着用環状体15の全体の厚みとしては、例えば80μm以上1550μm以下が挙げられ、100μm以上1000μm以下が好ましく、200μm以上500μm以下がより好ましい。
また、定着用環状体15の外周面における表面A硬度は、例えば10度以上90度以下が挙げられる。例えば、定着用環状体15の外周面にアスカーJA型硬度計(高分子計器社製)の押針を接触させ、4.9N(2sec)加重の条件にて表面A硬度が測定される。
−赤外線吸収剤−
本実施形態に係る定着用環状体15は、定着用環状体15全体の赤外線の透過性を妨げない範囲(透過率が80%以上となる範囲)で赤外線吸収剤を含有してもよい。
赤外線吸収剤を定着用環状体に含ませることで、定着用環状体15を赤外線レーザ光の照射位置で発熱させられ、トナーの定着性をより向上させられる。また、トナーに赤外線吸収剤を含有させ赤外線レーザ光を照射して該トナーを溶融させ定着する場合に比べ、定着用環状体に赤外線吸収剤を含ませ該定着用環状体を加熱することで定着速度と離型性とをより向上させられる。
赤外線吸収剤は、基材21、弾性層22、離型層23のいずれに含有しても、また他の層に含有してもよく、複数の層に含有させてもよい。
中でも、記録媒体に近い面での赤外発熱効果を高めるため定着用環状体15の外周面により近い層に含有させることが好ましい。また、表面でのトナーまたはインク材料への伝熱性、基材、弾性層、離型層及びその界面での発熱性と冷却性、蓄熱性、耐熱性との観点から、定着用環状体15の外周面に近い部分に含有させることがより好ましい。
一方で、基材21は比較的膜厚が薄く放熱性及び相溶性が得られ、更にトナーの溶融定着性を補助し得る利点があるため、基材21に含有させることも好ましい。
赤外線吸収剤としては、600nm以上1000nm以下の波長域に吸収ピークを有するものであれば公知のものを用い得る。
赤外線吸収剤としては、公知の赤外線吸収剤が用いられ、例えば酸化インジウム系金属酸化物、酸化スズ系金属酸化物、酸化亜鉛系金属酸化物、スズ酸カドミウム、特定のアミド化合物、ランタノイド系化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物等が挙げられる。さらに、カーボンブラック、チタンブラック、フェライト、マグネタイト、炭化ジルコミウム等の黒色顔料、ポリメチン系、アザヌレン系、金属キレート系、ベタイン系色素等が用いられる。
これらの中でも、赤外領域での光吸収に伴う電子分極により自己発熱による薄膜層内での伝熱性の赤外線吸収剤として溶解性に優れる有機色素(シアニン系、ベタイン系)が好ましい。
これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。
赤外線吸収剤の添加量は、定着用環状体15全体の赤外線の透過性を妨げない範囲(透過率が80%以上となる範囲)で調整される。種類にもよるが、定着用環状体15全体に対して0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
[定着装置]
次に、本実施形態に係る定着用環状体を用いた定着装置について説明する。
本実施形態に係る定着装置は、前述の本実施形態に係る定着用環状体と、前記定着用環状体の外周面に接触して周方向に回転することにより前記定着用環状体との間に記録媒体を挟んで搬送する回転部材と、前記定着用環状体と前記記録媒体とが接触する位置で、前記記録媒体に未定着のトナー像に対して、前記定着用環状体を介して赤外線のレーザ光を照射し、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる赤外線レーザ光照射装置と、を備える。
なお、本実施形態に係る定着装置では、前述の本実施形態に係る定着用環状体が中間転写体の役割を担う態様であってもよい。
すなわち、像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記定着用環状体の外周面に一次転写する一次転写装置と、前記定着用環状体と前記記録媒体とが接触する位置で、前記定着用環状体の外周面に一次転写された前記トナー像に対して、前記赤外線レーザ光照射装置からの前記赤外線のレーザ光を前記定着用環状体を介して照射し、前記トナー像を前記記録媒体に二次転写するとともに定着させる二次転写定着装置と、を更に備えていてもよい。
<第1実施形態>
図3は、本実施形態に係る定着装置の構成の一例(第1実施形態)を示す概略構成図である。なお、第1実施形態に係る定着装置は、定着用環状体が中間転写体の役割を担う態様を示す。
図3に示す定着装置60は、前記本実施形態に係る無端状の定着用環状体15と、定着用環状体15の外周面に接触して周方向に回転する二次転写ロール36と、定着用環状体15を挟んで二次転写ロール36の反対側で定着用環状体15の内周面に接触し、赤外線レーザ光に対する透過性を有する赤外線透過部材30と、定着用環状体15と二次転写ロール36との接触部80に向けて赤外線レーザ光Iを照射する赤外線レーザ光照射装置70と、を備えている。
−赤外線レーザ光照射装置−
赤外線レーザ光照射装置70は、定着用環状体15の内側(内周面側)に配置され、波長が600nm以上1000nm以下の赤外線レーザ光を発する装置が使用される。具体的には、例えば、半導体レーザや固体レーザ等の光源を備えるレーザ光照射装置等が挙げられる。
赤外線レーザ光の照射強度としては、例えば、接触部80において10mW/cm以上100mW/cm以下となる強度が挙げられる。また未定着トナー像Tへの赤外線照射量としては、例えば、50mJ/cm以上5000mJ/cm以下が挙げられる。
