JP6602358B2 - 塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗膜形成方法に関する。
従来、基材表面に、優れた外観及び性能等を付与することを目的として、該基材表面上に塗料組成物を塗装し、形成されたウエット塗膜を硬化させて塗膜を形成することが行われている。また、該塗料組成物としては溶剤型塗料組成物や、該ウエット塗膜の硬化を活性エネルギー線で行う活性エネルギー線硬化型塗料組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。後者は省エネルギー、生産性向上等の観点から数多くの検討がなされている。
さらに近年では、各種技術分野においては、基材の塗装面における高い強度とともに、塗膜と基材との高い密着性が求められている。しかし、一般的に塗膜強度を高めると、塗膜と基材との密着性が低下する傾向にある。この傾向は、活性エネルギー線硬化型塗料組成物を使用した場合に顕著となる。
また、上記塗料組成物を、自動車車体の外板部、自動車用内外装部品、家庭電器製品、家具、建材等の塗装面が複雑形状をなす基材に適用する機会が増加している。しかし、基材の塗装面が複雑形状、例えば複数の平面および/または曲面が組み合わせられてなる形状である場合は、該塗料組成物からなる塗膜と基材との密着性が不十分な部分が発生しやすく、剥がれや膨れ等の不具合が発生することがあり、問題となっていた。
しかしながら、高い強度を有し、かつ基材に対して優れた密着性を示す塗膜を形成する方法については、特許文献1に開示された技術を含め、従来技術では未だ知られていない。
国際公開第2009/050957号
したがって本発明の目的は、高い強度を有し、かつ基材の塗装面が複雑形状である場合でも、基材との密着性に優れる塗膜形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定のウレタン(メタ)アクリレート、特定の重合性不飽和化合物及び重合開始剤を含有する塗料組成物を用い、該塗料組成物を基材に塗布する際に、該塗料組成物と該基材との界面の温度を特定の温度範囲に到達させることにより、上記目的を達成できることを見出した。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.工程(1):重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)、カルボキシル基、リン酸基及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一の基を有する重合性不飽和化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する塗料組成物(1)を準備する工程と、
工程(2):前記工程(1)で準備された塗料組成物(1)を基材上に塗布する工程と、
工程(3):前記工程(2)で塗布された基材上の塗料組成物(1)を硬化させる工程と、を有し、
前記工程(2)の実施中に、前記塗料組成物(1)と接する前記基材の界面が、28〜70℃の範囲内の温度に到達することを特徴とする塗膜形成方法。
2.前記塗料組成物(1)が、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の少なくともその1種として、重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基と1個以上のポリオキシアルキレン鎖とを有するウレタン(メタ)アクリレート(A11)を含有する前記1に記載の塗膜形成方法。
3.前記塗料組成物(1)が、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の少なくともその1種として、重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基と1個以上のシクロヘキサン環とを有するウレタン(メタ)アクリレート(A12)を含有する前記1又は2に記載の塗膜形成方法。
4.前記塗料組成物(1)が、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の少なくともその1種として、重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基と1個以上のイソシアヌレート環とを有するウレタン(メタ)アクリレート(A13)を含有する前記1〜3のいずれか1に記載の塗膜形成方法。
5.前記塗料組成物(1)が、該塗料組成物(1)の不揮発分を合計100質量部としたときに、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の不揮発分が10〜70質量部であり、かつ前記重合性不飽和化合物(B)の不揮発分が1〜20質量部である前記1〜4のいずれか1に記載の塗膜形成方法。
6.前記塗料組成物(1)が、さらに、重量平均分子量が200以上550未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する重合性不飽和化合物(D)を含有する前記1〜5のいずれか1に記載の塗膜形成方法。
7.前記塗料組成物(1)が、前記重合性不飽和化合物(D)の少なくともその1種として、ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和化合物(D’)を含有する前記6に記載の塗膜形成方法。
8.前記塗料組成物(1)がさらに顔料を含有する前記1〜7のいずれか1に記載の塗膜形成方法。
9.前記塗料組成物(1)における前記顔料の配合量が、前記塗料組成物(1)中の重合性不飽和化合物の総量を100質量部としたときに、0.1〜40質量部の範囲内である前記8に記載の膜形成方法。
10.前記塗料組成物(1)中、不揮発分が90〜100質量%を占める前記1〜9のいずれか1に記載の塗膜形成方法。
11.前記工程(2)が、あらかじめ前記塗料組成物(1)と接する前記基材の界面を28〜70℃の範囲内の温度に加熱した後、前記塗料組成物(1)を前記基材上に塗布する工程である前記1〜10のいずれか1に記載の塗膜形成方法。
12.前記工程(2)が、あらかじめ前記塗料組成物(1)を28〜70℃の範囲内の温度に加熱した後、該塗料組成物(1)を前記基材上に塗布する工程である前記1〜11のいずれか1に記載の塗膜形成方法。
13.前記工程(3)において、前記重合開始剤(C)が光重合開始剤(C1)である場合は活性エネルギー線を前記塗料組成物(1)に照射し、前記重合開始剤(C)が熱重合開始剤(C2)である場合は前記塗料組成物(1)を加熱する前記1〜12のいずれか1に記載の塗膜形成方法。
本発明の塗膜形成方法は、前記工程(1)〜(3)を具備し、とくに前記工程(2)の実施中に、塗料組成物(1)と接する基材の界面が、28〜70℃の範囲内の温度に到達することを特徴としているので、高い強度を有し、かつ基材の塗装面が複雑形状である場合でも、基材との密着性に優れる塗膜を形成することができる。
以下、本発明の塗膜形成方法について、さらに詳細に説明する。
まず、工程(1)について説明する。
本発明の塗膜形成方法における工程(1)は、重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)、カルボキシル基、リン酸基及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一の基を有する重合性不飽和化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する塗料組成物(1)を準備する工程である。
〔ウレタン(メタ)アクリレート(A)〕
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、1分子内に2個以上のアクリロイル基およびメタクリロイル基の少なくとも一方を有し、重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内のウレタン化合物である。
なかでも、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、形成される塗膜と基材との密着性および塗膜強度の観点から、1分子内に好ましくは平均して2〜4個の(メタ)アクリロイル基、さらに好ましくは1分子内に平均して2〜3個の(メタ)アクリロイル基、とくに好ましくは1分子内に平均して2〜3個のアクリロイル基を有するのがよい。本明細書において、化合物1分子内の(メタ)アクリロイル基の平均した数は、該化合物の合成時に使用された原材料の当量比から算出される理論値である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート又はメタクリレートを意味する。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量は、上記のように550以上10,000未満の範囲内である。重量平均分子量が550未満であると、塗膜と基材との密着性が悪化し、逆に10,000以上であると、塗膜外観及び塗膜強度が悪化する。塗膜外観、形成される塗膜と基材との密着性および塗膜強度の観点から、好ましくは750〜5,000、さらに好ましくは1,000〜3,500の範囲内であるのがよい。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)のガラス転移温度(Tg)は、形成される塗膜と基材との密着性および塗膜強度の観点から、10℃〜80℃、好ましくは30℃〜50℃の範囲内であるのがよい。
なお、本明細書において、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)のガラス転移温度(Tg)は、静的ガラス転移温度である。該静的ガラス転移温度は、例えば、試料を測定カップにとり、真空吸引して完全に溶剤を除去した後、示差走査熱量計「DSC−50Q型」(島津製作所製、商品名)を用いて、3℃/分の昇温速度で−100℃〜150℃の範囲で熱量変化を測定し、低温側における最初のベースラインの変化点を静的ガラス転移温度とすることによって、測定することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物(a1)と、1分子内に1個以上の水酸基及び1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)と、必要に応じてポリオール化合物(a3)及び/又は水酸基含有化合物の鎖伸長成分(a4)とを反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート(A1);上記ポリオール化合物(a3)と、1分子内に1個以上のイソシアネート基及び1個以上の(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート基含有(メタ)アクリレート(a5)と、必要に応じて上記ポリイソシアネート化合物(a1)及び/又は水酸基含有化合物の鎖伸長成分(a4)とを反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート(A2)等を使用することができる。
[ポリイソシアネート化合物(a1)]
