JP2002091197A - 転写定着部材 - Google Patents

転写定着部材

Info

Publication number
JP2002091197A
JP2002091197A JP2000281992A JP2000281992A JP2002091197A JP 2002091197 A JP2002091197 A JP 2002091197A JP 2000281992 A JP2000281992 A JP 2000281992A JP 2000281992 A JP2000281992 A JP 2000281992A JP 2002091197 A JP2002091197 A JP 2002091197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
organic
transfer
release layer
fixing member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000281992A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuko Shimizu
祐子 清水
Kazuyo Miyata
和代 宮田
Kazuyoshi Osada
和義 長田
Haruki Abe
春樹 阿部
Takuya Shindo
卓也 信藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuka Fuji Xerox Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Suzuka Fuji Xerox Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuka Fuji Xerox Manufacturing Co Ltd filed Critical Suzuka Fuji Xerox Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2000281992A priority Critical patent/JP2002091197A/ja
Publication of JP2002091197A publication Critical patent/JP2002091197A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Combination Of More Than One Step In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、電子写真装置で用いられる
転写定着部材において、該転写定着部材の用途、使用さ
れるトナーの種類、あるいは転写定着部材の基体の材質
等に応じて柔軟性、可撓性等が調節され、かつ耐熱性、
耐久性を有し、トナーの離型性に優れた転写定着部材を
提供することにある。 【解決手段】 転写定着部材の基体に形成されるの離型
層として、有機・無機ハイブリッド離型層を使用し、該
有機・無機ハイブリッド離型層中の有機成分と無機成分
の配合比(モル比)を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、電子写真式の複
写機、プリンタ等において、感光体上に形成されたトナ
ー画像を、紙等の画像支持体に転写するために使用され
る中間転写ベルトや該画像支持体に転写されたトナー画
像を定着するために使用される定着ローラあるいは定着
ベルト、あるいは転写と定着の両方を行なう転写定着ベ
ルトのような転写定着部材に関するものである。
【0002】
【発明の背景】電子写真装置においては、一般的に、帯
電させた感光体の表面に、画像読取装置で得られた画像
に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像を現像器によ
ってトナー画像とした後、該トナー画像を中間転写ベル
トに静電転写(一次転写)し、そして該中間転写ベルト
から紙等の画像支持体に再度転写(二次転写)して最終
的なトナー画像を形成する。上記のようにして最終的な
トナー画像を転写された画像支持体は次いで定着ローラ
または定着ベルト間に挟持加熱され、該トナー画像は該
画像支持体に永久像として定着される。
【0003】
【従来の技術】上記電子写真装置に使用される中間転写
ベルトや転写定着ベルトとしては、静電気除去装置を使
用することなく静電気を容易に除去出来るように導電性
を有し、かつ、正確で鮮明な画像を形成するために、伸
び量が少ない(引張弾性率が高い)ものであることが要