赤外線透過部材30は、回転自在に支持された環状の保護部材71と、赤外線レーザ光照射装置70から発せられた赤外線レーザ光Iを集光するレンズ部材72と、定着用環状体15を挟んで二次転写ロール36に対向する位置においてレンズ部材72と保護部材71との間に配置された摺動部材74と、を含んで構成されている。
また、保護部材71の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材76と、レンズ部材72、摺動部材74、及び潤滑剤供給部材76を支持する支持部材78とが設けられている。
−保護部材−
保護部材71は、内側に配置されているレンズ部材72を保護する環状の部材であり、赤外線を透過するガラス又は樹脂によって成形されている。
保護部材71を構成する樹脂材料としては、フッ素含有樹脂を含み、赤外線に対して透過性(例えば前記赤外線の透過率が80%以上)を有するものであれば特に限定されない。
前記フッ素含有樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体(THV)、及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)、全フッ化環状エーテルポリマー等が挙げられ、PFA、ポリビニリデンフルオライド、全フッ化環状エーテルポリマー等が好ましい。
また、レンズ部材72を保護する保護部材71を設ける代わりに、定着用環状体15の表面保護層としてコーティング材を付与してもよい。フッ素系コート材としてルミフロン(登録商標)系の共重合フッ素樹脂ポリマーや、シリコン系の無機ナノグラスコート等の離型性コーティングをスプレー塗布、ディップ塗装により表面保護層を設けることが好ましい。
−レンズ部材−
レンズ部材72は、波長が600nm以上1000nm以下の赤外線に対して透過性を有し、赤外線レーザ光を集光するものであれば限定されない。レンズ部材72に用いられる材料としては、例えば、ガラス、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂等が挙げられる。
レンズ部材72は、例えば、接触部80に赤外線レーザ光の焦点が来る焦点距離を有するものを選択してもよく、レンズ部材72及び赤外線レーザ光照射装置70の位置を調整することで前記焦点の位置を制御してもよい。
−摺動部材−
摺動部材74は、保護部材71の回転時に保護部材71の内周面とレンズ部材72とが直接接触してこれらの部材の表面が傷つくことを防ぎ、例えばレンズ部材72の表面に傷がつくことによる赤外線の透過率低下等を防ぐための部材である。
摺動部材74としては、波長が600nm以上1000nm以下の赤外線に対して透過性を有し、保護部材71に対して摩擦係数が小さく耐摩耗性に優れた材質で構成されたものが適している。
摺動部材74の材質としては、例えば、赤外線に対して透過性を有する樹脂(具体的には、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の潤滑性フィラーを分散させたウレタンゴム、オレフィンゴム等)、ガラス等の繊維によって補強されたPFA樹脂、シリコーンオイル、及びシリコン系界面活性剤等で含浸又は表面処理された透明液状シリコーンゴム等が挙げられる。
また摺動部材74の厚みとしては、例えば、0.01mm以上1mm以下が挙げられる。
さらに摺動部材74の内部に、ワックスやシリコーンオイル等を含浸させた発泡部材を設けることで潤滑性を向上させ、保護部材71が回転するときにおける摺動部材74と保護部材71との摩擦抵抗及び擦れを軽減させ、これらの部材に対する影響を軽減させてもよい。
−潤滑剤供給部材−
潤滑剤供給部材76は、潤滑剤を保持し、保護部材71の内周面に潤滑剤を供給する部材である。
潤滑剤としては、例えばシリコーンオイル、パラフィンオイル、フッ素オイル、その他固形物質と液体とを混合させた合成潤滑油グリース、ワックス等が挙げられる。
なお、本実施形態では潤滑剤を保護部材71の内周面に供給する形態であるが、潤滑剤を用いない形態でもよい。
−二次転写ロール−
二次転写ロール36は、定着用環状体15の外側(外周面側)に配置され、定着用環状体15と接触部80を形成し、定着用環状体15との間に記録媒体Pを挟んで搬送する回転部材である。二次転写ロール36は、定着用環状体15との間で記録媒体Pを挟み込む形状のものであれば特に限定されない。二次転写ロール36の具体例としては、例えば、円柱状芯金と、円柱状芯金の外周面に設けられた透明弾性層とを有する加圧ロール等が挙げられる。該弾性層の外周面に離型層を設けてもよい。
弾性層を構成する材料としては、ウレタンやオレフィン、NBR等の発泡導電ゴム材料を用いてもよい。
芯金は、例えば鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。また、弾性層は、例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとGECO(エピクロロヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体)とEPDMとのブレンドゴム、ウレタン系イオン導電ゴム等で形成され、体積抵抗率が106.0Ωcm以上109.0Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
二次転写ロール36の外周面における表面A硬度としては、例えば10度以上95度以下が挙げられる。
定着用環状体15と二次転写ロール36との接触部80の幅としては、例えば0.01mm以上30mm以下が挙げられ、0.5mm以上5mm以下が望ましい。
本実施形態に係る定着装置60は、定着用環状体15が矢印B方向に回転(移動)し、定着用環状体15の外周面と接触する二次転写ロール36は、定着用環状体15の回転に従動して定着用環状体15の回転方向Bと反対の周方向Cに回転する。一方、定着用環状体15の内周面に接触する保護部材71は、定着用環状体15の回転に従動して定着用環状体15の回転方向Bと同じ周方向Rに回転する。