上記ポリイソシアネート化合物(a1)は、1分子内にイソシアネート基を2個以上有する化合物である。該ポリイソシアネート化合物(a1)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物及びこれらのジイソシアネートのウレトジオンタイプ付加物、アダクトタイプ付加物、ビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物及びこれらのジイソシアネートのウレトジオンタイプ付加物、アダクトタイプ付加物、ビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物及びこれらのジイソシアネートのウレトジオンタイプ付加物、アダクトタイプ付加物、ビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのウレトジオンタイプ付加物、アダクトタイプ付加物、ビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等のポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等が挙げられる。
[水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)]
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)は、1分子内に1個以上の水酸基及び1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール、さらに、分子末端が水酸基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
[ポリオール化合物(a3)]
前記ポリオール化合物(a3)は、上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)以外の、1分子内に2個以上の水酸基を有する化合物である。
前記ポリオール化合物(a3)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ジメチロールプロピオン酸等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリオキシアルキレン鎖を有するポリオール化合物;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;グリセリンの脂肪酸エステル化物等が挙げられる。
[水酸基含有化合物の鎖伸長成分(a4)]
前記水酸基含有化合物の鎖伸長成分(a4)は、前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)及びポリオール化合物(a3)等の水酸基含有化合物と反応して分子鎖を伸長させることができる化合物である。
前記水酸基含有化合物の鎖伸長成分(a4)としては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン化合物;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。
[イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(a5)]
前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(a5)は、1分子内に1個以上のイソシアネート基及び1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(a5)としては、例えば、イソシアネートメチル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、イソシアネートブチル(メタ)アクリレート、イソシアネートオクチル(メタ)アクリレート、p−メタクリロキシ−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネート、m−アクリロキシ−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネート、m−又はp−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート1モルとジイソシアネート化合物1モルとの反応生成物、具体的には例えば、イソホロンジイソシアネートの如き(反応性の異なる)2つのイソシアネート基を有する化合物と(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有重合性不飽和モノマーとの等モル付加反応により得られる化合物等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、水酸基含有成分とイソシアネート基含有成分とを公知のウレタン化反応させることにより合成することができる。上記反応は、通常有機溶剤中で行うことができる。有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の混合物として使用できる。反応温度は、常温〜100℃であるのが好ましく、反応時間は1〜10時間であるのが好ましい。
上記ウレタン化反応においては、反応液のイソシアネート当量を追跡することにより、反応の進行状態を確認することができる。該イソシアネート当量は、ジブチルアミンを用いた逆滴定により求めることができる。該逆滴定は、具体的には、試料に過剰のジブチルアミンを加えて反応させ、滴定指示薬としてブロモフェノールブルーを用い残余のジブチルアミンを塩酸水溶液で滴定することにより行うことができる。
上記反応においては、必要に応じてジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエート、ジブチルスズサルファイト等の有機スズ触媒を使用してもよい。触媒の量は、反応原料の総量100質量部に対して0.01〜1.0質量部であるのが好ましく、0.1〜0.5質量部であるのがより好ましい。また、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤を使用してもよい。重合禁止剤を使用する場合、その添加量は、反応原料の総量100質量部に対して0.01〜1.0質量部であるのが好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)としては、形成される塗膜と基材との密着性の観点から、ポリオキシアルキレン鎖を有するウレタン(メタ)アクリレート(A11)が好ましく、中でも、形成される塗膜と基材との密着性、および塗膜の強度をさらに高めるという観点から、ポリオキシアルキレン鎖とシクロヘキサン環とを有するウレタン(メタ)アクリレート(A11’)がより好ましい。
なかでも、上記ポリオキシアルキレン鎖を有するウレタン(メタ)アクリレート(A11)は、形成される塗膜と基材との密着性及び塗膜強度の観点から、1分子内に好ましくは平均して1〜100個のポリオキシアルキレン鎖、さらに好ましくは1分子内に平均して2〜80個のポリオキシアルキレン鎖、とくに好ましくは1分子内に平均して10〜60個のポリオキシアルキレン鎖を有するのがよい。本明細書において、化合物1分子内のポリオキシアルキレン鎖の平均した数は、該化合物の合成時に使用された原材料の当量比から算出される理論値である。
上記ポリオキシアルキレン鎖を有するウレタン(メタ)アクリレート(A11)は、例えば、前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)の少なくともその1種として、前記ポリオキシアルキレン鎖を有する水酸基含有(メタ)アクリレートを使用する方法;前記ポリオール化合物(a3)の少なくともその1種として、前記ポリオキシアルキレン鎖を有するポリオール化合物を使用する方法等によって製造することができる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)としては、形成される塗膜の強度の観点から、シクロヘキサン環を有するウレタン(メタ)アクリレート(A12)も好ましい。シクロヘキサン環を有するウレタン(メタ)アクリレート(A12)は、例えば、前記ポリイソシアネート化合物(a1)の少なくともその1種として、前記シクロヘキサン環を有するポリイソシアネート化合物を使用する方法等によって製造することができる。
なかでも、上記シクロヘキサン環を有するウレタン(メタ)アクリレート(A12)は、形成される塗膜と基材との密着性及び塗膜強度の観点から、1分子内に好ましくは平均して1〜60個のシクロヘキサン環、さらに好ましくは1分子内に平均して4〜50個のシクロヘキサン環、とくに好ましくは1分子内に平均して8〜40個のシクロヘキサン環を有するのがよい。本明細書において、化合物1分子内のシクロヘキサン環の平均した数は、該化合物の合成時に使用された原材料の当量比から算出される理論値である。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)としては、形成される塗膜の強度の観点から、イソシアヌレート環を有するウレタン(メタ)アクリレート(A13)も好ましく、中でも、形成される塗膜と基材との密着性、および塗膜の強度をさらに高めるという観点から、ポリオキシアルキレン鎖とイソシアヌレート環とを有するウレタン(メタ)アクリレート(A13’)がより好ましい。
なかでも、上記イソシアヌレート環を有するウレタン(メタ)アクリレート(A13)は、形成される塗膜と基材との密着性及び塗膜強度の観点から、1分子内に好ましくは平均して1〜10個のイソシアヌレート環、さらに好ましくは1分子内に平均して1〜8個のイソシアヌレート環、とくに好ましくは1分子内に平均して1〜6個のイソシアヌレート環を有するのがよい。本明細書において、化合物1分子内のイソシアヌレート環の平均した数は、該化合物の合成時に使用された原材料の当量比から算出される理論値である。
上記イソシアヌレート環を有するウレタン(メタ)アクリレート(A13)は、例えば、前記ポリイソシアネート化合物(a1)の少なくともその1種として、前記イソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物を使用する方法等によって製造することができる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔重合性不飽和化合物(B)〕
重合性不飽和化合物(B)は、カルボキシル基、リン酸基及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一の基を有する重合性不飽和化合物である。カルボキシル基、リン酸基及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一の基を有する重合性不飽和化合物を塗料組成物に含有させることにより、形成される塗膜と基材との密着性を良好にすることができる。
重合性不飽和化合物(B)は、重量平均分子量が50以上であることが好ましく、より好ましくは100以上であり、さらに好ましくは200以上であり、また、550以下であることが好ましく、より好ましくは500以下であり、さらに好ましくは450以下である。
重合性不飽和化合物(B)の重量平均分子量が50以上であると、形成される塗膜と基材との密着性が向上する。また、550以下であると、形成される塗膜と基材との密着性向上する。
また、重合性不飽和化合物(B)の1分子内の重合性不飽和基数は、形成される塗膜と基材との密着性観点から、平均して1〜6個であることが好ましく、より好ましくは1〜4個であり、さらに好ましくは1〜3個である。
また、上記重合性不飽和化合物(B)の不飽和基当量は、形成される塗膜と基材との密着性、50〜550g/molが好ましく、60〜500g/molがさらに好ましく、70〜450g/molがさらに特に好ましい。
本明細書において、不飽和基当量とは、重合性不飽和基1mol当たりの化合物の質量であり、化合物の質量を、化合物中に存在する重合性不飽和基量で除した値である(g/mol)。本明細書において上記不飽和基当量は、化合物の合成時に使用した原材料の質量から算出される理論値である。