求されている。これらの特性を満たす中間転写ベルトの
材料としては、従来より、ポリイミド樹脂にカーボンブ
ラック、導電性金属酸化物等の導電性フィラーを分散さ
せたものが主に使用されている(特開昭63−3112
63号等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ポ
リイミド樹脂を材料とした中間転写ベルトや転写定着ベ
ルトは、引張弾性率は高いものゝ、トナーの離型性が悪
いという欠点があった。このようにトナーの離型性が悪
い中間転写ベルトや転写定着ベルトを使用すると、所定
の画像支持体への転写後も該ベルト表面にトナーが残存
(オフセット)し、該残存したトナーが次の画像支持体
に転写されてしまうという問題、あるいは該ベルト表面
にトナーが堆積し、いわゆるフィルミングが形成され、
転写不良・画質低下といった問題が発生する。
【0005】従って、本発明の課題は、所定の導電性を
維持しつつ、トナーの離型性を向上させた電子写真装置
用中間転写ベルトあるいは中間転写ドラム、あるいは耐
熱性、耐久性を有し、オフセットやロール表面の損傷が
発生しにくい定着ローラや定着ベルト、更には中間転写
と定着とに兼用される転写定着ベルトを提供することで
ある。
【0006】また離型層は塗布される転写定着部材の用
途(転写、定着等)、転写定着部材に用いられる基体の
種類、あるいはトナーの種類によって、求められる柔軟
性、可撓性等は異なるものであり、例えば、離型層とし
てPFAを使用すると、転写定着部材の用途等に応じて
柔軟性、可撓性を調節することが困難であるという問題
がある。
【0007】従って、本発明の課題は上記課題に加え、
ゾルゲル法を用い、原料配合調整を行うことにより所望
の柔軟性、可撓性等を有した離型層を基体表面上に形成
した転写定着部材を提供することである。
【0008】
【作用】有機成分/無機成分の比(モル比)が0.10
〜0. 30の範囲で調節された有機・無機ハイブリッド
離型層をゾルゲル法によって転写定着部材の基体表面に
形成する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るための手段として、基体表面にゾルゲル法によって有
機・無機ハイブリッド離型層を形成した転写定着部材で
あって、該有機・無機ハイブリッド離型層中の有機成分
/無機成分の比がモル比で0.10〜0. 30である転
写定着部材を提供するものである。
【0010】更に本発明は、該基体がポリイミド樹脂か
らなる転写定着部材を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔A.基体〕本発明の電子写真装置用転写定着部材に使
用される樹脂基体を構成する原料樹脂としては、主とし
て高引張り弾性率を有するポリイミド樹脂(PI)が使
用されるが、その他ポリカーボネート樹脂(PC)、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリアリレート(PAR)等のポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂(PU)、ポリアミド樹脂
(PA)等の熱可塑性樹脂も使用出来、上記原料樹脂は
単独でまたは混合して用いられ、あるいはポリマーアロ
イとして用いられる。転写定着ベルトの場合には、PE
N,PAR,PEN−PARポリマーアロイのような耐
熱性樹脂を材料とすることが望ましい。
【0012】中間転写ベルトあるいは転写定着ベルトの
場合には、上記樹脂基体に導電性を付与するために、通
常、上記原料樹脂に導電性物質が配合される。そのよう
な導電性物質としては、例えば、アセチレンブラック、
ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック等のカーボンブラック;カーボン表面に存在す
る官能基に疎水性のオリゴマー(スチレン、アクリル
酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル等のオリゴマ
ー)をグラフトしたグラフトカーボン;導電性の酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン等の導電性
金属酸化物;導電性の硫酸バリウム、硼酸アルミニウム
等の導電性金属塩;ポリピロール、ポリアニリン、ポリ
アセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポ
リフラン、ポリフェニレンビニレン等の導電性高分子な
どの粉状物が使用される。
【0013】この導電性物質の上記原料樹脂に対する配
合量は、得られる中間転写ベルトあるいは転写定着ベル