像保持体(不図示)の表面に形成されたトナー像が定着用環状体15の外周面に一次転写され、定着用環状体15の外周面に保持されたトナー像Tが定着用環状体15と二次転写ロール36との接触部80へと搬送される。
なお、定着用環状体15に一次転写されたトナー像Tは、例えば、赤外線吸収剤(赤外線を吸収し、熱としてエネルギーを放出する成分)を内添剤又は外添剤として含んだトナーを用いて形成されたものが使用される。
一方、定着用環状体15の内側に設けられた赤外線レーザ光照射装置70から、接触部80に向かって赤外線レーザ光Iが照射される。赤外線レーザ光照射装置70から発せられた赤外線レーザ光Iは、赤外線透過部材30(保護部材71、レンズ部材72、及び摺動部材74)及び定着用環状体15を透過し、接触部80に到達する。
そして接触部80には記録媒体Pが搬送され、定着用環状体15の外周面に保持されたトナー像Tが定着用環状体15と記録媒体Pとに挟み込まれた状態で赤外線レーザ光Iが照射されることでトナー像Tに含有される赤外線吸収剤が赤外線レーザ光Iを吸収したのちに熱を放出する。未定着トナー像Tは、定着用環状体15及び二次転写ロール36によって圧力がかけられつつ瞬間的に温度が上昇して溶融し二次転写及び定着(二次転写定着)が実現され、記録媒体P上に定着画像Fとなる。
なお、定着用環状体15の外周面に保持されたトナー像Tを記録媒体(用紙)Pにより確実に二次転写させるため、トナー像Tを用紙P上に静電的に二次転写させてもよい。
また、本実施形態では、その加熱加圧時間(すなわち、未定着トナー像Tが温度上昇により溶融し、定着用環状体15の圧接により平坦化される時間)が数msecと短く、高速定着し得、かつ、高エネルギーの赤外線レーザ光により未定着トナー像Tが加熱されるため、記録媒体Pを温めずに未定着トナー像Tの定着が行われる。そのため、両面定着時の定着性も安定しており、記録媒体剥離性も変化しないことにより、薄紙から厚紙、エンボス紙、連張紙、塗工紙、PETフィルム、シュリングフィルム等までの非浸透メディアなど広範囲の記録媒体適応性が得られる。
また、本実施形態に係る定着装置60では、赤外線レーザ光によって二次転写定着を行うことで、画像形成装置の小型化とともに、トナー画像の転写及び定着の高速化が実現される。
<第2実施形態>
次に、本実施形態に係る定着用環状体を用いた第2実施形態の定着装置について説明する。
図4は、本実施形態に係る定着装置の他の一例(第2実施形態)を示す概略構成図である。なお、第2実施形態に係る定着装置は、定着用環状体が中間転写体の役割を担う態様を示す。
図4に示す定着装置90は、定着用環状体15に面する側が円弧状に形成されたレンズ部材72と摺動部材74を備え、定着用環状体15は二次転写ロール36との接触により内側に変形して円弧状の接触部80が形成されている。なお、第1実施形態に係る定着装置と同様の構成については同様の符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る定着装置90は、導電性及び赤外線に対する透過性を有する無端ベルト状の定着用環状体15と、定着用環状体15と円弧状の接触部80を形成する二次転写ロール36と、定着用環状体15の内側に設けられた赤外線レーザ光照射装置70と、赤外線透過部材として、赤外線レーザ光照射装置70から発せられた赤外線レーザ光を透過するレンズ部材72と、定着用環状体15の内周面とレンズ部材72との間に設けられた摺動部材74と、を備えて構成されている。
また、定着用環状体15の内側で互いに間隔を持って設けられた押しつけロール86及び押しつけロール87が、定着用環状体15を二次転写ロール36に押し付けることで、定着用環状体15における押しつけロール86と押しつけロール87との間の領域が内側に変形し、接触部80が形成されている。
レンズ部材72は、定着用環状体15の内側において、定着用環状体15を介して二次転写ロール36に加圧される状態で配置されている。また、摺動部材74は、定着用環状体15の内周面とレンズ部材72との摺動抵抗を小さくし、定着用環状体15の内周面とレンズ部材72とが直接接触することによる傷の発生を防ぐため、レンズ部材72における定着用環状体15に対向する円弧状の曲面に設けられている。
定着用環状体15は、矢印B方向に回転し、それに伴って二次転写ロール36が定着用環状体15の回転方向と反対の方向Cへ回転する。一方、レンズ部材72及び摺動部材74は不図示の支持部材によって固定されており、定着用環状体15が回転してもレンズ部材72及び摺動部材74は静止したままである。
また、摺動部材74が定着用環状体15の内周面とレンズ部材72との間に設けられていることによって、摺動部材74が定着用環状体15の内周面に接触した状態で定着用環状体15が回転する。
そして、定着用環状体15の外周面に保持されたトナー像Tが、定着用環状体15の回転に伴って矢印B方向に搬送され、接触部80において定着用環状体15と記録媒体Pとの間に挟み込まれるとともに、赤外線レーザ光照射装置70から接触部80に向かって発生された赤外線レーザ光Iがレンズ部材72及び摺動部材74を透過してトナー像Tに照射されることで、トナー像Tが記録媒体Pに二次転写されるともに定着されて定着画像Fとなる。
第2実施形態における接触部80の幅(ニップ幅)としては、例えば0.005cm以上1cm以下が挙げられる。接触部80の幅を長くすると、例えば赤外線レーザ光を照射してから記録媒体に定着されるまでの時間が比較的長いトナーを用いても、良好な定着性が得られる。
<第3実施形態>
次に、本実施形態の定着用環状体を用いた第3実施形態の定着装置について説明する。