また、重合性不飽和化合物(B)の1分子内のカルボキシル基数、リン酸基数及び/又はホスホン酸基数の合計は、形成される塗膜と基材との密着性、耐水性の観点から、平均して1〜2個であることが好ましい。
また、上記重合性不飽和化合物(B)の酸価は、塗膜外観、形成される塗膜と基材との密着性、耐水性の観点から、100〜950mgKOH/gが好ましく、110〜800mgKOH/gがさらに好ましく、120〜650mgKOH/gがさらに特に好ましい。
本明細書において、酸価(mgKOH/g)は、試料1g(固形分)に含まれる酸基の量を水酸化カリウムに換算したときの水酸化カリウムのmg数で表したものである。水酸化カリウムの分子量は56.1とする。
重合性不飽和化合物(B)としては、カルボキシル基、リン酸基及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一の基を有する重合性不飽和化合物であれば、特に限定されないが、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸モノエステル、不飽和トリカルボン酸モノエステル、カルボキシル基含有アクリレート及びそのアクリル基がメタクリル基に置き換わったカルボキシル基含有メタアクリレート、不飽和ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
上記重合性不飽和化合物(B)のうちカルボキシル基を有する重合性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、イタコン酸モノメチル、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、2−メタクリロイルオキシエチルピロメリット酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、β−カルボキシエチルアクリレート)、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、3−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(商品名「アロニックスM5300」、東亞合成株式会社製、)、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(商品名「アロニックスM5400」、東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
重合性不飽和化合物(B)のうちリン酸基を有する重合性不飽和化合物としては、例えばリン酸エステル系(メタ)アクリレート(例えばリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル(商品名「サートマーSR9050」、サートマー社製)、リン酸トリス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](商品名「サートマーSR9051」、サートマー社製)、リン酸トリス[2−(アクリロイルオキシ)エチル](商品名「サートマーSR9053」、サートマー社製)、3官能アクリル酸エステル(商品名「EM2305」、長興化学社製)等が挙げられる。
重合性不飽和化合物(B)のうちホスホン酸基を有する重合性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸2−ホスホノエチル、メタクリル酸2−ホスホノエチル等が挙げられる。
上記重合性不飽和化合物(B)の中でも、基材との密着性に優れ、かつ高い強度を有する塗膜を形成することができるため、カルボキシル基及びリン酸基の少なくとも一方を有する重合性不飽和化合物が好ましく、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、β−カルボキシエチルアクリレート)、アロニックスM5300、サートマーSR9050から選ばれる少なくとも1種を使用することがより好ましい。
上記重合性不飽和化合物(B)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔重合開始剤(C)〕
重合開始剤(C)は、光重合開始剤(C1)及び熱重合開始剤(C2)から選択される重合開始剤である。なかでも、塗料の貯蔵安定性に優れ、さらに基材の熱変形を抑制しつつ、基材との密着性に優れ、かつ高い強度を有する塗膜を形成することができるため、該重合開始剤(C)の少なくとも1種として光重合開始剤(C1)を使用することが好ましい。
また、上記重合開始剤(C)としては、上記光重合開始剤(C1)及び熱重合開始剤(C2)を組み合わせて使用することができる。なお、下記工程(3)において、活性エネルギー線照射を行なう場合は、上記重合開始剤(C)の少なくとも1種として光重合開始剤(C1)を使用し、加熱を行なう場合は、該重合開始剤(C)の少なくとも1種として熱重合開始剤(C2)を使用する。
本発明に係る被膜形成方法において、前記基材が、有機材料等の熱変形し易い基材である場合は、上記重合開始剤(C)として光重合開始剤(C1)を使用し、下記工程(3)において活性エネルギー線照射を行なうことが、基材の熱変形を抑制しつつ、基材との密着性に優れ、かつ高い強度を有する塗膜を形成することができるため、好ましい。
[光重合開始剤(C1)]
光重合開始剤(C1)は、活性エネルギー線を吸収して、フリーラジカル(中間体の形態でも)を発生する化合物であり、2種以上の化合物の混合物であってもよい。光重合開始剤(C1)としては、光化学的に活性化可能な化合物(たとえばベンゾイン)、発色団と共開始剤(たとえばベンゾフェノン及び第三級アミン)との組合せ及びこれらの混合物、増感剤と、共開始剤との(たとえばチオキサントンと第三級アミン)又は発色団との(たとえばチオキサントンとアミノケトン)の組合せ、Hと鉄(II)塩との組合せ等のレドックス系、染料及びホウ酸塩及び/又はアミン等の電子輸送ペアー等を挙げることができる。
光重合開始剤(C1)として具体的には、例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン化合物;ベンゾイン等のアシロイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル化合物;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン化合物;ベンゾフェノン、o−メチルベンゾイルベンゾエート、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;ミヒラーケトン化合物;アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、α−イソヒドロキシイソブチルフェノン、α,α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等のアセトフェノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(アシル)フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン;フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン、トリス(トリハロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等を挙げることができる。
光重合開始剤(C1)の市販品としては、例えば、イルガキュア(IRGACURE)−127、イルガキュア−184、イルガキュア−261、イルガキュア−369、イルガキュア−500、イルガキュア−651、イルガキュア−754、イルガキュア−819、イルガキュア−907、イルガキュア−CGI−1700、イルガキュア−2959、イルガキュア−TPO、ダロキュア(Darocur)−1173(以上、BASF社製、商品名);カヤキュアー−DETX−S、カヤキュアー−EPA(以上、日本化薬社製、商品名);ESACURE KIP 150、ESACURE ONE(LAMBERTI社製、商品名);SB−PI701、SB−PI703、SB−PI704、SB−PI705、SB−PI707、SB−PI710、SB−PI711、SB−PI712、SB−PI714、SB−PI716、SB−PI718、SB−PI719、SB−PI751、SB−PI759、SB−PI769、SB−PI777、SB−PI799、SB−PI818、SB−PI850、SB−PI865、SB−PI8100(以上、双邦實業股分有限公司社製、商品名)等を挙げることができる。
上記光重合開始剤(C1)は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また前記2個以上の光重合開始部を有する光重合開始剤(C1−1)とそれ以外の光重合開始剤とを併用することもできる。
[熱重合開始剤(C2)]
熱重合開始剤(C2)は、加熱により、フリーラジカル(中間体の形態でも)を発生する化合物又はこれらの化合物の混合物である。熱重合開始剤(C2)としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等を挙げることができる。
熱重合開始剤(C2)の市販品としては、例えば、VA−044、VA−046B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、V−60、V−70、V−65、V−601、V−59、V−40、VF−096、VAm−110(以上、和光純薬工業社製、商品名)、パーブチルH、パーオクタO(以上、日油社製、商品名)等を挙げることができる。
上記熱重合開始剤(C2)は、必要に応じて、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用して、レドックス開始剤としてもよい。上記熱重合開始剤(C2)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔塗料組成物(1)〕
本発明で使用される塗料組成物(1)は、以上に述べたウレタン(メタ)アクリレート(A)、重合性不飽和化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する塗料組成物である。
塗料組成物(1)におけるウレタン(メタ)アクリレート(A)、重合性不飽和化合物(B)及び重合開始剤(C)の不揮発分の配合割合は、形成される塗膜と基材との密着性、塗膜強度の観点から、該塗料組成物(1)の不揮発分を合計100質量部としたときに下記の範囲内であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A):好ましくは10〜70質量部、より好ましくは20〜65質量部、さらに好ましくは30〜60質量部。
重合性不飽和化合物(B):好ましくは1〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部、さらに好ましくは1〜10質量部。
重合開始剤(C):好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15質量部、さらに好ましくは1〜10質量部。
なお本明細書において、不揮発分とは、塗料組成物を構成する成分のうち溶剤を除くすべての成分をいう。
〔重合性不飽和化合物(D)〕