トが所望の電気抵抗値を示すような量であればよく、該
導電性物質が有する電気特性によって適宜調整すればよ
い。具体的には、この樹脂基体の表面抵抗値が5〜14
logΩ/□となり、体積抵抗値が5〜13logΩ・
cmとなるように調整するのが好ましい。
【0014】また、上記樹脂基体は、導電性を有する樹
脂そのものによって構成してもよく、そのような導電性
樹脂を使用する場合には、上述したような導電性物質の
配合は不要となる。該導電性樹脂としては、例えば、繰
り返し単位中に酸無水物部分とジアミン部分とを含む芳
香族ポリイミドであって、該ジアミン部分が、ベンゼン
環またはベンゼン環の縮合環相互を共役系または硫黄原
子を介して結合した骨格を有する導電性ポリイミド等が
挙げられる。
【0015】上記樹脂基体は、通常熱可塑性樹脂に添加
され得る第三成分、例えば、ゴム、熱可塑性エラストマ
ー、あるいは滑剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃
剤、防炎剤、酸化防止剤、離型剤等の添加剤等を通常使
用される量で含有してもよい。
【0016】上記樹脂基体の引張弾性率は、200kg/
mm2 以上、特に250kg/mm2 以上であるのが好まし
い。また、該樹脂基体の厚みは、ベルトの場合80〜1
00μm であるのが好ましい。
【0017】〔B.離型層〕本発明の電子写真装置用転
写定着部材における離型層は、ゾルゲル法によって上記
基体上に形成される有機・無機ハイブリッド材料からな
り、耐熱性、耐久性を有し、かつトナーの離型性に優れ
るものである。該ゾルゲル法は、ゾル液を上記基体の表
面に塗布した後、該ゾル液を脱水処理(加熱処理)して
ゲル化、更には離型層とするものである。
【0018】上記離型層を構成する有機・無機ハイブリ
ッド材料は、無機成分としての金属または半金属のアル
コキシドと、有機成分としての有機ケイ素化合物との反
応によって得られるものが好ましい(特開平7−213
995号、特開平10−245490号、特開平10−
95852号等)。
【0019】上記アルコキシドを形成する金属または半
金属の種類としては、アルミニウム、ケイ素、チタン、
バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ゲルマニ
ウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、カドミウ
ム、タンタル等のアルコキシドを形成し得る金属または
半金属が挙げられる。
【0020】また、アルコキシドの種類は特に限定され
ることなく、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポ
キシド、ブトキシド等が挙げられ、更には、アルコキシ
基の一部をβ−ジケトン、β−ケトエステル、アルカノ
ールアミン、アルキルアルカノールアミン等で置換した
アルコキシド誘導体であってもよい。
【0021】上記有機ケイ素化合物としては、例えば、
ジアルキルジアルコキシシラン、末端シラノールポリジ
メチルシロキサン等を使用することが出来る。該ジアル
キルジアルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエ
チルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ
エチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラ
ン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキ
シシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピル
ジブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラ
ン、ジフェニルジブトキシシラン等が挙げられる。上記
末端シラノールポリジメチルシロキサンは、分子量が4
00〜10000であるのものが好ましい。また、上記
フッ素置換有機ケイ素化合物としては、上記有機ケイ素
化合物の水素をフッ素で置換したものを例示することが
出来る。そのような化合物としては、例えば、CF3
2CH2−Si(OC253 等が挙げられる。
【0022】上記各種の離型層を形成するには、まず、
所望の金属または半金属のアルコキシドの加水分解物
と、上記有機ケイ素化合物等の有機成分とを反応させ、
ゾル液を調製する。該有機成分は、加水分解前のアルコ
キシドに対して配合してもよいし、加水分解したアルコ
キシドに対して配合してもよい。
【0023】このとき使用する溶媒としては、アルコキ
シドおよび有機成分を均一に分散、溶解出来る溶媒であ