図5は、本実施形態の定着装置の他の一例を示す概略構成図である。なお、第3実施形態に係る定着装置は、定着用環状体が中間転写体の役割を担わない態様を示す。
図5の定着装置は、本実施形態の定着用環状体として無端ベルト状の定着用環状体を備え、定着用環状体が回転部材を巻きつけるように接触し、定着用環状体が内側に変形して接触部が形成された定着装置である。なお、第1実施形態にかかる定着装置と同様な構成については、その詳細な説明を省略する。
図5に示すように、第3実施形態にかかる定着装置160は、例えば、赤外線に対して透過性を有し無端ベルト状(管状)である定着用環状体92と、定着用環状体92が巻き掛けるように接して設けられた回転部材45と、定着用環状体92の外部に設けられた赤外線レーザ光照射装置70と、を備えて構成されている。
定着用環状体92は、内部に配置された駆動ロール82と支持ロール84とによって支持されている。また定着用環状体92の内部に互いに間隔を持って設けられた押しつけロール86及び押しつけロール87が、定着用環状体92を介して回転部材45に押し付けることで、定着用環状体92における押しつけロール86と押しつけロール87との間の領域が内側に変形し、接触部80が形成される。
また定着用環状体92の内部には、赤外線レーザ光照射装置70から発せられた赤外線レーザ光Iを集光するレンズ部材72と、定着用環状体92の内周面とレンズ部材72との間に設けられた摺動部材74と、が設けられている。レンズ部材72は、定着用環状体92の内部において、定着用環状体92を介して回転部材45に加圧される状態で配置されている。そして摺動部材74は、定着用環状体92の内周面とレンズ部材72との摺動抵抗を小さくし、定着用環状体92の内周面とレンズ部材72とが直接接触することによる傷の発生を防ぐため、レンズ部材72における定着用環状体92と接する面に設けられている。
定着用環状体92は、駆動ロール82の回転によって定着用環状体92が矢印S方向に回転し、それに伴って回転部材45が定着用環状体92の回転方向と反対の方向へ回転する。
一方、レンズ部材72及び摺動部材74は不図示の支持部材によって固定され、定着用環状体92が回転してもレンズ部材72及び摺動部材74は停止したままである。
また、摺動部材74が定着用環状体92の内周面とレンズ部材72との間に設けられていることによって、定着用環状体92の回転時に、レンズ部材72は摺動部材74を介して定着用環状体92の内周面に接触する。
そして、表面に未定着トナー像Tが形成された記録媒体Pが、定着用環状体92の回転に伴って矢印U方向に搬送され、接触部80において、未定着トナー像Tが定着用環状体92の外周面に直接接触するように、定着用環状体92と回転部材45とに挟み込まれる。その状態で赤外線レーザ光照射装置70から接触部80に向かって赤外線レーザ光Iが発せられ、レンズ部材72によって集光された赤外線レーザ光Iが未定着トナー像Tに照射されることで、未定着トナー像Tが記録媒体Pに定着されて定着画像Fとなる。
定着用環状体92は、基材の弾性率が2GPa以上4GPa以下であることが望ましく、それ以外の詳細な点は前記定着用環状体と同様である。
また、第3実施形態におけるその他の部材についても、前記第2実施形態と同様である。
第3実施形態における接触部80の幅(ニップ幅)としては、例えば0.005cm以上1cm以下が挙げられる。接触部80の幅を長くすると、例えば赤外線レーザ光を照射してから記録媒体に定着されるまでの時間が比較的長いトナーを用いても、良好な定着性が得られる。
[画像形成装置]
次に、本実施形態に係る定着用環状体を用いた画像形成装置について説明する
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記本実施形態に係る定着用環状体と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記定着用環状体の外周面に一次転写する一次転写装置と、前記定着用環状体の外周面に一次転写された前記トナー像に、前記定着用環状体を介して赤外線のレーザ光を照射することにより前記トナー像を記録媒体に二次転写するとともに定着させる二次転写定着装置と、を備えて構成されている。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を概略的に示している。図6に示す画像形成装置100は、図3に示した定着装置を備えた一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を定着用環状体15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、定着用環状体15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Pに一括転写(二次転写)させるとともに、定着用環状体15の内側に配置されている赤外線レーザ光照射装置70から、定着用環状体15を介して赤外線のレーザ光Iを照射することにより重畳トナー像を用紙Pに定着させる二次転写定着部20と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
定着用環状体15は、既述の第1実施形態に係る定着用環状体15であるが、第2実施形態に係る定着用環状体15であってもよい。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11を備えている。
感光体11の周囲には、帯電装置の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成装置の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、現像装置の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて定着用環状体15に転写する一次転写装置の一例として、一次転写ロール16が設けられている。
