JP6604460B2 - 転炉の操業方法 - Google Patents

転炉の操業方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6604460B2
JP6604460B2 JP2019517603A JP2019517603A JP6604460B2 JP 6604460 B2 JP6604460 B2 JP 6604460B2 JP 2019517603 A JP2019517603 A JP 2019517603A JP 2019517603 A JP2019517603 A JP 2019517603A JP 6604460 B2 JP6604460 B2 JP 6604460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
lance
oxygen gas
converter
furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019517603A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018207718A1 (ja
Inventor
勝太 天野
幸雄 ▲高▼橋
直樹 菊池
祐司 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JPWO2018207718A1 publication Critical patent/JPWO2018207718A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6604460B2 publication Critical patent/JP6604460B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/28Manufacture of steel in the converter
    • C21C5/30Regulating or controlling the blowing
    • C21C5/32Blowing from above
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/28Manufacture of steel in the converter
    • C21C5/42Constructional features of converters
    • C21C5/46Details or accessories
    • C21C5/4606Lances or injectors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/52Manufacture of steel in electric furnaces
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/52Manufacture of steel in electric furnaces
    • C21C5/5211Manufacture of steel in electric furnaces in an alternating current [AC] electric arc furnace
    • C21C5/5217Manufacture of steel in electric furnaces in an alternating current [AC] electric arc furnace equipped with burners or devices for injecting gas, i.e. oxygen, or pulverulent materials into the furnace

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

本発明は、上吹きランスに設けられた複数のラバールノズルから酸素ガスを溶鉄に吹き付け、転炉外へ溶鉄の噴出を抑制しつつ溶鉄から溶鋼を溶製する転炉の操業方法に関する。ここで、「溶鉄」とは、溶銑または溶鋼であり、両者を明確に区別できる場合は、「溶銑」または「溶鋼」と記載する。