れば特に限定されることなく、例えば、メタノール、エ
タノール等の各種アルコールの他、アセトン、トルエ
ン、キシレン等が一般的に使用される。なお、上記アル
コキシドの加水分解反応を促進させるために、塩酸、リ
ン酸、酢酸等の触媒を適宜使用してもよい。
【0024】上記有機成分と無機成分との配合比は、有
機成分/無機成分のモル比が0.10〜0.30となる
範囲であるのが好ましい。該モル比が0.10未満で
は、得られる離型層が硬く脆くなって基体の変形に対す
る追従性が悪くなり、得られる離型層が剥離したり、ク
ラックが生じるおそれがあり、該モル比が0.30を超
えると、得られる離型層の表面硬度が著しく低下しタッ
クが発生するおそれがある。
【0025】以上のようにして得られるゾル液は、攪拌
等によってアルコキシドを十分加水分解するとともに、
一部脱水重合を行うことにより、上記基体、特に上記樹
脂基体に対する密着性を向上させることが出来る。な
お、本発明の離型層の微小硬度は0.5〜4.5の範囲
であることが好ましい。
【0026】得られたゾル液を上記基体の表面に塗布す
る方法としては、公知の方法を利用することが出来、例
えば、ディップコート、スプレーコート、ロールコー
ト、フローコート等の方法を利用することが出来る。
【0027】このようにして上記基体の表面に塗布した
ゾル液は、脱水乾燥して最終的に離型層とする。該脱水
乾燥は、自然乾燥によって行ってもよいが、通常は、加
熱処理によって行う。該加熱処理の条件は、60〜45
0℃×20秒〜7時間であるのが好ましい。このコーテ
ィング工程は、1回だけでなく、複数回行ってもよい。
すなわち、該離型層は、1コートからなるものであって
もよいし、複数コートからなるものであってもよい。
【0028】この離型層は、上記ゾルゲル法によって通
常形成されるが、定着ローラにおいて芯金上に直接弾性
体層として形成される場合には厚さは通常0.2〜40
mmとされ、また定着ベルト、中間転写ベルト、あるいは
転写定着ベルトの樹脂基体上に薄膜として形成される場
合には、具体的には、0.05〜100μm であるのが
好ましい。
【0029】以上説明したゾルゲル法によって形成され
る有機・無機ハイブリッド材料からなる離型層は、耐熱
性、耐久性、およびトナーの離型性に優れるものである
ため、この離型層を有する転写定着部材は、トナー残存
あるいは付着に基づく転写不良・画質低下等の問題が解
決され、正確で鮮明な画像を形成することが出来、また
長寿命が獲得出来る。
【0030】また、上記離型層は、中間転写ベルトある
いは転写定着ベルトにあってはゾルゲル法によって均一
にかつ薄膜に形成されるため、上記樹脂基体の電気特性
をほとんど変化させることがなく、したがって、トナー
を効率良く静電吸着することが出来るとともに、静電気
が容易に除去され得る。なお、該離型層を含めた中間転
写ベルト全体が所定の電気抵抗を有するように、該離型
層に導電性物質を配合することも可能である。
【0031】さらに、本発明における離型層は、有機・
無機ハイブリッド材料からなるものであるため、該離型
層は有機成分に基づく可撓性および弾性を有し、上記樹
脂基体への追従性が高く、定着ローラや転写定着ベルト
に適用した場合には優れたニップ性が得られまた定着ベ
ルトや転写定着ベルトに適用した場合には、ベルトとし
ての機能を妨げないという利点を有する。特に、有機成
分として末端シラノールポリジメチルシロキサンを使用
した場合の離型層は、ポリジメチルシロキサンの主骨格
となっているフレキシブルなシロキサン結合のために優
れたゴム弾性を示すとともに、鎖状のシロキサン結合の
絡み合った構造のために柔軟性および機械的強度に優れ
る。
【0032】さらにまた、樹脂基体に有機・無機ハイブ
リッド材料からなる離型層を形成した場合、得られる転
写定着部材の耐摩耗性が向上し、寿命が延びるという付
随的効果も生じる。
【0033】中間転写ベルトあるいは転写定着ベルトの
場合、最終的に得られる表面抵抗値は、5〜14log
Ω/□であるのが好ましく、体積抵抗値は、5〜13l
ogΩ・cmであるのが好ましい。中間転写ベルトある
いは転写定着ベルトの表面抵抗値が5logΩ/□未満
であるか、体積抵抗率が5logΩ・cm未満である
と、該中間転写ベルトあるいは転写定着ベルトを帯電さ
せるために付与される電荷が該ベルトの導電性によって
脱落し易くなるため、該ベルトにトナー画像が保持され
にくゝなってブラーが生じ、画像支持体に転写される画
像がノイズの大きいものとなる。一方、該ベルトの表面
抵抗値が14logΩ/□を超えるか、体積抵抗率が1
3logΩ・cmを超えると、静電転写時における転写
電界によって該ベルト表面が帯電するため、除電機構が
必要となる。