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16および感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、定着用環状体15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
定着用環状体15は、各種ロールによって図6に示すB方向に定められた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて定着用環状体15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる定着用環状体15を支持する支持ロール32、定着用環状体15に対して一定の張力を与えると共に定着用環状体15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写定着部20に設けられる赤外線透過部材30、定着用環状体15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
一次転写部10には、定着用環状体15を挟んで感光体11に対向して一次転写ロール16が配置されている。一次転写ロール16は、例えば、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
一次転写ロール16は定着用環状体15を挟んで感光体11に対向して配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が定着用環状体15に順次、静電吸引され、定着用環状体15の外周面において重畳されたトナー像が形成されて保持されるようになっている。
二次転写定着部20には、赤外線レーザ光照射装置70、赤外線透過部材30、及び二次転写ロール36が配置されている。
二次転写ロール36は定着用環状体15を挟んで赤外線透過部材30を加圧するように対向配置されている。
二次転写定着部20の下流側には、二次転写定着後の定着用環状体15上の残留トナーや紙粉を除去し、定着用環状体15の表面をクリーニングする定着用環状体クリーナ35が接離自在に設けられている。
なお、定着用環状体クリーナ35の形態はこれに限定されず、ブラシ、ブレード、静電的なクリーニングロール、発泡パッドが挙げられる。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、定着用環状体15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Pを搬送する搬送手段として、用紙Pを収容する用紙収容部50、用紙収容部50に集積された用紙Pを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写定着部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写定着部20においてトナー像が二次転写定着された用紙Pを搬送する搬送ベルト55、用紙Pを排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に導くガイド56を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と定着用環状体15とが接触する一次転写部10において、定着用環状体15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により定着用環状体15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を定着用環状体15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が定着用環状体15の表面に順次一次転写された後、定着用環状体15は移動してトナー像が二次転写定着部20に搬送される。トナー像が二次転写定着部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写定着部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Pが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写定着部20に到達する。この二次転写定着部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が保持された定着用環状体15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写定着部20では、定着用環状体15を介して、二次転写ロール36が赤外線透過部材30に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、定着用環状体15と二次転写ロール36との間に挟み込まれる。その際に、定着用環状体15と二次転写ロール36との接触部に向けて、赤外線レーザ光照射装置70から赤外線レーザ光Iが照射される。そして、定着用環状体15の外周面に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール36と赤外線透過部材30とによって加圧される二次転写定着部20において、用紙P上に一括して静電転写(二次転写)されるとともに定着される。