転炉での脱炭精錬において、転炉の生産性向上の観点から、単位時間当たりの酸素ガス供給量(「送酸速度」ともいう)を多くした操業が採用される。しかしながら、単位時間当たりの酸素ガス供給量を多くすると、ダストなどとして炉外に飛散する鉄分及び炉壁や炉口付近に付着して堆積する鉄分が増加する。これらの鉄分損失は最終的には回収され、再度鉄源として利用されることになるが、この量が多くなると、ダスト回収及び炉口付近に付着した鉄分の除去に要するコストの増加や転炉の稼働率の低下を招くので、解決すべき重要な課題の一つとなっている。
そのため、転炉での脱炭精錬におけるダストの発生及び抑制に関して、従来から多くの検討及び研究がなされてきた。その結果、ダストの発生メカニズムについては、下記に示す2つのメカニズムに大別され、吹錬の進行に伴って各発生メカニズムによるダストの発生量及びダストの発生割合が変化することが知られている。
[1]バブルバースト(スピッティング(地金飛散)または気泡の湯面離脱に伴い粒鉄が飛散するなど)によってダストが発生する。
[2]ヒューム(鉄原子の蒸発)によってダストが発生する。
一方、上吹きランスからの上吹き酸素による脱炭反応速度は、溶鉄中の炭素濃度が臨界炭素濃度に至るまでの期間では酸素供給律速であり、臨界炭素濃度以下の炭素濃度では溶鉄中炭素の移動(拡散)律速であることが知られている。但し、非特許文献1によれば、酸素供給律速期間であっても排ガスの連続分析に基づく脱炭速度は一定ではなく、変動することが記載されている。小型溶解炉を用いた脱炭精錬の浴面を直接観察した結果、この酸素供給律速期間において脱炭速度が変動すると浴面から大気泡が発生することから、脱炭速度の変動は、表面反応から浴内反応への移行による反応面積の拡大によって発生していると考えられている。
上吹き酸素による脱炭反応は、主に酸素噴流と溶鉄との衝突界面、いわゆる「火点」と呼ばれる「くぼみ」で進行することが知られている。非特許文献2には、火点の面積として、下記の(4)式に示すように、幾何学的なくぼみの表面積Aに加えて浴面上に発生する液滴の影響を考慮した相当界面積Aを定義し、下記の(5)式に示すように、上吹き酸素流量FO2と相当界面積Aとの比である酸素負荷Fの増加に伴って脱炭酸素効率が低下することが記載されている。
(4)式において、dはラバールノズルのスロート径、Iは上吹き酸素噴流の運動量、κは運動量Iの補正係数、σは溶鉄の表面張力である。
ところで、転炉などの精錬反応容器において、上吹きまたは底吹きされる精錬用及び撹拌用のガス供給と、脱炭反応に基づくCOガスの発生とに伴って、反応容器内の溶鉄は揺動する。揺動の振動数と反応容器の形状で決まる固有振動数とが一致する、いわゆる共振時には揺動の振幅が最大化する。このような現象は「スロッシング」と呼ばれる。スロッシングが発生すると、上吹きランス、炉壁、更には炉口付近に付着・堆積する鉄分が増加する。
非特許文献3には、スロッシングについて記載されており、これによれば、円筒容器の固有振動数fcalcは、解析的に求めることができ、円筒容器内径Dと浴深Hとから下記の(6)式で算出できることが記載されている。ここで、(6)式において、gは重力加速度で、kは定数(=1.84)である。
脱炭精錬中の転炉の振動を実測した非特許文献4には、商業規模の転炉における溶鉄の揺動による振動数は0.3〜0.4Hz程度であることが記載されている。この測定値は、(6)式から算出される転炉の固有振動数とほぼ一致する。
したがって、商業規模の転炉においてもスロッシング現象は起こり得ることがわかる。スロッシング現象が起こると、スロッピング(スラグ噴出)が起こり易くなるので、上吹きランス、炉壁、更には炉口付近に付着・堆積する鉄分が増加する。
特許文献1には、単位時間当たりの酸素ガス供給量を高めた転炉操業において、スピッティングやスロッピングの発生を抑制することを目的として、転炉内への酸素ガス供給量、転炉からの排ガス流量、排ガス組成、溶銑成分及び副原料使用量に基づいて炉内残留酸素濃度を算出し、算出した炉内残留酸素濃度に応じて、酸素ガス供給量、ランス高さ、底吹きガス流量のうちの少なくともいずれか1つを調整し、スピッティング及びスロッピングの発生を抑制する精錬方法が記載されている。
特開2013−108153号公報
生産研究、vol.22(1970)No.11.p.488 鉄と鋼、vol.57(1971)No.12.p.1764 生産研究、vol.26(1974)No.3.p.119 川崎製鉄技報、vol.19(1987)No.1.p.1
