JP6604780B2 - 次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法 - Google Patents
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下水道等の水の消毒及び綿、パルプ等の繊維の漂白、そして酸化作用から排水中のBODやCOD成分、メッキ浴廃液中のシアンの分解等に幅広く使用されている有用な化合物である。又、保存安定性が高く、有効期間が長い事から世界的に使用されている国際商品でもある。
[1]
石灰と苛性ソーダと100重量ppm以上の臭素ガスを含有する塩素ガスを反応させて分離母液1と次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を含むろ過ケークを取得し、当該分離母液1を当該反応に繰り返し利用する工程1と前記ろ過ケークに洗浄液を加えてさらに分離操作を行って洗浄排液と次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を含む洗浄ケークを取得する工程2を含む次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法であって、工程1で得られる分離母液1の一部を系外にパージする事、工程2に用いる洗浄液が水又は本製造方法で生成する結晶を溶解した水溶液である事、及び工程2で得られる洗浄排液を工程1の反応に再利用する事を特徴とする、次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法。
[2]
上記[1]において、系外にパージする分離母液1の量(パージする前に分離母液に1に石灰を添加して混合物を得る場合は、当該混合物から分離されて系外へパージされる分離母液2の量を表す)が工程1で製造される次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶量の1倍重量以上である事が好ましい。
[3]
上記[1]又は[2]の工程1において、苛性ソーダと100重量ppm以上の臭素ガスを含有する塩素ガスの反応により生成する塩化ナトリウム結晶を、ろ過ケークとは別に分離する操作を含む事が好ましい。
[4]
上記[1]から[3]のいずれか一項において、本製造方法で生成する結晶の水溶液が、工程2で得られる洗浄ケークの一部を水に溶解して調製した次亜塩素酸カルシウム水溶液である事が好ましい。
[5]
上記[1]から[3]のいずれか一項において、本製造方法で生成する結晶の水溶液が、工程1においてろ過ケークの分離とは別に分離される塩化ナトリウムを溶解した水溶液である事が好ましい。
[6]
上記[1]から[5]のいずれかの項において、洗浄液の使用量が、工程1で得られる次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶量の0.1〜1倍重量である事が好ましい。
[7]
上記[1]から[6]のいずれかの項において、洗浄液による次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶のろ過ケークの洗浄効率を60%以上にする事が好ましい。
[8]
上記[1]から[7]のいずれかの項において、工程1の次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶の固液分離と工程2の洗浄ケークを得る分離を一つの遠心分離機を用いて連続式で行う事が好ましい。
[9]
上記[1]から[8]のいずれかの項において、工程1で得られる分離母液1及び/又は工程2で得られる洗浄排液に石灰を加えて2塩基性次亜塩素酸カルシウム結晶を析出させて該結晶と分離母液2に分離し、次いで該分離母液2の一部を系外にパージし、該結晶を石灰として利用する事が好ましい。
[10]
上記[1]から[9]のいずれかの項において、工程1にa、b、c各軸の比が0.5 ≦ b/a ≦ 2.0、かつc/a ≧ 1.5の関係にあり、かつc軸が5ミクロン以上である柱状次亜塩素酸カルシウム2水化物の種晶を添加する事が好ましい。
[11]
上記[1]から[10]のいずれかの項において、得られる次亜塩素酸カルシウム組成物中の臭素酸含量が60重量ppm以下である事が好ましい。
[12]
[1]から[12]のいずれかの項に記載の製造方法を用いて製造される次亜塩素酸カルシウム組成物。
2 パージ液分離工程
3 混合工程
4 次亜塩素酸ナトリウム製造工程
5 食塩分離工程
6 次亜塩素酸カルシウム製造工程