なお、定着用環状体15の外周面に保持されたトナー像を記録媒体(用紙)Pにより確実に二次転写させるため、例えば、二次転写ロール36は接地されて赤外線透過部材30との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写定着部20に搬送される用紙P上にトナー像を静電的に二次転写させてもよい。
中間転写ベルト上のトナー像を用紙に転写した後、定着装置によって定着を行う装置では、用紙の膜厚、粗さ、抵抗、表面物性の影響を受けやすく、画像劣化(ブラー、画像乱れ、スミヤ、スマッジ等)をより受けやすい。一方、本実施形態に係る定着用環状体15によって転写定着を行う画像形成装置では、用紙の上記影響を受け難く、搬送ベルトとしても機能するため高速での画像形成に適している。
トナー像が二次転写定着された用紙Pは、二次転写ロール36によって定着用環状体15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール36の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。さらに、搬送ベルト55では、用紙Pを画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、定着用環状体15上に残った残留トナーは、定着用環状体15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34および定着用環状体クリーナ35によって定着用環状体15上から除去される。
本実施形態に係る画像形成装置100では、定着用環状体15の内側に赤外線レーザ光照射装置70とレンズ部材72が設けられ、赤外線レーザ光照射装置70からの赤外線レーザ光の照射によって定着用環状体15から記録媒体Pにトナー像が二次転写されるとともに定着されるため、画像形成装置の小型化並びにトナー画像の転写及び定着の高速化が実現される。
また、本実施形態に係る画像形成装置100では、記録媒体Pに転写された未定着トナー像が定着装置を通過せずに二次転写定着が行われるため、未定着トナー像を記録媒体Pに二次転写した後、定着装置を通過させて定着を行う場合に比べ、画像の劣化が抑制される。
以上、本実施形態に係る画像形成装置について説明したが、本実施形態は上記の態様に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良を行ってもよい。
例えば、図4に示した定着装置(転写定着装置)90を備えた画像形成装置としてもよい。
また、定着用環状体を挟んで赤外線透過部材に対向する回転部材として二次転写ロールを備える場合について説明したが、ロールに限らず、例えばベルト状の回転部材(駆動、テンション、寄り止め蛇行防止ロール等)を備えてもよい。
また、図7に示されるように、第1中間転写ベルト18と、第2中間転写ベルトとしての定着用環状体15とを備え、第2中間転写ベルトである定着用環状体15が更に定着装置(転写定着装置)としての機能を持った態様であってもよい。
つまり、図7に示される画像形成装置110では、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を第1中間転写ベルト18に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、第1中間転写ベルト18上に転写された重畳トナー像を第2中間転写ベルトである定着用環状体15に一括転写(二次転写)させる二次転写ロール36及び対向ロール37と、定着用環状体15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Pに一括転写(三次転写)させるとともに、定着用環状体15の外側であって該三次転写の位置とは反対側に配置されている赤外線レーザ光照射装置70から、定着用環状体15を介して赤外線のレーザ光Iを照射することにより重畳トナー像を用紙Pに定着させる三次転写定着部に三次転写ロール38と、を備えた構成であってもよい。
また、図8に示されるように、図5に示した定着装置160を備えた画像形成装置としてもよい。
つまり、図8に示す画像形成装置120は、矢印A方向に回転する電子写真感光体11の周囲に、電子写真感光体11の表面を帯電する帯電器12B、帯電した電子写真感光体11の表面に露光ビームBmを照射して静電潜像を形成するレーザ露光器13、トナーを収容し、電子写真感光体11上の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像器14、転写部10における静電転写に先立ち電子写真感光体11上のトナー像を帯電する転写前帯電器19、電子写真感光体11上に形成されたトナー像を転写部10において記録媒体である記録紙(用紙)Pに転写する転写ユニット26、電子写真感光体11上の残留トナーを除去するクリーニングブレード17a、潤滑材28を電子写真感光体11の表面に供給する繊維状部材29(ロール状)を備えた感光体クリーナ17等が配置されている。そして、記録媒体Pに転写された未定着トナー像を定着する定着装置160を備える。さらには、各装置(各部)の動作を制御する制御部(不図示)を備えた構成であってもよい。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
[実施例1]
<定着用環状体Aの製造>
(基材1の製造)
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料(エボニック社製、3300G)を用い、イオン導電剤KFN115(三菱マテリアル電子化成社製、フッ素系イオン導電剤)1%及び赤外吸収剤(ナガセケムテック社製、ジイモイウム、NIR−IMI)0.5%を添加混合し、380℃で押し出し成形し、φ60、膜厚78μmの基材1を得た。