しかしながら、特許文献1の精錬方法では、スロッピング(スラグ噴出)の兆候をモニターし、その後アクションを行っているので、スロッピングは検知できるものの、バブルバースト及びバブルバーストに伴うスピッティング(地金飛散)については抑制できない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上吹きランスから酸素ガスを上吹きして溶鉄の脱炭精錬を実施するにあたり、溶鉄の揺動を抑制し、且つ、バブルバースト及びバブルバーストに伴うスピッティングを抑制し、鉄歩留りの低下を抑制できる転炉操業方法を提供することである。
このような課題を解決する本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]下端にラバールノズルが設置された上吹きランスを用い、前記ラバールノズルから転炉内の溶鉄浴面に酸素ガスを吹き付けて転炉内の溶鉄を脱炭する転炉の精錬方法であって、
下記(1)式で定まる火点単位面積当たりの酸素ガス流量F(Nm/(m×s))と、
前記酸素ガス流量Fと下記(2)式とから定まる炉内の蓄積酸素指標S(F)が、下記の(3)式を満たすように、前記上吹きランスからの送酸速度Q及びランス高さLHのいずれか一方または双方を調整する、転炉の操業方法。

ここで、(1)式において、
nは、前記上吹きランスの下端に設置されたラバールノズルの個数(−)であり、
は、前記ラバールノズルのスロート径(mm)であり、
は、前記上吹きランスからの送酸速度(Nm/s)であり、
は、前記ラバールノズルへの前記酸素ガスの供給圧力(Pa)であり、
gcは、前記ランス高さLH(m)から算出される溶鉄浴面の衝突面における前記酸素ガスの流速であって、前記ラバールノズルの中心軸上の前記酸素ガスの流速(m/s)であり、
rは、前記溶鉄浴面への前記酸素ガスの衝突によって形成されるくぼみの半径(mm)であり、
Lは、前記くぼみの深さ(mm)である。
(2)式において、
αは、定数((m×s)/Nm)であり、
は、定数(Nm/(m×s))であり、
Δtは、データ収集時間間隔(s)である。
[2]前記(2)式によって算出される蓄積酸素指標S(F)の実績値、及び、上吹きランスからの酸素ガス供給量及び炉内に投入した副原料中の酸素量の合計である入力酸素量と、転炉排ガスに存在するCOガス、COガス、酸素ガス及び脱珪反応に消費されSiOとして炉内に存在する酸素量の和である出力酸素量と、の差である不明酸素量を吹錬中に監視し、前記定数αを決定する、[1]に記載の転炉の操業方法。
本発明によれば、上吹きランスからの送酸速度Q及びランス高さLHの関数である、(2)式で定義される蓄積酸素指標S(F)を所定の範囲内に制御するので、転炉内の溶鉄の揺動を抑制することが可能となるのみならず、上吹きランス、転炉炉壁、転炉の炉口付近に付着・堆積する鉄分を軽減することができる。
図1は、平均脱炭酸素効率ηと、(1)式から計算される火点単位面積当たりの酸素ガス流量Fとの関係を示すグラフである。 図2は、炉下落下地金指数Wと、(2)式から計算される酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)maxとの関係を示すグラフである。 図3は、炉体振動の最大加速度amaxと、(2)式から計算される酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)maxとの関係を示すグラフである。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明する。まず、本発明に至った経緯について説明する。
本発明者らは、上吹きランスから酸素ガスを吹き付けると同時に炉底部の底吹き羽口から撹拌用ガスを吹き込むことの可能な容量300トン規模の転炉を用いて、転炉内の溶銑に酸素ガス(工業用純酸素ガス)を上吹きして溶銑の脱炭精錬を行う際の炉壁や上吹きランスへの地金付着量に及ぼす上吹きランスのランス高さLHの影響を確認した。底吹きの撹拌用ガスとしてはアルゴンガスを使用した。「ランス高さLH」とは、上吹きランスの先端から、転炉内の溶銑が静止状態であるときの溶銑浴面までの距離(m)である。
実験では、表1に示すように、3種類の上吹きランス(上吹きランスA、B、C)を使用し、上吹きランスからの送酸速度(酸素供給流量)を750〜1000Nm/min、ランス高さLHを2.2〜2.8mの範囲で変更し、吹錬中に転炉炉口及びフードに付着した地金が炉下に落下したものを吹錬後に回収して秤量し、付着地金量に及ぼすランス高さLH及び吹錬条件の影響を確認した。
試験では、転炉の傾動軸に加速度計を装着し、吹錬中の傾動軸方向の加速度を計測した。得られた加速度信号は解析装置に取り込んで記録するとともに高速フーリエ変換処理を行い、炉体振動の周波数解析を行った。