塗料組成物(1)は、塗膜外観、形成される塗膜と基材との密着性及び塗膜強度の観点から、前記成分(A)及び(B)以外の重合性不飽和化合物として、さらに、重量平均分子量が200以上550未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する重合性不飽和化合物(D)を含有することが好ましい。なかでも、重合性不飽和化合物(D)は、形成される塗膜と基材との密着性、塗膜強度の観点から、1分子内に、平均して2〜4個、好ましくは2〜3個の重合性不飽和基を有するのがよい。
また、上記重合性不飽和化合物(D)の重量平均分子量は、上記のように200以上550未満である。重量平均分子量が200未満であると、形成される塗膜と基材との密着性が悪化し、逆に550以上であると、塗膜外観、形成される塗膜と基材との密着性及び塗膜強度が悪化する。上記重合性不飽和化合物(D)の重量平均分子量は、塗膜外観、形成される塗膜と基材との密着性、塗膜強度の観点から、好ましくは200〜400であり、さらに好ましくは200〜300である。
また、上記重合性不飽和化合物(D)の不飽和基当量は、塗膜外観、形成される塗膜と基材との密着性、塗膜強度の観点から、100〜250g/molが好ましく、100〜200g/molがさらに好ましく、100〜150g/molがさらに特に好ましい。
上記重合性不飽和化合物(D)としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等が挙げられる。具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、イソソルバイドジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物;グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;その他、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記重合性不飽和化合物(D)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、形成される塗膜と基材との密着性の観点から、前記重合性不飽和化合物(D)としては、ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和化合物(D’)が好ましい。
塗料組成物(1)が重合性不飽和化合物(D)を含有する場合、塗料組成物(1)におけるウレタン(メタ)アクリレート(A)、重合性不飽和化合物(B)、重合開始剤(C)及び重合性不飽和化合物(D)の不揮発分の配合割合は、形成される塗膜と基材との密着性、塗膜強度の観点から、該塗料組成物(1)の不揮発分を合計100質量部としたときに下記の範囲内であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A):好ましくは10〜70質量部、より好ましくは25〜65質量部、さらに好ましくは30〜60質量部。
重合性不飽和化合物(B):好ましくは1〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部、さらに好ましくは1〜10質量部。
重合開始剤(C):好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15質量部、さらに好ましくは1〜10質量部。
重合性不飽和化合物(D):好ましくは10〜80質量部、より好ましくは15〜70質量部、さらに好ましくは20〜60質量部。
また、上記重合性不飽和化合物(D)の少なくとも1種として、前記ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和化合物(D’)を使用する場合、該ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和化合物(D’)の不揮発分の配合割合は、形成される塗膜と基材との密着性、塗膜強度の観点から、塗料組成物(1)の不揮発分を合計100質量部としたときに、好ましくは5〜75質量部、より好ましくは8〜65質量部、さらに好ましくは10〜55質量部の範囲内である。
塗料組成物(1)は、さらに、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含有することができる。上記紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等を使用できる。また、上記紫外線吸収剤は、重合性不飽和基を有するものであってもよい。
ベンゾトリアゾール系吸収剤の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
トリアジン系吸収剤の具体例としては、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジ、2-[4((2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)-オキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジ、2-[4-((2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)-オキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジ、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
サリチル酸誘導体系吸収剤の具体例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
ベンゾフェノン系吸収剤の具体例としては、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、ナトリウム2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジベンゾイルレゾルシノール、4,6−ジベンゾイルレゾルシノール、ヒドロキシドデシルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
また、上記紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、TINUVIN 900、TINUVIN 928、TINUVIN 348−2、TINUVIN 479、TINUVIN 405、TINUVIN 400、(BASF社製、商品名、TINUVIN\チヌビンは登録商標)、RUVA 93(大塚化学社製、商品名)等が挙げられる。
塗料組成物(1)が、上記紫外線吸収剤を含有する場合、該紫外線吸収剤の配合量は、塗料組成物(1)の不揮発分総量に対して、0.5〜10質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.8〜9質量%、さらに好ましくは1.0〜8質量%である。
前記光安定剤は、塗膜の劣化過程で生成する活性なラジカル種を捕捉するラジカル連鎖禁止剤として用いられるもので、例えば、ヒンダードアミン化合物の光安定剤等が挙げられる。
光安定剤のなかで優れた光安定化作用を示す光安定剤としてヒンダードピペリジン化合物が挙げられる。ヒンダードピペリジン化合物としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2’,6,6’−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル){[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}ブチルマロネート等のモノマータイプのもの;ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]}等のオリゴマータイプのもの;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとコハク酸とのポリエステル化物等のポリエステル結合タイプのもの等が挙げられるが、これらに限ったものではない。光安定剤としては、また、公知の重合性光安定剤も使用することが可能である。
前記光安定剤の市販品としては、例えば、TINUVIN 123、TINUVIN 152、TINUVIN 292(BASF社製、商品名、TINUVIN\チヌビンは登録商標)、HOSTAVIN 3058(クラリアント社製、商品名、Hostavinは登録商標)、アデカスタブLA−82(株式会社ADEKA製、商品名、アデカスタブ\ADKSTAB及びアデカスタブは登録商標)等が挙げられる。
塗料組成物(1)が、上記光安定剤を含有する場合、該光安定剤の配合量は、該塗料組成物(1)の不揮発分総量に対して、0.5〜10質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.8〜9質量%、さらに好ましくは1.0〜8質量%である。
塗料組成物(1)は、さらに、前記成分(A)、(B)及び(D)以外の重合性不飽和化合物を含有してもよい。上記成分(A)、(B)及び(D)以外の重合性不飽和化合物としては、1分子内に1個の重合性不飽和基を有する化合物を好適に使用することができる。
上記成分(A)、(B)及び(D)以外の重合性不飽和化合物としては、例えば、一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、水酸基含有(メタ)アクリレート、グリシジル基含有(メタ)アクリレート、ビニル芳香族化合物、含窒素アルキル(メタ)アクリレート、重合性アミド化合物、重合性不飽和基を有する加水分解性シラン化合物等が挙げられる。中でも、一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、水酸基含有(メタ)アクリレート、含窒素アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
グリシジル基含(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等が挙げられる。
含窒素アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
重合性アミド化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
重合性不飽和基を有する加水分解性シラン化合物としては、例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン等が挙げられる。
塗料組成物(1)は、さらに必要に応じて、架橋剤、溶媒、顔料、触媒、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤、乳化剤、界面活性剤、防汚剤、湿潤剤、増粘剤、染料、耐擦り傷性向上剤、ツヤ調整剤等の塗装の分野で通常使用される他の添加成分等を適宜含有することができる。
上記架橋剤としては、例えば、カルボジイミド化合物等を使用することができ、前記成分(A)及び(B)の少なくとも1種が水酸基を有する場合には前記ポリイソシアネート化合物(b1)、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂等を使用することもできる。
前記溶媒としては、例えば、有機溶剤、水等を使用することができる。該有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールエーテル類;芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
なお、塗料組成物(1)は、不揮発分が90〜100質量%、好ましくは95〜100質量%、より好ましくは98〜100質量%を占める、いわゆる無溶媒型の塗料であって、活性エネルギー線硬化型の塗料組成物であることが好ましい。