【0034】〔C.密着性の向上〕基体が樹脂基体であ
る場合、上記樹脂基体と離型ト層との密着性を向上させ
るために、該樹脂基体の表面に、あらかじめ紫外線照射
処理を施しておいてもよい。このように該樹脂基体の表
面に紫外線を照射すると、該樹脂基体の樹脂中の親油基
が親水基に変化し、上記ゾル液中に存在するOH基と結
合し得るため、該樹脂基体と離型層との密着性が向上す
る。この紫外線照射処理は、185nmおよび254n
mの波長で5秒間〜10分間行うのが好ましい。また上
記樹脂基体と離型層との密着性を向上させるために、N
aOH化学エッチングを該樹脂基体の表面に施してもよ
い。
【0035】また、樹脂基体と離型層との密着性を向上
させるために、両者の間にゾルゲル法によって形成した
無機酸化物からなる接着層を介在させてもよい。該無機
酸化物の種類としては、アルミニウム、ケイ素、チタ
ン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ゲル
マニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、カド
ミウム、タンタル等のアルコキシドを形成し得る金属ま
たは半金属の酸化物が挙げられ、上記無機酸化物からな
る接着層は上述したゾルゲル法によって樹脂基体上に通
常薄膜として形成することが出来る。
【0036】このようにゾルゲル法によって樹脂基体上
に形成された該接着層は、上記樹脂基体の電気特性をほ
とんど変化させることがない。この接着層の厚みは、
0.05〜5.0μm であるのが好ましい。なお、該接
着層についても、該接着層を含めた中間転写ベルトある
いは転写定着ベルト全体が所定の電気抵抗を有するよう
に、該接着層に導電性物質を配合することも可能であ
る。
【0037】以下、実施例より本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。 〔実施例1〕無機成分としてテトライソプロポキシチタ
ンを使用し、有機成分として末端シラノールポリジメチ
ルシロキサン(重量平均分子量6000)を使用した。
エタノールを溶媒とし末端シラノールポリジメチルシロ
キサン:テトライソプロポキシチタン:アセト酢酸エチ
ル:水を0. 233:1:2:2の配合比(モル比)に
て混合して0. 5時間充分攪拌することによって、該テ
トライソプロポキシチタンの十分な加水分解と、一部該
末端ポリジメチルシロキサンとの縮合重合を行ない、有
機・無機ハイブリッドゾル液を調製した。上記有機・無
機ハイブリッドゾル液が塗布される基体は、導電材が混
合されたポリイミド樹脂からなる転写定着ベルト基材で
あり、該基体の表面の汚れを十分落し、紫外線照射を行
った後、フローコートマシーンにセットし、該基体上に
上記有機・無機ハイブリッドゾル液を塗布した。その後
空気雰囲気下、200℃で0. 5時間、350℃で0.
1時間加熱処理して、該基体表面上に有機・無機ハイブ
リッド離型層を形成した。
【0038】実施例1により得られた有機・無機ハイブ
リッド離型層の膜厚は20. 0μm、表面粗さRa=
0.04μm、鉛筆硬度はHB、水との接触角は10
7.6°、静摩擦係数は0.34、動摩擦係数は0.1
9、微小硬度は1.103、光沢度は95であった。ま
た該離型層のオフセット評価として、定着評価ベンチを
定着温度140℃の条件で行った。その結果、オフセッ
ト不良は見られなかった。
【0039】〔実施例2〕無機成分としてテトライソプ
ロポキシチタンを使用し、有機成分として末端シラノー
ルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量6000)
を使用した。エタノールを溶媒とし末端シラノールポリ
ジメチルシロキサン:テトライソプロポキシチタン:ア
セト酢酸エチル:水を0. 200:1:2:2の配合比
(モル比)にて混合して0. 5時間充分攪拌することに
よって、該テトライソプロポキシチタンの十分な加水分
解と、一部該末端ポリジメチルシロキサンとの縮合重合
を行ない、有機・無機ハイブリッドゾル液を調製した。
上記有機・無機ハイブリッドゾル液が塗布される基体
は、導電材が混合されたポリイミド樹脂からなる転写定
着ベルト基材であり、該基体の表面の汚れを十分落し、
紫外線照射を行った後、フローコートマシーンにセット
し、該基体上に上記有機・無機ハイブリッドゾル液を塗
布した。その後空気雰囲気下、200℃で0. 5時間、
350℃で0. 1時間加熱処理して、該基体表面上に有
機・無機ハイブリッド離型層を形成した。
【0040】実施例2により得られた有機・無機ハイブ
リッド離型層の膜厚は20. 0μm、表面粗さRa=
0.04μm、鉛筆硬度はB、水との接触角は106.