試験では、溶銑中の炭素濃度が4.0質量%の時点から上吹きランスからの酸素ガスの供給を開始し、溶鋼中の炭素濃度が0.05質量%となった時点で酸素ガスの供給を終了した。
酸素ガスを上吹きして行う溶銑の脱炭精錬において、火点単位面積当たりの酸素ガス流量F(Nm/(m×s))は、下記の(1)式で表される。火点単位面積当たりの酸素ガス流量Fは、炉内の溶銑浴面の上吹き酸素ガスとの衝突部位となる複数の火点において、各火点の単位面積当たりに衝突する酸素ガスの脱炭精錬期間における平均流量である。
(1)式において、nは上吹きランスの下端に設置されたラバールノズルの個数(−)である。dはラバールノズルのスロート径(mm)である。Qは上吹きランスからの送酸速度(Nm/s)である。Pは上吹きランスのラバールノズルへの酸素ガスの供給圧力(Pa)である。vgcはランス高さLHから算出される酸素ガスの溶銑浴面の衝突面における流速であって、ラバールノズルの中心軸上の酸素ガスの流速(m/s)である。rは溶銑浴面への酸素ガスの衝突によって形成されるくぼみの半径(mm)である。Lは前記くぼみの深さ(mm)である。
酸素ガスの流速vgc(m/s)、くぼみの半径r(mm)及びくぼみの深さL(mm)の算出方法について説明する。
ラバールノズル内のガス流動を断熱変化と仮定すると、ラバールノズルから噴射される気体の吐出流速vg0(m/s)は下記の(7)式で表される。(7)式において、gは、重力加速度(m/s)である。pはラバールノズルのスロートにおける圧力(静圧)(Pa)である。pはラバールノズルのノズル出口における圧力(静圧)(Pa)である。vはラバールノズルのスロートにおける比容積(m/kg)である。vはラバールノズル出口における比容積(m/kg)である。Kは等エントロピー膨張係数である。
一方、ラバールノズルから噴射された後のラバールノズルの中心軸上の酸素ガスの流速vgcは、ノズルから浴面までの距離の関数として求められることがわかっている。このため、ラバールノズルの出口直下に形成されるポテンシャルコアと呼ばれる領域長さx(m)を考慮すると、酸素ガスの流速vgcは、下記の(8)式で表される。(8)式において、β及びγは定数である。したがって、vg0、LH、xがわかっていれば下記の(8)式を用いて酸素ガスの流速vgcを算出できる。
噴流の鉄浴衝突面に形成されるくぼみの深さL(mm)は、下記の(9)式で表される。ここで、(9)式において、εは無次元の定数であり、0.5〜1.0の範囲内の値である。本実施形態ではεを1.0としてくぼみの深さLを算出している。
噴流の鉄浴衝突面に形成されるくぼみの半径r(mm)は、下記の(10)式で表される。(10)式において、θは噴流の拡がり角度(°)である。
図1は、吹錬中の炭素濃度が3質量%から1質量%になるまで脱炭する間の吹錬中の平均脱炭酸素効率η(%)と、(1)式から計算される火点単位面積当たりの酸素ガス流量F(Nm/(m×s))との関係を示すグラフである。平均脱炭酸素効率ηは、排ガス流量Qoffgas(Nm/s)と、排ガス中のCO濃度(CCO;体積%)と、排ガス中のCO濃度(CCO2;体積%)とを用いて下記の(11)式で定義した。
図1から明らかなように、平均脱炭酸素効率ηは火点単位面積当たりの酸素ガス流量Fの増加に伴って低下する。換言すれば、火点単位面積当たりの酸素ガス流量Fが増加するほど炉内の酸素蓄積は多くなる。
図2は、炉下落下地金指数Wと吹錬中の炉内の酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)maxとの関係を示すグラフである。ここで、炉内の酸素蓄積指標S(F)は、下記の(2)式で定義した。(2)式のFは、(1)式で算出される火点単位面積当たりの酸素ガス流量Fである。αは定数((m×s)/Nm)である。Fは定数(Nm/(m×s))である。本実施形態では、定数αを0.07(m×s)/Nm、定数Fを0.60Nm/(m×s)とした。定数αは単位溶鋼質量当たりの底吹きガス流量に対応して0.05〜0.10(m×s)/Nmの値である。Δtはデータ収集時間間隔(sec)であり、本実施形態では、例えば、1secである。Δtが1secであって、吹練時間が20分である場合、酸素蓄積指標S(F)は、1secごとに(1/F−1/F)を算出し、これを1200回程積算した値にαを乗ずることで算出される。
炉下落下地金指数Wは下記の(12)式で定義した。(12)式の右辺の分母に示す「平均炉下落下地金質量」は、複数チャージの試験における吹錬終了後の地金落下量の平均値である。