7 ろ過工程
8 洗浄工程
9 乾燥工程
11 石灰
12 分離母液1
13 分離母液2
14 パージ液
15 パージ液を除いた分離母液2
16 苛性ソーダ
17 塩素ガス
18 次亜塩素酸ナトリウムスラリー
19 食塩ケーク
20 次亜塩素酸ナトリウム溶液
21 二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリー
22 洗浄排液
23 混合スラリー
24 種晶スラリー
25 塩素ガス
26 次亜塩素酸カルシウム2水化物スラリー
27 ろ過ケーク
28 洗浄液
29 洗浄ケーク
30 蒸発水
31 次亜塩素酸カルシウム組成物
32 石灰
本実施例では、臭素ガス濃度は160ppmの塩素ガスを用い、図1に示した一連の操作を繰り返し行った。 図1及び本実施例における<次亜塩素酸ナトリウム製造工程>から<ろ過工程>までが本発明の工程1を表し、<次亜塩素酸カルシウム洗浄工程>及び<乾燥工程>が本発明の工程2を表す。
クエン酸 2.6部、97%水酸化カルシウム 115部、48%苛性ソーダ液 238部、そして純水 445部を撹拌機を備えた反応器に仕込み、撹拌下、20℃に維持しながら塩素ガス 200部を2時間かけて導入した。そして、20℃で撹拌を一夜継続し、結晶幅のa軸、b軸が5〜15μm、結晶長さのc軸が20〜100μm、c/aが約6の柱状次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を得た。該柱状結晶の濃度は7.5%で、この種晶スラリー 25部を得た。
48%苛性ソーダ液と純水で45%苛性ソーダ液を調製し 103部を、撹拌機を備えた槽に導入し、反応熱を除去しながら、20〜25℃で塩素ガス 40部を反応させた。50〜300μmのサイコロ状のNaCl結晶を含んだ次亜塩素酸ナトリウム水溶液のスラリーを得た。そして、該スラリーを遠心分離機で処置し、NaCl:95%の食塩ケークとNaClO:34%の分離ろ液 112部を得た。
前記次亜塩素酸ナトリウム製造工程で得られた分離ろ液の全量と50%水酸化カルシウムペースト 78部、Ca(ClO)2:10%、NaCl:20%の分離母液1 131部、およびCa(ClO)2:12%、NaCl:6%の洗浄排液 36部を均一に混合して混合アルカリスラリーを調製した。そして、内部に撹拌機と冷却コイルを備えたタンク式の塩素化反応槽に前記混合アルカリスラリー、前記種晶スラリー、および塩素ガス を、それぞれ別々に1時間当たり 357部、22部、37部を均一流速で連続してフィードし、反応させた。反応温度は25〜30℃に維持し、反応の制御は酸化還元電位を用いた。ここでの種晶の成長倍率は約50倍でその成長は良く、反応槽から30〜300μmの厚みのある四方両錐台状の粗大な次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を含む次亜塩素酸カルシウムスラリーを1時間当たり 415部得た。平均滞在時間は約5時間であった。
次に、前記次亜塩素酸カルシウムスラリー 415部を遠心分離機に掛け、1,000〜1,500Gで固液分離を行なった。そして、Ca(ClO)2:10.0%、NaCl:19.9%の分離母液1 321部とろ過ケーク が得られた。該分離母液1の190部はパージし、残りは混合工程に送った。
前記ろ過工程で得られた分離機内のろ過ケークに対して純水 28部を用い中速回転で均一に振り掛けて洗浄し、高速回転で脱液した。そして、Ca(ClO)2:12.6%の洗浄排液 36部を得、全量を混合工程に送った。そして、分離機内の洗浄ケークを取り出した。その量は、 86部で、組成は、Ca(ClO)2:65.7%、NaCl:4.2%であった。
次に、前記洗浄ケークに対して0.9%の消石灰を添加混合し、乾燥して、Ca(ClO)2:75.0%、Ca(OH)2:4.0%、H2O:14%、そして臭素酸含量が10ppmの高品位次亜塩素酸カルシウム組成物を得た。
ろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物 75部(純結晶換算量)に対するパージする分離母液1の量は2.5倍重量であった。そして、ろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物 75部(純結晶換算量)に対する洗浄液量は0.4倍重量であった。臭素酸の洗浄効率は約60%であった。
本実施例では、実施例1と同様に臭素ガス濃度 160ppmの塩素ガスを用いた。そして、図1で示す操作に母液回収工程を付加した図2に示す一連の操作を繰り返し行った。なお、図2に示した種晶スラリーの添加は行わなかった。