前記顔料としては、例えば、光輝性顔料、着色顔料、体質顔料等を挙げることができる。該顔料は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムも含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、ガラスフレーク、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された雲母等が挙げられる。
前記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、遮熱顔料などが挙げられる。
前記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられる。
塗料組成物(1)が、上記顔料を含有する場合、該顔料の配合量は、形成される塗膜と基材との密着性、塗膜強度の観点から、該塗料組成物(1)中の重合性不飽和化合物の総量を100質量部としたときに、0.1〜40質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは3〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部である。
次に、工程(2)について説明する。
本発明の塗膜形成方法における工程(2)は、前記工程(1)で準備された塗料組成物(1)を基材上に塗布する工程である。
基材の材質としては、特に制限はなく、無機材料若しくは有機材料、または有機材料と無機材料とのハイブリッド材料のいずれであってもよい。
前記無機材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛合金(例えば、Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等)メッキ鋼等の金属材料;ガラス;セメント;コンクリート等が挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1、2−ジフェノキシエタン−4、4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレートなどのようなポリエステル樹脂、エピコート(商品名:油化シェルエポキシ(株)製)などの市販品に代表されるエポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン(AES)樹脂、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、各種の繊維強化プラスチック材料(Fiber
Reinforced Plastics:以下FRP材料又は単にFRPという。)等を挙げることができる。
中でも、基材の材質としては、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン(AES)樹脂、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)樹脂及びポリカーボネート樹脂が好ましく、塩化ビニル樹脂がとくに好ましい。
一般に、塩化ビニル樹脂は加工性に優れるため、複雑形状を有する物品の基材として用いられることが比較的多く、本発明の方法を適用した場合にその効果がさらに高まる。また、基材は、単に平面からなる単純な形状に加え、例えば複数の平面および/または曲面が組み合わせられてなる複雑形状であることができる。とくに複雑形状である場合、一般的に塗料組成物からなる塗膜との密着性が不十分な部分が発生しやすく、本発明の方法を適用した場合にその効果がさらに高まる。
また基材は、例えば、前記無機材料若しくは前記有機材料、または有機材料と無機材料とのハイブリッド材料等の材料上に、プライマー塗料、カチオン電着塗料、中塗り塗料または上塗り塗料等が塗装され、予めプライマー層、電着塗膜層、中塗り層または上塗り層等が形成されたものであってもよい。
基材は、プラズマ処理、コロナ放電処理、活性エネルギー線処理、火炎処理、ブラスト処理、研磨処理などから選択された少なくとも1種の物理的方法による処理(物理的処理)を行ったものであってもよい。
また、本発明の塗料組成物(1)が塗装される被塗物の用途としては、特に制限されず、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体の外板部;バンパー、センターピラー、ミラー、ドアハンドル、インストルメント・パネル、ドアトリム、センターコンソール等の自動車用内外装部品;椅子、化粧鏡、窓枠、門扉等の家具建材関連部品;携帯電話、オーディオ機器等の家庭電気製品の外板部等を挙げることができる。
塗料組成物(1)を基材上に塗布する方法は、特に限定されるものではない。例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機、浸漬塗装、アプリケーター、刷毛、ローラー等により塗布することができる。塗布の際、静電印加を行ってもよい。塗布膜厚は、硬化膜厚で通常10〜100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好ましくは10〜40μmの範囲内とすることができる。
なお、塗料組成物(1)は、直接基材上に塗布することが好ましい。
本発明の塗膜形成方法における工程(2)では、工程(2)の実施中に、塗料組成物(1)と接する基材の界面が、28〜70℃の範囲内の温度に到達することを特徴としている。この工程(2)によって、塗料組成物(1)中のウレタン(メタ)アクリレート(A)及び重合性不飽和化合物(B)が基材表面の比較的内部に浸透し、後の工程(3)において、該浸透した重合性不飽和化合物(B)と基材表面上のウレタン(メタ)アクリレート(A)及び重合性不飽和化合物(B)とが重合して硬化塗膜が形成されるため、基材と塗膜との密着性が優れたものとなると推察される。
ここで、「工程(2)の実施中」とは、「塗料組成物(1)の塗布を開始した瞬間から、塗料組成物(1)の塗布が終了するまでの間」を指す。
塗料組成物(1)と接する基材の界面を28〜70℃の範囲内の温度に到達させる方法は、具体的には次の方法が挙げられる。
(a)塗料組成物(1)を塗布する前に、塗料組成物(1)が塗布される基材の表面(界面)を加熱し、該基材の表面を28〜70℃の範囲内の温度に到達させる。その後、塗料組成物(1)を基材上に塗布する。なお、塗料組成物(1)が基材と接触した時点で、前記基材の界面が28〜70℃の範囲にあれば本発明の効果を奏することができる。したがって、塗料組成物(1)を基材上に塗布した後の、前記基材の界面の温度を前記温度範囲に維持する時間については任意であり、例えば2秒〜60秒程度である。
(b)基材の表面に、加熱した塗料組成物(1)を塗布し、該基材の界面を28〜70℃の範囲内の温度に到達させる。塗料組成物(1)の温度は、例えば、28〜70℃、好ましくは30〜60℃、より好ましくは30〜50℃の範囲内とすることができる。
(c)塗料組成物(1)を塗布する前に、塗料組成物(1)が塗布される基材の表面を加熱し、かつ、基材の表面に、加熱した塗料組成物(1)を塗布し、該基材の界面を28〜70℃の範囲内の温度に到達させる。
なお、上記手段(a)〜(c)において、基材の表面に塗布された塗料組成物(1)は未硬化の状態である。
上記方法(a)〜(c)における加熱方法としては、この分野において公知の手法を適宜用いることができる。具体的には、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等を用いることができる。
本発明では、前記方法(a)、(b)または(c)が好ましく、方法(a)または(b)がさらに好ましい。方法(a)がさらに好ましい理由は、短時間で前記基材の界面の温度が上昇する;工程(2)の実施時間が短くなるため、塗膜の表面欠陥の起きる可能性が低くなる;基材の加熱に特別な装置を用意することなく、例えば基材保管庫内の温度を上昇させる等の単純な方法であることができるため、低コストである;等が挙げられる。方法(b)がさらに好ましい理由は、基材の加熱に特別な装置を用意することなく、例えば塗装機や塗料タンクの加温設備導入等の単純な方法であることができるため、低コストである、等が挙げられる。本発明では、方法(a)がとくに好ましい。
本発明では、工程(2)の実施中に、塗料組成物(1)と接する基材の界面が、28〜60℃の範囲内の温度に到達することが好ましく、28〜50℃の範囲内の温度に到達することがさらに好ましい。
次に、工程(3)について説明する。
本発明の塗膜形成方法における工程(3)は、前記工程(2)で塗布された基材上の塗料組成物(1)を硬化させる工程である。
工程(3)において、前記重合開始剤(C)が光重合開始剤(C1)である場合は活性エネルギー線を前記塗料組成物(1)に照射し、塗布された基材上の塗料組成物(1)を硬化させることができる。
[活性エネルギー線照射]
照射される活性エネルギー線としては、公知のものを使用することができる。具体的には、紫外線、可視光線、レーザー光(近赤外線レーザー、可視光レーザー、紫外線レーザー等)、マイクロ波、電子ビーム、電磁波等を挙げることができる。これらの活性エネルギー線のうち、経済性の観点から、紫外線が好ましい。
活性エネルギー線の照射は、前記工程(2)で塗布された基材上の塗料組成物(1)に存在する光重合開始剤(C1)が吸収することができる波長の電磁波を発する任意の光源を用いて行うことができる。このような光源は通常、波長200nm〜2,000nmの範囲の電磁波を発するものである。
活性エネルギー線の照射源としては、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、超高圧、高圧、中圧、低圧の水銀灯、無電極ランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タングステン灯、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)、太陽光等を使用することができる。また、パルス発光型の活性エネルギー線照射装置も使用することができる。
また、活性エネルギー線の照射は、全領域及び/又は一部を、例えば、マスクを介して行っても、レーザービームを用いて行ってもよい。その手段によって特定の領域だけの塗膜の硬化を行うことも可能である。
活性エネルギー線の照射量は、通常、例えば、高圧水銀灯の場合は、50〜3,000mJ/cm、メタルハライドランプの場合は、100〜5,000mJ/cm、特に高圧水銀灯の場合は、100〜1,000mJ/cm、メタルハライドランプの場合は、500〜2,000mJ/cmの範囲内であることが好ましい。活性エネルギー線の照射は、空気中又は不活性ガス下で行うことができる。不活性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等又はこれらの混合物を使用することができる。
また、活性エネルギー線による硬化と併せて、加熱を行ってもよい。加熱手段としては、例えば、熱風、熱ガス、赤外線ヒーター、IRラジエータ、オーブン、熱ローラー及びマイクロ波等を使用することができる。加熱を行う場合、加熱条件は、生産性、作業性及び基材の熱安定性等の観点から決定されるが、加熱温度は30〜120℃、特に、50〜90℃の範囲内であることが好ましく、加熱時間は1〜60分間、特に1〜20分間の範囲内であることが好ましい。
加熱を行う場合、活性エネルギー線照射及び加熱の順序は特に限定されず、活性エネルギー線照射の後に加熱を行ってもよく、加熱の後に活性エネルギー線照射を行ってもよく、活性エネルギー線照射と加熱とを同時に行ってもよい。