図2から明らかなように、炉下落下地金指数Wは、炉内の酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)maxが40を超えると急増する。
図3は、吹錬中の炉体振動の内で、(6)式から計算される固有振動数である0.35Hzの最大加速度amaxと、炉内の酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)maxとの関係を示すグラフである。
図3から明らかなように、最大加速度amaxは、吹錬中の炉内の酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)maxの増加とともに増加し、この最大値S(F)maxが40を超えると最大加速度amaxの増加量が大きくなった。換言すれば、最大値S(F)maxが40を超えると、溶銑の揺動が大きくなる可能性のあることがわかった。
ここで注目すべきは、上吹きランスのラバールノズルの違いによらず、火点単位面積当たりの酸素ガス流量Fが平均脱炭酸素効率ηと負の相関を示したこと、及び吹錬中の炉内の酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)maxが炉下落下地金指数W及び炉体振動加速度amaxと正相関を示し最大値S(F)maxが40となる点を境に炉下落下地金指数W及び炉体振動加速度amaxの双方が急増したことである。
即ち、溶鉄の揺動を抑制し、且つ、転炉炉口やフードに付着する地金を低減し、鉄歩留りの低下を防止するには、炉内の酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)maxを40以下に制御する、すなわち、下記(3)式を満たすことが重要であることがわかった。
S(F)≦40・・・(3)
また、定数αは炉体の操業状況などで微小ではあるが変化する。このため、実施の際には、上記(2)式によって算出される蓄積酸素指標S(F)の実績値、及び、上吹きランスからの酸素ガス供給量及び炉内に投入した副原料中の酸素量の合計である入力酸素量と、転炉排ガス中のCOガス、COガス、酸素ガス、脱珪反応に消費されSiOとして炉内に存在する酸素量の和である出力酸素量と、の差である不明酸素量を吹錬中に監視し、蓄積酸素指標S(F)の実績値及び不明酸素量に基づいて定数αを決定することが好ましい。
本発明は、上記検討結果に基づくものであり、下端にラバールノズルが設置された上吹きランスを用い、ラバールノズルから転炉内の溶鉄浴面に酸素ガスを吹き付けて転炉内の溶鉄に対して脱炭精錬などの酸化精錬を施す転炉の精錬方法であって、上記の(1)式で定まる火点単位面積当たりの酸素ガス流量Fと(2)式とから定まる炉内の蓄積酸素指標S(F)が上記の(3)式を満たすように上吹きランスからの送酸速度Q及びランス高さLHのいずれか一方または双方を調整する。
蓄積酸素指標S(F)が(3)式を満たすように上吹きランスからの送酸速度Q及びランス高さLHのいずれか一方または双方を調整することで、溶鉄浴面に対する酸素の過剰供給が抑制され、溶鉄浴内で炭素と酸素が反応することで発生するCO気泡が過大になることが抑制される。これにより、バブルバースト及びバブルバーストに伴うスピッティングを抑制できる。
さらに、図3に示したように、蓄積酸素指標S(F)が(3)式を満たすように上吹きランスからの送酸速度Q及びランス高さLHのいずれか一方または双方を調整することで、溶鉄の搖動が大きくなることを抑制できる。
このように、本実施形態に係る転炉の操業方法を実施することで溶鉄の揺動を抑制し、且つ、バブルバースト及びバブルバーストに伴うスピッティングを抑制できる。これにより、炉外への鉄分の逸散が減少し、地金の回収と再利用に要する費用が削減されるのみならず、転炉炉口などに付着、堆積した地金の除去に伴う転炉の稼動率低下を抑制できる。
次に、本発明の実施例を説明する。上吹きランスから酸素ガスを吹き付けるとともに、炉底部の底吹き羽口から撹拌用ガスを吹き込むことができる容量300トン規模の転炉(以下、「上底吹き転炉」と記載する)を用いて脱炭吹錬を行った。炉外への鉄分の逸散の評価として、(12)式で定義した炉下落下地金指数Wを用いた。
本実施例で使用した上吹きランスは、噴射ノズルとして同一形状の4個のラバールノズルを先端部に有しており、前記ラバールノズルを上吹きランス本体の軸心に対して同心円上に等間隔で、且つ、上吹きランス本体の軸心とノズルの中心軸とのなす角度(以下、「ノズル傾角」と記載する)を17°として配置したものである。ラバールノズルのスロート径dは76.0mmであり、出口径dは87.0mmである。