分離母液1 716部と50%水酸化カルシウムペースト 89部を攪拌機を備えた槽で30分間混合した。得られた混合スラリーを分離し、Ca(ClO)2:4.0%,NaCl:19.9%の分離母液2 247部と六角板状の二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリー 558部を得た。分離母液2 247部のうち145部をパージした。
前記分離母液2 102部、48%苛性ソーダ液 95部を、撹拌機を備えた槽に導入し、反応熱を除去しながら、20℃で塩素ガス 39部を反応させた。100〜300μmのサイコロ状のNaCl結晶を含んだ次亜塩素酸ナトリウム水溶液のスラリーを得た。そして、該スラリーを遠心分離機で処置し、NaCl:96%の食塩ケークとNaClO:21%の分離ろ液 203部を得た。
次に、前記次亜塩素酸ナトリウム製造工程で得られた分離ろ液の全量と前記母液回収・パージ液分離工程で得られた二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリーの全量、およびCa(ClO)2:11%、NaCl:12%の洗浄排液 97部を混合し、タンク式の撹拌槽で反応温度が25〜30℃になる様に冷却コイルで除熱しながら塩素ガスを43部導入した。そして、50〜120μmのやや積層した四角板状の次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶と少量のNaCl結晶を含むCa(ClO)2:17%のスラリー 900部を得た。組成分析からこのスラリー中の次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶濃度は10.4%であった。次いで、得られたスラリーの全量をバスケットタイプの遠心分離機でろ過して、ろ過ケークとCa(ClO)2:10.0%、NaCl:20.0%の分離母液1 716部を得た。該分離母液1は全量を母液回収工程に送った。
前記ろ過工程で得られた遠心分離機内のろ過ケークに、別途調製した10%次亜塩素酸カルシウム水溶液 79部を、中速回転で均一に振り掛けて洗浄し、高速回転で脱液した。そして、Ca(ClO)2:11.6%の洗浄排液 96部と洗浄ケーク 166部を得た。得られた洗浄排液の全量を混合工程に送った。そして、分離機内の洗浄ケークを取り出した。その組成は、Ca(ClO)2:47.9%であった。
洗浄工程で得られた洗浄ケークを熱風循環式の乾燥機で乾燥した。乾燥により、平均組成がCa(ClO)2:73%,NaCl:10%,Ca(OH)2:2%,H2O:13%、臭素酸含量が40ppmの高品位次亜塩素酸カルシウム組成物を得た。
ろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物 94部(純結晶換算量)に対するパージする分離母液2の量は1.5倍重量であった。また、パージする分離母液2の塩化ナトリウム量から分離母液1の量に換算すると144部となり、ろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物 94部(純結晶換算量)に対する分離母液1量も1.5倍重量になる。そして、ろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物 94部(純結晶換算量)に対する洗浄液量は0.8倍重量であった。臭素酸の洗浄効率は約60%であった。
10%次亜塩素酸カルシウム水溶液を洗浄液として用いることなく(すなわち洗浄工程を行わなかった)、その他は実施例1と同様に操作して次亜塩素酸カルシウム組成物を製造した。パージする分離母液2は、ろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物の0.6倍重量であった。また、実施例1
と同様にしてパージする分離母液2を分離母液1に換算して求めた値も0.6倍重量になる。得られた次亜塩素酸カルシウム組成物のCa(ClO)2は67%、NaClは25%であり、臭素酸含量が120ppmであった。
基本的に、実施例2の方法において、次亜塩素酸カルシウム2水化物の柱状結晶よりなる種晶スラリーを次亜塩素酸カルシウム製造工程に用いて粗大次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を晶析させ、次亜塩素酸カルシウム組成物を製造した。