また、活性エネルギー線照射と加熱とを同時に行う際には、活性エネルギー線の照射源からの熱(例えばランプが発する熱)を熱源としてもよい。さらに、加熱の後に活性エネルギー線照射を行う際には、塗料組成物の塗布された基材が熱を帯びた状態(余熱を持った状態)で活性エネルギー線照射を行ってもよい。
また、前記重合開始剤(C)が熱重合開始剤(C2)である場合は前記塗料組成物(1)を加熱することにより、塗布された基材上の塗料組成物(1)を硬化させることができる。
[加熱]
加熱は、この分野において公知の手法を適宜使用することができる。具体的には、例えば、熱風、熱ガス、赤外線ヒーター、IRラジエータ、オーブン、熱ローラー及びマイクロ波等を使用して行うことができる。本発明においては、作業の容易性及び低温で行うことができること等の観点から、熱風、赤外線ヒーターなどにより加熱を行うことが好ましい。
前記加熱の温度は、生産性、作業性及び基材の熱安定性等の観点から、30〜150℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは40〜140℃、さらに好ましくは50〜130℃である。また、前記加熱の時間は、1〜60分間の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1〜40分間である。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらにより限定されない。各例において、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準による。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づく。
下記例で使用した各成分は以下の通りである。
[ウレタン(メタ)アクリレート(A)]
ウレタン(メタ)アクリレート(A−1):重量平均分子量が3,000であり、Tgが40℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して2個のアクリロイル基を有し、1分子内に20個のポリオキシエチレン鎖と12個のシクロヘキサン環とを有する化合物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A−2):重量平均分子量が2,400であり、Tgが26℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して2個のアクリロイル基を有し、1分子内に20個のポリオキシエチレン鎖を有する化合物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A−3):重量平均分子量が3,200であり、Tgが45℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して2個のアクリロイル基を有し、1分子内に12個のシクロヘキサン環を有する化合物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A−4):重量平均分子量が2,600であり、Tgが23℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して2個のアクリロイル基を有するが、1分子内にポリオキシエチレン鎖およびシクロヘキサン環を持たない化合物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A−5):重量平均分子量が1,500であり、Tgが37℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して3個のアクリロイル基を有し、1分子内に2個のポリオキシエチレン鎖と2個のイソシアヌレート環とを有する化合物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A−6):重量平均分子量が1,400であり、Tgが48℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して3個のアクリロイル基を有し、1分子内に2個のイソシアヌレート環を有する化合物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A−7):重量平均分子量が850であり、Tgが44℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して2個のアクリロイル基を有し、1分子内に2個のポリオキシエチレン鎖と4個のシクロヘキサン環とを有する化合物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A−8):重量平均分子量が9,800であり、Tgが38℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して2個のアクリロイル基を有し、1分子内に80個のポリオキシエチレン鎖と42個のシクロヘキサン環とを有する化合物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A−9):「EBECRYL 8402」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、重量平均分子量1,000、重合性不飽和基数2)
[重合性不飽和化合物(B)]
重合性不飽和化合物(B−1):アクリル酸(重量平均分子量72、重合性不飽和基数1)。
重合性不飽和化合物(B−2):「β−CEA」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、β−カルボキシエチルアクリレート、重量平均分子量144、重合性不飽和基数1)。
重合性不飽和化合物(B−3):「アロニックスM5300」(商品名、東亜合成社製、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、重量平均分子量300、重合性不飽和基数1)。
重合性不飽和化合物(B−4):「サートマーSR9050」(商品名、サートマー社製、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、重量平均分子量210)。
[重合開始剤(C)]
重合開始剤(C−1):「IRGACURE 907」(商品名、BASF社製、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)
重合開始剤(C−2):「IRGACURE TPO」(商品名、BASF社製、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)
重合開始剤(C−3):「DETX−S」(商品名、日本化薬社製、2,4−ジエチルチオキサントン、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)
重合開始剤(C−4):「パーオクタ O」(商品名、日油社製、熱重合開始剤、不揮発分含有率100%)
[重合性不飽和化合物(D)]
重合性不飽和化合物(D−1):「ライトアクリレート3EG−A」(商品名、共栄社化学社製、トリエチレングリコールジアクリレート、重量平均分子量258、重合性不飽和基数2)。
重合性不飽和化合物(D−2):「SR230」(商品名、サートマー社製、ジエチレングリコールジアクリレート、重量平均分子量212、重合性不飽和基数2)
重合性不飽和化合物(D−3):「NKエステル A−400」(商品名、新中村化学工業社製、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、重量平均分子量508、重合性不飽和基数2)
重合性不飽和化合物(D−4):「HDDA」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、重量平均分子量226、重合性不飽和基数2)。
重合性不飽和化合物(D−5):「Irr214K」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、重量平均分子量300、重合性不飽和基数2)
重合性不飽和化合物(D−6):「ニューフロンティアHPN」(商品名、第一工業製薬社製、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、重量平均分子量312、重合性不飽和基数2)
重合性不飽和化合物(D−7):「アロニックスM−315」(商品名、東亞合成社製、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ及びトリアクリレート、重量平均分子量387、重合性不飽和基数3)
上記重合性不飽和化合物(D−1)〜(D−7)のうち、重合性不飽和化合物(D−1)〜(D−3)は、ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和化合物(D’)である。
[その他の重合性不飽和化合物]
「ACMO」:商品名、KJケミカルズ株式会社製、4−アクリロイルモルホリン
「HEAA」:商品名、KJケミカルズ株式会社製、ヒドロキシエチルアクリルアミド
「IBOA−B」:商品名、ダイセル・オルネクス株式会社製、イソボルニルアクリレート
「ライトアクリレートEC−A」:商品名、共栄社化学社製、エトキシジエチレングリコールアクリレート
[その他の添加剤]
「TINUVIN 400」:商品名、BASF製、紫外線吸収剤
「TINUVIN 292」:商品名、BASF製、光安定剤
「BYK−333」:商品名、BYK製、表面調整剤
酢酸ブチル:有機溶剤
「TAROX LL−50」:商品名、チタン工業社製、酸化鉄顔料
「トダカラー KN−O」:商品名、戸田工業社製、酸化鉄顔料
「JR−806」:商品名、テイカ社製、酸化チタン顔料
「カーボンMA−100」:商品名、三菱化学社製、カーボンブラック顔料
「BYK−168」:商品名、BYK社製、顔料分散剤
実施例1
[塗料組成物(1)の製造]
下記表1に示す配合割合(質量部)において、各種成分を混合し、塗料組成物(1)を調製した。すなわち:
ウレタン(メタ)アクリレート(A-1)40部(不揮発分40部)、
重合性不飽和化合物(B-)2部(不揮発分2部)、
重合開始剤(C-1)「IRGACURE 907」(商品名、BASF社製、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)1部、
重合開始剤(C-2)「IRGACURE TPO」(商品名、BASF社製、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)4部、
重合開始剤(C-3):「KAYACURE DETX-S」(商品名、日本化薬社製、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)1部、
重合性不飽和化合物(D-1):「ライトアクリレート3EG-A」(商品名、共栄社化学社製、トリエチレングリコールジアクリレート、重量平均分子量258、重合性不飽和基数2)20部、
重合性不飽和化合物(D-4):「HDDA」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、重量平均分子量226、重合性不飽和基数2)10部、
重合性不飽和化合物(D-5):「Irr214K」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、重量平均分子量300、重合性不飽和基数2)20部、
「ACMO」(商品名、KJケミカルズ社製、4-アクリロイルモルホリン、重量平均分子量141、重合性不飽和基数1)8部(不揮発分8部)、