さらにシリコーン樹脂(信越化学工業製、KE109)を、成形した基材1上にロールコーターで塗布し160℃、2時間乾燥し230μmの膜厚の弾性層1を得た。
次いで、PFAチューブ(デュポン製、30μm)を被覆処理して離型層1を形成し、3層構成の定着用環状体A(膜厚368μm)を得た。
定着用環状体Aについて600nm以上1000nm以下の赤外線の透過スペクトルを測定したところ、後述する半導体レーザが発する赤外線レーザ光の波長(808nm)における透過率が94%であり、定着用環状体Aが赤外線に対して透過性を有することがわかった。
なお、前記赤外線の透過スペクトルは、測定装置として紫外可視分光光度計(日本分光社製、型番:JASCO−V560)を用い、350nmから950nm領域での測定条件において測定した。
また、定着用環状体Aの外周面における表面A硬度を前述の方法で測定したところ、55度であった。
図3に示す定着装置60を備えた図6に示す画像形成装置100において、定着用環状体15として、上記得られた定着用環状体Aを用い、赤外線吸収剤を含むトナーを用いて定着画像(ソリッド画像)の形成を行った(プロセス速度:300mm/sec)。
定着用環状体15の内側には、レンズ部材72と、レンズ部材72を保護する保護部材71としてガラス管(内径:25mm、外径:28mm)を設けた。
保護部材71は、定着用環状体15の内周面に接触し、定着用環状体15の周方向への移動に伴って回転するように支持し、レンズ部材72は、赤外線レーザ光が定着用環状体15と記録媒体Pとの接触部(用紙ニップ方向)全体にわたって照射されるように固定して、記録媒体Pの表面に集光させ使用した。
二次転写ロール36については、アルミニウム製の円柱状芯金の外周面に、ベンガラの粒子及び酸化鉄の粒子を内部に分散させたシリコーゴム(厚みが2mm)の層(弾性層)を形成し、カーボンブラックを分散させた導電性PFAチューブ(厚みが30μm)をシリコーンオイルに含浸させたものを前記弾性層の外周面に被覆し、φ30mmで成形処理することにより得られた、弾性層を有する二次転写ロールを用いた。得られた二次転写ロール36の表面A硬度は65度であった。また接触部80の幅は2mmであり、定着時にかける力は8kgfとした。
赤外線レーザ光照射装置70としては、半導体レーザ(エネオプチック社製、赤外線レーザ光の波長:808nm)を用いた。接触部80における赤外線照射強度は100W/cmであり、未定着トナー像Tへの赤外線照射量は200mJ/cmとした。
レンズ部材72としてはシリンドリカルレンズ(シグマ光機社製、型番:BK7)を用いた。
トナーとしては、赤外線吸収剤としてスクアリリウム系顔料を含むトナーを用いた。
(光沢性の評価)
得られた定着画像について、以下のようにして光沢性の評価を行った。具体的には、グロスメーター(BYK、マイクロトリグロス光沢計(20+60+85゜)、ガードナー社製)を用いて、60°の角度における光沢度を指標とした。評価結果を表1に示す。
(定着率の評価)
定着率の評価は、テープ剥離試験により行った。具体的には、定着画像に粘着テープ(スコットメンディングテープ;3M社製)を軽く貼り、円柱ブロックを円周方向に転がすことにより、250g/cmの線圧にて該テープを画像面に密着させ、しかる後、該テープを引き剥がし、下式で表されるテープ引き剥がし前後の画像の光学濃度比を定着率とした。評価結果を表1に示す。
式:定着率(%)=(テープ剥離後の画像濃度/テープ剥離前の画像濃度)×100
ここで、定着画像の画像濃度は、分光測色計(CM−3700d;ミノルタ社製)を使用して波長域400nmから800nmの反射光を測定し、吸光度が最も大きくなる波長での吸光度値を光学濃度とした。
(トナーオフセットの評価)
トナーオフセットの発生については、記録媒体にトナー像を転写する前の定着用環状体のベタ画像部におけるトナー量(画像部転写前トナー質量)、定着画像形成後の定着用環状体のベタ画像部に残留するトナー量(画像部残留トナー質量)、及び定着画像形成後の定着用環状体の非画像部に残留するトナー量(非画像部残留トナー質量)を、それぞれ粘着テープを用いて採集して測定し、単位面積あたりの各トナー量を測定した。次いで、下式によりトナーオフセット率を算出した。
式:トナーオフセット率(%)=((画像部残留トナー質量−非画像部残留トナー質量)/画像部転写前トナー質量)×100
(定着用環状体残留濃度の評価)
光学反射型濃度計(X−Rite社製、X−ライト504)で、定着画像形成後の定着用環状体のベタ画像部に残留するトナーの画像濃度を測定した。
[実施例2]
ポリエーテルスルホン(PES)材料(BASF社製、E2010)を用い、イオン導電剤ジメチルベンジルアンモニウム塩(和光純薬社)1%及び赤外吸収剤(昭和電工製、IR−T)0.2%を添加混合し、330℃で押し出し成形し、φ60、膜厚65μmの基材2を得た。
実施例1において、基材1に替えて前記基材2を用いたこと以外は、実施例1と同様に3層構成の定着用環状体B(膜厚345μm)を得、評価を実施した。なお、この定着用環状体Bは波長808nmの赤外線レーザ光に対し透過性を有していた。
[実施例3]
難燃性ポリカーボネート(PC)材料(住化スタイロンポリカーボネート社製、KF−1151−5)を用い、イオン導電剤KFN115(三菱マテリアル電子化成社製、フッ素系イオン導電剤)1%及び赤外吸収材(ナガセケムテック社製、ジイモイウム、NIR−IMI)0.5%を添加混合し、260℃で押し出し成形し、φ60、膜厚60μmの基材3を得た。
さらに紫外線硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業製、X34−4184)を、成形した基材3上にロールコーターで塗布しキセノンランプ照射により硬化させ弾性層3を得た。