9°、静摩擦係数は0.33、動摩擦係数は0.20、
微小硬度は1.200、光沢度は95であった。また該
離型層のオフセット評価として、定着評価ベンチを定着
温度140℃の条件で行った。その結果、オフセット不
良は見られなかった。
【0041】〔実施例3〕無機成分としてテトライソプ
ロポキシチタンを使用し、有機成分として末端シラノー
ルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量6000)
を使用した。エタノールを溶媒とし末端シラノールポリ
ジメチルシロキサン:テトライソプロポキシチタン:ア
セト酢酸エチル:水を0. 175:1:2:2の配合比
(モル比)にて混合して0. 5時間充分攪拌することに
よって、該テトライソプロポキシチタンの十分な加水分
解と、一部該末端ポリジメチルシロキサンとの縮合重合
を行ない、有機・無機ハイブリッドゾル液を調製した。
上記有機・無機ハイブリッドゾル液が塗布される基体
は、導電材が混合されたポリイミド樹脂からなる転写定
着ベルト基体であり、該基体の表面の汚れを十分落し、
紫外線照射を行った後、フローコートマシーンにセット
し、該基体上に上記有機・無機ハイブリッドゾル液を塗
布した。その後空気雰囲気下、200℃で0. 5時間、
350℃で0. 1時間加熱処理して、該基体表面上に有
機・無機ハイブリッド離型層を形成した。
【0042】実施例3により得られた有機・無機ハイブ
リッド離型層の膜厚は20. 0μm、表面粗さRa=
0.04μm、鉛筆硬度は2B、水との接触角は10
6.1°、静止摩擦係数は0.40、動摩擦係数は0.
20、微小硬度は1.350、光沢度は95であった。
また該離型層のオフセット評価として、定着評価ベンチ
を定着温度140℃の条件で行った。その結果、オフセ
ット不良は見られなかった。
【0043】〔比較例1〕無機成分としてテトライソプ
ロポキシチタンを使用し、有機成分として末端シラノー
ルポリジメチルシロキサン(重量平均分子量6000)
を使用した。エタノールを溶媒とし末端シラノールポリ
ジメチルシロキサン:テトライソプロポキシチタン:ア
セト酢酸エチル:水を0. 310:1:2:2の配合比
(モル比)にて混合して0. 5時間充分攪拌することに
よって、該テトライソプロポキシチタンの十分な加水分
解と、一部該末端ポリジメチルシロキサンとの縮合重合
を行ない、有機・無機ハイブリッドゾル液を調製した。
上記有機・無機ハイブリッドゾル液が塗布される基体
は、導電材が混合されたポリイミド樹脂からなる転写定
着ベルト基体であり、該基体の表面の汚れを十分落し、
紫外線照射を行った後、フローコートマシーンにセット
し、該基体上に上記有機・無機ハイブリッドゾル液を塗
布した。その後空気雰囲気下、200℃で0. 5時間、
350℃で0. 1時間加熱処理して、該基体表面上に有
機・無機ハイブリッド離型層を形成した。
【0044】比較例1により得られた有機・無機ハイブ
リッド離型層の膜厚は20. 0μm、表面粗さRa=
0.04μm、鉛筆硬度はB、水との接触角は106.