「TINUVIN 400」(商品名、BASF社製、トリアジン系紫外線吸収剤、不揮発分含有率100%)2部、
「TINUVIN 292」(商品名、BASF社製、ヒンダードアミン系光安定剤、不揮発分含有率100%)2部及び
「BYK-333」(商品名、ビックケミー社製、シリコン系表面調整剤、不揮発分含有率100%)0.1部を均一に混合して、塗料組成物(1)を得た。
[試験板の作製]
100mm×150mm×3.0mmの塩化ビニル基材(PVC)を50℃まで加温した後、23℃で静置し、非接触型温度計「THERMO−HUNTER PT−80」(OPTEX社製、商品名、長距離狭視野測定タイプのポータブル型非接触温度計)で該塩化ビニル基材の表面温度を連続測定した。該塩化ビニル基材の表面温度が30℃となった時に、該塩化ビニル基材上に、塗料温度23℃に保持しておいた製造例1で得た塗料組成物(1−1)を、バーコーターを用いて硬化塗膜の膜厚が30μmとなるように塗装した。続いて、23℃で1分間セッティングを行い、その後、メタルハライドランプを用いて400mW/cm、1,000mJ/cmのUV照射を行い、試験板を作製した。
[試験板の評価]
得られた各試験板について、各種試験を行った。評価結果を表1に示す。
(試験方法)
密着性:各試験板の塗面にJIS K 5600−5−6(1990)に準じて2mm×2mmのゴバン目100個を作り、その面に粘着テープを貼着し、急激に剥がした後のゴバン目塗膜の残存状態を調べ、下記基準で付着性を評価した。表中◎、○、○−、△、×はそれぞれ以下を意味し、◎、○及び○−が合格を意味する。
◎:残存個数/全体個数=100個/100個で縁欠けなし
○:残存個数/全体個数=100個/100個で縁欠けした残存塗膜が10個未満
○−:残存個数/全体個数=100個/100個で縁欠けした残存塗膜が10個以上
△:残存個数/全体個数=90〜99個/100個
×:残存個数/全体個数=0〜89個/100個
鉛筆硬度:JIS K 5600−5−4(1999)「引っかき硬度(鉛筆法)」に準拠して、各試験板の塗面の鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度は3B<2B<B<HB<F<Hの順であり、鉛筆硬度がHB以上であれば硬度は良好であるが、鉛筆硬度がBであっても密着性が○以上であれば、塗膜として概ね良好な結果であると言える。
実施例2〜9
ウレタン(メタ)アクリレート(A)及びその他の重合性不飽和化合物の種類を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表1に示す。
Figure 0006602358
実施例10〜15
重合性不飽和化合物(B)及びその他の重合性不飽和化合物の種類を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
Figure 0006602358
実施例16〜18
基材の表面温度を表3に示すように変更したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表3に示す。
Figure 0006602358
実施例19〜27
塗料組成物(1)における重合性不飽和化合物の不揮発分を合計100質量部としたときの、ウレタン(メタ)アクリレート(A)および重合性不飽和化合物(B)の不揮発分、その他の重合性不飽和化合物、または、塗料組成物(1)中の不揮発分を表4に示すように調整したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表4に示す。
Figure 0006602358
実施例28〜34
前記成分(A)及び(B)以外の重合性不飽和化合物(D)を表5に示す配合割合(質量部)において含有すること以外は、実施例10を繰り返した。結果を表5に示す。
Figure 0006602358
実施例35〜38
実施例10において、基材の加熱を省略し、塗料組成物(1)の温度を表6のように変更し、工程(2)における基材の表面温度を表6に示すように調整したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表6に示す。
Figure 0006602358
実施例39
実施例10において、重合開始剤を表7に示すように変更したこと、および、メタルハライドランプを用いてのUV照射を行う代わりに、80℃で30分間加熱を行った以外は、実施例10を繰り返した。結果を表7示す。
Figure 0006602358
実施例40〜43
基材の材質を表8に示すように変更したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表8に示す。
ABS=アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
AES=アクリロニトリル−エチレン−スチレン
ASA=アクリロニトリル−スチレン−アクリレート
PC=ポリカーボネート
Figure 0006602358
実施例44〜47
硬化塗膜の膜厚を表9に示すように変更したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表9に示す。
Figure 0006602358
実施例48〜51
重合性開始剤(C)、重合性不飽和化合物(D)、その他の重合性不飽和化合物を表10に示すように変更したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表10に示す。
Figure 0006602358
比較例1〜4
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の種類を表11に示すように変更したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表11に示す。
比較成分(a−1)=ウレタン(メタ)アクリレート:重量平均分子量が2,900であり、Tgが40℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して1個のアクリロイル基を有し、1分子内に20個のポリオキシエチレン鎖と12個のシクロヘキサン環とを有する化合物。
比較成分(a−2)=ウレタン(メタ)アクリレート:重量平均分子量が490であり、Tgが42℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して2個のアクリロイル基を有し、1分子内に2個のシクロヘキサン環を有する化合物。
比較成分(a−3)=ウレタン(メタ)アクリレート:重量平均分子量が11,000であり、Tgが29℃であり、上記(a1)〜(a5)成分を適宜選択して反応させて得られた、1分子内に平均して2個のアクリロイル基を有し、1分子内に128個のポリオキシエチレン鎖と32個のシクロヘキサン環とを有する化合物。
Figure 0006602358
比較例5〜9
重合性不飽和化合物(B)の種類を表12に示すように変更したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表12に示す。
比較成分(b−1)=重合性不飽和化合物:「EBECRYL 114」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、エトキシフェニルアクリレート、重量平均分子量192、重合性不飽和基数1)
比較成分(b−2)=重合性不飽和化合物:「IBOA−B」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、イソボルニルアクリレート、重量平均分子量208、重合性不飽和基数1)
比較成分(b−3)=重合性不飽和化合物:「ODA−N」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、オクチル/デシルアクリレート、重量平均分子量200、重合性不飽和基数1)
Figure 0006602358
比較例10〜13
基材の表面温度を表13に示すように変更したこと以外は、実施例10を繰り返した。結果を表13に示す。
Figure 0006602358
[顔料分散液の製造]
製造例1
「ライトアクリレート3EG−A」(商品名、共栄社化学社製、トリエチレングリコールジアクリレート)(D−1)5部(不揮発分5部)、「ACMO」(商品名、KJケミカルズ株式会社製、4−アクリロイルモルホリン)5部(不揮発分5部)、「BYK−168」(商品名、BYK社製、顔料分散剤、不揮発分30%)3部(不揮発分0.9部)、「TAROX LL−50」(商品名、チタン工業社製、酸化鉄顔料)4.6部、「トダカラー KN−O」(商品名、戸田工業社製、酸化鉄顔料)1.7部、「JR−806」(商品名、テイカ社製、酸化チタン顔料)2.6部及び「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック顔料)0.2部を広口ガラスビン中に入れ、ガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェーカーで30分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散液(P−1)を得た。
製造例2
「ライトアクリレート3EG−A」(商品名、共栄社化学社製、トリエチレングリコールジアクリレート)(D−1)5部(不揮発分5部)、「ACMO」(商品名、KJケミカルズ株式会社製、4−アクリロイルモルホリン)5部(不揮発分5部)、「BYK−168」(商品名、BYK社製、顔料分散剤、不揮発分30%)3部(不揮発分0.9部)、「TAROX LL−50」(商品名、チタン工業社製、酸化鉄顔料)0.1部、「トダカラー KN−O」(商品名、戸田工業社製、酸化鉄顔料)0.1部、「JR−806」(商品名、テイカ社製、酸化チタン顔料)15部及び「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック顔料)0.2部を広口ガラスビン中に入れ、ガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェーカーで30分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散液(P−2)を得た。
製造例3
「EBECRYL 8402」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、重量平均分子量1,000、重合性不飽和基数2)(A−9)2.5部(不揮発分2.5部)、「ライトアクリレート3EG−A」(商品名、共栄社化学社製、トリエチレングリコールジアクリレート)(D−1)5部(不揮発分5部)、「ライトアクリレートEC−A」(商品名、共栄社化学社製、エトキシジエチレングリコールアクリレート)2.5部(不揮発分2.5部)、「BYK−168」(商品名、BYK社製、顔料分散剤、不揮発分30%)3部(不揮発分0.9部)、「TAROX LL−50」(商品名、チタン工業社製、酸化鉄顔料)4.6部、「トダカラー KN−O」(商品名、戸田工業社製、酸化鉄顔料)1.7部、「JR−806」(商品名、テイカ社製、酸化チタン顔料)2.6部及び「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック顔料)0.2部を広口ガラスビン中に入れ、ガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェーカーで30分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散液(P−3)を得た。
製造例4