同様に、5個のラバールノズルを有し、ノズル傾角が15°であり、スロート径dが65.0mmであり、出口径dが78.0mmである上吹きランスと、5個のラバールノズルを有し、ノズル傾角が15°であり、スロート径dが65.0mmであり、出口径dが75.3mmである上吹きランスと、5個のラバールノズルを有し、ノズル傾角が15°であり、スロート径dが57.0mmであり、出口径dが67.2mmである上吹きランスとを使用した。表2に各試験で使用した上吹きランスの仕様を示す。
転炉の操業方法は、鉄スクラップを上底吹き転炉に装入した後、1260〜1280℃の溶銑を上底吹き転炉に装入した。次いで、上吹きランスから平均で2.0Nm/(hr×t)の酸素ガスを溶銑浴面に向けて吹き付けながら、底吹き羽口からアルゴンガスまたは窒素ガスを撹拌用ガスとして溶銑中に吹き込み、溶鋼中の炭素濃度が0.05質量%となるまで脱炭精錬を行った。鉄スクラップの装入量は、精錬終了時の溶鋼温度が1650℃となるように調節した。使用した溶銑の組成及び温度を表3に示す。
表4に、上吹きランスからの送酸速度及びランス高さLHを示す。表4に示すように、上吹きランスからの送酸速度及びランス高さLHを、溶銑中の炭素濃度に応じて区間1、2、3に区別して設定した。
上吹きランスからの送酸速度及びランス高さLHは、溶銑浴面の衝突面における酸素ガスの流速vgcが区間1、2、3でおよそ120〜240m/sの範囲となるように、上吹きランスのノズルの違いに応じて設定を変更した。底吹きガス流量は全ての試験で一定とした。
表5に、(1)式から計算される火点単位面積当たりの酸素流量F及び(2)式から計算される炉内の酸素蓄積指標S(F)の最大値S(F)max、並びに、操業結果を各試験別に示す。
表5から明らかなように、本発明例と比較例とで吹錬時間はほぼ同等であったが、本発明例1〜4の吹錬終了時の炉下落下地金指数Wは、比較例1〜5の吹錬終了時の炉下落下地金指数Wよりも著しく小さい値であった。この結果から、酸素蓄積指標S(F)を40以下にすることで、地金付着を抑制でき、これにより鉄歩留りの低下を抑制できる転炉操業が実施できることが確認された。

Claims (1)

  1. 下端にラバールノズルが設置された上吹きランスを用い、前記ラバールノズルから転炉内の溶鉄浴面に酸素ガスを吹き付けて転炉内の溶鉄を脱炭する転炉の精錬方法であって、
    下記(1)式で定まる火点単位面積当たりの酸素ガス流量F(Nm/(m×s))と、前記酸素ガス流量Fと下記(2)式とから定まる炉内の蓄積酸素指標S(F)が、下記の(3)式を満たすように、前記上吹きランスからの送酸速度Q及びランス高さLHのいずれか一方または双方を調整する、転炉の操業方法。

    (1)式において、
    nは、前記上吹きランスの下端に設置されたラバールノズルの個数(−)であり、
    は、前記ラバールノズルのスロート径(mm)であり、
    は、前記上吹きランスからの送酸速度(Nm/s)であり、
    は、前記ラバールノズルへの前記酸素ガスの供給圧力(Pa)であり、
    gcは、前記ランス高さLH(m)から算出される溶鉄浴面の衝突面における前記酸素ガスの流速であって、前記ラバールノズルの中心軸上の前記酸素ガスの流速(m/s)であり、
    rは、前記溶鉄浴面への前記酸素ガスの衝突によって形成されるくぼみの半径(mm)であり、
    Lは、前記くぼみの深さ(mm)である。
    (2)式において、
    αは、定数((m×s)/Nm)であり、
    は、定数(0.60Nm/(m×s))であり、
    Δtは、データ収集時間間隔(s)であり、
    前記(2)式によって算出される蓄積酸素指標S(F)の実績値、及び、上吹きランスからの酸素ガス供給量及び炉内に投入した副原料中の酸素量の合計である入力酸素量と、転炉排ガスに存在するCOガス、CO ガス、酸素ガス及び脱珪反応に消費されSiO として炉内に存在する酸素量の和である出力酸素量と、の差である不明酸素量を吹錬中に監視し、前記定数αを決定する。
JP2019517603A 2017-05-08 2018-05-07 転炉の操業方法 Active JP6604460B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017092258 2017-05-08
JP2017092258 2017-05-08
PCT/JP2018/017585 WO2018207718A1 (ja) 2017-05-08 2018-05-07 転炉の操業方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018207718A1 JPWO2018207718A1 (ja) 2019-11-07