次いで、表面にナノグラスコート(ナノグラスコートジャパン製、SV9000)を3μmデイッピングにより塗布製膜して離型層3を形成し、3層構成の定着用環状体C(膜厚330μm)を得、評価を実施した。なお、この定着用環状体Cは波長808nmの赤外線レーザ光に対し透過性を有していた。
[比較例1]
実施例1において、基材1に直接PFAチューブ(デュポン製、30μm)を被覆処理して離型層を形成し、弾性層を有さない2層構成の定着用環状体Dを得、評価を実施した。なお、この定着用環状体Cは波長808nmの赤外線レーザ光に対し透過性を有していた。
弾性層を有さない上記定着用環状体Dの場合、均一に近いニップの形成が難かしく、濃度ムラが大きく、不均一性が増した。
[比較例2]
実施例2において、基材2にイオン導電剤を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様に3層構成の定着用環状体Eを得、評価を実施した。なお、この定着用環状体Bは波長808nmの赤外線レーザ光に対し透過性を有していた。
画像形成の初期はトナーオフセット評価及びベルト残留濃度の評価とも良好であったが、画像形成サイクル数が上がり100k枚以降になると、帯電に伴いオフセット性と静電吸着性によるベルト残留濃度が上がる傾向にあった。
Figure 0006606837
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット
10 転写部(一次転写部)
11 感光体(像保持体)
12 帯電器(帯電装置)
13 レーザ露光器(潜像形成装置)
14 現像器(現像装置)
15 定着用環状体
16 一次転写ロール
17 感光体クリーナ
18 第1中間転写ベルト
20 二次転写定着部
21 基材
22 弾性層
23 離型層
30 赤外線透過部材
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力付与ロール
34 クリーニング背面ロール
35 定着用環状体クリーナ
36 二次転写ロール
37 対向ロール
38 三次転写ロール
40 制御部
45 回転部材
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 給紙ロール
52 搬送ロール
53 搬送ガイド
55 搬送ベルト
56 ガイド
60 定着装置(転写定着装置)
70 赤外線レーザ光照射装置
71 保護部材
72 レンズ部材
74 摺動部材
76 潤滑剤供給部材
78 支持部材
80 接触部
90 定着装置(転写定着装置)
92 定着用環状体
100 画像形成装置
110 画像形成装置
120 画像形成装置
160 定着装置
Bm 露光ビーム
F 定着画像
I 赤外線レーザ光
P 用紙(記録媒体)
T 未定着トナー像

Claims (6)

  1. 導電剤を含有する環状の基材、前記基材の外周面上に設けられた弾性層、及び前記弾性層の外周面上に設けられた離型層を備え、600nm以上1000nm以下の少なくとも一部の波長領域の赤外線の透過率が80%以上である定着用環状体と、
    前記定着用環状体の外周面に接触して周方向に回転することにより前記定着用環状体との間に記録媒体を挟んで搬送する回転部材と、
    前記定着用環状体と前記記録媒体とが接触する位置で、前記記録媒体に未定着のトナー像に対して、前記定着用環状体を介して赤外線のレーザ光を照射し、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる赤外線レーザ光照射装置と、を備え、
    前記基材は、樹脂材料を含有し、前記導電剤の含有量は前記樹脂材料100質量部に対し、0.01質量部以上3質量部以下である、定着装置。
  2. 前記定着用環状体が赤外線吸収剤を含有する請求項1に記載の定着装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の定着装置と、
    像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記定着用環状体の外周面に一次転写する一次転写装置と、
    前記定着用環状体と前記記録媒体とが接触する位置で、前記定着用環状体の外周面に一次転写された前記トナー像に対して、前記赤外線レーザ光照射装置からの前記赤外線のレーザ光を前記定着用環状体を介して照射し、前記トナー像を前記記録媒体に二次転写するとともに定着させる二次転写定着装置と、
    を備えた転写定着装置。
  4. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記像保持体上の前記トナー像を記録媒体上に転写する転写装置と、
    請求項1又は請求項2に記載の定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
  5. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    請求項3に記載の転写定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
  6. 導電剤を含有する環状の基材であって、前記基材は、樹脂材料を含有し、前記導電剤の含有量は前記樹脂材料100質量部に対し、0.01質量部以上3質量部以下である基材と、
    前記基材の外周面上に設けられた弾性層と、
    前記弾性層の外周面上に設けられた離型層と、
    を備え、600nm以上1000nm以下の少なくとも一部の波長領域の赤外線の透過率が80%以上である
    る定着用環状体。
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