分離母液1 450部と50%水酸化カルシウムペースト 56部を攪拌機を備えた槽で30分間混合した。得られた混合スラリーを分離し、Ca(ClO)2:4.0%,NaCl:20%の分離母液2 290部と六角板状の二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリー 215部を得た。分離母液2 290部のうち188部をパージした。
次に、分離母液2 102部、48%苛性ソーダ液 95部を撹拌機を備えた槽に導入し、20℃で塩素ガス 39部を反応させた。100〜300μmのサイコロ状のNaCl結晶を含んだ次亜塩素酸ナトリウム水溶液のスラリーを得た。そして、該スラリーを遠心分離機で処置し、NaCl:96%の食塩ケークとNaClO:21%の分離ろ液 203部を得た。
次に、前記次亜塩素酸ナトリウム製造工程で得られた分離ろ液の全量と前記母液回収・パージ液分離工程で得られた二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリーの全量、50%水酸化カルシウムペースト 33部、およびCa(ClO)2:12%、NaCl:6%の洗浄排液 58部を混合して混合アルカリスラリーを調製した。そして、内部に撹拌機と冷却コイルを備えたタンク式の塩素化反応槽に前記混合アルカリスラリー、前記種晶スラリー 、および塩素ガス を、それぞれ別々に1時間当たり510部、25部、43部を均一流速で連続してフィードし、反応させた。反応温度は25〜30℃に維持し、反応の制御は酸化還元電位を用いた。ここでの種晶の成長倍率は約50倍でその成長は良く、反応槽から30〜300μmの厚みのある四方両錐台状の粗大な次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を含む次亜塩素酸カルシウムスラリーを1時間当たり 578部得た。平均滞在時間は約5時間であった。
次に、該次亜塩素酸カルシウムスラリー 578部を遠心分離機に掛け、1,000〜1,500Gで固液分離を行なった。そして、Ca(ClO)2:10.0%、NaCl:20.0%の分離母液1 450部とろ過ケーク が得られた。該分離母液1は全量を母液回収工程に送った。
前記ろ過工程で得られた分離機内のろ過ケークに対して純水 45部を用いる以外は実施例1と同様に操作した。そして、Ca(ClO)2:65.3%、NaCl:5.3%の洗浄ケーク 114部とCa(ClO)2:12.4%、NaCl:6.0%の洗浄排液 57部を得た。洗浄排液は全量を混合工程に送った。
次に、該洗浄ケークに対して1%の消石灰を添加混合し、乾燥して、Ca(ClO)2:73.2%、Ca(OH)2:3%、H2O:16%、そして臭素酸含量が11ppmの高品位次亜塩素酸カルシウム組成物を得た。
実施例1と同様にろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶量に対するそれぞれの液の比率を求めると、パージする分離母液2は、1.9倍重量であり、その分離母液1換算の値も1.9倍重量、そして、洗浄液量は0.44倍重量であった。臭素酸濃度から求めた洗浄効率は約60%であった。
洗浄工程において純水の代りに次亜塩素酸ナトリウム製造工程で生成する食塩ケークを用いて調製した10%塩化ナトリウム水溶液を用いた以外は実施例32と同様に操作して、次亜塩素酸カルシウム組成物を製造した。
分離母液1 450部と50%水酸化カルシウムペースト 56部を攪拌機を備えた槽で30分間混合した。得られた混合スラリーを分離し、Ca(ClO)2:4.0%,NaCl:19.9%の分離母液2 324部と六角板状の二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリー 182部を得た。分離母液2 324部のうち222部をパージした。
次に、分離母液2 102部、48%苛性ソーダ液 95部を撹拌機を備えた槽に導入し、20℃で塩素ガス 39部を反応させた。100〜300μmのサイコロ状のNaCl結晶を含んだ次亜塩素酸ナトリウム水溶液のスラリーを得た。そして、該スラリーを遠心分離機で処置し、NaCl:96%の食塩ケークとNaClO:21%の分離ろ液 203部を得た。