0°、静摩擦係数は0.63、動摩擦係数は0.23、
微小硬度は0.227、光沢度は95であった。また該
離型層のオフセット評価として、定着評価ベンチを定着
温度140℃の条件で行った。その結果、オフセット不
良が見られた。
【0045】
【発明の効果】本発明の転写定着部材は、ゾルゲル法に
よって形成した有機・無機ハイブリッド離型層を有する
良好な耐熱性、耐久性を有しかつトナーの離型性に優
れ、更にオフセット等の画質不良や定着部材表面の損傷
の発生も確実に防止することが出来、かつ該有機・無機
ハイブリッド離型層の有機成分/無機成分のモル比を
0.10〜0.30の範囲で調節することによって転写
定着部材の用途、使用されるトナーの種類等に応じて、
離型層の柔軟性、可撓性等を容易に精度良く調節でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 和義 三重県鈴鹿市伊船町1900番地 鈴鹿富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 阿部 春樹 三重県鈴鹿市伊船町1900番地 鈴鹿富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 信藤 卓也 三重県鈴鹿市伊船町1900番地 鈴鹿富士ゼ ロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H032 AA14 BA09 BA23 BA30 2H033 AA09 AA23 BA11 BA12 BB02 BB29 BE09 2H078 AA08 AA13 CC06 DD51 DD56 DD57 4F006 AA39 AB39 AB68 BA11 CA03 DA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体表面にゾルゲル法によって有機・無機
    ハイブリッド離型層を形成した転写定着部材であって、
    該有機・無機ハイブリッド離型層中の有機成分/無機成
    分の比がモル比で0.10〜0. 30であることを特徴
    とする転写定着部材
  2. 【請求項2】該基体はポリイミド樹脂からなる請求項1
    に記載の転写定着部材
JP2000281992A 2000-09-18 2000-09-18 転写定着部材 Withdrawn JP2002091197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000281992A JP2002091197A (ja) 2000-09-18 2000-09-18 転写定着部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000281992A JP2002091197A (ja) 2000-09-18 2000-09-18 転写定着部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002091197A true JP2002091197A (ja) 2002-03-27

Family

ID=18766571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000281992A Withdrawn JP2002091197A (ja) 2000-09-18 2000-09-18 転写定着部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002091197A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008122446A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2016167022A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 富士ゼロックス株式会社 定着装置、画像形成装置、及び定着用環状体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008122446A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2016167022A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 富士ゼロックス株式会社 定着装置、画像形成装置、及び定着用環状体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0903645B1 (en) Fuser member with polymer and zinc compound layer
US8288004B2 (en) Fuser member coating having self-releasing fluoropolymer-fluorocarbon layer
US6035172A (en) Developing roller
US8231972B2 (en) Fuser member coating having self-releasing fluorocarbon matrix outer layer
JPH0862999A (ja) 中間転写体およびこれを用いた画像形成方法
US9442431B2 (en) Intermediate transfer member, imaging apparatus, and method
WO2015093000A1 (ja) 電子写真用部材、定着装置及び、電子写真画像形成装置
JP5213387B2 (ja) 電子写真部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JPWO2002023280A1 (ja) 電子写真装置用転写定着部材
JP2008058622A (ja) 導電性ローラ及び画像形成装置
US20120244346A1 (en) Fusing composition comprising cross-linking fluorocarbons
JP2017040871A (ja) 画像形成装置用積層ベルト及び画像形成装置
JP5279218B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2002091197A (ja) 転写定着部材
JP4490013B2 (ja) 基材の表面処理方法および転写定着部材
JP2001222176A (ja) 電子写真装置用転写定着部材
JP2002006667A (ja) 電子写真装置用転写定着部材および転写定着システム
JP2003241537A (ja) 電子写真装置用転写定着部材
JP2000007919A (ja) 触媒含有プライマー組成物及び発泡性シリコーンゴムロール
JP2004025873A (ja) オフセット印刷装置
JP5279366B2 (ja) 現像ロールおよびその製法
JP5279365B2 (ja) 現像ロールおよびその製法
JP2007225692A (ja) 帯電装置
JP2001215821A (ja) 定着ベルト及びその製造方法
JP2004252074A (ja) 電子写真用部材

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071204