「EBECRYL 8402」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、重量平均分子量1,000、重合性不飽和基数2)(A−9)2.5部(不揮発分2.5部)、「ライトアクリレート3EG−A」(商品名、共栄社化学社製、トリエチレングリコールジアクリレート)(D−1)5部(不揮発分5部)、「ライトアクリレートEC−A」(商品名、共栄社化学社製、エトキシジエチレングリコールアクリレート)2.5部(不揮発分2.5部)、「BYK−168」(商品名、BYK社製、顔料分散剤、不揮発分30%)3部(不揮発分0.9部)、「TAROX LL−50」(商品名、チタン工業社製、酸化鉄顔料)0.1部、「トダカラー KN−O」(商品名、戸田工業社製、酸化鉄顔料)0.1部、「JR−806」(商品名、テイカ社製、酸化チタン顔料)15部及び「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック顔料)0.2部を広口ガラスビン中に入れ、ガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェーカーで30分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散液(P−4)を得た。
実施例52
[塗料組成物(1)の製造]
下記表14に示す配合割合(質量部)において、各種成分を混合し、塗料組成物(1)を調製した。すなわち:
ウレタン(メタ)アクリレート(A−1)40部(不揮発分40部)、
重合性不飽和化合物(B−2)5部(不揮発分5部)、
重合開始剤(C−1)「IRGACURE 907」(商品名、BASF社製、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)1部、
重合開始剤(C−2)「IRGACURE TPO」(商品名、BASF社製、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)4部、
重合開始剤(C−3):「KAYACURE DETX−S」(商品名、日本化薬社製、光重合開始剤、不揮発分含有率100%)1部、
重合性不飽和化合物(D−1):「ライトアクリレート3EG−A」(共栄社化学社製、トリエチレングリコールジアクリレート、重量平均分子量258、重合性不飽和基数2)12部(不揮発分12部)、
重合性不飽和化合物(D−5):「Irr214K」(商品名、ダイセル・オルネクス社製、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、重量平均分子量300、重合性不飽和基数2)10部(不揮発分10部)、
「ACMO」(商品名、KJケミカルズ社製、4−アクリロイルモルホリン、重量平均分子量141、重合性不飽和基数1)7部(不揮発分7部)、
「IBOA−B」(商品名、ダイセル・オルネクス株式会社製、イソボルニルアクリレート、重量平均分子量208、重合性不飽和基数1)10部(不揮発分10部)、
「ライトアクリレートEC−A」(商品名、共栄社化学社製、エトキシジエチレングリコールアクリレート、重量平均分子量188、重合性不飽和基数1)10部(不揮発分10部)、
製造例1で得た顔料分散液(P−1)13.3部(不揮発分12部)、
「TINUVIN 400」(商品名、BASF社製、トリアジン系紫外線吸収剤、不揮発分含有率100%)2部、
「TINUVIN 292」(商品名、BASF社製、ヒンダードアミン系光安定剤、不揮発分含有率100%)2部、及び
「BYK−333」(商品名、ビックケミー社製、シリコン系表面調整剤、不揮発分含有率100%)0.1部を均一に混合して、塗料組成物(1)を得た。
[試験板の作製]
100mm×150mm×3.0mmの塩化ビニル基材(PVC)を50℃まで加温した後、23℃で静置し、非接触型温度計「THERMO−HUNTER PT−80」(OPTEX社製、商品名、長距離狭視野測定タイプのポータブル型非接触温度計)で該塩化ビニル基材の表面温度を連続測定した。該塩化ビニル基材の表面温度が30℃となった時に、該塩化ビニル基材上に、塗料温度23℃に保持しておいた実施例52で得た塗料組成物(1)を、バーコーターを用いて硬化塗膜の膜厚が15μmとなるように塗装した。続いて、23℃で1分間セッティングを行い、その後、メタルハライドランプを用いて400mW/cm、1,000mJ/cmのUV照射を行い、試験板を作製した。
実施例53〜58
塗料組成物(1)中の各成分の種類を表14に示すように変更したこと以外は、実施例52を繰り返した。結果を表14に示す。
実施例59
塗料組成物(1)中の各成分の種類を表14に示すように変更し、以下の通り試験板を作製したこと以外は、実施例52を繰り返した。結果を表14に示す。
[試験板の作製]
100mm×150mm×3.0mmの塩化ビニル基材(PVC)を50℃まで加温した後、23℃で静置し、非接触型温度計「THERMO−HUNTER PT−80」(OPTEX社製、商品名、長距離狭視野測定タイプのポータブル型非接触温度計)で該塩化ビニル基材の表面温度を連続測定した。該塩化ビニル基材の表面温度が30℃となった時に、該塩化ビニル基材上に、塗料温度23℃に保持しておいた実施例52で得た塗料組成物(1)を、バーコーターを用いて硬化塗膜の膜厚が15μmとなるように塗装した。続いて、23℃で1分間セッティングを行い、その後、メタルハライドランプを用いて400mW/cm、1,000mJ/cmのUV照射を行った。続いて、該硬化塗膜上に、塗料温度23℃に保持しておいた実施例52で得た塗料組成物(1)を、バーコーターを用いて硬化塗膜の膜厚が15μmとなるように塗装した。続いて、23℃で1分間セッティングを行い、その後、メタルハライドランプを用いて400mW/cm、1,000mJ/cmのUV照射を行い、試験板を作製した。
実施例60
塗料組成物(1)として実施例52で得た塗料組成物(1)の代わりに、2回とも実施例53で得た塗料組成物(1)を使用したこと以外は、実施例59を繰り返した。結果を表14に示す。
比較例14
塗料組成物(1)中の各成分の種類を表14に示すように変更したこと以外は、実施例52を繰り返した。結果を表14に示す。
Figure 0006602358
以上の結果から、実施例では本発明で規定する工程(1)〜(3)の条件をすべて満たしているので、基材との密着性に優れ、かつ高い強度を有する塗膜を形成することができた。これに対し、比較例では、本発明で規定する工程(1)〜(3)の条件のいずれかを満たしていないので、上記効果を奏することができなかった。

Claims (11)

  1. 工程(1):重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)カルボキシル基、リン酸基及びホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一の基を有する重合性不飽和化合物(B)及び重合開始剤(C)を含有する塗料組成物(1)を準備する工程と、
    工程(2):前記工程(1)で準備された塗料組成物(1)を基材上に塗布する工程と、
    工程(3):前記工程(2)で塗布された基材上の塗料組成物(1)を硬化させる工程と、を有し、
    前記工程(2)の実施中に、前記塗料組成物(1)と接する前記基材の界面が、28〜70℃の範囲内の温度に到達し、
    前記工程(2)が、あらかじめ前記塗料組成物(1)と接する前記基材の界面を28〜70℃の範囲内の温度に加熱した後、前記塗料組成物(1)を前記基材上に塗布する工程であるか、および/または、前記工程(2)が、あらかじめ前記塗料組成物(1)を28〜70℃の範囲内の温度に加熱した後、該塗料組成物(1)を前記基材上に塗布する工程であり、
    前記基材の材質が、塩化ビニル樹脂である
    ことを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 前記塗料組成物(1)が、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の少なくともその1種として、重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基と1個以上のポリオキシアルキレン鎖とを有するウレタン(メタ)アクリレート(A11)を含有する請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 前記塗料組成物(1)が、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の少なくともその1種として、重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基と1個以上のシクロヘキサン環とを有するウレタン(メタ)アクリレート(A12)を含有する請求項1又は2に記載の塗膜形成方法。
  4. 前記塗料組成物(1)が、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の少なくともその1種として、重量平均分子量が550以上10,000未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基と1個以上のイソシアヌレート環とを有するウレタン(メタ)アクリレート(A13)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
  5. 前記塗料組成物(1)が、該塗料組成物(1)の不揮発分を合計100質量部としたときに、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の不揮発分が10〜70質量部であり、かつ前記重合性不飽和化合物(B)の不揮発分が1〜20質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
  6. 前記塗料組成物(1)が、さらに、重量平均分子量が200以上550未満の範囲内であり、かつ、1分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する重合性不飽和化合物(D)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
  7. 前記塗料組成物(1)が、前記重合性不飽和化合物(D)の少なくともその1種として、ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和化合物(D’)を含有する請求項6に記載の塗膜形成方法。
  8. 前記塗料組成物(1)がさらに顔料を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
  9. 前記塗料組成物(1)における前記顔料の配合量が、前記塗料組成物(1)中の重合性不飽和化合物の総量を100質量部としたときに、0.1〜40質量部の範囲内である請求項8に記載の塗膜形成方法。
  10. 前記塗料組成物(1)中、不揮発分が90〜100質量%を占める請求項1〜9のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
  11. 前記工程(3)において、前記重合開始剤(C)が光重合開始剤(C1)である場合は活性エネルギー線を前記塗料組成物(1)に照射し、前記重合開始剤(C)が熱重合開始剤(C2)である場合は前記塗料組成物(1)を加熱する請求項1〜10のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
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