次に、前記次亜塩素酸ナトリウム製造工程で得られた分離ろ液の全量と前記母液回収・パージ液分離工程で得られた二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリーの全量、50%水酸化カルシウムペースト 33部、およびCa(ClO)2:7.5%、NaCl:13.9%の洗浄排液 92部を混合して混合アルカリスラリーを調製した。そして、内部に撹拌機と冷却コイルを備えたタンク式の塩素化反応槽に前記混合アルカリスラリー、実施例1で調整したものと同じ種晶スラリー、および塩素ガス を、それぞれ別々に1時間当たり 510部、25部、および43部を均一流速で連続してフィードし、反応した。反応温度は25〜30℃に維持し、反応の制御は酸化還元電位を用いた。ここでの種晶の成長倍率は約50倍でその成長は良く、反応槽から30〜300μmの厚みのある四方両錐台状の粗大な次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を含む次亜塩素酸カルシウムスラリーを1時間当たり 578部得た。平均滞在時間は約5時間であった。
次に、該次亜塩素酸カルシウムスラリー 578部を遠心分離機に掛け、1,000〜1,500Gで固液分離を行なった。そして、Ca(ClO)2:10.0%、NaCl:20.0%の分離母液1 450部とろ過ケークが得られた。該分離母液1は全量を母液回収工程に送った。
前記ろ過工程で得られた分離機内のろ過ケークに対して前記の食塩ケークを用いて調製した10%食塩水 78部を用いた以外は、実施例1と同様に操作した。そして、Ca(ClO)2:64.6%、NaCl:6.2%の洗浄ケーク 114部とCa(ClO)2:7.5%の洗浄排液 92部を得た。洗浄排液は全量を混合工程に送った。
次に、該洗浄ケークに対して1%の消石灰を添加混合し、乾燥して、Ca(ClO)2:73.0%、Ca(OH)2:3.0%、H2O:15.0%、そして臭素酸含量が9ppmの高品位次亜塩素酸カルシウム組成物を得た。
実施例1と同様にろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶量に対するそれぞれの液の比率を求めると、パージする分離母液2は、2.3倍重量であり、その分離母液1換算の値は2.2倍重量、そして、洗浄液量は0.8倍重量であった。臭素酸濃度から求めた洗浄効率は約70%であった。
洗浄工程において純水の代りに洗浄ケークから調製した10%次亜塩素酸カルシウム水溶液を用いる事以外は実施例3と同様に操作して、次亜塩素酸カルシウム組成物を製造した。
分離母液1 450部と50%水酸化カルシウムペースト 56部を攪拌機を備えた槽で30分間混合した。得られた混合スラリーを分離し、Ca(ClO)2:4.0%,NaCl:20.0%の分離母液2 289部と六角板状の二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリー 217部を得た。分離母液2 289部のうち187部をパージした。
次に、分離母液2 102部、48%苛性ソーダ液 95部を撹拌機を備えた槽に導入し、20℃で塩素ガス 39部を反応させた。100〜300μmのサイコロ状のNaCl結晶を含んだ次亜塩素酸ナトリウム水溶液のスラリーを得た。そして、該スラリーを遠心分離機で処置し、NaCl:96%の食塩ケークとNaClO:21%の分離ろ液 203部を得た。
次に、前記次亜塩素酸ナトリウム製造工程で得られた分離ろ液の全量と前記母液回収・パージ液分離工程で得られた二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリーの全量、50%水酸化カルシウムペースト 33部、およびCa(ClO)2:15.5%、NaCl:6.9%の洗浄排液 61部を混合して混合アルカリスラリーを調製した。そして、内部に撹拌機と冷却コイルを備えたタンク式の塩素化反応槽に前記混合アルカリスラリー、実施例1で調整したものと同じ種晶スラリー、および塩素ガスを、それぞれ別々に1時間当たり、514部、25部、および43部を均一流速で連続してフィードし、反応させた。反応温度は25〜30℃に維持し、反応の制御は酸化還元電位を用いた。ここでの種晶の成長倍率は約50倍でその成長は良く、反応槽から30〜300μmの厚みのある四方両錐台状の粗大な次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を含む次亜塩素酸カルシウムスラリーを1時間当たり 581部を得た。平均滞在時間は約5時間であった。
次に、該次亜塩素酸カルシウムスラリー581部を遠心分離機に掛け、1,000〜1,500Gで固液分離を行なった。そして、Ca(ClO)2:10.0%、NaCl:20.0%の分離母液1 450部とろ過ケークが得られた。該分離母液1は全量を母液回収工程に送った。
<次亜塩素酸カルシウム洗浄工程>