JP6604460B2 true JP6604460B2 (ja) 2019-11-13

Family

ID=64104678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019517603A Active JP6604460B2 (ja) 2017-05-08 2018-05-07 転炉の操業方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US11124849B2 (ja)
EP (1) EP3575419B1 (ja)
JP (1) JP6604460B2 (ja)
KR (1) KR102254941B1 (ja)
CN (1) CN110612356B (ja)
BR (1) BR112019023181B1 (ja)
RU (1) RU2733858C1 (ja)
TW (1) TWI681060B (ja)
WO (1) WO2018207718A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111926138B (zh) * 2020-08-13 2022-04-12 北京首钢自动化信息技术有限公司 一种氧枪高度的控制方法及装置

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SU767214A1 (ru) 1977-08-05 1980-09-30 За витель , «Шёвд I Устройство дл прогнозировани выбросов металла и шлака из конвертера
JPS5948926B2 (ja) 1979-02-24 1984-11-29 川崎製鉄株式会社 溶湯容器の造滓制御法
SU1046290A1 (ru) 1982-03-23 1983-10-07 Сибирский ордена Трудового Красного Знамени металлургический институт им.Серго Орджоникидзе Система управлени конверторной плавкой
US4749171A (en) 1984-09-06 1988-06-07 Nippon Steel Corporation Method and apparatus for measuring slag-foam conditions within a converter
SU1470774A1 (ru) 1987-08-11 1989-04-07 Карагандинский металлургический комбинат Способ управлени конвертерным процессом
SU1539211A1 (ru) 1988-05-30 1990-01-30 Киевский институт автоматики им.ХХУ съезда КПСС Устройство управлени конверторной плавкой
JP2957469B2 (ja) * 1996-04-12 1999-10-04 日本電気移動通信株式会社 携帯型無線電話機
JP2000119725A (ja) 1998-10-07 2000-04-25 Nippon Steel Corp 高生産性転炉製鋼方法
JP2000303114A (ja) 1999-04-15 2000-10-31 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶融金属の精錬方法
JP3580177B2 (ja) * 1999-04-23 2004-10-20 住友金属工業株式会社 含Cr溶鋼の脱炭精錬方法
JP3825733B2 (ja) 2002-09-25 2006-09-27 新日本製鐵株式会社 溶銑の精錬方法
CN101638707B (zh) * 2009-08-21 2011-07-20 武汉钢铁(集团)公司 转炉炼钢双向供钢供氧方法
JP2011084789A (ja) 2009-10-16 2011-04-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 転炉吹錬方法
CN102399933B (zh) * 2010-09-07 2013-12-11 鞍钢股份有限公司 一种转炉吹炼低碳钢氧枪自动控制方法