前記ろ過工程で得られた分離機内のろ過ケークに対して洗浄工程で得られた洗浄ケークを用いて調製した10%次亜塩素酸カルシウム水溶液 50部を用いる以外は実施例1と同様に操作した。そして、Ca(ClO)2:66.3%、NaCl:4.5%の洗浄ケーク 121部とCa(ClO)2:15.5%、NaCl:6.9%の洗浄排液を得た。洗浄排液は全量、混合工程に送った。
次に、該洗浄ケークに対して1%の消石灰を添加混合し、乾燥して、Ca(ClO)2:73.5%、 Ca(OH)2:2%、H2O:17%、そして臭素酸含量が12ppmの高品位次亜塩素酸カルシウム組成物 107部を得た。
実施例1と同様にろ過ケーク中の次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶量に対するそれぞれの液の比率を求めると、パージする分離母液2は、1.8倍重量でありその分離母液1換算の値は1.8倍重量、そして、洗浄液量は0.5倍重量であった。臭素酸濃度から求めた洗浄効率は約60%であった。
Claims (6)
- 石灰と苛性ソーダと100重量ppm以上の臭素ガスを含有する塩素ガスを反応させて分離母液1と次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を含むろ過ケークを取得し、当該分離母液1を当該反応に繰り返し利用する工程1と前記ろ過ケークに洗浄液を加えてさらに分離操作を行って洗浄排液と次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶を含む洗浄ケークを取得する工程2を含む次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法であって、
前記の石灰が、前記の分離母液1と水酸化カルシウムの反応により得られる二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリーから分離母液2を取り除いた二塩基性次亜塩素酸カルシウムスラリーであることを特徴とし、
当該分離母液2の一部を系外にパージすることによって、工程1で得られる分離母液1の一部を系外にパージする事を特徴とし、
工程1における石灰と苛性ソーダと100重量ppm以上の臭素ガスを含有する塩素ガスの反応が、2段階の反応であって、第一段階として、前記の分離母液2のうち系外にパージされなかった分離母液2に苛性ソーダと100重量ppm以上の臭素ガスを含有する塩素ガスを反応させて食塩の結晶を含む次亜塩素酸ナトリウムスラリーを得、次いで分離操作を行って食塩ケークと次亜塩素酸ナトリウム溶液に分離して次亜塩素酸ナトリウム溶液を得、第二段階として、前記の石灰と当該次亜塩素酸ナトリウム溶液を反応させる事を特徴とするものであり、
工程2に用いる洗浄液が、工程2で得られる洗浄ケークの一部を水に溶解して調製した次亜塩素酸カルシウム水溶液である事を特徴とし、
更に工程2で得られる洗浄排液を工程1の反応に再利用する事を特徴とする、
臭素酸含量が60重量ppm以下である事を特徴とする次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法。 - 請求項1において、系外にパージする分離母液2の量が工程1で製造される次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶量の1倍重量以上である事を特徴とする次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法。
- 請求項1において、洗浄液の使用量が、工程1で得られる次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶量の0.1〜1倍重量である事を特徴とする次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法。
- 請求項1において、洗浄液による次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶のろ過ケークの洗浄効率を60%以上にする事を特徴とする次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法。
- 請求項1において、工程1の次亜塩素酸カルシウム2水化物結晶の固液分離と工程2の洗浄ケークを得る分離を一つの遠心分離機を用いて連続式で行う事を特徴とする次亜塩素酸カルシウム組成物の製造方法。
- 請求項1において、工程1にa、b、c各軸の比が
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