EP2752497B1 (en) 2011-10-17 2018-08-22 JFE Steel Corporation Powder injection lance and method of refining molten iron using said powder injection lance
JP5686091B2 (ja) 2011-11-24 2015-03-18 新日鐵住金株式会社 転炉の精錬方法
CN102732668B (zh) * 2012-07-05 2014-02-12 北京科技大学 一种预热氧气提高射流速度的吹氧炼钢方法
CN105793444B (zh) * 2013-11-28 2018-06-26 杰富意钢铁株式会社 转炉操作监视方法及转炉操作方法
JP6421731B2 (ja) 2015-09-17 2018-11-14 Jfeスチール株式会社 転炉の操業方法
JP6421732B2 (ja) * 2015-09-17 2018-11-14 Jfeスチール株式会社 転炉の操業方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP3575419A1 (en) 2019-12-04
TW201843307A (zh) 2018-12-16
KR102254941B1 (ko) 2021-05-21
KR20190137862A (ko) 2019-12-11
US11124849B2 (en) 2021-09-21
JPWO2018207718A1 (ja) 2019-11-07
EP3575419A4 (en) 2019-12-04
RU2733858C1 (ru) 2020-10-07
EP3575419B1 (en) 2021-09-29
BR112019023181B1 (pt) 2023-03-28
TWI681060B (zh) 2020-01-01
US20200157645A1 (en) 2020-05-21
BR112019023181A2 (pt) 2020-05-19
CN110612356A (zh) 2019-12-24
WO2018207718A1 (ja) 2018-11-15
CN110612356B (zh) 2021-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6421732B2 (ja) 転炉の操業方法
JP6604460B2 (ja) 転炉の操業方法
TWI572719B (zh) 轉爐操作方法
JP6421731B2 (ja) 転炉の操業方法
JP2020105611A (ja) 転炉の操業方法
JP5915568B2 (ja) 転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法
JP2011179041A (ja) 転炉内地金の除去方法
JP5929632B2 (ja) 転炉精錬方法
JP6658365B2 (ja) 溶銑の精錬方法
JP2011084789A (ja) 転炉吹錬方法
JPH0849008A (ja) 転炉でのスロッピング予知方法及びその防止方法
TWI700373B (zh) 轉爐吹煉方法
JP4761937B2 (ja) 転炉の吹錬方法
JP2018024911A (ja) 溶銑予備処理における鍋内付着地金溶解方法
JP2016180142A (ja) 溶銑予備処理方法
JP2000129330A (ja) 地金飛散の少ない転炉製鋼方法
JP2022006385A (ja) 転炉脱りん処理用上吹きランスおよび転炉吹錬方法
JP2022164219A (ja) 転炉における精錬方法
JP4979209B2 (ja) 炉体のプロフィール調整方法
JP2010189668A (ja) 転炉の操業方法
JP2011111647A (ja) 底吹き転炉
JP2016160440A (ja) 溶銑の精錬方法
JPH11279615A (ja) 炉内圧を制御した転炉製鋼法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190619

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190619

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6604460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250